JP2015129243A - ポリアミド組成物及び成形品 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(A)(a)1種のジカルボン酸と、(b)少なくとも1種の炭素数8以上のジアミンとからなる単位と、を、含有し、下記条件(1)、(2)を満足する、ポリアミドと、
(1)Tgが90℃以上である
(2)Mn(数平均分子量)が15000以上である
(B)摺動材と、を、含有するポリアミド組成物。
【選択図】なし
Description
自動車産業においては環境に対する取り組みとして、排出ガス低減のために車体軽量化が要求されている。この要求に応えるために、自動車の外装材料や内装材料等として金属の代わりにポリアミドが一段と用いられるようになってきている。自動車の外装材料や内装材料に用いられるポリアミドは、一層高いレベルの耐熱性、強度及び外観等の特性が要求されている。エンジンルーム内の材料に用いられるポリアミドは、エンジンルーム内の温度が上昇傾向にあるため、高耐熱化の要求が強まっている。
特許文献1には、少なくとも50モル%の脂環族ジカルボン酸と少なくとも50モル%の主鎖から分岐した置換基を持つジアミンとからなるポリアミドからなる摺動部材が提案させている。
特許文献2には、上述した問題を解決するために、テレフタル酸と炭素数6〜18の脂肪族ジアミンとからなるポリアミドとフッ素樹脂、充填材からなる組成物が提案されている。
特許文献1に開示されているポリアミド組成物は、脂環族基の導入により、従来の脂肪族ポリアミド樹脂に比べれば、良好な耐熱性、低吸水性、摺動性を有しているものの、すくなくとも50モル%の主鎖から分岐ジアミンを含むことで、結晶化速度や到達結晶化度の低下を伴い、その結果、低吸水性、摺動性、ブロッキング、離型性の面で改善が必要な場合がある。
また、三次元構造を抑制するため末端封止剤により末端封止率を高める必要があり、摺動材やその他無機充填材との親和性の低下を招く。ポリアミドと摺動材やその他無機充填材との親和性が低いと、摺動材の分散性が低下したり、摺動材やその他無機充填材が摺動面に脱落したりし、摩耗を進行させてしまう場合がある。また二軸押出機などを用いてペレットを作製する際にストランド安定性(生産性)が低下したり、また、ポリアミド樹脂中にうまく分散できなかった充填剤がケバとして発生し、ペレットの品質を低下させたりする問題が起きる場合がある。
本発明が解決しようとする課題は、耐熱性、低吸水性、引張強度、振動疲労特性及び摺動性に優れたポリアミド組成物を提供することである。
〔1〕
(A)(a)1種のジカルボン酸からなる単位と、(b)少なくとも1種の炭素数8以上のジアミンからなる単位と、を、含有し、下記条件(1)、(2)を満足する、ポリアミドと、
(1)Tgが90℃以上である
(2)Mn(数平均分子量)が15000以上である
(B)摺動材と、
を、含有するポリアミド組成物。
〔2〕
前記(B)摺動材が、フッ素系樹脂である、前記〔1〕に記載のポリアミド組成物。
〔3〕
前記(B)摺動材が、PTFEである、前記〔1〕又は〔2〕に記載のポリアミド組成物。
〔4〕
前記(A)ポリアミドが、下記条件(1)、(2)を満足する、前記〔1〕乃至〔3〕のいずれか一項に記載のポリアミド組成物。
(1)25℃の硫酸相対粘度ηrが2.3以上である
(2)Mw(重量平均分子量)/Mn(数平均分子量)が4.0以下である
〔5〕
(A)(a)1種のジカルボン酸と、(b)少なくとも1種の炭素数8以上のジアミンからなる単位とを含有するポリアミドと、(B)摺動材とを含み、下記条件(1)、(2)及び(3)を満足する、ポリアミド組成物。
(1)Tgが90℃以上である
(2)数平均分子量が15000以上である
(3)Mw(重量平均分子量)/Mn(数平均分子量)が4.0以下である
〔6〕
前記(a)1種のジカルボン酸が、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸である、前記〔1〕乃至〔5〕のいずれか一項に記載のポリアミド組成物。
〔7〕
前記(A)ポリアミドが、角速度1rad/sの剪断粘度(η*1)の、角速度100rad/sの剪断粘度(η*100)に対する比率(η*1/η*100)が3以下である、前記〔1〕乃至〔6〕のいずれか一項に記載のポリアミド組成物。
〔8〕
前記(A)ポリアミドが、(c)下記(c−1)〜(c−3)からなる群より選ばれる少なくとも1種の共重合成分からなる単位を、さらに含有する、前記〔1〕乃至〔7〕のいずれか一項に記載のポリアミド組成物。
(c−1)前記(a)ジカルボン酸以外のジカルボン酸
(c−2)炭素数が前記(b)のジアミンの炭素数以下の前記(b)以外のジアミン
(c−3)ラクタム及び/又はアミノカルボン酸
〔9〕
JIS−K7121に準じた示差走査熱量測定において、20℃/minで冷却したときに得られる結晶化ピーク温度Tpc-1と、ガラス転移温度Tgとの差(Tpc-1−Tg)が140℃以上である、前記〔1〕乃至〔8〕のいずれか一項に記載のポリアミド組成物。
〔10〕
前記(b)炭素数8以上のジアミンがデカメチレンジアミンである、前記〔1〕乃至〔9〕のいずれか一項に記載のポリアミド組成物。
〔11〕
前記(c−2)炭素数が前記(b)のジアミンの炭素数以下の前記(b)以外のジアミンが、炭素数4〜9の脂肪族ジアミンである、前記〔8〕乃至〔10〕のいずれか一項に記載のポリアミド組成物。
〔12〕
前記(c−2)炭素数が前記(b)のジアミンの炭素数以下の前記(b)以外のジアミンが、炭素数が偶数であるジアミンからなる群より選ばれる少なくとも一種である、前記〔8〕乃至〔11〕のいずれか一項に記載のポリアミド組成物。
〔13〕
前記(c−2)炭素数が前記(b)のジアミンの炭素数以下の前記(b)以外のジアミンが、1,6−ヘキサメチレンジアミン、2−メチルペンタメチレンジアミンからなる群より選ばれる少なくとも一種である、前記〔8〕乃至〔12〕のいずれか一項に記載のポリアミド組成物。
〔14〕
前記(A)ポリアミドの封止量が50%以下である、前記〔1〕乃至〔13〕のいずれか一項に記載のポリアミド組成物。
〔15〕
前記(A)ポリアミドと前記(B)摺動材の融解ピーク温度Tpm-1の差が10℃以上である、前記〔1〕乃至〔14〕のいずれか一項に記載のポリアミド組成物。
〔16〕
炭素数とアミド基数との比(炭素数/アミド基数)が8以上である、前記〔1〕乃至〔15〕のいずれか一項に記載のポリアミド組成物。
〔17〕
JIS−K7121に準じた示差走査熱量測定において、20℃/minで冷却したときに得られる結晶化ピーク温度Tpc-1と、当該結晶化ピーク温度Tpc-1の測定後、50℃/minで再度冷却したときに得られる結晶化ピーク温度Tpc-2との差(Tpc-1−Tpc-2)が10℃以下である、前記〔1〕乃至〔16〕のいずれか一項に記載のポリアミド組成物。
〔18〕
前記(c)共重合成分の含有量が、ポリアミドの全構成成分量100モル%に対し、7.5モル%以上20.0モル%以下である、前記〔8〕乃至〔17〕のいずれか一項に記載のポリアミド組成物。
〔19〕
前記ポリアミドが、重合工程の少なくとも一部において固相重合工程を経て得られるポリアミドである、前記〔1〕乃至〔18〕のいずれか一項に記載のポリアミド組成物。
〔20〕
バイオマスプラスチック度が25%以上である、前記〔1〕乃至〔19〕のいずれか一項に記載のポリアミド組成物。
〔21〕
前記〔1〕乃至〔20〕のいずれか一項に記載のポリアミド組成物と、
無機充填材、造核剤、潤滑剤、安定剤、及び前記ポリアミド以外のポリマーからなる群より選ばれる1種以上の成分と、
を含むポリアミド組成物。
〔22〕
前記〔1〕乃至〔21〕のいずれか一項に記載のポリアミド組成物と、
数平均繊維径が3〜9μmであるガラス繊維と、
を含むポリアミド組成物。
〔23〕
前記〔1〕乃至〔22〕のいずれか一項に記載のポリアミド組成物と、
炭素繊維と、
を含むポリアミド組成物。
〔24〕
前記〔1〕乃至〔23〕のいずれか一項に記載のポリアミド組成物を含む成形品。
〔25〕
自動車部品、電子部品、家電部品、OA機器部品、携帯機器部品からなる群より選ばれるいずれかである、前記〔24〕に記載の成形品
〔26〕
摺動部品である、前記〔25〕に記載の成形品。
本実施形態のポリアミド組成物(以下、単に「ポリアミド組成物」ともいう。)は、
(A)(a)1種のジカルボン酸と(b)少なくとも1種の炭素数8以上のジアミンとからなる単位とを含有し、下記条件(1)、(2)を満足する、ポリアミドと、
(1)Tgが90℃以上である
(2)Mn(数平均分子量)が15000以上である
(B)摺動材と、を含有する。
本実施形態のポリアミドは、
(a)1種のジカルボン酸からなる単位と、
(b)少なくとも1種の炭素数8以上のジアミンからなる単位と、
を、含有し、下記条件(1)、(2)を満足するポリアミドである。
(1)Tgが90℃以上である
(2)Mn(数平均分子量)が15000以上である
なお、本実施形態において、ポリアミドとは主鎖中にアミド(−NHCO−)結合を有する重合体を意味する。
当該ジカルボン酸と等価な化合物としては、ジカルボン酸に由来するジカルボン酸構造を有し、ジカルボン酸構造となり得る化合物であれば特に限定されるものではない。例えば、ジカルボン酸の無水物及びハロゲン化物等が挙げられる。
以下、上記成分(a)及び(b)について詳細に説明する。
本実施形態のポリアミドは、(a)1種のジカルボン酸からなる単位を含有する。
本実施形態に用いる(a)1種のジカルボン酸としては、以下に限定されるものではないが、例えば、脂環族ジカルボン酸(脂環式ジカルボン酸とも記される。)、脂肪族ジカルボン酸及び芳香族ジカルボン酸等が挙げられる。本実施形態に用いるジカルボン酸としては、耐熱性、流動性、靭性、低吸水性、強度及び剛性等の観点で、好ましくは脂環族ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸であり、より好ましくは脂環族ジカルボン酸である。
本実施形態に用いる脂環族ジカルボン酸は、無置換でも置換基を有していてもよい。
本実施形態に用いる脂環族ジカルボン酸としては、本実施形態のポリアミドの耐熱性、低吸水性、引張強度、振動疲労特性及び摺動性等の観点で、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸が好ましい。
脂環族ジカルボン酸は、高温で異性化し、一定の比率になることやシス体の方がトランス体に比べて、ジアミンとの当量塩の水溶性が高いことから、本実施形態において用いる原料モノマーとしての脂環族ジカルボン酸は、トランス体/シス体比がモル比にして、好ましくは50/50〜0/100であり、より好ましくは40/60〜10/90であり、さらに好ましくは35/65〜15/85である。
前記脂肪族ジカルボン酸としては、以下に限定されるものではないが、例えば、マロン酸、ジメチルマロン酸、コハク酸、2,2−ジメチルコハク酸、2,3−ジメチルグルタル酸、2,2−ジエチルコハク酸、2,3−ジエチルグルタル酸、グルタル酸、2,2−ジメチルグルタル酸、アジピン酸、2−メチルアジピン酸、トリメチルアジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、テトラデカン二酸、ヘキサデカン二酸、オクタデカン二酸、エイコサン二酸、及びジグリコール酸等の炭素数3〜20の直鎖又は分岐状脂肪族ジカルボン酸等が挙げられる。
前記炭素数10以上の脂肪族ジカルボン酸としては、以下に限定されるものではないが、例えば、セバシン酸、ドデカン二酸、テトラデカン二酸、ヘキサデカン二酸、オクタデカン二酸、及びエイコサン二酸等が挙げられる。中でも、炭素数10以上の脂肪族ジカルボン酸としては、耐熱性などの観点で、セバシン酸及び/又はドデカン二酸が好ましい。
前記芳香族ジカルボン酸としては、耐熱性、流動性、靭性、低吸水性、強度及び剛性等の観点で、好ましくはテレフタル酸、イソフタル酸であり、より好ましくは、テレフタル酸である。
本実施形態のポリアミドは、(b)炭素数8以上のジアミンからなる単位を含有する。
本実施形態に用いる(b)炭素数8以上のジアミン(本明細書において、(b)成分、(b)のジアミン、(b)と記載する場合がある。)としては、炭素数8以上のジアミンであれば特に限定されず、無置換の直鎖脂肪族ジアミンでも、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、及びtert−ブチル基等の炭素数1〜4のアルキル基等の置換基を有する分岐状脂肪族ジアミンでも、脂環族ジアミンでも、芳香族ジアミンでもよい。
また、1,10−デカメチレンジアミンは、バイオマス由来の原料であるという観点からも好ましい。
デカメチレンジアミンとしては、無置換の1,10−デカメチレンジアミンでも、置換基を有する置換1,10−デカメチレンジアミンでもよい。当該置換基としては、特に限定されるものではないが、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、及びtert−ブチル基等の炭素数1〜4のアルキル基が挙げられる。
前記芳香族ジアミンとは、芳香族を含有するジアミンであり、以下に限定されるものではないが、例えば、メタキシリレンジアミン、オルトキシリレンジアミン、パラキシリレンジアミン等が挙げられる。
前記(b)は、1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
本実施形態のポリアミドは、本実施形態の目的を損なわない範囲で、上述した(a)、(b)の他、所定の(c)共重合成分(本明細書中、(c)成分、(c)と記載する場合がある。)を含有させることもできる。
前記(c)共重合成分とは、(c−1)前記(a)以外のジカルボン酸(本明細書中、(c−1)成分、(c−1)と記載する場合がある。)、(c−2)炭素数が前記(b)のジアミンの炭素数以下の前記(b)以外のジアミン(本明細書中、(c−2)成分、(c−2)と記載する場合がある。)、及び(c−3)ラクタム及び/又はアミノカルボン酸(本明細書中、(c−3)成分、(c−3)と記載する場合がある。)からなる群より選ばれる少なくとも1種である。
組み合わせる例としては、(c−1)、(c−2)及び(c−3)の中から自由に組み合わせることができ、例えば、(c−1)から2種類を用いてもよいし、(c−2)や(c−3)から2種類を組み合わせてもよいし、(c−1)から1種類と(c−2)から1種類のように組み合わせてもよい。
(c−1)前記(a)ジカルボン酸以外のジカルボン酸としては、以下に限定されるものではないが、例えば、脂環族ジカルボン酸、脂肪族ジカルボン酸及び芳香族ジカルボン酸等が挙げられる。
前記脂環族ジカルボン酸としては、以下に限定されるものではないが、例えば、脂環構造の炭素数が3〜10である脂環族ジカルボン酸、好ましくは脂環構造の炭素数が5〜10である脂環族ジカルボン酸が挙げられる。脂環族ジカルボン酸としては、以下に限定されるものではないが、例えば、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、及び1,3−シクロペンタンジカルボン酸等が挙げられる。
本実施形態に用いる(c−1)前記(a)ジカルボン酸以外のジカルボン酸としては、耐熱性、流動性、靭性、低吸水性、強度及び剛性等の観点で、好ましくは脂肪族ジカルボン酸であり、より好ましくは炭素数6以上の脂肪族ジカルボン酸である。
中でも、(c−1)前記(a)ジカルボン酸以外のジカルボン酸としては、耐熱性及び低吸水性等の観点で、炭素数10以上の脂肪族ジカルボン酸が好ましい。
中でも、(c−1)前記(a)ジカルボン酸以外のジカルボン酸としては、耐熱性などの観点で、セバシン酸及び/又はドデカン二酸が好ましい。
本実施形態に用いる(c−1)前記(a)ジカルボン酸以外のジカルボン酸としては、耐熱性、流動性、靭性、低吸水性、強度及び剛性等の観点で、好ましくは芳香族ジカルボン酸であり、より好ましくは、炭素数8の芳香族ジカルボン酸である。
さらに、(c−1)前記(a)ジカルボン酸以外のジカルボン酸は、本実施形態の目的を損なわない範囲で、トリメリット酸、トリメシン酸、及びピロメリット酸等の3価以上の多価カルボン酸を含んでもよい。
前記多価カルボン酸としては、1種類のみを単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
前記(a)ジカルボン酸の(a)と(c−1)との合計量中の割合が50〜100モル%であることにより、強度、高温強度、低吸水性、低ブロッキング性、離型性及び可塑化時間安定性に優れるポリアミドが得られる。また、当該ポリアミドを含むポリアミド組成物は、振動疲労特性及び表面外観に優れる。
(c−2)炭素数が前記(b)のジアミンの炭素数以下の前記(b)以外のジアミンとしては、以下に限定されるものではないが、例えば、脂肪族ジアミン、脂環族ジアミン及び芳香族ジアミン等が挙げられる。
前記芳香族ジアミンとは、芳香族を含有するジアミンであり、以下に限定されるものではないが、例えば、メタキシリレンジアミン、オルトキシリレンジアミン、パラキシリレンジアミン等が挙げられる。
前記多価脂肪族アミンは、1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
(c−3)ラクタム及び/又はアミノカルボン酸とは、重(縮)合可能なラクタム及び/又はアミノカルボン酸を意味する。
本実施形態のポリアミドが、(a)ジカルボン酸、(b)炭素数8以上のジアミン、及び(c−3)ラクタム及び/又はアミノカルボン酸を共重合させて得られる共重合ポリアミドである場合には、(c−3)ラクタム及び/又はアミノカルボン酸は、流動性、靭性の観点から、炭素数が4〜14のラクタム及び/又はアミノカルボン酸が好ましく、炭素数6〜12のラクタム及び/又はアミノカルボン酸であることがより好ましい。
中でも、ラクタムとしては、靭性の観点で、ε−カプロラクタム、ウンデカノラクタム、ラウロラクタム等が好ましく、ε−カプロラクタム、ラウロラクタムがより好ましい。
前記アミノカルボン酸としては、ω位がアミノ基で置換された炭素数4〜14の直鎖又は分岐状飽和脂肪族カルボン酸であることが好ましく、例えば、6−アミノカプロン酸、11−アミノウンデカン酸、及び12−アミノドデカン酸等が挙げられ、アミノカルボン酸としては、パラアミノメチル安息香酸等も挙げられる。
中でも、アミノカルボン酸としては、低吸水、靭性の観点で、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸等がより好ましい。
本実施形態のポリアミドにおいて、(a)1種のジカルボン酸と、(b)炭素数8以上のジアミンとの含有割合は、同モル量であることが好ましい。そのため、本実施形態のポリアミドを得る際の原料として、ジカルボン酸の使用量とジアミンの使用量とは、同モル量付近であることが好ましい。具体的には、重合反応中のジアミンの反応系外への逃散分もモル比においては考慮して、ジカルボン酸全体のモル量1に対して、ジアミン全体のモル量は、0.9〜1.2であることが好ましく、より好ましくは0.95〜1.1であり、さらに好ましくは0.98〜1.05である。
本実施形態のポリアミドを重合する際に、上記(a)〜(c)成分以外に、分子量調節のために公知の末端封止剤をさらに添加することができる。
末端封止剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、モノカルボン酸、モノアミン、無水フタル酸等の酸無水物;モノイソシアネート、モノ酸ハロゲン化物、モノエステル類、及びモノアルコール類等が挙げられ、熱安定性の観点で、モノカルボン酸、及びモノアミンが好ましい。
末端封止剤は、1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
末端封止剤として使用できるモノアミンとしては、カルボキシル基との反応性を有するものであれば、特に限定されるものではなく、例えば、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、デシルアミン、ステアリルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、及びジブチルアミン等の脂肪族モノアミン;シクロヘキシルアミン及びジシクロヘキシルアミン等の脂環族モノアミン;並びにアニリン、トルイジン、ジフェニルアミン、及びナフチルアミン等の芳香族モノアミン;等が挙げられる。
モノアミンとしては、1種類で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
<トランス異性体比率>
本実施形態のポリアミドにおいて、脂環族ジカルボン酸構造は、トランス異性体及びシス異性体の幾何異性体として存在する。
本実施形態のポリアミド中、脂環族ジカルボン酸に由来する部分におけるトランス異性体比率は、ポリアミド中の脂環族ジカルボン酸全体中のトランス異性体である比率を表す。当該トランス異性体比率は、好ましくは50〜85モル%であり、より好ましくは50〜80モル%であり、さらに好ましくは65〜80モル%である。
本実施形態のポリアミドのバイオマスプラスチック度は、環境負荷の低減の観点から25%以上であることが好ましい。ここで、バイオマスプラスチック度とは、ポリアミドのうち、バイオマス由来の原料にて構成されるユニットの割合を意味する。バイオプラスチック度は、後述する実施例に記載する方法により算出することができる。より好ましいバイオプラスチック度としては30%以上である。本実施形態のポリアミドのバイオマスプラスチック度の上限値は、特に限定されないが、ポリアミドの耐熱性の観点から例えば80%である。
したがって、ポリアミドにおいて、バイオマスプラスチック度が高いことは、環境負荷の低減に非常に有効である。ポリアミドのバイオマスプラスチック度を25%以上に高くする方法としては、ポリアミドを製造する際、上述したバイオマス由来の原料の配合割合を高くする方法等が挙げられる。
本実施形態のポリアミドの分子量は、25℃の硫酸相対粘度ηrを指標とすることができる。
本実施形態のポリアミドの25℃の硫酸相対粘度ηrは、ポリアミド組成物の成形性、引張強度、振動疲労特性及び摺動性等の観点から、好ましくは2.3〜5.0であり、より好ましくは2.4〜4.0であり、さらに好ましくは2.5〜3.5である。
本実施形態において、ポリアミドの25℃の硫酸相対粘度ηrの測定は、下記実施例に記載するように、JIS−K6920に準じて行うことができる。
本実施形態のポリアミドの分子量は、Mn(数平均分子量)を指標とすることができる。本実施形態のポリアミドのMn(数平均分子量)は、ポリアミド組成物の成形性、引張強度、振動疲労特性及び摺動性等の観点から、15000以上とする。好ましくは18000〜80000であり、より好ましくは20000〜80000であり、さらに好ましくは22000〜80000であり、さらにより好ましくは25000〜70000である。
ポリアミドのMn(数平均分子量)を15000以上、好ましくは18000〜80000の範囲にすることによって、成形性、引張強度、振動疲労特性及び摺動性等に優れるポリアミド組成物が得られる。
本実施形態において、ポリアミドのMn(数平均分子量)の測定は、下記実施例に記載するように、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)を用いて行うことができる。
本実施形態のポリアミドの分子量分布は、Mw(重量平均分子量)/Mn(数平均分子量)を指標とする。
本実施形態のポリアミドのMw(重量平均分子量)/Mn(数平均分子量)は、ポリアミド組成物の成形性、引張強度、振動疲労特性及び摺動性等の観点から、好ましくは4.0以下であり、より好ましくは1.5〜3.5であり、さらに好ましくは1.5〜3.3であり、よりさらに好ましくは1.5〜3.0であり、最も好ましくは1.5〜2.5である。分子量分布の下限は1.0である。
ポリアミドのMw(重量平均分子量)/Mn(数平均分子量)を上記範囲内に制御する方法としては、例えば、ポリアミドの熱溶融重合時の添加物としてリン酸や次亜リン酸ナトリウムのような公知の重縮合触媒を加える方法、並びに及び加熱条件や減圧条件のような重合条件を制御する方法等が挙げられる。
本実施形態において、ポリアミドのMw(重量平均分子量)/Mn(数平均分子量)の測定は、下記実施例に記載するように、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)を用いて得られたMw(重量平均分子量)、Mn(数平均分子量)を使用して計算することができる。
本実施形態のポリアミドは、角速度1rad/sの剪断粘度(η*1)の、角速度100rad/sの剪断粘度(η*100)に対する比率(η*1/η*100)が、好ましくは3以下である。
より好ましくは2.5以下であり、さらに好ましくは2以下である。
上記比率(η*1/η*100)が3以下であることにより、本実施形態のポリアミドにおいて優れた流動性が得られる。
上記比率(η*1/η*100)は、ポリアミドの分子量分布(Mw/Mn)と関係がある。すなわち、Mw/Mnが4以下であることにより、三次元構造化している比率が少なく、さらに高温加工時における分子の三次元化が抑制でき、良好な流動性が得られ、上記比率(η*1/η*100)≦3が実現できる。
所定の角速度におけるポリアミドの剪断粘度は、後述する実施例に記載する方法により測定することができる。
本実施形態のポリアミドの、後述する融解ピーク温度(融点)Tpm-1は、耐熱性、振動疲労特性及び摺動性の観点から、好ましくは280℃以上、より好ましくは280℃以上340℃以下であり、さらに好ましくは280℃以上330℃以下であり、よりさらに好ましくは280℃以上315℃以下である。
融解ピーク温度Tpm-1が330℃以下であるポリアミドは、押出、成形等の溶融加工における熱分解等をより抑制することができるため好ましい。また融解ピーク温度Tpm-1が315℃以下であれば、溶融加工温度をより低くすることができ、摺動材の分散性が向上し、優れた摺動性を有するポリアミド組成物とすることができる。
本実施形態のポリアミドにおいて、融解ピーク温度(融点)、結晶化ピーク温度及び結晶化エンタルピーは、JIS−K7121に準じて、示差走査熱量測定(DSC)により
測定することができる。具体的には、以下のとおり測定することができる。
測定条件は、窒素雰囲気下、試料約10mgを昇温速度20℃/minで50℃から350℃まで昇温する条件とする。このときに現れる吸熱ピークを融解ピークとし、もっとも高温側に現れるピークを融解ピーク温度Tpmとする。
続いて、350℃で3分間保った後、冷却速度20℃/minで350℃から50℃まで冷却する。このときに現れる発熱ピークを結晶化ピークとし、結晶化ピーク温度をTpc-1、結晶化ピーク面積を結晶化エンタルピーとする。
なお、このときに現れる吸熱ピークが1つの場合は、該吸熱ピークを融解ピーク温度Tpm-1及びTpm-2(Tpm-1=Tpm-2)とする。さらに、350℃で3分間保った後、冷却速度50℃/minで350℃から50℃まで冷却する。このときに現れる結晶化ピーク温度をTpc-2とする。
ポリアミドの融解ピーク温度(融点)Tpm-2を前記範囲内に制御する方法としては、例えば、上記(a)〜(c)成分を用い、配合比率を上述した範囲に制御する方法等が挙げられる。
ポリアミドにおける融解ピーク温度Tpm-1と融解ピーク温度Tpm-2との差(Tpm-1−Tpm-2)を前記範囲内に制御する方法としては、例えば、上記(a)〜(c)成分を用い、配合比率を上述した範囲に制御する方法等が挙げられる。
本実施形態のポリアミドの結晶化ピーク温度Tpc-1は、低ブロッキング性、離型性の観点から、好ましくは250℃以上であり、より好ましくは260℃以上300℃以下である。
結晶化ピーク温度Tpc-1は、JIS−K7121に準じた示差走査熱量測定において、20℃/minで冷却することにより測定することができる。
ポリアミドの結晶化ピーク温度Tpc-1を前記範囲内に制御する方法としては、例えば、上記(a)〜(c)成分を用い、配合比率を上述した範囲に制御する方法等が挙げられる。
結晶化ピーク温度Tpc-2は、JIS−K7121に準じた示差走査熱量測定において、前記結晶化ピーク温度Tpc-1の測定後、上記のように所定の操作を経た後、50℃/minで再度冷却することにより測定できる。
ポリアミドの結晶化ピーク温度Tpc-2を前記範囲内に制御する方法としては、例えば、上記(a)〜(c)成分を用い、配合比率を上述した範囲に制御する方法等が挙げられる。
ポリアミドにおいて、結晶化ピーク温度Tpc-1と結晶化ピーク温度Tpc-2との差(Tpc-1−Tpc-2)が小さいほど、結晶化速度が速く、ポリアミドの結晶構造が安定であることを意味する。ポリアミドにおける結晶化ピーク温度Tpc-1と結晶化ピーク温度Tpc-2との差(Tpc-1−Tpc-2)が前記範囲内であると、低ブロッキング性、離型性の観点から好ましい。
ポリアミドの結晶化エンタルピーを前記範囲内に制御する方法としては、例えば、ポリアミド中の炭素数とアミド基数との比(炭素数/アミド基数)を8以上とし、上記(a)〜(c)成分を用い、配合比率を上述した範囲に制御する方法等が挙げられる。
ポリアミド中の炭素数とアミド基との比(炭素数/アミド基数)は、後述する方法により制御できる。
本実施形態のポリアミドのガラス転移温度Tgは90℃以上であり、好ましくは90℃以上170℃以下であり、より好ましくは90℃以上140℃以下であり、さらに好ましくは100℃以上140℃以下であり、よりさらに好ましくは115℃以上140℃以下であり、最も好ましくは120℃以上140℃以下である。該ガラス転移温度Tgを90℃以上とすることにより、耐熱性、低吸水性、引張強度、振動疲労特性及び摺動性に優れるポリアミド組成物とすることができる。また、ガラス転移温度を170℃以下とすることにより、ポリアミド組成物から表面外観のよい成形品を得ることができる。
ポリアミドのガラス転移温度Tgを前記範囲内に制御する方法としては、例えば、成分を上記(a)〜(c)成分を用い、成分の配合比率を上述した範囲に制御する方法等が挙げられる。
本実施形態におけるポリアミドのポリマー末端は、以下のように分類し、定義される。
すなわち、1)アミノ末端、2)カルボキシル末端、3)封止剤による末端、及び4)その他の末端である。
ポリアミドのポリマー末端とは、ジカルボン酸とジアミンとがアミド結合により重合したポリマー鎖の末端部分を意味する。前記ポリアミドのポリマー末端は、これら1)〜4)の末端のうちの1種以上である。
2)カルボキシル末端は、カルボキシル基(−COOH基)が結合したポリマー末端であり、原料のジカルボン酸に由来する。
3)封止剤による末端は、重合時に添加した、カルボン酸又はアミンにより封止されたポリマー末端である。
4)その他の末端は、上記の1)〜4)に分類されないポリマー末端であり、例えば、アミノ末端が脱アンモニア反応して生成した末端や、カルボキシル末端から脱炭酸反応して生成した末端等が挙げられる。
ポリマー末端に結合するアミノ末端量は、中和滴定により測定することができる。具体的には、ポリアミド3.0gを90質量%フェノール水溶液100mLに溶解し、得られた溶液について0.025Nの塩酸で滴定を行い、アミノ末端量を求める。終点はpH計の指示値から決定する。
具体的には、ポリアミド4.0gをベンジルアルコール50mLに溶解し、得られた溶液について0.1NのNaOHで滴定を行い、カルボキシル末端量を求める。終点はフェノールフタレイン指示薬の変色から決定する。
本実施形態のポリアミドにおいて、炭素数とアミド基数との比(炭素数/アミド基数)は、低吸水の観点から8以上であることが好ましく、より好ましくは8.2以上9未満である。
当該炭素数とアミド基数との比(炭素数/アミド基数)は、ポリアミドのアミノ基濃度を示す指標である。
当該炭素数とアミド基数との比(炭素数/アミド基数)を前記範囲内とすることにより、強度、高温強度、低吸水性、低ブロッキング性、離型性及び可塑化時間安定性に優れたポリアミド、並びに振動疲労特性及び表面外観に優れたポリアミド組成物を提供できる。
アミノ基濃度を示す指標である(炭素数/アミド基数)は、ポリアミドにおけるアミド基1個あたりの炭素数の平均値を計算により求めることができる。具体的には、後述の実施例に記載の方法により求めることができる。
本実施形態に係るポリアミドの製造方法としては、特に限定されるものではなく、上述した(a)1種の脂環族ジカルボン酸と、(b)少なくとも1種の炭素数8以上のジアミンとを重合させる工程を含む、ポリアミドの製造方法が挙げられる。
本実施形態のポリアミドを得る際に、ジカルボン酸の添加量とジアミンの添加量とは、同モル量付近であることが好ましい。重合反応中のジアミンの反応系外への逃散分もモル比においては考慮して、ジカルボン酸全体のモル量1に対して、ジアミン全体のモル量は、0.9〜1.2であることが好ましく、より好ましくは0.95〜1.1であり、さらに好ましくは0.98〜1.05である。
本実施形態に係るポリアミドの製造方法としては、例えば、以下に例示するように種々の方法が挙げられる:
2)熱溶融重合法で得られたポリアミドを融点以下の温度で固体状態を維持したまま重合度を上昇させる方法(以下「熱溶融重合・固相重合法」と略称する場合がある。)。
3)ジカルボン酸と等価なジカルボン酸ハライド成分と、ジアミン成分とを用いて重合させる方法(「溶液法」)。
このようなポリアミドの着色や熱劣化による引張伸度の低下、可塑化時間安定性の低下を防止するため、また、該ポリアミドを含むポリアミド組成物の表面外観の低下を防止するため、トランス異性体比率を80%以下に維持して重合することが好適である。
本実施形態に係るポリアミドを製造する方法としては、1)熱溶融重合法、及び2)熱溶融重合・固相重合法によりポリアミドを製造する方法が好ましい。
本実施形態に係るポリアミドの製造方法において、重合形態としては、バッチ式でも連続式でもよい。
重合装置としては、特に限定されるものではなく、公知の装置、例えば、オートクレーブ型の反応器、タンブラー型反応器、及びニーダー等の押出機型反応器などが挙げられる。
バッチ式の熱溶融重合法によりポリアミドを製造する方法としては、例えば、以下のような方法が挙げられる。
熱溶融重合法によりポリアミドを製造する際には、重合が終了するまで、溶融状態を保持することが好ましい。溶融状態を保持するためには、ポリアミド組成に適した重合条件で製造することが必要となる。
本発明に用いられる(B)摺動材は、(A)ポリアミドに配合することによって、(A)ポリアミドの限界PV値、摩耗量、動摩擦係数等の摺動性を向上させるものであれば特に制限はなく、任意の摺動材を使用することができる。
本実施形態に用いられる(B)摺動材としては、以下に制限されないが、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、パーフルオロポリエーテル、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン・パーフルオロアルコキシエチレン共重合体、ポリテトラフルオロエチレン・ポリヘキサフルオロプロピレン共重合体等のフッ素樹脂;(高分子量)(変性)ポリエチレン、(変性)ポリプロピレン等の(変性)ポリオレフィン、ポリジメチルシロキサン、ポリメチルフェニルシロキサン、アミノ変性ポリジメチルシロキサン、エポキシ変性ポリジメチルシロキサン、アルコール変性ポリジメチルシロキサン、カルボキシ変性ポリジメチルシロキサン、フッ素変性ポリジメチルシロキサン等のシリコーン、二硫化モリブデン、二硫化タングステン、酸化亜鉛ウィスカ、ボロン酸ウィスカ、メタケイ酸カルシウムウィスカー、LCP繊維、アラミド繊維等の有機繊維、液晶ポリエステル等の高分子化合物などを挙げることができる。これらの中でも、フッ素樹脂、シリコーン、変性ポリオレフィン、二硫化モリブデン、鉱物油が好ましく、より好ましくはフッ素樹脂、シリコーン、二硫化モリブデンであり、さらに好ましくはフッ素樹脂である。
シリコーンは、25℃の状態で液状でも固体状でもよい。シリコーンが25℃の状態で液状の場合、摺動特性向上の観点より、25℃での粘度が1〜100万csが好ましく、1,000〜50万csがより好ましく、1万〜10万csがさらに好ましい。一方、シリコーンが25℃の状態で固体状の場合、押出や成形などの溶融加工時に溶融するものが好ましい。
フッ素樹脂の融解ピーク温度(融点)Tpm-1は、ポリアミドとの親和性の観点から、好ましくは280℃以上、より好ましくは280℃以上350℃以下であり、さらに好ましくは300℃以上340℃以下であり、さらにより好ましくは310℃以上335℃以下である。
フッ素樹脂は、マイクロトラックFRAレーザー式粒度分布計により測定した粒子の50%粒子径をRaμmおよび粒子の篩通過側累積90%径をRbμmとした時、好ましくはRa≦20かつ0.50≦Ra/Rb≦1.00である。
なお、本明細書におけるフッ素樹脂の熱重量分析(TGA)による1%質量減少温度とは、熱重量分析(TGA)計により窒素雰囲気下、50℃から昇温速度10℃/minで昇温した時に、フッ素樹脂の初期質量が1%減少したときの温度である。
1〜100質量部であり、より好ましくは0.03〜60質量部であり、さらに好ましく
は5〜50質量部であり、よりさらに好ましくは10〜40質量部であり、最も好ましくは15〜35質量部である。
上記の含有量を0.01質量部以上とすることにより、摺動特性向上効果が十分に発現
される。一方、上記の含有量を100質量部以下とすることにより、押出性、成形性及び
表面外観に優れる摺動部材を得ることができる。
無機充填材としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ガラス繊維、炭素繊維、ケイ酸カルシウム繊維、チタン酸カリウム繊維、ホウ酸アルミニウム繊維、クレー、フレーク状ガラス、タルク、カオリン、マイカ、ハイドロタルサイト、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、酸化亜鉛、リン酸一水素カルシウム、ウォラストナイト、シリカ、ゼオライト、アルミナ、ベーマイト、水酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化ケイ素、酸化マグネシウム、ケイ酸カルシウム、アルミノケイ酸ナトリウム、ケイ酸マグネシウム、ケッチェンブラック、アセチレンブラック、ファーネスブラック、カーボンナノチューブ、グラファイト、黄銅、銅、銀、アルミニウム、ニッケル、鉄、フッ化カルシウム、モンモリロナイト、膨潤性フッ素雲母及びアパタイトが挙げられる。
ガラス繊維や炭素繊維の数平均繊維径は、靭性、及び成形品の表面外観を向上させる観点から、3〜30μmが好ましく、3〜20μmがより好ましく、3〜12μmがさらに好ましく、3〜9μmがさらにより好ましく、4〜6μmがよりさらに好ましい。
ガラス繊維や炭素繊維は、その断面が真円状でも扁平状でもよい。かかる扁平状の断面としては、以下に制限されないが、例えば、長方形、長方形に近い長円形、楕円形、及び長手方向の中央部がくびれた繭型が挙げられる。ここで、本明細書における「扁平率」は、当該繊維断面の長径をD2及び該繊維断面の短径をD1とするとき、D2/D1で表される値をいう(真円状は、扁平率が約1となる。)。
また、板状成形品の反りを低減させ、並びに耐熱性、靭性、低吸水性及び耐熱エージング性を向上させる観点から、前記扁平率は、好ましくは1.5以上、より好ましくは1.5〜10.0、さらに好ましくは2.5〜10.0、さらにより好ましくは3.1〜6.0である。扁平率が上記範囲内の場合、他の成分との混合、混練や成形等の処理の際に、破砕を効果的に防止でき、成形品にとって所望の効果が十分に得られるようになり好ましい。
前記繊維ストランドをロービングとしてそのまま使用してもよく、さらに切断工程を得て、チョップドガラスストランドとして使用してもよい。
前記集束剤は、ガラス繊維又は炭素繊維100質量%に対し、固形分率として、好ましくは0.2〜3質量%相当を付与(添加)し、より好ましくは0.3〜2質量%相当を付与(添加)する。すなわち、当該繊維の集束を維持する観点から、集束剤の添加量が、ガラス繊維又は炭素繊維100質量%に対し、固形分率として0.2質量%以上であることが好ましい。一方、得られるポリアミド組成物の熱安定性を向上させる観点から、集束剤の添加量は3質量%以下であることが好ましい。ストランドの乾燥は切断工程後に行ってもよいし、ストランドを乾燥した後に切断してもよい。
ガラス繊維や炭素繊維以外の無機充填材の平均粒径は、靭性、及び成形品の表面外観を向上させる観点から、0.01〜38μmが好ましく、0.03〜30μmがより好ましく、0.05〜25μmがさらに好ましく、0.10〜20μmがよりさらに好ましく、0.15〜15μmが特に好ましい。
ここで、無機充填材の中でも、ウォラストナイトのような針状の形状を持つものに関しては、数平均繊維径(以下、単に「平均繊維径」ともいう。)を平均粒径とする。また、断面が円でない場合はその長さの最大値を(数平均)繊維径とする。
上記した針状の形状を持つものの重量平均繊維長(以下、単に「平均繊維長」ともいう。)については、上述の数平均繊維径の好ましい範囲、及び下記の重量平均繊維長(L)と数平均繊維径(D)とのアスペクト比(L/D)の好ましい範囲から算出される数値範囲が好ましい。
針状の形状を持つものの重量平均繊維長(L)と数平均繊維径(D)とのアスペクト比(L/D)に関しては、成形品の表面外観を向上させ、且つ射出成形機などの金属性パーツの磨耗を防止する観点から、1.5〜10が好ましく、2.0〜5がより好ましく、2.5〜4がさらに好ましい。
無機充填材の含有量を、ポリアミド100質量部に対して、1質量部以上とすることにより、得られるポリアミド組成物の強度及び剛性を向上させる効果が発現される。一方、無機充填材の含有量を、ポリアミド100質量部に対して、200質量部以下とすることにより、押出性及び成形性に優れたポリアミド組成物を得ることができる。
造核剤とは、添加によりポリアミド組成物の、結晶化ピーク温度を上昇させたり、結晶化ピークの補外開始温度と補外終了温度との差を小さくしたり、得られる成形品の球晶を微細化又はサイズの均一化させたりする効果が得られる物質のことを意味する。
造核剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、タルク、窒化ホウ素、マイカ、カオリン、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、窒化珪素、カーボンブラック、チタン酸カリウム、及び二硫化モリブデン等が挙げられる。
造核剤は、1種類のみを単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
造核剤は、造核剤効果の観点で、タルク、窒化ホウ素が好ましい。
また、造核剤効果が高いため、数平均粒径が0.01〜10μmである造核剤が好ましい。
本実施形態のポリアミド組成物において、造核剤の含有量は、本実施形態のポリアミド100質量部に対して、0.001〜1質量部であることが好ましく、より好ましくは0.001〜0.5質量部であり、さらに好ましくは0.001〜0.09質量部である。
造核剤の含有量を、ポリアミド100質量部に対して、0.001質量部以上とすることにより、ポリアミド組成物の耐熱性が向上し、また、造核剤の含有量を、ポリアミド100質量部に対して1質量部以下とすることにより、靭性に優れるポリアミド組成物が得られる。
潤滑剤としては、以下に限定されないが、例えば、高級脂肪酸、高級脂肪酸金属塩、高級脂肪酸エステル、及び高級脂肪酸アミド等が挙げられる。
潤滑剤は、1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
高級脂肪酸としては、例えば、ステアリン酸、パルミチン酸、ベヘン酸、エルカ酸、オレイン酸、ラウリン酸、及びモンタン酸等の炭素数8〜40の飽和又は不飽和の、直鎖又は分岐状の脂肪族モノカルボン酸が挙げられ、ステアリン酸及びモンタン酸等が好ましい。
高級脂肪酸としては、1種類で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
高級脂肪酸金属塩を構成する金属元素としては、元素周期律表の第1,2,3族元素、亜鉛、及びアルミニウム等が好ましく、より好ましくはカルシウム、ナトリウム、カリウム、及びマグネシウム等の第1,2族元素、並びにアルミニウム等が挙げられる。
高級脂肪酸金属塩としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、モンタン酸カルシウム、及びモンタン酸ナトリウム、パルミチン酸カルシウム等が挙げられ、モンタン酸の金属塩及びステアリン酸の金属塩等が好ましい。
高級脂肪酸エステルとは、前記高級脂肪酸とアルコールとのエステル化物である。炭素数8〜40の脂肪族カルボン酸と炭素数8〜40の脂肪族アルコールとのエステルであることが好ましい。
脂肪族アルコールとしては、以下に限定されるものではないが、例えば、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、及びラウリルアルコール等が挙げられる。
高級脂肪酸エステルとしては、以下に限定されるものではないが、例えば、ステアリン酸ステアリル、ベヘン酸ベヘニル等が挙げられる。
高級脂肪酸エステルとしては、1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
高級脂肪酸アミドとしては、以下に限定されるものではないが、例えば、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、エチレンビスステアリルアミド、エチレンビスオレイルアミド、N−ステアリルステアリルアミド、N−ステアリルエルカアミド等が挙げられる。
高級脂肪酸アミドとしては、好ましくはステアリン酸アミド、エルカ酸アミド、エチレンビスステアリルアミド、及びN−ステアリルエルカアミドであり、より好ましくはエチレンビスステアリルアミド及びN−ステアリルエルカアミドである。
高級脂肪酸アミドは、1種類のみを単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
本実施形態のポリアミド組成物中の潤滑剤の含有量は、ポリアミド100質量部に対して、好ましくは潤滑剤0.001〜1質量部であり、より好ましくは0.03〜0.5質量部である。
潤滑剤の含有量が上記範囲内にあることにより、離型性及び可塑化時間安定性に優れ、また、靭性に優れるポリアミド組成物とすることができると共に、分子鎖が切断されることによるポリアミドの極端な分子量低下を防止することができる。
安定剤としては、以下に制限されないが、例えば、フェノール系熱安定剤、リン系熱安定剤、アミン系熱安定剤、並びに元素周期律表の第3族、第4族及び第11〜14族の元素の金属塩、並びにアルカリ金属及びアルカリ土類金属のハロゲン化物等が挙げられる。
フェノール系熱安定剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ヒンダードフェノール化合物が挙げられる。前記ヒンダードフェノール化合物は、ポリアミド等の樹脂や繊維に優れた耐熱性及び耐光性を付与する性質を有する。
特に、耐熱エージング性向上の観点から、好ましくはN,N'−へキサン−1,6−ジイルビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオンアミド)]である。
フェノール系熱安定剤を用いる場合、ポリアミド組成物中のフェノール系熱安定剤の含有量は、ポリアミド組成物100質量%に対して、好ましくは0.01〜1質量%であり、より好ましくは0.1〜1質量%である。フェノール系熱安定剤の含有量が上記の範囲内の場合、ポリアミド組成物の耐熱エージング性を一層向上させ、さらにガス発生量を低減させることができる。
これらは、1種のみを単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらは、1種のみを単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、上記の銅塩に由来する銅元素の含有濃度は、ポリアミド組成物の耐熱エージング性を向上させる観点から、ポリアミド106質量部に対し、好ましくは10〜2000質量部であり、より好ましくは30〜1500質量部であり、さらに好ましくは50〜500質量部である。
上記で説明してきた熱安定剤の成分は、1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。中でも、ポリアミド組成物の耐熱エージング性を一層向上させる観点から、銅塩と、アルカリ金属及びアルカリ土類金属のハロゲン化物との混合物が好適である。
((A)ポリアミド以外のポリマー)
本実施形態のポリアミド組成物には、本実施形態の目的を損なわない範囲で、上述の(A)ポリアミドを含む原料成分を溶融混練する際に、(A)ポリアミド以外のポリマーを(A)ポリアミドを含む原料成分と混合し、溶融混練機に供給し混練することができる。
本実施形態に係るポリアミド以外のポリマーの含有量は、ポリアミド100質量部に対して、1〜200質量部が好ましく、より好ましくは5〜100質量部であり、さらに好ましくは5〜50質量部である。本実施形態のポリアミド組成物におけるポリアミド以外のポリマーの含有量を上記の範囲内にすることにより、耐熱性、離型性に優れるポリアミド組成物とすることができる。
本実施形態のポリアミド組成物が、上記で説明してきたポリアミド組成物に含まれ得るその他の原料を含有する場合、当該その他の原料の含有量は、その種類やポリアミド組成物の用途等によって様々であるため、本実施形態の目的を損なわない範囲であれば特に制限されることはない。
<Mn(数平均分子量)>
本実施形態のポリアミド組成物の分子量は、Mn(数平均分子量)を指標とすることができる。本実施形態のポリアミド組成物のMn(数平均分子量)は、ポリアミド組成物の成形性、引張強度、振動疲労特性及び摺動性等の観点から、好ましくは15000以上であり、より好ましくは18000〜80000であり、さらに好ましくは20000〜80000であり、よりさらに好ましくは22000〜80000であり、最も好ましくは25000〜70000である。
ポリアミド組成物のMn(数平均分子量)を好ましくは15000以上にすることによって、成形性、引張強度、振動疲労特性及び摺動性等に優れるポリアミド組成物が得られる。
本実施形態において、ポリアミド組成物のMn(数平均分子量)の測定は、下記実施例に記載するように、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)を用いて行うことができる。
本実施形態のポリアミド組成物の分子量分布は、Mw(重量平均分子量)/Mn(数平均分子量)を指標とする。
本実施形態のポリアミド組成物のMw(重量平均分子量)/Mn(数平均分子量)は、ポリアミド組成物の成形性、引張強度、振動疲労特性及び摺動性等の観点から、好ましくは4.0以下であり、より好ましくは1.5〜3.5であり、さらに好ましくは1.5〜3.3であり、よりさらに好ましくは1.5〜3.0であり、最も好ましくは1.5〜2.5である。分子量分布の下限は1.0である。
ポリアミド組成物のMw(重量平均分子量)/Mn(数平均分子量)を上記範囲内に制御する方法としては、例えば、ポリアミドの熱溶融重合時の添加物としてリン酸や次亜リン酸ナトリウムのような公知の重縮合触媒を加える方法、並びに及び加熱条件や減圧条件のような重合条件を制御する方法等が挙げられる。
本実施形態のポリアミド組成物における芳香族化合物単位の含有量は、ポリアミドの全構成成分量100モル%に対し、好ましくは50モル%以下であり、より好ましくは25モル%以下であり、さらに好ましくは20モル%以下であり、よりさらに好ましくは15%以下であり、最も好ましくは10%以下である。
本実施形態のポリアミド組成物の製造方法としては、上述のポリアミドを含む原料成分を溶融混練する工程を含む製造方法であれば、特に限定されるものではない。例えば、上述のポリアミドを含む原料成分を押出機で溶融混練する工程を含み、前記押出機の設定温度を、上述のポリアミドの融解ピーク温度Tpm-1+30℃以下とする方法が好ましい。
ポリアミドを含む原料成分を溶融混練する方法としては、例えば、ポリアミドとその他の原料とをタンブラー、ヘンシェルミキサー等を用いて混合し、溶融混練機に供給し混練する方法や、単軸又は2軸押出機で溶融状態にしたポリアミドに、サイドフィダーからその他の原料を配合する方法等が挙げられる。
溶融混練温度は、樹脂温度にして250〜375℃程度であることが好ましい。
溶融混練時間は、0.25〜5分程度であることが好ましい。
溶融混練を行う装置としては、特に限定されるものではなく、公知の装置、例えば、単軸又は2軸押出機、バンバリーミキサー、及びミキシングロールなどの溶融混練機を用いることができる。
本実施形態の成形品は、上述のポリアミド又はポリアミド組成物を含む。
本実施の形態の成形品は、上述のポリアミド又はポリアミド組成物を、公知の成形方法、例えばプレス成形、射出成形、ガスアシスト射出成形、溶着成形、押出成形、吹込成形、フィルム成形、中空成形、多層成形、及び溶融紡糸等、一般に知られているプラスチック成形方法を用いて成形することにより得られる。
本実施形態の成形品は、上述のポリアミド組成物から得られるので、耐熱性、成形性、機械的強度、低吸水性、振動疲労特性、摺動性及び表面外観に優れる。したがって、本実施形態の成形品は、各種摺動部品、自動車部品、電気及び電子部品、家電部品、OA機器部品、携帯機器部品、産業機器部品、日用品及び家庭品等の各種部品として、また、押出用途などに好適に用いることができる。中でも、本実施形態の成形品は、各種摺動部品として好適に用いられる。
電気及び電子用摺動部材、産業機器用摺動部材、日用及び家庭品用摺動部材としては、以下に制限されないが、例えば、ギア、カム、ベアリングリテーナ、軸受け、プーリー、メカニカルシールの端面材、バルブの弁座、Vリング、ロッドパッキン、ピストンリング、ピストン、インペラー、ベーン及びローターに用いられる。
上記のギアとしては、以下に制限されないが、例えば、平歯車、はすば歯車、やまば歯車、内歯車対、ラック− 小歯車、すぐばかさ歯車、まがりばかさ歯車、交差軸フェースギア、ねじ歯車、ウォームギア及びハイポイドギアが挙げられる。
自動車吸気系部品としては、特に限定されるものではないが、例えば、エアインテークマニホールド、インタークーラーインレット、エキゾーストパイプカバー、インナーブッシュ、エンジンマウント、エンジンヘッドカバー、リゾネーター、及びスロットルボディ等が挙げられる。
自動車冷却系部品としては、特に限定されるものではないが、例えば、チェーンカバー、サーモスタットハウジング、アウトレットパイプ、ラジエータータンク、オイルネーター、及びデリバリーパイプ等が挙げられる。
自動車燃料系部品では、特に限定されるものではないが、例えば、燃料デリバリーパイプ及びガソリンタンクケース等が挙げられる。
自動車外装部品としては、特に限定されるものではないが、例えば、モール、ランプハウジング、フロントグリル、マッドガード、サイドバンパー、及びドアミラーステイ、ルーフレール等が挙げられる。
自動車電装部品としては、特に限定されるものではないが、例えば、コネクターやワイヤーハーネスコネクタ、モーター部品、ランプソケット、センサー車載スイッチ、及びコンビネーションスイッチ等が挙げられる。
携帯機器部品としては、特に限定されるものではないが、例えば、携帯電話、スマートフォン、パソコン、携帯ゲーム機器、デジタルカメラ等の筐体、及び構造体等が挙げられる。
産業機器部品としては、特に限定されるものではないが、例えば、絶縁ブロック、バルブ、電動工具部品、農機具部品、エンジンカバー等が挙げられる。
日用品及び家庭品としては、特に限定されるものではないが、例えば、ボタン、食品容器、及びオフィス家具等が挙げられる。
押出用途としては、特に限定されるものではないが、例えば、フィルム、シート、フィラメント、チューブ、棒、及び中空成形品等に用いられる。
また、本実施形態のポリアミド組成物から得られる成形品は、表面外観に優れているので、成形品表面に塗装膜を形成させた成形品としても好ましく用いられる。塗装膜の形成方法は公知の方法であれば特に限定されるものではなく、例えば、スプレー法、静電塗装法等の塗装によることができる。また、塗装に用いる塗料は、公知のものであれば特に限定されず、メラミン架橋タイプのポリエステルポリオール樹脂塗料、アクリルウレタン系塗料などを用いることができる。
実施例及び比較例に用いた原材料及び測定方法を以下に示す。
なお、本実施例において、1kg/cm2は、0.098MPaを意味する。
本実施例及び比較例においては、下記化合物を用いた。
<ジカルボン酸>
(1)1,4−シクロヘキサンジカルボン酸(CHDC)
商品名:1,4−CHDA HPグレード(トランス体/シス体=25/75)(イーストマンケミカル社製)
(2)アジピン酸(ADA)商品名:アジピン酸(和光純薬工業製) 和光純薬工業
(1)1,10−ジアミノデカン(1,10−デカメチレンジアミン)(C10DA)
商品名:1,10−デカンジアミン(小倉合成工業社製)
(2)1,12−ジアミノドデカン(1,12−ドデカメチレンジアミン)(C12DA)(東京化成工業社製)
(3)1,6−ジアミノヘキサン(1,6−ヘキサメチレンジアミン)(C6DA)(東京化成工業社製)
(4)2−メチルペンタメチレンジアミン(2MC5DA)(東京化成工業製)
(5)1,9−ノナメチレンジアミン(C9DA)(アルドリッチ社製)
(6)2−メチルオクタメチレンジアミン(2MOD) 特開平05−17413号公報に記載されている製法を参考にして製造した。
(1)ポリテトラフルオロエチレン(B−1) 旭硝子(株)製 商品名 L150J
平均粒径 9μm
(2)ポリテトラフルオロエチレン(B−2) ダイキン工業株式会社製 商品名 L−5F 平均粒径 4μm
(1)ガラス繊維(GF−1) 日本電気硝子製 商品名 ECS03T275H 数平均繊維径(平均粒径)10μm(真円状)、カット長3mm
(2)下記製造例Aのとおり無水マレイン酸共重合体を含む集束剤により処理されたガラス繊維(GF−2) GF−2の数平均繊維径:7μm(真円状)
(3)炭素繊維(CF−1) 東邦テナックス株式会社製 商品名 べスファイトHTA−C6−N
<製造例A>
まず、固形分として、ポリウレタン樹脂2質量%、無水マレイン酸−ブタジエン共重合体4質量%、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン0.6質量%、及びカルナウバワックス0.1質量%となるように水で希釈し、ガラス繊維集束剤を得た。
得られたガラス繊維集束剤を、溶融防糸された数平均繊維径7μmのガラス繊維に対して、回転ドラムに巻き取られる途中に設けたアプリケーターによって付着させた。
その後、ガラス繊維集束剤を付着させたガラス繊維を乾燥することによって、上記ガラス繊維集束剤で表面処理されたガラス繊維束のロービングを得た。
その際、ガラス繊維は1,000本の束となるようにした。ガラス繊維に対するガラス繊維集束剤の付着量は、0.6質量%であった。これを3mmの長さに切断して、チョップドストランド(以下、「GF−2」とも略記する)を得た。
まず、ポリアミド組成物を電気炉に入れて、ポリアミド組成物中に含まれる有機物を焼却処理した。当該処理後の残渣分から、任意に選択した100本以上のガラス繊維を、走査型電子顕微鏡(SEM)で観察して、これらのガラス繊維の繊維径を測定することにより数平均繊維径を求めた。
(ポリアミド中の各構成単位の含有量)
ポリアミド中の各構成単位の含有量を1H−NMR測定により以下のように定量した。
実施例及び比較例で得られたポリアミドのペレットを約5質量%の濃度になるように重ヘキサフルオロイソプロパノールに加熱して溶解し、日本電子製核磁気共鳴分析装置JNM ECA−500を用いて1H−NMRの分析を行い、積分比を計算することによって、下記の含有量を決定した。
製造例及び比較製例で得られたポリアミドの、融解ピーク温度(融点)、結晶化ピーク温度及び結晶化エンタルピーを、JIS−K7121に準じて、PERKIN−ELMER社製Diamond−DSCを用いて測定した。
測定は、窒素雰囲気下で行った。
続いて、350℃で3分間保った後、冷却速度20℃/minで350℃から50℃まで冷却した。このときに現れる発熱ピークを結晶化ピークとし、結晶化ピーク温度をTpc-1、結晶化ピーク面積を結晶化エンタルピーとした。
続いて、50℃で3分間保った後、再度昇温速度20℃/minで50℃から350℃まで昇温した。このときに現れるもっとも高温側に現れたピークを融解ピーク温度Tpm-1とし、もっとも低温側に現れたピークを融解ピーク温度Tpm-2とした。
融解ピーク温度Tpmと融解ピーク温度Tpm-1との差(Tpm−Tpm-1)、融解ピーク温度Tpm-1
と融解ピーク温度Tpm-2との差(Tpm-1−Tpm-2)、結晶化ピーク温度Tpc-1と結晶化ピーク温度Tpc-2との差(Tpc-1−Tpc-2)、結晶化ピーク温度Tpc-1と後述するガラス転移温度Tgとの差(Tpc-1−Tg)を測定した。
製造例及び比較製例で得られたポリアミドのガラス転移温度(Tg)を、JIS−K7121に準じて、PERKIN−ELMER社製Diamond−DSCを用いて測定した。
測定条件は、以下のとおりとした。
試料をホットステージ(Mettler社製EP80)で溶融させて得られた溶融状態のサンプルを、液体窒素を用いて急冷し、固化させ、測定サンプルとした。
当該測定サンプル10mgを用いて、昇温速度20℃/minの条件下、30〜350℃の範囲で昇温して、ガラス転移温度(Tg)を測定した。
製造例及び比較製例で得られたポリアミドの25℃における硫酸相対粘度ηrを、JIS−K6920に準じて測定した。具体的には、98%硫酸を用いて、1%の濃度の溶解液((ポリアミド1g)/(98%硫酸100mL)の割合)を作成し、得られた溶解液を用いて25℃の温度条件下で硫酸相対粘度ηrを測定した。
製造例及び比較製例で得られたポリアミド、実施例及び比較例で得られたポリアミド組成物のMn(数平均分子量)、Mw(重量平均分子量)/Mn(数平均分子量)は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー、東ソー株式会社製、HLC−8020、ヘキサフルオロイソプロパノール溶媒、PMMA(ポリメチルメタクリレート)標準サンプル(ポリマーラボラトリー社製)換算)で測定したMw(重量平均分子量)と数平均分子量(Mn)を用いて計算した。サンプルはポリアミド及びポリアミド組成物3.0mgを、ヘキサフルオロイソプロパノール(0.005N−トリフルオロ酢酸ナトリウム添加)3mLに溶解し、0.45μmのフィルターでろ過して得られた溶液を測定に用いた。測定条件は以下の条件で実施した。
溶媒:ヘキサフルオロイソプロパノール(0.005N−トリフルオロ酢酸ナトリウム添
加)
流速:0.5mL/分
試料注入量:0.1mL
温度:30℃
製造例及び比較製例で得られたポリアミドにおけるトランス異性化率を以下のとおり求めた。
ポリアミド30〜40mgをヘキサフルオロイソプロパノール重水素化物1.2gに溶解し、得られた溶液を用い、1H−NMRを測定した。
1,4−シクロヘキサンジカルボン酸の場合、1H−NMR測定における、トランス異性体に由来する1.98ppmのピーク面積とシス異性体に由来する1.77ppm及び1.86ppmのピーク面積との比率からポリアミドにおけるトランス異性体比率を求めた。
製造例及び比較製例で得られたポリアミドのペレットを、コンプレッション成形機を用いて、試験片を製造した。
具体的な成形条件は、加工温度をポリアミドの高温側の融解ピーク温度(Tpm-1)+20℃に設定し、余熱時間2分、加熱時間2分、冷却時間3分とした。
得られた成形片、及びARES−G2(ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン株式会社製)を用いて、溶融粘弾性測定を行った。測定モード:Oscillation Freqency Sweep Test、測定治具:コーン & プレート、ギャップ間:0.05mm、安定時間:5分、歪:20%、角速度:0.01rad/sec〜100rad/sec、ロードセル:2kg、環境状態:窒素気流、測定温度:ポリアミドの高温側の融解ピーク温度(Tpm-1)+20℃とした。
角速度1rad/sの剪断粘度(η*1)の、角速度100rad/sの剪断粘度(η*100)に対する比率を算出した。(η*1/η*100)が3以下であると、流動特性が良好であると判断した。
製造例及び比較製例で得られたポリアミドにおいて、ポリマー末端に結合するアミノ末端量を、中和滴定により以下のとおり測定した。
ポリアミド3.0gを90質量%フェノール水溶液100mLに溶解し、得られた溶液を用い、0.025Nの塩酸で滴定を行い、アミノ末端量(μ当量/g)を求めた。終点はpH計の指示値から決定した。
製造例及び比較製例で得られたポリアミドにおいて、ポリマー末端に結合するカルボキシル末端量を、中和滴定により以下のとおり測定した。
ポリアミド4.0gをベンジルアルコール50mLに溶解し、得られた溶液を用い、0.1NのNaOHで滴定を行い、カルボキシル末端量(μ当量/g)を求めた。終点はフェノールフタレイン指示薬の変色から決定した。
前記(7)及び(8)により測定したアミノ末端量([NH2])と、カルボキシル末端量([COOH])により、([NH2]/([NH2]+[COOH])を算出した。
製造例及び比較製例で得られたポリアミドにおいて、アミド基1個あたりの炭素数の平均値(炭素数/アミド基数)を計算により求めた。
具体的には、分子主鎖中に含まれる炭素数を分子主鎖中に含まれるアミド基数で除することにより、炭素数とアミド基数との比(炭素数/アミド基数)を求めた。
該炭素数とアミド基数との比(炭素数/アミド基数)を、ポリアミドにおけるアミノ基濃度を示す指標とした。
製造例及び比較製例で得られたポリアミドにおいて、バイオマス由来の原料にて構成されるユニットの質量%をバイオマスプラスチック度として算出した。
具体的には、ひまし油を原料としている、セバシン酸、1,10−ジアミノデカンを、バイオマス由来の原料とした。
そして、実施例及び比較例で得られたポリアミドにおいて、セバシン酸及び1,10−ジアミノデカンに由来するユニットの割合を算出し、当該割合をバイオマスプラスチック度とした。
尚、ポリアミドの重合においては、アミド結合の形成の際に、ジアミン中の2つの水素原子と、ジカルボン酸中の2つの酸素原子と、2つの水素原子とから、2モルの水分子が生成することを考慮して算出した。
実施例及び比較例で得られたポリアミド組成物のペレットを、射出成形機[PS−40E:日精樹脂株式会社製]を用いて、ISO 3167に準拠し、多目的試験片A型の成形片に成形した。具体的な成形条件は、射出+保圧時間25秒、冷却時間15秒、金型温度を80℃、溶融樹脂温度をポリアミドの高温側の融解ピーク温度(Tpm-1)+20℃に設定した。
得られた多目的試験片A型の成形片を用いて、ISO 527に準拠し、23℃の温度条件下、引張速度5mm/minで引張試験を行い、引張降伏応力を測定し、引張強度とした。
実施例及び比較例で得られたポリアミド組成物のペレットについて、銅濃度、ハロゲン濃度、及びハロゲンと銅とのモル比(ハロゲン/Cu)を以下のとおり測定した。
銅濃度は、試料に硫酸を加え、加熱しながら硝酸を滴下し有機分を分解し、該分解液を純水にて定容しICP発光分析(高周波プラズマ発光分析)法により定量した。ICP発光分析装置は、SEIKO電子工業社製Vista−Proを用いた。
ハロゲン濃度は、ヨウ素を例にとると、試料を高純度酸素で置換したフラスコ中で燃焼し、発生したガスを吸収液に捕集し、該捕集液中のヨウ素を1/100N硝酸銀溶液による電位差滴定法を用いて定量した。
ハロゲンと銅とのモル比(ハロゲン/Cu)は、上記それぞれの定量値を用いて分子量からモルに換算し算出した。
上記(11)のとおり多目的試験片A型の成形片を成形した後の絶乾状態(dry as mold)で、多目的試験片A型の成形片の試験前質量(吸水前質量)を測定した。次に、多目的試験片A型の成形片を、80℃の純水中に72時間浸漬させた。その後、水中から多目的試験片A型の成形片を取り出し、表面の付着水分をふき取り、恒温恒湿(23℃、50RH%)雰囲気下に30分放置後、試験後質量(吸水後質量)を測定した。吸水前質量に対しての吸水後質量の増分を吸水量とし、吸水前質量に対する吸水量の割合を、試行数n=3で求め、その平均値を吸水率とした。
ASTM引張試験用のダンベル射出成形試験片(3mm厚)を用いて、ASTM D638に準じて破壊応力(MPa)の測定を行った。
実施例及び比較例で得られたポリアミド組成物のペレットからダンベル射出成形試験片を以下のとおり成形した。
射出成形機(日精樹脂(株)製PS40E)にASTM引張試験(ASTM D638)用のダンベル試験片(3mm厚)の金型(金型温度=Tg+20℃)を取り付けて、シリンダー温度=(Tpm-1+10)℃〜(Tpm-1+30)℃で成形を行って、ポリアミド組成物のペレットからダンベル射出成形試験片を得た。
得られたASTM引張試験用のダンベル射出成形試験片(3mm厚)について、株式会社鷺宮製作所製油圧サーボ疲労試験機EHF−50−10−3を用い、120℃の雰囲気下、周波数20Hzの正弦波にて引張り荷重を負荷し、100,000回で破壊する応力(MPa)を求めた。求めた破壊応力(MPa)が大きいほど振動疲労特性に優れると評価した。
回転動型摩擦摩耗試験機(回転動型摩擦摩耗試験機IIIT−2000−5000N:高千穂精機株式会社製)により摺動試験を行った。
摺動試験を実施した後の削られた部分について、表面粗さ計(Surfcom:東京精密社製)を用いて、Rmaxを測定し、摩耗深さを評価した。
試験方法:JIS K7218 A法準拠
試験装置:高千穂精機株式会社製 回転動型摩擦摩耗試験機IIIT−2000−5000N
試験片:30mm×30mm×3mm(中央φ12mm穴あき)
相手材:S45Cリング(摩擦面積2cm2、表面粗さ約0.8μmRa)
滑り速度:1.5m/sec
荷重:100N(面圧0.5N/mm2)
測定時間:360分
測定観光:23℃±2℃、50%RH±10%RH
以下、ポリアミドの実施例及び比較例を示す。併せて上記の測定項目を実施したので、説明する。
(ポリアミドの製造)
「熱溶融重合法」によりポリアミドの重合反応を以下のとおり実施した。
(a)ジカルボン酸としてCHDC750g(4.35モル)、(b)炭素数8以上のジアミンとしてC10DA750g(4.35モル)を、蒸留水1500gに溶解させ、原料モノマーの等モル約50質量%均一水溶液を調製した。
得られた水溶液と、溶融重合時の添加物である(b)C10DA17g(0.10モル)とを、内容積5.4Lのオートクレーブ(日東高圧製)に仕込み、液温(内温)が50℃になるまで保温して、オートクレーブ内を窒素置換した。オートクレーブの槽内(以下、単に「槽内」とも記す。)の圧力が、ゲージ圧として(以下、槽内の圧力は全てゲージ圧として表記する。)、約2.5kg/cm2になるまで、液温を約50℃から加熱を続けた(この系での液温は約145℃であった。)。槽内の圧力を約2.5kg/cm2に保つため水を系外に除去しながら、加熱を続けて、水溶液の濃度が約75質量%になるまで濃縮した(この系での液温は約160℃であった。)。水の除去を止め、槽内の圧力が約30kg/cm2になるまで加熱を続けた(この系での液温は約245℃であった。)。槽内の圧力を約30kg/cm2に保つため、水を系外に除去しながら、最終温度(後述の350℃)−60℃(ここでは290℃)になるまで加熱を続けた。液温が最終温度(後述の350℃)−60℃(ここでは290℃)まで上昇した後に、加熱は続けながら、槽内の圧力が大気圧(ゲージ圧は0kg/cm2)になるまで30分ほどかけながら降圧した。
得られたポリアミドの各物性について上記方法に基づいて測定した。該測定結果を表1に示す。
(a)ジカルボン酸、(b)炭素数8以上のジアミン、(c)共重合成分、及び、溶融重合時の添加物として、表1に記載の化合物及び量を用いたこと、並びに樹脂温度の最終温度を表1に記載の温度にしたこと以外は、製造例1に記載した方法でポリアミドの重合反応を行って(「熱溶融重合法」)、ポリアミドのペレットを得た。
得られたポリアミドの各物性について上記方法に基づいて測定した。
該測定結果を表1に示す。
「熱溶融重合法」によりポリアミドの重合反応を以下のとおり実施した。
(a)ジカルボン酸としてCHDC800g(4.65モル)、(b)炭素数8以上のジアミンとしてC10DA520g(3.02モル)、(C−2)(b)のジアミンより炭素数の少ないジアミンとしてC6DA189g(1.63モル)を蒸留水1500gに溶解させ、原料モノマーの等モル約50質量%均一水溶液を調製した。
得られた水溶液を内容積5.4Lのオートクレーブ(日東高圧製)に仕込み、液温(内温)が50℃になるまで保温して、オートクレーブ内を窒素置換した。オートクレーブの槽内の圧力が、ゲージ圧として(以下、槽内の圧力は全てゲージ圧として表記する。)、約2.5kg/cm2になるまで、液温を約50℃から加熱を続けた(この系での液温は約145℃であった。)。槽内の圧力を約2.5kg/cm2に保つため水を系外に除去しながら、加熱を続けて、水溶液の濃度が約75質量%になるまで濃縮した(この系での液温は約160℃であった。)。水の除去を止め、槽内の圧力が約30kg/cm2になるまで加熱を続けた(この系での液温は約245℃であった。)。槽内の圧力を約30kg/cm2に保つため、水を系外に除去しながら、最終温度(後述の335℃)−50℃(ここでは285℃)になるまで加熱を続けた。液温が最終温度(後述の335℃)−50℃(ここでは285℃)まで上昇した後に、加熱は続けながら、槽内の圧力が大気圧(ゲージ圧は0kg/cm2)になるまで120分ほどかけながら降圧した。
得られたポリアミドの各物性について上記方法に基づいて測定した。
該測定結果を表1に示す。
「熱溶融重合法」によりポリアミドの重合反応を以下のとおり実施した。
(a)ジカルボン酸としてCHDC800g(4.65モル)、(b)炭素数8以上のジアミンとしてC10DA520g(3.02モル)、(C−2)(b)のジアミンより炭素数の少ないジアミンとしてC6DA189g(1.63モル)を蒸留水1500gに溶解させ、原料モノマーの等モル約50質量%均一水溶液を調製した。
得られたポリアミドの各物性について上記方法に基づいて測定した。
該測定結果を表1に示す。
「熱溶融重合法」によりポリアミドの重合反応を以下のとおり実施した。
ADA836g(5.72モル)、HMD664g(5.72モル)を蒸留水1500gに溶解させ、原料モノマーの等モル約50質量%均一水溶液を調製した。
得られた水溶液を内容積5.4Lのオートクレーブ(日東高圧製)に仕込み、液温(内温)が50℃になるまで保温して、オートクレーブ内を窒素置換した。オートクレーブの槽内の圧力が、ゲージ圧として(以下、槽内の圧力は全てゲージ圧として表記する。)、約2.5kg/cm2になるまで、液温を約50℃から加熱を続けた(この系での液温は約145℃であった。)。槽内の圧力を約2.5kg/cm2に保つため水を系外に除去しながら、加熱を続けて、水溶液の濃度が約75質量%になるまで濃縮した(この系での液温は約160℃であった。)。水の除去を止め、槽内の圧力が約18kg/cm2になるまで加熱を続けた(この系での液温は約245℃であった。)。槽内の圧力を約30kg/cm2に保つため、水を系外に除去しながら、最終温度(後述の290℃)−20℃(ここでは270℃)になるまで加熱を続けた。液温が最終温度(後述の290℃)−20℃(ここでは270℃)まで上昇した後に、加熱は続けながら、槽内の圧力が大気圧(ゲージ圧は0kg/cm2)になるまで60分ほどかけながら降圧した。
得られたポリアミドの各物性について上記方法に基づいて測定した。
該測定結果を表1に示す。
ポリアミド組成物の原料として、以下のポリアミド、摺動材、無機充填材、銅化合物及び金属ハロゲン化物を用いた。
製造例1〜6、比較製造例1〜2で得られたポリアミドを、窒素気流中で乾燥し水分率を約0.2質量%に調整して、ポリアミド組成物の原料として用いた。
KI 85.1質量部、エチレンビスステアリルアミド10質量部を混合し、KIとエチレンビスステアリルアミドとの混合物を得た。該混合物にCuI 4.9質量部をよく混合し、ディスクペレッター(不二パウダル社製F5−11−175)で顆粒化し、顆粒(1)を得た。
〔実施例1〕
2軸押出機(東芝機械(株)製TEM35、L/D=47.6(D=37mmφ)、設定温度Tpm-1+10℃(この場合、334+10=344℃)、スクリュー回転数300rpm)を用いて、以下のとおりポリアミド組成物を製造した。
前記2軸押出機の最上流部に設けられたトップフィード口より、上記水分率を調整した製造例1のポリアミド(100質量部)、上記で製造した顆粒(1)(6.1質量部)を供給し、前記2軸押出機の下流側(トップフィード口より供給された樹脂が充分溶融している状態)のサイドフィード口より摺動材としてポリテトラフルオロエチレン(B−1)、無機充填材としてガラス繊維(GF−1)を、下記表2に示す割合(質量部)で供給し、ダイヘッドより押し出された溶融混練物をストランド状で冷却し、ペレタイズしてポリアミド組成物のペレットを得た。
得られたポリアミド組成物の各物性について上記方法に基づいて測定した。
該測定結果を表2に示す。
表2に示す割合(質量部)で製造例のポリアミド、摺動材、無機充填材を供給したこと以外は、実施例1に記載した方法と同様にして、ポリアミド組成物ペレットを作製した。
得られたポリアミド組成物の各物性について上記方法に基づいて測定した。
該測定結果を表2に示す。
さらに数平均繊維系が7μmであるGFを使用した実施例3のポリアミド組成物は、より摺動性に優れることが分かった。
Claims (26)
- (A)(a)1種のジカルボン酸と、(b)少なくとも1種の炭素数8以上のジアミンからなる単位と、を、含有し、下記条件(1)、(2)を満足する、ポリアミドと、
(1)Tgが90℃以上である
(2)Mn(数平均分子量)が15000以上である
(B)摺動材と、
を、含有するポリアミド組成物。 - 前記(B)摺動材が、フッ素系樹脂である、請求項1に記載のポリアミド組成物。
- 前記(B)摺動材が、PTFEである、請求項1又は2に記載のポリアミド組成物。
- 前記(A)ポリアミドが、下記条件(1)、(2)を満足する、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のポリアミド組成物。
(1)25℃の硫酸相対粘度ηrが2.3以上である
(2)Mw(重量平均分子量)/Mn(数平均分子量)が4.0以下である - (A)(a)1種のジカルボン酸と、(b)少なくとも1種の炭素数8以上のジアミンからなる単位とを含有するポリアミドと、(B)摺動材とを含み、下記条件(1)、(2)及び(3)を満足する、ポリアミド組成物。
(1)Tgが90℃以上である
(2)数平均分子量が15000以上である
(3)Mw(重量平均分子量)/Mn(数平均分子量)が4.0以下である - 前記(a)1種のジカルボン酸が、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸である、請求項1乃至5のいずれか一項に記載のポリアミド組成物。
- 前記(A)ポリアミドが、角速度1rad/sの剪断粘度(η*1)の、角速度100rad/sの剪断粘度(η*100)に対する比率(η*1/η*100)が3以下である、請求項1乃至6のいずれか一項に記載のポリアミド組成物。
- 前記(A)ポリアミドが、(c)下記(c−1)〜(c−3)からなる群より選ばれる少なくとも1種の共重合成分からなる単位を、さらに含有する、請求項1乃至7のいずれか一項に記載のポリアミド組成物。
(c−1)前記(a)ジカルボン酸以外のジカルボン酸
(c−2)炭素数が前記(b)のジアミンの炭素数以下の前記(b)以外のジアミン
(c−3)ラクタム及び/又はアミノカルボン酸 - JIS−K7121に準じた示差走査熱量測定において、20℃/minで冷却したときに得られる結晶化ピーク温度Tpc-1と、ガラス転移温度Tgとの差(Tpc-1−Tg)が140℃以上である、請求項1乃至8のいずれか一項に記載のポリアミド組成物。
- 前記(b)炭素数8以上のジアミンがデカメチレンジアミンである、請求項1乃至9のいずれか一項に記載のポリアミド組成物。
- 前記(c−2)炭素数が前記(b)のジアミンの炭素数以下の前記(b)以外のジアミンが、炭素数4〜9の脂肪族ジアミンである、請求項8乃至10のいずれか一項に記載のポリアミド組成物。
- 前記(c−2)炭素数が前記(b)のジアミンの炭素数以下の前記(b)以外のジアミンが、炭素数が偶数であるジアミンからなる群より選ばれる少なくとも一種である、請求項8乃至11のいずれか一項に記載のポリアミド組成物。
- 前記(c−2)炭素数が前記(b)のジアミンの炭素数以下の前記(b)以外のジアミンが、1,6−ヘキサメチレンジアミン、2−メチルペンタメチレンジアミンからなる群より選ばれる少なくとも一種である、請求項8乃至12のいずれか一項に記載のポリアミド組成物。
- 前記(A)ポリアミドの封止量が50%以下である、請求項1乃至13のいずれか一項に記載のポリアミド組成物。
- 前記(A)ポリアミドと前記(B)摺動材の融解ピーク温度Tpm-1の差が10℃以上である、請求項1乃至14のいずれか一項に記載のポリアミド組成物。
- 炭素数とアミド基数との比(炭素数/アミド基数)が8以上である、請求項1乃至15のいずれか一項に記載のポリアミド組成物。
- JIS−K7121に準じた示差走査熱量測定において、20℃/minで冷却したときに得られる結晶化ピーク温度Tpc-1と、当該結晶化ピーク温度Tpc-1の測定後、50℃/minで再度冷却したときに得られる結晶化ピーク温度Tpc-2との差(Tpc-1−Tpc-2)が10℃以下である、請求項1乃至16のいずれか一項に記載のポリアミド組成物。
- 前記(c)共重合成分の含有量が、ポリアミドの全構成成分量100モル%に対し、7.5モル%以上20.0モル%以下である、請求項8乃至17のいずれか一項に記載のポリアミド組成物。
- 前記ポリアミドが、重合工程の少なくとも一部において固相重合工程を経て得られるポリアミドである、請求項1乃至18のいずれか一項に記載のポリアミド組成物。
- バイオマスプラスチック度が25%以上である、請求項1乃至19のいずれか一項に記載のポリアミド組成物。
- 請求項1乃至20のいずれか一項に記載のポリアミド組成物と、
無機充填材、造核剤、潤滑剤、安定剤、及び前記ポリアミド以外のポリマーからなる群より選ばれる1種以上の成分と、
を含むポリアミド組成物。 - 請求項1乃至21のいずれか一項に記載のポリアミド組成物と、
数平均繊維径が3〜9μmであるガラス繊維と、
を含むポリアミド組成物。 - 請求項1乃至22のいずれか一項に記載のポリアミド組成物と、
炭素繊維と、
を含むポリアミド組成物。 - 請求項1乃至23のいずれか一項に記載のポリアミド組成物を含む成形品。
- 自動車部品、電子部品、家電部品、OA機器部品、携帯機器部品からなる群より選ばれるいずれかである、請求項24に記載の成形品。
- 摺動部品である、請求項25に記載の成形品。
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