JP2015193909A - スパッタリングターゲット及びその製造方法並びにスパッタリング法で形成した膜 - Google Patents
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Abstract
【課題】スパッタリング時にパーティクルの発生が少なく、さらには、銅シード層を形成することなく無電解銅めっきにより銅又は銅合金配線を形成することができるバリア膜及びバリア膜形成用スパッタリングターゲット及びその製造方法の提供。
【解決手段】Coを含有し、残余がW及び不可避的不純物からなるターゲットであって、WxCoy(40≦x≦90、10≦y≦60、単位:at%)の組成を有し、ガス成分を除く不純物含有量が50wtppm以下であるスパッタリングターゲット及びその製造方法。
【選択図】図1
【解決手段】Coを含有し、残余がW及び不可避的不純物からなるターゲットであって、WxCoy(40≦x≦90、10≦y≦60、単位:at%)の組成を有し、ガス成分を除く不純物含有量が50wtppm以下であるスパッタリングターゲット及びその製造方法。
【選択図】図1
Description
本発明は、半導体デバイスにおける銅配線の拡散防止層として機能するバリア膜などの形成に適したスパッタリングターゲット及び該バリア膜に関する。
一般に、銅配線を形成する際、SiO2などの絶縁膜上に直接銅配線を形成すると、銅が絶縁膜中に拡散してデバイス性能を劣化させることから、バリア膜を予め形成し、その後銅配線を形成することが行われている。例えば、銅配線を形成する溝の凹部にタンタルターゲットを用いてスパッタリングによりタンタル又は窒化タンタルを成膜してバリア膜を形成し、次いで銅あるいは銅合金からなるシード層をスパッタリングにより成膜した後、電気めっきで銅を埋め込むことで、配線を形成することが行われている。
半導体デバイスの配線幅は集積化に伴って更に狭くなる方向に向かっており、バリア膜の性能の向上が求められている。本出願人は、以前、無電解銅めっき液に含まれる銅イオンと置換めっきが可能で、銅に対してバリア性をもつ金属B(W、Mo)と、イオン化傾向が金属Bよりも小さい金属A(Ni、Co、Sn)からなるバリア合金薄膜を提供した(特許文献1)。このような組成からなるバリア膜とすることで、触媒金属層を予め形成することなく、銅シード層の形成を可能にするという技術である。
上記のバリア層は、スパッタリング合金ターゲットを用いて作製されるが、この合金組成からなるターゲットは、スパッタリングの際パーティクルを発生しやすく、膜質を低下させるという問題があった。なお、このようなターゲットに関する先行技術としては、半導体バリア膜形成用Ni−Wからなる焼結体ターゲット(特許文献2)、高密度コバルト−タングステン・スパッタリングターゲット(特許文献3)、ハードディスク下地膜形成用CoW系ターゲット(特許文献4)、磁気記録媒体用W−Co合金ターゲット(特許文献5)などが知られている。
本発明は、スパッタリング時にパーティクルの発生が少なく、さらには、銅シード層を形成することなく無電解銅めっきにより銅又は銅合金配線を形成することができるバリア膜並びに該バリア膜形成用スパッタリングターゲット及びその製造方法を提供することを課題とする。
上記の課題を解決するために、本発明者は鋭意研究を行った結果、ターゲットの特性を改善することにより、スパッタリング時のパーティクル発生を抑制することができ、ターゲット組成のさらになる最適化によって、銅シード層を形成することなく、無電解めっきによる銅配線の形成が可能となることを見出した。
このような知見に基づき、本発明者は、以下の発明を提供する。
1)Coを含有し、残余がW及び不可避的不純物からなるターゲットであって、WxCoy(40≦x≦90、10≦y≦60、単位:at%)の組成を有し、ガス成分を除く不純物含有量が50wtppm以下であることを特徴とするスパッタリングターゲット。
2)ガス成分を除く不純物含有量が30wtppm以下であることを特徴とする上記1)記載のスパッタリングターゲット。
3)ガス成分を除く不純物含有量が10wtppm以下であることを特徴とする上記2)記載のスパッタリングターゲット。
4)相対密度が99.5%以上であることを特徴とする上記1)〜3)のいずれか一記載のスパッタリングターゲット。
5)平均粒径が1〜5μmのW粉末と平均粒径が1〜5μmのCo粉末を、WxCoy(40≦x≦90、10≦y≦60、単位:at%)の配合比となるように混合し、この混合粉を加圧力:200〜300kgf/mm2、焼結温度:1300〜1450℃、保持時間:60〜120分でホットプレスにより焼結することを特徴とするスパッタリングターゲットの製造方法。
6)Coを含有し、残余がW及び不可避的不純物からなり、WxCoy(40≦x≦90、10≦y≦60、単位:at%)の組成を有することを特徴とする膜。
1)Coを含有し、残余がW及び不可避的不純物からなるターゲットであって、WxCoy(40≦x≦90、10≦y≦60、単位:at%)の組成を有し、ガス成分を除く不純物含有量が50wtppm以下であることを特徴とするスパッタリングターゲット。
2)ガス成分を除く不純物含有量が30wtppm以下であることを特徴とする上記1)記載のスパッタリングターゲット。
3)ガス成分を除く不純物含有量が10wtppm以下であることを特徴とする上記2)記載のスパッタリングターゲット。
4)相対密度が99.5%以上であることを特徴とする上記1)〜3)のいずれか一記載のスパッタリングターゲット。
5)平均粒径が1〜5μmのW粉末と平均粒径が1〜5μmのCo粉末を、WxCoy(40≦x≦90、10≦y≦60、単位:at%)の配合比となるように混合し、この混合粉を加圧力:200〜300kgf/mm2、焼結温度:1300〜1450℃、保持時間:60〜120分でホットプレスにより焼結することを特徴とするスパッタリングターゲットの製造方法。
6)Coを含有し、残余がW及び不可避的不純物からなり、WxCoy(40≦x≦90、10≦y≦60、単位:at%)の組成を有することを特徴とする膜。
本発明は、スパッタリング時にパーティクルの発生が少なく、さらには、銅シード層を形成することなく無電解銅めっきにより銅又は銅合金配線を形成することができるという優れた効果を有する。また、本発明のターゲットを用いて形成したバリア膜は、銅の拡散を効果的に防止することできるともに、その後に形成される配線用銅めっき膜との間で優れためっき性及び密着性を示す。
本発明のスパッタリングターゲットは、Coを含有し、残余がW及び不可避的不純物からなり、不可避的不純物(ガス成分を除く)の含有量が50wtppm以下であることを特徴とするものである。ターゲット中に含まれる不可避的不純物としては、アルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属などがある。これらの金属不純物はCoの含有量に依存し、Coの含有量が多いほど不純物が増加する傾向にある。このような不純物の混入は、半導体膜又は絶縁膜を汚染する可能性があり、また、スパッタの際、パーティクルの発生量を増加させる。したがって、これらの含有量を50wtppm以下、また30wtppm以下、さらには10wtppm以下まで低減することが好ましい。なお、ガス成分としては、N、O、H、C、Sが挙げられる。
Wは、配線材として使用される銅に対してバリア性を有し、Coは、無電解めっき液に含まれる銅イオンと置換めっきが可能で、かつ銅に対してバリア性を有する。Coを含まず、W単体からなる金属上に無電解銅めっきを行う場合、めっき膜の析出が島状となり、均一な成膜は困難となる。したがって、前述した性質を有するWとCoを、WxCoy(40≦x≦90、10≦y≦60、単位:at%)の組成比で合金化することで、良好なバリア性、めっき性、密着性を付与することができる。
また、本発明のスパッタリングターゲットは、相対密度が99.5%以上とすることが好ましい。後述するように、本発明のスパッタリングターゲットは粉末焼結によって作製されるものであるが、ターゲットの相対密度が低いと、スパッタリングの際、パーティクルの発生量が増加してしまい、その結果、膜質を低下させることになる。なお、相対密度は次式から算出することができる。
相対密度(%)=(計測重量/測定体積)/理論密度×100
但し、本発明のタングステンコバルト合金スパッタリングターゲットの理論密度は、タングステンとコバルトの体積比にそれぞれの理論密度を掛けて合わせて算出されるため、理論密度はターゲットの組成によって異なる。
相対密度(%)=(計測重量/測定体積)/理論密度×100
但し、本発明のタングステンコバルト合金スパッタリングターゲットの理論密度は、タングステンとコバルトの体積比にそれぞれの理論密度を掛けて合わせて算出されるため、理論密度はターゲットの組成によって異なる。
本発明のスパッタリングターゲットを用いて形成される膜は、ターゲットそのものと実質的に同一組成からなることを特徴とする。一般に、銅配線を形成する場合、バリア膜を形成した後、銅あるいは銅合金からなるシード層を形成し、その後電気銅めっきで銅の埋め込みが行われる。しかし、本発明のバリア膜では、Coを10〜60at%(10≦y≦60)とすることで、バリア性を維持しつつ、銅シード層を形成することなく、無電解めっきによる銅の埋め込みを可能とすることができる。
タングステン中に含まれるコバルトの量が少ないと、Wによるバリア性が良好であっても、めっき性、密着性が低下する傾向にある。スパッタリング法等によりシード層を形成することで、この問題を解決することができるが、シード層の形成をなくすという観点から、タングステン中のコバルト量を35〜60at%(35≦y≦60)の範囲とするのが、より好ましい量である。なお、コバルト量が60at%を超えると、バリア性、めっき性、密着性が悪化するという問題が生じるので、y≦60とする。
本発明のスパッタリングターゲットは、ガス成分を除く純度5N以上、平均粒径1〜5μmのW粉末と、ガス成分を除く純度3N以上、平均粒径1〜5μmのCo粉末とを、WxCoy(40≦x≦90、10≦y≦60、単位:at%)の配合比となるように混合し、この混合粉を加圧力:200〜300kgf/mm2、焼結温度:1300〜1450℃、保持時間:60〜120分でホットプレスにより焼結して製造することができる。
焼結温度が1300℃未満であると、密度不足により成膜時にパーティクルが大量に発生することがあり、一方、1450℃超であると、タングステンとコバルトの合金化合物層が溶融してしまう。また、保持時間は、60分未満であると、密度不足により成膜時にパーティクルが大量に発生することがあり、一方、120分では、十分な密度が得られるが、それより長い保持時間は生産効率を落とす要因となる。また、加圧力が200kgf/mm2未満とすると、密度不足により成膜時にパーティクルが大量に発生するという問題が発生し、一方、300kgf/mm2超とすると、焼結時に使用するカーボンモールドへの負荷が大きくなり、カーボンモールドに割れが発生するという問題が生じるため、好ましくない。
以下、実施例および比較例に基づいて説明する。なお、本実施例はあくまで一例であり、この例によって何ら制限されるものではない。すなわち、本発明は特許請求の範囲によってのみ制限されるものであり、本発明に含まれる実施例以外の種々の変形を包含するものである。
(実施例1)
原料粉末として、純度5N以上、平均粒径3μmのW粉末と、純度3N以上、平均粒径4μmのCo粉末を用意し、これらの粉末をW90Co10(at%)となるように調合し、ボールミル中で混合した。次に、この混合粉末を、カーボンモールド中に充填し、真空雰囲気中、温度:1420℃、加圧力:240kgf/mm2、保持時間:2時間で、ホットプレスした。この結果、相対密度99.9%の焼結体が得られた。次にこれを研削及び研磨加工して、直径80mm、厚さ5mmのスパッタリングターゲットを作製した。
原料粉末として、純度5N以上、平均粒径3μmのW粉末と、純度3N以上、平均粒径4μmのCo粉末を用意し、これらの粉末をW90Co10(at%)となるように調合し、ボールミル中で混合した。次に、この混合粉末を、カーボンモールド中に充填し、真空雰囲気中、温度:1420℃、加圧力:240kgf/mm2、保持時間:2時間で、ホットプレスした。この結果、相対密度99.9%の焼結体が得られた。次にこれを研削及び研磨加工して、直径80mm、厚さ5mmのスパッタリングターゲットを作製した。
ターゲット中の代表的な不純物の含有量は、Na:0.13wtppm、Al:1.7wtppm、K:0.05wtppm、Ca:0.02wtppm、Cr:0.63wtppm、Fe:1.3wtppm、Ni:0.21wtppm、Cu:0.11wtppm、C:40wtppm、O:700wtppmであり、その他の不純物を含めた合計含有量(ガス成分は除く)は10wtppm未満であった。また、ターゲットのSEM画像を図1に示す。W組織中にCo粒が均一に分散しているのが観察できる。
このように加工した焼結体のスパッタリングターゲットを純銅製バッキングプレートに接合した後、このターゲットをスパッタ装置に取り付け、基板として単結晶Siを対向させてスパッタリングを実施した。スパッタリングは、アルゴン雰囲気中、印加電圧12kW、成膜時間50秒で行った。これにより、10nmの膜がシリコン基板上に形成された。このときのパーティクル発生の状況を観察した。次に、その合金膜上に、無電解めっきにより8nmの銅を成膜した。無電解めっきは、めっき液(硫酸銅:0.02mol/L、エチレンジアミン四酢酸塩:0.21mol/L、グリオキシル酸:0.03mol/L、2,2’−ビピリジル:20mg/L)を用いて、pH:12.5(調整剤:水酸化カリウム)、50℃×30〜40秒の条件で実施した。
次に、バリア性を調べるために、バリア膜を介して銅膜を形成した基板を350℃、1時間、真空アニール処理し、AESデプスプロファイル測定により銅の拡散状況を調べた。また、めっき性を調べるために、基板にバリア膜を介して形成した銅膜の表面をSEMにより観察し、穴径10nm以上の孔の有無を観察した。さらに、密着性を調べるため、基板にバリア膜を介して形成した銅膜の表面にセロハンテープ(CT24、ニチバン製)を張り付け、指の腹でめっき面に密着させた後、テープを剥して膜の剥離の有無を観察した。
以上の結果を表1に示す。表1に示すように、実施例1のW90Co10薄膜は、シリコン基板への銅の拡散が認められず、バリア層として優れた効果を有することが確認できた。また、無電解めっきによる銅のめっき性及び密着性も、良好な結果を示した。そして、パーティクルの発生も極めて少なく、バリア層として安定した成膜が可能であることを確認できた。
以上の結果を表1に示す。表1に示すように、実施例1のW90Co10薄膜は、シリコン基板への銅の拡散が認められず、バリア層として優れた効果を有することが確認できた。また、無電解めっきによる銅のめっき性及び密着性も、良好な結果を示した。そして、パーティクルの発生も極めて少なく、バリア層として安定した成膜が可能であることを確認できた。
(実施例2)
原料粉末として、純度5N以上、平均粒径4μmのW粉末と、純度3N以上、平均粒径3μmのCo粉末を用意し、これらの粉末をW80Co20(at%)となるように調合し、ボールミル中で混合した。次に、この混合粉末を、カーボンモールド中に充填し、真空雰囲気中、温度:1420℃、加圧力:240kgf/mm2、保持時間:2時間で、ホットプレスした。この結果、相対密度99.8%の焼結体が得られた。次にこれを研削及び研磨加工して、直径80mm、厚さ5mmのスパッタリングターゲットを作製した。
原料粉末として、純度5N以上、平均粒径4μmのW粉末と、純度3N以上、平均粒径3μmのCo粉末を用意し、これらの粉末をW80Co20(at%)となるように調合し、ボールミル中で混合した。次に、この混合粉末を、カーボンモールド中に充填し、真空雰囲気中、温度:1420℃、加圧力:240kgf/mm2、保持時間:2時間で、ホットプレスした。この結果、相対密度99.8%の焼結体が得られた。次にこれを研削及び研磨加工して、直径80mm、厚さ5mmのスパッタリングターゲットを作製した。
ターゲット中の不純物(ガス成分は除く)の合計含有量は15wtppm未満であった。また図には示していないが、W組織中にCo粒が均一に分散しているのが観察できた。次にこのように加工したターゲットをバッキングプレートに接合後、実施例1と同様の条件でスパッタリングを実施した。このときパーティクル発生の状況を観察した。次にその合金膜上に無電解めっきにより9nmの銅を成膜した。無電解めっきは、実施例1と同様の条件で実施した。
次に、実施例1と同様の方法を用いて、バリア性、めっき性、密着性を調べた。その結果、表1に示すように、実施例2のW80Co20薄膜は、シリコン基板への銅の拡散が認められず、バリア層として優れた効果を有することが確認できた。また、無電解めっきによる銅のめっき性及び密着性も、良好な結果を示した。そして、パーティクルの発生も極めて少なく、バリア層として安定した成膜が可能であることを確認できた。
(実施例3)
原料粉末として、純度5N以上、平均粒径3μmのW粉末と、純度3N以上、平均粒径4μmのCo粉末を用意し、これらの粉末をW60Co40(at%)となるように調合し、ボールミル中で混合した。次に、この混合粉末を、カーボンモールド中に充填し、真空雰囲気中、温度:1420℃、加圧力:240kgf/mm2、保持時間:2時間で、ホットプレスした。この結果、相対密度99.8%の焼結体が得られた。次にこれを研削及び研磨加工して、直径80mm、厚さ5mmのスパッタリングターゲットを作製した。
原料粉末として、純度5N以上、平均粒径3μmのW粉末と、純度3N以上、平均粒径4μmのCo粉末を用意し、これらの粉末をW60Co40(at%)となるように調合し、ボールミル中で混合した。次に、この混合粉末を、カーボンモールド中に充填し、真空雰囲気中、温度:1420℃、加圧力:240kgf/mm2、保持時間:2時間で、ホットプレスした。この結果、相対密度99.8%の焼結体が得られた。次にこれを研削及び研磨加工して、直径80mm、厚さ5mmのスパッタリングターゲットを作製した。
ターゲット中の代表的な不純物の含有量は、Na:0.11wtppm、Al:11.3wtppm、K:0.05wtppm、Ca:0.04wtppm、Cr:1.4wtppm、Fe:5.6wtppm、Ni:0.84wtppm、Cu:0.75wtppm、C:40wtppm、O:720wtppmであり、その他の不純物を含めた合計含有量(ガス成分は除く)は15wtppm未満であった。また、図2に示すように、W組織中にCo粒が均一に分散しているのが観察できた。次にこのように加工したターゲットをバッキングプレートに接合後、実施例1と同様の条件でスパッタリングを実施した。このときパーティクル発生の状況を観察した。次に、その合金膜上に無電解めっきにより8nmの銅を成膜した。無電解めっきは、実施例1と同様の条件で実施した。
次に、実施例1と同様の方法を用いて、バリア性、めっき性、密着性を調べた。その結果、表1に示すように、実施例3のW60Co40薄膜は、シリコン基板への銅の拡散が認められず、バリア層として優れた効果を有することが確認できた。また、無電解めっきによる銅のめっき性及び密着性も、良好な結果を示した。そして、パーティクルの発生も極めて少なく、バリア層として安定した成膜が可能であることを確認できた。
(実施例4)
原料粉末として、純度5N以上、平均粒径4μmのW粉末と、純度3N以上、平均粒径4μmのCo粉末を用意し、これらの粉末をW50Co50(at%)となるように調合し、ボールミル中で混合した。次に、この混合粉末を、カーボンモールド中に充填し、真空雰囲気中、温度:1420℃、加圧力:240kgf/mm2、保持時間:2時間で、ホットプレスした。この結果、相対密度99.9%の焼結体が得られた。次にこれを研削及び研磨加工して、直径80mm、厚さ5mmのスパッタリングターゲットを作製した。
原料粉末として、純度5N以上、平均粒径4μmのW粉末と、純度3N以上、平均粒径4μmのCo粉末を用意し、これらの粉末をW50Co50(at%)となるように調合し、ボールミル中で混合した。次に、この混合粉末を、カーボンモールド中に充填し、真空雰囲気中、温度:1420℃、加圧力:240kgf/mm2、保持時間:2時間で、ホットプレスした。この結果、相対密度99.9%の焼結体が得られた。次にこれを研削及び研磨加工して、直径80mm、厚さ5mmのスパッタリングターゲットを作製した。
ターゲット中の不純物(ガス成分は除く)の合計含有量は30wtppm未満であった。また図には示していないが、W組織中にCo粒が均一に分散しているのが観察できた。次にこのように加工したターゲットをバッキングプレートに接合後、実施例1と同様の条件でスパッタリングを実施した。このときパーティクル発生の状況を観察した。次にその合金膜上に無電解めっきにより10nmの銅を成膜した。無電解めっきは、実施例1と同様の条件で実施した。
次に、実施例1と同様の方法を用いて、バリア性、めっき性、密着性を調べた。その結果、表1に示すように、実施例4のW50Co50薄膜は、シリコン基板への銅の拡散が認められず、バリア層として優れた効果を有することが確認できた。また、無電解めっきによる銅のめっき性及び密着性も、良好な結果を示した。そして、パーティクルの発生も極めて少なく、バリア層として安定した成膜が可能であることを確認できた。
(実施例5)
原料粉末として、純度5N以上、平均粒径4μmのW粉末と、純度3N以上、平均粒径3μmのCo粉末を用意し、これらの粉末をW85Co15(at%)となるように調合し、ボールミル中で混合した。次に、この混合粉末を、カーボンモールド中に充填し、真空雰囲気中、温度:1420℃、加圧力:240kgf/mm2、保持時間:2時間で、ホットプレスした。この結果、相対密度99.8%の焼結体が得られた。次にこれを研削及び研磨加工して、直径80mm、厚さ5mmのスパッタリングターゲットを作製した。
原料粉末として、純度5N以上、平均粒径4μmのW粉末と、純度3N以上、平均粒径3μmのCo粉末を用意し、これらの粉末をW85Co15(at%)となるように調合し、ボールミル中で混合した。次に、この混合粉末を、カーボンモールド中に充填し、真空雰囲気中、温度:1420℃、加圧力:240kgf/mm2、保持時間:2時間で、ホットプレスした。この結果、相対密度99.8%の焼結体が得られた。次にこれを研削及び研磨加工して、直径80mm、厚さ5mmのスパッタリングターゲットを作製した。
ターゲット中の不純物(ガス成分は除く)の合計含有量は10wtppm未満であった。また図には示していないが、W組織中にCo粒が均一に分散しているのが観察できた。次にこのように加工したターゲットをバッキングプレートに接合後、実施例1と同様の条件でスパッタリングを実施した。このときパーティクル発生の状況を観察した。次にその合金膜上に無電解めっきにより10nmの銅を成膜した。無電解めっきは、実施例1と同様の条件で実施した。
次に、実施例1と同様の方法を用いて、バリア性、めっき性、密着性を調べた。その結果、表1に示すように、実施例5のW85Co15薄膜は、シリコン基板への銅の拡散が認められず、バリア層として優れた効果を有することが確認できた。また、無電解めっきによる銅のめっき性及び密着性も、良好な結果を示した。そして、パーティクルの発生も極めて少なく、バリア層として安定した成膜が可能であることを確認できた。
(実施例6)
原料粉末として、純度5N以上、平均粒径4μmのW粉末と、純度3N以上、平均粒径4μmのCo粉末を用意し、これらの粉末をW76Co24(at%)となるように調合し、ボールミル中で混合した。次に、この混合粉末を、カーボンモールド中に充填し、真空雰囲気中、温度:1420℃、加圧力:240kgf/mm2、保持時間:2時間で、ホットプレスした。この結果、相対密度99.8%の焼結体が得られた。次にこれを研削及び研磨加工して、直径80mm、厚さ5mmのスパッタリングターゲットを作製した。
原料粉末として、純度5N以上、平均粒径4μmのW粉末と、純度3N以上、平均粒径4μmのCo粉末を用意し、これらの粉末をW76Co24(at%)となるように調合し、ボールミル中で混合した。次に、この混合粉末を、カーボンモールド中に充填し、真空雰囲気中、温度:1420℃、加圧力:240kgf/mm2、保持時間:2時間で、ホットプレスした。この結果、相対密度99.8%の焼結体が得られた。次にこれを研削及び研磨加工して、直径80mm、厚さ5mmのスパッタリングターゲットを作製した。
ターゲット中の不純物(ガス成分は除く)の合計含有量は15wtppm未満であった。また図には示していないが、W組織中にCo粒が均一に分散しているのが観察できた。次にこのように加工したターゲットをバッキングプレートに接合後、実施例1と同様の条件でスパッタリングを実施した。このときパーティクル発生の状況を観察した。次にその合金膜上に無電解めっきにより10nmの銅を成膜した。無電解めっきは、実施例1と同様の条件で実施した。
次に、実施例1と同様の方法を用いて、バリア性、めっき性、密着性を調べた。その結果、表1に示すように、実施例6のW76Co24薄膜は、シリコン基板への銅の拡散が認められず、バリア層として優れた効果を有することが確認できた。また、無電解めっきによる銅のめっき性及び密着性も、良好な結果を示した。そして、パーティクルの発生も極めて少なく、バリア層として安定した成膜が可能であることを確認できた。
(実施例7)
原料粉末として、純度5N以上、平均粒径3μmのW粉末と、純度3N以上、平均粒径3μmのCo粉末を用意し、これらの粉末をW64Co36(at%)となるように調合し、ボールミル中で混合した。次に、この混合粉末を、カーボンモールド中に充填し、真空雰囲気中、温度:1420℃、加圧力:240kgf/mm2、保持時間:2時間で、ホットプレスした。この結果、相対密度99.9%の焼結体が得られた。次にこれを研削及び研磨加工して、直径80mm、厚さ5mmのスパッタリングターゲットを作製した。
原料粉末として、純度5N以上、平均粒径3μmのW粉末と、純度3N以上、平均粒径3μmのCo粉末を用意し、これらの粉末をW64Co36(at%)となるように調合し、ボールミル中で混合した。次に、この混合粉末を、カーボンモールド中に充填し、真空雰囲気中、温度:1420℃、加圧力:240kgf/mm2、保持時間:2時間で、ホットプレスした。この結果、相対密度99.9%の焼結体が得られた。次にこれを研削及び研磨加工して、直径80mm、厚さ5mmのスパッタリングターゲットを作製した。
ターゲット中の不純物(ガス成分は除く)の合計含有量は15wtppm未満であった。また図には示していないが、W組織中にCo粒が均一に分散しているのが観察できた。次にこのように加工したターゲットをバッキングプレートに接合後、実施例1と同様の条件でスパッタリングを実施した。このときパーティクル発生の状況を観察した。次にその合金膜上に無電解めっきにより10nmの銅を成膜した。無電解めっきは、実施例1と同様の条件で実施した。
次に、実施例1と同様の方法を用いて、バリア性、めっき性、密着性を調べた。その結果、表1に示すように、実施例7のW64Co36薄膜は、シリコン基板への銅の拡散が認められず、バリア層として優れた効果を有することが確認できた。また、無電解めっきによる銅のめっき性及び密着性も、良好な結果を示した。そして、パーティクルの発生も極めて少なく、バリア層として安定した成膜が可能であることを確認できた。
(実施例8)
原料粉末として、純度5N以上、平均粒径4μmのW粉末と、純度3N以上、平均粒径3μmのCo粉末を用意し、これらの粉末をW42Co58(at%)となるように調合し、ボールミル中で混合した。次に、この混合粉末を、カーボンモールド中に充填し、真空雰囲気中、温度:1420℃、加圧力:240kgf/mm2、保持時間:2時間で、ホットプレスした。この結果、相対密度99.9%の焼結体が得られた。次にこれを研削及び研磨加工して、直径80mm、厚さ5mmのスパッタリングターゲットを作製した。
原料粉末として、純度5N以上、平均粒径4μmのW粉末と、純度3N以上、平均粒径3μmのCo粉末を用意し、これらの粉末をW42Co58(at%)となるように調合し、ボールミル中で混合した。次に、この混合粉末を、カーボンモールド中に充填し、真空雰囲気中、温度:1420℃、加圧力:240kgf/mm2、保持時間:2時間で、ホットプレスした。この結果、相対密度99.9%の焼結体が得られた。次にこれを研削及び研磨加工して、直径80mm、厚さ5mmのスパッタリングターゲットを作製した。
ターゲット中の不純物(ガス成分は除く)の合計含有量は30wtppm未満であった。また図には示していないが、W組織中にCo粒が均一に分散しているのが観察できた。次にこのように加工したターゲットをバッキングプレートに接合後、実施例1と同様の条件でスパッタリングを実施した。このときパーティクル発生の状況を観察した。次にその合金膜上に無電解めっきにより10nmの銅を成膜した。無電解めっきは、実施例1と同様の条件で実施した。
次に、実施例1と同様の方法を用いて、バリア性、めっき性、密着性を調べた。その結果、表1に示すように、実施例8のW42Co58薄膜は、シリコン基板への銅の拡散が認められず、バリア層として優れた効果を有することが確認できた。また、無電解めっきによる銅のめっき性及び密着性も、良好な結果を示した。そして、パーティクルの発生も極めて少なく、バリア層として安定した成膜が可能であることを確認できた。
(比較例1)
原料粉末として、純度3N以上、平均粒径3μmのW粉末と、純度3N以上、平均粒径3μmのCo粉末を用意し、これらの粉末をW90Co10(at%)となるように調合し、ボールミル中で混合した。次に、この混合粉末を、カーボンモールド中に充填し、真空雰囲気中、温度:1420℃、加圧力:240kgf/mm2、保持時間:2時間で、ホットプレスした。この結果、相対密度99.7%の焼結体が得られた。次にこれを研削及び研磨加工して、直径80mm、厚さ5mmのスパッタリングターゲットを作製した。
原料粉末として、純度3N以上、平均粒径3μmのW粉末と、純度3N以上、平均粒径3μmのCo粉末を用意し、これらの粉末をW90Co10(at%)となるように調合し、ボールミル中で混合した。次に、この混合粉末を、カーボンモールド中に充填し、真空雰囲気中、温度:1420℃、加圧力:240kgf/mm2、保持時間:2時間で、ホットプレスした。この結果、相対密度99.7%の焼結体が得られた。次にこれを研削及び研磨加工して、直径80mm、厚さ5mmのスパッタリングターゲットを作製した。
ターゲット中の不純物(ガス成分は除く)の合計含有量は500wtppm超であった。次に、このように加工したターゲットをバッキングプレートに接合後、実施例1と同様の条件でスパッタリングを実施した。このときパーティクル発生の状況を観察した。次にその合金膜上に無電解めっきにより8nmの銅を成膜した。無電解めっきは、実施例1と同様の条件で実施した。
次に、実施例1と同様の方法を用いて、バリア性、めっき性、密着性を調べた。その結果、表1に示すように、比較例1のW90Co10薄膜は、シリコン基板への銅の拡散が認められず、バリア層として優れた効果を有することが確認できた。また、無電解めっきによる銅のめっき性及び密着性も、良好な結果を示した。しかし、パーティクル量が実施例に比べて増加し、安定したバリア膜の成膜が困難となった。
(比較例2)
原料粉末として、純度3N以上、平均粒径4μmのW粉末と、純度3N以上、平均粒径4μmのCo粉末を用意し、これらの粉末をW80Co20(at%)となるように調合し、ボールミル中で混合した。次に、この混合粉末を、カーボンモールド中に充填し、真空雰囲気中、温度:1420℃、加圧力:240kgf/mm2、保持時間:2時間で、ホットプレスした。この結果、相対密度99.9%の焼結体が得られた。次にこれを研削及び研磨加工して、直径80mm、厚さ5mmのスパッタリングターゲットを作製した。
原料粉末として、純度3N以上、平均粒径4μmのW粉末と、純度3N以上、平均粒径4μmのCo粉末を用意し、これらの粉末をW80Co20(at%)となるように調合し、ボールミル中で混合した。次に、この混合粉末を、カーボンモールド中に充填し、真空雰囲気中、温度:1420℃、加圧力:240kgf/mm2、保持時間:2時間で、ホットプレスした。この結果、相対密度99.9%の焼結体が得られた。次にこれを研削及び研磨加工して、直径80mm、厚さ5mmのスパッタリングターゲットを作製した。
ターゲット中の不純物(ガス成分は除く)の合計含有量は650wtppm超であった。次に、このように加工したターゲットをバッキングプレートに接合後、実施例1と同様の条件でスパッタリングを実施した。このときパーティクル発生の状況を観察した。次にその合金膜上に無電解めっきにより9nmの銅を成膜した。無電解めっきは、実施例1と同様の条件で実施した。
次に、実施例1と同様の方法を用いて、バリア性、めっき性、密着性を調べた。その結果、表1に示すように、比較例2のW80Co20薄膜は、シリコン基板への銅の拡散が認められず、バリア層として優れた効果を有することが確認できた。また、無電解めっきによる銅のめっき性及び密着性も、良好な結果を示した。しかし、パーティクル量が実施例に比べて増加し、安定したバリア膜の成膜が困難となった。
(比較例3)
原料粉末として、純度3N以上、平均粒径4μmのW粉末と、純度3N以上、平均粒径3μmのCo粉末を用意し、これらの粉末をW60Co40(at%)となるように調合し、ボールミル中で混合した。次に、この混合粉末を、カーボンモールド中に充填し、真空雰囲気中、温度:1420℃、加圧力:240kgf/mm2、保持時間:2時間で、ホットプレスした。この結果、相対密度99.8%の焼結体が得られた。次にこれを研削及び研磨加工して、直径80mm、厚さ5mmのスパッタリングターゲットを作製した。
原料粉末として、純度3N以上、平均粒径4μmのW粉末と、純度3N以上、平均粒径3μmのCo粉末を用意し、これらの粉末をW60Co40(at%)となるように調合し、ボールミル中で混合した。次に、この混合粉末を、カーボンモールド中に充填し、真空雰囲気中、温度:1420℃、加圧力:240kgf/mm2、保持時間:2時間で、ホットプレスした。この結果、相対密度99.8%の焼結体が得られた。次にこれを研削及び研磨加工して、直径80mm、厚さ5mmのスパッタリングターゲットを作製した。
ターゲット中の不純物(ガス成分は除く)の合計含有量は700wtppm超であった。次に、このように加工したターゲットをバッキングプレートに接合後、実施例1と同様の条件でスパッタリングを実施した。このときパーティクル発生の状況を観察した。次にその合金膜上に無電解めっきにより8nmの銅を成膜した。無電解めっきは、実施例1と同様の条件で実施した。
次に、実施例1と同様の方法を用いて、バリア性、めっき性、密着性を調べた。その結果、表1に示すように、比較例3のW60Co40薄膜は、シリコン基板への銅の拡散が認められず、バリア層として優れた効果を有することが確認できた。また、無電解めっきによる銅のめっき性及び密着性も、良好な結果を示した。しかし、パーティクル量が実施例に比べて増加し、安定したバリア膜の成膜が困難となった。
(比較例4)
原料粉末として、純度3N以上、平均粒径3μmのW粉末と、純度3N以上、平均粒径4μmのCo粉末を用意し、これらの粉末をW50Co50(at%)となるように調合し、ボールミル中で混合した。次に、この混合粉末を、カーボンモールド中に充填し、真空雰囲気中、温度:1420℃、加圧力:240kgf/mm2、保持時間:2時間で、ホットプレスした。この結果、相対密度99.7%の焼結体が得られた。次にこれを研削及び研磨加工して、直径80mm、厚さ5mmのスパッタリングターゲットを作製した。
原料粉末として、純度3N以上、平均粒径3μmのW粉末と、純度3N以上、平均粒径4μmのCo粉末を用意し、これらの粉末をW50Co50(at%)となるように調合し、ボールミル中で混合した。次に、この混合粉末を、カーボンモールド中に充填し、真空雰囲気中、温度:1420℃、加圧力:240kgf/mm2、保持時間:2時間で、ホットプレスした。この結果、相対密度99.7%の焼結体が得られた。次にこれを研削及び研磨加工して、直径80mm、厚さ5mmのスパッタリングターゲットを作製した。
ターゲット中の不純物(ガス成分は除く)の合計含有量は700wtppm超であった。次に、このように加工したターゲットをバッキングプレートに接合後、実施例1と同様の条件でスパッタリングを実施した。このときパーティクル発生の状況を観察した。次にその合金膜上に無電解めっきにより7nmの銅を成膜した。無電解めっきは、実施例1と同様の条件で実施した。
次に、実施例1と同様の方法を用いて、バリア性、めっき性、密着性を調べた。その結果、表1に示すように、比較例4のW50Co50薄膜は、シリコン基板への銅の拡散が認められず、バリア層として優れた効果を有することが確認できた。また、無電解めっきによる銅のめっき性及び密着性も、良好な結果を示した。しかし、パーティクル量が実施例に比べて増加し、安定したバリア膜の成膜が困難となった。
(比較例5)
原料粉末として、純度5N以上、平均粒径4μmのW粉末と、純度3N以上、平均粒径4μmのCo粉末を用意し、これらの粉末をW30Co70(at%)となるように調合し、ボールミル中で混合した。次に、この混合粉末を、カーボンモールド中に充填し、真空雰囲気中、温度:1420℃、加圧力:240kgf/mm2、保持時間:2時間で、ホットプレスした。この結果、相対密度99.0%の焼結体が得られた。次にこれを研削及び研磨加工して、直径80mm、厚さ5mmのスパッタリングターゲットを作製した。
原料粉末として、純度5N以上、平均粒径4μmのW粉末と、純度3N以上、平均粒径4μmのCo粉末を用意し、これらの粉末をW30Co70(at%)となるように調合し、ボールミル中で混合した。次に、この混合粉末を、カーボンモールド中に充填し、真空雰囲気中、温度:1420℃、加圧力:240kgf/mm2、保持時間:2時間で、ホットプレスした。この結果、相対密度99.0%の焼結体が得られた。次にこれを研削及び研磨加工して、直径80mm、厚さ5mmのスパッタリングターゲットを作製した。
ターゲット中の不純物(ガス成分は除く)の合計含有量は50wtppm未満であった。次にこのように加工したターゲットをバッキングプレートに接合後、実施例1と同様の条件でスパッタリングを実施した。このときパーティクル発生の状況を観察した。次にその合金膜上に無電解めっきにより8nmの銅を成膜した。無電解めっきは、実施例1と同様の条件で実施した。
次に、実施例1と同様の方法を用いて、バリア性、めっき性、密着性を調べた。その結果、表1に示すように、比較例5のW30Co70薄膜は、バリア性、めっき性及び密着性のいずれにおいての実施例と比べて劣る結果となった、なお、パーティクルの発生は極めて少なく、安定したバリア層の成膜は可能であった。
(比較例6)
原料粉末として、純度5N以上、平均粒径2μmのW粉末を用意し、この粉末を、カーボンモールド中に充填し、真空雰囲気中、温度:1850℃、加圧力:240kgf/mm2、保持時間:4時間で、ホットプレスした。この結果、相対密度99.5%の焼結体が得られた。次にこれを研削及び研磨加工して、直径80mm、厚さ5mmのスパッタリングターゲットを作製した。
原料粉末として、純度5N以上、平均粒径2μmのW粉末を用意し、この粉末を、カーボンモールド中に充填し、真空雰囲気中、温度:1850℃、加圧力:240kgf/mm2、保持時間:4時間で、ホットプレスした。この結果、相対密度99.5%の焼結体が得られた。次にこれを研削及び研磨加工して、直径80mm、厚さ5mmのスパッタリングターゲットを作製した。
ターゲット中の不純物(ガス成分は除く)の合計含有量は10wtppm未満であった。次にこのように加工したターゲットをバッキングプレートに接合後、実施例1と同様の条件でスパッタリングを実施した。このときパーティクル発生の状況を観察した。次にその合金膜上に無電解めっきにより8nmの銅を成膜した。無電解めっきは、実施例1と同様の条件で実施した。
その結果、W単体からなるバリア膜上に無電解めっきにより銅膜を形成した場合、めっき膜の析出が島状となり、厚さ10nm前後の均一な成膜は不可能であった。なお、パーティクルの発生は極めて少なく、安定したバリア層の成膜は可能であった。
本発明は、スパッタリング時にパーティクルの発生が少なく、バリア膜の形成に最適なスパッタリングターゲット及びその製造方法を提供することができる。本発明により作製されるバリア膜は、無電解銅めっきにより銅又は銅合金配線との間で優れたバリア性、めっき性及び密着性を有するので、半導体デバイスの構成材料として有用である。
Claims (6)
- Coを含有し、残余がW及び不可避的不純物からなるターゲットであって、WxCoy(40≦x≦90、10≦y≦60、単位:at%)の組成を有し、ガス成分を除く不純物含有量が50wtppm以下であることを特徴とするスパッタリングターゲット。
- ガス成分を除く不純物含有量が30wtppm以下であることを特徴とする請求項1記載のスパッタリングターゲット。
- ガス成分を除く不純物含有量が10wtppm以下であることを特徴とする請求項2記載のスパッタリングターゲット。
- 相対密度が99.5%以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一記載のスパッタリングターゲット。
- 平均粒径が1〜5μmのW粉末と平均粒径が1〜5μmのCo粉末を、WxCoy(40≦x≦90、10≦y≦60、単位:at%)の配合比となるように混合し、この混合粉を加圧力:200〜300kgf/mm2、焼結温度:1300〜1450℃、保持時間:60〜120分でホットプレスにより焼結することを特徴とするスパッタリングターゲットの製造方法。
- Coを含有し、残余がW及び不可避的不純物からなり、WxCoy(40≦x≦90、10≦y≦60、単位:at%)の組成を有することを特徴とする膜。
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