JP2016032024A - 永久磁石、永久磁石の製造方法、回転電機及び回転電機の製造方法 - Google Patents
永久磁石、永久磁石の製造方法、回転電機及び回転電機の製造方法 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】回転電機に用いた場合に高速回転を実現するとともにインバータの電力損失の低減を実現した永久磁石、永久磁石の製造方法、該永久磁石を用いた回転電機及び回転電機の製造方法を提供する。
【解決手段】磁場配向されたグリーンシート19の磁場配向方向を考慮しつつグリーンシート19を切削することによって製品形状へと成形し、その後、焼結することにより永久磁石1を製造する。また、永久磁石1はリング形状を有し、磁化容易軸がリング形状の径方向である一方向に平行に配向され、径方向の外周表面及び内周表面に形成される磁極の数がそれぞれ2極となるように構成する。
【選択図】図4
【解決手段】磁場配向されたグリーンシート19の磁場配向方向を考慮しつつグリーンシート19を切削することによって製品形状へと成形し、その後、焼結することにより永久磁石1を製造する。また、永久磁石1はリング形状を有し、磁化容易軸がリング形状の径方向である一方向に平行に配向され、径方向の外周表面及び内周表面に形成される磁極の数がそれぞれ2極となるように構成する。
【選択図】図4
Description
本発明は、永久磁石及び永久磁石の製造方法、並びに永久磁石を用いた回転電機及び回転電機の製造方法に関する。
近年、工作機械、車両、航空機、風力原動機等では、エンジンなどから伝達される機械的運動エネルギーを電気エネルギーへと変換する発電機や、逆に電気エネルギーを機械的運動エネルギーへと変換するモータ(電動機)等の回転電機が一般的に用いられている。また、上記回転電機のトルクや発電量のより一層の増加が求められている。
ここで、回転電機のトルクや発電量の増加を実現する為に、回転電機に用いる永久磁石の磁気特性を向上させることが行われていた。一般的に永久磁石では磁気特性を向上させる為に、外部から磁場を印加することによる磁場配向が行われている。そして、従来の粉末焼結法による永久磁石の製造方法では、プレス成形時において型に磁石粉末を充填し、磁場を印加させて磁場配向させた後に圧力をかけ、圧粉された成形体を成形していた。また、他の押出成形法、射出成形法、圧延成形法等による永久磁石の製造方法では、磁場を印加させた雰囲気で圧力をかけて磁石を成形していた。それによって、永久磁石を構成する各磁石粒子の磁化容易軸(C軸)方向が磁場の印加方向に揃った成形体を形成することが可能となる。尚、異方性磁石の磁化容易軸を揃える方法としては、アキシャル異方性、ラジアル異方性、極異方性等が存在する(例えば、特開2005−287181号公報)。
しかしながら、回転電機の小型化、軽量化が進む中で、永久磁石の磁気特性の向上による回転電機のトルクや発電量の増加は限界に達している。従って、回転電機を高速回転させることによるトルクや発電量の増加が求められている。
ここで、回転電機のインバータの電力損失を抑制し、回転数を上げる場合には、ロータに配置される極数を2極にすることが有利である。その理由として、PWM制御における1回当たりのインバータの電力損失は、駆動周波数の数に比例することが挙げられる。即ち、ロータに配置される極数が少なく、駆動周波数が小さい程、インバータの電力損失が減ることとなる。一方で、ロータに配置される極数を多極とすれば、回転数を上げる為に駆動周波数を大きくする必要があり、インバータの電力損失を招く。
本発明は前記従来における問題点を解消するためになされたものであり、回転電機に用いた場合に高速回転を実現するとともにインバータの電力損失の低減を実現した永久磁石、永久磁石の製造方法、該永久磁石を用いた回転電機及び回転電機の製造方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するため本願の請求項1に係る永久磁石は、リング形状を有する永久磁石であって、磁化容易軸がリング形状の径方向である一方向に平行に配向され、径方向の外周表面及び内周表面に形成される磁極の数がそれぞれ2極となることを特徴とする。
また、請求項2に係る永久磁石は、請求項1に記載の永久磁石であって、磁石原料を磁石粉末に粉砕する工程と、前記粉砕された磁石粉末とバインダーとが混合された混合物を生成する工程と、前記混合物を所定形状の成形体に成形する工程と、前記成形体に対して磁場を印加することにより前記成形体の磁化容易軸を一方向に平行に配向する工程と、磁場配向された前記成形体をリング形状に切削する工程と、リング形状の前記成形体を焼成温度で保持することにより焼結し、焼結体を得る工程と、前記焼結体を配向方向に沿って着磁する工程と、により製造されることを特徴とする。
また、請求項3に係る永久磁石は、請求項2に記載の永久磁石であって、前記成形体を成形する工程では、前記混合物をシート状に成形することによって前記成形体としてグリーンシートを作製し、前記切削工程では、前記グリーンシートをリング形状に打ち抜くことを特徴とする。
また、請求項4に係る永久磁石は、請求項2又は請求項3に記載の永久磁石であって、リング形状の前記成形体を焼結する工程では、前記成形体をリング形状の軸方向に加圧した状態で焼結することを特徴とする。
また、請求項5に係る回転電機は、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の永久磁石をロータに配置したことを特徴とする。
また、請求項6に係る永久磁石の製造方法は、磁石原料を磁石粉末に粉砕する工程と、前記粉砕された磁石粉末とバインダーとが混合された混合物を生成する工程と、前記混合物を所定形状の成形体に成形する工程と、前記成形体に対して磁場を印加することにより前記成形体の磁化容易軸を一方向に平行に配向する工程と、磁場配向された前記成形体をリング形状に切削することにより、磁化容易軸がリング形状の径方向である一方向に平行に配向されたリング形状の前記成形体を得る工程と、リング形状の前記成形体を焼成温度で保持することにより焼結し、焼結体を得る工程と、径方向の外周表面及び内周表面に形成される磁極の数がそれぞれ2極となるように前記焼結体を配向方向に沿って着磁する工程と、を有することを特徴とする。
また、請求項7に係る永久磁石の製造方法は、請求項6に記載の永久磁石の製造方法であって、前記成形体を成形する工程では、前記混合物をシート状に成形することによって前記成形体としてグリーンシートを作製し、前記切削工程では、前記グリーンシートをリング形状に打ち抜くことを特徴とする。
また、請求項8に係る永久磁石の製造方法は、請求項6又は請求項7に記載の永久磁石の製造方法であって、リング形状の前記成形体を焼結する工程では、前記成形体をリング形状の軸方向に加圧した状態で焼結することを特徴とする。
更に、請求項9に係る回転電機の製造方法は、請求項6乃至請求項8のいずれかの製造方法で製造された永久磁石をロータに配置することにより製造することを特徴とする。
前記構成を有する請求項1に記載の永久磁石によれば、リング形状を有する永久磁石であって、磁化容易軸がリング形状の径方向である一方向に平行に配向され、径方向の外周表面及び内周表面に形成される磁極の数がそれぞれ2極となるように構成するので、回転電機に用いた場合に高速回転を実現するとともにインバータの電力損失の低減を実現することが可能となる。
また、請求項2に記載の永久磁石によれば、磁石粉末とバインダーとの混合物を成形するので、圧粉成形等を用いる場合と比較して、配向後に磁石粒子が回動することも無く、配向度についても向上させることが可能となる。
また、バインダーとの混合物に対して磁場配向を行う場合には、電流のターン数を利用できるため磁場配向を行う際の磁場強度を大きく確保することができ、且つ静磁場で長時間の磁場印加を施せるので、バラつきの少ない高い配向度を実現することが可能となる。
更に、バラつきの少ない高配向が実現できる事は、焼結による収縮のバラつきの低減に繋がる。即ち、焼結後の製品形状の均一性が確保できる。その結果、焼結後の外形加工に対する負担が軽減され、量産の安定性が大きく向上する事が期待できる。
また、バインダーとの混合物に対して磁場配向を行う場合には、電流のターン数を利用できるため磁場配向を行う際の磁場強度を大きく確保することができ、且つ静磁場で長時間の磁場印加を施せるので、バラつきの少ない高い配向度を実現することが可能となる。
更に、バラつきの少ない高配向が実現できる事は、焼結による収縮のバラつきの低減に繋がる。即ち、焼結後の製品形状の均一性が確保できる。その結果、焼結後の外形加工に対する負担が軽減され、量産の安定性が大きく向上する事が期待できる。
また、請求項3に記載の永久磁石によれば、磁石粉末とバインダーとの混合物をシート状に成形したグリーンシートを作製し、グリーンシートに対して磁場を印加することによって磁場配向を行い、リング形状に打ち抜くことによってリング形状へと成形するので、磁石粉末の成形及び磁場配向を連続した工程で行うことが可能であり、生産性を向上させることができる。
また、グリーンシートをリング形状に打ち抜いた場合であっても、打ち抜きにより生じた残余部分をグリーンシートの一部として再生することが可能なので、歩留まりの低下を防止することが可能となる。
また、グリーンシートをリング形状に打ち抜いた場合であっても、打ち抜きにより生じた残余部分をグリーンシートの一部として再生することが可能なので、歩留まりの低下を防止することが可能となる。
また、請求項4に記載の永久磁石によれば、成形体をリング形状の軸方向に加圧した状態で焼結するので、焼結による収縮が均一となることにより、焼結後の反りや凹みなどの変形が生じることを防止できる。その結果、リング磁石を精度よく製造することが可能となる。
また、請求項5に記載の回転電機によれば、従来に比べてモータの高トルク化、発電機の発電力の向上、小型軽量化を実現することが可能となる。また、インバータの電力損失の低減を実現することが可能となる。
また、請求項6に記載の永久磁石の製造方法によれば、製造された永久磁石を、リング形状を有し、磁化容易軸がリング形状の径方向である一方向に平行に配向され、径方向の外周表面及び内周表面に形成される磁極の数がそれぞれ2極となるように構成するので、回転電機に用いた場合に高速回転を実現するとともにインバータの電力損失の低減を実現することが可能となる。
また、磁石粉末とバインダーとの混合物を成形するので、圧粉成形等を用いる場合と比較して、配向後に磁石粒子が回動することも無く、配向度についても向上させることが可能となる。
また、バインダーとの混合物に対して磁場配向を行う場合には、電流のターン数を利用できるため磁場配向を行う際の磁場強度を大きく確保することができ、且つ静磁場で長時間の磁場印加を施せるので、バラつきの少ない高い配向度を実現することが可能となる。
更に、バラつきの少ない高配向が実現できる事は、焼結による収縮のバラつきの低減に繋がる。即ち、焼結後の製品形状の均一性が確保できる。その結果、焼結後の外形加工に対する負担が軽減され、量産の安定性が大きく向上する事が期待できる。
また、磁石粉末とバインダーとの混合物を成形するので、圧粉成形等を用いる場合と比較して、配向後に磁石粒子が回動することも無く、配向度についても向上させることが可能となる。
また、バインダーとの混合物に対して磁場配向を行う場合には、電流のターン数を利用できるため磁場配向を行う際の磁場強度を大きく確保することができ、且つ静磁場で長時間の磁場印加を施せるので、バラつきの少ない高い配向度を実現することが可能となる。
更に、バラつきの少ない高配向が実現できる事は、焼結による収縮のバラつきの低減に繋がる。即ち、焼結後の製品形状の均一性が確保できる。その結果、焼結後の外形加工に対する負担が軽減され、量産の安定性が大きく向上する事が期待できる。
また、請求項7に記載の永久磁石の製造方法によれば、磁石粉末とバインダーとの混合物をシート状に成形したグリーンシートを作製し、グリーンシートに対して磁場を印加することによって磁場配向を行い、リング形状に打ち抜くことによってリング形状へと成形するので、磁石粉末の成形及び磁場配向を連続した工程で行うことが可能であり、生産性を向上させることができる。
また、グリーンシートをリング形状に打ち抜いた場合であっても、打ち抜きにより生じた残余部分をグリーンシートの一部として再生することが可能なので、歩留まりの低下を防止することが可能となる。
また、グリーンシートをリング形状に打ち抜いた場合であっても、打ち抜きにより生じた残余部分をグリーンシートの一部として再生することが可能なので、歩留まりの低下を防止することが可能となる。
また、請求項8に記載の永久磁石の製造方法によれば、成形体をリング形状の軸方向に加圧した状態で焼結するので、焼結による収縮が均一となることにより、焼結後の反りや凹みなどの変形が生じることを防止できる。その結果、リング磁石を精度よく製造することが可能となる。
更に、請求項9に記載の回転電機の製造方法によれば、従来に比べてモータの高トルク化、発電機の発電力の向上、小型軽量化を実現することが可能となる。また、インバータの電力損失の低減を実現することが可能となる。
以下、本発明に係る永久磁石及び永久磁石の製造方法、並びに該永久磁石を用いた回転電機及び回転電機の製造方法について具体化した一実施形態について以下に図面を参照しつつ詳細に説明する。
[永久磁石の構成]
先ず、本発明に係る永久磁石1の構成について説明する。図1は本発明に係る永久磁石1を示した全体図である。尚、図1に示すように本発明に係る永久磁石1はリング形状を有する異方性リング磁石である。そして、図2に示すように表面磁石型のモータ(又は発電機)2のロータ3の表面に配置され、表面磁石型のモータ(又は発電機)2を構成する。尚、以下の実施例では永久磁石1をリング形状を有する異方性リング磁石とした例について説明するが、永久磁石1の形状(例えば径の大きさや高さ)等については後述のように永久磁石の成形態様によって適宜変更可能である。
先ず、本発明に係る永久磁石1の構成について説明する。図1は本発明に係る永久磁石1を示した全体図である。尚、図1に示すように本発明に係る永久磁石1はリング形状を有する異方性リング磁石である。そして、図2に示すように表面磁石型のモータ(又は発電機)2のロータ3の表面に配置され、表面磁石型のモータ(又は発電機)2を構成する。尚、以下の実施例では永久磁石1をリング形状を有する異方性リング磁石とした例について説明するが、永久磁石1の形状(例えば径の大きさや高さ)等については後述のように永久磁石の成形態様によって適宜変更可能である。
また、本発明に係る永久磁石1はNd−Fe−B系磁石からなる。尚、各成分の含有量はNd:27〜40wt%、B:0.8〜2wt%、Fe(電解鉄):60〜70wt%とする。また、磁気特性向上の為、Dy、Tb、Co、Cu、Al、Si、Ga、Nb、V、Pr、Mo、Zr、Ta、Ti、W、Ag、Bi、Zn、Mg等の他元素を少量含んでも良い。
また、永久磁石1は、後述のように磁石粉末とバインダーを混合した混合物を成形した成形体(グリーン成形体)によって形成される。特に、本発明では混合物を直接に図1に示すリング形状に成形するのではなく、一旦シート形状に成形し、その後にシート形状の混合物をリング形状に切削加工することによってリング形状への成形を行う。そして、混合物を一旦シート形状とした後にリング形状へと加工する構成とすれば、連続工程で生産できるので生産性を向上でき、また、成形の精度についても向上させることができる。混合物をシート形状とする場合には、例えば0.05mm〜10mm(例えば1mm)の厚さを備えた薄膜状のシート部材とする。尚、シートを複数枚積層した後に打ち抜きを行ったり、リング形状に打ち抜きを行った後のシートを複数枚積層することとすれば、厚みのある大型の永久磁石1を製造することも可能である。
また、本発明に係る永久磁石1は異方性磁石であり、図3に示すように磁化容易軸(C軸)がリング形状の径方向である一方向に平行となるように配向されている。即ち、リング形状の永久磁石1の配向は、パラレル配向を有することとなる。
また、本発明に係る永久磁石1では、後述のように磁石粉末とバインダーを混合した混合物に対して磁場を印加して配向するので、圧粉成形のように配向後に付加された圧力によって磁石粒子が回動することがなく、配向度を向上させることが可能である。また、PLP法のように磁石粉末の密度分布にばらつきが生じることがないので、ニアネットシェイプ性が向上する。
尚、永久磁石1に対する磁場配向では、製品形状(例えば図1に示すリング形状)への成形前のシート形状の混合物に対して磁場を印加して一旦配向を行った後に、シート形状から製品形状へと打ち抜く構成としても良いし、製品形状へと成形した後に磁場を印加して配向を行っても良い。
そして、特に図3に示すように磁化容易軸が配向された永久磁石1は、着磁後において図4に示すように径方向の外周表面及び内周表面に形成される磁極の数がそれぞれ2極となる。そして、図4に示す磁極を有する永久磁石1をロータ3に備えた回転電機では、ロータ3に形成される極数が2極となる。その結果、高速回転させた場合であっても駆動周波数がそれほど大きくならないので、インバータの電力損失の増加を抑えることができる。
また、本発明では特に永久磁石1を製造する場合において、磁石粉末に混合されるバインダーは、樹脂や長鎖炭化水素や脂肪酸エステルやそれらの混合物等が用いられる。
更に、バインダーに樹脂を用いる場合には、構造中に酸素原子を含まず、且つ解重合性のあるポリマーを用いるのが好ましい。また、後述のように磁石粉末とバインダーとの混合物を所望形状(例えばリング形状)に成形する際に生じた混合物の残余物を再利用する為、及び混合物を加熱して軟化した状態で磁場配向を行う為に、熱可塑性樹脂が用いられる。具体的には以下の一般式(1)に示されるモノマーから選ばれる1種又は2種以上の重合体又は共重合体からなるポリマーが該当する。
(但し、R1及びR2は、水素原子、低級アルキル基、フェニル基又はビニル基を表す)
更に、バインダーに樹脂を用いる場合には、構造中に酸素原子を含まず、且つ解重合性のあるポリマーを用いるのが好ましい。また、後述のように磁石粉末とバインダーとの混合物を所望形状(例えばリング形状)に成形する際に生じた混合物の残余物を再利用する為、及び混合物を加熱して軟化した状態で磁場配向を行う為に、熱可塑性樹脂が用いられる。具体的には以下の一般式(1)に示されるモノマーから選ばれる1種又は2種以上の重合体又は共重合体からなるポリマーが該当する。
上記条件に該当するポリマーとしては、例えばイソブチレンの重合体であるポリイソブチレン(PIB)、イソプレンの重合体であるポリイソプレン(イソプレンゴム、IR)、1,3−ブタジエンの重合体であるポリブタジエン(ブタジエンゴム、BR)、スチレンの重合体であるポリスチレン、スチレンとイソプレンの共重合体であるスチレン−イソプレンブロック共重合体(SIS)、イソブチレンとイソプレンの共重合体であるブチルゴム(IIR)、スチレンとブタジエンの共重合体であるスチレン−ブタジエンブロック共重合体(SBS)、2−メチル−1−ペンテンの重合体である2−メチル−1−ペンテン重合樹脂、2−メチル−1−ブテンの重合体である2−メチル−1−ブテン重合樹脂、α−メチルスチレンの重合体であるα−メチルスチレン重合樹脂等がある。尚、α−メチルスチレン重合樹脂は柔軟性を与えるために低分子量のポリイソブチレンを添加することが望ましい。また、バインダーに用いる樹脂としては、酸素原子を含むモノマーの重合体又は共重合体(例えば、ポリブチルメタクリレートやポリメチルメタクリレート等)を少量含む構成としても良い。更に、上記一般式(1)に該当しないモノマーが一部共重合していても良い。その場合であっても、本願発明の目的を達成することが可能である。
尚、バインダーに用いる樹脂としては、磁場配向を適切に行う為に250℃以下で軟化する熱可塑性樹脂、より具体的にはガラス転移点又は流動開始温度が250℃以下の熱可塑性樹脂を用いることが望ましい。
尚、バインダーに用いる樹脂としては、磁場配向を適切に行う為に250℃以下で軟化する熱可塑性樹脂、より具体的にはガラス転移点又は流動開始温度が250℃以下の熱可塑性樹脂を用いることが望ましい。
一方、バインダーに長鎖炭化水素を用いる場合には、室温で固体、室温以上で液体である長鎖飽和炭化水素(長鎖アルカン)を用いるのが好ましい。具体的には炭素数が18以上である長鎖飽和炭化水素を用いるのが好ましい。そして、後述のように磁石粉末とバインダーとの混合物を磁場配向する際には、混合物を長鎖炭化水素のガラス転移点又は流動開始温度以上で加熱して軟化した状態で磁場配向を行う。
また、バインダーに脂肪酸エステルを用いる場合においても同様に、室温で固体、室温以上で液体であるステアリン酸メチルやドコサン酸メチル等を用いるのが好ましい。そして、後述のように磁石粉末とバインダーとの混合物を磁場配向する際には、混合物を脂肪酸エステルの流動開始温度以上で加熱して軟化した状態で磁場配向を行う。
磁石粉末に混合されるバインダーとして上記条件を満たすバインダーを用いることによって、磁石内に含有する炭素量及び酸素量を低減させることが可能となる。具体的には、焼結後に磁石に残存する炭素量を2000ppm以下、より好ましくは1000ppm以下とする。また、焼結後に磁石に残存する酸素量を5000ppm以下、より好ましくは2000ppm以下とする。
また、バインダーの添加量は、スラリーや加熱溶融したコンパウンドを成形する際に成形体の厚み精度を向上させる為に、磁石粒子間の空隙を適切に充填する量とする。例えば、磁石粉末とバインダーの合計量に対するバインダーの比率が、1wt%〜40wt%、より好ましくは2wt%〜30wt%、更に好ましくは3wt%〜20wt%とする。
[回転電機の構成]
また、上記永久磁石1がロータ3の外周面に配置される表面磁石型のモータ2は、図2に示すようにステータ4と、ステータ4の内側で回転自在に配置されたロータ3とから基本的に構成される。
また、上記永久磁石1がロータ3の外周面に配置される表面磁石型のモータ2は、図2に示すようにステータ4と、ステータ4の内側で回転自在に配置されたロータ3とから基本的に構成される。
また、ステータ4は、電磁鋼板等の磁性材料からなるステータコア5と、ステータコア5に巻装された複数の巻線6とから基本的に構成される。更に、ステータコア5は、リング状のヨークと、ヨークから径方向外側に突出する複数のティースからなり、巻線6はティースに巻き付けられている。尚、巻線6の巻装形態には、集中巻き方式と分布巻き方式がある。集中巻き方式とは、ティース毎に巻線6が巻装される形態であり、分布巻き方式とは、複数のティースに跨って巻線6が巻装される形態である。
一方、ロータ3は前述したように外側表面にリング形状の永久磁石1が配置される。そして、永久磁石1は、S極とN極とが交互に配置されるように着磁され、ステータ4に所定の間隔を介して対向するように配置されている。特に本発明では、図4に示すように径方向の外周表面に形成される磁極の数は2極となるように構成されている。
一方、ロータ3の中央には、ロータ3に一端が固定された回転軸7を備える。そして、回転軸7はロータ3が回転するとロータ3の回転に伴って回転するように構成される。
そして、上記構成を有するモータ2において、ステータ4の巻線6に電流を印加すると、ロータ3とステータ4との間に磁気による吸引力と反発力が生じ、回転軸7を中心にロータ3が回転する。特に、本発明ではロータ3の周方向に沿って形成される磁極の数が2極となるので、モータ2を高速回転させた場合であっても駆動周波数がそれほど大きくならず、インバータの電力損失の増加を抑えることができる。
[永久磁石及び永久磁石を用いた回転電機の製造方法]
次に、本発明に係る永久磁石1及び永久磁石1を用いた回転電機の製造方法について図5及び図6を用いて説明する。図5及び図6は本実施形態に係る永久磁石1及び永久磁石1を用いた回転電機の製造工程を示した説明図である。
次に、本発明に係る永久磁石1及び永久磁石1を用いた回転電機の製造方法について図5及び図6を用いて説明する。図5及び図6は本実施形態に係る永久磁石1及び永久磁石1を用いた回転電機の製造工程を示した説明図である。
先ず、所定分率のNd−Fe−B(例えばNd:32.7wt%、Fe(電解鉄):65.96wt%、B:1.34wt%)からなる、インゴットを製造する。その後、インゴットをスタンプミルやクラッシャー等によって200μm程度の大きさに粗粉砕する。若しくは、インゴットを溶解し、ストリップキャスト法でフレークを作製し、水素解砕法で粗粉化する。それによって、粗粉砕磁石粉末15を得る。
次いで、粗粉砕磁石粉末15をビーズミル16による湿式法又はジェットミルを用いた乾式法等によって微粉砕する。例えば、ビーズミル16による湿式法を用いた微粉砕では溶媒中で粗粉砕磁石粉末15を所定範囲の粒径(例えば0.1μm〜5.0μm)に微粉砕するとともに溶媒中に磁石粉末を分散させる。その後、湿式粉砕後の溶媒に含まれる磁石粉末を真空乾燥などで乾燥させ、乾燥した磁石粉末を取り出す。また、粉砕に用いる溶媒の種類に特に制限はなく、イソプロピルアルコール、エタノール、メタノールなどのアルコール類、酢酸エチル等のエステル類、ペンタン、ヘキサンなどの低級炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレンなど芳香族類、ケトン類、それらの混合物等が使用できる。尚、好ましくは、溶媒中に酸素原子を含まない溶媒が用いられる。
一方、ジェットミルによる乾式法を用いた微粉砕では、粗粉砕した磁石粉末を、(a)酸素含有量が実質的に0%の窒素ガス、Arガス、Heガスなど不活性ガスからなる雰囲気中、又は(b)酸素含有量が0.0001〜0.5%の窒素ガス、Arガス、Heガスなど不活性ガスからなる雰囲気中で、ジェットミルにより微粉砕し、所定範囲の粒径(例えば0.7μm〜5.0μm)の平均粒径を有する微粉末とする。尚、酸素濃度が実質的に0%とは、酸素濃度が完全に0%である場合に限定されず、微粉の表面にごく僅かに酸化被膜を形成する程度の量の酸素を含有しても良いことを意味する。
次に、ビーズミル16等で微粉砕された磁石粉末を所望形状に成型する。尚、磁石粉末の成形には、磁石粉末とバインダーとを混合した混合物を成形することにより行う。以下の実施例では、混合物を一旦製品形状以外に成形した状態で磁場を印加して磁場配向を行い、その後に打ち抜き加工、切削加工、変形加工等を行うことによって製品形状(例えば図1に示すリング形状)とする。特に、以下の実施例では混合物をシート形状のグリーン成形体(以下、グリーンシートという)に一旦成形した後に製品形状とする。また、混合物を特にシート形状に成形する場合には、例えば磁石粉末とバインダーとが混合したコンパウンドを加熱した後にシート形状に成形するホットメルト塗工や、磁石粉末とバインダーと有機溶媒とを含むスラリーを基材上に塗工することによりシート状に成形するスラリー塗工等による成形が有る。
以下では、特にホットメルト塗工を用いたグリーンシート成形について説明する。
先ず、ビーズミル16等で微粉砕された磁石粉末にバインダーを混合することにより、磁石粉末とバインダーからなる粘土状の混合物(コンパウンド)17を作製する。ここで、バインダーとしては、上述したように樹脂や長鎖炭化水素や脂肪酸エステルやそれらの混合物等が用いられる。例えば、樹脂を用いる場合には構造中に酸素原子を含まず、且つ解重合性のあるポリマーからなる熱可塑性樹脂を用い、一方、長鎖炭化水素を用いる場合には、室温で固体、室温以上で液体である長鎖飽和炭化水素(長鎖アルカン)を用いるのが好ましい。また、脂肪酸エステルを用いる場合には、ステアリン酸メチルやドコサン酸メチル等を用いるのが好ましい。また、バインダーの添加量は、上述したように添加後のコンパウンド17における磁石粉末とバインダーの合計量に対するバインダーの比率が、1wt%〜40wt%、より好ましくは2wt%〜30wt%、更に好ましくは3wt%〜20wt%となる量とする。
先ず、ビーズミル16等で微粉砕された磁石粉末にバインダーを混合することにより、磁石粉末とバインダーからなる粘土状の混合物(コンパウンド)17を作製する。ここで、バインダーとしては、上述したように樹脂や長鎖炭化水素や脂肪酸エステルやそれらの混合物等が用いられる。例えば、樹脂を用いる場合には構造中に酸素原子を含まず、且つ解重合性のあるポリマーからなる熱可塑性樹脂を用い、一方、長鎖炭化水素を用いる場合には、室温で固体、室温以上で液体である長鎖飽和炭化水素(長鎖アルカン)を用いるのが好ましい。また、脂肪酸エステルを用いる場合には、ステアリン酸メチルやドコサン酸メチル等を用いるのが好ましい。また、バインダーの添加量は、上述したように添加後のコンパウンド17における磁石粉末とバインダーの合計量に対するバインダーの比率が、1wt%〜40wt%、より好ましくは2wt%〜30wt%、更に好ましくは3wt%〜20wt%となる量とする。
また、上記コンパウンド17には、後に行われる磁場配向工程での配向度を向上させる為に配向を助長する添加剤を添加しても良い。配向を助長する添加剤としては例えば炭化水素系の添加剤が用いられ、特に極性を有する(具体的には酸解離定数pKaが41未満の)添加剤を用いるのが望ましい。また、添加剤の添加量は磁石粉末の粒子径に依存し、磁石粉末の粒子径が小さい程、添加量を多くする必要がある。具体的な添加量としては、磁石粉末に対して0.1部〜10部、より好ましくは1部〜8部とする。そして、磁石粉末に添加された添加剤は、磁石粒子の表面に付着し、後述の磁場配向処理において、磁石粒子の回動を補助する役目を有する。その結果、磁場を印加した際に配向が容易に行われ、磁石粒子の磁化容易軸方向を同一方向に揃えること(即ち、配向度を高くすること)が可能となる。特に、磁石粉末にバインダーを添加する場合には、粒子表面にバインダーが存在するため、配向時の摩擦力が上がり、粒子の配向性が低下する為、添加剤を添加する効果がより大きくなる。
尚、バインダーの添加は、窒素ガス、Arガス、Heガスなど不活性ガスからなる雰囲気で行う。尚、磁石粉末とバインダーの混合は、例えば磁石粉末とバインダーをそれぞれ攪拌機に投入し、攪拌機で攪拌することにより行う。また、混練性を促進する為に加熱攪拌を行っても良い。また、磁石粉末とバインダーの混合は、窒素ガス、Arガス、Heガスなど不活性ガスからなる雰囲気で行うことが望ましい。また、特に磁石粉末を湿式法で粉砕した場合においては、粉砕に用いた溶媒から磁石粉末を取り出すことなくバインダーを溶媒中に添加して混練し、その後に溶媒を揮発させ、後述のコンパウンド17を得る構成としても良い。
続いて、コンパウンド17をシート状に成形することによりグリーンシートを作成する。特に、ホットメルト塗工では、コンパウンド17を加熱することによりコンパウンド17を溶融し、流体状にしてからセパレータ等の支持基材18上に塗工する。その後、放熱して凝固させることにより、支持基材18上に長尺シート状のグリーンシート19を形成する。尚、コンパウンド17を加熱溶融する際の温度は、用いるバインダーの種類や量によって異なるが50〜300℃とする。但し、用いるバインダーの流動開始温度よりも高い温度とする必要がある。尚、スラリー塗工を用いる場合には、多量の溶媒中に磁石粉末とバインダー(更に配向を助長する添加剤を含めても良い)を分散させ、スラリーをセパレータ等の支持基材18上に塗工する。その後、乾燥して溶媒を揮発させることにより、支持基材18上に長尺シート状のグリーンシート19を形成する。
ここで、溶融したコンパウンド17の塗工方式は、スロットダイ方式やカレンダーロール方式等の層厚制御性に優れる方式を用いることが好ましい。特に、高い厚み精度を実現する為には、特に層厚制御性に優れた(即ち、基材の表面に高精度の厚さの層を塗工できる方式)であるダイ方式やコンマ塗工方式を用いることが望ましい。例えば、スロットダイ方式では、加熱して流体状にしたコンパウンド17をギアポンプにより押し出してダイに挿入することにより塗工を行う。また、カレンダーロール方式では、加熱した2本ロールのギャップにコンパウンド17を一定量仕込み、ロールを回転させつつ支持基材18上にロールの熱で溶融したコンパウンド17を塗工する。また、支持基材18としては、例えばシリコーン処理ポリエステルフィルムを用いる。更に、消泡剤を用いたり、加熱真空脱泡を行うこと等によって展開層中に気泡が残らないよう充分に脱泡処理することが好ましい。また、支持基材18上に塗工するのではなく、押出成型や射出成形によって溶融したコンパウンド17をシート状に成型するとともに支持基材18上に押し出すことによって、支持基材18上にグリーンシート19を成形する構成としても良い。
また、スロットダイ方式によるグリーンシート19の形成工程では、塗工後のグリーンシート19のシート厚みを実測し、実測値に基づいてダイ20と支持基材18間のギャップをフィードバック制御することが望ましい。また、ダイ20に供給する流体状のコンパウンド17の量の変動は極力低下させ(例えば±0.1%以下の変動に抑える)、更に塗工速度の変動についても極力低下させる(例えば±0.1%以下の変動に抑える)ことが望ましい。それによって、グリーンシート19の厚み精度を更に向上させることが可能である。尚、形成されるグリーンシート19の厚み精度は、設計値(例えば1mm)に対して±10%以内、より好ましくは±3%以内、更に好ましくは±1%以内とする。尚、他方のカレンダーロール方式では、カレンダー条件を同様に実測値に基づいて制御することで、支持基材18へのコンパウンド17の転写膜厚を制御することが可能である。
尚、グリーンシート19の設定厚みは、0.05mm〜20mmの範囲で設定することが望ましい。厚みを0.05mmより薄くすると、多層積層しなければならないので生産性が低下することとなる。
次に、上述したホットメルト塗工によって支持基材18上に形成されたグリーンシート19の磁場配向を行う。具体的には、先ず支持基材18とともに連続搬送されるグリーンシート19を加熱することによりグリーンシート19を軟化させる。具体的には、グリーンシート19の粘度が1〜1500Pa・s、より好ましくは1〜500Pa・sとなるまで軟化させる。それによって、磁場配向を適切に行わせることが可能となる。
尚、グリーンシート19を加熱する際の温度及び時間は、用いるバインダーの種類や量によって異なるが、例えば100〜250℃で0.1〜60分とする。但し、グリーンシート19を軟化させる為に、用いるバインダーのガラス転移点又は流動開始温度以上の温度とする必要がある。また、グリーンシート19を加熱する加熱方式としては、例えばホットプレートによる加熱方式や熱媒体(シリコーンオイル)を熱源に用いた加熱方式が有る。次に、加熱により軟化したグリーンシート19の面内方向且つ長さ方向に対して磁場を印加することにより磁場配向を行う。印加する磁場の強さは5000[Oe]〜150000[Oe]、好ましくは、10000[Oe]〜120000[Oe]とする。その結果、グリーンシート19に含まれる磁石結晶のC軸(磁化容易軸)が一方向に配向される。尚、磁場を印加する方向としてはグリーンシート19の面内方向且つ幅方向に対して磁場を印加することとしても良い。また、複数枚のグリーンシート19に対して同時に磁場を印加する構成としても良い。そして、上記方法でグリーンシート19の磁場配向を行った結果、磁化容易軸が面内方向の一方向(例えば、面内方向で且つ長さ方向又は面内方向で且つ幅方向)に平行に配向されたグリーンシート19が製造される。
尚、グリーンシート19に磁場を印加する際には、加熱工程と同時に磁場を印加する工程を行う構成としても良いし、加熱工程を行った後であってグリーンシートが凝固する前に磁場を印加する工程を行うこととしても良い。また、ホットメルト塗工により塗工されたグリーンシート19が凝固する前に磁場配向する構成としても良い。その場合には、加熱工程は不要となる。
次に、図7を用いてグリーンシート19の加熱工程及び磁場配向工程についてより詳細に説明する。図7はグリーンシート19の加熱工程及び磁場配向工程を示した模式図である。尚、図7に示す例では、加熱工程と同時に磁場配向工程を行う例について説明する。
図7に示すように、上述したスロットダイ方式により塗工されたグリーンシート19に対する加熱及び磁場配向は、ロールによって連続搬送された状態の長尺シート状のグリーンシート19に対して行う。即ち、加熱及び磁場配向を行う為の装置を塗工装置(ダイ等)の下流側に配置し、上述した塗工工程と連続した工程により行う。
具体的には、ダイ20やコーティングロール22の下流側において、搬送される支持基材18及びグリーンシート19がソレノイド25内を通過するようにソレノイド25を配置する。更に、ホットプレート26をソレノイド25内においてグリーンシート19に対して上下一対に配置する。そして、上下一対に配置されたホットプレート26によりグリーンシート19を加熱するとともに、ソレノイド25に電流を流すことによって、長尺シート状のグリーンシート19の面内方向(即ち、グリーンシート19のシート面に平行な方向)で且つ長さ方向に磁場を生じさせる。それによって、連続搬送されるグリーンシート19を加熱により軟化させるとともに、軟化したグリーンシート19の面内方向且つ長さ方向(図7の矢印27方向)に対して磁場を印加し、グリーンシート19の適切且つ均一な磁場配向を実現することが可能となる。特に、磁場を印加する方向を面内方向とすることによって、グリーンシート19の表面が逆立つことを防止できる。
また、磁場配向した後に行うグリーンシート19の放熱及び凝固は、搬送状態で行うことが好ましい。それによって、製造工程をより効率化することが可能となる。
また、磁場配向した後に行うグリーンシート19の放熱及び凝固は、搬送状態で行うことが好ましい。それによって、製造工程をより効率化することが可能となる。
尚、磁場配向をグリーンシート19の面内方向且つ幅方向に対して行う場合には、ソレノイド25の代わりに搬送されるグリーンシート19の左右に一対の磁場コイルを配置するように構成する。そして、各磁場コイルに電流を流すことによって、長尺シート状のグリーンシート19の面内方向で且つ幅方向に磁場を生じさせることが可能となる。
また、上述したホットプレート26による加熱方式の代わりに熱媒体(シリコーンオイル)を熱源とした加熱方式を用いても良い。
ここで、ホットメルト成形を用いずに一般的なスロットダイ方式やドクターブレード方式等によりスラリー等の流動性の高い液状物によってグリーンシート19を成形した場合には、磁場の勾配が生じているところにグリーンシート19が搬入されると、磁場が強い方にグリーンシート19に含まれる磁石粉末が引き寄せられることとなり、グリーンシート19を形成するスラリーの液寄り、即ち、グリーンシート19の厚みの偏りが生じる虞がある。それに対して、本発明のようにコンパウンド17をホットメルト成形によりグリーンシート19に成形する場合には、室温付近での粘度は数万〜数十万Pa・sに達し、磁場勾配通過時の磁性粉末の寄りが生じることが無い。更に、均一磁場中に搬送され、加熱されることでバインダーの粘度低下が生じ、均一磁場中の回転トルクのみで、一様なC軸配向が可能となる。
また、ホットメルト成形を用いずに一般的なスロットダイ方式やドクターブレード方式等により有機溶媒を含むスラリー等の流動性の高い液状物によってグリーンシート19を成形した場合には、厚さ1mmを越えるシートを作成しようとすると乾燥時においてスラリー等に含まれる有機溶媒が気化することによる発泡が課題となる。更に、発泡を抑制する為に乾燥時間を長時間化すれば、磁石粉末の沈降が生じ、それに伴って重力方向に対する磁石粉末の密度分布の偏りが生じ、焼成後の反りの原因となる。従って、スラリーからの成形では、厚みの上限値が実質上規制される為、1mm以下の厚みでグリーンシートを成形し、その後に積層する必要がある。しかし、その場合にはバインダー同士の絡まり合いが乏しくなり、その後の脱バインダー工程(仮焼処理)で層間剥離を生じ、それがC軸(磁化容易軸)配向性の低下、即ち残留磁束密度(Br)の低下原因となる。それに対して、本発明のようにコンパウンド17をホットメルト成形によりグリーンシート19に成形する場合には、有機溶媒を含まないので、厚さ1mmを越えるシートを作成した場合でも上述したような発泡の懸念が解消する。そして、バインダーが十分に絡まり合った状態にあるので、脱バインダー工程での層間剥離が生じる虞が無い。
また、複数枚のグリーンシート19に対して同時に磁場を印加させる場合には、例えばグリーンシート19を複数枚(例えば6枚)積層した状態で連続搬送し、積層したグリーンシート19がソレノイド25内を通過するように構成する。それによって生産性を向上させることが可能となる。
そして、図7に示す方法によりグリーンシート19の磁場配向を行った後に、グリーンシート19を製品形状に切削することによって、製品形状へと成形する。尚、最終的な製品で要求される磁化容易軸の方向を考慮してグリーンシート19の切削加工を行う。例えば、磁化容易軸が面内方向の一方向(例えば、面内方向で且つ長さ方向又は面内方向で且つ幅方向)に平行に配向されたグリーンシート19を、面に対して垂直方向からリング形状に打ち抜くと、図3に示すように磁化容易軸がリング形状の径方向である一方向に平行に配向されたリング形状の成形体(以下、リング成形体という)30を成形することが可能である。
また、大きな形状の磁石を製造する場合には、複数枚のグリーンシート19を積層し、樹脂などで互いに固定した後に製品形状への打ち抜きを行う。尚、グリーンシート19を製品形状に打ち抜いた後に積層しても良い。
また、大きな形状の磁石を製造する場合には、複数枚のグリーンシート19を積層し、樹脂などで互いに固定した後に製品形状への打ち抜きを行う。尚、グリーンシート19を製品形状に打ち抜いた後に積層しても良い。
続いて、成形並びに磁場配向されたリング成形体30を大気圧、又は大気圧より高い圧力や低い圧力(例えば、1.0Paや1.0MPa)に加圧した非酸化性雰囲気(特に本発明では水素雰囲気又は水素と不活性ガスの混合ガス雰囲気)においてバインダー分解温度で数時間〜数十時間(例えば5時間)保持することにより仮焼処理を行う。水素雰囲気下で行う場合には、例えば仮焼中の水素の供給量は5L/minとする。仮焼処理を行うことによって、バインダー等の有機化合物を解重合反応等によりモノマーに分解し飛散させて除去することが可能となる。即ち、リング成形体30中の炭素量を低減させる所謂脱カーボンが行われることとなる。また、仮焼処理は、リング成形体30中の炭素量が2000ppm以下、より好ましくは1000ppm以下とする条件で行うこととする。それによって、その後の焼結処理でリング成形体30の全体を緻密に焼結させることが可能となり、残留磁束密度や保磁力の低下を抑制する。また、上述した仮焼処理を行う際の加圧条件を大気圧より高い圧力で行う場合には、15MPa以下とすることが望ましい。尚、加圧条件は大気圧より高い圧力、より具体的には0.2MPa以上とすれば特に炭素量軽減の効果が期待できる。
尚、バインダー分解温度は、バインダー分解生成物および分解残渣の分析結果に基づき決定する。具体的にはバインダーの分解生成物を補集し、モノマー以外の分解生成物が生成せず、かつ残渣の分析においても残留するバインダー成分の副反応による生成物が検出されない温度範囲が選ばれる。バインダーの種類により異なるが200℃〜900℃、より好ましくは400℃〜600℃(例えば450℃)とする。
また、上記仮焼処理は、一般的な磁石の焼結を行う場合と比較して、昇温速度を小さくするのが好ましい。具体的には、昇温速度を2℃/min以下(例えば1.5℃/min)とする。従って、仮焼処理を行う場合には、図8に示すように2℃/min以下の所定の昇温速度で昇温し、予め設定された設定温度(バインダー分解温度)に到達した後に、該設定温度で数時間〜数十時間保持することにより仮焼処理を行う。上記のように仮焼処理において昇温速度を小さくすることによって、リング成形体30中の炭素が急激に除去されず、段階的に除去されるので、焼結後の永久磁石の密度を上昇させる(即ち、永久磁石中の空隙を減少させる)ことが可能となる。そして、昇温速度を2℃/min以下とすれば、焼結後の永久磁石の密度を95%以上とすることができ、高い磁石特性が期待できる。
また、仮焼処理によって仮焼されたリング成形体30を続いて真空雰囲気で保持することにより脱水素処理を行っても良い。脱水素処理では、仮焼処理によって生成されたリング成形体30中のNdH3(活性度大)を、NdH3(活性度大)→NdH2(活性度小)へと段階的に変化させることによって、仮焼処理により活性化されたリング成形体30の活性度を低下させる。それによって、仮焼処理によって仮焼されたリング成形体30をその後に大気中へと移動させた場合であっても、Ndが酸素と結び付くことを防止し、残留磁束密度や保磁力の低下を抑制する。また、磁石結晶の構造をNdH2等からNd2Fe14B構造へと戻す効果も期待できる。
続いて、仮焼処理によって仮焼されたリング成形体30を焼結する焼結処理を行う。尚、リング成形体30の焼結方法としては、真空中での無加圧焼結、一軸方向に加圧した状態で焼結する一軸加圧焼結、2軸方向に加圧した状態で焼結する2軸加圧焼結、等方に加圧した状態で焼結する等方加圧焼結等がある。例えば、リング成形体30をリング形状の軸方向に対して平行に加圧した状態で焼結する一軸加圧焼結を用いる。また、加圧焼結としては、例えば、ホットプレス焼結、熱間静水圧加圧(HIP)焼結、超高圧合成焼結、ガス加圧焼結、放電プラズマ(SPS)焼結等がある。但し、一軸方向に加圧可能であって且つ通電焼結により焼結するSPS焼結を用いることが好ましい。尚、SPS焼結で焼結を行う場合には、加圧値を例えば0.01MPa〜100MPaとし、数Pa以下の真空雰囲気で940℃まで10℃/分で上昇させ、その後5分保持することが好ましい。その後冷却し、再び300℃〜1000℃で2時間熱処理を行う。そして、焼結の結果、焼結体31が製造される。
その後、図6に示すように焼結体31を磁化容易軸に沿って着磁を行う。その結果、異方性リング磁石である永久磁石1を製造することが可能となる。着磁後の永久磁石1は、径方向の外周表面及び内周表面に形成される磁極の数がそれぞれ2極となる。尚、永久磁石1の着磁には、例えば着磁コイル、着磁ヨーク、コンデンサー式着磁電源装置等が用いられる。尚、永久磁石1の着磁は、回転電機のロータ3に配置した後に行う構成としても良い。
その後、永久磁石1をロータ3の外周面に配置し、ステータ4や回転軸7等のロータ3以外の部材を組み付けることにより表面磁石型のモータ2が製造される。尚、着磁後の永久磁石1は、ロータ3の周方向に沿って形成される磁極の数を2極とするので、モータ2を高速回転させた場合であっても駆動周波数がそれほど大きくならず、インバータの電力損失の増加を抑えることができる。
以上説明したように、本実施形態に係る永久磁石1及び永久磁石1の製造方法では、磁石原料を磁石粉末に粉砕し、粉砕された磁石粉末とバインダーとを混合することによりコンパウンド17を生成する。そして、生成したコンパウンド17をシート状に成形したグリーンシート19を作製する。その後、成形したグリーンシート19に対して磁場を印加することにより磁場配向を行い、磁場配向されたグリーンシート19の磁場配向方向を考慮しつつグリーンシート19を切削することによって製品形状へと成形する。その後、焼結することにより永久磁石1を製造する。また、永久磁石1はリング形状を有し、磁化容易軸がリング形状の径方向である一方向に平行に配向され、径方向の外周表面及び内周表面に形成される磁極の数がそれぞれ2極となるように構成するので、回転電機に用いた場合に高速回転を実現するとともにインバータの電力損失の低減を実現することが可能となる。
また、磁石粉末とバインダーとの混合物を成形するので、圧粉成形等を用いる場合と比較して、配向後に磁石粒子が回動することも無く、配向度についても向上させることが可能となる。
また、バインダーとの混合物に対して磁場配向を行う場合には、電流のターン数を利用できるため磁場配向を行う際の磁場強度を大きく確保することができ、且つ静磁場で長時間の磁場印加を施せるので、バラつきの少ない高い配向度を実現することが可能となる。
更に、バラつきの少ない高配向が実現できる事は、焼結による収縮のバラつきの低減に繋がる。即ち、焼結後の製品形状の均一性が確保できる。その結果、焼結後の外形加工に対する負担が軽減され、量産の安定性が大きく向上する事が期待できる。
また、磁石粉末とバインダーとの混合物をシート状に成形したグリーンシート19を作製し、グリーンシート19に対して磁場を印加することによって磁場配向を行い、リング形状に打ち抜くことによってリング形状へと成形するので、磁石粉末の成形及び磁場配向を連続した工程で行うことが可能であり、生産性を向上させることができる。
また、グリーンシート19をリング形状に打ち抜いた場合であっても、打ち抜きにより生じた残余部分をグリーンシート19の一部として再生することが可能なので、歩留まりの低下を防止することが可能となる。
また、リング成形体30をリング形状の軸方向に加圧した状態で焼結するので、焼結による収縮が均一となることにより、焼結後の反りや凹みなどの変形が生じることを防止できる。その結果、リング磁石を精度よく製造することが可能となる。
また、表面磁石型の回転電機のロータ3に配置され且つ着磁された場合に、ロータ3の周方向に沿って形成される磁極の数が2極となるので、従来に比べてモータの高トルク化、発電機の発電力の向上、小型軽量化を実現することが可能となる。また、インバータの電力損失の低減を実現することが可能となる。
また、磁石粉末とバインダーとの混合物を成形するので、圧粉成形等を用いる場合と比較して、配向後に磁石粒子が回動することも無く、配向度についても向上させることが可能となる。
また、バインダーとの混合物に対して磁場配向を行う場合には、電流のターン数を利用できるため磁場配向を行う際の磁場強度を大きく確保することができ、且つ静磁場で長時間の磁場印加を施せるので、バラつきの少ない高い配向度を実現することが可能となる。
更に、バラつきの少ない高配向が実現できる事は、焼結による収縮のバラつきの低減に繋がる。即ち、焼結後の製品形状の均一性が確保できる。その結果、焼結後の外形加工に対する負担が軽減され、量産の安定性が大きく向上する事が期待できる。
また、磁石粉末とバインダーとの混合物をシート状に成形したグリーンシート19を作製し、グリーンシート19に対して磁場を印加することによって磁場配向を行い、リング形状に打ち抜くことによってリング形状へと成形するので、磁石粉末の成形及び磁場配向を連続した工程で行うことが可能であり、生産性を向上させることができる。
また、グリーンシート19をリング形状に打ち抜いた場合であっても、打ち抜きにより生じた残余部分をグリーンシート19の一部として再生することが可能なので、歩留まりの低下を防止することが可能となる。
また、リング成形体30をリング形状の軸方向に加圧した状態で焼結するので、焼結による収縮が均一となることにより、焼結後の反りや凹みなどの変形が生じることを防止できる。その結果、リング磁石を精度よく製造することが可能となる。
また、表面磁石型の回転電機のロータ3に配置され且つ着磁された場合に、ロータ3の周方向に沿って形成される磁極の数が2極となるので、従来に比べてモータの高トルク化、発電機の発電力の向上、小型軽量化を実現することが可能となる。また、インバータの電力損失の低減を実現することが可能となる。
尚、本発明は前記実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることは勿論である。
例えば、磁石粉末の粉砕条件、混練条件、成形条件、磁場配向工程、仮焼条件、焼結条件などは上記実施例に記載した条件に限られるものではない。例えば、上記実施例ではビーズミルを用いた湿式粉砕により磁石原料を粉砕しているが、ジェットミルによる乾式粉砕により粉砕することとしても良い。また、仮焼を行う際の雰囲気は非酸化性雰囲気であれば水素雰囲気以外(例えば窒素雰囲気、He雰囲気等、Ar雰囲気等)で行っても良い。また、仮焼処理を省略しても良い。その場合には、焼結処理の過程で脱炭素が行われることとなる。
例えば、磁石粉末の粉砕条件、混練条件、成形条件、磁場配向工程、仮焼条件、焼結条件などは上記実施例に記載した条件に限られるものではない。例えば、上記実施例ではビーズミルを用いた湿式粉砕により磁石原料を粉砕しているが、ジェットミルによる乾式粉砕により粉砕することとしても良い。また、仮焼を行う際の雰囲気は非酸化性雰囲気であれば水素雰囲気以外(例えば窒素雰囲気、He雰囲気等、Ar雰囲気等)で行っても良い。また、仮焼処理を省略しても良い。その場合には、焼結処理の過程で脱炭素が行われることとなる。
また、上記実施例では、磁石粉末とバインダーとの混合体をシート形状のグリーン成形体(グリーンシート19)に成型した後に、打ち抜き加工を行うことによってリング形状の成形体(リング成形体30)とする構成としているが、打ち抜き加工ではなく切断加工や削り加工等によってグリーンシート19からリング成形体30を成形する構成としても良い。
また、上記実施例では、磁石粉末とバインダーとの混合体に対して磁場配向を行った後に、リング成形体30へと成形する構成としているが、リング成形体30に成型した後に磁場配向を行っても良い。
また、永久磁石1をロータ側では無くステータ側に配置する回転電機に対しても適用することが可能である。また、インナーロータ型の回転電機に限らず、アウターロータ型の回転電機にも適用可能である。例えば、アウターロータ型の回転電機のステータに永久磁石を配置する場合には、ステータの周方向に沿って形成される磁極の数が2極となる。更に、永久磁石1はデュアルロータ型の回転電機に対しても適用可能である。また、本発明に係る永久磁石1はモータ以外に、発電機や磁気減速機等の各種回転電機に対して適用可能である。尚、本発明に係る回転電機を磁気減速機に適用する場合には、ステータ4をステータコア5や巻線6に代えて磁性材料からなる所定数の磁極片により構成する。
また、上記実施例では、ステータコア5に巻線6を巻装したステータ4を有する回転電機としているが、ステータコア5は磁性体以外に非磁性体により構成しても良い。更に、回転電機はステータコアを有さないコアレスモータとしても良い。その場合には、巻線6を樹脂等によりカップ状に固定したものをステータ4とする。このようなコアレスモータでは、鉄損を無くすことができるので回転電機の効率を高めることが可能となる。
また、上記実施例では、磁石粉末を成形した後に水素雰囲気又は水素と不活性ガスの混合ガス雰囲気において仮焼を行っているが、成形前の磁石粉末に対して仮焼処理を行い、仮焼体である磁石粉末を成形体に成形し、その後に焼結を行うことによって永久磁石を製造することとしても良い。このような構成とすれば、粉末状の磁石粒子に対して仮焼を行うので、成形後の磁石粒子に対して仮焼を行う場合と比較して、仮焼対象となる磁石の表面積を大きくすることができる。即ち、仮焼体中の炭素量をより確実に低減させることが可能となる。但し、バインダーを仮焼処理で熱分解させる為に、成形後に仮焼処理を行うことが望ましい。
また、本発明ではNd−Fe−B系磁石を例に挙げて説明したが、他の磁石(例えばサマリウム系コバルト磁石、アルニコ磁石、フェライト磁石等)を用いても良い。また、磁石の合金組成は本発明ではNd成分を量論組成より多くしているが、量論組成としても良い。
1 永久磁石
2 モータ
3 ロータ
4 ステータ
17 コンパウンド
19 グリーンシート
30 成形体
31 焼結体
2 モータ
3 ロータ
4 ステータ
17 コンパウンド
19 グリーンシート
30 成形体
31 焼結体
Claims (9)
- リング形状を有する永久磁石であって、
磁化容易軸がリング形状の径方向である一方向に平行に配向され、
径方向の外周表面及び内周表面に形成される磁極の数がそれぞれ2極となることを特徴とする永久磁石。 - 磁石原料を磁石粉末に粉砕する工程と、
前記粉砕された磁石粉末とバインダーとが混合された混合物を生成する工程と、
前記混合物を所定形状の成形体に成形する工程と、
前記成形体に対して磁場を印加することにより前記成形体の磁化容易軸を一方向に平行に配向する工程と、
磁場配向された前記成形体をリング形状に切削する工程と、
リング形状の前記成形体を焼成温度で保持することにより焼結し、焼結体を得る工程と、
前記焼結体を配向方向に沿って着磁する工程と、により製造されることを特徴とする請求項1に記載の永久磁石。 - 前記成形体を成形する工程では、前記混合物をシート状に成形することによって前記成形体としてグリーンシートを作製し、
前記切削工程では、前記グリーンシートをリング形状に打ち抜くことを特徴とする請求項2に記載の永久磁石。 - リング形状の前記成形体を焼結する工程では、前記成形体をリング形状の軸方向に加圧した状態で焼結することを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の永久磁石。
- 請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の永久磁石をロータに配置したことを特徴とする回転電機。
- 磁石原料を磁石粉末に粉砕する工程と、
前記粉砕された磁石粉末とバインダーとが混合された混合物を生成する工程と、
前記混合物を所定形状の成形体に成形する工程と、
前記成形体に対して磁場を印加することにより前記成形体の磁化容易軸を一方向に平行に配向する工程と、
磁場配向された前記成形体をリング形状に切削することにより、磁化容易軸がリング形状の径方向である一方向に平行に配向されたリング形状の前記成形体を得る工程と、
リング形状の前記成形体を焼成温度で保持することにより焼結し、焼結体を得る工程と、
径方向の外周表面及び内周表面に形成される磁極の数がそれぞれ2極となるように前記焼結体を配向方向に沿って着磁する工程と、を有することを特徴とする永久磁石の製造方法。 - 前記成形体を成形する工程では、前記混合物をシート状に成形することによって前記成形体としてグリーンシートを作製し、
前記切削工程では、前記グリーンシートをリング形状に打ち抜くことを特徴とする請求項6に記載の永久磁石の製造方法。 - リング形状の前記成形体を焼結する工程では、前記成形体をリング形状の軸方向に加圧した状態で焼結することを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の永久磁石の製造方法。
- 請求項6乃至請求項8のいずれかの製造方法で製造された永久磁石をロータに配置することにより製造することを特徴とする回転電機の製造方法。
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JP2014153863A JP2016032024A (ja) | 2014-07-29 | 2014-07-29 | 永久磁石、永久磁石の製造方法、回転電機及び回転電機の製造方法 |
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Cited By (2)
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---|---|---|---|---|
CN109950039A (zh) * | 2019-04-22 | 2019-06-28 | 宁德市星宇科技有限公司 | 一种烧结钕铁硼辐射环的成型装置及辐射环制备方法 |
CN110165847A (zh) * | 2019-06-11 | 2019-08-23 | 深圳市瑞达美磁业有限公司 | 不同宽度波形的径向各向异性多极实心磁体的生产方法 |
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2014
- 2014-07-29 JP JP2014153863A patent/JP2016032024A/ja active Pending
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