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JP2015085659A - 凹凸パターンを有する帯状のフィルム部材の製造方法及び製造装置 - Google Patents

凹凸パターンを有する帯状のフィルム部材の製造方法及び製造装置 Download PDF

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JP2015085659A
JP2015085659A JP2013228452A JP2013228452A JP2015085659A JP 2015085659 A JP2015085659 A JP 2015085659A JP 2013228452 A JP2013228452 A JP 2013228452A JP 2013228452 A JP2013228452 A JP 2013228452A JP 2015085659 A JP2015085659 A JP 2015085659A
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稔和 清原
Toshikazu Kiyohara
稔和 清原
宗孝 柴宮
Munetaka Shibamiya
宗孝 柴宮
匠 大村
Takumi Omura
匠 大村
一喜 加藤
Kazuyoshi Kato
一喜 加藤
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Abstract

【課題】モールドの繋ぎ目部に起因する転写不良等の発生を防止可能な凹凸パターンを有するフィルム部材の製造方法及び製造装置を提供する。
【解決手段】凹凸パターンを有するフィルム部材の製造方法は、フィルム基材80上に凹凸形成材料84を塗布して膜を形成する塗布工程と、転写ロール90の凹凸パターンを膜に転写する転写工程とを含む。塗布工程において、凹凸形成材料に基材80を接触させて塗工部86を形成し、凹凸形成材料から基材を離間させて未塗工部88を形成し、それにより凹凸形成材料を間欠的に塗布する。転写工程において、転写ロール90は薄板状モールドが基体ロールに巻回されて薄板状モールドの端部同士が前記基体ロールの外周面上で繋ぎ合わされているものであり、薄板状モールドの繋ぎ目部にフィルム基材の未塗工部が対向するように、転写ロールにフィルム基材上の膜を重ね合わせて押圧する。
【選択図】図2

Description

本発明は、インプリント法を用いた凹凸パターンを有するフィルム部材の製造方法及び製造装置、並びにそれを用いた凹凸パターンを有する基板の製造方法に関する。
半導体集積回路のような微細パターンを形成する方法として、リソグラフィ法以外に、ナノインプリント法が知られている。ナノインプリント法は、樹脂をモールド(型)と基板で挟み込むことでナノメートルオーダーのパターンを転写することができる技術であり、使用材料によって、熱ナノインプリント法、光ナノインプリント法などが検討されている。このうち、光ナノインプリント法は、i)樹脂層の塗布、ii)モールドによるプレス、iii)光硬化及びiv)離型の四工程からなり、このような単純なプロセスでナノサイズの加工を実現できる点で優れている。特に、樹脂層は、光照射により硬化する光硬化性樹脂を用いるためにパターン転写工程にかかる時間が短く、高スループットが期待できる。このため、半導体デバイスのみならず、有機EL素子やLEDなどの光学部材、MEMS、バイオチップなど多くの分野で実用化が期待されている。
有機EL素子(有機発光ダイオード)では、陽極から正孔注入層を通じて入った正孔と、陰極から電子注入層を通じて入った電子が、それぞれ、発光層へ運ばれて、発光層内の有機分子上でそれらが再結合して有機分子を励起して、それにより光が放出される。それゆえ、有機EL素子を表示装置や照明装置として使用するには、発光層からの光を素子表面から効率よく取り出す必要があり、このために、凹凸パターンを有する回折格子基板を有機EL素子の光取り出し面に設けることが特許文献1で知られている。
特開2006−236748号公報 WO2013/065384
また、本出願人は、特許文献2において、フィルム状モールドのように可撓性のあるモールドを用いて、基板に凹凸パターンを転写し、有機EL素子用の回折格子基板の凹凸パターンを製造する方法を開示している。特許文献2において、フィルム状モールドは、ロール状の金属モールドの凹凸パターンをロールプロセスにてフィルム基材に転写することで製造することができることが開示されている。
凹凸パターンが形成された金属基板をロールに巻き付け固定したものをモールドとして用いる場合、金属基板の端部同士の間の隙間に溶接又は樹脂の充填等を施して隙間を埋める必要がある。それによって形成された繋ぎ目部(接続部)において、溶接による凹凸や樹脂の隙間等が発生することがある。本出願人の調査・研究によると、このようなモールドを用いて特許文献2に記載されるようなロールプロセスでフィルム状モールドを製造する場合、モールドの繋ぎ目部の凹凸によりフィルム基材が密着せずにエアが侵入して、パターン不良が生じたり、繋ぎ目部の隙間に硬化性樹脂が入り込んでフィルム基材をモールドから剥離できなくなってフィルム基材が破損する等の問題が発生するおそれがあることがわかった。
そこで、本発明の目的は、ロール状のモールドの繋ぎ目部に起因する転写不良及び剥離不良などの発生を防止可能な、凹凸パターンを有するフィルム部材を製造する方法及び製造装置を提供することにある。また、本発明により製造されるフィルム部材をモールドとして用いて、凹凸パターンを有する基板を製造する方法も提供される。
本発明の第1の態様に従えば、凹凸パターンを有する帯状のフィルム部材の製造方法であって、
帯状のフィルム基材を搬送しながら当該フィルム基材上に凹凸形成材料を塗布して膜を形成する塗布工程と、
前記フィルム基材を搬送しながら転写ロールの前記パターンを前記膜に転写する転写工程とを含み、
前記塗布工程において、前記凹凸形成材料に前記フィルム基材を接触させて前記フィルム基材上に前記凹凸形成材料が塗布された塗工部を形成し、前記凹凸形成材料から前記フィルム基材を離間させて前記凹凸形成材料が塗布されていない未塗工部を形成し、それにより前記凹凸形成材料を間欠的に塗布し、
前記転写工程において、前記転写ロールは前記凹凸パターンを有する薄板状モールドが基体ロールに巻回されて、当該薄板状モールドの端部同士が前記基体ロールの外周面上で繋ぎ合わされているものであって、前記転写ロールの前記薄板状モールドの繋ぎ目部に前記フィルム基材の前記未塗工部が対向するように前記転写ロールに前記フィルム基材上の前記膜を重ね合わせて押圧することを特徴とする前記フィルム部材の製造方法が提供される。
前記フィルム部材の製造方法において、さらに、前記転写ロールの回転状態を検出する検出工程を含み、
前記検出工程で検出された回転状態に基づき、前記塗布工程において前記フィルム基材上に前記凹凸形成材料を塗布するタイミングを制御してもよい。
前記フィルム部材の製造方法において、前記塗布工程において外周面に前記凹凸形成材料を担持した塗布ロールを用いて前記塗工部を形成してもよい。
前記フィルム部材の製造方法において、前記フィルム基材を搬送している間、前記フィルム基材の張力を一定に保ってよい。
前記フィルム部材の製造方法において、前記フィルム部材の製造方法が、凹凸パターンを有する薄板状モールドが基体ロールに巻回されて、当該薄板状モールドの端部同士が前記基体ロールの外周面上で繋ぎ合わされている転写ロールを用意する工程を有し、前記転写ロールを用意する工程において前記薄板状モールドが金属製のモールドであり、前記金属製のモールドを電鋳法により作製してもよい。
前記フィルム部材の製造方法において、前記フィルム部材の製造方法が、凹凸パターンを有する薄板状モールドが基体ロールに巻回されて、当該薄板状モールドの端部同士が前記基体ロールの外周面上で繋ぎ合わされている転写ロールを用意する工程を有し、前記転写ロールを用意する工程において前記薄板状モールドが樹脂モールドであってもよい。
前記フィルム部材の製造方法において、前記転写ロールの前記繋ぎ目部が樹脂により充填されていてもよい。
前記フィルム部材の製造方法において、前記薄板状モールドが2枚以上のモールド板を有し、前記転写ロールは前記モールド板の端部同士が前記基体ロールの外周面上で繋ぎ合わせて取り付けられているものであってもよい。
本発明の第2の態様に従えば、凹凸パターンを有する基板の製造方法であって、
基板上にゾルゲル材料層を形成することと、
第1の態様のフィルム部材の製造方法により製造されたフィルム部材を凹凸パターンを有するモールドとして用いて、前記モールドの前記凹凸パターンを前記ゾルゲル材料層に転写することを含む前記基板の製造方法が提供される。
本発明の第3の態様に従えば、凹凸パターンを有する帯状のフィルム部材の製造装置であって、
凹凸形成材料に帯状のフィルム基材を接触させて前記フィルム基材上に前記凹凸形成材料が塗布された塗工部を形成し、前記凹凸形成材料から前記フィルム基材を離間させて前記凹凸形成材料が塗布されていない未塗工部を形成し、それにより前記凹凸形成材料を間欠的に塗布して膜を形成する塗布部と、
凹凸パターンを有する転写ロールを備え、前記凹凸パターンを前記膜に転写する転写部と、
前記塗布部から前記転写部に向かって前記フィルム基材を連続的に送り出す搬送部と、
前記転写ロールの回転状態を検出する検出部と、
前記塗布部を制御する制御部とを備え、
前記転写ロールは前記凹凸パターンを有する薄板状モールドが基体ロールに巻回されて前記薄板状モールドの端部同士が前記基体ロールの外周面上で繋ぎ合わせている転写ロールであり、
前記制御部は、前記転写部において、前記転写ロールの前記薄板状モールドの繋ぎ目部に前記フィルム基材の前記未塗工部が対向した状態で前記転写ロールに前記フィルム基材上の前記膜が重ね合わせられるように、前記検出部で検出した前記回転状態に基づいて前記塗布部を制御することを特徴とする前記フィルム部材の製造装置が提供される。
前記フィルム部材の製造装置において、前記フィルム基材が搬送されている間、前記フィルム基材の張力を一定に保つための張力制御部を備えてもよい。さらに、前記フィルム部材の製造装置は、凹凸形成材料に対して前記フィルム基材を移動させるための移動機構を備え、該移動機構により前記凹凸形成材料に前記フィルム基材を接触させまた、前記凹凸形成材料から前記フィルム基材を離間させてもよい。
本発明の凹凸パターンを有するフィルム部材の製造方法において、フィルム基材の転写ロールの繋ぎ目部に対向する部分に凹凸形成材料の未塗工部を形成するように、凹凸形成材料をフィルム基材上に間欠的に塗布することにより、転写不良及び剥離不良などを低減でき、フィルム部材を効率的に製造することができる。製造されたフィルム部材を有機EL素子用の基板を製造するために用いる場合には、製造される基板は良好な光取り出し効率を有する。それゆえ、本発明の凹凸パターンを有するフィルム部材の製造方法及び製造装置は、有機ELなどの各種デバイスに用いられる基板の製造にきわめて有効である。
凹凸パターンを有する帯状のフィルム部材の製造方法を示すフローチャートである。 凹凸パターンを有する帯状のフィルム部材の製造装置の実施形態を概念的に示す図である。 凹凸パターンを有する帯状のフィルム部材の製造に用いる転写ロールの概略断面図である。 凹凸パターンを有する帯状のフィルム部材の製造装置の実施形態の塗布部を詳細に示した図である。 凹凸パターンを有する帯状のフィルム部材の製造装置の実施形態の転写部を詳細に示した図である。 凹凸パターンを有する帯状のフィルム部材の製造装置の実施形態の制御部の一例を概念的に示す図である。 帯状のフィルム部材の凹凸パターンを基板に転写する様子の一例を概念的に示す図である。
以下、本発明の凹凸パターンを有する帯状のフィルム部材の製造方法及び製造装置、並びにそのフィルム部材を用いて製造された凹凸パターンを有する部材の実施形態について図面を参照しながら説明する。
実施形態の凹凸パターンを有する帯状のフィルム部材の製造方法は、図1に示すように、主に、フィルム基材上に凹凸形成材料の塗膜を形成する塗布工程と、転写ロールの凹凸パターンをフィルム基材上の塗膜に転写する転写工程を含み、さらに凹凸パターンを有する転写ロールを用意する工程を含んでよい。この製造方法に用いる装置の一例を図2に示す。このフィルム部材の製造装置100は、主に、塗布工程が行われる塗布部140と、転写工程が行われる転写部160と、フィルム基材80を塗布部140及び転写部160に対して搬送する搬送部120とを含む。以下に、転写部160で用いる転写ロールについて説明し、次いで、各工程における操作及び各部の構造の詳細について説明する。
<転写ロールを用意する工程>
本実施形態で用いる転写ロールは、図3に示すように、外周面に凹凸パターン90pを有するロール状(円柱状、円筒状)のモールドである。転写ロール90は、駆動軸90dを有し、モータ等の駆動装置により軸90dを中心として回転駆動される。転写ロールの凹凸パターン90pの寸法は、製造するフィルム部材の寸法等によって適宜設定することができるが、例えば、直径を50〜1000mm、軸方向の長さを50〜3000mmにし得る。なお、図3において、転写ロールの凹凸パターン90pは、説明のため誇張して大きく描かれているが、実際の転写ロールの凹凸パターン90pは、後述の如く微細な凹凸パターンを意図している。
本実施形態で用いる転写ロールは、円柱状の基体ロール90aの外周面に、表面に凹凸パターン90pを有する薄板状モールド90bを取り付けて構成される。基体ロール90aの材料としては例えば鉄、銅、チタン、ステンレス、アルミ等を用いることができる。また、基体ロール90aは、一例として直径を50〜1000mm、軸方向の長さを50〜3000mmにし得る。薄板状モールド90bとしては、例えば、後述する方法で製造される板状の金属モールド又はフィルム状の樹脂モールド等が含まれる。樹脂モールドを構成する樹脂には、天然ゴム又は合成ゴムのようなゴムも含まれる。薄板状モールド90bの巻回方向の長さは、基体ロール90aの周方向の長さよりも短く設計してもよい。薄板状モールド90bの凹凸パターン90pは、製造するフィルム部材の用途により、マイクロレンズアレイ構造や光拡散や回折等の機能を有する構造など、任意のパターンにし得る。例えば、凹凸のピッチが均一ではなく、凹凸の向きに指向性がないような不規則な凹凸パターンにしてよい。例えば、フィルム部材を可視光の回折や散乱の用途に用いる光学基板の製造に用いる場合には、凹凸の平均ピッチとしては、100〜1500nmの範囲にすることができ、200〜1200nmの範囲であることがより好ましい。凹凸の平均ピッチが前記下限未満では、可視光の波長に対してピッチが小さくなりすぎるため、凹凸による光の回折が不十分になる傾向にあり、他方、上限を超えると、回折角が小さくなり、回折格子のような光学素子としての機能が失われてしまう傾向にある。同様な用途においては、凹凸の深さ分布の平均値(平均高さ)は、20〜200nmの範囲であることが好ましく、30〜150nmの範囲であることがより好ましい。凹凸深さの標準偏差は、10〜100nmの範囲であることが好ましく、15〜75nmの範囲であることがより好ましい。
このような凹凸パターンから散乱及び/または回折される光は、単一のまたは狭い帯域の波長の光ではなく、比較的広域の波長帯を有し、散乱光及び/または回折される光は指向性がなく、あらゆる方向に向かう。但し、「不規則な凹凸パターン」には、表面の凹凸の形状を解析して得られる凹凸解析画像に2次元高速フーリエ変換処理を施して得られるフーリエ変換像が円もしくは円環状の模様を示すような、すなわち、上記凹凸の向きの指向性はないものの凹凸のピッチの分布は有するような疑似周期構造を含む。このような疑似周期構造を有する部材は、その凹凸ピッチの分布が可視光線を回折する限り、有機EL素子のような面発光素子などに使用される部材や太陽電池の透明導電性基板などに用いられる部材、又はそれらの製造に用いられる部材として好適である。
薄板状モールド90bとして一枚のモールドを用いて、これを基体ロール90aに巻きつけて取り付けてよい。または、薄板状モールド90bとして2枚以上のモールド板を用い、これらが基体ロール90aの外周面を巻回するように取り付けてもよい。薄板状モールド90bは、接着剤、マグネット又はねじ等を用いて基体ロール90aに固定することができる。また、薄板状モールド90bとして金属製のモールド(金属モールド)を用いる場合、例えば、金属モールドを基体ロール90aに巻きつけて、金属モールドの端部を基体ロール90aに溶接することにより、金属モールドを基体ロール90aに固定することができる。上記のようにして薄板状モールド90bを基体ロール90aに固定することにより、薄板状モールド90bの端部同士を繋ぎ合わせることができる。本文中において、薄板状モールド90bの端部同士を繋ぎ合わせるとは、薄板状モールド90bの端部同士が接触させることのみならず薄板状モールド90bの端部同士が所定の間隔を隔てて対向していることも意味する。基体ロール90aに薄板状モールド90bを固定することにより繋ぎ合わせられた薄板状モールド90bの端部同士の接触部または対向する端部の間の領域を、「繋ぎ目部」90cという。なお、薄板状モールド90bの端部に、薄板状モールド90bを基体ロール90aに固定するためにねじなどが設けられている場合は、そのねじなどが設けられている領域もまた繋ぎ目部90cに該当するものとする。すなわち、本文中で使用する用語「繋ぎ目部」とは薄板状モールド90bを基体ロール90aに取り付けたために生じたモールドの凹凸パターンとして使用できなくなった領域(主に、基体ロールの軸方向に延在する領域)をいう。二枚のモールド板を薄板状モールド90bとして用いる場合、図3に示されるような、凹凸パターン90pを有する2枚のモールド板からなる薄板状モールド90bが基体ロール90aの外周面に半周(180度)ずつ取り付けられている転写ロール90を得ることができる。図3に示される転写ロール90において、繋ぎ目部90cには樹脂が充填されている。必要に応じて、凹凸パターン面90pに離型処理を施してもよい。
凹凸パターンを有する薄板状モールドの製造方法の例について説明する。最初にモールドの凹凸パターンを形成するための母型パターンの作製を行う。母型の凹凸パターンは、例えば、本出願人らによるWO2012/096368号に記載されたブロック共重合体の加熱による自己組織化(ミクロ相分離)を利用する方法(以下、適宜「BCP(Block Copolymer)熱アニール法」という)や、以下に示すようなブロック共重合体の溶媒雰囲気下における自己組織化を利用する方法(以下、適宜「BCP溶媒アニール法」という)、又は、WO2011/007878A1に開示されたポリマー膜上の蒸着膜を加熱・冷却することによりポリマー表面の皺による凹凸を形成する方法(以下、適宜「BKL(Buckling)法」という)を用いて形成することが好適である。BCP熱アニール法、BCP溶媒アニール法及びBKL法に代えて、フォトリソグラフィ法で形成してもよい。そのほか、例えば、切削加工法、電子線直接描画法、粒子線ビーム加工法及び操作プローブ加工法等の微細加工法、並びに微粒子の自己組織化を使用した微細加工法によっても、母型の凹凸パターンを作製することができる。BCP熱アニール法でパターンを形成する場合、パターンを形成する材料は任意の材料を使用することができるが、ポリスチレンのようなスチレン系ポリマー、ポリメチルメタクリレートのようなポリアルキルメタクリレート、ポリエチレンオキシド、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリビニルピリジン、及びポリ乳酸からなる群から選択される2種の組合せからなるブロック共重合体が好適である。
BCP溶媒アニール法は、WO2012/096368号に記載されるBCP熱アニール法において、第1加熱工程、エッチング工程及び第2加熱工程を行う代わりに、基板上に塗布し乾燥させたブロック共重合体の薄膜を有機溶媒蒸気の雰囲気下で溶媒アニール(溶媒相分離)処理して、ブロック共重合体の相分離構造を薄膜内に形成させる方法である。この溶媒アニール処理によってブロック共重合体の自己組織化が進行し、ブロック共重合体がミクロ相分離して凹凸構造を形成することができる。
溶媒アニール処理は、例えば、デシケータのような密閉可能な容器内部に有機溶媒の蒸気雰囲気をもたらし、この雰囲気下に対象物であるブロック共重合体の薄膜を曝すことにより実施することができる。有機溶媒蒸気の濃度は、ブロック共重合体の相分離を促進する上で高い方が好ましく、飽和蒸気圧であることが望ましく、濃度管理も比較的容易である。例えば、有機溶媒がクロロホルムの場合、飽和蒸気量は室温(0℃〜45℃)にて0.4g/l〜2.5g/lであることが知られている。なお、クロロホルム等の有機溶媒アニール処理時間が長くなりすぎると、塗膜の表面にポリエチレンオキシドが析出したり、相分離した凹凸形状(パターン)が崩れたりする(なまる)傾向にある。溶媒アニール処理の処理時間は6時間〜168時間、好ましくは12時間〜48時間、さらに好ましくは12時間〜36時間にすることができる。
溶媒アニール処理に用いる有機溶媒としては、沸点が20℃〜120℃の有機溶媒が好ましく、例えば、クロロホルム、ジクロロメタン、トルエン、テトラヒドロフラン(THF)、アセトン、二硫化炭素、それらの混合溶媒などを用いることができる。このうち、クロロホルム、ジクロロメタン、アセトン、アセトン/二硫化炭素の混合溶媒が好ましい。溶媒アニールの雰囲気温度は、0℃〜45℃の範囲内で行うことが好ましい。
上記溶媒アニール処理により得られた薄膜の凹凸構造に加熱処理を施してもよい。前記溶媒アニール処理で凹凸構造が既に形成されているため、この加熱処理は形成された凹凸構造を滑らかにするが、必ずしも必要ではない。何らかの原因で、前記溶媒アニール処理後の凹凸構造の表面の一部に突起が生じている場合や、凹凸構造の周期や高さを調整する目的のために有効となる場合がある。加熱温度は、例えば、ブロック共重合体を構成するポリマーセグメントのガラス転移温度以上にすることができ、例えば、それらのホモポリマーのガラス転移温度以上で且つガラス転移温度より70℃高い温度以下にすることができる。加熱処理は、オーブン等を用いて大気雰囲気下で行うことができる。
パターンの母型をBCP熱アニール法、BCP溶媒アニール法又はBKL法等により形成した後、以下のようにして電鋳法などにより、パターンをさらに転写したモールドを形成することができる。最初に、電鋳処理のための導電層となるシード層を、無電解めっき、スパッタまたは蒸着等によりパターンを有する母型上に形成することができる。シード層は、後続の電鋳工程における電流密度を均一にして後続の電鋳工程により堆積される金属層の厚みを一定にするために10nm以上が好ましい。シード層の材料として、例えば、ニッケル、銅、金、銀、白金、チタン、コバルト、錫、亜鉛、クロム、金・コバルト合金、金・ニッケル合金、ホウ素・ニッケル合金、はんだ、銅・ニッケル・クロム合金、錫ニッケル合金、ニッケル・パラジウム合金、ニッケル・コバルト・リン合金、またはそれらの合金などを用いることができる。次に、シード層上に電鋳(電界めっき)により金属層を堆積させる。金属層の厚みは、例えば、シード層の厚みを含めて全体で10〜3000μmの厚さにすることができる。電鋳により堆積させる金属層の材料として、シード層として用いることができる上記金属種のいずれかを用いることができる。形成した金属層は、後続のモールドの形成のための樹脂層の押し付け、剥離及び洗浄などの処理の容易性からすれば、適度な硬度及び厚みを有することが望ましい。
上記のようにして得られたシード層を含む金属層を、凹凸構造を有する母型から剥離して金属基板を得る。剥離方法は物理的に剥がしても構わないし、パターンを形成する材料を、それらを溶解する有機溶媒、例えば、トルエン、テトラヒドロフラン(THF)、クロロホルムなどを用いて溶解して除去してもよい。金属基板を母型から剥離するときに、残留している材料成分を洗浄にて除去することができる。洗浄方法としては、界面活性剤などを用いた湿式洗浄や紫外線やプラズマを使用した乾式洗浄を用いることができる。また、例えば、粘着剤や接着剤を用いて残留している材料成分を付着除去するなどしてもよい。こうして得られる、母型からパターンが転写された金属基板(金属モールド)は、本実施形態の薄板状モールドとして用いられ得る。
さらに、得られた金属基板を用いて、金属基板の凹凸構造(パターン)をフィルム状の支持基板に転写することでフィルム状の樹脂モールドを作製することができる。例えば、硬化性樹脂を支持基板に塗布した後、金属基板の凹凸構造を樹脂層に押し付けつつ樹脂層を硬化させる。支持基板として、例えば、ガラス、シリコン基板等の無機材料からなる基板やポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)、シクロオレフィンポリマー(COP)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリスチレン(PS)、ポリイミド(PI)、ポリアリレート等の樹脂基板、ニッケル、銅、アルミ等の金属材料からなる基材が挙げられる。支持基板は透明でも不透明でもよい。基板上には密着性を向上させるために、表面処理や易接着層を設けるなどをしてもよいし、ガスバリア層を設けるなどしてもよい。また、支持基板の厚みは、1〜500μmの範囲にし得る。
硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ系、アクリル系、メタクリル系、ビニルエーテル系、オキセタン系、ウレタン系、メラミン系、ウレア系、ポリエステル系、ポリオレフィン系、フェノール系、架橋型液晶系、フッ素系、シリコーン系、ポリアミド系、等のモノマー、オリゴマー、ポリマー等の各種樹脂が挙げられる。硬化性樹脂の厚みは0.5〜500μmの範囲内であることが好ましい。厚みが前記下限未満では、硬化樹脂層の表面に形成される凹凸の高さが不十分となり易く、前記上限を超えると、硬化時に生じる樹脂の体積変化の影響が大きくなり凹凸形状が良好に形成できなくなる可能性がある。
硬化性樹脂を塗布する方法としては、例えば、スピンコート法、スプレーコート法、ディップコート法、滴下法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、凸版印刷法、ダイコート法、カーテンコート法、インクジェット法、スパッタ法等の各種コート方法を採用することができる。さらに、硬化性樹脂を硬化させる条件としては、使用する樹脂の種類により異なるが、例えば、硬化温度が室温〜250℃の範囲内であり、硬化時間が0.5分〜3時間の範囲内であることが好ましい。また、紫外線や電子線のようなエネルギー線を照射することで硬化させる方法でもよく、その場合には、照射量は20mJ/cm〜5J/cmの範囲内であることが好ましい。
次いで、硬化後の硬化樹脂層から金属基板を取り外す。金属基板を取り外す方法としては、機械的な剥離法に限定されず、公知の方法を採用することができる。こうして得ることができる支持基板上に凹凸が形成された硬化樹脂層を有するフィルム状の樹脂モールドは、本実施形態の薄板状モールドとして用いられ得る。
また、上述の方法で得られた金属基板の凹凸構造(パターン)上にゴム系の樹脂材料を塗布し、塗布した樹脂材料を硬化させ、金属基板から剥離することにより、金属基板の凹凸パターンが転写されたゴムモールドを作製することができる。得られたゴムモールドは本実施形態の薄板状モールドとして用いられ得る。
<塗膜を形成する工程>
帯状のフィルム基材上に、凹凸形成材料を所定の厚みで間欠的に塗布する。凹凸形成材料を間欠的に塗布することにより、フィルム基材上に、塗膜が形成された塗工部と塗膜が形成されていない未塗工部を形成する。
フィルム基材は、搬送しながら連続的な処理を可能とするために帯状あるいは長尺状のフィルム基材である。フィルム基材として、例えば、シリコーン樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンテレナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)、シクロオレフィンポリマー(COP)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリスチレン(PS)、ポリイミド(PI)、ポリアリレートのような有機材料で形成される。フィルム基材とその表面に形成される凹凸形成材料の塗膜との密着性を高めるために、フィルム基材の表面に易接着処理を施してもよい。フィルム基材の寸法は、適宜設定することができるが、例えば、フィルム基材の幅を50〜3000mm、厚みを1〜500μmにし得る。
凹凸形成材料としては、光硬化性樹脂や、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂が使用でき、例えば、エポキシ系、アクリル系、メタクリル系、ビニルエーテル系、オキセタン系、ウレタン系、メラミン系、ウレア系、ポリエステル系、ポリオレフィン系、フェノール系、架橋型液晶系、フッ素系、シリコーン系、ポリアミド系、等のモノマー、オリゴマー、ポリマー等の各種樹脂が挙げられる。
凹凸形成材料は、耐熱性に優れることから無機材料から形成されてもよく、特に、シリカ、Ti系の材料やITO(インジウム・スズ・オキサイド)系の材料、ZnO、ZrO、Al等のゾルゲル材料を使用し得る。例えば、フィルム基材上にシリカからなる凹凸パターン層をゾルゲル法で形成する場合は、金属アルコキシド(シリカ前駆体)のゾルゲル材料を調製する。シリカの前駆体として、テトラメトキシシラン(TMOS)、テトラエトキシシラン(TEOS)、テトラ−i−プロポキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラ−i−ブトキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン、テトラ−sec−ブトキシシラン、テトラ−t−ブトキシシラン等のテトラアルコキシシランに代表されるテトラアルコキシドモノマーや、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、イソプロピルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン(MTES)、エチルトリエトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、イソプロピルトリエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、エチルトリプロポキシシラン、プロピルトリプロポキシシラン、イソプロピルトリプロポキシシラン、フェニルトリプロポキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、エチルトリイソプロポキシシラン、プロピルトリイソプロポキシシラン、イソプロピルトリイソプロポキシシラン、フェニルトリイソプロポキシシラン、トリルトリエトキシシラン等のトリアルコキシシランに代表されるトリアルコキシドモノマー、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジプロポキシシラン、ジメチルジイソプロポキシシラン、ジメチルジ−n−ブトキシシラン、ジメチルジ−i−ブトキシシラン、ジメチルジ−sec−ブトキシシラン、ジメチルジ−t−ブトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジエチルジプロポキシシラン、ジエチルジイソプロポキシシラン、ジエチルジ−n−ブトキシシラン、ジエチルジ−i−ブトキシシラン、ジエチルジ−sec−ブトキシシラン、ジエチルジ−t−ブトキシシラン、ジプロピルジメトキシシラン、ジプロピルジエトキシシラン、ジプロピルジプロポキシシラン、ジプロピルジイソプロポキシシラン、ジプロピルジ−n−ブトキシシラン、ジプロピルジ−i−ブトキシシラン、ジプロピルジ−sec−ブトキシシラン、ジプロピルジ−t−ブトキシシラン、ジイソプロピルジメトキシシラン、ジイソプロピルジエトキシシラン、ジイソプロピルジプロポキシシラン、ジイソプロピルジイソプロポキシシラン、ジイソプロピルジ−n−ブトキシシラン、ジイソプロピルジ−i−ブトキシシラン、ジイソプロピルジ−sec−ブトキシシラン、ジイソプロピルジ−t−ブトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ジフェニルジプロポキシシラン、ジフェニルジイソプロポキシシラン、ジフェニルジ−n−ブトキシシラン、ジフェニルジ−i−ブトキシシラン、ジフェニルジ−sec−ブトキシシラン、ジフェニルジ−t−ブトキシシラン等のジアルコキシシランに代表されるジアルコキシドモノマーを用いることができる。さらに、アルキル基の炭素数がC4〜C18であるアルキルトリアルコキシシランやジアルキルジアルコキシシランを用いることもできる。ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等のビニル基を有するモノマー、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等のエポキシ基を有するモノマー、p−スチリルトリメトキシシラン等のスチリル基を有するモノマー、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン等のメタクリル基を有するモノマー、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン等のアクリル基を有するモノマー、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノ基を有するモノマー、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン等のウレイド基を有するモノマー、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のメルカプト基を有するモノマー、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド等のスルフィド基を有するモノマー、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等のイソシアネート基を有するモノマー、これらモノマーを少量重合したポリマー、前記材料の一部に官能基やポリマーを導入したことを特徴とする複合材料などの金属アルコキシドを用いてもよい。また、これらの化合物のアルキル基やフェニル基の一部、あるいは全部がフッ素で置換されていてもよい。さらに、金属アセチルアセトネート、金属カルボキシレート、オキシ塩化物、塩化物や、それらの混合物などが挙げられるが、これらに限定されない。金属種としては、Si以外にTi、Sn、Al、Zn、Zr、Inなどや、これらの混合物などが挙げられるが、これらに限定されない。上記酸化金属の前駆体を適宜混合したものを用いることもできる。さらに、シリカの前駆体として、分子中にシリカと親和性、反応性を有する加水分解基および撥水性を有する有機官能基を有するシランカップリング剤を用いることができる。例えば、n−オクチルトリエトキシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン等のシランモノマー、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、ビニルメチルジメトキシシラン等のビニルシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等のメタクリルシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等のエポキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン等のメルカプトシラン、3−オクタノイルチオ−1−プロピルトリエトキシシラン等のサルファーシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−(N−フェニル)アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノシラン、これらモノマーを重合したポリマー等が挙げられる。
凹凸形成材料としてTEOSとMTESの混合物を用いる場合には、それらの混合比は、例えばモル比で1:1にすることができる。このゾルゲル材料は、加水分解及び重縮合反応を行わせることによって非晶質シリカを生成する。合成条件として溶液のpHを調整するために、塩酸等の酸またはアンモニア等のアルカリを添加する。pHは4以下もしくは10以上が好ましい。また、加水分解を行うために水を加えてもよい。加える水の量は、金属アルコキシド種に対してモル比で1.5倍以上にすることができる。
ゾルゲル材料からなる凹凸形成材料の溶液の溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール(IPA)、ブタノール等のアルコール類、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン等の芳香族炭化水素類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、イソホロン、シクロヘキサノン等のケトン類、ブトキシエチルエーテル、ヘキシルオキシエチルアルコール、メトキシ−2−プロパノール、ベンジルオキシエタノール等のエーテルアルコール類、エチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール類、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のグリコールエーテル類、酢酸エチル、乳酸エチル、γ−ブチロラクトン等のエステル類、フェノール、クロロフェノール等のフェノール類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類、クロロホルム、塩化メチレン、テトラクロロエタン、モノクロロベンゼン、ジクロロベンゼン等のハロゲン系溶媒、二硫化炭素等の含ヘテロ元素化合物、水、およびこれらの混合溶媒が挙げられる。特に、エタノールおよびイソプロピルアルコールが好ましく、またそれらに水を混合したものも好ましい。
ゾルゲル材料からなる凹凸形成材料の添加物としては、粘度調整のためのポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシド、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルアルコールや、溶液安定剤であるトリエタノールアミンなどのアルカノールアミン、アセチルアセトンなどのβジケトン、βケトエステル、ホルムアミド、ジメチルホルムアミド、ジオキサンなどを用いることが出来る。
凹凸形成材料の塗膜の厚みは0.5〜500μmの範囲内であることが好ましい。厚みが前記下限未満では、凹凸形成材料の表面に形成される凹凸の高さが不十分となり易く、前記上限を超えると、硬化時に生じる樹脂の体積変化の影響が大きくなり凹凸形状が良好に形成できなくなる可能性がある。
凹凸形成材料を塗布する方法としては、例えば、グラビアコート法、スクリーン印刷法、凸版印刷法、ダイコート法等の各種コート方法を採用することができる。
凹凸形成材料をフィルム基材上に間欠的に塗布するために、上記の塗布方法で用いられる塗布ロール、塗布ダイ又は塗布ヘッド等の塗布装置を間欠的に動作させる。例えば、グラビアコート法などの塗布ロールを用いた塗布方法の場合、フィルム基材を塗布ロールに接触させることにより、凹凸形成材料をフィルム基材に塗布することができる。このとき所定のタイミングで基材フィルムを塗布ロールから離間させて塗布を停止させ、次いで所定のタイミングで基材フィルムを塗布ロールに再び接触させて塗布を再開させることを繰り返すことにより、凹凸形成材料をフィルム基材に間欠的に塗布することができる。ダイコート法で凹凸形成材料を塗布する場合には、ダイに圧力を加えることによりダイから凹凸形成材料を吐出させてフィルム基材に凹凸形成材料を塗布することができる。このとき、所定のタイミングでダイに加える圧力を遮断することによってダイからの凹凸形成材料の吐出を停止させ、次いで所定のタイミングで再びダイを加圧し、凹凸形成材料を吐出させて塗布を再開させることを繰り返すことにより、凹凸形成材料をフィルム基材に間欠的に塗布することができる。
基材80上の凹凸形成材料が塗工されない部分(未塗工部)のフィルム基材搬送方向の長さは、転写ロールの繋ぎ目部での転写を確実に回避する観点から転写ロールの円周方向の繋ぎ目部の長さより多少大きくしてよい。
<転写工程>
転写工程においては、基材上に形成された凹凸形成材料の塗膜に転写ロールを押し付けて、転写ロールの凹凸パターンを塗膜に転写する。このとき、図5に示すように、転写ロール90の繋ぎ目部90cがフィルム基材80のうち凹凸形成材料の塗膜が形成されていない部分(未塗工部)88に対向し、フィルム基材80のうち凹凸形成材料の塗膜が形成された部分(塗工部)86が転写ロール90の薄板状モールド90bに対向する配置で、基材80と転写ロール90を重ね合わせる。転写ロール90に重ね合わせたフィルム基材80は、基材80の裏面から転写ロール90に向かって押圧ロール(ニップロール)74を用いて押圧してよい。
基材80を転写ロール90に押圧するのと同時またはその直後に、凹凸形成材料の塗膜84を硬化させる。凹凸形成材料を硬化させる条件としては、凹凸形成材料として使用する樹脂の種類により異なるが、例えば、硬化温度が室温〜250℃の範囲内であり、硬化時間が0.5分〜3時間の範囲内であることが好ましい。また、紫外線や電子線のようなエネルギー線を照射することで硬化させる方法でもよく、その場合には、照射量は20mJ/cm〜5J/cmの範囲内であることが好ましい。図5に示した例においては、転写ロール90の下方に配置したUV照射光源85により転写ロール90の凹凸パターンが転写されている凹凸形成材料の塗膜84にUV光を照射することができる。
次いで、硬化した凹凸パターンを有する凹凸形成材料の塗膜及びフィルム基材を転写ロールから剥離する。硬化後の凹凸形成材料の塗膜及びフィルム基材を転写ロールから剥離する方法としては、機械的な剥離法に限定されず、任意の知られた方法を採用することができる。例えば図2及び図5においては、硬化後の凹凸形成材料の塗膜(凹凸パターン層)84a及びフィルム基材80を押圧ロール74の下流側で転写ロール90から離間する方向に搬送することにより、凹凸パターン層84a及びフィルム基材80を転写ロール90から剥離できる。こうして、フィルム基材80上に凹凸が形成された硬化した凹凸パターン層84aを有するフィルム部材80aを得ることができる。
なお、転写ロールを、軸を中心として回転駆動させながら、その回転速度及び繋ぎ目部の位置等の回転状態を検出してもよい。検出した回転状態の情報に基づき、上述の塗布工程において凹凸形成材料を塗布するタイミングを制御してもよい。転写ロールの回転状態は、転写ロールに反射板等を設けその位置を光学センサーで検出する方法や、サーボモータ又はエンコーダ等を使用することによって検出することができる。なお、後述するように、繋ぎ目部を検出する工程は必須ではなく、この工程は省略してもよい。
<凹凸パターンを有するフィルム部材の製造装置>
フィルム部材の製造装置の実施形態について、以下に詳細に説明する。図2に示されるフィルム部材製造装置100は、上述のように、主に、フィルム基材80を連続的に送り出すフィルム搬送部120と、フィルム搬送部120により送り出されたフィルム基材80上に凹凸形成材料の塗膜84を形成する塗布部140と、塗布部140の下流側に位置し凹凸形成材料の塗膜84に凹凸パターンを転写する転写部160を備える。また、フィルム部材の製造装置100はさらに、塗布部140でフィルム基材80上に凹凸形成材料を間欠的に塗布するタイミングを制御する制御部180を備えてもよい。
フィルム搬送部120は、図2に示すように、主に、帯状のフィルム基材80を繰り出す繰り出しロール72と、転写部160の下流に設けられてフィルム部材80aを巻き取る巻き取りロール87と、フィルム基材80及びフィルム部材80aを搬送方向に搬送するための搬送ロール78を有してよい。繰り出しロール72と巻き取りロール87は、それらを着脱可能にする支持台(不図示)に回転可能に取り付けられてよい。繰り出しロール72と巻き取りロール87の回転駆動によりフィルム基材80を搬送方向に搬送することができる。
さらに、フィルム搬送部120はフィルム基材80の張力を一定に保つための張力制御部130を含んでよく、張力制御部130は、ダンサーロール32、ガイドロール34及びダンサーロール32の支軸を介して取り付けられたエアシリンダ(不図示)から構成することができる。ダンサーロール32には、エアシリンダからの一定の大きさの力が支軸を介してかかるように構成されており、このエアシリンダからの力とフィルム基材の張力によってダンサーロール32が引っ張られる力とがバランスする位置に、ダンサーロール32は移動することができる。それにより、搬送されるフィルム基材80が常に一定の張力を維持することができる。
塗布部140は、図4に詳細に示すように、塗布ロール40、作動ロール42、及び凹凸形成材料が貯留されている容器82を備える。塗布ロール40は、フィルム基材80の表面(凹凸形成材料を塗布する面)に対向して、フィルム基材80に凹凸形成材料を塗布して塗膜84を形成する。作動ロール42はフィルム基材80の裏面(塗膜84が形成される面と反対側の面)を支持して基材80を塗布ロール40に接触させる位置(図2及び図4において実線で図示されている作動ロール42の位置であり、以降適宜「接触位置」という)と、基材80を塗布ロール40から離間させる位置(図2及び図4において破線で図示されている作動ロール42の位置であり、以降適宜「離間位置」という)とに択一的に変位される。
塗布ロール40の寸法は、適宜設定することができる。フィルム基材80の左右の端部から凹凸形成材料がはみ出してフィルム基材80の裏面へ回り込むことを防止する観点から、塗布ロールの塗布面の回転軸方向の長さは、フィルム基材80の幅より小さくしてよい。また、凹凸形成材料の塗膜84の全面に凹凸パターンを転写するために、塗布ロールの回転軸方向の長さは、転写ロール90の凹凸パターンの軸方向の長さより小さくしてよい。塗布ロール40は、容器82に貯留された液体状の凹凸形成材料に一部が浸漬した状態で回転する配置で設けられる。塗布ロール40を凹凸形成材料に浸漬しながら回転すると、塗布ロール40の外周面(側面)に凹凸形成材料が担持される。作動ロール42はアクチュエータ(不図示)等を用いて位置を変更することができる(凹凸形成材料に相対して前記フィルム基材を移動させるための機構)。作動ロール42が接触位置に位置するときには、塗布ロール40に担持された凹凸形成材料が基材80に接触し、基材80上に凹凸形成材料の塗膜84が形成される。一方、作動ロール42が離間位置に位置するときには、基材80塗布ロール40に担持された凹凸形成材料から離間するため、基材80上には凹凸形成材料の塗膜が形成されない。このように作動ロール42の位置を切り変えることで、フィルム基材80上に凹凸形成材料の塗工部86及び未塗工部88を形成することができる。
転写部160は、図5に詳細に示されるように、転写ロール90及びそれに対向する押圧ロール(ニップロール)74を備える。転写ロール90は、上述のフィルム状部材の製造方法の実施形態における転写ロールを用意する工程の説明に記載される方法で製造されてよく、そのような転写ロール90は、凹凸パターンが形成されていない繋ぎ目部90cを備える。押圧ロール74は、転写ロール90とともに凹凸形成材料の塗膜84が形成されたフィルム基材80を挟み込んで、基材80の裏面から基材80を押圧する。また、図2及び図5に示される実施形態において、転写部160の上流側と下流側の搬送ロール78は、基材80が転写ロール90のほぼ半周分に巻きつけられるように配置されている。この実施形態において、基材80は、押圧ロール74の正面またはその近傍で転写ロール90に接し、転写ロール90の約半周分を巻回した後に転写ロール90から離れ、フィルム基材80は転写ロール90から剥離される。また、この実施形態において、押圧ロール74の下流側且つ基材80が転写ロール90から剥離する位置より上流側にUV照射光源85のような凹凸形成材料の塗膜84を硬化させるための装置を備える。
実施形態のフィルム部材の製造装置は、図6に示すように、転写ロール90の繋ぎ目部90cの位置を検出する検出装置及び制御部180を備えてよい。例えば、図6に示すように、転写ロールの駆動軸90dに、転写ロールの繋ぎ目部90cの位置に対応する位置に反射板90eを設け、光学センサー62の光照射部から照射した光を光学センサー62の受光部で受光することで、その位置及び回転速度を検出することができる。また制御部180は、光学センサー62で検出した繋ぎ目部90cの位置及び回転速度の情報、繋ぎ目部90cの周方向の長さ及び間隔、並びに塗布ロール40から転写ロール90までの基材80の距離及び搬送速度等に基づいて、転写ロール90の繋ぎ目部90cに対向するフィルム基材の位置を計算し、その計算結果に基づいて、転写部160において転写ロール90の繋ぎ目部90cがフィルム基材80のうち凹凸形成材料の塗膜が形成されていない部分(未塗工部)に対向するように、基材80上凹凸形成材料の塗膜を形成する部分(塗工部)と塗膜を形成しない部分(未塗工部)の形成位置を算出し、その算出結果に基づいて塗布部140の作動ロール42の位置を制御するためのコンピュータ64を備えてよい。
フィルム部材製造装置100には、さらに、繰り出しロール72から繰り出されたフィルム基材80及び巻き取りロール87に巻き取られる前のフィルム部材80aをそれぞれ除電するための除電器が設けられていてもよい。
フィルム部材製造装置100は、さらに、塗布部140で形成された塗膜の厚さや状態を観察する検査装置や、転写ロール90から剥離された後の塗膜84の凹凸パターンを観察する検査装置などを備えることができる。
フィルム部材製造装置100によりフィルム基材80を処理する動作を説明する。
搬送部120において、フィルム基材80は繰り出しロール72から送り出され、搬送ロール78を介して塗布部140に至る。
塗布部140において、フィルム基材80上に塗膜84を形成すべき部分(塗工部になる部分)が塗布ロール40の正面に搬送されてきたとき、制御部180は、作動ロール42を移動させるアクチュエータ等を制御して、作動ロール42を接触位置(図2及び図4において実線で示される位置)に移動させる。この作動ロール42の移動により、基材80が搬送方向に移動しながら塗布ロール40と接触し、それにより基材80上に凹凸形成材料の塗膜84が所定の膜厚で形成される。この時、張力制御部130のダンサーロール32は、エアシリンダからの力とフィルム基材の張力によってダンサーロール32が引っ張られる力とがバランスする位置に移動するように構成されているため、作動ロール42が移動することによりフィルム基材80がダンサーロール32を引っ張る張力が増加するので、ダンサーロール32が(図2においては、実線で示される位置に)移動する。それによりフィルム基材80の張力が一定に保たれる。次いで、フィルム基材80のうち塗膜84を形成しない部分(未塗工部になる部分)が塗布ロール40の正面に搬送されてきたとき、制御部180が、作動ロール42を離間位置(図2及び図4において破線で図示される位置)に移動させる。この作動ロール42の移動により、搬送方向に移動している基材80は塗布ロール40から離れるため、基材80上に凹凸形成材料の塗膜84が形成されていない未塗工部が形成される。この際、張力制御部130のダンサーロール32がフィルム基材80から引っ張られる張力が減少するため、ダンサーロール32は新たにエアシリンダからの力とフィルム基材の張力によってダンサーロール32が引っ張られる力とがバランスする位置(図2において破線で示される位置)移動する。それによりフィルム基材80の張力が一定に保たれる。制御部180が、上記のように作動ロール42の位置を変更させることを所定の周期で繰り返すことで、塗布部140において間欠的な塗工がなされる。
次いで、凹凸形成材料の塗膜84が形成された基材80が塗布部140の下流の搬送ロール78上に掛け渡されて搬送され、転写部160の転写ロール90及び押圧ロール74へ向かう。転写部160では、搬送されてきたフィルム状モールド80が転写ロール90に重ね合わされ、押圧ロール74で押圧される。このとき、図5に示すように、転写ロール90の繋ぎ目部90cがフィルム基材80のうち凹凸形成材料未塗工部88に対向し、且つフィルム基材80のうち凹凸形成材料塗工部86が転写ロール90の薄板状モールド90bに対向する配置で、基材80と転写ロール90が重なり合う。これにより、転写ロール90の凹凸パターン90pが基材80上の塗工部86に押し付けられて、凹凸パターンの転写が行われる。このとき、転写ロール90の繋ぎ目部90cはフィルム基材80の凹凸形成材料未塗工部88に対向するため、繋ぎ目部90cの凹凸や隙間等によって、製造されるフィルム部材に欠陥が発生したりフィルム基材が破損したりすることを防止することができる。
次いで、押圧ロール74により凹凸パターンが転写された基材80は、転写ロール90が押し付けられたままの状態でUV照射光源85からのUV光が照射され、それにより塗膜84の硬化が促進する。次いで、硬化した凹凸形成材料の塗膜を有するフィルム基材(フィルム部材80a)は、転写ロール90の外周に沿って進路を変更し、次いで転写ロール90から離間する方向に搬送されて転写ロール90から剥離される。この後、フィルム部材80aは巻き取りロール87に巻き取られる。こうして、転写ロール90の凹凸パターンが塗膜に転写されたフィルム部材80aが得られる。得られたフィルム部材80aを電鋳法によって形成した金属モールド等の代わりに用い、これを薄板状モールドとしてロール体に巻きつけ固定することで、別の形態の転写ロールを製造することも可能である。
なお、上記のフィルム部材の製造装置100には、転写ロール90の回転状態を検出するセンサーが設けられているが、このような検出装置が装置に組み込まれていなくてもよい。その場合、例えば以下のような操作をすることで、転写ロールの繋ぎ目部とフィルム部材の凹凸形成材料未塗工部が重なり合うように間欠的に塗布を行うことができる。まず、転写ロール90の繋ぎ目部の回転方向の長さ及び間隔から、フィルム基材に形成する塗工部及び未塗工部の長さを決定する。それに基づいてフィルム基材の搬送速度から、フィルム基材と塗布ロールを接触及び離間させる時間及び周期を算出する。この算出した時間及び周期で塗布ロールとフィルム基材が接触及び離間するように、作動ロールが作動するようにする。さらに、塗布ロールから転写ロールまでのフィルム基材の搬送距離及び転写ロールの直径から、フィルム基材の塗布開始位置(塗工部になる部分の搬送方向側の端部)が塗布ロールの正面に位置するときの、転写ロールの繋ぎ目部の位置(回転角度)を算出する。次いで、転写ロールの繋ぎ目部を上記で算出した位置に合わせ、フィルム部材製造装置の駆動を開始する。なお、この場合、塗布ロールとフィルム基材の接触及び離間のサイクルは、接触開始の時点から開始する。以上により、フィルム部材の凹凸形成材料未塗工部を転写ロールの繋ぎ目部と重なり合わせることができる。
上記実施形態に従うフィルム部材の製造装置100の張力制御部130では、ダンサーロール32の移動によりフィルム基材80の張力を一定に保っていた。フィルム基材80の張力を一定に保つ張力制御部130として、ダンサーロール32に代えて種々の機構や制御方法を採用し得る。例えば、繰り出しロール72の駆動をフィルム基材80の張力に応じて、直接、制御してもよい。この場合、図2の張力制御部130における一対のガイドロール34とダンサーロール32の代わりに、張力検知機能を備えたロールのような張力センサ(不図示)をフィルム基材80に接するように設置する。このような張力センサを繰り出しロール72の駆動を制御する制御装置、例えば、繰り出しロール72を回転駆動するモータの制御系に接続し、張力センサで検知した張力値に応じて繰り出しロール72の回転速度が変化するようにモータを制御することができる。これにより、間欠動作で生じたフィルムの緩みや突っ張りを解消するようにフィルム基材80の張力が一定に保たれる。
張力制御部130におけるフィルム基材80の張力を一定に保つ別の機構として、繰り出しロール72にトルクモータ(不図示)を接続してもよい。トルクモータは、繰り出しロール72にかかる負荷の変化に合わせて回転速度やトルクを調整することできる。それゆえ、トルクモータのトルクを一定に設定すれば、フィルム基材80にかかる張力が変化しても繰り出しロール72を回転する回転力(トルク)は常に一定に保たれる。トルクモータを用いることで、図2の張力制御部130における一対のガイドロール34とダンサーロール32を省略することができる。
張力制御部130におけるフィルム基材80の張力を一定に保つさらに別の機構として、繰り出しロール72にパウダークラッチ(不図示)を設けてもよい。パウダークラッチは、モータの原動力を伝える駆動軸(入力軸)とその原動力を伝える伝達軸(出力軸)の接合面に鉄粉のようなパウダーが存在しており、通常、パウダーの密度等をクラッチに設けられた電磁石から生じる磁界で制御することによって原動力の伝達を制御する。この場合、繰り出しロール72に所定のトルクがかかったときに、パウダークラッチが滑り出すように設定することで繰り出しロール72のトルクを一定に制御することができる。あるいは、前述のような張力センサを設けてフィルム基材80にかかる張力の値に応じて、パウダー密度を調整することでクラッチの滑りを通じて繰り出しロール72のトルクを制御することができる。このようなパウダークラッチを採用しても、図2の張力制御部130における一対のガイドロール34とダンサーロール32を省略することができる。
また、実施形態において、繰出しロール72から繰り出すフィルム基材80について設定された張力と間欠塗工時における張力制御部で設定される張力が異なる場合は、搬送ロール78にも、上述の張力センサ、トルクモーター、またはパウダークラッチを接続して繰出しロール72の張力制御を行い、ガイドロール34側では張力制御部130の張力制御を行ってもよい。
さらに、上記のような方法及び製造装置を用いて製造されたフィルム部材をフィルム状モールドとして用いることで、フィルム部材の凹凸パターンが転写された凹凸構造層を備える基板を製造することができる。この方法について、詳細を以下に説明する。
フィルム状モールドの凹凸パターンが転写された凹凸構造層をゾルゲル法により形成するため、最初にゾルゲル材料の溶液を調製する。凹凸構造層は、耐熱性に優れることから無機材料から形成されることが好ましく、特に、シリカ、Ti系の材料やITO(インジウム・スズ・オキサイド)系の材料、ZnO、ZrO、Al等のゾルゲル材料を使用し得る。ゾルゲル材料の溶液の調製のために用いる金属アルコキシド(前駆体)、溶媒、及び添加物としては、上述の帯状のフィルム部材の製造方法の実施形態において、凹凸形成材料として用いることができる金属アルコキシド(前駆体)、溶媒、及び添加物として例示したものと同様のものを使用することができる。
調製したゾルゲル材料の溶液を基板上に塗布する。基板として、ガラスや石英、シリコン基板等の無機材料からなる基板やポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)、シクロオレフィンポリマー(COP)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリスチレン(PS)、ポリイミド(PI)、ポリアリレート等の樹脂基板を用い得る。基板は透明でも不透明でもよい。この基板から得られた凹凸パターン基板を有機EL素子の製造に用いるのであれば、基板は耐熱性、UV光等に対する耐光性を備える基板が望ましい。この観点から、基板として、ガラスや石英、シリコン基板等の無機材料からなる基板がより好ましい。特に、基板が無機材料から形成されると、基板と凹凸構造層との間で屈折率の差が少なく、光学基板内での意図しない屈折や反射を防止することができるので好ましい。基板上には密着性を向上させるために、表面処理や易接着層を設けるなどをしてもよいし、水分や酸素等の気体の浸入を防ぐ目的で、ガスバリア層を設けるなどしてもよい。また、基板は、凹凸構造層を形成する面とは反対側の面に、集光、光拡散等の種々の光学機能を有する光学機能層が形成されていてもよい。ゾルゲル材料の塗布方法として、バーコート法、スピンコート法、スプレーコート法、ディップコート法、ダイコート法、インクジェット法などの任意の塗布方法を使用することができるが、比較的大面積の基板にゾルゲル材料を均一に塗布可能であること、ゾルゲル材料がゲル化する前に素早く塗布を完了させることができることからすれば、バーコート法、ダイコート法及びスピンコート法が好ましい。なお、後の工程でゾルゲル材料からなる所望の凹凸パターンが形成されるため基板の表面(表面処理や易接着層がある場合にはそれらも含めて)は平坦でよく、基板自体は所望の凹凸パターンを有さない。塗布するゾルゲル材料の膜厚は、例えば100〜500nmにしてよい。
ゾルゲル材料の塗布後、塗膜(以下、適宜、「ゾルゲル材料層」とも言う)中の溶媒を蒸発させるために基板を大気中もしくは減圧下で保持してもよい。この保持時間が短いと、塗膜の粘度が低くなりすぎて、後続の押圧工程において凹凸パターンの転写ができず、保持時間が長すぎると、前駆体の重合反応が進み塗膜の粘度が高くなりすぎて、押圧工程において凹凸パターンの転写ができなくなる。また、ゾルゲル材料を塗布後、溶媒の蒸発の進行とともに前駆体の重合反応も進行し、ゾルゲル材料の粘度などの物性も短時間で変化する。凹凸パターン形成の安定性の観点から、パターン転写が良好にできる乾燥時間範囲が十分広いことが望ましく、これは乾燥温度(保持温度)、乾燥圧力、ゾルゲル材料種、ゾルゲル材料種の混合比、ゾルゲル材料調製時に使用する溶媒量(ゾルゲル材料の濃度)等によって調整することができる。
次いで、上述の方法及び製造装置で製造されたフィルム部材を凹凸パターン転写用のフィルム状モールドとして用いて、フィルム状モールドの凹凸パターンをゾルゲル材料層に転写することで、凹凸構造層を形成する。この際、押圧ロールを用いてモールドをゾルゲル材料層に押し付けてもよい。押圧ロールを用いたロールプロセスでは、プレス式と比較して、モールドと塗膜とが接する時間が短いため、モールドや基板及び基板を設置するステージなどの熱膨張係数の差によるパターンくずれを防ぐことができること、ゾルゲル材料溶液中の溶媒の突沸によってパターン中にガスの気泡が発生したり、ガス痕が残ったりすることを防止することができること、基板(塗膜)と線接触するため、転写圧力及び剥離力を小さくでき、大面積化に対応し易いこと、押圧時に気泡をかみ込むことがないなどの利点を有する。また、モールドを押し付けながら基板を加熱してもよい。押圧ロールを用いてモールドをゾルゲル材料層に押し付ける例として、図7に示すように押圧ロール122とその直下に搬送されている基板10との間にフィルム状モールド80aを送り込むことでフィルム状モールド80aの凹凸パターンを基板10上のゾルゲル材料層12に転写することができる。すなわち、フィルム状モールド80aを押圧ロール122によりゾルゲル材料層12に押し付ける際に、フィルム状モールド80aと基板10を同期して搬送しながらフィルム状モールド80aを基板10上のゾルゲル材料層12の表面に被覆する。この際、押圧ロール122をフィルム状モールド80aの裏面(凹凸パターンが形成された面と反対側の面)に押しつけながら回転させることで、フィルム状モールド80aと基板10が進行しながら密着する。なお、帯状のフィルム状モールド80aを押圧ロール122に向かって送り込むには、帯状のフィルム状モールド80aが巻き付けられたフィルムロールからそのままフィルム状モールド80aを繰り出して用いるのが便利である。
ゾルゲル材料層にモールドを押し付けた後、ゾルゲル材料層を仮焼成してもよい。仮焼成することによりゾルゲル材料層のゲル化を進め、パターンを固化し、剥離の際に崩れにくくする。仮焼成を行う場合は、大気中で40〜150℃の温度で加熱することが好ましい。なお、仮焼成は必ずしも行う必要はない。
モールドの押圧またはゾルゲル材料層の仮焼成の後、ゾルゲル材料層からモールドを剥離する。モールドの剥離方法として公知の剥離方法を採用することができる。加熱しながらモールドを剥離してもよく、それによりゾルゲル材料層から発生するガスを逃がし、ゾルゲル材料層内に気泡が発生することを防ぐことができる。ロールプロセスを使用する場合、プレス式で用いるプレート状モールドに比べて剥離力は小さくてよく、ゾルゲル材料層がモールドに残留することなく容易にモールドをゾルゲル材料層から剥離することができる。特に、ゾルゲル材料層を加熱しながら押圧するので反応が進行し易く、押圧直後にモールドはゾルゲル材料層から剥離し易くなる。さらに、モールドの剥離性の向上のために、剥離ロールを使用してもよい。図7に示すように剥離ロール123を押圧ロール122の下流側に設け、剥離ロール123によりフィルム状モールド80aをゾルゲル材料層12に付勢しながら回転支持することで、フィルム状モールド80aがゾルゲル材料層(塗膜)12に付着された状態を押圧ロール122と剥離ロール123の間の距離だけ(一定時間)維持することができる。そして、剥離ロール123の下流側でフィルム状モールド80aを剥離ロール123の上方に引き上げるようにフィルム状モールド80aの進路を変更することでフィルム状モールド80aは凹凸が形成されたゾルゲル材料層12から引き剥がされる。なお、フィルム状モールド80aがゾルゲル材料層12に付着されている期間に前述のゾルゲル材料層12の仮焼成や加熱を行ってもよい。なお、剥離ロール123を使用する場合には、例えば40〜150℃に加熱しながら剥離することによりモールド80aの剥離を一層容易にすることができる。
ゾルゲル材料層からモールドを剥離した後、ゾルゲル材料層を硬化してもよく、こうして凹凸構造層を形成する。本実施形態では、本焼成によりゾルゲル材料層を硬化させることができる。本焼成によりゾルゲル材料層(塗膜)を構成するシリカ(アモルファスシリカ)中に含まれている水酸基などが脱離してゾルゲル材料層がより強固となる。本焼成は、200〜1200℃の温度で、5分〜6時間程度行うのが良い。こうしてゾルゲル材料層が硬化して、モールドの凹凸パターンに対応する凹凸パターンを有する基板、すなわち、平坦な基板上にゾルゲル材料からなる凹凸構造層が直接形成された基板が得られる。この時、凹凸構造層がシリカからなる場合、焼成温度、焼成時間に応じて非晶質または結晶質、または非晶質と結晶質の混合状態となる。
なお、凹凸構造層の表面に疎水化処理を行ってもよい。疎水化処理の方法は知られている方法を用いればよく、例えば、シリカ表面であれば、ジメチルジクロルシラン、トリメチルアルコキシシラン等で疎水化処理することもできるし、ヘキサメチルジシラザンなどのトリメチルシリル化剤とシリコーンオイルで疎水化処理する方法を用いてもよいし、超臨界二酸化炭素を用いた金属酸化物粉末の表面処理方法を用いてもよい。凹凸構造層の表面を疎水性にすることにより、実施形態の製造方法により製造した凹凸パターン基板を有機EL素子等のデバイスの製造に用いる場合に、製造工程において基板から水分を容易に除去できるため、有機EL素子におけるダークスポットのような欠陥の発生や、デバイスの劣化を防止することができる。
また、上記実施形態では、凹凸構造層の材料としてゾルゲル材料を用いたが、上述の無機材料のほか、硬化性樹脂材料を用いてもよい。硬化性樹脂としては、例えば、光硬化および熱硬化、湿気硬化型、化学硬化型(二液混合)等の樹脂を用いることができる。具体的にはエポキシ系、アクリル系、メタクリル系、ビニルエーテル系、オキセタン系、ウレタン系、メラミン系、ウレア系、ポリエステル系、ポリオレフィン系、フェノール系、架橋型液晶系、フッ素系、シリコーン系、ポリアミド系、等のモノマー、オリゴマー、ポリマー等の各種樹脂が挙げられる。
硬化性樹脂を用いて凹凸構造層を形成する場合、例えば、硬化性樹脂を基板に塗布した後、塗布した硬化性樹脂層に微細な凹凸パターンを有するモールドを押し付けつつ塗膜を硬化させることによって、硬化性樹脂層にモールドの凹凸パターンを転写することができる。硬化性樹脂は有機溶剤で希釈してから塗布してもよい。この場合に用いる有機溶剤としては硬化前の樹脂を溶解するものを選択して使用することができる。例えばメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール(IPA)などのアルコール系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン(MIBK)、などのケトン系溶剤等の公知のものから選択できる。硬化性樹脂を塗布する方法としては、例えば、スピンコート法、スプレーコート法、ディップコート法、滴下法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、凸版印刷法、ダイコート法、カーテンコート法、インクジェット法、スパッタ法等の各種コート方法を採用することができる。硬化性樹脂を硬化させる条件としては、使用する樹脂の種類により異なるが、例えば、硬化温度が室温〜250℃の範囲内であり、硬化時間が0.5分〜3時間の範囲内であることが好ましい。また、紫外線や電子線のようなエネルギー線を照射することで硬化させる方法でもよく、その場合には、照射量は20mJ/cm〜5J/cmの範囲内であることが好ましい。
また、凹凸構造層の材料としてシランカップリング剤を用いてもよい。それにより、実施形態の凹凸パターン(凹凸構造)を有する基板を用いて有機EL素子を製造する場合、凹凸構造層とその上に形成される電極などの層との間の密着性を向上させることができ、有機EL素子の製造工程における洗浄工程や高温処理工程での耐性が向上する。凹凸構造層に用いられるシランカップリング剤は、その種類が特に制限されるものではないが、例えばRSiX(Rは、ビニル基、グリシドキシ基、アクリル基、メタクリル基、アミノ基およびメルカプト基から選ばれる少なくとも1種を含む有機官能基であり、Xは、ハロゲン元素またはアルコキシル基である)で示される有機化合物を用いることができる。シランカップリング剤を塗布する方法としては例えば、スピンコート法、スプレーコート法、ディップコート法、滴下法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、凸版印刷法、ダイコート法,カーテンコート法、インクジェット法、スパッタ法等の各種コート方法を採用することができる。その後、各材料に応じて適正な条件で乾燥させることにより硬化した膜を得ることができる。例えば、100〜150℃で15〜90分間加熱乾燥してもよい。
凹凸構造層の材料は、無機材料または硬化性樹脂材料に紫外線吸収材料を含有させたものであってもよい。紫外線吸収材料は、紫外線を吸収し光エネルギーを熱のような無害な形に変換することにより、膜の劣化を抑制する作用がある。紫外線吸収剤としては、従来から公知のものが使用でき、例えば、ベンゾトリアゾール系吸収剤、トリアジン系吸収剤、サリチル酸誘導体系吸収剤、ベンゾフェノン系吸収剤等を使用できる。
以上、本発明の実施形態を説明してきたが、本発明の凹凸パターンを有するフィルム部材の製造方法及び製造装置並びにそれにより製造されたフィルム部材を用いた凹凸パターンを有する基板の製造方法は上記実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内で適宜改変することができる。例えば、本発明で用いる転写ロールを用意するには、必ずしも自ら作製する必要はなく、凹凸パターンを有する薄板状モールドが基体ロールに巻回されて、前記薄板状モールドの端部同士が前記基体ロールの外周面上で繋ぎ合わされている転写ロールを、製造業者または市場から入手してもよい。また、本発明の製造方法は、上記で説明した実施形態の製造装置によって実行される範囲に限定されるものではなく、転写ロールの繋ぎ目部に未塗工部を対向させて重ね合わせて凹凸パターンの転写を行うのであれば、どのような装置を用いて実行してもよい。また、本発明の製造装置は上記の実施形態の構成に限定されず、転写ロールの繋ぎ目部に未塗工部を対向させて重ね合わせて凹凸パターンの転写を行うことができる装置構成であればよい。その限りにおいては、搬送ロールの等の各種要素の配置が本願の図面に示された配置と異なっていてもよい。また、本発明の凹凸パターンを有するフィルム部材は、種々の用途に使用することができ、例えば、有機EL素子、マイクロレンズアレイ、ナノプリズムアレイ、光導波路、LEDなどの光学素子、レンズなどの光学部品、太陽電池、反射防止フィルム、半導体チップ、パターンドメディア、データストレージ、電子ペーパー、LSIなどの製造、製紙、食品製造、免疫分析チップ、細胞培養シートなどのバイオ分野等における用途で使用される部材にも適用することができる。
本発明の凹凸パターンを有するフィルム部材の製造方法及び製造装置は、フィルム基材の転写ロールの繋ぎ目部に対向する部分に凹凸形成材料の未塗工部を形成するように、凹凸形成材料をフィルム基材上に間欠的に塗布することにより、転写部の凹凸等による転写不良及び剥離不良などを低減でき、フィルム部材をロールプロセスにて効率的に製造することができる。製造されたフィルム部材を可撓性のあるモールドとして用いて製造される光学基板などの凹凸パターンを有する基板は耐熱性、耐候性及び耐食性に優れ、その光学基板を組み込んだ素子の製造プロセスにも耐性があり、また、それらの素子を長寿命化することができる。それゆえ、このような基板は、有機EL素子や太陽電池等の種々の用途に好適に使用することができる。
40 塗布ロール、 42 作動ロール
62 光学センサー、 74 押圧ロール、
80 フィルム基材、80a フィルム部材
84 塗膜、 86 塗工部、 88 未塗工部
90 転写ロール、90a 基体ロール
90b 薄板状モールド、90c 繋ぎ目部
100 フィルム部材製造装置、120 搬送部
130張力制御部、140 塗布部
160 転写部、180 制御部

Claims (12)

  1. 凹凸パターンを有する帯状のフィルム部材の製造方法であって、
    帯状のフィルム基材を搬送しながら当該フィルム基材上に凹凸形成材料を塗布して膜を形成する塗布工程と、
    前記フィルム基材を搬送しながら転写ロールの凹凸パターンを前記膜に転写する転写工程とを含み、
    前記塗布工程において、前記凹凸形成材料に前記フィルム基材を接触させて前記フィルム基材上に前記凹凸形成材料が塗布された塗工部を形成し、前記凹凸形成材料から前記フィルム基材を離間させて前記凹凸形成材料が塗布されていない未塗工部を形成し、それにより前記凹凸形成材料を間欠的に塗布し、
    前記転写工程において、前記転写ロールは前記凹凸パターンを有する薄板状モールドが基体ロールに巻回されて、当該薄板状モールドの端部同士が前記基体ロールの外周面上で繋ぎ合わされているものであって、前記転写ロールの前記薄板状モールドの繋ぎ目部に前記フィルム基材の前記未塗工部が対向するように前記転写ロールに前記フィルム基材上の前記膜を重ね合わせて押圧することを特徴とする前記フィルム部材の製造方法。
  2. さらに、前記転写ロールの回転状態を検出する検出工程を含み、
    前記検出工程で検出された回転状態に基づき、前記塗布工程において前記フィルム基材上に前記凹凸形成材料を塗布するタイミングを制御することを特徴とする請求項1に記載のフィルム部材の製造方法。
  3. 前記塗布工程において、外周面に前記凹凸形成材料を担持した塗布ロールを用いて前記塗工部を形成することを特徴とする請求項1または2に記載のフィルム部材の製造方法。
  4. 前記フィルム基材が搬送されている間に前記フィルム基材の張力を一定に保つことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のフィルム部材の製造方法。
  5. 前記フィルム部材の製造方法が、凹凸パターンを有する薄板状モールドが基体ロールに巻回されて、当該薄板状モールドの端部同士が前記基体ロールの外周面上で繋ぎ合わされている転写ロールを用意する工程を有し、前記転写ロールを用意する工程において、前記薄板状モールドが金属製のモールドであり、前記金属製のモールドを電鋳法により作製することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のフィルム部材の製造方法。
  6. 前記フィルム部材の製造方法が、凹凸パターンを有する薄板状モールドが基体ロールに巻回されて、当該薄板状モールドの端部同士が前記基体ロールの外周面上で繋ぎ合わされている転写ロールを用意する工程を有し、前記転写ロールを用意する工程において、前記薄板状モールドがフィルム状の樹脂モールドであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のフィルム部材の製造方法。
  7. 前記薄板状モールドの前記繋ぎ目部が樹脂により充填されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のフィルム部材の製造方法。
  8. 前記薄板状モールドが2枚以上のモールド板を有し、前記転写ロールにおいて、前記モールド板の端部同士が前記基体ロールの外周面上で繋ぎ合わせされて取り付けられていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載のフィルム部材の製造方法。
  9. 凹凸パターンを有する基板の製造方法であって、
    基板上にゾルゲル材料層を形成することと、
    請求項1〜8のいずれか一項に記載のフィルム部材の製造方法により製造されたフィルム部材を凹凸パターンを有するモールドとして用いて、前記モールドの前記凹凸パターンを前記ゾルゲル材料層に転写することを含むことを特徴とする前記基板の製造方法。
  10. 凹凸パターンを有する帯状のフィルム部材の製造装置であって、
    凹凸形成材料に帯状のフィルム基材を接触させて前記フィルム基材上に前記凹凸形成材料が塗布された塗工部を形成し、前記凹凸形成材料から前記フィルム基材を離間させて前記凹凸形成材料が塗布されていない未塗工部を形成し、それにより、前記凹凸形成材料を間欠的に塗布して膜を形成する塗布部と、
    凹凸パターンを有する転写ロールを備え、前記凹凸パターンを前記膜に転写する転写部と、
    前記塗布部から前記転写部に向かって前記フィルム基材を連続的に送り出す搬送部と、
    前記転写ロールの回転状態を検出する検出部と、
    前記塗布部を制御する制御部とを備え、
    前記転写ロールは、前記凹凸パターンを有する薄板状モールドが基体ロールに巻回されて、前記薄板状モールドの端部同士が前記基体ロールの外周面上で繋ぎ合わされている転写ロールであり、
    前記制御部は、前記転写部において、前記転写ロールの前記薄板状モールドの繋ぎ目部に前記フィルム基材の前記未塗工部が対向した状態で前記転写ロールに前記フィルム基材上の前記膜が重ね合わせられるように、前記検出部で検出した前記回転状態に基づいて前記塗布部を制御することを特徴とする前記フィルム部材の製造装置。
  11. 前記フィルム基材が搬送されている間、前記フィルム基材の張力を一定に保つための張力制御部を備えることを特徴とする請求項10に記載のフィルム部材の製造装置。
  12. さらに、前記凹凸形成材料に対して前記フィルム基材を移動させるための移動機構を備え、該移動機構により前記凹凸形成材料に前記フィルム基材を接触させまた、前記凹凸形成材料から前記フィルム基材を離間させることを特徴とする請求項10または11に記載のフィルム部材の製造装置。
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