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JP2015031538A - 順相カラムを用いる擬似移動層クロマトグラフィーによる脂溶性物質の分離法およびそのための装置 - Google Patents

順相カラムを用いる擬似移動層クロマトグラフィーによる脂溶性物質の分離法およびそのための装置 Download PDF

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JP2015031538A JP2013159634A JP2013159634A JP2015031538A JP 2015031538 A JP2015031538 A JP 2015031538A JP 2013159634 A JP2013159634 A JP 2013159634A JP 2013159634 A JP2013159634 A JP 2013159634A JP 2015031538 A JP2015031538 A JP 2015031538A
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芳雄 清水
Yoshio Shimizu
芳雄 清水
宏 田畑
Hiroshi Tabata
宏 田畑
万倉 三正
Mitsumasa Manso
三正 万倉
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Bizen Chemical Co Ltd
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Bizen Chemical Co Ltd
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Abstract

【課題】既存の不飽和脂肪酸精製法における課題を解決し、高効率の不飽和脂肪酸精製法およびそのための装置を提供すること。【解決手段】シリカゲル、硝酸銀含浸ゲル、および、ポリマーゲルからなる群から選択される少なくとも2種類のゲルを充填したカラム、好ましくは、少なくとも3本の硝酸銀含浸ゲルカラムおよび少なくとも1本のシリカゲルカラムを備えるSMBクロマトグラフィーを用いる分離法および装置を提供することによって、上記課題は、解決された。【選択図】なし

Description

本発明は、シリカゲルカラムを用いる擬似移動層クロマトグラフィーによる分離精製法ならびにそのための装置に関する。より具体的には、シリカゲルカラムおよび硝酸銀含浸ゲルカラムを用いる擬似移動層による分離精製法ならびにそのための装置に関する。
不飽和脂肪酸類は、分子量、化学的性質が類似するため、相互に分離・精製することが難しい。従来より脂肪酸あるいはモノエステルの混合物から特定の脂肪酸を分離する方法としては、主として沸点の差、分子量の差、溶解度の差が利用されてきた。例えば、蒸留、分子ふるい、および、超臨界流体抽出が知られている。また二重結合数による分離法としては、ウインタリング、尿素付加、銀錯体形成、および、溶剤分別が挙げられる。
さらに銀イオン処理樹脂(非特許文献1)やC18充填剤を用いたクロマト法などがあるが、簡便である一方で分離が不十分であったり、高度精製は可能であるものの、工業的な大量処理には不向きであるなど、それぞれ一長一短がある。以下にこれまで不飽和脂肪酸およびその誘導体の精製に用いられてきた技術の課題について記載する。代表的な分離・精製法としては、例えば、(1)真空精密蒸留法、(2)分子蒸留法、(3)尿素付加法、(4)硝酸銀処理法、(5)固定層方式クロマトグラフィー、および、(6)擬似移動層クロマトグラフィーが挙げられる。各方法の特徴と課題は、以下のとおりである。
(1)真空精密蒸留法
特徴:各成分の沸点差を利用して分離する方法である。
課題:熱変性が有りうる。高純度品を精製する際に長時間がかかる。
(2)分子蒸留法
特徴:蒸留の際に熱的影響が少ない。
課題:分離能が低い。
(3)尿素付加法
特徴:溶解した尿素が結晶化する際に直鎖の分子を取り込みながら、六角柱状の付加物結晶を形成する性質を利用。
課題:選択性が低い。尿素付加物の派生による廃棄物処理。
(4)硝酸銀処理法
特徴:脂肪酸の二重結合に対して硝酸銀溶液が錯体を形成する性質を利用。
課題:銀の価格が不安定。夾雑物を抱き込む。
(5)固定層クロマトグラフィー
特徴:熱的影響が少ない。高精度な分離が可能。
課題:溶離液の使用量が多い。工業的な製造には向かない。
(6)擬似移動層クロマトグラフィー
特徴:溶離液の使用量が少なく、連続操作のため工業化に向いている。
課題:不飽和脂肪酸の分離によく用いられるC18充填剤が高価である。単一溶媒しか使用できないので、グラジエントで分離ができない。
擬似移動層(以下「SMB」ともいう)クロマトグラフィーは、従来の固定層カラム方式と異なり溶離液の使用量が少なく、連続操作が可能であることから工業的なクロマト精製によく利用されている。例えば、p−キシレンはSMBにより50万t/年製造されている。
一般的に、グラジエントを利用することによって、経時的に溶出条件を変化させることが可能であり、その結果、各成分間の分離が改善され、かつ、溶出までの時間が短縮される。しかしながらSMBクロマトグラフィーでは、単一のカラムクロマトグラフィーにおいて行われるような異なる溶媒の割合を一定時間で変化させるグラジエントを利用することができず、単一の溶離液しか利用できない。
エイコサペンタエン酸エチルエステル(以下EPAエチル)の精製技術として、例えば特許文献1及び2では、不飽和脂肪酸およびその誘導体の工業的に優れた精製技術としてSMBクロマトグラフィーが挙げられている。SMBクロマトグラフィーは、原料を連続的に供給しながらカラム吸着剤の層に形成される各画分の分布を定常状態に保つことにより目的成分である高度不飽和脂肪酸及びその誘導体を連続的に取り出すことができる。
高度不飽和脂肪酸及びその誘導体を分離する際に、カラム充填剤はC18シリカゲルを使用することが多いが分離性能に対して高価であり工業化において更なる性能の向上が課題となる。
そこで、既存の不飽和脂肪酸精製法における課題を解決し、高効率の不飽和脂肪酸精製法およびそのための装置が求められている。
また、近年、不飽和脂肪酸は必須脂肪酸としてサプリメントで注目されているだけでなく、特にEPAエチルがスイッチOTCとして閉塞性動脈硬化症、高脂血症治療薬として認可を受けたため、医薬品グレードのEPAエチルの市場が拡大している。
特表2013−516398 特開平8−218091
大瀧伸行:The Chemical Times, No.3(通巻213号)(2009)
既存の不飽和脂肪酸精製法における課題を解決し、高効率の不飽和脂肪酸精製法およびそのための装置を提供することを課題とする。
また、高度不飽和脂肪酸及びその誘導体を分離する際に、カラム充填剤はODSシリカゲルを使用することが多いが分離性能に対して高価であることから、比較的安価な不飽和脂肪酸精製法およびそのための装置を提供すること、並びに、分離性能の向上を課題とする。
本発明は、魚油、藻類の抽出油、遺伝子組み換え植物からの抽出油などの動植物および微生物油脂由来の高度不飽和脂肪酸およびその誘導体からの精製技術、特に医薬品グレードの製品を工業的に安価に製造する方法を提供する。
本発明では、SMBクロマトグラフィーにおいて、複数種類のカラムを同時に用いることによって、上記課題が解決された。
例えば、本発明では、SMBクロマトグラフィーにおいて、複数のシリカゲルカラムと、1本以上の硝酸銀含浸担体を含むカラムとを用いる。溶離液としては、例えば、順相系(n−ヘキサン)を用いることができるが、これに限定されない。
本発明は、例えば、以下を提供する:
(項目1)
SMBクロマトグラフィーを用いる脂溶性物質の分離方法であって、
ここで、該SMBクロマトグラフィーによって分離を行う装置が、以下:
(1)第1の担体を充填した順相カラム、および、第1の担体とは異なる第2の担体を充填した順相カラムを含む少なくとも4本のカラム;ならびに、
(2)カラム間を連結する、カラム本数と同数の循環ライン;
備え、
ここで、該方法は、以下:
(a)溶離液を第1の循環ラインに供給する工程;
(a)試料を第3の循環ラインに供給する工程;
(c)第2の循環ラインおよび第4の循環ラインより分離溶液を抜き出す工程;ならびに、
(d)該第1の循環ライン、該第2の循環ライン、該第3の循環ライン、および、該第4の循環ラインを切り替える工程;
を包含し、ここで、該第1の循環ラインないし該第4の循環ラインは、上流より下流に、該第1の循環ライン、該第2の循環ライン、該第3の循環ライン、および、該第4の循環ラインの順番に並ぶ、方法。
(項目2)
SMBクロマトグラフィーを用いる脂溶性物質の分離方法であって、
ここで、該SMBクロマトグラフィーによって分離を行う装置が、以下:
(1)第1の担体を充填したカラム、および、第1の担体とは異なる第2の担体を充填したカラムを含む少なくとも4本のカラムであって、ここで、第1の担体および第2の担体が、シリカゲル、硝酸銀含浸ゲル、および、ポリマーゲルからなる群から選択される、カラム;ならびに、
(2)カラム間を連結する、カラム本数と同数の循環ライン;
備え、
ここで、該方法は、以下:
(a)溶離液を第1の循環ラインに供給する工程;
(a)試料を第3の循環ラインに供給する工程;
(c)第2の循環ラインおよび第4の循環ラインより分離溶液を抜き出す工程;ならびに、
(d)該第1の循環ライン、該第2の循環ライン、該第3の循環ライン、および、該第4の循環ラインを切り替える工程;
を包含し、ここで、該第1の循環ラインないし該第4の循環ラインは、上流より下流に、該第1の循環ライン、該第2の循環ライン、該第3の循環ライン、および、該第4の循環ラインの順番に並ぶ、方法。
(項目3)
SMBクロマトグラフィーを用いる脂溶性物質の分離方法であって、
ここで、該SMBクロマトグラフィーによって分離を行う装置が、以下:
(1)硝酸銀含浸ゲルを担体として充填した少なくとも1本のカラム、および、シリカゲルを担体として充填した少なくとも1本のカラムを含む、少なくとも4本のカラム;ならびに、
(2)カラム間を連結する、カラム本数と同数の循環ライン;
備え、
ここで、該方法は、以下:
(a)溶離液を第1の循環ラインに供給する工程;
(a)試料を第3の循環ラインに供給する工程;
(c)第2の循環ラインおよび第4の循環ラインより分離溶液を抜き出す工程;ならびに、
(d)該第1の循環ライン、該第2の循環ライン、該第3の循環ライン、および、該第4の循環ラインを切り替える工程;
を包含し、ここで、該第1の循環ラインないし該第4の循環ラインは、上流より下流に、該第1の循環ライン、該第2の循環ライン、該第3の循環ライン、および、該第4の循環ラインの順番に並ぶ、方法。
(項目4)
前記SMBクロマトグラフィーによって分離を行う装置が、少なくとも2本の硝酸銀含浸ゲルを担体として充填したカラム、および、少なくとも2本のシリカゲルを担体として充填したカラムを備える、項目3に記載の方法。
(項目5)
前記SMBクロマトグラフィーによって分離を行う装置が、少なくとも1本の硝酸銀含浸ゲルを担体として充填したカラム、および、少なくとも3本のシリカゲルを担体として充填したカラムを備える、項目3に記載の方法。
(項目6)
前記試料が、蒸留した試料である、項目1〜3のいずれか一項に記載の方法。
(項目7)
前記脂溶性物質が、脂肪酸または脂肪酸誘導体である、項目1〜3のいずれか一項に記載の方法。
(項目8)
前記脂溶性物質が、α−リノレン酸、ステアリドン酸、ドコサペンタエン酸、エイコサペンタエン酸、および、ドコサヘキサエン酸、ならびに、それらの低級アルコールエステルからなる群から選択される、項目1〜3のいずれか一項に記載の方法。
(項目9)
SMBクロマトグラフィーを用いる脂溶性物質の分離装置であって、以下:
(1)第1の担体を充填した順相カラム、および、第1の担体とは異なる第2の担体を充填した順相カラムを含む少なくとも4本のカラム;ならびに、
(2)カラム間を連結する、カラム本数と同数の循環ライン
備え、
ここで、該装置は、以下:
(a)溶離液を第1の循環ラインに供給する工程;
(a)試料を第3の循環ラインに供給する工程;
(c)第2の循環ラインおよび第4の循環ラインより分離溶液を抜き出す工程;ならびに、
(d)該第1の循環ライン、該第2の循環ライン、該第3の循環ライン、および、該第4の循環ラインを切り替える工程;
を包含する方法によって脂溶性物質を分離し、ここで、該第1の循環ラインないし該第4の循環ラインは、上流より下流に、該第1の循環ライン、該第2の循環ライン、該第3の循環ライン、および、該第4の循環ラインの順番に並ぶ、装置。
(項目10)
SMBクロマトグラフィーを用いる脂溶性物質の分離装置であって、以下:
(1)第1の担体を充填したカラム、および、第1の担体とは異なる第2の担体を充填したカラムを含む少なくとも4本のカラムであって、ここで、第1の担体および第2の担体が、シリカゲル、硝酸銀含浸ゲル、および、ポリマーゲルからなる群から選択される、カラム;ならびに、
(2)カラム間を連結する、カラム本数と同数の循環ライン
備え、
ここで、該装置は、以下:
(a)溶離液を第1の循環ラインに供給する工程;
(a)試料を第3の循環ラインに供給する工程;
(c)第2の循環ラインおよび第4の循環ラインより分離溶液を抜き出す工程;ならびに、
(d)該第1の循環ライン、該第2の循環ライン、該第3の循環ライン、および、該第4の循環ラインを切り替える工程;
を包含する方法によって脂溶性物質を分離し、ここで、該第1の循環ラインないし該第4の循環ラインは、上流より下流に、該第1の循環ライン、該第2の循環ライン、該第3の循環ライン、および、該第4の循環ラインの順番に並ぶ、装置。
(項目11)
SMBクロマトグラフィーを用いる脂溶性物質の分離装置であって、以下:
(1)硝酸銀含浸ゲルを担体として充填した少なくとも1本のカラム、および、シリカゲルを担体として充填した少なくとも1本のカラムを含む、少なくとも4本のカラム;ならびに、
(2)カラム間を連結する、カラム本数と同数の循環ライン;
備え、
ここで、該装置は、以下:
(a)溶離液を第1の循環ラインに供給する工程;
(a)試料を第3の循環ラインに供給する工程;
(c)第2の循環ラインおよび第4の循環ラインより分離溶液を抜き出す工程;ならびに、
(d)該第1の循環ライン、該第2の循環ライン、該第3の循環ライン、および、該第4の循環ラインを切り替える工程;
を包含する方法によって脂溶性物質を分離し、ここで、該第1の循環ラインないし該第4の循環ラインは、上流より下流に、該第1の循環ライン、該第2の循環ライン、該第3の循環ライン、および、該第4の循環ラインの順番に並ぶ、装置。
(項目12)
前記装置が、少なくとも2本の硝酸銀含浸ゲルを担体として充填したカラム、および、少なくとも2本のシリカゲルを担体として充填したカラムを備える、項目11に記載の装置。
(項目13)
前記装置が、少なくとも1本の硝酸銀含浸ゲルを担体として充填したカラム、および、少なくとも3本のシリカゲルを担体として充填したカラムを備える、項目11に記載の装置。
本発明にしたがって、高効率の不飽和脂肪酸精製法およびそのための装置が提供される。
図1は、SMBクロマトグラフィーの模式図である。
以下、本発明を説明する。本明細書の全体にわたり、単数形の表現は、特に言及しない限り、その複数形の概念をも含むことが理解されるべきである。また、本明細書において使用される用語は、特に言及しない限り、当該分野で通常用いられる意味で用いられることが理解されるべきである。したがって、他に定義されない限り、本明細書中で使用される全ての専門用語および科学技術用語は、本発明の属する分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。矛盾する場合、本明細書(定義を含めて)が優先する。
(用語の定義)
以下に本明細書において特に使用される用語の定義を列挙する。
本明細書において使用される用語「SMBクロマトグラフィー」とは、クロマトグラフィーの原理を利用する分離法であって、原料中の特定の成分と、別の特定の成分に対して異なる選択的吸着能力を有する吸着剤が充填された複数の単位充填層を直列に連結するとともに、最下流部の単位充填層と最上流部の単位充填層とを連結し、無端状の循環系を形成した移動層をいう。
本明細書において使用される用語「原料の供給口」とは、SMBクロマトグラフィーに供される原料の供給口をいう。本明細書において使用される用語「成分抜き出し位置」とは、SMBクロマトグラフィーに供された溶液のカラムからの出口をいう。
本明細書において使用される用語「上流」とは、溶離液が流れ込む側をいい、用語「下流」とは、溶離液が流れ出す側をいう。
本明細書において使用される用語「循環ライン」とは、隣接するカラムを連結する部分をいう。循環ラインは、上流の成分抜き出し位置と下流の原料の供給口とを連結するか、あるいは、最下流の成分抜き出し位置と最上流の原料の供給口とを連結する。
本明細書において使用される用語「循環ラインを切り替える」とは、上流から下流にカラムA−カラムB−カラムC−カラムDの順番で隣接する一連のカラムにおいて、カラムBの出口とカラムCの入口を連結する循環ラインを、(i)カラムAの出口とカラムBの入口を連結する循環ラインとするか、または、(ii)カラムCの出口とカラムDの入口を連結する循環ラインとするかのいずれかをいう。
本明細書において使用される用語「順相カラム」とは、固定相の極性が移動相の極性より高い分離系で使用されるカラムをいう。代表的な順相カラムとしては、シリカゲルカラムが挙げられるがこれらに限定されない。
本明細書において使用される用語「シリカゲルカラム」とは、シリカゲルを担体とするクロマトグラフィーカラムをいう。シリカゲルカラムは安価であり、溶離液に極性の低い溶媒を用いるため、魚油を原料とする場合には、溶離液を回収して繰り返し使用する際に、魚油から発生する匂いの原因となる極性の高い物質を回収時に取り込まないため、溶離液として品質の劣化が少なく長期に渡って使用できる。
本明細書において使用される用語「硝酸銀含浸ゲル」とは、「硝酸銀含浸担体」と互換可能に使用され、硝酸銀を吸着させたゲルをいう。硝酸銀含浸ゲルは、代表的には、硝酸銀を含浸させたシリカゲルである。本発明において使用する硝酸銀含浸ゲルの担体としては、シリカゲル、ポリマーが挙げられるがこれらに限定されない。硝酸銀含浸ゲルは担持された銀イオンが、二重結合を持つ分子と錯体を形成することで、ゲルに保持される。保持される強さは二重結合の数に依存するため、不飽和脂肪酸を吸着またはクロマトグラフィーにて分離精製する際に効果的なゲルである。
本発明において使用するSMBクロマトグラフィーは、好ましくは、1本以上の硝酸銀含浸ゲル、および、1本以上のシリカゲルカラムを含む。両者の好ましい組み合わせの比率として硝酸銀含浸カラム:シリカゲルカラム=3:1〜12が挙げられる。
本発明のSMBクロマトグラフィーに供する原料に用いる溶媒は、カラムクロマトグラフィーに供することができる液体である限り、あらゆる純度の液体を使用してもよい。例えば、原料から抽出した液体について、真空精密蒸留、ろ過、尿素処理、硝酸銀処理、および、固定層クロマトグラフィーからなる群から選択される方法によって目的脂肪酸を一部濃縮した液体を原料として使用することができる。用いる原料は遊離型脂肪酸又はエタノールやメタノールなどの低級アルコールエステルであることが望ましい。原料が固体の場合はメタノール、エタノール、ヘキサンなどの溶媒で溶解して用いる。
本願明細書で使用する場合、「真空精密蒸留」とは、EPAの場合、EPAを含む炭素数が20の成分は魚油脂肪酸の中でほぼ中間の沸点に位置しており、バッチ式の場合、単塔式蒸留装置を用いる事が、連続蒸留の場合、二塔式装置ないしは四塔式装置が必要となる。二塔式であればC19以下の成分(初留)を留出させ、その残留分を第二塔に送りC20成分を(主留)を分取することをいう。
本願明細書で使用する場合、「ろ過」とは、フィルターおよび/または吸着剤による原料の脱色や、過酸化物の除去をする方法をいう。代表的には、窒素雰囲気下で原料と吸着剤を混合・撹拌し、フィルタープレスにより吸着剤を除く方法をいう。本発明の方法においては、好ましい吸着剤としてシリカゲル、活性白土、活性炭、ゼオライトが挙げられるがこの限りではない。
本願明細書で使用する場合、「尿素処理」とは、原料と尿素メタノール溶液を混合し冷却、飽和脂肪酸やモノ不飽和脂肪酸を取り込んだ尿素付加物を形成させ、これをろ別する方法をいう。代表的には、尿素付加物からn−ヘキサンにて抽出し、シリカゲル処理の後、n−ヘキサンを留去して目的の不飽和脂肪酸を得る方法をいう。
本願明細書で使用する場合、「硝酸銀処理」とは、高度不飽和脂肪酸エチルの場合、原料と硝酸銀溶液を撹拌し、未反応エステルを例えばn−ヘキサン抽出した後水層を希釈または加温、遊離したエステルを再度n−ヘキサン抽出することにより目的の高度不飽和脂肪酸エチルの濃縮を行う方法をいう。
本願明細書で使用する場合、「固定層クロマトグラフィー」とは、カラムに充填剤を詰め、原料を溶離液で通過させることにより目的の成分を含む画分を取り出し、濃縮する方法をいう。本発明の方法においては、好ましい充填剤としてシリカゲル、逆層シリカゲル、硝酸銀含浸シリカゲルが挙げられるがこの限りではない。
本明細書において使用される用語「溶離液」とは、溶離液供給口Dを通じて供給される溶液である。使用するゲルおよび分離対象である物質に応じて、当業者は、容易に溶離液を決定することが可能である。シリカゲルカラムを用いて脂溶性物質を分離する場合に使用可能な溶離液としては、極性の低い溶媒が一般的に用いられ、代表的には、n−ヘキサン、塩化メチレン、ベンゼン、シクロヘキサン、トルエンが挙げられるがこれらに限定されない。
本明細書において使用される用語「脂溶性物質」とは、n−ヘキサン又はエタノールなどの有機溶媒に溶解する化合物をいう。脂溶性物質としては、例えば、脂肪酸またはその誘導体が挙げられるがこれらに限定されない。本発明における「脂溶性物質」としては、例えば、α−リノレン酸、ステアリドン酸、ドコサペンタエン酸、エイコサペンタエン酸、および、ドコサヘキサエン酸等のω3系脂肪酸類またはそれらのメタノールやエタノールの低級アルコールエステル、並びにγ−リノレン酸、アラキドン酸等のω6系脂肪酸またはそれらのメタノールやエタノールの低級アルコールエステルが挙げられるがこれらに限定されない。
本明細書において使用される用語「低級アルコールエステル」とは、脂肪酸またはその誘導体と低級アルコールとのエステルをいう。本明細書において使用される用語「低級アルコール」とは、炭素数10以下の直鎖または分岐の任意のアルコールをいう。
(SMBクロマトグラフィー)
SMBクロマトグラフィーでは、無端状の循環系に対して原料と溶離液とを供給し、カラム内(単位充填層)を高速で移動するX成分(すなわち、弱親和性成分)と、カラム内を低速で移動するY成分(すなわち、親和性成分)とをそれぞれ異なる位置から抜き出す。そして、SMBクロマトグラフィーは、原料供給位置、溶離液供給位置、X成分抜き出し位置、およびY成分抜き出し位置を、一定の位置関係に保ちながら流体循環方向下流側に順次移動させることで、原料供給を連続的に行う処理操作を擬似的に実現する。その結果、層内での各成分の分布状態はほぼ一定の幅で移動し、各成分の抜き出し位置も、純度・濃度ともに高い部分を取り続けることが可能な操作方式である。
例示的なSMBクロマトグラフィーを図1に示す。カラム1〜4を循環ラインで接続し、各カラム間の循環ラインに原料供給口F、溶離液供給口D、親和性成分の抜き出し口A、弱親和性成分の抜き出し口Bを設け、循環する流れの方向に一定時間ごとに順次バルブを切り替えていく(すなわち、循環ラインを切り替えていく)。
例えば、原料供給口Fから供給された原料は、溶離液供給口Dから供給された溶離液のために、カラム3からカラム2に向かって移動する。その際、弱親和性成分であるX成分は、カラムに対する親和性が弱いため、より高速でカラムを移動する。逆に、親和性成分であるY成分は、カラムに対する親和性が強いため、より低速でカラムを移動する。その結果、X成分およびY成分の両者は異なる速度で移動し、その結果、これら両者は分離されていく。X成分とY成分を連続して分離するためには、これら両者の間の位置に原料供給口Fを提供する必要がある。Y成分は、X成分よりも低速でカラムを移動するものの、溶離液供給口Dから供給された溶離液のために移動し続けるため、循環する流れの方向に一定時間ごとに順次バルブを切り替え、原料供給口FをX成分とY成分との間に維持する必要がある。すなわち、図1において一定時間経過後に、カラム4をカラム3の位置に移動させ、カラム3をカラム2の位置に移動させ、カラム2をカラム1の位置に移動させ、カラム1をカラム4の位置に移動させる(言い換えると、カラム1とカラム2を連結する循環ラインをカラム2とカラム3を連結する循環ラインに切り替え、カラム2とカラム3を連結する循環ラインをカラム3とカラム4を連結する循環ラインに切り替え、カラム3とカラム4を連結する循環ラインをカラム4とカラム1を連結する循環ラインに切り替え、カラム4とカラム1を連結する循環ラインをカラム1とカラム2を連結する循環ラインに切り替える。)。その結果、原料供給口Fは、カラム4とカラム3の間に移動し、弱親和性成分の抜き出し口Bは、カラム3とカラム2の間に移動し、溶離液供給口Dは、カラム2とカラム1の間に移動し、親和性成分の抜き出し口Aは、カラム1とカラム4の間に移動する。
本発明のSMBクロマトグラフィーでは、4本以上のカラムを用いるが。カラムの本数は特に限定されない。好ましくは、カラムの本数は、4本、5本、6本、7本、8本、9本、10本、11本、12本、13本、14本、15本、16本、17本、18本、19本、20本であるが、これらに限定されない。カラム本数を4本よりも多くする場合、原料供給口Fと弱親和性成分の抜き出し口Bとの間、弱親和性成分の抜き出し口Bと溶離液供給口Dとの間、溶離液供給口Dと親和性成分の抜き出し口Aとの間、および/または、親和性成分の抜き出し口Aと原料供給口Fとの間に複数本のカラムを備えてもよい。
(シリカゲルについて)
順相クロマトグラフの担体としてよく利用される。順相クロマトグラフィーとは各成分が充填剤表面において、溶離液の分子と競合しながら吸着され、その内極性の小さいものから溶出させ分離する方式である。よって成分の保持の強さには以下のような傾向がある。またカラム充填剤の中でも最も安価である。
(1)試料分子の二重結合が多いほど保持が強い。
(2)試料分子の分子量が大きいものほど保持が強い。
(硝酸銀含浸シリカゲルについて)
硝酸銀溶液を通液し、シリカゲル表面に銀イオンを担持させている。この銀イオンと不飽和有機化合物の間に弱い電化移動型錯体を形成する。成分の保持の強さには以下のような傾向がある。
(1)試料分子の二重結合数が多いほど保持が強い。
(2)脂肪酸(およびそのエステル)では、二重結合とカルボニル炭素が近い方が保持が強い。
以下に実施例等により本発明を詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(比較例1)
比較例として硝酸銀含浸シリカゲルのみを用いた系について記載する。
出発原料として、EPAエチルエステルを75%含有する油脂を用いた。原料濃度は200g/L(n−ヘキサン溶液)であり、原料供給量は1時間当り充填剤1L当り10.5 mL(10.5 mL/L−R/h)であった。カラムとして硝酸銀含浸シリカゲルカラム4本を用いた(カラムサイズ:直径10mm×高さ500mm)。溶離液としてのn-ヘキサンを、溶離液量:1時間当り充填剤1L当り400mL(0.40 L/L−R/h)で用いた。
その結果、純度96.5%のEPAエチルが得られた。類縁物質として、以下を含んでいた:
オクタデカテトラエン酸エチル:0.61%
アラキドン酸エチル: 0.70%
イコサテトラエン酸エチル: 0.86%
その他の不純物: 1.33%
EPAエチルの回収率は79%であり、POV(過酸化物価)は1.9であり、AV(酸価)は0.03であり、AnV(アニシジン価)は0.5であった。
(実施例1)
硝酸銀含浸シリカゲルカラムとシリカゲルカラムを組み合せて用いた。
出発原料として、EPAエチルエステルを75%含有する油脂を用いた。原料濃度は200g/L(n−ヘキサン溶液)(すなわち、25wt%)であり、原料供給量は1時間当り充填剤1L当り16.4 mL(16.4 mL/L−R/h)であった。カラムとして、硝酸銀含浸シリカゲルカラム2本と、シリカゲルカラム4本を用いた(カラムサイズ:直径10mm×高さ500mm)。溶離液としてのn−ヘキサンを、溶離液量:1時間当り充填剤1L当り400mL(0.40 L/L−R/h)で用いた。
その結果、純度98.5%のEPAエチルが得られた。混入類縁物質は、以下のとおりである:
オクタデカテトラエン酸エチル:0.30%
アラキドン酸エチル: 0.36%
イコサテトラエン酸エチル: 0.51%
その他の不純物: 0.33%
EPAエチルの回収率は89%、POV(過酸化物価)は2.0、AV(酸価)は0.04、AnV(アニシジン価)は0.7であった。
以上の結果から硝酸銀含浸シリカゲルカラムのみ用いた疑似移動層式クロマトグラフィーと比較すると、原料供給量は約1.5倍以上まで処理可能となった。また分析値から医薬、化粧品、食品分野で利用可能である。よって従来と比較し少ない硝酸銀含浸シリカゲルの充填剤量で医薬品グレードのEPAエチルを製造できることが明らかになった。
(実施例2)
硝酸銀含浸シリカゲルカラムとシリカゲルカラムを実施例1と異なる組み合せで用いた。
出発原料として、EPAエチルエステルを75%含有する油脂を用いた。原料濃度は200g/L(n−ヘキサン溶液)(すなわち、25wt%)であり、原料供給量は1時間当り充填剤1L当り16.4 mL(16.4 mL/L−R/h)であった。カラムとして、硝酸銀含浸シリカゲルカラム2本と、シリカゲルカラム2本を用いた(カラムサイズ:直径10mm×高さ500mm)。溶離液としてのn−ヘキサンを、溶離液量:1時間当り充填剤1L当り400mL(0.40 L/L−R/h)で用いた。
その結果、純度97.1%のEPAエチルが得られた。混入類縁物質は、以下のとおりである:
オクタデカテトラエン酸エチル:0.60%
アラキドン酸エチル: 0.55%
イコサテトラエン酸エチル: 0.89%
その他の不純物: 0.86%
EPAエチルの回収率は78%、POV(過酸化物価)は1.8、AV(酸価)は0.04、AnV(アニシジン価)は0.7であった。
以上の結果から硝酸銀含浸シリカゲルカラムのみ用いた疑似移動層式クロマトグラフィーと比較すると、原料供給量は約1.5倍以上まで処理可能となった。
(実施例3)
硝酸銀含浸シリカゲルカラムとシリカゲルカラムを実施例1と異なる組み合せで用いた。
出発原料として、EPAエチルエステルを75%含有する油脂を用いた。原料濃度は200g/L(n−ヘキサン溶液)(すなわち、25wt%)であり、原料供給量は1時間当り充填剤1L当り13.5 mL(13.5 mL/L−R/h)であった。カラムとして、硝酸銀含浸シリカゲルカラム1本と、シリカゲルカラム3本を用いた(カラムサイズ:直径10mm×高さ500mm)。溶離液としてのn−ヘキサンを、溶離液量:1時間当り充填剤1L当り400mL(0.40 L/L−R/h)で用いた。
その結果、純度97.9%のEPAエチルが得られた。混入類縁物質は、以下のとおりである:
オクタデカテトラエン酸エチル:0.38%
アラキドン酸エチル: 0.40%
イコサテトラエン酸エチル: 0.67%
その他の不純物: 0.65%
EPAエチルの回収率は89%、POV(過酸化物価)は1.7、AV(酸価)は0.03、AnV(アニシジン価)は0.7であった。
以上の結果から硝酸銀含浸シリカゲルカラムのみ用いた疑似移動層式クロマトグラフィーと比較すると、原料供給量は約1.3倍以上まで処理可能となった。また分析値から医薬、化粧品、食品分野で利用可能である。
(シリカゲルと硝酸銀含浸シリカゲルの組み合わせ)
本発明ではSMBクロマトグラフィーに2種類以上の分離性能の異なるカラム充填剤を用いること、特に、シリカゲルカラムと硝酸銀塩含浸シリカゲルカラムとの組み合わせを用いることによって、単一種類のカラム充填剤の使用によっては分離が困難である複数の物質についても、容易かつ簡便に分離が可能となった。また、本発明では、従来のSMBクロマトグラフィーよりも高精度かつ大量に分離(例えば、医薬品グレードまで精製)を行うことを可能とする。また、本発明の一つの局面においては、高精度の分離を短時間で、かつ、安価に終了することも可能である。
理論に拘束されることは望まないが、脂肪酸エステルの保持の強さに関して、シリカゲルよりも硝酸銀含浸シリカゲルの方が強い。そのため分離能力は高いが、その反面各成分が画分として抜け出すまで時間がかかる。よってSMBクロマトグラフィーの全てのカラム充填剤を硝酸銀含浸シリカゲルで行うと、処理能力が課題となる。そのため分離能力は低いが安価で、成分の抜き出しまで時間の短いシリカゲルを併用した。これによりSMBクロマトグラフィーのカラム充填剤として分離能と処理能力の最適な組み合わせを行うことで、従来のシリカゲルのみでは達成できなかった医薬品グレードのEPAエチルの精製と、硝酸銀含浸シリカゲルのみでは課題となる処理能力を向上させ、製造コストの低減に貢献できた。
以上のように、本発明の好ましい実施形態を用いて本発明を例示してきたが、本発明は、この実施形態に限定して解釈されるべきものではない。本発明は、特許請求の範囲によってのみ、その範囲が解釈されるべきであることが理解される。当業者は、本発明の具体的な好ましい実施形態の記載から、本発明の記載および技術常識に基づいて等価な範囲を実施することができることが理解される。本明細書において引用した特許、特許出願および文献は、その内容自体が具体的に本明細書に記載されているのと同様にその内容が本明細書に対する参考として援用されるべきであることが理解される。
本発明にしたがって、高効率の不飽和脂肪酸精製法およびそのための装置が提供される。

Claims (13)

  1. SMBクロマトグラフィーを用いる脂溶性物質の分離方法であって、
    ここで、該SMBクロマトグラフィーによって分離を行う装置が、以下:
    (1)第1の担体を充填した順相カラム、および、第1の担体とは異なる第2の担体を充填した順相カラムを含む少なくとも4本のカラム;ならびに、
    (2)カラム間を連結する、カラム本数と同数の循環ライン;
    備え、
    ここで、該方法は、以下:
    (a)溶離液を第1の循環ラインに供給する工程;
    (a)試料を第3の循環ラインに供給する工程;
    (c)第2の循環ラインおよび第4の循環ラインより分離溶液を抜き出す工程;ならびに、
    (d)該第1の循環ライン、該第2の循環ライン、該第3の循環ライン、および、該第4の循環ラインを切り替える工程;
    を包含し、ここで、該第1の循環ラインないし該第4の循環ラインは、上流より下流に、該第1の循環ライン、該第2の循環ライン、該第3の循環ライン、および、該第4の循環ラインの順番に並ぶ、方法。
  2. SMBクロマトグラフィーを用いる脂溶性物質の分離方法であって、
    ここで、該SMBクロマトグラフィーによって分離を行う装置が、以下:
    (1)第1の担体を充填したカラム、および、第1の担体とは異なる第2の担体を充填したカラムを含む少なくとも4本のカラムであって、ここで、第1の担体および第2の担体が、シリカゲル、硝酸銀含浸ゲル、および、ポリマーゲルからなる群から選択される、カラム;ならびに、
    (2)カラム間を連結する、カラム本数と同数の循環ライン;
    備え、
    ここで、該方法は、以下:
    (a)溶離液を第1の循環ラインに供給する工程;
    (a)試料を第3の循環ラインに供給する工程;
    (c)第2の循環ラインおよび第4の循環ラインより分離溶液を抜き出す工程;ならびに、
    (d)該第1の循環ライン、該第2の循環ライン、該第3の循環ライン、および、該第4の循環ラインを切り替える工程;
    を包含し、ここで、該第1の循環ラインないし該第4の循環ラインは、上流より下流に、該第1の循環ライン、該第2の循環ライン、該第3の循環ライン、および、該第4の循環ラインの順番に並ぶ、方法。
  3. SMBクロマトグラフィーを用いる脂溶性物質の分離方法であって、
    ここで、該SMBクロマトグラフィーによって分離を行う装置が、以下:
    (1)硝酸銀含浸ゲルを担体として充填した少なくとも1本のカラム、および、シリカゲルを担体として充填した少なくとも1本のカラムを含む、少なくとも4本のカラム;ならびに、
    (2)カラム間を連結する、カラム本数と同数の循環ライン;
    備え、
    ここで、該方法は、以下:
    (a)溶離液を第1の循環ラインに供給する工程;
    (a)試料を第3の循環ラインに供給する工程;
    (c)第2の循環ラインおよび第4の循環ラインより分離溶液を抜き出す工程;ならびに、
    (d)該第1の循環ライン、該第2の循環ライン、該第3の循環ライン、および、該第4の循環ラインを切り替える工程;
    を包含し、ここで、該第1の循環ラインないし該第4の循環ラインは、上流より下流に、該第1の循環ライン、該第2の循環ライン、該第3の循環ライン、および、該第4の循環ラインの順番に並ぶ、方法。
  4. 前記SMBクロマトグラフィーによって分離を行う装置が、少なくとも2本の硝酸銀含浸ゲルを担体として充填したカラム、および、少なくとも2本のシリカゲルを担体として充填したカラムを備える、請求項3に記載の方法。
  5. 前記SMBクロマトグラフィーによって分離を行う装置が、少なくとも1本の硝酸銀含浸ゲルを担体として充填したカラム、および、少なくとも3本のシリカゲルを担体として充填したカラムを備える、請求項3に記載の方法。
  6. 前記試料が、蒸留した試料である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記脂溶性物質が、脂肪酸または脂肪酸誘導体である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記脂溶性物質が、α−リノレン酸、ステアリドン酸、ドコサペンタエン酸、エイコサペンタエン酸、および、ドコサヘキサエン酸、ならびに、それらの低級アルコールエステルからなる群から選択される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  9. SMBクロマトグラフィーを用いる脂溶性物質の分離装置であって、以下:
    (1)第1の担体を充填した順相カラム、および、第1の担体とは異なる第2の担体を充填した順相カラムを含む少なくとも4本のカラム;ならびに、
    (2)カラム間を連結する、カラム本数と同数の循環ライン
    備え、
    ここで、該装置は、以下:
    (a)溶離液を第1の循環ラインに供給する工程;
    (a)試料を第3の循環ラインに供給する工程;
    (c)第2の循環ラインおよび第4の循環ラインより分離溶液を抜き出す工程;ならびに、
    (d)該第1の循環ライン、該第2の循環ライン、該第3の循環ライン、および、該第4の循環ラインを切り替える工程;
    を包含する方法によって脂溶性物質を分離し、ここで、該第1の循環ラインないし該第4の循環ラインは、上流より下流に、該第1の循環ライン、該第2の循環ライン、該第3の循環ライン、および、該第4の循環ラインの順番に並ぶ、装置。
  10. SMBクロマトグラフィーを用いる脂溶性物質の分離装置であって、以下:
    (1)第1の担体を充填したカラム、および、第1の担体とは異なる第2の担体を充填したカラムを含む少なくとも4本のカラムであって、ここで、第1の担体および第2の担体が、シリカゲル、硝酸銀含浸ゲル、および、ポリマーゲルからなる群から選択される、カラム;ならびに、
    (2)カラム間を連結する、カラム本数と同数の循環ライン
    備え、
    ここで、該装置は、以下:
    (a)溶離液を第1の循環ラインに供給する工程;
    (a)試料を第3の循環ラインに供給する工程;
    (c)第2の循環ラインおよび第4の循環ラインより分離溶液を抜き出す工程;ならびに、
    (d)該第1の循環ライン、該第2の循環ライン、該第3の循環ライン、および、該第4の循環ラインを切り替える工程;
    を包含する方法によって脂溶性物質を分離し、ここで、該第1の循環ラインないし該第4の循環ラインは、上流より下流に、該第1の循環ライン、該第2の循環ライン、該第3の循環ライン、および、該第4の循環ラインの順番に並ぶ、装置。
  11. SMBクロマトグラフィーを用いる脂溶性物質の分離装置であって、以下:
    (1)硝酸銀含浸ゲルを担体として充填した少なくとも1本のカラム、および、シリカゲルを担体として充填した少なくとも1本のカラムを含む、少なくとも4本のカラム;ならびに、
    (2)カラム間を連結する、カラム本数と同数の循環ライン;
    備え、
    ここで、該装置は、以下:
    (a)溶離液を第1の循環ラインに供給する工程;
    (a)試料を第3の循環ラインに供給する工程;
    (c)第2の循環ラインおよび第4の循環ラインより分離溶液を抜き出す工程;ならびに、
    (d)該第1の循環ライン、該第2の循環ライン、該第3の循環ライン、および、該第4の循環ラインを切り替える工程;
    を包含する方法によって脂溶性物質を分離し、ここで、該第1の循環ラインないし該第4の循環ラインは、上流より下流に、該第1の循環ライン、該第2の循環ライン、該第3の循環ライン、および、該第4の循環ラインの順番に並ぶ、装置。
  12. 前記装置が、少なくとも2本の硝酸銀含浸ゲルを担体として充填したカラム、および、少なくとも2本のシリカゲルを担体として充填したカラムを備える、請求項11に記載の装置。
  13. 前記装置が、少なくとも1本の硝酸銀含浸ゲルを担体として充填したカラム、および、少なくとも3本のシリカゲルを担体として充填したカラムを備える、請求項11に記載の装置。
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