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JP2015053885A - 水中油型乳化物の製造方法 - Google Patents

水中油型乳化物の製造方法 Download PDF

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JP2015053885A
JP2015053885A JP2013188462A JP2013188462A JP2015053885A JP 2015053885 A JP2015053885 A JP 2015053885A JP 2013188462 A JP2013188462 A JP 2013188462A JP 2013188462 A JP2013188462 A JP 2013188462A JP 2015053885 A JP2015053885 A JP 2015053885A
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Kazunori Onoe
和則 尾上
潤一 冠
Junichi Kanmuri
潤一 冠
一孝 伊藤
Kazutaka Ito
一孝 伊藤
佐藤 亮太郎
Ryotaro Sato
亮太郎 佐藤
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Abstract

【課題】
油脂、乳蛋白質、乳化剤及び水を含む水中油型乳化物の加熱殺菌処理工程における風味劣化を低減し、乳味感に優れた風味良好な水中油型乳化物の簡便な製造方法の提供を課題とする。
【解決手段】
油脂分10〜50重量%及び乳蛋白質を含む水中油型乳化物の製造方法であって、予備乳化工程、予備加熱工程、加熱殺菌工程、冷却工程及びエージング工程からなる水中油型乳化物の製造方法において、予備乳化工程温度を50〜70℃で、かつ予備加熱工程温度を50〜80℃とすることにより、乳味感に優れた風味良好な水中油型乳化物が得られる。

【選択図】なし

Description

本発明は、水中油型乳化物の製造法に関し、更に詳しくは油脂、乳蛋白質、乳化剤及び水を含む水中油型乳化物の加熱殺菌工程中の風味劣化を簡便に低減する、水中油型乳化物の製造方法に関する。
洋菓子、デザート類等の嗜好性を高めるために、水中油型乳化物が広く使用されている。具体的には、水中油型乳化物の起泡物(ホイップドクリーム)をプリン、ゼリー等のデザート類の上にトッピングしたり、ケーキ等のデコレーションやサンドする例や、プリン、ババロア、ゼリー等の練り込みに使用する例が挙げられる。
水中油型乳化物には、生乳、濃縮乳、生クリーム、コンパウンドクリーム、植物性油脂と生乳及び生クリーム以外の乳製品由来の無脂乳固形分を主原料とする合成クリーム、植物性油脂と植物性蛋白を主原料とする植物性クリーム等がある。これらの水中油型乳化物は、油脂、乳蛋白質、乳化剤及び水を含むものであり、主に冷蔵流通、冷蔵保管されて使用されるが、保存性を高めるために製造工程において加熱殺菌処理が施されている。
加熱殺菌処理には間接加熱方式と直接加熱方式があり、かかる加熱殺菌処理工程を経て無菌的に容器充填することにより、保存性を高めた水中油型乳化物を得ることができるが、一方でかかる加熱殺菌処理工程を経ることにより水中油型乳化物の風味劣化が発生する問題があった。
上記の風味劣化を低減して、より風味良好で嗜好性の高い水中油型乳化物を提供するべく、各種の風味劣化を低減する水中油型乳化物の製造方法が提案されている。
特許文献1には、クリーム類に不活性ガスを通気して液中溶存酸素を低下せしめたのちに、脱泡処理を行い、ついで加熱殺菌することを特徴とする、風味が良く、流通・保存時の乳化安定性にすぐれたクリーム類の製造法が提案されているが、別途脱泡処理工程を必要とするものであって、製造工程が煩雑であるという問題があった。
本出願人による特許文献2では、原料混合物の溶存酸素量を、予備乳化工程途中以前に低下せしめ、乳化物を得た後に加熱殺菌及び冷却を行う水中油型乳化物の製造方法を提案しているが、やはり予備乳化前の溶存酸素低下のために予備乳化タンクを不活性ガス置換する工程が煩雑であるという問題があった。
特許文献3は、フレッシュクリーム含有する130〜150℃で加熱処理された水中油型乳化油脂組成物中のフロシン含有量をタンパク質100g当たり60mg以下とし、水中油型乳化油脂組成物中2−ブタノン含有量を0.1ppm以上とする水中油型乳化油脂組成物に関する。本組成物は、風味豊かで、フレッシュ感を有するものであるが、生クリームまたは生クリーム高配合のコンパウンドクリームの加熱処理に限定される方法であることと、殺菌冷却後に高周速乳化機による均質化を必須とするという点で制約のある方法であった。
本出願人による特許文献4は、加熱殺菌工程及び冷却工程後のエージング工程において、水中油型乳化物を窒素ガス陽圧状態に保つことによる、水中油型乳化物製造工程中の風味劣化を防止する方法であるが、本方法もエージングタンクを窒素置換する工程がやや煩雑であるという問題があった。
特開2004−201601号公報 特開2007−028901号公報 特開2010−166891号公報 特開2011−205997号公報
本発明の目的は、油脂、乳蛋白質、乳化剤及び水を含む水中油型乳化物の加熱殺菌処理工程における風味劣化を低減し、乳味感の優れた風味良好な水中油型乳化物の簡便な製造方法を提供することにある。特に、植物性油脂と生乳及び生クリーム以外の乳製品に由来する無脂乳固形分を主原料とする合成クリーム及び該合成クリームと生クリームを混合したコンパウンドクリームの加熱殺菌処理工程における風味劣化を低減する方法を提供することにある。
本発明者らは鋭意研究を行った結果、水中油型乳化物の製造において、水中油型乳化物の原料である、油脂、乳蛋白質等が長時間に渡り高温に晒されることが風味劣化の要因であり、原材料の調合工程(予備乳化工程)、加熱殺菌前の予備加熱工程を可及的に低温下で行うことが有効であるという知見を得て、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の第1は、油脂分10〜50重量%及び乳蛋白質を含む水中油型乳化物の製造方法であって、予備乳化工程、予備加熱工程、加熱殺菌工程、冷却工程及びエージング工程からなる水中油型乳化物の製造方法において、予備乳化工程温度を50〜70℃で、かつ予備加熱工程温度を50〜80℃とすることを特徴とする水中油型乳化物の製造方法である。第2は、水中油型乳化物の乳蛋白質が脱脂乳、脱脂濃縮乳、脱脂粉乳、全脂粉乳、チーズホエーパウダーから選択されるいずれかの1種以上由来である、第1記載の水中油型乳化物の製造方法である。第3は、予備乳化工程温度を50〜65℃、かつ予備加熱工程温度を50〜65℃とする第1または第2記載の水中油型乳化物の製造方法である。第4は、加熱殺菌後の冷却が間接冷却のみである第1から第3のいずれか1に記載の水中油型乳化物の製造方法である。
本発明により、加熱殺菌処理工程における風味劣化が低減された風味良好な水中油型乳化物を得ることが可能となった。特に、植物性油脂と生乳及び生クリーム以外の乳製品由来の無脂乳固形分を主原料とする合成クリーム及び該合成クリームと生クリームを混合したコンパウンドクリームの加熱殺菌処理工程における風味劣化の低減が可能となった。
本発明の水中油型乳化物を無菌的に容器充填することにより、保存性に優れ風味良好な水中油型乳化物の提供が可能となった。
本発明の水中油型乳化物の製造方法は、油脂、乳蛋白質、乳化剤及び水などの原材料、添加剤を調合する予備乳化工程、加熱殺菌前の予備加熱工程、加熱殺菌工程、冷却工程、エージング工程からなる。
予備乳化工程は、原材料である油脂、乳蛋白質由来原料、糖類、水、乳化剤、増粘剤、塩類、色素、香料などの各種添加剤を加熱、撹拌しながら添加、混合し予備乳化する工程である。本発明における予備乳化温度は50〜70℃が好ましく、さらに好ましくは50〜65℃、最も好ましくは50〜60℃である。予備乳化温度が50℃未満であると、高融点の油脂や添加剤が完全融解せず、予備乳化が不完全になるため好ましくない。逆に70℃を超えると、最終的に得られる水中油型乳化物の風味低下、特に乳味感の低下が顕著になるため好ましくない。予備乳化工程には、プロペラなどの撹拌機を保持する各種調合タンクが使用できる。
予備加熱工程は、予備乳化後に加熱殺菌工程に供する予備乳化液を予備加熱し、加熱殺菌工程の熱効率を高めるために行われる。本発明における予備加熱温度は50〜80℃が好ましく、さらに好ましくは50〜70℃、最も好ましくは50〜65℃である。予備加熱温度が50℃未満であると、高融点の油脂や添加剤が完全融解せずまたは再固化による不溶化が起こる恐れがあり、予備乳化が不完全になるため好ましくない。逆に80℃を超えると、最終的に得られる水中油型乳化物の風味低下、特に乳味感の低下が顕著になるため好ましくない。本発明においては、予備乳化温度、予備加熱温度とも50〜70℃であるのが好ましい。予備加熱工程は、予備乳化工程の調合タンク中で撹拌しながら熱水、温水、蒸気などの熱媒体で加熱するバッチ加熱でもよいし、連続的に加熱するプレート式などの間接加熱装置による連続加熱でもよい。
加熱殺菌工程は予備乳化物を無菌化するための加熱殺菌工程であり、加熱殺菌工程での水中油型乳化物の品温が90〜150℃の範囲で加熱殺菌されるのが好ましく、より好ましくは110℃〜150℃の範囲であり、更に好ましくは120℃〜150℃の範囲である。加熱殺菌方式には間接加熱方式と直接加熱方式の主に2種類があって、間接加熱処理する装置としてはAPVプレート式UHT処理装置(APV株式会社製)、CP-UHT滅菌装置(クリマティー・パッケージ株式会社製)、ストルク・チューブラー型滅菌装置(ストルク株式会社製)、コンサーム掻取式UHT滅菌装置(テトラパック・アルファラベル株式会社製)等が例示できるが、特にこれらにこだわるものではない。また、直接加熱式滅菌装置としては、超高温滅菌装置(岩井機械工業(株)製)、ユーペリゼーション滅菌装置(テトラパック・アルファラバル株式会社製)、VTIS滅菌装置(テトラパック・アルファラバル株式会社製)、ラギアーUHT滅菌装置(ラギアー株式会社製)、パラリゼーター(パッシュ・アンド・シルケーボーグ株式会社製)等のUHT滅菌装置が例示でき、これらの何れの装置を使用してもよい。
本発明の加熱殺菌方式としては、直接加熱方式の直接蒸気吹き込み方式がより好ましい。直接加熱で蒸気を吹き込む方が加熱時間が短く、水中油型乳化物中の油脂、乳蛋白質等の成分の劣化が抑えられるので好ましい。 間接加熱方式では、加熱時間が長くなるため、熱変性がおこり易くなり、風味劣化する可能性が高くなる。
本発明の加熱殺菌後の冷却工程は、間接冷却及び/又は蒸発冷却であるのが好ましい。間接冷却方式としては、APVプレート式UHT処理装置(APV株式会社製)、CP-UHT滅菌装置(クリマティー・パッケージ株式会社製)、ストルク・チューブラー型滅菌装置(ストルク株式会社製)、コンサーム掻取式UHT滅菌装置(テトラパック・アルファラベル株式会社製)等が例示できる。また、蒸発冷却方式としては、超高温滅菌装置(岩井機械工業(株)製)、ユーペリゼーション滅菌装置(テトラパック・アルファラバル株式会社製)、VTIS滅菌装置(テトラパック・アルファラバル株式会社製)、ラギアーUHT滅菌装置(ラギアー株式会社製)、パラリゼーター(パッシュ・アンド・シルケーボーグ株式会社製)等のUHT滅菌装置等が例示できる。
本発明の加熱殺菌後の冷却工程は、間接冷却及び/又は蒸発冷却であり、何れの方式も採用できるが、間接冷却のみであるのがより好ましい。蒸発冷却では、水とともに水中油型乳化物中の香気成分などの風味成分も飛散し風味が薄くなる可能性が高いが、間接冷却ではこの危険性がなくなるのでより好ましい。
本発明の水中油型乳化物の油脂分は、10〜50重量%が好ましく、より好ましくは15〜48重量%であり、更に好ましくは20〜48重量%である。油脂分が多すぎると水中油型乳化物又は起泡性水中油型乳化物がボテ(可塑化状態)易くなるため好ましくない。逆に、少なすぎると、液状の水中油型乳化物の場合は油脂分に由来する濃厚な口当たり、風味が得にくくなり、起泡性水中油型乳化物の場合は起泡性、保形性が悪化する傾向になるため好ましくない。
本発明の水中油型乳化物に使用する油脂としては、大豆油、綿実油、コーン油、サフラワー油、オリーブ油、パーム油、菜種油、米ぬか油、ゴマ油、カポック油、ヤシ油、パーム核油、乳脂、ラード、魚油、鯨油等の各種の動植物油脂及びそれらの硬化油、分別油、エステル交換油等の加工油脂(融点15〜40℃程度のもの)が例示できる。
本発明の水中油型乳化物に使用する乳蛋白質含有原材料としては、生乳、牛乳、脱脂乳、生クリーム、濃縮乳、無糖練乳、加糖練乳、全脂粉乳、脱脂粉乳、バターミルクパウダー、ホエー蛋白、酸カゼイン、レンネットカゼイン、若しくはカゼインナトリウム、カゼインカルシウム、カゼインカリウム等のカゼイン類、またはトータルミルクプロテイン乳が例示できる。上記の乳蛋白質含有原材料の中でも、脱脂乳、脱脂濃縮乳、脱脂粉乳、全脂粉乳、チーズホエーパウダーから選択されるいずれかの1種以上であるのが、使い勝手の良さと風味の良さの点で、より好ましい。
本発明の水中油型乳化物の乳蛋白質含有原材料に由来する無脂乳固形分含有量は、0.3〜10重量%が好ましく、より好ましくは0.3〜8重量%であり、更に好ましくは0.3〜5重量%である。無脂乳固形分が少なすぎると、水中油型乳化物の乳化安定性が悪くなるため好ましくない。逆に、無脂乳固形分が多すぎると殺菌工程で風味劣化が起こりやすくなるため好ましくない。
本発明の水中油型乳化物は、必要により糖類を含有させることができる。糖類としては、ショ糖、果糖、ブドウ糖、乳糖、麦芽糖、転化糖、トレハロース、糖アルコール、コーンシロップ、水あめ、デキストリンが例示できる。糖アルコールとしてはエリスリトール、マンニトール、ソルビトール、キシリトール等の単糖アルコール、イソマルチトール、マルチトール、ラクチトール等の2糖アルコール、マルトトリイトール、イソマルトトリイトール、パニトール等の3糖アルコール、オリゴ糖アルコール等の4糖以上の糖アルコール、還元澱粉糖化物、還元澱粉分解物が例示できる。乳蛋白質含有原材料中に存在する乳糖も、本発明の糖類に含まれる。
本発明の水中油型乳化物は、用途に応じて乳化剤、増粘多糖類、塩類を含有させるのが好ましい。乳化剤としては、例えば、レシチン、モノグリセリド、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル等の合成乳化剤が例示でき、これらの乳化剤の中から1種又は2種以上を選択して適宜使用することができる。増粘多糖類としては、ジェランガム、キサンタンガム、ローカストビーンガム、プルラン、グァーガム、サイリウムシードガム、水溶性大豆多糖類、カラギーナン、タマリンド種子ガム及びタラガムから選択される1種又は2種以上の増粘多糖類を選択して適宜使用することができる。また、塩類としては、ヘキサメタリン酸塩、第2リン酸塩、クエン酸ナトリウム、ポリリン酸塩、重曹等を1種又は2種以上混合使用することができる。その他、所望により、香料、色素、保存料等を含有させることができる。
本発明の水中油型乳化物は、加熱殺菌処理工程における風味劣化が低減された風味良好な水中油型乳化物であり、各種洋菓子、デザート類等の嗜好性を高めるための起泡性水中油型乳化物(ホイップクリーム)や練り込み用水中油型乳化物、コーヒーホワイトナー、調理用水中油型乳化物などに幅広く利用することができる。
以下に本発明の実施例を示し本発明をより詳細に説明するが、本発明の精神は以下の実施例に限定されるものではない。なお、例中、%及び部は、いずれも重量基準を意味する。また、結果については以下の方法で評価した。
<起泡性水中油型乳化物の評価方法>
(1)ホイップタイム:品温5℃の水中油型乳化物1Kgにグラニュー糖80g加えてホバートミキサー(HOBART CORPORATION製 MODEL N−5)3速(300rpm)にてホイップし、最適起泡状態に達するまでの時間
(2)オーバーラン:[(一定容積の水中油型乳化物重量)ー(一定容積の起泡後の起泡物重量)]÷(一定容積の起泡後の起泡物重量)×100
(3)ホイップした水中油型乳化物の美味しさを評価した。風味は主に乳味感についてパネラー10人により5段階で評価し、その平均値を風味スコアとした。
5段階評価 5;乳味非常に良好 4;乳味良好 3;通常の風味 2;やや悪
い風味 1;悪い風味
実施例1
予備乳化タンクへの仕込み総重量40kgにて、油相、水相を調合し、予備乳化を行った。油相は、それぞれ60℃、30分以上の加熱で融解したパーム核油(上昇融点28℃)16.4部、パーム核油中融点部(上昇融点34℃)7部及びパーム核油/パーム油=50/50のエステル交換油(上昇融点31℃)7部に対しレシチン0.3部、ポリグリセリン不飽和脂肪酸エステル(阪本薬品工業(株)製、商品名SYグリスターMO−3S)0.015部を添加混合溶解し油相を得た。
これとは別に水50.2部に、脱脂粉乳5部、飽和脂肪酸エステル(三菱化学フーズ(株)製、 商品名:S−570)0.21部、ポリグリセリン飽和脂肪酸エステル(阪本薬品工業(株)製、商品名SYグリスターMS−5S)0.075部、ヘキサメタリン酸ナトリウム0.2部、重曹0.02部、キサンタンガム0.01部、ジェランガム0.05部を溶解し水相を調製した。
上記油相と水相を64℃で30分間ホモミキサーで攪拌し予備乳化した後、64℃で保温した状態で超高温滅菌装置(岩井機械工業(株)製)に供し、連続的に144℃において4秒間の直接加熱方式による滅菌処理を行った後、4MPa の均質化圧力で均質化して、プレート式間接冷却装置(岩井機械工業(株)製)を用いて連続的に10℃まで冷却した。冷却後、5℃で約24時間エージングして、起泡性水中油型乳化物を得た。超高温滅菌装置での蒸気加熱による水分増加量は13.5部であった。
この起泡性水中油型乳化物1kgに80gのグラニュー糖を加えて上記ホイップ方法にてホイップし、上記の方法に従いオーバーランの測定を行った。またホイップしたクリームの風味、口溶けの評価を行った。結果を表1に纏めた。
実施例2
実施例1の水相の水を48.9部から51.5部に変更し、さらに「予備乳化した後、64℃で保温」に代えて、予備乳化後にプレート式間接加熱装置(岩井機械工業(株)製)で連続的に72℃まで加熱してから、実施例1同様に、超高温滅菌、均質化、冷却、エージングを行い、起泡性水中油型乳化物を得た。超高温滅菌装置での蒸気加熱による水分増加量は12.3部であった。得られた起泡性水中油型乳化物を実施例1同様にホイップし、ホイップしたクリームの評価を行った。結果を表1に纏めた。
比較例1
実施例2の水相の水を50.2部から52.7部に変更し、さらに実施例2の「予備乳化後に連続的に72℃まで加熱」に代えて、予備乳化後に連続的に80℃まで加熱してから、実施例1同様に、超高温滅菌、均質化、冷却、エージングを行い、起泡性水中油型乳化物を得た。超高温滅菌装置での蒸気加熱による水分増加量は11.1部であった。得られた起泡性水中油型乳化物を実施例1同様にホイップし、ホイップしたクリームの評価を行った。結果を表1に纏めた。
実施例3
実施例1の水相に代えて、水39.4部、脱脂濃縮乳(四つ葉乳業(株)製)15.8部蔗糖飽和脂肪酸エステル(三菱化学フーズ(株)製、 商品名:S−570)0.21部、ポリグリセリン飽和脂肪酸エステル(阪本薬品工業(株)製、商品名SYグリスターMS−5S)0.075部、ヘキサメタリン酸ナトリウム0.2部、重曹0.02部、キサンタンガム0.01部、グァーガム0.05部を溶解し水相を調製した。得られた水相と実施例1の油相を実施例1同様に、予備乳化、64℃保温、超高温滅菌、均質化、冷却、エージングを行い、起泡性水中油型乳化物を得た。超高温滅菌装置での蒸気加熱による水分増加量は13.5部であった。得られた起泡性水中油型乳化物を実施例1同様にホイップし、ホイップしたクリームの評価を行った。結果を表1に纏めた。
実施例4
実施例3の水相の水を38.1部から40.7部に変更し、さらに「予備乳化した後、64℃で保温」に代えて、予備乳化後にプレート式間接加熱装置(岩井機械工業(株)製)で連続的に72℃まで加熱してから、実施例3同様に、超高温滅菌、均質化、冷却、エージングを行い、起泡性水中油型乳化物を得た。超高温滅菌装置での蒸気加熱による水分増加量は12.3部であった。得られた起泡性水中油型乳化物を実施例1同様にホイップし、ホイップしたクリームの評価を行った。結果を表1に纏めた。
比較例2
実施例4の水相の水を39.4部から42.3部に変更し、さらに実施例4の「予備乳化後に連続的に72℃まで加熱」に代えて、予備乳化後に連続的に80℃まで加熱してから、実施例1同様に、超高温滅菌、均質化、冷却、エージングを行い、起泡性水中油型乳化物を得た。超高温滅菌装置での蒸気加熱による水分増加量は11.1部であった。得られた起泡性水中油型乳化物を実施例1同様にホイップし、ホイップしたクリームの評価を行った。結果を表1に纏めた。
表1
Figure 2015053885
表1に示すように、予備乳化温度64℃で、予備加熱温度が64℃及び72℃の実施例1〜2、実施例3〜4は、予備加熱温度が80℃の比較例1、比較例2と対比して優れた乳味感を示した。なお、表1の各例とも超高温殺菌による水分増加を考慮して、最終的に得られた水中油型乳化物の重量が100部となるよう水相の水の量を調整している。
実施例5
実施例1の水相の脱脂粉乳5部を、脱脂粉乳3部と乳糖2部に代えて、得られた水相と実施例1の油相を実施例1同様に、予備乳化、64℃保温、超高温滅菌、均質化、冷却、エージングを行い、起泡性水中油型乳化物を得た。超高温滅菌装置での蒸気加熱による水分増加量は13.5部であった。得られた起泡性水中油型乳化物を実施例1同様にホイップし、ホイップしたクリームの評価を行った。結果を表2に纏めた。
比較例3
実施例5の水相の水を50.2部から52.7部に変更し、さらに「予備乳化した後、64℃で保温」に代えて、予備乳化後にプレート式間接加熱装置(岩井機械工業(株)製)で連続的に80℃まで加熱してから、実施例5同様に、超高温滅菌、均質化、冷却、エージングを行い、起泡性水中油型乳化物を得た。超高温滅菌装置での蒸気加熱による水分増加量は11.1部であった。得られた起泡性水中油型乳化物を実施例1同様にホイップし、ホイップしたクリームの評価を行った。結果を表2に纏めた。
実施例6
実施例1の水相の脱脂粉乳5部を、チーズホエーパウダー(ロチェスター(株)製)5部に代えて、得られた水相と実施例1の油相を実施例1同様に、予備乳化、64℃保温、超高温滅菌、均質化、冷却、エージングを行い、起泡性水中油型乳化物を得た。超高温滅菌装置での蒸気加熱による水分増加量は13.5部であった。得られた起泡性水中油型乳化物を実施例1同様にホイップし、ホイップしたクリームの評価を行った。結果を表2に纏めた。
比較例4
実施例6の水相の水を50.2部から52.7部に変更し、さらに「予備乳化した後、64℃で保温」に代えて、予備乳化後にプレート式間接加熱装置(岩井機械工業(株)製)で連続的に80℃まで加熱してから、実施例6同様に、超高温滅菌、均質化、冷却、エージングを行い、起泡性水中油型乳化物を得た。超高温滅菌装置での蒸気加熱による水分増加量は11.1部であった。得られた起泡性水中油型乳化物を実施例1同様にホイップし、ホイップしたクリームの評価を行った。結果を表2に纏めた。
表2
Figure 2015053885
表2に示すように、予備乳化温度64℃で、予備加熱温度が64℃の実施例5及び実施例6は、予備加熱温度が80℃の比較例3及び比較例4と対比して優れた乳味感を示した。なお、表2の各例とも超高温殺菌による水分増加を考慮して、最終的に得られた水中油型乳化物の重量が100部となるよう水相の水の量を調整している。
実施例7
予備乳化タンクへの仕込み総重量40kgにて、油相、水相を調合し、予備乳化を行った。油相は、それぞれ60℃、30分以上の加熱で融解したパーム核硬化油(上昇融点34℃)10.5部、パーム核油(上昇融点28℃)8.5部及びパーム核油/パーム油=50/50のエステル交換油(上昇融点31℃)26.7部に対しレシチン0.25部、ソルビタン不飽和脂肪酸エステル(理研ビタミン(株)製、商品名ポエムO−80V)0.015部を添加混合溶解し油相を得た。
これとは別に水42.4部に、脱脂濃縮乳(四つ葉乳業(株)製)11.9部、蔗糖飽和脂肪酸エステル(三菱化学フーズ(株)製、 商品名:S−570)0.16部、ソルビタン飽和脂肪酸エステル(理研ビタミン(株)製、商品名ポエムS−60V)0.13部、ヘキサメタリン酸ナトリウム0.06部、重曹0.02部、ミルク香料0.1部、バター香料0.05部を溶解し水相を調製した。
上記油相と水相を60℃で30分間ホモミキサーで攪拌し予備乳化した後、プレート式間接加熱装置(岩井機械工業(株)製)で連続的に64℃まで加熱してから、超高温滅菌装置(岩井機械工業(株)製)に供し、連続的に144℃において4秒間の直接加熱方式による滅菌処理を行った後、減圧蒸発冷却装置(岩井機械工業(株)製)により71℃まで冷却した。その後、4MPa の均質化圧力で均質化して、プレート式間接冷却装置(岩井機械工業(株)製)を用いて連続的に10℃まで冷却した。冷却後、5℃で約24時間エージングして、起泡性水中油型乳化物を得た。
この起泡性水中油型乳化物4kgに320gのグラニュー糖を加えて、20コートミキサーの3速にて最適起泡状態に達するまでホイップし、オーバーランの測定を行った。またホイップしたクリームの風味、口溶けの評価を行った。結果を表3に纏めた。
実施例8
実施例7の、「油相と水相を60℃で30分間ホモミキサーで攪拌し予備乳化」の60℃を66℃に代えて、また「予備乳化後に連続的に64℃まで加熱」の加熱を冷却に代えて、実施例7同様に起泡性水中油型乳化物を得た。得られた起泡性水中油型乳化物を実施例7同様にホイップし、ホイップしたクリームの評価を行った。結果を表3に纏めた。
実施例9
実施例7の、「予備乳化後に連続的に64℃まで加熱」の64℃を78℃に代えて、実施例7同様に起泡性水中油型乳化物を得た。得られた起泡性水中油型乳化物を実施例7同様にホイップし、ホイップしたクリームの評価を行った。結果を表3に纏めた。
実施例10
実施例8の、「予備乳化後に連続的に64℃まで加熱」の64℃を78℃に代えて、実施例7同様に起泡性水中油型乳化物を得た。得られた起泡性水中油型乳化物を実施例7同様にホイップし、ホイップしたクリームの評価を行った。結果を表3に纏めた。
比較例5
実施例7の、「油相と水相を60℃で30分間ホモミキサーで攪拌し予備乳化」の60℃を78℃に代えて、また「予備乳化後に連続的に64℃まで加熱」の64℃を78℃に代えて、実施例7同様に起泡性水中油型乳化物を得た。得られた起泡性水中油型乳化物を実施例7同様にホイップし、ホイップしたクリームの評価を行った。結果を表3に纏めた。
表3
Figure 2015053885
予備乳化温度が60℃又は66℃の実施例7〜10は、予備乳化温度が78℃の比較例5対比で乳味感が優れたものであった。特に、予備加熱温度も64℃であった実施例7及び実施例8は優れた乳味感を示す美味しいものであった。
本発明は、油脂、乳蛋白質、乳化剤及び水を含む水中油型乳化物の加熱殺菌処理工程における風味劣化を低減するための簡便な水中油型乳化物の製造方法に関する。特に、植物性油脂と生乳及び生クリーム以外の乳製品由来の無脂乳固形分を主原料とする合成クリーム及び該合成クリームと生クリームを混合したコンパウンドクリームの加熱殺菌処理工程における風味劣化を低減する方法に関する。

Claims (4)

  1. 油脂分10〜50重量%及び乳蛋白質を含む水中油型乳化物の製造方法であって、予備乳化工程、予備加熱工程、加熱殺菌工程、冷却工程及びエージング工程からなる水中油型乳化物の製造方法において、予備乳化工程温度を50〜70℃で、かつ予備加熱工程温度を50〜80℃とすることを特徴とする水中油型乳化物の製造方法。
  2. 水中油型乳化物の乳蛋白質が脱脂乳、脱脂濃縮乳、脱脂粉乳、全脂粉乳、チーズホエーパウダーから選択されるいずれかの1種以上由来である、請求項1記載の水中油型乳化物の製造方法。
  3. 予備乳化工程温度を50〜65℃、かつ予備加熱工程温度を50〜65℃とする請求項1または請求項2記載の水中油型乳化物の製造方法。
  4. 加熱殺菌後の冷却が間接冷却のみである請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の水中油型乳化物の製造方法。
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