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JP2015161209A - 圧縮機及び冷凍サイクル機器 - Google Patents

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JP2015161209A
JP2015161209A JP2014036132A JP2014036132A JP2015161209A JP 2015161209 A JP2015161209 A JP 2015161209A JP 2014036132 A JP2014036132 A JP 2014036132A JP 2014036132 A JP2014036132 A JP 2014036132A JP 2015161209 A JP2015161209 A JP 2015161209A
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Japan
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crankshaft
compressor
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sliding bearing
bearing
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JP2014036132A
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小山田 具永
Tomonaga Oyamada
具永 小山田
和行 松永
Kazuyuki Matsunaga
和行 松永
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Hitachi Global Life Solutions Inc
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Hitachi Appliances Inc
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Abstract

【課題】本発明は、すべり軸受の摺動面に流入した異物や摺動面で生じた摩耗粒子の排出を促進することにより、クランク軸とすべり軸受との隙間における異物や摩耗粒子の噛み込みや摩耗を抑制することができる圧縮機を提供することを課題とする。
【解決手段】本発明の圧縮機は、偏心部を備えて回転するクランク軸と、クランク軸内からクランク軸の外周に開口する給油穴と、クランク軸と摺動してクランク軸の回転を支持するすべり軸受と、を備え、給油穴から供給された潤滑油によりクランク軸とすべり軸受との間を潤滑する圧縮機であって、クランク軸の外周に、クランク軸回転方向前側から順に、給油穴に連通してクランク軸方向に延伸する給油溝と、溝の存在しない摺動領域と、給油穴に連通せずクランク軸方向に延伸する排出溝と、を備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、回転運動する軸の外周に対して潤滑油を介して摺動するすべり軸受部を備える圧縮機及びこの圧縮機を備えた冷凍サイクル機器に関する。
スクロール圧縮機は、渦巻き状の歯型形状を有する2つのスクロール部材を相対的に旋回運動させることにより、冷媒等の気体を圧縮する回転機械である。スクロール圧縮機は、一般に、ネジ締結や溶接等で拘束された固定スクロールに対して、もう一方の可動な旋回スクロールが旋回運動するように構成される。
旋回スクロールには、クランク軸の偏心部と係合して摺動する旋回すべり軸受が設けられる。そして、クランク軸の偏心部と旋回すべり軸受とが潤滑油を介して摺動しながら、クランク軸の偏心部の振れ回り回転運動が旋回スクロールに伝達され、旋回スクロールを旋回運動させる。電動機のロータに接続されて回転運動するクランク軸は、スクロール圧縮機内に固定された主軸受及び副軸受と呼ばれるすべり軸受に対して潤滑油を介して摺動することにより支持される。
潤滑油は圧縮機の内部空間に封入されている。潤滑油は、圧縮機構における吸入側と吐出側との圧力差又は給油ポンプ機構により各すべり軸受に供給され、すべり軸受とクランク軸との隙間を通過した後に、再び圧縮機の内部空間に戻って循環する。
潤滑油に異物や摩耗粒子が混入した場合、又は、クランク軸とすべり軸受との摺動により摩耗粒子が生じた場合、これらが排出されずにすべり軸受の摺動面に滞留すると、クランク軸とすべり軸受との摺動領域における隙間に噛み込んだり、摩耗を助長する可能性が生じる。従って、このような異物や摩耗粒子による軸受の損傷を抑制する必要がある。
潤滑油に混入した異物による軸受の損傷を抑制するための従来技術として、特開2007−239530号公報(特許文献1)に記載のものがある。この文献には、「軸受に支持されて圧縮部へ動力を伝達する主軸と、前記主軸の内部に設けられて給油路となる中空空間と、前記中空空間から前記主軸の外周へ貫通させて設けた給油連通口と、前記給油連通口と連通させて前記主軸の外周面に軸方向に形成した切り欠き状の給油溝と、前記軸受のエリア内に収まるように前記主軸外周面の前記給油連通口から軸方向へずれた位置に形成されて主軸軸線に対し傾斜する螺旋状の給油溝と、を有することを特徴とする圧縮機。」と記載されている。
特許文献1に記載の圧縮機では、給油路と連通する切り欠き状の給油溝と、この給油溝とは別の螺旋状の給油溝とを軸方向の異なる位置に設ける。このような構造により、給油路からの潤滑油に含まれる異物のうち、主軸と軸受との隙間と切り欠き状の給油溝の深さとの和を超えるサイズのものについて、螺旋状の給油溝への流入を制限し、異物の噛み込みによる損傷を抑制する。
他の従来技術としては、特開2005−233021号公報(特許文献2)に記載のものがある。特許文献2には、「それぞれの板状渦巻歯が相互間に圧縮室を形成するように噛み合わされた固定スクロールと揺動スクロールとを有し、主軸により前記揺動スクロールを駆動することにより、前記圧縮室の冷媒を圧縮する圧縮機構部と、電動機により前記主軸を回転する電動機部とを密閉容器内に具備し、また、前記主軸の内部に軸方向に形成した軸方向給油穴を設け、前記密閉容器内の吐出圧力と吸入圧力との圧力差を利用する差圧給油により、前記軸方向給油穴を経由して、軸受等の摺動部に前記密閉容器の底部の冷凍機油を供給し、また、前記軸受等の摺動部へ給油途中の前記軸方向給油穴と連通し、前記密閉容器内に開口する開口部を有する異物排出穴を前記主軸に形成し、該異物排出穴の冷凍機油の圧力に関して、前記主軸の定常運転時の回転による遠心力により形成される圧力ヘッドを、前記異物排出穴の前記主軸の下端からの距離により形成される圧力ヘッドより大きくし、前記開口部の冷凍機油の前記密閉容器内への排出圧力が前記密閉容器内の吐出圧力より大きくなるように前記異物排出穴を設けたことを特徴とするスクロール圧縮機。」と記載されている。
特許文献2に記載の圧縮機では、主軸に給油穴と密閉容器内の空間とに通じている異物排出穴を設け、主軸の回転にともなう遠心力により、異物排出穴に流れる潤滑油の圧力を高める。このような構造により、潤滑油に含まれる異物が異物排出穴を通じて密閉容器内の空間に排出されやすくなり、他の軸受部に流入する異物が低減される。
特開2007−239530号公報 特開2005−233021号公報
しかしながら、特許文献1においては、主軸と軸受との隙間と切り欠き状の給油溝の深さとの和を超えるサイズの大径異物が外部から軸受に流入するのを抑制するものの、軸受の摺動面に流入した小径異物や主軸と軸受との摺動により生じる摩耗粒子の滞留を、他の一般的な軸受と比較して、特に低減するものではない。
また、特許文献2においては、潤滑油が軸受に流入する前に遠心力を利用して異物を分離し、軸受の摺動面への異物の流入を低減することが可能となるものの、比重の小さい粒子や主軸と軸受との摺動により生じた摩耗粒子の滞留を、他の一般的な軸受と比較して、特に低減するものではない。
本発明は、すべり軸受の摺動面に流入した異物や摺動面で生じた摩耗粒子の排出を促進することにより、クランク軸とすべり軸受との隙間における異物や摩耗粒子の噛み込みや摩耗を抑制することができる圧縮機を提供することを課題とする。
本発明の圧縮機は、偏心部を備えて回転するクランク軸と、クランク軸内からクランク軸の外周に開口する給油穴と、クランク軸と摺動してクランク軸の回転を支持するすべり軸受と、を備え、給油穴から供給された潤滑油によりクランク軸とすべり軸受との間を潤滑する圧縮機であって、クランク軸の外周に、クランク軸回転方向前側から順に、給油穴に連通してクランク軸方向に延伸する給油溝と、溝の存在しない摺動領域と、給油穴に連通せずクランク軸方向に延伸する排出溝と、を備える。
本発明によれば、回転運動するクランク軸の外周とすべり軸受との隙間に異物が混入した場合、又は、クランク軸とすべり軸受との摺動により摩耗粒子が生じた場合でも、異物や摩耗粒子を早期にすべり軸受の摺動面から排出し、摺動面上での滞留を低減することにより、噛み込みや摩耗を防止し、軸受の信頼性を向上することができる。
スクロール圧縮機を示す縦断面図 スクロール圧縮機における主軸受付近の拡大断面図 図2A−A断面図 クランク軸の外周における溝の開始位置と、相対油膜厚さとの関係を示すグラフ 第1変形例に係る主軸受付近の拡大断面図 第2変形例に係る主軸受付近の拡大断面図 第3変形例に係る主軸受付近の拡大断面図 第4変形例に係る主軸受付近の拡大断面図
本発明の圧縮機は、偏心部を備えて回転するクランク軸と、クランク軸内からクランク軸の外周に開口する給油穴と、クランク軸と摺動してクランク軸の回転を支持するすべり軸受と、を備え、給油穴から供給された潤滑油によりクランク軸とすべり軸受との間を潤滑する圧縮機であって、クランク軸の外周に、クランク軸回転方向前側から順に、給油穴に連通してクランク軸方向に延伸する給油溝と、溝の存在しない摺動領域と、給油穴に連通せずクランク軸方向に延伸する排出溝と、を備える。摺動領域を挟んで、このような給油溝及び排出溝を備えるので、すべり軸受の摺動面に流入した異物や摺動により生じた摩耗粒子を早期に捕集及び排出し、高負荷運転時においても軸受としての信頼性を向上することができる。
本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の実施形態に係るスクロール圧縮機100を示す縦断面図である。本実施形態では、スクロール圧縮機100を例にして説明する。スクロール圧縮機100は、エアコンなどの空調装置や冷凍装置などの冷凍空調用に使用される密閉形の圧縮機である。スクロール圧縮機100は、密閉容器102を有しており、密閉容器102内の上部には、固定スクロール103と、固定スクロール103と噛み合って旋回運動する旋回スクロール104とを備える。固定スクロール103及び旋回スクロール104は、それぞれ渦巻き状の歯型形状部を有する。
また、密閉容器102内には、回転動力源としての電動機105が設けられる。電動機105のロータにはクランク軸(軸)106が接続される。電動機105に接続されて回転運動するクランク軸106は、密閉容器102内に固設されたフレーム107に設けられた主軸受(すべり軸受)108、及び、下フレーム109に設けられた副軸受110により、回転自在に支持される。
クランク軸106の上部には、クランク軸106の主軸受108及び副軸受110により支持される部分の軸心に対して偏心した軸心を有する偏心部106aが設けられる。偏心部106aは、旋回スクロール104の端板104aの下面(背面)側に設けられた旋回軸受112と係合して摺動し、偏心部106aの振れ回り回転運動(偏心運動)が旋回スクロール104に伝達される。
旋回スクロール104は、オルダムリング113により自転が規制されており、固定スクロール103に対して旋回運動する。オルダムリング113は、旋回スクロール104の端板104aの下面(背面)側に形成された溝とフレーム107に形成された溝とに装着される。電動機105により回転駆動されるクランク軸106を介して旋回スクロール104が旋回運動すると、吸入口114から低圧の冷媒ガスが吸い込まれて、旋回スクロール104及び固定スクロール103により形成される圧縮室に導かれる。ここで冷媒ガスは、スクロール103、104の中心方向に移動するに従い容積を縮小して圧縮された後、密閉容器102内部及び吐出口115を介して圧縮機の外部へ吐出される。
クランク軸106の内部には、その軸方向に沿って下端から偏心部106aの端面(上端面)側まで貫通する給油孔116を有する。密閉容器102の下部に溜められた潤滑油117は、冷媒ガスの吐出圧力を利用した圧力差により、又は、クランク軸106の下端部に別途取り付けられたポンプ(図示せず)により、給油孔116内を押し上げられ、各軸受(主軸受108、副軸受110、旋回軸受112)の内周面とクランク軸106外周面との間の隙間に供給される。
本実施例の圧縮機では、密閉容器102内は吐出圧力となり、また、旋回スクロール104の端板104aの下面側に形成される中間室(背圧室)118は吐出圧力と吸込圧力との中間の圧力となる。このため、密閉容器102下部に溜められている潤滑油117は、吐出圧力と中間圧力との圧力差により給油孔116内を押し上げられ、各軸受などに供給される。
図2は、圧縮機100の主軸受108付近の拡大断面図である。図2に示すように、主軸受108は、例えば鋳鉄製のフレーム107が設けられた軸受ハウジング(ハウジング部)の内部に、2個の円筒状のすべり軸受ブッシュ120が中間通路121を介して軸方向に並んで配置される。クランク軸106は、内部の給油孔116に連通した給油口119が、軸方向における主軸受108の範囲内で、クランク軸106の外周に開口する。クランク軸106の外周には第1の溝(給油溝)122と第2の溝(排出溝)123が周方向の異なる位置に設けられる。
給油溝122は給油口119から中間室側空間124(軸受を潤滑した潤滑油が排出される排出空間)に向けて軸方向に延伸し、給油口119及び中間室側空間124に開口する。中間室側空間124は、通路125を通じて、給油孔116よりも圧力が低い中間室118に連通する。また、主軸受108の電動機側端部は吐出圧力である密閉容器102に面しており、中間通路121の圧力は吐出圧又は給油孔116の圧力よりも小さく、かつ中間室118の圧力以上となる。このため、圧力差により給油孔116から給油口119に流入した潤滑油は、給油溝122を通じて中間室側空間124に流出するか、又は、一旦クランク軸106と軸受ブッシュ120との隙間に流入した後に中間室側空間124に流出し、一部が中間通路121に流出する。
一方、排出溝123は、一端が中間室側空間124に開口し、他端が中間通路121に開口するが、給油孔116にも給油口119にも直接開口しない。このため、潤滑油は給油口119から一旦クランク軸106と軸受ブッシュ120との隙間に流入した後に摺動領域106bを通過し、又は、中間通路121を経由して排出溝123に達し、最終的には、排出溝123又はさらに回転方向後方側のクランク軸106と軸受ブッシュ120との隙間を通じて、中間室側空間124に流出する。したがって、排出溝123を設けた場合でも給油口119から中間室側空間124に通ずる流路抵抗の減少幅は小さく、潤滑油の流量増加も小さい。
主軸受108から中間室側空間124に流出した潤滑油は、通路125を通じて中間室118に流れる。中間室118に流入する潤滑油量が増加すると、中間室118内での撹拌等による損失が増加しやすくなる。したがって、圧縮機においては、損失の増加による効率低下及び消費電力増加を抑制するために、必要以上に潤滑油の流量を増加させず、適正流量に制御することが望ましい。
図3は、スクロール圧縮機の運転中のある瞬間における図2のA−A断面図である。クランク軸106は軸受ブッシュ120内で回転方向126に振れ回り回転し、クランク軸106には荷重127が作用している。クランク軸106の外周における配置は、回転方向126の前側から給油溝122、溝の無い摺動領域106b、排出溝123の順である。
クランク軸106と軸受ブッシュ120との隙間において、溝のある部分は他と比較して溝の深さの分だけ隙間が大きい。給油溝122は給油口119と中間室側空間124に開口し、回転方向126の前側から摺動領域106bに潤滑油を供給する給油溝としての役割を果たす。また、給油溝122は給油口119から流入した異物を中間室側空間124に排出し、摺動領域106b及びその他の摺動面に流入する異物の量を低減する。
一般に、圧縮機の運転初期においては、クランク軸106と軸受ブッシュ120とが軽微な摩耗を伴い擦り合わせられるなじみを生じることが知られている。図3において、摺動領域106bでクランク軸106と軸受ブッシュ120との摺動により摩耗粒子が生じた場合、摩耗粒子はクランク軸106と軸受ブッシュ120とに挟まれた状態で、両者の摺動により周方向後方に運ばれる。
排出溝123は回転方向126に対して摺動領域106bの後方に設置されており、この部分においてクランク軸106と軸受ブッシュ120との隙間が排出溝123の深さの分だけ拡大する。このため、周方向後方に運ばれた摩耗粒子は、排出溝123に達したところで潤滑油中に遊離し、排出溝123に捕集される。排出溝123は中間室側空間124に開口しており、摩耗粒子は中間室側空間124に排出される。同様に、給油溝122で排出されずにクランク軸106と軸受ブッシュ120との隙間に流入した異物も、排出溝123に達したところで潤滑油中に遊離し、中間室側空間124に排出される。
このように、排出溝123は、摩耗粒子や異物を捕集して中間室側空間124に排出する機能を有し、軸受の摺動面における摩耗粒子や異物の滞留とそれに起因する摺動面の摩耗及び噛み込み等の拡大を防止する。特に、高負荷運転においてはなじみ現象が短期間に進行し、摩耗粒子の発生頻度が高いことが知られており、本実施例のように、摺動面からの摩耗粒子の排出性を高めることで、高負荷運転時においても軸受としての信頼性を向上することができる。
図4は、クランク軸の外周における溝の開始位置と、相対油膜厚さとの関係を示すグラフ(排出溝123の開始位置と相対最小油膜厚さとの関係を説明する線図)である。排出溝123の設置可能な位置を特定するため、クランク軸106の外周に位置を変えて排出溝123を設け、クランク軸106を円筒状のすべり軸受に対して潤滑油を介して摺動した際の最小油膜厚さを測定した。なお、この検証にあたっては、エアコン用のスクロール圧縮機で、偏心部の軸径が14〜25mmのものを想定している。
図4において、横軸は、クランク軸106の偏心部106a位置を0゜とした排出溝123の周方向開始位置を、縦軸は、排出溝123の無いクランク軸を使用した場合の最小油膜厚さを100%とし、これに対する相対最小油膜厚さを示す。図4に示すように、排出溝123の開始位置が150度未満では、排出溝123の開始位置が最小油膜厚さとなる角度付近になってしまうため、150度よりも小さな角度範囲に排出溝123を設けると、軸受挙動が不安定となり、最小油膜厚さが減少して軸と軸受との接触による摩耗が進行し易くなる、したがって、少なくとも150度以上に排出溝123の開始位置を決めることが好ましい。なお、摺動領域で生じた摩耗粒子を早期に捕集する観点で、排出溝123の周方向開始位置はできるだけ小さい方が望ましい。
(第1変形例)
図5は、本実施形態の第1変形例に係る主軸受108付近の拡大断面図である。図1〜図3に示した第1実施形態と同様の構成及び作用は、この第1変形例に取り込まれるものとして詳細な説明を省略し、相違する点について説明する(以降に説明するさらに別の変形例でも同様)。
図5に示すように、第1変形例は、排出溝123の図中下端が軸受ブッシュ120の範囲内にあり、中間通路121に達していない点で、第1実施形態と相違する。このような第1変形例によれば、中間通路121から排出溝123を通過して中間室側空間124に至る潤滑油の流路が、クランク軸106と軸受ブッシュ120との隙間を通過するため、第1実施形態と比較して流路抵抗が増加する。したがって、第1変形例では第1実施形態と同様の作用効果を奏することができることに加えて、主軸受108から中間室側空間124に流出する潤滑油量を低減することが可能となる。また、第1実施形態と比較し、排出溝123の幅や深さを拡大しても同等の潤滑油量に維持でき、より大きな異物や摩耗粒子の捕集にも対応可能となる。
(第2変形例)
図6は、本実施形態の第2変形例に係る主軸受108付近の拡大断面図である。図6に示すように、第2変形例は、排出溝123の端部が他の部分よりも軸方向と垂直方向の断面積(流路面積)の小さい絞り部123aである点で第1実施形態と相違する。このような第1実施形態の第2変形例によれば、中間通路121から排出溝123を通過して中間室側空間124に至る潤滑油の流路が、他の部分よりも断面積(流路面積)の小さい絞り部123aを通過する。これにより、第1変形例では第1実施形態と同様の作用効果を奏することができることに加えて、異物や摩耗粒子の捕集性向上を狙って排出溝123の軸方向断面積を拡大した場合でも、主軸受108から中間室側空間124に流出する潤滑油量の増加を抑制することが可能となる。
図6では、絞り部123aを排出溝123の中間室側空間124側と中間通路121側の両方に設けているが、中間通路121から排出溝123を通過して中間室側空間124に至る潤滑油の流路を狭める観点で、絞り部123aをどちらか片側に設けても同様の効果が得られる。
(第3変形例)
図7は、本実施形態の第3変形例に係る主軸受108付近の拡大断面図である。図7に示すように、第3変形例は、排出溝123の中間室側空間124側が、排出溝123の中央通路121側よりも回転方向126の後方側に傾斜している点で第1実施形態及び他の変形例と相違する。このような第3変形例によれば、排出溝123内に捕集された異物や摩耗粒子が、クランク軸106の回転運動により中間室側空間124方向に移動しやすくなるため、排出性が向上する。
(第4変形例)
図8は、本実施形態の第4変形例に係る主軸受108付近の拡大断面図である。図8に示すように、第4変形例は、給油口119を中間通路121に形成し、かつ、中間通路121と連通する絞り部123aの軸方向と垂直方向の断面積(流路面積)を給油溝122の軸方向と垂直方向の断面積(流路面積)よりも小さくした点で第1実施形態及び他の変形例と相違する。このような第4変形例によれば、第1実施形態と同様の作用効果を奏することができることに加えて、給油口119から主軸受108に流入した異物の一部が中間通路121で捕集され、軸受ブッシュ120の摺動面に流入する量を低減することが可能となる。また、絞り部123aの軸方向と垂直方向の断面積(流路面積)を給油溝122の軸方向と垂直方向の断面積(流路面積)よりも小さくしたため、潤滑油は給油溝122に優先的に流れ、摺動領域106bへの潤滑油の供給は第1実施形態や他の変形例と同様になる。
(溝の断面形状)
第1実施形態及び変形例において、給油溝122と排出溝123は、クランク軸106の外周の一部を平面上にカットした切欠状の溝として形成するが、これ以外にも内周側に掘り込んだ掘り込み溝として形成しても良い。切欠溝は加工が容易な利点を有するが、径方向深さに対して周方向幅の拡大が大きく、溝の軸方向断面積が拡大しやすい。一方、掘り込み溝は深さと幅を自在に形成できるため、小さな軸方向断面積で径の大きな粒子の捕集と排出が可能となり、通過する潤滑油量を低減できる。
以上、本発明について実施形態に基づいて説明したが、本発明はスクロール圧縮機に限定されるものではなく、類似の軸及び軸受構造を有する他の圧縮機も含まれる。他の圧縮機とは、例えばロータリ圧縮機、ローリングピストン型圧縮機、レシプロ圧縮機等である。
また、スクロール圧縮機の主軸受を例について説明したが、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。圧縮機内において、(振れ回り)回転する軸と、すべり軸受と、軸内部から軸受の摺動面への給油経路を備えた軸受機構であれば実施対象に含まれる。この場合、中間室側空間124を各軸受から潤滑油の流出する部位の呼称とすることにより、例えば、旋回軸受、副軸受等も実施対象に含まれる。また、本発明は回転軸の向きによらず、例えば、縦型の圧縮機も横型の圧縮機も実施対象に含まれる。
また、フレーム107の一部に設けられた軸受ハウジング部に軸受ブッシュ120を挿入したすべり軸受について説明したが、一般的なジャーナルすべり軸受であればこの構造に限定されるものではなく、例えばフレーム107に直接軸受部を形成したものも対象に含まれる。
また、本発明は、本発明に係る圧縮機を冷凍又は空調用の冷媒圧縮機として備える冷凍サイクル機器として構成することができる。この冷凍サイクル機器は、本発明に係る圧縮機と、圧縮機で圧縮されて高温高圧になった冷媒ガスから熱を放熱する凝縮器と、凝縮器からの高圧冷媒を減圧する減圧装置と、減圧装置からの液冷媒を蒸発させる蒸発器とを備える。このような冷凍サイクル機器は、冷凍装置、空調装置、ヒートポンプ式給湯機等に使用される。
100…圧縮機(スクロール圧縮機)
102…密閉容器
103…固定スクロール
104…旋回スクロール
105…電動機
106…クランク軸(軸)
106a…偏心部
106b…摺動領域
107…フレーム
108…主軸受(すべり軸受)
109…下フレーム
110…副軸受
112…旋回軸受
113…オルダムリング
114…吸入口
115…吐出口
116…給油孔
117…潤滑油
118…中間室(背圧室)
119…給油口
120…軸受ブッシュ
121…中間通路
122…溝(給油溝)
123…溝(排出溝)
123a…絞り部
124…中間室側空間
125…通路
126…回転方向
127…荷重

Claims (10)

  1. 偏心部を備えて回転するクランク軸と、
    前記クランク軸内から前記クランク軸の外周に開口する給油穴と、
    前記クランク軸と摺動して前記クランク軸の回転を支持するすべり軸受と、
    を備え、
    前記給油穴から供給された潤滑油により前記クランク軸と前記すべり軸受との間を潤滑する圧縮機であって、
    前記クランク軸の外周に、前記クランク軸回転方向前側から順に、
    前記給油穴に連通して前記クランク軸方向に延伸する給油溝と、
    溝の存在しない摺動領域と、
    前記給油穴に連通せず前記クランク軸方向に延伸する排出溝と、
    を備える圧縮機。
  2. 請求項1において、
    前記給油溝の一端は、前記クランク軸と前記すべり軸受との間を潤滑した潤滑油が排出される排出空間と連通し、
    前記排出溝の一端は、前記排出空間と連通する圧縮機。
  3. 請求項1又は2において、
    前記排出溝は、前記偏心部から前記クランク軸の反回転方向に150°以上の位置に設けられた圧縮機。
  4. 請求項1乃至3の何れかにおいて、
    前記すべり軸受は、前記クランク軸方向の一端側に位置する第1すべり軸受ブッシュと、前記クランク軸方向の他端側に位置する第2すべり軸受ブッシュと、前記第1すべり軸受ブッシュ及び第2すべり軸受ブッシュの間に位置する中間通路を有し、
    前記排出通路の他端が前記中間通路に連通する圧縮機。
  5. 請求項1乃至3の何れかにおいて、
    前記すべり軸受は、前記クランク軸方向の一端側に位置する第1すべり軸受ブッシュと、前記クランク軸方向の他端側に位置する第2すべり軸受ブッシュと、前記第1すべり軸受ブッシュ及び第2すべり軸受ブッシュの間に位置する中間通路を有し、
    前記排出通路の他端が前記中間通路にしない圧縮機。
  6. 請求項1乃至5の何れかにおいて、
    前記排出溝の少なくとも一端又は他端は絞り部を有し、前記絞り部は前記排出溝の前記絞り部以外の部分よりも流路面積が小さい圧縮機。
  7. 請求項1乃至6の何れかにおいて、
    前記排出溝の一端は、前記クランク軸と前記すべり軸受との間を潤滑した潤滑油が排出される排出空間と連通し、
    前記排出溝の前記一端側は前記排出溝の他端側よりも前記クランク軸の反回転方向側に傾斜する圧縮機。
  8. 請求項1乃至7の何れかにおいて、
    前記すべり軸受は、前記クランク軸方向の一端側に位置する第1すべり軸受ブッシュと、前記クランク軸方向の他端側に位置する第2すべり軸受ブッシュと、前記第1すべり軸受ブッシュ及び第2すべり軸受ブッシュの間に位置する中間通路を有し、
    前記給油穴は前記中間通路と連通し、
    前記排出溝の他端は前記中間通路と連通し、
    前記排出溝の前記他端は前記給油溝よりも流路面積が小さい圧縮機。
  9. 前記圧縮機はスクロール圧縮機である請求項1乃至8何れかに記載の圧縮機。
  10. 請求項1乃至9の何れかに記載の圧縮機を備える冷凍サイクル機器。
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