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JP2015067645A - 混合樹脂組成物、混合樹脂成形体及び混合樹脂被覆物 - Google Patents

混合樹脂組成物、混合樹脂成形体及び混合樹脂被覆物 Download PDF

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JP2015067645A JP2013200659A JP2013200659A JP2015067645A JP 2015067645 A JP2015067645 A JP 2015067645A JP 2013200659 A JP2013200659 A JP 2013200659A JP 2013200659 A JP2013200659 A JP 2013200659A JP 2015067645 A JP2015067645 A JP 2015067645A
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Katsuya Yamada
克弥 山田
一秋 池田
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一秋 池田
康範 長岡
Yasunori Nagaoka
康範 長岡
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Abstract

【課題】フッ素樹脂が有する有利な特性(例えば摺動性、離型性)を享受しつつ、耐摩耗性(機械的強度)の改善される混合樹脂組成物、混合樹脂成形体及び混合樹脂被覆物を提供することを目的とする。【解決手段】本発明は、分散媒中に樹脂粒子が分散する混合樹脂組成物であって、樹脂粒子がパーフルオロポリマー及び芳香族ポリエーテルケトンを含み、パーフルオロポリマーと芳香族ポリエーテルケトンとの質量比が10:90以上90:10以下であり、樹脂粒子のうち粒径が1μm未満の樹脂粒子の含有量が20質量%以上である混合樹脂組成物である。樹脂粒子がパーフルオロポリマーを主成分とする第1樹脂粒子と上記芳香族ポリエーテルケトンを主成分とする第2樹脂粒子とから構成されるとよい。本発明はさらに、基材と、この基材の少なくとも一部に当該混合樹脂組成物から形成される混合樹脂成形体とを備える混合樹脂被覆物である。【選択図】図1

Description

本発明は、混合樹脂組成物、混合樹脂成形体及び混合樹脂被覆物に関する。
フッ素樹脂は、摺動性、離型性、耐熱性、耐薬品性、耐候性等に優れる。そのため、フッ素樹脂は、様々の製品のコーティング材として利用されている。フッ素樹脂をコーティングした製品(フッ素樹脂被覆体)としては、例えば炊飯器やホームベーカリー等の内釜、電気鍋、ホットプレート、フライパンなどの家庭用製品の他、軸受等の摺動部材(例えば特開2007−016243号公報)、押出成形用金型の押出ダイヘッドや口金等の樹脂離型性治具(例えば特開平05−220812号公報、特開2012−025079号公報)、レーザプリンタのトナー定着ローラなどがある。
一方、フッ素樹脂は、一般に耐摩耗性が悪い傾向にある。そこで、フッ素樹脂に電離放射線を照射して架橋反応を生じさせることで、フッ素樹脂の耐摩耗性を改善することが提案されている(例えば特開2013−027875号公報、特開2011−074938号公報、特許第3702801号公報)。
特開2007−016243号公報 特開平05−220812号公報 特開2012−025079号公報 特開2013−027875号公報 特開2011−074938号公報 特許第3702801号公報
電離放射線照射により架橋されたフッ素樹脂(以下「架橋フッ素樹脂」ともいう)は、未架橋のフッ素樹脂に比べて耐摩耗性が改善される。しかし、高い耐摩耗性が要求される用途では、架橋フッ素樹脂であっても耐摩耗性が不十分な場合がある。そのため、架橋フッ素樹脂については、耐摩耗性に関して未だ改善の余地がある。
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであり、フッ素樹脂が有する有利な特性(例えば摺動性、離型性)を享受しつつ、耐摩耗性の改善される混合樹脂組成物、混合樹脂成形体及び混合樹脂被覆物を提供することを目的とする。
本発明は、分散媒中に樹脂粒子が分散する混合樹脂組成物であって、上記樹脂粒子がパーフルオロポリマー及び芳香族ポリエーテルケトンを含み、上記パーフルオロポリマーと上記芳香族ポリエーテルケトンとの質量比が10:90以上90:10以下であり、上記樹脂粒子のうち粒径が1μm未満の樹脂粒子の含有量が20質量%以上の混合樹脂組成物である。
別の本発明は、当該混合樹脂組成物の塗工及び乾燥により得られる塗膜に電離放射線を照射することで形成される混合樹脂成形体である。
さらに別の本発明は、パーフルオロポリマー及び芳香族ポリエーテルケトンを含み、上記パーフルオロポリマーと上記芳香族ポリエーテルケトンとの質量比が10:90以上90:10以下であり、電離放射線の照射により化学結合が形成されている混合樹脂成形体である。
さらに別の本発明は、基材と、この基材の外面の少なくとも一部に形成された当該混合樹脂成形体とを備える混合樹脂被覆物である。
さらに別の本発明は、金属基材と、この金属基材の外面の少なくとも一部に形成される当該混合樹脂成形体とを備える混合樹脂被覆物。
本発明によれば、フッ素樹脂が有する有利な特性(例えば摺動性、離型性)を享受しつつ、耐摩耗性の改善される混合樹脂組成物、混合樹脂成形体及び混合樹脂被覆物が提供される。
本発明の混合樹脂被覆物を示す模式的断面図である。 本発明の混合樹脂被覆物の一例である曲げ軸受を示す模式的斜視図である。 図1のX1−X1線に沿う模式的断面図である。 図1のX2−X2線に沿う模式的断面図である。 本発明の混合樹脂被覆物の他の例である突き出し軸受を示す模式的斜視図である。 図5のX3−X3線に沿う模式的断面図である。 本発明の混合樹脂被覆物の他の例である離型性治具を備えた押出成形用金型を示す模式的断面図である。 本発明の混合樹脂被覆物の他の例である離型性治具を備えた押出成形用金型を示す模式的断面図である。 実施例におけるスラスト摩耗試験を説明するための模式図である。
[本発明の実施形態の説明]
上記課題を解決するためになされた本発明は、分散媒中に樹脂粒子が分散する混合樹脂組成物であって、上記樹脂粒子がパーフルオロポリマー及び芳香族ポリエーテルケトンを含み、上記パーフルオロポリマーと上記芳香族ポリエーテルケトンとの質量比が10:90以上90:10以下であり、上記樹脂粒子のうち粒径が1μm未満の樹脂粒子の含有量が20質量%以上である混合樹脂組成物である。
当該混合樹脂組成物は、パーフルオロポリマー及び芳香族ポリエーテルケトンを含んでいるため、当該混合樹脂組成物により形成される塗膜等は、パーフルオロポリマーが有する摺動性、離形性等に優れるといった特性と、芳香族ポリエーテルケトンが有する耐摩耗性、上記塗膜等と被覆対象物との密着性等に優れるといった特性とを併せ持つことが可能となる。
特に、パーフルオロポリマーと芳香族ポリエーテルケトンとの質量比を10:90以上90:10以下とすることで、パーフルオロポリマーと芳香族ポリエーテルケトンとを混合した場合であっても、パーフルオロポリマーが有する優れた特性、及び芳香族ポリエーテルケトンが有する優れた特性が低下することを抑えることができる。
また、当該混合樹脂組成物は、上記樹脂粒子のうちの粒径が1μm未満の樹脂粒子の含有量が20質量%以上であることで、当該混合樹脂組成物により形成される塗膜等に比較的粒径の大きな樹脂粒子や樹脂粒子塊が残存する可能性が低減される。そのため、上記塗膜等が摩擦(摺動)されたときに樹脂粒子等が離脱する可能性が低減されるため、耐久性が向上し寿命を長くすることができる。
上記樹脂粒子が、上記パーフルオロポリマーを主成分とする第1樹脂粒子と上記芳香族ポリエーテルケトンを主成分とする第2樹脂粒子とから構成されるとよい。これにより、第1樹脂粒と第2樹脂粒子のとの配合比率を調整することで、パーフルオロポリマーと芳香族ポリエーテルケトンとの質量比の調整が容易となる。その結果、当該混合樹脂組成物により形成される塗膜等の特性の調整が容易となる。
上記課題を解決するためになされた別の本発明は、当該混合樹脂組成物の塗工及び乾燥により得られる塗膜に電離放射線を照射することで形成される混合樹脂成形体である。
当該混合樹脂成形体は、当該混合樹脂組成物により得られるため、パーフルオロポリマーが有する摺動性、離形性等に優れるといった特性と、芳香族ポリエーテルケトンが有する耐摩耗性等に優れるといった特性とを併せ持つことができる。
また、当該混合樹脂成形体は、上記塗膜に電離放射線を照射することで形成される。上記塗膜に電離放射線を照射した場合、パーフルオロポリマー及び芳香族ポリエーテルケトンの少なくとも一部に化学結合が形成され得る。化学結合によるポリマー間の結合は共有結合又は水素結合であるため、フッ素樹脂の分子間凝集力に比べて強い。そのため、当該混合樹脂成形体では、ポリマー間がより強固に結合され得る。その結果、当該混合樹脂成形体では、芳香族ポリエーテルケトンを含有させたことに加えて、化学結合が形成されることにより機械的強度を向上させ耐摩耗性を向上させることが可能となる。
上記課題を解決するためになされたさらに別の本発明は、パーフルオロポリマー及び芳香族ポリエーテルケトンを含み、上記パーフルオロポリマーと上記芳香族ポリエーテルケトンとの質量比が10:90以上90:10以下であり、電離放射線の照射により化学結合が形成されている混合樹脂成形体である。
当該混合樹脂成形体は、パーフルオロポリマー及び芳香族ポリエーテルケトンを含んでいるため、パーフルオロポリマーが有する摺動性、離形性等に優れるといった特性と、芳香族ポリエーテルケトンが有する耐摩耗性等に優れるといった特性とを併せ持つことが可能となる。
特に、パーフルオロポリマーと芳香族ポリエーテルケトンとの質量比が10:90以上90:10以下とすることで、パーフルオロポリマーと芳香族ポリエーテルケトンとを混合した場合であっても、パーフルオロポリマーが有する優れた特性、及び芳香族ポリエーテルケトンが有する優れた特性の低下を抑えることができる。
また、当該混合樹脂成形体は、電離放射線の照射により化学結合が形成されているため、芳香族ポリエーテルケトンを含有させたことによる効果に加えて、機械的強度や耐摩耗性をさらに向上させることができる。
上記電離放射線の照射をパーフルオロポリマー及び上記芳香族ポリエーテルケトンの融点以上の温度で行うとよい。これらの樹脂の融点よりも高い温度で電離放射線の照射を行うことで、当該混合樹脂成形体における化学結合を適切に形成することができる。その結果、当該混合樹脂成形体は、機械的強度や耐摩耗性がより適切に向上されたものとなり得る。
当該混合樹脂成形体がフィルム状であるとよい。このように当該混合樹脂成形体がフィルム状であることで、様々な形状の被覆対象物に対して容易に混合樹脂成形体で被覆することができる。そのため、被覆対象物に対して混合樹脂組成物による塗膜の形成が困難な場合であっても、被覆対象物に対して混合樹脂組成物から形成された樹脂被覆層を形成することが可能となる。
上記課題を解決するためになされたさらに別の本発明は、基材と、この基材の少なくとも外面の一部に形成された当該混合樹脂成形体とを備える混合樹脂被覆物である。
当該混合樹脂被覆物によれば、当該混合樹脂成形体が当該混合樹脂組成物から形成されているため、当該混合樹脂成形体の効果を享受することが可能となる。具体的には、パーフルオロポリマーが有する摺動性、離形性等に優れるといった特性と、芳香族ポリエーテルケトンが有する耐摩耗性、当該混合樹脂成形体の基材に対する密着性等に優れるといった特性とを併せ持つことが可能となる。加えて、化学結合の形成による耐摩耗性の向上効果、及び樹脂成形体と基材との密着性の向上効果を得ることが可能となる。その結果、当該混合樹脂被覆物は、摺動性、離型性、耐摩耗性、密着性等に優れたものとなる。
上記課題を解決するためになされたさらに別の本発明は、金属基材とこの金属基材の少なくとも外面の一部に形成された当該混合樹脂成形体とを備える混合樹脂被覆物である。
当該混合樹脂被覆物によれば、当該混合樹脂成形体が当該混合樹脂組成物から形成されているため、当該混合樹脂成形体の効果を享受することが可能となる。具体的には、パーフルオロポリマーが有する摺動性、離形性等に優れるといった特性と、芳香族ポリエーテルケトンが有する耐摩耗性、当該混合樹脂成形体の金属基材に対する密着性等に優れるといった特性とを併せ持つことが可能となる。加えて、化学結合の形成による耐摩耗性の向上効果、及び樹脂成形体と基材との密着性の向上効果を得ることが可能となる。その結果、当該混合樹脂被覆物は、摺動性、離型性、耐摩耗性、密着性等に優れたものとなる。
上記金属基材の少なくとも上記混合樹脂成形体が形成される外面がエッチングにより粗面化されているとよい。このように基材の外面が粗面化されていることで、基材に対する当該混合樹脂成形体の接着性をより適切に高めることができる。また、摺動用途においては、基材との接合表面積が大きくなることにより基材への熱伝導性が向上し限界PV値等の耐久限界が向上するので好ましい。
ここで、「粒径」とは、重力沈降法で測定した値である。また、粒径が1μm未満の樹脂粒子の含有量は、混合樹脂組成物の調製時の樹脂粒子の投入質量を基準とし、質量基準の粒度分布から算出することができる。「主成分」とは、最も含有量の多い成分であり、例えば50質量%以上含む成分をいう。「化学結合」とは、共有結合又は水素結合をいう。「エッチング」とは、化学的エッチング及び電気化学的エッチングの他、ブラスト等の物理的処理も含む。「混合樹脂成形体」には、フィルムのように単独で存在するものに限らず、基材上にコーティング等により形成され、基材等と一体化された樹脂被覆層も含まれる。「混合樹脂被覆物」は、少なくとも軸受、アクチュエーター用シリンダー、ピストン部材、ギアポンプ摺動面の構成部材等の摺動部材、樹脂離型性治具を含む。この「樹脂離型性治具」は、溶融樹脂との接触部を有し、この接触部の樹脂に対する離型性が高い治具をいう。具体的には、「樹脂離型性治具」は、少なくとも樹脂成形用金型等の溶融樹脂を押出、運搬、形成する機器等、押出成形品の押出等に使用される押出ダイス類(押出ダイス、押出ポイント、Tダイ、押出ダイス口金等)を含む。
[本発明の実施形態の詳細]
以下、本発明の混合樹脂組成物、混合樹脂成形体及び混合樹脂被覆物を説明する。
〔混合樹脂組成物〕
当該混合樹脂組成物は、分散媒中に樹脂粒子を分散させたものである。当該混合樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲において、他の樹脂成分、任意成分を含んでいてもよい。
<樹脂粒子>
樹脂粒子は、パーフルオロポリマー及び芳香族ポリエーテルケトンを含んでいる。この樹脂粒子は、パーフルオロポリマーを主成分とする第1樹脂粒子と芳香族ポリエーテルケトンを主成分とする第2樹脂粒子とから構成されることが好ましい。これにより、第1樹脂粒と第2樹脂粒子のとの配合比率を調整することで、パーフルオロポリマーと芳香族ポリエーテルケトンの特性の調整が容易となる。
上記樹脂粒子における粒径が1μm未満の樹脂粒子の含有量の下限としては、20質量%であり、50質量%が好ましく、80質量%以上がよりに好ましい。一方、上記含有量の上限としては、100質量%が好ましい。
このような樹脂粒子を含む当該混合樹脂組成物を用いて混合樹脂成形体(樹脂被覆層)を形成することで、パーフルオロポリマーの有利な特性(優れた摺動性等)と芳香族ポリエーテルケトンの有利な特性(優れた耐摩耗性等)とを、これらの樹脂の併用による有利な特性の低下を抑制しつつ併せ持たせることが可能となる。例えば、上記樹脂粒子として粒径の大きな樹脂粒子の含有量が多い粉砕粉を用いた場合、混合樹脂成形体(樹脂被覆層)において摺動性や耐摩耗性等の特性の発現が不十分となるおそれがある。また、数μm〜数十μm程度の粒径の大きな樹脂粒子又は樹脂粒子塊は、摩擦時に脱落しやすいために耐久性(寿命)が低下するおそれがある。これに対して、粒径が1μm未満の粒子の含有量が上記下限以上である当該混合樹脂組成物を使用することで、驚くべきことにパーフルオロポリマーの有利な特性(優れた摺動性等)と芳香族ポリエーテルケトンの有利な特性(優れた耐摩耗性等)との発現が著しく改善することが判明した。
具体的には、本発明者らが鋭意検討した結果、パーフルオロポリマーとして平均粒径(メジアン径)が0.2μmのポリテトラフルオロエチレン(PTFE)の分散液と平均粒径が0.2μmの芳香族ポリエーテルケトンの分散液との混合分散液を用いて電離放射線照射により作製した樹脂成形体は、パーフルオロポリマーと芳香族ポリエーテルケトンとの質量比が10:90以上90:10以下のときに優れた離形性、摺動性及び耐摩耗性を示す。
一方、パーフルオロポリマーと芳香族ポリエーテルケトンとの質量比が上記範囲から逸脱すると、パーフルオロポリマー及び芳香族ポリエーテルケトンのいずれかの特性が十分に発現されず、実用的な摺動性、耐摩耗性等が得られない。このように、上記質量比を上記範囲とすることで、当該混合樹脂組成物から形成される塗膜等におけるパーフルオロポリマー及び芳香族ポリエーテルケトンの特性の低下を抑制でき、それらの樹脂の優れた特性を発現させることができる。このような効果をより確実に得るためには、上記質量比としては、20:80以上80:20が好ましく、35:65以上65:35がより好ましい。具体的な質量比は、当該混合樹脂組成物から形成される塗膜等に要求される特性に応じて決定すればよい。すなわち、上記質量比は、パーフルオロポリマーの特性及び芳香族ポリエーテルケトンの特性のそれぞれをどの程度発現させるかによって決定すればよい。例えば、離形性、摺動性等の特性を重視する場合にはパーフルオロポリマーの質量を芳香族ポリエーテルケトンの質量よりも多くし、パーフルオロポリマーの特性を優位に発現させればよい。一方、機械的強度(耐摩耗性)、上記塗膜等とこの塗膜等の被覆対象材との接着性を重視する場合には芳香族ポリエーテルケトンの質量をパーフルオロポリマーの質量よりも多くし、芳香族ポリエーテルケトンの特性を優位に発現させればよい。
また、上記樹脂粒子のうちの粒径が1μm未満の粒子の含有量は、20質量%以上であり、好ましくは50質量%以上、より好ましくは80質量%以上である。上記含有量が20質量%以上であることで、パーフルオロポリマー及び芳香族ポリエーテルケトンの有利な特性を発現する。
(パーフルオロポリマー)
パーフルオロポリマーは、主として当該混合樹脂組成物から得られる混合樹脂成形体の摺動性を向上させるものである。ここで、パーフルオロポリマーとは、炭素原子及びフッ素原子からなる水素原子を含まないポリマー、又は炭素原子及びフッ素原子から構成される高分子鎖中に、炭素原子及びフッ素原子以外の原子(例えば酸素原子)を有するパーフルオロ基(例えばパーフルオロポリエーテル基等)を含むポリマーを意味する。
パーフルオロポリマーとしては、具体的には、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン/パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)等が挙げられる。これらのパーフルオロポリマーは、単独で使用しても複数種を併用してもよく、また変性して用いてもよい。パーフルオロポリマーとしては、市販品を使用することができ、この場合にも単一種を単独で使用してもよく、複数種を併用してもよい。
(芳香族ポリエーテルケトン)
芳香族ポリエーテルケトンは、主として当該樹脂組成物から得られる混合樹脂成形体の耐傷性、硬さ、及びこれらを含めた耐摩耗性を向上させるものである。この芳香族ポリエーテルケトンは、ベンゼン環がパラ位に結合し、剛直なケトン結合(−C=O)又はフレキシブルなエーテル結合(−O−)によってベンゼン環同士が連結された構造を有する熱可塑性樹脂である。この芳香族ポリエーテルケトンとしては、例えばエーテル結合、ベンゼン環、エーテル結合、ベンゼン環、ケトン結合及びベンゼン環が、この順序で並んだ構造単位を有するエーテルエーテルケトン(PEEK)、エーテル結合、ベンゼン環、ケトン結合及びベンゼン環が、この順序で並んだ構造単位を有するポリエーテルケトン(PEK)が挙げられる。中でも、芳香族ポリエーテルケトンとしては、PEEKが好ましい。このような芳香族ポリエーテルケトンは、耐摩耗性、耐熱性、絶縁性、加工性等に優れるものであるため、芳香族ポリエーテルケトンを含む混合樹脂成形体や混合樹脂被覆物は、基材等との接合性等に優れる。
PEEK等の芳香族ポリエーテルケトンとしては、市販品を使用することができる。PEEK等の芳香族ポリエーテルケトンとしては、様々なグレードのものが市販されており、市販されている単一のグレードの芳香族ポリエーテルケトンを単独で使用してもよく、複数のグレードの芳香族ポリエーテルケトンを併用してもよく、また変性した芳香族ポリエーテルケトンを使用してもよい。
(他の樹脂成分)
他の樹脂成分としては、例えばパーフルオロポリマー及び芳香族ポリエーテルケトンよりも基材に対する接着性の高い接着成分が挙げられる。このような接着成分を含む混合樹脂組成物は、例えば接着成分の水系分散液、有機溶媒溶液にパーフルオロポリマー及び芳香族ポリエーテルケトンの樹脂粒子を分散させることで調製できる。
主要樹脂の粒子(パーフルオロポリマー及び芳香族ポリエーテルケトンの樹脂粒子)と接着成分との合計質量における接着剤成分の質量比率の下限としては、1質量%が好ましく、5質量%がより好ましい。この質量比率の上限としては、20質量%が好ましく、10質量%がより好ましい。接着成分の質量比率が上記下限未満であると、十分に接着性を向上させることができないおそれがある。一方、接着成分の含有量が上記上限を超えると、パーフルオロポリマー及び芳香族ポリエーテルケトンの含有量が相対的に小さくなるため、摺動性や耐摩耗性が低下するおそれがある。
(任意成分)
任意成分としては、例えば架橋助剤等が挙げられる。なお、PTFE、PEEK等は難燃性に優れた材料であり、通常は難燃剤の添加は不要であるが、特段の用法で必要な場合は、樹脂難燃化配合用の通常の難燃剤を通常使用の配合比で配合することを妨げない。
架橋助剤としては、例えばトリアリルイソシアネート(TAIC)、ジアリルイソシアネート、ジ(メタ)アクリルイソシアネート、トリ(メタ)アクリルイソシアヌレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスルトールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、トリメチロールプロパンアクリレート、ジビニルベンゼン、トリビニルベンゼン、ヘキサメチルベンゼン等が挙げられる。
<分散媒>
分散媒としては、例えば水、有機溶媒、これらの混合溶媒等が挙げられ、中でも水が好ましい。有機溶媒としては、この有機溶媒に対するパーフルオロポリマー及びPEEK等の芳香族ポリエーテルケトンの溶解性が低く、上記樹脂粒子のうちの粒径が1μm未満の樹脂粒子の含有量が20質量%以上に維持できるもの好ましい。
<利点>
当該混合樹脂組成物は、パーフルオロポリマー及びPEEK等の芳香族ポリエーテルケトンを含んでいるため、当該混合樹脂組成物により形成される塗膜等は、パーフルオロポリマーが有する摺動性、離形性等に優れるといった特性と、芳香族ポリエーテルケトンが有する耐摩耗性、上記塗膜等と被覆対象物との密着性等に優れるといった特性とを併せ持つことが可能となる。
特に、パーフルオロポリマーと芳香族ポリエーテルケトンとの質量比を10:90以上90:10以下とすることで、パーフルオロポリマーと芳香族ポリエーテルケトンとを混合した場合であっても、パーフルオロポリマーが有する優れた特性、及び芳香族ポリエーテルケトンが有する優れた特性が低下することを抑えることができる。
また、当該混合樹脂組成物は、上記樹脂粒子のうちの粒径が1μm未満の樹脂粒子の含有量が20質量%以上であることで、当該混合樹脂組成物により形成される塗膜等に比較的粒径の大きな樹脂粒子や樹脂粒子塊が残存する可能性が低減される。そのため、上記塗膜等が摩擦(摺動)されたときの樹脂粒子等が離脱する可能性が低減されため、耐久性(寿命)が向上する。
〔混合樹脂成形体〕
当該混合樹脂成形体は、一例において、当該混合樹脂組成物の塗工及び乾燥により得られる塗膜に電離放射線を照射することで形成されるものである(以下「混合樹脂成形体(1)」ともいう)。
当該混合樹脂成形体は、他の例において、パーフルオロポリマー及びPEEK等の芳香族ポリエーテルケトンを含み、パーフルオロポリマーと芳香族ポリエーテルケトンとの質量比が10:90以上90:10以下であり、電離放射線の照射により化学結合が形成されているものである(以下「混合樹脂成形体(2)」ともいう)。この混合樹脂成形体(2)は、混合樹脂成形体(1)と同様に、混合樹脂組成物の塗工及び乾燥により得られる塗膜に電離放射線を照射することで形成することが好ましい。
(塗工)
混合樹脂組成物の塗工は、公知の方法により行うことができる。塗工方法としては、特に限定はなく、例えば浸漬法、スピンコート法、グラビアコート法、ロールコート法、スプレーコート法等が挙げられる。
(乾燥)
混合樹脂組成物の乾燥は、分散媒を蒸発させることができる限りは、自然乾燥及び強制乾燥のいずれであってもよく、乾燥時間の短縮の観点からは強制乾燥が好ましい。また、塗膜に対する電離放射線照射時に塗膜を加熱する場合、電離放射線照射前の予備加熱として分散媒を蒸発させるようにしてもよい。
(電離放射線照射)
電離放射線照射は、塗膜の少なくとも一部に化学結合を形成するために行われる。電離放射線照射は、低酸素又は無酸素の雰囲気下において塗膜を加熱した状態で行うことが好ましい。塗膜に対する電離放射線の照射により、塗膜中のパーフルオロポリマー及び芳香族ポリエーテルケトンの少なくとも一部に化学結合が形成される。
電離放射線としては、電子線、高エネルギーイオン線等の荷電粒子線、γ線、X線等の高エネルギー電磁波、中性線等が挙げられ、中でも電子線が好ましい。これは、電子線発生装置が比較的安価であり、大出力の電子線が得られると共に化学結合の形成程度の制御が容易であるためである。
電離放射線照射の照射線量としては、広い範囲で効果が得られるので任意に用いてもよいが、50KGy〜800KGy程度が好ましい。電離放射線の照射線量が上記下限未満であると、化学結合の形成が不十分となり充分な耐摩耗性が得られないおそれがある。一方、電離放射線の照射線量が上記上限を超えると、塗膜中の樹脂の化学結合の形成と樹脂の分解(主鎖の切断)とのバランスが平衡状態となって加工効率が低下し、あるいは樹脂の分解が過剰となって耐摩耗性が低下するおそれがある。これに対して、照射線量を50〜800kGyとすれば、樹脂の化学結合の形成が充分進行すると共に樹脂の分解も少なく、充分な耐摩耗性が得られる。従って、照射線量を上記範囲内とすることにより、当該混合樹脂成形体は、より適切に離形性、摺動性、耐摩耗性といった特性を有するものとされる。
電離放射線照射は、上述のように低酸素又は無酸素の雰囲気下で行うことが好ましい。このような雰囲気下で電離放射線照射を行うことで、例えば混合樹脂成形体(1),(2)を被覆対象物(基材)上に形成する場合に、混合樹脂成形体(1),(2)と被覆対象物(基材)との接着力を向上させることができる。具体的には、酸素濃度が1000ppm未満であれば、接着力の向上効果が得られる。酸素濃度が500ppm以下であれば、顕著な接着力の改善効果が得られ、100ppm以下でより顕著な接着力の向上効果が得られる。
また、酸素濃度を500ppm以下、より好ましくは100ppm以下、さらに好まくは10ppm以下とすることで、電離放射線による樹脂の分解と、樹脂の化学結合の形成と、樹脂と被覆対象物(基材)の接着との競争反応において、樹脂の化学結合の形成及び接着の反応が顕著に優勢となる。
さらに、電離放射線照射時の酸素濃度の制御の安定性及び容易性の観点からは、酸素濃度としては10ppm以下が好ましい。
電離放射線照射時の塗膜の加熱温度は、パーフルオロポリマー及び芳香族ポリエーテルケトンの融点近傍もしくはそれ以上が好ましく、この融点より80℃高い温度以下が好ましく、40℃高い温度以下がより好ましい。例えば、パーフルオロポリマーがPTFEであり、芳香族ポリエーテルケトンであるPEEKの場合、PTFEの融点が327℃、PEEKの融点が334℃であることから、上記加熱温度は344℃〜367℃とすることが好ましい。加熱温度を樹脂の融点よりも高い温度で行うことで、樹脂の化学結合の形成を適切に促進することができる。その一方、上記加熱温度の上限を樹脂の融点よりも80℃高い温度以下とすることで、樹脂の熱分解(主鎖の切断)を抑制でき、摺動性や耐摩耗性の低下を抑制できる。
混合樹脂成形体(1),(2)は、フィルム状の混合樹脂フィルムとして形成してもよい。この混合樹脂フィルムは、樹脂フィルム中間体を形成した後にこの樹脂フィルム中間体に電離放射線等により化学結合を形成させることで得ることができる。
樹脂フィルム中間体は、例えば被塗工材上に当該混合樹脂組成物を用いて塗膜を形成した後に、被塗工材を除去することで形成することができる。塗膜は、当該混合樹脂組成物を被塗工材上に塗工した後に乾燥により分散媒を蒸発させることで形成される。被塗工材の除去方法としては、例えば機械的剥離、薬剤処理が挙げられる。薬剤処理としては、例えば被塗工材をアルミ箔等の金属箔で形成する場合には、酸等でアルミ箔等を溶解除去する方法が挙げられる。
樹脂フィルム中間体の別の形成方法としては、混合樹脂組成物の乾燥物を溶融押出やラム押出後に必要に応じてロール圧延や延伸等によりフィルム成形した後、これを必要に応じてフリーシンター法で焼成する方法が挙げられる。
この混合樹脂フィルムは、様々な形状の被覆対象物に対して容易に混合樹脂成形体(1),(2)により被覆することができる。そのため、被覆対象物に対して混合樹脂組成物による塗膜の形成が困難な場合であっても、被覆対象物に対して混合樹脂組成物から形成された樹脂被覆層を形成することが可能となる。
<利点>
当該混合樹脂成形体は、パーフルオロポリマー及び芳香族ポリエーテルケトンを含んでいるため、パーフルオロポリマーが有する摺動性、離形性等に優れるといった特性と、芳香族ポリエーテルケトンが有する耐摩耗性や機械的強度、被覆対象物(基材)に対する密着性等に優れるといった特性とを併せ持つことが可能となる。また、当該混合樹脂成形体は、電離放射線の照射により化学結合が形成されていることで、耐摩耗性や機械的強度がさらに向上したものとなる。
〔混合樹脂被覆物〕
図1の混合樹脂被覆物1は、基材10の外面の少なくとも一部に、当該混合樹脂成形体としての樹脂被覆層11が形成されたものである。混合樹脂被覆物としては、例えば軸受、押出成形用金型の押出ダイヘッドや口金等の樹脂離型性治具、アクチュエーター用のシリンダーやピストン部材、ギアポンプ等が挙げられる。
(基材)
基材10の材質としては、樹脂被覆層11との密着性が良く、目的とする強度を有するものであれば特に限定されず、例えば金属、ポリイミド等のプラスチック、セラミック、ガラスなどを挙げることができ、中でも金属が好ましい。金属としては、例えばAl、Al合金、鉄、鉄合金(SUSを含む)、Ni、Ni合金、Ti、Ti合金、Cu、Cu合金(真鍮を含む)、超硬合金等が挙げられる。
基材10としては、外面の少なくとも一部(樹脂被覆層11の形成予定領域)に表面処理が施されていてもよい。表面処理としては、例えば防錆処理、耐傷処理、プライマー処理、粗面化処理等が挙げられる。
防錆処理は、基材10の外面の酸化を防止するための処理である。耐傷処理は、基材10の外面の損傷を防止するための処理である。防錆処理及び耐傷処理としては、例えば金属酸化物層、合金層等の被覆層を形成する方法が挙げられる。
プライマー処理は、基材10に対する樹脂被覆層11の密着性を向上させるための処理である。このプライマー処理としては、例えばパーフルオロポリマーよりも基材10に対する接着性が高い樹脂(接着成分)、例えばポリアミドイミド、ポリエーテルスルフォンにより基材10の外面にプライマー層を形成する方法が挙げられる。
粗面化処理は、基材10と樹脂被覆層11との密着性を向上させるための処理である。粗面化処理を行う場合の基材10の外面の表面粗さとしては、算術平均粗さRaで5μm以上200μm以下が好ましい。上記算術平均粗さRaが上記下限未満であると、基材10と樹脂被覆層11との接着力を十分に高めることができないおそれがある。上記算術平均粗さRaが上記上限を超えると、基材10に樹脂被覆層11を形成したときに樹脂被覆層11にピンホールが発生しやすくなり、また基材10と樹脂被覆層11との接着力を十分に高めることが難しくなるおそれがある。ここで、算術平均粗さRaは、JIS B 0601:2001に準じて測定した値である。
粗面化処理としては、化学的エッチング及び電気化学的エッチングが好ましい。
化学的エッチングとしては、例えばアルカリエッチング、酸エッチング等の公知の方法が挙げられる。アルカリエッチングは、例えば水酸化ナトリウム溶液等のアルカリ溶液を基材20の外面に接触させることで行われる。酸エッチングは、例えばリン酸及び硫酸の混合溶液等の酸溶液を基材10の外面に接触させることで行われる。
電気化学的エッチングは、例えば塩素イオンを含む水溶液中に基材10を浸漬した状態で交流若しくはパルス電流又は半波整流を基材10に印加することで行われる。上記水溶液としては、例えば塩素イオン濃度が0.1質量%以上、pHが0.01〜3.0のものが好ましい。印加電流の電流密度としては、0.1〜1.0A/cmが好ましい。電気化学的エッチングの条件を上記のように設定することで、基材10の外面を微細に粗面化することができる。
粗面化処理としては、基材10の外面を目的とする粗さに粗面化できる限りは、化学的処理及び電気化学的処理以外の方法を採用することもできる。このような粗面化処理としては、例えばサンドブラスト、グリッドブラスト、ショットブラスト等の物理的処理が挙げられる。
(樹脂被覆層)
樹脂被覆層11は、当該樹脂成形体の一例に相当するものである。この樹脂被覆層11は、パーフルオロポリマー及びPEEK等の芳香族ポリエーテルケトンを少なくとも含み、本発明の効果を損なわない範囲において、パーフルオロポリマー及び芳香族ポリエーテルケトン以外の他の樹脂成分、その他の任意成分を含んでいてもよい。なお、パーフルオロポリマー、芳香族ポリエーテルケトン、他の樹脂成分、及び任意成分は、先に説明した当該樹脂組成物の場合と同様である。
樹脂被覆層11におけるパーフルオロポリマーと芳香族ポリエーテルケトンとの質量比は、10:90以上90:10以下が好ましく、20:80以上80:20以下がより好ましく、35:65以上65:35以下がさらに好ましい。パーフルオロポリマーと芳香族ポリエーテルケトンとの質量比が上記範囲から逸脱すると、パーフルオロポリマー及び芳香族ポリエーテルケトンのいずれかの特性が十分に発現されず、実用的な摺動性、耐摩耗性等が得られないおそれがある。その一方で、上記質量比を上記範囲とすることで、樹脂被覆層11がパーフルオロポリマーの優れた特性と芳香族ポリエーテルケトンの優れた特性とを併せ持つものとすることができる。
樹脂被覆層11の厚みは、基材10の寸法や用途等に応じて適宜決定すればよい。樹脂被覆層11の厚みとしては、5μm以上200μm以下が好ましく、10μm以上100μm以下がより好ましい。樹脂被覆層11の厚みが上記下限未満であると、樹脂被覆層11の密着性及び耐久性が低下し寿命が短くなるおそれがある。一方、樹脂被覆層11の厚みが上記上限を超えると、クラックが発生しやすくなり、また電離放射線の照射による化学結合の形成が不十分となって耐摩耗性の向上効果が十分に得られないおそれがある。
次に、当該混合樹脂被覆物の代表的な例である軸受、及び樹脂離型性治具について図面を参照しつつ説明する。軸受については、巻き軸受及び突き出し軸受について説明する。なお、以下においては、当該混合樹脂組成物及び当該混合樹脂成形体において説明した事項についての重複説明は省略することがある。
<巻き軸受>
図2〜図4の巻き軸受2は、全体として略円筒形に形成されている。この巻き軸受2は、略円筒形の基材20と、この基材20の内面に形成された樹脂被覆層21とを備えている。
巻き軸受2の寸法は、用途に応じて適宜決定される。一例において、巻き軸受2の寸法は、外径が0.4cm〜3cm、内径が0.2cm〜2.9cm、高さが0.2cm〜3cm、厚みが0.2mm〜5mmとされる。
基材20は、巻き軸受2のコアを構成するものであり、略円筒状に形成されている。この基材20は、図1の混合樹脂被覆物1の基材10に相当するものである
樹脂被覆層21は、曲げ軸受2における摺動面(内面)の摺動性を確保するためのものである。この樹脂被覆層21は当該樹脂成形体の一例であり、また図1の混合樹脂被覆物1の樹脂被覆層11に相当するものである。
このような曲げ軸受2は、例えば平板に形成した短冊状の混合樹脂被覆物に曲げ加工を施して円筒状とすることで得られる。
<突き出し軸受>
図5及び図6の突き出し軸受3は、円筒部30の外面30Aの上端部からフランジ部31が突出した形状を有している。突き出し軸受3は、基材32及び樹脂被覆層33を備えている。
突き出し軸受3の寸法は、用途に応じて適宜決定される。一例において、円筒部30の寸法は、外径が0.4cm〜3cm、内径が0.2cm〜2.9cm、高さが0.2cm〜3cm、厚みが1mm〜5mmとされる。フランジ部31の寸法は、突出長さが0.2cm〜2cm、厚みが0.2mm〜5mmとされる。
基材32は、突き出し軸受3のコアを構成するものである。この基材32は、円筒部34及びフランジ部35を有している。この基材32は、図1の混合樹脂被覆物1の基材10に相当するものである。
樹脂被覆層33は、突き出し軸受3における摺動面(内面)の摺動性を確保するためのものである。この樹脂被覆層33は当該樹脂成形体の一例であり、また図1の混合樹脂被覆物1の樹脂被覆層11に相当するものである。
このような突き出し軸受3は、例えば中央部に貫通孔が形成された円盤状の基材に樹脂被覆層を形成した混合樹脂被覆物に対して、張り出し加工を施すことで得られる。
<樹脂離型性治具>
図7の押出成形用金型4は、コア導体50に外皮51を被覆して被覆電線5を形成するためのものである。この押出成形用金型4は、当該混合樹脂被覆物の一例である樹脂離型性治具を備えたものである。
押出成形用金型4は、ダイス40及びポイント41を備えている。これらのダイス40及びポイント41は、図1の混合樹脂被覆物1の基材10に相当する。
ダイス40は、ポイント41が組み付けられる空間42を有している。このダイス40の端面43には樹脂被覆層44が形成されている。
ポイント41は、コア導体50の移動を許容する貫通孔45を有している。このポイント41の端面46には樹脂被覆層47が形成されている。
樹脂被覆層44,47は、図1の混合樹脂被覆物1の樹脂被覆層11に相当するものである。すなわち、ダイス40に樹脂被覆層44が形成されたもの、及びポイント41に樹脂被覆層47が形成されたもののそれぞれが上記樹脂離型性治具に相当する。
押出成形用金型4は、ダイス40の空間42にポイント41を組み付けることで、外皮51を形成する樹脂52を供給するための流路48が形成される。この流路48の端は、樹脂吐出口49を構成する。この樹脂吐出口49の周囲には、樹脂被覆層44,47が存在する。
押出成形用金型4では、ポイント41の貫通口45にコア導体50を図中のA方向に移動させつつ流路48に樹脂52を供給することで、樹脂吐出口49から吐出された樹脂52がコア導体50の外周面を被覆し絶縁電線5を得ることができる。
このような押出成形用金型4では、樹脂吐出口49の周囲に離型性に優れる樹脂被覆層44,47が存在する。そのため、樹脂吐出口49から連続的かつ繰り返し樹脂を吐出させたとしても、樹脂吐出口49の周囲に目ヤニやバリが付着することを適切に抑制することができる。
図8の押出成形用金型4Aは、ダイス40の内面に樹脂被覆層44Aを設け、ポイント41の外面に樹脂被覆層47Aを設けたものである。この押出成形用金型4Aでは、樹脂被覆層44A及び樹脂被覆層47Aによって流路48Aが規定されている。
樹脂被覆層44A,47Aは、図1の混合樹脂被覆物1の樹脂被覆層11に相当するものである。すなわち、ダイス40に樹脂被覆層44Aが形成されたもの、及びポイント41に樹脂被覆層47Aが形成されたもののそれぞれが上記樹脂離型性治具に相当する。
このような押出成形用金型4Aでは、樹脂吐出口49の近傍に離型性に優れる樹脂被覆層44A,47Aが存在する。そのため、樹脂吐出口49から連続的かつ繰り返し樹脂を吐出させたとしても、樹脂吐出口49の周囲に目ヤニやバリが付着することを適切に抑制することができる。
<他の実施形態>
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記実施形態の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
図7の押出成形用金型4では、ダイス40及びポイント41のそれぞれの端面43,46に樹脂被覆層44,47が形成されていたが、ダイス40及びポイント41の一方の端面に樹脂被覆層が形成されていてもよい。
図8の押出成形用金型4Aでは、ダイス40の内面及びポイント41の外面のそれぞれに樹脂被覆層44A,47Aが形成されていたが、ダイス40の内面及びポイント41の外面の一方に樹脂被覆層が形成されていてもよい。また、ダイス40の内面及びポイント41の外面に樹脂被覆層を形成する場合、これらの内面又は外面における吐出口49の近傍領域にのみ樹脂被覆層を形成するようにしてもよい。
本発明は、先に説明した図2〜図4の曲げ軸受2、図5、図6の突き出し軸受3、及び図7の押出成形用金型4の樹脂離型性治具に限らず、他の混合樹脂被覆物、例えばアクチュエーター用のシリンダーやピストン部材、ギアポンプ等の摺動部材の他、摺動性、耐摩耗性、離型性等が要求される様々な用途に適用することができる。
以下に、本発明を実施例、比較例に基づいて説明する。なお、本発明は、これらの実施例に限定されるものではなく、これらの実施例を本発明の趣旨に基づいて変形、変更することが可能であり、それらを本発明の範囲から除外するものではない。
<実施例1>
基材として、アルミニウム合金(JIS−3003;Al−Mn系合金)から形成された直径360mm、厚み1.7mmの円板を用いた。アルミニウム円板を陽極とし、塩化アンモニウム水溶液中、25C/cmの電気量で電気化学的エッチングを行い、アルミニウム円板の表面に微細な凹凸を形成させた。
PTFEディスパージョン(ダイキン社の「EK3700」)及びPEEKディスパージョン(ビクトレックス社の「PEEK F804」)をPTFEとPEEKとの質量比率が10:90となるように混合し、全樹脂粒子中の1μm未満の樹脂粒子の割合が98質量%である混合分散液を得た。この混合分散液を、表面処理したアルミニウム合金(基材)上にスピンコートした後に乾燥させ、340℃に保持した加熱炉内で20分間保持することで上記混合分散液を焼成して基材上に厚みが25μmである樹脂被覆層を得た。
この樹脂被覆層を有する基材を温度270℃に調整したホットプレート上に載置し、このホットプレートをコンベアベルトにより、コンベア式電子線照射装置(NHVコーポレーション社)の照射領域に搬送した。電子線照射装置のチャンバー内は、酸素濃度0.1ppmの窒素ガスを流して照射領域の酸素濃度を3.4ppmに維持した。加速電圧1.16MeVの電子線を、照射線量が60kGyとなるようにPTFE層上から照射して樹脂被覆層のPTFEに化学結合を形成することで樹脂被覆体を得た。なお、化学結合形成後の樹脂被覆層の厚みは26μmであった。
<実施例2〜4、及び比較例1〜4>
1μm未満の樹脂粒子の割合、及びPTFEディスパージョンとPEEKディスパージョンとの質量比率を表1に示すように変更したこと以外は、実施例1と同様に操作して樹脂被覆体を形成した。
<評価>
実施例1〜5及び比較例1〜4の樹脂被覆体について、鉛筆硬度の測定、スラスト回転摩耗試験及び碁盤目試験を行った。評価結果については、表1に示した。この表1には、スラスト回転摩耗試験の結果から算出した限界PV値、及び総合評価を同時に示した。なお、表1における総合評価は、以下の基準に従って判定した。
A:摺動部材として好適
B:摺動部材としての適用限界
C:摺動部材として適用不可
(鉛筆硬度の測定)
鉛筆硬度は、温度30℃で、樹脂被覆層上から鉛筆で引っ掻いたとき、基材が見える引っ掻きが生じた鉛筆の硬度として測定した。
(スラスト摩耗試験)
図9に示すように、基材60上に樹脂被覆層61を形成した樹脂被覆物6を、基材60において固定部材70上にビス止めし、樹脂被覆物6が回転しないように固定した。被覆層61上に研磨材71(3M社の「スコッチブライト#3000」)と2kgの重り72をこの順に載せた。研磨材71及び重り72を1800rpmで回転させ、樹脂被覆層61に作用させる負荷を変化させて樹脂被覆層61の厚みの減少量を測定した。樹脂被覆層61の厚みの減少量は、0.1μmの厚みの変化を検知し得る渦電流式デジタル式肉厚計(サンコウ電子研究所社の「EDY−II」)を用いて測定した。
また、スラスト磨耗試験において、限界PV値を算出した。ここで、PV値とは面圧(P)と速度(V)との積であり、限界PV値は、摺動面の摩擦熱により樹脂が溶融し、焼き付き、又は異常摩耗するPV値をいう。
(碁盤目試験)
碁盤目試験は、基材60と樹脂被覆層61の接着力を評価するために行った。この碁盤目試験は、JIS K 5400:1998の規定に準じて行った。具体的には、基材60上の樹脂被覆層61に1mm角の大きさの貫通傷を付けて100個の碁盤目を作製し、その上に粘着テープ(ニチバン社の「CT405AP−18」)を貼り付け、剥がす操作を行った。各試料に対して粘着テープの貼付及び剥離操作のセットを500回行った後の碁盤目の残存マス数を調べた。

Figure 2015067645
表1から明らかなように、実施例1〜5の樹脂被覆体は、比較例3,4の樹脂被覆体に比べて鉛筆高度が高く、比較例1,2の樹脂被覆体に比べてスラスト摩耗試験における樹脂被覆層の摩耗量が少ないと共に限界PV値が高く、碁盤目試験における碁盤目の残存枚数が多かった。従って、実施例1〜5の樹脂被覆体は、鉛筆硬度、スラスト磨耗試験(限界PV値を含む)及び碁盤目試験の総合評価において、比較例1〜4の樹脂被覆体よりも優れていた。このように、表1の結果から、混合分散液中のPTFEとPEEKとの質量比率を10:90以上90:10以下の範囲としたときに、混合分散液から得られる樹脂被覆層の耐摩耗性及び接着性に優れることが伺える。
<1μm未満の樹脂粒子割合の検討>
実施例1と同様な手法により、表面処理したアルミニウム合金円板(基材)上に、全樹脂粒子中の1μm未満の樹脂粒子割合、及び樹脂成分比率が下記表2に示す値である混合分散液を用いて樹脂被覆層を形成した。この樹脂被覆層の膜特性を離形性、摺動性及び耐摩耗性として評価した。評価結果については表2に示した。なお、表2の評価結果は、1μm未満の樹脂粒子の割合が0%である単独樹脂(PTFE100%又はPEEK100%)を基準し、この基準からの改善効果を示すものであり、混合分散液や被覆樹脂層の使用可否に係わる特性の絶対的な評価を示すものではない。また、表2中の評価の表記は、下記の通りである。
A:基準となる単独樹脂に比べて改善効果が顕著
B:基準となる単独樹脂に比べて明らかな改善効果が認められる
C:基準となる単独樹脂に比べて改善効果があるが、大きな改善効果が認められない
D:基準となる単独樹脂に比べて改善効果がないか、殆ど認められない(又は基準)
(離形性)
離形性は、樹脂被覆体に対する粘着テープの付着性として評価した。この粘着テープの付着性が悪いほど離形性が良好である。
(摺動性)
摺動性は、対鋼(S45C)、1,000rpm、16MPaでの動摩擦係数として評価した。
(耐摩耗性)
耐摩耗性は、上記スラスト摩耗試験において、樹脂被覆層に作用させる負荷を上昇させたときに、負荷が15MPaまでの間における樹脂被覆層の外観を目視することで評価した。この耐摩耗性の評価は、以下の基準に従って判定した。
Figure 2015067645
表2から明らかなように、混合分散液中のPTFEとPEEKとの質量比率を10:90以上90:10以下の範囲では、全樹脂粒子中の1μm未満の樹脂粒子の割合が20%以上100%以下のときに、離形性、摺動性及び耐摩耗性の総合評価において、良好な結果が得られた。このように、表2の結果から、混合分散液中の1μm未満の樹脂粒子の割合を20%以上100%以下に調製したときに、混合分散液から得られる樹脂被覆層の離形性、摺動性及び耐摩耗性に優れることが伺える。
本発明によれば、フッ素樹脂が有する有利な特性(例えば摺動性、離型性)を享受しつつ、耐摩耗性(機械的強度)の改善される混合樹脂組成物、混合樹脂成形体及び混合樹脂被覆物が提供される。従って、本発明の混合樹脂被覆物及び混合樹脂フィルムは、軸受、アクチュエーター用のシリンダーやピストン部材、ギアポンプ等の摺動部材に好適に使用することができる。
1 混合樹脂被覆物
10,20,32 基材
11,21,33 樹脂被覆層
2 巻き軸受
3 突き出し軸受
30 円筒部
30A 外面
31 フランジ部
34 円筒部
35 フランジ部
4,4A 押出成形用金型
40 ダイス
41 ポイント
42 空間
43,46 端面
44,44A,47,47A 樹脂被覆層
45 貫通孔
48,48A 流路
49 樹脂吐出口
5 被覆電線
50 コア導体
51 外皮
52 樹脂
6 樹脂被覆物
60 基材
61 樹脂被覆層
70 固定部材
71 研磨材
72 重り

Claims (9)

  1. 分散媒中に樹脂粒子が分散する混合樹脂組成物であって、
    上記樹脂粒子がパーフルオロポリマー及び芳香族ポリエーテルケトンを含み、
    上記パーフルオロポリマーと上記芳香族ポリエーテルケトンとの質量比が10:90以上90:10以下であり、
    上記樹脂粒子のうち粒径が1μm未満の樹脂粒子の含有量が20質量%以上である混合樹脂組成物。
  2. 上記樹脂粒子が、上記パーフルオロポリマーを主成分とする第1樹脂粒子と上記芳香族ポリエーテルケトンを主成分とする第2樹脂粒子とから構成される請求項1に記載の混合樹脂組成物。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の混合樹脂組成物の塗工及び乾燥により得られる塗膜に電離放射線を照射することで形成される混合樹脂成形体。
  4. パーフルオロポリマー及び芳香族ポリエーテルケトンを含み、
    上記パーフルオロポリマーと上記芳香族ポリエーテルケトンとの質量比が10:90以上90:10以下であり、
    電離放射線の照射により化学結合が形成されている混合樹脂成形体。
  5. 上記電離放射線の照射を上記パーフルオロポリマー及び上記芳香族ポリエーテルケトンの融点以上の温度で行う請求項3又は請求項4に記載の混合樹脂成形体。
  6. フィルム状である請求項3、請求項4又は請求項5に記載の混合樹脂成形体。
  7. 基材と、
    この基材の外面の少なくとも一部に形成される請求項3から請求項6のいずれか1項に記載の混合樹脂成形体と
    を備える混合樹脂被覆物。
  8. 金属基材と、
    この金属基材の外面の少なくとも一部に形成される請求項3から請求項6のいずれか1項に記載の混合樹脂成形体と
    を備える混合樹脂被覆物。
  9. 上記金属基材の少なくとも上記混合樹脂成形体が形成される外面がエッチングにより粗面化されている請求項8に記載の混合樹脂被覆物。
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