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JP2015186124A - 出力回路 - Google Patents

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Abstract

【課題】低電源電圧動作および低消費電力動作と実装の簡略化とを両立した、AC結合に適したIC出力回路を提供する。
【解決手段】後段に特性インピーダンスZのデバイス107と交流(AC)結合接続される、集積回路(IC)出力回路において、高電位側の電源と低電位側の電源の間に構成された定電流源104によって駆動され、特性インピーダンスZの終端素子で終端された前記ICの最後段の能動素子105a、105bと、能動素子の一端に接続され、特性インピーダンスZを有し、高電位側の電源との間に直流電流経路を有する損失回路101a、101bとを備える。
【選択図】図7

Description

本発明は、集積回路(IC:Integrated Circuit)の出力回路に関する。より詳細には、外部回路とAC結合するのに適したICの出力回路に関するものである。
スマートフォンの広い普及に伴って、データ通信の高速化・大容量化の要請はますます高まっている。光通信ネットワークで利用される機器は、基幹ネットワークにおいて使用されるものからユーザ装置に近いものまで、様々な形態に広がっている。このような中で、光通信機器内において使用されるICにおいても、高速動作と、低電圧動作および低消費電力動作とが、同時に求められるようになっている。一例を挙げれば、多値化された変調方式に対応する光直交変調器へ電気信号(I信号、Q信号)を供給するために、100Gbpsにも及ぶ高周波帯域において電気信号を駆動するドライバ回路などにおいても、低電圧動作・低消費電力動作が求められている。
図1は、典型的な高周波ICにおける出力回路の構成を示す図である。IC1は、その内部に信号処理を実行するための機能回路3を備えており、機能回路3で何らかの信号処理をされた高周波電気信号が出力端子6から出力される。IC1の出力回路は、出力バッファとして動作するために、インピーダンス整合のための50Ω終端抵抗2a、2bを備えた差動構成のCML(Current Mode Logic)回路が一般的に用いられる(非特許文献1を参照)。すなわち、電源電圧VCCおよびVEEの間にテイル電流源4によって定電流駆動される、2つの出力トランジスタ5a、5bから構成され、2つの出力トランジスタ5a、5bのコレクタから出力信号が出力端6に与えられる。
図2は、別の典型的な高周波ICにおける出力回路の構成を示す図である。IC11の出力回路も出力バッファとして動作し、インピーダンス整合のための50Ω終端抵抗12a、12bを備えた差動構成のCML回路が用いられる(非特許文献2を参照)。すなわち、電源電圧VCCおよびVEEの間にテイル電流源14によって出力トランジスタが定電流駆動される。図2の出力回路の構成は、差動出力回路のトランジスタとして、より高周波特性に優れたカスコード接続されたトランジスタ対15a、17aおよびトランジスタ対15b、17bから構成されている点で、図1の構成と相違している。図1および図2のいずれの出力回路においても、高周波信号のレベル低下を避けるために、出力段トランジスタのコレクタは、ICの出力端子6、16に直結されている。
このような出力回路構成を持つICでは、外部の別のデバイスと接続するにあたって、次に述べるように、外部デバイスとの結合方法によって回路の動作点が変化してしまう問題があった。以下では、最も標準的な構成の図1のIC出力回路を例として問題点が説明されるが、図2の構成の出力回路においても同様な問題が生じる。
図3は、ICとその後段に接続されるデバイスの結合方法の例を示す図である。図3の構成では、IC21と後段デバイス27とが直接結合されたいわゆるDC結合の例を示している。このときのIC21の出力回路の動作点(バイアス)の変動について説明する。
具体的には、図3のようなDC結合の場合、出力回路の定電流源24によるテイル電流がImAであったとすると、IC21の出力回路における差動出力信号のDC動作点Vbias dc(出力バイアス電圧)は次式となる。
Figure 2015186124
上式において、25Ωは、IC21の内部の送信部終端抵抗の50Ωと、後段デバイスの入力部終端抵抗50Ωの並列抵抗に相当する。
図4は、ICとその後段に接続されるデバイスの結合方法の別の例を示す図である。図4では、IC31および後段デバイス37が直流遮断用の容量性素子38a、38bを介して結合された、いわゆるAC結合の例を示している。このAC結合の場合は、後段デバイス37とIC31との間でDC成分が遮断されるため、IC31の出力回路における差動出力信号のDC動作点Vbias acは、次式となる。
Figure 2015186124
上式のように、ICと後段デバイスをAC結合した場合、DC結合した場合と比べて、ICの出力回路における動作点がVEE側の方向に2倍の電圧幅だけシフトする。すなわち、出力信号の動作点は、VEE側に下がってしまうこととなる。このように、ICと後段デバイスとの接続条件によって出力回路の動作点が変動してしまうため、結合状態に応じて個々にICの使用条件を変えるか、または、IC内の出力回路の動作点などの設計においても動作点の変動を許容するような対応が必要である。上述の図3および図4における検討では、後段デバイスは50Ωの入力抵抗を持つものを想定しているが、入出力のインピーダンスが50Ω以外の他の値の場合であっても、同様に動作点の変動の問題が生じる。
図3で検討したように、ICと21後段デバイス27とをDC結合する場合は、出力回路の定電流源24の電流値およびトランジスタ各部のバイアス電圧等を適切に設定して、高い側の電源電圧の上限または低い側の電源電圧の下限ぎりぎりまで交流信号を取り扱えるように、電圧ヘッドルームを最小化するように設計ができる。このため、DC結合は電源電圧を最小化することが可能であって回路の低消費電力化にも有利である。しかしながら、後段のデバイスとの接続をする場合において、DC電圧レベルに特段の注意が必要となる。具体的には、ICの出力回路の出力電圧レベルと後段デバイスの入力電圧レベルとが合っていなければ、ICと後段デバイスとの間で相互に電流が流れ得ることになり、ICおよび後段デバイスの動作条件が変動してしまう。最悪の場合は、ICおよび後段デバイスの本来持っている性能・機能が劣化する場合もある。したがって、ICの出力回路の出力電圧レベルと後段デバイスの入力電圧レベルとが合っていなければ、両者を直接接続できない。
上述のような理由から多くの場合、ICと後段デバイスとの間の接続は、相互のDC電圧レベルを考慮する必要のないAC結合が好まれている。しかしながら、先にも述べたように、AC結合の場合の出力回路の出力動作点は、DC接続の場合と比べ、低い側の電源電圧VEE方向へ2倍の変化幅で下がってしまう。このため、出力回路の各トランジスタの動作条件とIC内にある他の機能回路の動作条件とを整合させようとすると、DC接続時に生じる上述の余分な動作点の変化幅分を考慮して、各部の電位を変化させ、電源電圧を拡大する必要が生じる。結果として、ICにおける消費電力を増加させてしまう。
図5は、ICと後段デバイスを接続する際の出力回路の動作点変動を説明する図である。例えば、図3および図4に示した各接続方法において、出力回路の定電流源24、34がそれぞれ80mAのテイル電流で動作している場合を考える。このとき、高い側の電源電圧VCC41をGNDとして、低い側の電源電圧VEE42を−4.0Vとする。図5の(a)に示すように、DC結合時の出力回路の動作点Vbias dcは、式(1)を参照すれば−1.0Vとなる(40mA×25Ω)。一方、図5の(b)に示すようにAC結合時の出力回路の動作点Vbias acは、式(2)を参照すれば−2.0Vとなってしまう(40mA×50Ω)。
ICに含まれる機能回路の安定動作のためには、図5の(b)に示したAC結合時において、例えば、コレクタ−エミッタ間電圧、ベース−エミッタ間電圧などの差動対トランジスタの動作条件を、(a)に示したDC結合時の場合に揃える必要がある。このとき、図5の(b)に示したように、入力信号レベル(出力回路トランジスタのベース電位)やVEE44を、AC結合時の増加分(1V)だけ低く設計する必要がある。したがって、図5の(b)に示したAC結合を想定したICの出力回路は、(a)に示したDC結合を想定した場合と比べて、より大きな電源電圧を必要とする。上記の図5の(b)に示した出力回路の場合、VEE44を−4Vから−5Vに下げることによって、AC結合時では、80mA(テイル電流)に1V(増加分)を乗じた80mWを出力回路で余分に消費してしまう。上述のAC結合時の問題を回避するための従来技術として、DCリターンと呼ばれる回路が知られている。
図6は、DCリターンを用いたICとその後段に接続されるデバイスの従来技術の結合方法を示す図である。図6に示したIC51および後段デバイス57は、2つの容量性素子58a、58bを介して結合されている点で、図4に示したAC結合の場合と同一の構成を持つ。図6の構成ではさらに、ICの出力端子56の各々に、出力端子56から高い側の電源VCCに向かってコイルおよび終端抵抗が直列接続されたDCリターン回路59a、59bを付加している。このDCリターン回路59a、59bは、L値の大きなコイルを出力端側に置くことによって高周波信号を終端抵抗側に到達させずに、DC(十分に低周波な)成分のみにおいて、出力端子56から終端抵抗(50Ω)が見える状態を作り出す。
結果的に、IC回路内の終端抵抗52aおよびDCリターン回路59aの終端抵抗で決まる並列抵抗25Ωと、定電流源54によるテイル電流値によって、トランジスタ55aの出力動作点が決まる。同様に、IC回路内の終端抵抗52bおよびDCリターン回路59bの終端抵抗で決まる並列抵抗25Ωと、定電流源54によるテイル電流値によって、トランジスタ55bの出力動作点が決まる。したがって、式(1)に示したようなDC結合と同じ動作点を実現できる。しかしながら、DCリターン回路59a、59bは、大きなコイル部品が必要になるためIC内部での実現は困難である。結局、DCリターン回路59a、59bを、IC51の外付け回路として付加しなければならない。DCリターン回路のコイル部品は大きな実装エリアを占めることになるため、ICをパッケージに実装したモジュールのような形態のデバイスの小型化には不向きである。
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであって、低電源電圧動作および低消費電力動作と実装の簡略化とを両立した、AC結合に適したIC出力回路を提供するところにある。
本発明は、上述の課題を解決するために、請求項1の発明は、後段に特性インピーダンスZのデバイスと交流(AC)結合接続される、集積回路(IC)出力回路において、高電位側の電源と低電位側の電源の間に構成された定電流源によって駆動され、前記特性インピーダンスZの終端素子で終端された前記ICの最後段の能動素子と、前記能動素子の一端に接続され、前記特性インピーダンスZを有する損失回路であって、前記高電位側の電源との間に直流電流経路を有する損失回路とを備えたICの出力回路である。
請求項2に発明は、請求項1のIC出力回路であって、前記高電位側の電源はグランド電位に設定され、前記低電位側の電源は負電圧に設定されることを特徴とする。
請求項3に発明は、請求項1または2のIC出力回路であって、前記損失回路は、π型の抵抗回路またはT型の抵抗回路で構成されることを特徴とする。
請求項4に発明は、請求項1乃至3いずれかのIC出力回路であって、前記損失回路は、前記ICの能動素子と同一のチップ上に形成されることを特徴とする。
請求項5に発明は、請求項1乃至4いずれかのIC出力回路であって、前記損失回路を経由して、前記能動素子の入力へ接続された機能回路で信号処理された高周波信号が出力されることを特徴とする。
請求項6に発明は、請求項1乃至5いずれかのIC出力回路であって、前記能動素子は、バイポーラトランジスタまたは電界効果トランジスタ(FET)であることを特徴とする。
請求項7に発明は、請求項1乃至6いずれかのIC出力回路であって、前記能動素子は、差動構成の能動素子の対で構成され、各々の前記能動素子に対応する損失回路が接続されることを特徴とする。
請求項8に発明は、後段に特性インピーダンスZのデバイスと交流(AC)結合接続される、集積回路(IC)出力回路において、高電位側の電源と低電位側の電源の間に構成された定電流源によって駆動され、前記特性インピーダンスZの終端素子で終端された前記ICの最後段の能動素子と、前記能動素子の一端に接続され、前記特性インピーダンスZを有する損失回路であって、π型の抵抗回路またはT型の抵抗回路で構成され、前記抵抗回路の少なくとも一部の抵抗が前記高電位側の電源との間に直流電流経路を形成する損失回路とを備え、前記損失回路を経由して、前記能動素子の入力へ接続された機能回路で信号処理された高周波信号が出力されることを特徴とするICの出力回路である。
以上説明したように、本発明によって、低電源電圧動作および低消費電力動作と実装の簡略化とを両立した、AC結合に適したIC出力回路を提供することができる。
図1は、典型的な高周波ICにおける出力回路の構成を示す図である。 図2は、別の典型的な高周波ICにおける出力回路の構成を示す図である。 図3は、ICとその後段に接続されるデバイスの結合方法を示す図である。 図4は、ICとその後段に接続されるデバイスの結合方法の別の例を示す図である。 図5は、ICと後段デバイスとを接続する際の出力回路動作点の変動を説明する図である。 図6は、ICとその後段に接続されるデバイスのDCリターンを用いた従来技術の結合方法を示す図である。 図7は、本発明のICの出力回路の構成を示す図である。 図8は、本発明のICの出力回路の別の構成を示す図である。 図9は、本発明のIC出力回路で使用される損失回路の構成を説明する図である。 図10は、本発明のIC出力回路におけるAC結合時の動作点を従来技術と対比して説明した図である。
本発明は、低電源電圧動作および低消費電力動作と実装の簡略化とを両立した、AC結合に適したIC出力回路を提供する。従来、非常に高い周波数を扱うICにおいては、ICの出力回路部の信号経路の途中において損失回路を挿入することはほとんど行われていなかった。高周波信号のレベルを低下させるからである。しかしながら、本発明のICの出力回路では、最終段にある出力回路の出力(外部)側であって、ICのチップ上に、出力信号が伝搬する経路(線路)の特性インピーダンスと整合が取れるオンチップの損失回路を備える。
図7は、本発明のICの出力回路の構成を示す図である。図7に示したIC100および後段デバイス107は、2つの容量性素子108a、108bを介して結合されている点で、図4および図6に示したAC結合の場合の構成と同一である。本発明のIC出力回路では、差動出力段のトランジスタ105a、105bのコレクタから各々出力端106までのそれぞれの信号経路の中に、複数の抵抗で構成されたπ型の損失回路101a、101bを備えている。損失回路101a、101bは、それぞれ、後段デバイス107の特性インピーダンス、例えば50Ωに整合する抵抗回路である。尚、図7に示した本発明のIC出力回路の例では、高い(高電位)側の電源電圧VCCはGNDレベル(0V)であり、低い(低電位)側の電源電圧VEEは、負電圧となっている。
したがって、本発明は、後段に特性インピーダンスZ0のデバイスと交流(AC)結合接続される、集積回路(IC)出力回路において、高電位側の電源と低電位側の電源の間に構成された定電流源によって駆動され、前記特性インピーダンスZ0の終端素子で終端された前記ICの最後段の能動素子と、前記能動素子の一端に接続され、前記特性インピーダンスZ0を有する損失回路であって、前記高電位側の電源との間に直流電流経路を有する損失回路とを備えたICの出力回路として実現できる。本発明の出力回路で利用できる損失回路は、図7に示したπ型構成の損失回路101a、101bとは異なる構成によっても実現できる。
図8は、本発明のICの出力回路の別の構成を示す図である。図8に示したIC200および後段デバイス207は、2つの容量性素子208a、208bを介して結合されている点で、図7に示した本発明のICの出力回路と同一である。損失回路201a、201bが、T型構成である点で、図7に示したπ型構成の損失回路と相違している。図8に示した本発明のIC出力回路でも、高い側の電源電圧VCCはGNDレベル(0V)であり、低い側の電源電圧VEEは負電圧である。したがって、本発明の一態様では、高電位側の電源はグランド電位に設定され、前記低電位側の電源は負電圧に設定されることになる。
図9は、本発明のIC出力回路で使用される損失回路の構成を説明する図である。図9の(a)はπ型構成の損失回路を示し、図9の(b)は、T型構成の損失回路を示している。インピーダンス整合を図るため、信号経路に挿入する抵抗回路はどちらの端子から見たインピーダンス(Z、Z)も、例えば50Ωとする必要がある。そのため抵抗R1〜R3の抵抗値は、下式においてZ=Z=50Ωを満たすように設定する。
π型構成の場合は、式(3)〜(5)によってR1〜R3の抵抗値が求められる。
Figure 2015186124
Figure 2015186124
Figure 2015186124
T型構成の場合は、式(6)〜(8)によってR1〜R3の抵抗値が求められる。
Figure 2015186124
Figure 2015186124
Figure 2015186124
ただし、kは減衰量(アッテネーションファクタ)をAdBとしたとき、下式で与えられるものとする。
Figure 2015186124
表1には、Z=Z=50Ωとした場合の、π型構成の減衰回路のR1〜R3の抵抗値の計算結果例を示す。
Figure 2015186124
表2には、Z=Z=50Ωとした場合の、T型構成の減衰回路のR1〜R3の抵抗値の計算結果例を示す。尚、表1および表2の中で、ToGNDと表記した列には、損失回路におけるGNDまでの直流抵抗を示している。この直流抵抗によって、IC出力回路の動作点が決まる。また後述するように、高い側の電源電圧VCCが正電源に接続される場合には、To GNDの列は、VCCまでの直流抵抗(To VCC)を意味することになる点に留意されたい。
Figure 2015186124
式(3)〜(9)を満たすように設計した損失回路(例えば表1の構成例のもの)を用いれば、インピーダンス整合の状態を保ったままで高い側の電源電圧VCC、すなわちGNDに対して直流電流の経路(抵抗パス)を設けることができる。後述する具体的な数値例からも分かるように、従来技術のAC結合回路と比較すると、出力回路の出力動作点を高い側の電源電圧VCC(GND)側へシフトさせることが可能となる。従来技術と比較して、交流信号の出力振幅ピークと高い側の電源電圧の上限との間のヘッドルームを狭め、この動作点のシフトの分だけIC全体に印加される電圧(VCC−VEE)を下げることが可能となる。印可電圧の低減と同時に、ICでの消費電力を抑えることができる。消費電力の低減は、図7および図8に示した最終段の差動構成の出力回路における消費電力だけではなく、機能回路103、203における消費電力を下げる効果もある。
本発明のIC出力回路では、損失回路101a、101b、201a、201bをオンチップの抵抗体だけで構成できるため、IC外に追加部品を備える必要が無く、非常にコンパクトにICを実装することが可能である。オンチップで抵抗体を形成すれば、チップ自体の製造やIC内における実装上において煩雑性が増すこともない。挿入する抵抗値の設定によっては、高周波信号成分そのものの減衰が生じるが、出力回路のエミッタ抵抗を小さくする等してその分の利得を相当程度補償することが可能である。尚、本発明のIC出力回路は、機能回路103、203を構成しているチップ上に備えるのが最も好ましいが、別箇のチップ上に形成しても良い。すなわち、機能回路を含むチップと、損失回路を含む別チップとを、ICパッケージ内で相互に接続した構成でも良い。この場合でも、DCリターン回路をICの外部に備える場合と比べて、ICと後段デバイスを接続する構成を大幅に小型化することが可能である。
別チップで構成する場合、2つのチップを1つのパッケージや基板上に搭載したモジュールを構成しても良い。したがって、図7および図8において示した出力端子106、107およびICの範囲を示している破線は、必ずしもこの範囲の構成だけに限定することを示してはいない。例えば図7では、上述のように最終段の能動素子105a、105bと損失回路101a、101bとが同一のチップ上にある必要は無い。また、出力端子106、107は信号出力を取り出し得る機能を概念的に示しているのであって、物理的な端子を備えることに限定されない。例えば、損失回路101a、101bと容量性素子とを直結して、一体のチップ上に形成することも可能である。
従来、ICの最終出力段に損失回路を含めることは、高周波信号レベルの低下につながるために好まれていなかった。しかしながら、後段デバイスとAC結合する時のIC出力回路の動作点の変動はICの電源電圧の上昇につながるため、ICでの消費電力をむしろ増加させる場合もある。発明者らはこの点に着目して、損失回路における高周波信号のレベル低下よりも、結合時の直流レベルの整合性を気にする必要の無いAC結合でICを動作させる利便性を維持しながら本発明の構成を採用することで、より低電圧での動作と実装の簡略化とを両立した。本発明によれば、ICの出力リターンロスが、損失回路における損失量(dB)の2倍分改善される点でも有利である。また、本出力回路を持つICを利用する装置全体での消費電力を考慮すれば、損失回路における高周波信号のレベル低下を前述のエミッタ抵抗によって調整し、ICの動作電源電圧を下げることによる消費電力の低減をより効果的なものとする設計が可能となる。
本発明のIC出力回路は、図7および図8に示した差動構成の出力トランジスタのコレクタから信号出力を得る出力回路の構成だけでなく、図2に示したカスコード構成の出力回路の場合にも同様に適用できる。本発明のIC出力回路における損失回路の構成は、アッテネータ(減衰器)に用いられる構成でもあり、GND(VCC)に対して、バイアス電流を決定できる直流電流の経路(抵抗パス)を形成する。このGNDへのパスを利用して出力バッファ回路の低電圧動作および低消費電力動作と、実装の簡易化を両立することが可能である。本発明の構成では、損失回路の抵抗の一部の端子をGNDに接続すれば良いので、正の高い側の電源ラインに接続する必要が無い、負電源を持つ出力回路に適している。
一方で、VccがGNDではない正電源回路の場合は、図7および図8において損失回路101a、101b、201a、201bが接続されるGNDは、正電圧の高い側の電源電圧VCCに置き換えることで、同様の効果が得られる。この場合は、損失回路はGNDではなくVCCに対して直流電流の経路(抵抗パス)を持つことになる。一般に高周波のIC回路では、発振などを回避して増幅動作を安定させる観点から、トランジスタのコレクタが接続される電源、すなわち高い側の電源電圧VCCを、低インピーダンスであって電位が安定するGNDとすることが多い。本発明は、このような高い側の電源電圧VCCがGNDである場合に、損失回路をGND面に接続すれば良いので、ICの回路配線の観点からも好適である。
図10は、本発明のIC出力回路におけるAC結合時の動作点を従来技術と対比して説明する図である。図5で説明した従来技術の出力回路におけるDC結合時の動作点を示す(a)およびAC結合時の動作点を示す(b)と合わせて、本発明のIC出力回路における動作点を(c)に示している。図7および図8における定電流源のテイル電流が80mAである出力回路を考える。本発明のIC出力回路における抵抗損失回路の減衰量を3dBとする。例えば図8に示したT型回路の場合を考えると、差動構成のトランジスタのコレクタ側から見た場合、R1=8.55ΩおよびR3=142Ωの直列抵抗148.5Ωと、終端抵抗202a、202bの50Ωとの並列抵抗37.4Ωによって、出力回路の動作点は約−1.5V(40mA×37.5Ω)となる。
本発明のIC出力回路の動作状態は、図10の(c)に示されており、(a)に示した従来技術構成の出力回路におけるDC結合のときの動作点−1Vを基準とすると、0.5Vの変動量で済むことになる。(b)に示した、従来技術の出力回路でAC結合をした場合に、DC結合のときの動作点から1Vの変動があったのと比べ、本発明のIC出力回路では変動量が半分で済む。また、差動出力段トランジスタの動作状態および他の機能回路の機能・性能を維持するために、本発明では、差動出力段トランジスタへの入力信号レベルおよびVEEも0.5V分シフトをさせるだけ済む。すなわち、従来技術の出力回路において後段デバイスとAC結合する場合と比べて、少なくとも出力回路において、DC結合時からの消費電力の増加量を50%削減できることになる。また、DC結合時とAC結合時との間でのバイアス点の変化量が小さいので、IC内の機能回路の性能劣化などが無い範囲で、動作電圧条件をDC結合時とAC結合時とで共通化することも可能となる。
以上説明したように、本発明のICの出力回路を用いれば、IC外に外付けの大きなコイルを含むDCリターン回路を使用する必要がない。IC内に形成するオンチップの抵抗体のみで形成された損失回路を付加するだけで、従来技術のIC出力回路と比べて、AC結合時のICの電源電圧および消費電力を低減することができる。本発明のIC出力回路は、限定するものではないが、例えば光送信器における光変調器駆動用のドライバICなど、大きな出力振幅を生成する必要があるICに有用である。
上述の説明では、IC回路は能動素子としてトランジスタを含むものとして説明してきたが、電界効果トランジスタ(FET)などの他の増幅素子を含む集積回路にも適用可能である。また、上述の図7および図8の構成では、能動素子(トランジスタ)は、差動構成の能動素子の対で構成され、各々の前記能動素子に対応する損失回路が接続されるものとして説明した。本発明の出力回路は、ICの最終段における能動素子が差動構成のものだけに限られず、最終段における能動素子がシングルエンド構成の場合にも適用できる。
本発明は、一般的に通信システムに利用することができる。特に、通信システムの通信機器内に使用する集積回路に利用できる。
1、11、21、31、51、100、200 IC
2a、2b、12a、12b、22a、22b、32a、32b、52a、52b、102a、102b、202a、202b 終端抵抗
3、13、23、33、53、103、203 機能回路
4、14、24、34、104、204 定電流源
5a、5b、15a、15b、17a、17b、25a、25b、105a、105b、205a、205b 出力トランジスタ
6、16、26、36、56、106、206
27、37、57、107 後段デバイス
38a、38b、58a、58b、108a、108b、208a、208b 容量性素子
59a、59b DCリターン回路
101a、101b、201a、201b 損失回路
本発明は、上述の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、後段に特性インピーダンスZ0のデバイス交流(AC)結合接続される集積回路(IC)出力回路において、前記特性インピーダンスZ 0 を有する終端素子と、高電位側の電源と低電位側の電源の間に構成された定電流源によって駆動され、前記高電位側の電源に接続された前記終端素子によって終端された前記IC出力回路の最後段の能動素子と、前記能動素子の一端に接続され、前記特性インピーダンスZ0を有、前記高電位側の電源との間に前記終端素子を介した直流電流経路を有する損失回路とを備えたIC出力回路である。
請求項2に記載の発明は、請求項1のIC出力回路であって、前記高電位側の電源はグランド電位に設定され、前記低電位側の電源は負電圧に設定されることを特徴とする
請求項3に記載の発明は、請求項1または2のIC出力回路であって、前記損失回路は、π型の抵抗回路またはT型の抵抗回路で構成されることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3いずれかのIC出力回路であって、前記損失回路は、前記ICの能動素子と同一のチップ上に形成されることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4いずれかのIC出力回路であって、前記損失回路を経由して、前記能動素子の入力へ接続された機能回路で信号処理された高周波信号が出力されることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至5いずれかのIC出力回路であって、前記能動素子は、バイポーラトランジスタまたは電界効果トランジスタ(FET)であることを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項1乃至6いずれかのIC出力回路であって、前記能動素子は、差動構成の能動素子の対で構成され、各々の前記能動素子に対応する損失回路が接続されることを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、後段に特性インピーダンスZ0のデバイス交流(AC)結合接続される集積回路(IC)出力回路において、前記特性インピーダンスZ 0 を有する終端素子と、高電位側の電源と低電位側の電源の間に構成された定電流源によって駆動され、前記高電位側の電源に接続された前記終端素子によって終端された前記IC出力回路の最後段の能動素子と、前記能動素子の一端に接続され、前記特性インピーダンスZ0を有、π型の抵抗回路またはT型の抵抗回路で構成され、前記抵抗回路の少なくとも一部の抵抗が前記高電位側の電源との間に前記終端素子を介した直流電流経路を形成する損失回路とを備え、前記損失回路を経由して、前記能動素子の入力へ接続された機能回路で信号処理された高周波信号が出力されることを特徴とするIC出力回路である。

Claims (8)

  1. 後段に特性インピーダンスZのデバイスと交流(AC)結合接続される、集積回路(IC)出力回路において、
    高電位側の電源と低電位側の電源の間に構成された定電流源によって駆動され、前記特性インピーダンスZの終端素子で終端された前記ICの最後段の能動素子と、
    前記能動素子の一端に接続され、前記特性インピーダンスZを有する損失回路であって、前記高電位側の電源との間に直流電流経路を有する損失回路と
    を備えたICの出力回路。
  2. 前記高電位側の電源はグランド電位に設定され、前記低電位側の電源は負電圧に設定されることを特徴とする請求項1に記載のIC出力回路。
  3. 前記損失回路は、π型の抵抗回路またはT型の抵抗回路で構成されることを特徴とする請求項1または2に記載のIC出力回路。
  4. 前記損失回路は、前記ICの能動素子と同一のチップ上に形成されることを特徴とする請求項1乃至3いずれかに記載のIC出力回路。
  5. 前記損失回路を経由して、前記能動素子の入力へ接続された機能回路で信号処理された高周波信号が出力されることを特徴とする請求項1乃至4いずれかに記載のIC出力回路。
  6. 前記能動素子は、バイポーラトランジスタまたは電界効果トランジスタ(FET)であることを特徴とする請求項1乃至5いずれかに記載のIC出力回路。
  7. 前記能動素子は、差動構成の能動素子の対で構成され、各々の前記能動素子に対応する損失回路が接続されることを特徴とする請求項1乃至6いずれかに記載のIC出力回路。
  8. 後段に特性インピーダンスZのデバイスと交流(AC)結合接続される、集積回路(IC)出力回路において、
    高電位側の電源と低電位側の電源の間に構成された定電流源によって駆動され、前記特性インピーダンスZの終端素子で終端された前記ICの最後段の能動素子と、
    前記能動素子の一端に接続され、前記特性インピーダンスZを有する損失回路であって、π型の抵抗回路またはT型の抵抗回路で構成され、前記抵抗回路の少なくとも一部の抵抗が前記高電位側の電源との間に直流電流経路を形成する損失回路と
    を備え、
    前記損失回路を経由して、前記能動素子の入力へ接続された機能回路で信号処理された高周波信号が出力されることを特徴とするIC出力回路。
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