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JP2014515106A - 校正情報を含む電子素子及びその使用方法 - Google Patents

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JP2014515106A JP2014505163A JP2014505163A JP2014515106A JP 2014515106 A JP2014515106 A JP 2014515106A JP 2014505163 A JP2014505163 A JP 2014505163A JP 2014505163 A JP2014505163 A JP 2014505163A JP 2014515106 A JP2014515106 A JP 2014515106A
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Abstract

吸収静電容量蒸気センサと共に使用するための参照相関を生成する方法、及び吸収静電容量蒸気センサの校正。参照相関を含む電子物品及び該電子物品の使用方法もまた開示される。
【選択図】図3A

Description

蒸気の存在、及びそれらの空気中濃度は、幅広い分野で監視される。蒸気(例えば、揮発性有機化合物(VOC))を検出するための様々な方法が開発されており、該方法としては、例えば、光イオン化、ガス・クロマトグラフィ、重量法、分光技術(例えば、質量分析法、蛍光分光法)、及び吸収検知法があげられる。
ある種類の吸収静電容量センサ(absorptive capacitance sensor)では、典型的には平行(少なくとも一方が多孔質である)又は交互嵌合される2つの導電性電極は、分析すべき蒸気(即ち、検体蒸気)をその中に拡散することができるミクロ孔質誘電体材料の層によって分離されるミクロ孔質誘電体材料に吸収される蒸気の量が増加すると、ミクロ孔質誘電体材料の誘電体特性の変化(典型的には非線形変化)が生じる。本明細書で使用する用語「吸収」は、単に孔壁に吸着されるのか、又はバルク状のミクロ孔質誘電体材料に溶け込むのかに拘らず、物質がミクロ孔質誘電体材料内に配置されることを指す。
吸収静電容量センサの応答は、一般に、例えば、ミクロ孔質誘電体材料の層の多孔率及び厚さ、並びに/又は電極面積などのセンサパラメータに依存し、該パラメータは製作公差内でいくぶん変動があり得る。センサの静電容量計測と実際の検体蒸気濃度とを正確に相互に関連付けることには、個々のセンサの高コストで複雑な製造プロセス、及び/又は多大な時間を必要とする労働集約的な校正が必要があるという克服すべき問題が残されている。
単一の検体蒸気濃度で静電容量センサ感度を測定することは、一般に、センサを制御雰囲気チャンバに入れることと、所望のレベルの所望の検体蒸気を導入することと、その後センサの静電容量を測定することとによって達成される。このプロセスは、この特定の静電容量センサの校正曲線を生成するために、異なる濃度で何度も繰り返される。校正曲線が生成されると、未知の検体蒸気レベルにおける該センサを用いた静電容量測定値を、この校正曲線に従って固有の濃度に容易に相関させることができる。この手順は、静電容量センサを使用することが意図される全ての溶媒に対して繰り返される。
結果的に、かかるセンサが意図されたように機能するのを確実にするために、生産ランの間に何百、何千のセンサ試料の検体蒸気のための校正曲線を生成するか、又は販売前のセンサの適切な校正を確実にするために、非常にきびしい製作公差の範囲外であるという理由で多数のセンサを不合格と判定することが必要があり得る。
上記の種類の吸収静電容量センサでは、第1の蒸気の固定濃度にて得た第1の真の静電容量(C1)と、第2の蒸気の固定濃度を用いて得た第2の真の静電容量(C2)との比(即ち、C1/C2)は、同様の設計の(例えば、製造プロセスに従って製造された)静電容量センサで実質的に一定であることが、現在発見されている。この予想外の発見に鑑みて、本発明者は、かかる静電容量センサを校正する方法及び従来の方法に比べて労力と費用を大幅に低減する分野において該静電容量センサを使用する方法を開発した。この方法は、かかる吸収静電容量センサ素子を含む、又はかかる吸収静電容量センサ素子と共に用いられるように適合された電子素子に含めることができる校正ライブラリを作成することができる。
したがって、一実現形態において、本開示は、ライブラリの作成方法を提供し、該方法は、
a)標準温度にて第1の検体蒸気の既知の濃度(Y)に暴露しながら、参照静電容量センサ素子の静電容量(Cref)を測定する工程と、ここで、参照静電容量センサ素子が、第1の導電性電極と第2の導電性電極との間に配置され、かつこれらと接触するミクロ孔質誘電体材料の層を含み、及び、検体蒸気の少なくとも一部が、ミクロ孔質誘電体材料の細孔内に吸収される工程と、
b)標準温度にて第1の検体蒸気の不在下で、参照静電容量センサ素子の基準静電容量(Cref base)を測定する工程と、
c)真の参照静電容量Cref trueを決定する工程と、ここで、
ref true=Cref−Cref base
d)第2の検体蒸気の既知の濃度に暴露しながら、参照静電容量センサ素子の静電容量(Cn2)を測定する工程と、
e)相対参照静電容量(Cn2 ref)を決定する工程と、ここで、
n2 ref=(Cn2−Cref base)/Cref true
f)第2の検体蒸気の少なくとも2つの追加の異なる濃度で、工程d)及びe)を繰り返す工程と、
g)Cn2 refと第2の検体蒸気の濃度との間の第1の参照相関を決定する工程と、
h)前記第1の参照相関をコンピュータ可読媒体上に記録する工程と、を含む。
一部の実施形態では、本方法は、
i)第3の検体蒸気の既知の濃度に暴露しながら、参照静電容量センサ素子の静電容量(Cn3)を測定することと、
j)Cn3 refを決定することと、ここで、Cn3 ref=(Cn3−Cref base)/Cref true
k)第3の検体蒸気の少なくとも2つの追加の異なる濃度で、工程i)及びj)を繰り返すことと、
l)Cn3 refと、第3の検体蒸気の濃度との間の第2の参照相関を決定することと、
m)前記第2の参照相関を前記コンピュータ可読媒体上に記録することと、を更に含む。参照ライブラリは、例えば、電子蒸気センサの製造用途において有用である。したがって、別の態様では、本開示は、本開示の方法に従って作成可能な参照ライブラリを含む情報が格納されたンピュータ可読媒体を含む電子素子を準備する。
いくつかの実施形態では、電子素子は、
少なくとも一体構造の静電容量センサ素子に給電するように適合された操作回路と、ここで該一体構造の静電容量センサ素子が、参照静電容量センサ素子と実質的に同一構成のものである、
操作回路と電気的に導通している検出モジュールと、ここで、該検出モジュールが、一体構造の静電容量センサ素子から電気信号を受け取るように適合される、
検出モジュール及びコンピュータ可読媒体に通信可能に接続されるプロセッサモジュールと、ここで、該プロセッサモジュールが、
対応する参照相関が校正ライブラリの中に存在する、特定の検体蒸気の未知の濃度に暴露しながら、一体構造の静電容量センサ素子の静電容量(Cunk)を得、
一体構造の静電容量センサ素子の基準静電容量(Cint base)を得、
相対静電容量Cunk rel=(Cunk−Cint base)/Rconvを得、ここで、Rconvは、次を含む方法によって得られる:
一体構造のセンサ素子を第2の検体の既知の第1の蒸気濃度に暴露すること、ここで、一体構造のセンサ素子は、2つの電極の間に配置され、かつこれらと接触するミクロ孔質材料の層を含み、及び、第2の検体の少なくとも一部は、ミクロ孔質材料の細孔内に吸着される;
一体構造のセンサ素子を第2の検体の既知の第1の蒸気濃度に暴露しながら、一体構造のセンサ素子の第1の静電容量(Cint meas1)を測定すること;
前記一体構造のセンサ素子を前第2の検体の既知の第2の蒸気濃度に暴露しながら、一体構造のセンサ素子の第2の静電容量(Cint meas2)を測定すること;
差(ΔCint meas)を得ること、ここで、
ΔCint meas=|Cint meas1−Cint meas2|;
第2の検体の第1の蒸気濃度における参照センサ素子の第1の相対参照静電容量(Cn2 ref1)と、検体の第2の蒸気濃度における参照センサ素子の第2の相対参照静電容量(Cn2 ref2)との間の差(ΔCn2 ref)を得ること、ここで、ΔCn2 ref=|Cn2 ref1−Cn2 ref2|;及び
convをΔCint meas/ΔCn2 refとして算出すること;
unk relを、参照ライブラリの中の対応する参照相関と比較し、検体蒸気の真の濃度を得る、及び
次の少なくとも一方を行う:
真の濃度を前記コンピュータ可読媒体上に記録する;又は
真の濃度をディスプレイ部材に通信する;ように適合される、
前記ディスプレイ部材及び前記プロセッサモジュールに通信可能に接続される通信インターフェイスモジュールと、を含み、
操作回路が、少なくとも前記検出モジュール、プロセッサモジュール、ディスプレイ部材、及び通信インターフェイスモジュールに電力を供給する。
いくつかの実施形態では、操作回路は、一体構造の静電容量センサ素子を加熱するように適合された加熱素子と電気的に導通している。
いくつかの実施形態では、電子素子は、操作回路と電気的に導通している一体構造の静電容量センサ素子を更に含み、一体構造の静電容量センサ素子が、参照静電容量センサ素子と同一構成のものである。
別の態様では、本開示は、校正された電子センサの製造方法を提供し、該方法は、
本開示による操作回路と電気的に導通している一体構造の静電容量センサ素子を含む電子素子を準備することと、
一体構造の静電容量センサ素子の基準静電容量(Cint base)を得ることと、
次含む方法によってRconvを得ることと:
一体構造のセンサ素子を第2の検体の既知の第1の蒸気濃度に暴露すること、ここで、一体構造のセンサ素子は、2つの電極の間に配置され、かつこれらと接触するミクロ孔質材料の層を含み、及び、第2の検体の少なくとも一部は、ミクロ孔質材料の細孔内に吸着される;
一体構造のセンサ素子を第2の検体の既知の第1の蒸気濃度に暴露しながら、一体構造のセンサ素子の第1の静電容量(Cint meas1)を測定すること;
一体構造のセンサ素子を前第2の検体の既知の第2の蒸気濃度に暴露しながら、一体構造のセンサ素子の第2の静電容量(Cint meas2)を測定すること;
差(ΔCint meas)を得ること、ここで、
ΔCint meas=|Cint meas1−Cint meas2|;
第2の検体の第1の蒸気濃度における参照センサ素子の第1の相対参照静電容量(Cn2 ref1)と、検体の第2の蒸気濃度における参照センサ素子の第2の相対参照静電容量(Cn2 ref2)との間の差(ΔCn2 ref)を得ること、ここで、ΔCn2 ref=|Cn2 ref1−Cn2 ref2|;
convをΔCint meas/ΔCn2 refとして算出すること;及び
校正された電子センサを準備するために、Rconv及びCint baseを電子素子に格納すること;を含む。
別の態様では、本開示は、本開示に従って製造される校正された電子センサを準備する。
別の態様では、本開示は、校正された電子センサの使用方法を提供し、該方法は、
本開示による校正された電子センサを準備することと、
標準温度にて特定の検体蒸気の未知の濃度に暴露しながら、一体構造の静電容量センサ素子の静電容量(Cunk)を測定することと、
相対静電容量Cunk rel=(Cunk−Cint base)/Rconvを得ることと、
unk relを、参照ライブラリの中の対応する参照相関と比較し、検体蒸気の真の濃度を得ることと、
次の少なくとも一方を行うことと:
検体蒸気の真の濃度をコンピュータ可読媒体上に記録すること;又は
検体蒸気の真の濃度をディスプレイ部材に通信すること、を含む。
ある状況下では(例えば、静電容量センサ素子が1つ1つ高い再現性を有する場合)、センサ素子の真の静電容量と基準静電容量との比は、本質的に一定であることが、現在発見されている。
したがって、第2の実現形態において、本開示は、参照ライブラリの作成方法を提供し、該方法は、
a)標準温度にて第1の検体蒸気の既知の濃度(Y)に暴露しながら、参照静電容量センサ素子静電容量(Cn1)を測定する工程と、ここで、参照静電容量センサ素子が、第1の導電性電極と第2の導電性電極との間に配置され、かつこれらと接触するミクロ孔質誘電体材料の層を含み、及び、検体蒸気の少なくとも一部が、ミクロ孔質誘電体材料の細孔内に吸収される、
b)標準温度にて第1の検体蒸気の不在下で、参照静電容量センサ素子の基準静電容量(Cref base)を測定する工程と、
c)相対参照静電容量(Cn1 ref)を決定する工程と、ここで、
n1 ref=(Cn1−Cref base)/Cref base
d)第1の検体蒸気の少なくとも2つの追加の異なる濃度で、工程a)及びc)を繰り返す工程と、
e)Cn1 refと、第1の検体蒸気の濃度との間の第1の参照相関を決定する工程と、
f)前記第1の参照相関をコンピュータ可読媒体上に記録する工程と、を含む。
いくつかの実施形態では、上記方法は、
g)第2の検体蒸気の既知の濃度に暴露しながら、参照静電容量センサ素子の静電容量(Cn2)を測定することと、
h)Cn2 refを決定することと、ここで、Cn2 ref=(Cn2−Cref base)/Cref base
i)第2の検体蒸気の少なくとも2つの追加の異なる濃度で、工程g)及びh)を繰り返すことと、
j)第2の参照相関を決定することと、ここで、第2の参照相関は、Cn2 refと、第2の検体蒸気の濃度との間の数学的又はグラフ的相関を含む、
k)前記第2の参照相関を前記コンピュータ可読媒体上に記録することと、を更に含む。
更に別の態様では、本開示は、本開示に従って作成された参照ライブラリを含む情報が格納されたンピュータ可読媒体を含む電子素子を準備する。
いくつかの実施形態では、電子素子は、
少なくとも一体構造の静電容量センサ素子に給電するように適合された操作回路と、ここで、該一体構造の静電容量センサ素子が、参照静電容量センサ素子と実質的に同一構成のものである、
操作回路と電気的に導通している検出モジュールと、ここで、該検出モジュールが、一体構造の静電容量センサ素子から電気信号を受け取るように適合される、
検出モジュール及びコンピュータ可読媒体に通信可能に接続されるプロセッサモジュールと、ここで、該プロセッサモジュールが、
対応する参照相関が校正ライブラリの中に存在する、特定の検体蒸気の未知の濃度に暴露しながら、一体構造の静電容量センサ素子の静電容量(Cunk)を得、
一体構造の静電容量センサ素子の基準静電容量(Cint base)を得、
相対静電容量(Cunk rel)=(Cunk−Cint base)/Cint baseを得、
unk relと、参照ライブラリの中の対応する参照相関と比較し、検体蒸気の真の濃度を得、及び
次の少なくとも一方を行う:
真の濃度をコンピュータ可読媒体上に記録する;又は
真の濃度をディスプレイ部材に通信する;ように適合される、
ディスプレイ部材及びプロセッサモジュールに通信可能に接続される通信インターフェイスモジュールと、を更に含み、
操作回路が、少なくとも検出モジュール、プロセッサモジュール、ディスプレイ部材、及び通信インターフェイスモジュールに電力を供給する。
いくつかの実施形態では、電子素子は、操作回路と電気的に導通している一体構造の静電容量センサ素子を更に含み、一体構造の静電容量センサ素子は、参照静電容量センサ素子と同一構成のものである。
別の態様では、本開示は、校正された電子センサの製造方法を提供し、該方法は、
本開示に従って電子素子を準備することと、
次を含む方法によって、一体構造の静電容量センサ素子の基準静電容量(Cint base)を得ることと:
一体構造のセンサ素子を第1の検体の既知の第1の蒸気濃度に暴露すること、ここで、一体構造のセンサ素子は、2つの電極の間に配置され、かつこれらと接触するミクロ孔質材料の層を含み、及び、第2の検体の少なくとも一部は、ミクロ孔質材料の細孔内に吸着される;
一体構造のセンサ素子を第2の検体の既知の第1の蒸気濃度に暴露しながら、一体構造のセンサ素子の第1の静電容量(Cint meas1)を測定すること;
前記第1の検体の前記第1の蒸気濃度において参照センサ素子の第1の相対参照静電容量(Cn1 ref1)を得ること;
int baseをCint meas1/(1+Cn1 ref1)として算出すること;及び
校正された電子センサを準備するために、Cint baseを電子素子に格納すること;を含む。
更に別の態様では、本開示は、本開示に従って作成される、校正された電子センサを準備する。
更に別の態様では、本開示は、校正された電子センサの使用方法を提供し、該方法は、
本開示に従って校正された電子センサを準備することと、
標準温度にて特定の検体蒸気の未知の濃度に暴露しながら、一体構造の静電容量センサ素子の静電容量(Cunk)を測定することと、
相対静電容量(Cunk rel)=(Cunk−Cint base)/Cint baseを得ることと、
unk relを、参照ライブラリの中の対応する参照相関と比較し、検体蒸気の真の濃度を得ることと、
次の少なくとも一方を行うことと:
検体蒸気の真の濃度を前記コンピュータ可読媒体上に記録すること;又は
検体蒸気の真の濃度を前記ディスプレイ部材に通信すること;を含む。
有利には、本開示は、製造中の又はエンドユーザーによる、吸収静電容量センサの校正に必要とされる時間と労力の実質的改善を提供する。加えて、湿度補正は、本開示に従って容易に達成される。
吸収層の多孔性、電極面積、及び吸収層の厚さは、本開示による技術を用いて静電容量を濃度に変換する際に有意に関与しないので、これらパラメータを非常に正確に制御するための最新式の製造プロセスは不要である。例えば、本開示によると、吸収層を非常に均一にコーティングする必要がない。更に、電極面積は特に一貫している必要はなく、これにより、用いる製造方法の柔軟性を高めることができる。
特許請求の範囲を含む本開示のプロセスにおいて列挙された工程は、特に定めのない限り、任意の好適な順序で行うことができる。
本明細書で使用する場合、
用語「基準静電容量」は、同一条件下で検体蒸気の不在下で観測される静電容量を指し、
材料の層に関する用語「透過性」は、層が存在する領域で、(例えば25℃で)少なくとも1種類の有機化合物に対してその厚さを通じて非反応的に透過性であるように、層が十分に多孔質であることを意味し、
用語「参照相関」は、2つの間(静電容量値と検体の濃度との間)の相関を指し、該相関は、例えば、数学的、表形式、及び/又はグラフ的であってよく、及び
用語「真の静電容量」は、観察された静電容量から基準静電容量を引いたものを指す。
本開示の特徴及び利点は、発明を実施するための形態、及び添付の特許請求の範囲を考慮することで更に深い理解が得られるであろう。
100ppmのMEK蒸気及び25ppmのトルエン蒸気に暴露された16個のセンサの真の静電容量のプロット。 25重量百万分率(ppm)のトルエン蒸気に暴露された16個のセンサの真の静電容量を、25ppmのメチルエチルケトン(MEK)蒸気に暴露された場合のセンサの真の静電容量で除したプロット。 種々の有機蒸気に関する、検体濃度と対比した相対静電容量のプロットを示す。 本開示による代表的な電子素子300の略平面図。 図3Aに示される一体構造の静電容量センサ素子310の拡大断面概略図。
全ての場合において、本開示は、代表として提示するものであって、限定としてではない。本開示の原理の範囲及び趣旨の範囲内に含まれる他の多くの改変例及び実施形態が当業者によって考案されうる点は理解されるはずである。
本開示でいう静電容量センサ素子は、第1の導電性電極と第2の導電性電極との間に配置され、かつこれらと接触するミクロ孔質誘電体材料の層を含む。検体蒸気は、ミクロ孔質誘電体材料の細孔内に吸収され、ミクロ孔質誘電体材料の層の誘電率を変更させ、結果としてセンサ素子の静電容量に変化が生じる。
ここで図3Bを参照すると、代表的なかかる静電容量センサ素子310は、第1の導電性電極316と第2の導電性電314との間に配置され、かつこれらと接触する(例えば、これらの間に挟まれる)、本質的に吸収性の多孔質材料312の層を含む。第1の導電性電極316は、任意の誘電体基板318の上に配設される。図3Bに示される実施形態では、少なくとも第2の電極314は、センサ素子を用いることが意図される検体蒸気に対して透過性である。例えば、図3Bに示される構成では、吸収性で本質的に多孔質である材料による迅速な吸収を容易にするために、第2の電極は多孔質(例えばミクロ孔質など)であるのが望ましい。
代替構成では、第1及び第2の電極は、吸収性で本質的に多孔質である材料によって分離された誘電体基板の表面上に(例えば、単一面内に)並んで配設されてもよい。この実施形態では、第2の導電性電極は、検体蒸気に対して透過性でなくてもよい。そのような場合には、第2の導電性電極は、第1の導電性電極として使用するのに適した材料を用いて作成されてもよい。
ミクロ孔質誘電体材料は、ミクロ孔質であり、かつ少なくとも1つの検体をその内部に吸収することができる任意の材料であり得る。これに関連して、用語「ミクロ孔質の」及び「ミクロ孔質」は、材料が有意な規模の、内部の相互接続された細孔体積を有し、平均孔径(例えば、吸着等温線手段によって特徴付けられる)は、約100ナノメートル(nm)未満、典型的には約10nm未満である。このような微多孔性により、有機検体の分子(存在する場合)が、材料の内部細孔体積に浸透し、内部の細孔の中に定着することが可能となる。内部の細孔の中のこのような検体の存在は、材料の誘電特性を変化させることができ、それによって誘電率(又は他の任意の好適な電気的特性)の変化が観察され得る。いくつかの実施形態では、ミクロ孔質誘電体材料は、いわゆる固有微多孔性ポリマー(PIM)を含む。PIMは、ポリマー鎖の効率の悪い充填に起因してナノナノメートルスケールの細孔を有するポリマー材料である。例えば、Chemical Communications,2004,(2),pp.230〜231の中で、Buddらが、剛性及び/又はねじ曲がったモノマービルディングブロック間のジベンゾジオキサン結合を含む、一連の本質的にミクロ孔質の材料の材料を報告している。ポリマーのこのファミリーの代表的なメンバーとしては、(下の)スキーム1に従って表1に示される構成成分A(例えば、A1、A2、又はA3)と構成成分B(例えば、B1、B2、又はB3)との縮合によって生成されるものが挙げられる。
Figure 2014515106
Figure 2014515106
更に好適な構成成分A及びB、並びに得られる本質的にミクロ孔質のポリマーは、当該技術分野において既知であり、例えば、BuddらのJournal of Materials Chemistry,2005,Vol.15,pp.1977〜1986の中で、McKeownらのChemistry,A European Journal,2005,Vol.11,pp.2610〜2620の中で、GhanemらのMacromolecules,2008,vol.41,pp.1640〜1646の中で、GhanemらのAdvanced Materials,2008,vol.20,pp.2766〜2771;by Carta et al.in Organic Letters,2008,vol.10(13),pp.2641〜2643の中で、PCT国際特許出願WO 2005/012397 A2(McKeownら)の中で、及び米国特許出願第2006/0246273号(McKeownら)の中で報告されており、これらの開示は参照により本明細書に組み込まれる。そのようなポリマーは、例えば、A1(5,5’,6,6’−テトラヒドロキシ−3,3,3’,3’−テトラメチル−1,1’−スピロビスインダン)などのビス−カテコールが、塩基性条件下で、例えば、B1(テトラフルオロテレフタロニトリル)などのフッ素化アレーンと反応させられる逐次重合によって、合成することができる。得られるポリマーの主鎖の剛性及びねじ曲がった性質ゆえに、これらのポリマーは、固体状態で密に充填することができず、したがって、少なくとも10パーセントの自由体積を有し、本質的にミクロ孔質である。
PIMは、他の材料とブレンドされてもよい。例えば、PIMは、それ自体が吸収性誘導体材料ではない材料とブレンドされてもよい。検体反応に寄与しないものの、このような材料は他の理由のために有用であり得る。例えば、このような材料は、優れた機械特性などを有する、PIM含有層の形成を可能にすることがある。一実施形態において、PIMは、他の材料と共に一般的な溶媒に溶解して、均質な溶液を形成してもよく、これは、キャスティングされて、PIM及び他のポリマーの双方を含む吸収性誘導体ブレンド層を形成してもよい。PIMはまた、吸収性誘電体材料である材料(例えば、ゼオライト、活性炭、シリカゲル、超架橋ポリマーネットワークなど)とブレンドされてもよい。このような材料は、PIM材料を含む溶液中に懸濁された不溶性材料を含み得る。このような溶液/懸濁液のコーティング及び乾燥は、PIM材料と追加的な吸収性誘導体材料の双方を含む、複合吸収性誘導体層をもたらすことがある。
PIMは、典型的には、例えば、テトラヒドロフランなどの有機溶媒に可溶性であり、したがって、溶液から(例えば、スピンコーティング、ディップコーティング、又はバーコーティングによって)フィルムとしてキャスティングすることができる。しかしながら、これらのポリマーの溶液から作成されるフィルムの特徴(接近可能な厚さ、光学的透明度、及び/又は外観)は、フィルムをキャスティングするために使用される溶媒又は溶媒系に応じて著しく異なる場合がある。例えば、分子量のより高い本質的にミクロ孔質のポリマーは、本明細書に記載の光化学センサで使用するのに望ましい特性を備えたフィルムを作り出すためには、比較的独特な溶媒(例えば、シクロヘキセンオキシド又はテトラヒドロピラン)からキャスティングされる必要がある場合がある。溶液コーティング方法に加えて、検出層は、他の任意の好適な方法によって第1の導電性電極にコーティングされてもよい。
PIM材料が堆積される(例えば、コーティングされる)か、ないしは別の方法で吸収性誘電体層を含むように形成された後、材料は、好適な架橋剤、例えば、ビス(ベンゾニトリル)二塩化パラジウム(II)などを使用して架橋され得る。このプロセスは、吸収性誘電体層を有機溶媒中で不溶性にするか、及び/又は耐久性、摩擦耐性など特定の物理的特性を向上させことがあり、これは特定の用途において望ましい場合がある。
PIMは、著しく増大するか、ないしは別の方法で物理的特性の顕著な変化を呈する程度まで液体水を吸収することがないように、疎水性であってもよい。このような疎水性特性は、水の存在に対する感度が比較的低い有機検体センサ素子を提供するために有用である。しかしながら、材料は特定の目的のために、比較的極性の部分を含み得る。
一実施形態では、ミクロ孔質誘電体材料は連続的なマトリックスを含む。このようなマトリックスは、材料の固体部分が連続的に相互接続されているアセンブリ(例えば、コーティング及び/又は層)として定義される(上記の多孔質の存在、又は下記の任意の添加物の存在とは拘わりなく)。即ち、連続的なマトリックスは、粒子の凝集(例えば、ゼオライト、活性炭、カーボンナノチューブ)を含むアセンブリから区別可能である。例えば、溶液から堆積される層、又はコーティングは、典型的には連続的なマトリックスを含む(コーティング自体がパターンを有する方法で塗布されるか、及び/又は粒子状の添加物を含むとしても)。粉末の噴霧、分散体(例えば、ラテックス)のコーティング及び乾燥、又はゾル−ゲル混合物のコーティング及び乾燥によって堆積された粒子の集合は、連続的な網状組織を含まないことがある。しかしながら、このようなラテックス又はゾル−ゲルの層が、個別の粒子がもはや認識不可能であるか、又は異なる粒子から得られたアセンブリの領域を認識することが不可能であるように固化され得る場合に、このような層は、連続的マトリックスであると考えることができる。
吸収性誘導体材料は任意の厚さを有してよいが、典型的には約150nm〜1200nmの範囲である。より典型的には、吸収性誘電体材料は、500nm〜900nmの範囲の相を形成するが、より薄い及びより厚い検出層を用いてもよい。
吸収層は、PIM材料に加えて充填剤、酸化防止剤、光安定剤など添加剤を含有してよいが、これらの添加剤はセンサ素子の適切な動作を妨げる傾向があるため、このような添加剤は、典型的には最小限に抑えられるか、存在しない。PIM材料の組み合わせが使用されてよい。
様々な実施形態において、吸収性誘電体材料ではない材料の追加の層が、吸収性誘電体層に近接して設けられてよい。このような層は、例えば、保護層として、又は接着を向上させるための結合層としてなど、様々な理由のいずれかのために設けられてよい。
様々な実施形態において、吸収性誘電体材料の複数の個別の層が使用され得る。例えば、PIM材料の複数の層が使用され得る。あるいは、PIM材料の層に加えて、幾つかの他の吸収性誘電体材料の1つ以上の層が使用され得る。吸収性誘電体材料の様々な層は、互いに直接接する場合があり、又は幾つかの他の目的のために存在する層(例えば、本明細書において記載されるように、不動態層、結合層など)によって離隔される場合がある。
第1の導電性電極は、任意の好適な導電性材料を含んでよい。十分な全体導電性がもたらされる限り(典型的には、第1の導電性電極は約10オーム/平方未満のシート抵抗を有する)、異なる材料(導電性及び/又は非導電性)の組み合わせが、異なる層又は混合物として使用され得る。第1の導電性電極を作成するために使用され得る材料の例としては、有機材料、無機材料、金属、合金、並びにこれらの材料のいずれか又は全てを含む様々な混合物及び複合材料が挙げられるが、これらに限定されない。ある実施形態において、コーティング(例えば、熱蒸気コーティング、スパッタコーティングなど)された金属、若しくは酸化金属、又はこれらの組み合わせが使用され得る。好適な導電性材料としては、例えば、アルミニウム、ニッケル、チタン、スズ、酸化インジウムスズ、金、銀、白金、パラジウム、銅、クロム、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
第1の導電性電極は、導電性である限り、任意の厚さ、例えば少なくとも4nm〜400nm又は10nm〜200nmの範囲の厚さであってよい。例えば、第1の導電性電極は、自己支持するだけの十分な厚さ(例えば、10マイクロメートル〜1センチメートル)を有し得るが、より厚い及びより薄い厚さを用いることも可能である。
第2の導電性電極は、少なくとも1種類の有機検体に対して透過性があり続ける限り、追加構成成分を含んでもよい。第2の導電性電極を作成するために使用され得る材料の例としては、有機材料、無機材料、金属、合金、並びにこれらの材料のいずれか又は全てを含む様々な混合物及び複合材料が挙げられる。ある実施形態において、コーティング(例えば、熱蒸気コーティング、スパッタコーティングなど)された金属、若しくは酸化金属、又はこれらの組み合わせが使用され得る。好適な導電性材料としては、例えばアルミニウム、ニッケル、チタン、スズ、酸化インジウムスズ、金、銀、白金、パラジウム、銅、クロム、カーボンナノチューブ、及びこれらの組み合わせが挙げられる。銀インキでコーティングされた多孔質導電性電極に関する詳細は、PCT国際公開特許WO 2009/045733 A2(Gryskaら)にも見出すことができる。蒸気堆積蒸気透過性導電性電極に関する詳細は、米国仮特許出願第61/388,146号(Palazzottoら)にも見出すことができ、その開示は参照により本明細書に組み込まれる。
十分な全体導電性及び透過性がもたらされる限り、異なる材料(導電性及び/又は非導電性)の組み合わせが、異なる層又は混合物として使用され得る。典型的には、第2の導電性電極は、約10オーム/平方未満のシート抵抗を有する。
第2の導電性電極は、典型的には、1ナノメートル(nm)〜500nmの範囲の厚さを有するが、他の厚さを用いてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、第2の導電性電極は、1nm〜200nm、1nm〜100nm、1nm〜10nm、又は更には1nm〜5nmの範囲の厚さを有し得る。より大きな厚さは、望ましくない低レベルの透過性を有し得る。その一方、より小さな厚さは、導電性が不十分になる、及び/又は第2導電性部材への電気的接続が困難となり得る。第2の導電性電極は透過性であるため、第1の導電性電極は、典型的には、連続的な中断部のない層を含むが、必要に応じて開口部又は他の中断部を含んでよい。
図3Bを再度参照すると、任意の誘電体基板318は、例えば、材料の連続的なスラブ、層、又はフィルムであり得、これは、第1の導電性電極の近位にあり、センサ素子310に物理的強度及び一体性を提供するように機能し得る。センサ素子に合わせて、構造的一体性、可撓性、又は剛性を有する任意の固体誘導体材料を使用することができる。例えば、ガラス、セラミック、及び/又はプラスチックなどの好適な誘導体材料を使用することができる。大規模生産では、ポリマーフィルム(ポリエステル又はポリイミドなど)を使用することが可能である。
任意の保護カバー又は障壁層が、第1の導電性電極又は第2の導電性電極の少なくとも一方に近接して設けられてよい。例えば、一実施形態において、カバー層は第2の導電性電極の上に配置されてよく、第2の導電性電極のある領域が第2導電性部材の電気接点との電気接点にアクセスできるようにする。いかなるこのようなカバー層も、センサ素子の機能を有意に妨げるべきではない。例えば、センサ素子が、対象の検体が吸収性誘電体層に到達するためにカバー層を通過しなくてはならないように構成されている場合、カバー層は、検体に対して十分に透過性でなければならない。
PIMを含む吸収静電容量センサ素子の製造に関する更なる詳細、及びそれらの動作の原理は、例えば、米国特許出願第2011/0045601 A1号(Gryskaら)及び同第2011/0031983 A1号(Davidら)、並びに米国仮特許出願第61/388,146号(Palazzottoら)に見出すことができ、それらの開示は参照により本明細書に組み込まれる。ミクロ孔質誘電体材料が有機ケイ酸塩材料である吸収静電容量センサ素子に関する更なる詳細は、PCT国際公開WO 2010/075333 A2(Thomas)に記載されている。吸収静電容量センサ素子の様々な設計(例えば、交互嵌合される電極又は平行電極)は既知であり、本開示の実施に適している。
吸収性誘電体層によって十分な検体が吸収された際に、センサ素子に関連する電気的特性(静電容量、インピーダンス、アドミタンス、電流、又は抵抗などが挙げられるがこれらに限定されない)の検出可能な変化が生じ得る。このような検出可能な変化は、第1の導電性電極及び第2の導電性電極と電気的に導通する動作回路によって検出され得る。これに関連して「動作回路」とは一般的に、第1の導電性電極及び第2の導電性電極に電圧を印加する(したがって、電極に電荷差を付与する)、及び/又はセンサ素子の電気的特性(電気的特性は、有機検体の存在に反応して変化し得る)を監視するために使用され得る電気装置を指す。様々な実施形態において、動作回路は、インダクタンス、静電容量、電圧、抵抗、コンダクタンス、電流、インピーダンス、位相角、損失率、又は散逸のいずれか、又は組み合わせを監視してもよい。
このような動作回路は、電極に電圧を印加し、かつ電気的特性を監視することの両方を行う単一の装置を含み得る。別の実施形態では、このような動作回路は、電圧を提供するものと、信号を監視するものとの2つの別個の装置を含んでもよい。動作回路は、典型的には、導電性部材によって第1の導電性電極及び第2の導電性電極に電気的に結合されている。
上述のように、本発明者は、上述の種類の吸収静電容量センサでは、第1の蒸気の固定濃度で得た第1の真の静電容量(C1)と、第2の蒸気の固定濃度を用いて得た第2の真の静電容量(C2)との比(即ち、C1/C2)は、同様の設計の静電容量センサ(例えば、同一材料を用いる製造プロセスに従って製造されたもの)でほぼ一定であることを発見した。
図1Aは、以下の実施例に記載の通りに作成した16個の異なる吸収静電容量センサを用いた、100百万分率(ppm)のメチルエチルケトン(MEK)蒸気に暴露して得た真の静電容量値、及び25ppmのトルエン蒸気に暴露して得た真の静電容量値(標準条件下でドライエアを用い、センサ素子の温度は約23℃)を報告する。
不規則変動により、各センサは、他とわずかに異なる電極配置を有したため、100百万分率(ppm)のメチルエチルケトン(MEK)蒸気に暴露して得た真の静電容量、及び25ppmのトルエン蒸気に暴露して得た真の静電容量は異なる結果となった。それにもかかわらず、図1Bから分かるように、25ppmのトルエン蒸気に暴露して得た真の静電容量と、100ppmのMEKに暴露して得た真の静電容量との比は、ほぼ一定であった。
したがって、上記発見を生かした校正ライブラリを形成する方法は、別途記載のない限り、(例えば、ドライエアを検体蒸気と組み合わせて用いて)標準温度及び湿度条件下で動作する静電容量センサ素子との関連で以下に論じられる。静電容量センサ素子の観察される静電容量は典型的には温度依存性であるので、本開示による静電容量測定を行う際には、標準温度を用いることが一般的に重要である。周囲温度を用いると温度変動が生じる可能性があるので、使用条件の大半において一定温度を容易に達成することができるように、周囲温度(例えば、約23℃)より高い標準温度を用いることが望ましい。例えば、該温度は、静電容量センサ素子を30℃〜100℃、40℃〜80℃、50℃〜65℃の範囲内、又は更には約55℃の設定温度に加熱することによって達成されてもよいが、必要に応じて、より高い及びより低い温度(周囲温度未満の温度を含む)を用いてもよい。加熱は、例えば、抵抗ヒーター素子などの任意の好適な方法によって達成されてもよい。第1の導電性電極が加熱素子としての機能も果たす例示的な構成は、本出願と同時に提出される、「VAPOR SENSOR INCLUDING SENSOR ELEMENT WITH INTEGRAL HEATING」と題される同時継続中の米国特許仮出願第XX/XXX,XXX号(代理人整理番号67486US002)に記載されており、その開示は参照により本明細書に組み込まれる。
参照静電容量センサ素子は、第1の導電性電極と第2の導電性電極との間に配置され、かつこれらと接触するミクロ孔質誘電体材料の層を含み、検体蒸気の少なくとも一部は、ミクロ孔質誘電体材料の細孔内に吸収される。
参照ライブラリの一般的作成法
以下の記述は、校正ライブラリの一般的に適用可能な作成法に関する。
工程a)において、参照静電容量センサ素子の静電容量(Cref)を、第1の検体蒸気の既知の濃度(Y)に暴露しながら測定する。検体が測定条件下で少なくともいくらかの蒸気圧を有し、かつミクロ孔質誘電体材料の層内に可逆的に吸収可能である限りにおいて、検体の選択に特に制限はない。典型的には、検体は揮発性有機化合物であるが、これは必要条件ではない。好適な検体蒸気の例としては、脂肪族炭化水素(例えば、n−オクタン又はシクロヘキサン)、ケトン(例えば、アセトン又はメチルエチルケトン)、芳香族炭化水素(ベンゼン、トルエン、クロロベンゼン、又はナフタレン)、ニトリル(例えば、アセトニトリル又はベンゾニトリル)、塩素化脂肪族炭化水素(例えば、クロロホルム、ジクロロエタン、塩化メチレン、四塩化炭素、又はテトラクロロエチレン)、エステル(例えば、酢酸ビニル、酢酸エチル、酢酸ブチル、又は安息香酸メチル)、硫化物(例えば、フェニルメルカプタン)、エーテル(例えば、メチルイソブチルエーテル又はジエチルエーテル)、アルデヒド(例えば、ホルムアルデヒド、ベンズアルデヒド、又はアセトアルデヒド)、アルコール(例えば、メタノール又はエタノール)、アミン(例えば、2−アミノピリジン)、有機酸(例えば、酢酸、プロパン酸)、イソシアネート(例えば、メチルイソシアネート又はトルエン−2,4−ジイソシアネート)、及びニトロ置換有機物(例えば、ニトロメタン又はニトロベンゼン)が挙げられる。
工程b)において、参照静電容量センサ素子の基準静電容量(Cref base)を、第1の検体蒸気の不在下で、標準温度で測定する。この第2の工程は、工程a)の前又は後に行われてもよい。
工程c)において、真の参照静電容量(Cref true)を決定する。例えば、Cref trueは、CrefからCref baseを減算することによって決定され得る。しかしながら、Cref trueの相当値を決定するための任意の他の方法を用いることも可能である。
工程d)において、標準条件下で第2の検体蒸気の既知の濃度に暴露しながら、参照静電容量センサ素子の静電容量(Cn2)を決定さする。
工程e)において、第1の相対参照静電容量(Cn2 ref)を決定する。例えば、Cn2 refは、Cn2からCref baseを減算し、これをCref trueで除すことによって得ることができる。しかしながら、Cref trueの相当値を決定するための任意の他の方法を用いることも可能である。
工程f)において、工程d)及びe)を、第2の検体蒸気の少なくとも2つの追加の異なる濃度で繰り返し、既知の濃度における2つの追加の相対静電容量を得る。例えば、d)及びe)は、第2の検体蒸気の異なる濃度で、少なくとも3回、少なくとも4回、少なくとも5回、少なくとも10回、少なくとも20回、又はそれ以上繰り返されてもよい。この情報から、相対参照静電容量と所与の蒸気の濃度との間の相対参照静電容量を決定することができる。
工程g)において、Cn2 refと第2の検体蒸気の濃度との間の第1の参照相関が決定される。相関は、例えば、簡単なルックアップ表であってもよく、又は、例えば、カーブフィッティング解析を用いて得る数学的関係(例えば、第2の検体蒸気の濃度の関数としてのCn2 ref)であってもよい。カーブフィッティング法は当該技術分野において周知である。
上述の方法を用いて同様に続けると、蒸気圧を有し、かつミクロ孔質材料によって吸収される任意の溶媒の参照相関を生成することが容易に可能である。
工程h)において、第1の参照相関、及び任意の追加の参照相関を、コンピュータ可読媒体(即ち、持続性媒体)上に記録する。代表的なコンピュータ可読媒体としては、磁気ディスク、テープ、光ディスク、読み出し専用半導体メモリ(例えば、ROM)、及び不揮発性半導体(フラッシュ)メモリ(例えば、NAND RAM及びEEPROM)などの、コンピュータがアドレス可能なメモリ素子が挙げられる。
上述のように、真の静電容量と基準静電容量との比は、本明細書に記載される種類の多くの吸収静電容量センサで本質的に一定であることが、現在発見されている。そのような場合には、参照ライブラリを作成するための簡略化された特別な方法を用いてもよい。
参照ライブラリの特別な生成方法
この特別な方法は以下の工程を含む。
工程a)において、標準温度にて第1の検体蒸気の既知の濃度(Y)に暴露しながら、参照静電容量センサ素子の静電容量(Cn1)を測定する。
工程b)において、標準温度にて第1の検体蒸気の不在下で、参照静電容量センサ素子の基準静電容量(Cref base)oを測定する。
工程a)及びb)は、上述のライブラリの一般的な作成方法と本質的に同じである。
工程c)において、相対参照静電容量(Cn1 ref)を決定する。Cn1 refは、等式Cn1 ref=(Cn1−Cref base)/Cref baseに従って算出することができる。
工程d)において、第1の検体蒸気の少なくとも2つ(例えば、少なくとも2、3、4,5、10、又は更には少なくとも20)の追加の異なる濃度で、工程a)及びc)を繰り返す。
第1の検体蒸気の異なる濃度で測定された相対参照静電容量値から、Cn1 refと第1の検体蒸気の濃度との間の参照相関を、上述のライブラリの一般的な作成方法から(例えば、工程gに関連して記載するように)構成することができる。
結果的に、工程e)において、Cn1 refと第1の検体蒸気の濃度との間の第1の参照相関が生成され、第2の工程f)においてコンピュータ可読媒体上に記録される。
図2は、500ppmのイソプロパノール(IPA)暴露から得た静電容量値に対する相対静電容量値を算出した後(即ち、有機蒸気の所与の濃度に関する測定された真の静電容量を、500ppmのIPA暴露におけるセンサ素子の真の静電容量で除した後)の、種々の有機蒸気に関する、図1A及び図1Bと同様の吸収静電容量センサ素子の例示的な参照相関を示す。
校正ライブラリを形成する上記方法は、第1及び第2の検体が同じか又は異なっているかに拘らず実施することができる。追加検体に関する参照相関は、対応する追加検体を用いて上記手順を繰り返すことによって容易に生成され得る。いくつかの実施形態では、例えば、少なくとも第2の(又は後続の)検体が水蒸気である場合、本開示による方法を用いて湿度を測定することができる。
上述の参照ライブラリは、センサ素子を用いて検出することができる種々の検体蒸気ごとの参照相関を含む。その結果、コンピュータ可読媒体が電子素子に組み込まれ得る。
代表的なかかる装置が図3に示されている。ここで図3を参照すると、電子素子300は、電子素子300に含まれる電気部品に給電するように適合された操作回路350を含む。任意の一体構造の静電容量センサ素子310は、その中に情報が格納されているコンピュータ可読媒体328上に参照ライブラリを作成するために用いられる参照静電容量センサ素子と実質的に同じ設計のものである。該情報は、本開示の対応する方法に従って作成される校正ライブラリを含む。検出モジュール322は、操作回路350と電気的に導通しており、かつ任意の一体構造の静電容量センサ素子310からの電気信号を受け取るように構成される。好適な検出モジュールの例としては、アナログディジタル変換器が挙げられる。プロセッサモジュール324は、検出モジュール322及びコンピュータ可読媒体328に通信可能に接続される。好適なプロセッサモジュールの例としては、コンピュータ可読媒体からの入力情報を受け取って数学的な計算を実行し、それによって出力情報を生成することができるコンピュータチッププロセッサが挙げられる。
プロセッサモジュール324は、特定の検体蒸気の未知の濃度に暴露しながら、任意の一体構造の静電容量センサ素子310の静電容量(Cunk)を得るように適合され、該特定の検体蒸気に対応する参照相関は校正ライブラリの中に存在する。プロセッサモジュールの能力は、参照ライブラリに含まれている相関の性質によって決定される。
例えば、参照ライブラリが、上述の参照ライブラリを作成するための一般的な方法に従って作成される場合、プロセッサモジュール324は、(例えば、検出モジュール322から)任意の一体構造の静電容量センサ素子310の基準静電容量(Cint base)を得、相対静電容量Cunk rel=(Cunk−Cint base)/Rconvを得、Cunk relを参照ライブラリの中の対応する参照相関と比較して検体蒸気の真の濃度を得、並びに、この真の濃度をコンピュータ可読媒体328上に記録する及び/又は真の濃度をディスプレイ部材340に通信する、ように更に適合される。Rconvは、一体構造のセンサ素子を、第2の検体の既知の第1の蒸気濃度に暴露することと、一体構造のセンサ素子を第2の検体の既知の第1の蒸気濃度に暴露しながら、一体構造のセンサ素子の第1の静電容量(Cint meas1)を測定することと、一体構造のセンサ素子を第2の検体の既知の第2の蒸気濃度に暴露しながら、一体構造のセンサ素子の第2の静電容量(Cint meas2)を測定することと、差(ΔCint meas)を得ることと、ここで、
ΔCint meas=|Cint meas1−Cint meas2|)、第2の検体の第1の蒸気濃度における参照センサ素子の第1の相対参照静電容量(Cn2 ref1)と、検体の第2の蒸気濃度における参照センサ素子の第2の相対参照静電容量(Cn2 ref2)との差(ΔCn2 ref)を得ることと、ここで、
ΔCn2 ref=|Cn2 ref1−Cn2 ref2|、及びRconvをΔCint meas/ΔCn2 refとして算出することと、を含む方法によって得ることができる。
しかしながら、参照ライブラリが、上述の参照ライブラリを作成するための特別な方法に従って作成される場合には、プロセッサモジュール324は、(例えば、検出モジュール322から)任意の一体構造の静電容量センサ素子310の基準静電容量(Cint base)を得、相対静電容量(Cunk rel)=(Cunk−Cint base)/Cint baseを得、Cunk relを参照ライブラリの中の対応する参照相関と比較し、特定の検体蒸気の真の濃度を得(例えば、アセトンが特定の検体蒸気である場合には、対応の参照相関はアセトンに関連する)、並びに、真の濃度をコンピュータ可読媒体328上に記録する及び/又は真の濃度をディスプレイ部材340に通信する、ように更に適合される。
好適なディスプレイ部材の例としては、発光ダイオード(LED)ディスプレイ及びプリンタが挙げられる。通信インターフェイスモジュール326は、ディスプレイ部材340及びプロセッサモジュール324に通信可能に接続される。操作回路350は、操作回路350、検出モジュール322、一体構造の静電容量センサ素子310、プロセッサモジュール324、及び通信インターフェイスモジュール326に電力を供給するように適合された任意の電源335を含む。いくつかの実施形態では、検出モジュール322、コンピュータ可読媒体328、プロセッサモジュール324、及び通信インターフェイスモジュール326は全て、単一の半導体コンピュータチップ320に組み込まれる。
いくつかの実施形態では、操作回路350は、任意の一体構造の静電容量センサ素子310を加熱するように適合された任意の加熱素子360(例えば、抵抗加熱器)と電気的に導通している。
一体構造の静電容量センサ素子310は上記電子素子300に対して任意であるが、該センサ素子310は、検体蒸気の検出で使用する前に電子素子300に含まれるべきである。言うまでもなく、一体構造の静電容量センサ素子310に障害が生じた場合には、別のものと取り換えることが可能である。
本開示による方法は、(有機検体に加えて)湿度が静電容量に与える影響を計算するように適合され得る。一般に、これは、測定した相対湿度及び温度から水蒸気濃度を算出し、湿度に起因する相対静電容量を決定するために、この算出結果を、例えば、水蒸気濃度と相対静電容量との間の相関と(例えば、上述で説明したように)比較し、次に、湿度及び検体に起因する観察された/算出された合計相対静電容量からこの相対静電容量を減じることによって達成される。次に、これを決定するために、得られた相対静電容量を、相対静電容量と検体蒸気濃度とを対比している対応する参照相関と照合することができる。
以下の非限定的な実施例によって本開示の目的及び利点を更に例示するが、これらの実施例に記載する特定の材料及びその量、並びに他の条件及び詳細は、本開示を不当に限定するものとして解釈されるべきではない。
特に断らない限り、実施例及び明細書の残りの部分における部、比率(%)、比などは全て重量を基準としたものである。
PIM Aの調製(MEK及びトルエン暴露で使用する)
2.0Lの三口丸底フラスコの中で、33.4365gの3,3,3’,3’−テトラメチル−1,1’−スピロビスインダン−5,5’,6,6’−テトロール(テトロール)及び19.8011gのテトラフルオロテレフタロニトリル(TFTN)を、900mLの無水N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)に溶解した。溶液は、機械的撹拌機で撹拌され、溶液に窒素を1時間曝気した。この溶液に、81.4480gの炭酸カリウムを加えた。フラスコを67℃の油浴に入れた。混合物をこの高温で、窒素環境中、67.5時間攪拌した。重合混合物が、9.0Lの水に注がれた。形成された沈殿物を減圧濾過で分離し、600mLのメタノールで洗浄した。単離させた物質を受け皿に広げ、一晩風乾させた。固形物を広口瓶に入れ、真空下で4時間にわたって68℃で乾燥させた。生じた黄色い粉末を、450mLのTHFに溶解させた。溶液を、9.0Lのメタノールにゆっくりと注いだ。形成された沈殿物を減圧濾過で分離した。単離させた物質を受け皿に広げ、一晩風乾させた。固体を広口瓶に入れ、真空下で4時間にわたって68℃で乾燥させた。メタノール内の沈殿をもう一度行った。生じた乾燥させた明るい黄色いポリマーは43.21gであった。光散乱検出を用いるGPCによるポリマーの分析は、物質が約35,800g/molの数平均分子量(M)を有することを示した。
PIM Bの調製(参照相関を生成するために用いる)
8オンス(240mL)の琥珀色の広口瓶の中で、5.6161gの3,3,3’,3’−テトラメチル−1,1’−スピロビスインダン−5,5’,6,6’−テトロール(テトロール)及び3.3000gのテトラフルオロテレフタロニトリル(TFTN)を、150mLの無水N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)に溶解した。6.0004gの炭酸カリウムをこの溶液に追加した。広口瓶を65℃のローンドロメータ(laundrometer)に入れた。この混合物をこの高温で62時間にわたって攪拌した。重合混合物を1.5Lの水に注ぎ込んだ。形成された沈殿を減圧濾過で分離し、300mLのメタノールで洗浄した。単離した材料を広口瓶に入れ、真空下で18時間にわたって58℃で乾燥させた。生じた黄色い粉末を100mLのテトラヒドロフランに溶解させた。この溶液を、1.5Lのメタノールにゆっくりと注いだ。形成された沈殿物を減圧濾過で分離した。分離した材料を広口瓶に入れ、真空下で18時間にわたって58℃で乾燥させた。メタノール中での沈殿をもう一度実行した。生じた乾燥させた明るい黄色いポリマーは7.09gであった。光散乱検出を用いるGPCによるポリマーの分析は、物質が約35,600g/molの数平均分子量(M)を有することを示した。
センサ素子の作成
センサ素子を、ALCONOX LIQUI−NOX清浄液(Alconox(White Plains、New York))中に30〜60分の間浸漬することによって洗浄した後、スライドの両面を毛ブラシでこすって洗い、水道のお湯ですすいだ後、最後に脱イオン水(DI water)ですすいだ、440×440mmパネル(厚さ1.1mm、Schott North America(Elmsford,New York)から入手のD−263 T Standardガラス)から切断した2”×2”(5.1cm×5.1cm)のSchottガラススライドの上に作成した。スライドは、表面への粉塵の堆積を防止するために風乾で遮蔽された。乾燥した清潔なスライドを、Entegris(Chaska、Minnesota)から入手した7.6cmのウエハーキャリアの中で保管した。
第1の導電性電極は、厚さ1.16mmのステンレス鋼からレーザ切断して作られた、単一の矩形開口部を有し、上部縁が0.46インチ(1.2cm)、底部縁が0.59インチ(1.5cm)、及び左右の縁が0.14インチ(0.35cm)である、2インチ(5cm)×2インチ(5cm)の正方形マスク(MASK A)を使用して、10.0nmのチタン(Alfa Aesar(Ward Hill,Massachusetts)よりチタン片として入手、9.5mm×9.5mm、純度99.9+%)を毎秒0.1nm(nm/秒)の速度で、及び150.0nmのアルミニウム(Alfa Aesarよりショットとして入手、4〜8mm、Puratronic等級99.999%)を0.5nm/秒の速度で電子ビームにより蒸発コーティングすることによって、Schottガラススライドの上に堆積された。全てのマスクは、マスクの鋭角によって短絡する可能性を最小限に抑えるために、使用前に面取りを行った。蒸着プロセスは、INFICON(East Syracuse,New York)からのINFICON XTC/2 THIN FILM DEPOSITION CONTROLLERを用いて制御した。
PIM材料の4重量パーセントクロロベンゼン溶液は、小さな広口瓶の中で構成成分を混合し、この混合物をローラーミルの上に一晩又はポリマーが実質的に溶解するまで置き、次に1ミクロンのACRODISCフィルタ(1ミクロンのガラス繊維を有するACRODISC 25mmシリンジフィルタとしてPALL Life Sciences(Ann Arbor,Michigan)から入手)に通して濾過することによって調製された。形成されたあらゆる気泡が消えるように、この溶液を一晩放置した。
第1の導電性電極は、試料(即ち、その上に導電性電極を有するガラススライド)をWS−400B−8NPP−LITE SINGLE WAFERスピン処理装置(Laurell Technologies,Corp.(North Wales,Pennsylvania)製)に入れ、約0.5mLのクロロベンゼンを第1の導電性電極の上に置いた後、1000rpmのスピンコーティングサイクルを1分にわたって行うことによって洗浄された。
次に、PIM材料の4重量パーセント溶液を、同じスピンコーティング条件下で第1の導電性電極上にコーティングした。スピンコーティング後、アセトンを浸した綿棒でコーティングの小区画を除去することによって、PIMの厚さ測定を、AMBiOS Technology(Santa Cruz、California)からのModel XP−1表面形状測定装置を使用して行った。厚さ測定で用いたパラメータは、スキャン速度0.1mm/sec、スキャン長さ5mm、範囲10マイクロメートル、針圧0.20mg、及びフィルターレベル4であった。PIMコーティングの厚さは、概ね500〜600nmの範囲であった。コーティング後に、全ての試料を100℃で1時間ベーキングした。
パターン化された第2の銀電極を、鉛直方向に0.22インチ(0.56cm)だけ及び水平方向に0.48インチ(1.2cm)だけ分離された、高さ0.60インチ(1.5cm)×幅0.33インチ(0.84cm)の4つの矩形インクパッチの2×2アレイを作り出すパターンに従って、PIM材料の上にインクジェット印刷した。第2の電極をインクジェット印刷するために、ビットマップ画像(インチ当たり702ドット(1センチメートル当たり276ドット))を形成し、XY堆積システムにダウンロードした。銀ナノ粒子ゾルを堆積させるのに使用したプリントヘッドは、液滴体積10ピコリットル及び128ジェット/オリフィスのDIMATIX SX3−128プリントヘッド(FUJIFILM Dimatix(Santa Clara,California))であり、プリントヘッドアセンブリは長さ約6.5cm、及びジェット間の間隔は508ミクロンであった。この電極を敷設するために使用される銀ナノ粒子ゾルは、Cabotから名称AG−IJ−G−100−S1で入手した。銀ナノ粒子ゾルは、エタノール約15〜40重量パーセント、エチレングリコール15〜40重量パーセント、及び銀20重量パーセントであった。試料は、多孔質アルミニウム真空プラテンの使用により、インクジェット印刷プロセスの間、しっかりと固定された。印刷が完了したら、試料を多孔質アルミニウム真空プラテンから取り外し、電気こんろの上に125℃にて15分にわたって置いた。
活性電極を堆積させた後、DGP−40LT−25C(銀ナノ粒子インク、ANP(244 Buyong industrial complex,Kumho−ri,Buyong−myeon,Chungwon−kun,Chungcheongbuk−do,South Korea)より入手)を用いて接続電極を作成した。試験中の電気コンタクトを容易にするために、小さな画家用の筆を使用して第2の導電性電極への接続部をペイントした。この接続部を塗った後、センサを150℃にて1時間焼成した。
このセンサ製造プロセスは、約50mm×50mmのガラス基材の上に、4個一組のセンサ素子の約8mm×10mmの活性領域(接続電極で覆われていない第1及び第2の導電性電極の重複部の下の領域)をもたらした。個々のセンサ素子は、前(活性)面が損傷しないようにセンサ素子を支持しつつ、後(非活性)面で標準的なガラススコアリングカッターを用いて、試料をさいの目状に切断して製造した。さいの目状に切断してセンサ素子とした後、これらセンサを、Entegris(Chaska,Minnesota)の3.81cmのウェハホルダで保管した。
有機蒸気に暴露されたセンサ素子の静電容量測定
試験の前に、全ての試料を、対流式オーブンを使用して150℃にて1時間にわたって焼成させた。全ての試験は、水分を除去するためにDRIERITE防湿剤(W.A.Hammond Co.,Ltd.(Xenia,Ohio))に、及びあらゆる有機汚染物質を除去するために活性炭に通過された空気中で実施された。試験チャンバは、1回に4種類のセンサ試料を測定できた。蒸気試験は、システムを通過する10L/分の乾燥空気流を用いて実施された。様々な蒸気レベルは、500マイクロリットルガスタイトシリンジ(Hamilton Company(Reno,Nevada)から入手)を装着したKD Scientificシリンジポンプ(KD Scientific Inc.(Holliston,Massachusetts)から入手可能)を用いて生成した。シリンジポンプは、500mLの三つ口フラスコの中に吊るされた濾紙片の上に有機液体を供給した。紙を通過する乾燥空気流が溶媒を蒸発させた。シリンジポンプを制御することによって様々な速度で溶媒を供給すると、様々な濃度の蒸気が発生した。シリンジポンプは、試験実施中に蒸気プロファイルを生成できるLABVIEW(National Instruments(Austin,Texas)から入手可能なソフトウェア)プログラムで制御した。MIRAN IR分析器(Thermo Fischer Scientific,Inc.(Waltham、Massachusetts)から入手可能)を用いて、設定濃度を確認した。第1の導電性電極と第2の導電性電極との間に1ボルト、1000Hzを印加するLCRメータ(Instek America,Corp.(Chino,California)よりINSTEK MODEL 821 LCRメータとして入手可能)を使用して、静電容量を測定した。シリンジポンプを制御する同一のLABVIEWプログラムを用いて、このデータを収集し、保存した。
本開示の選択された実施形態
第1の実施形態において、本開示は、ライブラリの作成方法を提供し、該方法は、
a)標準温度にて第1の検体蒸気の既知の濃度(Y)に暴露しながら、参照静電容量センサ素子の静電容量(Cref)を測定する工程と、ここで、前記参照静電容量センサ素子が、第1の導電性電極と第2の導電性電極との間に配置され、かつこれらと接触するミクロ孔質誘電体材料の層を含み、前記検体蒸気の少なくとも一部が、前記ミクロ孔質誘電体材料の細孔内に吸収される、
b)前記標準温度にて前記第1の検体蒸気の不在下で、前記参照静電容量センサ素子の基準静電容量(Cref base)を測定する工程と、
c)真の参照静電容量Cref trueを決定する工程と、ここで、
ref true=Cref−Cref base
d)第2の検体蒸気の既知の濃度に暴露しながら、前記参照静電容量センサ素子の静電容量(Cn2)を測定する工程と、
e)相対参照静電容量(Cn2 ref)を決定する工程と、ここで、
n2 ref=(Cn2−Cref base)/Cref true
f)第2の検体蒸気の少なくとも2つの追加の異なる濃度で、工程d)及びe)を繰り返す工程と、
g)Cn2 refと前記第2の検体蒸気の濃度との間の第1の参照相関を決定する工程と、
h)前記第1の参照相関をコンピュータ可読媒体上に記録する工程と、を含む。
第2の実施形態において、本開示は、前記コンピュータ可読媒体が持続性半導体メモリ素子を含む、第1の実施形態に記載のライブラリの作成方法を提供する。
第3の実施形態において、本開示は、前記第1の検体蒸気と前記第2の検体蒸気とが異なる、第1又は第2の実施形態に記載のライブラリの作成方法を提供する。
第4の実施形態において、本開示は、前記相関が数学的である、第1〜第3の実施形態のいずれか1つに記載のライブラリの作成方法を提供する。
第5の実施形態において、本開示は、前記第1の検体蒸気及び前記第2の検体蒸気が同じ化学化合物からなる、第1〜第4の実施形態のいずれか1つに記載のライブラリの作成方法を提供する。
第6の実施形態において、本開示は、前記第2の検体蒸気が水蒸気である、第1〜第5の実施形態のいずれか1つに記載のライブラリの作成方法を提供する。
第7の実施形態において、本開示は、前記標準温度が40℃〜80℃の範囲である、第1〜第6の実施形態のいずれか1つに記載のライブラリの作成方法を提供する。
第8の実施形態において、本開示は、
i)第3の検体蒸気の既知の濃度に暴露しながら、前記参照静電容量センサ素子の静電容量(Cn3)を測定することと、
j)Cn3 refを決定することと、ここで、Cn3 ref=(Cn3−Cref base)/Cref true
k)前記第3の検体蒸気の少なくとも2つの追加の異なる濃度で工程i)及びj)を繰り返すことと、
l)Cn3 refと前記第3の検体蒸気の前記濃度との間の2の参照相関を決定することと、
m)前記第2の参照相関を前記コンピュータ可読媒体上に記録することと、を更に含む、第1〜第7の実施形態のいずれか1つに記載のライブラリの作成方法を提供する。
第9の実施形態において、本開示は、第1〜第8の実施形態のいずれか1つのライブラリの作成方法に従って作成された参照ライブラリを含む情報が格納されたコンピュータ可読媒体を含む電子素子を準備する。
第10の実施形態において、本開示は、
少なくとも一体構造の静電容量センサ素子に給電するように適合された操作回路と、ここで、該一体構造の静電容量センサ素子が、前記参照静電容量センサ素子と実質的に同一構成のものである、
前記操作回路と電気的に導通している検出モジュールと、ここで、該検出モジュールが、前記一体構造の静電容量センサ素子から電気信号を受け取るように適合される、
前記検出モジュール及び前記コンピュータ可読媒体に通信可能に接続されるプロセッサモジュールと、ここで、該プロセッサモジュールが、
対応する参照相関が前記校正ライブラリの中に存在する、特定の検体蒸気の未知の濃度に暴露しながら、前記一体構造の静電容量センサ素子の前記静電容量Cunk)を得、
前記一体構造の静電容量センサ素子の基準静電容量(Cint base)を得、
相対静電容量Cunk rel=(Cunk−Cint base)/Rconvを得、ここで、Rconvは、次を含む方法によって得られる:
前記一体構造のセンサ素子を前記第2の検体の既知の第1の蒸気濃度に暴露すること、ここで、前記一体構造のセンサ素子は、2つの電極の間に配置され、かつこれらと接触するミクロ孔質材料の層を含み、及び、前記第2の検体の少なくとも一部は、前記ミクロ孔質材料の細孔内に吸着される;
前記一体構造のセンサ素子を前記第2の検体の既知の第1の蒸気濃度に暴露しながら、前記一体構造のセンサ素子の第1の静電容量(Cint meas1)を測定すること;
前記一体構造のセンサ素子を前第2の検体の既知の第2の蒸気濃度に暴露しながら、前記一体構造のセンサ素子の第2の静電容量(Cint meas2)を測定することと;
差(ΔCint meas)を得ること、ここで、
ΔCint meas=|Cint meas1−Cint meas2|、
前記第2の検体の前記第1の蒸気濃度における参照センサ素子の第1の相対参照静電容量(Cn2 ref1)と、前記検体の前記第2の蒸気濃度における前記参照センサ素子の第2の相対参照静電容量(Cn2 ref2)との間の差(ΔCn2 ref)を得ること、ここで、ΔCn2 ref=|Cn2 ref1−Cn2ref2|;及び
convをΔCint meas/ΔCn2 refとして算出すること;
unk relを前記参照ライブラリの中の対応する参照相関と比較して、前記検体蒸気の真の濃度を得、及び、
次の少なくとも一方を行う:
前記真の濃度を前記コンピュータ可読媒体上に記録する;又は
前記真の濃度をディスプレイ部材に通信する;ように適合される、
前記ディスプレイ部材及び前記プロセッサモジュールに通信可能に接続される通信インターフェイスモジュールと、を更に含み、
前記操作回路が、少なくとも前記検出モジュール、プロセッサモジュール、ディスプレイ部材、及び通信インターフェイスモジュールに電力を供給する、第8の実施形態に記載の電子素子を準備する。
第11の実施形態において、本開示は、前記操作回路が、前記一体構造の静電容量センサ素子を加熱するように適合された加熱素子と電気的に導通している、第10の実施形態に記載の電子素子を準備する。
第12の実施形態において、本開示は、前記電子素子が、前記操作回路と電気的に導通している一体構造の静電容量センサ素子を更に含み、前記一体構造の静電容量センサ素子が参照静電容量センサ素子と同一構成のものである、第10又は第11に記載の実施形態に記載の電子素子を準備する。
第13の実施形態において、本開示は、校正された電子センサの製造方法を提供し、該方法は、
第11又は第12の実施形態に記載の電子素子を準備することと、
前記一体構造の静電容量センサ素子の基準静電容量(Cint base)を得ることと、
次を含む方法によってRconvを得ることと:
前記一体構造のセンサ素子を前記第2の検体の既知の第1の蒸気濃度に暴露すること、ここで、前記一体構造のセンサ素子は、2つの電極の間に配置され、かつこれらと接触するミクロ孔質材料の層を含み、及び、前記第2の検体の少なくとも一部は、前記ミクロ孔質材料の細孔内に吸着される;
前記一体構造のセンサ素子を前記第2の検体の既知の第1の蒸気濃度に暴露しながら、前記一体構造のセンサ素子の第1の静電容量(Cint meas1)を測定すること;
前記一体構造のセンサ素子を前第2の検体の既知の第2の蒸気濃度に暴露しながら、前記一体構造のセンサ素子の第2の静電容量(Cint meas2)を測定すること;
差(ΔCint meas)を得ること、ここで
ΔCint meas=|Cint meas1−Cint meas2|;
前記第2の検体の前記第1の蒸気濃度における参照センサ素子の第1の相対参照静電容量(Cn2 ref1)と、前記検体の前記第2の蒸気濃度における前記参照センサ素子の第2の相対参照静電容量(Cn2 ref2)と間の差(ΔCn2 ref)を得ること、ここで、
ΔCn2 ref=|Cn2 ref1−Cn2 ref2|;
convを ΔCint meas/ΔCn2 refとして算出すること;及び
前記校正された電子センサを準備するために、Rconv及びCint baseを前記電子素子に格納すること;を含む。
第14の実施形態では、本開示は、第13の実施形態の校正された電子センサの製造方法に従って作成される、校正された電子センサを地供する。
第15の実施形態では、本開示は、校正された電子センサの使用方法を提供し、該方法は、
第14の実施形態に従って校正された電子センサを準備することと、
前記標準温度にて前記特定の検体蒸気の前記の未知の濃度に暴露しながら、前記一体構造の静電容量センサ素子の静電容量(Cunk)を測定することと、
相対静電容量Cunk rel=(Cunk−Cint base)/Rconvを得ることと、
unk relを、前記参照ライブラリの中の対応する参照相関と比較し、前記検体蒸気の前記真の濃度を得ることと、
次の少なくとも一方を行うことと:
前記検体蒸気の真の濃度を前記コンピュータ可読媒体上に記録すること;又は
前記検体蒸気の真の濃度を前記ディスプレイ部材に通信すること;を含む。
第16の実施形態において、本開示は、ライブラリの作成方法を提供し、該方法は、
a)標準温度にて第1の検体蒸気の既知の濃度(Y)に暴露しながら、参照静電容量センサ素子の静電容量(Cn1)を測定する工程と、ここで、前記参照静電容量センサ素子は、第1の導電性電極と第2の導電性電極との間に配置され、かつこれらと接触するミクロ孔質誘電体材料の層を含み、及び、前記検体蒸気の少なくとも一部が、前記ミクロ孔質誘電体材料の細孔内に吸収される、
b)前記標準温度にて前記第1の検体蒸気の不在下で、前記参照静電容量センサ素子の基準静電容量(Cref base)を測定する工程と、
c)相対参照静電容量(Cn1 ref)を決定する工程と、ここで、
n1 ref=(Cn1−Cref base)/Cref base
d)前記第1の検体蒸気の少なくとも2つの追加の異なる濃度で、工程a)及びc)を繰り返す工程と、
e)Cn1 refと、前記第1の検体蒸気の前記濃度との間の第1の参照相関を決定する工程と、
f)前記第1の参照相関をコンピュータ可読媒体上に記録する工程と、を含む。
第17の実施形態において、本開示は、前記コンピュータ可読媒体が持続性半導体メモリ素子を含む、第16の実施形態に記載のライブラリの作成方法を提供する。
第18の実施形態において、本開示は、前記相関が数学的である、第16又は第17の実施形態に記載のライブラリの作成方法を提供する。
第19の実施形態において、本開示は、前記第1の検体蒸気が水蒸気である、第16〜第18の実施形態のいずれか1つに記載のライブラリの作成方法を提供する。
第20の実施形態において、本開示は、前記標準温度が40℃〜80℃の範囲である、第16〜第19の実施形態のいずれか1つに記載のライブラリの作成方法を提供する。
第21の実施形態において、本開示は、
g)第2の検体蒸気の既知の濃度に暴露しながら、前記参照静電容量センサ素子の前記静電容量(Cn2)を測定することと、
h)Cn2 refを決定することと、ここで、Cn2 ref=(Cn2−Cref base)/Cref base
i)前記第2の検体蒸気の少なくとも2つの追加の異なる濃度で工程g)及びh)を繰り返すことと、
j)第2の参照相関を決定することと、ここで、該第2の参照相関は、Cn2 refと前記第2の検体蒸気の濃度との間の数学的又はグラフ的相関を含む、
k)前記第2の参照相関を前記コンピュータ可読媒体上に記録することと、を更に含む、第16〜第20の実施形態のいずれか1つに記載のライブラリの作成方法を提供する。
第22の実施形態において、本開示は、第16〜第21の実施形態のいずれか1つに記載のライブラリの作成方法に従って作成された参照ライブラリを含む情報が格納されたンピュータ可読媒体を含む電子素子を準備する。
第23の実施形態において、本開示は、
少なくとも一体構造の静電容量センサ素子に給電するように適合された操作回路と、ここで、該一体構造の静電容量センサ素子が、前記参照静電容量センサ素子と実質的に同一構成のものである、
前記操作回路と電気的に導通している検出モジュールと、ここで、該検出モジュールが、前記一体構造の静電容量センサ素子から電気信号を受け取るように適合される、
前記検出モジュール及び前記コンピュータ可読媒体に通信可能に接続されるプロセッサモジュールと、ここで、該プロセッサモジュールが、
対応する参照相関が前記校正ライブラリの中に存在する、特定の検体蒸気の未知の濃度に暴露しながら、前記一体構造の静電容量センサ素子の静電容量(Cunk)を得、
前記一体構造の静電容量センサ素子の前記基準静電容量(Cint base)を得、
相対静電容量(Cunk rel)=(Cunk−Cint base)/Cint baseを得、
unk relを、前記参照ライブラリの中の対応する参照相関と比較し、前記検体蒸気の前記真の濃度を得、及び
次の少なくとも一方を行う:
前記真の濃度を前記コンピュータ可読媒体上に記録する;又は
前記真の濃度をディスプレイ部材に通信する;ように適合される、
前記ディスプレイ部材及び前記プロセッサモジュールに通信可能に接続される通信インターフェイスモジュールと、を更に含み、
前記操作回路が、少なくとも前記検出モジュール、プロセッサモジュール、ディスプレイ部材、及び通信インターフェイスモジュールに電力を供給する、第21の実施形態に記載のライブラリの作成方法を提供する。
第24の実施形態において、本開示は、前記操作回路が、前記一体構造の静電容量センサ素子を加熱するように適合された加熱素子と電気的に導通している、第23の実施形態に記載の電子素子を準備する。
第25の実施形態において、本開示は、前記電子素子が、前記操作回路と電気的に導通している一体構造の静電容量センサ素子を更に含み、前記一体構造の静電容量センサ素子が参照静電容量センサ素子と同一構成のものである、第23又は第24の実施形態に記載の電子素子を準備する。
第26の実施形態において、本開示は、校正された電子センサの製造方法を提供し、該方法は、
第24又は第25の実施形態に記載の電子素子を準備することと、
次を含む方法によって、前記一体構造の静電容量センサ素子の基準静電容量(Cint base)を得ることと:
前記一体構造のセンサ素子を前記第1の検体の既知の第1の蒸気濃度に暴露すること、ここで、前記一体構造のセンサ素子は、2つの電極の間に配置され、かつこれらと接触するミクロ孔質材料の層を含み、及び、前記第2の検体の少なくとも一部は、前記ミクロ孔質材料の細孔内に吸着される;
前記一体構造のセンサ素子を前記第2の検体の既知の第1の蒸気濃度に暴露しながら、前記一体構造のセンサ素子の第1の静電容量(Cint meas1)を測定すること;
前記第1の検体の前記第1の蒸気濃度における参照センサ素子の第1の相対参照静電容量(Cn1 ref1)を得ること;
int baseをCint meas1/(1+Cn1 ref1)として算出すること;及び
前記校正された電子センサを準備するために、Cint baseを前記電子素子に格納すること;を含む。
第27の実施形態において、本開示は、第26の実施形態の校正された電子センサの製造方法に従って作成される、校正された電子センサを準備する。
第28の実施形態において、本開示は、校正された電子センサの使用方法を提供し、該方法は、
第27の実施形態に記載の校正された電子センサを準備することと、
前記標準温度にて前記特定の検体蒸気の前記未知の濃度に暴露しながら、前記一体構造の静電容量センサ素子の静電容量(Cunk)を測定することと、
相対静電容量(Cunk rel)=(Cunk−Cint base)/Cint baseを得ることと、
unk relを、前記参照ライブラリの中の対応する参照相関と比較し、前記検体蒸気の前記真の濃度を得ることと、
次の少なくとも一方を行うことと:
前記検体蒸気の真の濃度を前記コンピュータ可読媒体上に記録すること;又は
前記検体蒸気の真の濃度を前記ディスプレイ部材に通信すること;を含む。
当業者であれば、本開示の範囲及び趣旨から逸脱することなく本開示の様々な改変及び変更を行うことが可能であり、また、本開示は上記に記載した例示的な実施形態に不要に限定されるべきではない点は理解されるべきである。

Claims (28)

  1. 参照ライブラリの作成方法であって、
    a)標準温度にて第1の検体蒸気の既知の濃度(Y)に暴露しながら、参照静電容量センサ素子の静電容量(Cref)を測定する工程であって、前記参照静電容量センサ素子が、第1の導電性電極と第2の導電性電極との間に配置され前記第1の導電性電極及び前記第2の導電性電極と接触するミクロ孔質誘電体材料の層を含み、及び、前記検体蒸気の少なくとも一部が、前記ミクロ孔質誘電体材料の細孔内に吸収される工程と、
    b)前記標準温度にて前記第1の検体蒸気の不在下で、前記参照静電容量センサ素子の基準静電容量(Cref base)を測定する工程と、
    c)真の参照静電容量Cref true(但し、Cref true=Cref−Cref base)を決定する工程と、
    d)第2の検体蒸気の既知の濃度に暴露しながら、前記参照静電容量センサ素子の静電容量(Cn2)を測定する工程と、
    e)相対参照静電容量(Cn2 ref)(但し、Cn2 ref=(Cn2−Cref base)/Cref true)を決定する工程と、
    f)前記第2の検体蒸気の少なくとも2つの追加の異なる濃度で、工程d)及びe)を繰り返す工程と、
    g)Cn2 refと、前記第2の検体蒸気の前記濃度との間の第1の参照相関を決定する工程と、
    h)前記第1の参照相関をコンピュータ可読媒体上に記録する工程と、
    を含む方法。
  2. 前記コンピュータ可読媒体が持続性半導体メモリ素子を含む、請求項1に記載の参照ライブラリの作成方法。
  3. 前記第1の検体蒸気と前記第2の検体蒸気とが異なる、請求項1又は2に記載の参照ライブラリの作成方法。
  4. 前記第1の参照相関が数学的である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の参照ライブラリの作成方法。
  5. 前記第1の検体蒸気及び前記第2の検体蒸気が同じ化学化合物からなる、請求項1〜4のいずれか一項に記載の参照ライブラリの作成方法。
  6. 前記第2の検体蒸気が水蒸気である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の参照ライブラリの作成方法。
  7. 前記標準温度が40℃〜80℃の範囲である、請求項1〜6のいずれか一項に記載のライブラリの作成方法。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の参照ライブラリの作成方法であって、
    i)第3の検体蒸気の既知の濃度に暴露しながら、前記参照静電容量センサ素子の静電容量(Cn3)を測定する工程と、
    j)Cn3 ref(但し、Cn3 ref=(Cn3−Cref base)/Cref true)を決定する工程と、
    k)前記第3の検体蒸気の少なくとも2つの異なる濃度で、工程i)及びj)を繰り返す工程と、
    l)Cn3 refと、前記第3の検体蒸気の前記濃度との間の第2の参照相関を決定する工程と、
    m)前記第2の参照相関を前記コンピュータ可読媒体上に記録する工程と、
    を更に含む、方法。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項の参照ライブラリの作成方法に従って作成された参照ライブラリを含む情報が格納されたコンピュータ可読媒体を含む電子素子。
  10. 請求項9に記載の電子素子であって、
    少なくとも一体構造の静電容量センサ素子に給電するように適合された演算回路であって、前記一体構造の静電容量センサ素子が、前記参照静電容量センサ素子と実質的に同一構成のものである演算回路と、
    前記演算回路と電気的に導通している検出モジュールであって、前記検出モジュールが、前記一体構造の静電容量センサ素子から電気信号を受け取るように適合される検出モジュールと、
    前記検出モジュール及び前記コンピュータ可読媒体に通信可能に接続されるプロセッサモジュールであって、
    対応する参照相関が前記校正ライブラリの中に存在する、特定の検体蒸気の未知の濃度に暴露しながら、前記一体構造の静電容量センサ素子の前記静電容量(Cunk)を得る工程と;
    前記一体構造の静電容量センサ素子の前記基準静電容量(Cint base)を得る工程と;
    相対静電容量Cunk rel=(Cunk−Cint base)/Rconvを得る工程であって、
    前記一体構造のセンサ素子を前記第2の検体の既知の第1の蒸気濃度に暴露する工程であり、前記一体構造のセンサ素子が、2つの電極の間に配置され前記2つの電極と接触するミクロ孔質材料の層を含み、及び、前記第2の検体の少なくとも一部が、前記ミクロ孔質材料の細孔内に吸着される工程と、
    前記一体構造のセンサ素子を前記第2の検体の既知の第1の蒸気濃度に暴露しながら、前記一体構造のセンサ素子の第1の静電容量(Cint meas1)を測定する工程と、
    前記一体構造のセンサ素子を前記第2の検体の既知の第2の蒸気濃度に暴露しながら、前記一体構造のセンサ素子の第2の静電容量(Cint meas2)を測定する工程と、
    差(ΔCint meas)(但し、ΔCint meas=|Cint meas1−Cint meas2|)を得る工程と、
    前記第2の検体の前記第1の蒸気濃度における参照センサ素子の第1の相対参照静電容量(Cn2 ref1)と、前記検体の前記第2の蒸気濃度における前記参照センサ素子の第2の相対参照静電容量(Cn2 ref2)との間の差(ΔCn2 ref)(但し、ΔCn2 ref=|Cn2 ref1−Cn2 ref2|を得る工程と、
    convをΔCint meas/ΔCn2 refとして算出する工程と、
    を含む方法によってRconvが得られる、相対静電容量を得る工程と、
    unk relを、前記参照ライブラリの中の対応する参照相関と比較して前記検体蒸気の真の濃度を得て、前記真の濃度を前記コンピュータ可読媒体上に記録すること、又は前記真の濃度をディスプレイ部材に通信することの少なくとも一方を行う工程と、
    のために適合されるプロセッサモジュールと、
    前記ディスプレイ部材及び前記プロセッサモジュールに通信可能に接続される通信インターフェイスモジュールと、
    を更に含み、
    前記演算回路が、少なくとも前記検出モジュール、プロセッサモジュール、ディスプレイ部材、及び通信インターフェイスモジュールに電力を供給する、電子素子。
  11. 前記演算回路が、前記一体構造の静電容量センサ素子を加熱するように適合された加熱素子と電気的に導通している、請求項10に記載の電子素子。
  12. 前記電子素子が、前記演算回路と電気的に導通している一体構造の静電容量センサ素子を更に含み、前記一体構造の静電容量センサ素子が参照静電容量センサ素子と同一構成のものである、請求項10又は11に記載の電子素子。
  13. 校正された電子センサの成造方法であって、
    請求項11又は12に記載の電子素子を準備する工程と、
    前記一体構造の静電容量センサ素子の基準静電容量(Cint base)を得る工程と、
    convを得る工程であって、
    前記一体構造のセンサ素子を前記第2の検体の既知の第1の蒸気濃度に暴露する工程であり、前記一体構造のセンサ素子が、2つの電極の間に配置され前記2つの電極と接触するミクロ孔質材料の層を含み、及び、前記第2の検体の少なくとも一部が、前記ミクロ孔質材料の細孔内に吸着される工程と、
    前記一体構造のセンサ素子を前記第2の検体の既知の第1の蒸気濃度に暴露しながら、前記一体構造のセンサ素子の第1の静電容量(Cint meas1)を測定する工程と、
    前記一体構造のセンサ素子を前記第2の検体の既知の第2の蒸気濃度に暴露しながら、前記一体構造のセンサ素子の第2の静電容量(Cint meas2)を測定する工程と、
    差(ΔCint meas)(但し、ΔCint meas=|Cint meas1−Cint meas2|)を得る工程と、
    前記第2の検体の前記第1の蒸気濃度における参照センサ素子の第1の相対参照静電容量(Cn2 ref1)と、前記検体の前記第2の蒸気濃度における前記参照センサ素子の第2の相対参照静電容量(Cn2 ref2)との差(ΔCn2 ref)(但し、ΔCn2 ref=|Cn2 ref1−Cn2 ref2|)を得る工程と、
    convをΔCint meas/ΔCn2 refとして算出する工程と、
    前記校正された電子センサを準備するために、Rconv及びCint baseを前記電子素子に格納する工程と、
    を含む方法によりRconvを得る工程と、
    を含む方法。
  14. 請求項13に記載の方法に従って作成される校正された電子センサ。
  15. 校正された電子センサの使用方法であって、
    請求項14に記載の校正された電子センサを準備することと、
    前記標準温度にて前記特定の検体蒸気の前記未知の濃度に暴露しながら、前記一体構造の静電容量センサ素子の静電容量(Cunk)を測定することと、
    相対静電容量Cunk rel=(Cunk−Cint base)/Rconvを得ることと、
    unk relを、前記参照ライブラリの中の対応する参照相関と比較し、前記検体蒸気の前記真の濃度を得ることと、
    前記検体蒸気の真の濃度を前記コンピュータ可読媒体上に記録すること、又は
    前記検体蒸気の前記真の濃度を前記ディスプレイ部材に通信すること、
    の少なくとも一方を行うことと、
    を含む方法。
  16. 参照ライブラリの作成方法であって、
    a)標準温度にて第1の検体蒸気の既知の濃度(Y)に暴露しながら、参照静電容量センサ素子の静電容量(Cn1)を測定する工程であって、前記参照静電容量センサ素子が、第1の導電性電極と第2の導電性電極との間に配置され前記第1の導電性電極及び前記第2の導電性電極と接触するミクロ孔質誘電体材料の層を含み、及び、前記検体蒸気の少なくとも一部が、前記ミクロ孔質誘電体材料の細孔内に吸収される工程と、
    b)前記標準温度にて前記第1の検体蒸気の不在下で、前記参照静電容量センサ素子の基準静電容量(Cref base)を測定する工程と、
    c)相対参照静電容量(Cn1 ref)(但し、Cn1 ref=(Cn1−Cref base)/Cref base)を決定する工程と、
    d)前記第1の検体蒸気の少なくとも2つの追加の異なる濃度で、工程a)及びc)を繰り返す工程と、
    e)Cn1 refと、前記第1の検体蒸気の前記濃度との間の第1の参照相関を決定する工程と、
    f)前記第1の参照相関をコンピュータ可読媒体上に記録する工程と、
    を含む、方法。
  17. 前記コンピュータ可読媒体が持続性半導体メモリ素子を含む、請求項16に記載の参照ライブラリの作成方法。
  18. 前記相関が数学的である、請求項16〜17のいずれか一項に記載の参照ライブラリの作成方法。
  19. 前記第1の検体蒸気が水蒸気である、請求項16〜18のいずれか一項に記載の参照ライブラリの作成方法。
  20. 前記標準温度が40℃〜80℃の範囲である、請求項16〜19のいずれか一項に記載の参照ライブラリの作成方法。
  21. 請求項16〜20のいずれか一項に記載の参照ライブラリの作成方法であって
    g)第2の検体蒸気の既知の濃度に暴露しながら、前記参照静電容量センサ素子の静電容量(Cn2)を測定する工程と、
    h)Cn2 ref(但し、Cn2 ref=(Cn2−Cref base)/Cref base)を決定する工程と、
    i)前記第2の検体蒸気の少なくとも2つの追加の異なる濃度で、工程g)及びh)を繰り返す工程と、
    j)第2の参照相関(但し、前記第2の参照相関は、Cn2 refと前記第2の検体蒸気の前記濃度との間の数学的又はグラフ的相関を含む)を決定する工程と、
    k)前記第2の参照相関を前記コンピュータ可読媒体上に記録する工程と、
    を更に含む、方法。
  22. 請求項16〜21のいずれか一項の参照ライブラリの作成方法に従って作成された参照ライブラリを含む情報が格納されたコンピュータ可読媒体を含む電子素子。
  23. 少なくとも一体構造の静電容量センサ素子に給電するように適合された演算回路であって、前記一体構造の静電容量センサ素子が、前記参照静電容量センサ素子と実質的に同一構成のものである演算回路と、
    前記演算回路と電気的に導通している検出モジュールであって、前記検出モジュールが、前記一体構造の静電容量センサ素子から電気信号を受け取るように適合される検出モジュールと、
    前記検出モジュール及び前記コンピュータ可読媒体に通信可能に接続されるプロセッサモジュールであって、前記プロセッサモジュールが、
    対応する参照相関が前記校正ライブラリの中に存在する、特定の検体蒸気の未知の濃度に暴露しながら、前記一体構造の静電容量センサ素子の静電容量(Cunk)を得る工程と、
    前記一体構造の静電容量センサ素子の基準静電容量(Cint base)を得る工程と、
    相対静電容量(Cunk rel)=(Cunk−Cint base)/Cint baseを得る工程と、
    unk relを、前記参照ライブラリの中の対応する参照相関と比較し、前記検体蒸気の真の濃度を得て、前記真の濃度を前記コンピュータ可読媒体上に記録すること、又は前記真の濃度をディスプレイ部材に通信することの少なくとも一方を行う工程と、
    のために適合されるプロセッサモジュールと、
    前記ディスプレイ部材及び前記プロセッサモジュールに通信可能に接続される通信インターフェイスモジュールと、
    を更に含み、
    前記演算回路が、少なくとも前記検出モジュール、前記プロセッサモジュール、前記ディスプレイ部材、及び前記通信インターフェイスモジュールに電力を供給する、請求項22に記載の電子素子。
  24. 前記演算回路が、前記一体構造の静電容量センサ素子を加熱するように適合された加熱素子と電気的に導通している、請求項23に記載の電子素子。
  25. 前記電子素子が、前記演算回路と電気的に導通している一体構造の静電容量センサ素子を更に含み、前記一体構造の静電容量センサ素子が参照静電容量センサ素子と同一構成のものである、請求項24に記載の電子素子。
  26. 校正された電子センサの成造方法であって、
    請求項24又は25に記載の電子素子を準備する工程と、
    前記一体構造の静電容量センサ素子の基準静電容量(Cint base)を得る工程であって、
    前記一体構造のセンサ素子を前記第1の検体の既知の第1の蒸気濃度に暴露する工程であり、前記一体構造のセンサ素子は、2つの電極の間に配置され前記2つの電極と接触するミクロ孔質材料の層を含み、及び、前記第2の検体の少なくとも一部は、前記ミクロ孔質材料の細孔内に吸着される工程と、
    前記一体構造のセンサ素子を前記第2の検体の既知の第1の蒸気濃度に暴露しながら、前記一体構造のセンサ素子の第1の静電容量(Cint meas1)を測定する工程と、
    前記第1の検体の前記第1の蒸気濃度における参照センサ素子の第1の相対参照静電容量(Cn1 ref1)を得る工程と、
    int baseをCint meas1/(1+Cn1 ref1)として算出する工程と、
    前記校正された電子センサを準備するために、Cint baseを前記電子素子に格納する工程と、
    を含む方法によって前記一体構造の静電容量センサ素子の基準静電容量を得る工程と、
    を含む方法。
  27. 請求項26に記載の方法に従って作成される校正された電子センサ。
  28. 校正された電子センサの使用方法であって、
    請求項27に記載の校正された電子センサを準備することと、
    前記標準温度にて前記特定の検体蒸気の前記未知の濃度に暴露しながら、前記一体構造の静電容量センサ素子の静電容量(Cunk)を測定することと、
    相対静電容量(Cunk rel)=(Cunk−Cint base)/Cint baseを得ることと、
    unk relを、参照ライブラリの中の対応する参照相関と比較し、前記検体蒸気の真の濃度を得ることと、
    検体蒸気の前記真の濃度を前記コンピュータ可読媒体上に記録すること、又は前記検体蒸気の前記真の濃度を前記ディスプレイ部材に通信することの少なくとも一方を行うことと、
    を含む方法。
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