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JP2015180130A - 永久磁石形同期電動機の制御装置 - Google Patents

永久磁石形同期電動機の制御装置 Download PDF

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JP2015180130A
JP2015180130A JP2014055968A JP2014055968A JP2015180130A JP 2015180130 A JP2015180130 A JP 2015180130A JP 2014055968 A JP2014055968 A JP 2014055968A JP 2014055968 A JP2014055968 A JP 2014055968A JP 2015180130 A JP2015180130 A JP 2015180130A
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野村 尚史
Naofumi Nomura
尚史 野村
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Fuji Electric Co Ltd
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Abstract

【課題】電動機鉄芯の磁気飽和が存在する場合にもトルク/電流を最大化してトルクを高精度に制御可能としたPMSMの制御装置を提供する。
【解決手段】PMSMの電流及び電圧を、d−q直交回転座標上で制御するための制御装置であって、電動機鉄芯の磁気飽和特性を考慮した磁束モデルに基づいて構成される制御装置において、電動機のトルク指令値から磁束指令値を演算する磁束指令演算器18aと、d軸電流指令値及びq軸電流指令値からトルクを求めるトルク演算器18iと、トルク指令値とトルク演算値との偏差が零になるように負荷角指令値を演算する負荷角演算器18b及び負荷角調節器18kと、磁束指令値及び負荷角指令値からd軸磁束指令値及びq軸磁束指令値を演算する座標変換器18mと、d軸磁束指令値及びq軸磁束指令値からd軸電流指令値及びq軸電流指令値を演算する電流指令演算器18nを備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、永久磁石形同期電動機(以下、PMSMともいう)の制御装置に関し、詳しくは、PMSMのトルクを高精度に制御し、かつ、トルク/電流を最大化する技術に関するものである。
特許文献1には、PMSMのトルクを所望の値に制御し、同時にトルク/電流を最大化する技術が開示されている。以下、この技術の概要について説明する。
図6は、特許文献1に記載された電流指令演算部100の構成を示すブロック図であり、この電流指令演算部100は、PMSMの制御回路において、トルク指令値τ等からd−q直交回転座標上のd,q軸電流指令値i ,i を演算するためのものである。ここで、d軸はPMSMの回転子磁極方向に平行な軸であり、q軸はd軸に直交する方向の軸である。
図6に示す電流指令演算部100において、磁束指令演算器101は、トルク指令値τからトルク/電流が最大になるように磁束指令値Ψ を演算する。また、電圧制限値Valimと電圧振幅指令値V との偏差が零になるように磁束調節器102により演算した磁束補正値Ψcomp を、出力制限器103を介して磁束指令値Ψ に加算することにより、磁束指令値Ψを得る。
一方、トルク演算器104は、d,q軸電流指令値i ,i からトルク演算値τcalcを求め、負荷角調節器105は、トルク指令値τとトルク演算値τcalcとの偏差が零になるように負荷角指令値δを演算する。
電流指令生成器106は、磁束指令値Ψ及び負荷角指令値δからd,q軸磁束指令値を求め、これらのd,q軸磁束指令値からd,q軸電流指令値i ,i を演算する。
そして、PMSMを流れる電流がd,q軸電流指令値i ,i に一致するようにPMSMの端子電圧を制御することにより、PMSMのトルクをトルク指令値τ通りに制御すると共にトルク/電流を最大化している。
しかし、特許文献1に記載された従来技術では、電動機鉄芯の磁気飽和を考慮していないため、主に重負荷時に、電動機鉄芯の磁気飽和に起因して磁束制御誤差やトルク制御誤差が発生し、トルク/電流を最大化することができないという問題があった。
ここで、PMSMのトルクを高精度に制御するためには、電動機鉄芯の磁気飽和特性を考慮した磁束モデルを求め、これに基づいて電流制御を行うことが望ましい。この種の磁束モデルの代表的なものとしては、非特許文献1に記載されたモデルが知られている。なお、磁気飽和特性とは、電流の増加に伴う電動機鉄芯の磁気飽和により、d,q軸磁束とこれらに対応する各軸電流との線形性が崩れる特性をいう。
図7は、非特許文献1に記載されたPMSMのモデルであり、磁気飽和特性及びd,q軸間干渉特性を考慮して構成されている。なお、d,q軸間干渉特性とは、他軸電流の影響により自軸磁束が変化する特性をいう。
図7において、φ,φはd,q軸磁束、ωは角周波数、i,iはd,q軸電流、τは出力トルク、Rは巻線抵抗、φは永久磁石磁束、Pは極対数である。また、d,q軸磁束φ,φからd,q軸電流i,iを求める数式A,Bは、磁気飽和特性を考慮した磁束モデル(後述する数式4)を逆関数化したものであり、以下に示すとおりである。
Figure 2015180130
Figure 2015180130
数式A,Bでは、d,q軸電流i,iとd,q軸磁束φ,φとの関係を8つのパラメータKLd,KSd,KSdq,KLq,KSq,KSqd,I,φを用いて表しており、他軸電流の影響によって磁束が変化するd,q軸間の干渉と磁気飽和特性とを考慮した電動機モデルとなっている。
ここで、KLdはd軸電流iに対するd軸磁束φの傾きの最大値に相当するパラメータ、KLqはq軸電流iに対するq軸磁束φの傾きの最大値に相当するパラメータ、KSd,KSqは磁気飽和の度合いを示すパラメータ、KSdq,KSqdはd,q軸間の干渉の度合いを示すパラメータ、Iは等価磁化電流、φは磁束オフセットである。なお、I,φは、q軸電流iの大きさに関わらずd軸磁束φがほぼ一定値をとる時のd軸電流を−Iとし、これに対応するd軸磁束をφとしている。
特許第5104239号公報(段落[0026]〜[0041]、図1,図2等)
中津川潤之介,岩崎則久,名倉寛和,岩路善尚,「磁気飽和およびdq軸間干渉を考慮した永久磁石同期モータの数式モデルの提案」電気学会論文誌D,Vol.130,NO.11,p.1212−p.1220(2010年)
非特許文献1には、電動機鉄芯の磁気飽和特性を考慮したうえでPMSMのトルク/電流を最大化するための技術について、特に言及されていない。
そこで、本発明の解決課題は、電動機鉄芯の磁気飽和が存在する場合にもトルク/電流を最大化してトルクを高精度に制御可能としたPMSMの制御装置を提供することにある。
上記課題を解決するため、請求項1に記載した永久磁石形同期電動機の制御装置は、電力変換器により永久磁石形同期電動機に供給する電流及び電圧を、前記電動機の回転子磁極方向に平行なd軸とこのd軸に直交するq軸とからなるd−q直交回転座標上で制御するための制御装置であって、電動機鉄芯の磁気飽和特性を考慮した磁束モデルに基づいて構成される制御装置において、
前記電動機のトルク指令値から磁束指令値を演算する手段と、
d軸電流指令値及びq軸電流指令値からトルク演算値を求める手段と、
前記トルク指令値と前記トルク演算値との偏差が零になるように負荷角指令値を演算する手段と、
前記磁束指令値及び前記負荷角指令値からd軸磁束指令値及びq軸磁束指令値を演算する手段と、
前記d軸磁束指令値及び前記q軸磁束指令値から前記d軸電流指令値及び前記q軸電流指令値を演算する手段と、
前記電動機の電流が、前記d軸電流指令値及び前記q軸電流指令値からなる電流指令値に一致するような電圧指令値を演算して前記電力変換器を制御する手段と、を備えたものである。
これにより、電動機鉄芯に磁気飽和が発生する場合にも、磁束及びトルクを正確に制御することができ、トルク/電流を最大化することができる。
請求項2に記載した発明は、請求項1に記載した制御装置において、前記トルク指令値から演算した前記磁束指令値を、前記電圧指令値が電圧制限値以下になるように制限する手段を備えたことを特徴とする。
これにより、請求項1に係る発明の効果に加えて、PMSMの端子電圧を、PMSMに電力を供給する電力変換器の最大出力電圧以下に制限して電流制御系を安定化することができる。
本発明によれば、電動機鉄芯に磁気飽和が発生する場合にも、磁束及びトルクを正確に制御してトルク/電流を最大化することができる。
本発明の実施形態を示すブロック図である。 図1における電流指令演算部のブロック図である。 本発明の実施形態におけるパラメータ演算手段のブロック図である。 図3における磁束推定部のブロック図である。 q軸電流が零のときのd軸電流とd軸磁束との関係を示す図である。 特許文献1に記載された従来技術の主要部を示すブロック図である。 非特許文献1に記載された磁束モデルを示すブロック図である。
以下、図に沿って本発明の実施形態を説明する。図1は、この実施形態の構成を示すブロック図である。
PMSM80を駆動する主回路において、三相交流電源50の交流電圧は整流回路60により整流されてインバータ等の電力変換器70に供給される。電力変換器70は、後述するPWM回路13からのゲート信号によりIGBT等の半導体スイッチング素子をスイッチングし、直流電圧を所定の大きさ及び周波数の三相交流電圧に変換してPMSM80に供給する。
一方、電力変換器70の制御装置は以下のように構成されている。
まず、電圧検出器12は、電力変換器70の入力電圧Edcを検出して電圧制限値演算器22に出力する。電圧制限値演算器22は、入力電圧検出値Edcに比例し、かつ、Edcによって決まる電力変換器70の最大出力電圧以下の電圧制限値Valimを演算する。
PMSM80には磁極位置検出器90及び速度検出器91が取り付けられており、磁極位置検出器90はPMSM80の磁極位置θを検出し、速度検出器91はPMSM80の速度ωを検出する。
電流座標変換器14は、u相電流検出器11、w相電流検出器11によってそれぞれ検出した相電流検出値i,iを、磁極位置検出値θに基づいてd,q軸電流検出値i,iに座標変換する。
また、減算器16は、速度指令値ωと速度検出値ωとの偏差を演算し、速度調節器17は上記偏差が零になるように動作してトルク指令値τを演算する。
電流指令演算部18は、トルク指令値τ、電圧制限値Valim、電圧振幅指令値V 及び速度検出値ωから、PMSM80の端子電圧が電圧制限値Valim以下の条件でトルク/電流が最大になり、かつ、所望のトルクを出力するようなd,q軸電流指令値i ,i を演算する。
電圧振幅演算器21は、数式1により、d,q軸電圧指令値v ,v のベクトル和から電圧振幅指令値V を演算し、この電圧振幅指令値V を電流指令演算部18に出力する。
Figure 2015180130
減算器19aは、d軸電流指令値i とd軸電流検出値iとの偏差を求め、この偏差を零にするようにd軸電流調節器20aが動作してd軸電圧指令値v を演算する。一方、減算器19bは、q軸電流指令値i とq軸電流検出値iとの偏差を求め、この偏差を零にするようにq軸電流調節器20bが動作してq軸電圧指令値v を演算する。
電圧座標変換器15は、磁極位置検出値θに基づいてd,q軸電圧指令値v ,v を相電圧指令値v ,v ,v に変換し、PWM回路13に与える。
PWM回路13は、相電圧指令値v ,v ,v 及び入力電圧検出値Edcから、電力変換器70の出力電圧を上記相電圧指令値v ,v ,v に制御するためのゲート信号を生成し、電力変換器70の半導体スイッチング素子をオンオフ制御してPMSM80を駆動する。
次に、図2は電流指令演算部18の構成を示すブロック図である。
磁束指令演算器18aは、トルク指令値τから磁束指令値Ψa0 を演算し、負荷角演算器18bは、トルク指令値τから負荷角演算値δ を求める。これらの磁束指令値Ψa0 及び負荷角演算値δ は、トルク指令値τに対してトルク/電流が最大になるように演算される。これらの演算をオンラインにて実施するのは困難なため、トルク/電流が最大になる磁束及び負荷角のテーブルを予め用意しておき、これらのテーブルを利用して磁束指令値Ψa0 と負荷角演算値δ とを求めれば良い。
また、磁束制限値演算器18cは、磁束制限値Ψalimを数式2により演算する。
Figure 2015180130
この磁束制限値Ψalimは出力制限器18dの上限値に設定されており、磁束指令値Ψa0 はその上限値が磁束制限値Ψalimにより制限され、磁束指令値Ψa1 として乗算器18hに入力される。
一方、減算器18eは電圧制限値Valimと電圧振幅指令値V との偏差を演算し、積分調節器からなる磁束調節器18fは、上記偏差を零にするように動作して磁束補正係数KΨaを出力する。なお、磁束補正係数KΨaは、上限値が1.0(倍)、下限値が零に設定された出力制限器18gを介して前記乗算器18hに入力される。
乗算器18hは、磁束指令値Ψa1 に磁束補正係数KΨaを乗算して磁束指令値Ψ を求め、この磁束指令値Ψ を座標変換器18mに入力する。これにより、PMSM80の端子電圧を電圧制限値Valim以下に制御するような磁束指令値Ψ を演算することができる。
更に、トルク演算器18iは、d,q軸電流指令値i ,i からトルク演算値τcalcを求め、減算器18jは、トルク指令値τとトルク演算値τcalcとの偏差を演算する。なお、トルク演算器18iについては後に説明する。
比例積分調節器からなる負荷角調節器18kは、トルク指令値τとトルク演算値τcalcとの偏差が零になるように動作して負荷角補償値δcompを演算する。
加算器18lは、負荷角演算値δ と負荷角補償値δcompとを加算して負荷角指令値δを求め、この負荷角指令値δを座標変換器18mに入力する。
座標変換器18mは、磁束指令値Ψ と負荷角指令値δとに基づき、数式3によりd,q軸磁束指令値Ψ ,Ψ を演算する。
Figure 2015180130
電流指令演算器18nは、d,q軸磁束指令値Ψ ,Ψ からd,q軸電流指令値i ,i を演算する。
次に、電流指令演算器18nについて、詳細に説明する。
前述した非特許文献1に記載されたPMSMの磁束モデルによれば、数式4に示すように、d,q軸磁束Ψ,Ψはd,q軸電流i,iの関数として表すことができる。なお、前述した数式A,Bでは、d,q軸磁束をφ,φと表記してあるが、Ψ,Ψはφ,φとそれぞれ実質的に同一である。
Figure 2015180130
数式4をd,q軸電流i,iについて解くと、数式5となる。
Figure 2015180130
数式5を利用して、電流指令演算器18nは、数式6により、d,q軸磁束指令値Ψ ,Ψ からd,q軸電流指令値i ,i を演算する。
Figure 2015180130
ここで、数式6におけるパラメータの演算方法の一例を説明する。なお、この演算方法は、本出願人による特願2014−16395号にも記載されている。
図3は、数式6におけるパラメータKLd,KSd,KSdq,KLq,KSq,KSqd,I,φのうち、d軸インダクタンスLの最大値に相当するパラメータKLd、d軸磁束Ψにおけるd軸電流反比例係数に相当するパラメータKSd、等価磁化電流に相当するパラメータI、及び、磁束オフセットに相当するパラメータφを演算するためのパラメータ演算手段を示している。
図3において、ローパスフィルタ92によりd軸電流iの高周波成分が除去され、d軸電流idfとしてパラメータ演算部94に入力される。また、磁束推定部93は、以下に説明するように、q軸電圧指令値v 、q軸電流i及び速度検出値ωに基づいてd軸磁束推定値Ψdestを演算する。
図4は磁束推定部93の構成を示すブロック図であり、誘起電圧演算器93aは、数式7によりq軸誘起電圧演算値eqcalcを求める。
Figure 2015180130
なお、数式7におけるq軸電圧指令値v の代わりに、電圧検出回路(図示せず)により求めたq軸電圧検出値を用いてq軸誘起電圧演算値eqcalcを求めても良い。
乗算器93bは、推定器93dにより求めたd軸磁束推定値Ψdestと速度検出値ωとを乗算してq軸誘起電圧推定値eqestを演算する。減算器93cは、数式8により、q軸誘起電圧推定値eqestからq軸誘起電圧演算値eqcalcを減算してq軸誘起電圧推定誤差eqerrを求める。
Figure 2015180130
推定器93dは、q軸誘起電圧推定誤差eqerrと速度検出値ωとから、数式9によりd軸磁束推定値Ψdestを演算する。
Figure 2015180130
この結果、q軸誘起電圧推定誤差eqerrが零になるようにd軸磁束推定値Ψdestが演算され、このd軸磁束推定値Ψdestは真値に収束する。
d軸磁束推定値Ψdestは、前述したローパスフィルタ92の出力idfと共に、パラメータ演算部94に入力される。
次に、各パラメータの演算原理について説明する。
図5は、q軸電流iが零の時のd軸電流iとd軸磁束Ψとの関係を示しており、Ψは無負荷時の永久磁石磁束である。この図5は、非特許文献1にも記載されている。
前述した数式4により、d軸磁束Ψのd軸電流iによる偏微分は数式10となる。
Figure 2015180130
数式10から、q軸電流iが零の時、d軸磁束Ψのd軸電流iによる偏微分は数式11となる。
Figure 2015180130
数式11によれば、d軸磁束Ψのd軸電流iによる偏微分は、i=−Iの時に最大になり、最大値はパラメータKLdに等しくなる。これを数式で表すと数式12となる。
Figure 2015180130
このことから、q軸電流iが零の時のd軸磁束Ψのd軸電流iによる偏微分の最大値からパラメータKLdを求めることができ、d軸磁束Ψのd軸電流iによる偏微分が最大になる時のd軸電流iからパラメータIを求めることができる。
更に、数式4より、d軸電流iが−Iに等しく、q軸電流iが零の時のd軸磁束Ψは、数式13に示すようにパラメータφに等しくなる。
Figure 2015180130
また、永久磁石磁束Ψを、d,q軸電流が共に零の時のd軸磁束と定義すると、数式4より、数式14の関係が成り立つ。
Figure 2015180130
数式14より、パラメータKSdは数式15によって求めることができる。
Figure 2015180130
上述した演算処理により、数式6におけるパラメータのうち、KLd,KSd,I,φを演算することができる。
なお、他のパラメータKLq,KSq,KSdq,KSqdについては既知の値として与えられるが、例えば、i−φ特性のグラフ、及び、i−φ特性のグラフを用いて適宜決定するか、別途演算して決定すれば良い。
以上のように、電流指令演算器18nは、電動機鉄芯の磁気飽和が発生する場合でも、磁束を指令値に制御する電流指令値を演算することができ、これによってトルク/電流を最大化するように磁束を制御することが可能になる。
次に、図2におけるトルク演算器18iについて説明する。
電動機鉄芯の磁気飽和がない場合、d,q軸磁束Ψ,Ψは数式16によって表すことができる。
Figure 2015180130
また、トルクτは、数式17によって表すことができる。
Figure 2015180130
数式4に示した、磁気飽和を考慮した磁束モデルを、数式16と類似した形式で表現すると、d,q軸磁束Ψ,Ψとd,q軸電流i,iとの関係は数式18のようになる。
Figure 2015180130
磁気飽和特性を考慮した場合のトルクτは、数式17におけるL,L,ΨをそれぞれLds,Lqs,Ψmsに置き換えることで、数式19によって表すことができる。
Figure 2015180130
図2のトルク演算器18iは、数式19を利用して、数式20によりd,q軸電流指令値i ,i からトルク演算値τcalcを求める。
Figure 2015180130
数式20により、磁気飽和が発生する場合にもトルク演算値τcalcを正確に求めることができる。
図2における負荷角調節器18kでは、上記のトルク演算値τcalcがトルク指令値τに一致するように負荷角補償値δcompを演算する。そして、この負荷角補償値δcompと負荷角演算値δ とを加算して得た負荷角指令値δと、磁束指令値Ψ とに基づいて、座標変換器18m及び電流指令演算器18nによりd,q軸電流指令値i ,i が演算されるため、所望のトルクを出力するような電流指令値を得ることができる。
なお、上述した実施形態は、PMSM80の磁極位置及び速度を各検出器90,91により検出する場合のものであるが、本発明は、PMSM80の電流及び端子電圧から磁極位置と速度とを演算する、いわゆるセンサレス制御を行う場合にも適用可能である。
11u u相電流検出器
11w w相電流検出器
12 電圧検出器
13 PWM回路
14 電流座標変換器
15 電圧座標変換器
16 減算器
17 速度調節器
18 電流指令演算部
18a 磁束指令演算器
18b 負荷角演算器
18c 磁束制限値演算器
18d,18g 出力制限器
18e,18j 減算器
18f 磁束調節器
18h 乗算器
18i トルク演算器
18k 負荷角調節器
18l 加算器
18m 座標変換器
18n 電流指令演算器
19a,19b 減算器
20a d軸電流調節器
20b q軸電流調節器
21 電圧振幅演算器
22 電圧制限値演算器
50 三相交流電源
60 整流回路
70 電力変換器
80 永久磁石形同期電動機(PMSM)
90 磁極位置検出器
91 速度検出器
92 ローパスフィルタ
93 磁束推定部
93a 誘起電圧演算器
93b 乗算器
93c 減算器
93d 推定器
94 パラメータ演算部

Claims (2)

  1. 電力変換器により永久磁石形同期電動機に供給する電流及び電圧を、前記電動機の回転子磁極方向に平行なd軸とこのd軸に直交するq軸とからなるd−q直交回転座標上で制御するための制御装置であって、電動機鉄芯の磁気飽和特性を考慮した磁束モデルに基づいて構成される制御装置において、
    前記電動機のトルク指令値から磁束指令値を演算する手段と、
    d軸電流指令値及びq軸電流指令値からトルク演算値を求める手段と、
    前記トルク指令値と前記トルク演算値との偏差が零になるように負荷角指令値を演算する手段と、
    前記磁束指令値及び前記負荷角指令値からd軸磁束指令値及びq軸磁束指令値を演算する手段と、
    前記d軸磁束指令値及び前記q軸磁束指令値から前記d軸電流指令値及び前記q軸電流指令値を演算する手段と、
    前記電動機の電流が、前記d軸電流指令値及び前記q軸電流指令値からなる電流指令値に一致するような電圧指令値を演算して前記電力変換器を制御する手段と、
    を備えたことを特徴とする永久磁石形同期電動機の制御装置。
  2. 請求項1に記載した永久磁石形同期電動機の制御装置において、
    前記トルク指令値から演算した前記磁束指令値を、前記電圧指令値が電圧制限値以下になるように制限する手段を備えたことを特徴とする永久磁石形同期電動機の制御装置。
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