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JP2015522293A - 多重化連続ライゲーションに基づく遺伝子変異体の検出 - Google Patents

多重化連続ライゲーションに基づく遺伝子変異体の検出 Download PDF

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JP2015522293A JP2015523288A JP2015523288A JP2015522293A JP 2015522293 A JP2015522293 A JP 2015522293A JP 2015523288 A JP2015523288 A JP 2015523288A JP 2015523288 A JP2015523288 A JP 2015523288A JP 2015522293 A JP2015522293 A JP 2015522293A
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Abstract

本発明は、コピー数変異及び一塩基多型を含む、混合試料中の遺伝変異体の多重化連続ライゲーションに基づく分析を提供する。本発明では、連続ライゲーション及び増幅の技術が使用される。

Description

本発明は、目的とする核酸領域の多重化連続ライゲーションに基づく分析法に関する。
以下の考察では、背景及び導入の目的で、特定の文献及び方法が記載される。本明細書に含まれているいかなるものも、従来技術の「承認」として解釈されるべきではない。本出願人は、必要に応じて、該当する法令の規定に基づき、本明細書で参照されている文献及び方法が従来技術を構成しないことを示す権利を明示的に留保する。
染色体異数性(例えば、ダウン症候群)により引き起こされる症候群、及び単一遺伝子又は多因子遺伝性疾患又は障害のいずれかをもたらす生殖細胞系列変異により引き起こされるものを含む多数の病理は、遺伝子異常により説明される。遺伝子異常を決定するための診断法は、特定の症候群、疾患、及び障害を特定するための標準的技術になっている。特に、出生前診断は、ある障害の存在又は非存在を決定するために、ハイリスク集団で標準的に実施されるようになっている。トリソミー、転座、及び大規模挿入又は欠失等の全体的な染色体異常と、Rh式血液型状態、常染色体優性若しくはX連鎖障害、又は常染色体劣性障害に関連する単一遺伝子変異又は遺伝子多型等の単一遺伝子形質とを両方とも検出することは、胎児に影響を及ぼす可能性のある実際の及び潜在的な病理及び障害の検出に有用である。例えば、13トリソミー、18トリソミー、及び21トリソミー等の染色体異常、ダウン症候群及び他の症候群の特定の形態に関連するロバートソン転座、及びディ・ジョージ症候群の22番染色体に見出されるようなより大規模な欠失は全て、胎児の健康に著しい影響を及ぼす。
同様に、胎児の単一遺伝子障害、例えば、テイ・サックス病、鎌状赤血球性貧血、及びサラセミアを引き起こす遺伝子の変異、又は脊髄性筋萎縮症(SMA)等の疾患におけるコピー数変異を検出することは、親が子供の健康及びケアに関して重要な決断をする助けとなり得る。加えて、血液型系の状態に関連する遺伝子状態は、母体及び/又は胎児の健康に関する重要な情報を提供し、多く場合、そのような知識は、妊娠又は出産直後のあらゆる有害転帰を予防するための介入機会を提供する。
従来技術は、こうした様々な遺伝子異常の検出法を提供するが、現在は、異なる種類の変異を調査するために異なる技術が必要とされている。染色体数の異常を出生前診断検査するための従来方法では、妊娠11週〜14週での絨毛膜絨毛試料採取(CVS)又は15週後での羊水穿刺のいずれかを使用して、遺伝子分析のために胎児細胞試料を子宮から直接採取することが必要である。しかしながら、これらの侵襲的手法には、約1パーセントの流産リスクがある(非特許文献1を参照)。現行の胎児細胞分析は、典型的には、核型分析又は蛍光in situハイブリダイゼーション(FISH)を含み、単一遺伝子形質に関する情報を提供しないため、単一遺伝子疾患及び障害を特定するためには、追加の検査が必要である。したがって、胎児の状態に関する遺伝子情報を望む母親は、種々の遺伝子異常を検査するために複数の検査を受けなければならない。
遺伝子コピー数変異等の非多型性因子の正確な定量化を提供し、母体試料中の遺伝子多型又は変異を同時に特定する方法は、例えば、母体及び胎児の医学的合併症の可能性を特定するための強力なツールになるであろう。その代わりに又はそれに加えて、本発明の方法は、宿主/病原体核酸又は宿主/移植核酸を含むもの等の混合試料に応用することができる。本発明は、この必要性に取り組むものである。
Mujezinovic及びAlfirevic,Obstet.Gynecol.,110:687〜694頁(2011年)
この概要は、下記の詳細な説明に更に詳しく記載されている幾つかの概念を、単純化された形態で紹介するために提供されている。この概要は、特許請求する主題の重要な又は必須な特徴を特定することを意図するものではなく、特許請求する主題の範囲を限定することを意図するものでもない。添付の図面に示されており、添付の特許請求の範囲で規定されている態様を含む、特許請求する主題の他の特徴、詳細、有用性、及び利点は、以下の詳細な説明の記載から明白になるであろう。
本発明は、多重化連続ライゲーションに基づく遺伝子変異分析の改良された方法及びシステムを提供する。本発明の方法は、染色体及び/又は基準染色体の目的領域を増幅して、同じ又は異なる目的領域の異数性、大規模挿入又は欠失、及び遺伝子多型等の染色体異常を検出することを可能にする。その代わりに又はそれに加えて、本発明の方法は、宿主/病原体核酸又は宿主/移植核酸を含むもの等の混合試料に応用することができる。本発明の方法は、初期セットのオリゴヌクレオチドプローブ及び同じ遺伝子座又は目的領域における少なくとも1つの次期セットのオリゴヌクレオチドプローブの連続したハイブリダイゼーション、伸長(任意)、ライゲーション、及び増幅反応を使用する。2つのセットのオリゴヌクレオチドプローブを用いて連続した様式でこれらの方法を使用することにより、忠実性及び各目的領域から得られる遺伝子情報の正確さに関する信頼性を高めることが可能になる。
幾つかの実施形態では、本発明は、2つの異なる供給源に由来するDNAを含む試料中の1つの供給源に由来する目的ゲノム領域を同定するための方法であって、2つの異なる供給源に由来するDNAを含む試料を準備するステップ;目的ゲノム領域の3’領域に相補的な第1の固定配列オリゴヌクレオチド及び上記目的ゲノム領域の5’領域に相補的な第2の固定配列オリゴヌクレオチドを含む第1のセットのオリゴヌクレオチドプローブを上記試料に導入するステップ;上記第1のセットのオリゴヌクレオチドプローブを、上記試料中の上記目的ゲノム領域にハイブリダイズさせるステップ;上記第1のセットのオリゴヌクレオチドプローブの上記ハイブリダイズされたオリゴヌクレオチドをライゲーションして、上記目的ゲノム領域に相補的な第1のライゲーション産物を生成するステップ;上記第1のライゲーション産物に、上記第1のライゲーション産物の3’領域に相補的な第1の固定配列オリゴヌクレオチド、及び上記第1のライゲーション産物の5’領域に相補的な第2の固定配列オリゴヌクレオチドを含む第2のセットのオリゴヌクレオチドプローブを導入するステップ;上記第2のオリゴヌクレオチドプローブを上記第1のライゲーション産物にハイブリダイズさせるステップ;上記第2のセットのオリゴヌクレオチドプローブの上記ハイブリダイズされたオリゴヌクレオチドをライゲーションして、上記第1のライゲーション産物に相補的な第2のライゲーション産物を生成するステップ;上記第2のライゲーション産物を増幅して、増幅産物を生成するステップ;及び上記増幅産物を分析するステップを含み、上記増幅産物の分析が、上記試料中の上記1つの供給源に由来する上記目的ゲノム領域を同定する方法を提供する。
この実施形態の幾つかの態様では、上記第1のセットのオリゴヌクレオチドプローブは、上記第1のセットのオリゴヌクレオチドプローブの上記第1及び第2の固定配列オリゴヌクレオチド間でかつそれらに隣接して上記目的ゲノム領域にハイブリダイズする1つ又は複数の架橋オリゴヌクレオチドを更に含む。同じ又は他の態様では、上記第2のセットは、上記第2のセットのオリゴヌクレオチドプローブの上記第1及び第2の固定配列オリゴヌクレオチド間でかつそれらに隣接して上記第1のライゲーション産物にハイブリダイズする1つ又は複数の架橋オリゴヌクレオチドを更に含む。
この実施形態の他の態様では、上記第1のセットのオリゴヌクレオチドプローブ及び/又は上記第2のセットのオリゴヌクレオチドプローブのオリゴヌクレオチドは、上記目的ゲノム領域における互いに隣接しない領域に相補的であり、上記第1及び/又は第2のセットの上記第1の固定配列オリゴヌクレオチドと上記第2の固定配列オリゴヌクレオチドとの間の領域が、ポリメラーゼ及びdNTPを用いて伸長され、隣接した相補的なオリゴヌクレオチドが生成される。代替的な態様では、上記第1のセット及び/又は第2のセットのオリゴヌクレオチドプローブの上記固定配列オリゴヌクレオチドは、上記目的ゲノム領域における互いに隣接する領域に相補的である。
この実施形態の幾つかの態様では、上記第2のセットのオリゴヌクレオチドプローブの少なくとも1つの固定配列オリゴヌクレオチドは、上記第1のライゲーション産物のライゲーション接合部と重複する相補的領域を含み、他の態様では、上記第2のセットのオリゴヌクレオチドプローブの上記第1及び第2の固定配列オリゴヌクレオチドは両方とも、上記第1のライゲーション産物のライゲーション接合部と重複する相補的領域を含む。更に他の態様では、上記第2のセットのオリゴヌクレオチドプローブの少なくとも1つの固定配列オリゴヌクレオチドは、上記目的ゲノム領域に相補的な、上記第1のセットのオリゴヌクレオチドプローブの固定配列オリゴヌクレオチドの領域を含み、他の態様では、上記第2のセットのオリゴヌクレオチドプローブの固定配列オリゴヌクレオチドは両方とも、上記目的ゲノム領域に相補的な、上記固定配列オリゴヌクレオチドの領域を含む。
本発明の他の実施形態は、2つの異なる供給源に由来するDNAを含む試料中の1つの供給源に由来する目的ゲノム領域を同定するための方法であって、2つの異なる供給源に由来するDNAを含む試料を準備するステップ;第1のセットのオリゴヌクレオチドプローブであって、目的ゲノム領域の3’領域に相補的な第1の固定配列オリゴヌクレオチド、上記目的ゲノム領域の5’領域に相補的な第2の固定配列オリゴヌクレオチド、及び上記第1のセットのオリゴヌクレオチドプローブの上記第1及び第2の固定配列オリゴヌクレオチド間でかつそれらに隣接して上記目的ゲノム領域にハイブリダイズする1つ又は複数の架橋オリゴヌクレオチドを含む第1のセットのオリゴヌクレオチドプローブを上記試料に導入するステップ;上記第1のセットのオリゴヌクレオチドプローブを、上記試料中の上記目的ゲノム領域にハイブリダイズさせるステップ;上記第1のセットのオリゴヌクレオチドプローブの上記ハイブリダイズされたオリゴヌクレオチドをライゲーションして、上記目的ゲノム領域に相補的な第1のライゲーション産物を生成するステップ;第2のセットのオリゴヌクレオチドプローブであって、上記第1のライゲーション産物の3’領域に相補的な第1の固定配列オリゴヌクレオチド、上記第1のライゲーション産物の5’領域に相補的な第2の固定配列オリゴヌクレオチド、及び上記第2のセットのオリゴヌクレオチドプローブの上記第1及び第2の固定配列オリゴヌクレオチド間でかつそれらに隣接して上記第1のライゲーション産物にハイブリダイズする1つ又は複数の架橋オリゴヌクレオチドを含む第2のセットのオリゴヌクレオチドプローブを、上記第1のライゲーション産物に導入するステップ;上記第2のセットのオリゴヌクレオチドプローブを上記第1のライゲーション産物にハイブリダイズさせるステップ;上記第2のセットの上記ハイブリダイズされたオリゴヌクレオチドをライゲーションして、上記第1のライゲーション産物に相補的な第2のライゲーション産物を生成するステップ;上記第2のライゲーション産物を増幅して、増幅産物を生成するステップ;及び上記増幅産物を分析するステップを含み、上記増幅産物の分析が、上記試料中の上記1つの供給源に由来する上記目的ゲノム領域を同定する方法を提供する。
本発明の更に他の実施形態は、2つの異なる供給源に由来するDNAを含む試料中の1つの供給源に由来する目的ゲノム領域を同定するための方法であって、2つの異なる供給源に由来するDNAを含む試料を準備するステップ;目的ゲノム領域の3’領域に相補的な第1の固定配列オリゴヌクレオチド及び上記目的ゲノム領域の5’領域に相補的な第2の固定配列オリゴヌクレオチドを含む第1のセットのオリゴヌクレオチドプローブを上記試料に導入し、上記第1及び第2の固定配列オリゴヌクレオチドが、上記目的ゲノム領域における互いに隣接しない領域に相補的であるステップ;上記第1のセットのオリゴヌクレオチドプローブを、上記試料中の上記目的ゲノム領域にハイブリダイズさせるステップ;上記第1のセットのオリゴヌクレオチドプローブの上記第1の固定配列オリゴヌクレオチドと上記第2の固定配列オリゴヌクレオチドとの間の領域を、ポリメラーゼ及びdNTPを用いて伸長して、上記目的ゲノム領域に相補的な、上記第1のセットのオリゴヌクレオチドプローブの隣接してハイブリダイズされたオリゴヌクレオチドを生成するステップ;上記第1のセットのオリゴヌクレオチドプローブの上記隣接してハイブリダイズされたオリゴヌクレオチドをライゲーションして、上記目的ゲノム領域に相補的な第1のライゲーション産物を生成するステップ;上記第1のライゲーション産物の3’領域に相補的な第1の固定配列オリゴヌクレオチド及び上記第1のライゲーション産物の5’領域に相補的な第2の固定配列オリゴヌクレオチドを含む第2のセットのオリゴヌクレオチドプローブを上記第1のライゲーション産物に導入し、上記第1及び第2の固定配列オリゴヌクレオチドが、上記第1のライゲーション産物の互いに隣接しない領域に相補的であるステップ;上記第2のセットのオリゴヌクレオチドプローブを、上記第1のライゲーション産物にハイブリダイズさせるステップ;上記第2のセットの上記第1の固定配列オリゴヌクレオチドと上記第2の固定配列オリゴヌクレオチドとの間の領域を、ポリメラーゼ及びdNTPを用いて伸長して、上記第1のライゲーション産物に相補的な、上記第2のセットのオリゴヌクレオチドプローブの隣接してハイブリダイズされたオリゴヌクレオチドを生成するステップ;上記第2のセットのオリゴヌクレオチドプローブの上記隣接してハイブリダイズされたオリゴヌクレオチドをライゲーションして、上記第1のライゲーション産物に相補的な第2のライゲーション産物を生成するステップ;上記第2のライゲーション産物を増幅して、増幅産物を生成するステップ;及び上記増幅産物を分析するステップを含み、上記増幅産物の分析が、上記試料中の上記1つの供給源に由来する上記目的ゲノム領域を同定する方法を提供する。
更に他の実施形態は、1つ又は複数の目的ゲノム領域の遺伝子変異を同定するための方法であって、2つ以上の供給源に由来する核酸を含む試料に由来する少なくとも1つの目的領域を含む核酸を準備するステップ;上記目的領域の5’にアニーリングする第1の固定配列オリゴヌクレオチドプローブ、上記目的領域の3’にアニーリングする第2の固定配列オリゴヌクレオチドプローブ、及び上記第1及び第2の固定配列ヌクレオチドプローブ間にアニーリングする架橋オリゴヌクレオチドプローブを含む、少なくとも1つの初期セットのオリゴヌクレオチドプローブを導入するステップ;上記第1の固定配列オリゴヌクレオチドプローブが架橋オリゴヌクレオチドプローブに隣接してハイブリダイズしない場合、上記第1の固定配列オリゴヌクレオチドプローブを伸長させるステップ;上記架橋オリゴヌクレオチドプローブが、上記第2の固定配列オリゴヌクレオチドプローブに隣接してハイブリダイズしない場合、上記架橋オリゴヌクレオチドプローブを伸長させるステップ;上記初期セットのオリゴヌクレオチドプローブに由来する上記ハイブリダイズされたオリゴヌクレオチドプローブをライゲーションして、上記目的領域に相補的な第1のライゲーション産物を生成するステップ;上記第1のライゲーション産物の5’にアニーリングする第1の固定配列オリゴヌクレオチドプローブ、上記第1のライゲーション産物の3’にアニーリングする第2の固定配列オリゴヌクレオチドプローブ、及び上記第1のライゲーション産物の上記第1及び第2の固定配列ヌクレオチドプローブ間にアニーリングする架橋オリゴヌクレオチドプローブを含む、少なくとも1つの次期セットのオリゴヌクレオチドプローブを導入するステップ;上記次期セットのオリゴヌクレオチドプローブの上記第1の固定配列オリゴヌクレオチドプローブが、上記次期セットのオリゴヌクレオチドプローブの上記架橋オリゴヌクレオチドプローブに隣接してハイブリダイズしない場合、上記次期セットのオリゴヌクレオチドプローブの上記第1の固定配列オリゴヌクレオチドプローブを伸長させるステップ;上記次期セットのオリゴヌクレオチドプローブの上記架橋オリゴヌクレオチドプローブが、上記次期セットのオリゴヌクレオチドプローブの上記第2の固定オリゴヌクレオチドプローブに隣接してハイブリダイズしない場合、上記次期セットのオリゴヌクレオチドプローブの上記架橋オリゴヌクレオチドプローブを伸長させるステップ;上記第2のセットのオリゴヌクレオチドプローブに由来する上記ハイブリダイズされたオリゴヌクレオチドプローブをライゲーションして、上記第1のライゲーション産物に相補的な第2のライゲーション産物を生成するステップ;上記第2のライゲーション産物を増幅するステップ;及び上記増幅産物を分析するステップを含み、上記増幅産物の分析が、1つ又は複数の目的領域の遺伝子変異を同定する方法を提供する。幾つかの態様では、上記初期セットのオリゴヌクレオチドプローブの上記架橋オリゴヌクレオチドは、上記初期セットのオリゴヌクレオチドプローブの上記第1及び第2の固定オリゴヌクレオチドプローブに直接隣接してかつそれらの間にハイブリダイズし、幾つかの態様では、上記初期セットのオリゴヌクレオチドプローブの上記第1の固定配列オリゴヌクレオチド及び上記架橋オリゴヌクレオチドのうち一方又は両方を、ハイブリダイゼーション後にdNTP及びDNAポリメラーゼを使用して伸長させて、上記初期セットのオリゴヌクレオチドプローブの隣接してハイブリダイズされた固定及び架橋オリゴヌクレオチドプローブを提供する。幾つかの態様では、上記次期セットのオリゴヌクレオチドプローブの上記架橋オリゴヌクレオチドは、上記次期セットのオリゴヌクレオチドプローブの上記第1及び第2の固定オリゴヌクレオチドプローブに直接隣接してかつそれらの間にハイブリダイズし、幾つかの態様では、上記次期セットのオリゴヌクレオチドプローブの上記第1の固定配列オリゴヌクレオチド及び上記架橋オリゴヌクレオチドのうち一方又は両方を、ハイブリダイゼーション後にdNTP及びDNAポリメラーゼを使用して伸長させて、上記次期セットのオリゴヌクレオチドプローブの隣接してハイブリダイズされた固定及び架橋オリゴヌクレオチドプローブを提供する。
更に他の実施形態では、本発明は、1つ又は複数の目的ゲノム領域の遺伝子変異を同定するための方法であって、2つ以上の供給源に由来するDNAを含む試料に由来する少なくとも1つの目的領域を含むDNAを準備するステップ;上記目的領域の5’にアニーリングする第1の固定配列オリゴヌクレオチドプローブ及び上記目的領域の3’にアニーリングする第2の固定配列オリゴヌクレオチドプローブを含む、少なくとも1つの初期セットのオリゴヌクレオチドプローブを導入するステップ;上記初期セットの上記第1の固定配列オリゴヌクレオチドプローブ及び上記第2の固定配列オリゴヌクレオチドプローブが隣接してハイブリダイズしない場合、上記初期セットの上記第1の固定配列オリゴヌクレオチドプローブと上記第2の固定配列オリゴヌクレオチドプローブとの間の領域を、ポリメラーゼ及びdNTPを用いて伸長させて、上記初期セットに由来する隣接してハイブリダイズされたオリゴヌクレオチドプローブを生成するステップ;上記初期セットに由来する上記隣接してハイブリダイズされたオリゴヌクレオチドプローブをライゲーションして、上記初期セットに由来する上記第1の固定配列オリゴヌクレオチドプローブ間のライゲーションの部位に対応するライゲーション接合部を有する、上記目的領域に相補的な第1のライゲーション産物を生成するステップ;上記第1のライゲーション産物の5’にアニーリングする第1の固定配列オリゴヌクレオチドプローブ及び上記第1のライゲーション産物の3’にアニーリングする第2の固定配列オリゴヌクレオチドプローブを含む、少なくとも1つの次期セットのオリゴヌクレオチドプローブを導入し、上記第1及び第2の固定配列オリゴヌクレオチドプローブが1つ又は複数の塩基により隔てられているステップ;上記次期セットの上記第1の固定配列オリゴヌクレオチドプローブ及び上記第2の固定配列オリゴヌクレオチドプローブが隣接してハイブリダイズしない場合、上記次期セットの上記第1の固定配列オリゴヌクレオチドプローブと上記第2の固定配列オリゴヌクレオチドプローブとの間の領域を、ポリメラーゼ及びdNTPを用いて伸長させて、隣接してハイブリダイズされたオリゴヌクレオチド次期プローブを生成するステップ;上記隣接してハイブリダイズされた次期オリゴヌクレオチドプローブをライゲーションして、次期セットのオリゴヌクレオチドプローブの上記第1の固定配列オリゴヌクレオチドプローブ及び上記第2の固定配列オリゴヌクレオチドプローブ間のライゲーションの部位に対応する第2のライゲーション接合部を有する、上記第1のライゲーション産物に相補的な第2のライゲーション産物を作成し、上記第1及び第2のライゲーション接合部が、上記第2のライゲーション産物では互いに対して異なるステップ;上記第2のライゲーション産物を増幅するステップ;及び上記増幅産物を分析するステップを含み、上記増幅産物の分析が、1つ又は複数の目的ゲノム領域の遺伝子変異を同定することになる方法を提供する。幾つかの態様では、上記初期セットのオリゴヌクレオチドプローブ及び上記次期セットのオリゴヌクレオチドプローブのライゲーション接合部は、同じであり、幾つかの態様では、異なっている。
これらの実施形態の幾つかの態様では、本発明の方法は、最初のライゲーションステップの後かつ2回目の導入ステップの前に、上記第1のライゲーション産物を増幅するステップを更に含み、幾つかの態様では、上記増幅は線形であり、他の態様では、上記増幅は指数関数的である。
これらの実施形態のほとんどの態様では、本方法は多重化されており、すなわち、上記1つの供給源に由来する少なくとも24個、48個、92個、180個、360個、又は500個以上の目的ゲノム領域を含む、上記1つの供給源に由来する2つ以上の目的ゲノム領域について実施される。
これらの実施形態の幾つかの態様では、その後の又は第2のライゲーション産物は、線形増幅法により増幅され、他の態様では、上記その後の又は第2のライゲーション産物は、指数関数的増幅法により増幅される。
これらの実施形態の幾つかの態様では、1つ又は複数のセットのオリゴヌクレオチドプローブの上記固定配列オリゴヌクレオチドは、単分子プローブである。幾つかの態様では、上記初期及び次期セットのオリゴヌクレオチドプローブの1つ又は両方の上記第1及び第2の固定配列オリゴヌクレオチドプローブは、プレサークル(precircle)プローブとして1つの分子中で共に連結されている。
これら及び他の態様、特徴、及び利点は、本明細書に記載のように、より詳細に提供される。
本発明の多重化連続ライゲーションに基づく分析法の1つの実施形態の単純化された模式図である。 スキーム(i)から(iv)及び(vi)は、初期セットのオリゴヌクレオチドプローブに対する次期セットのオリゴヌクレオチドプローブの位置決めの代替的な実施形態を示し、スキーム(v)は、上記セットの固定配列オリゴヌクレオチドプローブが別々のプローブでない、初期及び/又は次期プローブセットの代替的な構成を示す。 2つの異なる目的領域が調査される、本発明の多重化連続ライゲーションに基づく分析法の1つの実施形態の単純化された模式図である。
本明細書に記載の方法では、別様の指定がない限り、分子生物学(組換え技術を含む)、細胞生物学、生化学、並びにマイクロアレイ及び配列決定技術の従来技術及び記載を使用することができ、それらは当業者の技術内にある。そのような従来技術には、オリゴヌクレオチドのポリマーアレイ合成、オリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーション及びライゲーション、オリゴヌクレオチドの配列決定、及び標識を使用したハイブリダイゼーションの検出が含まれる。好適な技術の具体的な例示は、本明細書中の例を参照することでなされてもよい。しかしながら、無論、同等の従来手順を使用することもできる。そのような従来の技術及び説明は、以下のもの等の標準的な実験マニュアルに見出すことができる:Greenら編、Genome Analysis:A Laboratory Manual Series(I〜IV巻)(1999年);Weinerら編、Genetic Variation:A Laboratory Manual(2007年);Dieffenbach、Dveksler編、PCR Primers:A Laboratory Manual(2003年);Bowtell及びSambrook、DNA Microarrays:A Molecular Cloning Manual(2003年);Mount、Bioinformatics:Sequence and Genome Analysis(2004年);Sambrook及びRussell、Condensed Protocols from Molecular Cloning:A Laboratory Manual(2006年);並びにSambrook及びRussell、Molecular Cloning:A Laboratory Manual(2002年)(全て、Cold Spring Harbor Laboratory Press刊);Stryer,L.、Biochemistry(第4版)W.H.Freeman、New York(1995年);Gait、“Oligonucleotide Synthesis:A Practical Approach”IRL Press、London(1984年);Nelson及びCox、Lehninger,Principles of Biochemistry、第3版、W.H.Freeman Pub.、New York(2000年);及びBergら、Biochemistry、第5版、W.H.Freeman Pub.、New York(2002年)。これらの文献は全て、その全体が参照によりあらゆる目的で本明細書に組み込まれる。本組成物、研究ツール、及び方法を記載する前に、本発明は、記載されている特定の方法、組成物、標的、及び使用に限定されず、したがって無論、様々であってもよいことが理解されるべきである。また、本明細書で使用されている用語は、特定の態様を説明するためのものであるに過ぎず、本発明の範囲を限定することは意図されておらず、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ限定されることになることが理解されるべきである。
本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形としての「1つの」、「その」、「前記」、及び「上記」には、文脈上そうでないことが明白に示されない限り、複数の指示対象が含まれることに留意すべきである。したがって、例えば、「(1つの)核酸領域」への言及は、そのような領域の1つ、複数、又は混合物を指し、「(1つの)方法」への言及は、当業者に公知の等価なステップ及び方法等への言及を含む。
値の範囲が提供されている場合、その範囲の上限及び下限間の各介在値、及びその記載されている範囲の任意の他の記載又は介在値が、本発明内に包含されることが理解されるべきである。記載されている範囲が上限及び下限を含む場合、それらの限界のうちいずれかを除く範囲も、本発明に含まれる。
本明細書で言及されている文献は全て、本記載の発明に関して使用することができる製剤及び方法を記載及び開示する目的を含むあらゆる目的で参照により組み込まれる。
以下の記載では、多数の特定の詳細が、本発明のより完全な理解を提供するために示されている。しかしながら、当業者であれば、本発明が、これら特定の詳細の1つ又は複数を用いずに実施することができることは明白であろう。他の場合では、本発明の不明瞭化を回避するために、当業者に周知の特徴及び手順が記載されていない。
定義
本明細書で使用される用語は、当業者により理解されるような通常の一般的な意味を有することが意図されている。以下の定義は、読者の本発明の理解を支援するためのものであるが、特に指示のない限り、そのような用語の意味を変更又は他の形で限定するためのものではない。
用語「増幅された核酸」は、その量が、in vitroで実施される任意の核酸増幅又は複製方法により、開始量と比較して10倍を超えて増加した任意の核酸分子である。
用語「コピー数変異」又は「CNV」は、本明細書中で使用される場合、DNAに異常なコピー数の1つ又は複数の遺伝子座を有する細胞をもたらすゲノムのDNAの変更である。臨床関連のCNVは、単一遺伝子に限定されていてもよく、又は隣接する遺伝子のセットを含んでいてもよい。また、CNVは、特定の染色体において欠失しているか、逆位になっているか、又は複製された、ゲノムの比較的大きい領域(最大で完全な染色体の1つ以上の更なるコピーを含む)に相当してもよい。CNVという用語は、本明細書で使用される場合、配列関連情報は一切参照せず、むしろ試料中に存在する遺伝子領域の量又は「計数」を指す。
用語「診断ツール」は、本明細書で使用される場合、例えば、患者試料の診断試験又はアッセイを実施するためのシステムで使用される、本発明の任意の組成物又は方法を指す。
用語「濃度上昇(enrichment)」は、核酸分子のレベルを、その開始量と比較して少なくとも2倍増加させる、in vitroで実施される任意の方法を意味する。
用語「L2増幅」は、目的とする核酸領域のハイブリダイゼーション−ライゲーション−増幅サイクルの最初の又は次のラウンドにおける、2つ以上のライゲーション事象を使用する任意の増幅技術を指す。そのような増幅技術には、以下の文献の教示が含まれる:2011年1月25日に出願された米国特許出願第13/013,732号;2011年9月26日に出願された米国特許出願第13/245,133号;2011年8月8日に出願された米国特許出願第13/205,570号;2011年11月10日に出願された米国特許出願第13/293,419号;2011年8月8日に出願された米国特許出願第13/205,409号;2011年8月8日に出願された米国特許出願第13/205,603号;2012年2月29日に出願された米国特許出願第13/407,978号;2011年10月15日に出願された米国特許出願第13/274,309号;2011年12月9日に出願された米国特許出願第13/316,154号、及び2011年12月28日に出願された米国特許出願第13/338,963号。これらの文献は全て、それらの全体が本明細書中に組み込まれる。
用語「ハイブリダイゼーション」又は「アニーリング」は、一般的に、核酸の相補鎖の対合が生じる反応を意味する。DNAは、通常二本鎖であり、鎖が分離している場合、それらは適切な条件下で再ハイブリダイズする。ハイブリッドは、DNA−DNA、DNA−RNA、又はRNA−RNA間に生じる場合がある。それらは、短鎖と上記短鎖に相補的な領域を含む長鎖との間に生じる場合がある。不完全なハイブリッドも形成される場合があるが、不完全であればあるほど、不安定になる(そして形成される可能性は低くなる)。
用語「遺伝子座」は、本明細書で使用される場合、ゲノムの既知位置の核酸領域を指す。
用語「オリゴヌクレオチド」又は「オリゴ」は、本明細書で使用される場合、ワトソン−クリック型の塩基対形成、塩基スタッキング、又はフーグスティーン若しくは逆フーグスティーン型の塩基対形成等の規則的なパターンのモノマー間相互作用により一本鎖ポリヌクレオチドに特異的に結合可能な、デオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチド、それらのアノマー形態、ペプチド核酸モノマー(PNA)、及びロックドヌクレオチド酸モノマー(LNA)等、又はそれらの組み合わせを含む、天然又は修飾核酸モノマーの直鎖オリゴマーを指す。通常、モノマーは、リン酸ジエステル結合又はその類似結合により連結されて、例えば8〜12個のような数個のモノマー単位から、例えば100〜200個又はそれ以上のような数十個のモノマー単位の範囲の大きさのオリゴヌクレオチドを形成する。
本明細書で使用される場合、用語「ポリメラーゼ」は、別の鎖をテンプレートとして使用して、個々のヌクレオチドを連結してより長い鎖にする酵素を指す。2つの一般的なタイプのポリメラーゼがあり、DNAを合成するDNAポリメラーゼと、RNAを合成するRNAポリメラーゼである。これらの2つの種類の中には、どのタイプの核酸がテンプレートとして機能することができるのか、及びどのタイプの核酸が形成されるのかに応じて、多数のサブタイプのポリメラーゼがある。
本明細書で使用される場合、「ポリメラーゼ連鎖反応」又は「PCR」は、過剰な非特異的DNAが存在する場合であっても、特定の1片の標的DNAをin vitroで複製するための技術を指す。プライマーが標的DNAに加えられると、プライマーは、ヌクレオチド及び典型的にはTaqポリメラーゼ等を使用して標的DNAの複製を開始させる。温度を周期的に変化させることにより、標的DNAの変性と複製が繰り返される。他の無作為なDNAと混合されていたとしても、標的DNAの単一コピーを増幅して、数個から何十億個ものコピー又は複製を得ることができる。ポリメラーゼ連鎖反応を使用して、非常に少量のDNAを検出及び測定すること、及び特注のDNA片を生成することができる。いくつかの場合では、PCRの代わりに線形濃度上昇法(linear enrichment methods)を使用することができる。
用語「遺伝子多型」は、本明細書で使用される場合、限定されるものではないが、一塩基多型(SNP)、メチル化の差異、及びショートタンデムリピート(STR)等を含む、その特定の遺伝子座に特徴的であり得る、遺伝子座のあらゆる遺伝子変化を指す。
一般的に、「プライマー」は、例えば、ポリメラーゼ連鎖反応の合成ステップ又はある配列決定反応に使用されるプライマー伸長技術等での、DNA伸張、ライゲーション、及び/又は合成の開始に使用されるオリゴヌクレオチドである。一般的に、「プローブ」は、ハイブリダイゼーション技術で使用され、目的領域に相補的であり、目的領域の検出に使用される。
用語「研究ツール」は、本明細書で使用される場合、薬学的及び/又は生物学的治療剤の開発を含む、学術的又は商業的な性質の科学的調査に使用される本発明の任意の方法を指す。本発明の研究ツールは、治療用又は規制当局の承認対象であることが意図されておらず、むしろ、本発明の研究ツールは、研究を促進し、規制当局への承認提出を支援するための情報を生成する意図で実施されるあらゆる活動を含む開発活動を支援するためのものである。
用語「選択された核酸領域」又は「選択された配列」又は「目的領域」は、本明細書で使用される場合、調査しようとする試料に由来する核酸の遺伝子座に対応する核酸領域を指す。目的領域は、同じ染色体に位置していてもよく、又は1つ若しくは複数の異なる染色体に位置していてもよい。
用語「選択的増幅」及び「選択的に増幅する」等は、目的領域の配列又は選択された配列に対するオリゴヌクレオチドプライマーのハイブリダイゼーションに、全体的に又は部分的に依存する増幅手順を指す。
用語「シークエンシング」及び「配列決定」等は、本明細書で使用される場合、一般的に、核酸のヌクレオチド塩基の順序を決定するために使用することができる、ありとあらゆる生化学的方法を指す。
結合パートナー(例えば、核酸プライマー又はプローブ、抗体等)に言及する場合の、用語「特異的に結合する」及び「特異的結合」等は、本明細書で使用される場合、指定のアッセイ条件下で統計的に有意な陽性シグナルの生成をもたらす。典型的には、相互作用は、後に望ましくない相互作用の結果として生成されるあらゆるシグナル(バックグランド)の標準偏差の少なくとも2倍の検知可能なシグナルをもたらすであろう。
用語「ユニバーサル」は、増幅手順を説明するために使用される場合、単一プライマー又は1セットのプライマーを複数の増幅反応に使用することを指す。例えば、96個の異なる標的配列を検出する場合、テンプレートは全て、同一のユニバーサルプライミング配列を共有してもよく、単一セットのプライマーを使用して96個の異なる配列の多重増幅を可能にすることができる。そのようなプライマーの使用は、複数の選択された核酸配列を増幅するために、2つのプライマーしか必要としないという点で、多重化を非常に単純化する。用語「ユニバーサル」は、プライミング部位を説明するために使用される場合、ユニバーサルプライマーがハイブリダイズする部位である。また、ユニバーサルプライミング配列/プライマーの「セット」を使用することができることに留意すべきである。例えば、高度に多重化された反応では、単一のセットではなく、幾つかのセットのユニバーサル配列を使用することが有用であり得る。例えば、96個の異なる核酸は、第1のセットのユニバーサルプライミング配列を有してもよく、第2の96個の核酸は、異なるセットのユニバーサルプライミング配列を有してもよい等である。
本発明の概要
本発明は、多重化連続ライゲーションに基づく遺伝子変異分析の改良された方法及びシステムを提供する。本発明の方法は、染色体及び/又は基準染色体から目的領域を増幅して、混合試料(例えば、母体/胎児試料)中の同じ又は異なる目的領域の異数性、コピー数変異、大規模及び小規模挿入又は欠失、再編成、一塩基多型(SNP)、ショートタンデムリピート(STR)等の染色体異常を検出することを可能にする。その代わりに又はそれに加えて、本発明の方法は、宿主/病原体核酸又は宿主/移植核酸を含むもの等の混合試料に応用することができる。多重化連続ライゲーションに基づく分析法は、診断薬及び診断ツールに応用可能であり、同様に研究ツールにも応用可能である。
本発明の方法は、初期セットのオリゴヌクレオチドプローブ及び同じ遺伝子座又は目的領域における少なくとも1つの次期セットのオリゴヌクレオチドプローブの、連続したハイブリダイゼーション、伸長(任意)、ライゲーション、及び増幅反応を使用する。2つのセットのオリゴヌクレオチドプローブを用いて連続様式でこれらの方法を使用することにより、忠実性及び各目的領域から得られる遺伝子情報の正確さに関する信頼性を高めることが可能になる。
要するに、初期(第1の)セットのオリゴヌクレオチドプローブは、幾つかの実施形態では、第1の固定配列プローブ、第2の固定配列プローブ、及び架橋プローブを含み、目的領域にハイブリダイズすることができる。その後、この初期セットのオリゴヌクレオチドプローブは、必要に応じて伸長された上で、ライゲーションされる。その後、第1のライゲーション産物は、任意選択で増幅される。初期セットのオリゴヌクレオチドプローブを使用する本発明の方法のこれらのステップは、L2増幅法に相当する。しかしながら、L2法をベースとして、初期セットのオリゴヌクレオチドプローブ及び任意選択の増幅ステップの後、次期(第2の)セットのオリゴヌクレオチドプローブ(幾つかの実施形態では、これも第1の固定配列プローブ、第2の固定配列プローブ、及び架橋プローブを含む)が、その後、第1のライゲーション産物(又は、任意選択で第1のライゲーション産物の第1の増幅産物)に添加される。次期セットのオリゴヌクレオチドプローブは、第1のライゲーション産物又は増幅産物にハイブリダイズすることが可能であり、(必要に応じて)伸長され、その後、次期セットのオリゴヌクレオチドに由来するオリゴヌクレオチドプローブは、互いにライゲーションされる。次期セットのオリゴヌクレオチドプローブの第2のライゲーション産物は、好ましくは増幅され、その後、それら第2の増幅産物は配列決定される。第1及び第2の固定配列プローブが互いに隣接してハイブリダイズしない態様では、第1の固定配列プローブは、第1及び第2の固定配列プローブが互いに隣接してハイブリダイズし、ライゲーション及び増幅を行うことができるまで、dNTP及びポリメラーゼを使用して伸長させてもよい。
典型的には、複数セットの初期(第1の)及び次期(第2の)オリゴヌクレオチドプローブが使用される。すなわち、ほとんどの実施形態では、少なくとも第1及び第2のセットの初期オリゴヌクレオチドプローブが使用される(つまり、多重化)。その場合、第1及び第2の初期オリゴヌクレオチドセットは、核酸試料中の異なる目的領域(例えば、異なる遺伝子座)にハイブリダイズする。第1及び第2の次期オリゴヌクレオチドセットは、対応する第1及び第2の初期セットのオリゴヌクレオチドとは同じ目的領域であるが、互いに対しては異なる目的領域にハイブリダイズする。すなわち、複数の目的領域が調査され、各目的領域は異なっており、このステップは、各目的領域用の初期及び次期セットのオリゴヌクレオチドプローブを用いて実施される。実際には、本発明の方法は、試料に由来する10個以上の目的領域、12個以上の目的領域、又は24個、28個、60個、96個、128個、200個、400個、500個、1000個、2500個、又は5000個以上の目的領域を調査するために多重化することができる。
他の実施形態では、初期及び/又は次期セットのオリゴヌクレオチドプローブは、第1及び第2の固定配列プローブを含むが、架橋オリゴヌクレオチドプローブを含まない。第1及び第2の固定配列プローブが互いに隣接してハイブリダイズする態様では、第1及び第2の固定配列プローブは、ライゲーション及びその後増幅等を行うことができる。第1及び第2の固定配列プローブが互いに隣接してハイブリダイズしない態様では、第1の固定配列プローブは、第1及び第2の固定配列プローブが互いに隣接してハイブリダイズし、ライゲーション及び増幅を行うことができるまで、dNTP及びポリメラーゼを使用して伸長させることができる。
本発明の特徴的な利点は、ハイブリダイゼーション技術、デジタルPCR、及びハイスループット配列決定を含むがこれらに限定されない様々な検出及び定量化技術を使用して目的領域を分析することができるということである。
選択された目的領域の連続分析
図1Aは、本発明の多重化連続ライゲーションに基づく分析法の1つの実施形態の単純化された模式図である。図1Aに例示されている実施形態は、1つの目的領域の連続分析を示す。図1Aには、方法100が示されており、目的領域を含む核酸102が、任意に固体支持体104に固定されている。核酸102及びその後のステップでの他の核酸のそのような固定化は、実際には、好ましい実施形態では使用されない。ステップ101では、初期セットのオリゴヌクレオチドプローブを、核酸102に添加する。この実施形態での初期セットのオリゴヌクレオチドプローブは、第1の固定配列プローブ106、第2の固定配列プローブ108、及び架橋オリゴヌクレオチドプローブ110で構成される。第1の固定配列プローブ106及び第2の固定配列プローブ108は、それぞれユニバーサルプライミング配列112を含む。ユニバーサルプライミング配列112は、後のステップでのユニバーサル増幅を可能にするための配列を含み、以下に記載のように増幅産物を操作、特定、及び/又は定量化するのに有用な他の配列を含んでいてもよい。第1の固定配列プローブ106及び第2の固定配列プローブ108に関連するユニバーサルプライミング配列112は、同じであってもよく、又は幾つかの実施形態では、異なっていてもよいことに留意すべきである。そのようなユニバーサルプライミング配列112が異なっている場合、好ましい実施形態では、ユニバーサルプライミング配列にハイブリダイズされる任意のその後の増幅に使用されるプライマーの融解温度(T)は、類似していることが好ましい。
図1Aに示されている実施形態では、1セットの固定配列オリゴヌクレオチドプローブ及び架橋オリゴヌクレオチドプローブは、同時にアニーリングが可能なように示されているが、代替的な実施形態では、その代りに、架橋オリゴヌクレオチドプローブは、固定配列オリゴヌクレオチドプローブがアニーリングし、その後任意に、ハイブリダイズしなかった固定配列オリゴヌクレオチドプローブを除去した後で、アニーリング反応に添加されてもよい。
ステップ103では、初期セットのオリゴヌクレオチドプローブを、核酸102の目的領域にアニーリングさせ、この場合、初期セットの第1の固定配列オリゴヌクレオチド106は、目的領域の5’にアニーリングし、初期セットの第2の固定配列オリゴヌクレオチド108は、目的領域の3’にアニーリングし、初期セットの架橋オリゴヌクレオチド110は、目的領域の第1及び第2の固定配列オリゴヌクレオチド間にアニーリングする。第1の固定配列オリゴヌクレオチドプローブ及び架橋オリゴヌクレオチドプローブの末端の矢印は、初期セットの第1及び第2の固定オリゴヌクレオチド及び架橋オリゴヌクレオチドが、目的領域で互いに完全に隣接してアニーリングしない場合、これらのオリゴヌクレオチドプローブを、ポリメラーゼ及びdNTPにより伸長させることができることを示す。しかしながら、特定の実施形態では、架橋オリゴは、5’及び3’固定オリゴヌクレオチドの両方に直接隣接してアニーリングし得る。
ステップ105では、第1の固定配列プローブ106、第2の固定配列プローブ108、及び架橋プローブ110を含むライゲーション産物114を、核酸102から溶出又は他の方法で分離し、ユニバーサルオリゴヌクレオチドプライマー122を添加する。第1のライゲーション産物114には、第1の固定配列プローブ106及び架橋プローブ110間のライゲーション接合部150、及び架橋プローブ110及び第2の固定配列プローブ108間のライゲーション接合部152が示されている。ステップ107では、第1のライゲーション産物のユニバーサルPCR(uPCR)を実施して、uPCR産物116がもたらされる。なお、uPCR産物116(1つのuPCR産物116のみが示されている)には、ライゲーション接合部150及び152が示されている。以前に記載したように、第1及び第2の固定配列プローブ(それぞれ106及び108)のユニバーサルプライミング配列112は、示されているように同じであってもよく、又は異なっていてもよく、異なっている場合、uPCRを実施するために使用されるユニバーサルオリゴヌクレオチドプライマー122は、異なることになる。また、幾つかの実施形態では、ユニバーサルプライミング配列を両方とも使用して第1のライゲーション産物114を増幅するのではなく、ユニバーサルプライミング部位のうち一方のみを利用して線形増幅を実施するか、又は一方の固定配列オリゴヌクレオチドのみがユニバーサルプライミング配列を含む。
ステップ109では、次期セットのオリゴヌクレオチドプローブを、uPCR産物116に添加する。この実施形態の次期セットのオリゴヌクレオチドプローブは、第1の固定配列プローブ126、第2の固定配列プローブ128、及び架橋オリゴヌクレオチドプローブ130で構成されている。第1の固定配列プローブ126及び第2の固定配列プローブ128は、それぞれユニバーサルプライミング配列132を含み、上記ユニバーサルプライミング配列132は、後のステップでユニバーサル増幅を可能にする配列を含み、初期セットのオリゴヌクレオチドプローブのユニバーサルプライミング配列と同様に、増幅産物を操作、特定、及び/又は定量化するのに有用な他の配列を含んでいてもよく、この場合も、上記ユニバーサルプライミング配列132は同じであってもよく、又は異なっていてもよく、異なっている場合、好ましい実施形態では、ユニバーサルプライミング配列にハイブリダイズし、任意のその後の増幅に使用されるプライマーの融解温度(T)は、類似していることが好ましい。なお、ユニバーサルプライミング配列112及び132は同じであってもよいが、好ましい実施形態では、第2の増幅で増幅される唯一のライゲーション産物が、次期セットのオリゴヌクレオチドプローブのライゲーションに起因する増幅産物であるように、ユニバーサルプライミング配列112及び132は異なっている。また、開始核酸102を用いる場合と同様に、uPCR産物116は、その後のステップで他の核酸から容易に単離又は分離するために、任意選択で固体支持体118に固定されていてもよいことに留意されたい。
ステップ111では、次期セットのオリゴヌクレオチドプローブを、uPCR産物116の目的領域にアニーリングさせ、次期セットの第1の固定配列オリゴヌクレオチド126は、目的領域の5’にアニーリングし、次期セットの第2の固定配列オリゴヌクレオチド128は、目的領域の3’にアニーリングし、次期セットの架橋オリゴヌクレオチド130は、目的領域の第1及び第2の固定配列オリゴヌクレオチド間にアニーリングする。第1の固定配列オリゴヌクレオチドプローブ及び架橋オリゴヌクレオチドプローブの末端の矢印は、次期セットの第1及び第2の固定オリゴヌクレオチド及び架橋オリゴヌクレオチドが、目的領域で互いに完全に隣接してアニーリングしない場合、これらのオリゴヌクレオチドプローブを、ポリメラーゼ及びdNTPにより伸長させることができることを示す。しかしながら、第1のハイブリダイゼーションと同様に、特定の実施形態では、架橋オリゴは、5’及び3’固定オリゴヌクレオチドの両方に直接隣接してアニーリングし得る。
ステップ113では、次期セットに由来する第1の固定配列プローブ126、第2の固定配列プローブ128、及び架橋プローブ130を含むライゲーション産物136を、uPCR産物116から溶出又は他の方法で分離し(例えば、固体支持体又は固定部118を使用することにより)、ユニバーサルプライミング配列132を使用してライゲーション産物136を増幅することができるように、ユニバーサルオリゴヌクレオチドプライマー134を添加する。上記のように、ユニバーサルプライミング配列132同士が異なる場合、ユニバーサルオリゴヌクレオチドプライマー134同士は異なることになる。なお、上記のように、幾つかの実施形態では、ユニバーサルプライミング部位(又は、第1及び第2の固定配列オリゴヌクレオチドの両方のユニバーサルプライミング部位を含む)を両方とも使用するのではなく、ユニバーサルプライミング部位のうち一方のみを使用して線形増幅を実施する。
初期セットのオリゴヌクレオチドプローブを用いた第1のライゲーションプロセスに由来するライゲーション接合部150、152と同様に、ライゲーション産物136には、次期セットの第1の固定配列プローブ126及び架橋プローブ130との間のライゲーション接合部154、及び次期セットの架橋プローブ130と第2の固定配列プローブ128との間のライゲーション接合部156が示されている。なお、次期セットのオリゴヌクレオチドプローブのライゲーションに起因するライゲーション接合部154及び156は、目的領域での初期セットのオリゴヌクレオチドプローブのライゲーションに由来するライゲーション接合部150、152とは位置をずらされている。この実施形態では、次期セットに由来する第1及び第2の固定オリゴヌクレオチドプローブは、ライゲーション接合部150及び152を包含する。ステップ115では、ユニバーサルオリゴヌクレオチドプライマー134を使用して、ライゲーション産物136にユニバーサルPCR(uPCR)を実施して、uPCR産物140がもたらされる。その後、それを配列決定することができる。
図1Bには、初期セットのオリゴヌクレオチドプローブに対する次期セットのオリゴヌクレオチドプローブの位置決めの代替的な実施形態が示されている。図1Bのスキーム(i)では、初期セットのオリゴヌクレオチドプローブに対する次期セットのオリゴヌクレオチドプローブの位置決めは、図1Aと同じである(図1Aのステップ113〜115の表示を参照)。この場合、ライゲーション産物136内には、次期セットの第1の固定配列プローブ126及び架橋プローブ130間のライゲーション接合部154、及び次期セットの架橋プローブ130及び第2の固定配列プローブ128間のライゲーション接合部156が示されている。また、初期セットのオリゴヌクレオチドプローブを用いた第1のライゲーションに由来するライゲーション接合部150及び152が示されている。なお、次期セットのオリゴヌクレオチドプローブのライゲーションに起因するライゲーション接合部154及び156は、目的領域での初期セットのオリゴヌクレオチドプローブのライゲーションに由来するライゲーション接合部からシフトされ又はずらされている。このスキーム(i)では、次期セットに由来する第1及び第2の固定オリゴヌクレオチドプローブは、ライゲーション接合部150及び152を包含する。すなわち、ライゲーション接合部154及び156は、ライゲーション接合部150と152との間に位置する(これらの両側にライゲーション接合部150及び152が位置する)。
図1Bのスキーム(ii)では、初期セットのオリゴヌクレオチドプローブに対する次期セットのオリゴヌクレオチドプローブの位置決めは、図1Aに見られるものとは異なっている。この場合も、ライゲーション産物136には、次期セットの第1の固定配列プローブ126及び架橋プローブ130間のライゲーション接合部154、及び次期セットの架橋プローブ130及び第2の固定配列プローブ128間のライゲーション接合部156が示されている。また、初期セットの第1の固定配列プローブ106及び架橋プローブ110間のライゲーションに起因するライゲーション接合部150、及び初期セットのオリゴヌクレオチドプローブに由来する架橋プローブ110及び第2の固定配列プローブ108間のライゲーションに起因するライゲーション接合部152が示されている。再び、この実施形態でも、次期セットのオリゴヌクレオチドプローブのライゲーションに起因するライゲーション接合部154及び156は、目的領域での初期セットのオリゴヌクレオチドプローブのライゲーションに由来するライゲーション接合部からシフトされ又はずらされている。しかしながら、このスキーム(ii)では、次期セットに由来する第1及び第2の固定オリゴヌクレオチドプローブは、ライゲーション接合部150及び152を両方ともは包含しない。その代わり、ライゲーション接合部154は、(5’)ライゲーション接合部150の外側にあるが、ライゲーション接合部156は、ライゲーション接合部152の内側(5’)にある。
図1Bのスキーム(iii)は、次期セットのオリゴヌクレオチドプローブのライゲーションに起因するライゲーション接合部154及び156が、目的領域での初期セットのオリゴヌクレオチドプローブのライゲーションに由来するライゲーション接合部からシフトされ又はずらされているという点で、スキーム(i)及び(ii)に類似している。しかしながら、スキーム(i)とは異なるが、スキーム(ii)と同様に、次期セットに由来する第1及び第2の固定オリゴヌクレオチドプローブは、ライゲーション接合部150及び152を両方ともは包含しない。その代わり、ライゲーション接合部156は、(3’)ライゲーション接合部152の外側にあるが、ライゲーション接合部154は、ライゲーション接合部150の内側(3’)にある。
図1Bのスキーム(iv)は、次期セットのオリゴヌクレオチドプローブのライゲーションに起因するライゲーション接合部154及び156が、目的領域での初期セットのオリゴヌクレオチドプローブのライゲーションに由来するライゲーション接合部からシフトされ又はずらされているという点で、スキーム(i)、(ii)、及び(iii)と類似している。しかしながら、この場合は、次期セットに由来する第1及び第2の固定オリゴヌクレオチドプローブはいずれも、ライゲーション接合部150及び152を包含していない。その代わり、ライゲーション接合部154及び156は、ライゲーション接合部150及び152の外側(すなわち、それぞれ5’及び3’)にある。
図1Bのスキーム(v)には、初期及び/又はずらされたオリゴヌクレオチドプローブセットに使用することができる代替的な例示的実施形態が示されており、このセットの固定配列オリゴヌクレオチドプローブは、別々のプローブではなく、プレサークル型のプローブである。この場合も、次期セットのオリゴヌクレオチドプローブのライゲーションに起因するライゲーション接合部154及び156は、目的領域での初期セットのオリゴヌクレオチドプローブのライゲーションに由来するライゲーション接合部からシフトされ又はずらされていることに留意されたい。また、スキーム(iv)と同様に、次期セットに由来する第1及び第2の固定オリゴヌクレオチドプローブはいずれも、ライゲーション接合部150及び152を包含しない。その代わり、ライゲーション接合部154及び156は、ライゲーション接合部150及び152の外側(すなわち、それぞれ5’及び3’)にある。第1及び第2の固定プローブ126及び128を連結する固定配列プローブの核酸部分が設計されている160。
図1Bのスキーム(vi)は、次期セットのオリゴヌクレオチドプローブのライゲーションに起因するライゲーション接合部154及び156が、目的領域での初期セットのオリゴヌクレオチドプローブのライゲーションに由来するライゲーション接合部からシフトされておらず、ずらされてもいないという点で、スキーム(i)〜(v)とは異なる。すなわち、この場合、初期及び次期セットに由来する第1の固定オリゴヌクレオチドプローブは、同じライゲーション接合部150及び154の一方又は両方を包含し、初期及び次期セットに由来する第2の固定オリゴヌクレオチドプローブは、同じライゲーション接合部152及び156の一方又は両方を包含する。
幾つかの実施形態では、図1Bのスキーム(i)及び(iv)の場合に必要なことであるが、初期セット及び次期セットのオリゴヌクレオチドプローブの架橋オリゴヌクレオチドプローブは長さが異なる。しかしながら、幾つかの実施形態では、初期及び次期セットのオリゴヌクレオチドプローブの架橋プローブは同じである。これは、図1Bのスキーム(vi)の場合に当てはまり、また、次期セットの架橋オリゴヌクレオチドプライマーが初期セットの架橋オリゴヌクレオチドプライマーの5’に位置しているスキーム(ii)の場合、又は次期セットの架橋オリゴヌクレオチドプローブが初期セットの架橋オリゴヌクレオチドプライマーの3’に位置しているスキーム(iii)の場合に当てはまり得る。
図2は、2つの異なる目的領域が調査される、本発明の多重化連続ライゲーションに基づく分析法の1つの実施形態の単純化された模式図である。本発明のこの実施形態は、目的領域が2つである場合について例示されているが、実際には、本発明の方法は、10個以上の目的領域、12個以上の目的領域、又は24個、28個、60個、96個、128個、200個、400個、500個、1000個、2500個、又は5000個以上の目的領域を調査するために多重化することができる。目的領域は全て、同じ染色体上に位置していてもよく、又はほとんどの実施形態では、目的領域は、1つ又は複数の異なる染色体上に位置している。
図2には、方法200が示されており、2つ目的領域を含む核酸202が任意選択で固体支持体204に固定されている。核酸202及びその後のステップでの他の核酸のそのような固定化は、実際には、好ましい実施形態では使用されない。ステップ201では、第1及び第2の初期セットのオリゴヌクレオチドプローブを、核酸202に添加する。第1の初期セットのオリゴヌクレオチドプローブは、第1の固定配列プローブ206、第2の固定配列プローブ208、及び架橋オリゴヌクレオチドプローブ210で構成される。第2の初期セットのオリゴヌクレオチドプローブは、第1の固定配列プローブ306、第2の固定配列プローブ308、及び架橋オリゴヌクレオチドプローブ310で構成される。各初期セットに由来する第1の固定配列プローブ206及び306並びに第2の固定配列プローブ208及び308は、ユニバーサルプライミング配列212を含む。ユニバーサルプライミング配列212は、両初期セットのオリゴヌクレオチドプローブに由来するライゲーション産物を、後のステップでユニバーサル増幅することを可能にする配列を含む。図1Aと同じように、ユニバーサルプライミング配列212同士は、同じであってもよく、又は異なっていてもよい。多重化反応では、典型的には、初期セットのオリゴヌクレオチドプローブの各々の5’固定オリゴヌクレオチドプローブのユニバーサルプライミング配列は同じものとなり、また、初期セットの各々のオリゴヌクレオチドプローブの3’固定オリゴヌクレオチドプローブのユニバーサルプライミング配列は同じものとなる。しかしながら、幾つかの実施形態では、異なるセットの初期オリゴヌクレオチドプローブのユニバーサルプライミング配列は異なるものとなる(すなわち、5’ユニバーサルプライミング配列の全てが同じであるわけではなく、3’配列の全てが同じであるわけではない)。以前に記載されたように、好ましい実施形態では、ユニバーサルプライミング配列の融解温度は類似している。
ステップ203では、両初期セットのオリゴヌクレオチドプローブを、核酸202のそれぞれの目的領域にアニーリングさせ、初期セットの各々の第1の固定配列オリゴヌクレオチド206及び306は、それぞれの目的領域の5’にアニーリングし、初期セットの各々の第2の固定配列オリゴヌクレオチド208及び308は、それぞれの目的領域の3’にアニーリングし、初期セットの各々の架橋オリゴヌクレオチド210及び310は、それぞれの目的領域の第1及び第2の固定配列オリゴヌクレオチド間にアニーリングする。第1の固定配列オリゴヌクレオチドプローブ206及び306並びに架橋オリゴヌクレオチドプローブ210及び310の末端の矢印は、初期セットの第1及び第2の固定オリゴヌクレオチド及び架橋オリゴヌクレオチドが、互いに完全に隣接して目的領域にアニーリングしない場合、これらのオリゴヌクレオチドプローブを、ポリメラーゼ及びdNTPにより伸長させることができることを示す。
ステップ205では、第1の固定配列プローブ206、第2の固定配列プローブ208、及び架橋プローブ210を含むライゲーション産物214、並びに第1の固定配列プローブ306、第2の固定配列プローブ308、及び架橋プローブ310を含むライゲーション産物314を、核酸202から溶出又は他の方法で分離し(この実施形態では、そのような分離は、固体支持体204により達成することができる)、ユニバーサルオリゴヌクレオチドプライマー222を添加する。ライゲーション産物214内には、第1のセットの初期オリゴヌクレオチドプローブの第1の固定配列プローブ206と架橋プローブ210の間のライゲーション接合部250、及び架橋プローブ210と第2の固定配列プローブ208との間のライゲーション接合部252が示されており、ライゲーション産物314内には、第2のセットの初期オリゴヌクレオチドプローブの第1の固定配列プローブ306と架橋プローブ310との間のライゲーション接合部350、及び架橋プローブ310と第2の固定配列プローブ308との間のライゲーション接合部352が示されている。ステップ207では、ユニバーサルオリゴヌクレオチドプライマー222を使用して、ライゲーション産物214及び314にユニバーサルPCR(uPCR)を実施し、uPCR産物216及び316がもたらされる。なお、uPCR産物216には、ライゲーション接合部250及び252が示されており、uPCR産物316には、ライゲーション接合部350及び352が示されている。なお、幾つかの実施形態では、両ユニバーサルプライミング部位(又は、第1及び第2の固定配列オリゴヌクレオチドの両方のユニバーサルプライミング部位を含む)を両方とも使用する代わりに、ユニバーサルプライミング部位のうち一方のみを使用して線形増幅を実施する。
ステップ209では、2つの次期セットのオリゴヌクレオチドプローブを、uPCR産物216及び316に添加する。第1の次期セットのオリゴヌクレオチドプローブは、第1の固定配列プローブ226、第2の固定配列プローブ228、及び架橋オリゴヌクレオチドプローブ230で構成され、第2の次期セットのオリゴヌクレオチドプローブは、第1の固定配列プローブ326、第2の固定配列プローブ328、及び架橋オリゴヌクレオチドプローブ330で構成される。第1の固定配列プローブ226及び326並びに第2の固定配列プローブ228及び328は各々、ユニバーサルプライミング配列232を含み、ユニバーサルプライミング配列232は、他の配列に加えて、幾つかの実施形態では、後のステップでユニバーサル増幅を可能にする配列を含む。記載のように、ユニバーサルプライミング配列232は、各固定配列オリゴヌクレオチドプローブで同じでも異なっていてもよく、或いは、5’固定配列プローブの各々で同じでありかつ3’固定配列プローブの各々で同じであるが、5’及び3’固定配列プローブでは異なっていてもよい。なお、開始核酸202を用いる場合と同様に、uPCR産物216及び316は、その後のステップで他の核酸から容易に単離又は分離するために、任意選択で固体支持体318に固定されてもよい。
ステップ211では、第1及び第2の次期セットのオリゴヌクレオチドプローブを、uPCR産物216及び316のそれぞれの目的領域にアニーリングさせ、次期セットの各々の第1の固定配列オリゴヌクレオチド226及び326は、それぞれのuPCR産物216及び316の5’にアニーリングし、次期セットの各々の第2の固定配列オリゴヌクレオチド228及び328は、それぞれのuPCR産物216及び316の3’にアニーリングし、次期セットの各々の架橋オリゴヌクレオチド230及び330は、それぞれのuPCR産物216及び316の第1及び第2の固定配列オリゴヌクレオチド間にアニーリングする。第1の固定配列オリゴヌクレオチドプローブ226及び326並びに架橋オリゴヌクレオチドプローブ220及び320の末端の矢印は、次期セットの第1及び第2の固定オリゴヌクレオチド及び架橋オリゴヌクレオチドが、互いに完全に隣接して目的領域にアニーリングしない場合、これらのオリゴヌクレオチドプローブを、ポリメラーゼ及びdNTPにより伸長することができることを示す。
ステップ213では、第1のセットの次期オリゴヌクレオチドプローブに由来する第1の固定配列プローブ226、第2の固定配列プローブ228、及び架橋プローブ230を含むライゲーション産物236を、uPCR産物216から溶出又は他の方法により分離する(例えば、固体支持体又は固定部218を使用によることにより)。また、第2のセットの次期オリゴヌクレオチドプローブに由来する第1の固定配列プローブ326、第2の固定配列プローブ328、及び架橋プローブ330を含むライゲーション産物336を、uPCR産物316から溶出又は他の方法により分離する(例えば、固体支持体又は固定部218を使用することにより)。
その後、ユニバーサルプライミング配列232を使用して、ライゲーション産物236及び336を増幅することができるように、ユニバーサルオリゴヌクレオチドプライマー234を添加する。なお、ユニバーサルプライミング配列212及び232は、同じであってもよいが、好ましい実施形態では、第2の増幅で増幅される唯一のライゲーション産物が、次期セットのオリゴヌクレオチドプローブのライゲーションに起因する増幅産物であるように、ユニバーサルプライミング配列212及び232は異なっている。第1の初期セットのオリゴヌクレオチドプローブを用いた第1のライゲーションプロセスに由来するライゲーション接合部250及び252と同様に、ライゲーション産物236には、第1の次期セットの第1の固定配列プローブ226及び架橋プローブ230との間のライゲーション接合部254、及び第1の次期セットの架橋プローブ230と第2の固定配列プローブ228との間のライゲーション接合部256が示されている。加えて、第2の初期セットのオリゴヌクレオチドプローブを用いた第1のライゲーションプロセスに由来するライゲーション接合部350及び352と同様に、ライゲーション産物336には、第2の次期セットの第1の固定配列プローブ326及び架橋プローブ330との間のライゲーション接合部354、及び第2の次期セットの架橋プローブ330と第2の固定配列プローブ328との間のライゲーション接合部356が示されている。なお、第1及び第2の次期セットのオリゴヌクレオチドプローブのライゲーションに起因するライゲーション接合部254、256及び354、356は、目的領域での第1及び第2の初期セットのオリゴヌクレオチドプローブのライゲーションに由来するライゲーション接合部250、252及び350,352からずらされている。この実施形態では、図1A及び図1Bのスキーム(i)と同様に、次期セットの各々に由来する第1及び第2の固定オリゴヌクレオチドプローブは、ライゲーション接合部250、350及び252、352を包含する。ステップ215では、ユニバーサルオリゴヌクレオチドプライマー234を使用して、ライゲーション産物236及び336に、uPCRを実施して、uPCR産物240及び340がもたらされる。それらはその後、全体として又は部分的に配列決定され、以下に記載される。
図1A、図1B、及び図2には、1つの架橋オリゴヌクレオチドプローブを使用する本発明の方法が例示されているが、複数の架橋オリゴヌクレオチドプローブを使用してもよいことに留意すべきである。また、図2には、2つの目的領域の分析が例示されているが、実際には、本発明の方法は、試料に由来する10個以上の目的領域、12個以上の目的領域、又は24個、28個、60個、96個、128個、200個、400個、500個、1000個、2500個、又は5000個以上の目的領域を調査するために多重化することができる。更に、図1A及び2には、各目的領域の初期セットのオリゴヌクレオチドプローブ及び1つの次期セットのオリゴヌクレオチドプローブのハイブリダイゼーション、ライゲーション、及び増幅を含む方法が例示されているが、追加セットの次期オリゴヌクレオチドプローブを用いて、追加のラウンドのハイブリダイゼーション、ライゲーション、及び増幅を、目的領域の1つ又は複数に実施してもよい。更に、図1A及び図2は両方とも、ステップ107及び207での増幅(uPCR)ステップを含むが(初期セットのオリゴヌクレオチドプローブの第1及び第2のオリゴヌクレオチド及び架橋オリゴヌクレオチドプローブのライゲーション産物を増幅する)、この増幅ステップは任意である。しかしながら、この増幅ステップは好ましい。同様に、配列決定の前に、次期セットのプローブの第1及び第2のオリゴヌクレオチド及び架橋オリゴヌクレオチドプローブのライゲーション産物を増幅することが好ましいが、それも任意である。
加えて、初期及び次期セットオリゴヌクレオチドプローブのいずれか両方が架橋オリゴヌクレオチドプローブを含まない本発明の方法を実施してもよく、すなわち、初期及び次期セットのオリゴヌクレオチドプローブのいずれか又は両方は、隣接様式でハイブリダイズしてもしなくてもよい第1及び第2固定配列プローブのみを含む。初期又は次期セットのいずれかに由来する第1及び第2の固定配列オリゴヌクレオチドが、隣接してハイブリダイズしない場合、ライゲーションステップを実施する前に伸長ステップを実施する。更に、本方法は、これらの実施形態の組み合わせを含んでいてもよい。すなわち、初期セットのオリゴヌクレオチドプローブは、2つの固定オリゴヌクレオチドプローブ及び1つの架橋プローブで構成されていてもよく、その場合、次期セットのオリゴヌクレオチドプローブは、2つの固定オリゴヌクレオチドプローブで構成されており、いずれかのセットのオリゴヌクレオチドプローブの1つ又は複数は、伸長を必要とする。更に、オリゴヌクレオチドプローブのセットは、目的領域間で性質が様々であり得る(すなわち、配列の差異に加えて)。
このように、図1A、1B、及び図2は、本発明の次期ライゲーション産物の多重化連続ライゲーションに基づく分析の単純化された例示を提供する。要素の詳細は、以下に記載されている。
目的領域
ほとんどの実施形態では、標的核酸の目的領域の長さは、目的領域を、互いに、及び標的核酸に存在し得る他の配列と区別するために十分な配列情報を提供するのに十分な長さである。一般的に、目的領域は、長さが少なくとも約16ヌクレオチドであり、より典型的には、目的領域は、長さが少なくとも約20ヌクレオチドである。本発明の好ましい態様では、目的領域は、長さが少なくとも約30、32、40、45、50、又は60ヌクレオチドである。本発明の他の態様では、目的領域は、長さが約100、150、200、又は最大250ヌクレオチド以上である。
ゲノムDNA試料に関しては、ほとんどの場合で、DNAは断片化されていなければならない。本発明の方法を実施する場合、DNA試料の断片化は、当業者に公知の任意の手段により達成することができる。好ましくは、断片化は、酵素的又は機械的手段により実施される。機械的手段は、超音波処理又は物理的剪断であってもよく、酵素的手段は、ヌクレアーゼ(例えば、デオキシリボヌクレアーゼI(DNase I))又は1つ若しくは複数の制限酵素による消化であってもよい。
本発明の多くの態様では、目的領域を含む標的核酸(又は、例えば、1セットのオリゴヌクレオチドプローブの1つ又は複数のオリゴヌクレオチドプローブ又は1つ若しくは複数のライゲーション若しくは増幅産物)は、反応物及び反応産物の分離を容易にするために固定される。そのような固定化は任意であるが、好ましい実施形態では使用される。ゲノムDNA若しくは無細胞DNA(標的核酸)、又は1セットのオリゴヌクレオチドプローブにおける1つ若しくは複数のオリゴヌクレオチドプローブ、又は1つ若しくは複数のライゲーション産物若しくは増幅産物の固定化は、当技術分野で周知の方法を使用して、例えば、中でもストレプトアビジン又はアビジン/ビオチン結合、カルバメート結合、エステル結合、又はアミド、チオールエステル、(N)−官能化チオ尿素、官能化マレイミド、アミノ、ジスルフィド、アミド、又はヒドラゾン結合を使用することにより、共有結合で又は非共有結合で、固相支持体(例えば、ビーズ)に核酸を結合することにより達成することができる。標的核酸、又は1セットのオリゴヌクレオチドプローブにおける1つ若しくは複数のオリゴヌクレオチドプローブ又は1つ若しくは複数のライゲーション産物若しくは増幅産物は、支持体に直接結合されてもよく、又は好ましくは、例えば支持体に直接結合されるリンカー部を介して間接的に結合される。また、核酸に特異的に結合する抗体を連結部として使用することができる。加えて、シリル部分を使用し、当技術分野で公知の方法を使用して核酸を固体基材に直接結合することができる。この場合も、標的核酸の1つ若しくは複数、又は1セットのオリゴヌクレオチドプローブにおける1つ若しくは複数のオリゴヌクレオチドプローブ、又は1つ若しくは複数のライゲーション産物若しくは増幅産物の固定化は、本方法の種々のステップでの反応物及び産物の分離を容易にするために使用することができる。
オリゴヌクレオチドプローブ及びプローブセット
幾つかの実施形態では、初期及び次期セットのプローブは各々、第1の固定配列オリゴヌクレオチドプローブ、第2の固定配列オリゴヌクレオチドプローブ、及び1つ又は複数の架橋オリゴヌクレオチドプローブを含む。例えば、幾つかの実施形態では、初期セットのオリゴヌクレオチドプローブは、第1の固定配列オリゴヌクレオチドプローブ、第2の固定配列オリゴヌクレオチドプローブ、及び複数の架橋オリゴヌクレオチドプローブで構成されており、架橋オリゴヌクレオチドプローブは、遺伝子多型を検出するように操作されている。非多型性及び多型性の目的領域が両方とも検出される実施形態では、目的領域のための初期セットのオリゴヌクレオチドプローブは様々であることが多く、非多型性部位の場合、初期セットのオリゴヌクレオチドプローブは、第1の固定配列オリゴヌクレオチドプローブ、第2の固定配列オリゴヌクレオチドプローブ、及び単一の架橋オリゴヌクレオチドプローブで構成され、多型性部位の場合、初期セットのオリゴヌクレオチドプローブは、第1の固定配列オリゴヌクレオチドプローブ、第2の固定配列オリゴヌクレオチドプローブ、及び複数の架橋オリゴヌクレオチドプローブで構成され得る。或いは、多型性部位の場合、1つの固定配列オリゴヌクレオチド及び架橋オリゴヌクレオチドは、各セットで同じでもよいが、固定配列オリゴヌクレオチドの1つは、ほとんどの場合、架橋オリゴヌクレオチドにライゲーションされる固定配列オリゴヌクレオチドの末端又は末端付近に多型性ヌクレオチドを含む。同様に、次期セットのオリゴヌクレオチドプローブは、第1の固定配列オリゴヌクレオチドプローブ、第2の固定配列オリゴヌクレオチドプローブ、及び1つの架橋オリゴヌクレオチドプローブで構成されていてもよく、これが好ましいが、次期セットのオリゴヌクレオチドプローブは、第1の固定配列オリゴヌクレオチドプローブ、第2の固定配列オリゴヌクレオチドプローブ、及び複数の架橋オリゴヌクレオチドプローブで構成されていてもよい。又は、記載のように、初期又は次期セットのオリゴヌクレオチドは、第1及び第2の固定オリゴヌクレオチドのみで構成されていてもよい。
記載のように、遺伝子多型又はSNPは、SNPの差異検出に適切な様々な塩基を有する初期セットのオリゴヌクレオチドプローブを使用して検出してもよく、又は遺伝子多型及びSNPは、初期セットの同一のオリゴヌクレオチドプローブを使用して検出してもよく、本方法の最後の配列決定ステップは、目的領域のSNPを同定する配列情報を提供する。
初期セット又は次期セットのオリゴヌクレオチドプローブの固定配列オリゴヌクレオチドプローブの少なくとも一方は、調査する目的領域に相補的な部分及びライゲーション産物の増幅に使用されるユニバーサルプライミング配列を含む部分を含み、幾つかの実施形態では、両方の固定配列オリゴヌクレオチドプローブがユニバーサルプライミング配列を含む。また、ユニバーサルプライミング配列を含む固定配列オリゴヌクレオチドプローブの部分は、下記に記載のような1つ又は複数のインデックス、及び/又は本方法に起因するライゲーション産物又は増幅産物の操作、特定、及び/又は定量化を可能にする他の配列を含んでいてもよい。調査する目的領域に相補的な固定配列オリゴヌクレオチドプローブの部分は、典型的には、長さが10〜50ヌクレオチドであり、より典型的には、長さが15〜35ヌクレオチド、又は長さが18〜28、20〜26、若しくは22〜24ヌクレオチドである。ユニバーサルプライミング配列を含む固定配列オリゴヌクレオチドプローブの部分の長さは、どの配列がこの部分に包含されているかに依存する。すなわち、長さは、ユニバーサルプライミング配列に加えて、どの追加配列要素がこの部分に包含されるかに依存する。典型的には、ユニバーサルプライミング配列を含む固定配列オリゴヌクレオチドプローブの部分の長さは、長さが10〜50ヌクレオチドであり、より典型的には、長さが15〜35ヌクレオチド、又は長さが18〜28、20〜26、若しくは22〜24ヌクレオチドである。
ある態様では、固定配列オリゴヌクレオチドのユニバーサルプライミング領域は、例えば、分析する目的領域及び/又は特定の試料を同定する1つ又は複数のインデックスに関連している。これらのインデックスの1つ又は複数の検出は、目的領域全体を検出するための代用としての役目を果たすことができ、或いは、1つのインデックスの検出は、インデックスの配列及び核酸領域自体の配列が両方とも決定している場合、特定の目的領域の存在を確認する役目を果たすことができる。
インデックスは、典型的は、プローブにアニーリングする目的領域に関する情報を提供するための、1セットの第1及び/又は第2の固定オリゴヌクレオチドプローブのユニバーサルプライミング領域内に含まれている非相補的な固有の配列である。インデックスが使用される本発明の好ましい態様では、ユニバーサルプライミング領域は、1つ又は複数のインデックスが、ユニバーサルプライミング領域にコードされるように、又はユニバーサルプライマーの一部として設計される。インデックスの順序及び配置並びにインデックスの長さは様々であってもよく、それらは種々の組み合わせで使用することができる。インデックスを使用する利点は、目的領域に対応する増幅ライゲーション産物の全体を配列決定することを必要とせずに、目的領域の存在(及び最終的には量又は頻度)を得ることができるということであるが、ある態様では、上記のように配列決定することが望ましい場合もある。しかしながら、一般的には、1つ又は複数のインデックスを同定することにより目的領域を同定及び定量化する能力は、配列決定プローブが配置される場所の近位にある増幅ライゲーション産物の3’又は5’末端においてインデックス配列が捕捉される場合には特に、必要とされるシークエンシングの長さを減少させるであろう。また、シークエンシング測定が長いほどエラーが導入されやすくなるため、目的領域を同定するための代用物としてインデックスを使用することにより、シークエンシングエラーを低減することができる。
インデックスの一例は、遺伝子座インデックスである。遺伝子座インデックスは、典型的には、各目的領域に固有であるため、特定の遺伝子座インデックスが試料中で生じる回数の定量化を、対応する選択された目的領域の相対的コピー数に関連させることができる。一般的には、遺伝子座インデックスは、各既知目的領域を特異的に標識するのに十分な長さである。例えば、本方法が192個の既知目的領域を調査する場合、少なくとも192個の特有な遺伝子座インデックスが存在し、その各々が目的領域を特異的に同定する。遺伝子座インデックスは、配列決定中の1つ又は複数の塩基の欠失、置換、又は挿入、並びに本方法のオリゴヌクレオチド合成、増幅、又は任意の他の態様等の配列決定以外で生じる場合のあるヌクレオチド変化の検出を含む、シークエンシングエラーの同定及び修正を可能にする追加のヌクレオチドを含有していてもよい。
インデックスの別の例は対立遺伝子インデックスであり、これは典型的には遺伝子座インデックスに代わるものであるか、又は時には遺伝子座インデックスに追加される。対立遺伝子インデックスは、目的領域の特定の対立遺伝子に固有であり、そのため、特定の対立遺伝子インデックスが試料中に生じる回数の定量化を、標的核酸でのその対立遺伝子の相対的コピー数と関連させることができ、対立遺伝子インデックスの合計を、その目的領域の相対的コピー数と関連させることができる。
更に別の例では、識別用インデックスが提供されていてもよい。そのような態様では、十分な数の識別用インデックスが、試料中で初期セットのオリゴヌクレオチドプローブから作られた各増幅ライゲーション産物を特異的に同定するために存在する。識別用インデックス配列は、好ましくは、長さが6ヌクレオチド以上である。好ましい態様では、識別用インデックスは、初期セットのオリゴヌクレオチドプローブに由来する各ライゲーション産物を、固有の識別用インデックスで標識する統計的確率を有するのに十分な長さである。例えば、全目的領域の総コピーがn個存在する場合、調査される各分子が、固有の識別用インデックスで標識される可能性が高くなるように、n個を大幅に超える識別用インデックスが存在する。
識別用インデックスは、他のインデックスと同様に、任意の他のインデックスと組み合わせて、2つの特性について情報を提供する1つのインデックスを生成することができる。また、識別用遺伝子座を使用して、試料に由来する目的領域の最初の単離の下流で生じ得る増幅バイアスを検出及び定量化することができ、このデータを使用して、試料データを標準化することができる。
本明細書に記載の他のインデックスに加えて、補正用インデックスを使用することができる。補正用インデックスは、配列決定中の1つ又は複数の塩基の欠失、置換、又は挿入、並びに本アッセイのオリゴヌクレオチド合成、増幅、又は他の態様で等の配列決定以外で生じる場合のあるヌクレオチド変化の検出を含む、増幅エラー、シークエンシングエラー、又は他の実験誤差の補正を可能にする短鎖ヌクレオチド配列である。補正用インデックスは、別個の配列である独立型インデックスであってもよく、又は、使用される実験技術の正確さの確認を支援するために他のインデックス内に埋め込まれていてもよい。例えば、補正用インデックスは、遺伝子座インデックス又は識別用インデックスのサブセットであってもよい。
幾つかの態様では、目的領域を単離した標的核酸又は試料を示すインデックスを使用して、多重化アッセイ系で目的領域の供給源が同定される。そのような態様では、1つの個体に由来する目的領域は、特定の固有な試料インデックスに帰属及び関連付けられることになる。したがって、各試料をその試料インデックスに基づいて同定することができるように、単一の反応容器中で異なる試料を多重化する際に、試料インデックスを使用して、核酸領域同定を支援することができる。好ましい態様では、1つのセットの試料中の各標的核酸について固有の試料インデックスが存在し、試料は、配列決定中にプールされる。例えば、12個の試料が単一の配列決定反応のためにプールされる場合、各試料が特異的に標識されるように、少なくとも12個の固有な試料インデックスが存在する。配列決定ステップが実施された後、配列決定データは、好ましくは、各試料について各目的領域の頻度を決定する前に、及び各試料について染色体異常が存在するか否かを決定する前に、試料インデックスによりまず分別される。
初期セット又は次期セットのオリゴヌクレオチドプローブの架橋オリゴヌクレオチドプローブは、構成が様々であってもよい。例えば、図1及び2に示されている方法では、架橋オリゴヌクレオチドプローブは、目的領域に対して配列特異的であり、長さが類似している。しかしながら、幾つかの実施形態では、1つのセットの架橋オリゴヌクレオチドは、ポジションの各々に縮重を有するオリゴヌクレオチドプローブの混合物で構成されていてもよく、ランダマー架橋オリゴヌクレオチドプローブのこの混合物は、多重化アッセイにおける全セットの固定配列オリゴヌクレオチドプローブと互換性を有する。例えば、5塩基の架橋オリゴヌクレオチドプローブが使用される場合、固有の架橋オリゴヌクレオチドプローブの数は、4^5=1024個となるであろう。したがって、全ての可能な架橋オリゴヌクレオチドプローブが反応中に存在することになるため、架橋オリゴヌクレオチドプローブの数は、目的領域の数に依存しない。別の実施形態では、架橋オリゴヌクレオチドプローブは、架橋オリゴヌクレオチドプローブの混合物中のある架橋オリゴヌクレオチドプローブが、特定のセットの固定配列オリゴヌクレオチドと互換性を有するように、長さが様々であってもよい。
遺伝子多型を検出する場合、以下の文献に教示されているように、様々な配列の固定配列オリゴヌクレオチド又は架橋オリゴヌクレオチドを使用することができる:2011年1月25日に出願された米国特許出願第13/013,732号;2011年9月26日に出願された米国特許出願第13/245,133号;2011年8月8日に出願された米国特許出願第13/205,570号;2011年11月10日に出願された米国特許出願第13/293,419号;2011年8月8日に出願された米国特許出願第13/205,409号;2011年8月8日に出願された米国特許出願第13/205,603号;2012年2月29日に出願された米国特許出願第13/407,978号;2011年10月15日に出願された米国特許出願第13/274,309号;2011年12月9日に出願された米国特許出願第13/316,154号、及び2011年12月28日に出願された米国特許出願第13/338,963号。これらの文献は全てそれらの全体が本明細書中に組み込まれる。例えば、架橋オリゴヌクレオチドプローブは、一塩基多型に対応する様々な配列を有することができ、ライゲーション反応は、架橋オリゴヌクレオチドプローブにより提供される特異的配列を含むオリゴヌクレオチドプローブセットに最適化される。また、本発明では、第1及び第2の固定配列オリゴヌクレオチドプローブを有するが、1つ又は複数の架橋オリゴヌクレオチドプローブを用いない初期及び次期セットのオリゴヌクレオチドプローブの使用が企図されている。
図1A及び図2に例示されている実施形態には、1セットの固定配列オリゴヌクレオチドプローブ及び架橋オリゴヌクレオチドプローブが、同時にアニーリングすることができるように示されているが、その代りに、架橋オリゴヌクレオチドプローブは、固定配列オリゴヌクレオチドプローブがアニーリングし、その後任意選択でハイブリダイズしなかった固定配列オリゴヌクレオチドプローブを除去した後で添加されてもよい。ハイブリダイゼーション又はアニーリング反応の条件は、目的領域に完全には相補的でない架橋オリゴヌクレオチドプローブの誤ハイブリダイゼーションを防止するために、好ましくは、架橋オリゴヌクレオチドプローブのT付近に最適化される。架橋オリゴヌクレオチドプローブは、標的核酸に応じて、長さが様々であってもよい。典型的には、架橋オリゴは、長さが3〜32ヌクレオチドであるが、特定の例では、架橋オリゴは、長さが10〜30ヌクレオチド、より典型的には、長さが15〜25ヌクレオチド、長さが5〜10ヌクレオチド、長さが4〜9ヌクレオチド、長さが18〜28ヌクレオチド、長さが20〜26ヌクレオチド、又は長さが22〜24ヌクレオチドであってもよい。
増幅及び配列決定技術
本発明の多重化連続ライゲーションに基づく分析法に使用することができる増幅又は濃度上昇技術には、本分析法の種々のステップで及び配列決定の前にライゲーション産物の全体的な濃度を高める多数の技術が含まれる。そのような技術には、PCR等の簡単明瞭な技術、並びにそれら自身が追加の選択オプション又は他の有益性を提供する技術が含まれる。そのような技術の例は、下記に記載されている。
本発明の好ましい態様では、ユニバーサル増幅を使用して、初期セットのオリゴヌクレオチドプローブ及び次期セットのオリゴヌクレオチドプローブの両方の固定配列オリゴヌクレオチド及び架橋オリゴヌクレオチドをハイブリダイゼーションした後で生成されるライゲーション産物を増幅する(線形又は指数関数的のいずれかで)。ユニバーサルプライミング配列は、ライゲーション産物の近位末端にもライゲーションする場合があるが、典型的には固定配列オリゴヌクレオチドプローブにユニバーサルプライミング配列を含ませることにより、単一のユニバーサル増幅反応で増幅することができるように、ライゲーション産物に含まれている。固定配列オリゴヌクレオチドプローブにユニバーサルプライミング配列を含ませることにより、次期セットのオリゴヌクレオチドプローブを用いた、その後のラウンドのハイブリダイゼーション、ライゲーション、及び増幅の前に、又は配列決定の前に、ライゲーション産物の全て又はその一部のその後のユニバーサル増幅制御が可能になる。
好ましくは、初期セットのオリゴヌクレオチドプローブの第1のライゲーション産物は、線形反応により濃度を上昇させる。第1の濃度上昇ステップは、2〜30サイクルで構成されており、各サイクルは、一般的に2〜3つの、通常は3つの個別の温度ステップで構成される。サイクルは、高温(>90℃)での1回の開始ステップで始まることが多く、その後、終了時には最終産物伸長のために1回のホールドステップを行う。使用される温度及び各サイクルに適用される時間の長さは、DNA合成に使用される酵素、反応中の二価イオン及びdNTPの濃度、及びプライマーの融解温度(T)を含む、当技術分野で公知の様々なパラメーターに依存する。次期セットのオリゴヌクレオチドプローブの第2のライゲーション産物は、線形反応又は指数関数的反応のいずれか、又は線形反応を行いその後に指数関数的反応を行うことにより濃度を高めることができる。
ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)中に見られるようなバイアス及び変異が、DNA増幅中に導入される場合がある。増幅反応を多重化する場合、目的領域は互いに異なる速度又は効率で増幅する可能性がある。これは、部分的には、多重化反応におけるプライマーが、あるものは他のものよりも良好な効率(つまりハイブリダイゼーション)を示し、又はあるものはその塩基組成のために特定の実験条件においてより良好に作用するという多様性に起因する場合がある。所与の遺伝子座に対するユニバーサルプライマーは、ライゲーション産物の配列、緩衝液条件、及び他の条件に基づき、様々な挙動を示す場合がある。
本発明の増幅ステップを実施する場合、ライゲーション反応の全量又はライゲーション反応の分割量を、ユニバーサル増幅に使用することができる。分割量を使用すれば、同じ又は異なる条件(例えば、ポリメラーゼや緩衝液等)を使用して様々な増幅反応を実施することができ、例えば、実験条件により意図しないバイアスが導入されないことを確認することができる。加えて、様々なプライマー濃度を使用して、配列特異的増幅サイクルの数を効果的に制限することができる。様々な試料を同時に増幅及び/又は遺伝子型決定するために使用される多重化方法の例は、Oliphantら、米国特許第7,582,420号に記載のもの等である。
例示的な増幅技術は、以下の文献に記載されている。例えば、Baranyら、米国特許第6,852,487号、第6,797,470号、第6,576,453号、第6,534,293号、第6,506,594号、第6,312,892号、第6,268,148号、第6,054,564号、第6,027,889号、第5,830,711号、第5,494,810号には、様々な核酸試料中のヌクレオチドの特定の配列を検出するためのリガーゼ連鎖反応(LCR)アッセイの使用が記載されている。Baranyら、米国特許第7,807,431号、第7,455,965号、第7,429,453号、第7,364,858号、第7,358,048号、第7,332,285号、第7,320,865号、第7,312,039号、第7,244,831号、第7,198,894号、第7,166,434号、第7,097,980号、第7,083,917号、第7,014,994号、第6,949,370号、第6,852,487号、第6,797,470号、第6,576,453号、第6,534,293号、第6,506,594号、第6,312,892号、及び第6,268,148号には、核酸検出のためのポリメラーゼ連鎖反応(「PCR」)を併用した検出反応によるリガーゼ検出反応(「LDR」)の使用が記載されている。Baranyら、米国特許第7,556,924号及び第6,858,412号には、核酸検出のためのリガーゼ検出反応(「LDR」)及びポリメラーゼ連鎖反応(「PCR」)を併用したプレサークルプローブ(又は「マルチ・インバージョンプローブ(multi−inversion probes)」とも言う)の使用が記載されている。Baranyら、米国特許第7,807,431号、第7,709,201号、及び第7,198,814号には、核酸配列を検出するためのエンドヌクレアーゼ切断及びライゲーション反応の組み合わせの使用が記載されている。Willisら、米国特許第7,700,323号及び第6,858,412号には、多重化核酸増幅、検出、及び遺伝子型決定におけるプレサークルプローブの使用が記載されている。Ronaghiら、米国特許第7,622,281号には、固有のプローブ及びバーコードを含むアダプタを使用して、核酸を標識及び増幅するための増幅技術が記載されている。
ハイブリダイゼーション、ライゲーション、及び増幅の最終ラウンドで増幅ライゲーション産物が生成されると、それらは、配列決定のテンプレートとして使用される。多数の配列決定法が、本発明の方法と互換性を有しており、好ましくは、そのような方法には、「次世代」の配列決定法が含まれる。配列決定の例示的な方法には、限定されるものではないが、以下のものが含まれる:Drmanac、米国特許第6,864,052号、第6,309,824号、第6,401,267号、及び米国特許出願公開第2005/0191656号に開示されているもの等の、ハイブリダイゼーションに基づく方法;例えば、Nyrenら、米国特許第7,648,824号、第7,459,311号、第6,210,891号;Balasubramanian、米国特許第7,232,656号及び第6,833,246号;Quake、米国特許第6,911,345号;Liら、PNAS、100巻:414〜19頁(2003年)により開示されているもの、並びに、Illumina,Inc.社、サンディエゴ、カリフォルニア州によりTruSeq(商標)及びHiSeq(商標)技術、Helicos Biosciences Corporation社、ケンブリッジ、マサチューセッツ州によるHeliScope(商標)、及びPacific Biosciences of California,Inc.社、メンローパーク、カリフォルニア州によるPacBio RSにおいて商業化されているもの等の、合成時解読法(sequencing−by−synthesis method);Ronaghiら、米国特許第7,648,824号、第7,459,311号、第6,828,100号、及び第6,210,891号に記載されており、454 Life Sciences,Inc.社、ブランフォード、コネチカット州により商業化されているピロリン酸配列決定法;例えば、Drmanacら、米国特許出願公開第2010/0105052号、及び例えばChurchら、米国特許出願公開第2007/0207482号及び第2009/0018024号により開示されているもの、及びSOLiD(商標)技術、Life Technology,Inc.社、カールズバッド、カリフォルニア州により商業化されているもの、及び高度に並列化された配列決定法のような、ライゲーションに基づく配列決定法。これら参考文献は全て、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
或いは、ハイブリダイゼーション技術を使用して、目的領域を選択及び/又は同定することができる。核酸を検出するためのポリヌクレオチドハイブリダイゼーションアッセイを実施する方法は、当技術分野で十分に開発されている。ハイブリダイゼーションアッセイ手順及び条件は、応用に応じて変動することになり、以下の文献に参照されているものを含む既知の一般的結合方法に従って選択される:Maniatisら、Molecular Cloning:A Laboratory Manual(第2版、Cold Spring Harbor、N.Y.、1989年);Berger及びKimmel、Methods in Enzymology、152巻、Guide to Molecular Cloning Techniques(Academic Press,Inc.、サンディエゴ、カリフォルニア州、1987年)、及びYoung及びDavis、PNAS、80巻:1194頁(1983年)。ハイブリダイゼーション反応を制御及び反復して実施するための方法及び装置は、例えば、米国特許第5,871,928号、第5,874,219号、第6,045,996号、第6,386,749号、及び第6,391,623号に記載されている。
シグナルを検出し、強度データを処理するための方法及び装置は、以下の文献に開示されている:例えば、米国特許第5,143,854号、第5,547,839号、第5,578,832号、第5,631,734号、第5,800,992号、第5,834,758号、第5,856,092号、第5,902,723号、第5,936,324号、第5,981,956号、第6,025,601号、第6,090,555号、第6,141,096号、第6,185,030号、第6,201,639号、第6,218,803、及び第6,225,625号、米国特許出願第60/364,731号、及びPCT出願PCT/US99/06097号(国際公開第99/47964号として公開)。
胎児コピー数変異の検出
本発明の多重化連続ライゲーションに基づく分析法は、胎児におけるコピー数変異の同定に特に好適である。これは、モノソミー及びトリソミー等の異数性を含むがそれらに限定されない染色体異常を含む、母体試料に由来する胎児DNAのコピー数変異を含む。したがって、ある実施形態では、試験される試料は、母体の血液試料(つまり、全血、血清、又は血漿)等の、母体DNA及び胎児DNAを両方とも含む母体試料である。そのようなDNAは、細胞又は無細胞DNAに由来していてもよい。多重化連続ライゲーションに基づく分析法は、個々の目的染色体に、ある態様では、胎児のコピー数変異の存在又は非存在を決定するために使用される基準染色体に対応する、母体試料中の幾つかの又は好ましくは多数の目的領域を濃度上昇させ、かつ/又は単離する。上記で詳細に記載されているように、本発明の多重化連続ライゲーションに基づく分析法では、1つ又は複数の連続ライゲーションに基づく目的領域のハイブリダイゼーション、及び任意選択で試料中の目的領域の含有量を高めるための分離ステップが使用される。また、多重化連続ライゲーションに基づく分析法は、更なる分離、増幅、又は分析を行うために、目的領域のコピーを操作するための機構を提供する。
本発明は、異なる染色体にある目的領域の同時分析を可能にし、好ましい実施形態では、各試料の目的領域は全て、1つの反応容器中で増幅される。幾つかの実施形態では、複数の試料に由来する目的領域が、1つの反応容器中で増幅され、異なるライゲーション産物及び増幅産物が由来する試料が、試料インデックスを使用することにより決定される。
母体試料中の胎児遺伝子コピー数変異又は胎児の他の遺伝子特徴を検出する場合の課題は、胎児DNAの大半が、母体の血液、血清、又は血漿等の母体試料中の総DNAに対する割合で1パーセント未満から40パーセントまでと様々であり、最も一般的には20パーセント以下、多くの場合10パーセント以下の割合で存在する場合があるということである。胎児の遺伝子コピー数変異を検出する場合、追加の遺伝子コピーの相対的な増加分は、胎児DNAにおいて50%であり、したがって、一例として、胎児のDNAが全体の10%である母体試料中の総DNAの割合として、追加の遺伝子コピーの増加分は、全体に対する割合で5%である。本明細書に記載の方法によりそのような違いを確実に検出する場合、上記の追加の遺伝子、配列、又は染色体の測定における変動は、追加の染色体の増加パーセントよりも著しく少なくなければならない。
胎児の異数性を評価する態様では、第1の染色体の複数の遺伝子座に対応する目的領域を検出及び合計して、母体試料中の染色体の相対頻度を決定する。次に、第2の染色体の複数の遺伝子座に対応する目的領域を検出及び合計して、母体試料中の染色体の相対頻度を決定する。母体試料中の他の染色体と比較して、1つの染色体が、予想される頻度よりも高い頻度であることは、胎児性重複又は異数性を示す。比較は、各々が胎児において推定上の異数体である可能性があるが、そのうちの複数の染色体が異数体である可能性は非常に低い染色体(例えば、13番、14番、15番、21番、及び22番染色体)間での比較であってもよい。その代わりに又はそれに加えて、比較は、一方が推定上の異数体であり(例えば、13番染色体)、他方が、異数体である可能性が非常に低く、基準染色体として作用し得る染色体(例えば、1番又は2番染色体等の常染色体)の間の比較であってもよい。更に他の態様では、比較は、推定上の異数体である2つ以上の染色体(つまり、13番、14番、15番、18番、21番、及び22番染色体から選択される2つ以上の染色体)のみを使用してもよいし、それらを1つ若しくは複数の基準染色体と共に使用してもよい。
1つの態様では、本発明の多重化連続ライゲーションに基づく分析法を使用して、少なくとも2つの染色体にある選択された遺伝子座を代表する複数の目的領域を分析し、試料に由来する各目的領域の相対的頻度を分析して、各染色体について相対的染色体頻度を決定する。その後、少なくとも2つの染色体の染色体頻度を比較して、染色体異常が存在するか否かを統計的に決定する。
別の態様では、本発明の多重化連続ライゲーションに基づく分析法を使用して、目的染色体にある選択された遺伝子座を代表する複数の目的領域を分析し、試料に由来する各目的領域の相対的頻度を分析し、独立して定量化して、試料中の各目的領域の相対的頻度を決定する。試料中の目的領域の合計を比較して、染色体異数性が存在するか否かを統計的に決定する。
別の態様では、各染色体の目的領域のサブセットを分析して、染色体異常が存在するか否かを決定する。目的領域の頻度を特定の染色体毎に集計し、目的領域の合計を使用して異数性を決定することができる。この配列決定データ分析では、各染色体に由来する個々の目的領域の頻度を合計し、次に、1つの染色体の目的領域の合計を別の染色体と比較して、染色体異常が存在するか否かを決定する。目的領域のサブセットは無作為に、しかし染色体異常が存在するか否かの決定に統計的に有意な結果をもたらすのに十分な数を選択することができる。目的領域の異なるサブセットの複数の分析を母体試料内で実施して、より高い統計的検出力をもたらすことができる。例えば、13番染色体に100箇所の目的領域及び21番染色体に100箇所の目的領域が存在する場合、染色体の各々について100箇所未満の領域を評価する一連の分析を実施することができる。別の態様では、特定の目的領域を、試料間の変動が少ないことが知られている各染色体上で選択してもよく、又は染色体頻度の決定に使用されるデータを限定することにより、例えば、試料内の頻度が非常に高いか又は非常に低い目的領域に由来するデータを無視することにより選択してもよい。
特定の態様では、目的領域の頻度の比を、遺伝学的に「正常」な対象体の統計的に有意な集団で決定されている基準平均比と比較する。更に別の特定の態様では、染色体の1つ又は複数の目的領域の測定された量は、アッセイ系(例えば、温度及び試薬ロット差)、試料の基本的生物学(例えば、核酸含有量)、作業者による差異、又は任意の他の変数等の原因に由来する既知の変動を考慮に入れるために正規化される。
目的領域の頻度を決定するために使用されるデータは、実験誤差によると考えられるか、又は特定の試料内の特発的な遺伝子バイアスに基づきレベルが上昇又は低下した外れ値データを除外してもよい。1つの例では、集計に使用されるデータは、1つ又は複数の試料で特に高い頻度を示す核酸領域を除外してもよい。別の例では、集計に使用されるデータは、1つ又は複数の試料で特に存在量が低いことが見出される目的領域を除外してもよい。
ある染色体で検出可能な様々な目的領域の量は、母体試料中の胎児遺伝子座の一般的な出現、母体試料中の胎児遺伝子座を代表する様々な核酸の分解速度、試料調製方法等を含む多くの要因に依存して様々であり得る。したがって、本発明の幾つかの態様では、各染色体上の個々の目的領域の頻度を集計し、その後1つの染色体上の目的領域の合計を、別の染色体上の同数の目的領域の合計と比較して、染色体異常が存在するか否かを決定する。
試料間及び/又は試料内の目的領域の変動は、分析方法の組み合わせを使用して最小限に抑えることができ、それらの多くは、本願に記載されている。例えば、変動は、アッセイに内部基準を使用することにより減少する。内部基準の一例は、「正常」な存在量で存在する染色体(例えば、常染色体のダイソミー)を使用して、同じ試料中に異常な存在量で、つまり異数性で存在する可能性のある染色体と比較することである。単一のそのような「正常な」染色体を基準染色体として使用することが十分である場合があるが、定量化の統計的検出力を高めるために、内部基準染色体として多数の「正常」染色体を使用することも可能である。
内部基準の1つ使用は、染色体比と呼ばれる、試料中の染色体又はサブ染色体領域の推定される異常の存在量の、正常な染色体又はサブ染色体領域の存在量に対する比率を算出することである。染色体比を算出する場合、各染色体又はサブ染色体領域の目的領域の各々の存在量又は計数を共に合計して、各染色体について総計数を算出する。その後、1つの染色体の総計数を、異なる染色体又はサブ染色体領域の総計数で除算して、それら2つの染色体又はサブ染色体領域の染色体比を生成する。
或いは、各染色体又はサブ染色体領域の染色体比は、各染色体又はサブ染色体領域の目的領域の各々の計数をまず合計し、その後1つの染色体又はサブ染色体領域の合計を2つ以上の染色体の総合計で除算することにより算出することができる。算出したら、染色体比を、正常集団の平均染色体比と比較する。
平均は、正規化及び外れ値データの除外を行った又は行なっていない、平均値、中央値、最頻値、又は他の平均値であってもよい。好ましい態様では、平均値が使用される。正常集団の染色体比用のデータセットを開発する場合、測定した染色体又はサブ染色体領域の正常な変動を算出する。この変動は、幾つかの方法で表すことができ、最も典型的には、変動係数又はcとして表される。試料の染色体比を正常集団の平均染色体比と比較して、試料の染色体比が、統計的に正常集団の平均染色体比から外れる場合、試料は異数性を有する。異数性を宣言するための統計的閾値を設定する基準は、染色体比の測定における変動並びに所望のアッセイで許容される偽陽性及び偽陰性率に依存する。一般的に、この閾値は、染色体比において観察される変動の倍数であってもよい。1つの例では、この閾値は、染色体比の変動の3倍以上である。別の例では、この閾値は、染色体比の変動の4倍以上である。別の例では、この閾値は、染色体比の変動の5倍以上である。別の例では、この閾値は、染色体比の変動の6倍以上である。上記の例では、染色体比は、染色体又はサブ染色体領域により目的領域の計数を合計することによって決定される。典型的には、各染色体又はサブ染色体領域について同数の目的領域が使用される。染色体比を生成するための代替的な方法は、各染色体又は染色体領域について、目的領域の平均計数を算出することである。平均は、平均値、中央値、又は最頻値の任意の予測値であってもよいが、典型的には平均が使用される。平均は、全計数の平均値であってもよく、又はトリム平均値若しくは加重平均値等の幾つかのバリエーションであってもよい。各染色体又はサブ染色体領域の平均計数を算出したら、各染色体又はサブ染色体領域の平均計数を他方で除算して、2つの染色体間の染色体比を得ることができ、各染色体の平均計数を、測定した染色体全ての平均の合計で除算して、上述のように各染色体の染色体比を得ることができる。上記で強調されているように、胎児DNAの存在量が比較的低い母体試料中で胎児コピー数変異を検出する能力は、様々な目的領域の測定における変動に大きく依存する。この変動を低減し、したがって異数性を検出する本方法の感度を向上させる多数の分析法を使用することができる。
アッセイの変動性を低減する1つの方法は、染色体又はサブ染色体領域の存在量を算出するために使用される目的領域の数を増加させることである。一般的に、染色体の単一目的領域の測定された変動がX%であり、Y個の異なる目的領域が同じ染色体上で測定される場合、その染色体の各目的領域の存在量を合計又は平均することにより算出される染色体存在量の測定の変動は、およそX%をY1/2で除算した値になる。別様に述べれば、染色体存在量の測定の変動は、およそ、各目的領域存在量の測定の平均変動を、目的領域の数の平方根で除算した値になるであろう。
胎児のコピー数変異に関する本発明の好ましい応用では、各染色体で測定される目的領域の数は、少なくとも10である。本発明の別の好ましい態様では、各染色体で測定される目的領域の数は、少なくとも24である。本発明の更に別の好ましい態様では、各染色体で測定される目的領域の数は、少なくとも48である。本発明の別の好ましい態様では、各染色体で測定される目的領域の数は、少なくとも100である。本発明の別の好ましい態様では、各染色体で測定される目的領域の数は、少なくとも200である。各目的領域の測定には増分費用が存在するため、依然として統計的に確かなデータを生成させつつ、領域の数を最小限に抑えることが重要である。本発明の好ましい態様では、各染色体で測定される目的領域の数は2000未満である。本発明の好ましい態様では、各染色体で測定される目的領域の数は1000未満である。本発明の最も好ましい態様では、各染色体で測定される目的領域の数は、少なくとも48であり、かつ1000未満である。1つの態様では、各目的領域の存在量を測定した後、目的領域のサブセットを使用して、コピー数変異の存在又は非存在を決定してもよい。目的領域のサブセットの選択には多数の標準的な方法が存在する。これらの方法には、ある百分位数未満及び/又はある百分位数を超える検出レベルを示す目的領域を分析から除外する外れ値除外が含まれる。1つの態様では、上記百分位数は、存在量で測定した下位及び上位5%であってもよい。別の態様では、上記百分位数は、存在量で測定した下位及び上位10%であってもよい。別の態様では、上記百分位数は、存在量で測定した下位及び上位25%であってもよい。
目的領域のサブセットを選択するための別の方法は、何らかの統計的範囲から外れる領域を除外することを含む。例えば、平均存在量の1つ又は複数の標準偏差から外れる領域を、分析から除外してもよい。目的領域のサブセットを選択するための別の方法は、目的領域の相対的存在量を、健常集団における同じ目的領域の予測存在量と比較し、期待値テストで不合格になった目的領域全てを除外することであってもよい。アッセイにおける変動を更に最小限に抑えるために、各目的領域が測定される回数を増やしてもよい。考察されているように、ゲノムが平均して1回未満しか測定されない、胎児のコピー数変異及び他の異数性を検出するための無作為法とは対照的に、本発明の方法では、各目的領域が意図的に複数回測定される。一般的に、事象を計数する場合、計数における変動は、ポアソン統計により決定され、計数変動は、典型的には計数の平方根で除算したものと等しい。本発明の好ましい態様では、目的領域は各々、平均して少なくとも100回測定される。本発明の好ましい態様では、目的領域は各々、平均して少なくとも500回測定される。本発明の好ましい態様では、目的領域は各々、平均して少なくとも1000回測定される。本発明の好ましい態様では、目的領域は各々、平均して少なくとも2000回測定される。本発明の好ましい態様では、目的領域は各々、平均して少なくとも5000回測定される。
別の態様では、目的領域のサブセットは、染色体異常が存在するか否かの決定に統計的に有意な結果をもたらすのに十分な数を使用して無作為に選択することができる。目的領域の異なるサブセットの複数の分析を、母体試料内で実施して、より高い統計的検出力をもたらすことができる。この例では、無作為分析の前に任意の目的領域を除去又は排除することは、必要であってもよく又は必要ではなくともよい。例えば、13番染色体に100箇所の目的領域及び14番染色体に100箇所の目的領域が存在する場合、染色体の各々について100箇所未満の領域を評価する一連の分析を実施することができる。
また、配列計数は、対数変換された計数に対して中央値分散分析(median polish)を使用することによって試料及びアッセイバイアスを系統的に除去することにより正規化することができる。計量値は、特定の染色体の目的領域の計数の平均値及び異なる染色体の目的領域の計数の平均値の合計で除算された目的領域の計数の平均値として、各試料について算出することができる。集団の標準Z検定を使用して、Z統計値を算出することができる:
式中、pは、所与の試料j中の所与の目的染色体の観察された割合であり、pは、中央値pとして計算された所与の試験染色体の予想された割合であり、nは、割合計量の分母である。Z統計値の正規化は、反復打ち切り(iterative censoring)を使用して実施することができる。各反復では、例えば3中央絶対偏差から外れる試料が除去される。10回の反復後、平均値及び標準偏差が、打ち切られなかった試料のみを使用して算出された。その後、試料は全て、この平均値及び標準偏差に対して正規化される。コルモゴルフ−スミルノフ検定(Conover、Practical Nonparametric Statistics、295〜301頁(John Wiley&Sons、ニューヨーク、ニューヨーク州、1971年)を参照)及びシャピロ−ウィルク検定(Royston、Applied Statistics、31巻:115〜124頁(1982年)を参照)を使用して、正常試料のZ統計値の正規性を検定することができる。
アッセイの変動を低減するための上記の方法に加えて、他の分析技術を併用して使用してもよく、それらの多くは本出願に上述されている。例えば、各試料の目的領域の全てを、単一容器中の単一反応で調査すると、アッセイの変動を低減することができる。同様に、本明細書に記載のユニバーサル増幅法を使用すると、アッセイの変動を低減することができる。更に、増幅のサイクル数を制限すると、アッセイの変動を低減することができる。
母体試料中の胎児DNA存在量の決定
胎児の寄与に関する知識は、目的領域の予想される統計的存在についての重要な情報を提供するため、母体試料中の胎児DNAの割合を決定することにより、母体/胎児混合核酸試料中の目的領域の頻度計算の正確さを増大させることができる。期待値からの変動は、染色体コピー数の指標となり得る。胎児寄与の割合を使用して、母体試料中の目的領域のレベルの変動の定量的統計有意差を決定することができるため、胎児割合を考慮することは、母体試料中の胎児DNAのレベルが低い環境において特に有用である。
幾つかの特定の態様では、目的の対立遺伝子における母体DNAの相対的母体寄与を、その対立遺伝子における非母体寄与と比較して、試料中のおよその胎児DNA濃度を決定することができる。他の特定の態様では、父系のみに由来する配列(例えば、Y染色体配列又は父系特異的遺伝子多型)の相対量を使用して、母体試料中の胎児DNAの相対濃度を決定することができる。母体試料中の胎児寄与割合を決定するための別の例示的な手法は、胎児及び母体DNA間で異なるパターンのDNAメチル化を有するDNA断片の分析による。
胎児が男性である環境では、試料中の胎児DNA割合は、Y特異的核酸の検出及び算出された母体DNA含有量との比較により決定することができる。Y染色体に位置しており、したがって胎児DNAに特徴的である性別決定領域Y遺伝子(SRY)に由来する領域等の、増幅されたY特異的核酸の量は、試料から決定し、母体DNA及び胎児DNAの両方に存在する1つ又は複数の増幅された遺伝子であって、好ましくは、胎児において潜在的に異数性であると考えられる染色体に由来しない遺伝子、例えば13番、14番、15番、18番、21番、又は22番染色体にはない常染色体領域と比較することができる。
女性胎児等の環境では、胎児遺伝子多型の決定には、母体試料中の胎児DNAの存在を同定するための標的SNP及び/又は変異分析が必要とされる。幾つかの態様では、父親及び母親の遺伝子型決定の使用を事前に実施してもよい。例えば、親は、疾患マーカーを同定するために、そのような遺伝子型決定を受けていてもよく、例えば、嚢胞性線維症、筋ジストロフィー、脊髄性筋萎縮症、又はRhD遺伝子の状態等の障害の遺伝子型の決定がされていてもよい。遺伝子多型、コピー数変異体、又は突然変異におけるそのような差異を使用して、母体試料中の胎児寄与割合を決定することができる。
代替的な好ましい態様では、母体試料中の胎児無細胞DNAの割合は、母系又は父系遺伝子型の予備的知識を使用せずに、多重化SNP検出を使用して定量化することができる。この態様では、各領域に既知SNPを有する2つ以上の多型目的領域が使用される。好ましい態様では、選択された多型核酸領域は、異数性である可能性の低い常染色体、例えば6番染色体に位置している。
好ましい実施形態では、選択された多型核酸領域は、1つの容器中の1つの反応で増幅される。母体試料中の選択された多型核酸領域の各対立遺伝子は、ハイスループット配列決定を使用して同定及び定量化される。以前に記載されているように、遺伝子多型は、特異的な配列とされたオリゴヌクレオチドプローブセットを使用するか、又は特異的な配列とされていないプローブセットを使用することにより、遺伝子多型を同定するための配列決定に依存して、同定することができる。配列決定後、母体遺伝子型及び胎児遺伝子型が異なる、例えば、母体遺伝子型がホモ接合性であり、胎児遺伝子型はヘテロ接合性である遺伝子座が同定される。この同定は、特定の目的領域の一方の対立遺伝子の相対頻度が高く(>60%)、他方の対立遺伝子の相対頻度が低い(<20%かつ>0.15%)ことを観察することにより達成される。複数の遺伝子座の使用は、対立遺伝子の存在量の測定における変動量を低減するため、特に有利である。この要件を満たす遺伝子座の全て又はサブセットを使用して、統計分析により胎児濃度を決定する。
1つの態様では、胎児濃度は、2つ以上の遺伝子座に由来する低頻度対立遺伝子を合計し、高頻度及び低頻度対立遺伝子の合計で除算し、2をかけることにより決定される。別の態様では、胎児無細胞DNAの割合は、2つ以上の遺伝子座に由来する低頻度対立遺伝子を平均し、高頻度及び低頻度対立遺伝子の平均で除算し、2をかけることにより決定される。
多くの対立遺伝子について、母体及び胎児配列は、ホモ接合性で同一である場合があり、この情報は、母体DNAと胎児DNAとを区別しないため、母体試料中の胎児DNA割合の決定に有用ではない。その代わりに、胎児DNAと母体DNAとの間に差異がある(例えば、胎児対立遺伝子が、母体対立遺伝子とは異なる少なくとも1つの対立遺伝子を有する)対立形質の情報が、胎児割合の計算に使用される。したがって、母体及び胎児DNAで同じである対立遺伝子領域に関するデータは、分析には選択されないか、又は有用なデータを圧倒しないように、胎児DNA割合を決定する前に適切なデータから除外される。母体血漿中の胎児DNAを定量化するための例示的な方法は、例えば、Chuら、Prenat Diagn、30巻:1226〜29頁(2010年)に見出すことができ、この文献は、参照により本明細書に組み込まれる。
1つの態様では、目的領域の量又は頻度が、実験誤差によるか又は特定の試料内の特発的な遺伝子バイアスに由来する外れ値であると考えられる場合、その領域を除外してもよい。別の態様では、目的領域は、合計又は平均する前に、正規化、標準化、クラスター化、又は変換等の、統計的又は数学的な調整を受けてもよい。別の態様では、目的領域は、合計又は平均する前に、正規化及びデータ実験誤差除外を両方とも受けてもよい。好ましい態様では、12個以上の遺伝子座を分析に使用する。別の好ましい態様では、24個以上の遺伝子座を分析に使用する。別の好ましい態様では、48個以上の遺伝子座を分析に使用する。別の態様では、1つ又は複数のインデックスを使用して、目的領域の試料、遺伝子座、対立遺伝子、又は同一性を同定する。
1つの好ましい態様では、母体試料中の胎児寄与割合は、母体及び胎児対立遺伝子のタンデムSNP検出を使用して定量化することができる。母体試料から抽出されたDNAのタンデムSNPを同定するための技術は、Mitchellら、米国特許第7,799,531号及び第8,399,195号並びに米国特許出願第12/689,924号及び第13/714,242号に開示されている。これらの文献には、胎児ゲノムと母体ゲノムとの間で異なるハプロタイプを有する母体試料中の少なくとも1つのタンデム一塩基多型(SNP)を検出することによる胎児及び母体遺伝子座の区別が記載されている。Mitchellらの開示に記載されているように、これらのハプロタイプの特定及び定量化を母体試料で直接実施及び使用して、母体試料中の胎児寄与割合を決定することができる。
胎児異数性検出を最適化するための胎児無細胞DNA割合の使用
胎児無細胞DNAの割合を算出したら、このデータを、異数性を検出するための方法と組み合わせて、胎児が異数性を有する可能性を決定する。1つの好ましい態様では、正常集団の染色体比及びその変動は、同様の胎児DNA割合を有する正常試料から決定される。その胎児無細胞DNA割合を有するDNA試料の予想される異数性染色体比は、異数性染色体からの寄与割合を加えることにより算出される。その後、試料の染色体比を、正常集団の染色体比、及び予想される異数性染色体比と比較し、染色体比の変動を使用して、試料が正常又は異数性のどちらである可能性がより高いか、及びその統計的確率を、統計的に決定する。
好ましい態様では、母体試料の選択された領域は、胎児DNA含有量を決定するための領域並びに2つ以上の染色体に由来する非多型領域を両方とも含み、単一反応でコピー数変異を検出する。アッセイ系の種々のステップ中に導入され得る汚染又はバイアスは、染色体異常の存在又は非存在の決定を支援するために胎児DNA含有量を使用する場合、結果を歪める可能性があるが、単一反応は、このような汚染又はバイアスのリスクを最小限に抑えるのを支援する。
他の態様では、1つ又は複数の目的領域を、胎児DNA含有量の決定並びに胎児染色体異常の検出の両方に使用することができる。目的領域の対立遺伝子を使用して、胎児DNA含有量を決定することができ、その後、これらの同じ目的領域を使用し、対立遺伝子情報を無視して、胎児染色体異常を検出することができる。胎児DNA含有量及び染色体異常検出の両方のために同じ目的領域を使用することは、実験誤差又は汚染によるあらゆるバイアスを最小限に抑えることを更に支援する。
1つの実施形態では、母体試料中の胎児供給源の寄与は、胎児の性別に関わらず、常染色体SNPを使用して測定される(Sparksら、Am.J.Obstet&Gyn.、206巻:319.e1〜9頁(2012年)を参照)。非母系対立遺伝子は、父性遺伝の知識に関わらず本方法中で同定されるため、使用されるプロセスは、父系遺伝子型の予備的知識を必要としない。二項分布を使用する最尤推定値を使用して、各母体試料中の幾つかの情報価値のある遺伝子座にわたって、推定胎児核酸寄与を算出してもよい。使用される胎児酸寄与を算出するプロセスは、例えば、2012年7月9日に出願された米国特許出願第13/553,012号に記載されており、この文献は参照により組み込まれる。胎児寄与の決定に使用される多型領域は、1〜12番染色体に由来していてもよく、好ましくは、血液型抗原を標的としない。試験染色体がトリソミーである場合、多型アッセイからの胎児寄与の推定は、予想される応答量を規定するために使用され、それは統計検定を特徴付ける。検定統計は、2つの要素:試料がダイソミーである場合の予想割合の偏差の測定、及び試料がトリソミーである場合の予想割合の偏差の測定で構成されていてもよい。各要素は、観察割合を予想割合と比較し、観察の変動値で除算する、Wald統計(例えば、Harrell、Regression modeling strategies(2001年、Springer−Verlag)、セクション9.2.2及び10.5)の形態である。
統計値Wは、試料jがダイソミーである場合の期待値の偏差を測定するために使用され、それは、以下のように規定される。
式中、p及びpは、Z統計で上述されているように定義され、σpjは、所与の目的染色体の出現の観察割合の標準偏差である。本発明者らの目的染色体の平均計数及び標準誤差に基づき、パラメータブートストラップサンプリングを使用して標準偏差を推定し、p割合の分布を作成することができる。第2の統計値は、
であり、これは、pを胎児フラクション調整済基準割合
に置換し、
と定義され、式中、fは、試料jの胎児フラクションであり、pは、上記と同様に基準割合である。この調整は、胎児がトリソミーであった場合、試験染色体の出現増加を考慮に入れる。多数の遺伝子座にわたる計数のこの分散は、試験染色体のための複数の非多型アッセイを使用する当然の結果として測定されるため、評価は全て、初期データセット内で行われ、典型的には予想割合付近の分散に必要とされるように、プロセスドリフトを制御するための正規化調整を有する外部基準試料又は履歴情報を必要としない。
使用される最終統計値は、
であった。概念的には、ダイソミー期待値及びトリソミー期待値の偏差は、同時に評価され、この単一統計値に要約される。これらの2つの指標の組み合わせが特に有利なのは、ダイソミーの偏差は高い場合があるが、特定の胎児寄与レベルでトリソミーに予測される偏差に達しない場合があるという点である。
要素
は、この場合は負であり、実質的に、ダイソミーの偏差にペナルティを課すことになる。S=0は、ダイソミー対トリソミーの可能性が等しいことを示した。
混合試料中の他の作用因子又はリスク因子の検出
本発明の濃度上昇方法の多重化の性質を考慮すると、ある態様では、個体の健康にリスクをもたらすか又はそうでなければ個体の治療又は予後転帰に関する臨床判断に影響を及ぼし得る、試料中に非常に少量で存在する可能性のある他の核酸、つまり希少核酸を検出する方法を使用することが有益であり得る。混合試料中の外来性作用因子の検出は、感染因子との接触及び感染因子による感染を示す場合があり、この知見は、患者のケア又は感染症の管理に影響を及ぼす。したがって、本発明の方法は、活性又は潜在性感染症に関連する外来性核酸、自己免疫疾患もしくは悪性疾患(例えば、乳癌)に関連する体細胞突然変異又はコピー数変異、又は個体に影響を及ぼす可能性のある任意の他の健康問題を同定するために使用することができる。
1つの例では、妊娠中の免疫及び生理機能の変化により、妊婦は、感染性疾患により罹患しやすくなるか、又は感染性疾患がより重症化する場合がある。実際、妊娠自体は、トキソプラズマ症、ハンセン病、及びリステリア症等の、特定の感染性疾患に罹患する危険要因であり得る。加えて、免疫系が抑制された妊婦又は対象体の場合、インフルエンザ及び水痘等の特定の感染性疾患は、より重症の臨床経過、合併症率の増大、及びより高い致死率を示す場合がある。したがって、感染性疾患作用因子の特定は、妊娠中の母体疾患のより良好な治療を可能にし、母体及び胎児の両方のより良好な全体的転帰に結び付く場合がある。加えて、ある感染因子は、垂直感染により胎児に伝染する場合があり、つまり、母体から乳児に感染症を伝染させる場合がある。こうした感染は、胎児がまだ子宮にいる間に、分娩および出産中に、又は出産後に(授乳中等に)生じる場合がある。垂直感染により伝染する場合があり、本発明のアッセイ法の使用を試験することができる例示的な感染症には、限定されるものではないが、先天性感染症、周産期感染症、及び生後感染症が含まれる。先天性感染症は、胎盤を越えて胎児を感染させることにより、子宮内で感染する。多数の感染性微生物が、先天性感染症を引き起こし、胎児の発育問題又は死さえももたらす場合がある。TORCHは、より一般的な先天性感染症の幾つかの頭文字である。これらは、トキソプラズマ症(toxoplasmosis)、他の(other)感染症(例えば、梅毒、B型肝炎、コクサッキーウイルス、エプスタイン・バーウイルス、水痘帯状疱疹ウイルス(水痘)、及びヒトパルボウイルスB19(第五病))、風疹(rubella)、サイトメガロウイルス(CMV)、及び単純ヘルペスウイルス(herpes simplex virus)である。周産期感染は、乳児が、感染した産道を移動するか又は出産中に糞便で汚染されることにより生じる感染症を指す。こうした感染症には、限定されるものではないが、性行為感染症(例えば、淋病、クラミジア、単純ヘルペスウイルス、ヒトパピローマウイルス等)、CMV、及びB群連鎖球菌(GBS)が含まれ得る。
したがって、幾つかの好ましい態様では、本発明の濃度上昇方法は、外来性配列、例えば、個体の健康及び/又は生存能に有害効果を有する場合のある感染性生物に由来する配列の検出を含んでいてもよい。
実施例
実施例1:DNA遺伝子座の多重化線形複製(Multiplexed Linear Replication:MLR)
15μlのDNA(7.5ng)を、96ウェルプレートの各ウェルに加え、30μlの増幅混合物(5×Phusion HF緩衝液(Finnzymes社、エスポー、フィンランド)、5Mベタイン、25mM dNTP、2.0μMビオチン化プライマー、及び2ユニットのPhusionポリメラーゼ((Finnzymes社、エスポー、フィンランド))を各ウェルに加えた。プレートを、粘着性プレートシーラで密封し、1500rpmで1分間振とうし、その後、遠心機を使用して250×gで10秒間遠心した。標準的PCRを、95℃で2分間及び61℃で2分間のサイクルを使用して実施した。熱サイクルが終了した後、DNAを各試料から単離し、30μlのTE緩衝液に再懸濁した。個々のDNA単離物を、新しい96ウェルプレートに移した。
実施例2:多重化ライゲーションに基づく分析の第1ラウンド
10mgの磁気ストレプトアビジンビーズ(Invitrogen社、カールズバッド、カリフォルニア州)を、15mlの円錐チューブに分注し、15mlの磁気スタンドに配置した。ストレプトアビジンビーズが沈殿してから、上清を廃棄した。その後、6mlの結合緩衝液(100mM Tris pH8.0、10mM NaEDTA、500mM NaCl、58%ホルムアミド、3.33ng/μlの酵母RNAキャリアストック(Ambion社、グランドアイランド、ニューヨーク州)、及び0.17% TWEEN(登録商標)80)を、チューブに分注し、1反応当たり1μg/μlのストレプトアビジンビーズを、ボルテックスすることにより再懸濁した。1mlの40nMプライマープールを、6mlの結合緩衝液を含有する15mlの円錐チューブに移し、チューブを再びボルテックスした。
70μlの上記溶液を、溶出物を含有する上記96ウェルプレートの各ウェルに分注した。アニーリング反応は、次のものを含んでいた:1000mM Tris pH8.0、500mM NaEDTA、5000mM NaCl、100%ホルムアミド、1000.0ng/μlの酵母キャリアストック、10%TWEEN(登録商標)80、及び40nMのプライマープール。96ウェルプレートを粘着性プレートシーラで密封し、1200rpmで1分間、振とう器を使用して混合した。標準的PCRを、各々70℃で5分間及び30℃で3分間のサイクルを使用して実施した。プレートを250×gで10秒間遠心し、バーを持ち上げた状態の磁気プレートに配置して、ビーズを溶液から沈殿させた。その後、上清を廃棄した。ビーズを緩衝液で洗浄し、プレートを1900rpmで1分間振とうし、バーを持ち上げた状態の磁気プレートに配置して、ビーズを溶液から沈殿させた。この洗浄プロセスを繰り返した。
96ウェルプレートを、最後の洗浄後にバーを持ち上げた状態の磁気プレートから取り外し、50μl洗浄緩衝液(1000mM Tris pH8.0、500mM NaEDTA、5000mM NaCl、1000ng/μlの酵母RNAキャリアストック(Ambion社、グランドアイランド、ニューヨーク州)、10%TWEEN(登録商標)80、及びHO分子)を、各ウェルに加えた。プレートを1900rpmで1分間振とう器に配置することによりウェルを混合し、プレートを、バーを持ち上げた状態の磁気プレートに配置した。ストレプトアビジンビーズが溶液から沈殿したら、上清を除去及び廃棄し、洗浄ステップを繰り返した。
その後、20μlのTE緩衝液を各ウェルに加え、プレートを粘着性プレートシーラで密封し、プレートを1900rpmで1分間振とうした。プレートを、95℃で1分間置いた。その後、プレートを250×gで10秒間遠心し、バーを持ち上げた状態の磁気プレートに配置し、ビーズを溶液から沈殿させた。25μlの上清を各ウェルから吸引し、新しい96ウェルプレートに分注した。
15μlのPCR反応混合物(終濃度:5Mベタイン、5×Phusion HF緩衝液(Finnzymes社、エスポー、フィンランド)、0.5μMプライマー、25mM dNTP、10%TWEEN(登録商標)80、及び2ユニットのPhusion HS DNAポリメラーゼII(Finnzymes社、エスポー、フィンランド))を各ウェルに分注し、プレートを、1500rpmで1分間振とうした。標準的PCRを、95℃で1分間、68℃で2分間、70℃で0.5分間のサイクル、その後70℃で5分間の伸長を使用して実施した。PCR産物の10%を、3%TBEアガロースゲルに流した。
実施例3:多重化ライゲーションに基づく分析の第2ラウンド
10mgの磁気ストレプトアビジンビーズを、15mlの円錐チューブに分注し、磁気スタンドに配置し、溶液を清澄化させた。上清を取り除き、その後、ビーズを、6mlの結合緩衝液(100mM Tris pH8.0、10mM Na2EDTA、500mM NaCl、58%ホルムアミド、3.33ng/μlの酵母RNAキャリアストック(Ambion社、グランドアイランド、ニューヨーク州)、及び0.17%TWEEN(登録商標)80)に再懸濁し、その後チューブに分注し、磁気ストレプトアビジンビーズを、ボルテックスにより再懸濁した。1mlの40nMプライマープールを、6mlの結合緩衝液を含有する15mlの円錐チューブに移し、チューブを再びボルテックスした。70μlの上記溶液を、溶出物を含有する上記96ウェルプレートの各ウェルに分注した。アニーリング反応は、次のものを含んでいた:1000mM Tris pH8.0、500mM NaEDTA、5000mM NaCl、100%ホルムアミド、1000ng/μlの酵母キャリアストック、10%TWEEN(登録商標)80、及び30μMのプライマープール。96ウェルプレートを粘着性プレートシーラで密封し、1200rpmで1分間、振とう器を使用して混合した。溶液を、各々70℃で5分間及び30℃で3分間置いた。
プレートを250×gで10秒間遠心し、バーを持ち上げた状態の磁気プレートに配置し、ビーズを溶液から沈殿させた。上清を廃棄した。ビーズを緩衝液(希釈結合緩衝液)で洗浄し、プレートを1900rpmで1分間振とうし、バーを持ち上げた状態の磁気プレートに配置して、ビーズを溶液から沈殿させた。この洗浄プロセスを繰り返した。最後の洗浄後、96ウェルプレートを、バーを持ち上げた状態の磁気プレートから取り外し、37μlのライゲーション混合物(10×Taqポリメラーゼ緩衝液(Enzymatic社、ビバリー、マサチューセッツ州)、1000ng/μlの酵母RNAキャリアストック(Ambion社、グランドアイランド、ニューヨーク州)、10%TWEEN(登録商標)−80、及び40ユニット/μlのTaqリガーゼ(Enzymatics社、ビバリー、マサチューセッツ州))を各ウェルに加えた。プレートを1900rpmで1分間振とう器に配置することによりウェルを混合し、プレートを、バーを持ち上げた状態の磁気プレートに配置し、溶液を清澄化させ、上清を取り除いた。この洗浄を繰り返した。溶液を45℃で置いた。プレートを、250×gで10秒間遠心し、バーを持ち上げた状態の磁気プレートに配置した。
ストレプトアビジンビーズが溶液から沈殿したら、上清を除去及び廃棄し、50μlの緩衝液(1000mM Tris pH8.0、500mM NaEDTA、5000mM NaCl、1000ng/μlの酵母RNAキャリアストック、及び10%TWEEN(登録商標)−80)を、各ウェルに加え、プレートを、1900rpmで1分間振とうした。プレートを再びバーを持ち上げた状態の磁気プレートに配置し、ビーズを溶液から沈殿させ、上清を除去及び廃棄した。これを繰り返した。その後、30μlのTE緩衝液を各ウェルに加え、プレートを粘着性プレートシーラで密封し、プレートを1900rpmで1分間振とうした。プレートを、95℃で1分間置いた。その後、プレートを250×gで10秒間遠心し、バーを持ち上げた状態の磁気プレートに配置し、ビーズを溶液から沈殿させた。
25μlを各ウェルから吸引し、新しい96ウェルプレートに分注した。21μlのPCR反応混合物(終濃度:5Mベタイン、5×Phusion(商標)HF緩衝液(Finnzymes社、エスポー、フィンランド)、0.5μMプライマー、25mM dNTP、10%TWEEN(登録商標)−80、及び2ユニットのPhusion(商標)HF DNAポリメラーゼII(Finnzymes社、エスポー、フィンランド))を各ウェルに分注し、プレートを、1500rpmで1分間振とうした。標準的PCRを、95℃で0.5分間、68℃で2分間、70℃で0.5分間のサイクル、その後70℃で5分間の伸長を使用して実施した。試料の一部を、3%TBEアガロースゲルで視覚化し、試料の残りを配列決定用に調製した。
実施例4:結果1
様々なゲノム相当物の入力DNAを使用し、異なる濃度のプライマーを使用して、実施例1に記載のように、第1の複製反応のために実施された実験は、一般的に少なくとも>95%の、より典型的には>98%の、入力DNAに再マッピングされた配列決定測定をもたらした(104試料のうち88個)。
実施例5:結果2
追加実験を実施した。追加実験では、本明細書に記載の方法を使用して3つの調査を実施し、可変量のヒト及び大腸菌(E.Coli)gDNAの存在下でのS.セレビシエ(S.cerevisiae)の検出率を決定した。第1の実験では、3000個のヒト及び大腸菌gDNAゲノムの存在下で、3000個のS.セレビシエゲノムを調査した。この実験では、S.セレビシエの検出率は99.93%であった。第2の実験では、3000個のヒトgDNAゲノム及び3000個の大腸菌gDNAゲノムの存在下で、30個のS.セレビシエゲノムを調査した。この実験では、S.セレビシエの検出率は99.27%であった。第3の実験では、0個の大腸菌ゲノム及び3000個のヒトgDNAゲノムの存在下で、30個のS.セレビシエゲノムを調査した。この実験では、S.セレビシエの検出率は99.68%であった。
本発明は、本発明の好ましい態様に関して詳細に記載されているように、様々な形態の態様により成立するが、本発明の開示は、本発明の原理の例示とみなされるべきであり、本発明を、本明細書に例示及び記載されている特定の態様に限定するためのものではないことが理解される。当業者であれば、本発明の趣旨からの逸脱せずに多数の変化形態を製作することができる。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲及びそれらの等価物により規定されることになる。要約及び表題の目的は、関係当局並びに公衆が、本発明の一般的な性質を迅速に理解することを可能にすることであるため、要約及び表題は、本発明の範囲を限定するものとして解釈されない。以下の特許請求の範囲では、用語「手段(means)」が使用されていない限り、そこに列挙された特徴又は要素はいずれも、米国特許法112条6項に準ずるミーンズプラスファンクション限定として解釈されるべきでない。

Claims (20)

  1. 2つの異なる供給源に由来するDNAを含む試料中の1つの供給源に由来する目的ゲノム領域を同定するための方法であって、
    2つの異なる供給源に由来するDNAを含む試料を準備するステップ、
    目的ゲノム領域の3’領域に相補的な第1の固定配列オリゴヌクレオチド及び前記目的ゲノム領域の5’領域に相補的な第2の固定配列オリゴヌクレオチドを含む第1のセットのオリゴヌクレオチドプローブを、前記試料に導入するステップ、
    前記第1のセットのオリゴヌクレオチドプローブを、前記試料中の前記目的ゲノム領域にハイブリダイズさせるステップ、
    前記第1のセットのオリゴヌクレオチドプローブのハイブリダイズされたオリゴヌクレオチドをライゲーションして、前記目的ゲノム領域に相補的な第1のライゲーション産物を生成するステップ、
    前記第1のライゲーション産物に、前記第1のライゲーション産物の3’領域に相補的な第1の固定配列オリゴヌクレオチド、及び前記第1のライゲーション産物の5’領域に相補的な第2の固定配列オリゴヌクレオチドを含む第2のセットのオリゴヌクレオチドプローブを導入するステップ、
    前記第2のセットのオリゴヌクレオチドプローブを前記第1のライゲーション産物にハイブリダイズさせるステップ、
    前記第2のセットのオリゴヌクレオチドプローブのハイブリダイズされたオリゴヌクレオチドをライゲーションして、前記第1のライゲーション産物に相補的な第2のライゲーション産物を生成するステップ、
    前記第2のライゲーション産物を増幅して、増幅産物を生成するステップ、及び
    前記増幅産物を分析するステップ
    を含み、前記増幅産物の分析が、前記試料中の前記1つの供給源に由来する前記目的ゲノム領域を同定する方法。
  2. 前記第1のセットのオリゴヌクレオチドプローブ及び前記第2のセットのオリゴヌクレオチドプローブのうち一方又は両方が、前記第1の固定配列オリゴヌクレオチドと前記第2の固定配列オリゴヌクレオチドとの間で、かつ前記第1の固定配列オリゴヌクレオチド及び前記第2の固定配列オリゴヌクレオチドに隣接して前記目的ゲノム領域にハイブリダイズする1つ又は複数の架橋オリゴヌクレオチドを更に含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記第1のセットのオリゴヌクレオチドプローブ及び前記第2のセットのオリゴヌクレオチドプローブのオリゴヌクレオチドのうち一方又は両方が、前記目的ゲノム領域における互いに隣接しない領域に相補的であり、前記第1のセットの前記第1の固定配列オリゴヌクレオチドと前記第2の固定配列オリゴヌクレオチドとの間の領域が、ポリメラーゼ及びdNTPを用いて伸長されて、隣接した相補的なオリゴヌクレオチドが生成される、請求項1に記載の方法。
  4. 前記第1のセットのオリゴヌクレオチドプローブ及び前記第2のセットのオリゴヌクレオチドプローブのオリゴヌクレオチドのうち一方又は両方が、前記目的ゲノム領域における互いに隣接する領域に相補的である、請求項1に記載の方法。
  5. 前記第2のセットのオリゴヌクレオチドプローブの少なくとも1つの固定配列オリゴヌクレオチドが、前記第1のライゲーション産物のライゲーション接合部と重複する相補的領域を含む、請求項1に記載の方法。
  6. 前記第2のセットのオリゴヌクレオチドプローブの前記第1の固定配列オリゴヌクレオチド及び前記第2の固定配列オリゴヌクレオチドが両方とも、前記第1のライゲーション産物のライゲーション接合部と重複する相補的領域を含む、請求項1に記載の方法。
  7. 前記第2のセットのオリゴヌクレオチドプローブの少なくとも1つの固定配列オリゴヌクレオチドが、前記目的ゲノム領域に相補的な、前記第1のセットのオリゴヌクレオチドプローブの固定配列オリゴヌクレオチドの領域を含む、請求項1に記載の方法。
  8. 前記第2のセットのオリゴヌクレオチドプローブの固定配列オリゴヌクレオチドが両方とも、前記目的ゲノム領域に相補的な、前記固定配列オリゴヌクレオチドの領域を含む、請求項1に記載の方法。
  9. 最初のライゲーションステップの後かつ2回目のライゲーションステップの前に、前記第1のライゲーション産物を増幅するステップを更に含む、請求項1に記載の方法。
  10. 前記増幅が線形である、請求項9に記載の方法。
  11. 前記増幅が指数関数的である、請求項9に記載の方法。
  12. 前記方法が、前記1つの供給源に由来する2つ以上の目的ゲノム領域について実施される、請求項1に記載の方法。
  13. 少なくとも24個の異なる目的領域が調査される、請求項12に記載の方法。
  14. 少なくとも46個の異なる目的領域が調査される、請求項13に記載の方法。
  15. 少なくとも92個の異なる目的領域が調査される、請求項14に記載の方法。
  16. 前記第1のセットのオリゴヌクレオチドプローブ及び前記第2のセットのオリゴヌクレオチドプローブのうち一方又は両方が、複数の架橋オリゴヌクレオチドを含む、請求項1に記載の方法。
  17. 前記第1のセットのオリゴヌクレオチドプローブ及び前記第2のセットのオリゴヌクレオチドプローブのうち一方又は両方が、単一の架橋オリゴヌクレオチドを含む、請求項1に記載の方法。
  18. 前記第2のライゲーション産物の前記増幅が線形である、請求項1に記載の方法。
  19. 前記第2のライゲーション産物の前記増幅が指数関数的である、請求項1に記載の方法。
  20. 前記第1のセットのオリゴヌクレオチドプローブ及び前記第2のセットのオリゴヌクレオチドプローブのうち一方又は両方が、プレサークルプローブである、請求項1に記載の方法。
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