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JP2015034785A - 遠方電磁界推定方法および装置ならびに近傍電磁界測定装置 - Google Patents

遠方電磁界推定方法および装置ならびに近傍電磁界測定装置 Download PDF

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JP2015034785A JP2013166651A JP2013166651A JP2015034785A JP 2015034785 A JP2015034785 A JP 2015034785A JP 2013166651 A JP2013166651 A JP 2013166651A JP 2013166651 A JP2013166651 A JP 2013166651A JP 2015034785 A JP2015034785 A JP 2015034785A
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Hiroshi Kurihara
弘 栗原
雅貴 緑
Masataka Midori
雅貴 緑
政志 鳥井
Masashi Torii
政志 鳥井
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Abstract

【課題】グランドプレーンが存在する条件の下で、電磁波の放射源の近傍で測定された電磁界に基づいて、放射源からより遠い位置の仮想の観測点における電磁界を、容易に且つ精度よく推定する。【解決手段】遠方電磁界推定方法では、グランドプレーン1と合わさって、放射源2を囲む閉じた面であって、その内側に形成される空間内に仮想の観測点3が含まれない閉じた面を形成する測定面10を想定し、測定面10上に複数の測定点を設定し、複数の測定点における電磁界を測定する。また、複数の測定点における電磁界に基づいて、測定面10と面対称の鏡像測定面20上の複数の鏡像測定点における電磁界を算出する。そして、複数の測定点と複数の鏡像測定点における電磁界に基づいて、観測点3における遠方電磁界を推定する。【選択図】図1

Description

本発明は、電子機器等の電磁波の放射源による電磁界を、放射源の近傍で測定し、測定された電磁界に基づいて、放射源からより遠い位置の仮想の観測点における電磁界を推定する遠方電磁界推定方法および装置、ならびに、遠方電磁界推定方法の実施に適した近傍電磁界測定装置に関する。
一般的に、電子機器等から放射される放射妨害波を測定する試験では、国際的に定められた試験条件および試験方法により、主に放射妨害波の放射源から10mまたは3m離れた位置で放射妨害波の測定が行われる。また、30MHzから1GHzの周波数帯における放射妨害波を測定する試験は、一般的に、グランドプレーン(金属床面)の上または上方に、放射源である被測定物を配置して行われる。
また、一般的に、放射妨害波を測定する試験は、オープンサイト、あるいは国際的に定められたサイトの適合性を満足した電波暗室において行われる。電波暗室は、シールドルームの壁面に電波吸収体が貼り付けられて構成されている。この電波暗室では、使用目的や使用される電磁波の周波数等によって、シールドルームの大きさ、形や、電波吸収体の種類が選定されている。主な電波暗室としては、長さが20mから30m程度、幅が10mから20m程度、高さが7mから12m程度の10m法電波暗室と、長さが7mから11m程度、幅が4mから7m程度、高さが5mから7m程度の3m法電波暗室とが存在する。これらは、放射妨害波を測定する試験に要する距離に応じて使い分けられている。
電波暗室は、上述のような比較的大きな長さ、幅および高さを必要とし、建屋施設が大規模となり、且つ、建屋施設と各種必要設備への投資総額ならびに維持運用コストが大きくなるという不具合を有している。
そこで、より小さい空間で放射妨害波を測定できる小規模な装置が求められている。この要求に対して、プリント基板等を対象とした極近傍電磁界を測定する装置や準近傍電磁界を測定する装置、ならびに測定された近傍電磁界からラブ(Love)の等価定理等を用いて遠方電磁界を推定する方法が提案されている。
例えば、特許文献1には、被測定物を囲むように仮想的な直方体や円筒を設定し、その直方体や円筒の面を走査するように電磁界を測定し、測定された電磁界に基づいて、被測定物からより遠い位置における電磁界を推定する方法が記載されている。また、特許文献1には、仮想的な直方体の一面をグランド面として他の5面のみを走査してもよい旨が記載されている。
また、非特許文献1には、被測定物(放射源)にダイポールアンテナを選定し、このダイポールアンテナがグランドプレーン上に配置された条件において、以下のようにして観測点における遠方電磁界を求める方法が記載されている。この方法では、まず、被測定物を囲むように設定した6面における近傍電磁界の接線成分の振幅と位相を測定する。次に、グランドプレーンを無限導体平板と仮定して、導体平板によって形成された観測点の鏡像である鏡像観測点を想定し、観測点と鏡像観測点の2点で電磁界を推定する。次に、推定した2つの電磁界をベクトル的に加算して、観測点における遠方電磁界を求める。
特開2004−69372号公報
緑雅貴 他,"近傍電磁界計測による3m法推定の基礎検討",信学技報EMCJ2013−11(2013−05)
特許文献1に記載された方法では、グランド面を考慮せずに、被測定物を囲むように仮想的な直方体や円筒を設定して、その直方体や円筒の面を走査するか、仮想的な直方体の一面をグランド面として他の5面のみを走査している。すなわち、この方法では、グランド面の影響は考慮されていない。そのため、この方法を、前述のようにグランドプレーン上に被測定物が配置される条件で行われる試験に適用すると、グランドプレーンの影響により、推定された電磁界は、実際に測定される電磁界とは大きく異なることが容易に推察できる。
また、非特許文献1に記載された方法では、被測定物の下方の面における近傍電磁界を測定する必要がある。しかし、現実には被測定物を空中に浮かすことは困難であることから、被測定物の下方の面における近傍電磁界を測定することは困難である。そのため、この方法を、放射妨害波を測定する試験に適用することは難しい。また、この方法では、観測点と鏡像観測点の2点での電磁界を推定する計算処理と、この2点で推定した電磁界をベクトル的に加算する計算処理が必要となり、その結果、多くの計算処理時間が必要になるという問題点がある。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その第1の目的は、グランドプレーンが存在する条件の下で、電磁波の放射源の近傍で測定された電磁界に基づいて、放射源からより遠い位置の仮想の観測点における電磁界を、容易に且つ精度よく推定できるようにした遠方電磁界推定方法および装置を提供することにある。
本発明の第2の目的は、本発明の遠方電磁界推定方法の実施に適した近傍電磁界測定装置を提供することにある。
本発明の遠方電磁界推定方法は、グランドプレーンによって区画された2つの空間のうちの一方に配置された電磁波の放射源によって、放射源から離れた仮想の観測点に形成されると推定される電界と磁界の少なくとも一方を求める方法である。
本発明の遠方電磁界推定方法は、
グランドプレーンと合わさって、放射源を囲む閉じた面であって、その内側に形成される空間内に仮想の観測点が含まれない閉じた面を形成する測定面を想定し、測定面上に複数の測定点を設定する第1の手順と、
複数の測定点における電界の測定面の接線方向の成分である複数の測定点電界と、複数の測定点における磁界の測定面の接線方向の成分である複数の測定点磁界の少なくとも一方を測定する第2の手順と、
グランドプレーンを中心として測定面と面対称の位置関係を有する鏡像測定面上に、グランドプレーンを中心として複数の測定点と面対称の位置関係を有する複数の鏡像測定点を設定し、第2の手順で測定された複数の測定点電界と複数の測定点磁界の少なくとも一方に基づいて、複数の鏡像測定点における電界の鏡像測定面の接線方向の成分である複数の鏡像測定点電界と複数の鏡像測定点における磁界の鏡像測定面の接線方向の成分である複数の鏡像測定点磁界の少なくとも一方を算出する第3の手順と、
第2の手順で測定された複数の測定点電界と複数の測定点磁界の少なくとも一方と、第3の手順で算出された複数の鏡像測定点電界と複数の鏡像測定点磁界の少なくとも一方とに基づいて、仮想の観測点に形成されると推定される電界と磁界の少なくとも一方を算出する第4の手順とを備えている。
本発明の遠方電磁界推定装置は、グランドプレーンによって区画された2つの空間のうちの一方に配置された電磁波の放射源によって、放射源から離れた仮想の観測点に形成されると推定される電界と磁界の少なくとも一方を求める装置である。遠方電磁界推定装置は、近傍電磁界測定装置と、演算処理部とを備えている。
近傍電磁界測定装置は、電界と磁界の少なくとも一方を検出するプローブと、放射源に対するプローブの相対的位置を変更可能な位置制御機構と、プローブと位置制御機構を用いた電界と磁界の少なくとも一方の測定の制御を行う制御部とを備えている。
制御部は、
グランドプレーンと合わさって、放射源を囲む閉じた面であって、その内側に形成される空間内に仮想の観測点が含まれない閉じた面を形成する測定面を想定し、測定面上に複数の測定点を設定する第1の動作と、
位置制御機構を制御しながら、プローブを用いて、複数の測定点における電界の測定面の接線方向の成分である複数の測定点電界と、複数の測定点における磁界の測定面の接線方向の成分である複数の測定点磁界の少なくとも一方を測定する第2の動作とを実行する。
演算処理部は、
グランドプレーンを中心として測定面と面対称の位置関係を有する鏡像測定面上に、グランドプレーンを中心として複数の測定点と面対称の位置関係を有する複数の鏡像測定点を設定し、第2の動作で測定された複数の測定点電界と複数の測定点磁界の少なくとも一方に基づいて、複数の鏡像測定点における電界の鏡像測定面の接線方向の成分である複数の鏡像測定点電界と複数の鏡像測定点における磁界の鏡像測定面の接線方向の成分である複数の鏡像測定点磁界の少なくとも一方を算出する第1の演算処理と、
第2の動作で測定された複数の測定点電界と複数の測定点磁界の少なくとも一方と、第1の演算処理で算出された複数の鏡像測定点電界と複数の鏡像測定点磁界の少なくとも一方とに基づいて、仮想の観測点に形成されると推定される電界と磁界の少なくとも一方を算出する第2の演算処理とを実行する。
本発明の遠方電磁界推定方法および装置において、複数の測定点は、交差する2方向に並ぶように配列されていてもよい。この場合、2方向の各々について、隣接する2つの測定点間の測定面上における距離は電磁波の波長の1/2以下であってもよい。
また、本発明の遠方電磁界推定方法および装置において、複数の測定点電界、複数の測定点磁界、複数の鏡像測定点電界および複数の鏡像測定点磁界は、それぞれ、グランドプレーンに平行な水平成分とグランドプレーンに垂直な垂直成分とを含んでいてもよい。この場合、複数の鏡像測定点電界の水平成分は、それぞれ対応する測定点電界の水平成分と振幅は等しいが逆位相である。複数の鏡像測定点電界の垂直成分は、それぞれ対応する測定点電界の垂直成分と振幅および位相が等しい。複数の鏡像測定点磁界の水平成分は、それぞれ対応する測定点磁界の水平成分と振幅および位相が等しい。複数の鏡像測定点磁界の垂直成分は、それぞれ対応する測定点磁界の垂直成分と振幅は等しいが逆位相である。
また、本発明の遠方電磁界推定方法において、放射源は、グランドプレーンを構成する金属床面を有する電波暗室内に配置されてもよい。また、本発明の遠方電磁界推定装置において、放射源とプローブと位置制御機構は、グランドプレーンを構成する金属床面を有する電波暗室内に配置されてもよい。
また、本発明の遠方電磁界推定装置において、プローブは、電界に応じた信号を出力する電界検出部と、磁界に応じた信号を出力する磁界検出部とを有していてもよい。電界検出部は、電界に応じた差動信号を生成する電界アンテナ部と、電界アンテナ部によって生成された差動信号を出力する2つの電界出力ポートと、電界アンテナ部の一部をシールドする電界シールド部とを含んでいてもよい。磁界検出部は、磁界に応じた差動信号を生成する磁界アンテナ部と、磁界アンテナ部によって生成された差動信号を出力する2つの磁界出力ポートと、磁界アンテナ部の一部をシールドする磁界シールド部とを含んでいてもよい。
また、電界検出部の出力信号の振幅および位相を、実際に電界検出部が受けた電界の振幅および位相に対応する値に補正するための第1の補正情報と、磁界検出部の出力信号の振幅および位相を、実際に磁界検出部が受けた磁界の振幅および位相に対応する値に補正するための第2の補正情報が予め求められていてもよい。この場合、第2の動作では、複数の測定点電界と複数の測定点磁界の一方のみを測定してもよい。そして、演算処理部は、第2の動作で測定された複数の測定点電界と複数の測定点磁界の一方と、第1および第2の補正情報とに基づいて、複数の測定点電界と複数の測定点磁界の他方を算出してもよい。この場合、第1の演算処理では、複数の測定点電界および複数の測定点磁界に基づいて、複数の鏡像測定点電界および複数の鏡像測定点磁界を算出してもよい。また、第2の演算処理では、複数の測定点電界、複数の測定点磁界、複数の鏡像測定点電界および複数の鏡像測定点磁界に基づいて、仮想の観測点に形成されると推定される電界と磁界の少なくとも一方を算出してもよい。
本発明の近傍電磁界測定装置は、グランドプレーンによって区画された2つの空間のうちの一方に配置された電磁波の放射源を囲むように想定された測定面上の複数の測定点における電界の測定面の接線方向の成分である複数の測定点電界と、複数の測定点における磁界の測定面の接線方向の成分である複数の測定点磁界の少なくとも一方を測定するための装置である。
本発明の近傍電磁界測定装置は、電界と磁界の少なくとも一方を検出するプローブと、放射源に対するプローブの相対的位置を変更可能な位置制御機構と、プローブと位置制御機構を用いた電界と磁界の少なくとも一方の測定の制御を行う制御部とを備えている。
制御部は、
グランドプレーンと合わさって、放射源を囲む閉じた面であって、その内側に形成される空間内に仮想の観測点が含まれない閉じた面を形成するように測定面を想定し、測定面上に複数の測定点を設定する第1の動作と、
位置制御機構を制御しながら、プローブを用いて、複数の測定点電界と複数の測定点磁界の少なくとも一方を測定する第2の動作とを実行する。
本発明の近傍電磁界測定装置において、複数の測定点は、交差する2方向に並ぶように配列されていてもよい。この場合、2方向の各々について、隣接する2つの測定点間の測定面上における距離は電磁波の波長の1/2以下であってもよい。
また、本発明の近傍電磁界測定装置において、放射源とプローブと位置制御機構は、グランドプレーンを構成する金属床面を有する電波暗室内に配置されてもよい。
また、本発明の近傍電磁界測定装置において、プローブは、電界に応じた信号を出力する電界検出部と、磁界に応じた信号を出力する磁界検出部とを有していてもよい。電界検出部は、電界に応じた差動信号を生成する電界アンテナ部と、電界アンテナ部によって生成された差動信号を出力する2つの電界出力ポートと、電界アンテナ部の一部をシールドする電界シールド部とを含んでいてもよい。磁界検出部は、磁界に応じた差動信号を生成する磁界アンテナ部と、磁界アンテナ部によって生成された差動信号を出力する2つの磁界出力ポートと、磁界アンテナ部の一部をシールドする磁界シールド部とを含んでいてもよい。
本発明の遠方電磁界推定方法および装置では、測定面上に複数の測定点を設定して、複数の測定点電界と複数の測定点磁界の少なくとも一方を測定し、鏡像測定面上に複数の鏡像測定点を設定して、測定された複数の測定点電界と複数の測定点磁界の少なくとも一方に基づいて、複数の鏡像測定点電界と複数の鏡像測定点磁界の少なくとも一方を算出する。そして、測定された複数の測定点電界と複数の測定点磁界の少なくとも一方と、算出された複数の鏡像測定点電界と複数の鏡像測定点磁界の少なくとも一方とに基づいて、仮想の観測点に形成されると推定される電界と磁界の少なくとも一方を算出する。これにより、本発明によれば、グランドプレーンが存在する条件の下で、電磁波の放射源の近傍で測定された電磁界に基づいて、放射源からより遠い位置の仮想の観測点における電磁界を、容易に且つ精度よく推定することが可能になるという効果を奏する。
また、本発明の近傍電磁界測定装置によれば、本発明の遠方電磁界推定方法を実施する上で必要な複数の測定点電界と複数の測定点磁界の少なくとも一方を測定することが可能になるという効果を奏する。
本発明の第1の実施の形態に係る遠方電磁界推定方法の概要を説明するための説明図である。 ラブの等価定理を説明するための説明図である。 比較例の遠方電磁界推定方法を説明するための説明図である。 本発明の第1の実施の形態に係る遠方電磁界推定方法における複数の測定点と複数の鏡像測定点を示す説明図である。 本発明の第1の実施の形態に係る遠方電磁界推定方法における鏡像測定点電界と鏡像測定点磁界の算出方法を説明するための説明図である。 本発明の第1の実施の形態に係る遠方電磁界推定方法に関して行った実験の方法を説明するための説明図である。 本発明の第1の実施の形態に係る遠方電磁界推定方法に関して行った実験の方法を説明するための説明図である。 電磁界プローブの電界検出部を分解して示す斜視図である。 電磁界プローブの磁界検出部を分解して示す斜視図である。 電界プローブ係数と磁界プローブ係数を求める方法を説明するための説明図である。 電界プローブ係数と磁界プローブ係数を求める方法を説明するための説明図である。 電界振幅係数と磁界振幅係数を示す特性図である。 電界振幅係数と磁界振幅係数の比を示す特性図である。 電界位相係数と磁界位相係数を示す特性図である。 電界位相係数と磁界位相係数の差を示す特性図である。 実験における比較例の条件を説明するための説明図である。 実験における比較例の条件を説明するための説明図である。 電磁波が周波数30MHzの水平偏波の場合の実験結果を示す特性図である。 電磁波が周波数80MHzの水平偏波の場合の実験結果を示す特性図である。 電磁波が周波数100MHzの水平偏波の場合の実験結果を示す特性図である。 電磁波が周波数200MHzの水平偏波の場合の実験結果を示す特性図である。 電磁波が周波数30MHzの垂直偏波の場合の実験結果を示す特性図である。 電磁波が周波数80MHzの垂直偏波の場合の実験結果を示す特性図である。 電磁波が周波数100MHzの垂直偏波の場合の実験結果を示す特性図である。 電磁波が周波数200MHzの垂直偏波の場合の実験結果を示す特性図である。 本発明の第1の実施の形態に係る近傍電磁界測定装置を示す斜視図である。 図26に示した近傍電磁界測定装置の配置の一例を示す斜視図である。 図26に示した近傍電磁界測定装置の動作を説明するための説明図である。 図26に示した近傍電磁界測定装置の動作を説明するための説明図である。 本発明の第1の実施の形態に係る遠方電磁界推定装置の構成を示す説明図である。 本発明の第1の実施の形態に係る遠方電磁界推定装置の主要な構成要素を示すブロック図である。 図31におけるコンピュータの構成を示すブロック図である。 図30に示した遠方電磁界推定装置の変形例を示す説明図である。 本発明の第1の実施の形態に係る遠方電磁界推定方法における測定処理を示すフローチャートである。 本発明の第1の実施の形態に係る遠方電磁界推定方法における演算処理を示すフローチャートである。 本発明の第2の実施の形態に係る遠方電磁界推定方法の概要を説明するための説明図である。 本発明の第2の実施の形態に係る近傍電磁界測定装置を示す斜視図である。 図37に示した近傍電磁界測定装置の配置の一例を示す斜視図である。 本発明の第2の実施の形態における複数の測定点の配置を説明するための説明図である。 本発明の第3の実施の形態に係る遠方電磁界推定方法の概要を説明するための説明図である。 本発明の第3の実施の形態に係る近傍電磁界測定装置を示す斜視図である。 図41に示した近傍電磁界測定装置の配置の一例を示す斜視図である。 図41に示した近傍電磁界測定装置の動作を説明するための説明図である。
[第1の実施の形態]
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。始めに、図1を参照して、本発明の第1の実施の形態に係る遠方電磁界推定方法の概要について説明する。
図1に示したように、本実施の形態に係る遠方電磁界推定方法では、グランドプレーン1によって区画された2つの空間のうちの一方に電磁波の放射源2が配置された条件の下で、放射源2から離れた仮想の観測点3に形成されると推定される電界と磁界の少なくとも一方を求める方法である。本実施の形態に係る遠方電磁界推定方法は、例えば、EMC規格に従って、放射源2から放射される放射妨害波を測定する試験に利用される。
グランドプレーン1は、等電位面であり、例えば金属床面によって実現される。グランドプレーン1によって区画された2つの空間とは、図1に示したようにグランドプレーン1が水平に位置している場合には、グランドプレーン1の上側の空間と、グランドプレーン1の下側の空間である。図1では、放射源2は、グランドプレーン1の上側の空間に配置されている。放射源2は、例えば、電磁波を発生する電子機器である。このような状況は、例えば、グランドプレーン1を構成する金属床面を有する電波暗室内に放射源2が配置された状況である。図1では、グランドプレーン1を基準とした観測点3の高さを、記号hで表している。
本実施の形態に係る遠方電磁界推定方法は、以下の第1ないし第4の手順を備えている。第1の手順では、グランドプレーン1と合わさって、放射源2を囲む閉じた面であって、その内側に形成される空間内に仮想の観測点3が含まれない閉じた面を形成する測定面10を想定し、測定面10上に複数の測定点を設定する。複数の測定点は、放射源2の近傍の電磁界を測定する位置である。図1では、複数の測定点を図示していない。複数の測定点については、後で詳しく説明する。
本実施の形態では、測定面10の形状は、直方体の6面のうちの1面を除いた残りの5面からなる形状である。この測定面10は、直方体の6面から除かれた1面の位置にある開口部がグランドプレーン1によって塞がれる姿勢で配置される。そのため、測定面10は、グランドプレーン1と合わさって、閉じた面である直方体の6面を形成する。なお、本発明において、測定面10の形状は、図1に示した形状に限られない。測定面10の形状の他の例は、他の実施の形態で示す。
第2の手順では、複数の測定点における電界の測定面10の接線方向の成分である複数の測定点電界と、複数の測定点における磁界の測定面10の接線方向の成分である複数の測定点磁界の少なくとも一方を測定する。
第3の手順では、グランドプレーン1を中心として測定面10と面対称の位置関係を有する鏡像測定面20上に、グランドプレーン1を中心として複数の測定点と面対称の位置関係を有する複数の鏡像測定点を設定する。図1に示した例では、鏡像測定面20は、測定面10と同様に、直方体の6面のうちの1面を除いた残りの5面からなる形状になる。この鏡像測定面20は、グランドプレーン1を中心として測定面10とは反対側に、開口部がグランドプレーン1によって塞がれる姿勢で配置される。そのため、測定面10と鏡像測定面20が合わさって、直方体の6面からなる閉じた面30が形成される。図1では、複数の鏡像測定点を図示していない。複数の鏡像測定点については、後で詳しく説明する。
第3の手順では、更に、第2の手順で測定された複数の測定点電界と複数の測定点磁界の少なくとも一方に基づいて、複数の鏡像測定点における電界の鏡像測定面の接線方向の成分である複数の鏡像測定点電界と複数の鏡像測定点における磁界の鏡像測定面の接線方向の成分である複数の鏡像測定点磁界の少なくとも一方を算出する。
第4の手順では、第2の手順で測定された複数の測定点電界と複数の測定点磁界の少なくとも一方と、第3の手順で算出された複数の鏡像測定点電界と複数の鏡像測定点磁界の少なくとも一方とに基づいて、仮想の観測点3に形成されると推定される電界と磁界の少なくとも一方を算出する。以下、仮想の観測点3に形成されると推定される電界と磁界の少なくとも一方を、仮想の観測点3における遠方電磁界とも言う。
第4の手順では、例えば、ラブ(Love)の等価定理を用いて遠方電磁界を算出する。ここで、図2を参照して、ラブの等価定理について説明する。まず、図2(a)に示したように、閉じた面Sの内側に放射源を含む領域Vを考え、領域Vの内部に、放射源による電流Jと磁流Mが存在し、面S上に電界Eと磁界Hが生じるものとする。J,M,E,Hは、いずれも時間因子を含むベクトルである。
次に、図2(b)に示したように、領域Vの内部から放射源を除き、領域Vの内部の電流Jと磁流Mの代わりに、面S上に電界Eと磁界Hが生じるような等価的な面電流Jsと面磁流Msを面S上に想定する。Js,Msは、いずれも時間因子を含むベクトルである。Js,Msは、E,Hを用いて、下記の式(1)、(2)で表される。なお、nは、面Sの単位法線ベクトルである。
Js=n×H …(1)
Ms=−n×E …(2)
面S上に面電流Jsと面磁流Msが分布しているとき、放射源から距離rの位置にある観測点おける電界E(r)と磁界H(r)は、それぞれ下記の式(3)、(4)によって求められる。
E(r)=∫[−jηk{JsG+(1/k)・Js・▽▽G}−Ms×▽G]dS
…(3)
H(r)=∫[−j・(1/η)・k{MsG+(1/k)・Ms・▽▽G}+Js×▽G]dS …(4)
式(3)、(4)における∫は、面Sに沿う面積分を表す。また、式(3)、(4)中のG、▽G、Js・▽▽G、Ms・▽▽Gは、下記の通りである。ここで、ηは固有インピーダンス、Gは自由空間のグリーン関数、kは2π/λ、λは電磁波の波長、dSは面Sにおける微小面積、rは観測点へ向く単位方向ベクトルである。
G=exp(−jkr)/4πr
▽G={−(1+jkr)/r}Gr
▽(G/r)={−(2+jkr)/r}Gr
Js・▽▽G=(Js・r){−▽(G/r)−jk▽G}
=(Js・r){−k−2k/jkr−2k/(jkr)}Gr
Ms・▽▽G=(Ms・r){−▽(G/r)−jk▽G}
=(Ms・r){−k−2k/jkr−2k/(jkr)}Gr
式(3)、(4)は、面S上の電磁界の面Sの接線方向の成分の分布が正しく分かれば、それを波源として、電磁界の解の唯一性から、任意の位置の観測点における電磁界を決定できることを意味している。なお、面S上の等価的な面電流Jsと面磁流Msは、フーリエ変換して表現することができることから、任意の位置の観測点における電磁界を正確に求めるためには、フーリエ変換の性質であるサンプリング定理から、面S上の電磁界の面Sの接線方向の成分を測定する位置の間隔をλ/2以下としなければならない。
本実施の形態では、測定面10と鏡像測定面20が合わさって形成される閉じた面30が、上記の説明における閉じた面Sに対応する。また、複数の測定点電界、複数の測定点磁界、複数の鏡像測定点電界および複数の鏡像測定点磁界は、面S上の電磁界の面Sの接線方向の成分に対応する。
ラブの等価定理を用いて仮想の観測点3における遠方電磁界を算出する場合には、第4の手順では、式(1)、(2)を用いて、複数の測定点電界、複数の測定点磁界、複数の鏡像測定点電界および複数の鏡像測定点磁界に基づいて、面30上の面電流Jsと面磁流Msの分布を求める。第4の手順では、更に、式(3)、(4)を用いて、面30上の面電流Jsと面磁流Msの分布から、仮想の観測点3における遠方電磁界を算出する。
次に、比較例の遠方電磁界推定方法と比較しながら、本実施の形態に係る遠方電磁界推定方法の効果について説明する。始めに、図3を参照して、比較例の遠方電磁界推定方法について説明する。この比較例の遠方電磁界推定方法は、非特許文献1に記載されている方法である。図3に示したように、比較例の遠方電磁界推定方法では、まず、グランドプレーン1の上側の空間に配置された放射源2を囲むように測定面4を想定する。この測定面4は、例えば直方体の6面よりなる。次に、測定面4における近傍電磁界の接線成分の振幅と位相を測定する。次に、グランドプレーン1によって形成された観測点3の鏡像である鏡像観測点5を想定する。図3に示したように、グランドプレーン1を基準として、観測点3が高さhの位置にあるとき、鏡像観測点5は、グランドプレーン1を中心として観測点3とは反対側である高さ−hの位置にある。次に、観測点3と鏡像観測点5の2点で電磁界を推定する。次に推定した2つの電磁界をベクトル的に加算して、観測点3における遠方電磁界を求める。
比較例の遠方電磁界推定方法は、測定面4を構成する6面のうち、放射源2の下方(放射源2とグランドプレーン1の間)に位置する面においても近傍電磁界を測定する必要がある。しかし、現実には放射源2となる被測定物を空中に浮かすことは困難であることから、放射源2の下方に位置する面における近傍電磁界を測定することは困難である。そのため、この方法を、放射妨害波を測定する試験に適用することは難しい。また、この方法では、観測点3と鏡像観測点5の2点での電磁界を推定する計算処理と、この2点で推定した電磁界をベクトル的に加算する計算処理が必要となり、その結果、多くの計算処理時間が必要になるという問題点がある。
これに対し、本実施の形態に係る遠方電磁界推定方法では、放射源2の下方(放射源2とグランドプレーン1の間)に位置する面において電磁界を測定する必要はない。従って、本実施の形態では、観測点3における遠方電磁界を推定するのに必要な放射源2の近傍の電磁界を、容易に測定することが可能である。
また、本実施の形態では、放射源2の下方に位置する面における電磁界の測定と、この面における面電流Jsと面磁流Msの算出と、この面における面電流Jsと面磁流Msを用いた観測点3および鏡像観測点5における電磁界の算出の処理が不要である。また、本実施の形態では、観測点3と鏡像観測点5の2点で電磁界を推定して、この2点で推定した電磁界をベクトル的に加算する計算処理が不要で、観測点3のみにおいて遠方電磁界を推定すればよい。これらのことから、本実施の形態によれば、比較例に比べて、測定および演算処理の時間を短縮することが可能である。
また、本実施の形態では、観測点3における遠方電磁界を推定する上で、複数の鏡像測定点電界と複数の鏡像測定点磁界の少なくとも一方が用いられているため、グランドプレーン1の影響が考慮されている。
以上のことから、本実施の形態によれば、グランドプレーン1が存在する条件の下で、放射源2の近傍で測定された電磁界に基づいて、放射源2からより遠い位置の仮想の観測点3における電磁界を、容易に且つ精度よく推定することが可能になる。
次に、図4を参照して、本実施の形態における複数の測定点と複数の鏡像測定点について説明する。図4に示したように、本実施の形態では、複数の測定点11は、測定面10上において、交差する2方向に並ぶように配列されている。より具体的に説明すると、本実施の形態では、測定面10を構成する5面の各々は、格子状に複数の領域12に分割される。複数の測定点11は、それぞれ複数の領域12の外縁または内部の所定の位置に配置される。所定の位置は、例えば、領域12の中心でもよいし、領域12の外縁の4つの角のうちの1つの位置でもよい。1つの領域12の面積は、式(3)、(4)におけるdSに対応する。
測定面10を構成する5面の各々において、他の面との境界(稜線)に隣接する複数の測定点11については、境界に極めて近い位置に配置することが好ましい。
鏡像測定面20には、グランドプレーン1を中心として複数の領域12と面対称の位置関係を有する複数の鏡像領域22と、グランドプレーン1を中心として複数の測定点11と面対称の位置関係を有する複数の鏡像測定点21が設定される。
ここで、複数の測定点11が並ぶ2方向のうちの一方において、隣接する2つの測定点11間の測定面10上における距離をD1とし、複数の測定点11が並ぶ2方向のうちの他方において、隣接する2つの測定点11間の測定面10上における距離をD2とする。D1,D2は、サンプリング定理に従って、0より大きく電磁波の波長の1/2以下の値に設定する。D1,D2は、電磁波の波長の1/6以下であることが好ましい。
グランドプレーン1に隣接する1列の領域12内の測定点11とグランドプレーン1との間の距離D3は、0より大きく電磁波の波長の1/4以下の値に設定する。これは、グランドプレーン1を介して隣接する測定点11と鏡像測定点21との間の距離を電磁波の波長の1/2以下にするためである。
測定対象の電磁波の波長が範囲を有する場合には、電磁波の波長の下限値に基づいて、D1,D2,D3を決定することできる。例えば、電磁波の周波数の上限値を1GHzとすると、電磁波の波長の下限値は30cmである。この場合には、D1,D2を15cm以下、好ましくは5cm以下とし、D3を7.5cm以下とする。
隣接する2つの鏡像測定点21間の鏡像測定面20上における距離と、グランドプレーン1に隣接する1列の領域22内の鏡像測定点21とグランドプレーン1との間の距離は、いずれも、測定点11の場合と同様である。
次に、図5を参照して、鏡像測定点電界と鏡像測定点磁界の算出方法について説明する。始めに、図5(a)を参照して、鏡像測定点電界の算出方法について説明する。ここでは、複数の測定点電界は、それぞれ、グランドプレーン1に平行な水平成分E1とグランドプレーン1に垂直な垂直成分E2とを含んでいるものとする。この場合、複数の鏡像測定点電界も、それぞれ、グランドプレーン1に平行な水平成分E3とグランドプレーン1に垂直な垂直成分E4とを含む。複数の鏡像測定点電界の水平成分E3と垂直成分E4は、以下のように、グランドプレーン1の境界条件を満足するように与えられる。すなわち、複数の鏡像測定点電界の水平成分E3は、それぞれ対応する測定点電界の水平成分E1と振幅は等しいが逆位相である。複数の鏡像測定点電界の垂直成分E4は、それぞれ対応する測定点電界の垂直成分E2と振幅および位相が等しい。図5(a)には、1つの測定点電界の水平成分E1と垂直成分E2と、それに対応する1つの鏡像測定点電界の水平成分E3と垂直成分E4を示している。
次に、図5(b)を参照して、鏡像測定点磁界の算出方法について説明する。ここでは、複数の測定点磁界は、それぞれ、グランドプレーン1に平行な水平成分H1とグランドプレーン1に垂直な垂直成分H2とを含んでいるものとする。この場合、複数の鏡像測定点磁界も、それぞれ、グランドプレーン1に平行な水平成分H3とグランドプレーン1に垂直な垂直成分H4とを含む。複数の鏡像測定点磁界の水平成分H3と垂直成分H4は、以下のように、グランドプレーン1の境界条件を満足するように与えられる。すなわち、複数の鏡像測定点磁界の水平成分H3は、それぞれ対応する測定点磁界の水平成分H1と振幅および位相が等しい。複数の鏡像測定点磁界の垂直成分H4は、それぞれ対応する測定点磁界の垂直成分H2と振幅は等しいが逆位相である。図5(b)には、1つの測定点磁界の水平成分H1と垂直成分H2と、それに対応する1つの鏡像測定点磁界の水平成分H3と垂直成分H4を示している。
[検証実験]
以下、図6ないし図25を参照して、本実施の形態に係る遠方電磁界推定方法の妥当性を検証するために行った実験について説明する。実験は、放射源2が放射する電磁波が水平偏波である場合(以下、水平偏波の場合と言う。)と、放射源2が放射する電磁波が垂直偏波である場合(以下、垂直偏波の場合と言う。)に分けて行った。
図6は、水平偏波の場合における実験の方法を説明するための説明図である。実験では、放射源2としてバイコニカルアンテナ31を用いた。水平偏波の場合については、図6に示したように、グランドプレーン1を基準として高さ1mの位置に、バイコニカルアンテナ31を、水平偏波の電磁波を放射する姿勢で配置した。
ここで、グランドプレーン1に平行で、互いに直交する2つの方向をX方向とZ方向と定義し、グランドプレーン1に垂直な方向をY方向と定義する。水平偏波の場合については、5つの四角形の平面10a,10b,10c,10d,10eからなる測定面10を想定した。5つの平面は、直方体の6面のうちの5面に対応する。平面10a,10bは、X方向に垂直であって、それぞれの一辺がグランドプレーン1に接している。平面10c,10dは、Z方向に垂直であって、それぞれの一辺がグランドプレーン1に接している。平面10eは、Y方向に垂直であって、グランドプレーン1に対向している。測定面10とグランドプレーン1が合わさってできる直方体のX,Y,Zの各方向の寸法は、それぞれ100cm、150cm、160cmである。バイコニカルアンテナ31から平面10a,10bまでの距離は互いに等しく、バイコニカルアンテナ31から平面10c,10dまでの距離も互いに等しい。測定面10上には、複数の測定点11が配置されている。X,Y,Zの各方向について、隣接する2つの測定点11間の測定面10上における距離は10cmである。
図7は、垂直偏波の場合における実験の方法を説明するための説明図である。この場合については、図7に示したように、グランドプレーン1を基準として高さ1mの位置に、バイコニカルアンテナ31を、垂直偏波の電磁波を放射する姿勢で配置した。また、水平偏波の場合と同様に、5つの四角形の平面10a,10b,10c,10d,10eからなる測定面10を想定した。測定面10とグランドプレーン1が合わさってできる直方体のX,Y,Zの各方向の寸法は、それぞれ100cm、170cm、100cmである。バイコニカルアンテナ31から平面10a,10bまでの距離は互いに等しく、バイコニカルアンテナ31から平面10c,10dまでの距離も互いに等しい。測定面10上には、複数の測定点11が配置されている。X,Y,Zの各方向について、隣接する2つの測定点11間の測定面10上における距離は10cmである。
実験では、水平偏波の場合と垂直偏波の場合について、それぞれ、後で説明する電磁界プローブを用いて、複数の測定点11における測定点電界と測定点磁界を測定した。電磁波の周波数は、30MHz、80MHz、100MHz、200MHzの4種類とした。水平偏波の場合における測定点電界と測定点磁界は、それぞれ図5を用いて説明した測定点電界の水平成分と測定点磁界の水平成分に対応する。垂直偏波の場合における測定点電界と測定点磁界は、それぞれ図5を用いて説明した測定点電界の垂直成分と測定点磁界の垂直成分に対応する。
ここで、図8および図9を参照して、電磁界プローブについて説明する。実験で用いた電磁界プローブは、電界に応じた信号を出力する電界検出部41と、磁界に応じた信号を出力する磁界検出部51とを有している。図8は、電界検出部41を分解して示す斜視図である。図9は、磁界検出部51を分解して示す斜視図である。電磁界プローブは、電界検出部41と磁界検出部51が結合されて構成されている。以下、電磁界プローブを符号40で表す。
図8に示したように、電界検出部41は、パターン化された導体層よりなる電界アンテナ部43を含むプリント基板42と、プリント基板42の上下に配置された導体よりなるシールド板44,45とを備えている。電界アンテナ部43は、ダイポールアンテナを構成している。電界アンテナ部43は、2つのケーブル部43a,43bと、ケーブル部43aの一端に接続されたエレメント43cと、ケーブル部43bの一端に接続されたエレメント43dとを含んでいる。2つのエレメント43c,43dの長さは、それぞれ10mmである。
電界検出部41は、更に、シールド板44,45およびプリント基板42を貫通する2つのスルーホールからなる2つの電界出力ポート46,47を備えている。電界出力ポート46はケーブル部43aの他端に接続され、電界出力ポート47はケーブル部43bの他端に接続されている。シールド板44,45は、電界アンテナ部43の一部であるケーブル部43a,43bを上下から挟み込む形状を有している。電界アンテナ部43および電界出力ポート46,47は、シールド板44,45に対して絶縁されている。シールド板44,45は、図示しない複数のスルーホールを介して、互いに電気的に接続されている。シールド板44,45は、電界アンテナ部43の一部をシールドする電界シールド部を構成している。電界アンテナ部43は、検出した電界に応じた差動信号を生成する。2つの電界出力ポート46,47は、電界アンテナ部43によって生成された差動信号を出力する。なお、差動信号は、振幅が等しく位相が反対の2つの信号によって構成される。
図9に示したように、磁界検出部51は、パターン化された導体層よりなる磁界アンテナ部53を含むプリント基板52と、プリント基板52の上下に配置された導体よりなるシールド板54,55とを備えている。磁界アンテナ部53は、ループアンテナを構成している。磁界アンテナ部53は、2つのケーブル部53a,53bと、ケーブル部53aの一端とケーブル部53bの一端とを接続するループ部53cとを含んでいる。ループ部53cの形状は、一辺の長さが20mmのほぼ正方形である。
磁界検出部51は、更に、シールド板54,55およびプリント基板52を貫通する2つのスルーホールからなる2つの磁界出力ポート56,57を備えている。磁界出力ポート56はケーブル部53aの他端に接続され、磁界出力ポート57はケーブル部53bの他端に接続されている。シールド板54,55は、磁界アンテナ部53の一部を挟み込む形状を有している。具体的には、シールド板54,55は、ケーブル部53a,53bの全体を挟み込むと共に、ループ部53cの一部を除いた部分を挟み込む形状を有している。磁界アンテナ部53および磁界出力ポート56,57は、シールド板54,55に対して絶縁されている。シールド板54,55は、図示しない複数のスルーホールを介して、互いに電気的に接続されている。シールド板54,55は、磁界アンテナ部53の一部をシールドする磁界シールド部を構成している。磁界アンテナ部53は、検出した磁界に応じた差動信号を生成する。2つの磁界出力ポート56,57は、磁界アンテナ部53によって生成された差動信号を出力する。
上述のように電界検出部41と磁界検出部51は、いずれも差動信号を生成する。このような電界検出部41と磁界検出部51は、差動信号を構成する2つの信号に同相で生じる定常雑音を相殺でき、検出方向に対する依存性が小さいという特長を有している。
電磁界プローブ40を用いて電界の振幅および位相と磁界の振幅および位相を測定するためには、電界検出部41の固有の受信特性に応じて、電界検出部41の出力信号の振幅および位相を、実際に電界検出部41が受けた電界の振幅および位相に対応する値に補正するための第1の補正情報と、磁界検出部51の固有の受信特性に応じて、磁界検出部51の出力信号の振幅および位相を、実際に磁界検出部51が受けた磁界の振幅および位相に対応する値に補正するための第2の補正情報とが必要である。以下、第1の補正情報を電界プローブ係数と呼び、第2の補正情報を磁界プローブ係数と呼ぶ。実験では、予め、電界プローブ係数と磁界プローブ係数を、以下で説明する方法によって求めた。
図10と図11は、電界プローブ係数と磁界プローブ係数を求める方法(以下、プローブ係数を求める方法と言う。)を説明するための説明図である。プローブ係数を求める方法では、まず、放射源から基準となる電磁波を放射させ、この電磁波を電磁界プローブ40によって検出して、電界プローブ係数と磁界プローブ係数を求めるための基礎データを収集する。ここでは、放射源として、図10に示したバイコニカルアンテナ61と、図11に示したログペリオディックアンテナ62を用いた。
始めに、図10を参照して、放射源としてバイコニカルアンテナ61を用いた場合について説明する。プローブ係数を求める方法では、電磁界プローブ40およびバイコニカルアンテナ61の他に、基準信号発生器63、信号分配器64および受信器65を用いた。基準信号発生器63は、基準信号を発生する。この基準信号は、信号分配器64によって2つの基準信号SR1,SR2に分けられる。基準信号SR1は、1Vの大きさでバイコニカルアンテナ61に供給される。基準信号SR2は、受信器65に供給される。バイコニカルアンテナ61は、基準信号SR1に基づいて、電磁波を放射する。電磁界プローブ40は、この電磁波を検出する。
プローブ係数を求める方法では、バイコニカルアンテナ61と電磁界プローブ40を、グランドプレーン1を基準として高さ1mの位置に配置した。バイコニカルアンテナ61と電磁界プローブ40の間の距離は、30cm〜100mの範囲において10cm間隔で変化させた。バイコニカルアンテナ61は、水平偏波の電磁波を放射する姿勢で配置した。電磁界プローブ40は、電界検出部41が電界の水平成分を検出し、磁界検出部51が磁界の垂直成分を検出する姿勢で配置した。バイコニカルアンテナ61が放射する電磁波の周波数は、30MHz〜300MHzの範囲内で変化させた。電磁界プローブ40の電界検出部41と磁界検出部51から出力される2つの差動信号は、受信器65に供給される。受信器65は、受けた基準信号SR2と2つの差動信号に対応する複数の測定データを生成する。複数の測定データは、受信器65から図示しないコンピュータに送られる。
次に、図11を参照して、放射源としてログペリオディックアンテナ62を用いた場合について説明する。この場合には、バイコニカルアンテナ61の代わりにログペリオディックアンテナ62を、グランドプレーン1を基準として高さ1mの位置に配置した。ログペリオディックアンテナ62と電磁界プローブ40の間の距離は、30cm〜100mの範囲において10cm間隔で変化させた。ログペリオディックアンテナ62は、水平偏波の電磁波を放射する姿勢で配置した。ログペリオディックアンテナ62が放射する電磁波の周波数は、300MHz〜1GMHzの範囲内で変化させた。ログペリオディックアンテナ62を用いた場合におけるその他の条件は、バイコニカルアンテナ61を用いた場合と同様である。
プローブ係数を求める方法では、上記コンピュータを用いて、以下のようにして、電界プローブ係数と磁界プローブ係数を求めた。まず、電界検出部41から出力された差動信号を構成する2つの信号の差を電界検出信号SEとして求め、磁界検出部51から出力された差動信号を構成する2つの信号の差を磁界検出信号SHとして求めた。次に、電界検出信号SEを基準信号SR2で割って得られた値SE/SR2を電界測定値Emeasとして求め、磁界検出信号SHを基準信号SR2で割って得られた値SH/SR2を磁界測定値Hmeasとして求めた。電界測定値Emeasと磁界測定値Hmeasは、電界プローブ係数と磁界プローブ係数を求めるための基礎データである。
また、プローブ係数を求める方法では、図10に示した測定系と図11に示した測定系をそれぞれモデル化して、モーメント法によって、電界測定値Emeasに対応する計算値である電界計算値Ecalと、磁界測定値Hmeasに対応する計算値である磁界計算値Hcalとを求めた。そして、下記の式(5)、(6)によって、電界プローブ係数PFと磁界プローブ係数PFとを求めた。
PF=Ecal/Emeas …(5)
PF=Hcal/Hmeas …(6)
電界プローブ係数PFと磁界プローブ係数PFは、それぞれ振幅と位相の情報を有している。ここで、電界プローブ係数PFが有する振幅の情報を電界振幅係数と呼び、電界プローブ係数PFが有する位相の情報を電界位相係数と呼び、磁界プローブ係数PFが有する振幅の情報を磁界振幅係数と呼び、磁界プローブ係数PFが有する位相の情報を磁界位相係数と呼ぶ。
アンテナ61または62と電磁界プローブ40の間の距離と、アンテナ61または62が放射する電磁波の周波数を変えて、上記の電界振幅係数、電界位相係数、磁界振幅係数および磁界位相係数を求めたところ、周波数毎のこれらの係数は、アンテナ61または62と電磁界プローブ40の間の距離に関わらずにほぼ一定になることが分かった。
ここで、周波数毎の電界振幅係数、電界位相係数、磁界振幅係数、磁界位相係数のそれぞれの平均値(アンテナ61または62と電磁界プローブ40の間の距離が異なる条件で得られた複数の係数の平均値)を、電界振幅係数PFEm、電界位相係数PFEp、磁界振幅係数PFHm、磁界位相係数PFHpとする。プローブ係数を求める方法では、電界プローブ係数の振幅の情報として電界振幅係数PFEmを求め、電界プローブ係数の位相の情報として電界位相係数PFEpを求め、磁界プローブ係数の振幅の情報として磁界振幅係数PFHmを求め、磁界プローブ係数の位相の情報として磁界位相係数PFHpを求めた。また、以下の説明では、電界プローブ係数PFは、電界振幅係数PFEmで表される振幅と電界位相係数PFEpで表される位相を有するものとし、磁界プローブ係数PFは、磁界振幅係数PFHmで表される振幅と磁界位相係数PFHpで表される位相を有するものとする。
図12は、電界振幅係数PFEmと磁界振幅係数PFHmを示す特性図である。図12において、横軸は周波数を示し、縦軸はPFEm、PFHmを示している。図12において、複数の黒丸は、周波数毎の電界振幅係数PFEmを表し、複数の白丸は、周波数毎の磁界振幅係数PFHmを表している。
図13は、電界振幅係数PFEmと磁界振幅係数PFHmの比PFEm/PFHmを示す特性図である。図13において、横軸は周波数を示し、縦軸はPFEm/PFHmを示している。
図14は、電界位相係数PFEpと磁界位相係数PFHpを示す特性図である。図14において、横軸は周波数を示し、縦軸はPFEp、PFHpを示している。PFEp、PFHpの単位は、度(deg)である。図14において、複数の黒丸は、周波数毎の電界位相係数PFEpを表し、複数の白丸は、周波数毎の磁界位相係数PFHpを表している。
図15は、電界位相係数PFEpと磁界位相係数PFHpの差PFEp−PFHpを示す特性図である。図15において、横軸は周波数を示し、縦軸はPFEp−PFHpを示している。PFEp−PFHpの単位は、度(deg)である。
使用する電磁界プローブ40に関して、予め、電界プローブ係数PFが求められていれば、電界プローブ係数PFを用いて、電界検出部41の出力信号の振幅および位相を、電界検出部41の固有の受信特性の影響が排除された値、すなわち実際に電界検出部41が受けた電界の振幅および位相に対応する値に補正することができる。同様に、使用する電磁界プローブ40に関して、予め、磁界プローブ係数PFが求められていれば、磁界プローブ係数PFを用いて、磁界検出部51の出力信号の振幅および位相を、磁界検出部51の固有の受信特性の影響が排除された値、すなわち実際に磁界検出部51が受けた磁界の振幅および位相に対応する値に補正することができる。具体的には、補正後の電界は、電界検出部41の出力信号に電界プローブ係数PFを掛けることによって得られ、補正後の磁界は、磁界検出部51の出力信号に磁界プローブ係数PFを掛けることによって得られる。
また、使用する電磁界プローブ40に関して、予め、図13に示したような電界振幅係数PFEmと磁界振幅係数PFHmの比PFEm/PFHmと、図15に示したような電界位相係数PFEpと磁界位相係数PFHpの差PFEp−PFHpが求められていれば、電界と磁界の一方について振幅と位相を測定し、その測定結果と上記の比PFEm/PFHmおよび差PFEp−PFHpを用いて、以下のようにして、電界と磁界の他方についての振幅と位相を計算によって求めることが可能である。
電界の水平成分の振幅および位相と電界の垂直成分の振幅および位相を測定した場合には、電界の水平成分の振幅を比PFEm/PFHmで割ることによって磁界の垂直成分の振幅を求めることができる。また、電界の垂直成分の振幅を比PFEm/PFHmで割ることによって磁界の水平成分の振幅を求めることができる。また、電界の水平成分の位相から差PFEp−PFHpを引くことによって磁界の垂直成分の位相を求めることができる。また、電界の垂直成分の位相から差PFEp−PFHpを引くことによって磁界の水平成分の位相を求めることができる。
磁界の水平成分の振幅および位相と磁界の垂直成分の振幅および位相を測定した場合には、磁界の水平成分の振幅に比PFEm/PFHmを掛けることによって電界の垂直成分の振幅を求めることができる。また、磁界の垂直成分の振幅に比PFEm/PFHmを掛けることによって電界の水平成分の振幅を求めることができる。また、磁界の水平成分の位相に差PFEp−PFHpを足すことによって電界の垂直成分の位相を求めることができる。また、磁界の垂直成分の位相に差PFEp−PFHpを足すことによって電界の水平成分の位相を求めることができる。
実験では、図6に示した水平偏波の場合と図7に示した垂直偏波の場合について、電磁界プローブ40を用いて、複数の測定点11における測定点電界と測定点磁界のそれぞれの振幅と位相を測定した。測定点電界と測定点磁界のそれぞれの振幅と位相は、電界プローブ係数PFと磁界プローブ係数PFを用いて補正された後の値である。
実験では、次に、グランドプレーン1を中心として測定面10と面対称の位置関係を有する鏡像測定面20上に複数の鏡像測定点21(図4参照)を設定した。そして、複数の測定点11における測定点電界と測定点磁界のそれぞれの振幅と位相に基づいて、複数の鏡像測定点21における鏡像測定点電界と鏡像測定点磁界のそれぞれの振幅と位相を算出した。次に、複数の測定点11における測定点電界と測定点磁界のそれぞれの振幅と位相と、複数の鏡像測定点21における鏡像測定点電界と鏡像測定点磁界のそれぞれの振幅と位相に基づいて、式(1)、(2)を用いて、面30(図1参照)上の面電流Jsと面磁流Msの分布を求めた。次に、式(3)、(4)を用いて、面30上の面電流Jsと面磁流Msの分布から、仮想の観測点3における遠方電磁界を求めた。実験では、特に、仮想の観測点3における電界強度を求めた。仮想の観測点3は、放射源2(バイコニカルアンテナ31)からX方向に10mだけ離れた位置に想定した。グランドプレーン1を基準とした仮想の観測点3の高さ(以下、観測点高さと言う。)は、1m〜4mの範囲内で変化させた。以下、このようにして求めた観測点3における電界強度を、本実施の形態による電界強度と言う。
実験では、観測点3における電界強度の理論値を、モーメント法を用いて求めた。また、実験では、図3に示した比較例の遠方電磁界推定方法を用いて、観測点3における電界強度を求めた。ここで、図16および図17を参照して、比較例の遠方電磁界推定方法を用いて観測点3における電界強度を求めたときの条件について説明する。図6および図7に示した実験の方法と同様に、比較例においても、水平偏波の場合と垂直偏波の場合に分けて測定を行った。
図16は、水平偏波の場合における比較例の条件を説明するための説明図である。この場合における放射源2としてのバイコニカルアンテナ31の位置と姿勢は、図6に示した実験の場合と同じである。比較例では、図16に示したように、バイコニカルアンテナ31を囲むように、6つの四角形の平面4a,4b,4c,4d,4e,4fからなる測定面4を想定した。6つの平面は、直方体の6面に対応する。この直方体のX,Y,Zの各方向の寸法は、それぞれ100cm、100cm、160cmである。測定面4上には、複数の測定点11が配置されている。X,Y,Zの各方向について、隣接する2つの測定点11間の測定面4上における距離は10cmである。
図17は、垂直偏波の場合における比較例の条件を説明するための説明図である。この場合における放射源2としてのバイコニカルアンテナ31の位置と姿勢は、図7に示した実験の場合と同じである。比較例では、図17に示したように、バイコニカルアンテナ31を囲むように、6つの四角形の平面4a,4b,4c,4d,4e,4fからなる測定面4を想定した。6つの平面は、直方体の6面に対応する。この直方体のX,Y,Zの各方向の寸法は、それぞれ100cm、140cm、100cmである。測定面4上には、複数の測定点11が配置されている。X,Y,Zの各方向について、隣接する2つの測定点11間の測定面4上における距離は10cmである。
比較例では、図16に示した水平偏波の場合と図17に示した垂直偏波の場合について、電磁界プローブ40を用いて、複数の測定点11における測定点電界と測定点磁界のそれぞれの振幅と位相を測定した。比較例では、次に、鏡像観測点5を想定し、観測点3と鏡像観測点5の2点で電界を推定した。次に推定した2つの電界をベクトル的に加算して、観測点3における電界強度を求めた。以下、このようにして求めた観測点3における電界強度を、比較例による電界強度と言う。
実験の結果を、図18ないし図25に示す。図18は、電磁波が周波数30MHzの水平偏波の場合の実験結果を示している。図19は、電磁波が周波数80MHzの水平偏波の場合の実験結果を示している。図20は、電磁波が周波数100MHzの水平偏波の場合の実験結果を示している。図21は、電磁波が周波数200MHzの水平偏波の場合の実験結果を示している。図22は、電磁波が周波数30MHzの垂直偏波の場合の実験結果を示している。図23は、電磁波が周波数80MHzの垂直偏波の場合の実験結果を示している。図24は、電磁波が周波数100MHzの垂直偏波の場合の実験結果を示している。図25は、電磁波が周波数200MHzの垂直偏波の場合の実験結果を示している。
図18ないし図25において、(a)は、観測点高さと電界強度の理論値との関係を示している。(b)は、観測点高さと本実施の形態による電界強度との関係を示している。(c)は、観測点高さと比較例による電界強度との関係を示している。(a)ないし(c)において、縦軸は観測点高さ(m)を示し、横軸は電界強度(dBV/m)を示している。
図18ないし図25に示したように、本実施の形態による電界強度は、電界強度の理論値とほぼ一致し、比較例による電界強度ともほぼ一致している。この結果から、本実施の形態に係る遠方電磁界推定方法が妥当であることが確認された。
[遠方電磁界推定装置および近傍電磁界測定装置]
以下、図26ないし図35を参照して、本実施の形態に係る遠方電磁界推定装置および近傍電磁界測定装置について説明する。本実施の形態に係る遠方電磁界推定装置は、本実施の形態に係る遠方電磁界推定方法を実施する装置である。すなわち、遠方電磁界推定装置は、グランドプレーン1によって区画された2つの空間のうちの一方に配置された電磁波の放射源2によって、放射源2から離れた仮想の観測点3に形成されると推定される電界と磁界の少なくとも一方を求める。遠方電磁界推定装置は、本実施の形態に係る近傍電磁界測定装置と、演算処理部とを備えている。
始めに、図26を参照して、本実施の形態に係る近傍電磁界測定装置について説明する。近傍電磁界測定装置60は、電界と磁界の少なくとも一方を検出する1つ以上のプローブと、放射源2に対するプローブの相対的位置を変更可能な位置制御機構70と、プローブと位置制御機構70を用いた電界と磁界の少なくとも一方の測定の制御を行う制御部とを備えている。本実施の形態におけるプローブは、特に、図8に示した電界検出部41と図9に示した磁界検出部51とを有する電磁界プローブ40である。なお、図26には、制御部を示していない。
制御部は、第1の動作と第2の動作を実行する。第1の動作では、グランドプレーン1と合わさって、放射源2を囲む閉じた面であって、その内側に形成される空間内に仮想の観測点3が含まれない閉じた面を形成する測定面10(図1参照)を想定し、測定面10上に複数の測定点11(図4参照)を設定する。第2の動作では、位置制御機構70を制御しながら、電磁界プローブ40を用いて、複数の測定点11における電界の測定面10の接線方向の成分である複数の測定点電界と、複数の測定点11における磁界の測定面10の接線方向の成分である複数の測定点磁界の少なくとも一方を測定する。本実施の形態では特に、第1の動作において、図1に示したように、直方体の6面のうちの1面を除いた残りの5面からなる形状の測定面10を想定する。
位置制御機構70は、グランドプレーン1上に設けられた2本のレール71,71と、可動フレーム72とを備えている。可動フレーム72は、フレーム本体72Aと、このフレーム本体72Aに取り付けられて、2本のレール71,71に沿って移動可能な4つの車輪72Bとを有している。フレーム本体72Aは、2本のレール71,71の上方において垂直方向に延びる2つの垂直部分と、水平方向に延びて2つの垂直部分の上端同士を連結する水平部分とを有している。
位置制御機構70は、更に、電磁界プローブ40を支持して、フレーム本体72Aに対して、フレーム本体72Aに沿って移動可能に取り付けられたアーム73を備えている。アーム73は、電磁界プローブ40が検出する電界と磁界の方向を変更できるように、電磁界プローブ40の姿勢を変更できるようになっている。
位置制御機構70は、更に、グランドプレーン1に取り付けられた円盤状の回転台74を備えている。回転台74は、グランドプレーン1に垂直な方向の軸を中心として回転可能になっている。ここで、回転台74の回転中心から回転台74の外周の所定の1点に向かう方向を、回転台74の正面方向と定義する。放射源2は、例えば、回転台74の上に配置された架台75の上に載置されている。
図示しないが、位置制御機構70は、更に、2本のレール71,71に沿って可動フレーム72を移動させる駆動装置と、フレーム本体72Aに沿ってアーム73を移動させる駆動装置と、アーム73が支持する電磁界プローブ40の姿勢を変更する駆動装置と、回転台74を回転させる駆動装置とを備えている。制御部は、上記の複数の駆動装置を制御して、前述の第2の動作を実行する。なお、電磁界プローブ40とアーム73の組は、複数設けられていてもよい。
本実施の形態に係る遠方電磁界推定装置は、更に、参照点アンテナ61を備えている。参照点アンテナ61は、グランドプレーン1の上方であって、測定面10によって囲まれた空間の外の所定の位置に配置されている。参照点アンテナ61の働きについては、後で詳しく説明する。
図27は、図26に示した近傍電磁界測定装置60の配置の一例を示す斜視図である。この例では、放射源2、電磁界プローブ40、位置制御機構70および参照点アンテナ61は、グランドプレーン1を構成する金属床面を有する電波暗室80内に配置されている。電波暗室80は、金属床面を除くシールドルームの壁面に電波吸収体が貼り付けられて構成されている。
次に、図28および図29を参照して、近傍電磁界測定装置60を用いて複数の測定点11における測定点電界と測定点磁界の少なくとも一方を測定する際における近傍電磁界測定装置60の動作の概要について説明する。始めに、図26において、実線で示した可動フレーム72の位置をA位置と定義し、破線で示した可動フレーム72の位置をB位置と定義する。また、回転台74の正面方向が図26において記号Cで示した方向に向いているときの回転台74の位置をC位置と定義する。また、回転台74の正面方向が図26において記号Dで示した方向に向いているときの回転台74の位置をD位置と定義する。記号Dで示した方向は、記号Cで示した方向から、回転台74の回転方向に90°回転した方向である。
初期状態において、可動フレーム72はB位置であり、回転台74はC位置にある。複数の測定点11における測定点電界と測定点磁界の少なくとも一方を測定する際には、以下のようなA方向走査とB方向走査とを行う。
A方向走査では、回転台74の位置をC位置とし、可動フレーム72を、B位置とA位置を含む所定の複数の位置で一旦停止させながら、B位置からA位置へ向けて移動させる。図28は、この様子を表している。図28では、B位置とA位置の間で可動フレーム72を停止させる複数の位置を破線で示している。可動フレーム72を停止させる複数の位置の間隔は、隣接する2つの測定点11間の測定面10上における距離と等しい。可動フレーム72の停止位置毎に、フレーム本体72Aに沿ってアーム73を移動させ、且つ電磁界プローブ40の姿勢を調整して、複数の測定点11における測定点電界と測定点磁界の少なくとも一方を測定する。このようにして、測定面10を構成する5つの平面のうちの3つの平面上の複数の測定点11における測定点電界と測定点磁界の少なくとも一方が測定される。
B方向走査では、回転台74の位置をD位置とする。これにより、放射源2に対する可動フレーム72の相対的位置は、回転台74の位置がC位置であるときと比べて、回転台74の回転方向に90°回転した位置になる。次に、可動フレーム72を、A位置とB位置を含む所定の複数の位置で一旦停止させながら、A位置からB位置へ向けて移動させる。図29は、この様子を表している。図29では、A位置とB位置の間で可動フレーム72を停止させる複数の位置を破線で示している。可動フレーム72を停止させる複数の位置の間隔は、隣接する2つの測定点11間の測定面10上における距離と等しい。可動フレーム72の停止位置毎に、フレーム本体72Aの2つの垂直部分に沿ってアーム73を移動させ、且つ電磁界プローブ40の姿勢を調整して、複数の測定点11における測定点電界と測定点磁界の少なくとも一方を測定する。このようにして、測定面10を構成する5つの平面のうち、A方向走査では測定が行われていない2つの平面上の複数の測定点11における測定点電界と測定点磁界の少なくとも一方が測定される。
以上のA方向走査とB方向走査を行うことにより、測定面10上の全ての測定点11における測定点電界と測定点磁界の少なくとも一方が測定される。なお、後で、複数の測定点11における測定点電界および測定点磁界を測定する際の遠方電磁界推定装置の動作について詳しく説明する。
次に、図30ないし図32を参照して、本実施の形態に係る遠方電磁界推定装置の構成について詳しく説明する。図30は、遠方電磁界推定装置の構成を示す説明図である。図31は、遠方電磁界推定装置の主要な構成要素を示すブロック図である。本実施の形態に係る遠方電磁界推定装置100は、図31に示したように、近傍電磁界測定装置60と、演算処理部81とを備えている。近傍電磁界測定装置60は、電磁界プローブ40と、位置制御機構70と、電磁界プローブ40と位置制御機構70を用いた電界と磁界の少なくとも一方の測定の制御を行う制御部80とを備えている。演算処理部81が行う処理については、後で詳しく説明する。本実施の形態では、制御部80と演算処理部81は、コンピュータ90によって実現されている。
図32は、図31におけるコンピュータ90のハードウェア構成を示すブロック図である。コンピュータ90は、主制御部91と、入力装置92と、出力装置93と、記憶装置94と、これらを互いに接続するバス95とを備えている。主制御部91は、CPU(中央処理装置)およびRAM(ランダムアクセスメモリ)を有している。入力装置92は、遠方電磁界推定装置の動作に必要な情報の入力や各種の動作の指示を行うために用いられる。出力装置93は、遠方電磁界推定装置の動作に関連する各種の情報を出力(表示を含む)するために用いられる。
記憶装置94は、情報を記憶できるものであれば、その形態は問わないが、例えばハードディスク装置または光ディスク装置である。また、記憶装置94は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体96に対して情報を記録し、また記録媒体96より情報を再生するようになっている。記録媒体96は、例えばハードディスクまたは光ディスクである。記録媒体96は、図31に示した制御部80と演算処理部81を実現するためのプログラムを記録した記録媒体であってもよい。
主制御部91は、例えば記憶装置94の記録媒体96に記録されたプログラムを実行することにより、図31に示した制御部80と演算処理部81の機能を発揮するようになっている。なお、図31に示した制御部80と演算処理部81は、物理的に別個の要素ではなく、ソフトウェアによって実現される。
図30に示したように、遠方電磁界推定装置100は、近傍電磁界測定装置60と、演算処理部81(コンピュータ90)の他に、参照点アンテナ61を備えている。また、近傍電磁界測定装置60は、電磁界プローブ40、位置制御機構70および制御部80(コンピュータ90)の他に、コントローラ101,102と、プリアンプ103,104,105と、受信器106とを備えている。コントローラ101,102と受信器106は、それぞれ、例えば通信ケーブルによって、コンピュータ90に接続されている。
コントローラ101は、コンピュータ90によって実現される制御部80の指示に応じて、可動フレーム72を移動させる駆動装置と、アーム73を移動させる駆動装置と、アーム73が支持する電磁界プローブ40の姿勢を変更する駆動装置を制御する。コントローラ102は、コンピュータ90によって実現される制御部80の指示に応じて、回転台74を回転させる駆動装置を制御する。
プリアンプ103,104は、電磁界プローブ40の電界検出部41または磁界検出部51から出力される差動信号を構成する2つの信号をそれぞれ増幅して、受信器106に送る。プリアンプ105は、参照点アンテナ61の出力信号を増幅して、受信器106に送る。受信器106は、受けた複数の信号に対応する複数の測定データを生成する。複数の測定データは、受信器106からコンピュータ90に送られる。
図33は、図30に示した遠方電磁界推定装置100の変形例を示す説明図である。この変形例における遠方電磁界推定装置100は、図30におけるプリアンプ103,104の代わりに、180度位相合成器107とプリアンプ108を備えている。180度位相合成器107は、電磁界プローブ40の電界検出部41または磁界検出部51から出力される差動信号を構成する2つの信号を同位相にして合成して1つの出力信号を生成する。プリアンプ108は、180度位相合成器107の出力信号を増幅して、受信器106に送る。この変形例によれば、図30に示した構成に比べて、受信器106の受信チャンネル数を1つ減らすことができる。なお、変形例の構成とする場合には、180度位相合成器107およびプリアンプ108による振幅と位相の変化を考慮して、電界プローブ係数PFと磁界プローブ係数PFを求めておく必要がある。
ここで、参照点アンテナ61の働きについて説明する。参照点アンテナ61は、放射源2から放射された電磁波を受信して、その電磁波の電界に応じた電圧を出力信号として出力する。受信器106は、参照点アンテナ61の出力信号に対応する参照電圧Vrefを生成する。参照電圧Vrefは、振幅と位相を持つ。
また、受信器106は、電磁界プローブ40の電界検出部41または磁界検出部51から出力される差動信号に基づいて、電界検出部41で検出した電界または磁界検出部51で検出した磁界に対応する電圧である測定電圧Vprobeを生成する。測定電圧Vprobeは、振幅と位相を持つ。
コンピュータ90は、以下のようにして、測定電圧Vprobeを、参照電圧Vrefの位相を基準とした信号に変換する。すなわち、測定電圧Vprobeが電界に対応するものである場合には、コンピュータ90は、下記の式(7)によって、測定電圧Vprobeを、参照電圧Vrefの位相を基準とした電界信号Eに変換する。なお、PFは、先に説明した電界プローブ係数である。
E=(Vprobe/Vref)・|Vref|・PF …(7)
また、測定電圧Vprobeが磁界に対応するものである場合には、コンピュータ90は、下記の式(8)によって、測定電圧Vprobeを、参照電圧Vrefの位相を基準とした磁界信号Hに変換する。なお、PFは、先に説明した磁界プローブ係数である。
H=(Vprobe/Vref)・|Vref|・PF …(8)
本実施の形態では、測定点電界は上記電界信号Eで表され、測定点磁界は上記磁界信号Hで表される。これにより、複数の測定点11における測定点電界と測定点磁界の測定タイミングが異なっていても、複数の測定点11における測定点電界と測定点磁界の位相を、参照電圧Vrefの位相を基準として表すことが可能になる。
なお、参照点アンテナ61については、グランドプレーン1からの反射波の影響により、受信レベルが小さくなる周波数が存在する。そのため、参照点アンテナ61は、高さおよび放射源2からの距離を変更できる構成とする。また、放射源2が放射する電磁波と参照点アンテナ61が受信する電磁波の位相の関係は安定していることが望ましい。そのため、図28に示したA方向走査と図29に示したB方向走査において、放射源2と参照点アンテナ61の位置関係が一定になるように、参照点アンテナ61は、回転台74の回転に追従して移動できることが望ましい。
次に、遠方電磁界推定装置100の動作について詳しく説明する。近傍電磁界測定装置60の制御部80は、前述の第1の動作と第2の動作を実行する。第1の動作は、本実施の形態に係る遠方電磁界推定方法における第1の手順に対応する。第2の動作は、本実施の形態に係る遠方電磁界推定方法における第2の手順に対応する。
演算処理部81は、第1の演算処理と第2の演算処理を実行する。第1の演算処理は、本実施の形態に係る遠方電磁界推定方法における第3の手順に対応する。第2の演算処理は、本実施の形態に係る遠方電磁界推定方法における第4の手順に対応する。
第1の演算処理では、グランドプレーン1を中心として測定面10と面対称の位置関係を有する鏡像測定面20上に、グランドプレーン1を中心として複数の測定点11と面対称の位置関係を有する複数の鏡像測定点21を設定し、第2の動作で測定された複数の測定点電界と複数の測定点磁界の少なくとも一方に基づいて、複数の鏡像測定点21における電界の鏡像測定面20の接線方向の成分である複数の鏡像測定点電界と複数の鏡像測定点21における磁界の鏡像測定面20の接線方向の成分である複数の鏡像測定点磁界の少なくとも一方を算出する。
第2の演算処理では、第2の動作で測定された複数の測定点電界と複数の測定点磁界の少なくとも一方と、第1の演算処理で算出された複数の鏡像測定点電界と複数の鏡像測定点磁界の少なくとも一方とに基づいて、仮想の観測点3に形成されると推定される電界と磁界の少なくとも一方を算出する。
以下、遠方電磁界推定装置100を用いて実施する遠方電磁界推定方法の一連の手順について説明する。遠方電磁界推定方法の一連の手順は、大きく分けて、測定処理と、それに続く演算処理に分けられる。測定処理は、遠方電磁界推定方法の第1および第2の手順を含む。また、測定処理は、制御部80が第1および第2の動作を実行することを含む。演算処理は、遠方電磁界推定方法の第3および第4の手順を含む。また、演算処理は、演算処理部81が第1および第2の演算処理を実行することを含む。
以下、第2の手順(第2の動作)において複数の測定点11における測定点電界と測定点磁界の両方を測定する場合を例にとって、測定処理について詳しく説明する。図34は、測定処理を示すフローチャートである。図34に示したように、測定処理では、まず、ステップS101で、受信器106によって、参照点アンテナ61の出力信号に基づいて、放射源2が放射する電磁波の周波数を測定する。この電磁波の周波数に基づいて、後で式(3)、(4)によって遠方電磁界を求める際に必要な電磁波の波長が求められる。
次に、ステップS102で、操作者が、電磁波の周波数、測定面10の形状の情報、隣接する2つの測定点11間の測定面10上における距離等の測定条件をコンピュータ90に入力する。
次に、ステップS103で、制御部80は、測定面10を想定し、測定面10上に複数の測定点11を設定する。ステップS103は、第1の手順および第1の動作に対応する。ここでは、測定面10は、図6に示したような5つの平面10a,10b,10c,10d,10eからなるものとする。また、測定面10の接線方向として第1方向および第2方向を以下のように定義する。平面10a,10bでは、Z方向が第1方向であり、Y方向が第2方向である。平面10c,10dでは、X方向が第1方向であり、Y方向が第2方向である。平面10eでは、Z方向が第1方向であり、X方向が第2方向である。
次に、ステップS104で、図28を参照して説明したA方向走査を行って、複数の測定点11における測定点電界の第1方向成分を測定する。次に、ステップS105で、A方向走査を行って、複数の測定点11における測定点電界の第2方向成分を測定する。次に、ステップS106で、図29を参照して説明したB方向走査を行って、複数の測定点11における測定点電界の第1方向成分を測定する。次に、ステップS107で、B方向走査を行って、複数の測定点11における測定点電界の第2方向成分を測定する。ステップS104〜S107では、測定に先立ち、各ステップで測定する測定点電界の成分を検出できるように電磁界プローブ40の姿勢を調整すると共に、電界検出部41の差動信号がプリアンプ103,104または180度位相合成器107に入力されるように設定する。
次に、ステップS108で、A方向走査を行って、複数の測定点11における測定点磁界の第1方向成分を測定する。次に、ステップS109で、A方向走査を行って、複数の測定点11における測定点磁界の第2方向成分を測定する。次に、ステップS110で、B方向走査を行って、複数の測定点11における測定点磁界の第1方向成分を測定する。次に、ステップS111で、B方向走査を行って、複数の測定点11における測定点磁界の第2方向成分を測定して、測定処理を終了する。ステップS108〜S111では、測定に先立ち、各ステップで測定する測定点磁界の成分を検出できるように電磁界プローブ40の姿勢を調整すると共に、磁界検出部51の差動信号がプリアンプ103,104または180度位相合成器107に入力されるように設定する。
ステップS104〜S111の各々において、制御部80は、測定によって得られた測定点電界または測定点磁界の第1方向成分または第2方向成分に対応する電圧を、式(7)または式(8)を用いて電界信号Eまたは磁界信号Hに変換し、これらを、測定点電界または測定点磁界の、第1方向成分または第2方向成分の情報とする。そして、制御部80は、この情報を、測定点11の位置と測定点電界または測定点磁界の成分の方向と対応付けて記憶する。ステップS104〜S111は、第2の手順および第2の動作に対応する。
以上の測定処理によって、測定面10上の全ての測定点11について、測定点電界および測定点磁界のそれぞれのX,Y,Zの3方向の成分の振幅と位相の情報が得られる。測定点11の測定点電界と測定点磁界のこれらの情報は、式(2)においてベクトルで表されている電界Eと、式(1)においてベクトルで表されている磁界Hに対応する。
次に、演算処理について詳しく説明する。図35は、演算処理を示すフローチャートである。図35に示したように、演算処理では、まず、ステップS121で、操作者が、放射源2の高さと、放射源2から仮想の観測点3までの水平方向の距離と、観測点高さの範囲と、この範囲内で設定される複数の観測点の間隔(以下、観測点間隔と言う。)等の演算条件を入力する。EMC規格の試験では、観測点高さの範囲は1m〜4mである。
次に、ステップS122で、演算処理部81が第1の演算処理を行う。すなわち、演算処理部81は、鏡像測定面20上に複数の鏡像測定点21を設定し、第2の動作で測定された複数の測定点電界と複数の測定点磁界に基づいて、複数の鏡像測定点21における複数の鏡像測定点電界と複数の鏡像測定点磁界を算出する。なお、測定点電界と測定点磁界と同様に、鏡像測定点電界と鏡像測定点磁界の位相は、参照電圧Vrefの位相を基準として表わされる。
次に、ステップS123で、演算処理部81は、式(1)、(2)を用いて、複数の測定点電界、複数の測定点磁界、複数の鏡像測定点電界および複数の鏡像測定点磁界に基づいて、面30上の面電流Jsと面磁流Msの分布を求める。
次に、ステップS124で、演算処理部81は、観測点高さを、入力された観測点高さの範囲内の最小値に設定する。
次に、ステップS125で、演算処理部81は、放射源2の高さと、放射源2から観測点3までの水平方向の距離と、観測点高さから、放射源2から観測点3までの距離を求める。次に、演算処理部81は、式(3)、(4)を用いて、面30上の面電流Jsと面磁流Msの分布から、観測点3における遠方電磁界を算出し、その情報を記憶する。EMC規格の試験では、特に、ステップS125において、観測点3における電界強度を算出し、記憶する。
なお、式(1)〜(4)は、ベトクルを用いて表現されているが、演算処理部81による式(1)〜(4)を用いた実際の演算は、X,Y,Zの3方向の成分毎に行われる。
次に、ステップS126で、演算処理部81は、観測点高さの範囲内で設定される全ての観測点3について遠方電磁界の算出が終了したか否かを判定する。全ての観測点3について遠方電磁界の算出が終了している場合(Y)には、演算処理を終了する。
ステップS126において、全ての観測点3について遠方電磁界の算出が終了していない場合(N)には、ステップS127で、観測点高さを観測点間隔だけ増加させて、ステップS125に戻る。ステップS123〜S127は、第4の手順および第2の演算処理に対応する。
以上の演算処理により、入力された観測点高さの範囲内の複数の観測点3における遠方電磁界が求められる。
なお、図34および図35には、複数の測定点11における測定点電界と測定点磁界の両方を測定して、観測点3における遠方電磁界を算出する例を示した。しかし、本実施の形態では、複数の測定点11における測定点電界と測定点磁界の一方を測定して、観測点3における遠方電磁界を算出してもよい。例えば、複数の測定点11における測定点電界と測定点磁界の一方の振幅と位相を測定し、その測定結果と、先に説明したPFEm/PFHmおよびPFEp−PFHpを用いて、測定点電界と測定点磁界の他方の振幅と位相を計算によって求めてもよい。そして、このように測定と計算によって得られた測定点電界と測定点磁界に基づいて、観測点3における遠方電磁界を算出してもよい。この場合には、図34に示した測定処理において、ステップS104〜S107と、ステップ108〜S111の一方を省略することができる。
すなわち、この場合には、第2の手順(第2の動作)では、複数の測定点電界と複数の測定点磁界の一方のみを測定する。第3の手順(第1の演算処理)では、複数の測定点電界と複数の測定点磁界の一方と、PFEm/PFHmおよびPFEp−PFHpを用いて、複数の測定点電界と複数の測定点磁界の他方を算出する。第3の手順(第1の演算処理)では、更に、測定された複数の測定点電界と複数の測定点磁界の一方と、算出された複数の測定点電界と複数の測定点磁界の他方とに基づいて、複数の鏡像測定点電界と複数の鏡像測定点磁界を算出する。第4の手順(第2の演算処理)では、第2の手順(第2の動作)で測定された複数の測定点電界と複数の測定点磁界の一方と、第3の手順(第1の演算処理)で算出された複数の測定点電界と複数の測定点磁界の他方、複数の鏡像測定点電界および複数の鏡像測定点磁界に基づいて、観測点3における遠方電磁界を算出する。
また、本実施の形態では、ラブの等価定理の代わりにシェルクノフの等価定理を用いて、観測点3における遠方電磁界を算出してもよい。この場合には、面30上の面電流Jsの分布と面磁流Msの分布の一方のみを用いて、観測点3における遠方電磁界を算出することができる。以下、シェルクノフの等価定理を用いて、観測点3における遠方電磁界を算出する方法について説明する。
まず、面30上の面電流Jsの分布のみを用いて、観測点3における遠方電磁界を算出する方法について説明する。この場合には、面30が磁気壁であると仮定する。第2の手順(第2の動作)では、複数の測定点磁界のみを測定し、この複数の測定点磁界に基づいて、第3の手順(第1の演算処理)では、複数の鏡像測定点磁界のみを算出する。第4の手順(第2の演算処理)では、式(1)、(2)の代わりに、Js=2n×H、Ms=0という関係を用いて、複数の測定点磁界と複数の鏡像測定点磁界に基づいて、面30上の面電流Jsの分布のみを求める。第4の手順(第2の演算処理)では、更に、式(3)、(4)において、Ms=0として、面30上の面電流Jsの分布から、観測点3における遠方電磁界を算出する。
次に、面30上の面磁流Msの分布のみを用いて、観測点3における遠方電磁界を算出する方法について説明する。この場合には、面30が電気壁であると仮定する。第2の手順(第2の動作)では、複数の測定点電界のみを測定し、この複数の測定点電界に基づいて、第3の手順(第1の演算処理)では、複数の鏡像測定点電界のみを算出する。第4の手順(第2の演算処理)では、式(1)、(2)の代わりに、Js=0、Ms=−2n×Eという関係を用いて、複数の測定点電界と複数の鏡像測定点電界に基づいて、面30上の面磁流Msの分布のみを求める。第4の手順(第2の演算処理)では、更に、式(3)、(4)において、Js=0として、面30上の面磁流Msの分布から、観測点3における遠方電磁界を算出する。
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。図36は、本実施の形態に係る遠方電磁界推定方法の概要を説明するための説明図である。図36に示したように、本実施の形態では、測定面10の形状が第1の実施の形態とは異なっている。すなわち、本実施の形態における測定面10は、円筒面と、この円筒面の軸方向の一方の端に位置する開口部を塞ぐ円形の面とによって構成されている。この測定面10は、円筒面の他方の端に位置する開口部がグランドプレーン1によって塞がれる姿勢で配置される。そのため、測定面10は、グランドプレーン1と合わさって閉じた面を形成する。また、測定面10と鏡像測定面20が合わさって、閉じた面30が形成される。この閉じた面30の形状は、円筒面と、この円筒面の軸方向の両方の端に位置する2つ開口部を塞ぐ2つの円形の面からなる形状である。
図37は、本実施の形態に係る近傍電磁界測定装置を示す斜視図である。本実施の形態に係る近傍電磁界測定装置160は、第1の実施の形態に係る近傍電磁界測定装置60における位置制御機構70の代わりに、位置制御機構170を備えている。
位置制御機構170は、第1の実施の形態におけるレール71,71および可動フレーム72の代わりに、グランドプレーン1に固定されたフレーム172を備えている。フレーム172は、垂直方向に延びる垂直部分と、この垂直部分の上端から水平方向に延びる水平部分とを有している。電磁界プローブ40を支持するアーム73は、フレーム172に沿って移動可能である。
図38は、図37に示した近傍電磁界測定装置160の配置の一例を示す斜視図である。この例では、放射源2、電磁界プローブ40、位置制御機構170および参照点アンテナ61は、グランドプレーン1を構成する金属床面を有する電波暗室80内に配置されている。
図39は、本実施の形態における複数の測定点11の配置を説明するための説明図である。図39において、放射源2を囲むように描かれた複数の破線は、複数の測定点11が配置される位置を表している。図39に示したように、本実施の形態では、複数の測定点11のうちのいくつかは、円形の面上において円の中心から放射状に配列され、複数の測定点11のうちの残りのいくつかは、円筒面上において複数列に配列される。各列は円筒面の軸方向と平行であり、隣接する2つの列の測定面10上の間隔は一定である。
複数の測定点11は、測定面10上において、交差する2方向に並ぶように配列されている。より具体的に説明すると、本実施の形態では、測定面10を構成する円形の面上では、複数の測定点11のうちのいくつかが、複数の同心円の円周方向と、半径方向とに並ぶように配列されている。また、測定面10を構成する円筒面上では、複数の測定点11のうちの残りのいくつかが、円筒面の軸方向と平行な方向と、円筒面の円周方向とに並ぶように配列されている。測定点11が並ぶ2方向の各々について、隣接する2つの測定点11間の測定面10上における距離は、0より大きく電磁波の波長の1/2以下である。
測定面10を構成する円形の面と円筒面の各々において、他の面との境界に隣接する複数の測定点11については、境界に極めて近い位置に配置することが好ましい。
次に、図37および図39を参照して、近傍電磁界測定装置160を用いて複数の測定点11における測定点電界と測定点磁界の少なくとも一方を測定する際における近傍電磁界測定装置160の動作について説明する。本実施の形態では、まず、図37に示したように、回転台74が所定の初期位置にある状態で、フレーム172に沿ってアーム73を移動させ、且つ電磁界プローブ40の姿勢を調整して、複数の測定点11における測定点電界と測定点磁界の少なくとも一方を測定する。次に、回転台74を所定の角度θだけ回転させた後、フレーム172に沿ってアーム73を移動させ、且つ電磁界プローブ40の姿勢を調整して、複数の測定点11における測定点電界と測定点磁界の少なくとも一方を測定する。この動作を繰り返すことにより、図39に示した複数の破線上の複数の測定点11における測定点電界と測定点磁界の少なくとも一方が測定される。
本実施の形態では、測定点11の位置と、測定点電界と測定点磁界の各方向(測定面10の接線方向)は、例えば円筒座標系で表される。この場合、円筒座標変換を用いて、測定点11の位置と、測定点電界と測定点磁界の各方向を、それぞれ第1の実施の形態におけるX,Y,Zの座標系で表された位置および方向に変換すれば、第1の実施の形態と同様の演算処理が可能になる。
本実施の形態におけるその他の構成、作用および効果は、第1の実施の形態と同様である。
[第3の実施の形態]
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。図40は、本実施の形態に係る遠方電磁界推定方法の概要を説明するための説明図である。図40に示したように、本実施の形態では、測定面10の形状が第1の実施の形態とは異なっている。すなわち、本実施の形態における測定面10は、球面の半分である半球面である。この測定面10は、半球面の開口部がグランドプレーン1によって塞がれる姿勢で配置される。そのため、測定面10は、グランドプレーン1と合わさって閉じた面を形成する。また、測定面10と鏡像測定面20が合わさって、閉じた面30が形成される。この閉じた面30は、球面である。
図41は、本実施の形態に係る近傍電磁界測定装置を示す斜視図である。本実施の形態に係る近傍電磁界測定装置260は、第1の実施の形態に係る近傍電磁界測定装置60における位置制御機構70の代わりに、位置制御機構270を備えている。
位置制御機構270は、第1の実施の形態におけるレール71,71および可動フレーム72の代わりに、グランドプレーン1に固定されたフレーム272を備えている。フレーム272は、グランドプレーン1から放射源2の上方の位置まで延びる円弧形状を有している。電磁界プローブ40を支持するアーム73は、フレーム272に沿って移動可能である。
図42は、図41に示した近傍電磁界測定装置260の配置の一例を示す斜視図である。この例では、放射源2、電磁界プローブ40、位置制御機構270および参照点アンテナ61は、グランドプレーン1を構成する金属床面を有する電波暗室80内に配置されている。
図43は、本実施の形態における複数の測定点11の配置を説明するための説明図である。図43において、放射源2を囲むように描かれた複数の破線は、複数の測定点11が配置される位置を表している。図43に示したように、本実施の形態では、複数の測定点11は、半球面とグランドプレーン1が接してできる円上において等間隔に並ぶ複数の点から、放射源2の上方に位置する半球面の頂点まで延びる複数の円弧上に配列される。
複数の測定点11は、測定面10上において、交差する2方向に並ぶように配列されている。より具体的に説明すると、本実施の形態では、測定面10を構成する半球面上において、複数の測定点11は、半球面の頂点を通りグランドプレーン1に垂直な軸を中心とする複数の同心円の円周方向と、前記の複数の円弧に沿った方向とに並ぶように配列されている。測定点11が並ぶ2方向の各々について、隣接する2つの測定点11間の測定面10上における距離は、0より大きく電磁波の波長の1/2以下である。
次に、図41および図43を参照して、近傍電磁界測定装置260を用いて複数の測定点11における測定点電界と測定点磁界の少なくとも一方を測定する際における近傍電磁界測定装置260の動作について説明する。本実施の形態では、まず、図41に示したように、回転台74が所定の初期位置にある状態で、フレーム272に沿ってアーム73を移動させ、且つ電磁界プローブ40の姿勢を調整して、複数の測定点11における測定点電界と測定点磁界の少なくとも一方を測定する。次に、回転台74を所定の角度θだけ回転させた後、フレーム272に沿ってアーム73を移動させ、且つ電磁界プローブ40の姿勢を調整して、複数の測定点11における測定点電界と測定点磁界の少なくとも一方を測定する。この動作を繰り返すことにより、図43に示した複数の破線上の複数の測定点11における測定点電界と測定点磁界の少なくとも一方が測定される。
本実施の形態では、測定点11の位置と、測定点電界と測定点磁界の各方向(測定面10の接線方向)は、例えば球座標系で表される。この場合、球座標変換を用いて、測定点11の位置と、測定点電界と測定点磁界の各方向を、それぞれ第1の実施の形態におけるX,Y,Zの座標系で表された位置および方向に変換すれば、第1の実施の形態と同様の演算処理が可能になる。
本実施の形態におけるその他の構成、作用および効果は、第1の実施の形態と同様である。
なお、本発明は、上記各実施の形態に限定されず、種々の変更が可能である。例えば、測定面10の形状は、グランドプレーン1と合わさって、放射源2を囲む閉じた面であって、その内側に形成される空間内に仮想の観測点3が含まれない閉じた面を形成できる形状であれば、任意の形状でよい。
1…グランドプレーン、2…放射源、3…仮想の観測点、10…測定面、11…測定点、20…鏡像測定面、21…鏡像測定点、30…閉じた面。
制御部は、
グランドプレーンと合わさって、放射源を囲む閉じた面を形成するように測定面を想定し、測定面上に複数の測定点を設定する第1の動作と、
位置制御機構を制御しながら、プローブを用いて、複数の測定点電界と複数の測定点磁界の少なくとも一方を測定する第2の動作とを実行する。
面S上に面電流Jsと面磁流Msが分布しているとき、放射源から距離rの位置にある観測点おける電界E(r)と磁界H(r)は、それぞれ下記の式(3)、(4)によって求められる。
プローブ係数を求める方法では、バイコニカルアンテナ61と電磁界プローブ40を、グランドプレーン1を基準として高さ1mの位置に配置した。バイコニカルアンテナ61と電磁界プローブ40の間の距離は、30cm〜100cmの範囲において10cm間隔で変化させた。バイコニカルアンテナ61は、水平偏波の電磁波を放射する姿勢で配置した。電磁界プローブ40は、電界検出部41が電界の水平成分を検出し、磁界検出部51が磁界の垂直成分を検出する姿勢で配置した。バイコニカルアンテナ61が放射する電磁波の周波数は、30MHz〜300MHzの範囲内で変化させた。電磁界プローブ40の電界検出部41と磁界検出部51から出力される2つの差動信号は、受信器65に供給される。受信器65は、受けた基準信号SR2と2つの差動信号に対応する複数の測定データを生成する。複数の測定データは、受信器65から図示しないコンピュータに送られる。
次に、図11を参照して、放射源としてログペリオディックアンテナ62を用いた場合について説明する。この場合には、バイコニカルアンテナ61の代わりにログペリオディックアンテナ62を、グランドプレーン1を基準として高さ1mの位置に配置した。ログペリオディックアンテナ62と電磁界プローブ40の間の距離は、30cm〜100cmの範囲において10cm間隔で変化させた。ログペリオディックアンテナ62は、水平偏波の電磁波を放射する姿勢で配置した。ログペリオディックアンテナ62が放射する電磁波の周波数は、300MHz〜1GHzの範囲内で変化させた。ログペリオディックアンテナ62を用いた場合におけるその他の条件は、バイコニカルアンテナ61を用いた場合と同様である。
図27は、図26に示した近傍電磁界測定装置60の配置の一例を示す斜視図である。この例では、放射源2、電磁界プローブ40、位置制御機構70および参照点アンテナ61は、グランドプレーン1を構成する金属床面を有する電波暗室180内に配置されている。電波暗室180は、金属床面を除くシールドルームの壁面に電波吸収体が貼り付けられて構成されている。
次に、図28および図29を参照して、近傍電磁界測定装置60を用いて複数の測定点11における測定点電界と測定点磁界の少なくとも一方を測定する際における近傍電磁界測定装置60の動作の概要について説明する。始めに、図26において、破線で示した可動フレーム72の位置をA位置と定義し、実線で示した可動フレーム72の位置をB位置と定義する。また、回転台74の正面方向が図26において記号Cで示した方向に向いているときの回転台74の位置をC位置と定義する。また、回転台74の正面方向が図26において記号Dで示した方向に向いているときの回転台74の位置をD位置と定義する。記号Dで示した方向は、記号Cで示した方向から、回転台74の回転方向に90°回転した方向である。
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。図36は、本実施の形態に係る遠方電磁界推定方法の概要を説明するための説明図である。図36に示したように、本実施の形態では、測定面10の形状が第1の実施の形態とは異なっている。すなわち、本実施の形態における測定面10は、円筒面と、この円筒面の軸方向の一方の端に位置する開口部を塞ぐ円形の面とによって構成されている。この測定面10は、円筒面の他方の端に位置する開口部がグランドプレーン1によって塞がれる姿勢で配置される。そのため、測定面10は、グランドプレーン1と合わさって閉じた面を形成する。また、測定面10と鏡像測定面20が合わさって、閉じた面30が形成される。この閉じた面30の形状は、円筒面と、この円筒面の軸方向の両方の端に位置する2つ開口部を塞ぐ2つの円形の面からなる形状である。
図38は、図37に示した近傍電磁界測定装置160の配置の一例を示す斜視図である。この例では、放射源2、電磁界プローブ40、位置制御機構170および参照点アンテナ61は、グランドプレーン1を構成する金属床面を有する電波暗室180内に配置されている。
図42は、図41に示した近傍電磁界測定装置260の配置の一例を示す斜視図である。この例では、放射源2、電磁界プローブ40、位置制御機構270および参照点アンテナ61は、グランドプレーン1を構成する金属床面を有する電波暗室180内に配置されている。

Claims (16)

  1. グランドプレーンによって区画された2つの空間のうちの一方に配置された電磁波の放射源によって、前記放射源から離れた仮想の観測点に形成されると推定される電界と磁界の少なくとも一方を求める遠方電磁界推定方法であって、
    前記グランドプレーンと合わさって、前記放射源を囲む閉じた面であって、その内側に形成される空間内に前記仮想の観測点が含まれない閉じた面を形成する測定面を想定し、前記測定面上に複数の測定点を設定する第1の手順と、
    前記複数の測定点における電界の前記測定面の接線方向の成分である複数の測定点電界と、前記複数の測定点における磁界の前記測定面の接線方向の成分である複数の測定点磁界の少なくとも一方を測定する第2の手順と、
    前記グランドプレーンを中心として前記測定面と面対称の位置関係を有する鏡像測定面上に、前記グランドプレーンを中心として前記複数の測定点と面対称の位置関係を有する複数の鏡像測定点を設定し、前記第2の手順で測定された前記複数の測定点電界と前記複数の測定点磁界の少なくとも一方に基づいて、前記複数の鏡像測定点における電界の前記鏡像測定面の接線方向の成分である複数の鏡像測定点電界と前記複数の鏡像測定点における磁界の前記鏡像測定面の接線方向の成分である複数の鏡像測定点磁界の少なくとも一方を算出する第3の手順と、
    前記第2の手順で測定された前記複数の測定点電界と前記複数の測定点磁界の少なくとも一方と、前記第3の手順で算出された前記複数の鏡像測定点電界と前記複数の鏡像測定点磁界の少なくとも一方とに基づいて、前記仮想の観測点に形成されると推定される電界と磁界の少なくとも一方を算出する第4の手順と
    を備えたことを特徴とする遠方電磁界推定方法。
  2. 前記複数の測定点は、交差する2方向に並ぶように配列され、前記2方向の各々について、隣接する2つの測定点間の前記測定面上における距離は前記電磁波の波長の1/2以下であることを特徴とする請求項1記載の遠方電磁界推定方法。
  3. 前記複数の測定点電界、前記複数の測定点磁界、前記複数の鏡像測定点電界および前記複数の鏡像測定点磁界は、それぞれ、前記グランドプレーンに平行な水平成分と前記グランドプレーンに垂直な垂直成分とを含み、
    前記複数の鏡像測定点電界の水平成分は、それぞれ対応する測定点電界の水平成分と振幅は等しいが逆位相であり、
    前記複数の鏡像測定点電界の垂直成分は、それぞれ対応する測定点電界の垂直成分と振幅および位相が等しく、
    前記複数の鏡像測定点磁界の水平成分は、それぞれ対応する測定点磁界の水平成分と振幅および位相が等しく、
    前記複数の鏡像測定点磁界の垂直成分は、それぞれ対応する測定点磁界の垂直成分と振幅は等しいが逆位相であることを特徴とする請求項1または2記載の遠方電磁界推定方法。
  4. 前記放射源は、前記グランドプレーンを構成する金属床面を有する電波暗室内に配置されることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の遠方電磁界推定方法。
  5. グランドプレーンによって区画された2つの空間のうちの一方に配置された電磁波の放射源によって、前記放射源から離れた仮想の観測点に形成されると推定される電界と磁界の少なくとも一方を求める遠方電磁界推定装置であって、
    近傍電磁界測定装置と、演算処理部とを備え、
    前記近傍電磁界測定装置は、
    電界と磁界の少なくとも一方を検出するプローブと、
    前記放射源に対する前記プローブの相対的位置を変更可能な位置制御機構と、
    前記プローブと前記位置制御機構を用いた電界と磁界の少なくとも一方の測定の制御を行う制御部とを備え、
    前記制御部は、
    前記グランドプレーンと合わさって、前記放射源を囲む閉じた面であって、その内側に形成される空間内に前記仮想の観測点が含まれない閉じた面を形成する測定面を想定し、前記測定面上に複数の測定点を設定する第1の動作と、
    前記位置制御機構を制御しながら、前記プローブを用いて、前記複数の測定点における電界の前記測定面の接線方向の成分である複数の測定点電界と、前記複数の測定点における磁界の前記測定面の接線方向の成分である複数の測定点磁界の少なくとも一方を測定する第2の動作とを実行し、
    前記演算処理部は、
    前記グランドプレーンを中心として前記測定面と面対称の位置関係を有する鏡像測定面上に、前記グランドプレーンを中心として前記複数の測定点と面対称の位置関係を有する複数の鏡像測定点を設定し、前記第2の動作で測定された前記複数の測定点電界と前記複数の測定点磁界の少なくとも一方に基づいて、前記複数の鏡像測定点における電界の前記鏡像測定面の接線方向の成分である複数の鏡像測定点電界と前記複数の鏡像測定点における磁界の前記鏡像測定面の接線方向の成分である複数の鏡像測定点磁界の少なくとも一方を算出する第1の演算処理と、
    前記第2の動作で測定された前記複数の測定点電界と前記複数の測定点磁界の少なくとも一方と、前記第1の演算処理で算出された前記複数の鏡像測定点電界と前記複数の鏡像測定点磁界の少なくとも一方とに基づいて、前記仮想の観測点に形成されると推定される電界と磁界の少なくとも一方を算出する第2の演算処理とを実行することを特徴とする遠方電磁界推定装置。
  6. 前記複数の測定点は、交差する2方向に並ぶように配列され、前記2方向の各々について、隣接する2つの測定点間の前記測定面上における距離は前記電磁波の波長の1/2以下であることを特徴とする請求項5記載の遠方電磁界推定装置。
  7. 前記複数の測定点電界、前記複数の測定点磁界、前記複数の鏡像測定点電界および前記複数の鏡像測定点磁界は、それぞれ、前記グランドプレーンに平行な水平成分と前記グランドプレーンに垂直な垂直成分とを含み、
    前記複数の鏡像測定点電界の水平成分は、それぞれ対応する測定点電界の水平成分と振幅は等しいが逆位相であり、
    前記複数の鏡像測定点電界の垂直成分は、それぞれ対応する測定点電界の垂直成分と振幅および位相が等しく、
    前記複数の鏡像測定点磁界の水平成分は、それぞれ対応する測定点磁界の水平成分と振幅および位相が等しく、
    前記複数の鏡像測定点磁界の垂直成分は、それぞれ対応する測定点磁界の垂直成分と振幅は等しいが逆位相であることを特徴とする請求項5または6記載の遠方電磁界推定装置。
  8. 前記放射源と前記プローブと前記位置制御機構は、前記グランドプレーンを構成する金属床面を有する電波暗室内に配置されることを特徴とする請求項5ないし7のいずれかに記載の遠方電磁界推定装置。
  9. 前記プローブは、電界に応じた信号を出力する電界検出部と、磁界に応じた信号を出力する磁界検出部とを有することを特徴とする請求項5ないし8のいずれかに記載の遠方電磁界推定装置。
  10. 前記電界検出部は、電界に応じた差動信号を生成する電界アンテナ部と、前記電界アンテナ部によって生成された差動信号を出力する2つの電界出力ポートと、前記電界アンテナ部の一部をシールドする電界シールド部とを含み、
    前記磁界検出部は、磁界に応じた差動信号を生成する磁界アンテナ部と、前記磁界アンテナ部によって生成された差動信号を出力する2つの磁界出力ポートと、前記磁界アンテナ部の一部をシールドする磁界シールド部とを含むことを特徴とする請求項9記載の遠方電磁界推定装置。
  11. 前記電界検出部の出力信号の振幅および位相を、実際に前記電界検出部が受けた電界の振幅および位相に対応する値に補正するための第1の補正情報と、前記磁界検出部の出力信号の振幅および位相を、実際に前記磁界検出部が受けた磁界の振幅および位相に対応する値に補正するための第2の補正情報が予め求められており、
    前記第2の動作では、前記複数の測定点電界と前記複数の測定点磁界の一方のみを測定し、
    前記演算処理部は、前記第2の動作で測定された前記複数の測定点電界と前記複数の測定点磁界の一方と、前記第1および第2の補正情報とに基づいて、前記複数の測定点電界と前記複数の測定点磁界の他方を算出し、
    前記第1の演算処理では、前記複数の測定点電界および前記複数の測定点磁界に基づいて、前記複数の鏡像測定点電界および前記複数の鏡像測定点磁界を算出し、
    前記第2の演算処理では、前記複数の測定点電界、前記複数の測定点磁界、前記複数の鏡像測定点電界および前記複数の鏡像測定点磁界に基づいて、前記仮想の観測点に形成されると推定される電界と磁界の少なくとも一方を算出することを特徴とする請求項9または10記載の遠方電磁界推定装置。
  12. グランドプレーンによって区画された2つの空間のうちの一方に配置された電磁波の放射源を囲むように想定された測定面上の複数の測定点における電界の前記測定面の接線方向の成分である複数の測定点電界と、前記複数の測定点における磁界の前記測定面の接線方向の成分である複数の測定点磁界の少なくとも一方を測定するための近傍電磁界測定装置であって、
    電界と磁界の少なくとも一方を検出するプローブと、
    前記放射源に対する前記プローブの相対的位置を変更可能な位置制御機構と、
    前記プローブと前記位置制御機構を用いた電界と磁界の少なくとも一方の測定の制御を行う制御部とを備え、
    前記制御部は、
    前記グランドプレーンと合わさって、前記放射源を囲む閉じた面であって、その内側に形成される空間内に前記仮想の観測点が含まれない閉じた面を形成するように前記測定面を想定し、前記測定面上に前記複数の測定点を設定する第1の動作と、
    前記位置制御機構を制御しながら、前記プローブを用いて、前記複数の測定点電界と前記複数の測定点磁界の少なくとも一方を測定する第2の動作とを実行することを特徴とする近傍電磁界測定装置。
  13. 前記複数の測定点は、交差する2方向に並ぶように配列され、前記2方向の各々について、隣接する2つの測定点間の前記測定面上における距離は前記電磁波の波長の1/2以下であることを特徴とする請求項12記載の近傍電磁界測定装置。
  14. 前記放射源と前記プローブと前記位置制御機構は、前記グランドプレーンを構成する金属床面を有する電波暗室内に配置されることを特徴とする請求項12または13記載の近傍電磁界測定装置。
  15. 前記プローブは、電界に応じた信号を出力する電界検出部と、磁界に応じた信号を出力する磁界検出部とを有することを特徴とする請求項12ないし14のいずれかに記載の近傍電磁界測定装置。
  16. 前記電界検出部は、電界に応じた差動信号を生成する電界アンテナ部と、前記電界アンテナ部によって生成された差動信号を出力する2つの電界出力ポートと、前記電界アンテナ部の一部をシールドする電界シールド部とを含み、
    前記磁界検出部は、磁界に応じた差動信号を生成する磁界アンテナ部と、前記磁界アンテナ部によって生成された差動信号を出力する2つの磁界出力ポートと、前記磁界アンテナ部の一部をシールドする磁界シールド部とを含むことを特徴とする請求項15記載の近傍電磁界測定装置。
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