JP2015033985A - 空気入りタイヤ - Google Patents
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Abstract
【課題】乾燥路面での操縦安定性能とウェット路面での操縦安定性能とをバランス良く改善した、空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】サイプは、主部と副部とから構成されている。主部は、溝に開口し、溝の延在方向に対して第1の角度範囲で延在する複数の第1幅狭部Xa1、Xa2、Xa3、Xa4と、少なくとも第1幅狭部同士の間に形成された少なくとも1つの第1幅広部Xb1、Xb2、Xb3、Xb4と、を有する。副部は、主部に連なり、第1幅広部の少なくともいずれかから溝の延在方向に対して第1の角度範囲とは異なる第2の角度範囲で延在し、かつ、同一の第1幅広部から少なくとも2本延在する第2幅狭部Ya1、Ya´1、Ya2、Ya´2、Ya3、Ya´3、Ya4、Ya´4と、第2幅狭部の第1幅広部とは反対側の端部に形成された複数の第2幅広部Yb1、Yb´1、Yb2、Yb´2、Yb3、Yb´3、Yb4、Yb´4と、を有する。
【選択図】図1
【解決手段】サイプは、主部と副部とから構成されている。主部は、溝に開口し、溝の延在方向に対して第1の角度範囲で延在する複数の第1幅狭部Xa1、Xa2、Xa3、Xa4と、少なくとも第1幅狭部同士の間に形成された少なくとも1つの第1幅広部Xb1、Xb2、Xb3、Xb4と、を有する。副部は、主部に連なり、第1幅広部の少なくともいずれかから溝の延在方向に対して第1の角度範囲とは異なる第2の角度範囲で延在し、かつ、同一の第1幅広部から少なくとも2本延在する第2幅狭部Ya1、Ya´1、Ya2、Ya´2、Ya3、Ya´3、Ya4、Ya´4と、第2幅狭部の第1幅広部とは反対側の端部に形成された複数の第2幅広部Yb1、Yb´1、Yb2、Yb´2、Yb3、Yb´3、Yb4、Yb´4と、を有する。
【選択図】図1
Description
本発明は、サイプの形状に改良を加えた空気入りタイヤに関する。
サイプの形状に改良を加えた技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1には、平面形状がI字形状である複数のサイプを縦横交互に近接配置することで、あらゆる路面でのグリップ力(操縦安定性能)が向上することが、開示されている。
近年、乾燥路面での操縦安定性能のみならず、ラベリング制度の採用によってウェットグリップ性能(ウェット路面での操縦安定性能)が益々高いレベルで要求されるに至っている。しかしながら、特許文献1に開示されたタイヤによっては、乾燥路面での操縦安定性能とウェット路面での操縦安定性能とを、近年要求される程度にバランス良く発揮できるか不明である。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、乾燥路面での操縦安定性能とウェット路面での操縦安定性能とをバランス良く改善した、空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明に係る空気入りタイヤは、周方向溝と、上記周方向溝に対して傾斜する傾斜溝と、の少なくともいずれかを、少なくとも1本備えるとともに、これらの溝のいずれかに開口する少なくとも1つのサイプを備える空気入りタイヤである。上記サイプは、主部と副部とから構成されている。上記主部は、上記溝に開口する。上記主部は、上記溝の延在方向に対して第1の角度範囲で延在する複数の第1幅狭部と、少なくとも上記第1幅狭部同士の間に形成された少なくとも1つの第1幅広部と、を有する。上記副部は、上記主部に連なる。上記副部は、上記第1幅広部の少なくともいずれかから上記溝の延在方向に対して上記第1の角度範囲とは異なる第2の角度範囲で延在し、かつ、同一の第1幅広部から少なくとも2本延在する第2幅狭部と、上記第2幅狭部の上記第1幅広部とは反対側の端部に形成された複数の第2幅広部と、を有する。
本発明に係る空気入りタイヤでは、溝に開口する主部とこの主部に連なる副部とから構成することを前提に、複数の幅狭部と幅広部とを組み合わせることで、サイプの形状に改良を加えている。その結果、本発明に係る空気入りタイヤによれば、乾燥路面での操縦安定性能とウェット路面での操縦安定性能とをバランス良く改善することができる。
以下に、本発明に係る空気入りタイヤの実施の形態(以下に示す、基本形態及び付加的形態1から7)を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、これらの実施の形態は、本発明を限定するものではない。また、上記実施の形態の構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、或いは実質的に同一のものが含まれる。さらに、上記実施の形態に含まれる各種形態は、当業者が自明の範囲内で任意に組み合わせることができる。
[基本形態]
以下に、本発明に係る空気入りタイヤについて、その基本形態を説明する。以下の説明において、タイヤ径方向とは、空気入りタイヤの回転軸と直交する方向をいい、タイヤ径方向内側とはタイヤ径方向において回転軸に向かう側、タイヤ径方向外側とはタイヤ径方向において回転軸から離れる側をいう。また、タイヤ周方向とは、上記回転軸を中心軸とする周り方向をいう。さらに、タイヤ幅方向とは、上記回転軸と平行な方向をいい、タイヤ幅方向内側とはタイヤ幅方向においてタイヤ赤道面CL(タイヤ赤道線)に向かう側、タイヤ幅方向外側とはタイヤ幅方向においてタイヤ赤道面CLから離れる側をいう。なお、タイヤ赤道面CLとは、空気入りタイヤの回転軸に直交するとともに、空気入りタイヤのタイヤ幅の中心を通る平面である。
以下に、本発明に係る空気入りタイヤについて、その基本形態を説明する。以下の説明において、タイヤ径方向とは、空気入りタイヤの回転軸と直交する方向をいい、タイヤ径方向内側とはタイヤ径方向において回転軸に向かう側、タイヤ径方向外側とはタイヤ径方向において回転軸から離れる側をいう。また、タイヤ周方向とは、上記回転軸を中心軸とする周り方向をいう。さらに、タイヤ幅方向とは、上記回転軸と平行な方向をいい、タイヤ幅方向内側とはタイヤ幅方向においてタイヤ赤道面CL(タイヤ赤道線)に向かう側、タイヤ幅方向外側とはタイヤ幅方向においてタイヤ赤道面CLから離れる側をいう。なお、タイヤ赤道面CLとは、空気入りタイヤの回転軸に直交するとともに、空気入りタイヤのタイヤ幅の中心を通る平面である。
図1は、本発明の実施の形態に係る空気入りタイヤのトレッド部を示す平面図である。図1に示す空気入りタイヤは、回転方向が指定されていない空気入りタイヤであるが、同図においては、便宜的に、紙面の左側を車両装着内側とし、右側を車両装着外側とする。
図1に示す空気入りタイヤ1は、トレッド部10を有し、このトレッド部10は、ゴム材(トレッドゴム)からなり、空気入りタイヤ1のタイヤ径方向の最も外側で露出し、その表面が空気入りタイヤ1の輪郭となる。このトレッド部10の表面は、空気入りタイヤ1を装着する車両(図示せず)が走行した際に路面と接触する面であるトレッド表面12として形成されている。
トレッド表面12には、図1に示すように、タイヤ周方向に延在する溝14、16と、タイヤ周方向に対して傾斜する傾斜溝18、20、22と、サイプ24とがそれぞれ設けられ、同図に示すトレッドパターンが形成されている。溝14から22及びサイプ24の具体的構成は、以下のとおりである。
即ち、トレッド表面12には、車両装着外側でタイヤ周方向にジグザグに延在する周方向細溝14と、周方向細溝14のタイヤ幅方向両側でタイヤ周方向に直線状に延在する4本の周方向主溝16a、16b、16c、16dとが設けられている。周方向主溝16のうち、周方向細溝14のタイヤ幅方向外側に位置する溝16aには、そのタイヤ幅方向内側に、所定の面取り部Cが一定のタイヤ周方向ピッチで複数形成されている。
また、トレッド表面12には、車両装着各側でタイヤ幅方向最外側の周方向主溝16b、16dよりもタイヤ幅方向外側の領域に、両接地端E1、E2を跨いで、複数の傾斜溝18、20、22が所定のタイヤ周方向ピッチで複数設けられている。車両装着外側においては、傾斜溝18、20がタイヤ周方向において交互に設けられている。なお、本実施の形態において、傾斜溝とは、タイヤ周方向に対して傾斜して延在する溝を意味し、タイヤ幅方向に延在する溝も含む。
さらに、トレッド表面12には、周方向細溝14及び周方向主溝16(16aから16d)のうち、タイヤ幅方向に隣り合う2本の溝間に挟まれた各領域において、周方向細溝14及び周方向主溝16の少なくともいずれかに開口するサイプ24aから24fが、それぞれ、所定のタイヤ周方向ピッチで複数設けられている。なお、サイプ24aから24fはいずれも、両接地端E1、E2よりもタイヤ幅方向内側に形成されている。
以上の構成の下、本実施の形態においては、サイプ24aから24fが特定の構成を有する。以下、図1のサイプ24fを例にとって、上記特定の構成を説明する。このため、以下に示すサイプ24fについての説明は、図1に示すその他のサイプ24aから24eに対しても当てはまる。
図2は、図1に示す周方向主溝16dに開口するサイプ24fを拡大して示す平面図である。本実施の形態においては、図2に示すように、サイプ24fは、周方向主溝16dに開口する主部(図2においてXで始まる符号で示される複数の部材(例えば部材Xa1、Xb1)の集合体)と、主部に連なる副部(図2においてYで始まる符号で示される複数の部材(例えば部材Ya1、Ya´1、Yb1、Yb´1)の集合体)と、を含む。
主部は、周方向主溝16dの延在方向に対して第1の角度範囲(例えば図2の角度αを含む範囲)で延在する複数の第1幅狭部(Xa1、Xa2、Xa3、Xa4)と、第1幅狭部同士の間、及びタイヤ幅方向最外側の第1幅狭部Xa4のタイヤ幅方向外側、に形成された複数の第1幅広部(Xb1、Xb2、Xb3、Xb4)と、を有する。なお、角度αは、周方向主溝16dの幅方向中心線と第1幅狭部の幅方向中心線とのなす角度であり、周方向主溝16dの幅方向中心線を起点に時計回り又は反時計回りのいずれかの向きで測定した角度である。
副部は、第1幅広部(Xb1、Xb2、Xb3、Xb4)のそれぞれから周方向主溝16dの延在方向に対して上記第1の角度範囲とは異なる第2の角度範囲(例えば図2の角度β1、β2を含む範囲)で延在し、かつ、同一の第1幅広部から少なくとも2本延在する第2幅狭部(Ya1、Ya´1、Ya2、Ya´2、Ya3、Ya´3、Ya4、Ya´4)と、第2幅狭部の第1幅広部とは反対側の端部に形成された複数の第2幅広部(Yb1、Yb´1、Yb2、Yb´2、Yb3、Yb´3、Yb4、Yb´4)と、を有する。なお、角度β1、β2は、周方向主溝16dの幅方向中心線と第2幅狭部の幅方向中心線とのなす角度であり、周方向主溝16dの幅方向中心線を起点に時計回り又は反時計回りのうち上述した角度αを測定する向きと同じ向きで測定した角度である。
ここで、第1幅狭部(Xa1、Xa2、Xa3、Xa4)が曲線状に延在している場合には、各第1幅狭部を、その延在方向両端部間を結んだ直線状に延在しているものとみなして、図2に示す角度αを測定するものとする。同様に、第2幅狭部(Ya1、Ya´1、Ya2、Ya´2、Ya3、Ya´3、Ya4、Ya´4)が曲線状に延在している場合には、各第2幅狭部を、その延在方向両端部間を結んだ直線状に延在しているものとみなして、図2に示す角度β1、β2を測定するものとする。
また、第2の角度範囲は、第1角度範囲に対して大きい場合と、小さい場合との少なくともいずれかを含む。図2に示す例において、周方向主溝16dに対する第2幅狭部Ya1のなす角度β1(第2の角度範囲)は、周方向主溝16dに対する第1幅狭部Xa1のなす角度α(第1の角度範囲)よりも小さい場合の例である。また、図2に示す例において、周方向主溝16dに対する第2幅狭部Ya´1のなす角度β2(第2の角度範囲)は、周方向主溝16dに対する第1幅狭部Xa1のなす角度α(第1の角度範囲)よりも大きい場合の例である。
なお、図2に示す例において、タイヤ幅方向最外側に配置されている第1幅広部Xb4、第1幅広部Xb4から分岐する第2幅狭部Ya4、Ya´4、及び第2幅狭部Ya4、Ya´4のそれぞれ第1幅広部Xb4とは反対側に形成されている第2幅広部Yb4、Yb´4は、必須構成要件ではない。即ち、主部の溝に開口していない側の端部は、第1幅狭部Xa4で終端していてもよく、また、第1幅狭部Xa4を介して第1幅広部Xb4で終端していてもよい。さらに、主部の溝に開口していない側の端部は、第1幅狭部Xa4と第1幅広部Xb4とを介して第2幅狭部Ya4、Ya´4で終端していてもよい。
(作用等)
本実施の形態の空気入りタイヤは、図1に示すように、溝14から22とサイプ24とによって陸部が区画形成されたトレッドパターンを有する。このトレッパターンは、上述した特許文献1のトレッドパターン(例えば、特許文献1の図5参照)に比べて、溝とサイプとの面積の総和が小さい。このため、本実施の形態の空気入りタイヤにおいては、陸部の剛性を十分に確保することができ、乾燥路面での優れた操縦安定性能を実現することができる。
本実施の形態の空気入りタイヤは、図1に示すように、溝14から22とサイプ24とによって陸部が区画形成されたトレッドパターンを有する。このトレッパターンは、上述した特許文献1のトレッドパターン(例えば、特許文献1の図5参照)に比べて、溝とサイプとの面積の総和が小さい。このため、本実施の形態の空気入りタイヤにおいては、陸部の剛性を十分に確保することができ、乾燥路面での優れた操縦安定性能を実現することができる。
また、本実施の形態の空気入りタイヤにおいては、上述のとおり、サイプを、溝に開口する主部とこの主部に連なる副部とから構成することを前提に、主部及び副部のいずれについても、複数の幅狭部と幅広部とを組み合わせることで、サイプの形状に改良を加えている。このような構成のサイプによれば、以下に示すように、図2に矢印で示す水の流れが生じる。
即ち、図2においては紙面の上側が踏み込み側であり、下側が蹴り出し側であるところ、まず、比較的容積の大きい踏み込み側の第2幅広部Yb1(Yb2、Yb3、Yb4)及び第2幅狭部Ya1(Ya2、Ya3、Ya4)に吸い込まれた水がタイヤ回転に伴い比較的容積の大きい第1幅広部Xb1(Xb2、Xb3、Xb4)まで到達する。また、これと同時に第1幅狭部Xa1(Xa2、Xa3、Xa4)に吸い込まれた水もタイヤ回転に伴い比較的容積の大きい第1幅広部Xb1(Xb2、Xb3、Xb4)まで到達する。
次に、第1幅広部Xb1(Xb2、Xb3、Xb4)に到達した水は、更なるタイヤ回転に伴い、第2幅狭部Ya´1(Ya´2、Ya´3、Ya´4)に吸い込まれた水とともに、比較的容積の大きい蹴り出し側の第2幅広部Yb´1(Yb´2、Yb´3、Yb´4)まで到達する。そして、第2幅広部Yb´1(Yb´2、Yb´3、Yb´4)に到達した水は、更なるタイヤ回転に伴い、蹴り出し側に速やかに排出される。
このように、図2に矢印で示す水の流れが生じることで、排水性能を高めることができる。即ち、本実施の形態においては、ウェット路面上の水膜を迅速に切ってサイプの踏み込み側の部分から順次水を取り込み、その蹴り出し側の部分から効率的に排水を行うことができる。
従って、上記排水効果により、ウェット路面においては、水膜を迅速に切ることでタイヤを路面と十分に接触させることができる。その結果、タイヤと路面との間に生じる摩擦力を十分に得ることができるとともに、上述した陸部剛性の十分な確保も相まって、ウェット路面での優れた操縦安定性能を実現することができる。
以上に示すように、本実施の形態に係る空気入りタイヤは、溝に開口する主部とこの主部に連なる副部とを、それぞれ、複数の幅狭部と幅広部とから構成している。その結果、本実施の形態の空気入りタイヤは、乾燥路面での操縦安定性能とウェット路面での操縦安定性能とをバランス良く改善することができる。
なお、以上に示す、本実施の形態に係る空気入りタイヤは、図示しないが、従来の空気入りタイヤと同様の子午断面形状を有する。ここで、空気入りタイヤの子午断面形状とは、タイヤ赤道面CLと垂直な平面上に現れる空気入りタイヤの断面形状をいう。本実施の形態の空気入りタイヤは、タイヤ子午断面視で、タイヤ径方向内側から外側に向かって、ビード部、サイドウォール部、ショルダー部及びトレッド部を有する。そして、この空気入りタイヤは、例えば、タイヤ子午断面視で、トレッド部から両側のビード部まで延在して一対のビードコアの周りで巻回されたカーカス層と、上記カーカス層のタイヤ径方向外側に順次形成された、ベルト層及びベルト補強層とを備える。
また、本実施の形態の空気入りタイヤは、通常の各製造工程、即ち、タイヤ材料の混合工程、タイヤ材料の加工工程、グリーンタイヤの成型工程、加硫工程及び加硫後の検査工程等を経て得られるものである。本実施の形態の空気入りタイヤを製造する場合には、特に、加硫用金型の内壁に、図1に示すトレッドパターンに対応する凹部及び凸部を形成し、この金型を用いて加硫を行う。
[付加的形態]
次に、本発明に係る空気入りタイヤの上記基本形態に対して、任意選択的に実施可能な、付加的形態1から7を説明する。
次に、本発明に係る空気入りタイヤの上記基本形態に対して、任意選択的に実施可能な、付加的形態1から7を説明する。
(付加的形態1)
基本形態においては、上記第1幅広部は2個以上5個以下であること(付加的形態1)が好ましい。例えば、図2に示すサイプ24fについては、4つの第1幅広部(Xb1、Xb2、Xb3、Xb4)を含むため、本形態における好ましい例である。なお、図1に示すように、サイプが複数種類(サイプ24aから24f)形成されている場合には、そのうちの1種類(例えば、サイプ24f)について、上記第1幅広部が2個以上5個以下である場合も本形態に含まれる。
基本形態においては、上記第1幅広部は2個以上5個以下であること(付加的形態1)が好ましい。例えば、図2に示すサイプ24fについては、4つの第1幅広部(Xb1、Xb2、Xb3、Xb4)を含むため、本形態における好ましい例である。なお、図1に示すように、サイプが複数種類(サイプ24aから24f)形成されている場合には、そのうちの1種類(例えば、サイプ24f)について、上記第1幅広部が2個以上5個以下である場合も本形態に含まれる。
上記第1幅広部を2個以上とすることで、上述した、溝に開口する主部とこの主部に連なる副部とを、それぞれ、複数の幅狭部と幅広部とから構成したことによる、各路面における操縦安定性能の改善効果を安定して奏することができる。
一方、上記第1幅広部を5個以下とすることで、サイプ24の配設密度を過度に大きくすることなく、タイヤ接地時にサイプが押し潰されて排水性能が低下することを抑制することができる。
(付加的形態2)
基本形態及び基本形態に付加的形態1を加えた形態においては、タイヤ平面視で、上記第1幅広部及び上記第2幅広部は、円形状、楕円状、及び多角形状のいずれか(円形状等)であること(付加的形態2)が好ましい。ここで、多角形とは、6本以上の単純折れ線によって囲まれた図形(6角形、7角形、8角形、...)をいう。例えば、図2に示すサイプ24fについては、4つの第1幅広部(Xb1、Xb2、Xb3、Xb4)及び8つの第2幅広部(Yb1、Yb2、Yb3、Yb4、Yb´1、Yb´2、Yb´3、Yb´4)がいずれも円形状であるため、本形態における好ましい例である。なお、図1に示すように、サイプが複数種類(サイプ24aから24f)形成されている場合には、そのうちの1種類(例えば、サイプ24f)について、上記第1幅広部及び上記第2幅広部が円形状等である場合も本形態に含まれる。
基本形態及び基本形態に付加的形態1を加えた形態においては、タイヤ平面視で、上記第1幅広部及び上記第2幅広部は、円形状、楕円状、及び多角形状のいずれか(円形状等)であること(付加的形態2)が好ましい。ここで、多角形とは、6本以上の単純折れ線によって囲まれた図形(6角形、7角形、8角形、...)をいう。例えば、図2に示すサイプ24fについては、4つの第1幅広部(Xb1、Xb2、Xb3、Xb4)及び8つの第2幅広部(Yb1、Yb2、Yb3、Yb4、Yb´1、Yb´2、Yb´3、Yb´4)がいずれも円形状であるため、本形態における好ましい例である。なお、図1に示すように、サイプが複数種類(サイプ24aから24f)形成されている場合には、そのうちの1種類(例えば、サイプ24f)について、上記第1幅広部及び上記第2幅広部が円形状等である場合も本形態に含まれる。
タイヤ平面視で、上記第1幅広部及び上記第2幅広部を、円形状、楕円状、及び多角形状のいずれかとすることで、限られた領域に比較的大きな容積を有する、第1幅広部及び第2幅広部を形成することができる。これにより、図2に示す例では、踏み込み側の第2幅広部(Yb1、Yb2、Yb3、Yb4)から大量の水を迅速に吸い込み、次いで第1幅広部(Xb1、Xb2、Xb3、Xb4)に大量の水を確実に集め、さらには蹴り出し側の第2幅広部(Yb´1、Yb´2、Yb´3、Yb´4)から大量の水を安定して排出することができる。その結果、排水性能をさらに高めることができ、ひいてはウェット路面における操縦安定性能をさらに改善することができる。
(付加的形態3)
基本形態及び基本形態に付加的形態1、2の少なくともいずれかを加えた形態においては、タイヤ平面視で、上記第1幅広部及び上記第2幅広部の外周の任意の2点を結んだ線分の最大値が、それぞれ、隣接する幅狭部の幅の1.5倍以上5倍以下であること(付加的形態3)が好ましい。ここで、隣接する幅狭部の幅とは、隣接する第1幅狭部及び第2幅狭部の少なくともいずれかについて、その延在方向に垂直な方向に測定した寸法を意味する。なお、図1に示すように、サイプが複数種類(サイプ24aから24f)形成されている場合には、そのうちの1種類(例えば、サイプ24f)について、上記の最大値が上記所定の範囲である場合も本形態に含まれる。
基本形態及び基本形態に付加的形態1、2の少なくともいずれかを加えた形態においては、タイヤ平面視で、上記第1幅広部及び上記第2幅広部の外周の任意の2点を結んだ線分の最大値が、それぞれ、隣接する幅狭部の幅の1.5倍以上5倍以下であること(付加的形態3)が好ましい。ここで、隣接する幅狭部の幅とは、隣接する第1幅狭部及び第2幅狭部の少なくともいずれかについて、その延在方向に垂直な方向に測定した寸法を意味する。なお、図1に示すように、サイプが複数種類(サイプ24aから24f)形成されている場合には、そのうちの1種類(例えば、サイプ24f)について、上記の最大値が上記所定の範囲である場合も本形態に含まれる。
例えば、図2に示すサイプ24fについては、第1幅広部(Xb1、Xb2、Xb3、Xb4)の直径及び第2幅広部(Yb1、Yb2、Yb3、Yb4、Yb´1、Yb´2、Yb´3、Yb´4、)の直径が、それぞれ、隣接する第1幅狭部(Xa1、Xa2、Xa3、Xa4)及び第2幅狭部(Ya1、Ya2、Ya3、Ya4、Ya´1、Ya´2、Ya´3、Ya´4)の幅の2倍であるため、本形態における好ましい例である。
上記第1幅広部及び上記第2幅広部の外周の任意の2点を結んだ線分の最大値を、それぞれ、隣接する幅狭部の幅の1.5倍以上とすることで、上記第1幅広部及び上記第2幅広部の容積を十分に確保し、サイプの踏み込み側から蹴り出し側に至る排水効果をさらに高めることができる。これにより、特に、ウェット路面における操縦安定性能をさらに改善することができる。
一方、上記第1幅広部及び上記第2幅広部の外周の任意の2点を結んだ線分の最大値を、それぞれ、隣接する幅狭部の幅の5倍以下とすることで、第1幅広部及び第2幅広部の容積を過大にすることなく、サイプ形成による陸部剛性の低下を抑制することができる。これにより、乾燥路面における操縦安定性能及びウェット路面における操縦安定性能をさらに改善することができる。
なお、タイヤ平面視で、上記第1幅広部及び上記第2幅広部の外周の任意の2点を結んだ線分の最大値を、それぞれ、隣接する幅狭部の幅の2.5倍以上4倍以下とすることで、上記効果をそれぞれより高いレベルで奏することができる。
(付加的形態4)
基本形態及び基本形態に付加的形態1から3少なくともいずれかを加えた形態においては、上記第2幅広部の深さは、上記第2幅狭部の深さの95%以上105%以下であること(付加的形態4)が好ましい。ここで、第2幅広部の深さ及び第2幅狭部の深さとは、これら各部が無かったとした場合におけるトレッド表面から、これら各部の最深部までの寸法(最小寸法)を意味する。なお、図1に示すように、サイプが複数種類(サイプ24aから24f)形成されている場合には、そのうちの1種類(例えば、サイプ24f)について、上記第2幅広部の深さが、上記第2幅狭部の深さの95%以上105%以下である場合も本形態に含まれる。
基本形態及び基本形態に付加的形態1から3少なくともいずれかを加えた形態においては、上記第2幅広部の深さは、上記第2幅狭部の深さの95%以上105%以下であること(付加的形態4)が好ましい。ここで、第2幅広部の深さ及び第2幅狭部の深さとは、これら各部が無かったとした場合におけるトレッド表面から、これら各部の最深部までの寸法(最小寸法)を意味する。なお、図1に示すように、サイプが複数種類(サイプ24aから24f)形成されている場合には、そのうちの1種類(例えば、サイプ24f)について、上記第2幅広部の深さが、上記第2幅狭部の深さの95%以上105%以下である場合も本形態に含まれる。
上記第2幅広部の深さを、上記第2幅狭部の深さの95%以上とすることで、上記第2幅広部の容積を十分に確保し、サイプの踏み込み側における水の迅速な取り込みと、サイプの蹴り出し側への水の到達とを、より効率的に行うことができる。これにより、サイプの踏み込み側から蹴り出し側に至る排水効果をさらに高めることができ、その結果、特に、ウェット路面における操縦安定性能をさらに改善することができる。
一方、上記第2幅広部の深さを、上記第2幅狭部の深さの105%以下とすることで、第2幅広部の周りに区画形成された陸部の剛性を確保して、接地時に第2幅広部が潰れてその開口部が狭くなることを抑制することができる。これにより、サイプの踏み込み側から蹴り出し側に至る排水効果をさらに高めることができ、その結果、特に、ウェット路面における操縦安定性能をさらに改善することができる。
(付加的形態5)
基本形態及び基本形態に付加的形態1から4少なくともいずれかを加えた形態においては、上記第1幅広部の深さは、上記第1幅狭部の深さの95%以上105%以下であること(付加的形態5)が好ましい。ここで、第1幅広部の深さ及び第1幅狭部の深さとは、これら各部が無かったとした場合におけるトレッド表面から、これら各部の最深部までの寸法(最小寸法)を意味する。なお、図1に示すように、サイプが複数種類(サイプ24aから24f)形成されている場合には、そのうちの1種類(例えば、サイプ24f)について、上記第1幅広部の深さが、上記第1幅狭部の深さの95%以上105%以下である場合も本形態に含まれる。
基本形態及び基本形態に付加的形態1から4少なくともいずれかを加えた形態においては、上記第1幅広部の深さは、上記第1幅狭部の深さの95%以上105%以下であること(付加的形態5)が好ましい。ここで、第1幅広部の深さ及び第1幅狭部の深さとは、これら各部が無かったとした場合におけるトレッド表面から、これら各部の最深部までの寸法(最小寸法)を意味する。なお、図1に示すように、サイプが複数種類(サイプ24aから24f)形成されている場合には、そのうちの1種類(例えば、サイプ24f)について、上記第1幅広部の深さが、上記第1幅狭部の深さの95%以上105%以下である場合も本形態に含まれる。
上記第1幅広部の深さを、上記第1幅狭部の深さの95%以上とすることで、上記第1幅広部の容積を十分に確保し、サイプの中央部への水の到達をより効率的に行うことができる。これにより、サイプの踏み込み側から蹴り出し側に至る排水効果をさらに高めることができ、その結果、特に、ウェット路面における操縦安定性能をさらに改善することができる。
一方、上記第1幅広部の深さを、上記第1幅狭部の深さの105%以下とすることで、第1幅広部の周りに区画形成された陸部の剛性を確保して、接地時に第1幅広部が潰れてその開口部が狭くなることを抑制することができる。これにより、サイプの踏み込み側から蹴り出し側に至る排水効果をさらに高めることができ、その結果、特に、ウェット路面における操縦安定性能をさらに改善することができる。
(付加的形態6)
基本形態及び基本形態に付加的形態1から5少なくともいずれかを加えた形態においては、上記第1の角度範囲が30°以上150°以下であること(付加的形態6)が好ましい。ここで、第1の角度範囲が30°以上150°以下であるとは、上述した第2の角度範囲が0°以上30°未満又は150°超180°以下であることを意味する。なお、図1に示すように、サイプが複数種類(サイプ24aから24f)形成されている場合には、そのうちの1種類(例えば、サイプ24f)について、第1の角度範囲が30°以上150°以下である場合も本形態に含まれる。
基本形態及び基本形態に付加的形態1から5少なくともいずれかを加えた形態においては、上記第1の角度範囲が30°以上150°以下であること(付加的形態6)が好ましい。ここで、第1の角度範囲が30°以上150°以下であるとは、上述した第2の角度範囲が0°以上30°未満又は150°超180°以下であることを意味する。なお、図1に示すように、サイプが複数種類(サイプ24aから24f)形成されている場合には、そのうちの1種類(例えば、サイプ24f)について、第1の角度範囲が30°以上150°以下である場合も本形態に含まれる。
上記第1の角度範囲を30°以上150°以下とすることで、図1に示す例では、周方向に延在している溝14、16(16aから16d)に対してサイプ全体を比較的タイヤ幅方向に近い角度で延在させることとなる。これにより、特にタイヤ幅方向両外側部においては、タイヤ幅方向に延在する傾斜溝18、20、22のタイヤ幅方向領域に、これらの傾斜溝18、20、22とほぼ平行に延在するラグ溝を配設した場合に遜色のない排水性能を発揮することができる。また、これにより、上記ラグ溝を配設した場合に比べて陸部剛性を高くすることができ、ひいては乾燥路面における操縦安定性能及びウェット路面における操縦安定性能をさらに改善することができる。
(付加的形態7)
基本形態及び基本形態に付加的形態1から6少なくともいずれかを加えた形態においては、上記主部は直線状又は円弧状とすること(付加的形態7)ができる。図1に示す例では、上記主部を円弧状としており、その結果、特に、車両装着外側のタイヤ幅方向最外側に形成されたサイプ24cの主部は、タイヤ周方向に隣り合う傾斜溝18、20にほぼ平行に延在している。同様に、図1に示す例では、車両装着内側のタイヤ幅方向最外側に形成されたサイプ24fの主部は、タイヤ周方向に隣り合う傾斜溝22にほぼ平行に延在している。
基本形態及び基本形態に付加的形態1から6少なくともいずれかを加えた形態においては、上記主部は直線状又は円弧状とすること(付加的形態7)ができる。図1に示す例では、上記主部を円弧状としており、その結果、特に、車両装着外側のタイヤ幅方向最外側に形成されたサイプ24cの主部は、タイヤ周方向に隣り合う傾斜溝18、20にほぼ平行に延在している。同様に、図1に示す例では、車両装着内側のタイヤ幅方向最外側に形成されたサイプ24fの主部は、タイヤ周方向に隣り合う傾斜溝22にほぼ平行に延在している。
このように、車両装着両側のタイヤ幅方向最外側において、サイプ全体の延在方向を定める主部の延在方向を、サイプに隣り合う傾斜溝と平行に延在させることで、傾斜溝とサイプの主部とにおける排水方向が同一となり、その結果、トレッド表面12全体として効率的に排水を行うことができる。
タイヤサイズを195/65R15とし、図1に示すように、サイプ24aから24fが、溝14、16aから16dの少なくともいずれかに開口する主部(第1幅狭部及び第1幅広部から構成される)とこの主部に連なる副部(第2幅狭部及び第2幅広部から構成される)とを含み、表1に示す諸条件(1−1)から(7)、即ち
(1−1)溝14、16aから16fの延在方向に対する第1幅狭部の延在角度の範囲(第1幅狭部の角度範囲)、
(1−2)溝14、16aから16fの延在方向に対する第2幅狭部の延在角度の範囲(第2幅狭部の角度範囲)、
(2)図1のサイプ24aから24fについての、第1幅広部の数(第1幅広部の数)、
(3)タイヤ平面視での、第1幅広部及び第2幅広部の形状(第1及び第2幅広部の形状)、
(4)タイヤ平面視における、第1幅広部及び第2幅広部の外周の任意の2点を結んだ線分の最大値のそれぞれの、隣接する幅狭部の幅に対する寸法(第1及び第2の幅広部の最大寸法(倍))、
(5)第2幅狭部の深さに対する第2幅広部の深さ(%)、及び
(6)第1幅狭部の深さに対する第1幅広部の深さ(%)
に従い、実施例1から実施例6の空気入りタイヤを作製した。なお、実施例1から実施例6のいずれについても、サイプについて、同一の第1幅広部から延在する第2幅狭部の数は2とした。また、主部の各端部は、溝14、16aから16dに開口しているか、或いは、主部の端部には、第1幅広部が形成されているものとした。さらに、第2幅狭部の第1幅広部とは反対側には第2幅広部を全て形成した。
(1−1)溝14、16aから16fの延在方向に対する第1幅狭部の延在角度の範囲(第1幅狭部の角度範囲)、
(1−2)溝14、16aから16fの延在方向に対する第2幅狭部の延在角度の範囲(第2幅狭部の角度範囲)、
(2)図1のサイプ24aから24fについての、第1幅広部の数(第1幅広部の数)、
(3)タイヤ平面視での、第1幅広部及び第2幅広部の形状(第1及び第2幅広部の形状)、
(4)タイヤ平面視における、第1幅広部及び第2幅広部の外周の任意の2点を結んだ線分の最大値のそれぞれの、隣接する幅狭部の幅に対する寸法(第1及び第2の幅広部の最大寸法(倍))、
(5)第2幅狭部の深さに対する第2幅広部の深さ(%)、及び
(6)第1幅狭部の深さに対する第1幅広部の深さ(%)
に従い、実施例1から実施例6の空気入りタイヤを作製した。なお、実施例1から実施例6のいずれについても、サイプについて、同一の第1幅広部から延在する第2幅狭部の数は2とした。また、主部の各端部は、溝14、16aから16dに開口しているか、或いは、主部の端部には、第1幅広部が形成されているものとした。さらに、第2幅狭部の第1幅広部とは反対側には第2幅広部を全て形成した。
これに対し、上述した特許文献1の図5に記載されているパターンを有する従来例の空気入りタイヤを作製した。
このよう作製した、各試験タイヤについて、乾燥路面での操縦安定性能とウェット路面での操縦安定性能とを評価した。これらの結果を表1に併記する。
(乾燥路面での操縦安定性能)
各試験タイヤを15X6Jのリムに空気圧230kPaで組み付け、排気量1500CCのセダン型車両(フロントエンジン・フロントドライブ方式)に装着し、乾燥路面を最高時速140kmで走行した際の、パネラーによる官能性評価を実施した。そして、この測定結果に基づいて従来例を基準(100)とした指数評価を行った。この評価は、指数が大きいほど、乾燥路面での操縦安定性能が高いことを示す。
各試験タイヤを15X6Jのリムに空気圧230kPaで組み付け、排気量1500CCのセダン型車両(フロントエンジン・フロントドライブ方式)に装着し、乾燥路面を最高時速140kmで走行した際の、パネラーによる官能性評価を実施した。そして、この測定結果に基づいて従来例を基準(100)とした指数評価を行った。この評価は、指数が大きいほど、乾燥路面での操縦安定性能が高いことを示す。
(ウェット路面での操縦安定性能)
各試験タイヤを15X6Jのリムに空気圧230kPaで組み付け、排気量1500CCのセダン型車両(フロントエンジン・フロントドライブ方式)に装着し、ウェット低μ路(水深1mm以上2mm以下のアスファルト路面)を走行し、ラップタイムを計測した。ラップタイムは各試験タイヤについて各々8回計測し、最大値及び最小値を除いた6回の平均値を算出した。そして、この算出結果に基づいて従来例を基準(100)とした指数評価を行った。この評価は、指数が大きいほど、ウェット路面での操縦安定性能が高いことを示す。
各試験タイヤを15X6Jのリムに空気圧230kPaで組み付け、排気量1500CCのセダン型車両(フロントエンジン・フロントドライブ方式)に装着し、ウェット低μ路(水深1mm以上2mm以下のアスファルト路面)を走行し、ラップタイムを計測した。ラップタイムは各試験タイヤについて各々8回計測し、最大値及び最小値を除いた6回の平均値を算出した。そして、この算出結果に基づいて従来例を基準(100)とした指数評価を行った。この評価は、指数が大きいほど、ウェット路面での操縦安定性能が高いことを示す。
表1によれば、本発明の技術的範囲に属する(サイプを溝に開口する所定形状の主部とこの主部に連なる所定形状の副部とから構成した)実施例1から実施例6の空気入りタイヤについては、いずれも、本発明の技術的範囲に属しない従来例の空気入りタイヤよりも、乾燥路面での操縦安定性能とウェット路面での操縦安定性能とが、いずれも高いことが判る。
本発明は以下の態様を包含する。
(1)周方向溝と、上記周方向溝に対して傾斜する傾斜溝と、の少なくともいずれかを、少なくとも1本備えるとともに、これらの溝のいずれかに開口する少なくとも1つのサイプを備える空気入りタイヤにおいて、上記サイプは、上記溝に開口する主部であって、上記溝の延在方向に対して第1の角度範囲で延在する複数の第1幅狭部と、少なくとも上記第1幅狭部同士の間に形成された少なくとも1つの第1幅広部と、を有する主部、及び上記主部に連なる副部であって、上記第1幅広部の少なくともいずれかから上記溝の延在方向に対して上記第1の角度範囲とは異なる第2の角度範囲で延在し、かつ、同一の第1幅広部から少なくとも2本延在する第2幅狭部と、上記第2幅狭部の上記第1幅広部とは反対側の端部に形成された複数の第2幅広部と、を有する副部を含む、空気入りタイヤ。
(2)上記第1幅広部は2個以上5個以下である、上記(1)に記載の空気入りタイヤ。
(3)タイヤ平面視で、上記第1幅広部及び上記第2幅広部は、円形状、楕円状、及び多角形状のいずれかである、上記(1)又は(2)に記載の空気入りタイヤ。
(4)タイヤ平面視で、上記第1幅広部及び上記第2幅広部の外周の任意の2点を結んだ線分の最大値が、それぞれ、隣接する幅狭部の幅の1.5倍以上5倍以下である、上記(1)から(3)のいずれか1つに記載の空気入りタイヤ。
(5)上記第2幅広部の深さは、上記第2幅狭部の深さの95%以上105%以下である、上記(1)から(4)のいずれか1つに記載の空気入りタイヤ。
(6)上記第1幅広部の深さは、上記第1幅狭部の深さの95%以上105%以下である、上記(1)から(5)のいずれか1つに記載の空気入りタイヤ。
(7)上記第1の角度範囲が30°以上150°以下である、上記(1)から(6)のいずれか1つに記載の空気入りタイヤ。
(8)上記主部は直線状又は円弧状である、上記(1)から(7)のいずれか1つに記載の空気入りタイヤ。
1 空気入りタイヤ
10 トレッド部
12 トレッド表面
14 周方向細溝
16、16a、16b、16c、16d 周方向主溝
18、20、22 傾斜溝
24、24a、24b、24c、24d、24e、24f サイプ
C 面取り部
CL タイヤ赤道面
E1、E2 接地端
Xa1、Xa2、Xa3、Xa4 第1幅狭部
Xb1、Xb2、Xb3、Xb4 第1幅広部
Ya1、Ya´1、Ya2、Ya´2、Ya3、Ya´3、Ya4、Ya´4 第2幅狭部
Yb1、Yb´1、Yb2、Yb´2、Yb3、Yb´3、Yb4、Yb´4 第2幅広部
α 周方向主溝16dの延在方向に対する、第1幅狭部のなす角度
β1、β2 周方向主溝16dの延在方向に対する、第2幅狭部のなす角度
10 トレッド部
12 トレッド表面
14 周方向細溝
16、16a、16b、16c、16d 周方向主溝
18、20、22 傾斜溝
24、24a、24b、24c、24d、24e、24f サイプ
C 面取り部
CL タイヤ赤道面
E1、E2 接地端
Xa1、Xa2、Xa3、Xa4 第1幅狭部
Xb1、Xb2、Xb3、Xb4 第1幅広部
Ya1、Ya´1、Ya2、Ya´2、Ya3、Ya´3、Ya4、Ya´4 第2幅狭部
Yb1、Yb´1、Yb2、Yb´2、Yb3、Yb´3、Yb4、Yb´4 第2幅広部
α 周方向主溝16dの延在方向に対する、第1幅狭部のなす角度
β1、β2 周方向主溝16dの延在方向に対する、第2幅狭部のなす角度
Claims (8)
- 周方向溝と、前記周方向溝に対して傾斜する傾斜溝と、の少なくともいずれかを、少なくとも1本備えるとともに、これらの溝のいずれかに開口する少なくとも1つのサイプを備える空気入りタイヤにおいて、
前記サイプは、
前記溝に開口する主部であって、前記溝の延在方向に対して第1の角度範囲で延在する複数の第1幅狭部と、少なくとも前記第1幅狭部同士の間に形成された少なくとも1つの第1幅広部と、を有する主部、及び
前記主部に連なる副部であって、前記第1幅広部の少なくともいずれかから前記溝の延在方向に対して前記第1の角度範囲とは異なる第2の角度範囲で延在し、かつ、同一の第1幅広部から少なくとも2本延在する第2幅狭部と、前記第2幅狭部の前記第1幅広部とは反対側の端部に形成された複数の第2幅広部と、を有する副部
を含む、空気入りタイヤ。 - 前記第1幅広部は2個以上5個以下である、請求項1に記載の空気入りタイヤ。
- タイヤ平面視で、前記第1幅広部及び前記第2幅広部は、円形状、楕円状、及び多角形状のいずれかである、請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
- タイヤ平面視で、前記第1幅広部及び前記第2幅広部の外周の任意の2点を結んだ線分の最大値が、それぞれ、隣接する幅狭部の幅の1.5倍以上5倍以下である、請求項1から3のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
- 前記第2幅広部の深さは、前記第2幅狭部の深さの95%以上105%以下である、請求項1から4のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
- 前記第1幅広部の深さは、前記第1幅狭部の深さの95%以上105%以下である、請求項1から5のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
- 前記第1の角度範囲が30°以上150°以下である、請求項1から6のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
- 前記主部は直線状又は円弧状である、請求項1から7のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
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JP2018075929A (ja) * | 2016-11-08 | 2018-05-17 | 住友ゴム工業株式会社 | タイヤ |
JP2020117149A (ja) * | 2019-01-25 | 2020-08-06 | 住友ゴム工業株式会社 | タイヤ |
-
2013
- 2013-08-09 JP JP2013166925A patent/JP2015033985A/ja active Pending
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JP2020117149A (ja) * | 2019-01-25 | 2020-08-06 | 住友ゴム工業株式会社 | タイヤ |
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