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JP2015198020A - 負極電極用表面処理銅箔、負極電極およびそれを使用したリチウムイオン二次電池 - Google Patents

負極電極用表面処理銅箔、負極電極およびそれを使用したリチウムイオン二次電池 Download PDF

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JP2015198020A
JP2015198020A JP2014075634A JP2014075634A JP2015198020A JP 2015198020 A JP2015198020 A JP 2015198020A JP 2014075634 A JP2014075634 A JP 2014075634A JP 2014075634 A JP2014075634 A JP 2014075634A JP 2015198020 A JP2015198020 A JP 2015198020A
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zinc
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JP2014075634A
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鈴木 昭利
Akitoshi Suzuki
昭利 鈴木
健作 篠崎
Kensaku Shinozaki
健作 篠崎
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Furukawa Electric Co Ltd
Original Assignee
Furukawa Electric Co Ltd
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Abstract

【課題】本発明は、活物質層形成時に100℃超え400℃以下の温度で10分以上の高温加熱処理を経た場合であっても、充放電を繰り返した後の放電容量保持率の低下を有効に防ぐことができるリチウムイオン二次電池等を提供する。
【解決手段】本発明のリチウムイオン二次電池負極用表面処理銅箔は、リチウムイオン二次電池の負極電極を構成し、銅箔の少なくとも一方の表面上に、亜鉛めっきまたは亜鉛合金めっき中にクロム酸化物を分散させてなる亜鉛系分散めっき層を有し、また、本発明のリチウムイオン二次電池の負極電極は、前記表面処理銅箔を有し、該表面処理銅箔の亜鉛系分散めっき層上に活物質層を有し、100℃超え400℃以下の温度で10分以上の熱履歴をもっている。
【選択図】なし

Description

本発明は、負極電極用表面処理銅箔、負極電極、ならびに、正極電極、負極集電体の表面に負極活物質層が形成された負極電極および非水電解質を備えるリチウムイオン二次電池に関するものである。
正極電極と、両面が平滑な銅箔からなる負極集電体の表面に、カーボン粒子を塗布、乾燥し、さらにプレスして形成した負極活物質層を有する負極電極と、非水電解質とを備えるリチウムイオン二次電池は、現在、携帯電話、スマートフォン、ノートタイプパソコン等に使用されている。このリチウムイオン二次電池の負極電極には、電解銅箔または圧延銅箔に防錆処理を施したものが使用されている。
前記リチウムイオン二次電池用負極電極の集電体に使用される電解銅箔としては、例えば特許文献1に記載されている。特許文献1には、粗面(M面)の粗さを小さくするとともに、粗面(M面)と光沢面(S面)の表面粗さの差も小さくした電解銅箔を負極の平面状集電体に用いることによって、プレス工程時に活物質表面に沿った変形が十分に起こり、活物質と集電体との接触性が良く、電気伝導度が大きくなる結果、電池の充放電サイクルを改善できることが示されている。
上記のような粗面(M面)の粗さと、粗面(M面)および光沢面(S面)の表面粗さの差の双方を小さく設定した電解銅箔は、硫酸銅−硫酸電解液に各種水溶性高分子物質、各種界面活性剤、各種有機イオウ系化合物、塩化物イオンなどを適宜選定して添加することによって製造され、製造された電解銅箔は、その銅箔の表面に、カーボン粒子(コークス材料粉末)、バインダ(結着材)および溶媒とともに混合して得られたスラリーを塗布し、乾燥した後、さらにプレスすることによって製造され、負極電極用銅箔として使用される。
このような電解銅箔は、通常、引張強さが300〜350MPa(N/mm)程度であり、前記カーボン粒子を活物質とした負極用銅箔として使用する場合には適度な伸びも併せもつ好適な材料である。
ところで近年、リチウムイオン二次電池の高容量化を目的として、充電の際に電気化学的にリチウムと合金化するシリコン、ゲルマニウム、錫などを負極活物質として用いるリチウムイオン二次電池が提案されている(例えば、特許文献2および3等)。
高容量化を目的としたリチウムイオン二次電池用電極(負極)は、CVD法やスパッタリング法により、銅箔などの集電体の上に、例えばシリコンを非晶質シリコン薄膜や微結晶シリコン薄膜として堆積し形成している。このような方法で作成した活物質の薄膜層は集電体に密着するため、良好な充放電サイクル特性を示すことが見出されている(例えば特許文献4等)。また、最近では粉末シリコンあるいはシリコン化合物をイミド系のバインダーと共に有機溶媒によりスラリー状にして銅箔上に塗布し、乾燥、プレスする形成方法も開発されている。(例えば特許文献5等)
しかし、このような、シリコン、ゲルマニウム、錫などを負極活物質として用いたリチウムイオン二次電池では、充電時にリチウムイオンを吸蔵することにより、活物質の体積が膨張し、さらに放電時にはリチウムイオンを放出して収縮する。中でも、シリコン活物質の場合には、活物質の体積膨張は約4倍にもなる。
こうした充放電に伴う活物質層の膨張及び収縮により、活物質が集電体から剥離する現象が見られる。この現象はカーボン活物質でも起こるが、特に活物質層の膨張が大きいシリコン系活物質ではより顕著に発生する。
また、活物質層が集電体と密着しているため、充放電の繰り返しにより活物質層の体積が膨張及び収縮すると、特にシリコン系活物質の場合には集電体に大きな応力が働き、活物質が集電体から剥離し、或いは集電体にしわが発生し、さらに多数回充放電を繰り返すと、集電体が破断するといった問題があった。
活物質が集電体から剥離すると、電池のサイクル放電容量保持率の低下が発生する。また、集電体の破断が起こると長時間安定した電池性能を維持することができないという問題が生じる。
従来こうした問題に対して、本発明者らは、引張強さが高く、破断伸びが大きい銅箔を採用することを提案しており、例えば特許文献6では、引張り強さが400N/mm以上で、伸びが4.5%以上13%未満であり、表面粗さRaが0.01〜1μmである電解銅箔を用いてリチウムイオン二次電池用電極を構成することを提案した。特許文献6では、活物質層にシリコン活物質を使用している例を示した上で、上記引張り強さと伸びの範囲に設定することによって、充放電の繰り返しによる集電体のしわ発生を防ぐことができ、また、箔の破断を防ぐことができることを見出したものである。
リチウムイオン二次電池用電極として上述したようにカーボン、シリコン、ゲルマニウムまたは錫を主成分とする活物質層を集電体上に形成した負極電極を用いた場合、充放電反応に伴い活物質層が集電体から剥離する場合がある。また、充放電反応に伴って活物質層の体積が膨張・収縮を繰り返すことによって、集電体に大きな応力が働き、集電体にしわなどの変形を生じさせる場合がある。さらに多数回充放電を繰り返すと集電体としての箔が破断するという問題があった。活物質が集電体から剥離すると、電池の放電容量保持率の低下が発生する。集電体にしわなどの変形が生じると、正極と負極が短絡しやすいという問題を生じる。また、集電体に破断が起こると長時間安定した電池性能を維持することができない。
ここで、活物質が集電体から剥離する現象は、集電体の表面処理と表面形状に大きく影響される。集電体の表面処理と表面形状は、スラリー活物質を塗布した場合の濡れ性が優れていることが重要である。また、乾燥、プレス後の活物質と集電体との密着性が高い表面処理或いは表面形状であることが重要である。このような集電体を用いることにより、電池の充放電を繰り返しても活物質が集電体から剥離することがなく、電池の放電容量保持率の低下を防ぐことが可能である。
従来のリチウムイオン電池用銅箔は、銅箔に無機防錆処理を施したものが主流である。例えば、前述の特許文献1にはクロメート処理を施した銅箔が記載されている。
こうした銅箔は、リチウムイオン二次電池負極集電体用銅箔として、現在、最も多く使用されている。しかし、この銅箔は室温での耐食性は確かに優れるが、100℃を超える高温で加熱処理を施した時の耐食性は、それほど優れているわけではなく、銅箔に活物質スラリーを塗布して加熱処理を行った時に、集電体用銅箔の表面が酸化する。銅箔表面の酸化皮膜は、酸化第一銅(CuO)、酸化第二銅(CuO)が主成分であるが、通常は酸化第二銅(CuO)の比率の方が大きい。
上記のように、銅箔表面に酸化皮膜が形成されると、活物質と負極集電体用銅箔の密着強度が低下して、活物質が集電体から剥離しやすくなり、電池の放電容量保持率の低下が発生する。
カーボン系活物質を使用する場合の負極の作製方法は、負極集電体である銅箔上にカーボン粒子、導電剤をバインダー、溶媒中に分散させスラリー状にした物質を塗布した後、100℃前後の温度で加熱乾燥し、さらにプレスを行う。
溶媒には水又はNMP(1−メチル−2−ピロリドン)を使用し、水を使用する場合にはバインダーとしてSBR(スチレンブタジエンコポリマー)を使用し、NMPを使用する場合にはバインダーとしてPVDF(ポリフッ化ビニリデン)を使用して、これらにカーボン粒子、導電剤を混練りしスラリー状にした後、銅箔上にスラリーの塗布を行う。この場合は、特許文献1に記載されているように単に銅箔に防錆処理のみを施した銅箔を使用しても、乾燥時の加熱温度が100℃前後と低いので銅箔表面がほとんど酸化しないため、銅箔と活物質との密着強度も低下することはない。
これに対して、シリコン系活物質を使用する場合の負極の作製方法は、負極集電体である銅箔上にシリコン粒子或いはシリコン化合物粒子、導電剤をバインダー、溶媒中に分散させスラリー状にした物質を塗布した後、乾燥及び焼結を行い、さらにプレスを行う。このときの乾燥及び焼結は、通常120℃〜400℃の高温で加熱することにより行う。
溶媒にはNMPを使用し、バインダーとしてポリイミド、ポリアミド、ポリイミドアミド等を使用して、これらにシリコン粒子或いはシリコン化合物粒子、導電剤を混練りしスラリー状にした後、銅箔上にスラリーの塗布を行う。このとき、表面未処理の銅箔や、特許文献1に記載されているように単に銅箔に防錆処理のみを施した銅箔を使用すると、カーボン系活物質を使用する場合に比べて加熱温度が高いので、銅箔表面は酸化して銅箔と活物質との密着強度が弱くなる。
特許第3742144号公報 特開平7−201318号公報 特開平10−255768号公報 特開2002−083594号公報 特開2007−227328号公報 WO2010−110205号
本発明は、活物質層が形成される銅箔の少なくとも一方の表面に、適正な表面処理層を形成することにより、活物質層形成時における100℃超え400℃以下の温度で10分以上の高温加熱処理を経た場合であっても、集電体用銅箔の表面が酸化するのを抑制して、銅箔と活物質との密着強度低下を防止することにより、充放電を繰り返した後の放電容量保持率の低下を有効に防ぐことができる、負極電極用銅箔、負極電極およびそれを使用した、高寿命で、小型化可能なリチウムイオン二次電池を提供することを目的とする。
本発明の要旨構成は、以下のとおりである。
(1)リチウムイオン二次電池の負極電極を構成する負極電極用表面処理銅箔であって、銅箔の少なくとも一方の表面上に、亜鉛めっきまたは亜鉛合金めっき中にクロム酸化物を分散させてなる亜鉛系分散めっき層を有する負極電極用表面処理銅箔。
(2)前記亜鉛系分散めっき層上に、防錆処理層をさらに有する上記(1)に記載の負極電極用表面処理銅箔。
(3)リチウムイオン二次電池を構成する負極電極であって、該負極電極は、銅箔の少なくとも一方の表面上に、亜鉛めっきまたは亜鉛合金めっき中にクロム酸化物を分散させてなる亜鉛系分散めっき層を有する表面処理銅箔を有し、該表面処理銅箔の前記亜鉛系分散めっき層上に活物質層を有し、100℃超え400℃以下の温度で10分以上の熱履歴をもつ負極電極。
(4)リチウムイオン二次電池を構成する負極電極であって、該負極電極は、銅箔の少なくとも一方の表面上に、亜鉛めっきまたは亜鉛合金めっき中にクロム酸化物を分散させてなる亜鉛系分散めっき層と防錆処理層とを有する表面処理銅箔を備え、該表面処理銅箔の防錆処理層上に活物質層を有し、100℃超え400℃以下の温度で10分以上の熱履歴をもつ負極電極。
(5)前記活物質層が、活物質、バインダーおよび溶媒を混練りしスラリー状としたものを、前記銅箔の少なくとも一方の表面上に形成した前記亜鉛系分散めっき層上、または亜鉛系分散めっき層上に防錆処理層を有する場合には該防錆処理層上に、塗布、加熱およびプレスしたものであることを特徴とする上記(3)または(4)に記載の負極電極。
(6)前記活物質層が、シリコン、ゲルマニウムまたは錫を主成分とする活物質で形成されている上記(3)、(4)または(5)に記載の負極電極。
(7)上記(3)〜(6)のいずれか1項に記載の負極電極を使用したリチウム二次イオン電池。
本発明は、活物質層が形成される銅箔の少なくとも一方の表面に、亜鉛めっきまたは亜鉛合金めっき中にクロム酸化物を分散させてなる亜鉛系分散めっき層を形成することにより、室温(25℃)における耐食性が優れるとともに、活物質層形成時における100℃超え400℃以下の温度で10分以上の高温加熱処理を経た場合であっても、集電体用銅箔の表面が酸化するのを抑制して、銅箔と活物質との密着強度低下を防止することにより、充放電を繰り返した後の放電容量保持率の低下を有効に防ぐことができる、負極電極用銅箔、負極電極およびそれを使用した、高寿命で、小型化可能なリチウムイオン二次電池の提供が可能になった。
さらに、本発明は、前記亜鉛系分散めっき層上に、防錆処理層をさらに有することによって、室温(25℃)における耐食性がより一層向上すると共に、前記高温加熱処理を経た場合における集電体用銅箔の表面の酸化もより一層抑制することができる。
本発明は、リチウムイオン二次電池の負極電極を構成する負極電極用銅箔であって、亜鉛めっきまたは亜鉛合金めっき中にクロム酸化物を分散させてなる亜鉛系分散めっき層を、前記銅箔の少なくとも一方の表面上に有する負極電極用銅箔である。
本発明に従う負極電極用表面処理銅箔の用いる銅箔としては、例えば、引張り強さが、300〜800MPaの引張強さ、および2〜15%の伸びを有する電解銅箔や、電解銅合金箔、圧延銅箔、圧延銅合金箔を用いることが好ましいが、かかる構成だけには限定されない。
電解銅箔及び電解銅合金箔は、アノード(正極電極)に貴金属酸化物被覆チタン電極、カソード(負極電極)にはチタン製回転ドラムを用いて、アノードとカソードの間に硫酸銅−硫酸系の電解液を流して、高電流密度で電解することにより製造することができる。使用する電解液は、硫酸銅−硫酸系の電解液に有機添加剤を加えた溶液が使用される。電解銅箔を製造する場合には電解液に有機添加剤のみを加えるが、電解銅合金箔を製造する場合には電解液中にさらに金属イオンを添加する。一例として、以下に電解銅箔製造用電解液および電解条件を示す。
<銅箔製造用電解液および電解条件>
銅イオン濃度 70〜130g/L
硫酸 80〜140g/L
3−メルカプト1−プロパンスルホン酸ナトリウム 1〜5ppm
ヒドロキシエチルセルロース 5〜15ppm
膠 10〜35ppm
エチレンチオ尿素 1〜5ppm
ポリプロピレングリコール 1〜5ppm
ポリエチレングリコールジメチルエーテル 1〜5ppm
液温 40〜60℃
電流密度 30〜100A/dm2
圧延銅箔、圧延銅合金は、まず直方体の鋳塊を作成した後、圧延ロールの間を多数回通すことにより製造を行うことができる。圧延銅箔は銅の鋳塊を作成したのち、圧延を行う。これに対して圧延銅合金箔は、銅にZn、Sn、P、Fe、Ni、Cr、Si、Zr等を加えて鋳塊を作成したのち、圧延を行う。
銅箔の少なくとも一方の表面上に有する亜鉛系分散めっき層は、亜鉛めっき、または亜鉛−ニッケル合金めっき、亜鉛−鉄合金めっき、亜鉛−コバルト合金めっきのような亜鉛合金めっき中に、クロム酸化物を分散させてなるめっき層であって、例えば、亜鉛めっき溶液または亜鉛合金めっき溶液中にクロムイオンを含む溶液中で、銅箔を陰極として電解を行った後、水洗、乾燥することにより形成することができる。
亜鉛−クロム酸化物分散めっき層および亜鉛合金−クロム酸化物分散めっき層の形成条件としては、特に限定はされない。それぞれの代表的なめっき条件の例を、下記に示す。
[亜鉛−クロム酸化物分散めっき条件]
ZnSO・7HO 0.05〜10g/L
NaOH 10〜50g/L
Cr 2〜10g/L
pH 7〜13
温度(℃) 20〜50
陰極電流密度(A/dm) 0.05〜5
[亜鉛−ニッケル合金−クロム酸化物分散めっき条件]
ZnCl 0.1〜10g/L
NiCl 0.1〜10g/L
(NHCl 0.1〜100g/L
Cr 1〜5g/L
pH 2〜7
温度(℃) 20〜50
陰極電流密度(A/dm) 0.05〜5
銅箔の表面に形成(析出)させる亜鉛付着量としては、0.003〜3mg/dmが最適である。亜鉛付着量が0.003mg/dmを下回ると、100℃超えの温度で加熱した場合に、集電体用銅箔の表面が酸化するのを十分に抑制できなくなる傾向があり、銅箔と活物質との密着強度が低下するおそれがあるため好ましくない。一方、亜鉛−クロム酸化物分散めっき層の形成においては、共析するクロム酸化物によって亜鉛の析出が阻害されるため、3.0mg/dmを上回る亜鉛を析出させることは難しい。
銅箔表面に亜鉛めっきまたは亜鉛合金めっきが施されているリチウムイオン二次電池負極集電体用銅箔は、シリコン系活物質作成時の100℃超え400℃以下の温度で10分以上の加熱処理を施した後でも銅箔表面の酸化を防ぎ、酸化銅の発生を防ぐ効果がある。
これに対して、亜鉛−クロム酸化物分散めっきまたは亜鉛合金−クロム酸化物分散めっきが施されている銅箔は、室温における耐食性が亜鉛めっきまたは亜鉛合金めっきを行ったものより優れており、また、100℃超え400℃以下の温度で10分以上の加熱処理を行った後の銅の酸化を顕著に抑制する効果がある。
従って、銅箔と活物質間の密着性が優れており、充電放電を行った後の放電容量保持率の低下を抑えることができる。
さらに、亜鉛−クロム酸化物分散めっきまたは亜鉛合金−クロム酸化物分散めっきが施され、さらに防錆処理が施されている銅箔は、室温中に保管する際の耐食性をさらに高めることができ、また、100℃超400℃以下の温度で10分以上の加熱処理を行った後の銅の酸化をさらに抑制することができる。
銅箔表面に、亜鉛量として0.003〜3mg/dmめっきした亜鉛めっき−クロム酸化物分散めっき、または亜鉛合金−クロム酸化物分散めっきが施されているリチウムイオン二次電池負極集電体用銅箔は、室温(25℃)における耐食性を向上させることができ、また、シリコン系活物質形成時に行なわれる100℃超え400℃以下の高温加熱処理を経た場合であっても、銅箔表面の酸化を防ぎ、酸化銅の発生を防ぐ効果がある。この結果、銅箔と活物質間の密着強度の低下を防ぐことができ、さらに、充放電を繰り返した後の放電容量保持率の低下を防ぐことができる。
また、本発明では、前記亜鉛系分散めっき層上に、防錆処理層をさらに有することが、室温(25℃)における耐食性をより一層向上させると共に、前記高温加熱処理を経た場合における集電体用銅箔の表面の酸化もより一層抑制することができる。
防錆処理層としては、特に限定はしないが、例えば、クロメート処理等の無機防錆処理により形成した無機防錆層、ベンゾトリアゾール処理等の有機防錆処理による形成した有機防錆層、シランカップリング剤処理により形成したシランカップリング層等が挙げられる。
クロメート処理は、CrO或いはKCr等を水に溶解して水溶液にして、その水溶液中に銅箔を浸漬した後、水洗、乾燥するか、或いは水溶液中で銅箔を陰極として電解を行った後、水洗、乾燥することにより処理が行なわれる。
ベンゾトリアゾール処理は、ベンゾトリアゾール或いはベンゾトリアゾール誘導体を有機溶媒或いは水に溶解して、その溶液中に銅箔を浸漬した後、乾燥することにより処理が行なわれる。
シランカップリング剤処理は、シランカップリング剤を有機溶媒或いは水に溶解して、その溶液中に銅箔を浸漬した後、乾燥することにより処理が行なわれる。ここで使用されるシランカップリング剤としては、ビニルシラン、エポキシシラン、スチリルシラン、メタクリルシラン、アクリルシラン、アミノシラン、ウレイドシラン、メルカプトシラン、スルフィドシラン、イソシアネートシラン等が挙げられる。
さらに、上記クロメート処理、ベンゾトリアゾール処理、シランカップリング剤処理を組み合わせて使用しても良い。
本発明の負極電極は、リチウムイオン二次電池を構成する負極電極であって、上述した負極電極用銅箔を用い、この負極電極用銅箔を構成する亜鉛系分散めっき層上、または亜鉛系分散めっき層上に防錆処理層を有する場合には該防錆処理層上に、活物質層を形成し、かつ、この活物質層の形成時に、100℃超え400℃以下の温度で10分以上の高温加熱処理を経て製造されたものであって、上述した本発明に従う負極電極用銅箔を用いているので、室温(25℃)における耐食性に優れ、また、前記高温加熱処理を経た本発明の負極電極は、銅箔表面の酸化を有効に抑制できるため、銅箔と活物質間の密着強度の低下が防げるとともに、充放電を繰り返した後の放電容量保持率の低下も防ぐことができる。
本発明における活物質層は、リチウムを吸蔵・放出する物質であり、リチウムを合金化することにより吸蔵する活物質であることが好ましい。このような活物質材料としては、カーボン、シリコン、ゲルマニウム、錫、鉛、亜鉛、マグネシウム、ナトリウム、アルミニウム、カリウム、インジウムなどが挙げられる。これらの中でも、シリコン、ゲルマニウム及び錫がその高い理論容量から好ましく用いられる。従って、本発明において用いる活物質層は、シリコン、ゲルマニウムまたは錫を含む層、特にこれらを主成分とする層であることが好ましい。シリコン、ゲルマニウムまたは錫を含む活物質層としては、たとえば、カーボン中に20〜30%程度のシリコンを含むものなどが挙げられる。
本発明における活物質層は、活物質をバインダー、溶媒とともにスラリー状にして、塗布、乾燥、プレスすることにより形成する方法が望ましい。
本発明においては、銅箔(集電体)は、電池の高容量化の観点から厚みの薄いものであることが好ましく、活物質層は、銅箔(集電体)の、前記分散めっき層、または分散めっき層および防錆処理層を形成した片面または両面上に形成することができる。
本発明における活物質層には、予めリチウムが吸蔵または添加されていてもよい。リチウムは、活物質層を形成する際に添加してもよい。すなわち、リチウムを含有する活物質層を形成することにより、活物質層にリチウムを含有させる。また、活物質層を形成した後に、活物質層にリチウムを吸蔵または添加させてもよい。活物質層にリチウムを吸蔵または添加させる方法としては、電気化学的にリチウムを吸蔵または添加させる方法が挙げられる。
本発明の負極電極は、リチウム二次イオン電池に使用するのが好適である。本発明のリチウムイオン二次電池において用いる非水電解質は、溶媒に溶質を溶解した電解質である。非水電解質の溶媒としては、リチウムイオン二次電池に使用される溶媒であれば特に限定されないが、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ビニレンカーボネートなどの環状カーボネートや、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネートなどの鎖状カーボネートが挙げられる。好ましくは、環状カーボネートと鎖状カーボネートとの混合溶媒が用いられる。また、上記環状カーボネートと、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタンなどのエーテル系溶媒や、γ−ブチロラクトン、スルホラン、酢酸メチル等の鎖状エステル等との混合溶媒を用いてもよい。
非水電解質の溶質としては、リチウムイオン二次電池に用いられる溶質であれば特に限定されるものではなく、例えば、LiPF6、LiBF4、LiCF3SO3、LiN(CF3SO22、LiN(C25SO22、LiN(CF3SO2)(C49SO2)、LiC(CF3SO23、LiC(C25SO23、LiAsF6、LiClO4、Li210Cl10、Li212Cl12などが挙げられる。特に、LiXFy(式中、XはP、As、Sb、B、Bi、Al、Ga、またはInであり、XがP、AsまたはSbのときyは6であり、XがB、Bi、Al、Ga、またはInのときyは4である。)と、リチウムペルフルオロアルキルスルホン酸イミドLiN(Cm2m+1SO2)(Cn2n+1SO2)(式中、m及びnはそれぞれ独立して1〜4の整数である。)またはリチウムペルフルオロアルキルスルホン酸メチドLiC(Cp2p+1SO2)(Cq2q+1SO2)(Cr2r+1SO2)(式中、p、q及びrはそれぞれ独立して1〜4の整数である。)との混合溶質が好ましく用いられる。これらの中でも、LiPF6とLiN(C25SO22との混合溶質が特に好ましく用いられる。
また、非水電解質として、ポリエチレンオキシド、ポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデンなどのポリマー電解質に電解液を含浸したゲル状ポリマー電解質や、LiI、Li3Nなどの無機固体電解質を用いることができる。
本発明のリチウムイオン二次電池の電解質は、イオン導電性を発現させる溶質としてのLi化合物とこれを溶解・保持する溶媒が電池の充電時や放電時あるいは保存時の電圧で分解しない限り、制約なく用いることができる。
また、正極に用いる正極活物質としては、LiCoO2、LiNiO2、LiMn24、LiMnO2、LiCo0.5Ni0.52、LiNi0.7Co0.2Mn0.12などのリチウム含有遷移金属酸化物や、MnO2などのリチウムを含有していない金属酸化物が例示される。また、この他にも、リチウムを電気化学的に挿入・脱離する物質であれば、制限なく用いることができる。
以下、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施することが可能なものである。
(実施例1〜7および比較例1〜6)
[未処理銅箔(銅箔基体)の製造]
実施例1〜7は、下記に示す銅箔製造用電解液を用い、アノード(正極電極)には貴金属酸化物被覆チタン電極、カソード(陰極電極)にはチタン製回転ドラムを用いて、10μm厚みの未処理銅箔を電解製箔法によって作製した。また、比較例1〜6も、実施例1と同様にして10μm厚みの未処理銅箔(銅箔基体)を作製した。得られた銅箔基体は、引張強さ=480MPa、伸び=13.0%であり、表面粗さは、銅箔基体の粗面(M面)では、算術平均粗さRaが0.30μm、十点平均粗さRzが1.3μmであり、光沢面(S面)では、Raが0.35μm、Rzが1.8μmであった。
<銅箔製造用電解液および電解条件>
銅イオン濃度 90g/L
硫酸 100g/L
3−メルカプト1−プロパンスルホン酸ナトリウム 1.0ppm
ヒドロキシエチルセルロース 4.5ppm
膠 10.0ppm
エチレンチオ尿素 2.5ppm
ポリプロピレングリコール 4.0ppm
ポリエチレングリコールジメチルエーテル 1.5ppm
液温 60℃
電流密度 50A/dm2
[負極集電体の作製]
(実施例1)
10μm厚さの銅箔のM面上に、以下の浴組成および電解条件により、亜鉛付着量にして0.2mg/dmの厚さで亜鉛−クロム酸化物分散めっきを行った。クロムの付着量は、0.02mg/dmであった。
<亜鉛−クロム酸化物分散めっき浴組成及び電解条件>
ZnSO・7HO 8g/L
NaOH 30g/L
Cr 5g/L
pH 13
温度(℃) 25
陰極電流密度(A/dm) 1
(実施例2)
10μm厚さの銅箔のM面上に、実施例1と同じ浴組成および電解条件で電解時間だけを長くすることにより、亜鉛付着量にして3.0mg/dmの厚さの亜鉛−クロム酸化物分散めっき層を形成した。クロムの付着量は、0.04mg/dmであった。
(実施例3)
10μm厚さの銅箔のM面上に、以下の浴組成および電解条件により、亜鉛付着量にして0.2mg/dmの厚さの亜鉛−ニッケル合金−クロム酸化物分散めっき層を形成した。クロムの付着量は、0.02mg/dmであった。
<亜鉛−ニッケル合金−クロム酸化物分散めっき浴組成および電解条件>
ZnCl 8g/L
NiCl 8g/L
(NHCl50g/L
Cr 5g/L
pH 4
温度(℃) 25
陰極電流密度(A/dm) 1
(実施例4)
10μm厚さの銅箔のM面上に、実施例3と同じ浴組成および電解条件で電解時間だけを長くすることにより、亜鉛付着量にして3.0mg/dmの厚さで亜鉛−ニッケル合金−クロム酸化物分散めっき層を形成した。クロムの付着量は、0.04mg/dmであった。
(実施例5)
10μm厚さの銅箔のM面上に、実施例1と同じ浴組成および電解条件により、亜鉛付着量にして0.2mg/dmの厚さの亜鉛−クロム酸化物分散めっき層を形成した後、以下の浴組成および処理条件で浸漬し、乾燥することによってクロメート処理を行い、亜鉛−クロム酸化物分散めっき層上に、防錆処理層であるクロメート層を形成した。クロムの付着量(分散めっき層中のクロム含有量とクロメート層中のクロム含有量の合計)は、Cr量に換算して0.04mg/dmであった。
<クロメート浴組成および処理条件>
Cr 1〜10g/L
温度(℃)25℃
処理時間 1〜10秒
(実施例6)
10μm厚さの銅箔のM面上に、実施例1と同様の浴組成および電解条件により、亜鉛付着量にして0.2mg/dmの厚さで亜鉛−クロム酸化物分散めっき層を形成した。クロムの付着量は、0.02mg/dmであった。その後、以下の浴組成および処理条件により、ベンゾトリアゾールを含む溶液に浸漬し乾燥を行う防錆処理により、亜鉛−クロム酸化物分散めっき層上に、防錆処理層を形成した。
<ベンゾトリアゾール(BTA)溶液組成および処理条件>
HCl 0.2M/L
NHCl 1.0M/L
BTA 0.2M/L
pH 0.7
温度(℃)25℃
(実施例7)
10μm厚さの銅箔のM面上に、実施例1と同様の浴組成および電解条件により、亜鉛付着量にして0.2mg/dmの厚さで亜鉛−クロム酸化物分散めっき層を形成した。クロムの付着量は、0.02mg/dmであった。その後、以下の浴組成および処理条件により、アミノシランを含む溶液に浸漬し乾燥を行う防錆処理により、亜鉛−クロム酸化物分散めっき層上に、防錆処理層を形成した。
<シランカップリング剤溶液組成および電解条件>
γ−アミノプロピルトリメトキシシラン 0.1〜10g/L
温度(℃)20〜50℃
(比較例1)
10μm厚さの銅箔のM面上に、以下の浴組成および処理条件で浸漬し、乾燥することによってクロメート処理を行い、クロメート層を形成した。クロメートの付着量は、Cr量に換算して0.03mg/dmであった。
<クロメート浴組成および処理条件>
Cr 1〜10g/L
温度(℃)25℃
処理時間 1〜10秒
(比較例2)
10μm厚さの銅箔のM面上に、以下の浴組成および処理条件で浸漬し、乾燥することによって防錆処理を行い、防錆処理層を形成した。
<ベンゾトリアゾール(BTA)溶液組成および処理条件>
HCl 0.2M/L
NHCl 1.0M/L
BTA 0.2M/L
pH 0.7
温度(℃) 25℃
(比較例3)
10μm厚さの銅箔のM面上に、以下の浴組成および処理条件で浸漬し、乾燥することによって防錆処理を行い、防錆処理層を形成した。
<シランカップリング剤溶液組成および電解条件>
γ−アミノプロピルトリメトキシシラン 0.1〜10g/L
温度(℃)20〜50℃
(比較例4)
10μm厚さの銅箔のM面上に、以下の浴組成および電解条件により、亜鉛付着量にして0.002mg/dmの厚さで亜鉛めっきを行った。
<亜鉛めっき浴組成および電解条件>
ZnSO・7HO 250〜450g/L
(NHSO 10〜50g/L
pH 3〜4.5
温度(℃) 40〜55
陰極電流密度(A/dm) 0.5〜30
(比較例5)
10μm厚さの銅箔のM面上に、比較例4と同じ浴組成および電解条件で電解時間だけを長くすることにより、亜鉛析出量にして0.2mg/dmの厚さの亜鉛めっき層を形成した。
(比較例6)
10μm厚さの銅箔のM面上に、以下の浴組成および電解条件により、亜鉛付着量にして0.2mg/dmの厚さの亜鉛−ニッケル合金めっき層を形成した。
<亜鉛−ニッケル合金めっき浴組成および電解条件>
ZnCl 90〜110g/L
NiCl 120〜140g/L
(NHCl 120〜140g/L
アンモニア水(28%) 40〜60ml/L
pH 5.6〜5.8
温度(℃) 33〜37
陰極電流密度(A/dm) 2〜6
なお、銅箔表面の金属付着量の測定は、蛍光X線分析装置((株)リガク製ZSXPrimus、分析径:φ35mm)にて行なった。
活物質については、平均粒子径100nmのSiOを使用した。活物質64%に、アセチレンブラック粉(AB)16%、さらにバインダーとして、ポリイミドの前駆体であるポリアミック酸をNMP溶媒に溶解したポリアミック酸20%溶液を混合してスラリーを調製した。次いで、上記の方法で種々の処理層を形成した銅箔のM面上に、スラリーを塗布し塗工膜をほぼ均一なシートとし、乾燥し、プレス機で圧縮して銅箔(集電体)上に活物質層を密着接合させ、更に減圧乾燥させて試験電極(負極電極)を作製した。この後、下記に示す条件で乾燥及び焼結を行った後、φ20mmに打ち抜き電極とした。
<溶剤乾燥条件>
120℃×10分
<焼結条件>
220℃×10分→300℃×10分→330℃×30分
上記の電極を負極とし、金属リチウム箔を対極および参照極として、1.3モル/LのLiPF6(溶質)/エチレンカーボネート(EC)+エチルメチルカーボネート(EMC)+ジメチルカーボネート(DMC)(EC:EMC:DMC=2:5:3(体積比))溶液を電解液として、三極セルを作製した。
この三極セルにおける負極電極の評価は、次の方法により、温度25℃で行った。
[充放電試験方法]
<放電レート(Cレート)の算出>
試験極中の活物質量により、Cレートを以下の通りに算出した。なお、Cレートとは、電池の全容量を1時間で放電させる電流量をいう。例えば、活物質がSiである場合、1C=4,000mAh/gである。
<初回条件>
充電:0.1C相当電流で定電流充電し、0.02V(対Li/Li)到達後、定電位充電し、充電電流が0.05C相当に低下した時点で終了した。
放電:0.1C相当電流で定電流放電し、1.5Vになった時点で終了した。
<充放電サイクル条件>
初回充放電試験を実施した後、同じ0.1C相当電流で100サイクルまで充放電を繰り返した。
上記評価による100サイクル後の集電体面の放電容量保持率(%)を表1に示す。なお、100サイクル後の放電容量保持率(%)は、以下の式により算出した。
(100サイクル後の放電容量保持率%)=[(100サイクル後の放電容量)/(最大放電容量)]×100
Figure 2015198020
表1の結果から、実施例1〜7は、いずれもシリコン系活物質層形成時(より具体的には乾燥・焼結時)の120〜330℃の加熱温度で60分の熱履歴を経た後であっても、充放電を100回繰り返した後の放電容量保持率はいずれも80〜84%と高いレベルを維持していた。また、実施例1〜7で比較すると、実施例1と2、および実施例3と4の比較から、前記放電容量保持率は、亜鉛系分散めっき層の膜厚が厚いほど高くなること、また、実施例1と実施例5〜7との比較から、前記放電容量保持率は、亜鉛系分散めっき層上に防錆処理層を形成した場合の方が高くなることが分かる。
これに対して、従来の防錆処理層のみを形成した銅箔を用いた比較例1〜3は、いずれもシリコン系活物質層形成時(より具体的には乾燥・焼結時)の120〜330℃の加熱温度で60分の熱履歴を経た後の前記放電容量保持率はいずれも67〜68%と低かった。また、実施例1の亜鉛−クロム酸化物分散めっき層の代わりに、亜鉛めっき層を銅箔に形成した比較例4(亜鉛付着量:0.002mg/dm)および比較例5(亜鉛付着量:0.2mg/dm),ならびに実施例1の亜鉛−クロム酸化物分散めっき層の代わりに、亜鉛−ニッケル合金めっき層を銅箔に形成した比較例6(亜鉛付着量:0.2mg/dm)は、いずれも、シリコン系活物質層形成時(より具体的には乾燥・焼結時)の120〜330℃の加熱温度で60分の熱履歴を経た後の前記放電容量保持率はいずれも65〜78%と低かった。
なお、上記実施例は、いずれも活物質がシリコンの酸化物の場合について記載したが、本発明者らは、ゲルマニウム、錫を主成分とする活物質を使った場合についても同様な評価を行い、上記実施例と同様の結果が得られることを確認した。
本発明は、活物質層が形成される銅箔の少なくとも一方の表面に、亜鉛めっきまたは亜鉛合金めっき中にクロム酸化物を分散させてなる亜鉛系分散めっき層を形成することにより、室温(25℃)における耐食性が優れるとともに、活物質層形成時における100℃超え400℃以下の温度で10分以上の高温加熱処理を経た場合であっても、集電体用銅箔の表面が酸化するのを抑制して、銅箔と活物質との密着強度低下を防止することにより、充放電を繰り返した後の容量保持率の低下を有効に防ぐことができる、負極電極用銅箔、負極電極およびそれを使用した、高寿命で、小型化可能なリチウムイオン二次電池の提供が可能になった。
さらに、本発明は、前記亜鉛系分散めっき層上に、防錆処理層をさらに有することによって、室温(25℃)における耐食性がより一層向上すると共に、前記高温加熱処理を経た場合における集電体用銅箔の表面の酸化もより一層抑制することができる。

Claims (7)

  1. リチウムイオン二次電池の負極電極を構成する負極電極用表面処理銅箔であって、銅箔の少なくとも一方の表面上に、亜鉛めっきまたは亜鉛合金めっき中にクロム酸化物を分散させてなる亜鉛系分散めっき層を有する負極電極用表面処理銅箔。
  2. 前記亜鉛系分散めっき層上に、防錆処理層をさらに有する請求項1に記載の負極電極用表面処理銅箔。
  3. リチウムイオン二次電池を構成する負極電極であって、該負極電極は、銅箔の少なくとも一方の表面上に、亜鉛めっきまたは亜鉛合金めっき中にクロム酸化物を分散させてなる亜鉛系分散めっき層を有する表面処理銅箔を有し、該表面処理銅箔の前記亜鉛系分散めっき層上に活物質層を有し、100℃超え400℃以下の温度で10分以上の熱履歴をもつ負極電極。
  4. リチウムイオン二次電池を構成する負極電極であって、該負極電極は、銅箔の少なくとも一方の表面上に、亜鉛めっきまたは亜鉛合金めっき中にクロム酸化物を分散させてなる亜鉛系分散めっき層と防錆処理層とを有する表面処理銅箔を備え、該表面処理銅箔の防錆処理層上に活物質層を有し、100℃超え400℃以下の温度で10分以上の熱履歴をもつ負極電極。
  5. 前記活物質層が、活物質、バインダーおよび溶媒を混練りしスラリー状としたものを、前記銅箔の少なくとも一方の表面上に形成した前記亜鉛系分散めっき層上、または亜鉛系分散めっき層上に防錆処理層を有する場合には該防錆処理層上に、塗布、加熱およびプレスしたものであることを特徴とする請求項3または4に記載の負極電極。
  6. 前記活物質層が、シリコン、ゲルマニウムまたは錫を含む活物質で形成されている請求項3、4または5に記載の負極電極。
  7. 請求項3〜6のいずれか1項に記載の負極電極を使用したリチウム二次イオン電池。
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