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JP2015177459A - 水晶振動片の製造方法、水晶振動片及び水晶振動子 - Google Patents

水晶振動片の製造方法、水晶振動片及び水晶振動子 Download PDF

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JP2015177459A
JP2015177459A JP2014054043A JP2014054043A JP2015177459A JP 2015177459 A JP2015177459 A JP 2015177459A JP 2014054043 A JP2014054043 A JP 2014054043A JP 2014054043 A JP2014054043 A JP 2014054043A JP 2015177459 A JP2015177459 A JP 2015177459A
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加藤 良和
Yoshikazu Kato
良和 加藤
皿田 孝史
Takashi Sarada
孝史 皿田
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Abstract

【課題】水晶振動片の対称性を維持できる水晶振動片の製造方法を提供する。
【解決手段】水晶基板Wにエッチング加工を施すことによって、フレーム2に連結片3Aを介して連結された水晶振動片1Aを形成する工程と、水晶振動片1Aを連結片3Aから破断させることによって、水晶振動片1Aを連結片3Aから分離する工程と、を含み、水晶基板Wにエッチング加工を施す工程において、水晶振動片1Aの中心線Oが通る位置の近傍に、若しくは、水晶振動片Oの中心線を挟んで略対称となる位置に、隅部4a,4bの角度が90°よりも小さくなる鋭角部5を形成する。
【選択図】図2

Description

本発明は、水晶振動片の製造方法、水晶振動片及び水晶振動子に関する。
近年、水晶振動子を使用した電子機器の小型化の要求から、水晶振動子を小型パッケージ化する必要性が高まっている。このため、水晶振動子の主要部となる水晶振動片を従来の機械加工ではなく、フォトリソグラフィ技術を用いて微細に形成することが提案されている(例えば、特許文献1を参照。)。具体的に、特許文献1には、水晶基板にエッチング加工を施すことによって、フレームに連結片を介して連結された水晶振動片を形成した後に、水晶振動片を連結片から破断させることによって、水晶振動片を連結片から分離する技術が開示されている。
特開2011−139508号公報
ところで、上述した水晶振動片の製造方法では、水晶基板のエッチング加工の際に、水晶振動片と連結片との間の隅部において水晶基板がエッチングされずに残る、いわゆるエッチング残りが発生することがある。このエッチング残りは、隅部の角度が鋭角になるほど発生し易く、隅部の角度が鈍角になるに従って発生し難くなくなる。
水晶振動片は、隅部を基点に連結片から破断させるため、この隅部にエッチング残りがあると、エッチング残りを基点にして破断することが確認されている。したがって、エッチング残りは、水晶振動片を連結片から破断した後も水晶振動片の端面に残ることになる。
しかしながら、このようなエッチング残りは、発生する位置によって水晶振動片に非対称性を生じさせる。水晶振動子は、水晶振動片の対称性が悪くなると、スプリアス(不要波)の発生等により安定した振動特性を確保することが困難となってしまう。
本発明は、このような従来の事情に鑑みて提案されたものであり、水晶振動片の対称性を維持することによって、スプリアスの発生を抑制しながら、安定した振動特性を確保できる水晶振動片の製造方法、水晶振動片及び水晶振動子を提供することを目的とする。
本発明に係る水晶振動片の製造方法は、水晶基板にエッチング加工を施すことによって、フレームに連結片を介して連結された水晶振動片を形成する工程と、水晶振動片を連結片から破断させることによって、水晶振動片を連結片から分離する工程と、を含み、水晶基板にエッチング加工を施す工程において、水晶振動片の中心線が通る位置の近傍に、若しくは、水晶振動片の中心線を挟んで略対称となる位置に、水晶振動片と連結片との間の隅部の角度が90°よりも小さくなる鋭角部を形成することを特徴とする。
以上のような水晶振動片の製造方法では、水晶振動片の中心線が通る位置の近傍に、若しくは、水晶振動片の中心線を挟んで略対称となる位置に、隅部の角度が90°よりも小さくなる鋭角部を形成することで、この鋭角部にエッチング残りが形成される。エッチング残りは、破断後も水晶振動片の端面に破断痕として残る。したがって、破断痕は、水晶振動片の中心線が通る位置の近傍にある、若しくは、水晶振動片の中心線を挟んで略対称となる位置にあるため、この水晶振動片の対称性が維持される。これにより、スプリアスの発生を抑制しながら、安定した振動特性を確保できる水晶振動片を製造することが可能である。
なお、ここで言う「水晶振動片の中心線が通る位置の近傍」とは、水晶振動片の中心線が通る位置だけでなく、この中心線を通る位置からのずれを許容することを意味する。すなわち、破断痕が形成される位置については、水晶振動片の中心線を通る位置から幅方向の両側にそれぞれ100μm以内の範囲でずれていたとしても、水晶振動片の非対称性に基づくスプリアスを抑制しながら、水晶振動片の対称性が維持されることを確認した。したがって、「水晶振動片の中心線が通る位置の近傍」とは、水晶振動片の対称性が維持される範囲として、水晶振動片の中心線が通る位置と共に、水晶振動片の中心線を通る位置から幅方向の両側にそれぞれ100μm以内の範囲を含むものとする。
また、ここで言う「水晶振動片の中心線を挟んで略対称となる位置」とは、水晶振動片の中心線を挟んで対称となる位置だけでなく、この対称となる位置からのずれを許容することを意味する。すなわち、破断痕が形成される位置については、破断痕の中心線からの距離の差が50μm以内の範囲でずれていたとしても、水晶振動片の非対称性に基づくスプリアスを抑制しながら、水晶振動片の対称性が維持されることを確認した。したがって、「水晶振動片の中心線を挟んで略対称となる位置」とは、水晶振動片の対称性が維持される範囲として、水晶振動片の中心線を挟んで対称となる位置と共に、中心線からの距離の差が50μm以内の範囲を含むものとする。
また、本発明に係る水晶振動片の製造方法は、水晶基板にエッチング加工を施すことによって、フレームに連結片を介して連結された水晶振動片を形成する工程と、水晶振動片を連結片から破断させることによって、水晶振動片を連結片から分離する工程と、を含み、水晶基板にエッチング加工を施す工程において、水晶振動片の中心線を挟んだ両側の角部に接続された連結片をそれぞれ形成すると共に、連結片を挟んだ両側に、水晶振動片と連結片との間の隅部の角度が90°よりも大きくなる鈍角部をそれぞれ形成することを特徴とする。
以上のような水晶振動片の製造方法では、水晶振動片の中心線を挟んだ両側の角部に接続された連結片を形成すると共に、連結片を挟んだ両側に、隅部の角度が90°よりも大きくなる鈍角部をそれぞれ形成することで、これらの鈍角部にエッチング残りが生じるのを防ぐことができる。また、水晶振動片の中心線を挟んだ両側の角部には、連結片から破断したときのカット面が形成される。したがって、カット面は、水晶振動片の中心線を挟んだ両側の角部にあるため、この水晶振動片の対称性が維持される。これにより、スプリアスの発生を抑制しながら、安定した振動特性を確保できる水晶振動片を製造することが可能である。
また、本発明に係る水晶振動片は、水晶基板にエッチング加工を施すことによって、フレームに連結片を介して連結された水晶振動片を形成する工程と、水晶振動片を連結片から破断させることによって、水晶振動片を連結片から分離する工程と、を経ることによって作製されるものであって、その中心線が通る位置の近傍に、若しくは、その中心線を挟んで略対称となる位置に、連結片から破断したときの破断痕を有することを特徴とする。
以上のような水晶振動片は、その対称性が維持されることによって、スプリアスの発生を抑制しながら、安定した振動特性を確保することが可能である。
また、本発明に係る水晶振動片は、水晶基板にエッチング加工を施すことによって、フレームに連結片を介して連結された水晶振動片を形成する工程と、水晶振動片を連結片から破断させることによって、水晶振動片を連結片から分離する工程と、を経ることによって作製されるものであって、その中心線を挟んだ両側の角部に、連結片から破断したときのカット面を有することを特徴とする。
以上のような水晶振動片は、その対称性が維持されることによって、スプリアスの発生を抑制しながら、安定した振動特性を確保することが可能である。
また、本発明に係る水晶振動片は、カット面が形成された角部とは反対側に位置する角部がカットされた形状を有する構成であってもよい。この場合、水晶振動片の対称性を更に確保することが可能である。
また、本発明に係る水晶振動子は、上記何れかの水晶振動片を備えることを特徴とする。 以上のような水晶振動子では、水晶振動片の対称性が維持されるため、スプリアスの発生を抑制しながら、安定した振動特性を確保することが可能である。
以上のように、本発明によれば、水晶振動片の対称性を維持することによって、スプリアスの発生を抑制しながら、安定した振動特性を確保できる水晶振動片の製造方法、水晶振動片及び水晶振動子を提供することが可能である。
水晶振動片の製造工程を説明するための模式図である。 本発明の第1の実施形態に係る水晶振動片及びその製造方法を説明するための平面図である。 本発明の第2の実施形態に係る水晶振動片及びその製造方法を説明するための平面図である。 本発明の第3の実施形態に係る水晶振動片及びその製造方法を説明するための平面図である。 図4に示す水晶振動片の変形例を示す平面図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
なお、以下の全ての図面においては、各構成要素を見やすくするため、構成要素によって寸法の縮尺を異ならせて示すことがある。
先ず、水晶振動片の製造工程について、図1を参照しながら説明する。なお、図1は、水晶振動片の製造工程を説明するための模式図である。
水晶振動片を製造する際は、先ず、図1中に示す(a)の工程では、例えばオートクレーブ等で作製した水晶の原石(人工水晶)Bを準備する。次に、図1中に示す(b)の工程では、水晶の原石Bの成形(ランバート加工)を行う。次に、図1中に示す(c)の工程では、成形後の水晶の原石Bから例えばワイヤーソーなどを用いたスライス加工によって、ATカット面でカットされた水晶基板(ウェハ)Wを切り出す。なお、水晶基板Wの平面形状については、特に限定されるものではなく、例えば多角形や円形のものなどを挙げることができる。次に、図1中に示す(d)の工程では、切り出された水晶基板Wに対して厚み調整及び平坦化のためのラッピング加工を行う。また、必要に応じてポリッシング加工を行ってもよい。
次に、図1中に示す(e)の工程では、水晶基板Wにフォトリソグラフィ技術を用いたエッチング加工(ウェットエッチング)を施す。具体的には、水晶基板Wの上に、フォトレジストを塗布した後に、露光・現像を行うことによって、所定の形状にパターニングされたマスクパターンを形成する。その後、水晶基板Wのマスクパターンから露出した部分をウェットエッチングにより除去する。これにより、マスクパターンに対応した形状にパターニングされた水晶振動片(チップ)Cがマトリクス状に並ぶ水晶基板Wを得る。ウェットエッチングを用いた場合、水晶振動片Cの側面や角部において安定した結晶面を形成することができる。
次に、図1中に示す(f)の工程では、水晶基板Wの各水晶振動片Cに電極等を形成する。その後、水晶振動片Cの一部に力を加えて水晶振動片Cを折り取ることによって、各水晶振動片Cを水晶基板Wから分離(チップ化)する。分離された水晶振動片Cは、セラミック等からなるパッケージP内の所定の位置に実装された後、封止される。これにより、図1中の(g)に示すような水晶振動素子Sを得ることができる。
以下に示す第1の実施形態乃至第3の実施形態では、上記図1中の(e)に示す工程において、水晶振動片Cのパターニング形状を異ならせる以外は、基本的に同じ工程を経ることによって水晶振動片C及びそれを備えた水晶振動子Sを作製するものである。したがって、以下に示す第1の実施形態乃至第3の実施形態では、互いに異なる部分について説明を行うものとする。
(第1の実施形態)
先ず、本発明の第1の実施形態に係る水晶振動片1A及びその製造方法について、図2(A),(B)を参照して説明する。なお、図2(A)は、水晶基板Wから分離される前の水晶振動片1Aを示す平面図である。図2(B)は、水晶基板Wから分離された後の水晶振動片1Aを示す平面図である。
第1の実施形態では、図2(A)に示すように、水晶基板Wにエッチング加工を施すことによって、フレーム2に連結片3Aを介して連結された水晶振動片1Aを形成する。その後、図2(B)に示すように、水晶振動片1Aと連結片3Aとの間の隅部4a,4bを基点にして、水晶振動片1Aを連結片3Aから破断させることによって、この水晶振動片1Aを連結片3Aから分離する。
水晶基板Wから分離される前の水晶振動片1Aは、図2(A)に示すように、全体として矩形状の平面形状を有している。水晶振動片1Aは、その長手方向に沿った中心線Oを挟んで略対称となる形状を有している。
連結片3Aは、矩形状の平面形状を有している。連結片3Aは、水晶振動片1Aの短手方向の一辺よりも十分に細く形成されている(例えば10〜300μm程度の幅。)。連結片3Aの一端は、水晶振動片1Aの短手方向の一辺に対して所定の角度で斜めに接続されている。一方、連結片3Aの他端は、フレーム2に接続されている。
水晶振動片1Aは、水晶基板Wを平面視したときに、その中心線Oが通る位置の近傍に、一方の隅部4aの角度αが90°よりも小さくなる鋭角部5を有している。また、水晶振動片1Aは、その中心線Oから連結片3Aの幅だけずれた位置に、他方の隅部4bの角度βが90°よりも大きくなる鈍角部6を有している。なお、角度α(β=180°−α)については、30°以上90°未満の範囲であればより好適である。
なお、ここで言う「水晶振動片1Aの中心線Oが通る位置の近傍」とは、水晶振動片1Aの中心線Oが通る位置と共に、水晶振動片1Aの中心線Oを通る位置から幅方向の両側にそれぞれ100μm以内の範囲を含むものとする。すなわち、本発明者らによる鋭意検討の結果、鋭角部5の形成される位置については、水晶振動片1Aの中心線Oを通る位置に厳密に無くとも、中心線Oを通る位置から幅方向の両側にそれぞれ100μm以内の範囲にあれば、後述する水晶振動片1Aの非対称性に基づくスプリアスを抑制しながら、水晶振動片1Aの対称性を十分に維持できることを確認した。また、この効果は、水晶振動片1Aの外形寸法に関係なく得ることができることを確認した。
鋭角部5には、水晶基板Wのエッチング加工の際に水晶基板Wがエッチングされずに残ったエッチング残りZが形成されている。一方、鈍角部6には、エッチング残りが形成されていない。このエッチング残りZは、図2(B)に示すように、破断後も水晶振動片1Aの端面に破断痕Z’として残ることになる。
破断痕Z’は、水晶振動片1Aの中心線Oが通る位置の近傍にある。これにより、水晶基板Wから分離された後の水晶振動片1Aは、その平面形状における対称性が維持されている。したがって、本実施形態では、スプリアスの発生を抑制しながら、安定した振動特性を確保できる水晶振動片1Aを得ることが可能である。
なお、エッチング残りZは、非常に複雑な形状を有するため、上述したように、破断痕Z’の位置については、水晶振動片1Aの対称性を維持できる範囲で、水晶振動片1Aの中心線Oが通る位置の近傍から幅方向にずれていてもよい。具体的には、水晶振動片1Aの中心線Oを挟んだ幅方向の両側にそれぞれ100μm以内の範囲でずれていたとしても、安定した振動特性を確保できる。したがって、この範囲であれば、水晶振動片1Aの中心線Oが通る位置の近傍に破断痕Z’があるものとして、本発明の技術範囲に含まれるものとする。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態に係る水晶振動片1B及びその製造方法について、図3(A),(B)を参照して説明する。なお、図3(A)は、水晶基板Wから分離される前の水晶振動片1Bを示す平面図である。図3(B)は、水晶基板Wから分離された後の水晶振動片1Bを示す平面図である。
第1の実施形態では、図3(A)に示すように、水晶基板Wにエッチング加工を施すことによって、フレーム2に連結片3Bを介して連結された水晶振動片1Bを形成する。その後、図3(B)に示すように、水晶振動片1Bと連結片3Bとの間の隅部7a,7bを基点にして、水晶振動片1Bを連結片3Bから破断させることによって、この水晶振動片1Bを連結片3Bから分離する。
水晶基板Wから分離される前の水晶振動片1Bは、図3(A)に示すように、全体として矩形状の平面形状を有している。水晶振動片1Bは、その長手方向に沿った中心線Oを挟んで略対称となる形状を有している。
連結片3Bは、台形状の平面形状を有している。連結片3Bは、水晶振動片1Bの短手方向の一辺よりも十分に細く形成されている。連結片3Bの一端(短辺)は、水晶振動片1Bの短手方向の一辺に対して垂直に接続されている。一方、連結片3Bの他端(長辺)は、フレーム2に接続されている。連結片3Bは、その短辺側を水晶振動片1Bに接続することで、その間で応力集中が生じるため、破断し易くなっている。
水晶振動片1Bは、水晶基板Wを平面視したときに、その中心線Oを挟んで略対称となる位置に、一方の隅部7a及び他方の隅部7bの角度α1,α2がそれぞれ90°よりも小さくなる鋭角部8a,8bを有している。なお、角度α1,α2については、30°以上90°未満の範囲であればより好適である。
なお、ここで言う「水晶振動片1Bの中心線Oを挟んで略対称となる位置」とは、水晶振動片1Bの中心線Oを挟んで対称となる位置と共に、中心線Oからの距離の差が50μm以内の範囲を含むものとする。すなわち、本発明者らによる鋭意検討の結果、鈍角部8a,8bの形成される位置については、水晶振動片1Bの中心線Oを挟んで対称となる位置に厳密に無くとも、中心線Oからの距離の差が50μm以内の範囲であれば、後述する水晶振動片1Bの非対称性に基づくスプリアスを抑制しながら、水晶振動片1Bの対称性を十分に維持できることを確認した。また、この効果は、水晶振動片1Bの外形寸法に関係なく得ることができることを確認した。
鋭角部8a,8bには、水晶基板Wのエッチング加工の際に水晶基板Wがエッチングされずに残ったエッチング残りZ1,Z2が形成されている。これらのエッチング残りZ1,Z2は、図3(B)に示すように、破断後も水晶振動片1Bの端面に破断痕Z1’,Z2’として残ることになる。
破断痕Z1’,Z2’は、水晶振動片1Bの中心線Oを挟んで略対称となる位置にある。これにより、水晶基板Wから分離された後の水晶振動片1Bは、その平面形状における対称性が維持されている。したがって、本実施形態では、スプリアスの発生を抑制しながら、安定した振動特性を確保できる水晶振動片1Bを得ることが可能である。
なお、エッチング残りZ1,Z2は、非常に複雑な形状を有するため、上述したように、破断痕Z1’,Z2’の位置については、水晶振動片1Bの対称性を維持できる範囲で、水晶振動片1Bの中心線Oを挟んで略対称となる位置から幅方向にずれていてもよい。具体的には、破断痕Z1’,Z2’の水晶振動片1Bの中心線Oからの距離の差が50μm以内の範囲であれば、安定した振動特性を確保できる。したがって、この範囲であれば、水晶振動片1Bの中心線Oを挟んで略対称となる位置に破断痕Z1’,Z2’があるものとして、本発明の技術範囲に含まれるものとする。
また、エッチング残りZ1,Z2は、水晶基板Wのエッチング加工時の影響によって、一方のエッチング残りZ1が水晶振動片1Bの一面(例えば表面)側に寄った位置に形成され、他方のエッチング残りZ2が水晶振動片1Bの他面(例えば裏面)側に寄った位置に形成される。この場合、破断痕Z1’,Z2’の位置は、水晶振動片1Bの厚み方向において非対称な位置関係になるものの、水晶振動片1Bの振動特性に特に影響を与えることはない。
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態に係る水晶振動片1C及びその製造方法について、図4(A),(B)を参照して説明する。なお、図4(A)は、水晶基板Wから分離される前の水晶振動片1Cを示す平面図である。図4(B)は、水晶基板Wから分離された後の水晶振動片1Cを示す平面図である。
第3の実施形態では、図4(A)に示すように、水晶基板Wにエッチング加工を施すことによって、フレーム2に一対の連結片9a,9bを介して連結された水晶振動片1Cを形成する。その後、図4(B)に示すように、水晶振動片1Cと一対の連結片9a,9bとの間のそれぞれの隅部10a,10bを基点にして、水晶振動片1Cを一対の連結片9a,9bから破断させることによって、この水晶振動片1Cを一対の連結片9a,9bから分離する。
水晶基板Wから分離される前の水晶振動片1Cは、図4(A)に示すように、全体として矩形状の平面形状を有している。水晶振動片1Cは、その長手方向に沿った中心線Oを挟んで略対称となる形状を有している。
一対の連結片9a,9bは、矩形状の平面形状を有している。各連結片9a,9bは、水晶振動片1Cの短手方向の一辺よりも十分に細く形成されている(例えば10〜300μm程度の幅。)。一対の連結片9a,9bの一端は、水晶振動片1Cの中心線Oを挟んだ両側の角部に所定の角度で接続されている。一方、一対の連結片9a,9bの他端は、フレーム2に接続されている。
水晶振動片1Cは、一対の連結片9a,9bを挟んだ両側に、それぞれの一方の隅部10a及び他方の隅部10bの角度β1,β2が90°よりも大きくなる鈍角部11a,11bを有している。なお、角度β1,β2については、90°〜140°の範囲であればより好適である。
これらの鈍角部11a,11bには、エッチング残りが生じていない。また、水晶基板Wから分離された後の水晶振動片1Cの中心線Oを挟んだ両側の角部には、図4(B)に示すように、一対の連結片9a,9bから破断したときのカット面12a,12bが形成される。
これらのカット面12a,12bは、水晶振動片1Cの中心線Oを挟んだ両側の角部にある。これにより、水晶基板Wから分離された後の水晶振動片1Cは、その平面形状における対称性が維持されている。したがって、本実施形態では、スプリアスの発生を抑制しながら、安定した振動特性を確保できる水晶振動片1Cを得ることが可能である。
なお、本発明は、上記実施形態のものに必ずしも限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、図5に示す水晶振動片1C’は、上記カット面12a,12bが形成された角部とは反対側に位置する角部がカットされたカット面12c,12dを有している。この場合、この水晶振動片1C’の対称性を更に確保することが可能である。
1A,1B,1C,1C’…水晶振動片 2…フレーム 3A,3B…連結片 4a,4b…隅部 5…鋭角部 6…鈍角部 7a,7b…隅部 8a,8b…鋭角部 9a,9b…連結片 10a,10b…隅部 11a,11b…鈍角部 12a〜12d…カット面 B…原石 W…水晶基板 C…水晶振動片 P…パッケージ S…水晶振動子

Claims (7)

  1. 水晶基板にエッチング加工を施すことによって、フレームに連結片を介して連結された水晶振動片を形成する工程と、
    前記水晶振動片を前記連結片から破断させることによって、前記水晶振動片を前記連結片から分離する工程と、を含み、
    前記水晶基板にエッチング加工を施す工程において、前記水晶振動片の中心線が通る位置の近傍に、若しくは、前記水晶振動片の中心線を挟んで略対称となる位置に、前記水晶振動片と前記連結片との間の隅部の角度が90°よりも小さくなる鋭角部を形成することを特徴とする水晶振動片の製造方法。
  2. 前記鋭角部にエッチング残りが形成されていることを特徴とする請求項1に記載の水晶振動片の製造方法。
  3. 水晶基板にエッチング加工を施すことによって、フレームに連結片を介して連結された水晶振動片を形成する工程と、
    前記水晶振動片を前記連結片から破断させることによって、前記水晶振動片を前記連結片から分離する工程と、を含み、
    前記水晶基板にエッチング加工を施す工程において、前記水晶振動片の中心線を挟んだ両側の角部に接続された前記連結片をそれぞれ形成すると共に、前記連結片を挟んだ両側に、前記水晶振動片と前記連結片との間の隅部の角度が90°よりも大きくなる鈍角部をそれぞれ形成することを特徴とする水晶振動片の製造方法。
  4. 水晶基板にエッチング加工を施すことによって、フレームに連結片を介して連結された水晶振動片を形成する工程と、
    前記水晶振動片を前記連結片から破断させることによって、前記水晶振動片を前記連結片から分離する工程と、を経ることによって作製される水晶振動片であって、
    その中心線が通る位置の近傍に、若しくは、その中心線を挟んで略対称となる位置に、前記連結片から破断したときの破断痕を有することを特徴とする水晶振動片。
  5. 水晶基板にエッチング加工を施すことによって、フレームに連結片を介して連結された水晶振動片を形成する工程と、
    前記水晶振動片を前記連結片から破断させることによって、前記水晶振動片を前記連結片から分離する工程と、を経ることによって作製される水晶振動片であって、
    その中心線を挟んだ両側の角部に、前記連結片から破断したときのカット面を有することを特徴とする水晶振動片。
  6. 前記カット面が形成された角部とは反対側に位置する角部がカットされた形状を有することを特徴とする請求項5に記載の水晶振動片。
  7. 請求項4又は5に記載の水晶振動片を備えた水晶振動子。
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