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JP2015230359A - 定着装置、および、画像形成装置 - Google Patents

定着装置、および、画像形成装置 Download PDF

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JP2015230359A JP2014115699A JP2014115699A JP2015230359A JP 2015230359 A JP2015230359 A JP 2015230359A JP 2014115699 A JP2014115699 A JP 2014115699A JP 2014115699 A JP2014115699 A JP 2014115699A JP 2015230359 A JP2015230359 A JP 2015230359A
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Daisuke Ito
大介 伊藤
基和 長谷川
Motokazu Hasegawa
基和 長谷川
篤 高井
Atsushi Takai
篤 高井
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Abstract

【課題】定着部材の寿命をより長いものとすることが可能な定着装置を提供する。【解決手段】無端ベルト形状の定着部材と、前記定着部材の内側にあって前記定着部材を回転可能に保持しかつニップ形成面で前記定着部材の内側面と摺擦するニップ形成部材と、前記定着部材を介して前記ニップ形成部材に付勢されて前記定着部材を回転駆動する加圧ローラと、を備えた定着装置において、前記ニップ形成部材のニップ形成面側に電磁誘導により加熱される電磁誘導発熱体を有し、かつ、前記電磁誘導発熱体を電磁誘導して加熱する磁場発生手段を備えた定着装置。【選択図】図1

Description

本発明は、電子写真方式を用いた複写機、プリンタ、ファクシミリなどに用いられ、未定着トナー画像を定着させる定着装置、および、画像形成装置に関するものである。
電子写真方式を利用した画像形成装置の画像形成プロセスは、次のように進行する。像担持体である感光ドラムの表面への静電潜像の形成。感光ドラム上の静電潜像を現像剤であるトナー等によって現像しての可視像化。現像された画像を転写装置等による記録紙等の記録媒体への転写。熱や圧力等を用いる定着装置による記録紙上のトナー画像の定着。
定着装置には、対向するローラもしくはベルトもしくはそれらの組み合わせにより構成された定着回転体が配置されており、それらの間に記録媒体を挟みこみ、熱、及び、圧力を加え、そのトナー像を記録紙上に定着する。
前記定着装置には、磁束乃至磁力線を発生させるコイル部を用いた電磁誘導加熱式の定着装置が知られていて、既に広く用いられている。この電磁誘導加熱式の定着装置は、例えば、次のようなものから構成されている。発熱層を有する薄肉の無端ベルト形状の定着部材が断熱弾性層の外周部に設けられた定着ローラなどの定着部材。当該定着部材に圧接して定着ニップ部を形成する加圧ローラなどの加圧部材。定着部材の外周面に近接・対向して定着部材を電磁誘導加熱させる電磁誘導加熱部材。そして、この電磁誘導加熱部材は、(励磁)コイル部、コイル部を覆うためのコア、コイル部を保持すると共に定着部材に対向させるコイルガイドなどで構成されている。そして、電磁誘導加熱部材のコイル部に高周波交番電流を通電させることにより、定着部材に設けられた定着スリーブなどが有する発熱層のまわりに双方向に交互に切り替わる磁束、すなわち交番磁界を形成させる。この交番磁界によって発熱層に渦電流を生じさせ、この渦電流に対する発熱層の電気抵抗により発生するジュール熱で発熱層を、ひいては定着部材に設けられた定着部材を加熱する。加熱された定着部材の熱により、定着ニップ部に搬送された記録媒体上のトナーを溶融させ、定着ニップ部で定着部材に圧接する加圧ローラからの加圧力により、溶融させたトナーを記録媒体上に半永久的な画像として定着させている。
図5に従来の電磁誘導加熱定着方式の定着装置の一構成例を示す。
図1に示されている定着装置は、次のような部材から構成されている。交番電圧を印加することで電力を供給して、交番電流を通電させることにより交番磁束を発生させるコイル部を含む電磁誘導加熱装置1。基層、発熱層および表層の積層構成からなり、前記コイル部の交番磁束の作用により発熱層が発熱する積層定着部材2。積層定着スリーブ2の内周側に設けられ、ニップ部Nを形成するための加圧パッド3および加圧部材としての加圧ローラ4。図6に示す積層定着部材は簡易化して描画したが、断面詳細は図6のような断面構成となっている。すなわち、基層9、発熱層10、および、フッ素樹脂などの離型性に優れた材料からなる離型層11が積層されている。
この定着装置では、未定着画像が形成担持された記録媒体である記録紙5が画像形成装置内の搬送機構等によりニップ部Nに導入される。ニップ部Nに導入された記録紙5は回転駆動する加圧ローラ4と発熱層を有する積層定着部材2とで把持搬送されることで、ニップ部Nにおいて、熱と圧力を与えられ、未定着画像が記録紙5に定着される。
上記のような電磁誘導加熱による定着装置は、公知であるハロゲンヒータやセラミックヒータを用いた定着装置に比べて、記録紙上のトナーに極めて近い位置にある発熱層を直接発熱させるため、熱伝達の損失を低減でき、熱効率のよい加熱が可能とされている。このことから、画像形成装置の電源ONから画像形成実行可能状態までの待ち時間(ウォームアップ時間)の短縮や、多数枚の未定着画像を連続して定着する場合にも被加熱体への熱の供給が不足することなく良好な定着が可能になる。
積層定着部材の基層に用いられる材質として用いられる代表的な機能性高分子材料を次に挙げる。ポリイミド(PI)。ポリアミドイミド(PAI)。ポリフェニレンサルファイド(PPS)。ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)。ポリエーテルサルフォン(PES)。ポリサルフォン(PS)。ザイダー(登録商標)等で知られる耐熱性液晶ポリマー(LCP)。
発熱層の電磁誘導発熱体としては、磁束の吸収が良好なニッケル、鉄、磁性ステンレス、コバルト−ニッケル合金、鉄−ニッケル合金等の磁性金属が好ましいとされている。
しかしながら、上記のような積層定着部材の製造においては、機能性高分子材料の基層と磁性金属の発熱層との間の接着強度の確保という技術的課題が生じる。機能性高分子材料の基層と磁性金属の発熱層とを積層したフィルム状部材の製造は、基層と発熱層とを接着剤等で貼り合せる方法、基層上に化学メッキ法または物理メッキ法により磁性金属発熱層を形成する方法などが行われている。しかしながら、接着剤による貼り合わせでは耐久性に乏しく、基層上に磁性金属薄膜を形成する方法でも機能性高分子材料層と磁性金属薄膜とを強固に接着させるのは難しい。
また、ウォームアップ時間短縮には積層定着部材の低熱容量化が必要になる。しかし、積層定着部材の低熱容量化のために基層の層厚を小さくすると、発熱層が急激に加熱され基層の機能性高分子材料と発熱層の磁性金属材料との熱膨張係数差に起因する熱応力によって積層定着部材にクラックや亀裂が生じてしまう。これらは積層定着部材の耐久性を低下させる要因のひとつとなっている。
機能性高分子材料の基層と金属の発熱層との間の接着強度を確保するという課題に対しての対策が特許文献1で提案されている。特許文献1では、プラスチックフィルム上にこのフィルムとの密着性に優れた金属蒸着膜を形成し、その後に電子ビーム加熱蒸着銅層および電解メッキ銅層を順次積層する方法が提案され、この方法によれば上記の課題を解決できるとされている。
また、基層の機能性高分子材料と発熱層の磁性金属材料との熱膨張係数差に起因する熱応力によって積層定着部材にクラックや亀裂が生じてしまい、積層定着部材の耐久性を低下させる課題に対しての対策が特許文献2に記載されている。これは、反応生成したイミド環の量と、完全に反応が完結したときのイミド環の量の比であるポリイミド樹脂層のイミド化率を70〜93%とする提案である。そして、このことによりポリイミド樹脂層の柔軟性を向上させ、金属層に加わる機械的ストレスを緩和して問題を解決する、と記載されている。
しかし、特許文献1での、プラスチックフィルムとの密着性に優れた金属の蒸着層はピンホール等の表面欠陥や、層の不均質性などを発現することが容易に想像でき、高分子層と金属層の密着性確保は十分ではない。さらに、機能上必要な高分子基層、金属発熱層に加え、金属蒸着層および電子ビーム加熱蒸着層を必要とすることから、製造工程が増え、製造コストが大きくなってしまうという問題もある。
また、特許文献2では、ポリイミド樹脂のイミド化率はそれぞれ200〜400℃、0.5〜1.5Hの範囲内の焼成温度、焼成時間の組合せからなる焼成条件で制御されている。その実施例における定着設定温度180℃の定着装置内積層フィルムは焼成条件付近の温度になり、経時でのイミド化率が変化することが容易に想像され、ポリイミド層の柔軟性変化が懸念される。さらに、実機耐久性も十分とは云えない。
このように、定着部材の寿命をより長いものとすることが可能な定着装置が求められていた。
本発明で上記問題を解決すること、すなわち、定着部材の寿命をより長いものとすることが可能な定着装置、そのような定着装置を備えている画像形成装置を提供することを目的とする。
本発明の定着装置用ローラは、上記課題を解決するために、請求項1に記載の通り、無端ベルト形状の定着部材と、前記定着部材の内側にあって前記定着部材を回転可能に保持しかつニップ形成面で前記定着部材の内側面と摺擦するニップ形成部材と、前記定着部材を介して前記ニップ形成部材に付勢されて前記定着部材を回転駆動する加圧ローラと、を備えた定着装置において、前記ニップ形成部材のニップ形成面側に電磁誘導により加熱される電磁誘導発熱体を有し、かつ、前記電磁誘導発熱体を電磁誘導して加熱する磁場発生手段を備えたことを特徴とする。
本発明の定着装置は、上記課題を解決するために、請求項1に記載の通り、無端ベルト形状の定着部材と、前記定着部材の内側にあって前記定着部材を回転可能に保持しかつニップ形成面で前記定着部材の内側面と摺擦するニップ形成部材と、前記定着部材を介して前記ニップ形成部材に付勢されて前記定着部材を回転駆動する加圧ローラと、を備えた定着装置において、前記ニップ形成部材のニップ形成面側に電磁誘導により加熱される電磁誘導発熱体を有し、かつ、前記電磁誘導発熱体を電磁誘導して加熱する磁場発生手段を備えた構成を有しているので、層間の剥離が生じない、単一層の定着部材を用いることができ、このとき、定着部材の寿命をより長いものとすることが可能となる。
図1は、本発明の画像形成装置の一例を示す図である。 図2は、本発明の定着装置の一例を示す図である。 図3は、図2の定着装置のニップ形成部材のモデル断面図である。 図4は、他のニップ形成部材の例を示すモデル断面図である。 図5は、従来の定着装置の例を示す図である。 図6は、図5の定着装置で用いられている定着部材のモデル断面図である。
以下、本発明について図面を用いて説明する。
図1は、本発明の画像形成装置の実施形態であるタンデム型カラープリンタの一例1の概略構成図である。
図1において、画像形成装置1本体の上方に設置されたボトル収容部101には、各色(イエロー,マゼンタ,シアン,ブラック)に対応した4つのトナーボトル102Y,102M,102C,102Kが着脱自在(交換自在)に設置されている。ボトル収容部101の下方には中間転写ユニット85が配設されている。
中間転写ユニット85に設置された中間転写ベルト78に対向するように、各色(イエロー,マゼンタ,シアン,ブラック)に対応した作像部4Y,4M,4C,4Kが並設されている。各作像部4Y,4M,4C,4Kには、それぞれ感光体ドラム5Y,5M,5C,5Kが配設されている。また、各感光体ドラム5Y,5M,5C,5Kの周囲には、それぞれ、帯電部75,現像装置76,クリーニング部77,除電部(図示せず)などが配設されている。
そして、各感光体ドラム5Y,5M,5C,5Kは回転し、各感光体ドラム5Y,5M,5C,5K上に対して、下記の作像プロセス(帯電工程,露光工程,現像工程,転写工程,クリーニング工程)が行われる。そして、各感光体ドラム5Y,5M,5C,5K上に各色の画像が形成される。
以下に感光体ドラム5Y,5M,5C,5Kに対する作像プロセスについて説明する。
感光体ドラム5Y,5M,5C,5Kは、図示しない駆動モータによって、図1において時計方向に回転駆動される。そして、帯電部75(図1には感光体ドラム5Kに対応したもののみを示している)において、感光体ドラム5Y,5M,5C,5Kの表面が一様に帯電される(帯電工程)。
帯電された後、感光体ドラム5Y,5M,5C,5Kの表面は、露光部3から発せられるレーザ光により照射・露光され、各色に対応した静電潜像が形成される(露光工程)。潜像が形成された感光体ドラム5Y,5M,5C,5Kは、現像装置76(図1には感光体ドラム5Kに対応したもののみを示している)により静電潜像がトナー現像されて、各色のトナー像が形成される(現像工程)。
感光体ドラム5Y,5M,5C,5K上のトナー像は、中間転写ベルト78および第1転写バイアスローラ79Y,79M,79C,79Kにより、中間転写ベルト78上に転写される(一次転写工程)。このようにして中間転写ベルト78上に重ねてトナー像が転写されることにより、中間転写ベルト78上にカラー画像が形成される。
前記転写の後、感光体ドラム5Y,5M,5C,5Kは、クリーニング部77に達して、感光体ドラム5Y,5M,5C,5Kの表面に残存した未転写トナーがクリーニング部77のクリーニングブレードによって機械的に回収される(クリーニング工程)。なお、図1には感光体ドラム5Kに対応したクリーニング部のみ示している
この後、除電部により感光体ドラム5Y,5M,5C,5Kの表面の残留電位が除去される。こうして、感光体ドラム5Y,5M,5C,5Kに対する一連の作像プロセスが終了する。
次に、中間転写ベルト78上で行われる一連の転写プロセスについて説明する。
中間転写ユニット85は、たとえば次の部材から構成されている。無端状の中間転写ベルト78。4つの一次転写バイアスローラ79Y,79M,79C,79K。二次転写バックアップローラ82。クリーニングバックアップローラ83。テンションローラ84。中間転写クリーニング部80。
中間転写ベルト78は、二次転写バックアップローラ82とクリーニングバックアップローラ83とテンションローラ84とに張架・支持され、二次転写バックアップローラ82の回転駆動によって、図1における矢印方向に移動される。一次転写バイアスローラ79Y,79M,79C,79Kは、それぞれ中間転写ベルト78を感光体ドラム5Y,5M,5C,5Kとで挟み込むようにして一次転写ニップを形成している。一次転写バイアスローラ79Y,79M,79C,79Kには、トナーの極性とは逆の転写バイアスが印加される。
中間転写ベルト78は、矢印方向に走行して、中間転写ベルト78と感光体ドラム5Y、5M、5C、5K間の一次転写ニップを順次通過する。こうして感光体ドラム5Y,5M,5C,5K上の各色のトナー像が、中間転写ベルト78上に重ねて一次転写が行われる。
一次転写後、中間転写ベルト78は二次転写ローラ89との対向位置に達する。この位置で二次転写バックアップローラ82は、二次転写ローラ89とで中間転写ベルト78を挟み込むようにして二次転写ニップを形成している。二次転写ニップにおいて、中間転写ベルト78上に形成されている4色のトナー像が、搬送されてくる記録媒体P上に転写される。
転写後、中間転写ベルト78は、中間転写クリーニング部80に達して、中間転写ベルト78上の未転写トナーが回収される。こうして、中間転写ベルト78上で行われる一連の転写プロセスが終了する。
ここで、二次転写ニップの位置に搬送される記録媒体Pは、画像形成装置1本体の下方に配設された給紙部112から、給紙ローラ97およびレジストローラ98を経由して搬送されるものである。すなわち、給紙部112には、転写紙などの記録媒体Pが複数枚重ねて収納される。
給紙ローラ97が図1において反時計方向に回転駆動されると、最上位の記録媒体Pから順にレジストローラ98に給送される。レジストローラ98に搬送された記録媒体Pは、回転駆動を停止したレジストローラ98のローラニップの位置で一旦停止する。
そして、中間転写ベルト78上のトナー像にタイミングを合わせて、レジストローラ98が回転駆動されることにより、記録媒体Pが前記二次転写ニップに向けて搬送される。このようにして、記録媒体P上にトナー像が転写される。
二次転写ニップでカラー画像が転写された記録媒体Pは定着装置20に搬送され、本発明の定着装置の例20において定着ベルト18と加圧ローラ15とによる加熱および加圧を受けて、表面に転写されたトナー像が記録媒体P上に定着される。その後、記録媒体Pは、排紙ローラ99を経て画像型性装置1外へと排出され、スタック部100上に順次スタックされる。
次に、本発明の定着装置の一例20について図2を用いて説明する。
図2では、本発明の説明上必要な部材のみ図示した。定着装置20は例えば次の部材から構成されている。定着部材としての薄肉で可撓性を有する無端状のベルト状部材、あるいは、フィルム状部材により構成された定着ベルト18。定着ベルト18の内側にあって定着ベルト18を回転可能に保持しかつニップ形成面で定着ベルト18の内側面と摺擦するニップ形成部材であり、かつ、交番磁界の作用により発熱する電磁誘導発熱体を有し、熱源としての機能も有する加圧パッド14。円柱状の芯金21とその周囲の弾性層22から構成された、定着ベルト18を介して加圧パッド14に向けて付勢されて定着ニップNを形成し、かつ、定着ベルト18を回転駆動する加圧ローラ15。電磁誘導発熱体を電磁誘導して加熱する磁場発生手段12。
なお、磁場発生手段12はこの例では定着ベルト18の外周の一部に対向設置されているが、ニップ形成部材14付近に設けてもよい。
図2のニップ形成部材である加圧パッド14は図示しない両端でフランジに保持されており、定着ベルト18の内面と直接摺擦するようになっているが、図示しない摺擦シートを介して間接的に摺擦してもよい。
なお、図2ではニップの形状が平坦であるが、凹形状や、その他の形状であってもよい。ここで、加圧パッド14のニップ形成面14aの形状が凹形状であると、記録媒体の先端の排出方向が加圧ローラ15寄りになり、定着ベルト18からの分離性が向上し、ジャムの発生が抑制される。
加圧パッド14は、この例では、磁場発生手段12から発生する交番磁束により加熱される電磁誘導発熱体が分散配合された耐熱性液晶ポリマー(LCP)等の高分子材料から構成されている。電磁誘導発熱体(発熱体)としては、例えばカーボンナノチューブ、粒状あるいは粉状の銀、金、銅、ニッケルなどが挙げられる。
さらに、この例では、図4にモデル的に示すように、母材料の高分子材料16内に、交番磁界により発熱する電磁誘導発熱体(発熱体)17が分散配置され、その配置量がニップ形成面に近づくほど多くなっている。このような構成により加圧パッド14の発熱の偏在を緩和して熱膨張の部分的な集中を防止しながら、ニップ形成面付近では高い発熱量が得られる。
なお、加圧パッドの他の例14’として図5にモデル的に示したような、母材14aのニップ形成面付近に板状ないし層状の電磁誘導発熱体14bを、蒸着等の真空利用技術、接着、インサート成形、メッキ等の方法で配したものを用いることもできる。
磁場発生手段は、コイル部6(励磁コイル)、コア部7(励磁コイルコア)、コイルガイド8などで構成され、コイル部6は、コイルガイド8上において、細線を束ねたリッツ線を巻き回して、図2の紙面垂直方向である幅方向に延設したものである。
なお、コイルガイド8は、ガラス材料が45%程度含有されたPET(ポリエチレンテレフタレート)などの耐熱性の高い樹脂材料からなり、前記したコイル部6を保持している。
また、コア部7は、比透磁率が2500程度であるフェライトなどの強磁性体から成り、積層定着スリーブ2の発熱層に向けての効率のよい磁束を形成するために設けられ、アーチコア、センターコア、サイドコアなどで構成される。
加圧ローラ15は、この例では中空の金属からなる芯金21の周囲に弾性層22となるシリコーンゴム層(フッ素ゴム層でもよい)が設けてあり、離型性を得るために表面に、フッ素樹脂からなる離型層(不図示)が設けてある。ここで、フッ素樹脂としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)やテトラフルオロエチレン・パー フルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)が挙げられる。
加圧ローラ15は、図示しないモータなどの駆動源により駆動されて回転する。また、加圧ローラ15はスプリングなどの付勢手段により定着ベルト側に付勢されており、弾性層が加圧により変形し、所定のニップ幅のニップNが形成されている。加圧ローラ15の芯金21は中実であってもよいが、中空であると熱容量は少なくなるので好ましい。
また、シリコーンゴム層はソリッドゴムでもよいが、加圧ローラ内部にヒータがない場合は、発泡性シリコーンゴムを用いてもよい。発泡性シリコーンゴムを用いると、通常のシリコーンゴムよりも断熱性が向上するため、熱源から発生した熱を効率よく記録媒体上の未定着トナーに与えることができ、定着性、ウォームアップ時間が短縮する。
定着ベルトは、高分子材料、あるいは、金属材料から単一層により構成されているものを用いる。高分子材料としては例えば次のようなものが挙げられる。ポリイミド(PI)。ポリアミドイミド(PAI)。ポリフェニレンサルファイド(PPS)。ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)。ポリエーテルサルフォン(PES)。ポリサルフォン(PS)。Xyder(ザイダー(登録商標))等の耐熱性液晶ポリマー(LCP)。なお、金属製のものも用いることができる。
本発明の定着装置では、定着ベルト18は、電磁誘導加熱層が不要であるため、機能性高分子材料や金属から単一層により構成することができ、層間の剥離などの問題が不要となるので、ベルト寿命をより長いものとすることができる。その結果、安価で、ウォームアップが早く、省電力で、高耐久の定着装置を実現することができる。
以上、本発明について、好ましい実施形態を挙げて説明したが、本発明の定着装置、および、画像形成装置は上記実施形態の構成に限定されるものではない。
当業者は、従来公知の知見に従い、本発明の定着装置、および、画像形成装置を適宜改変することができる。このような改変によってもなお本発明の定着装置、および、画像形成装置の構成を具備する限り、もちろん、本発明の範疇に含まれるものである。
以下、本発明の実施例について示す。
実施例1〜4、比較例の定着装置を作製した。これらは、定着ベルトおよび加圧パッドが異なる以外は同じものである。
<実施例1>
定着ベルトはポリイミドフィルム(グンゼ社製)により作製した、厚さ30μm、内径:φ30mm、長さ350mmの、単一層により構成されているものを用いた。
加圧パッドは遠心成形で作製した。すなわち、母材料に耐熱性液晶ポリマー(LCP)(住友化学社製SZ6506HF)、電磁誘導発熱体としてカーボンナノチューブ(巴工業社製、単層品、直径:1.2μm、長さ:5〜50μm、配合量:40質量%)を用い、回転速度100rpm(回転/分)、5分間の遠心成形を行った。これにより、長さ345mm、幅15mm、高さ8mmのカーボンナノチューブがニップ形成面に近づくに従って多くなっている加圧パッドを得た。
加圧ローラは外径が25mm、長さ340mmのものを作製した。中空構造の芯金として、外径19mm(肉厚2mm)、長さ340mmの炭素鋼製のものを用いた。弾性層は層厚3mmの発泡性シリコーンゴム層を型成形によって形成し、離形層として30μmのPFAチューブ(クラボウ社製)を被覆し、200℃、30分間乾燥させたものを用いた。
電磁誘導加熱装置(磁場発生手段)はコイル部(励磁コイル)、コア部(励磁コイルコア)、コイルガイドなどから構成した。コイル部は、無端定着ベルト13の外周面の一部分を覆うように近接配置されたコイルガイド上において、細線を束ねたリッツ線を巻き回して作製されたものである。コイルガイドは、ガラス材料が45%程度含有されたPET(ポリエチレンテレフタレート)からなり、前記したコイル部を保持している。コア部7は、比透磁率が2500程度であるフェライトから構成され、積層定着スリーブ2の発熱層に向けての効率のよい磁束を形成するために設けられ、アーチコア、センターコア、サイドコアなどで構成されたものを用いた。このとき、定着ベルトの外周面に対してコイルガイドと定着ベルトとの間のギャップが2±0.1mm程度に設定された。
<実施例2>
定着ベルトは実施例1と同じものを用いた。
加圧パッドは、母材料に耐熱性液晶ポリマー(LCP)(住友化学社製)、電磁誘導発熱体として電解銀粉末(高純度化学社製「純度3Nup」品)を用い、電解銀粉末、耐熱性液晶ポリマーの順で金型に材料を流し込み、型成形した。これにより、実施例1の加圧パッドと同寸法の、銀粉末がニップ形成面に近づくに従って多くなっている加圧パッドを得た。加圧ローラ、および、電磁誘導加熱装置は実施例1のものと同じものを用いた。このとき、定着ベルトの外周面に対してコイルガイドと定着ベルトとの間のギャップが2±0.1mm程度に設定された。
<比較例>
図4および図5に示した公知の電磁誘導加熱方式の定着装置、および、定着ベルトを用いた。
定着ベルトとしての積層定着スリーブは内径30mm、長さ350mm、厚さ200μmのものを作製した。基層として厚さ40μmのポリイミド(PI)フィルム(グンゼ社製)を用いて無端ベルトとし、その外周面に発熱層として30μmのニッケルを蒸着した。さらにその上にシリコーンゴム(東レ・ダウコーニング社製)をスプレー塗工にて厚さ100μmの弾性層を形成した。弾性層の上にプライマー(東レ・ダウコーニング社製)を5〜10μmとなるように塗工し、離型層として厚さ30μmのPFAチューブ(クラボウ製)を被覆し、200℃で30分間乾燥させたものを用いた。
加圧パッド、加圧ローラ、および、電磁誘導加熱装置は実施例1のものと同じものを用いた。このとき、定着ベルトの外周面に対してコイルガイドと定着ベルトとの間のギャップが2±0.1mm程度に設定された。
<耐久テスト>
上記実施例1及び2、比較例の定着装置を、それぞれ図1に示した画像形成装置にセットし、ウォームアップ時間を調べた。また、定着装置としての耐久テストを行った。定着動作を行い、定着に支障を来すような異常等が生じる迄の回数(A4版用紙に対する定着回数)を調べた。これら結果を表1に示す。
表1より、本発明の実施例の定着装置ではウォームアップ時間が従来タイプの定着装置に比べ短縮されており、また、本発明の定着装置では耐久性も非常に高いことが理解される。
1 画像形成装置
12 磁場発生手段
14 加圧パッド
18 定着ベルト
20 定着装置
21 加圧ローラ
21 円柱状の芯金
22 弾性層
N 定着ニップ
特開2004−133370号公報 特開2003−007438号公報

Claims (4)

  1. 無端ベルト形状の定着部材と、前記定着部材の内側にあって前記定着部材を回転可能に保持しかつニップ形成面で前記定着部材の内側面と摺擦するニップ形成部材と、前記定着部材を介して前記ニップ形成部材に付勢されて前記定着部材を回転駆動する加圧ローラと、を備えた定着装置において、
    前記ニップ形成部材のニップ形成面側に電磁誘導により加熱される電磁誘導発熱体を有し、かつ、前記電磁誘導発熱体を電磁誘導して加熱する磁場発生手段を備えたことを特徴とする定着装置。
  2. 前記ニップ形成部材内に前記電磁誘導発熱体が分散配置され、その配置量が前記ニップ形成面に近づくほど多くなっていることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記定着部材が、単一層により構成されていることを特徴とする定着装置。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の定着装置を備えていることを特徴とする画像形成装置。
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