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JP2015038579A - 光学素子、光学系、撮像装置、光学機器、ならびに原盤およびその製造方法 - Google Patents

光学素子、光学系、撮像装置、光学機器、ならびに原盤およびその製造方法 Download PDF

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JP2015038579A JP2013169741A JP2013169741A JP2015038579A JP 2015038579 A JP2015038579 A JP 2015038579A JP 2013169741 A JP2013169741 A JP 2013169741A JP 2013169741 A JP2013169741 A JP 2013169741A JP 2015038579 A JP2015038579 A JP 2015038579A
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Kazuya Hayashibe
和弥 林部
正光 影山
Masamitsu Kageyama
正光 影山
金口 時久
Tokihisa Kanaguchi
時久 金口
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Abstract

【課題】サブ波長構造体が表面に形成された光学素子(レンズなど)を光学系に用いた場合、回折光(迷光)が発生することがあり、回折光の発生を抑制できる光学素子、光学系、撮像装置、光学機器、ならびに原盤およびその製造方法を提供する。【解決手段】光学素子11は、複数の構造体13が設けられた表面を有する。複数の構造体13は、可視光の波長以下の間隔で、かつ、格子点からランダム方向にゆらいで設けられている。【選択図】図4

Description

本技術は、表面に複数の構造体を有する光学素子、光学系、撮像装置、光学機器、ならびに原盤およびその製造方法に関する。
従来より、光学素子の技術分野においては、光の表面反射を抑えるための技術が種々用いられている。それらの技術の1つとして、光学素子表面にサブ波長構造体を形成するものがある(例えば非特許文献1参照)。
一般に、光学素子表面に周期的な凹凸形状を設けた場合、ここを光が透過するときには回折が発生し、透過光の直進成分が大幅に減少する。しかし、凹凸形状のピッチが透過する光の波長よりも短い場合には回折は発生せず、有効な反射防止効果を得ることができる。
上述の反射防止技術は、優れた反射防止特性を有するために様々な光学素子表面に適用することが検討されている。例えば、特許文献1参照では、レンズ表面にサブ波長構造体を形成する技術が提案されている。
特開2011−002853号公報
「光技術コンタクト」 Vol.43, No.11 (2005), 630-637参照
しかしながら、サブ波長構造体が表面に形成された光学素子(レンズなど)を光学系に用いた場合、回折光(迷光)が発生することがある。
したがって、本技術の目的は、回折光の発生を抑制できる光学素子、光学系、撮像装置、光学機器、ならびに原盤およびその製造方法を提供することにある。
上述の課題を解決するために、第1の技術は、
複数の構造体が設けられた表面を有し、
複数の構造体は、可視光の波長以下の間隔で、かつ、格子点からランダム方向にゆらいで設けられている光学素子である。
第2の技術は、
複数の構造体が設けられた表面を有し、
複数の構造体は、可視光の波長以下の間隔で、かつ、格子点からランダム方向にゆらいで設けられている原盤である。
第3の技術は、
複数の開口部が格子点からランダム方向にゆらいで設けられている複数のマスクを用いて、原盤上に成膜されたレジスト層に複数の露光部を形成する工程と、
複数の露光部が形成されたレジスト層を現像して、レジストパターンを形成する工程と、
レジストパターンをマスクとしてエッチング処理を施すことで、可視光の波長以下の間隔で複数の構造体が設けられた表面を原盤に形成する工程と
を備える原盤の製造方法である。
以上説明したように、本技術によれば、回折光の発生を抑制できる。
図1A〜図1Dは、多重露光を利用した露光パターンの形成方法について説明するための概略図である。 図2Aは、複数の構造体が理想的な位置に設けられた光学素子表面を示す平面図である。図2Bは、図2Aに示した表面を有する光学素子の作用を説明するための断面図である。 図3Aは、複数の構造体が理想的な位置からずれて設けられた光学素子表面を示す平面図である。図3Bは、図3Aに示した表面を有する光学素子の作用を説明するための断面図である。 図4Aは、本技術の第1の実施形態に係る光学素子の構成の一例を示す平面図である。図4Bは、図4Aに示した光学素子の一部を拡大して表す平面図である。図4Cは、図4BのA−A線に沿った断面図である。 図5は、図4Bに示した正方格子を拡大して表す平面図である。 図6は、本技術の第1の実施形態に係る光学素子の作用を説明するための断面図である。 図7は、本技術の第1の実施形態に係る原盤の構成の一例を説明するための平面図である。 図8Aは、図7に示した原盤の一部を拡大して表す平面図である。図8Bは、図8AのA−A線に沿った断面図である。 図9A〜図9Dはそれぞれ、第1〜第4のレチクルの構成の一例を説明するための平面図である。 図10は、図9Aに示した正方格子を拡大して表す平面図である。 図11A〜図11Dは、本技術の第1の実施形態に係る光学素子の製造方法の一例を説明するための断面図である。 図12A〜図12Cは、本技術の第1の実施形態に係る光学素子の製造方法の一例を説明するための断面図である。 図13は、露光パターンの一例を示す平面図である。 図14は、本技術の第2の実施形態に係る光学素子の構成の一例を示す平面図である。 図15A〜図15Dはそれぞれ、第1〜第4のレチクルの構成の一例を説明するための平面図である。 図16は、露光パターンの一例を示す平面図である。 図17は、本技術の第3の実施形態に係る光学素子の構成の一例を示す平面図である。 図18A〜図18Cはそれぞれ、第1〜第3のレチクルの構成の一例を説明するための平面図である。 図19は、露光パターンの一例を示す平面図である。 図20Aは、本技術の第4の実施形態に係る撮像装置の構成の一例を示す概略図である。図20Bは、イメージセンサ素子のパッケージの構成の一例を示す概略断面図である。 図21は、本技術の第5の実施形態に係る撮像装置の構成の一例を示す概略図である。 図22A、図22B、図22Cはそれぞれ、実施例1、比較例1、参考例1に係る光学素子の回折スポットの評価結果を示す図である。 図23A、図23Bはそれぞれ、実施例1、比較例1に係る光学素子の回折スポット断面光強度を示す図である。
本技術は、サブ波長構造体が表面に形成された光学素子、その光学素子を備える光学系、およびその光学素子または光学系を備える撮像装置や光学機器などに適用して好適なものである。また、本技術は、撮像装置を備える電子機器に適用しても好適なものである。光学素子としては、例えば、レンズ、フィルタ、半透過型ミラー、調光素子、プリズム、偏光素子などが挙げられるが、これに限定されるものではない。撮像装置としては、例えば、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラなどが挙げられるが、これに限定されるものではない。光学機器としては、例えば、望遠鏡、顕微鏡、露光装置、測定装置、検査装置、分析機器などが挙げられるが、これに限定されるものではない。
<概要>
複数の構造体が可視光の波長以下の間隔で表面に設けられた光学素子は、原盤の凹凸形状を樹脂材料に転写することにより形成するのが一般的である。この原盤の凹凸形状は、フォトリソグラフィ技術とエッチング技術との組み合わせにより形成される。フォトリソグラフィ技術としては、レチクル(フォトマスク)を用いてステップ&リピートにより、原盤表面のレジスト層に露光パターンを形成する技術が用いられている。
ところで、近年では、光学素子表面にける構造体のピッチを狭ピッチ化し、構造体の密度向上を実現することが望まれている。この要望に応えるための技術の1つとして、多重露光を利用した露光パターンの形成方法がある。
ここで、図1A〜図1Dを参照して、多重露光を利用した露光パターンの形成方法について説明する。露光パターンを形成するためのレチクルとしては、光学素子表面に形成される構造体の配置ピッチに対して2倍の配置ピッチを有する4種のレチクルを用いる。
まず、第1のレチクルを用いて、図1Aに示すように、隣接する露光部間の距離が2Lとなるように正方格子状に複数の第1の露光部(図1中に番号「1」にて示した露光部)301を形成する。
次に、第1のレチクルに代えて第2のレチクルを用いて、図1Bに示すように、各第1の露光部301の位置からX軸方向に距離Lずれた位置に各第2の露光部(図1中に番号「2」にて示した露光部)302を形成する。
次に、第2のレチクルに代えて第3のレチクルを用いて、図1Cに示すように、各第1の露光部301の位置からX軸方向に距離Lずれ、かつY軸方向に距離Lずれた位置に各第3の露光部(図1中に番号「3」にて示した露光部)303を形成する。
次に、第3のレチクルに代えて第4のレチクルを用いて、図1Dに示すように、各第1の露光部301の位置からY軸方向に距離Lずれた位置に各第4の露光部(図1中に番号「4」にて示した露光部)304を形成する。
以上により、第1〜第4の露光部301〜304からなる露光パターンがレジスト層に形成される。本明細書では、このように複数のレチクルを用いて、露光パターンを複数回に分けて形成し、最終的に所望とする露光パターンを得る露光方法を「多重露光」という。
最終的に作製される光学素子の表面には、図2A、図2Bに示すように、露光パターンに対応する規則正しい複数の構造体312のパターンが形成される。なお、図2Aにおいて、構造体312中に付された番号「1」〜「4」はそれぞれ、第1〜第4の露光部301〜304との対応関係を示している。このような理想的な反射防止表面を有する光学素子311に光が入射すると、図2Bに示すように、回折光(±1次回折光)は発生せずに、透過光(0次回折光)のみが生じる。
しなしながら、本発明者の知見によれば、多重露光の際、第1〜第4のレチクルに位置精度誤差(アライメント誤差)が生じ、露光パターンの形成位置が理想的な形成位置からずれてしまうことがある。このように露光位置にずれが生じると、図3Aに示すように、最終的に得られる光学素子311の各構造体312の位置にもずれが発生する。なお、図3中に破線にて記した円312aは、多重露光の際、第1〜第4のレチクルに位置精度誤差(アライメント誤差)が生じなかったと仮定したときの構造体の形成位置を示している。上述のように各構造体312の位置にずれが生じると、構造体312の周期構造の基本単位が、露光回数(第1〜第4のレチクルを用いた例では4回)に相当する分、大きくなり、構造周期が長くなる。
より具体的には、レチクルに位置精度誤差がない理想状態であれば、図2Aに示すように、鎖線にて囲んだ1個の構造体312を単位構造UAとし、この単位構造UAがX軸方向およびY軸に周期的に繰り返される。一方、レチクルに位置精度誤差が生じる実際の状態であれば、図3Aに示すように、鎖線にて囲んだ4個の構造体312を単位構造UBとし、この単位構造UBがX軸方向およびY軸方向に周期的に繰り返される。ここで、図3Aに示した単位構造UBは、図2Aに示した単位構造UAの4倍の大きさである。
上述のように、周期構造の基本単位が大きくなり、構造周期が長くなった反射防止表面に光が入射すると、図3Bに示すように、回折光(±1次回折光)が発生する。このような光学素子311を光学系に適用すると、回折スポットなどの迷光が発生する。
そこで、本発明者らは、回折光(迷光)の発生を抑制すべく、鋭意検討を行った。その結果、露光に用いる複数のレチクルの各開口部に空間的なランダムなゆらぎを付与することで、光学素子表面の各構造体の配置位置にもランダムなゆらぎが生じ、これにより迷光の発生が抑制されることを見出すに至った。
本技術の実施形態について図面を参照しながら以下の順序で説明する。
1 第1の実施形態(各構造体が正方格子の格子点からゆらいで設けられた例)
1.1 光学素子の構成
1.2 原盤の構成
1.3 光学素子の作用
1.4 レチクルの構成
1.5 光学素子の製造方法
1.6 効果
2 第2の実施形態(各構造体が長方格子の格子点からゆらいで設けられた例)
2.1 光学素子の構成
2.2 レチクルの構成
2.3 光学素子の製造方法
3 第3の実施形態(各構造体が六方格子の格子点からゆらいで設けられた例)
3.1 光学素子の構成
3.2 レチクルの構成
3.3 光学素子の製造方法
4 第4の実施形態(光学素子をデジタルカメラに適用した例)
4.1 概要
4.2 デジタルカメラの構成
4.3 効果
5.第5の実施形態(光学素子をデジタルビデオカメラに適用した例)
5.1 概要
5.2 デジタルビデオカメラの構成
5.3 効果
<1.第1の実施形態>
[1.1 光学素子の構成]
以下、図4A〜図4C、図5を参照して、光学素子11の構成の一例について説明する。光学素子11は、図4A〜図4Cに示すように、表面を有する基体12と、この基体12の表面に設けられた複数の構造体13とを備える。構造体13と基体12とは、別成形または一体成形されている。構造体13と基体12とが別成形されている場合には、必要に応じて構造体13と基体12との間に中間層14をさらに備えるようにしてもよい。中間層14は、構造体13の底面側に構造体13と一体成形される層であり、構造体13と同様の材料により構成されている。ここでは、光学素子11の表面の面内において直交する2方向をそれぞれX軸方向(第1方向)、Y軸方向(第2方向)と称し、その表面(XY平面)に垂直な方向をZ軸方向(第3方向)と称する。
以下、光学素子11に備えられる基体12、および構造体13について順次説明する。
(基体)
基体12は、透明性を有している。基体12の材料は、透明性を有する材料であればよく、有機材料および無機材料のいずれを用いてもよい。無機基材の材料としては、例えば、石英、サファイア、ガラスなどが挙げられる。有機材料としては、例えば、一般的な高分子材料を用いることができる。一般的な高分子材料としては、具体的には例えば、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリエステル(TPEE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリイミド(PI)、ポリアミド(PA)、アラミド、ポリエチレン(PE)、ポリアクリレート、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン、ポリプロピレン(PP)、ジアセチルセルロース、ポリ塩化ビニル、アクリル樹脂(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、エポキシ樹脂、尿素樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、シクロオレフィンポリマー(COP)、シクロオレフィンコポリマーなどがあげられる。
基体12の材料として有機材料を用いる場合、基体12の表面の表面エネルギー、塗布性、すべり性および平面性などを改善するために、表面処理として下塗り層を設けるようにしてもよい。この下塗り層の材料としては、例えば、オルガノアルコキシメタル化合物、ポリエステル、アクリル変性ポリエステル、ポリウレタンなどが挙げられる。また、下塗り層を設けるのと同様の効果を得るために、基体12の表面に対してコロナ放電、UV照射処理などの表面処理を施すようにしてもよい。
基体12の形状としては、例えば、フィルム状、板状、ブロック状を挙げることができるが、特にこれらの形状に限定されるものではない。ここで、フィルム状にはシート状が含まれるものと定義する。基体12の厚さは、例えば25μm〜500μm程度である。基体12がプラスチックフィルムである場合には、基体12は、例えば、上述の樹脂を延伸、または溶剤に希釈後、フィルム状に成膜して乾燥するなどの方法で得ることができる。基体12が、光学素子11の適用対象となる部材や機器などの構成要素であってもよい。
基体12の表面は平面に限定されるものではなく、凹凸面、多角形面、曲面またはこれらの形状の組み合わせであってもよい。曲面としては、例えば、部分球面、部分楕円面、部分放物面、自由曲面などが挙げられる。ここで、部分球面、部分楕円面、部分放物面はそれぞれ、球面、楕円面、放物面の一部の面のことを意味する。
なお、図4Aでは、基体12の表面をZ軸方向から見たときの形状が矩形状である例が示されているが、基体12の表面形状は矩形状に限定されるものではなく、光学素子11の適用する部材や機器などの表面形状に応じて選択することが可能である。
(構造体)
構造体13は、いわゆるサブ波長構造体である。構造体13は、基体12の表面に対して凸状を有する。複数の構造体13は、図5に示すように、反射の低減を目的とする光の波長帯域以下の間隔Lbで、正方格子Uaの格子点Oaからランダム方向にゆらいで設けられている。すなわち、複数の構造体13は、歪み正方格子Ubの各格子点Obに配置され、かつ、各歪み正方格子Ubの歪み方は、ランダムである。なお、図4Bおよび図5において、破線で示された各構造体13aは、正方格子Uaの各格子点Oaに配置される仮想的な構造体を示している。
ここで、反射の低減を目的とする光の波長帯域は、例えば、紫外光の波長帯域、可視光の波長帯域または赤外光の波長帯域である。紫外光の波長帯域とは10nm〜360nmの波長帯域、可視光の波長帯域とは360nm〜830nmの波長帯域、赤外光の波長帯域とは830nm〜1mmの波長帯域をいう。また、歪み正方格子Ubは、正方格子Uaに歪みを付与したものを意味する。
各格子点Oaは、X、Y軸方向に同一の格子間隔Laで並んでいる。各格子点Obは、格子点Oaからランダムな方向にゆらいで、ランダムな格子間隔Lbで並んでいる。なお、図5では、格子点Oaのゆらぎの方向を矢印により示している。構造体13の中心と格子点Obとが一致するようにして、複数の構造体13は、基体12の表面に設けられている。したがって、隣接する格子点Obの間隔と、隣接する構造体13の中心間隔とは等しい。
格子点Oaを基準とする格子点Obのゆらぎ幅d(すなわち、格子点Oaを基準とする構造体13の中心位置のゆらぎ幅)は、隣接する格子点Oa間の距離Laの半分以下(La/2以下)であることが好ましい。光学素子11の反射防止特性の低下を抑制できるからである。ここで、正方格子Uaの各格子点Oaの位置は、歪み正方格子Ubの複数の格子点Obの位置を平均して求められる仮想的なものである。なお、ゆらぎの方向は、基体12の表面の面内方向(すなわちXY面内の面内方向)である。
構造体13の具体的な形状としては、例えば、錐体状、柱状、針状、半球体状、半楕円体状、多角形状などが挙げられるが、これらの形状に限定されるものではなく、他の形状を採用するようにしてもよい。錐体状としては、例えば、頂部が尖った錐体形状、頂部が平坦な錐体形状、頂部に凸状または凹状の曲面を有する錐体形状が挙げられるが、これらの形状に限定されるものではない。頂部に凸状の曲面を有する錐体形状としては、放物面状などの2次曲面状などが挙げられる。また、錐体状の錐面を凹状または凸状に湾曲させるようにしてもよい。
基体12の表面に設けられた複数の構造体13はすべて、同一の大きさ、形状および高さを有していてもよいし、複数の構造体13が、異なる大きさ、形状または高さを有するものを含んでいてもよい。また、複数の構造体13が、下部同士を重ね合うようにして繋がっているものを含んでいてもよい。
[1.2 光学素子の作用]
図6を参照して、上述の構成を有する光学素子11の作用について説明する。複数の構造体13が設けられた表面に光が入射すると、図6に示すように、回折光(±1次回折光)は発生せずに、透過光(0次光)と散乱光が生じる。したがって、図3Bに示した回折光(±1次回折光)の発生が抑制される。このような光学素子11を光学系に適用した場合に、回折スポットなどの迷光の発生が抑制される。
[1.3 原盤の構成]
図7、図8Aおよび図8Bを参照して、原盤21の構成の一例について説明する。ここでは、原盤21の表面の面内において直交する2方向をそれぞれX軸方向、Y軸方向と称し、その表面(XY平面)に垂直な方向をZ軸方向と称する。
原盤21は、上述した基体12の表面に複数の構造体13を成形するための原盤である。原盤21は、例えば、円盤状を有し、その一主面が基体12の表面に複数の構造体13を成形するための成形面とされる。この成形面には、複数の構造体22が設けられている。構造体22は、例えば、成形面に対して凹状を有している。原盤21の材料としては、例えばシリコン、ガラスなどを用いることができるが、これらの材料に特に限定されるものではない。
原盤21の成形面に設けられている複数の構造体22と、上述の基体12の表面に設けられている複数の構造体13とは、反転した凹凸関係にある。すなわち、原盤21の構造体22の配列および形状などは、基体12の構造体13と同様である。なお、図8Aにおいて、破線で示された複数の構造体22aは、正方格子Uaの格子点Oaに配置される仮想的な複数の構造体を示している。
[1.4 レチクルの構成]
図9A〜図9D、図10を参照して、第1〜第4のレチクルの構成の一例について説明する。ここでは、第1〜第4のレチクルの表面の面内において直交する2方向をそれぞれX軸方向、Y軸方向と称する。
(第1のレチクル)
図9Aおよび図10に示すように、第1のレチクルは、複数の開口部41を有する。複数の開口部41は、光学素子11の格子間隔Laの約2倍に相当する間隔Lbで、かつ、正方格子Ua1の格子点Oa1からランダム方向にゆらいで設けられている。すなわち、複数の開口部41aは、歪み正方格子Ub1の各格子点Ob1に配置され、かつ、各歪み正方格子Ub1の歪み方は、ランダムである。なお、図9A、図10において、破線で示された各開口部41aは、正方格子Ua1の各格子点Oa1に配置される仮想的な開口部を示している。
各格子点Oa1は、X、Y軸方向に同一の格子間隔2Laで並んでいる。各格子点Ob1は、格子点Oa1からランダムな方向にゆらいで、ランダムな格子間隔Lbで並んでいる。なお、図10では、格子点Oa1のゆらぎの方向を矢印により示している。開口部41の中心と格子点Ob1とが一致するようにして、複数の開口部41は、第1のレチクルに設けられている。したがって、隣接する格子点Ob1の間隔と、隣接する開口部41aの中心間隔とは等しい。
格子点Oa1を基準とする格子点Ob1のゆらぎ幅d(すなわち、格子点Oa1を基準とする開口部41aの中心位置のゆらぎ幅)は、隣接する格子点Oa間の距離Laの半分以下(La/2以下)であることが好ましい。ここで、正方格子Ua1の各格子点Oa1の位置は、歪み正方格子Ub1の複数の格子点Ob1の位置を平均して求められる仮想的なものである。
ステッパにおけるレチクルのアライメント精度をδとした場合には、格子点Oa1を基準とする格子点Ob1のゆらぎ幅dは、アライメント精度δより大きいことが好ましい。回折光(±1次回折光)の発生を抑制する効果が向上するからである。
(第2のレチクル)
図9Bに示すように、第2のレチクルは、各格子点Oa2からランダム方向にゆらいで設けられている複数の開口部42を備える以外のことは、第1のレチクルと同様の構成を有している。格子点Oa2は、正方格子Ua2の格子点であり、この正方格子Ua2は、正方格子Ua1の各格子点Oa1をX軸方向にLaずらして得られる正方格子である。
(第3のレチクル)
図9Cに示すように、第3のレチクルは、各格子点Oa3からランダム方向にゆらいで設けられている複数の開口部43を備える以外のことは、第1のレチクルと同様の構成を有している。格子点Oa3は、正方格子Ua3の格子点であり、この正方格子Ua3は、正方格子Ua1の各格子点Oa1をX軸方向にLa、Y軸方向にLaずらして得られる正方格子である。
(第4のレチクル)
図9Dに示すように、第4のレチクルは、各格子点Oa4からランダム方向にゆらいで設けられている複数の開口部44を備える以外のことは、第1のレチクルと同様の構成を有している。格子点Oa4は、正方格子Ua4の格子点であり、この正方格子Ua4は、正方格子Ua1の各格子点Oa1をY軸方向にLaずらして得られる正方格子である。
[1.5 光学素子の製造方法]
次に、図11A〜図12Cを参照しながら、本技術の第1の実施形態に係る光学素子11の製造方法の一例について説明する。
(レジスト成膜工程)
まず、図11Aに示すように、円盤状などの原盤21を準備する。次に、図11Bに示すように、原盤21の表面にレジスト層23を形成する。レジスト層23の材料としては、例えば有機系レジスト、および無機系レジストのいずれを用いてもよい。有機系レジストとしては、例えばノボラック系レジストや化学増幅型レジストを用いることができる。また、無機系レジストとしては、例えば、1種または2種以上含む金属化合物を用いることができる。
(露光工程)
次に、図11Cに示すように、原盤21の表面に形成されたレジスト層23に複数の露光部(露光パターン)23aを形成する。複数の露光部23aは、第1〜第4のレチクルを用いて、ステップ&リピートにより形成される。
ここで、図9A〜図9D、図13を参照して、露光工程の一例について詳細に説明する。なお、図13に記載された番号「1」〜「4」は、以下の露光パターンを示している。
番号「1」:第1のレチクルで形成される露光パターン
番号「2」:第2のレチクルで形成される露光パターン
番号「3」:第3のレチクルで形成される露光パターン
番号「4」:第4のレチクルで形成される露光パターン
まず、図9Aに示した開口パターンを有する第1のレチクルをステッパ(図示せず)に装着する。次に、この第1のレチクルを用いて、原盤21のレジスト層23を露光する。これにより、図13に示すように、複数の露光部31が、レジスト層23に形成される。すなわち、複数の露光部31は、光学素子11の格子間隔Laの約2倍に相当する間隔で、かつ、正方格子の格子点からランダム方向にゆらいで形成される。なお、図13において破線で示された各円31aは、図9Aにおいて破線で示された仮想的な各開口部41aにより形成される仮想的な露光部を示している。
次に、図9Bに示した開口パターンを有する第2のレチクルをステッパ(図示せず)に装着する。次に、この第2のレチクルを用いて、原盤21のレジスト層23を露光する。これにより、図13に示すように、複数の露光部32が、レジスト層23に形成される。すなわち、複数の露光部32は、光学素子11の格子間隔Laの約2倍に相当する間隔で、かつ、正方格子の格子点からランダム方向にゆらいで形成される。なお、図13において破線で示された各円32aは、図9Bにおいて破線で示された仮想的な各開口部42aにより形成される仮想的な露光部を示している。
次に、図9Cに示した開口パターンを有する第3のレチクルをステッパ(図示せず)に装着する。次に、この第3のレチクルを用いて、原盤21のレジスト層23を露光する。これにより、図13に示すように、複数の露光部33が、レジスト層23に形成される。すなわち、複数の露光部33は、光学素子11の格子間隔Laの約2倍に相当する間隔で、かつ、正方格子の格子点からランダム方向にゆらいで形成される。なお、図13において破線で示された各円33aは、図9Cにおいて破線で示された仮想的な各開口部43aにより形成される仮想的な露光部を示している。
次に、図9Dに示した開口パターンを有する第4のレチクルをステッパ(図示せず)に装着する。次に、この第4のレチクルを用いて、原盤21のレジスト層23を露光する。これにより、図13に示すように、複数の露光部34が、レジスト層23に形成される。すなわち、複数の露光部34は、光学素子11の格子間隔Laの約2倍に相当する間隔で、かつ、正方格子の格子点からランダム方向にゆらいで形成される。なお、図13において破線で示された各円34aは、図9Dにおいて破線で示された仮想的な各開口部44aにより形成される仮想的な露光部を示している。
以上の露光工程により、複数の露光部31〜34からなる露光パターンがレジスト層23に形成される。複数の露光部31〜34は、図13に示すように、光学素子11の反射の低減を目的とする光の波長帯域以下の間隔で、かつ、正方格子の格子点からランダム方向にゆらいで形成されている。すなわち、複数の露光部31〜34は、歪み正方格子の各格子点に配置され、かつ、各歪み正方格子の歪み方は、ランダムである。また、本例では4種のレチクルを用いた工程を記述したが、レチクルの種類の数はそれに限定されるわけではなく、例えば2種類であっても良い。
(現像工程)
次に、例えば、原盤21を回転させながら、レジスト層23上に現像液を滴下して、レジスト層23を現像処理する。これにより、図11Dに示すように、レジスト層23に複数の開口部23bが形成される。レジスト層23をポジ型のレジストにより形成した場合には、露光部は、非露光部と比較して現像液に対する溶解速度が増すので、図11Dに示すように、露光部(潜像)23aに応じたパターンがレジスト層23に形成される。
(エッチング工程)
次に、原盤21の上に形成されたレジスト層23のパターン(レジストパターン)をマスクとして、原盤21の表面をエッチング処理する。これにより、図12Aに示すように、原盤21の表面に複数の構造体22が形成される。エッチングとしては、ドライエッチングおよびウエットエッチングのいずれを用いてもよい。本工程において、エッチング処理とアッシング処理とを交互に行うようにしてもよい。これにより、各構造体22の形状を錐体状にすることができる。
以上により、目的とする原盤21が得られる。
(転写工程)
次に、図12Bに示すように、原盤21と、基体12上に塗布された転写材料24とを密着させた後、紫外線などのエネルギー線をエネルギー線源25から転写材料24に照射して転写材料24を硬化させた後、硬化した転写材料24と一体となった基体12を剥離する。これにより、図12Cに示すように、複数の構造体13を基体表面に有する光学素子11が作製される。次に、必要に応じて、光学素子11を所望とする大きさに切り出すようにしてもよい。
エネルギー線源25としては、電子線、紫外線、赤外線、レーザ光線、可視光線、電離放射線(X線、α線、β線、γ線など)、マイクロ波、または高周波などエネルギー線を放出可能なものであればよく、特に限定されるものではない。
転写材料24としては、エネルギー線硬化性樹脂組成物を用いることが好ましい。エネルギー線硬化性樹脂組成物としては、紫外線硬化性樹脂組成物を用いることが好ましい。エネルギー線硬化性樹脂組成物が、必要に応じてフィラーや機能性添加剤などを含んでいてもよい。
紫外線硬化性樹脂組成物は、例えばアクリレートおよび開始剤を含んでいる。紫外線硬化性樹脂組成物は、例えば、単官能モノマー、二官能モノマー、多官能モノマーなどを含み、具体的には、以下に示す材料を単独または、複数混合したものである。
単官能モノマーとしては、例えば、カルボン酸類(アクリル酸)、ヒドロキシ類(2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート)、アルキル、脂環類(イソブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、イソオクチルアクリレート、ラウリルアクリレート、ステアリルアクリレート、イソボニルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート)、その他機能性モノマー(2−メトキシエチルアクリレート、メトキシエチレンクリコールアクリレート、2−エトキシエチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、ベンジルアクリレート、エチルカルビトールアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、N,N-ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、アクリロイルモルホリン、N−イソプロピルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N−ビニルピロリドン、2−(パーフルオロオクチル)エチルアクリレート、3−パーフルオロヘキシル−2−ヒドロキシプロピルアクリレート、3−パーフルオロオクチルー2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−(パーフルオロデシル)エチル アクリレート、2−(パーフルオロー3−メチルブチル)エチル アクリレート)、2,4,6−トリブロモフェノールアクリレート、2,4,6−トリブロモフェノールメタクリレート、2−(2,4,6−トリブロモフェノキシ)エチルアクリレート)、2−エチルヘキシルアクリレートなどを挙げることができる。
二官能モノマーとしては、例えば、トリ(プロピレングリコール)ジアクリレート、トリメチロールプロパンジアリルエーテル、ウレタンアクリレートなどを挙げることができる。
多官能モノマーとしては、例えば、トリメチロールプロパントリアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ及びヘキサアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレートなどを挙げることができる。
開始剤としては、例えば、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オンなどを挙げることができる。
フィラーとしては、例えば、無機微粒子および有機微粒子のいずれも用いることができる。無機微粒子としては、例えば、SiO2、TiO2、ZrO2、SnO2、Al23などの金属酸化物微粒子を挙げることができる。
機能性添加剤としては、例えば、レベリング剤、表面調整剤、消泡剤などを挙げることができる。基体12の材料としては、例えば、メチルメタクリレート(共)重合体、ポリカーボネート、スチレン(共)重合体、メチルメタクリレート−スチレン共重合体、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート、セルロースアセテートブチレート、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアセタール、ポリエーテルケトン、ポリウレタン、ガラスなどが挙げられる。
基体12の成形方法は特に限定されず、射出成形体でも押し出し成形体でも、キャスト成形体でもよい。必要に応じて、コロナ処理などの表面処理を基体表面に施すようにしてもよい。
以上により、目的とする光学素子11が得られる。
[1.6 効果]
第1の実施形態に係る光学素子11では、複数の構造体13が、可視光の波長以下の間隔で、かつ、格子点からランダム方向にずらして設けられているので、回折光をランダムに散乱させることができる。したがって、光学素子11を光学系に適用した場合に、迷光の発生を抑制することができる。
開口パターンを正方格子の格子点からランダムな方向にずらした複数のレチクル(マスク)を準備し、各レチクルを格子間隔分ずらして多重露光を行うことにより、上述の光学素子11を成形するための原盤21を作製することができる。
<2 第2の実施形態>
[2.1 光学素子の構成]
本技術の第2の実施形態に係る光学素子11は、図4Bに示した正方格子Uaに代えて、図14に示した長方格子Uaを用いる点において、第1の実施形態とは異なっている。複数の構造体13は、歪み長方格子Ubの各格子点Obに配置され、かつ、各歪み長方格子Ubの歪み方は、ランダムである。
[2.2 レチクルの構成]
本技術の第2の実施形態に係る光学素子11の製造方法に用いられる第1〜第4のレチクルは、図9A〜図9Dに示した正方格子Ua1〜Ua4に代えて、図15A〜図15Dに示した長方格子Ua1〜Ua4を用いる点において、第1の実施形態とは異なっている。
[2.3 光学素子の製造方法]
本技術の第2の実施形態に係る光学素子11の製造方法では、上述の構成を有する第1〜第4のレチクルを用いて、図14に記載された番号「1」〜「4」の順序で複数の露光部31〜34が形成される。すなわち、複数の露光部31〜34は、光学素子11の反射の低減を目的とする光の波長帯域以下の間隔で、かつ、長方格子の格子点からランダム方向にゆらいで形成される。したがって、複数の露光部31〜34は、歪み長方格子の各格子点に配置され、かつ、各歪み正方格子の歪み方は、ランダムである。
<3 第3の実施形態>
[3.1 光学素子の構成]
本技術の第3の実施形態に係る光学素子11は、図4Bに示した正方格子Uaに代えて、図17に示した六方格子Uaを用いる点において、第1の実施形態とは異なっている。複数の構造体13は、歪み六方格子Ubの各格子点Obに配置され、かつ、各歪み六方格子Ubの歪み方は、ランダムである。
[3.2 レチクルの構成]
図18A〜図18Cを参照して、第1〜第3のレチクルの構成の一例について説明する。ここでは、第1〜第3のレチクルの表面の面内において直交する2方向をそれぞれX軸方向、Y軸方向と称する。
(第1のレチクル)
図18Aに示すように、第1のレチクルは、複数の開口部41を有する。複数の開口部41は、光学素子11の格子間隔Laの約√3倍に相当する間隔で、かつ、菱形格子Ua1の格子点Oa1からランダム方向にゆらいで設けられている。すなわち、複数の開口部41aは、歪み菱形格子Ub1の各格子点Ob1に配置され、かつ、各歪み菱形格子Ub1の歪み方は、ランダムである。なお、図18Aにおいて、破線で示された複数の開口部41aは、一辺の長さが√3×Lである菱形格子Ua1の格子点Oa1に配置される仮想的な複数の開口部を示している。ここで、√3は、3の平方根を意味する。
(第2のレチクル)
図18Bに示すように、第2のレチクルは、各格子点Oa2からランダム方向にゆらいで設けられている複数の開口部42を備える以外のことは、第1のレチクルと同様の構成を有している。格子点Oa2は、菱形格子Ua2の格子点であり、この菱形格子Ua2は、菱形格子Ua1の各格子点Oa1をX軸方向にLずらして得られる菱形格子である。
(第3のレチクル)
図18Cに示すように、第3のレチクルは、各格子点Oa3からランダム方向にゆらいで設けられている複数の開口部43を備える以外のことは、第1のレチクルと同様の構成を有している。格子点Oa3は、菱形格子Ua3の格子点であり、この菱形格子Ua3は、菱形格子Ua1の各格子点Oa1をX軸方向にL/2、Y軸方向に(√3×L)/2ずらして得られる菱形格子である。
[3.3 光学素子の製造方法]
本技術の第3の実施形態に係る光学素子11の製造方法では、上述の構成を有する第1〜第3のレチクルを用いて、図19に記載された番号「1」〜「3」の順序で複数の露光部31〜33が形成される。すなわち、複数の露光部31〜33は、光学素子11の反射の低減を目的とする光の波長帯域以下の間隔で、かつ、六方格子の格子点からランダム方向にゆらいで形成される。すなわち、複数の露光部31〜33は、歪み六方格子の各格子点に配置され、かつ、各歪み六方格子の歪み方は、ランダムである。
<4 第4の実施形態>
[4.1 概要]
第4の実施形態では、上述の第1〜第3の実施形態のいずれかに係る光学素子を撮像装置に適用した例について説明する。
[4.2 撮像装置の構成]
図20は、本技術の第4の実施形態に係る撮像装置の構成の一例を示す概略図である。図20に示すように、第4の実施形態に係る撮像装置100は、いわゆるデジタルカメラ(デジタルスチルカメラ)であって、筐体101と、レンズ鏡筒102と、筐体101およびレンズ鏡筒102内に設けられた撮像光学系103とを備える。筐体101とレンズ鏡筒102とが着脱自在に構成されていてもよい。
撮像光学系103は、レンズ111と、光量調整装置112と、半透過型ミラー113と、イメージセンサ素子のパッケージ(以下「素子パッケージ」という。)114と、オートフォーカスセンサ115とを備える。レンズ111、光量調整装置112、半透過型ミラー113は、レンズ鏡筒102の先端から素子パッケージ114に向かってこの順序で設けられている。レンズ111、光量調整装置112、半透過型ミラー113および素子パッケージ114からなる群より選ばれる少なくとも1種には、反射防止機能が付与されている。オートフォーカスセンサ115は、半透過型ミラー113により反射された光Lを受光可能な位置に設けられている。撮像装置100が、必要に応じてフィルタ116をさらに備えるようにしてもよい。このようにフィルタ116を備える場合には、フィルタ116に反射防止機能が付与されていてもよい。以下、各構成要素および反射防止機能について順次説明する。
(レンズ)
レンズ111は、被写体からの光Lを素子パッケージ114に向けて集光する。
(光量調整装置)
光量調整装置112は、撮像光学系103の光軸を中心とする絞り用開口の大きさを調整する絞り装置である。光量調整装置112は、例えば、一対の絞り羽根と、光の透過光量を減少させるNDフィルタとを備えている。光量調整装置112の駆動方式としては、例えば、一対の絞り羽根とNDフィルタとを1つのアクチュエータで駆動する方式、一対の絞り羽根とNDフィルタとをそれぞれ独立した2つのアクチュエータで駆動する方式を用いることができるが、これらの方式に特に限定されるものではない。NDフィルタとしては、透過率もしくは濃度が単一のフィルタ、または透過率もしくは濃度がグラデーション状に変化するフィルタを用いることができる。また、NDフィルタの数は1枚に限定されるものではなく、複数枚のNDフィルタを積層して用いるようにしてもよい。
(半透過型ミラー)
半透過型ミラー113は、入射する光の一部を透過し、残りを反射するミラーである。具体的には、半透過型ミラー113は、レンズ111により集光された光Lの一部をオートフォーカスセンサ115に向けて反射するのに対して、光Lの残りを素子パッケージ114に向けて透過する。半透過型ミラー113の形状としては、例えば、シート状、プレート状を挙げることができるが、特にこれらの形状に限定されるものではない。ここで、シートにはフィルムが含まれるものと定義する。
(素子パッケージ)
素子パッケージ114は、半透過型ミラー113を透過した光を受光し、受光した光を電気信号に変換し、信号処理回路(図示せず)に出力する。
ここで、図20Bを参照して、素子パッケージ114の構成の一例を説明する。この素子パッケージ114は、イメージセンサ素子121と、イメージセンサ素子121の開口窓を覆うように固着されたカバーガラス(カバー体)122とを備える。イメージセンサ素子121としては、例えば、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ素子またはCOMS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサ素子などが用いられる。
(オートフォーカスセンサ)
オートフォーカスセンサ115は、半透過型ミラー113により反射された光を受光し、受光した光を電気信号に変換し、制御回路(図示せず)に出力する。
(フィルタ)
フィルタ116は、レンズ鏡筒102の先端、または撮像光学系103内に設けられる。なお、図20では、フィルタ116をレンズ鏡筒102の先端に備える例が示されている。この構成を採用する場合、フィルタ116は、レンズ鏡筒102の先端に対して着脱自在の構成を有していてもよい。
フィルタ116としては、レンズ鏡筒102の先端、または撮像光学系103内に一般的に設けられるものが用いられ、特に限定されるものではない。例示するならば、偏光(PL)フィルタ、シャープカット(SC)フィルタ、色彩強調および効果用フィルタ、減光(ND)フィルタ、色温度変換(LB)フィルタ、色補正(CC)フィルタ、ホワイトバランス取得用フィルタ、レンズ保護用フィルタなどが挙げられる。
(反射防止機能)
撮像装置100では、被写体からの光Lが、レンズ鏡筒102の先端からイメージセンサ素子121に到達するまでの間に複数の光学素子(すなわち、レンズ111、光量調整装置112、半透過型ミラー113、カバーカラス122)を透過する。以下では、このように被写体からの光Lが撮像装置100内に取り込まれてからイメージセンサ素子121に到達するまでの間に透過する光学素子を「透過型光学素子」という。撮像装置100がフィルタ116をさらに備える場合には、フィルタ116も透過型光学素子の一種と見なされる。
これらの複数の透過型光学素子のうちの少なくとも1つの透過型光学素子の表面には、上述の第1〜第3の実施形態のいずれかにおける複数の構造体13が設けられている。ここで、透過型光学素子の表面とは、被写体からの光Lが入射する入射面、またはこの入射面から入射した光Lが出射される出射面を意味する。複数の構造体13と透過型光学素子とは別成形されていてもよいし、透過型光学素子と一体成形されていてもよい。
[4.3 効果]
第4の実施形態に係る撮像装置では、複数の透過型光学素子のうちの少なくとも1つの透過型光学素子の表面には、反射の低減を目的とする光の波長帯域以下の間隔で、複数の構造体13が設けられている。したがって、その透過型光学素子の表面に反射防止機能を付与することができ、画質の低下の原因となるゴーストやフレアの発生を抑制できる。
また、複数の構造体13は、正方格子、長方格子または六方格子の格子点からランダム方向にゆらいで設けられていので、回折光をランダムに散乱させることができる。したがって、スポット状に見えるゴーストの発生を低減できる。すなわち、撮像装置100の画質をさらに向上できる。
<5 第5の実施形態>
[5.1 概要]
上述の第4の実施形態では、撮像装置としてデジタルカメラ(デジタルスチルカメラ)に本技術を適用する場合を例として説明したが、本技術の適用例はこれに限定されるものではない。本技術の第5の実施形態では、デジタルビデオカメラに本技術を適用した例について説明する。
[5.2 撮像装置の構成]
図21は、本技術の第5の実施形態に係る撮像装置の構成の一例を示す概略図である。図21に示すように、第5の実施形態に係る撮像装置201は、いわゆるデジタルビデオカメラであって、レンズ第1群L1、レンズ第2群L2、レンズ第3群L3、レンズ第4群L4、素子パッケージ202、ローパスフィルタ203、フィルタ204、モータ205、アイリス羽根206および電気調光素子207を備える。この撮像装置201では、レンズ第1群L1、レンズ第2群L2、レンズ第3群L3、レンズ第4群L4、素子パッケージ202、ローパスフィルタ203、フィルタ204、アイリス羽根206および電気調光素子207により撮像光学系が構成される。アイリス羽根206および電気調光素子207により光学調整装置が構成される。以下、各構成要素および反射防止機能について順次説明する。
(レンズ群)
レンズ第1群L1およびレンズ第3群L3は、固定レンズである。レンズ第2群L2は、ズーム用レンズである。レンズ第4群は、フォーカス用レンズである。
(素子パッケージ)
素子パッケージ202は、入射された光を電気信号に変換し、図示を省略した信号処理部に供給する。素子パッケージ202は、上述の第4の実施形態における素子パッケージ114と同様である(図19B参照)。
(ローパスフィルタ)
ローパスフィルタ203は、例えば、素子パッケージ202の前面、すなわちカバーガラス122の光入射面に設けられる。ローパスフィルタ203は、画素ピッチに近い縞模様の像などを撮影した場合に生じる偽信号(モワレ)を抑制するためのものであり、例えば、人工水晶から構成される。
フィルタ204は、例えば、素子パッケージ202に入射する光の赤外域をカットするとともに、近赤外域(630nm〜700nm)の分光の浮きを抑え、可視域帯(400nm〜700nm)の光強度を一様にするためのものである。このフィルタ204は、例えば、赤外光カットフィルタ(以下、IRカットフィルタ)204aと、このIRカットフィルタ204a上にIRカットコートを積層させて形成されたIRカットコート層204bとから構成される。ここで、IRカットコート層204bは、例えば、IRカットフィルタ204aの被写体側の面およびIRカットフィルタ204aの素子パッケージ202側の面の少なくとも一方に形成される。図21では、IRカットフィルタ204aの被写体側の面にIRカットコート層204bが形成される例が示されている。
モータ205は、図示を省略した制御部から供給された制御信号に基づき、レンズ第4群L4を移動する。アイリス羽根206は、素子パッケージ202に入射する光量を調整するためのものであり、図示を省略したモータにより駆動される。
電気調光素子207は、素子パッケージ202に入射する光量を調整するためのものである。この電気調光素子207は、少なくとも染料系色素を含んだ液晶からなる電気調光素子であり、例えば、2色性GH液晶からなる電気調光素子である。
(反射防止機能)
撮像装置201では、被写体からの光がイメージセンサ素子121に到達するまでの間に、複数の光学素子(レンズ第1群L1、レンズ第2群L2、電気調光素子207、レンズ第3群L3、レンズ第4群L4、フィルタ204、およびローパスフィルタ203付きカバーガラス122)を透過する。以下では、このように被写体からの光Lがイメージセンサ素子121に到達するまでの間に透過する光学素子を「透過型光学素子」という。これらの複数の透過型光学素子のうちの少なくとも1つの透過型光学素子の表面には、上述の第1〜第3の実施形態のいずれかにおける複数の構造体13が設けられている。
[5.3 効果]
第5の実施形態では、デジタルビデオカメラにおいて上述の第4の実施形態と同様の効果を得ることができる。
以下、実施例により本技術を具体的に説明するが、本技術はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1)
まず、8インチのシリコンウェハ上に、フォトレジストをスピンコートした。レチクルとしては、4回の多重露光で、結像面上で平均250nmピッチのほぼ正方格子の露光パターンが形成されるように、格子間隔を2倍に間引いたレチクルを4種用意した(図9A〜図9D参照)。各レチクルには、異なるランダム性を付与し、各レチクルにより、結像面上で平均500nmピッチを有するほぼ正方格子の露光パターンを形成した。また、各レチクルのランダム性は、結像面上において理想的な格子位置に対して、夫々の構造位置が、P−P(Peak-to-Peak)で50nm程度になるように付与した。これらのレチクルを用いて、NA=0.86のKrF(フッ化クリプトン)ステッパ(縮小投影型露光装置)にて、レチクルを交換しつつ、露光を行った。
パターン露光を行ったフォトレジスト層を現像処理し、基板上に複数のフォトレジストパターンを形成した後、このフォトレジストパターンをマスクに用いたエッチング加工を行って深さ260nmの複数の反射防止構造体を形成した。その後、このフォトレジストパターンを除去して、複数の反射防止構造体を表面に有するSi原盤を作製した。
次に、上述のようにして得られた原盤の表面をフッ素処理した後、この原盤を用いた転写工程により、光学素子を以下のようにして作製した。まず、ガラス基板上にアクリル系のUV硬化樹脂を厚み3μmでスピンコートした後、原盤の成形面を、レジストコートしたガラス基板上に押し当て、2MPaの圧力にてプレスした。次に、HgランプのUV光を2000mJ/cm2照射し硬化させた後、原盤をガラス基板から剥離し、複数の反射防止構造体がガラス基板上に形成された光学素子を得た。
(比較例1)
各レチクルにランダム性を付与せず、各レチクルにより結像面上で平均500nmピッチを有する完全な正方格子の露光パターンを形成したこと以外は、実施例1と同様にして光学素子を得た。なお、本実施例にて用いたKrFステッパでは、レチクルの位置精度誤差(アライメント誤差)により、比較例1においても、4回の多重露光で得られる露光パターンは、完全な正方格子とはならなかった。
(評価)
上述のようにして得られた光学素子を、イメージセンサ前に配置し、点光源の撮像を行った。その結果を図22A、図22B、図23A、図23Bに示した。また、参考例1として、複数の構造体が完全な正方格子状に配置された理想的な光学素子の評価結果を、図22Cに示した。
上述の評価結果から、以下のことがわかる。
比較例1の光学素子では、±1次の回折光が発生するのに対して、実施例1の光学素子では、回折光が散乱され、スポット状の回折光は明瞭には観察されなくなる。なお、理想的な光学素子では、0次光のみが観察される。
実施例1の光学素子のように、不規則なずらし方が異なるマスクを複数枚用意し、各マスクを格子間隔分ずらして、多重露光を行うことにより、回折光がランダムに散らされスポット状に見えるゴーストが低減できる。
532nmの100mWのレーザ光源を実施例1の光学素子に当てて透過光を観察すると、元々の回折光位置の周辺に散乱された光が存在する様子が見られ、実施例1の光学素子により、回折光が効果的に散らされている様子がわかった。
比較例1の光学素子では、±1次の回折光に起因する鋭いピーク強度が認められるのに対して(図23B参照)、実施例1の光学素子では、ピーク強度が減り、半値幅(FWMH)も広がっているのが認められる。
以上、本技術の実施形態について具体的に説明したが、本技術は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本技術の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。
例えば、上述の実施形態において挙げた構成、方法、工程、形状、材料および数値などはあくまでも例に過ぎず、必要に応じてこれと異なる構成、方法、工程、形状、材料および数値などを用いてもよい。
また、上述の実施形態の構成、方法、工程、形状、材料および数値などは、本技術の主旨を逸脱しない限り、互いに組み合わせることが可能である。
上述の実施形態では、光学素子の各構造体が基体表面に対して凸状を有する構成を例として説明したが、本技術はこの例に限定されるものではなく、光学素子の各構造体が基体表面に対して凹状を有する構成を採用してもよい。この場合、原盤の各構造体は原盤の成形面に対して凸状を有する。
上述の実施形態では、格子点を構成する格子が、正方格子、長方格子または六方格子状である場合を例として説明したが、格子の形状はこの例に限定されるものではない。例えば、斜方格子、菱形格子、矩形格子、二等辺三角格子または正三角格子などを用いてもよい。
上述の実施形態では、光学素子表面において複数の構造体が、格子点からランダム方向にゆらいで設けられている場合を例として説明したが、格子点から1または2以上の方向にランダムにゆらいで設けられていてもよい。同様に、レチクルにおいても複数の開口部が、格子点から1または2以上の方向にゆらいで設けられていてもよい。
本技術では、複数のマスクの露光パターンを組み合わせることで、歪み正方格子、歪み長方格子または歪み六方格子などの歪み格子状の露光パターンを構成できればよく、マスクの数およびマスクの開口パターンなどは上述の実施形態における例に限定されるものではない。
また、本技術は以下の構成を採用することもできる。
(1)
複数の構造体が設けられた表面を有し、
上記複数の構造体は、可視光の波長以下の間隔で、かつ、格子点からランダム方向にゆらいで設けられている光学素子。
(2)
上記ゆらぎの範囲は、隣接格子点間の距離の半分以下である(1)に記載の光学素子。
(3)
上記格子点は、正方格子、長方格子または六方格子の格子点である(1)または(2)に記載の光学素子。
(4)
上記複数の構造体は、上記表面に対して凸状または凹状を有している(1)から(3)のいずれかに記載の光学素子。
(5)
上記複数の構造体は、正方格子、長方格子または六方格子のそれぞれ歪んだ形状に設けられている(1)から(4)のいずれかに記載の光学素子。
(6)
(1)から(5)のいずれかに記載の光学素子を備える光学系。
(7)
(1)から(5)のいずれかに記載の光学素子を備える撮像装置。
(8)
(1)から(5)のいずれかに記載の光学素子を備える光学機器。
(9)
複数の構造体が設けられた表面を有し、
上記複数の構造体は、可視光の波長以下の間隔で、かつ、格子点からランダム方向にゆらいで設けられている原盤。
(10)
複数の開口部が格子点からランダム方向にゆらいで設けられている複数のマスクを用いて、原盤上に成膜されたレジスト層に複数の露光部を形成する工程と、
上記複数の露光部が形成されたレジスト層を現像して、レジストパターンを形成する工程と、
上記レジストパターンをマスクとしてエッチング処理を施すことで、可視光の波長以下の間隔で複数の構造体が設けられた表面を上記原盤に形成する工程と
を備える原盤の製造方法。
(11)
上記複数の露光部は、可視光の波長以下の間隔で、かつ、格子点からランダム方向にゆらいで設けられている(10)に記載の原盤の製造方法。
(12)
上記複数の露光部のゆらぎの範囲は、上記露光部の隣接格子点間の距離の半分以下である(11)に記載の原盤の製造方法。
(13)
上記露光部の格子点は、正方格子、長方格子または六方格子の格子点である(11)または(12)に記載の原盤の製造方法。
(14)
上記複数の露光部は、正方格子、長方格子または六方格子のそれぞれ歪んだ形状に設けられている(11)から(13)のいずれかに記載の原盤の製造方法。
(15)
上記開口部の格子点は、正方格子、長方格子または菱形格子の格子点である(10)から(14)のいずれかに記載の原盤の製造方法。
(16)
上記開口部は、正方格子、長方格子または菱形格子のそれぞれ歪んだ形状に設けられている(10)から(15)のいずれかに記載の原盤の製造方法。
(17)
上記複数の構造体は、上記表面に対して凸状または凹状を有している(1)から(16)のいずれかに記載の原盤の製造方法。
(18)可視光の波長以下の隣接間隔dで規則的に配列された反射防止構造体を持つ光学素子において、
上記構造体が、最隣接より長い周期の複数のサブ構造体配列によって形成され、夫々のサブ構造体配列において、各構造体は格子中心位置に対して、隣接間隔dよりも小さい大きさで配置が不規則にずらされており、サブ構造体配列間でその不規則な配置が異なる光学素子。
(19)規則的に配列された反射防止構造体がタイリングされており、夫々のタイリングされた構成要素の不規則性がタイリング周期毎に周期的に表れる(17)に記載の光学素子。
(20)
複数の構造体が設けられた表面を有し、
上記複数の構造体は、可視光の波長以下の間隔で、かつ、格子点から1または2以上の方向にゆらいで設けられている光学素子。
(21)
複数の構造体が設けられた表面を有し、
上記複数の構造体は、可視光の波長以下の間隔で、かつ、格子点から1または2以上の方向にゆらいで設けられている原盤。
(22)
複数の開口部が格子点から1または2以上の方向にゆらいで設けられている複数のマスクを用いて、原盤上に成膜されたレジスト層に複数の露光部を形成する工程と、
上記複数の露光部が形成されたレジスト層を現像して、レジストパターンを形成する工程と、
上記レジストパターンをマスクとしてエッチング処理を施すことで、可視光の波長以下の間隔で複数の構造体が設けられた表面を上記原盤に形成する工程と
を備える原盤の製造方法。
11 光学素子
12 基体
13、22 構造体
14 中間層
21 原盤
31、32、33、34 露光部
41、42、43、44 開口部
100、201 撮像装置

Claims (10)

  1. 複数の構造体が設けられた表面を有し、
    上記複数の構造体は、可視光の波長以下の間隔で、かつ、格子点からランダム方向にゆらいで設けられている光学素子。
  2. 上記ゆらぎの範囲は、隣接格子点間の距離の半分以下である請求項1に記載の光学素子。
  3. 上記格子点は、正方格子、長方格子または六方格子の格子点である請求項1に記載の光学素子。
  4. 上記複数の構造体は、上記表面に対して凸状または凹状を有している請求項1に記載の光学素子。
  5. 上記複数の構造体は、正方格子、長方格子または六方格子のそれぞれ歪んだ形状に設けられている請求項1に記載の光学素子。
  6. 請求項1から5のいずれかに記載の光学素子を備える光学系。
  7. 請求項1から5のいずれかに記載の光学素子を備える撮像装置。
  8. 請求項1から5のいずれかに記載の光学素子を備える光学機器。
  9. 複数の構造体が設けられた表面を有し、
    上記複数の構造体は、可視光の波長以下の間隔で、かつ、格子点からランダム方向にゆらいで設けられている原盤。
  10. 複数の開口部が格子点からランダム方向にゆらいで設けられている複数のマスクを用いて、原盤上に成膜されたレジスト層に複数の露光部を形成する工程と、
    上記複数の露光部が形成されたレジスト層を現像して、レジストパターンを形成する工程と、
    上記レジストパターンをマスクとしてエッチング処理を施すことで、可視光の波長以下の間隔で複数の構造体が設けられた表面を上記原盤に形成する工程と
    を備える原盤の製造方法。
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