JP2016037567A - 地盤改良用組成物及び地盤改良用組成物の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
セメント製造時の二酸化炭素を削減する目的からは、前記高炉セメントA種は不十分である。高炉セメントB種も十分ではない。さらに、高炉セメントB種は普通ポルトランドセメントを用いたコンクリートに比べて中性化が速く、乾燥収縮が大きいといった課題がある。高炉セメントC種においては二酸化炭素削減効果はより大きくなるものの、上記のB種における中性化、乾燥収縮の問題がさらに強く発現するため、ほとんど利用されていないのが現状である。一方、高炉セメントを中性化の問題が少ない用途に使用する可能性については、種々の検討がなされている。
高炉スラグを用いた地盤改良用組成物の例としては、例えば、本願出願人等が先に提案した、高炉スラグとセッコウ、ポルトランドセメントとを特定の比率で含有する地盤改良用スラリー組成物(例えば、特許文献1参照)、高炉スラグ80質量部〜95質量部、セッコウ5質量部〜20質量部の混合物100質量部に対してアルカリ刺激剤0.5質量部〜1.5質量部又は5質量部〜45質量部を使用した高炉スラグ含有地盤改良用スラリー組成物(例えば、特許文献2参照)、及び、高炉スラグ80質量部〜95質量部、セッコウ5質量部〜20質量部の混合物100質量部に対してアルカリ刺激剤として解体コンクリート微粉末3質量部〜15質量部を使用した地盤改良用スラリー組成物(例えば、特許文献3参照)が挙げられる。
これらの地盤改良用スラリー組成物は、高炉スラグとセッコウ、所定のアルカリ刺激剤との併用により、地盤改良体へ適用した場合、一定の強度と二酸化炭素の削減を達成した。
引用文献2に記載の地盤改良用スラリー組成物では、アルカリ刺激剤が少ないと初期強度が安定せず、アルカリ刺激剤を多く含むと二酸化炭素排出量の削減が不十分であるという問題がある。また、引用文献3に記載の地盤改良用スラリー組成物においても、刺激剤として使用する解体コンクリート微粉末の種類によっては、初期強度が安定しないという懸念があり、得られる地盤改良用組成物の性能を考慮すれば、なお改良の余地があるといえる。
本発明の第2の実施形態は、前記水酸化カルシウムが、消石灰に含まれる水酸化カルシウム、解体コンクリート微粉末に含まれる水酸化カルシウム、焼成ドロマイトに由来する水酸化カルシウム、ポルトランドセメントに由来する水酸化カルシウム、及び生石灰に由来する水酸化カルシウムから選択される少なくとも1種を含む前記第1の実施形態に記載の地盤改良用組成物である。
本発明の第3の実施形態は、前記地盤改良用組成物100質量部に対して、水40質量部〜250質量部を添加し、地盤に注入する、前記第1の実施形態又は第2の実施形態に記載の地盤改良用組成物である。
本発明の第4の実施形態は、前記解体コンクリート微粉末が、解体コンクリート微粉末1質量部と水100質量部とを容器に入れ、30秒間撹拌し、撹拌終了後、1時間静置して得た上澄み液のpHを測定したとき、pHが11以上である解体コンクリート微粉末である、前記第2の実施形態に記載の地盤改良用組成物である。
さらに、アルカリ刺激剤の含有量と、水酸化カルシウムの含有量とを特定の範囲とすることで、高炉スラグとセッコウとの混合物に対し、十分な硬化性を付与しうるため、従来よりも安定な初期強度及び長期強度を発現する地盤改良体を形成することができるものと考えている。
従って、本発明の地盤改良用組成物は、山留工事、地下止水工事、軟弱地盤の改良工事などのいずれの地盤改良用途にも好適に使用しうる。
本明細書において「〜」は、その前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示すものとする。
本明細書において組成物中の各成分の量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。
本発明の地盤改良用組成物は、高炉スラグ80質量%〜95質量%と、セッコウを5質量%〜20質量%とを含み、高炉スラグとセッコウとの合計含有量が100質量%である混合物〔以下、適宜、混合物(A)と称する〕100質量部に対して、刺激剤2質量部〜20質量部を含有する地盤改良用組成物であり、前記地盤改良用組成物100質量部と水30質量部との混合物における水酸化カルシウムの含有量が1.5質量部〜5.0質量部である地盤改良用組成物である。
即ち、本発明の地盤改良用組成物に用いられる混合物(A)は、高炉スラグとセッコウとを上記の含有量で含有する混合物であり、両者の含有比率が上記範囲であることを要する。
このような混合物(A)100質量部に対して、刺激剤を含有させることで、地盤改良用組成物に硬化性を付与しうる。刺激剤の含有量を、混合物(A)100質量部に対して、2質量部〜20質量部の範囲とし、且つ、前記地盤改良用組成物100質量部と水30質量部との混合物における水酸化カルシウムの含有量を1.5質量部〜5.0質量部とすることで、製造時における二酸化炭素の排出量が低減され、また、得られる地盤改良体は優れた強度を発現しうる。
本発明に係る混合物(A)に含まれる各成分について順次説明する。
(1)高炉スラグ
本発明に用いられる高炉スラグは、公知の高炉スラグを特に制限なく使用することができる。
高炉スラグとしては、地盤改良用組成物スラリーとして用いるときの作業性等を考慮すれば、粉末度が2500cm2/g以上13000cm2/g以下のものが好ましく、3000cm2/g以上7000cm2/g以下のものがより好ましい。
高炉スラグの粉末度はJIS R 5201(1997年)記載のセメントの粉末度の測定方法に準じて測定することができる。粉末度は、高炉水砕スラグを粉砕する時の粉砕方法、粉砕条件や粉砕後の分級により制御することができる。
高炉スラグの粉末度が上記範囲であれば、地盤改良用組成物のスラリーの流動性、強度発現性がより良好となる。
混合物に対する高炉スラグの含有量は80質量%〜95質量%の範囲であり、好ましくは85質量%〜90質量%の範囲である。
本発明に用いられるセッコウとしては、二水セッコウ、無水セッコウ、半水セッコウを挙げることができる。これらの中でも、スラリーの流動性、得られる地盤改良体の強度発現性の観点からは、無水セッコウであることが好ましい。
また、本発明におけるセッコウとして、無水セッコウを使用する場合、必ずしも純粋な無水セッコウではなくても、無水セッコウ成分を90質量%以上の純度で含有するものであれば使用することができる。無水セッコウ以外の成分を含有するセッコウとしては、例えば、天然無水セッコウ、副産無水セッコウ等が挙げられ、これらのセッコウも、本発明に使用することができる。
セッコウとしては、組成物を調製する際の取り扱い性が良好であるという観点から、粉末度が2,500cm2/g以上8,000cm2/g以下のセッコウであることが好ましく、粉末度は、3000cm2/g以上6000cm2/g以下のものがより好ましい。なお、セッコウの粉末度は高炉スラグにおける粉末度測定方法と同様の方法で測定しうる。
混合物(A)中のセッコウの含有量は、5質量%〜20質量%であることを要し、好ましくは5質量%〜10質量%の範囲である。
混合物(A)における無水セッコウの含有量が5質量%未満であると、特に初期強度の発現性が低下するため好ましくない。また、セッコウの含有量が20質量%を超えると、地盤改良体の強度発現に十分寄与しない未反応のセッコウが残存し、残存したセッコウが水分などの影響で膨張し、地盤改良体にクラック等が生じる可能性があることから好ましくない。
本発明の地盤改良用組成物は、刺激剤を含有する。
本発明に用いうる刺激剤としては、アルカリ性化合物であって、混合物(A)の硬化反応に寄与しうる化合物であれば特に制限なく使用することができる。
本発明に使用しうる刺激剤としては、水酸化カルシウム、水酸化カルシウムを含有する成分である消石灰、解体コンクリート由来微粉末、及び、水を加えることで水酸化カルシウムが形成される成分である焼成ドロマイト、ポルトランドセメント、生石灰等が挙げられる。
刺激剤の含有量は、既述の混合物(A)100質量部に対して、刺激剤を2質量部〜20質量部であることを要する。刺激剤が多いほど得られる地盤改良体の硬化性が向上するが、刺激剤を、20質量部を超えて含有すると、相対的に硬化に関与する混合物(A)の含有率が低くなり、地盤改良用組成物から得られる地盤改良体の特に長期強度が低下する懸念があり、刺激剤の含有量が2質量部未満であると、硬化性、特に地盤改良体の初期強度発現に影響を及ぼすため、いずれも好ましくない。
再生微粉末は、平均粒径が2.0μm以上20.0μm以下であり、且つ、累積90%粒径が100.0μm以下である微粉末であることが好ましい。
平均粒径(以下、単に「粒径」と称することがある)が上記範囲であれば、水を加えた場合において容易に均一分散され、骨材など、セメント由来成分以外の不純物が少ないため、刺激剤として有効である。粒径は、好ましくは、3.0μm以上15.0μm以下であり、より好ましくは、3.0μm以上10.0μm以下である。
粉末0.05gを、セメント用ポリカルボン酸系分散剤の0.03%水溶液に混ぜて、30秒間超音波分散させた後、レーザー回折・散乱式粒度分布測定装置(マイクロトラックMT3300EXII:日機装(株)製)にて測定を行った。
好ましい粒径を有する再生微粉末は、例えば、コンクリート硬化体から、充填材料である骨材を除去する工程において、粗骨材回収工程では、竪型偏心ロータ式再生粗骨材製造装置を用い、粗骨材と5mm以下の細粒(解体コンクリート細粒)とを分離し、粗骨材回収後に残存する解体コンクリート細粒からの細骨材回収には遊星ミル型解体コンクリート細粒処理装置を用いて得ることができる。また、細骨材を回収した後に、所望の粒径の微粉末を得るための分級方法としては、密封された循環路に気体を循環させることができる遠心式風力分級装置を用いる分級方法が、刺激剤として有用な粒径と物性とを有する再生微粉末を得られるという観点からは好ましい。また、分級方法として、75μmふるいを用いる方法が、刺激剤として有用な粒径を有する再生微粉末をさらに効率よく得られるという観点からは好ましい。
刺激剤として有用な再生微粉末及びその好適な製造方法については、例えば、特開2012−6811号公報、特開2012−121764号公報、及び、特開2003−104763公報に詳細に記載され、当該公報に記載の再生微粉末を本発明の地盤改良用組成物に好適に用いることができる。
再生微粉末1質量部と水100質量部とを容器に入れ、30秒間撹拌して水分散物を調製する。再生微粉末を含む水分散物は、撹拌終了後、1時間静置する。1時間静置した後、上澄み液のpHを測定し、pHが11以上であれば、十分なアルカリ刺激性を有する刺激剤として有用であると判定できる。従って、再生微粉末の上澄み液のpHを測定することで、刺激剤として有用な再生微粉末を選択することができる。
上澄み液のpHは、11.2以上であることが地盤改良用組成物の硬化性と安定性の観点から好ましく、11.4以上であることがより好ましい。上澄み液のpHの上限には特に制限はないが、解体コンクリートから得られる微粉末であることから、上澄み液のpHは一般に12.7を超えることはない。
上澄み液のpHの測定は、公知のpHメータなどを用いて常法により行なうことができる。本明細書においては、測定装置として、pHメータF−53(商品名:(株)堀場製作所製)を用いて20℃で測定した値を採用している。
2種以上を併用する場合には、その組み合わせは任意であり、必要な物性、使用目的に応じて適宜選択することができる。例えば、水酸化カルシウムの試薬のみを用いてもよく、水酸化カルシウムと再生微粉末などの他の刺激剤とを併用してもよく、水酸化カルシウムを多く含む消石灰、水を加えることで水酸化カルシウムが形成される焼成ドロマイト、ポルトランドセメント、生石灰等と再生微粉末とを併用してもよい。
本発明においては、既述の混合物(A)100質量部に対して、刺激剤を2質量部〜20質量部の範囲で含有するが、刺激剤を2種以上併用する場合、その合計量が上記範囲となる量に含有量を調整すればよい。
本発明の地盤改良用組成物は、地盤改良用組成物100質量部と水30質量部との混合物における水酸化カルシウムの含有量が1.5質量部〜5.0質量部である。
水酸化カルシウムは、試薬、工業用原料などの純品を用いてもよく、水酸化カルシウムを多く含有する消石灰、解体コンクリート微粉末、及び、水を加えると水酸化カルシウムが形成される焼成ドロマイト、ポルトランドセメント、生石灰からなる群より選択される1種以上に由来する水酸化カルシウムを用いてもよい。
地盤改良用組成物において刺激剤に由来する水酸化カルシウムの量が、地盤改良用組成物の硬化性に寄与する。刺激剤としては、既述のように、水酸化カルシウムをそのまま含有させる態様の他、水酸化カルシウムを多く含有する消石灰、解体コンクリート微粉末を含有させる態様、水を加えると水酸化カルシウムが形成される焼成ドロマイト、ポルトランドセメント、生石灰からなる群より選択される1種以上に由来する水酸化カルシウムを含有させる態様、及び、これらを2種以上組み合わせる態様をとることができる。焼成ドロマイト、ポルトランドセメント、生石灰は、水酸化カルシウムを含有する成分ではないが、水と接触して水酸化カルシウムが生成され、生成された水酸化カルシウムが地盤改良用組成物の硬化性に寄与する。
従って、本発明の地盤改良用組成物における有効な水酸化カルシウムの量を検知するため、水酸化カルシウム含有量を測定する際に、地盤改良用組成物100質量部と水30質量部との混合物を調製し、混合物における水酸化カルシウム含有量を測定することで、硬化性に有効な水酸化カルシウム含有量を測定し、混合物中の水酸化カルシウムの含有量が本発明に規定される範囲内であることで、良好な硬化性が発現されることが確認できる。
地盤改良用組成物と水との混合物における水酸化カルシウムの含有量が、1.5質量部未満では、地盤改良用組成物に水を加えた地盤改良用スラリー組成物の硬化物性が十分に得られず、得られる地盤改良体の初期強度が安定しない。一方、含有量が5.0質量部を超えても、地盤改良用組成物の硬化性はそれ以上改良されず、二酸化炭素排出量の抑制効果も低下するため、好ましくない。
セメント組成物用の添加剤としては、例えば、混和剤、流動性改良材、分散材、消泡剤等が挙げられる。
本発明の地盤改良用組成物の製造方法は、高炉スラグ80質量%〜95質量%と、セッコウ5質量%〜20質量%とを含み、高炉スラグとセッコウとの合計含有量が100質量%である混合物を調製すること、及び、得られた混合物100質量部に対して、刺激剤を2質量部〜20質量部を添加し、刺激剤中に含まれる水酸化カルシウムの含有量を、前記地盤改良用組成物100質量部と水30質量部との混合物における水酸化カルシウムの含有量が1.5質量部〜5.0質量部となるように、刺激剤の種類と添加量とを調整すること、を含む。
粉体の混合は常法により行うことができる。
次に、得られた混合物(A)に、刺激剤を2質量部〜20質量部を添加するが、このとき、刺激剤中に含まれる水酸化カルシウムの含有量を、地盤改良用組成物全量に対して水酸化カルシウムの含有量が1.5質量部〜5.0質量部となるように、刺激剤の種類と添加量とを調整する。
本発明の地盤改良用組成物は、混合物(A)に対する刺激剤の含有量と、地盤改良用組成物と水との混合物における水酸化カルシウムの含有量の双方について上記範囲を満たすことで、本発明の効果を発現することから、地盤改良用組成物における刺激剤の種類と添加量との調整が重要となる。
本発明の地盤改良用組成物は、地盤改良用組成物100質量部に対して、水40質量部〜250質量部を添加し、地盤に注入して地盤改良用に用いる。
即ち、地盤改良用組成物100質量部に対して、水40質量部〜250質量部を添加することで地盤改良用スラリーを調製し、得られた地盤改良用スラリーを地盤に注入して用いる。
添加する水の量は、地盤改良用組成物100質量部に対して、45質量部〜230質量部の範囲であることがより好ましく、50質量部〜150質量部の範囲であることがさらに好ましい。
得られた地盤改良用スラリーを、土壌に1m3当たり150kg〜1200kg加え、硬化させることで、地盤が改良され、高強度の地盤改良体が形成される。
地盤改良用スラリーの地盤への付与は公知の方法を適宜使用することができる。
例えば、地盤改良用スラリーを、圧送ポンプ、より具体的には、ピストンポンプ及び、スクイーズポンプなどを用いて、地盤中に輸送して付与する方法が挙げられる。
なお、地盤改良用スラリーの調整時に添加する水の量及び地盤に対する地盤改良用スラリーの添加量は、改良を目的とする地盤の含水率を考慮して適宜選択することが好ましい。
例えば、含水率が高い粘性土地盤の改良に本発明の地盤改良用組成物を用いる場合、注入する地盤改良用スラリーの水量を少なくすることが望ましい。しかし、地盤改良用スラリーの水量を少なくした場合、流動性が低下するため、スラリーの添加量を多くするか、もしくは、スラリーにさらに流動化剤を添加する、等の方法をとることが好ましい。
なお、以下の実施例において、特に断らない限り、「%」は「質量%」を、また「部」は「質量部」を意味する。
<高炉スラグ>
粉末度4110cm2/g、密度2.91g/cm3、全アルカリ量0.43質量部
<セッコウ>
無水セッコウ、粉末度3510cm2/g、密度2.96g/cm3
(1)水酸化カルシウム
和光純薬工業株式会社製、粉末度4210cm2/g、密度2.21g/cm3
(2)軽焼ドロマイト
焼成ドロマイト、吉澤石灰工業株式会社製、粉末度2670cm2/g、密度2.16g/cm3
(3)普通セメント
普通ポルトランドセメント、太平洋セメント株式会社製、粉末度3800cm2/g、密度3.16g/cm3
築52年の建物解体時に発生した解体コンクリートから、50mmアンダーに破砕した解体コンクリートを、特許第2128455号公報に記載の竪型偏心ロータ式解体骨材製造装置で処理し、粗骨材を回収した。次に、粗骨材を回収、分離して得た5mmアンダーの解体コンクリート細粒を、特許第5283574号公報に記載の連続遊星ミルで処理し、細骨材を回収した。次に細骨材回収後に残留した0.6mm以下の解体コンクリート粉末を、75μmふるいを用いて分級し、75μm以下の解体コンクリート微粉末を回収した。これを解体コンクリート微粉末(a)とした。
(5)解体コンクリート微粉末(b)
解体コンクリート微粉末(a)の製造に用いた築52年の建物解体時に発生した解体コンクリートに代えて、材齢6ケ月のコンクリート硬化体を用いた以外は、解体コンクリート微粉末(a)と同様にして解体コンクリート微粉末(b)を得た。
(6)解体コンクリート微粉末(c)
解体コンクリート微粉末(a)の製造に用いた築52年の建物解体時に発生した解体コンクリートに代えて、築42年の解体コンクリートを用いた以外は、解体コンクリート微粉末(a)と同様にして解体コンクリート微粉末(c)を得た。
(7)解体コンクリート微粉末(d)
解体コンクリート微粉末(a)の製造に用いた築52年の建物解体時に発生した解体コンクリートに代えて、築67年の解体コンクリートを用いた以外は、解体コンクリート微粉末(a)と同様にして解体コンクリート微粉末(d)を得た。
(8)解体コンクリート微粉末(e)
築67年の建物解体時に発生した解体コンクリートから、50mmアンダーに破砕した解体コンクリートを、ジョークラッシャーを用いて、さらに5mmアンダーに破砕した後、これをダブルロールクラッシャーで全量を0.6mmアンダーに破砕して解体コンクリート微粉末(e)を得た。
解体コンクリート微粉末について、以下の物性を評価した。結果を下記表1に示す。
1.粉末度
JIS R 5201 セメントの物理試験方法(1997年)に記載の粉末度試験に準じて測定した。
2.密度
JIS R 5201 セメントの物理試験方法(1997年)に記載の密度試験に準じて測定した。
3.解体コンクリート微粉末上澄み液のpH
得られた解体コンクリート微粉末(a)〜(e)それぞれ1部と純水100部とを容器に入れ、30秒間撹拌して水分散物を調製した。水分散物を撹拌終了後1時間静置した。1時間静置した後、上澄み液のpHを、pHメータF−53(商品名:(株)堀場製作所製)を用いて20℃で測定した。
4.粒径
得られた解体コンクリート微粉末約0.05gを、セメント用ポリカルボン酸系分散剤の0.03%水溶液に混合し、30秒間超音波分散させた後、レーザー回折・散乱式粒度分布測定装置(マイクロトラックMT3300EXII:日機装(株)製)を用いて、解体コンクリート微粉末の粒径を測定した。なお、解体コンクリート微粉末(a)〜(e)は、いずれも、累積90%粒径は100.0μm以下であった。
下記表2に記載した成分を混合して地盤改良用組成物を調製した。調製した地盤改良用組成物100質量部と水30質量部との混合物における水酸化カルシウムの含有量を以下の方法で測定、算出した。結果を下記表2に併記した。
水酸化カルシウム含有量の測定、算出法:
示差熱重量分析装置Thermo plus TG8120(商品名:株式会社リガク製)によって測定される水酸化カルシウムの脱水量から、水を含んだ刺激剤に含まれる水酸化カルシウム量を算出し、その算出値と地盤改良用組成物の配合から地盤改良用組成物100質量部と水30質量部との混合物における水酸化カルシウム量を得た。
下記表2における含有量の基準は以下の通りである。
*1:高炉スラグ、及びセッコウの含有量(%)は、混合物(A)における含有比率である。
*2:刺激剤(1)、刺激剤(2)及び刺激剤合計の含有量(部)は、混合物(A)100部に対する含有量である。
*3:水酸化カルシウムの含有量(部)は、地盤改良用組成物100部と水30部との混合物における含有量である。
地盤改良体試験体の作製に際しては、地盤改良用スラリーの添加量は試料土1m3あたり200kgとし、注入するスラリーの水/固形分比は80%とした。
モルタルミキサーを用い、あらかじめ地盤改良用組成物と水とを3分間混合撹拌して地盤改良用スラリーを調製した後、試料土を投入し、5分間混合撹拌した。
その後、直径50mm×高さ100mmの型枠へ気泡を除去しながら充填し、1日間、及び、28日間、湿潤養生して地盤改良体試験体を得た。
圧縮強度試験はJIS−A1108(2006年)に準拠し、材齢1日の圧縮強度(以下、1日強度と称することがある)、及び材齢28日の圧縮強度(以下、28日強度と称することがある)を測定した。結果を下記表4に示した。表4には、地盤改良用組成物に含まれる刺激剤の総含有量、水酸化カルシウムの含有量を併記した。
*1:高炉スラグ、及びセッコウの含有量(%)は、混合物(A)における含有比率である。
*2:刺激剤合計の含有量(部)は、既述の混合物(A)100部に対する含有量である。
*3:水酸化カルシウムの含有量(部)は、地盤改良用組成物100部と水30部との混合物における含有量である。
下記表4における二酸化炭素排出量は、地盤改良用組成物を構成する個々の原料における製造時の二酸化炭素排出量と地盤改良用組成物に含まれる個々の原料の配合量から算出した値である。
なお、下記表4における「1トン当たりの二酸化炭素排出量」は、該当する地盤改良用組成物1トン当たりの製造時に排出される二酸化炭素の量を表す。また、「未硬化」とは、材齢1日後にも、地盤改良用組成物の流動性が失われず、型枠から取り出し可能な程度に硬化していない状態を指す。
混合物(A)におけるセッコウ含有量が20%よりも多い比較例5の地盤改良用組成物を用いて得られた地盤硬化体は28日強度が低く、セッコウ含有量が5%よりも少ない比較例6の地盤改良用組成物を用いて得られた地盤硬化体は、1日強度が0、即ち未硬化であり初期強度が低く、このことから、混合物(A)における高炉スラグとセッコウとの含有比率が重要であることがわかる。
また、刺激剤として水酸化カルシウムのみを用い、地盤改良用組成物と水との混合物における水酸化カルシウムの含有量が5.0質量部よりも大きい比較例9の地盤改良用組成物を用いて得られた地盤硬化体は、初期強度、長期強度共に良好ではあるものの、地盤改良用組成物を製造する際に排出する二酸化炭素量が高いため、環境負荷が大きく、本発明の効果を奏さないことがわかる。
Claims (5)
- 高炉スラグ80質量%〜95質量%と、セッコウ5質量%〜20質量%と、を含み、高炉スラグとセッコウとの合計含有量が100質量%である混合物100質量部に対して、刺激剤を2質量部〜20質量部を含有する地盤改良用組成物であり、
前記地盤改良用組成物100質量部と水30質量部との混合物における水酸化カルシウムの含有量が1.5質量部〜5.0質量部である地盤改良用組成物。 - 前記水酸化カルシウムが、消石灰に含まれる水酸化カルシウム、解体コンクリート微粉末に含まれる水酸化カルシウム、焼成ドロマイトに由来する水酸化カルシウム、ポルトランドセメントに由来する水酸化カルシウム、及び生石灰に由来する水酸化カルシウムから選択される少なくとも1種を含む請求項1に記載の地盤改良用組成物。
- 前記地盤改良用組成物100質量部に対して、水40質量部〜250質量部を添加し、地盤に注入する請求項1又は請求項2に記載の地盤改良用組成物。
- 前記解体コンクリート微粉末が、解体コンクリート微粉末1質量部と水100質量部とを容器に入れ、30秒間撹拌し、撹拌終了後、1時間静置して得た上澄み液のpHを測定したとき、pHが11以上である解体コンクリート微粉末である、請求項2に記載の地盤改良用組成物。
- 高炉スラグ80質量%〜95質量%と、セッコウ5質量%〜20質量%とを含み、高炉スラグとセッコウとの合計含有量が100質量%である混合物を調製すること、及び、
得られた混合物100質量部に対して、刺激剤2質量部〜20質量部を添加した地盤改良用組成物において、前記地盤改良用組成物100質量部と水30質量部との混合物における水酸化カルシウムの含有量が1.5質量部〜5.0質量部となるように、刺激剤の種類と添加量とを調整すること、
を含む地盤改良用組成物の製造方法。
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