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JP2015185238A - 有機電界発光素子及びその製造方法 - Google Patents

有機電界発光素子及びその製造方法 Download PDF

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JP2015185238A JP2014058135A JP2014058135A JP2015185238A JP 2015185238 A JP2015185238 A JP 2015185238A JP 2014058135 A JP2014058135 A JP 2014058135A JP 2014058135 A JP2014058135 A JP 2014058135A JP 2015185238 A JP2015185238 A JP 2015185238A
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勇人 垣添
Hayato Kakizoe
勇人 垣添
知子 杉崎
Tomoko Sugisaki
知子 杉崎
智明 澤部
Tomoaki Sawabe
智明 澤部
啓司 杉
Keiji Sugi
啓司 杉
小野 富男
Tomio Ono
富男 小野
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Abstract

【課題】高信頼性の有機電界発光素子及びその製造方法を提供する。【解決手段】実施形態によれば、第1電極を形成し、前記第1電極、絶縁層及び有機層の上に導電層を形成する有機電界発光素子の製造方法が提供される。前記第1電極は、第1部分と、前記第1面に平行な面内において前記第1部分と離間する第2部分と、前記第1部分と前記第2部分との間に設けられた第3部分と、前記第1部分と前記第3部分との間に設けられた第4部分と、前記第3部分と前記第2部分との間に設けられた第5部分とを含む。前記絶縁層は前記第1部分、前記第2部分及び前記第3部分の上に形成され、前記有機層は前記第5部分の上に形成される。前記導電層のうちの前記第4部分の上に位置する部分の光透過率は、前記導電層のうちの前記有機層の上に位置する部分の光透過率よりも高い。【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、有機電界発光素子及びその製造方法に関する。
平面光源等の用途に有機電界発光素子が利用されている。有機電界発光素子において、薄型、軽量、面発光といった特徴から、これまでの照明器具や光源では実現できなかった応用が期待されている。
このような有機電界発光素子は、陽極と、陰極と、陽極及び陰極の間に設けられた有機発光層と、を含む。また、陰極の厚さを薄くすること、又は、陰極を細線状にして陰極間に開口部を設けることによって光透過性が付与される透過型有機電界発光素子がある。このような透過型有機電界発光素子において、信頼性の向上が望まれる。
特開2011−249541号公報
本発明の実施形態は、高信頼性の有機電界発光素子及びその製造方法を提供する。
本発明の実施形態によれば、有機電界発光素子の製造方法は、基板の第1面上に第1電極を形成することを含む。前記第1電極は、光透過性を有する。前記第1電極は、第1部分と、前記第1面に平行な面内において前記第1部分と離間する第2部分と、前記第1部分と前記第2部分との間に設けれた第3部分と、前記第1部分と前記第3部分との間に設けられた第4部分と、前記第3部分と前記第2部分との間に設けられた第5部分と、を含む。前記製造方法は、前記第1部分、前記第2部分及び前記第3部分の上に絶縁層を形成することをさらに含む。前記製造方法は、前記第5部分の上に有機層を形成することをさらに含む。前記製造方法は、前記第4部分、前記絶縁層、及び前記有機層の上に、前記第1電極の光透過率よりも低い光透過率を有する導電層を形成して、前記導電層のうちの前記第4部分の上に位置する部分の光透過率を、前記導電層のうちの前記有機層の上に位置する部分の光透過率よりも高くすることを含む。
第1の実施形態に係る有機電界発光素子を示す模式的断面図である。 図2(a)及び図2(b)は、第1の実施形態に係る有機電界発光素子を示す模式的断面図である。 図3(a)〜図3(c)は、参考例の有機電界発光素子を示す模式図である。 参考例の有機電界発光素子の一部を示す顕微鏡写真図である。 図5(a)〜図5(e)は、第1の実施形態に係る有機電界発光素子の製造工程を示す図である。 第2の実施形態に係る有機電界発光素子を示す模式的断面図である。 図7(a)及び図7(b)は、第2の実施形態に係る有機電界発光素子を示す模式的断面図である。 図8(a)〜図8(e)は、第2の実施形態に係る有機電界発光素子の製造工程を示す図である。
以下に、本発明の各実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
なお、図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚みと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。また、同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
なお、本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る有機電界発光素子を例示する模式的断面図である。
図2(a)及び図2(b)は、第1の実施形態に係る有機電界発光素子を例示する模式的断面図である。
図1において、有機電界発光素子110が示されている。図2(a)において、第2電極層50を基板全面に成膜したときの有機電界発光素子110が示されている。図2(b)において、第2電極層50を成膜後、第2電極層50の一部を透明化する化学反応が進行したときの有機電界発光素子110が示されている。
図1に表したように、有機電界発光素子110には、基板10と、第1電極20と、絶縁層30と、有機層40と、第2電極層50と、が設けられている。有機電界発光素子110は、吸湿材70を介して封止基板80によって封止されている。第2電極層50は、光反射性を有する光反射部50rと、光透過部50tとを含む。
基板10は、第1面10aと第2面10bとを有する。第2面10bは、第1面10aと反対側の面である。封止基板80は、第3面80aと第4面80bとを有する。第4面80bは、第3面80aと反対側の面である。基板10の第1面10aは、封止基板80の第3面80aと対向する。
基板10から封止基板80へ向かう方向をZ軸方向とする。Z軸方向に対して垂直な1つの方向をX軸方向とする。Z軸方向に対して垂直な1つの方向であって、X軸方向に対して垂直な方向をY軸方向とする。
基板10は、例えば、光透過性を有する。基板10は、例えば、光透過性の基板である。基板10として、ガラス基板が用いられる。基板10には、例えば、透明樹脂基板(例えば透明プラスチック基板など)が用いられる。
第1電極20は、例えば、光透過性を有する。第1電極20は、例えば、光透過性の電極である。第1電極20は、基板10の第1面10aに形成される。例えば、第1電極20は、Y軸方向に延在し、X軸方向に並んで配置される。このように配置される場合、第1電極20は、複数の開口部と、複数の電極部とを含む。
例えば、第1電極20は、第1部分20p1と、第1面10aに平行な面内において第1部分20p1と離間する第2部分20p2とを含む。第1電極20は、第1部分20p1と第2部分20p2との間に設けられた第3部分20p3と、第1部分20p1と第3部分20p3との間に設けられた第4部分20p4と、第3部分20p3と第2部分20p2との間に設けられた第5部分20p5とを含む。例えば、第1部分20p1、第2部分20p2及び第3部分20p3の上に絶縁層30が形成される。第4部分20p4の上に第2電極層50の一部が形成される。第5部分20p5の上に有機層40が形成される。
以下に説明する通り、本実施形態に係る有機電界発光素子を製造するに当たっては、第1電極20上の一部に中間膜を設ける場合と設けない場合がある。
有機電界発光素子を製造する際に中間膜を用いる場合には、第1電極20は、例えば、In、Sn、Zn及びTiよりなる群から選択される少なくともいずれかの元素を含む酸化物を含む。第1電極20には、例えば、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化錫、インジウム錫酸化物(ITO:Indium Tin Oxide)膜、フッ素ドープ酸化錫(例えばNESA等)、金、白金、銀及び銅等を用いることができる。
有機電界発光素子を製造する際に中間膜を用いない場合には、第1電極20は、例えば、In、Sn、Zn及びTiよりなる群から選択される少なくともいずれかの元素を含む酸化物を含む。第1電極20には、例えば、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化錫、インジウム錫酸化物(ITO:Indium Tin Oxide)膜、フッ素ドープ酸化錫(例えばNESA等)等を用いることができる。
第1電極20は、例えば、陽極である。
絶縁層30は、第1電極20上に設けられる。絶縁層30は、XY平面に略ストライプ状に設けられる。絶縁層30の間には複数の溝が形成される。すなわち、隣り合う絶縁層30は間隔をおいて設けられる。例えば、絶縁層30は光透過性である。絶縁層30は、例えば、透明である。
絶縁層30には絶縁性の材料が用いられる。絶縁層30の材料として、例えば、ポリイミド樹脂又はアクリル樹脂等の樹脂材料、シリコン酸化膜(SiO)、シリコン窒化膜(SiN)、又はシリコン酸窒化膜等の無機材料が用いられる。
例えば、絶縁層30は、第1電極20に接触する第1部分と、第2電極層50に接触する第2部分と、有機層40及び第2電極層50に接触して第1部分と第2部分との間に設けられる第3部分と、を含む。絶縁層30は、Y軸方向に第2電極層50と並行に配置されている。本実施形態において、有機電界発光素子110は、平行バンクのバンク構造を有する。
有機層40は、第1電極20の上に設けられる。有機層40は有機発光層を含む。有機層40は、絶縁層30の間に形成される。有機層40は、光透過性を有する。例えば、有機層40は消灯状態において光透過性を有する。
有機層40は、第1電極20に接触する第1部分と、第2電極層50に接触する第2部分と、絶縁層30に接触して第1部分と第2部分との間に設けられる第3部分と、を含む。有機層40のZ軸方向の厚さは、絶縁層30のZ軸方向の厚さより小さい。有機層40の第3部分のZ軸方向の長さは、絶縁層30の第3部分のZ軸方向の長さより小さい。
有機層40は、例えば、複数の層を含む。有機層40は、例えば、第1層、第2層及び第3層を含む。
第1層は、有機発光層である。第1層には、例えば、Alq(トリス(8−ヒドロキシキノリノラト)アルミニウム)、F8BT(ポリ(9,9-ジオクチルフルオレン-co-ベンゾチアジアゾール)又はPPV(ポリパラフェニレンビニレン)等の材料を用いることができる。第1層には、例えば、ホスト材料と、ホスト材料に添加されるドーパントと、の混合材料を用いることができる。ホスト材料としては、例えば、CBP(4,4'-N,N'-ビスジカルバゾリルール-ビフェニル)、BCP(2,9-ジメチル-4,7 ジフェニル-1,10-フェナントロリン)、TPD(4,4'-ビス-N-3メチルフェニル-N-フェニルアミノビフェニル)、PVK(ポリビニルカルバゾール)又はPPT(ポリ(3-フェニルチオフェン))等を用いることができる。ドーパント材料としては、例えば、Flrpic(イリジウム(III)ビス(4,6-ジ-フルオロフェニル)-ピリジネート-N,C2'-ピコリネート)、Ir(ppy)(トリス (2-フェニルピリジン)イリジウム)又はFlr6(ビス(2,4-ジフルオロフェニルピリジナト)-テトラキス(1-ピラゾリル)ボラート-イリジウム(III))等を用いることができる。
第2層は、例えば、正孔注入層として機能する。正孔注入層は、例えば、PEDPOT:PPS(ポリ(3,4- エチレンジオキシチオフェン)-ポリ(スチレンスルホン酸))、CuPc(銅フタロシアニン)及びMoO(三酸化モリブデン)等の少なくともいずれかを含む。第2層は、例えば、正孔輸送層として機能する。正孔輸送層は、例えば、α−NPD(4,4'-ビス[N-(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル)、TAPC(1,1-ビス[4-[N,N-ジ(p-トリル)アミノ]フェニル]シクロヘキサン)、m−MTDATA(4,4',4''-トリス[フェニル(m-トリル)アミノ]トリフェニルアミン)、TPD(ビス(3-メチルフェニル)-N,N'-ジフェニルベンジジン)及びTCTA(4,4',4”−トリ(N− カルバゾリル)トリフェニルアミン)等の少なくともいずれかを含む。第2層は、例えば、正孔注入層として機能する層と、正孔輸送層として機能する層と、の積層構造を有しても良い。第2層は、正孔注入層として機能する層及び正孔輸送層として機能する層とは別の層を含んでも良い。
第3層は、例えば、電子注入層として機能する層を含むことができる。電子注入層は、例えば、フッ化リチウム、フッ化セシウム及びリチウムキノリン錯体等の少なくともいずれかを含む。第3層は、例えば、電子輸送層として機能する層を含むことができる。電子輸送層は、例えば、Alq3(トリス(8キノリ.ノラト)アルミニウム(III))、BAlq(ビス(2-メチル-8- キノリラト)(p−フェニルフェノラート)アルミニウム)、Bphen(バソフェナントロリン)及び3TPYMB(トリス[3-(3-ピリジル)-メシチル]ボラン)等の少なくともいずれかを含む。第3層は、例えば、電子注入層として機能する層と、電子輸送層として機能する層と、の積層構造を有しても良い。第3層は、電子注入層として機能する層及び電子輸送層として機能する層とは別の層を含んでも良い。
有機層40は第1電極20に接触している。有機層40が第1電極20と電気的に接続される。有機層40は第2電極層50の光反射部50rに接触している。有機層40が光反射部50rと電気的に接続される。本明細書において、電気的な接続には、接続する対象物同士を直接接続する場合、及び、対象物の間に他の導電部材等が介在する場合を含む。
第1電極20と第2電極層50の光反射部50rとを用いて有機層40に電流が流れる。有機層40に電流が流れると、有機層40が発光する。例えば、有機層40に電流が流れた場合、有機層40は発光する。有機層40において、正孔と電子とを再結合させ、励起子を生成する。有機層40は、例えば、励起子が放射失活する際の光の放出を利用して発光する。例えば有機層40の中の有機発光層が発光する。
例えば、有機層40から放出される光は、実質的に白色光である。すなわち、有機電界発光素子110から出射する光は白色光である。ここで、「白色光」は、実質的に白色であり、例えば、赤色系、黄色系、緑色系、青色系及び紫色系などの白色の光も含む。
吸湿材70は、有機電界発光素子110と封止基板80との間に存在する水等を吸収する。吸湿材70として、周知の材料を用いることができる。
封止基板80は、例えば、光透過性である。例えば、封止基板80は、有機層40から出射する光を透過させる。封止基板80として、ガラス基板及び透明樹脂の少なくともいずれかが用いられる。実施形態において、封止基板80は、非光透過性でも良い。封止基板80の外縁に沿って封止体等が設けられる。封止体を使って、有機電界発光素子110と封止基板80とが貼り合わせられる。
図2(a)に表されているように、第2電極層50は、絶縁層30、有機層40及び中間膜60の上に設けられる。光反射部50rは、例えば、光反射性を有する。第2電極層50の光反射率は、第1電極20の光反射率より高い。本明細書において、第1電極20の光反射率よりも高い反射率を有する状態を光反射性という。第2電極層50は、例えば、第1電極20の光透過率よりも低い光透過率を有する導電膜を形成することによって設けられる。
第1電極20の第4部分20p4と第2電極層50の材料が化学反応することで、第2電極層50の一部が透明化する。第4部分20p4の上に形成された第2電極層50が透明化する。第2電極層50が絶縁層30、及び有機層40の上に設けられた後、第2電極層50の材料と第1電極20の第4部分20p4との化学反応が進行する。
図2(b)に表されているように、第2電極層50を形成する前に、第1電極20の第4部分20p4の上に中間膜60を形成しても良い。中間膜60によって第2電極層50の材料が化学反応することで、第2電極層50の一部が透明化する。中間膜60の上に形成された第2電極層50が透明化する。第2電極層50が絶縁層30、有機層40及び中間膜60の上に設けられた後、第2電極層50の材料と中間膜60との化学反応が進行する。第2電極層50の一部を透明化させた後、中間膜60は第1電極20と第2電極50との間に残っていても良い。第2電極50の一部を透明化させた後、中間膜60は第1電極20と第2電極層50との間に残っていなくても良い。
第2電極層50は、第1電極20または中間膜60に含まれる材料によって透明化する材料を含む。第2電極層50は、例えば、アルミニウムを含む。第2電極層50として、例えば、アルミニウム膜が用いられる。第2電極層50がアルミニウム膜の場合、第1電極20は、例えば、ITO膜である。第2電極層50は、例えば、陰極である。
第1電極20の材料と第2電極層50の材料との化学反応によって、第2電極層50の一部を透明化してもよい。中間膜60の材料と第2電極層50の材料との化学反応によって、第2電極層50の一部を透明化しても良い。よって、本実施形態による有機電界発光素子110において、第2電極層50は、光反射性を有する光反射部50rと、光透過部50tとを含む。光反射部50rは、有機層40に接触する導電部50cを含む。導電部50cは発光部に対応する。
第2電極層50は、例えば、銀、マグネシウム及びカルシウムの少なくともいずれかを含む。第2電極層50として、銀とマグネシウムとの合金を用いても良い。銀とマグネシウムとの合金は、カルシウムを含んでも良い。
第2電極層50は単層構造でもよい。第2電極層50は積層構造でも良い。第2電極層50が積層構造である場合、第1電極20と対向する側の層は、アルカリ金属又はアルカリ土類金属を含む層としても良い。例えば、アルカリ金属として、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム又はセシウム等が用いられる。アルカリ土類金属として、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム又はラジウム等が用いられる。
これらの第2電極層50の材料は、例えば第1電極の材料であるインジウム錫酸化物と化学反応して透明化される。第1電極20としてインジウム錫酸化物を用いる場合、中間膜60を設けずに、第1電極20の第4部分20p4と第2電極層50を化学反応させて光透過部50pを形成することができる。
これらの第2電極層50の材料は、以下に説明する中間膜60の材料と化学反応して透明化される。中間膜60として以下に説明する材料を用いる場合、中間膜60と第2電極層50の材料を化学反応させることで、第1電極20の第4部分20p4の上に光透過部50pを形成することができる。
中間膜60は、一対の絶縁層30の間に、かつ、第1電極20の上に設けられている。中間膜60は、XY平面に略ストライプ状に設けられている。中間膜60は、XY平面に複数の矩形状の膜を含む。中間膜60は、例えば、XY平面に格子状に設けられても良い。
中間膜60は、第2電極層50の材料との反応を促進する物質を含む。中間膜60は、例えば、酸化剤である。第2電極層50としてアルミニウム膜が用いられた場合、酸化剤として、例えば、YBaCuのイットリウム系銅酸化物高温超電導体が用いられる。ランタン、ネオジム、サマリウム、ユウロピウム、ガドリニウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム又はルテチウム等にYを置換した銅酸化物高温超電導体が用いられても良い。酸化剤として、例えば、酸素欠損型ペロブスカイト構造の材料が用いられる。酸化剤として、過マンガン酸カリウム、2クロム酸カリウム、又は希土類系銅酸化物剤等を用いても良い。希土類系銅酸化物剤を用いて中間膜60を形成する場合、スパッタリング法が用いられる。中間膜60として、インジウム錫酸化物(ITO:Indium Tin Oxide)膜が用いられても良い。
第1電極20にITOを用い、第2電極層50にアルミニウムを用い、中間膜60に酸化剤(YBaCu)を用いる場合、下記の(1)式のような化学反応が起こる。
YBaCu−δ+2Al→YBaCu−δ+Al・・・(1)
式(1)の反応式によって、第2電極層50の一部が酸化アルミニウムを含み、光透過部50tが形成される。すなわち、第1電極20の第4部分20p4の上に設けられた第2電極層50が光透過部50tとなる。酸化剤によってアルミニウムとの酸化反応が生じる。第2電極層50の一部(光透過部50t)に透過性が付与される。YBaCuはアルミニウムに接触すると、YBaCuは、透過性を有する。
図2の有機電界発光素子において、第1電極20と第2電極層50との間に中間膜60が設けられている。第1電極20と第2電極層50との反応において、第1電極20と第2電極層50とが接触していなくても良い。第1電極20と中間膜60との間に層を形成しても良い。
第2電極層50と中間膜60との間に島状の層を形成しても良い。すなわち、第2電極層50は中間膜60と接する部分と、島状の層を介して中間膜60と対向する部分と、を有する。第2電極層50の中間膜60と接する部分において、第2電極層50と中間膜60との化学反応が生じる。島状の層は、例えば第3層である。
光反射部50rにおいて、酸化剤によるアルミニウムの化学反応は、実質的に生じない。光反射部50rに透過性が付与されない。光反射部50rは光反射性を有する。光反射部50rは、有機層40から放出される光を実質的に透過しない。
例えば、第2電極層50は、絶縁層30、有機層40及び中間膜60の上に導電膜を形成することによって形成される。この導電膜は、第1電極20の光透過率よりも低い光透過率を有する。このような場合、導電膜のうちの中間膜の上に位置する部分の光透過率は、導電膜のうちの有機発光層の上に位置する部分の光透過率よりも高くなる。
中間膜60によって第2電極層50の一部に透過性を付与すると、有機電界発光素子110において、第2電極層50に、光透過性を有する光透過部50tと、光反射性を有する光反射部50rと、が設けられる。本実施形態に係る有機電界発光素子110は、例えば、透過型の有機電界発光素子に相当する。
このような透過型の有機電界発光素子において、通電している時に観察者が発光面側から非発光面を見た場合、発光輝度が高いので、パネル越しに見えにくくなる。通電していない時に観察者は、発光面側から非発光面を視認することができると共に、非発光面側から発光面を視認することができる。
図3(a)〜図3(c)は、参考例の有機電界発光素子を示す模式図である。
図4は、参考例の有機電界発光素子の一部を示す顕微鏡写真図である。
図3(a)は、透過型の有機電界発光素子の断面を示している。図3(b)及び図3(c)は、透過型の有機電界発光素子をZ軸方向から見た上面図を示している。図4は、図3の透過型の有機電界発光素子における第2電極層50の発光写真を示している。
図3(a)に表されているように、有機電界発光素子119においては、基板10と、第1電極20と、絶縁層30と、有機層40と、第2電極層50と、が設けられている。
このような透過型の有機電界発光素子119において、第2電極層50が、有機層40上に、XY平面内の略ストライプ状に設けられる。第2電極層50の幅を狭くして、第2電極層50を見えにくくする。第2電極層50間に開口部を設けることで透過型の有機電界発光素子119に透過性が付与される。
第2電極層50が微細なストライプ状に形成されているので、第2電極層50の端部50eが露出する。
図3(b)に、ストライプ状の第2電極層50の延在方向と絶縁層40の延在方向が並行な構造(平行バンク構造)を有する有機電界発光素子119を示す。第2電極層50の端部50eが露出している。第2電極層50の端部50eから、水及び酸素の少なくともいずれかが侵入し易いので、第2電極層50の保管寿命が短くなる問題がある。
図3(c)に、ストライプ状の第2電極層50の延在方向と絶縁層40の延在方向が垂直な構造(垂直バンク構造)を有する有機電界発光素子119aを示す。絶縁層30が、第2電極層50に対して垂直に配置されている。垂直バンク構造を有する有機電界発光素子119aは、平行バンク構造を有する有機電界発光素子119と比較して、発光に寄与する第2電極層50の幅(発光領域の幅)を広くできる。発光面積は増加する。例えば、平行バンク構造における発光に寄与する第2電極層50の幅Wpは、100マイクロメートル程度である。垂直バンク構造における発光に寄与する第2電極層50の幅Wvは、150マイクロメートル程度である。
垂直バンクのバンク構造を有する有機電界発光素子119aは、平行バンクのバンク構造を有する有機電界発光素子119と比較して、第2電極層50の端部50eが露出している割合が高い。第2電極層50の端部50eから、有機電界発光素子119aの内部に、水及び酸素の少なくともいずれかが侵入し易い。このため、平行バンクのバンク構造を有する有機電界発光素子119と比較して、有機電界発光素子119aにおいては、第2電極層50の保管寿命がより短くなる。
図4に表されているように、第2電極層50は、露出した端部50eから侵入した水及び酸素の少なくともいずれかによって浸食されている。第2電極層50の端部50eに含まれる材料が劣化している。第2電極層50の端部50eが剥離している。第2電極層50の端部50eは発光に寄与しない。第2電極層50の端部50eから非発光領域が進行している。
本実施形態に係る有機電界発光素子110では、第2電極層50を発光領域の全面に形成し、中間膜60による第2電極層50の酸化反応を利用して第2電極層50の一部に透過性を付与する。これにより、端部が露出し難い第2電極層50が形成される。有機層40の端部もまた露出し難い。酸化された部分(光透過部50t)は金属酸化膜であるので、酸化された部分は水及び酸素の少なくともいずれかの進入を抑制する(例えば、遮蔽する)。有機電界発光素子110において、第2電極層50の端部50eから水分及び/又は酸素が侵入しにくくなるので、第2電極層50の保管寿命を向上させることができる。
透過型の有機電界発光素子では、第2電極層50(導電部)の幅をより細く、第2電極層50のピッチ間隔をより狭めることで、第2電極層50自体の視認性を抑え、背景像をより良好に観察できるようになる。この場合、第2電極層50の形成において、より高い精度が要求させる。例えば、第2電極層50の幅をより細くし、第2電極層50のピッチ間隔を狭めた場合、第2電極層50を形成するためのマスクの形状が細線状となり、パターンが細かくなるため、マスクの細線状部分が歪む。マスクの強度が低下する。このような場合、マスクと有機層40との接触のリスクが高くなる。例えば、マスクと対象物との間の距離が遠いと、真空蒸着する材料がマスクを透過した後に、拡散してしまい、形成精度が低下する。真空蒸着において、形成精度を高めるためには、マスクと対象物を近づける。このため、第2電極層50の形成精度を高めるとマスクと有機層40との接触リスクが高まる。
XY平面において略ストライプ状に第2電極層50を形成する場合、例えば、真空蒸着が用いられる。第2電極層50をパターニングするためのマスク(例えば、メタルマスク)が有機層40に接触し易い。マスクが有機層40に接触すると、有機層40が損傷する。発光領域が損傷すると、例えば、第1電極20と第2電極層50とが接触する。第1電極20と第2電極層50とが接触すると、短絡する原因となる。例えば、第2電極層50が微細なストライプ状に形成されていると、線状の欠陥の原因となる。
本実施形態に係る有機電界発光素子110では、第2電極層50を形成するときに、基板10側で第2電極層50の形成パターンを制御できる。メタルマスクの精度に対する要求が緩和される。微細なメタルマスクによって生じる第2電極層50の不良が生じる可能性が低減できる。有機層40とメタルマスクとの接触による短絡が生じる可能性を低減できる。有機電界発光素子の歩留まりが増加する。
本発明の実施形態によれば、高信頼性の有機電界発光素子が提供される。
図5(a)〜図5(e)は、第1の実施形態に係る有機電界発光素子の製造工程を例示する図である。ここでは中間膜60を設ける場合の第1の実施形態に係る有機電界発光素子の製造工程を説明する。
図5(a)において、基板10の上に第1電極20が形成される。第1電極20は、例えば、フォトリソグラフィー法によって形成される。
例えば、第1電極20は、第1部分20p1と、第1面10aに平行な面内において第1部分20p1と離間する第2部分20p2とを含む。第1電極20は、第1部分20p1と第2部分20p2との間に設けられた第3部分20p3と、第1部分20p1と第3部分20p3との間に設けられた第4部分20p4と、第3部分20p3と第2部分20p2との間に設けられた第5部分20p5とを含む。
図5(b)において、第1電極20の上に絶縁層30及び中間膜60がパターニングされる。絶縁層30は、例えば、フォトリソグラフィー法によって形成される。
中間膜60は、絶縁層30の間に、かつ、第1電極20の上に設けられる。絶縁層30及び中間膜60は、XY平面に略ストライプ状に設けられている。例えば、第1電極20の第1部分20p1、第2部分20p2及び第3部分20p3の上に絶縁層30が形成される。第1電極20の第4部分20p4の上に中間膜60が形成される。
図5(c)において、有機層40が成膜される。有機層40は、第1電極20の上に設けられる。有機層40は、絶縁層30の間に形成された複数の溝の一部に形成される。例えば、第1電極20の第5部分20p5の上に有機層40が形成される。
図5(d)において、第2電極層50が絶縁層30、有機層40及び中間膜60の上に成膜される。第2電極層50は、発光領域の全面に成膜される。第2電極層50は、例えば、第1電極20の光透過率よりも低い光透過率を有する導電膜を形成することによって設けられる。
第2電極層50は、例えば、フォトリソグラフィー法によって形成される。フォトリソグラフィー法を用いて第2電極層50を形成する場合、形成パターンを微細化しても良い。例えば、第2電極層50を複雑なパターンを用いて形成することができる。
図5(e)において、第2電極層50と中間膜60とが接触している部分が透明化する。第2電極層50において光透過部50tが形成される。例えば、導電膜のうちの中間膜60の上に位置する部分の光透過率は、導電膜のうちの有機層40の上に位置する部分の光透過率よりも高くなる。
第1電極20にITOを用い、第2電極層50にアルミニウムを用い、中間膜60に酸化剤(YBaCu)を用いた場合、酸化剤によってアルミニウムとの酸化反応が生じる。第2電極層50の一部が酸化アルミニウムを含み、第2電極層50に透過性が付与される。
第2電極層50の一部を透明化する場合、アルミニウムとの酸化反応において、第2電極層50の一部に均一に透過性を付与するために、有機電界発光素子110を加熱しても良い。有機電界発光素子110を加熱する温度は、例えば、30℃以上150℃以下である。
第2電極層50の一部を透明化する場合、アルミニウムとの酸化反応を促進するために有機電界発光素子110に電流を印加しても良い。有機電界発光素子110に印加される電流は、例えば、0.1mA以上1000mA以下である。
中間膜60なしに第2電極層50の光透過部50tを形成する場合には、中間膜60を形成する工程を省略することができる。第1電極20の材料と第2電極50の材料を化学反応させるにあたっては、第2電極層50を形成した後に有機電界発光素子を加熱しても良い。第1電極20の材料と第2電極層50の材料を化学反応させるにあたっては、有機電界発光素子に電流を印加しても良い。
(第2の実施形態)
図6は、第2の実施形態に係る有機電界発光素子を例示する模式的断面図である。
第2の実施形態に係る有機電界発光素子の製造においては、中間膜60を形成する工程を含む。
図6において、有機電界発光素子120が示されている。図7(a)において、第2電極層50の上に中間膜60を略ストライプ状に成膜したときの有機電界発光素子120が示されている。図7(b)において、中間膜60を成膜後、中間膜60によって第1電極20の材料と第2電極層50の材料との化学反応が進行したときの有機電界発光素子120が示されている。
図6に表したように、有機電界発光素子120には、基板10と、第1電極20と、有機層40と、第2電極層50と、中間膜60と、が設けられている。有機電界発光素子120は、吸湿材70を介して封止基板80によって封止されている。
基板10は、第1面10aと第2面10bとを有する。第2面10bは、第1面10aと反対側の面である。封止基板80は、第3面80aと第4面80bとを有する。第4面80bは、第3面80aと反対側の面である。第2電極層50は、第5面50aと第6面50bとを有する。第6面50bは、第5面50aと反対側の面である。基板10の第1面10aは、封止基板80の第3面80aと対向する。
第1電極20は、基板10の第1面10aに形成される。有機層40は、第1電極20の上に設けられる。第1電極20と第2電極層50との間には、絶縁層及び補助配線層の少なくともいずれかが設けられても良い。
補助配線層は、例えば、Mo、Ta、Nb、Al、Ni及びTiよりなる群から選択される少なくともいずれかの元素を含む。補助配線層は、例えば、この群から選択された元素を含む混合膜である。補助配線層は、例えば、これらの元素を含む積層膜としても良い。補助配線層には、例えば、Nb/Mo/Al/Mo/Nbの積層膜を用いることができる。補助配線層は、例えば、第1電極20の電位降下を抑制する補助電極として機能する。例えば、補助配線層は、第1電極20と第2電極層50の直接接触することを保護する層として機能することができる。補助配線層60は、電流供給のためのリード電極として機能することができる。
図7(a)に表されているように、第2電極層50は、有機層40の上に形成される。第2電極層50は、発光領域の全面に形成される。第2電極層50の第5面50aが有機層40に接触する。第2電極層50の第6面50bの一部が中間膜60と接触している。
図7(b)に表されているように、中間膜60によって第2電極層50の材料と第1電極20の材料とが化学反応することで、第2電極層50の一部が透明化する。第2電極層50が有機層40の上に設けられた後、中間膜60によって、第1電極20の材料と第2電極層50の材料との化学反応が進行する。
例えば、第2電極層50は、第1電極20から有機層40に向かう方向に対して交差する方向(X方向)において互いに離間する第1部分50p1及び第2部分50p2を含む導電膜によって形成される。中間膜60は、第1部分50p1に形成されている。このような場合、第2電極層50の第1部分50p1の光透過率は、第2電極層50の第2部分50p2の光透過率よりも高くなる。
第1電極20の材料と第2電極層50の材料との化学反応によって、第2電極層50の一部が透明化する。よって、本実施形態による有機電界発光素子110において、第2電極層50は、光反射性を有する光反射部50rと、光透過部50tとを含む。光反射部50rは、有機層40に接触する導電部50cに対応する。
中間膜60は、第2電極層50の上にXY平面に略ストライプ状に設けられている。中間膜60は、XY平面に複数の矩形状の膜を含む。中間膜60は、例えば、XY平面に格子状に設けられても良い。
中間膜60は、第1電極20の材料と第2電極層50の材料との反応を促進する物質として作用する。中間膜60は、例えば、酸化剤である。中間膜60として、インジウム錫酸化物(ITO:Indium Tin Oxide)膜が用いられても良い。
第1電極20にITOを用い、第2電極層50にアルミニウムを用い、中間膜60に酸化剤(YBaCu)を用いる場合、第2電極層50の一部が酸化アルミニウムを含み、光透過部50tが形成される。酸化剤によってアルミニウムとの酸化反応が生じる。第2電極層50の一部(光透過部50t)に透過性が付与される。
光反射部50rにおいて、酸化剤によるアルミニウムとの化学反応は起こらない。透過性は光反射部50rに付与されない。光反射部50rは光反射性を有するので、光反射部50rは有機層40から放出される光を透過しない。
第1電極20にITOを用い、第2電極層50にアルミニウムを用い、中間膜60にITOを用いる場合、第2電極層50と中間膜60との接触によって第2電極層50の一部が酸化アルミニウムを含む。ITOとアルミニウムとの酸化反応によって光透過部50tが形成される。第2電極層50の一部(光透過部50t)に透過性が付与される。
中間膜60によって第2電極層50の一部に透過性を付与すると、有機電界発光素子120は、光透過性を有する光透過部50tと、光反射性を有する光反射部50rとを含む第2電極層50を含む。本実施形態の有機電界発光素子120は、例えば、透過型の有機電界発光素子に相当する。
本実施形態に係る有機電界発光素子120では、第2電極層50を発光領域の全面に形成し、中間膜60による第1電極20と第2電極層50との酸化反応を利用して第2電極層50の一部に透過性を付与する。これにより、端部が露出し難い第2電極層50が形成される。有機層40の端部もまた露出し難い。酸化された部分(光透過部50t)は金属酸化膜であるので、酸化された部分は水及び酸素の少なくともいずれかの侵入を抑制する。有機電界発光素子120において、第2電極層50の端部50eから水及び酸素の少なくともいずれかが侵入しにくくなるので、第2電極層50の保管寿命を向上させることができる。
本発明の実施形態によれば、高信頼性の有機電界発光素子が提供される。
図8(a)〜図8(e)は、第2の実施形態に係る有機電界発光素子の製造工程を例示する図である。
図8(a)において、基板10の上に第1電極20が形成される。第1電極20は、例えば、フォトリソグラフィー法によって形成される。
図8(b)において、有機層40が成膜される。有機層40は、第1電極20の上に設けられる。
図8(c)において、第2電極層50が有機層40の上に成膜される。第2電極層50は、発光領域の全面に成膜される。
図8(d)において、中間膜60が第2電極層50の上に設けられる。中間膜60は、XY平面に略ストライプ状に設けられている。
図8(e)において、第2電極層50と中間膜60とが接触している部分が透明化する。第2電極層50において光透過部50tが形成される。
例えば、第2電極層50は、第1電極20から有機層40に向かう方向に対して交差する方向(X方向)において互いに離間する第1部分50p1及び第2部分50p2を含む導電膜によって形成される。中間膜60は、第1部分50p1に形成されている。このような場合、第2電極層50の第1部分50p1の光透過率は、第2電極層50の第2部分50p2の光透過率よりも高くなる。
第1電極20にITOを用い、第2電極層50にアルミニウムを用い、中間膜60に酸化剤(YBaCu)を用いた場合、酸化剤によってアルミニウムとの酸化反応が生じる。第2電極層50の一部が酸化アルミニウムを含み、第2電極層50に透過性が付与される。
実施形態によれば、高信頼性の有機電界発光素子及びその製造方法が提供される。
本実施形態の有機電界発光素子110を照明装置に用いることができる。有機電界発光素子が透過型の有機電界発光素子である場合、このような照明装置は、照明機能のほかに背景像を透過させる機能を有する。
以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。例えば、有機電界発光素子に含まれる基板、第1電極、絶縁層、有機層、中間膜、及び第2電極層等の各要素の具体的な構成に関しては、当業者が公知の範囲から適宜選択することにより本発明を同様に実施し、同様の効果を得ることができる限り、本発明の範囲に包含される。
また、各具体例のいずれか2つ以上の要素を技術的に可能な範囲で組み合わせたものも、本発明の要旨を包含する限り本発明の範囲に含まれる。
その他、本発明の実施の形態として上述した有機電界発光素子を基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全ての有機電界発光素子も、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に属する。
その他、本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
10…基板、 10a…第1面、 10b…第2面、 20…第1電極、 20p1…第1部分、 20p2…第2部分、 20p3…第3部分、 20p4…第4部分、 20p5…第5部分、 30…絶縁層、 40…有機層、 50…第2電極層、 50a…第5面、 50b…第6面、 50c…導電部、 50e…端部、 50p1…第1部分、 50p2…第2部分、 50r…反射部、 50t…透過部、 60…中間膜、 70…吸湿材、 80…封止部材、 80a…第3面、 80b…第4面、 110、119、119a、120…有機電界発光素子、 Wp、Wv…幅

Claims (11)

  1. 基板の第1面上に、第1部分と、前記第1面に平行な面内において前記第1部分と離間する第2部分と、前記第1部分と前記第2部分との間に設けれた第3部分と、前記第1部分と前記第3部分との間に設けられた第4部分と、前記第3部分と前記第2部分との間に設けられた第5部分と、を含む光透過性の第1電極を形成し、
    前記第1部分、前記第2部分及び前記第3部分の上に絶縁層を形成し、
    前記第5部分の上に有機層を形成し、
    前記第4部分、前記絶縁層、及び前記有機層の上に、前記第1電極の光透過率よりも低い光透過率を有する導電層を形成して、前記導電層のうちの前記第4部分の上に位置する部分の光透過率を、前記導電層のうちの前記有機層の上に位置する部分の光透過率よりも高くする有機電界発光素子の製造方法。
  2. 前記絶縁層を形成したあと前記導電層を形成する前に、前記第4部分の上に中間膜を形成する請求項1記載の有機電界発光素子の製造方法。
  3. 光透過性の第1電極の上に有機層を形成し、
    前記有機層の上に前記第1電極の光透過率よりも低い光透過率を有し、前記第1電極から前記有機層に向かう方向に対して交差する方向において互いに離間する第1部分及び第2部分を含む導電膜を形成し、
    前記第1部分の上に中間膜を形成して前記第1部分の光透過率を前記第2部分の光透過率よりも高くする有機電界発光素子の製造方法。
  4. 前記中間膜は、酸素を有する化合物を含む請求項2または3に記載の有機電界発光素子の製造方法。
  5. 前記中間膜は、酸化剤を含む請求項2〜4のいずれか1つに記載の有機電界発光素子の製造方法。
  6. 前記酸化剤は、銅酸化物高温超電導体を含む請求項5記載の有機電界発光素子の製造方法。
  7. 前記酸化剤は、YBaCuを含む請求項5または6に記載の有機電界発光素子の製造方法。
  8. 前記中間膜は、インジウム錫酸化物を含む請求項2または3に記載の有機電界発光素子の製造方法。
  9. 前記第2電極層は、アルミニウムを含む請求項1〜8のいずれか1つに記載の有機電界発光素子の製造方法。
  10. 前記第1電極は、インジウム錫酸化物を含む請求項1〜9のいずれか1つに記載の有機電界発光素子の製造方法。
  11. 第1面を有する基板と、
    前記第1面上に設けられ、第1部分と、前記第1面に平行な面内において前記第1部分と離間する第2部分と、前記第1部分と前記第2部分との間に設けられた第3部分と、前記第1部分と前記第3部分との間に設けられた第4部分と、前記第3部分と前記第2部分との間に設けられた第5部分と、を含む光透過性の第1電極と、
    前記第1部分、前記第2部分及び前記第3部分の上に設けられた絶縁層と、
    前記第4部分の上に設けられた中間膜と、
    前記第5部分の上に設けられた有機層と、
    前記絶縁層、前記中間膜、及び前記有機層の上に設けられた導電膜と、
    を備え、
    前記導電膜のうちの前記中間膜の上に位置する部分の光透過率は、前記導電膜のうちの前記有機層の上に位置する部分の光透過率よりも高い有機電界発光素子。
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