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JP2015204256A - 被覆正極活物質の製造方法 - Google Patents

被覆正極活物質の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、電子伝導性の向上と、サイクル特性の向上とを両立させた被覆正極活物質の製造方法を提供することを課題とする。【解決手段】本発明は、LiおよびMnを含有し、かつ、スピネル構造を有する酸化物である正極活物質の表面に、原子層堆積法により、10層〜200層の範囲内のTi酸化物層を形成するTi酸化物層形成工程と、上記Ti酸化物層を、600℃〜900℃の範囲内で焼成する焼成工程と、を有することを特徴とする被覆正極活物質の製造方法を提供することにより、上記課題を解決する。【選択図】図1

Description

本発明は、電子伝導性の向上と、サイクル特性の向上とを両立させた被覆正極活物質の製造方法に関する。
近年におけるパソコン、ビデオカメラおよび携帯電話等の情報関連機器や通信機器等の急速な普及に伴い、その電源として利用される電池の開発が重要視されている。また、自動車産業界等においても、電気自動車用あるいはハイブリッド自動車用の高出力かつ高容量の電池の開発が進められている。現在、種々の電池の中でも、エネルギー密度が高いという観点から、リチウム電池が注目を浴びている。
このようなリチウム電池の分野において、従来から、電極活物質の界面に着目し、リチウム電池の性能向上を図る試みがなされている。例えば、特許文献1には、CVD法やPVD法により、LiNi0.5Mn1.5にTiOを被覆することが記載されている。また、特許文献2にも、LiNi0.5Mn1.5にTiOを被覆することが記載されている。
ところで、気相プロセスの成膜方法として、原子層堆積(Atomic Layer Deposition:ALD)法が知られている。ALD法は、材料中に含まれる原子層を表面に堆積させて成膜する方法であり、例えば、特許文献3には、ALD法を用いて電極材料を堆積させる技術が開示されている。また、特許文献4には、ALD法により、電極材料を堆積することが記載されている。
特開2012−048971号公報 特開2013−149433号公報 特開2013−143375号公報 特表2012−517717号公報
例えばLiNi0.5Mn1.5は電子伝導性が低い。これに対して、焼成によって酸素欠損を導入することにより、電子伝導性が向上することが想定される。しかしながら、酸素欠損を導入することにより、4価のMnから3価のMnが生成し、3価のMnは4価のMnよりも溶出しやすいため、サイクル特性が悪化すると考えられる。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、電子伝導性の向上と、サイクル特性の向上とを両立させた被覆正極活物質の製造方法を提供することを主目的とする。
上記課題を解決するために、本発明においては、LiおよびMnを含有し、かつ、スピネル構造を有する酸化物である正極活物質の表面に、原子層堆積法により、10層〜200層の範囲内のTi酸化物層を形成するTi酸化物層形成工程と、上記Ti酸化物層を、600℃〜900℃の範囲内で焼成する焼成工程と、を有することを特徴とする被覆正極活物質の製造方法を提供する。
本発明によれば、ALD法によりTi酸化物層を形成し、その後、焼成することにより、電子伝導性の向上と、サイクル特性の向上とを両立させた被覆正極活物質を得ることができる。
本発明においては、電子伝導性の向上と、サイクル特性の向上とを両立させた被覆正極活物質を得ることができるという効果を奏する。
本発明の被覆正極活物質の製造方法の一例を示す概略断面図である。 本発明におけるALD法を説明する概略断面図である。 実施例および比較例で得られた評価用電池に対するセル抵抗測定の結果である。 実施例および比較例で得られた評価用電池に対するサイクル特性評価の結果である。 実施例および比較例で作製した被覆正極活物質に対するXPS測定の結果である。 参考例で得られた評価用電池に対するセル抵抗測定の結果である。
以下、本発明の被覆正極活物質の製造方法について詳細に説明する。
図1は、本発明の被覆正極活物質の製造方法の一例を示す概略断面図である。図1においては、まず、LiおよびMnを含有し、かつ、スピネル構造を有する酸化物である正極活物質1を用意する(図1(a))。次に、正極活物質1の表面に、ALD法により、10層〜200層の範囲内のTi酸化物層2を形成する(図1(b))。次に、Ti酸化物層2を、600℃〜900℃の範囲内で焼成することにより、被覆正極活物質10を得る(図1(c))。
本発明によれば、ALD法によりTi酸化物層を形成し、その後、焼成することにより、電子伝導性の向上と、サイクル特性の向上とを両立させた被覆正極活物質を得ることができる。上記のように、焼成によって酸素欠損を導入することにより、電子伝導性の向上は図れるものの、サイクル特性が悪化するという問題がある。これに対して、本発明においては、Ti酸化物層を形成することで、活物質表面に酸素との結合性が高いTi元素を分布できる。そのため、焼成時に、酸素欠損の導入と、正極活物質へのTiの固溶とが生じ、電子伝導性の向上と、サイクル特性の向上とを両立させた被覆正極活物質を得ることができる。また、焼成によって酸素欠損を導入することにより、電子伝導性の向上は図れるものの、結晶性低下によるLiイオン伝導性の低下が考えられる。これに対して、Ti元素をドープすることで、結晶性低下を抑制でき、Liイオン伝導性の低下も抑制できると考えられる。
また、ALD法は、他の蒸着法に比べて、均一かつ薄い膜(Ti酸化物層)を形成できるという利点がある。ここで、ALD法、PLD法およびCVD法の特性を比較する。図2(a)に示すように、ALD法では、均一かつ薄い膜を形成できる。これに対して、図2(b)に示すように、PLD法では、そのメカニズム上、均一な膜が形成できない。同様に、図2(c)に示すように、CVD法では、そのメカニズム上、均一な膜が形成できない。さらに、厚さの均一性も低い。これに対して、本発明においては、ALD法を用いて、均一かつ薄い膜を形成できる。
以下、本発明の被覆正極活物質の製造方法について、構成ごとに説明する。
1.Ti酸化物層形成工程
本発明におけるTi酸化物層形成工程は、LiおよびMnを含有し、かつ、スピネル構造を有する酸化物である正極活物質の表面に、原子層堆積法により、10層〜200層の範囲内のTi酸化物層を形成する工程である。
(1)正極活物質
本発明における正極活物質は、LiおよびMnを含有し、かつ、スピネル構造を有する酸化物である。正極活物質に含まれるMnは、通常、4価である。また、本発明における正極活物質は、カチオンとして、LiおよびMnのみを含有していても良く、他の元素を含有していても良い。他の元素としては、例えば、Ni、Zr、Nb、V、Y、Wの少なくとも一種を挙げることができ、中でもNi、Zrが好ましい。また、本発明においては、正極活物質は、カチオンとして、Li、Mn、Niを含有することが好ましい。この場合、正極活物質は、さらに、Zr、Nb、V、Y、Wの少なくとも一種を含有していても良い。特に、本発明においては、正極活物質が、LiNiMn2−xであることが好ましい。xは、通常、0<x<2であり、0.5≦x≦1であることが好ましい。
本発明における正極活物質は、高い平均電位を有することが好ましい。具体的には、Li金属電位に対して4.5V以上であることが好ましく、4.55V以上であることがより好ましく、4.6V以上であることがさらに好ましい。なお、正極活物質の平均電位としては、例えば、サイクリックボルタンメトリ測定、3V−5Vの定電圧充放電測定(0.1mV/sec)により求めることができる。
正極活物質の形状は、特に限定されるものではないが、例えば粒子状を挙げることができる。粒子の平均粒径(D50)は、例えば0.1μm〜50μmの範囲内であることが好ましい。
(2)Ti酸化物層
本発明においては、上記正極活物質の表面に、ALD法により、10層〜200層の範囲内のTi酸化物層を形成する。
ALD法では、まず、正極活物質の表面に第1化合物(Ti源)を導入し、正極活物質の表面に吸着させ、その後、過剰の第1化合物をパージすることにより除去する。このようにして、第1化合物から構成される層を形成する。続いて、第1化合物から構成された層の表面に第2化合物(O源)を導入し、第1化合物から構成された層と反応させ、その後、過剰の第2化合物をパージすることにより除去する。このようにして、正極活物質の表面に、2種のプリカーサが反応した原子層を形成する。なお、この原子層が、1層のTi酸化物層に該当する。
本発明におけるプリカーサの種類としては、2種であっても良く、3種以上であっても良い。プリカーサとして用いられるTi源としては、例えば、TiCl、Ti[N(CH、Ti[N(C、Ti[N(C)CH等を挙げることができる。中でも、TiCl、Ti[N(CHが好ましい。なお、Ti源は、通常、4価のTiを含む。また、プリカーサとして用いられるO源としては、例えば、水、オゾン等を挙げることができる。
本発明においては、原子層(1層のTi酸化物層)の形成を繰り返す。そのサイクル数は、通常、10回以上であり、20回以上であることが好ましい。一方、上記サイクル数は、通常、200回以下であり、150回以下であることが好ましい。
また、ALD法における反応槽温度は、特に限定されないが、例えば200℃〜300℃の範囲内であることが好ましい。また、プリカーサを導入した後、パージにより過剰なプリカーサを除去する。パージガスとしては、例えば、Nガス、Arガス等が挙げられる。
本発明におけるTi酸化物層は、Ti元素およびO元素のみを含有していても良く、さらに他の元素を含有していても良い。なお、前者の場合、「のみ」には、原料由来の残渣は含まれないものとする。また、Ti酸化物層の厚さは、例えば0.5nm〜20nmの範囲内である。また、Ti酸化物層の被覆率は、例えば、70%以上であり、80%以上であることがより好ましく、90%以上であることがさらに好ましい。被覆率は、例えばX線光電子分光法(XPS)により求めることができる。また、本発明におけるTi酸化物層は、非晶質であることが好ましい。従来のCVD法やPLD法では、結晶性のTiO層が形成されるが、ALD法の場合、通常、結晶性のTiO層は形成されず、非晶質のTi酸化物層(TiO)が形成される。
2.焼成工程
本発明における焼成工程は、上記Ti酸化物層を、600℃〜900℃の範囲内で焼成する工程である。
焼成温度は、例えば600℃以上であり、650℃以上であることがより好ましく、700℃以上がより好ましい。焼成温度が低すぎると、Tiを正極活物質に固溶させることができない可能性がある。また、焼成温度は、例えば900℃以下であり、850℃以下であることが好ましく、800℃以下であることがより好ましい。焼成温度が高すぎると、目的としない結晶相(異相)が形成される可能性があるからである。焼成時間は、例えば1分間〜10時間の範囲内であり、1時間〜5時間の範囲内であることが好ましい。また、焼成雰囲気は、特に限定されるものではないが、不活性ガス雰囲気、大気雰囲気等を挙げることができる。
本発明においては、通常、焼成により、Ti酸化物層に含まれるTi元素を正極活物質内に固溶させる。Ti酸化物層に含まれるTi元素が正極活物質内に固溶していることは、X線光電子分光(XPS)測定により確認することができる。特に、本発明においては、Ti(2p)のピークが確認されないことが好ましい。セル抵抗を低くできるからである。
本発明においては、通常、焼成により、正極活物質表面に酸素欠損が生じる。正極活物質表面に酸素欠損が生じることは、TEM−EELSによる表面原子状態解析により確認することができる。酸素欠損量は、特に限定されるものではないが、例えば1%〜10%の範囲内であることが好ましい。なお、焼成前の正極活物質がLiNi0.5Mn1.5であり、焼成後の正極活物質がLiNi0.5Mn1.54−yである場合、酸素欠損量は、y/4となる。
3.被覆正極活物質
本発明により得られる被覆正極活物質は、リチウム電池に用いられることが好ましい。リチウム電池は、通常、正極活物質層と、負極活物質層と、上記正極活物質層および上記負極活物質層の間に形成された電解質層とを有する。
正極活物質層は、被覆正極活物質を含有する層であり、必要に応じて、導電化材および結着材の少なくとも一つをさらに含有していても良い。導電化材としては、例えば、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、カーボンファイバー等の炭素材料を挙げることができる。結着材としては、例えば、PTFE、PVDF等のフッ素含有結着材等を挙げることができる。また、正極活物質層の厚さは、例えば、0.1μm〜1000μmの範囲内であることが好ましい。
負極活物質層は、少なくとも負極活物質を含有する層であり、必要に応じて、導電化材および結着材の少なくとも一つをさらに含有していても良い。負極活物質としては、例えば、金属活物質およびカーボン活物質を挙げることができる。金属活物質としては、例えば、Li合金、In、Al、SiおよびSn等を挙げることができる。一方、カーボン活物質としては、例えば、メソカーボンマイクロビーズ(MCMB)、高配向性グラファイト(HOPG)等の黒鉛、ハードカーボンおよびソフトカーボン等の非晶質炭素等を挙げることができる。導電化および結着材は、上述した内容と同様である。負極活物質層の厚さは、例えば、0.1μm〜1000μmの範囲内であることが好ましい。
電解質層の形態は、特に限定されるものではなく、液体電解質層、固体電解質層、ゲル電解質層等を挙げることができる。液体電解質層は、通常、非水電解液を用いてなる層である。非水電解液の種類は、電池の種類に応じて異なるものであるが、例えばリチウム電池の非水電解液は、通常、リチウム塩および非水溶媒を含有する。リチウム塩としては、例えばLiPF、LiBF、LiClOおよびLiAsF等の無機リチウム塩;およびLiCFSO、LiN(CFSO、LiN(CSO、LiC(CFSO等の有機リチウム塩等を挙げることができる。非水溶媒としては、例えばエチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ブチレンカーボネート(BC)、γ−ブチロラクトン、スルホラン、アセトニトリル、1,2−ジメトキシメタン、1,3−ジメトキシプロパン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、および、これらの任意の混合物等を挙げることができる。
固体電解質材料としては、例えば、硫化物固体電解質材料、酸化物固体電解質材料、窒化物固体電解質材料、ハロゲン化物固体電解質材料等を挙げることができる。ゲル電解質層は、例えば、非水電解液にポリマーを添加してゲル化することで得ることができる。電解質層の厚さは、特に限定されるものではないが、例えば、0.1μm〜1000μmの範囲内であることが好ましく、0.1μm〜300μmの範囲内であることがより好ましい。
リチウム電池は、通常、正極活物質層の集電を行う正極集電体、および負極活物質層の集電を行う負極集電体を有する。また、リチウム電池は、一次電池であっても良く、二次電池であっても良いが、中でも、二次電池であることが好ましい。繰り返し充放電でき、例えば、車載用電池として有用だからである。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下に実施例を示して本発明をさらに具体的に説明する。
[実施例]
(被覆正極活物質の作製)
スピネル構造を有する正極活物質(LiNi0.5Mn1.5)を準備し、ALD法を用いて、正極活物質の表面にプリカーサを導入し、1層のTi酸化物層を形成した。なお、プリカーサとして、TiClおよびHOを用いた。プリカーサをガス化する温度は、ともに20℃であり、反応槽の温度は300℃とした。また、キャリアガスにはNガスを用いた。この操作を、10サイクル、100サイクルまたは200サイクル繰り返し、Ti酸化物層を得た。その後、それぞれのサンプルについて、大気雰囲気において、600℃、800℃、900℃で3時間焼成した。これにより、被覆正極活物質を得た。
(正極活物質層の作製)
まず、得られた被覆正極活物質に、アセチレンブラック(AB)を混合し、さらに、n−メチルピロリドン(NMP)に溶解したポリフッ化ビニリデン(PVDF)バインダーを添加してスラリーを作製した。被覆正極活物質とABとPVDFとの混合比(重量比(wt%))は、被覆正極活物質:AB:PVDF=85:10:5とした。次に、得られたスラリーを、正極集電体であるAl箔(厚み15μm)の表面にドクターブレード法を用いて塗布し、空気中において約80℃の条件下で乾燥してNMPを除去した。その後、得られたAl箔を130℃の条件下で10時間真空乾燥させ、続いて、プレスすることでAl箔と正極活物質層とを圧着して正極電極を作製した。なお、得られた正極活物質層の頂部(円形)の面積は、1.77cm(直径1.5cm)であった。
(負極活物質層の準備)
負極活物質としてグラファイトを用いた負極活物質層を準備した。
(電解質材料の作製)
エチレンカーボネート(EC)およびエチルメチルカーボネート(EMC)を体積比率EC:EMC=3:7で混合した。次に、得られた混合溶媒に、支持塩として濃度1mol/dmの六フッ化リン酸リチウム(LiPF)を溶解し、電解質材料を得た。
(評価用電池の作製)
上記の部材を用いて、CR2032型の2極式コインセル(評価用電池)を得た。
[比較例]
ALD法によるTi酸化物層の形成を行わなかったこと以外は、実施例と同様にして評価用電池を得た。また、Ti酸化物層の形成後に、焼成を行わなかったこと以外は、実施例と同様にして評価用電池を得た。
[評価]
(充放電試験)
実施例および比較例で得られた評価用電池を用いて、充放電試験を行った。試験極(正極)からLiを脱離させる過程を「充電」、試験極(正極)にLiを挿入させる過程を「放電」として、充放電試験を行った。測定には、充放電試験装置(北斗電工製 HJ−1001 SM8A)を用いた。まず、1サイクル目の充放電を電流値0.2mA/cm、3.5V〜4.9V、25℃の条件で行った。得られた容量から1Cレートを算出した。セル抵抗測定は、SOC60%に調整後、5C放電10秒後の加電圧から計算した。サイクル特性は、60℃2Cで充放電を行った。
セル抵抗測定の結果を図3に示す。図3に示すように、Ti酸化物層の層数が同じである場合、600℃〜900℃で焼成することにより、焼成しない場合に比べて、セル抵抗が低下した。特に、800℃で焼成した場合、焼成しない場合に比べて、セル抵抗が約25%も低下した。また、焼成しない場合、Ti酸化物層の層数が多くなるほど、セル抵抗が大きくなった。これに対して、600℃、800℃で焼成した場合、Ti酸化物層の層数が多くなっても、セル抵抗の低減が見られた。特に、800℃で焼成し、Ti酸化物層の層数が10層〜100層の場合に、セル抵抗が大幅に低下した。一方、900℃で焼成した場合、Ti酸化物層の層数が多くなるほど、セル抵抗が大きくなった。その原因として、高温焼成による粒子径の増大、および、異相の出現が考えられる。
また、サイクル特性の結果を図4に示す。図4に示すように、10層または100層のTi酸化物層を形成し、その後800℃で焼成したサンプルでは、初期容量の増加およびサイクル特性の向上が確認された。
(XPS測定)
実施例および比較例で作製した被覆正極活物質に対して、X線光電子分光(XPS)測定を行った。その結果を図5に示す。図5(a)に示すように、100層のTi酸化物層を形成した場合、Ti(2p)のピークが確認されたが、その後800℃で焼成したサンプルでは、そのピークは消失した。このことから、Ti酸化物層に含まれるTi元素が、活物質に固溶したと考えられる。一方、200層のTi酸化物層を形成し、その後800℃で焼成したサンプルでは、図5(b)に示すように、Ti(2p)のピークが458eV付近に僅かに確認された。上述した図3に示すように、同じ800℃で焼成した場合であっても、200層のTi酸化物層を形成した場合は、100層のTi酸化物層を形成した場合よりもセル抵抗が高かった。このことから、Ti元素が正極活物質の表面に残ると、セル抵抗が増加することが示唆された。
[参考例]
ALD法の代わりに、PLD(pulse laser deposition)法およびCVD(chemical vapor deposition)法を用いて、Ti酸化物層を形成した。Ti酸化物層の厚さは約1nmとした。これは、上述した実施例における10層のTi酸化物層の厚さに相当する。その後、800℃で焼成し、実施例と同様にして評価用電池を作製し、セル抵抗を測定した。その結果を図6に示す。図6に示すように、ALD法では、PLD法およびCVD法に比べて、セル抵抗が大幅に低かった。これは、PLD法およびCVD法では、活物質粒子に均一にコートできないが、ALD法では、活物質粒子に均一にコートできたことが示唆された。
1 … 正極活物質
2 … Ti酸化物層
10 … 被覆正極活物質

Claims (1)

  1. LiおよびMnを含有し、かつ、スピネル構造を有する酸化物である正極活物質の表面に、原子層堆積法により、10層〜200層の範囲内のTi酸化物層を形成するTi酸化物層形成工程と、
    前記Ti酸化物層を、600℃〜900℃の範囲内で焼成する焼成工程と、
    を有することを特徴とする被覆正極活物質の製造方法。
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