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JP2016011423A - 熱サイクル用作動媒体、熱サイクルシステム用組成物および熱サイクルシステム - Google Patents

熱サイクル用作動媒体、熱サイクルシステム用組成物および熱サイクルシステム Download PDF

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JP2016011423A JP2015115047A JP2015115047A JP2016011423A JP 2016011423 A JP2016011423 A JP 2016011423A JP 2015115047 A JP2015115047 A JP 2015115047A JP 2015115047 A JP2015115047 A JP 2015115047A JP 2016011423 A JP2016011423 A JP 2016011423A
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正人 福島
真維 橋本
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真維 橋本
聡史 河口
Satoshi Kawaguchi
聡史 河口
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Abstract

【課題】地球温暖化係数(GWP)を小さくしつつHFC−134aに代替可能で、組成変化が小さく、温度勾配が小さく、サイクル性能(能力)に優れる熱サイクル用作動媒体及び熱サイクルシステム用組成物並びに前記組成物を用いた熱サイクルシステムの提供。
【解決手段】(Z)−1,2−ジフルオロエチレン(HFO−1132(Z))を1〜99質量%と1,1,1,2−テトラフルオロエタン(HFC−134a)及び/又は2,3,3,3−テトラフルオロプロペン(HFO−1234yf)を99〜1質量%と、からなる共沸様組成物を含む熱サイクル用作動媒体。
【選択図】図3

Description

本発明は、熱サイクル用作動媒体、熱サイクルシステム用組成物および熱サイクルシステムに関する。
冷凍機、空調機器、発電システム(廃熱回収発電等)、潜熱輸送装置(ヒートパイプ等)等に用いられる熱サイクルシステムとしては、作動媒体として、オゾン層への影響が少ないヒドロフルオロカーボン(以下、HFCと記す。)を用いるものが知られている。しかし、HFCは、地球温暖化の原因となる可能性が指摘されている。たとえば、自動車用空調装置の冷媒として用いられている1,1,1,2−テトラフルオロエタン(HFC−134a)は、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第4次報告書(2007年)による地球温暖化係数が1430(100年値)と大きい。なお、本明細書において、ハロゲン化炭化水素については、化合物名の後の括弧内にその化合物の略称を記し、本明細書では必要に応じて化合物名に代えてその略称を用いる。また、化合物名の前または化合物の略称の後に(E)または(Z)等の表記があるものは、幾何異性体のE体またはZ体であることを示す。また、本明細書において地球温暖化係数(GWP)は、特に断りのない限りIPCC第4次評価報告書の100年の値である。
オゾン層への影響が少なく、かつ地球温暖化への影響が少ない作動媒体を用いた熱サイクルシステムとしては、ヒドロフルオロオレフィン(以下、HFOと記す。)を用いた熱サイクルシステムが提案されている。HFOは、オゾン層への影響が少ないうえ、大気中のOHラジカルによって分解されやすい炭素−炭素二重結合を有するため、地球温暖化への影響も少ない。
具体的には、以下の(1)〜(3)の熱サイクルシステムが挙げられる。
(1)3,3,3−トリフルオロプロペン(HFO−1243zf)、1,3,3,3−テトラフルオロプロペン(HFO−1234ze)、2−フルオロプロペン(HFO−1261yf)、2,3,3,3−テトラフルオロプロペン(HFO−1234yf)、1,1,2−トリフルオロプロペン(HFO−1243yc)等を含む作動媒体を用いた熱サイクルシステム(例えば、特許文献1参照。)。
(2)1,2,3,3,3−ペンタフルオロプロペン(HFO−1225ye)、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン(HFO−1234ze(E))、シス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン(HFO−1234ze(Z))、HFO−1234yf等を含む作動媒体を用いた熱サイクルシステム(例えば、特許文献2参照。)。
(3)(E)−1,2−ジフルオロエチレン(HFO−1132(E))、(Z)−1,2−ジフルオロエチレン(HFO−1132(Z))を含む作動媒体を用いた熱サイクルシステム(例えば、特許文献3参照。)。
しかし、熱サイクルシステム(1)、(2)は、いずれもサイクル性能(能力)が不充分であった。
また、一般に、非共沸組成物を作動媒体とした際には、作動媒体が、保管や移送のために収容された圧力容器から、熱サイクルシステム機器である冷凍空調機器等へ充てん(移充てん)される際や、冷凍空調機器から漏えいした際に、組成変化を生じることがある。さらに、作動媒体の組成が変化した場合には、作動媒体を初期の組成に復元することが困難である。そのため、非共沸組成物を作動媒体として使用した際には、作動媒体の管理性に劣るという課題があった。また、非共沸組成物を作動媒体として使用した際には、温度勾配が大きくなるという課題もあった。
特開平4−110388号公報 特表2006−512426号公報 国際公開第2012/157765号
本発明は、GWPを小さくしつつHFC−134aに代替可能で、さらに、気液間の組成変化が小さく、温度勾配が小さく、サイクル性能(能力)に優れる熱サイクル用作動媒体および熱サイクルシステム用組成物および該組成物を用いた熱サイクルシステムを提供することを目的とする。
本発明は、以下の構成を有する熱サイクル用作動媒体、熱サイクルシステム用組成物および熱サイクルシステムを提供する。
[1]HFO−1132(Z)とHFC−134aおよび/またはHFO−1234yfからなる共沸様組成物を含むことを特徴とする熱サイクル用作動媒体。
[2]前記共沸様組成物が、前記HFO−1132(Z)を1〜99質量%、前記HFC−134aおよび/またはHFO−1234yfを99〜1質量%含む[1]に記載の熱サイクル用作動媒体。
[3]前記熱サイクル用作動媒体の全量に対する前記共沸様組成物の割合が50質量%以上である[1]または[2]に記載の熱サイクル用作動媒体。
[4]前記熱サイクル用作動媒体の全量に対する前記HFO−1132(Z)の割合が80質量%以下である[1]〜[3]のいずれかに記載の熱サイクル用作動媒体。
[5]前記熱サイクル用作動媒体の全量に対する前記HFO−1132(Z)の割合が20質量%以上である[1]〜[4]のいずれかに記載の熱サイクル用作動媒体。
[6]前記共沸様組成物がHFO−1132(Z)とHFC−134aを含み、前記共沸様組成物に含有される前記HFO−1132(Z)と前記HFC−134aの合計質量に対する前記HFO−1132(Z)の割合が20質量%以下である[1]〜[4]のいずれかに記載の熱サイクル用作動媒体。
[7][1]〜[6]のいずれかに記載の熱サイクル用作動媒体と、冷凍機油とを含む熱サイクルシステム用組成物。
[8][7]に記載の熱サイクルシステム用組成物を用いた、熱サイクルシステム。
[9]冷凍・冷蔵機器、空調機器、発電システム、熱輸送装置または二次冷却機である[8]に記載の熱サイクルシステム。
[10]ルームエアコン、店舗用パッケージエアコン、ビル用パッケージエアコン、設備用パッケージエアコン、ガスエンジンヒートポンプ、列車用空調装置、自動車用空調装置、内蔵型ショーケース、別置型ショーケース、業務用冷凍・冷蔵庫、製氷機または自動販売機である[9]に記載の熱サイクルシステム。
本発明によれば、GWPを小さくしつつHFC−134aに代替可能で、さらに、気液間の組成変化が小さく、温度勾配が小さく、サイクル性能(能力)に優れる熱サイクルシステムを与える熱サイクル用作動媒体および熱サイクルシステム用組成物を提供することができる。また、サイクル性能(能力)に優れる熱サイクルシステムを提供することができる。
HFO−1132(Z)とHFC−134aからなる組成物の気液平衡グラフである。 HFO−1132(Z)とHFO−1234yfからなる組成物の気液平衡グラフである。 冷凍サイクルシステムの一例を示す概略構成図である。 冷凍サイクルシステムにおける熱サイクル用作動媒体の状態変化を圧力−エンタルピ線図上に記載したサイクル図である。 実施例におけるHFO−1132(Z)/HFC−134a/空気系の燃焼範囲を示した図である。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
[熱サイクル用作動媒体]
本発明の熱サイクル用作動媒体は、HFO−1132(Z)とHFC−134aおよび/またはHFO−1234yfからなる共沸様組成物を含む熱サイクル用の作動媒体である。
本明細書において、共沸組成物とは、2成分以上の混合液の気液平衡状態において、気相と液相の組成が同じである、すなわち比揮発度が1.00である組成物をいい、共沸様組成物は共沸組成物における気液平衡時の前記挙動と略同様の挙動を示す組成物をいう。なお、共沸様組成物は、共沸組成物と同等に取り扱えるため、本明細書において、共沸様組成物は共沸組成物を含むものとする。
HFO−1132(Z)と、HFC−134aおよび/またはHFO−1234yfからなる共沸組成物は、以下の式で示される比揮発度が1.00である。
(比揮発度を求める式)
比揮発度=(気相部におけるHFO−1132(Z)の質量%/気相部におけるHFC−134aおよび/またはHFO−1234yfの質量%)/(液相部におけるHFO−1132(Z)の質量%/液相部におけるHFC−134aおよび/またはHFO−1234yfの質量%)
なお、上記比揮発度は気液平衡状態のHFO−1132(Z)とHFC−134aおよび/またはHFO−1234yfの混合物の気相および液相の組成を測定することで求められる。また、該混合物における上記構成成分の割合を種々変更して比揮発度を測定することで、比揮発度が1.00となる共沸組成が求められる。さらに、上記測定において比揮発度が共沸組成と略同様と判断される範囲にある混合物を共沸様組成物として本発明に用いる。
本発明に用いるHFO−1132(Z)とHFC−134aの共沸様組成物の組成範囲、および、HFO−1132(Z)とHFO−1234yfの共沸様組成物の組成範囲は、例えば、以下の方法で求めることができる。
(HFO−1132(Z)とHFC−134aの共沸様組成物)
所定の濃度のHFO−1132(Z)およびHFC−134aを、25℃で耐圧容器内に充填し、撹拌した後、気液平衡状態となるまで静置した。その後、耐圧容器内の気相および液相を採取し、それぞれガスクロマトグラフによって組成の分析を行った。また、両者の組成比から、上に説明した比揮発度を求める式により比揮発度を求めた。結果を表1に示す。
Figure 2016011423
さらに、表1の結果に基いて、HFO−1132(Z)およびHFC−134aからなる組成物の気液平衡グラフを作成した。これを、図1に示す。図1は、上記各種組成を変えて準備されたHFO−1132(Z)とHFC−134aからなる混合物の気液平衡状態における、HFO−1132(Z)の液相濃度(質量%)と気相濃度(質量%)の関係を示すグラフである。図1において、実線が上記で測定されたHFO−1132(Z)の液相濃度(質量%)と気相濃度(質量%)の関係を示し、破線は気相と液相における組成が一致する比揮発度1.00となる直線を示す。図1において実線で示す曲線と破線で示す直線の交点が共沸組成であり、HFO−1132(Z):HFC−134a=23.6質量%:76.4質量%である。
また、図1より、HFO−1132(Z)およびHFC−134aからなる組成物においては、HFO−1132(Z)が1〜99質量%の範囲で気液平衡状態における液相濃度(質量%)と気相濃度(質量%)の関係が、上記破線で示す比揮発度1.00の直線に近似していることがわかる。上記測定結果によれば、HFO−1132(Z)およびHFC−134aからなる共沸様組成物は、HFO−1132(Z)とHFC−134aの質量比(HFO−1132(Z)[質量%]/HFC−134a[質量%])が1/99〜99/1の範囲で、比揮発度が1.00±0.10の範囲である。
(HFO−1132(Z)とHFO−1234yfの共沸様組成物)
また、HFO−1132(Z)とHFO−1234yfからなる組成物について、上記共沸組成を求める試験と同様に所定の組成における気相および液相の組成分析を行う試験を行い、両者の組成比から、上に説明した比揮発度を求める式により比揮発度を求めた。結果を表2に示す。
Figure 2016011423
さらに、表2の結果に基いて、HFO−1132(Z)およびHFO−1234yfからなる組成物の気液平衡グラフを作成した。これを、図2に示す。図2は、上記各種組成を変えて準備されたHFO−1132(Z)とHFO−1234yfからなる混合物の気液平衡状態における、HFO−1132(Z)の液相濃度(質量%)と気相濃度(質量%)の関係を示すグラフである。図2において、実線が上記で測定されたHFO−1132(Z)の液相濃度(質量%)と気相濃度(質量%)の関係を示し、破線は気相と液相における組成が一致する比揮発度1.00となる直線を示す。図2において実線で示す曲線と破線で示す直線の交点が共沸組成であり、HFO−1132(Z):HFO−1234yf=36質量%:64質量%である。
また、図2より、HFO−1132(Z)およびHFO−1234yfからなる組成物においては、HFO−1132(Z)が1〜99質量%の範囲で気液平衡状態における液相濃度(質量%)と気相濃度(質量%)の関係が、上記破線で示す比揮発度1.00の直線に近似していることがわかる。上記測定結果によれば、HFO−1132(Z)およびHFO−1234yfからなる共沸様組成物は、HFO−1132(Z)とHFO−1234yfの質量比(HFO−1132(Z)[質量%]/HFC−134a[質量%])が1/99〜99/1の範囲で、比揮発度が1.00±0.40の範囲である。
また、HFO−1132(Z)、HFC−134aおよびHFO−1234yfの沸点は、圧力が1.013×10Paで測定される値で、それぞれ、HFO−1132(Z)の沸点:−28℃、HFC−134aの沸点:−26℃、HFO−1234yfの沸点:−29℃であり、それぞれ沸点が極めて近い。HFO−1132(Z)、HFC−134aおよびHFO−1234yfの3成分からなる熱サイクル用作動媒体の温度勾配は、後述の実施例で示すようにHFO−1132(Z)とHFC−134aまたはHFO−1234yfの2成分からなる熱サイクル用作動媒体の温度勾配と近似した動向を示す。
以下に説明するように、温度勾配は、共沸様組成を反映するファクターであり、組成物の温度勾配が1.00以下であれば、当該組成物が共沸様組成であるといえる。したがって、HFO−1132(Z)、HFC−134aおよびHFO−1234yfからなる組成物についても、HFO−1132(Z)とHFC−134aまたはHFO−1234yfからなる組成物と同様に、HFO−1132(Z)と、HFO−1234yfおよびHFC−134aの質量比(HFO−1132(Z)[質量%]/(HFO−1234yf[質量%]+HFC−134a[質量%]))が1/99〜99/1の範囲で共沸様組成物を形成するといえる。
上記の結果を勘案して、本発明の熱サイクル用作動媒体においては、HFO−1132(Z)とHFC−134aおよび/またはHFO−1234yfからなる共沸様組成物として、HFO−1132(Z)の含有割合が1〜99質量%、HFC−134aおよび/またはHFO−1234yfの含有割合が99〜1質量%の組成物を選択することとした。
HFO−1132(Z)とHFC−134aおよび/またはHFO−1234yfからなる共沸様組成物において、HFO−1132(Z)とHFC−134aおよび/またはHFO−1234yfの含有割合が上記した範囲であれば、気液両相の組成比の差が極めて小さく、組成の安定性に優れた熱サイクル用作動媒体を得ることができる。また、本発明の熱サイクル用作動媒体を熱サイクルシステムに適用した場合に、移充てん、あるいは機器からの漏えい時の組成変化が極めて小さいため、極めて安定したサイクル性能が得られる。そのため、熱サイクル用作動媒体の管理が容易であるという利点を有し、一定の能力を維持しながら効率をより高めることで良好なサイクル性能を得ることができる。
また、混合物を作動媒体として使用した場合に、該混合物の作動媒体としての性能をはかる指標の一つとして、「温度勾配」が用いられる。温度勾配は、熱交換器、例えば、蒸発器における蒸発の、または凝縮器における凝縮の、開始温度と終了温度が異なる性質、と定義される。本発明の熱サイクル用作動媒体は、HFO−1132(Z)とHFC−134aおよび/またはHFO−1234yfからなる共沸様組成物を含有するため、温度勾配が0に近い。したがって、これを熱サイクルシステムに適用した場合に、以下に説明するように、エネルギー効率のよい熱サイクルシステムを得ることができる。
共沸様組成物を作動媒体として用いる場合の熱サイクルシステムにおける温度勾配の影響について、図3に示す熱サイクルシステムに用いた場合を例に以下に説明する。
図3は、本発明の冷凍サイクルシステムの一例を示す概略構成図である。冷凍サイクルシステム10は、作動媒体蒸気Aを圧縮して高温高圧の作動媒体蒸気Bとする圧縮機11と、圧縮機11から排出された作動媒体蒸気Bを冷却し、液化して低温高圧の作動媒体Cとする凝縮器12と、凝縮器12から排出された作動媒体Cを膨張させて低温低圧の作動媒体Dとする膨張弁13と、膨張弁13から排出された作動媒体Dを加熱して高温低圧の作動媒体蒸気Aとする蒸発器14と、蒸発器14に負荷流体Eを供給するポンプ15と、凝縮器12に流体Fを供給するポンプ16とを具備して概略構成されるシステムである。
冷凍サイクルシステム10において、作動媒体は、蒸発時、蒸発器14の入口から出口に向かい温度が上昇し、反対に凝縮時、凝縮器12の入口から出口に向かい温度が低下する。冷凍サイクルシステム10においては、蒸発器14および凝縮器12において、作動媒体と対向して流れる水や空気等の熱源流体との間で熱交換を行うことにより構成されている。熱源流体は、冷凍サイクルシステム10において、蒸発器14では「E→E’」で示され、凝縮器12では「F→F’」で示される。
ここで、単一組成の作動媒体を用いた場合には温度勾配がないため、蒸発器14の出口温度と入口温度との温度差がほぼ一定である。また、共沸組成物は、該組成物を繰り返し蒸発、凝縮させた場合、組成変化がないため、作動媒体として用いる場合に、単一組成の作動媒体とほぼ等しく取り扱える。また、共沸様組成物は、蒸発、凝縮を繰り返した場合の組成の変動が小さく、共沸組成物と同等に取り扱える。したがって、共沸組成物または共沸様組成物を作動媒体として用いた場合にも、蒸発器14の出口温度と入口温度との温度差がほぼ一定となる。
一方、非共沸組成物を用いた場合は、温度差が一定とならない。例えば、蒸発器14で、0℃で蒸発させようとした場合、入口温度が0℃よりも低い温度となり、蒸発器14において着霜する問題が生じる。特に、温度勾配が大きいほど、入口温度が低くなり、着霜の可能性が大きくなる。
また、例えば、上記冷凍サイクルシステム10に示されるとおり、通常、熱サイクルシステムにおいては、蒸発器14および凝縮器12等の熱交換器を流れる作動媒体と水や空気等の熱源流体とは常に対向流にすることにより熱交換効率の向上をはかる工夫がされている。ここで、起動時を別とし、一般に長期稼働する安定運転状態においては熱源流体の温度差が小さいことから、気液両相の組成が大きく異なる非共沸組成物の場合、温度勾配が大きいため、エネルギー効率のよい熱サイクルシステムを得ることが困難である。これに対し、共沸組成物を作動媒体として用いた場合には、エネルギー効率のよい熱サイクルシステムを得ることができる。
また、冷凍サイクルシステム10に気液両相の組成が大きく異なる非共沸組成物を用いた場合、システム10内を循環する非共沸組成物が漏えいした場合に、その前後でシステム10内を循環する非共沸組成物の組成が大きく変化する原因になる。
(熱サイクル用作動媒体の組成)
本発明の熱サイクル用作動媒体におけるHFO−1132(Z)の含有量は、熱サイクル用作動媒体全量に対して80質量%以下であることが好ましい。
HFO−1132(Z)は、単独で用いた場合に高温または高圧下で着火源があると自己分解する、いわゆる自己分解性を有することが知られている。本発明の熱サイクル用作動媒体においては、HFO−1132(Z)を、HFC−134aおよび/またはHFO−1234yfと混合してHFO−1132(Z)の含有量を抑えた混合物とすることで自己分解反応を抑えることができる。このとき、後述の実施例に示すように、HFC−134aおよび/またはHFO−1234yfからなる共沸様組成物中のHFO−1132(Z)の含有割合を80質量%以下に調整することで、熱サイクルシステムに適用する場合の温度や圧力条件下で自己分解性を有しないため、信頼性のより高い熱サイクル用作動媒体を得ることができる。
また、本発明の熱サイクル用作動媒体が、HFO−1132(Z)とHFC−134aおよび/またはHFO−1234yfからなる共沸様組成物にさらに、後述する任意成分を含有する場合にも、HFO−1132(Z)の含有割合が熱サイクル用作動媒体全量に対して80質量%以下であることで、熱サイクルシステムに適用する場合の温度や圧力条件下で自己分解性を有しないため、信頼性の高い熱サイクル用作動媒体を得ることができる。より高い安全性を得るためには、HFO−1132(Z)の含有割合は、熱サイクル用作動媒体全量に対して60質量%以下であることがより好ましい。
なお、本発明の熱サイクル用作動媒体においては、自己分解性を有する組成であっても使用条件によっては取り扱いを十分に注意することで熱サイクルシステムに使用することが可能である。
本発明の熱サイクル用作動媒体の全量に対するHFO−1132(Z)の割合は、20質量%以上であることが好ましく、30質量%以上であることがより好ましい。作動媒体におけるサイクル性能としては、成績係数、冷凍能力が挙げられるが、本発明の熱サイクル用作動媒体がHFO−1132(Z)を20質量%以上含有することで、GWPを小さくしつつ、例えばHFC−134aを基準(1.000)とした成績係数、冷凍能力との比較において、本発明の熱サイクル用作動媒体の、サイクル性能を向上させることができる。
ここで、下記表3に、後述の実施例と同様の方法で測定された本発明の熱サイクル用作動媒体が含有する各化合物の冷凍サイクル性能(冷凍能力および成績係数)のHFC−134aに対する相対性能(各熱サイクル用作動媒体/HFC−134a)およびGWPを示す。GWPは熱サイクル用作動媒体の地球温暖化への影響をはかる指標である。なお、HFO−1132(Z)のGWPは、IPCC第4次評価報告書に準じて測定したとして想定される値である。
Figure 2016011423
本明細書において、混合物におけるGWPは、組成質量による加重平均とする。例えば、HFO−1132(Z)とHFC−134aの質量比1:1の混合物におけるGWPは、HFO−1132(Z)のGWPを10として算出して、(10+1430)/2=720である。本発明の熱サイクル用作動媒体に用いるHFO−1132(Z)やHFO−1234yfはHFC−134aに比べてGWPが桁違いに低い。したがって、本発明の熱サイクル用作動媒体のGWPは、これらを含有することにより、代替の対象とするHFC−134a単独で構成される作動媒体と比べてGWPが必ず低いものとなる。
また、HFO−1132(Z)は通常の条件下では不燃性であるが、高濃度の空気の混入下で高圧、高温にすると可燃性になることがある。HFO−1132(Z)にHFC−134aを混合することで、燃焼性を抑えることができる。具体的には、後述する実施例で示すように、HFO−1132(Z)とHFC−134aの混合物中における、HFO−1132(Z)/HFC−134a(質量比)=23.3/76.7以下であれば、HFO−1132(Z)とHFC−134aの混合物は、いかなる割合で空気と混合された場合でも、燃焼性を持たない。以下、ある化合物、組成物が「燃焼性を持たない」とは、いかなる割合で空気と混合した場合でも、燃焼性を持たないことをいう。
したがって、本発明の熱サイクル用作動媒体が含有する共沸様組成物を、HFO−1132(Z)およびHFC−134aのみで構成する場合には、当該共沸様組成物に含有されるHFO−1132(Z)およびHFC−134aの合計質量に対するHFO−1132(Z)の割合が23.3質量%以下であることが好ましく、20質量%以下であることがより好ましい。当該共沸様組成物中のHFO−1132(Z)の割合が23.3質量%以下、より好ましくは20質量%以下であれば、熱サイクル用作動媒体が熱サイクルシステム外に漏洩した場合においても、燃焼性を持たないことから、極めて安全性の高い熱サイクル用作動媒体を得ることができる。
なお、本発明における熱サイクル用作動媒体における共沸様組成物が、HFO−1132(Z)およびHFC−134aからなる場合であって、後述するような、上記共沸様組成物以外に任意に含有してもよい化合物(以下、「任意成分」という。)をさらに含有する場合には、任意成分として、燃焼性を持たない化合物を用いることが好ましい。このような、燃焼性を持たない化合物としては後述する任意成分の中では、ペンタフルオロエタン、ペンタフルオロプロパン等が挙げられる。
本発明の熱サイクル用作動媒体における、HFO−1132(Z)とHFC−134aおよび/またはHFO−1234yfからなる共沸様組成物の含有割合は、熱サイクル用作動媒体全量に対して50質量%以上であることが好ましく、60質量%以上がより好ましく、80質量%がさらに好ましい。
本発明の熱サイクル用作動媒体は、HFO−1132(Z)とHFC−134aおよび/またはHFO−1234yfからなる共沸様組成物を50質量%以上含有することで、サイクル性能に優れる上に、組成変化および温度勾配をより小さくすることができる。本発明の熱サイクル用作動媒体において、HFO−1132(Z)とHFC−134aおよび/またはHFO−1234yfからなる共沸様組成物のみで構成すれば、組成変化および温度勾配がほぼ0に近い熱サイクル用作動媒体を得ることができる。
(任意成分)
本発明の熱サイクル用作動媒体は、本発明の効果を損なわない範囲で上記共沸様組成物以外に、通常作動媒体として用いられる化合物を任意に含有してもよい。
本発明の熱サイクル用作動媒体が、上記共沸様組成物以外に任意に含有してもよい化合物(以下、任意成分という。)としては、HFO−1132(Z)およびHFO−1234yf以外のHFO、HFC−134a以外の炭素−炭素二重結合を有しないHFC、炭化水素、HCFOおよびCFOが挙げられる。
本発明の熱サイクル用作動媒体において、任意成分の含有量は合量で、熱サイクル用作動媒体(100質量%)中、20質量%以下が好ましく、10質量%以下が好ましい。任意成分の含有量が20質量%を超えると、冷媒等の用途において、熱サイクル機器からの漏えいが生じた場合、熱サイクル用作動媒体の組成変化が大きくなるおそれがある等、冷媒管理性が低下することがある。
(HFO−1132(Z)およびHFO−1234yf以外のHFO)
本発明の熱サイクル用作動媒体が含んでもよいHFO−1132(Z)およびHFO−1234yf以外のHFOとしては、(E)−1,2−ジフルオロエチレン(HFO−1132(E))、HFO−1261yf、HFO−1243yc、トランス−1,2,3,3,3−ペンタフルオロプロペン(HFO−1225ye(E))、シス−1,2,3,3,3−ペンタフルオロプロペン(HFO−1225ye(Z))、HFO−1234ze(E)、HFO−1234ze(Z)、HFO−1243zf等が挙げられる。HFOは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の熱サイクル用作動媒体が、HFO−1132(Z)およびHFO−1234yf以外のHFOを含む場合には、その含有量は熱サイクル用作動媒体(100質量%)中、1〜20質量%が好ましく、2〜10質量%がより好ましい。
(HFC−134a以外のHFC)
HFCは、熱サイクルシステムのサイクル性能(能力)を向上させる成分である。本発明の熱サイクル用作動媒体が含んでもよいHFC−134a以外のHFCとしては、ジフルオロメタン(HFC−32)、ジフルオロエタン、トリフルオロエタン、ペンタフルオロエタン(HFC−125)、ペンタフルオロプロパン、ヘキサフルオロプロパン、ヘプタフルオロプロパン、ペンタフルオロブタン、ヘプタフルオロシクロペンタン等が挙げられる。HFCは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
HFCとしては、オゾン層への影響が少なく、かつ地球温暖化への影響が小さい点から、2,2,2,2−テトラフルオロエタン(HFC−134)、1,1−ジフルオロエタン(HFC−152a)が特に好ましい。
本発明の熱サイクル用作動媒体が、HFC−134a以外のHFCを含む場合には、その含有量は熱サイクル用作動媒体(100質量%)中、1〜20質量%が好ましく、2〜10質量%がより好ましい。これらHFCの含有量は、熱サイクル用作動媒体の要求特性に応じて制御を行うことができる。
(炭化水素)
炭化水素としては、プロパン、プロピレン、シクロプロパン、ブタン、イソブタン、ペンタン、イソペンタン等が挙げられる。
炭化水素は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の熱サイクル用作動媒体が、炭化水素を含む場合には、その含有量は熱サイクル用作動媒体(100質量%)中、1〜20質量%が好ましく、2〜5質量%がより好ましい。炭化水素が1質量%以上であれば、熱サイクル用作動媒体への冷凍機油の溶解性が充分に向上する。炭化水素が20質量%以下であれば、熱サイクル用作動媒体の燃焼性を抑制するのに効果がある。
(HCFO、CFO)
HCFO、CFOは、熱サイクル用作動媒体への冷凍機油の溶解性を向上させる成分である。HCFOとしては、ヒドロクロロフルオロプロペン、ヒドロクロロフルオロエチレン等が挙げられ、熱サイクルシステムのサイクル性能(能力)を大きく低下させることなく、熱サイクル用作動媒体の燃焼性を充分に抑える点から、1−クロロ−2,3,3,3−テトラフルオロプロペン(HCFO−1224yd)、1−クロロ−1,2−ジフルオロエチレン(HCFO−1122)が特に好ましい。
HCFOは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
CFOとしては、クロロフルオロプロペン、クロロフルオロエチレン等が挙げられ、熱サイクルシステムのサイクル性能(能力)を大きく低下させることなく、熱サイクル用作動媒体の燃焼性を充分に抑える点から、1,1−ジクロロ−2,3,3,3−テトラフルオロプロペン(CFO−1214ya)、1,2−ジクロロ−1,2−ジフルオロエチレン(CFO−1112)が特に好ましい。
本発明の熱サイクル用作動媒体が、HCFOおよび/またはCFOを含有する場合には、その含有量は合計で、熱サイクル用作動媒体(100質量%)中、1〜20質量%が好ましい。塩素原子は燃焼性を抑制する効果を有しており、HCFOとCFOの含有量がこの範囲にあると、熱サイクルシステムのサイクル性能(能力)を大きく低下させることなく、熱サイクル用作動媒体の燃焼性を充分に抑えることができる。HCFO、CFOとしては、オゾン層への影響が少なく、かつ地球温暖化への影響が小さいHCFOが好ましい。
[熱サイクルシステムへの適用]
本発明の熱サイクル用作動媒体は、熱サイクルシステムへの適用に際して、通常、冷凍機油と混合して本発明の熱サイクルシステム用組成物として使用することができる。また、本発明の熱サイクルシステム用組成物は、これら以外にさらに、安定剤、漏れ検出物質等の公知の添加剤を含有してもよい。
(冷凍機油)
冷凍機油としては、熱サイクルシステム用組成物に用いられる公知の冷凍機油が用いられる。
冷凍機油としては、含酸素系合成油(エステル系冷凍機油、エーテル系冷凍機油、ポリグリコール油等)、フッ素系冷凍機油、鉱物油、炭化水素系合成油等が挙げられる。
エステル系冷凍機油としては、二塩基酸エステル油、ポリオールエステル油、コンプレックスエステル油、ポリオール炭酸エステル油等が挙げられる。
二塩基酸エステル油としては、炭素数5〜10の二塩基酸(グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸等)と、直鎖または分枝アルキル基を有する炭素数1〜15の一価アルコール(メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、ノナノール、デカノール、ウンデカノール、ドデカノール、トリデカノール、テトラデカノール、ペンタデカノール等)とのエステルが好ましい。具体的には、グルタル酸ジトリデシル、アジピン酸ジ(2−エチルヘキシル)、アジピン酸ジイソデシル、アジピン酸ジトリデシル、セバシン酸ジ(3−エチルヘキシル)等が挙げられる。
ポリオールエステル油としては、ジオール(エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,2−ブタンジオール、1,5−ペンタジオール、ネオペンチルグリコール、1,7−ヘプタンジオール、1,12−ドデカンジオール等)または水酸基を3〜20個有するポリオール(トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン、ペンタエリスリトール、グリセリン、ソルビトール、ソルビタン、ソルビトールグリセリン縮合物等)と、炭素数6〜20の脂肪酸(ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ウンデカン酸、ドデカン酸、エイコサン酸、オレイン酸等の直鎖または分枝の脂肪酸、もしくはα炭素原子が4級であるいわゆるネオ酸等)とのエステルが好ましい。
ポリオールエステル油は、遊離の水酸基を有していてもよい。
ポリオールエステル油としては、ヒンダードアルコール(ネオペンチルグリコール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン、ペンタエリスルトール等)のエステル(トリメチロールプロパントリペラルゴネート、ペンタエリスリトール2−エチルヘキサノエート、ペンタエリスリトールテトラペラルゴネート等)が好ましい。
コンプレックスエステル油とは、脂肪酸および二塩基酸と、一価アルコールおよびポリオールとのエステルである。脂肪酸、二塩基酸、一価アルコール、ポリオールとしては、上述と同様のものを用いることができる。
ポリオール炭酸エステル油とは、炭酸とポリオールとのエステルである。
ポリオールとしては、ジオール(上述と同様のもの)を単独重合または共重合したポリグリコール(ポリアルキレングリコール、そのエーテル化合物、それらの変性化合物等)、ポリオール(上述と同様のもの)、ポリオールにポリグリコールを付加したもの等が挙げられる。
ポリアルキレングリコールとしては、炭素数2〜4のアルキレンオキシド(エチレンオキシド、プロピレンオキシド等)を、水や水酸化アルカリを開始剤として重合させる方法等により得られたものが挙げられる。また、ポリアルキレングリコールの水酸基をエーテル化したものであってもよい。ポリアルキレングリコール中のオキシアルキレン単位は、1分子中において同一であってもよく、2種以上のオキシアルキレン単位が含まれていてもよい。1分子中に少なくともオキシプロピレン単位が含まれることが好ましい。
エーテル系冷凍機油としては、ポリビニルエーテルが挙げられる。
ポリビニルエーテルとしては、ビニルエーテルモノマーを重合して得られたもの、ビニルエーテルモノマーとオレフィン性二重結合を有する炭化水素モノマーとを共重合して得られたもの、およびポリビニルエーテルと、アルキレングリコールもしくはポリアルキレングリコール、またはそれらのモノエーテルとの共重合体がある。
ビニルエーテルモノマーは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
オレフィン性二重結合を有する炭化水素モノマーとしては、エチレン、プロピレン、各種ブテン、各種ペンテン、各種ヘキセン、各種ヘプテン、各種オクテン、ジイソブチレン、トリイソブチレン、スチレン、α−メチルスチレン、各種アルキル置換スチレン等が挙げられる。オレフィン性二重結合を有する炭化水素モノマーは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ポリビニルエーテル共重合体は、ブロックまたはランダム共重合体のいずれであってもよい。
ポリビニルエーテルは、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ポリグリコール油としては、ポリアルキレングリコールをベースとするポリアルキレングリコール油が好ましい。ポリアルキレングリコールとしては、1価または多価アルコール(メタノール、ブタノール、ペンタエリスリトール、グリセロール等)に炭素数2〜4のアルキレンオキシドが付加した化合物等、ヒドロキシ基開始ポリアルキレングリコールが挙げられる。また、該ヒドロキシ基開始ポリアルキレングリコールの末端が、メチル基等のアルキル基でキャップされたものも挙げられる。
フッ素系冷凍機油としては、合成油(後述する鉱物油、炭化水素系合成油等)の水素原子をフッ素原子に置換した化合物、ペルフルオロポリエーテル油、フッ素化シリコーン油等が挙げられる。
鉱物油としては、原油を常圧蒸留または減圧蒸留して得られた冷凍機油留分を、精製処理(溶剤脱れき、溶剤抽出、水素化分解、溶剤脱ろう、接触脱ろう、水素化精製、白土処理等)を適宜組み合わせて精製したパラフィン系鉱物油、ナフテン系鉱物油等が挙げられる。
炭化水素系合成油としては、ポリα−オレフィン、アルキルベンゼン、アルキルナフタレン等が挙げられる。
冷凍機油は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
冷凍機油としては、熱サイクル用作動媒体との相溶性の点から、ポリオールエステル油および/またはポリグリコール油が好ましく、安定化剤によって顕著な酸化防止効果が得られる点から、ポリアルキレングリコール油が特に好ましい。
熱サイクルシステム用組成物中の冷凍機油の含有量は、本発明の効果を著しく低下させない範囲であればよく、用途、圧縮機の形式等によっても異なるが、熱サイクル用作動媒体(100質量部)に対して、通常10〜100質量部であり、20〜50質量部が好ましい。
また、熱サイクルシステム用組成物において、HFO−1132(Z)の含有量は、熱サイクル用組成物(100質量%)中、5質量%以上が好ましく、20質量%以上がより好ましく、30質量%以上がさらに好ましく、40質量%以上が特に好ましい。
(安定剤)
安定剤は、熱および酸化に対する熱サイクル用作動媒体の安定性を向上させる成分である。安定剤としては、耐酸化性向上剤、耐熱性向上剤、金属不活性剤等が挙げられる。
耐酸化性向上剤および耐熱性向上剤としては、N,N’−ジフェニルフェニレンジアミン、p−オクチルジフェニルアミン、p,p’−ジオクチルジフェニルアミン、N−フェニル−1−ナフチルアミン、N−フェニル−2−ナフチルアミン、N−(p−ドデシル)フェニル−2−ナフチルアミン、ジ−1−ナフチルアミン、ジ−2−ナフチルアミン、N−アルキルフェノチアジン、6−(t−ブチル)フェノール、2,6−ジ−(t−ブチル)フェノール、4−メチル−2,6−ジ−(t−ブチル)フェノール、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)等が挙げられる。耐酸化性向上剤および耐熱性向上剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
金属不活性剤としては、イミダゾール、ベンズイミダゾール、2−メルカプトベンズチアゾール、2,5−ジメチルカプトチアジアゾール、サリシリジン−プロピレンジアミン、ピラゾール、ベンゾトリアゾール、トルトリアゾール、2−メチルベンズアミダゾール、3,5−ジメチルピラゾール、メチレンビス−ベンゾトリアゾール、有機酸またはそれらのエステル、第1級、第2級または第3級の脂肪族アミン、有機酸または無機酸のアミン塩、複素環式窒素含有化合物、アルキル酸ホスフェートのアミン塩またはそれらの誘導体等が挙げられる。
安定剤の含有量は、本発明の効果を著しく低下させない範囲であればよく、熱サイクルシステム用組成物(100質量%)中、通常5質量%以下であり、1質量%以下が好ましい。
(漏れ検出物質)
漏れ検出物質としては、紫外線蛍光染料、臭気ガスや臭いマスキング剤等が挙げられる。
紫外線蛍光染料としては、米国特許第4249412号明細書、特表平10−502737号公報、特表2007−511645号公報、特表2008−500437号公報、特表2008−531836号公報に記載されたもの等、公知の紫外線蛍光染料が挙げられる。
臭いマスキング剤としては、特表2008−500437号公報、特表2008−531836号公報に記載されたもの等、公知の香料が挙げられる。
漏れ検出物質を用いる場合には、熱サイクル用作動媒体への漏れ検出物質の溶解性を向上させる可溶化剤を用いてもよい。
可溶化剤としては、特表2007−511645号公報、特表2008−500437号公報、特表2008−531836号公報に記載されたもの等が挙げられる。
漏れ検出物質の含有量は、本発明の効果を著しく低下させない範囲であればよく、熱サイクルシステム用組成物(100質量%)中、通常2質量%以下であり、0.5質量%以下が好ましい。
(他の化合物)
本発明の熱サイクル用組成物は、炭素数1〜4のアルコール、または、従来の作動媒体、冷媒、熱伝達媒体として用いられている化合物(以下、該アルコールおよび化合物をまとめて、他の化合物と記す。)を含んでいてもよい。
他の化合物としては、下記の化合物が挙げられる。
含フッ素エーテル:ペルフルオロプロピルメチルエーテル(COCH)、ペルフルオロブチルメチルエーテル(COCH)、ペルフルオロブチルエチルエーテル(COC)、1,1,2,2−テトラフルオロエチル−2,2,2−トリフルオロエチルエーテル(CFHCFOCHCF、旭硝子社製、AE−3000)等。
他の化合物の含有量は、本発明の効果を著しく低下させない範囲であればよく、熱サイクルシステム用組成物(100質量%)中、通常30質量%以下であり、20質量%以下が好ましく、15質量%以下がより好ましい。
(作用効果)
本発明の熱サイクル用作動媒体および熱サイクルシステム用組成物は、HFO−1132(Z)とHFC−134aおよび/またはHFO−1234yfからなる共沸様組成物を含有することで、GWPを小さくしつつHFC−134aに代替可能で、組成変化が極めて小さく、温度勾配が小さく、さらに良好なサイクル性能(能力)が得られるものである。
また、大気中のOHラジカルによって分解されやすい炭素−炭素二重結合を有するHFO−1132(Z)を含むため、オゾン層への影響が少なく、かつ地球温暖化への影響が少ない。
(冷凍サイクルシステム)
本発明の熱サイクルシステム用組成物が適用される熱サイクルシステムとしては、凝縮器や蒸発器等の熱交換器による熱サイクルシステムが特に制限なく用いられる。熱サイクルシステム、例えば、冷凍サイクルにおいては、気体の作動媒体を圧縮機で圧縮し、凝縮器で冷却して圧力が高い液体をつくり、膨張弁で圧力を下げ、蒸発器で低温気化させて気化熱で熱を奪う機構を有する。
熱サイクルシステムの一例である冷凍サイクルシステムについて図3を参照して説明する。
冷凍サイクルシステム10においては、以下のサイクルが繰り返される。
(i)蒸発器14から排出された作動媒体蒸気Aを圧縮機11にて圧縮して高温高圧の作動媒体蒸気Bとする。
(ii)圧縮機11から排出された作動媒体蒸気Bを凝縮器12にて流体Fによって冷却し、液化して低温高圧の作動媒体Cとする。この際、流体Fは加熱されて流体F’となり、凝縮器12から排出される。
(iii)凝縮器12から排出された作動媒体Cを膨張弁13にて膨張させて低温低圧の作動媒体Dとする。
(iv)膨張弁13から排出された作動媒体Dを蒸発器14にて負荷流体Eによって加熱して高温低圧の作動媒体蒸気Aとする。この際、負荷流体Eは冷却されて負荷流体E’となり、蒸発器14から排出される。
冷凍サイクルシステム10は、断熱・等エントロピ変化、等エンタルピ変化および等圧変化からなるサイクルシステムである。作動媒体の状態変化を圧力−エンタルピ線図上に記載すると図4のように、A,B、C、Dを頂点とする台形として表すことができる。
AB過程は、圧縮機11で断熱圧縮を行い、高温低圧の作動媒体蒸気Aを高温高圧の作動媒体蒸気Bとする過程であり、図4においてAB線で示される。後述のとおり、作動媒体蒸気Aは過熱状態で圧縮機11に導入され、得られる作動媒体蒸気Bも過熱状態の蒸気である。
BC過程は、凝縮器12で等圧冷却を行い、高温高圧の作動媒体蒸気Bを低温高圧の作動媒体Cとする過程であり、図4においてBC線で示される。この際の圧力が凝縮圧である。圧力−エンタルピ線とBC線の交点のうち高エンタルピ側の交点Tが凝縮温度であり、低エンタルピ側の交点Tが凝縮沸点温度である。ここで、作動媒体が非共沸組成物である場合の温度勾配は、TとTの差として示される。
CD過程は、膨張弁13で等エンタルピ膨張を行い、低温高圧の作動媒体Cを低温低圧の作動媒体Dとする過程であり、図4においてCD線で示される。なお、低温高圧の作動媒体Cにおける温度をTで示せば、T−Tが(i)〜(iv)のサイクルにおける作動媒体の過冷却度(SC)となる。
DA過程は、蒸発器14で等圧加熱を行い、低温低圧の作動媒体Dを高温低圧の作動媒体蒸気Aに戻す過程であり、図4においてDA線で示される。この際の圧力が蒸発圧である。圧力−エンタルピ線とDA線の交点のうち高エンタルピ側の交点Tは蒸発温度である。作動媒体蒸気Aの温度をTで示せば、T−Tが(i)〜(iv)のサイクルにおける作動媒体の過熱度(SH)となる。なお、Tは作動媒体Dの温度を示す。
ここで、熱サイクル用作動媒体のサイクル性能は、例えば、熱サイクル用作動媒体の冷凍能力(以下、必要に応じて「Q」で示す。)と成績係数(以下、必要に応じて「COP」で示す。)で評価できる。熱サイクル用作動媒体のQとCOPは、熱サイクル用作動媒体のA(蒸発後、高温低圧)、B(圧縮後、高温高圧)、C(凝縮後、低温高圧)、D(膨張後、低温低圧)の各状態における各エンタルピ、h、h、h、hを用いると、下式(1)、(2)からそれぞれ求められる。
Q=h−h …(1)
COP=Q/圧縮仕事=(h−h)/(h−h) …(2)
上記(h−h)で示されるQが冷凍サイクルの出力(kW)に相当し、(h−h)で示される圧縮仕事、例えば、圧縮機を運転するために必要とされる電力量が、消費された動力(kW)に相当する。また、Qは負荷流体を冷凍する能力を意味しており、Qが高いほど同一のシステムにおいて、多くの仕事ができることを意味している。言い換えると、大きなQを有する場合は、少量の作動媒体で目的とする性能が得られることを表しており、システムの小型化が可能となる。
(水分濃度)
熱サイクルシステム内に水分が混入する問題がある。水分の混入は、キャピラリーチューブ内での氷結、熱サイクル用作動媒体や冷凍機油の加水分解、熱サイクル内で発生した酸成分による材料劣化、コンタミナンツの発生等により発生する。特に、上述したポリアルキレングリコール油、ポリオールエステル油等は、吸湿性が極めて高く、また、加水分解反応を生じやすく、冷凍機油としての特性が低下し、圧縮機の長期信頼性を損なう大きな原因となる。また、自動車空調機器においては、振動を吸収する目的で使用されている冷媒ホースや圧縮機の軸受け部から水分が混入しやすい傾向にある。したがって、冷凍機油の加水分解を抑えるためには、熱サイクルシステム内の水分濃度を抑制する必要がある。
熱サイクルシステム内の水分濃度を抑制する方法としては、乾燥剤(シリカゲル、活性アルミナ、ゼオライト等)を用いる方法が挙げられる。乾燥剤としては、乾燥剤と熱サイクル用作動媒体との化学反応性、乾燥剤の吸湿能力の点から、ゼオライト系乾燥剤が好ましい。
ゼオライト系乾燥剤としては、従来の鉱物系冷凍機油に比べて吸湿量の高い冷凍機油を用いる場合には、吸湿能力に優れる点から、下式(3)で表される化合物を主成分とするゼオライト系乾燥剤が好ましい。
2/nO・Al・xSiO・yHO ・・・(3)。
ただし、Mは、Na、K等の1族の元素またはCa等の2族の元素であり、nは、Mの原子価であり、x、yは、結晶構造にて定まる値である。Mを変化させることにより細孔径を調整できる。
乾燥剤の選定においては、細孔径および破壊強度が特に重要である。
熱サイクル用作動媒体の分子径よりも大きい細孔径を有する乾燥剤を用いた場合、熱サイクル用作動媒体が乾燥剤中に吸着され、その結果、熱サイクル用作動媒体と乾燥剤との化学反応が生じ、不凝縮性気体の生成、乾燥剤の強度の低下、吸着能力の低下等の好ましくない現象を生じることとなる。
したがって、乾燥剤としては、細孔径の小さいゼオライト系乾燥剤を用いることが好ましい。特に、細孔径が3.5オングストローム以下である、ナトリウム・カリウムA型の合成ゼオライトが好ましい。熱サイクル用作動媒体の分子径よりも小さい細孔径を有するナトリウム・カリウムA型合成ゼオライトを適用することによって、熱サイクル用作動媒体を吸着することなく、熱サイクルシステム内の水分のみを選択的に吸着除去できる。言い換えると、熱サイクル用作動媒体の乾燥剤への吸着が起こりにくいことから、熱分解が起こりにくくなり、その結果、熱サイクルシステムを構成する材料の劣化やコンタミナンツの発生を抑制できる。
ゼオライト系乾燥剤の大きさは、小さすぎると熱サイクルシステムの弁や配管細部への詰まりの原因となり、大きすぎると乾燥能力が低下するため、約0.5〜5mmが好ましい。形状としては、粒状または円筒状が好ましい。
ゼオライト系乾燥剤は、粉末状のゼオライトを結合剤(ベントナイト等)で固めることにより任意の形状とすることができる。ゼオライト系乾燥剤を主体とするかぎり、他の乾燥剤(シリカゲル、活性アルミナ等)を併用してもよい。
熱サイクル用作動媒体に対するゼオライト系乾燥剤の使用割合は、特に限定されない。
(塩素濃度)
熱サイクルシステム内に塩素が存在すると、金属との反応による堆積物の生成、軸受け部の磨耗、熱サイクル用作動媒体や冷凍機油の分解等、好ましくない影響をおよぼす。
熱サイクルシステム内の塩素濃度は、熱サイクル用作動媒体に対する質量割合で100ppm以下が好ましく、50ppm以下が特に好ましい。
(不凝縮性気体濃度)
熱サイクルシステム内に不凝縮性気体が混入すると、凝縮器や蒸発器における熱伝達の不良、作動圧力の上昇という悪影響をおよぼすため、極力混入を抑制する必要がある。特に、不凝縮性気体の一つである酸素は、熱サイクル用作動媒体や冷凍機油と反応し、分解を促進する。
不凝縮性気体濃度は、熱サイクル用作動媒体の気相部において、熱サイクル用作動媒体に対する容積割合で1.5体積%以下が好ましく、0.5体積%以下が特に好ましい。
(作用効果)
以上説明した熱サイクルシステムにあっては、サイクル性能に優れ、組成変化および温度勾配の小さい本発明の熱サイクル用作動媒体を用いているため、システムを小型化できる。
また、HFC−134aに代替可能で、GWPが小さい本発明の熱サイクル用作動媒体を用いているため、サイクル性能に優れ、地球温暖化への影響が少ない。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(HFO−1132(Z)の自己分解性の評価)
自己分解性の評価は、高圧ガス保安法における個別通達においてハロゲンを含むガスを混合したガスにおける燃焼範囲を測定する設備として推奨されているA法に準拠した設備を用い実施した。
具体的には、外部より所定の温度に制御された内容積650cmの球形耐圧容器内にHFO−1132(Z)とHFC−134aまたはHFO−1234yfを種々の割合で混合した熱サイクル用作動媒体を所定圧力まで封入した後、内部に設置された白金線を溶断することにより約30Jのエネルギーを印加した。印加後に発生する耐圧容器内の温度と圧力変化を測定することにより自己分解性の有無を確認した。圧力上昇並びに温度上昇が認められた場合に自己分解性ありと判断した。結果を、表4に示す。なお表4中の圧力はゲージ圧である。
Figure 2016011423
表4より、HFO−1132(Z)が80質量%以下の組成からなる熱サイクル用作動媒体は、自己分解性を有しないことが確認された。
(燃焼性の評価)
燃焼性の評価は、ASTM E−681に規定された設備を用いて実施した。
25℃に温度制御された恒温槽内に設置された内容積12リットルのフラスコ内を真空排気した後、HFO−1132(Z)とHFC−134aとを図5にプロットした所定の比率で混合して調製した熱サイクル用作動媒体と空気を、大気圧力まで封入した。その後、該フラスコ内の中心付近の気相において、15kV、30mAで0.4秒間放電着火させた後、火炎の広がりを目視にて確認した。上方への火炎の広がりの角度が90°を超える場合を燃焼性あり、90°未満の場合を燃焼性なし、と判断した。
フラスコ内の気相におけるHFO−1132(Z)、HFC−134aおよび空気の割合(質量%)と、燃焼性の関係を図5に示す。
図5に示すように、フラスコ内の気相中の熱サイクル用作動媒体のうちのHFO−1132(Z)の割合が23.3質量%以下(図5におけるHFO−1132(Z):HFC−134a=23.3:76.7を示す直線Lよりも右側)の熱サイクル用作動媒体は、燃焼範囲(「燃焼性あり」となる範囲)を持たないことがわかった。言い換えると、気相中の熱サイクル用作動媒体のうちのHFO−1132(Z)の割合が23.3質量%以下の熱サイクル用作動媒体は、当該気相の熱サイクル用作動媒体をいかなる濃度で空気と混合しても燃焼性が抑えられることがわかった。
[例1〜27]
表5〜7に示す割合のHFO−1132(Z)とHFC−134aおよび/またはHFO−1234yfからなる例1〜27の熱サイクル用作動媒体を調製した。各例で得られた熱サイクル用作動媒体について、サイクル性能の評価を次のように行った。
(冷凍サイクル性能の評価)
図3の冷凍サイクルシステム10に、熱サイクル用作動媒体を適用して、図3に示す熱サイクル、すなわちAB過程で圧縮機11による断熱圧縮、BC過程で凝縮器12による等圧冷却、CD過程で膨張弁13による等エンタルピ膨張、DA過程で蒸発器14による等圧加熱を実施した場合のサイクル性能(能力および効率)として冷凍サイクル性能(冷凍能力および成績係数)を評価した。
評価は、蒸発器14における熱サイクル用作動媒体の平均蒸発温度を0℃、凝縮器12における熱サイクル用作動媒体の平均凝縮温度を40℃、凝縮器12における熱サイクル用作動媒体の過冷却度を5℃、蒸発器14における熱サイクル用作動媒体の過熱度を5℃として実施した。また、機器効率および配管、熱交換器における圧力損失はないものとした。
冷凍能力および成績係数は、熱サイクル用作動媒体のA(蒸発後、高温低圧)、B(圧縮後、高温高圧)、C(凝縮後、低温高圧)、D(膨張後、低温低圧)の各状態のエンタルピhを用いて、上記式(1)、(2)から求めた。
冷凍サイクル性能の算出に必要となる熱力学性質は、対応状態原理に基づく一般化状態方程式(Soave−Redlich−Kwong式)、および熱力学諸関係式に基づき算出した。特性値が入手できない場合は、原子団寄与法に基づく推算手法を用い算出を行った。
HFC−134aの冷凍サイクル性能を基準にし、HFC−134aに対する各例の熱サイクル用作動媒体の冷凍サイクル性能(冷凍能力および成績係数)の相対性能(各熱サイクル用作動媒体/HFC−134a)をそれぞれ求めた。結果を、各例における熱サイクル用作動媒体の組成とあわせて表5〜7に示す。また、上記表3に示す各化合物のGWPを基に算出された各例における熱サイクル用作動媒体のGWPを表5〜7に示す。なお、GWPの算出においてHFO−1132(Z)のGWPは10を用いた。
Figure 2016011423
Figure 2016011423
Figure 2016011423
表5〜7の結果から、HFO−1132(Z)とHFC−134aおよび/またはHFO−1234yfからなる共沸様組成物から構成される熱サイクル用作動媒体では、HFC‐134aのみからなる作動媒体に比べて、冷凍能力を向上できることが確認された。また、HFC−134aのみからなる作動媒体と同等またはこれ以上の成績係数が得られることが確認された。
また、本発明の熱サイクル用作動媒体は、HFC−134aのみからなる作動媒と比べてGWPが小さいことが分かる。
本発明の熱サイクル用作動媒体は、冷凍機用冷媒、空調機器用冷媒、発電システム(廃熱回収発電等)用作動流体、潜熱輸送装置(ヒートパイプ等)用作動媒体、二次冷却媒体等の作動媒体として有用である。
10…冷凍サイクルシステム、11…圧縮機、12…凝縮器、13…膨張弁、14…蒸発器、15,16…ポンプ、A,B…作動媒体蒸気、C,D…作動媒体、E,E‘…負荷流体,F…流体。

Claims (10)

  1. (Z)−1,2−ジフルオロエチレンと1,1,1,2−テトラフルオロエタンおよび/または2,3,3,3−テトラフルオロプロペンからなる共沸様組成物を含むことを特徴とする熱サイクル用作動媒体。
  2. 前記共沸様組成物が、前記(Z)−1,2−ジフルオロエチレンを1〜99質量%、前記1,1,1,2−テトラフルオロエタンおよび/または2,3,3,3−テトラフルオロプロペンを99〜1質量%含む請求項1に記載の熱サイクル用作動媒体。
  3. 前記熱サイクル用作動媒体の全量に対する前記共沸様組成物の割合が50質量%以上である請求項1または2に記載の熱サイクル用作動媒体。
  4. 前記熱サイクル用作動媒体の全量に対する前記(Z)−1,2−ジフルオロエチレンの割合が80質量%以下である請求項1〜3のいずれか1項に記載の熱サイクル用作動媒体。
  5. 前記熱サイクル用作動媒体の全量に対する前記(Z)−1,2−ジフルオロエチレンの割合が20質量%以上である請求項1〜4のいずれか1項に記載の熱サイクル用作動媒体。
  6. 前記共沸様組成物が(Z)−1,2−ジフルオロエチレンと1,1,1,2−テトラフルオロエタンを含み、前記共沸様組成物に含有される前記(Z)−1,2−ジフルオロエチレンと前記1,1,1,2−テトラフルオロエタンの合計質量に対する前記(Z)−1,2−ジフルオロエチレンの割合が20質量%以下である請求項1〜4のいずれか1項に記載の熱サイクル用作動媒体。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の熱サイクル用作動媒体と、冷凍機油とを含む熱サイクルシステム用組成物。
  8. 請求項7に記載の熱サイクルシステム用組成物を用いた、熱サイクルシステム。
  9. 冷凍・冷蔵機器、空調機器、発電システム、熱輸送装置または二次冷却機である請求項8に記載の熱サイクルシステム。
  10. ルームエアコン、店舗用パッケージエアコン、ビル用パッケージエアコン、設備用パッケージエアコン、ガスエンジンヒートポンプ、列車用空調装置、自動車用空調装置、内蔵型ショーケース、別置型ショーケース、業務用冷凍・冷蔵庫、製氷機または自動販売機である請求項9に記載の熱サイクルシステム。
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