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JP2014526886A - マクロファージ遊走阻止因子(mif)とd−ドーパクロームトートメラーゼ(d−dt)に交差反応性がある抗体 - Google Patents

マクロファージ遊走阻止因子(mif)とd−ドーパクロームトートメラーゼ(d−dt)に交差反応性がある抗体 Download PDF

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JP2014526886A JP2014519576A JP2014519576A JP2014526886A JP 2014526886 A JP2014526886 A JP 2014526886A JP 2014519576 A JP2014519576 A JP 2014519576A JP 2014519576 A JP2014519576 A JP 2014519576A JP 2014526886 A JP2014526886 A JP 2014526886A
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クラティグ,ユルゲン
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モルフォシス・アー・ゲー
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Abstract

本開示は、MIF及びD−DTに特異的に結合する抗原結合部位と、その組成物、及び使用方法に関する。
【選択図】図2

Description

[関連出願のクロスリファレンス]
本出願は、2011年7月15日に出願された米国暫定出願第61/508,091号の優先権を主張する。この出願は全体が引用により組み込まれている。
[発明の属する技術分野]
本開示は、一般的に、マクロファージ遊走阻止因子(MIF)とD−ドーパクロームトートメラーゼ(D−DT)に交差反応性がある抗体及びその断片に関する。特に、この開示はMIF及びD−DTと交差反応性があり、MIF媒介及び/又はD−DT媒介のシグナル伝達を妨げる抗体及びその断片に関する。この開示は更に、MIF及びD−DT交差反応抗体を含む治療法、及び、MIF及びD−DTと相互作用する能力を共有する化合物を用いた治療方法に関する。
ヒトマクロファージ遊走阻止因子(MIF、また、GIF、GLIF、グリコシル化阻止因子、L−ドーパクロームイソメラーゼ、又はL−ドーパクロームトートメラーゼとしても知られている)は、David,J.(1966)Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.56:72−77及びBloom,B.R & Bennett,B.(1966)Science 153,80−82に記載されており、先天性免疫反応及び炎症反応の中心的調節因子として認識されている(Calandra,T.(2003)Nature Reviews Immunology Vol.03;791−800)。
MIF遺伝子は、ヒトゲノムの染色体22に位置しており、ホモ三量体を形成する、12.5kDaの長い115アミノ酸非グリコシル化タンパク質をエンコードする。(Sun,H.W.,(1996)Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.93:5191−5196)。
MIFは、事実上すべての細胞タイプに構造的に発現する。マクロファージが炎症する間、T細胞と下垂体は、MIFの優勢産生源である。(Bernhagen,J.(1993)Nature 365;756−759;Calandra,T.(1994) J.Exp.Med.179:1895−1902)。分泌されたMIFは、例えばT−細胞とマクロファージに発現し、炎症性サイトカイン(例えば、TNFα、IL−1β、IL−6、IL−8、IFNγ、IL−2)の放出と、細胞侵入、及び細胞遊走を誘発するレセプタCD74、CXCR2、及びCXCR4、と作用する。(Leng L.(2003)J.Exp.Med.197:1467−1476;Bernhagen,J.(2007)Nature Medicine 13:587−596)。
前炎症性メディエータとしてのMIFは、いくつかの炎症性疾患に関係しており過剰発現することが認識されており、MIFの多型は自己免疫疾患の重症度と相関することがわかっている。(Hoi,A.J.(2007)Inflammation & Allergy−Drug Targets,6:183−190;Baugh,J.A.(2002)Genes Immun.3:170−176)。
加えて、MIFが、p53−媒介性アポトーシスと細胞停止をマイナスに調整し、これによってMIF、細胞成長、及び腫瘍形成間にリンクを提供することが更に研究されている。(Calandra,T.(2003)Nature Reviews Immunology Vol.03;791−800; Hudson,J.D.(1999) J.Exp.Med.190:1375−1382)。
広範囲に及ぶ免疫介在性炎症疾患の発症のみならず、癌や更なる適応症においてもMIFがキープレーヤとして認識されると、MIFは、例えば小分子あるいはモノクロナール抗体などの化合物と拮抗する有望な治療ターゲットとなった。
MIFに特異な抗体は、例えば、全体が引用により組み込まれている、WO1994/026307号(The Picower Institute For Medical Research)、米国特許出願第08/471,705号;全体が引用により組み込まれている、WO1998/017314号(The Picower Institute For Medical Research)WO2001/038566号(Fraunhofer−Gesellschaft Zur Forderung Der Angewandten Forschung E.V.)、米国特許出願第12/234,407号;全体が引用により組み込まれている、WO2002/036774号(Fraunhofer−Gesellshaft Zur Feoderung Der Angewandten Forshung E.V.)、WO2009/086920号(Baxter International Inc.,Baxter Healthcare S.A.,Dyax Corporation)、米国特許出願第12/346,309号、及び第12/767,635号); 全体が引用により組み込まれている、WO2009/117710号(Carolus Therapeutics Inc.)、WO2009/117706号(Carolus Therapeutics Inc.)、米国特許出願第12/918,968号;全体が引用により組み込まれている、WO2005/020919号(Cytokine Pharmasciences, Inc.)、WO2005/094329号(Cytokine Pharmasciences,Inc.)、米国特許出願第10/927,494号;全体が引用により組み込まれている、WO2005/094338A2号(North Shore−Long Island Jewish Research Institute)、米国特許出願第10/594,641号;に開示されている。
特に、MIFがトートメラーゼとして酵素的に活性であり、D−ドーパクロームを5,6−ヒドロキシインドール−2カルボキシル酸に変換するとの発見に基づいて、MIFの同族体が同定された。これは、類似するが同一ではない生成物であり、5,6−ジヒドロキシインドールを生成するトートメラーゼ活性を共有している。D−ドーパクローム・トートメラーゼ(D−DT)と呼ばれるMIF同族体は、MIFに対して47%という低い配列相同性を示す。2008年には、D−DTとMIFは、特異的機能性を共有して、肺腺がん細胞から、例えば、CXCL8やVEGFなどの血管新生増殖因子の発現と分泌を促進することがわかった。(Coleman,A.M.(2008)J.of Immunology 118(4):2330−2337)。
したがって、MIFとD−DT媒介シグナル伝達を阻害する治療が求められている。
出願人は、MIFとD−DTに特異的に結合する抗原−結合部を初めて開示する。このような、MIFとD−DTの両方を阻害する化合物は、効能が優れており、有望な治療方法を提供する。MIFに特異的であり、第2にD−DTに特異的な化合物を平行して用いる組み合わせ治療と比較すると、MIFとD−DTに特異的に結合する、二重特異性又は交差反応性抗原−結合部にはいくつもの利点がある。MIFとD−DTの両方を阻害する単独の治療薬剤の投与によって、二つの化合物を投与する場合に比べて、薬物動態と薬物力学といった薬理学的特性の調査と制御がより容易になる。更に、効能の低下につながるMIF又はD−DT媒介によるシグナル伝達を介した回避機構を、両分子を平行してターゲットにすることによって、有意に小さくすることができる。その結果、MIFとD−DTをターゲットにする抗原結合部が、高い医学的要求を伴う臨床開発用の優れた化合物を提供する。
驚いたことに、MIFとD−DT間の低い配列相同性にも関わらず、交差反応抗体がうまく同定され、特徴づけられた。更に、この開示は、MIFとD−DTに二重特異性であるあるいは交差反応性である抗原結合部を提供し、MIFとD−DT媒介シグナル伝達経路を無効にするあるいは強化する。
この抗体は、遺伝子組み換えMIF及び遺伝子組み換えD−DTタンパク質を用いる選定戦略時に同定される。ELISAスクリーニングに基づいて、MIFとD−DT双方に特異的な抗体の結合が検出された。同定したクローンは、IgGフォーマットに変換され、真核細胞中に発現する。精製後、選定した抗体の更なる特性評価である、MIFとD−DTについての半数効果濃度判定(EC50判定)で、双方の交差反応性を確認した。加えて、更なる機能分析を行って、選択した抗体についての機能活性を示した。MIF/D−DT交差反応抗体について、MIFとそのレセプタであるCD74との結合を阻害する能力を分析した。更に、IL−1βやIL−6など、炎症性サイトカインのMIF依存性放出の抗体−媒介による阻害を調べた。その結果、MIF/D−DT交差反応抗体のヒトにおける活性と効能が予測される。
MIFとD−DTをターゲットにした組み合わせ方法が提言されている(Coleman,A.M.(2008)J.of Immunology 118(4):2330−2337)が、両タンパク質に交差反応性がある単独の化合物の同定は、D−DTとMIFが33%の同一性と47%の相同性を共有しているのみであるため、期待されていなかった。MIF/D−DT交差反応性抗体が同定されるまで、大量のクローンをスクリーニングした。分析した27000のクローンから取り出した3000以上のクローンが、一方又は両方の抗原に対する特異性を示したが、初回のスクリーニングステップと二回目のスクリーニングステップで、3つのクローンのみがMIF/D−DT交差反応性であることがわかった。ここに開示されている方法を用いることで、当業者には、MIF/D−DT交差反応性抗原結合部と、MIFとD−DTとに対して二重特異性である抗原結合部をどのように同定するかが自明となる。
ヒト由来のMIFとD−DTのアミノ酸配列の比較を示す。ヒトD−DTとヒトMIFは、33%の同一性と47%の相同性を共有している。 ELISA中の、遺伝子組み換えMIFと遺伝子組み換えD−DTに対する選択されたMIF/D−DT交差反応抗体の特異的結合を示す。6.25nMの濃度で使用した抗体を用いた。試験を行ったすべての抗体について、MIFとD−DTの背景上に5倍以上の蛍光強度が見られた。(A=MOR014093;B=MOR014116;C=MOR014138) 抗体A及びBの、MIFとD−DTに対する半数効果濃度の判定(A=MOR014093;B=MOR0141116) 抗体Cの、MIFとD−DTに対する半数効果濃度の判定(C=MOR014138) MIFとCD74の相互作用の抗体−媒介による阻害(A=MOR014093;B=MOR014116;C=MOR014138) MIFとLPSを用いて抗原投与した単離したヒトモノサイトからのIL−1β及びIL−6放出の抗体−媒介による阻害(A=MOR014093;B=MOR014116;C=MOR014138)
このように、一の態様において、本開示は抗原−結合部に関し、この抗原−結合部は、MIFとD−DTに特異的に結合する。好ましい態様では、抗原−結合部が、ヒトMIFとヒトD−DTに特異的に結合する。
一の態様において、本開示は、MIFとD−DTに特異的に結合する抗原−結合部に関し、この抗原−結合部が二重特異性である。
一の態様において、本開示は、単離した抗原−結合部に関し、この抗原−結合部が、MIFとD−DTに交差反応結合する。
好ましい態様では、この単離した抗原−結合部が、ヒトMIFとヒトD−DTに交差反応結合する。
別の態様において、本開示は、単離した抗原−結合部に関し、この抗原−結合部がMIFとD−DTに交差反応結合するとともに、この抗原−結合部はMIF−媒介及びD−DT−媒介によるシグナル変換を特に阻害することができる。一実施例では、この単離した抗原−結合部が、MIF及びD−DT−活性に特に拮抗する。
別の態様において、本開示は、単離した抗原−結合部に関し、この抗原−結合部がMIFとD−DTに交差反応結合するとともに、単離した抗原−結合部が、100nM、90nM、80nM、70nM、60nM、50nM、40nM、30nM、20nM、10nM、9nM、8nM、7nM、6nM、5nM、4nM、3nM、2nM又は1nMより小さい半数効果濃度で、MIFとD−DTに結合する。
別の態様において、本開示は、単離した抗原−結合部に関し、この抗原−結合部がMIFとD−DTに交差反応結合するとともに、単離した抗原−結合部が、1×10−1、10−1、10−1、1010−1、1011−1、1012−1、1013−1より小さい解離定数(K)で、MIFとD−DTに結合する。
別の態様において、本開示は、単離した二重特異性抗原−結合部に関し、この二重特異性抗原−結合部がMIFとD−DTに交差反応結合するとともに、この二重特異性抗原−結合部が、MIF−媒介及びD−DT−媒介によるシグナル変換を特に阻害することができる。一実施例では、この単離した二重特異性抗原−結合部がMIF及びD−DT−活性に特に拮抗する。
別の態様において、本開示は、単離した二重特異性抗原−結合部に関し、この二重特異性抗原−結合部が特にMIFとD−DTに結合するとともに、単離した抗原−結合部が、100nM、90nM、80nM、70nM、60nM、50nM、40nM、30nM、20nM、10nM、9nM、8nM、7nM、6nM、5nM、4nM、3nM、2nM又は1nMより小さい半数効果濃度で、MIFとD−DTに結合する。
別の態様において、本開示は、単離した二重特異性抗原−結合部に関し、この二重特異性抗原−結合部がMIFとD−DTに交差反応結合するとともに、単離した二重特異性抗原−結合部が、1×10−1、10−1、10−1、1010−1、1011−1、1012−1、1013−1より小さい解離定数(K)で、MIFとD−DTに結合する。
一の態様において、単離した抗原−結合部が、MIFの立体構造エピトープを認識し、同様の立体構造エピトープがD−DTに存在し、単離した抗原−結合部が、両方の立体構造エピトープを認識する。
一の態様において、本開示は、抗原−結合部に関し、この抗原−結合部が、抗体又は抗体断片である。一実施例では、この抗体又は抗体断片がヒト抗体又はヒト化抗体である。一実施例では、この抗体又は抗体断片が、キメラ抗体である。一実施例では、この抗体又は抗体断片が、ヒト重鎖定常領域と、ヒト軽鎖定常領域を含む。一実施例では、この抗体又は抗体断片が、IgGアイソタイプである。一実施例では、この抗体又は抗体断片が、どのアイソタイプ(例えば、IgG,IgE,IgM,IgD,及びIgA)であっても、どのクラス(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgG5、IgAl及びIgA2)又は、その派生物(例えば、IgG1f LALA)であってもよい。一実施例では、この抗体がIgG1f LALAアイソタイプである。一実施例では、この抗体又は抗体断片が、Fab、F(ab)2’、F(ab)2’及びscFVからなる群から選択される。一実施例では、この抗体が、モノクロナール抗体、ポリクロナール抗体、キメラ抗体、ヒト化抗体、及び合成抗体からなる群から選択される。一実施例では、この抗体又は抗体断片が、ヒト抗体又はヒト化抗体である。
一実施例では、本開示は、抗体又はその抗体断片に関し、この抗体又はその抗体断片がMIFとD−DTに交差反応結合するとともに、二つの同一抗原結合領域を有する。一実施例では、抗体又はその断片が、二つの抗原結合領域を含み、各抗原結合領域が、MIFとD−DTに交差反応的に結合する。一実施例では、この抗体又はその抗体断片が、二つの重鎖(H)と、二つの軽鎖(L)を有し、各重鎖と各軽鎖が同一である。
一実施例では、この抗体又はその抗体断片がMIFとD−DTに交差反応結合し、二つの抗原結合領域を具えている。各抗原結合領域が、6つのCDRsを有し、両抗原結合領域のHCDR3が同一である。一実施例では、この抗体又はその抗体断片が、MIFとD−DTに交差反応結合し、二つの抗原結合領域を有し、各抗原結合領域が6つのCDRsを有する。一実施例では、この抗体又はその抗体断片がMIFとD−DTに交差反応結合し、二つの抗原結合領域を有し、各抗原結合領域が、同じ6つのCDRsセットを有する。
一実施例では、この抗体又はその抗体断片がMIFとD−DTに交差反応結合し、二つの抗原結合領域を有し、各抗原結合領域が、重鎖(以下、VHと略す)と軽鎖(以下、VLと略す)の同じ可変領域を有する。一実施例では、この抗体又はその抗体断片がMIFとD−DTに交差反応結合し、二つの抗原結合領域を有し、この二つの抗原結合領域が、同じHCDR1、同じHCDR2、同じHCDR3、同じLCDR1、同じLCDR2、同じLCDR3を共有している。
一実施例では、この抗体又は抗体断片が、Fab、F(ab2)’、F(ab)2’、及びscFVからなる群から選択される。
一の態様では、本開示は、抗原−結合部に関し、関し、この抗原−結合部が抗体−由来の骨格である。一実施例では、この抗体−由来の骨格が、二重特異性抗体−由来の骨格である。一実施例では、この二重特異性抗体−由来の骨格が、二重特異性−scFv、四価染色体二重特異性抗体、架橋Fab又は二重特異性IgGである。
一の態様では、この抗体又はその抗体断片が、単鎖抗体である。一実施例では、この抗体又はその抗体断片が二重特異性である。一実施例では、この抗体又はその抗体断片が、二重特異性抗体−由来の骨格であり、その二重特異性抗体−由来の骨格が、二重特異性−scFv、四価染色体二重特異性抗体、架橋Fab又は二重特異性IgGである。
一の態様では、本開示は、単離した抗原−結合部に関し、この抗原−結合部がMIFとD−DTに交差反応結合するとともに、この抗原−結合部が、単一ドメイン抗体、マキシボディ、ミニボディ、イントラボディ、ディアボディ、トリアボディ、テトラボディ、v−NAR,ラクダ抗体、アンキリン、ドメイン抗体、リポカリン、小モジュラー免疫疾患治療薬、マキシボディ、プロテインA及びアフィリンからなる群から選択される。
本開示の一実施例では、生理学的条件下において交差反応抗原結合部が、MIFかD−DTのいずれかと結合する。本開示の一実施例では、生理学的条件下において交差反応抗原結合部が、MIFとD−DTに同時に結合する。本開示の一実施例では、生理学的条件下において交差反応抗原結合部が、MIFかD−DTのいずれかに結合するか、あるいはMIFとD−DTに同時に結合する。
一の態様では、本開示は、単離した抗原−結合部に関し、この抗原−結合部がMIFとD−DTに交差反応結合するとともに、この抗原−結合部がヒトMIFとヒトD−DT、更に、カニクイザルMIF又はカニクイザルD−DTに交差反応結合する。一の態様では、本開示は、単離した抗原−結合部に関し、この抗原−結合部がMIFとD−DTに交差反応結合するとともに、この抗原−結合部がヒトMIFとヒトD−DTに、更に、カニクイザルMIFとカニクイザルD−DTに交差反応結合する。
一の態様では、本開示は、単離した抗原−結合部に関し、この抗原−結合部がMIFとD−DTに交差反応結合するとともに、この抗原−結合部がヒトMIFとヒトD−DTに、及び、マウスMIFとマウスD−DTに交差反応結合する。一の態様では、本開示は、単離した抗原−結合部に関し、この抗原−結合部が、MIFとD−DTに交差反応結合するとともに、この抗原−結合部がヒトMIFとヒトD−DTに、及びマウスMIFとマウスD−DTに交差反応結合する。
一の態様では、本開示は、単離した抗原−結合部に関し、この抗原−結合部がMIFとD−DTに交差反応結合するとともに、この抗原−結合部がヒトMIFとヒトD−DTに、及び、ラットMIFとラットD−DTに結合する。一の態様では、本開示は、単離した抗原−結合部に関し、この抗原−結合部が、MIFとD−DTに交差反応結合するとともに、この抗原−結合部がヒトMIFとヒトD−DTに、及びラットMIFとラットD−DTに結合する。
一実施例では、この抗体又はその抗体断片が、哺乳類MIFと哺乳類D−DTに交差反応結合する。一実施例では、哺乳類MIFと哺乳類D−DTが、ひと、マウス、ラット、アカゲザル(Macaca mulatta)、及びカニクイザル(Macaca fascicularis)からなるリストから選択される種由来である。
一実施例では、この抗体又はその抗体断片が、ヒトMIFとヒトD−DTに交差反応結合する。一実施例では、この抗体又はその抗体断片が、マウスMIFとマウスD−DTに交差反応結合する。一実施例では、この抗体又はその抗体断片が、ラットMIFとラットD−DTに交差反応結合する。一実施例では、この抗体又はその抗体断片が、アカゲザル(Macaca mulatta)MIFとアカゲザル(Macaca mulatta)D−DTに交差反応結合する。一実施例では、この抗体又はその抗体断片が、カニクイザルMIFとカニクイザルD−DTに交差反応結合する。
一の態様では、本開示は、表1のいずれかの抗体の、Kabat又はChothiaによって定義された6CDRsを含むMIFとD−DTに交差反応結合する、単離した抗体又はその抗体断片に関する。
別の態様では、本開示は、MIFとD−DTに交差反応結合し、表1に記載の抗体に交差−拮抗する、抗体又はその抗体断片に関する。
ある実施例では、表1に記載の抗体と交差−拮抗する抗体が、表1に記載の抗体の一つの、MIFとD−DTに対する結合を、ELISAをベースとした交差−拮抗において、少なくとも20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、又は90%低減する。
ある実施例では、表1に記載の抗体と交差−拮抗する抗体が、表1に記載の抗体の一つの、MIFとD−DTに対する結合を、例6によるELISAをベースとした交差−拮抗アッセイにおいて、陽性対照と比較して少なくとも20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、又は90%低減する。
別の態様では、本開示は、MIFとD−DTに交差反応結合し、表1に記載された抗体と同じエピトープと相互作用(例えば、結合、安定化、空間分布により)する抗体又はその抗体断片に関する。
ある実施例では、本開示の抗体と同じMIFとD−DTのエピトープに結合する抗体が、ヒトモノクロナール抗体である。ある実施例では、本開示の抗体と同じMIFとD−DTのリニアエピトープに結合する抗体が、ヒトモノクロナール抗体である。ある実施例では、本開示の抗体と同じMIFとD−DTの立体構造エピトープに結合する抗体が、ヒトモノクロナール抗体である。このようなヒトモノクロナール抗体は、本明細書に記載されたように作成し、単離することができる。
別の態様では、本開示は、配列番号:3、配列番号:9、配列番号:19、配列番号:25、配列番号:35、及び配列番号:41からなる群から選択された、重鎖CDR3を含む単離した抗体又はその抗体断片に関する。
別の態様では、本開示は、配列番号:14を含むVHと、配列番号:13を含むVLを含む単離した抗体又はその抗体断片に関する。
別の態様では、本開示は、配列番号:30を含むVHと、配列番号:29を含むVLを含む単離した抗体又はその抗体断片に関する。
別の態様では、本開示は、配列番号:46を含むVHと、配列番号:45を含むVLを含む単離した抗体又はその抗体断片に関する。
別の態様では、本開示は、重鎖可変領域、配列番号:1のCDR1;配列番号:2のCDR2;配列番号:3のCDR3;軽鎖可変領域、配列番号:4のCDR1;配列番号:5のCDR2;配列番号:6のCDR3を含む、単離した抗体又はその抗体断片に関する。
別の態様では、本開示は、重鎖可変領域、配列番号:17のCDR1;配列番号:18のCDR2;配列番号:19のCDR3;軽鎖可変領域、配列番号:20のCDR1;配列番号:21のCDR2;配列番号:22のCDR3を含む、単離した抗体又はその抗体断片に関する。
別の態様では、本開示は、重鎖可変領域、配列番号:33のCDR1;配列番号:34のCDR2;配列番号:35のCDR3;軽鎖可変領域、配列番号:36のCDR1;配列番号:37のCDR2;配列番号:38のCDR3を含む、単離した抗体又はその抗体断片に関する。
別の態様では、本開示は、本開示の抗体又は抗体断片を含む医薬組成物と薬学的に許容可能なキャリアに関する。
別の態様では、本開示は、単離した抗原−結合部に関し、この抗原−結合部がMIFとD−DTに交差反応結合するとともに、この単離した抗原−結合部が薬剤として使用される。
別の態様では、本開示は、MIFとD−DTに交差反応結合し、重鎖可変領域、配列番号:1のCDR1;配列番号:2のCDR2;配列番号:3のCDR3;軽鎖可変領域、配列番号:4のCDR1;配列番号:5のCDR2;配列番号:6のCDR3を含む、単離した抗体又はその抗体断片に交差−拮抗する抗体又はその抗体断片に関する。
別の態様では、本開示は、MIFとD−DTに交差反応結合し、重鎖可変領域、配列番号:17のCDR1;配列番号:18のCDR2;配列番号:19のCDR3;軽鎖可変領域、配列番号:20のCDR1;配列番号:21のCDR2;配列番号:22のCDR3を含む、単離した抗体又はその抗体断片に交差−拮抗する抗体又はその抗体断片に関する。
別の態様では、本開示は、MIFとD−DTに交差反応結合し、重鎖可変領域、配列番号:33のCDR1;配列番号:34のCDR2;配列番号:35のCDR3;軽鎖可変領域、配列番号:36のCDR1;配列番号:37のCDR2;配列番号:38のCDR3を含む、単離した抗体又はその抗体断片に交差−拮抗する抗体又はその抗体断片に関する。
別の態様では、本開示は、MIFとD−DTに交差反応結合し、重鎖可変領域、配列番号:1のCDR1;配列番号:2のCDR2;配列番号:3のCDR3;軽鎖可変領域、配列番号:4のCDR1;配列番号:5のCDR2;配列番号:6のCDR3を含む、単離した抗体又はその抗体断片の結合を、例6によるELISAをベースとした交差−拮抗アッセイにおいて、陽性対照と比較して少なくとも20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、又は90%低減する、抗体又はその抗体断片に関する。
別の態様では、本開示は、MIFとD−DTに交差反応結合し、重鎖可変領域、配列番号:17のCDR1;配列番号:18のCDR2;配列番号:19のCDR3;軽鎖可変領域、配列番号:20のCDR1;配列番号:21のCDR2;配列番号:22のCDR3を含む、単離した抗体又はその抗体断片の結合を、例6によるELISAをベースとした交差−拮抗アッセイにおいて、陽性対照と比較して少なくとも20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、又は90%低減する、抗体又はその抗体断片に関する。
別の態様では、本開示は、MIFとD−DTに交差反応結合し、重鎖可変領域、配列番号:33のCDR1;配列番号:34のCDR2;配列番号:35のCDR3;軽鎖可変領域、配列番号:36のCDR1;配列番号:37のCDR2;配列番号:38のCDR3を含む、単離した抗体又はその抗体断片の結合を、例6によるELISAをベースとした交差−拮抗アッセイにおいて、陽性対照と比較して少なくとも20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、又は90%低減する、抗体又はその抗体断片に関する。
別の態様では、本開示は、MIFとD−DTに交差反応結合し、重鎖可変領域、配列番号:1のCDR1;配列番号:2のCDR2;配列番号:3のCDR3;軽鎖可変領域、配列番号:4のCDR1;配列番号:5のCDR2;配列番号:6のCDR3を含む、単離した抗体又はその抗体断片と同じエピトープと相互作用する(例えば、結合、立体障害、安定化/不安定化、空間分布による)、抗体又はその抗体断片に関する。
別の態様では、本開示は、MIFとD−DTに交差反応結合し、重鎖可変領域、配列番号:17のCDR1;配列番号:18のCDR2;配列番号:19のCDR3;軽鎖可変領域、配列番号:20のCDR1;配列番号:21のCDR2;配列番号:22のCDR3を含む、単離した抗体又はその抗体断片と同じエピトープと相互作用する(例えば、結合、立体障害、安定化/不安定化、空間分布による)、抗体又はその抗体断片に関する。
別の態様では、本開示は、MIFとD−DTに交差反応結合し、重鎖可変領域、配列番号:33のCDR1;配列番号:34のCDR2;配列番号:35のCDR3;軽鎖可変領域、配列番号:36のCDR1;配列番号:37のCDR2;配列番号:38のCDR3を含む、単離した抗体又はその抗体断片と同じエピトープと相互作用する(例えば、結合、立体障害、安定化/不安定化、空間分布による)、抗体又はその抗体断片に関する。
別の態様では、本開示は、核酸に関し、この核酸が配列番号:16を含むVH及び配列番号:15を含むVLを含む。
別の態様では、本開示は、核酸に関し、この核酸が配列番号:32を含むVH及び配列番号:31を含むVLを含む。
別の態様では、本開示は、核酸に関し、この核酸が配列番号:48を含むVH及び配列番号:47を含むVLを含む。
別の態様では、本開示は、配列番号:15、配列番号:16、配列番号:31、配列番号:32、配列番号:47、配列番号:48からなる群から選択された核酸と、少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、98%、99%の配列同一性を有するMIFとD−DTに交差反応結合する単離された抗原−結合部をエンコードする核酸配列に関する。
別の態様では、本開示は、配列番号:15、配列番号:16、配列番号:31、配列番号:32、配列番号:47、配列番号:48からなる群から選択された核酸を含むベクターに関する。
別の態様では、本開示は、ベクターを含む単離された宿主細胞に関し、このベクターが配列番号:15、配列番号:16、配列番号:31、配列番号:32、配列番号:47、配列番号:48からなる群から選択された核酸を含み、この宿主細胞が、このベクターでエンコードしたポリペプチドを発現できる。
別の態様では、本開示は、ベクターを含む単離された宿主細胞に関し、このベクターが配列番号:15、配列番号:16、配列番号:31、配列番号:32、配列番号:47、配列番号:48からなる群から選択された核酸を含み、この宿主細胞が、このベクターでエンコードしたポリペプチドを発現でき、この宿主細胞が哺乳類細胞である。
別の態様では、本開示は、ベクターを含む単離された宿主細胞に関し、このベクターが配列番号:15、配列番号:16、配列番号:31、配列番号:32、配列番号:47、配列番号:48からなる群から選択された核酸を含み、この宿主細胞が、このベクターでエンコードしたポリペプチドを発現でき、この宿主細胞がヒト細胞である。
別の態様では、本開示は、MIFとD−DTに交差反応結合する単離した抗原−結合部を具えるキットに関する。
定義
本開示をより理解しやするするために、最初にいくつかの用語を定義する。追加の定義については、詳細な説明を通じて行う。
用語「MIF」は、アクセッション番号:CAG30406.1に定義されているMIFを意味し、アミノ酸配列:
Figure 2014526886
によって、エンコードされる。
用語「D−DT」は、アクセッション番号:NP_001346に規定されるD−DTを意味し、アミノ酸配列:
Figure 2014526886
によって、エンコードされる。
ここで用いられている用語「シグナル伝達」又は「シグナル活性」は、一般的に、成長因子のレセプタへの結合といった、タンパク質−タンパク質相互作用によって開始され、細胞の一の部分から細胞の別の部分へシグナルを伝達する生化学的因果関係を意味する。シグナル伝達を生じさせる一連の反応において、リガンドの各レセプタとの相互作用が、一またはそれ以上のタンパク質上のチロシン残基、セリン残基、又はトレオニン残基の一またはそれ以上のリン酸化反応を起こす。シグナル伝達プロセスは、通常、核事象を含み、遺伝子発現に変化を生じさせる。例えば、細胞外MIFについては、その伝達には、細胞外MIFと、特定の細胞集団の表面に存在するレセプタとの特定の相互作用が含まれる。細胞外MIFのレセプタは、限定するものではないが、例えば、CD74、CD74/CD44であり、CXCR2とCXCR4のようなケモキンレセプタである。これによって、MIFと各レセプタとの相互作用が生じた時のシグナル伝達が、VEGFやCXCL8などの血管新生因子の生成を促進する。したがって、D−DTとの相互作用が生じた際の細胞外D−DTのレセプタは、シグナル伝達を誘発し、その結果、例えば、限定するものではないが、VEGFやCXCL8などの血管新生因子が生成されることになる。
ここで用いられている用語「アンタゴニスト」は、抗原の生化学反応を中和する抗原結合部を意味する。用語「拮抗化」は、したがってこのようなコンテキストで使用される。例えば、アンタゴニストは、抗原によって媒介されるシグナル伝達を阻害する。拮抗活性を測定する分析例は、以下の実験例に詳細に述べられている。いくつかの実施例では、本開示の抗体が、MIFのCD74に対する相互作用を低減する、小さくする又は阻害している。いくつかの実施例では、この抗体が、炎症性サイトカイン(例えば、IF−1β、IL−6)のMIF−依存性放出を低減する、小さくする、又は阻害している。いくつかの実施例では、例えば、SET、ELISA、FACS又はBIAcoreを用いてMIFとD−DTへの結合によって、抗体の活性を測定することができる。
ここで用いられている用語「価数」は、ポリペプチド中の潜在的標的結合部位の数を意味する。各標的結合部位は、一の標的分子又は標的分子の特異的部位に、特異的に結合する。ポリペプチドが一以上の標的結合部位を有する場合、各標的結合部位は、同じ、又は異なる分子に特異的に結合できる(例えば、異なる抗原といった異なる分子、又は、同じ分子の異なるエピトープ)。したがって、用語「一価」及び「二価」は、このコンテキストで使用される。
ここで用いられている用語「抗原結合部」は、所定の抗原に特異的に結合する能力をもたらすポリペプチドを含む部位を意味する(例えば、MIFやD−DT)。例えば、抗体、抗体派生物、抗体様骨格、及び代替の骨格は、少なくとも一の抗原結合部を有する。抗原結合部は、また、単一ドメイン抗体、マキシボディ、ミニボディ、イントラボディ、ディアボディ、トリアボディ、テトラボディ、v−NAR及び二重特異的−scFvに組み込むことができる(例えば、Hollinger and Hudson,2005,Nature Biotechnology,23,9,1126−1136参照)。抗原結合部を有する分子の更なる例は、以下に記載されており、フィブロネクチン(Adnexus,fully owned by Bristol−Myers Squibb,Walthma,MA)、ラクダ抗体、アンキリン(Molecular Partners AG,Zurich,Switzerland)、ドメイン抗体(Domantis,Ltd.,Cambridge,MA,and Ablynx nv,Zwijnaarde,Belgium)、リポカリン(Pieris Proteolab AG,Freising,Germany)、小分子免疫薬(Trubion Pharmaceuticals Inc.,Seattle,WA)、マキシボディ(Avidia,Inc.,Mountain View,CA)、プロテインA(Affibody AG,Sweden)、及びアフィリン(gamma−crystallin or ubiquitin)(Scil Proteins GmbH,Halle,Germany)を含む。
ここで用いられている用語「抗体」は、完全抗体と、その断片又は単鎖を含む。天然の「抗体」は、ジスルフィド結合によって相互に結合された少なくとも二つの重鎖(H)と二つの軽鎖(L)を含むタンパク質である。各重鎖は、重鎖可変領域(以下、VHと略す)と、重鎖定常領域からなる。重鎖定常領域は、CH1、CH2、CH3の3つのドメインからなる。各軽鎖は、軽鎖可変領域(以下、VLと略す)と、軽鎖定常領域からなる。軽鎖定常領域は、一のドメインCLからなる。VHとVL領域は、更に、相補性決定常領域(CDR)と呼ばれる、超可変性であり、フレームワーク領域(FR)と呼ばれるより保存されている領域が組み入れられている領域に分けられる。VHとVLは各々、アミノ末端からカルボキシ末端へ、FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、FR4の順に配置した、3つのCDRsと4つのFRsでできている。抗体の定常領域は、免疫系の様々な細胞(例えば、エフェクタ細胞)と古典的な補体系の第1コンポーネント(C1q)を含み、免疫グロブリンの宿主組織又は因子への結合を媒介することができる。抗体は、アイソトープ(例えば、IgG、IgE、IgM、IgD、IgA、及びIgY)であってもよく、クラス(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1及びIgA2)、サブクラス又はこれらの変形バージョン(例えば、IgG1f LALA)であってもよい。
用語「重鎖可変領域CDR1」及び「H−CDR1」は、相互に交換可能に用いられている。用語「重鎖可変領域CDR2」と「H−CDR2」、用語「重鎖可変領域CDR3」と「H−CDR3」、用語「軽鎖可変領域CDR1」と「L−CDR1」、用語「軽鎖可変領域CDR2」と「L−CDR2」と、用語「軽鎖可変領域CDR3」と「L−CDR3」も同様である。
抗原結合は、完全抗体の「断片」によって行われる。抗体の用語「抗体断片」に含まれる結合抗体の例には、VL、VH、CL及びCH1ドメインからなる一価の断片であるFab断片;ヒンジ領域においてジスルフィド架橋でリンクされた二つのFab断片を含む二価の断片である、F(ab)2断片;VHとCH1ドメインからなるFd断片;抗体の単一アームのVLとVHドメインからなるFv断片;VHドメインからなる、単一ドメイン抗体(dAb)断片(Ward et al.,(1989)Nature 341:544−546);及び単離した相補性決定常領域(CDR)が含まれる。
「単鎖断片(scFv)」は、単一のタンパク質鎖であり、VL領域とVH領域が対をなして、一価の分子を形成している(単鎖Fv(scFv)として知られている;例えば、Bird et al.,(1988)Science 242:423−426;及びHuston et al.,(1988)Proc.Natl.Acad.Sci.85:5879−5883参照)。二つのドメインVLとVHは、別々の遺伝子によってコード化されるが、組み換え技術を用いて、単一のタンパク質鎖にすることができる人工ペプチドリンカによって合わせることができる。このような単鎖抗体は、一またはそれ以上の抗原結合部を含む。これらの抗体断片は、当業者に知られている従来の技術を用いて得られ、この断片は、完全抗体と同じ方法で、スクリーニングして実用化することができる。
用語「エピトープ」は、免疫グロブリン又はT−細胞レセプタで特に認識されるか、分子と相互作用するタンパク性領域を含む。一般的に、エピトープは、アミノ酸や炭水化物、又は糖側鎖などの分子の化学的活性表面群に属し、一般的に、特異的三次元構造特性、並びに比電荷特性を有する。当業者には自明であるように、実用的には、抗体が特異的に結合するものはなんでもエピトープとなりうる。エピトープは、抗体が結合するこれらの残基を含んでいてもよく、「リニア」又は「立体構造」であってもよい。
用語「リニアエピトープ」は、タンパク質と、相互作用する分子(抗体など)の間の相互作用が生じるすべてのポイントが、そのタンパク質の一次アミノ酸配列に沿って直線的に生じている(連続して)エピトープを意味する。
用語「立体構造エピトープ」は、タンパク質の一次アミノ酸配列に沿って不連続アミノ酸が三次元立体構造中に集まっているエピトープを意味する。立体構造エピトープでは、相互作用のポイントが、互いから分離されているタンパク質のアミノ酸残基に亘って生じる。
用語「交差競合」は、抗原の得意領域に結合する能力を共有している抗原結合部(抗体など)を意味する。本開示では、「交差競合」している抗原結合部は、標準競合的結合アッセイにおいてMIF及び/又はD−DTに関する別の抗原結合部の結合を阻害する能力を有する。このような抗体は、非限定的な理論によれば、それが競合する抗体としてのMIFとD−DTタンパク質の、同じ、又は、関連する、又は近い(例えば、構造的に似ている、又は空間的に近い)エピトープに結合することができる。交差競合の研究は、例えば、抗原に結合するための抗体の競合を行いうる、お互いに競合的に結合する抗体を発見する。例えば、本開示は、表1に記載の抗体と交差競合する(例えば、結合、安定化、空間分布によって)抗体を提供する。このような抗体は、非限定的な理論によれば、それが競合する抗体としてのMIFとD−DTタンパク質の、同じ、又は、関連する、又は近い(例えば、構造的に似ている、又は空間的に近い)エピトープに結合することができる。抗体またはその他の結合剤が、別の抗体又は結合分子のMIF又はD−DTへの結合を阻害できる能力、又は、範囲、したがって、本発明による交差競合といえるかどうかは、標準的な競合結合アッセイを用いて決めることができる。抗体Aが、抗体Bの結合を少なくとも60%、特に、少なくとも70%、より好ましくは少なくとも80%少なくすれば、交差競合が存在し、逆に、この抗体の一つが欠けている陽性対照と比較してもよい。当業者には自明なように、競合は、様々な設定のアッセイで評価することができる。一の適切なアッセイは、Biacore社の技術を使用しており(例えば、BIAcore3000の機会(Biacore,Uppsala,Sweden)を用いて)、表面プラズモン共鳴技術を用いて相互作用の範囲を測定することができる。交差競合を測定する別のアッセイは、ELISAベースの方法(例えば、例6)を使用している。更に、その交差競合に基づいた「ビニング」抗体用の高スループットプロセスが国際特許出願第WO2003/48731号に記載されている。交差競合は、探している抗体が表1に記載の抗体の一つの結合を、60%又はそれ以上、特に70%又はそれ以上、更に、80%又はそれ以上小さくする場合に、及び表1に記載の抗体の一つが、その抗体のMIF又はD−DTへの結合を、60%又はそれ以上、特に70%又はそれ以上、更に、80%又はそれ以上小さくする場合に、存在する。
ここで用いられているように、用語「ヒト抗体」は、骨格とCDR領域がヒト由来の配列からの可変領域を有する抗体を含むものを意図している。ここで用いられているように、ヒト抗体は、重鎖又は軽鎖可変領域又は完全長重鎖又は軽鎖領域を含む。所定のケースでは、ヒト抗体は、生殖細胞系列の免疫グロブリン遺伝子によってコード化されたアミノ酸配列と、少なくとも60%、70%、80%、90%又は少なくとも95%、あるいは少なくとも96%、97%、98%又は99%同一のアミノ酸配列である。これによって、このヒト抗体は、B−細胞から単離されたVH/VLのPCR増幅によって生成された、あるいは、合成的に生成された、ヒト生殖細胞系列遺伝子から抽出された抗体を含む技術基盤から得ることができる。技術基盤は、ファージ、リボソーム又はイーストに示されたヒト免疫グロブリン遺伝子を含むライブラリィベースのアプローチを含む。各情報ディスプレイ技術は、科学団体では標準である。更に、ヒト免疫グロブリンレパートリを担持する遺伝子導入マウスの免疫付与は、対象の抗原に対するヒト抗体を生成するもう一つのアプローチである。MorphoSys HuCAL(登録商標)概念に基づく抗体ライブラリから選択される抗体又はその断片(Knappik et al.,(2000)J Mol Biol 296:57−86)は、完全なヒトと考えられている。
ここで用いられている用語「モノクロナール抗体」は、単分子組成物の抗体分子の調製を意味する。モノクロナール抗体組成物は、独自の結合特異性と特定のエピトープの親和性を有する独自の結合部位をディスプレイする。
「ヒト化」抗体は、ヒトの免疫原性がより低いが、非ヒト抗体の活性を維持している抗体である。これは、例えば、非ヒトCDR領域を維持し、その抗体の残りの部分を、そのヒトと同様の部分で置き換えることで達成できる(例えば、可変領域中の定常領域、並びに骨格部分)。例えば、Morrison et al(1994)Proc.Natl.Acad.Sce.USA,81:6851−6855;Morrison and Oi(1988)Adv.Immunol.,44:65−92;Verhoeyen et al.(1988)Science,239:1534−1536;Padlan, Molec(1991)Immun.,28:489−498;及びPadlan,Molec(1994)Immun.,31:169−217参照。人間工学技術のその他の例には、限定するものではないが、米国特許第5,766,886号に開示されたゾーマ(Xoma)技術がある。
用語「キメラ抗体」は、(a)定常領域又はその一部が、変化、置換又は好感されて、抗原結合部位(可変領域)が、異なる又は変化したクラスの、エフェクタ機能の、及び/又は種の定常領域に、又は、キメラ抗体に新しい特性と授ける、全体的に異なる分子、例えば、酵素、トキシン、ホルモン、成長因子、薬剤その他、にリンクしている抗体;又は、(b)可変領域又はその一部が、別の又は変化した抗原特異性を有する可変領域に変化した、置換した、あるいは好感された抗体である。例えば、マウス抗体は、定常領域をヒト免疫グロブリンからの定常領域で置き換えることによって、修飾できる。このヒト定常領域での置換によって、キメラ抗体が、原マウス抗体に比較した時の、ヒトの抗原性が低下した抗原を認識する特異性を維持することができる。
用語「単離した」は、例えば、抗原特異性が異なるその他の抗体又は抗原結合部を実質的に持たない、抗体又は抗原結合部を意味する。更に、単離された抗体抗原結合部は、他の細胞物質及び/又は化学物質を実質的に持たない。
用語「イソタイプ」は、重鎖定常領域遺伝子で提供される抗体クラス(例えば、IgM、IgE、IgG1又はIgG4などのIgG)を意味する。イソタイプは、これらのクラスの一変形バージョンも含んでおり、この変形は、Fc機能を変えて、例えば、エフェクタ機能又はFcレセプタへの結合を強化又は低減する。例えば、IgG1f LALAは、エフェクタ機能を有意に低減したIgGイソタイプの変形バージョンである。アミノ酸の特異的置換は、非修飾抗体に比べて、FcガンマRIレセプタに対する結合親和性を低減する。IgG1f LALAは、米国特許出願第08/479,752号(SCOTGEN BIOPHARMACEUTICALS INC.)に記載されており、これは引用により全体が組み込まれている。本開示の所定の実施例では、抗原−結合部が、抗体であり、IgG、IgM、IgA、IGE又はIgDタイプである。特定の実施例では、この抗体がIgGタイプである。本開示の所定の実施例では、この抗体が、IgG1、IgG2、IgG3又はIgG4といったサブタイプである。特定の実施例では、この抗体がIgG1又はIgG4である。その他の特定の実施例では、この抗体が、IgG1又はIgG1f LALAといったサブタイプである。
抗原に「特異的に結合する」又は「選択的に結合する」といったフレーズ(例えば、MIF−結合抗体)は、タンパク質の不均一集団中の抗原又はその他の生物製剤(例えば、ヒトMIF又はヒトD−DT)の存在で決定できる結合反応を意味する。これによって、「抗原を認識する」及び「抗原に特異的である」とのフレーズは、ここでは、用語「抗原に特異的に結合する」と交換可能に使用されている。抗原結合部位、例えば、モノクロナール抗体、の抗原への特異的結合は、この分野で知られており、ELISA、FACS、Western Blot、Immuno Blot、BIAcore及びSETを含む、様々な確立された方法で決定することができる。本開示において、抗原結合部位は、その抗原結合部位がある特異的抗原、又は少なくとも一以上の抗原の選択に、バックグラウンドを超えて、少なくとも2倍、少なくとも3倍、少なくとも4倍、少なくとも5倍、少なくとも6倍、少なくとも7倍、少なくとも8倍、少なくとも9倍、少なくとも10倍、少なくとも20倍、結合できることを示している場合は、その抗原結合部位は、一の抗原、又は、一以上の抗原の選択に対して特異的であると考えられる。これによって、選択された抗原に特異的でないことが知られている抗原結合部位によって、又は、関係のない抗原への結合と比較することによって、バックグラウンドがきまる。
本開示では、抗原結合部の半数効果濃度測定が、各抗原に対して、100nMより小さい、90nMより小さい、80nMより小さい、70nMより小さい、60nMより小さい、50nMより小さい、40nMより小さい、30nMより小さい、29nMより小さい、28nMより小さい、27nMより小さい、26nMより小さい、25nMより地裁、24nMより小さい、23nMより小さい、22nMより小さい、21nMより小さい、20nMより小さい、15nMより小さい、10nMより小さい、5nMより小さい、4nMより小さい、3nMより小さい、2nMより小さい、1nMより小さいと測定されるのであれば、抗原結合部が抗原に特異的であると考えられる。
ここで使用されているように、用語「親和性」は、例えば、モノクロナール抗原などの抗原結合部と、単一抗原性部位との相互作用の強度を意味する。各抗原性部位内で、抗体「アーム」の可変領域が、弱い非共有結合力を介して多数の部位における抗原と相互作用する。相互作用が大きければ大きいほど、親和性が強くなる。
ここで用いられているように、用語「K」は、解離定数を意味する。これは、Kに対するKの比率(すなわち、K/K)から得られ、モル濃度(M)で表される。モノクロナール抗体などの抗原結合部のKの値は、この分野で良く確立された方法を用いて測定することができる。モノクロナール抗体などの抗原結合部のKを測定する方法は、SET(可溶平衡滴定)又はBiacore(登録商標)などのバイオセンサシステムを用いた表面プラズモン共鳴である。本開示では、MIF/D−DT交差反応抗体は、通常、解離速度定数(K)(Koff/Kon)が、5×10−2Mより小さい、10−2Mより小さい、5×10−3Mより小さい、10−3Mより小さい、5×10−4Mより小さい、10−4Mより小さい、5×10−5Mより小さい、10−5Mより小さい、5×10−6Mより小さい、10−6Mより小さい、5×10−7Mより小さい、10−7Mより小さい、5×10−8より小さい、10−8Mより小さい、5×10−9Mより小さい、10−9より小さい、5×10−10Mより小さい、10−10Mより小さい、5×10−11Mより小さい、10−11Mより小さい、5×10−12Mより小さい、10−12Mより小さい、5×10−13Mより小さい、10−13Mより小さい、5×10−14Mより小さい、10−14Mより小さい、5×10−15Mより小さい、10−15Mより小さい、あるいはこれより小さい。
ここで用いられているように、用語「抗原結合領域」は、抗原結合部と抗原間の特異的結合に関与している抗原結合部のドメインを意味する。例えば、抗体又はその断片の抗原結合部は、重鎖(以下、VHと略す)と軽鎖(以下、VLと略す)のN−末端可変領域のアミノ酸残基によって形成される。VHとVLの可変領域は、それぞれ、相補性決定常領域(CDR)と呼ばれる、3つの超可変領域を具えている。VHの3つのCDRsとVLの3つのCDRsは、互いに対して三次元配置となって、抗原結合表面を形成している。
用語「交差反応性結合」及び用語「交差特異性」及び「交差反応性」は、ここでは、交換可能に用いられており、一より多い抗原に特異的に結合する能力を有する抗原結合部を意味する。例えば、本開示では、抗原結合領域が、MIF及びD−DTに交差反応的に結合する。好ましくは、抗原結合領域は、ヒトMIFとヒトD−DTに交差特異的に結合する。例えば、本開示では、交差反応的にMIFとD−DTに結合する抗体が、二本のアームを有しており、両アームが同じ抗原結合領域を有する。
本開示では、フレーズ「交差特異的にMIFとD−DTに結合する」と「MIF/D−DT交差反応」は、交換可能に使用されており、MIFとD−DTに交差反応的に結合する抗原結合部を意味する。抗原特異性は、上記に定義されており、例えば、ELISA、FACS、Western Blot,Immuno Blot,BIAcore、又はSETといった当業者に公知の方法によって測定することができる。本開示では、抗原結合部は、抗原結合部が、少なくとも2つの抗原の特異的選択に対して、バックグラウンドを超えて、少なくとも2倍、少なくとも3倍、少なくとも4倍、少なくとも5倍、少なくとも6倍、少なくとも7倍、少なくとも8倍、少なくとも9倍、少なくとも10倍、少なくとも20倍、結合できることが示されている場合、無限数の抗原に交差反応すると考えられる。したがって、バックグラウンドは、選択された抗原に対して非特異的であることが知られている抗原結合部によって、あるいは関係のない抗原に対する結合と比較することによって、決定される。
本開示において、抗原結合部は、抗原結合部の半数効果濃度試験が、各抗原について、100nMより小さい、90nMより小さい、80nMより小さい、70nMより小さい、60nMより小さい、50nMより小さい、40nMより小さい、30nMより小さい、29nMより小さい、28nMより小さい、27nMより小さい、26nMより小さい、25nMより小さい、24nMより小さい、23nMより小さい、22nMより小さい、21nMより小さい、20nMより小さい、15nMより小さい、10nMより小さい、5nMより小さい、4nMより小さい、3nMより小さい、2nMより小さい、1nMより小さいと測定されるのであれば、抗原結合部が無制限数の抗原に特異的であると考えられる。半数効果濃度試験は、以下に記載した明細書によって決定することができる。
本開示では、抗原結合部の交差反応性は、一の種に制限されない。本開示では、ヒトMIFとヒトD−DTに交差特異的に結合する抗原結合部は、更に、一またはそれ以上の哺乳類種(例えば、マウス、ラット、アカゲザル及びカニクイザル)由来のMIF及び/又はD−DTに交差反応する。
用語「二重特異性」は、ここでは、二つの異なる抗原結合領域を有する抗体、抗体は生物、抗体様骨格又は代替骨格を意味し、組み込まれた各抗原結合領域が、特定の抗原に対する二重結合特異性を担っている。例えば、本開示では、二重特異性分子が、MIF及びD−DTに交差反応的に結合する一の抗原結合部と、更なる抗原に特異的に結合する第2の抗原結合領域を有する。抗原結合は、二重特異性抗体由来骨格内に組み込むことができる。この例が以下に示されており、二重特異性−scFv(BITE(登録商標);Micromet,Rockville,MD)、四価の二重特異性抗体フォーマット(TandAb(登録商標)Affimed Therapeutics AG,Heidelberg,Germany)架橋Fabs、及び二重特異性IgGs(TRION Pharma GmbH,Munich,Germany)を含む。
用語「アミノ酸」は、天然に生じたアミノ酸と合成アミノ酸、並びにアミノ酸類似体、及び天然アミノ酸と同じように機能するアミノ酸類似構造を意味する。天然アミノ酸は、遺伝子コードでコード化されるもの、並びに、例えば、ヒドロキシプロリン、γ−カルボキシグルタミン酸、及びO−ホスホセリンといった、後に修飾されたアミノ酸である。アミノ酸類似体は、天然のアミノ酸と同じ基本化学構造を有する組成物、すなわち、水素に結合したα炭素、カルボキシル基、アミノ基、及び、例えば、ホモセリン、ノルロイシン、メチオニンスルホキシド、ミチオニンメチルスルホニウムといった、R基を意味する。このような類似体は、R基(例えば、ノルロイシン)で修飾されるか、あるいはペプチド骨格で修飾されるが、天然アミノ酸と同じ基本化学構造を残している。アミノ酸類似構造は、アミノ酸の一般的化学構造と異なる構造を有するが、天然アミノ酸と同様に機能する。
用語「ポリペプチド」と「タンパク質」は、ここでは交換可能に使用されており、アミノ酸残基のポリマを意味する。この用語は、一またはそれ以上のアミノ酸残基が対応する天然アミノ酸の人工化学類似構造であるアミノ酸ポリマにも適用され、天然アミノ酸ポリマにも、非天然に生じるアミノ酸ポリマにも適用される。特にディスプレイされていない限り、特定のポリペプチド配列は、保存的に修飾されたその異形にも、暗黙的に及ぶ。
用語「核酸」は、ここでは用語「ポリヌクレオチド」と交換可能に使用されており、単一基準又は二重基準形の、デオキシリボ核酸又はリボ核酸及びそのポリマを意味する。この用語は、既知の核酸類自体又は修飾した骨格残基又はリンケージを含む核酸に及ぶ。これは、合成、天然又は非天然であり、基準核酸と同様の結合特性を有する核酸に及ぶ。このような類似体には、限定するものではないが、ホスホロチオエート、ホスホロアミデート、メチルホスホネート、キラル−メチルホスホネート、2−O−メチルリボ核酸、ペプチド−核酸(PNAs)を含む。特に説明がない限り、特定の核酸シーケンスは、また、保存的な修飾異形(例えば、変性コドン置換)、相補的配列、並びに明らかにディスプレイされている配列にも及ぶ。特に、以下に詳細に述べるように、変性コドン置換は、一またはそれ以上の選択された(又はすべての)コドンの第3位が、混合されたベース及び/又はデオキシイノシン残基で置換されている、配列を生成することで達成できる。(Batzer et al.,(1991)Nucleic Acid Res.19:5081; Ohtsuka et al.,(1985)J.Biol.Chem. 260:2605−2608;及び、Rossolini et al.(1994)Mol.Cell,Probes 8:91−98)。
用語「遺伝子組み換え宿主細胞」(又は、単に「宿主細胞」)は、組み換え遺伝子発現ベクターを導入した細胞を意味する。このような用語は、特定の主題となる細胞のみならず、このような細胞の産物も意味するよう意図していると考えるべきである。変位株又は環境の影響によって、連続する世代において所定の変化が生じ、このような子孫は、事実上、親細胞と同じではなくなるが、ここで用いられているように、用語「宿主細胞」の範囲に含まれる。
用語「ベクター」は、あるポリヌクレオチドがリンクされている別のポリヌクレオチドを運ぶことができるポリヌクレオチドを意味することを意図している。ある種のベクターは、「プラズミド」であり、これは、その中に追加のDNAセグメントが結合できる環状二重標準DNAループを意味する。別の種のベクターは、ウイルス性ベクターであり、追加のDNAセグメントがウイルス性ゲノムに結合できる。ある種のベクターは、そのベクターを導入する宿主細胞(例えば、複製の細胞起源と、エピソーム性哺乳類ベクターを有する細菌性ベクター)中で自己複製することができる。その他のベクター(例えば、非−エピソーム性哺乳類ベクター)は、宿主に導入する際に、宿主細胞のゲノムに統合することができ、これによって、宿主ゲノムと共に複製される。更に、ある種のベクターは、ベクターが操作可能にリンクしている遺伝子の発現を導く区都ができる。これらのベクターは、ここでは、「遺伝子組み換え発現ベクター」(あるいは、単に「発現ベクター」)と呼んでいる。一般的に、遺伝子組み換えDNA技術において効用のある発現ベクターは、しばしば、プラズミドの形である。プラズミドはもっとも一般的に、ベクターの形で使用されているため、本明細書では、「プラズミド」と「ベクター」は、交換可能に使用することができる。しかしながら、この開示は、同等に機能するウイルスベクター(例えば、複製能欠如性レトロウイルス、アデノウイルス、及びアデノ関連ウイルス)などのこのようなその他の形の発現ベクターを含むことを意図している。
したがって、この分野で知られており、上述した方法論によって決定されるような、MIF及び/又はD−DTの一またはそれ以上の機能特性(例えば、生化学的、免疫化学的、細胞、生理学的、あるいはその他の生物学的活性、など)を「阻害する」抗体は、特に、抗体が欠如しているときに見られる活性(例えば、特異性に関係のない対照抗体が存在する場合)に対する特定の活性における、統計的に有意な減少に関連すると考えられる。
にまたはそれ以上の核酸又はポリペプチド配列のコンテキストにおけるフレーズ「パーセント同一」又は「パーセント同一性」は、二又はそれ以上の同じ配列又は部分列を意味する。比較ウインド上で比較して、あるいは、以下の配列比較ある以後リズムの一つを用いてまたは、手動アラインメントと目視検査で測定した時の指定された領域上で比較して、最大一致整列した時に、二つの配列が、同じ特定のパーセンテージ(すなわち、特定の領域において、または、特定されていない場合は配列全体において、60%同一、選択的に、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、又は99%同一)のアミノ酸残基又はヌクレオチドを有する場合、二つの配列は「実質的に同一」である。選択的に、少なくとも約50のヌクレオチド(又は10アミノ酸)長である領域、又はより好ましくは、100乃至500あるいは1000又はそれ以上のヌクレオチド(又は、20、50、200またはそれ以上のアミノ酸)長である領域上に、同一性が存在する。
追加で又は代替的に、本開示のタンパク質配列は、更に、「問い合わせ配列」として用いることができる、例えば、関連する配列を同定するためにパブリックデータベースのサーチを実行することができる。例えば、このようなサーチは、Altschul et al.(1990)J.Mol.Biol.215:403−10のBLASTプログラム(バージョン2.0)を用いて、実行することができる。配列比較のために、通常、一の配列が基準配列となり、それに対してテスト配列を比較する。配列比較アルゴリズムを使用するに際して、テスト及び基準配列をコンピュータに入力し必要があれば部分列座標を指定し、配列アルゴリズムプログラムパラメータを指定する。デフォルトプログラムパラメータを使用してもよく、代替のパラメータを指定してもよい。次いで、配列比較アルゴリズムで、プログラムパラメータに基づいて基準配列に対するテスト配列のパーセント配列同一性を計算する。
パーセント配列同一性と配列類似性の決定に適した二つのアルゴリズムの例は、BLASTとBLAST2.0のアルゴリズムである。これらは、Altschul et al.,(1977)Nuc.Acids Res.25:3389−3402;とAltschul et al.,(1990)J.Mol.Biol.215:403−410にそれぞれ記載されている。BLAST分析法を実行するソフトウエアは、National Center for Biotechnology Informationを通じて公に入手可能である。このアルゴリズムは、データベース配列中の同じ長さのワードに整列する時の、正の値の閾値スコアに合致するまたはそれを満足する、問い合わせ配列中の長さWのショートワードを同定することによる、第1のハイスコア配列対(HSPs)を認識するステップを含む。Tは、隣接ワードスコア閾値である(Altshul et al.,supra)。これらの初期の隣接ワードのヒットが、それらを含むより長いHSPsを見つけるサーチ開始の種となる。このワードヒットは、累積アラインメントスコアが増える限り、各配列に沿って両方向に延びる。累積スコアは、ヌクレオチド配列については、パラメータM(合致する残基対のリワードスコア;常に>0)とパラメータN(合致しない残基のペナルティスコア;常に<0)を用いて計算する。アミノ酸配列では、スコアマトリックスを用いて、累積スコアを計算する。各方向におけるワードヒットの延長は、累積整列スコアがその最大達成値から量Xだけ下がったとき;一またはそれ以上の負のスコア残基整列の累積によって、累積スコアがゼロ又はそれ以下になったとき;又はいずれかの配列の最後に達した時に、止まる。BLASTアルゴリズムのパラメータW、T、及びXは、アラインメントの感度と速度を決定する。BLASTNプログラム(ヌクレオチド配列用)は、デフォルトとして、ワード長(W)11、期待値(E)10、M=5、N=−4、両ストランドの比較を使用する。アミノ酸配列については、BLASTPプログラムは、デフォルトとして、ワード長3、期待値(E)10、及びBLOSUM62スコアマトリックス(Henikoff and Henikoff,(1989)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:10915参照)、アラインメント(B)50、期待値(E)10、M=5、N=−4、及び両ストランドの比較を使用する。
BLASTアルゴリズムは、また、二つの配列間の類似性の統計分析も行う(Karlin and Altschul(1993)Proc.Natl.Acad.Sci.USA90:5873−5787参照)。BLASTアルゴリズムによって提供される類似性測定法の一つは、最小和確率(smallest sum probability)(P(N))であり、これは、二つのヌクレオチド配列又はアミノ酸配列間の合致が偶然生じる確率のディスプレイである。例えば、テスト核酸と基準核酸との比較における最小和確率が約0.2より小、より好ましくは約0.01より小、そして最も好ましくは約0.001より小である場合に、その核酸が基準配列に類似すると考えられる。
二つのアミノ酸配列間のパーセント同一性は、ALIGNプログラム(バージョン2)に組み込まれているE.Meyers and W.Miller(Comput.Appl.Biosci.4:11−17(1988))のアルゴリズムを用いて、PAM120残基重量テーブル、12のギャップ長ペナルティ、及び4のギャップペナルティを使用して決定することもできる。更に、二つのアミノ酸配列間のパーセント同一性は、GCGソルトウエアパッケージ(www.gcg.comで入手可能)のGAPプログラムに組み込まれているNeedleman and Wunschu(J.Mol.Biol.48:444−453(1970))のアルゴリズムを用いて、Blossom 62マトリックス又はPAM250マトリックス、16、14、12、10、8、6、又は4のギャップ重、及び1、2、3、4、5又は6のレングスウエイト(length weight)を使用して決定することもできる。
上述した配列同定のパーセンテージ以外の、二つの核酸配列又はポリペプチドが実質的に同一であるとのもう一つのディスプレイは、以下に述べるような、第1の核酸でコード化されたポリペプチドが、第2の核酸でコード化されたポリペプチドに対する抗体と免疫的に交差反応することである。このように、ポリペプチドは、典型的には、例えば、二つのペプチドが伝統的な置換によってのみ異なる場合、第2のポリペプチドと実質的に同一である。二つの核酸配列が実質的に同一であるとのもう一つのディスプレイは、以下に述べるように、厳しい条件下で二つの分子あるいはその補体が互いにハイブリダイズすることである。二つのアミノ酸配列が実質的に同一であるとのもう一つのディスプレイは、同じプライマを用いて、その配列を増幅できることである。
本開示の様々な態様を、以下のセクション及びサブセクションにより詳細に述べる。
改変抗体と修飾抗体
本開示の抗体は、表1に示す抗体由来の修飾抗体であってもよい。これによって、表1に示す抗体が、修飾抗体を改変する出発材料として使用される。
一方又は両方の可変領域(すなわち、VH及び/又はVL)中の、例えば、一またはそれ以上のCDR領域内で、及び/又は一またはそれ以上の骨格領域内で、一またはそれ以上の残基を修飾することによって、抗体を改変することができる。追加であるいは代替的に、定常領域内の残基を修飾することによって抗体を改変して、例えば、抗体のエフェクタ機能を変えることができる。
抗体を改変又は修飾することによって、親クローンの改良された変種を得ることができる。一方、様々な技術、例えば、親和性を改良する技術、免疫原性を改変する技術、及び抗体のエフェクタ機能を増やす技術が、この分野で確立されている。
抗体は、主に、6つの重鎖及び軽鎖相補性決定常領域(CDRs)に位置するアミノ酸残基を通じて、標的抗原と相互作用する。したがって、親和性成熟は、抗体の結合特性を変える特異的CDRsを修飾するステップを具える。親和性修飾は、超可変領域における特定部位の突然変異誘発を含み、アミノ酸置換、追加又は削除を含んでいてもよい。もう一つのタイプの親和性成熟は、各CDRsのライブラリを使った特異的抗体中の特異的CDRsの完全な交換である。その結果、修飾した抗体を標準抗原結合アッセイ(例えば、ELISA、FACS、BiaCore、SET分析)で分析して、各抗原への改良した親和性を得ることができる。(例えば、Riechmann et al.,(1998)Nature 332:323−327;Jones et al.,(1986)Nature 321:522−525;Queen et al.,(1989)Proc.Natl.Acad.,U.S.A.86:10029−10033;Winterに付与された米国特許第5,225,539号、及びQueen et alに付与された米国特許第5,530,101号、第5,585,089号、及び第6,180,370号参照)。
CDR配列は、ほとんどの抗体−抗原相互反応に関与しているので、様々な特性を有する異なる抗体由来の骨格配列に移植した特異的天然抗体由来のCDR配列を含む発現ベクターを構築することによって、特異的天然抗体の特性を模倣した遺伝子組み換え抗体を発現することは可能である。このような骨格配列は、公開DNAデータベースから、あるいは生殖細胞系列抗体遺伝子配列を含む公開された文献から得ることができる。例えば、ヒト重鎖及び軽鎖可変領域遺伝子の生殖細胞系列DNA配列は、「Vase」ヒト生殖細胞系列配列データベース(www.mrc−cpe.cam.ac.uk/vbaseでインターネットで入手可能である)に見ることができる。また、Kabat et al.,(1991)Sequences of Proteins of Immunological Interest,Fifth Edition,U.S.Department of Health and Human Services,NIH Publication No.91−3242;Chothia et al.,(1987)J.Mol.Biol.196:901−917;Chothia e al.,(1989)Nature 342:877−883;及びAl−Lazikani et al.,(1997)J.Mol.Biol.273:927−948;Tomlinson et al.,(1992)J.fol.Biol.227:776−798;及びCox et al.,(1994)Eur.J.Immunol.24:827−836;にも見ることができる。各文献の内容は、引用によりここに明確に組み込まれている。
二重特異性分子及び多価抗体
もう一つの態様では、本開示は、MIF−結合抗原結合部とD−DT結合抗原結合部を含む、二重パラトープ、二重特異性、複数特異性(multispecific)、又は多特異性(polyspecific)分子を特徴とする。別の態様では、本開示は、MIF−結合抗原結合部とD−DT結合抗原結合部を含み、このMIF−結合抗原結合部とD−DT結合抗原結合部が同じでない二重パラトープ、二重特異性、複数特異性(multispecific)、又は多特異性(polyspecific)分子を特徴とする。
別の態様では、本開示は、MIF−結合抗体とD−DT結合抗体、又はこれらの断片を含む二重パラトープ、二重特異性、複数特異性(multispecific)、又は多特異性(polyspecific)分子を特徴とする。別の態様では、本開示は、MIF−結合抗体とD−DT結合抗体、又はこれらの断片を含む二重パラトープ、二重特異性、複数特異性(multispecific)、又は多特異性(polyspecific)分子であって、MIF−結合抗原とD−DT結合抗原が、同じでない抗原結合部を含むことを特徴とする。別の態様では、二重特異性抗原結合部が、二重特異性−scFv、三価の二重特異性抗体、架橋Fab又は二重特異性IgGからなる群から選択される。
別の態様では、本開示は、MIF/D−DT交差反応性抗原由来の少なくとも二つの同じ又は異なる抗原結合部を含む多価の化合物を提供する。
別の態様では、本開示は、少なくとも二つの同じ又は異なる抗原結合部を含む多価の化合物を提供しており、ここで、一方の抗原結合部は、MIFに結合し、第2の抗原結合部はD−DTに結合し、抗原結合部は、タンパク質溶融又は共有結合あるいは非共有結合を介してリンクできる。
三価の化合物は、例えば、本開示の抗体を、本開示の抗体の定常領域、例えばFc、又はヒンジ領域に結合する抗体と架橋させることで、得ることができる。三量体形成ドメインは、例えば、BoreanのEP特許第1012280B1号に記載されている。四量体形成ドメインは、例えば、PCT/EP97/05897号に形成されている。
本開示の抗体、又はその抗原結合部は、別の機能性分子、例えば、別のペプチド又はタンパク質(例えば、レセプタ用の別の抗体又はリガンド)にリンクして、少なくとも二つの異なる結合部位又はターゲット分子に結合する二重特異性分子を生成できる。
本開示の二重特異性分子を作成するには、抗体が、別の抗体、抗体断片、ペプチド、又は結合模倣薬といった、一またはそれ以上の他の結合分子に機能的にリンク(例えば、化学的結合、遺伝子融合、非共有結合性会合、又は別の方法で)して、二重特異性分子とする。
本開示の二重特異性分子は、構成要素結合特異性をコンジュゲートすることによって、この分野で知られている方法を用いて作成することができる。例えば、二重特異性分子の各結合特異性は、別々に発生して、後に互いにコンジュゲートすることができる。結合特性がタンパク質又はペプチドである場合、様々な結合剤又は架橋剤を用いて共有結合できる。架橋剤の例には、タンパク質A、カルボジイミド、N−succinimidyl−S−acetyl−thioacetate(SATA)、5,5’−dithiobis (2−nitrobenzoic acid)(DTNB)、o−phenylenedimaleimide(oPDM)、N−succinimidyl−3−(2−pyridyldithio)propionate(SPDP)、及び、sulfosuccinimidyl 4−(N−maleimidomethyl)cyclohaxane−1−carboxylate(sulfo−SMCC)がある。(例えば、Karpovsky et al.,(1984)J.Exp.Med.160:1686;Liu et al.(1985)Proc.Natl.Acad.Sci.USA82:8648参照)。その他の方法には、Paulus(1985)Behring Ins.MIFt.No.78:118−132;Brennan et al.,(1985)Science 229:81−83),及びGlennie et al.,(1987)J.Immunol.139:2367−2375がある。架橋剤は、SATAとsulfo−SMCCであり、両方とも、Pierce Chemical Co.,(Rockford,IL)社から入手できる。
結合特異性が抗体である場合、抗体は、二つの重鎖のC−末端ヒンジ領域のスルフヒドリル結合によってコンジュゲートすることができる。特定の実施例では、このヒンジ領域を修飾して、例えば、コンジュゲートの前に、奇数のスルフヒドリル残基を含むようにしている。
代替的に、両方の結合特異性は、同じベクタ内でエンコードして、同じ宿主細胞中で発現させ、アセンブルすることができる。この方法は、二重特異性分子が、mAb×mAb、mAb×Fab,Fab×F(ab’)、又はリガンド×Fab溶融タンパク質である場合に、特に有益である。本開示の二重特異性分子は、一の単鎖抗体と結合決定因子を含む単鎖分子、又は二つの結合決定因子を含む単鎖二重特異性分子であってもよい。二重特異性分子は、少なくとも二つの単鎖分子を含む。二重特異性分子の作成方法は、例えば、米国特許第5,260,203号;米国特許第5,455,030号;米国特許第4,881,175号;米国特許第5,132,405号;米国特許第5,091,513号;米国特許第5,476,786号;米国特許第5,013,653号;米国特許第5,258,498号;及び米国特許第5,482,858号に記載されている。
更なる臨床的利点は、一の抗体中の2又はそれ以上の抗原の結合によってもたらされる(Morrison et al.,(1997)Nature Biotech.15:159−163;Alt et al.,(1999)FEBS Letters 454:90−94;Zuo et al.,(2000)Protein Engineering 13:361−367;Lu et al.,(2004)JBC 279:2856−2865;Lu et al.,(2005)JBC 20:19665−19672;Marvin et al.,(2005)Acta Pharmacologica Sinica 26:649−658;Marvin et al.,(2006)Curr Opin Drug Disc Develop 9:184−193; Shen et al.,(2007)J Immun Methods 218:65−74;Wu et al.,(2007)Nat Biotechnol.11:1290−1297;Dimasi et al.,(2009)J Mol Biol.393:672−692;及びMichaelson et al.,(2009)mAbs 1:128−141)。
二重特異性又は交差反応性分子の特異的ターゲットへの結合は、例えば、酵素免疫測定法(ELISA)、ラジオイムノアッセイ法(REA)、FACS分析法、生物学的検定法(例えば、成長阻害)、又はWestern Blot アッセイによって確認できる。これらの各アッセイは、通常、対象となる複合体に特異的な標識付試薬(例えば、抗体)を用いて、特定の対象の抗原−抗体複合体の存在を検出する。
骨格
「抗原−結合部」を含むその他の抗体/免疫グロブリン骨格又は足場は、本開示に従って使用することができる。これは、非免疫グロブリンベースの抗体と、本開示のCDRsを移植できる骨格を含む。
フィブロネクチン足場は、フィブロネクチンIII型ドメイン(例えば、フィブロネクチンIII型(10Fn3ドメイン)の10番目のモジュール)に基づく。フィブロネクチンIII型ドメインは、7つ又は8つのβストランドを有しており、これらが二つのβシート間に配置されている。このβシート自体が互いに固まって、タンパク質のコアを形成している。更に、このドメインは、βストランドを互いにつなぎ、暴露した溶剤であるループ(CDRsに類似する)を含む。βシートサンドイッチの各エッジにこのようなループが少なくとも3つあり、このエッジが、βストランドの方向に直交するタンパク質の境界である(米国特許第6,818,418号)。これらのフィブロネクチンベースの足場は、フォールド全体が、最も小さい機能性抗体フラグメントのものに近いが、免疫グロブリンではなく、ラクダとラマIgG中の抗原認識ユニット全体を含む重鎖の可変領域である。項の構造によって、非免疫グロブリン抗体が、自然界では同様である抗原結合特性と、抗体の抗原結合特性を模倣する。これらの足場は、インビトロでの抗体の親和性成熟過程と同様であるインビトロでのループランダム化とシャッフリング戦略で用いることができる。これらのフィブロネクチンベースの分子は、分子のループ領域を、標準的なクローニング技術を用いて本開示のCDRsで置き換えることができる足場として使用することができる。
ラマ種などの新世界ラクダ類(アルパカ、ラマ、ラマビクーニャ)を含むキャメル及びヒトコブラクダ(フタコブラクダとヒトコブラクダ)科の員から得たラクダ抗体たんぱく質は、サイズ、構造的複雑性、被験者の抗原性で特徴づけられていた。自然界で見られるこの科の哺乳類由来のある種のIgG抗体には、軽鎖が欠けており、したがって、その他の動物由来の抗体にある二つの重鎖と二つの軽鎖を有する典型的な4鎖第4級構造とは、構造的に区別される。WO1994/04678参照。
アンキリン技術は、異なる標的との結合に使用できる可変領域を有する足場としてのリピートモジュールからのアンキリンを伴うタンパク質を使用することに基づいている。アンキリンリピートモジュールは、2つの逆平行α−へリックスとβ−ターンからなる33のアミノ酸ポリペプチドである。可変領域の結合は、リボソームディスプレイ法によって最も最適化される。
アビマーは、天然A−ドメインから取り出される。これらのドメインは、生来、タンパク質−タンパク質の相互作用に用いられ、ヒトでは250を超えるタンパク質が、構造的にA−ドメインに基づいている。アビマーは、アミノ酸リンカーを介して結合した様々な「A−ドメイン」モノマー(2−10)なる。例えば、米国特許出願公開第20040175756号、20050053973号、第20050048512号、第20060008844号に記載されている方法論を用いて、標的抗原に結合できるアビマーを作成することができる。
アフィボディ親和性リガンドは、タンパク質AのIgG−結合ドメインの一つの足場に基づく3へリックスバンドルでできた、小さい、単純なタンパク質である。タンパク質Aは、バクテリアStaphylococcus aureus由来の表面たんぱく質である。この足場ドメインは、58のアミノ酸からできており、そのうち13のアミノ酸を無作為に抽出して、多くのリガンド変異体を伴うアフィボディライブラリをつくる(例えば、米国特許第5,831,012号参照)。アフィボディ分子は抗体を模倣しているが、150kDaである抗体の分子量に比較すると、分子量は6kDaである。サイズは小さいが、アフィボディ分子の結合部位は、抗体の結合部位と同様である。
アンチカリンは、Pieris ProteoLab AG社によって開発された製品である。アンチカリンは、リポカリンから取り出され、一般的に化学的に敏感な又は不溶性化合物の生理学的輸送又は保存に関与する、小さくかつ強力な、広範囲に及ぶタンパク質群である。いくつかの天然リポカインは、ヒトの組織又は体液中に生じる。このたんぱく質構成は、硬い骨格の頂部にある超可変ループによって免疫グロブリンを連想させる。しかしながら、抗体又はその遺伝子組み換え断片と対照的に、リポカインは、160乃至180のアミノ酸残基を伴う単鎖ポリペプチドでできており、単一の免疫グロブリンドメインよりわずかに大きいだけである。結合ポケットを構成している4つのループセットは、明らかな構造的柔軟性を示すとともに、様々な側鎖を容認している。結合部位は、したがって、独自の工程で再形成して、高い親和性と特異性を有する上述の形状の異なる標的分子を認識することができる。リポカイン族の一つのタンパク質である、Pieris Brassicae社のビリン−結合タンパク質(BBP)を用いて、4つのループセットを突然変異させてアンチカリンを開発した。アンチカインを記載している特許出願の一例は、PCT公開第WO1999/16873号である。
アフィリン分子は、小さい、非免疫グロブリンタンパク質であり、タンパク質と小分子に対する特異的親和性があるように設計されている。新しいアフィリン分子は、二つのライブラリから非常に迅速に選択できる。各ライブラリは、ことなるヒト由来の骨格タンパク質に基づく。アフィリン分子は、免疫グロブリンタンパク質に構造的相同性は示さない。現在、二つのアフィリン骨格が用いられており、一つはγ結晶である、ヒト構造水晶体タンパク質であり、もう一つは、「ユビキチン」スーパーファミリィタンパク質である。両方ともヒト骨格は非常に小さく、高温安定性を示すとともに、pHの変化や変性剤に対して耐性がある。この高い安定性は、主に、タンパク質の拡張されたβシート構造による。γ結晶由来のタンパク質の例は、WO2001/04144号に記載されており、「ユビキチン様」タンパク質の例は、WO2004/106368号に記載されている。
タンパク質エピトープ模倣薬(PEM)は、中くらいのサイズの、環状、ペプチド様分子(MW1−2kDa)であり、タンパク質−タンパク質相互作用に生じる主二次構造である、タンパク質のβ−ヘアピン二次構造を模している。
抗体の生成
(i)抗体を核酸でエンコード
本開示は、上述したMIF/D−DT交差反応性抗体のセグメント又はドメインを含むポリペプチドをエンコードする、実質的に生成した核酸分子を提供している。特定の実施例では、この核酸分子は、表1に同定されている分子である。本開示のその他の核酸分子は、表1に同定した分子のヌクレオチド配列とほぼ同一(例えば、少なくとも65%、80%、85%、90%、95%、又は99%)である核酸配列を含む。上述した核酸の従来の適当な発現ベクターへのサブクローニングと、適宜の発現システム中の発現ベクターの発現は、MIF及びD−DTに交差反応性であるこれらのポリ核酸によってエンコードされたポリペプチドを作る。
また、本開示で提供されているものは、上述したMIF/D−DT交差反応抗体の重鎖又は軽鎖からの少なくとも一のCDR領域と、通常3つすべてのCDR領域をエンコードするポリヌクレオチドである。その他のポリヌクレオチドは、上述のMIF/D−DT交差反応抗体の重鎖及び/又は軽鎖の可変領域は入れ一のすべて又はほとんどすべてをエンコードする。この遺伝情報の構造によって、様々な核酸配列が、各免疫グロブリンアミノ酸配列をエンコードする。
ポリヌクレオチド配列は、デノボ固相DNA合成によって、あるいは、MIF/D−DT交差反応抗体又はその結合断片をエンコードする既存の配列(例えば、以下の例に述べる配列)のPCR突然変異生成によって、作成することができる。核酸の直接的な化学合成は、Narang et al.,(1979)Meth.Enzymol.68:90のリン酸トリエステル法;Brown et al.,(1979)Meth.Enzymol.68:109のリン酸ジエステル法;Beaucage et al.,(1981)Tetra.Lett.,22:1859のジエチルリン酸アミダイト法;及び米国特許第4,458,066号のソリッドサポート法などの、この分野で知られている方法で行うことができる。PCRによるポリヌクレオチド配列への変異株の導入は、例えば、PCR Technology: Principles and Applications for DNA Amplification,H.A.Erlich(Ed.),Freeman Press,NY,NY,1992;PCR Protocols:A Guide to Methods and Applications,Innis et al.,(Ed.),Academic Press,San Diego,CA,1990;Mattila et al.,(1991)Nucleic Acids Res.19:967;及びEchert et al.,(1991)PCR Methods and Applications 1:17に記載されているように行うことができる。
また、本開示が提供しているものは、上述のMIF/D−DT交差反応抗体を生成するための発現ベクターと宿主細胞である。MIF/D−DT交差反応抗体の鎖又は結合部をエンコードするポリヌクレオチドを発現させるのに、さまざまな発現ベクターを用いることができる。哺乳類宿主細胞での抗体の生成には、ウイルス性の発現ベクターと、非ウイルス性の発現ベクターの両方を使用することができる。非ウイルス性ベクター及びシステムは、プラズミド、エピソマールベクター、典型的に、タンパク質又はRNAを発現させる発現カセットを伴うベクター、及びヒト実行クロモソームを含む(例えば、Harrington et al.,(1997)Nat Genet 15:345参照)。例えば、MIF/D−DT交差反応性ポリヌクレオチド及びポリペプチドを哺乳類(例えば、ヒト)細胞中に発現させるのに有用な非ウイルス性ベクターには、pThioHis A,B & C,pcDNA3.1/His,pEBVHis A,B & C,(Invitrogen,San Diego,CA),MPSVベクター、及びその他のタンパク質を発現させる、この分野で知られている様々なその他のベクターがある。有用なウイルス性ベクターには、レトロウイルス、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス、ヘルペスウイルス、SV40に基づくベクター、パピローマウイルス、HBP Epstein Barrウイルス、バクテリアウイルスベクター、及び、Semliki Forestウイルス(SFV)がある。Brent et al.,(1995)Annu.Rev.Microbiol.49:807;及びRosenfeld et al.,(1992)Cell 68:143参照。
発現ベクターの選択は、そのベクターが発現する宿主細胞によって決まる。通常、発現ベクターは、プロモータとその他の調節配列(例えば、エンハンサ)が含まれており、これらMIF/D−DT交差反応抗体の鎖又は断片をエンコードするポリヌクレオチドに操作可能に結合している。いくつかの実施例では、誘導プロモータが働いて、誘導条件下以外での挿入した配列の発現を防いでいる。誘導プロモータには、例えば、アラビノーゼ、lacZ、メタロチオネインプロモータ、あるいは熱ショックプロモータがある。形質転換有機体の培地は、非誘導条件下で、発現生成物が宿主細胞によってより良好に容認される配列をコード化する集団をバイアスすることなく、膨張する。プロモータに加えて、MIF/D−DT交差反応抗体の鎖又は断片を十分に発現させるには、その他の調製要素が必要とされる、あるいは望ましい。これらの要素には、通常、ATG開始コドンと、隣接するリボソーム結合部位、あるいはその他の配列がある。加えて、発現効率は、使用する細胞系に適したエンハンサを含めることによって強化される(Scharf et al.,(1994)Results Probl.Cell Differ.20:125;及びBittner et al.,(1987)Meth.Enzymol.,153:516参照)。例えば、SV40エンハンサ又はCMVエンハンサを用いて、哺乳類宿主細胞の発現を増やすことができる。
発現ベクターは、挿入したMIF/D−DT交差反応抗体の配列によってエンコードしたポリペプチドとの融合タンパク質を形成するための分泌シグナル配列位置を提供する。より頻繁に、挿入したMIF/D−DT交差反応抗体の配列は、ベクターに含まれる前に、シグナル配列に結合する。MIF/D−DT交差反応抗体の軽鎖及び重鎖可変ドメインをエンコードしている配列を受けるのに使用されるベクターは、その定常領域又は定常部分もエンコードすることができる。このようなベクターによって、定常領域を持つ融合タンパク質として様々な領域の発現ができ、これによって、完全抗体又はその断片の生成が行われる。通常は、このような定常領域はヒトである。
MIF/D−DT交差反応抗体の鎖を内部に持ち発現させる宿主細胞は、原核生物でも真核生物でもよい。大腸菌は、本開示のポリヌクレオチドをクローニングし、発現させる原核生物宿主である。その他の使用に適した微生物宿主には、枯草菌などの最近や、サルモネラ菌、セラチア菌などの腸内細菌、及び様々なシュードモナス種がある。これらの原核生物宿主で、発現ベクターを作ることができるものは、宿主細胞(複製起点)に適合する発現制御配列を含む。さらに、ラクトースプロモータ系、トリプトファン(trp)プロモータ系、β−ラクタマーゼプロモータ系、又はラムダファージ由来のプロモータ系といった、多数の様々な公知のプロモータが存在する。これらのプロモータは、選択的にオペレータ配列を伴って、通常、発現を制御するとともに、転写と翻訳を開始し、完了するためのリボソーム結合部位その他を有する。イーストなどのその他の微生物も、本開示のMIF/D−DT交差反応ポリペプチドを発現させるのに用いることができる。バキュロウイルスベクターと組み合わせた昆虫細胞も使用することができる。
いくつかの好ましい実施例では、哺乳類宿主細胞を用いて、本開示のMIF/D−DT交差反応ポリペプチドを発現させ生成している。例えば、これは、内因性グロブリン遺伝子を発現するハイブリドーマ細胞株、又は、正常な臨死動物細胞、又は正常あるいは異常な不死動物細胞、又はヒト細胞を含む外因性発現ベクターを含む哺乳動物細胞株であってもよい。(例えば、SP2/0骨髄腫細胞、CHO細胞、HeLa細胞、PER.C6細胞、COS細胞、HKB11細胞、NS0細胞)。例えば、CHO細胞株、様々なCos細胞株、HeLa細胞、骨髄腫細胞株、形質転換B−細胞及びハイブリドーマを含む、無傷免疫グロブリンを分泌できる数多くの適切な宿主細胞株が開発された。ポリペプチドを発現する哺乳動物組織株培地の使用は、概要が、例えば、Winnacker,FROM GENES TO CLONES,VCH Publishers,N.Y,N.Y.,1987で議論されている。哺乳動物宿主細胞の発現ベクターは、複製起源、プロモータ、エンハンサなどの発現制御配列(例えば、Queen et al.,(1986)Immunol.Rev.89:49−68参照)と、リボソーム結合部位、RNA接合部位、ポリアデニル化部位、及び転写ターミネータ配列などの必要な情報処理部位を含んでいてもよい。これらの発現ベクターは、通常、哺乳動物遺伝子由来の、又は哺乳動物ウイルス由来のプロモータを含んでいる。適切なプロモータは、構造的であり、細胞型特異的、発生時期特異的、及び/又は変調又は調整可能である。有益なプロモータには、限定するものではないが、メタロチオネインプロモータ、構造的アデノウイルス主要後期プロモータ、デキサメタゾン含有MMTVプロモータ、SV40プロモータ、MRPpolIIIプロモータ、構造的MPSVプロモータ、テトラサイクリン誘導可能CMVプロモータ(ヒト前初期CMVプロモータなど)、構造的CMVプロモータ、及びこの分野で知られているプロモータ−エンハンサの組み合わせ、がある。
対象となるポリヌクレオチドを含む発現ベクターを導入する方法は、細胞の宿主によって変わる。例えば、原核生物細胞には、通常塩化カルシウムトランスフェクションが使用されるが、その他の細胞の宿主には、リン酸カルシウム処理又はエレクトロポレーションが用いられる。(一般的に、Sambrook,et al.,supra参照)。その他の方法には、エレクトロポレーション、リン酸カルシウム処理、リポソーム媒介による転写、注入とマイクロ注入、弾道法、ビロソーム、免疫リポソーム、ポリカチオン核酸コンジュゲート、裸DNA、人工ビリオン、へルぺスウイルス構造タンパク質VP22への溶融(Elliot and O’Hare,(1977)Cell 88:223)、DNAの薬剤強化摂取、エックスビボ形質導入がある。遺伝子組み換えタンパク質の長期かつ高収率での産生には、安定した発現が望まれる。
(ii)モノクロナール抗体の生成
モノクロナール抗体(mAbs)は、例えば、Kohler and Milstein,(1975)Nature 256:495の標準体細胞交雑といった、従来のモノクロナール抗体方法論を含む、様々な技術で精製することができる。例えば、B−リンパ球のウイルス形質転換又は発がん性形質転換といった、モノクロナール抗体を生成する多くの技術を使用することができる。
ハイブリドーマを作成する動物系は、ネズミ系である。マウスにおけるハイブリドーマの産生は、確立された産生方法である。融合のための免疫化脾細胞を単離する免疫方法と技術は、この分野で良く知られている。融合パートナー(例えば、ネズミの骨髄腫細胞)と融合手順も公知である。
本開示のキメラ抗体又はヒト化抗体は、上述したように調製したネズミモノクロナール抗体の配列に基づいて調製することができる。重鎖及び軽鎖免疫グロブリンをエンコードするDNAは、対象となるネズミハイブリドーマから取得でき、標準分子生物学的手法を用いて、非ネズミ(例えばヒト)免疫グロブリン配列を含むように操作することができる。例えば、キメラ抗体を作るには、公知の方法を用いてネズミの可変領域をヒトの定常領域に結合させることができる(例えば、Cabilly et al.に付与された米国特許許第4,816,567号参照)。ヒト化抗体を作るには、公知の方法を用いてネズミのCDR領域を、ヒト骨格に挿入することができる。Winter et al.に付与された米国特許第5,225,539号、及びQueen et al.に付与された米国特許第5,530,101号、第5,585,089号、第5,693,762号、及び第6,180,370号参照。
所定の実施例では、本開示の抗体が、ヒトモノクロナール抗体である。このようなヒトモノクロナール抗体は、ネズミ系ではなくヒト免疫系の部分を持つ遺伝子組み換え又は染色体組み換えマウスを用いて作ることができる。これらの遺伝子組み換え又は染色体組み換えマウスは、ここで、HuMAbマウス及びKMマウス、とそれぞれ呼ばれるマウスを含み、これらは以下ではまとめて「ヒトIgマウス」と呼ぶ。
HuMAbマウス(登録商標)(Medarex,Inc.)は、不再配列ヒト重鎖(μ及びγ)及びκ軽鎖免疫グロブリン配列を、内因性μ及びκ鎖座を不活性化する標的変異体と共にエンコードする。ヒト免疫グロブリン遺伝子微小遺伝子座を含む。(例えば、Lonberg,et al.,(1994)Nature 368(6474):856−859参照)。したがって、このマウスは、発現が制御されたマウスIgM又はκを示し、免疫化に応じて、導入したヒト重鎖及び軽鎖遺伝子導入が、クラススイッチングと体細胞変異を受けて、親和性が高いヒトIGKモノクロナール抗体を生成する。(Lonberg et al.(1994)Handbook of Experimental Pharmacology 113:49−101;Lonberg and Huszar,(1995)Intern. Rev.Immunol.13:65−93、及びHarding and Lonberg,(1995)Ann.N.Y.Acad.Sci.764:536−546)。HuMAbマウスの調製と使用、及びこのようなマウスによって行われるゲノム修飾は、更に、Taylor et al.,(1992)Nucleic Acids Research 20:6287−6295;Chen et al.,(1993)International Immunology 5:647−656;Tuaillon et al.,(1993)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 94:3720−3724;Choi et al.,(1993)Nature Genetics 4:117−123;Chen et al.,(1993)EMBO J.12:821−830;Tuaillon et al.,(1994)J.Immunol.152:2912−2920;Taylor et al.,(1994)International Immunology 579−591; 及びFishwild et al.,(1996)Nature Biotechnology 14:845−841に述べられている。これらはすべて、引用により全体が本明細書に組み込まれている。更に、米国特許第5,545,806号、5,569,825号、第5,625,126号;第5,633,425号;第5,789,650号;第5,877,397号、第5,661,016号、第5,814,318号、及び第5,770,429号;すべて、Lonberg and Kayに付与;Surani et al.に付与された米国特許第5,545,807号;PCT公開公報WO1992/103918号、WO1993/12227号、WO1994/25585号、WO1997/113852号,WO1998/24884号、及びWO1999/45962号、すべてLonberg and Kayの出願;及びPCT公開公報第WO2001/14424号、参照。
別の実施例では、本開示のヒト抗体は、ヒト重鎖導入遺伝子とヒト軽鎖トランスクロソームを有するマウスなど、導入遺伝子及びトランスクロモソーム上にヒト免疫グロブリン配列を有するマウスを用いて作られる。このようなマウスは、ここでは、「KMマウス」と呼ばれ、Ishida et al.が出願したPCT公開公報WO2002/43478号に詳細に記載されている。
更に、ヒト免疫グロブリン遺伝子を発現する代替の導入遺伝子動物システムがこの分野で入手可能であり、本開示のMIF/D−DT交差反応抗体の作成に用いることができる。例えば、ゼノマウス(Xenomouse)(Abgenix,Inc.)と呼ばれる代替の導入遺伝子システムを使用することができる。このようなマウスは、例えば、Kucherlapati et alに付与された、米国特許第5,939,598号;第6,075,181号;第6,114,598号;第6,150,584号;及び第6,162,963号に記載されている。
更に、ヒト免疫グロブリン遺伝子を発現する代替のトランスクロモソーム動物系がこの分野で入手可能であり、本開示のMIF/D−DT交差反応抗体の作成に用いることができる。例えば、「TCマウス」と呼ばれるヒト重鎖トランスクロモソームとヒト軽鎖トランスクロモソームを両方持つマウスを使用することができる。このようなマウスは、Tomizuka et al.,(2000)Proc.Natl.Acad.Sci. USA 97:722−727に述べられている。更に、ヒト重鎖トランスクロモソームと軽鎖トランスクロモソームを有するウシがこの分野で記載されており(Kuroiwa et al.,(2002)Nature Biotechnology 20:889−894)、本開示のMIF/D−DT交差反応抗体の作成に使用できる。
本開示のヒトモノクロナール抗体は、ヒト免疫グロブリン遺伝子のライブラリをスクリーニングするファージ提示法を用いて作成することもできる。このようなヒト抗体を単離するファージ提示法は、この分野で確立されている、あるいは、以下の例に記載されている。例えば、Ladner et al.に付与された米国特許第5,223,409号;第5,403,484号;及び第5,571,698号;Dower et al.に付与された、米国特許第5,427,908号及び第5,580,717号;McCafferty et al.に付与された米国特許第5,969,108号及び第6,172,197号;及びGriffiths et al.に付与された米国特許第5,885,793号;第6,521,404号;第6,544,731号;第6,555,313号;第6,582,915号;及び第6,593,081号参照。
本開示のヒトモノクロナール抗体は、ヒト免疫グロブリン遺伝子のライブライをスクリーニングするリボソーム提示法、m−RNA提示法、バクテリア提示法、及びイースト提示法を用いて調整することもできる。一般的に、ヒト抗体ライブラリを提示する真核細胞は、この分野では一般的である。(Pluckthun,A.(1977)Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.94(10):4937−42;Lipovsek et al.(2004)Imm.Methods 290(1−2):51−67;He et al.(2007)Nature 4(3):281−288;Gold et al.(2001)Proc Natl Acad Sci USA 98(9):4825−6;Fukuda I,Kojoh K,Tabata N,et al.(2006)Nucleic Acids Res.34(19):e127;Fransisco et al.(1993)Proc.Nat.Acad.Sci.U.S.A.90:10444−48;Georgiou et al.(1997)Nat.Biotech.15(1):29−34;Boder et al.(2000)Proc Nat Aca Sci,97(20):10701−10705;Weaver−Feldhaus et al.(2004)FEBS Letters 564(1−2):24−34参照)。
本開示のヒトモノクロナール抗体は、ヒト免疫細胞を再構成して、免疫が付与されたときにヒト抗体反応が生じるようにした、SCIDマウスを用いて調整することもできる。このようなマウスは、例えば、Wilson et al.に付与された米国特許第5,476,996号、第5,698,767号に記載されている。
(iii)骨格又はFcエンジニアリング
あるタイプの骨格修飾は、骨格領域内、あるいは一またはそれ以上のCDR領域内で一またはそれ以上の残基を突然変異させて、T細胞−エピトープを取り除くことによって、その抗体の潜在的な免疫原性を下げるステップを含む。この方法は、「脱免疫原性」とも呼ばれ、Carr et al.が出願した米国特許出願公開第20030153043号により詳細に記載されている。
骨格又はCDR領域内での修飾に加えてあるいはこれに代えて、本開示の抗体を走査して、Fc領域内の修飾を含めて、典型的には、血中半減期、補体結合、Fcレセプタ結合、及び/又は抗原−依存性の細胞障害性といった、その抗体の一またはそれ以上の機能特性を変更することができる。更に、本開示の抗体は、化学的に修飾する(例えば、一またはそれ以上の化学的部分が抗体に付着できる)、または、グリコシル化を変えるように修飾する、再度、抗体の一またはそれ以上の機能特性を変更する、ことができる。これらの各実施例を、以下にさらに詳細に説明する。
一実施例では、CH1のヒンジ領域を、そのヒンジ領域のシステイン残基の数を例えば、増やすあるいは減らすなどして変更するように修飾する。この方法はBodmer et alによる米国特許第5,677,425号に更に記載されている。CH1のヒンジ領域中のシステイン残基の数は、例えば、重鎖又は軽鎖のアッセンブリを易にする、あるいは、抗体の安定性を上げるあるいは下げるために変更する。
別の実施例では、抗体のFcヒンジ領域を変異させて、抗体の生物学的半減期を下げる。特に、一またはそれ以上のアミノ酸変異株を、Fc−ヒンジ断片のCH2−CH3ドメインインターフェース領域に導入して、その抗体が、天然のFc−ヒンジドメインSpA結合に対して、ブドウ球菌タンパク質A(SpA)結合が弱くなるようにする。この方法は、Ward et al.による米国特許第6,165,745号にさらに詳細に記載されている。
更なる実施例では、少なくとも一のアミノ酸残基を別のアミノ酸残基で置換することによってこのFc領域を変化させ、抗体のエフェクタ機能を変更する。例えば、一またはそれ以上のアミノ酸を別のアミノ酸残基で置き換えて、抗体のあるエフェクタリガンドに対する親和性を変えるが、親抗体の抗原結合能力は維持するようにする。親和性が変わるエフェクタリガンドは、例えば、Fcレセプタ、又は補体のC1成分であってもよい。対応する修飾したイソタイプバージョンは、科学界ではIgG1f LALAとして知られている。上述した通り、この方法は、Winter et alによる、米国特許第5,624,821号及び第5,648,260号にさらに詳細に記載されている。
更なる実施例では、アミノ酸残基から選択された一またはそれ以上のアミノ酸を、別のアミノ酸残基で置換して、抗体がC1q結合を変化させる、及び/又は、補体依存性細胞障害を低減する又はなくすようにしている。この方法は、Idusogie et al.による米国特許第6,194,551号にさらに詳細に記載されている。
更なる実施例では、一またはそれ以上のアミノ酸残基を変化させることによって、抗体の補体を固定する能力を変える。この方法は、Bodmer et alによるPCT公開WO1994/9351号に更に記載されている。
更なる実施例では、Fc領域を修飾して、抗体の抗体依存性細胞毒性(ADCC)を媒介する能力を上げる、及び/又は、一またはそれ以上のアミノ酸を修飾することによってFcγレセプタに対する抗体の親和性を上げる。この方法は、PrestaによるPCT公開WO2000/42072号に更に記載されている。更に、ヒトIgG1の、FcγI、FcγRII、FcγRIII及びFcRnに対する結合部位をマッピングする旨、及び結合が改善した変異体が、記載されている。(Shields et al.,(2001)J.Biol.Chem.276:6591−6604参照)。
更なる実施例では、抗体のグリコシル化を修飾する。例えば、非グリコシル化抗体を作ることができる(すなわち、抗体がグリコシル化していない)。グリコシル化は、例えば、「抗原」に対する抗体の親和性を上げるように修飾することができる。このような炭水化物修飾は、例えば、抗体配列内の一またはそれ以上のグリコシル化部位を変えることによって行われる。例えば、一またはそれ以上の可変領域骨格グリコシル化部位をなくして、その部位におけるグリコシル化をなくす一またはそれ以上のアミノ酸の置換を行うことができる。このようなグリコシル化は、抗原に対する抗体の親和性を高める。この方法は、Co et al.による米国特許第5,714,350号及び第6,350,861号に詳細に記載されている。
追加で、又は代替的に、少量のフコシル残基を有する低フコシル化抗体や、増加した分割GlcNac構造を有する抗体といった、変化形グリコシル化を有する抗体を作ることができる。このような、変化形グリコシル化パターンは、抗体のADCC能力を上げることが示されている。このような、炭水化物修飾は、例えば、宿主細胞中の抗体を変化形グリコシル化機構で発現させることによって行うことができる。変化形グリコシル化機構を伴う細胞は、この分野で記載されており、本開示の遺伝子組み換え抗体を発現させる宿主細胞として使用して、変形グリコシル化を伴う抗体を生成することができる。例えば、Hang et al.によるEP1,176,195号は、機能的に分裂したFUT8遺伝子を伴う細胞株を記載している。この遺伝子は、低フコシル化を示すこのような細胞株中に抗体が発現するように、フコシル転移酵素をエンコードするPrestaによるPCT公開WO2003/035835号は、フコースをAsn(297)−結合炭水化物に付着させる能力が低く、その宿主細胞に発現した抗体の低フコシル化を招く変異CHO細胞株、Lec13細胞について述べている(Shields et al.,(2002)J.Biol.Chem.277:26733−26740も参照)。Umana et al.によるPCT公開WO1999/54342号は、糖タンパク質−修飾グリコシル転移酵素(例えば、β(1,4)−Nアセチルグリコサミニル−転移構想III(GnTIII))を発現するように改変して、その改変細胞株に発現した抗体が、抗体のADCC活性を増加させる、増加した分割GlcNac構造を示す細胞株について記載している。(Umana et al.(1999)Nat.Biotech.17:176−180も参照)。
別の実施例では、抗体をその生化学的半減期が長くなるように修飾している。様々な方法で行うことができる。例えば、Wardに付与された米国特許第6,277,375号に記載されているように、以下の変異体のうちの一またはそれ以上を導入できる:T252L、T254S、及びT256F。代替的に、Presta et al.による米国特許第5,869,046号及び第6,121,022号に記載されているように、生化学的半減期を長くするために、抗体をCH1又はCL領域内で変更して、IgGのFc領域のCH2ドメインの二つのループから取り出した、サルベージレセプタ結合エピトープを含むようにできる。
医薬組成物
本開示は、薬学的に許容可能なキャリアと共に調整したMIF/D−DT交差反応抗原結合部(完全又は結合断片)を含む医薬組成物を提供する。本開示の一の実施例では、MIF/D−DT交差反応抗体(完全又は結合断片)は、薬学的に許容可能なキャリアと共に調整される。この組成物は、更に、MIF/D−DTに関連する疾患を治療又は防止するのに好適な一またはそれ以上の治療薬剤を含むものでもよい。薬学的に、キャリアはこの組成物を強化するあるいは安定化させる、あるいは、組成物の調製を容易にする。薬学的に許容可能なキャリアは、溶媒、分散媒質、コーティング、抗菌及び抗カビ剤、等張及び吸収遅延剤、その他の生理学的に適合するものを含む。
本開示の医薬組成物は、この分野で知られている様々な方法で投与することができる。投与ルート及び/又はモードは、望まれる結果によって異なる。静脈内投与、筋肉内投与、腹腔内投与、経皮投与、又は標的部位近傍への投与が好ましい。薬学的に許容可能なキャリアは、静脈内投与、筋肉内投与、経皮投与、経口投与、脊髄投与又は表皮投与(例えば、注射又は点滴)が好ましい。投与ルートに依存して、活性化合物、すなわち、抗原結合部、抗体、二重特異性及び多重特異性分子、を、その化合物を酸の作用及びその化合物を不活性にする自然状態から保護する材料でコーティングしてもよい。
この組成物は、無菌かつ流体でなくてはならない。正しい流体性は、例えば、レクチンなどのコーティングの使用によって、分散する場合は必要な粒子サイズを維持することによって、及び界面活性剤を使用することによって維持できる。多くの場合は、組成物中に、例えば、砂糖、マンニトール又はソルビトールなどの多価アルコール、及び塩化ナトリウムといった等張剤を含めることが好ましい。注入可能な組成物の長期にわたる吸収は、組成物中に吸収を遅らせる薬剤、例えば、モノステアリン酸アルミニウム又はゼラチンを含めることによってもたらすことができる。
本開示の医薬組成物は、この分野でよく知られており、通常行われている方法に従って調整することができる。例えば、Remington:The Science and Practice of Pharmacy,Mack Publishing Co.,20th ed.,2000;及びSustained and Controlled Release Drug Delivery Systems,J.R.Robinson,ed.,Marcel Dekker,Inc.,New York,1978参照。医薬組成物は、好ましくは、GMP条件の下製造される。通常、治療的有効投与量又は有効容量のMIF/D−DT交差反応抗原結合部を、本開示の医薬組成物に使用する。MIF/D−DT交差反応抗原結合部は、この分野の当業者に知られている従来の方法で、薬学的に許容可能な投薬形態に調製される。投薬計画は、最適な所望の反応(例えば、治療反応)を提供するように調整される。例えば、単回ボーラスで投与してもよく、複数分割投与量を時間をかけて投与してもよく、投与量は、治療状態の危急性によるディスプレイに応じて少なくしたり、増やしたりしてもよい。投与を容易にし、投与量を均一にするために投与単位形のパレンタル組成物を調整することが特に有益である。ここで用いる投与単位形とは、治療する対象に単一投与として適した、物理的に分散した単位を意味し、各単位は、必要な薬学的キャリアに応じた所望の治療効果が生じるように計算された所定量の活性化合物を含む。
本開示の医薬組成物の活性成分の実際の投与レベルは、患者に毒性とならないようにして、特定の患者、蘇生、及び投与モードのための所望の治療反応を達成するのに効果的な活性成分量となるように変化させることができる。選択された投与レベルは、使用した本開示の特定の組成物、又はそのエステル、延、又はアミドの活性を含む様々な薬物動態的要因、投与ルート、投与時間、使用した特定の化合物の排泄率、治療期間、使用した特定の組成物と組み合わせた用いたその他の薬剤、化合物、及び/又は物質、治療を受けている患者の年齢、性別、体重、疾患、一般的な健康状態、及び既存症、などに依存する。
医師又は獣医は、所望の治療効果を達成するのに必要なレベルより低いレベルで医薬組成物に使用した本開示の抗体の投与を開始し、所望の効果が達成されるまで投与量を順次増やしてゆくことができる。一般的に、本開示の組成物の有効投与量は、個尾に述べたアレルギー性炎症疾患の治療用には、投与手段、標的部位、患者の生理学的状態、患者がヒトか動物化、その他の投与薬剤、治療が予防的なものか又は治療的なものか、を含めて様々な要因によって変わる。治療投与は、安全性と効果を最適にするように暫増する必要がある。抗体を用いて全身投与を行うためには、投与量は、宿主体重の、約0.0001乃至100mg/kgの範囲、より実用的には、0.01乃至15mg/kgである。例示的な治療計画は、2週間に一度、1か月に一度、又は3か月乃至6か月に一度の全身投与を必要とする。抗体を用いた硝子体内投与では、投与量は約0.0001mg乃至約10mgの範囲である。例示的な治療計画は、2週間に1度、1か月に一度、あるいは3乃至6か月に一度の全身投与を必要とする。
本開示の抗原結合部と抗体は、通常、何度も投与される。単回投与間のインターバルは、毎週、毎月、あるいは毎年であってもよい。全身投与のいくつかの方法では、血漿抗体濃度が1−1000μg/mlとなるように、及びいくつかの方法では25−500μg/mlとなるように調整される。代替的に、抗原結合部位は、徐放性製剤として投与することができる。この場合、より頻度の低い投与が必要である。投与量と頻度は、患者における抗原結合部位の半減期によって変わる。一般的に、ヒト抗体及びヒト化抗体は、キメラ抗体や非ヒト抗体より半減期が長い。投与量と投与頻度は、治療が予防的なものか、血腸的なものかによって変わる。予防的アプリケーションでは、比較的低い投与量を比較的頻度の低いインターバルで、長期にわたって投与する。残り一生にわたって治療を受け続ける患者もいる。治療的アプリケーションでは、比較的短いインターバルで、比較的高い投与量を、疾患の進行が遅くなる又は止まるまで、好ましくは患者が疾患の症状の部分的又は完全な改善を示すまで、投与する必要があることがある。その後、患者は、予防的投与計画で投与することができる。
MIF/D−DT交差反応抗体(完全抗体又は結合断片)を含む医薬組成物又は滅菌組成物を作成するには、MIF/D−DT交差反応抗体(完全抗体又は結合断片)を、薬学的に許容可能なキャリア又は賦形剤と混合する。
その抗体又は断片の望ましい投与は、モル/kg体重ベースで、抗体又はポリペプチドとほぼ同じである。抗体又は断片の望ましい血漿濃度は、モル/kg体重ベースで、抗体又はポリペプチドとほぼ同じである。投与量は、少なくとも15μg、少なくとも20μg、少なくとも25μg、少なくとも30μg、少なくとも35μg、少なくとも40μg、少なくとも45μg、少なくとも50μg、少なくとも55μg、少なくとも60μg、少なくとも65μg、少なくとも70μg、少なくとも75μg、少なくとも80μg、少なくとも85μg、少なくとも90μg、少なくとも95μg、少なくとも100μgであってもよい。対象に投与する回数は、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、又はそれ以上であってもよい。
本開示の抗体又はその断片についての、患者に投与する量は、患者の体重の0.0001乃至100mg/kgであってもよい。投与量は、患者の体重の0.0001乃至20mg/kg、0.0001乃至10mg/kg、0.0001乃至5mg/kg、0.0001乃至2mg/kg、0.0001乃至1mg/kg、0.0001乃至0.75mg/kg、0.0001乃至0.5mg/kg、0.0001乃至0.25mg/kg、0.0001乃至0.15mg/kg、0.0001乃至0.10mg/kg、0.001乃至0.5mg/kg、0.01乃至0.25mg/kg、0.01乃至0.10mg/kgであってもよい。
本開示の抗体又はその断片の投与量は、投与する単回投与量(mg/kg)を掛けた患者の体重(kg)を用いて計算する。本開示の抗体又はその断片の投与量は、患者の体重の、150μg/kg又はそれ以下、125μg/kg又はそれ以下、100μg/kg又はそれ以下、95μg/kg又はそれ以下、90μg/kg又はそれ以下、85μg/kg又はそれ以下、80μg/kg又はそれ以下、75μg/kg又はそれ以下、70μg/kg又はそれ以下、65μg/kg又はそれ以下、60μg/kg又はそれ以下、65μg/kg又はそれ以下、60μg/kg又はそれ以下、55μg/kg又はそれ以下、50μg/kg又はそれ以下、45μg/kg又はそれ以下、40μg/kg又はそれ以下、35μg/kg又はそれ以下、30μg/kg又はそれ以下、25μg/kg又はそれ以下、20μg/kg又はそれ以下、15μg/kg又はそれ以下、10μg/kg又はそれ以下、5μg/kg又はそれ以下、2.5μg/kg又はそれ以下、2μg/kg又はそれ以下、1.5μg/kg又はそれ以下、1μg/kg又はそれ以下、0.5μg/kg又はそれ以下、0.5μg/kg又はそれ以下であってもよい。
本開示の抗体又はその断片の単回投与量は、0.1mg乃至20mg、0.1mg乃至15mg、0.1mg乃至12mg、0.1mg乃至10mg、0.1mg乃至8mg、0.1mg乃至7mg、0.1mg乃至5mg、0.1mg乃至2.5mg、0.1mg乃至0.25mg、0.25g乃至20mg、0.25g乃至15mg、0.25mg乃至12mg、0.25mg乃至10mg、0.25mg乃至8mg、0.25mg乃至7mg、0.25mg乃至5mg、0.5mg乃至2.5mg、1mg乃至20mg、1mg乃至15mg、1mg乃至12mg、1mg乃至10mg、1mg乃至8mg、1mg乃至7mg、1mg乃至5mg、1mg乃至2.5mg、であってもよい。
本開示の抗体又はその断片の投与量は、対象中に、少なくとも0.1μg/ml、少なくとも0.5μg/ml、少なくとも1μg/ml、少なくとも2μg/ml、少なくとも5μg/ml、少なくとも6μg/ml、少なくとも10μg/ml、少なくとも15μg/ml、少なく20μg/ml、少なくとも25μg/ml、少なくとも50μg/ml、少なくとも100μg/ml、少なく125μg/ml、少なくとも150μg/ml、少なくとも175μg/ml、少なくとも200μg/ml、少なく225μg/ml、少なくとも250μg/ml、少なくとも275μg/ml、少なくとも300μg/ml、少なく325μg/ml、少なくとも350μg/ml、少なくとも375μg/ml、少なくとも400μg/mlの血清力価を達成する。代替的に、本開示の抗体又はその断片の投与量は、その対象中に、少なくとも0.1μg/ml、少なくとも0.5μg/ml、少なくとも1μg/ml、少なくとも2μg/ml、少なくとも5μg/ml、少なくとも6μg/ml、少なくとも10μg/ml、少なくとも15μg/ml、少なく20μg/ml、少なくとも25μg/ml、少なくとも50μg/ml、少なくとも100μg/ml、少なく125μg/ml、少なくとも150μg/ml、少なくとも175μg/ml、少なくとも200μg/ml、少なく225g/ml、少なくとも250μg/ml、少なくとも275μg/ml、少なくとも300μg/ml、少なく325μg/ml、少なくとも350μg/ml、少なくとも375μg/ml、少なくとも400μg/mlの血清力価を達成する。
本開示の抗体又はその断片の投与量を繰り返し、投与は、少なくとも1日、2日、3日、5日、10日、15日、30日、45日、2か月、75日、3か月、又は少なくとも6か月に分けて行ってもよい。
特定の患者に対する行こう量は、治療を行っている疾患、患者の全体的な健康状態、投与の方法、ルート、及び投与量、及び、副作用の重症度によって異なる。(例えば、Maynard,et al.(1996)A Handbook of SOPs for Good Clinical Practice,Interpham Press,Boca Raton,Fla.;Dent(2001)Good Laboratory and Good Clinical Practice,Urch Publ.,London,UK参照)
投与ルートは、例えば、局所又は皮膚への適用、静脈内、腹腔内、大脳内、筋肉内、眼球内、動脈内、脳脊髄内、病巣内の注射又は点滴によって、あるいは、放出システム又はインプラントによる(例えば、Sidman et al.(1983)Biopolymers 22:547−556;Langer,et al.(1981)J.Biomed.Mater.Res 15:167−277;Langer(1982)Chem. Tech.12:98−105;Epstein, et al.(1985) Proc.Natl.Acad.Sci.USA 82:3688−3692:Hwang,et al.(1980)Proc.Natl.Acad.Sei.USA 77:4030−4034;U.S.Pat.Nos.6,350,466and6,316,024参照)。必要な場合は、この組成物は、可溶剤と、リドカインなどの局所麻酔を含めて、注入部位の痛みを抑えるようにしてもよい。更に、吸入器、又はネブライザを用いるとともに、エアロゾル化剤を調製して、肺内投与を行ってもよい。米国特許第6,019,968号、第5,985,320号、第5,985,309号、第5,934,272号、第5,874,064号、第5,855,913号、第5,290,540号、及び第4,880,078号、及びPCT公開第WO1992/19244、WO1997/32572、WO1997/44013、WO1998/31346、WO1999/66903号参照。これらは、ここに全体を引用することにより組み込まれている。
本開示の組成物は、この分野で知られている一またはそれ以上の様々な方法を用いて、一またはそれ以上の投与ルートを介して投与することができる。当業者には自明なように、投与のルート及び/又はモードは、所望する結果によって変わる。本開示の抗体又はその断片の選択された投与ルートには、静脈内、筋肉内、皮内、腹腔内、皮下、脊髄、又は、例えば注射や点滴といった、その他の非経口投与ルートであってもよい。非経口投与は、通常注射による腸内及び局所投与以外の投与モードを意味しており、限定するものでなく、静脈内、筋肉内、動脈内、髄腔内、嚢内、眼窩内、心臓内、皮内、腹腔内、経気管、経皮、表皮下、関節内、被膜下、くも膜下、髄腔内、硬膜外、及び、胸骨下の注入及び点滴以外の投与を意味する。代替的に、本開示の組成物は、局所、表皮又は粘膜投与ルートといった、非経口ルートを介して、鼻腔内、経口、経膣直腸、舌下又は経皮投与できる。
本開示の抗体又はその断片と組み合わせて投与できるその他の治療(例えば、予防的薬剤又は治療的薬剤)は、本開示の抗体又はその断片から、5分未満離して、30分未満離して、1時間離して、約1時間離して、約1乃至約2時間離して、約2乃至約3時間離して、約3乃至約4時間離して、約4乃至約5時間離して、約5乃至約6時間離して、約6乃至約7時間離して、約7乃至約8時間離して、約8乃至約9時間離して、約9乃至約10時間離して、約10乃至約11時間離して、約11乃至約12時間離して、約12時間乃至18時間離して、約18時間乃至24時間離して、約24時間乃至約36時間離して、約36時間乃至48時間離して、約48時間乃至52時間離して、52時間乃至60時間離して、60時間乃至72時間離して、72時間乃至84時間離して、84時間乃至96時間離して、96時間乃至120時間離して、投与できる。2又はそれ以上の治療を、同じ患者の来訪で投与してもよい。
本開示の抗体又はその断片と、その他の治療は、循環的に投与できる。循環治療は、第1の治療の投与(例えば、第1の予防的又は治療的薬剤)をある時間行った後、第2の治療(例えば、第2の予防的又は治療的薬剤)をある時間行い、選択的に、第3の治療(例えば、予防的又は治療的薬剤)をある時間行う、などして、この逐次投与を繰り返す。すなわち、このサイクルは、この治療の一つに対する抵抗力の発達を低減するため、この治療の一つの副作用を防ぐ又は低減するため、及び/又は、治療の効果を改善するためである。
所定の実施例では、本開示の抗体又はその断片を、インビボで確実に正しく分布されるように調製できる。例えば、血液脳関門(BBB)は、多くの高親水性化合物を排除する。本開示の治療用化合物がBBBを確実に超えるようにする(所望であれば)ためには、本開示の抗体又はその断片を、例えば、リポソーム中で調製することができる。リポソームの製造方法は、例えば、米国特許第4,522,811号;第5,374,548号;及び第5,399,311号を参照されたい。リポs−無は、特定の細胞又は器官に選択的に運ばれる一またはそれ以上の部位を有しており、したがって、標的薬剤送達を強化する。(例えば、V.V.Ranade(1989)J.Clin.Pharmacol.29:685参照)。例示的な標的部位には、葉酸又はビオチン(例えば、Low et al.に付与された米国特許第5,416,016号);マンノシド(Umezawa et al.,(1988)Biochem.Biophys.Res.Commun.153:1038);抗体(P.G.Bloeman et al.(1995)FEBS Lett.357:140;M.Owais et al.(1995)Antimicrob.Agents Chemother.39:180);サーファクタント・タンパク質Aレセプタ(Briscoe et al.(1995)Am.J.Physiol.1233:134);p120(Schreier et al.(1994)J.Biol.Chem.269:9090);がある。また、K.Keinanen;M.L.Laukkanen(1994)FEBS Lett.346:123;J.J.Killion;I.J.Fidler(1994)Immunomethods 4:273も参照されたい。
本開示は、本開示の抗体又はその断片を単独で含む医薬組成物の、又は、その他の治療薬と共に行う、その抗体又はその断片を必要とする対象への投与のためのプロトコルを提供する。本開示の組み合わせによる治療(例えば、予防的又は治療的薬剤)は、対象に、同時に又は順次に投与できる。本開示の組み合わせによる治療(例えば、予防的又は治療的薬剤)は、循環的に行うこともできる。循環的治療には、第1の治療の投与(例えば、第1の予防的又は治療的薬剤)をある時間行った後、第2の治療(例えば、第2の予防的又は治療的薬剤)をある時間行い、この逐次投与を繰り返す。すなわち、このサイクルは、この治療(薬剤)の一つに対する抵抗力の発達を低減するため、この治療の一つの副作用を防ぐ又は低減するため、及び/又は、治療(薬剤)の効果を改善するためである。
本開示の組み合わせ治療(例えば、予防的又は治療的薬剤)は、同時に対象に投与してもよい。用語「同時に」とは、治療薬(例えば、予防的又は治療的薬剤)を正確に同時に投与することに限定するものではなく、むしろ、本開示の抗体又はその断片を含む医薬組成物を対象に順次、及び本開示の抗体が他方の治療とたがいに作用して、単独で投与した場合よりも高い利点を提供するような時間インターバルで投与することを意味している。例えば、各治療は、池沼に同時に、又は異なる時点で任意の順序で投与してもよいが、同時に投与しない場合は、これらの治療は、所望の治療的又は予防的効果を提供するような十分に近い時間で投与すべきである。画治療は、任意の適切な形で、任意の適切なルートで対象に個別に投与してもよい。様々な実施例では、この治療(例えば、予防的又は治療的薬剤)は、対象に15分未満で、30分未満で、1時間未満離れて、約1時間離して、約1時間乃至約2時間離して、約2時間乃至約3時間離して、約3時間乃至約4時間離して、約4時間乃至約5時間離して、約5時間乃至約6時間離して、約6時間乃至約7時間離して、約7時間乃至約8時間離して、約8時間乃至約9時間離して、約9時間乃至約10時間離して、約10時間乃至約11時間離して、約11時間乃至約12時間離して、24時間離して、48時間離して、72時間離して、又は1週間離して、投与される。別の実施例では、2又はそれ以上の治療(例えば、予防的又は治療的薬剤)を同じ患者の来訪の中で投与する。
組み合わせ治療の予防的又は治療的薬剤は、同じ医薬組成物中で対象に投与することができる。代替的に、この組み合わせ治療の予防的又は治療的薬剤は、個別の医薬組成物中で対象に同時に投与してもよい。この予防的又は治療的薬剤は、同じ又は異なる投与ルートで対象に投与することができる。
完全に説明した本開示を、以下の例示と請求の範囲によって更に説明する。これは、説明のためのものであって、更なる限定を意味するものではない。

Figure 2014526886
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物質及び方法
完全に説明した本開示を、以下の例示と請求の範囲によって更に説明する。これは、説明のためのものであって、更なる限定を意味するものではない。
1:抗体同定用のファージディスプレイ抗体ライブラリ
MIFとD−DTを交差特定的に認識する抗体を選択するために、市販のファージディスプレイライブラリである、MophoSys HuCAL PLATINUM(登録商標)ライブラリを使用した。MIFとD−DTに交差特異的治療抗体は、両タンパク質に結合親和性を有するクローンを同定して選択することによって生成した。この抗体ライブラリは、HuCAL(登録商標)コンセプト(Knappik et al.,(2000)J Mol Biol 296:57−86)に基づいており、ファージ表面にFabをディスプレイするCysDisplay(商標)技術を用いている(LohningのWO2001/05950)。
(a)パニング
MIF/D−DT交差反応抗体を同定するために、このプロジェクトを通して様々なパニング戦力を実行した。これによって、組み換え型、生成ヒトMIFとヒトD−DTをパニング抗原として使用した。組み換え型MIFは、受託番号:CAG30406.1に規定されているMIFを意味し、D−DTは、受託番号:NP_001346に規定されているD−DTを意味する。両抗原とも、選択とスクリーニング工程様に、タグのない、HIS−タグのついた、あるいはビオチン化した抗原として使用した。
ここに記載したすべてのパニング戦略と抗原は、抗体選択工程様に使用した。各パニング戦略は、少なくとも3つの独立した一連のパニングと、含有された独自の抗原、抗原濃度、及び洗浄厳重性からなる。更に、ここに記載したすべてのパニング戦略と抗原を組み合わせたり、混合して、様々なパニング戦略として使用した。
i)MIF及びD−DTに対する固相パニング
固相パニング用に、ブロックしたファージを、固体表面(例えば、Maxisorpプレート)上に被覆した組み換え型MIF又はD−DTタンパク質で、又は、reacti−bindニュートラビシンプレート(Thermo Scientific)上に固定した組み換え型ビオチン化MIF又はD−DTをインキュベートした。PBSTとPBSを十分に用いて、非特異ファージを洗い流した。少なくとも3回の一連のパニングを行い、その3回の一連のパニングを通じて常に、あるいは代替の方法で、抗原MIF又はD−DTを使用した。
各一連のパニングで、残りのファージを溶離して、溶離したファージを即座に用いてE.coliTG1バクテリア感染させた。ヘルパーファージを用いてそのファージをレスキューした後、ポリクロナール増幅ファージ出力を再度滴定し、続く選択ステップで使用した。
個々のパニングで、出力滴定に応じて、各個々のパニングラウンド後にそくていした抗原濃度と洗浄厳重性を調製して、各抗原に対して高い親和性を持つクローンの選定を促進した。
ii)MIFに対するポリクロナール抗MIF抗体捕捉パニング
更に、ポリクロナールMIF−特異的抗血清を用いて、パニング目的で、固体表面上の精製したMIFタンパク質をファージライブラリに提示した。これによって、ポリクロナールMIF−特異的抗体を、マキシソーププレート上に一晩被覆した。PBSで洗浄し、5%のミルク/PBSでブロックした後、生成したMIFタンパク質をそのプレートにさらして、1時間更にインキュベートした。これによって、被覆したMIF−特異的抗体によってMIFを捕捉し、様々な方向にファージを提示した。MIFとD−DTをに対する固相ファージパニングの記載に従って、少なくとも3ラウンドのパニングを行った。
(iii)MIF及びD−DTに対する半溶液パニング
半溶液パニング用に、組み換え型ヒトMIFを、カルボキシル酸M−270−Dynabeadsに結合させた。
予め洗浄したファージを、回転機の上でMIFで被覆したビーズで1−2時間インキュベートした。次いで、磁気選別機を用いてビーズを回収して、PBSTとPBSで洗浄した。ビーズに結合したファージを、300μL 10mM Tris−HCl/20mM DTT、pH8.0のRTで7分間溶離した。溶離したファージを即座に用いて、E.coliTG1バクテリア感染させた。ファージの感染、増幅、ファージ精製、および出力滴定の決定は、MIFとD−DTに対する固相パニングで上述したように行った。
(iv)ビオチン化MIFとD−DTに対する溶液ファージパニング
様々なビオチン化した組み換え型MIF又はビオチン化組み換え型D−DTタンパク質を用いて、溶液ファージパニングの各ラウンドを実行した。タンパク質は、Amersham ECL(登録商標)タンパク質ビオチン化キット(GE Healthcare)を用いて、製造者の指示書に従ってビオチン化した。ストレプトアビジン結合磁気ビーズ(Dynabeads,Dynal)とHuCAL PLATINUM(登録商標)ファージ−抗体を洗浄して、Chemiblocker(Chemicon)でブロックした。ファージの上澄みを、ブロックした2mLの反応管に移して、適切なビオチン化抗体を加え、回転機上で、室温で60分間インキュベートした。100μlのブロックしたストレプタビジン磁気ビーズを各パニングプールに加えて、混合物を室温の回転機で20分間インキュベートした。磁気粒子分離機(Dynal)を約3分間用いて、ビーズを回収し、溶液は廃棄した。ファージに結合しているバックグラウンドを、PBSTを用いて広範囲に洗浄することで除去した。結合したファージは、各チューブに200μl、20mM DTT/10mMのトリス塩酸(pH8)を加えてDynabeadsから溶離し、室温で15分間インキュベートした。磁気粒子分離機を用いてDynabeadsを除去し、上澄を大腸菌TG−1にさらした。200μlのPBSと一度混合することによって、追加のファージをDynabeadsから回収して、上澄を回収し、上述した大腸菌TG−1に加えた。固相ファージパニングで述べたものと同様に、ファージ感染を行った。
(v)非ビオチン化MIF−Hisに対する溶液相パニング
ビオチン化は、天然3次元構造のMIFに負の影響を持つため、代替の溶液相パニング戦略を追加で含めた。このパニング工程は、代替は上述した通りであるが、非ビオチン化MIF分子の使用ができ、ファージ−MIF−His複合体のHisタグを、Ni−NTA磁気ビーズによって捕捉した。
(b)選択したFab断片のサブ・クローニングと微表情微小発現分析
可溶Fabの急速発現を容易にするために、選択したHuCAL PLATINUM(登録商標)ファージのFabをエンコードするインサートを、制限酵素切断部位を介して、特異性発現ベクターにサブクローンした。Fabでエンコードしたベクターを用いてTG1−Fバクテリアを形質転換した後、HuCAL(登録商標)−Fab断片を含むペリプラスム抽出物の単一クローン発現と調製を行った。Fab−含有ペリプラスム抽出物を、初期スクリーニング段階に用いた。
二次スクリーニング段階には、精製したFabを用いた。TG−1細胞中のFab断片の発現は、34μg/mlのクロラムフェニコールを加えた500mlの2×YT培地を用いて、振とうフラスコ中で行った。OD600nmがになるまで、30℃の温度で培地を振った。30℃の温度で20時間、0.75mMのIPTGを加えることで、発現が誘発された。リゾチームと、Ni−NTAクロマトグラフィ(Bio−Rad,Germany)で単離したFab断片を用いて、細胞を破砕した。UV−分光光度計を用いてタンパク質濃度を測定した。Fab断片の純度を分析した。SDS−PAGEを用いて変性、低減させた態様で、及びHP−SECによる自然な状態で、Fab断片の純度を分析した。
2.IgGへの転化
完全長IgGsを発現させるために、ヒトIgG2、ヒトIgG4、ヒトIgG4_Pro,及びヒトIgG1f LALA について、重鎖(VH)及び軽鎖(VL)の可変ドメイン断片を、Fab発現ベクターから適宜のpMORPH(登録商標)_hIGベクターへサブクローンした。
3.ヒトIgGの一過性発現と精製
真核HKB11細胞を、等量のIgG重鎖及び軽鎖発現ベクター(pMORPH2)又は、IgGsの重鎖及び軽鎖をエンコードする発現ベクターDNAで形質転換した。形質転換後3乃至7日で、細胞培養上清を大まかに採取した。除菌後、溶液を標準タンパク質A親和性クロマトグラフィ(MabSelect SURE,GE Healtheare)にかけた。特に記載がない限り、1×Dulbecco’s PBS(pH7.2、Invitrogen)か、又は、クエン酸塩緩衝液(100mMクエン酸、150mM NaCl,pH5.0)に緩衝液の交換を行い、サンプルを除菌した(0.2μm ポアサイズ)。紫外分光光度計で、タンパク質濃度を測定した。SDS−PAGE中の変性、低減状態及び非低減状態で、あるいは、HP−SECによって自然な状態で、Agilent BioAnalyzerを用いて、IgGの純度を分析した。
4.スクリーニング
(i)MIFとD−DTについてのELISAスクリーニング
50以上の個別パニングアプローチを一緒に行った。スクリーニングをして、MIFとD−DTに対する交差特異性を確認して、独自の抗体クローンを同定したファージは、50プール以上となった。
ELISAと、濃度1μg/mlで、reacti−結合ニュートラビジンプレート(Thermo Scientific)上に被覆したビオチン化組み換え型ヒトMIF又はD−DTによって、室温で1.5時間、一次スクリーニングを行った。reacti−結合ニュートラビジンプレートは、スクリーニングの前に、PBS/5%スキムミルクパウダーで前処理を行った。
PBSTを用いて洗浄した後、Fab−含有ペリプラスム抽出物、又は生成したIgGsを塗布して、室温で2時間インキュベートした。
続いて洗浄した後、抗原−特異的に結合したFab又はIgGを、AP−ヤギ−非ヒトIgG Fc−γ断片特異的(Fa Jackson ImmunoResearch)二次抗体を介して検出し、次いでAttophos(Fa ROCHE)を塗布した。
結果:
一次スクリーニングでは、分析した全〜27000クローンのうち、〜3000のヒットが、MIF又はD−DTに特異的に結合するものと同定された。これらの3000の一次ヒットから、740のクローンを続く分析にかけて、410のクローンが独自のものであると認定された。これらの410のクローンを更にスクリーニングしたところ、3つのクローンのみが、Fab及びIgGフォーマットでMIFとD−DTに交差反応すると立証された。
実施例
実施例1:ELISAによる組み換え型MIFとD−DTに対する抗体の特異的結合
ヒトMIFとD−DTに対する抗体の交差反応性を、ELISAによって測定した。濃度1μg/mlのビオチン化組み換え型ヒトMIF又はD−DTを、室温で、1.5時間、reacti−結合ニュートラビジンで被覆した黒384−ウエルプレート上に被覆した。Reacti−結合ニュートラビジンプレートは、PBS/5%スキムミルクパウダーで前処理を行った。PBSTで洗浄した後、精製IgGsを、MIF又はD−DTを被覆したプレートにそれぞれ、濃度6.25nMで塗布し、室温で2時間インキュベートした。続いて洗浄した後、抗原特異性結合IgGを、AP−ヤギ−非ヒトIgG Fc−γ断片特異的(Fa Jackson ImmunoResearch)二次抗体を介して検出し、製造者のマニュアルに従って行ったAttophos (Fa ROCHE)を塗布した。Tecan Reader GeniosProによって蛍光強度を測定し、個々のクローンの蛍光濃度を対照抗体と比較した。
結果:
広範囲にわたって特性評価を行った後、3つの個々のクローンがヒトMIFとヒトD−DTに交差反応的であることを順次同定した。これらのクローンは、両抗原についての陰性対照と比較して、少なくとも5倍のシグナル強度で交差反応結合を示した(図2)。特に、従来技術のモノクロナール抗MIF−抗体IIID9、Bax69及びBax94(PCT公開WO2009/086920号参照)を、MAB289(R&D)と2A10(AbD Serotec)と共に、ヒトMIFのみで検出し、D−DTは検出しなかったものと同じ条件で試験を行い、これらは交差反応性ではなかった。
実施例2:ELISAによるMIFとD−DT交差反応抗体の半数効果濃度測定
更なる特性評価を行うために、MIFとD−DTに対する各交差反応性抗体についての半数効果濃度を、実施例1によるELISAのセッティングに基づいて測定した。個々の抗体の濃度は、滴定を行い、MIFで被覆したプレートとD−DTで被覆したプレートの上に、0nMから166nMまでの8の異なる濃度を順次塗布した。1μg/mlの濃度のビオチン化組み換え型ヒトMIF又はD−DTを、reacti−結合ニュートラビジンで被覆した黒384−ウエルプレート(Thermo Scientifc)上で、室温で、1.5時間、被覆した。Reacti−結合ニュートラビジンプレートは、PBS/5%スキムミルクパウダーで、予め前処理を行った。PBSTで洗浄した後、MIF又はD−DT被覆プレートに、それぞれ、精製したIgGsを加え、室温で2時間インキュベートした。次いで洗浄した後、抗原特異的結合IgGを、AP−ヤギ−非ヒトIgG Fc−γ断片特異的(Fa Jackson ImmunoResearch)二次抗体を介して検出し、製造者のマニュアルに従ってAttophos (Fa ROCHE)を塗布した。Tecan Reader GeniosProによって蛍光強度を測定し、個々のクローンの蛍光濃度を、典型的な抗体滴定曲線にプロットした。非線形回帰分析法により、プログラムGraphPad Prismを用いて、半数効果濃度測定値を測定した。
結果:
3つのMIF/D−DT交差反応抗体すべて(A=MOR014093; B=MOR014116; C=MOR014138)について、半数効果濃度測定を行うことができ、この濃度は0.3nM乃至22nMの範囲であった(図3及び図4)
Figure 2014526886
実施例3:MIFとD−DT交差反応抗体によるCD74に対するMIF−結合の阻害 選択されたMIFとD−DT交差反応抗体の、MIFのレセプタCD74に対する結合能力を、固定化CD74エクトドメイン(sCD7473−232)を用いて、インビトロでの競合試験で分析した。384ウエルプレートの個々のウエルを、4℃で、26μg/mlのsCD7473−232で一晩被覆し、洗浄し、PBS/5% BSAで2時間ブロックした。抗−MIF/D−DT交差反応抗体又は対照抗体(50μg/ml)と組み合わせたビオチン化MIF(5μg/ml)を2組、同時適用して、室温で2時間インキュベートした。ストレプタビジン−コンジュゲートアルカリ性ホスファターゼを1時間加えて、結合した、ビオチン化MIFを測定し、次いで、Attophosで洗浄し検出した。Tecan Reader GeniosProを介して、蛍光強度を測定した。この値を、対照抗体を持つビオチン化ヒトMIFを含むウエルに対する蛍光強度パーセンテージとしてプロットした。
本出願に開示したMIF/D−DT交差反応抗体を取り出すとCD74に対するMIF−結合を阻害するという意味で異なる機能性を示した。一の抗体(MOR014093)は、MIF/CD74相互作用の大祖80%を阻害するが、二つの抗体(MOR014116とMOR014138)は、CD74に対するMIF−結合の阻害は、わずかであるかなかった(図5)。
実施例4:MIF/D−DT交差反応抗体によるIL−6及びIL−1β放出の阻害
更なる特性評価を行うために、単核白血球のIL−6及びIL−1βからのMIF/D−DT交差反応抗体放出を、3つの同定した交差特異的抗体について分析した。
Biocoll(Biochrome)を用いた標準プロトコルに従って、ドナー血液から抹消血単核球(PBMCs)を単離した。PBMCsから単核白血球の分離は、Miltenyi Biotecからの「ヒト単核白血球単離キットII」を用いて行った。これは、間接的磁気ラべリングシステムである。磁気分離は、LSコラムの付いたVario MACS(登録商標)(Magnetic activated cell sorting:Miltenyi Biotec)分離機上で、指示マニュアルに従って行った。
単離した単核白血球(−0.2×10細胞/ml;2%FCSを含むRPMI培地中)を96−ウエルプレートに移して、ウエル当たりの最終濃度が100μg/mlの特定のMIF/D−DT交差反応抗体で、37℃、5%COで、1時間、インキュベートした。次いで、抗体で処理した単核白血球を、0.1ng/mlの大腸菌(Serotype 0111:B4 O111:B4)LPS(Sigma))で刺激して、37℃、5%COで、一晩インキュベートした。上澄を回収して、IL−6及びIL−1β濃度を、ビーズベースのCBA Flex Set システム(BD Biosciences)で測定し、負の対照として使用した非特定抗体と比較した。
上記による分析時に、抗体MOR014116(B)は、LPSでの刺激で誘発された20%乃至30%のIL−6及びIL−1βの放出を維持した。一方、抗体MOR014093(A)は、10%のIL−1βを阻害し、抗体MOR014138(C)は、分析した両炎症性サイトカインに対して効果を示さなかった。
実施例5: MIF/D−DT交差反応抗体の同定のための選択戦略
ファージディスプレイ抗体ライブラリからのMIF/D−DT交差反応抗体の同定のために、組み換え型ヒトMIF及び組み換え型ヒトD−DTを抗体として交替で用いた、溶液ファージパニングを行うことができる。3段階のパニング工程を通してMIFとD−DTを交替で用いることによって、両抗原に保存されている抗原結合部位検出特異領域のみが同定される。
両抗原である、組み換え型の精製したヒトMIFとヒトD−DTを、選択及びスクリーニング工程様のビオチン化抗原として用い、その機能活性を、以下に述べる互変異性酵素アッセイによって事前に試験して、両タンパク質の正しい折り畳み構造と生理学的3D構造を確実にする。
互変異活性アッセイ
MIF並びにD−DTは、酵素活性(互変異性)を有する。この酵素活性領域は、その生理学的活性に不可欠であると考えられている。基板ヒドロシキフェニルピリミジン(HPP)が使用されている。代替的に、D−ドーパクロームを基盤として用いて、後変異活性を分析してもよい。MIF又はD−DTを含有する溶液を、3700μlのホウ酸バッファに加えて、PBSを加えて、トータルで4000μlとして、最終MIF又はD−DT濃度を50nMとする。そのうち96μlを96ウエルプレートにす。4μlの25mM4−HPP(ALDRICH,Cat.#114286−5G,MW=180.16)、pH6.0を各ウエルに加えて、306nmで30秒間、吸光度を迅速に読み取る。MIFとD−DTの両タンパク質の互変異活性は、その生理学的一致を表している。
ビオチン化ヒトMIFとヒトD−DTを用いた、交互の溶液相MIF−D−DT−MIFパニング
ストレプトアビジン結合磁気ビーズ(Dynabeads M−280,c=10mg/ml,Dynal)とファージディスプレイ抗体ライブラリのファージ調製液を洗浄し、Chemiblocker(Chemicon)でブロックした。50μlの各ファージ−抗体調製液を450μlのPBSと混合し、更に、500μlの2×Chemiblocker/0.1%Tweenを加える。同時に、1mlのストレプトアビジン結合磁気ビーズを、1mlのPBSで2回洗浄し、1mlの1×Chemiblockerに再懸濁させる。洗浄後、100μlのPBSにビーズを懸濁させ、100μlの1×Chemiblockerを加える。これら、ファージ、並びに磁気ビーズを、室温で、回転機で1.5時間インキュベートする。
化学ブロック後に、ファージ−抗体調製液をストレプトアビジン結合磁気ビーズで、30分間インキュベートして、非特異的に磁気ビーズに付いたファージ−抗体をすべて予め吸収する。インキュベーション後に、磁気セパレータを用いてビーズを単離し、ファージ含有上澄液を第1ラウンドのパニングに使用する。
第1パニングラウンド
第1のパニングラウンドには、予めブロックされており、予め吸収したファージ−抗体を100nMのビオチン化ヒトMIFに加え、ロータで1時間、室温で、インキュベートした。そののち、ファージ−抗原混合物を、予めブロックしたストレプトアビジン結合磁気ビーズを含む管に移し、磁気ローテータを用いて磁気ビーズが捕捉される前に更に20分間回転させながらインキュベートし、その上澄を注意深くビーズから取り除いて廃棄した。次いで、残りのビーズを、500μlのPBSTで、インキュベートすることなく5回洗浄し、更にPBSTで2回洗浄ステップを行い、5分間インキュベートし、回転させ、インキュベートせずにPBSで3回洗浄した。
ファージ溶離、ファージ感染、ファージレスキュー
最後の洗浄工程の後に、磁気ビーズを200μl、20mMのDTT/10mM Tris−HCl(pH8)溶離バッファに再懸濁させ、ストレプトアビジン結合磁気ビーズによって捕捉されたヒトMIFからファージを溶離させる。次いで、単離したファージを、予め温めた大腸菌TG−1培地を含む50mlのファルコン管に移し、振動させることなく37℃で45分間インキュベートして、大腸菌のファージ感染を誘発した。
インキュベーション後に、4000g、4℃で、5分間の遠心分離により単離して、ペレットを600μlの2×YT培地で再懸濁させ、最近懸濁液を、2乃至4つの大きなLB/CAM/Glu寒天プレートに乗せた。プレートは、一晩30℃で保存した。
次の日に、5mlの2×YT/Cam/Glu/グリセロール(15%)と、無菌ドリガルスキゴムべらを用いて、寒天プレートから細菌をこすり落とし、懸濁液を〜0.4−0.5のOD600nmになるまで希釈するか、あるいは、〜0.4−0.5のOD600nmに達するまで37℃でインキュベートした。5mlの各懸濁液を、別の管に移して、VCSM13ヘルパーファージ調製液を加え(全体で、4.5×1010ファージ/5ml培地)、37℃で30分間インキュベートした。
その後、感染した大腸菌を、5分間、4000g、4℃で遠心分離し、上積みを捨てる。ペレットを20mlの2×YT/Cam/Kan/IPTG(0.25nM)培地で再懸濁させ、グルコースのない状態でファージ生成を誘発する。大腸菌懸濁液を22℃で18時間インキュベートして、振動(250rpm)させ、10分間、4000g、4℃で遠心分離する。ファージ含有上澄を回収して、5mlの氷のように冷たいPEG/NaCl(20%PEG600、2.5M NaCl)に加えて、氷の上で30分間インキュベートする。沈殿したファージを、35分間、22000g、4℃の遠心分離で単離して、上澄を捨てる。沈殿したファージ−抗体のペレットを、500μlのPBSに再懸濁させて、次のパニングラウンドに使用する。
第2パニングラウンド
第2パニングラウンドには、第1パニングラウンドで単離した出力ファージを、100nMのビオチン化ヒトD−DTを用いて、ロータで1時間、室温で、インキュベートする。その後、ファージ−抗原混合物を、予めブロックしたストレプタビジン結合磁気ビーズを含む管に移して、磁気セパレータを用いて磁気ビーズを捕捉する前に、更に20分間回転させながらインキュベートし、上澄を注意深く捨てる。次いで、残りのビーズを、500μlのPBSTでインキュベートすることなく5回洗浄し、更に、PBSTでの洗浄ステップを3回と、5分間のインキュベートと回転、及びインキュベートを行うことなくPBSで洗浄するステップを3回行う。
パニングの第2ラウンドの後、抗原−特異性ファージを溶離して、上述の方法に従って単離する。
第3パニングラウンド
第3パニングラウンドでは、第2パニングラウンドで単離した出力ファージを用いて、10nMビオチン化ヒトMIFで、ロータで1時間室温でインキュベートする。その後、ファージ−抗原混合物を、予めブロックしたストレプタビジン結合磁気ビーズを含む管に移し、磁気ビーズを磁気セパレータで捕捉する前に更に20分間回転させながらインキュベートして、上澄を注意深く捨てる。次いで、残りのビーズを、500μlのPBSTでインキュベートすることなく5回洗浄し、更に、PBSTでの洗浄ステップを3回と、10分間のインキュベートと回転、及びインキュベートを行うことなくPBSで洗浄するステップを3回行う。
パニング第3ラウンド後、抗原−特異的ファージを上述の方法に従って溶離し、ファージ−DNAを感染細菌から単離し、Fab−エンコードしたDNAを、物質と方法1(b)に記載したように、特異的Fab−ベクターにサブクローニングする。
変換後の単離したFab又はIgGsは、スクリーニングして、上述のアッセイに従って特性を評価する。
実施例6:ELISAベースの交差競合アッセイ
MIF及びD−DTに交差反応結合する抗体又はその他の結合剤の交差競合を、以下の標準工程によるELISAアッセイを用いて検出することができる。
ELISAアッセイの一般的な原理は、ELISAプレートのウエル上にMIF/D−DT交差反応抗体を被覆するステップを含む。ある発現量の二次的、潜在的交差競合的、MIF/D−DT抗体を溶液に加える(すなわち、ELISAプレートに結合しない)。次いで、限られた量のMIF−Fc又はD−DT−Fcをウエルに加える。
ウエル上に被覆された抗体と、溶液中の抗体が、限られた数のMIF又はD−DT分子の結合と競合する。このプレートを洗浄して、被覆した抗体に結合しなかったMIF又はD−DT分子を除去するとともに、二次的、溶液相抗体、並びにこの二次的溶液相抗体とMIF又はD−DTとの間にできた複合体も除去する。結合したMIF又はD−DTの量を、適宜のMIF又はD−DT検出剤を用いて測定する。MIF又はD−DTは、例えば、Fc、Flag、その他といったタグと溶融し、適宜のタグ特異的抗体を介して検出できる。
被覆した抗体に交差競合する溶液中の抗体は、被覆した抗体が、第2の溶液相抗体がない状態で結合できるMIF又はD−DT分子の数に対して、被覆した抗体が結合できるMIF又はD−DT分子の数を低下させることができる。
このアッセイは、Ab−XとAb−Yと呼ばれる二つの抗体について以下により詳細に説明する。Ab−Xが固定化抗体として選択されている場合、これはELISAのウエル上に被覆され、その後、プレートを適宜のブロッキング溶液でブロックして、順次加える試薬の非特異的結合を最小にする。次いで、過剰量のAb−YをELISAプレートに加えて、ELISAプレートを被覆する間に、ウエルごとのAb−Y MIF又はD−DT結合部位のモル数が、使用するAb−X MIF又はD−DT結合部位のウエルごとのモル数より少なくとも10倍になるようにする。次いで、MIF又はD−DTを加えて、ウエルごとのMIF又はD−DTを加えたモル数が、各ウエルを被覆するのに使用するAb−X MIF又はD−DT結合部位のモル数より少なくとも25倍小さくなるようにする。適宜のインキュベーション期間の後、ELISAプレートを洗浄して、MIF又はD−DT検出試薬を加えて、被覆したMIF/D−DT交差反応抗体によって特異的に結合されたMIF又はD−DT分子(この場合、Ab−X)の量を測定する。このアッセイのバックグラウンドシグナルは、被覆した抗体(この場合、Ab−X)、第2の溶液相抗体(この場合Ab−Y)、バッファのみ(すなわち、MIF又はD−DTがない)、及びMIF又はD−DT検出試薬によってウエルで得られたシグナルであると定義される。このアッセイの陽性対照シグナルは、被覆した抗体(この場合Ab−X)、第2の溶液相抗体、バッファのみ(すなわち、第2の溶液相抗体がない)、MIF又はD−DT、及びMIF又はD−DT検出試薬によってウエル内で得られるシグナルであると定義される。ELISAアッセイは、陽性対照シグナルがバックグラウンドシグナルの少なくとも6倍であるという態様で行われる必要がある。
被覆抗体として使用するのにどの抗体を選択するのか、及び第2(競合)抗体としてどの抗体を使用するのか、から生じるアーチファクト(例えば、Ab−XとAb−Y間のMIF又はD−DTに対する親和性の有意な差異)を防止するために、交差ブロッキングアッセイは、二つのフォーマットで行う必要がある。1)フォーマット1は、Ab−Xが、ELISAプレート上に被覆された抗体であり、Ab−Yが溶液中の競合抗体であり、2)フォーマット2は、Ab−Yが、ELISAプレート上に被覆された抗体であり、Ab−Xが溶液中の競合抗体である。
本開示を完全に説明し、以下の実施例と請求項によってより明確になる。これらは、説明のためのものであり、更なる限定を意味するものではない。
均等物
上述した明細書は、当業者が本開示を実施するのに十分であると考えられる。上述の記載と例は本開示の好ましい実施例の詳細であり、発明者らが意図したベストモードを記載したものである。しかしながら、上述の説明がどんなに詳細に記載されていても、本開示は、多くの方法で実施することができ、本開示は、特許請求の範囲とその均等物に従って解釈するべきである。

Claims (46)

  1. 単離した抗原結合部位において、当該抗原結合部位がMIF及びD−DTに特異的に結合することを特徴とする抗原結合部位。
  2. 請求項1に記載の単離した抗原結合部位において、当該抗原結合部位が、ヒトMIFとヒトD−DTに特異的に結合することを特徴とする抗原結合部位。
  3. 請求項2に記載の単離した抗原結合部位において、当該抗原結合部位がヒトMIFとヒトD−DTに交差反応的に結合することを特徴とする抗原結合部位。
  4. 請求項2に記載の単離した抗原結合部位において、当該抗原結合部位が二重特異性であることを特徴とする抗原結合部位。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の単離した抗原結合部位において、当該抗原結合部位がMIF媒介及びD−DT媒介シグナル変換を特異的に阻害できることを特徴とする抗原結合部位。
  6. 請求項5に記載の単離した抗原結合部位において、当該抗原結合部位がMIF及びD−DT−活性と拮抗できることを特徴とする抗原結合部位。
  7. 請求項1乃至6のいずれか1項に記載の単離した抗原結合部位において、当該単離した抗原結合部位が100nMより少ない半数効果濃度でMIFとD−DTに結合することを特徴とする抗原結合部位。
  8. 請求項1乃至7のいずれか1項に記載の単離した抗原結合部位において、当該単離した抗原結合部位が、1×10−1より小さい解離定数(K)でMIFとD−DTに結合することを特徴とする抗原結合部位。
  9. 請求項1乃至8のいずれか1項に記載の単離した抗原結合部位において、当該単離した抗原結合部位が、MIFの構造エピトープを認識し、同じ構造エピトープがD−DTに存在し、前記単離した抗原結合部位が両構造エピトープを認識することを特徴とする抗原結合部位。
  10. 請求項1乃至9のいずれか1項に記載の単離した抗原結合部位において、当該単離した抗原結合が抗体、その断片、あるいは抗体由来の骨格であることを特徴とする抗原結合部位。
  11. 請求項10に記載の抗体由来の骨格において、当該抗体由来の骨格が、二重特異性scFv、3価の二重特異性抗体、架橋したFab又は二重特異性IgGからなる群から選択された、二重特異性抗体由来の骨格であることを特徴とする骨格。
  12. 請求項10に記載の抗体又はその断片において、当該抗体又はその断片が、モノクロノーある抗体又はポリクロナール抗体であることを特徴とする抗体又はその断片。
  13. 請求項10に記載の抗体又はその断片において、当該抗体がヒト、ヒト化、又はキメラ抗体であることを特徴とする抗体又はその断片。
  14. 請求項10に記載の抗体又はその断片において、当該抗体又はその断片が、ヒト重鎖定常領域とヒト軽鎖定常領域を含むことを特徴とする抗体又はその断片。
  15. 請求項10に記載の抗体又はその断片において、当該抗体又はその断片が、IgGイソタイプであることを特徴とする抗体又はその断片。
  16. 請求項10に記載の抗体又はその断片において、当該抗体又はその断片が、Fab、F(ab2)’、F(ab)2’、scFVからなる群から選択されることを特徴とする抗体又はその断片。
  17. 請求項1乃至10に記載の単離した抗原結合部位において、当該単離した抗原結合部位が、単一ドメイン抗体、マキシボディ、ミニボディ、イントラボディ、ディアボディ、トリアボディ、テトラボディ、v−NAR,ラクダ抗体、アンキリン、ドメイン抗体、リポカイン、小分子免疫薬、マキシボディ、タンパク質A、及びアフィリンからなる群から選択されることを特徴とする抗原結合部位。
  18. 請求項1乃至17のいずれか1項に記載の単離した抗原結合部位において、抗原結合部位が更に、カニクイザルMIF及び/又はカニクイザルD−DTに結合することを特徴とする抗原結合部位。
  19. 請求項1乃至18のいずれか1項に記載の単離した抗原結合部位において、当該抗原結合部位が、ネズミMIF及び/又はネズミD−DTに結合することを特徴とする抗原結合部位。
  20. 請求項1乃至19のいずれか1項に記載の単離した抗原結合部位において、当該抗原結合部位が更に、ラットMIF及び/又はラットD−DTに結合することを特徴とする抗原結合部位。
  21. 請求項1乃至20のいずれか1項に記載の単離した抗原結合部位が、表1に記載のいずれかの抗体のKabat又はChothiaによって定義された6CDRsを含むことを特徴とする抗原結合部位。
  22. 請求項1に記載の単離した抗原結合部位において、当該抗原結合部位が請求項21に記載の抗体と交差競合することを特徴とする抗原結合部位。
  23. 請求項1に記載の単離した抗原結合部位において、当該抗原結合部位が請求項21に記載の抗体と同じエピトープと相互作用することを特徴とする抗原結合部位。
  24. 単離した抗体又はその断片と交差競合する請求項1に記載の単離した抗原結合部位において、配列番号1の重鎖可変領域CDR1;配列番号2のCDR2;配列番号3のCDR3;配列番号4の軽鎖可変領域CDR1;配列番号5のCDR2;配列番号6のCDR3;を含むことを特徴とする単離した抗原結合部位。
  25. 単離した抗体又はその断片と交差競合する請求項1に記載の単離した抗原結合部位において、配列番号17の重鎖可変領域CDR1;配列番号18のCDR2;配列番号19のCDR3;配列番号20の軽鎖可変領域CDR1;配列番号21のCDR2;配列番号22のCDR3;を含むことを特徴とする単離した抗原結合部位。
  26. 単離した抗体又はその断片と交差競合する請求項1に記載の単離した抗原結合部位において、配列番号33の重鎖可変領域CDR1;配列番号34のCDR2;配列番号35のCDR3;配列番号36の軽鎖可変領域CDR1;配列番号37のCDR2;配列番号38のCDR3;を含むことを特徴とする単離した抗原結合部位。
  27. 請求項12乃至16のいずれか1項に記載の単離した抗体又はその断片において、その抗体が配列番号14を含むVHと、配列番号13を含むVLとを含むことを特徴とする単離した抗体又はその断片。
  28. 請求項12乃至16のいずれか1項に記載の単離した抗体又はその断片において、その抗体が配列番号30を含むVHと、配列番号29を含むVLとを含むことを特徴とする単離した抗体又はその断片。
  29. 請求項12乃至16のいずれか1項に記載の単離した抗体又はその断片において、その抗体が配列番号46を含むVHと、配列番号45を含むVLとを含むことを特徴とする単離した抗体又はその断片。
  30. 単離した抗体又はその断片において、配列番号1の重鎖可変領域CDR1;配列番号2のCDR2;配列番号3のCDR3;配列番号4の軽鎖可変領域CDR1;配列番号5のCDR2;配列番号6のCDR3;を含むことを特徴とする単離した抗体又はその断片。
  31. 単離した抗体又はその断片において、配列番号17の重鎖可変領域CDR1;配列番号18のCDR2;配列番号19のCDR3;配列番号20の軽鎖可変領域CDR1;配列番号21のCDR2;配列番号22のCDR3;を含むことを特徴とする単離した抗体又はその断片。
  32. 単離した抗体又はその断片において、配列番号33の重鎖可変領域CDR1;配列番号34のCDR2;配列番号35のCDR3;配列番号36の軽鎖可変領域CDR1;配列番号37のCDR2;配列番号38のCDR3;を含むことを特徴とする単離した抗体又はその断片。
  33. 請求項1ないし32のいずれか1項の記載から選択された抗原結合部位を含むことを特徴とする医薬組成物とその薬学的に許容可能な塩。
  34. 請求項1乃至33のいずれか1項に記載の単離した抗原結合部位の薬剤としての使用。
  35. 請求項22乃至26のいずれか1項に記載の単離した抗原結合部位の薬剤としての使用。
  36. 請求項1乃至35のいずれか1項に記載の単離した抗体又はその断片の薬剤としての使用。
  37. 請求項1乃至36のいずれか1項に記載の単離した抗原結合部位をエンコードする核酸。
  38. 請求項1乃至37のいずれか1項に記載の単離した抗体又はその断片をエンコードする核酸において、配列番号16を含むVHと、配列番号15を含むVLを含むことを特徴とする核酸。
  39. 請求項1乃至38のいずれか1項に記載の単離した抗体又はその断片をエンコードする核酸において、配列番号32を含むVHと、配列番号31を含むVLを含むことを特徴とする核酸。
  40. 請求項1乃至38のいずれか1項に記載の単離した抗体又はその断片をエンコードする核酸において、配列番号48を含むVHと、配列番号47を含むVLを含むことを特徴とする核酸。
  41. 請求項1に記載の単離した抗原結合部位をエンコードする核酸配列であって、配列番号15、配列番号16、配列番号31、配列番号32、配列番号47、及び配列番号48からなる群から選択された核酸に、少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、98%、99%の配列同一性を有することを特徴とする核酸配列。
  42. 請求項37乃至41に記載の核酸を含むベクター。
  43. 請求項42に記載のベクターを含む単離した宿主細胞。
  44. 請求項43に記載の単離した宿主細胞が、哺乳類細胞であることを特徴とする宿主細胞。
  45. 請求項43に記載の単離した宿主細胞が、ヒト細胞であることを特徴とする宿主細胞。
  46. 請求項1乃至45のいずれか1項に記載の単離した抗原結合部位を含むことを特徴とするキット。
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