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JP2014240399A - イソキノリン誘導体又はその塩の新規製造方法 - Google Patents

イソキノリン誘導体又はその塩の新規製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】医薬化合物の合成中間体である1,4−ジアゼパン誘導体を、環境に悪影響を与えることなく、大量スケールであっても高収率で工業的に製造することができる新規な製造方法の提供。【解決手段】式(V)で表される鎖状アミノアルコール化合物を、溶媒中、トリフェニルホスフィン及びアゾジカルボン酸ジイソプロピルの存在下で脱水反応させることによる1,4−ジアゼパン誘導体の製造方法。[式中、R3は、C1-4アルキル基を示し、Nsは、ノシル基(2−ニトロベンゼンスルホニル基)を示し、P1は、水素、C1-6アルコキシカルボニル基、C6-10アリールC1-3アルキル基又はC6-10アリールC1-3アルコキシカルボニル基を示す。]【選択図】なし

Description

本発明は、脳梗塞、脳出血、くも膜下出血、脳浮腫等の脳血管障害の予防及び治療を始めとし、特に緑内障治療薬として有用なイソキノリン誘導体又はその塩の製造方法に関する。
(S)−(−)−1−(4−フルオロイソキノリン−5−イル)スルホニル−2−メチル−1,4−ジアゼパンは次式(1):
Figure 2014240399
で表される化合物であり、特にその塩酸塩・二水和物は水溶性の結晶であり、吸湿性がなく、化学的安定性に優れるため、医薬品として有用であることが知られている(特許文献1及び2参照)。これらのイソキノリン−5−スルホンアミド化合物は、脳梗塞、脳出血、くも膜下出血、脳浮腫等の脳血管障害の予防及び治療剤、特に緑内障の予防及び治療剤として有用であることが知られている(特許文献1〜5参照)。
従来、前記化合物の製造法は、例えば、下記製造工程に示すような特許文献1に記載された方法によって製造する方法が報告されている(製造法1−A)。
Figure 2014240399
すなわち、(S)−1−tert−ブトキシカルボニル−3−メチル−1,4−ジアゼパン(3)と5−クロロスルホニル−4−フルオロイソキノリン(2)をトリエチルアミン存在下、塩化メチレン中で反応させることにより化合物(4)を合成し(第一工程)、次に得られた化合物(4)を塩化メチレン中でトリフルオロ酢酸を加え脱保護(第二工程)することにより所望の化合物(1)を製造する方法である。
また、前記化合物(1)を製造するための重要中間体である(S)−1−tert−ブトキシカルボニル−3−メチル−1,4−ジアゼパン(3)は、例えば、次のような方法で製造できることが知られている(製造法1−B;特許文献1参照)。
Figure 2014240399
また、一方で、化合物(1)は、次に示すような製造経路(製造法2)でも製造可能であることが知られている(特許文献1参照)。
Figure 2014240399
国際公開第1999/20620号パンフレット 国際公開第2006/057397号パンフレット 国際公開第1997/028130号パンフレット 特開2006−348028号公報 特開2006−290827号公報
しかしながら、上記製造法1−Aは、少量スケールでの実験室での製造は可能であるものの、工業的な大量製造に視点を置くと、環境に有害なハロゲン化炭化水素系溶媒中で化合物(2)と(3)とのカップリング工程を実施しているため、環境に著しい悪影響を与えるという問題が存在した。そこで、特許文献1の明細書にも記載されているハロゲン化炭化水素系以外の溶媒、例えば、ジオキサン、テトラヒドロフランなどを実際に試してみたが、本カップリング反応は確かに一部進行するが、反応時間を延長しても原料が残存し反応が完結せず、収率はたかだか30%に留まってしまうという問題が判明した。さらに、ジオキサンは環境中では分解しにくく、除去も困難とされており、人に対して刺激性があり、脳、腎臓、肝臓に障害を引き起こす可能性のある化合物として知られているので好ましくない。
さらに上記製造法1−Bによって化合物(3)を実際に製造してみると、再現性を以って良好な収率で目的化合物を得ることが困難であることが判明した。すなわち、該製造経路においては、1,4−ジアゼパン環を形成する際にジメチルスルホキシド中で水素化ナトリウムを用いているが、この工程を実際に行ってみたところ、目的化合物を再現性を以って高収率で得ることができなかった。また、この方法は不安定な中間体を通る合成経路によるものであるため、容易に別化合物へと変換されてしまうことが判明した。この安定性が反応の再現性に影響することから本製造工程の潜在的問題と限界が露呈した。
一方、上記製造法2においても実際に大量製造を遂行しようとすると、種々の問題に遭遇した。例えば、8工程に及ぶ直列型製造法による各段階で形成される副生成物は工程を重ねるごとに不純物として蓄積されて、より複雑な不純物プロファイルを与えた。拠って、医薬品として求められる純度まで精製するには煩雑な再結晶を繰り返さなければならず、例え実験室における収率は良好であっても、実際の大量製造では総収率が著しく低下してしまい、真の工業的有用性は有していないことが判明した。これら問題を医薬品製造に求められるGMP工程管理という観点から考えると次のように整理することができる。
1)8工程に及ぶ複雑且つ多くの管理工程を要する、2)第3工程の3−アミノ−1−プロパノールを反応させる工程において、除去困難な位置異性体が混在する、3)第4工程における位置異性体の混在物の除去にシュウ酸塩による結晶化精製を要する、4)第5工程におけるシュウ酸塩から遊離塩基に戻す際の分液抽出操作により水分が混入する、5)第6工程における化合物(6)から化合物(1)への閉環に用いられる光延反応において水分管理を要する、6)閉環反応の再現性不良により、試薬追加等の逸脱管理が生じる、7)第7工程における光延反応後の不純物除去において煩雑な精製を要し、単離収率の低下をまねく。これらは、高い化学純度が要求される医薬品の原体を安定的に供給する上で解決しなければならない問題である。
従って、本発明は、前記式(1)で示される化合物を含むイソキノリン誘導体又はその塩の、環境に優しく、簡便且つ高純度、高収率での良好な再現性を有する新規製造法を提供することを目的とする。
本発明者は、かかる事情を鑑み鋭意検討したところ、次式に示す最終目的物の製造工程において、
Figure 2014240399
(式中、X1は、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素を示し、R1、R2及びR3は互いに同一又は異なっていてもよく、C1-4アルキル基を示し、Pは、保護基を示し、mは、0ないし3の整数を示し、nは、0ないし3の整数を示す。)
化合物(II)と(III)のカップリング工程において好ましく用いることができる溶媒は、ニトリル系溶媒、アミド系溶媒、スルホキシド系溶媒又はウレア系溶媒であり、これらの溶媒を用いると極めて短時間にほぼ定量的に目的物へ変換できることを見出した。これらの溶媒を用いることによって、環境に著しい悪影響を与えるハロゲン化炭化水素系溶媒を用いる必要がなく且つ高収率を維持しながら大量スケールで該カップリング工程を行うことができる。さらに溶媒の除去等反応後の処理を考慮すると、これら溶媒の中でもアセトニトリルが最適であることを見出した。また、脱保護の工程においても酢酸エチル溶媒中で塩酸を用いることにより、目的化合物(I)を塩酸塩の結晶体として単離することができるため、煩雑な溶媒留去の操作を経ることなく、より簡易な操作手順で目的化合物(I)を得ることができることを見出した。さらに本脱保護工程ではハロゲン化炭化水素系溶媒を用いる必要がないため、環境を害するおそれもない。
さらにカップリング工程における重要中間体である化合物(II)の大量製造において、従来法に比して再現性良く高純度、高収率で目的化合物に導くことができることを見出した。すなわち、本方法では環境に有害なハロゲン化炭化水素系溶媒中での製造を排除して高純度、高収率で各中間体に導くことを可能とした。さらに1,4−ジアゼパン環を形成する際にジメチルスルホキシド中で水素化ナトリウムを用いる反応において遭遇する諸問題を回避する目的で、より緩和な条件での閉環反応を可能とすべく、保護基としてカルボベンジルオキシ基の代わりにノシル基を用いて光延反応を行うことで、全体の製造工程を一工程短縮すると共に、光学純度の低下を伴うことなく、所望の目的化合物を得ることに成功した。
すなわち、本発明は以下に関する。
[1]ニトリル系溶媒、アミド系溶媒、スルホキシド系溶媒及びウレア系溶媒からなる群から選択される少なくとも1種の溶媒並びに塩基の存在下で、式(III):
Figure 2014240399
(式中、X1は、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素を示し、R1は、C1-4アルキル基を示し、mは、0ないし3の整数を示す。)
で表される化合物又はその塩と、式(II):
Figure 2014240399
(式中、R2及びR3は互いに同一又は異なっていてもよく、C1-4アルキル基を示し、nは、0ないし3の整数を示し、Pは、C1-6アルコキシカルボニル基、C6-10アリールC1-3アルキル基又はC6-10アリールC1-3アルコキシカルボニル基を示す。)
で表される化合物とを反応させる工程を含むことを特徴とする、式(I):
Figure 2014240399
(式中、R1、R2、R3、m及びnは前記と同じ。)
で表される化合物又はその塩の製造方法。
[2]前記式(I)、(II)及び(III)中、m及びnはそれぞれ0である前記[1]に記載の製造方法。
[3]前記式(I)、(II)及び(III)中、R3は、メチル基である前記[1]又は[2]に記載の製造方法。
[4]前記溶媒が、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルプロピレン尿素及びアセトニトリルからなる群から選択される少なくとも1種の溶媒である前記[1]〜[3]のいずれか1つに記載の製造方法。
[5]前記溶媒が、アセトニトリルである前記[1]〜[4]のいずれか1つに記載の製造方法。
[6]前記溶媒の量が、前記式(III)で表される化合物に対して、1〜40倍量(v/w)である前記[1]〜[5]のいずれか1つに記載の製造方法。
[7]前記塩基が、第三級アミンである前記[1]〜[6]のいずれか1つに記載の製造方法。
[8]式(V):
Figure 2014240399
[式中、R3は、C1-4アルキル基を示し、Nsは、ノシル基を示し、Pは、C1-6アルコキシカルボニル基、C6-10アリールC1-3アルキル基又はC6-10アリールC1-3アルコキシカルボニル基を示す。]
で表される化合物を、溶媒中、ホスフィン試薬とアゾ試薬の存在下で反応させて、式(IV):
Figure 2014240399
(式中、R3、Ns及びPは前記と同じ。)
で表される化合物を製造する工程をさらに含む前記[1]〜[7]のいずれか1つに記載の製造方法。
[9]前記ホスフィン試薬がトリフェニルホスフィンであり、前記アゾ試薬がアゾジカルボン酸ジイソプロピルである前記[8]に記載の製造方法。
[10]式(VI):
Figure 2014240399
(式中、R3は、C1-4アルキル基を示し、Nsは、ノシル基を示す。)
で表される化合物を、溶媒中ホスフィン試薬とアゾ試薬の存在下で反応させて、式(II−3):
Figure 2014240399
(式中、R3及びNsは前記と同じ。)
で表される化合物を製造する工程をさらに含む前記[1]〜[7]のいずれか1つに記載の製造方法。
[11]前記ホスフィン試薬がトリフェニルホスフィンであり、前記アゾ試薬がアゾジカルボン酸ジイソプロピルである前記[10]に記載の製造方法。
[12]陽イオン交換樹脂を用いて精製を行う工程をさらに含む、前記[10]又は[11]に記載の製造方法。
[13]酢酸メチル、酢酸エチル及び酢酸プロピルからなる群から選択される少なくとも1種の溶媒並びに塩酸の混合溶媒下で、式(I−3):
Figure 2014240399
(式中、R1、R2及びR3は互いに同一又は異なっていてもよく、C1-4アルキル基を示し、mは、0ないし3の整数を示し、nは、0ないし3の整数を示し、Bocは、tert−ブトキシカルボニル基を示す。)
で表される化合物のtert−ブトキシカルボニル基を脱保護する工程をさらに含む前記[1]〜[9]のいずれか1つに記載の製造方法。
本発明によると、脳梗塞、脳出血、くも膜下出血、脳浮腫等の脳血管障害の予防及び治療、特に緑内障の予防及び治療に有用である前記式(I)で表される化合物又はその塩を、環境に悪影響を与えることなく、大量スケールであっても高収率且つ高純度で製造することができる。具体的には、前記式(II)及び(III)で表される化合物のカップリング反応においては、環境に悪影響を与えることなく、大量スケールであっても高収率且つ高純度で目的物を製造でき、前記式(II)で表される化合物の製造においては、大量スケールであっても高収率で目的物を製造できる。
以下、本発明について詳細に説明する。
[製造方法]
本発明に係る式(I)で表される化合物又はその塩は、下記合成経路1及び2に示す方法により製造することができる。なお、必要に応じて官能基を保護して各反応を行ってもよく、保護、脱保護条件としては一般に用いられる方法(Protective Groups in Organic Synthesis Third Edition,John Wiley & Sons,Inc.)を参考にして行うことができる。
[合成経路1:1,4−ジアゼパン誘導体の合成]
Figure 2014240399
(式中、各記号は前記と同じ。)
[合成経路2:最終化合物の合成]
Figure 2014240399
(式中、各記号は前記と同じ。)
1、R2及びR3で定義されるC1-4アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等が挙げられる。合成経路1及び2中、Pは、例えば、C1-6アルコキシカルボニル基、C6-10アリールC1-3アルキル基又はC6-10アリールC1-3アルコキシカルボニル基である。ここで、C1-6アルコキシカルボニル基としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基(Boc)等を挙げることができる。C6-10アリールC1-3アルキル基としては、ベンジル基等を挙げることができる。C6-10アリールC1-3アルコキシカルボニル基としては、例えば、ベンジルオキシカルボニル基等を挙げることができる。m及びnは0ないし3の整数を示すが、いずれも0が好ましい。R3はメチル基が特に好ましい。
[反応工程1]
反応工程1は、ホスフィン試薬とアゾ試薬の存在下、化合物(V)を溶媒中で反応させることにより行うことができる。ここで、ホスフィン試薬としては、例えば、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリプロピルホスフィン、トリイソプロピルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリイソブチルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン等のトリアルキルホスフィン類、トリフェニルホスフィン等のトリアリールホスフィン類等を使用することができる。アゾ試薬としては、例えば、アゾジカルボン酸ジエチル(DEAD)、アゾジカルボン酸ジイソプロピル(DIAD)、アゾジカルボン酸ジ−tert−ブチル(DBAD)、1,1−(アゾジカルボニル)ピペリジン(ADDP)、1,1’−アゾビス(N,N’−ジイソプロピルホルムアミド)(TIPA)、1,6−ジメチル−1,5,7−ヘキサヒドロ−1,4,6−テトラゾシン−2,5−ジオン(DHAD)等を使用することができる。又、アゾ試薬の代わりに、エチレンジカルボン酸試薬を用いることもできる。エチレンジカルボン酸試薬としては、例えば、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル等を使用することができる。溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル等のエーテル系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、メタノール、エタノール等のアルコール系溶媒、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド系溶媒、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル系溶媒を単独又は組み合わせて使用することができる。
ホスフィン試薬としてはトリアリールホスフィン類を使用するのが好ましく、特にトリフェニルホスフィンを用いるのが好ましい。またアゾ試薬としてはアゾジカルボン酸ジイソプロピル(DIAD)を用いるのが好ましい。反応に用いるホスフィン試薬の量は、化合物(V)に対して、1.1〜1.6モル当量であることが好ましい。反応に用いるアゾ試薬の量は、化合物(V)に対して、1.1〜1.6モル当量であることが好ましい。溶媒としてはエーテル系溶媒を用いるのが好ましく、特にテトラヒドロフランを用いるのが好ましい。本工程で用いることができる溶媒の量は、特に限定されないが、化合物(V)に対して、5〜15倍量(v/w)である。反応条件は特に制限されないが、該反応は、例えば、室温にて、2〜26時間行うことができる。本工程は大量スケールで製造を行った場合でも高収率で目的化合物を得ることができ、ここでいう大量スケールとは、特に厳密には限定されないが、例えば、500g以上、好ましくは1kg以上、より好ましくは5kg以上の目的化合物を得る場合をいう。
原料である化合物(V)は、特許文献1に記載の方法に準じて製造することができる。すなわち、例えば次の反応式に従って製造することができる。
Figure 2014240399
(式中、R3、P及びNsは前記と同じ。Msはメシル基を示す。)
化合物(IX)に、塩基の存在下2−ニトロベンゼンスルホニルクロリドを反応させノシルアミド体(VIII)とし、次いでこれにメタンスルホニルクロリドを反応させメシル体(VII)とする。このメシル体(VII)に3−アミノプロパノールを反応させ、さらにアミノ基を保護することにより、化合物(V)を製造できる。
[反応工程2]
反応工程2では、弱塩基及び溶媒の存在下、チオール化合物を作用させることによって化合物(IV)の脱保護を行い、化合物(II−2)を製造することができる。反応に用いることができるチオール化合物としては、特に限定されないが、例えば、チオフェノール、1−ドデカンチオール、チオグリコール酸等が挙げられる。1−ドデカンチオールはチオフェノールと異なり悪臭を放たないため好ましく用いることができる。チオール化合物の量は、特に限定されないが、通常、化合物(IV)に対して、1モル当量あるいは過剰量を用いることができる。反応に用いることができる弱塩基としては、特に限定されないが、例えば、炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウム等の炭酸水素アルカリ金属、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸セシウム等の炭酸アルカリ金属、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン等の有機塩基が挙げられる。弱塩基の量は、特に限定されないが、通常、化合物(IV)に対して、1.5〜2.0モル当量である。
溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル等のエーテル系溶媒、メタノール、エタノール等のアルコール系溶媒、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル系溶媒、水等を単独又は組み合わせて使用することができる。中でも、アセトニトリルを用いることが好ましい。反応に用いる溶媒の量は、化合物(IV)に対して、5〜15倍量(v/w)であることが好ましい。反応条件は特に制限されないが、該反応は、例えば、室温〜60℃にて、1〜24時間行うことができる。
ここで、本工程2の脱保護は、上記方法以外に、公知の文献又は書籍(例えば、Protective Groups in Organic Synthesis Forth Edition,John Wiley & Sons,Inc等)に記載の方法に準じて行うことができる。
[反応工程3]
反応工程3は、化合物(III)又はその塩と化合物(II)とを、塩基及び溶媒の存在下、カップリングさせる反応である。本工程では環境に優しく且つ反応を効率的に進行させるための溶媒が使用される。本工程で反応を効率的に進行させることができる溶媒は、アセトニトリル、プロピオニトリル又はブチロニトリル等のニトリル系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMA)、N−メチルピロリドン(NMP)等のアミド系溶媒、ジメチルスルホキシド(DMSO)等のスルホキシド系溶媒、N,N−ジメチルプロピレン尿素(DMPU)等のウレア系溶媒である。これら溶媒の中でも、溶媒の除去等反応後の処理を考慮するとニトリル系溶媒、特にアセトニトリルを用いることが好ましい。これら以外の溶媒、例えば特許文献1に記載の溶媒を用いた場合には、実験室レベルの少量スケールでは収率良く目的物を製造できても、大量スケールでは溶媒留去等の問題や、非常に収率が低下してしまうという問題が生じる。また、後記試験例1で示すように、これら以外の溶媒を用いると非常に反応効率が低くなってしまうという問題がある。さらに、塩化メチレンを用いた場合には大量スケールでも高収率で目的物を得ることが可能であるが、環境に著しく悪影響を与えるという問題がある。反応に用いる溶媒の量は、化合物(III)に対して、1〜40倍量(v/w)であることが好ましく、5〜15倍量(v/w)であることがより好ましい。化合物(III)に対して約10倍量(v/w)の溶媒を用いた場合が最も効率良く反応が進行する。
用いることができる塩基としては、例えば、ピリジン、コリジン、ルチジン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン等の有機塩基、水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム等の水素化アルカリ金属、炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウム等の炭酸水素アルカリ金属、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム等の炭酸アルカリ金属、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム等の水酸化アルカリ金属等の無機塩基が挙げられる。好ましくは、有機塩基が挙げられ、より好ましくはトリエチルアミン等の第三級アミンが挙げられる。反応に用いる塩基の量は、特に限定されないが、通常化合物(III)に対して、1.5〜3.0モル当量である。反応条件は、特に限定されないが、0℃〜10℃で1〜3時間で十分である。より具体的には、氷水冷下で1〜3時間反応させることによって完了させることができる。また、氷水冷下で30分〜1時間攪拌後、室温で10〜15時間反応させることで該反応を行うこともできる。本工程は大量スケールで製造を行った場合でも高収率で目的化合物を得ることができ、ここでいう大量スケールとは、特に厳密には限定されないが、例えば、100g以上、好ましくは300g以上、より好ましくは1kg以上の目的化合物を得る場合をいう。
[反応工程4]
反応工程4は、化合物(I−2)の脱保護を行い、化合物(I)を製造する工程である。脱保護反応は、化合物(I−2)に酸を反応させることにより行うのが好ましい。反応に用いることができる酸としては、特に限定されないが、例えば、塩酸、硫酸等の無機酸、ギ酸、トリフルオロ酢酸等の有機酸を挙げることができる。酸の量は、特に限定されないが、通常、化合物(I−2)に対して、1モル当量あるいは過剰量を用いることができる。溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル等のエーテル系溶媒、メタノール、エタノール等のアルコール系溶媒、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル系溶媒、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル等のエステル系溶媒、水等を単独又は組み合わせて使用することができる。反応に用いる溶媒の量は、化合物(I−2)に対して、5〜25倍量(v/w)であることが好ましい。組み合わせとしては特に塩酸と酢酸エチルが好ましい。反応条件は特に制限されないが、該反応は、例えば、氷冷下にて、10分〜3時間で行うことができる。
ここで、本工程4の脱保護は、公知の文献又は書籍(例えば、Protective Groups in Organic Synthesis Forth Edition,John Wiley & Sons,Inc等)に記載の方法に準じて行うことができる。例えば、該文献等に記載されている酸を用いて脱保護を行う方法及び加水素分解反応により脱保護を行うことができる。
[合成経路3:1,4−ジアゼパン誘導体の合成(別ルート)]
Figure 2014240399
(式中、各記号は前記と同じ。)
[反応工程5]
反応工程5は、ホスフィン試薬とアゾ試薬の存在下、化合物(VI)を溶媒中で反応させることにより行うことができる。ここで、ホスフィン試薬としては、例えば、上記反応工程1に挙げられているホスフィン試薬等を使用することができる。アゾ試薬としては、例えば、上記反応工程1に挙げられているアゾ試薬等を使用することができる。又、アゾ試薬の代わりに、エチレンジカルボン酸試薬を用いることもできる。エチレンジカルボン酸試薬としては、例えば、上記反応工程1に挙げられているエチレンジカルボン酸試薬等を使用することができる。溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル等のエーテル系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、メタノール、エタノール等のアルコール系溶媒、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド系溶媒等を単独又は組み合わせて使用することができる。
ホスフィン試薬としてはトリアリールホスフィン類を使用するのが好ましく、特にトリフェニルホスフィンを用いるのが好ましい。またアゾ試薬としてはアゾジカルボン酸ジイソプロピル(DIAD)を用いるのが好ましい。反応に用いるホスフィン試薬の量は、化合物(VI)に対して、1.1〜1.6モル当量であることが好ましい。反応に用いるアゾ試薬の量は、化合物(VI)に対して、1.1〜1.6モル当量であることが好ましい。溶媒としてはエーテル系溶媒を用いるのが好ましく、特にテトラヒドロフランを用いるのが好ましい。本工程で用いることができる溶媒の量は、特に限定されないが、化合物(VI)に対して、5〜15倍量(v/w)である。反応条件は特に制限されないが、該反応は、例えば、5℃以下にて、2〜26時間で行うことができる。本工程は大量スケールで製造を行った場合でも高収率で目的化合物を得ることができ、ここでいう大量スケールとは、特に厳密には限定されないが、例えば、500g以上、好ましくは1kg以上、より好ましくは5kg以上の目的化合物を得る場合をいう。一方、目的化合物(II−3)を大量スケールで収率良く得るためには、本工程の反応終了後、化合物(II−3)を酸性型陽イオン交換樹脂で精製するのが好ましい。用いることができる陽イオン交換樹脂は特に限定されないが、Amberlyst 15TM(ダウ・ケミカル社製)、DIAIONTM RCP160M(三菱化学社製)、DOWEXTM MAC−3(ダウ・ケミカル社製)等を挙げることができる。これら陽イオン交換樹脂は、強酸性型か弱酸性型かを問わず、いずれであっても酸性型陽イオン交換樹脂であれば用いることができる。
[反応工程6]
反応工程6は、化合物(II−3)のアミノ基を保護し、化合物(IV)を製造する工程である。保護反応は、塩基存在下、化合物(II−3)に保護化試薬を反応させることによって行うことができる。化合物(II−3)のアミノ基の保護化試薬としては、前記のPで示される保護基、すなわち、C1-6アルコキシカルボニル基、C6-10アリールC1-3アルキル基又はC6-10アリールC1-3アルコキシカルボニル基等を与える試薬であれば特に限定されないが、例えば、二炭酸ジ−tert−ブチル、クロロギ酸ベンジル等が挙げられる。これら保護化試薬との反応に用いることができる塩基としては、特に限定されないが、例えば、炭酸カリウム、ピリジン、トリエチルアミン等が挙げられる。保護化試薬の量は、特に限定されないが、通常、化合物(II−3)に対して、1モル当量あるいは過剰量を用いることができる。また、塩基の量は、特に限定されないが、通常、化合物(II−3)に対して、1モル当量あるいは過剰量を用いることができる。溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル等のエーテル系溶媒、メタノール、エタノール等のアルコール系溶媒、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル系溶媒、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル等のエステル系溶媒、水等を単独又は組み合わせて使用することができる。反応に用いる溶媒の量は、化合物(II−3)に対して、5〜25倍量(v/w)であることが好ましい。反応条件は特に制限されないが、該反応は、例えば、5℃以下にて、10分〜6時間で行うことができる。
ここで、本工程6の保護は、公知の文献又は書籍(例えば、Protective Groups in Organic Synthesis Forth Edition,John Wiley & Sons,Inc等)に記載の方法に準じて行うことができる。
[反応工程7]
反応工程7では、弱塩基及び溶媒の存在下、チオール化合物を作用させることによって化合物(IV)の脱保護を行い、化合物(II−2)を製造することができる。反応に用いることができるチオール化合物としては、特に限定されないが、例えば、チオフェノール、1−ドデカンチオール、チオグリコール酸等が挙げられる。1−ドデカンチオールはチオフェノールと異なり悪臭を放たないため好ましく用いることができる。チオール化合物の量は、特に限定されないが、通常、化合物(IV)に対して、1モル当量あるいは過剰量を用いることができる。反応に用いることができる弱塩基としては、特に限定されないが、例えば、炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウム等の炭酸水素アルカリ金属、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸セシウム等の炭酸アルカリ金属、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン等の有機塩基が挙げられる。弱塩基の量は、特に限定されないが、通常、化合物(IV)に対して、1.5〜2.0モル当量である。
溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル等のエーテル系溶媒、メタノール、エタノール等のアルコール系溶媒、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル系溶媒、水等を単独又は組み合わせて使用することができる。中でも、アセトニトリルを用いることが好ましい。反応に用いる溶媒の量は、化合物(IV)に対して、5〜15倍量(v/w)であることが好ましい。反応条件は特に制限されないが、該反応は、例えば、室温〜60℃にて、1〜24時間行うことができる。
ここで、本工程7の脱保護は、上記方法以外に、公知の文献又は書籍(例えば、Protective Groups in Organic Synthesis Forth Edition,John Wiley & Sons,Inc等)に記載の方法に準じて行うことができる。
化合物(I)又は(III)の塩としては、特に制限はないが、例えば、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸等の無機酸との共役塩、あるいは、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、アスパラギン酸、グルタミン酸等の有機酸との共役塩等を挙げることができる。特に、本発明に係る化合物(I)の塩としては、塩酸塩が好ましい。
前記の各反応で得られた中間体及び目的物は、有機合成化学で常用されている精製法、例えば、濾過、抽出、洗浄、乾燥、濃縮、再結晶、各種クロマトグラフィー等に付して必要に応じて単離、精製することができる。また、中間体においては、特に精製することなく次反応に供することもできる。
さらに、各種の異性体は異性体間の物理化学的性質の差を利用した常法を適用して単離できる。ラセミ混合物は、例えば酒石酸等の一般的な光学活性酸とのジアステレオマー塩に導き光学分割する方法又は光学活性カラムクロマトグラフィーを用いた方法等の一般的ラセミ分割法により、光学的に純粋な異性体に導くことができる。また、ジアステレオマー混合物は、例えば分別結晶化又は各種クロマトグラフィー等により分割できる。また、光学活性な化合物は適当な光学活性な原料を用いることにより製造することもできる。
以下、実施例及び試験例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。なお、下記実施例中で用いられている略号は下記の意味を示す。
s:シングレット(singlet)
d:ダブレット(doublet)
t:トリプレット(triplet)
q:クアルテット(quartet)
m:マルチプレット(multiplet)
br:ブロード(broad)
J:カップリング定数(coupling constant)
Hz:ヘルツ(Hertz)
CDCl3:重クロロホルム
DMSO−d6:重ジメチルスルホキシド
1H−NMR:プロトン核磁気共鳴スペクトル
%ee:鏡像体過剰率(enantiomeric excess)
TLC:薄層クロマトグラフィー(thin layer chromatografhy)
実施例1:(S)−4−[(4−フルオロイソキノリン−5−イル)スルホニル]−3−メチル−1,4−ジアゼパンの製造方法
(i)(S)−N−(1−ヒドロキシプロパン−2−イル)−2−ニトロベンゼンスルホンアミドの製造
精製水(10.5L)に(S)−(+)−2−アミノ−1−プロパノール(2.6kg,35mol)を溶解し、炭酸水素ナトリウム(4.4kg,52mol)を加え、テトラヒドロフラン(10.2L)に溶解した2−ニトロベンゼンスルホニルクロリド(7.3kg,33mol)を内温が−8℃〜−6℃の範囲で加えた。その後、反応液を室温で39時間撹拌し、TLCで2−ニトロベンゼンスルホニルクロリドの消失を確認後、濾過した。濾液を酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過して減圧濃縮した。残渣を石油エーテル/酢酸エチルから結晶化し、白色固体の目的物を得た(7.5kg,収率82.4%)。
1H−NMR(CDCl3)δ:1.14(3H,d,J=6.8Hz),1.85(1H,br s),3.47−3.66(3H,m),5.48(1H,d,J=6.8Hz),7.72−7.79(2H,m),7.86−7.92(1H,m),8.15−8.20(1H,m).
融点:82−83℃
(ii)(S)−N−(1−メタンスルホニルオキシプロパン−2−イル)−2−ニトロベンゼンスルホンアミドの製造
(S)−N−(1−ヒドロキシプロパン−2−イル)−2−ニトロベンゼンスルホンアミド(6.20kg,23.8mol)を塩化メチレン(32L)に溶解し、内温10℃以下で4−メチルモルホリン(3.13kg,30.9mol)を加えた。反応液を0℃に冷却し、塩化メチレン(2L)に溶解したメタンスルホニルクロリド(3.27kg,28.5mol)を内温−5℃〜0℃の範囲で加えた。その後、反応液を室温で20時間撹拌した。TLCで原料消失を確認後、反応液に精製水を加え抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過して減圧濃縮し、黄色固体の目的物を得た(7.30kg,収率90.7%)。
1H−NMR(CDCl3)δ:1.25(3H,d,J=6.8Hz),3.00(3H,s),3.84−3.94(1H,m),4.11−4.19(2H,m),5.54(1H,d,J=7.6Hz),7.74−7.80(2H,m),7.88−7.94(1H),8.14−8.20(1H,m).
融点:125−126℃
(iii)(S)−tert−ブチル 3−ヒドロキシプロピル(2−(2−ニトロフェニルスルホニルアミド)プロピル)カルバマートの製造
3−アミノプロパノール(1.59kg,21.2mol)、炭酸カリウム(7.45kg,53.9mol)をアセトニトリル(24L)に懸濁させ、70℃で撹拌した。得られた反応液に、アセトニトリル(48L)に溶解した(S)−N−(1−メタンスルホニルオキシプロパン−2−イル)−2−ニトロベンゼンスルホンアミド(6.00kg,17.7mol)を70℃で2時間かけて滴下した。反応液をさらに30分撹拌後、TLCにて原料の消失を確認し、室温まで冷却した。反応液を精製水に注ぎ、石油エーテル:酢酸エチル(1:2)で洗浄した。水層に二炭酸ジ−tert−ブチル(4.00kg,18.3mol)を内温20℃以下で40分かけて滴下し、室温で30分撹拌した。TLCにて原料の消失を確認し、不溶物を濾去し、濾液を酢酸エチルで抽出した。有機層を1/3になるまで減圧濃縮し、0.5規定塩酸を加え、析出物を濾去した。濾液を分液し、有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、濾過して減圧濃縮し、黄色油状物の目的物を得た(7.00kg,収率94.7%)。
1H−NMR(DMSO−d6,100℃)δ:0.97(3H,d,J=6.8Hz),1.37(9H,s),1.52−1.60(2H,m),3.06(1H,dd,J=14.1,7.0Hz),3.11(2H,ddd,J=7.0,7.0,2.3Hz),3.18(1H,dd,J=14.1,7.0Hz),3.35(2H,t,J=6.3Hz),3.58−3.68(1H,m),7.55(1H,br),7.79−7.89(3H,m),7.98−8.03(1H,m).
(iv)(S)−tert−ブチル 4−(2−ニトロフェニルスルホニル)−3−メチル−1,4−ジアゼパン−1−カルボキシラートの製造
窒素気流下、テトラヒドロフラン(60L)に(S)−tert−ブチル 3−ヒドロキシプロピル−2−(2−ニトロフェニルスルホニルアミド)プロピルカルバマート(7.00kg,16.8mol)、トリフェニルホスフィン(4.90kg,18.7mol)を溶解し、アゾジカルボン酸ジイソプロピル(4.60kg,22.7mol)を内温5℃以下で2時間かけて滴下した。反応液を室温で7時間撹拌し、TLCにて原料が消失したのを確認し減圧濃縮した。得られた残渣に石油エーテル:メチルt−ブチルエーテル(12.5:1)を加え、激しく撹拌した。析出物を濾去し、濾液を減圧濃縮後、残渣に石油エーテルを加え、激しく撹拌した。析出物を濾取して乾燥し、黄色固体の目的物を得た(5.00kg,収率74.5%)。
1H−NMR(DMSO−d6,80℃)δ:0.89(3H,d,J=6.8Hz),1.40(9H,s),1.65−1.72(2H,m),3.05−3.14(2H,m),3.25(1H,ddd,J=15.6,7.0,7.0Hz),3.63(2H,dd,J=15.6,5.4Hz),3.73(1H,ddd,J=15.6,4.0,4.0Hz),4.22−4.30(1H,m),7.79−7.88(3H,m),7.98(1H,dd,J=7.6,2.0Hz).
融点:113−114℃
(v)(S)−tert−ブチル 3−メチル−1,4−ジアゼパン−1−カルボキシラートの製造
(S)−tert−ブチル 4−(2−ニトロフェニルスルホニル)−3−メチル−1,4−ジアゼパン−1−カルボキシラート(2.60kg,6.51mol)をアセトニトリル(20L)に溶解し、炭酸カリウム(1.79kg,13.0mol)を加えた。反応液に内温20℃以下でチオフェノール(2.15kg,19.5mol)を6時間かけて滴下し、20℃で18時間撹拌した。TLCで原料消失を確認後、不溶物を濾過し、濾液を減圧濃縮した。残渣を氷水に溶解し、2規定塩酸でpH3付近に調製した後、酢酸エチルで洗浄した。水層を炭酸カリウムでpH9付近へ調製後、酢酸エチルで抽出し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過して減圧濃縮し、黄色油状物の目的物を得た(1.20kg,収率85.7%)。ガスクロマトグラフィー測定の結果、得られた目的物の化学純度は97.5%であった。ノシルクロリドを用いた誘導化後、光学純度を測定したところ、99.9%eeであった。(S)−(+)−2−アミノ−1−プロパノールから(S)−tert−ブチル 3−メチル−1,4−ジアゼパン−1−カルボキシラートまでの総収率は45.2%であった。
1H−NMR(DMSO−d6,100℃)δ:0.94(d,J=6.3Hz,3H),1.40(s,9H),1.53−1.63(m,1H),1.69−1.78(m,1H),2.42−2.49(m,1H),2.60−2.68(m,1H),2.70−2.79(m,1H),2.97(ddd,J=14.0,4.6,4.6Hz,1H),3.17(ddd,J=14.0,7.7,5.8Hz,1H),3.54(ddd,J=14.0,6.3,5.8Hz,1H),3.60(dd,J=14.0,4.6Hz,1H).
(vi)(S)−tert−ブチル 4−[(4−フルオロイソキノリン−5−イル)スルホニル]−3−メチル−1,4−ジアゼパン−1−カルボキシラートの製造
アルゴン気流下、(S)−tert−ブチル 3−メチル−1,4−ジアゼパン−1−カルボキシラート(2.76kg,12.9mol)及びトリエチルアミン(2.97kg,29.3mol)をアセトニトリル(45.2kg)に溶解し、氷水冷下、4−フルオロイソキノリン−5−スルホニルクロリド塩酸塩(3.30kg,11.7mol)を加え、アセトニトリル(6.45kg)で洗いこみ、氷水冷下で2時間攪拌した。高速液体クロマトグラフィー(HPLC)で原料の消失を確認後、溶媒を留去し、酢酸エチル(74.3kg)、5%炭酸水素ナトリウム溶液(66.0kg)を加え抽出した。有機層を水(66.0kg)、20%塩化ナトリウム水溶液(33.0kg)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を留去し、目的物を黄色アモルファスとして得た(5.18kg、定量的)。
1H−NMR(CDCl3)δ:0.82(1.5H,d,J=6.8Hz),1.03(1.5H,d,J=6.8Hz),1.50(9H,s),1.74−2.11(2H,m),3.15−3.39(3H,m),3.62−3.74(2H,m),3.78−3.86(0.5H,m),3.97−4.05(0.5H,m),4.17(0.5H,dd,J=11.6,6.5Hz),4.29(0.5H,dd,J=11.2,6.1Hz),7.73(1H,t,J=7.8Hz),8.23(1H,d,J=7.8Hz),8.56(1H,d,J=7.1Hz),8.60(1H,dd,J=24.4,7.6Hz),9.15(1H,s).
1H−NMR(DMSO−d6,80℃)δ:0.90(3H,d,J=6.6Hz),1.43(9H,s),1.66−1.74(2H,m),3.06−3.39(3H,m),3.59−3.76(3H,m),4.16−4.26(1H,m),7.86−7.92(1H,m),8.43(1H,d,J=7.6Hz),8.50(1H,d,J=8.3Hz),8.61(1H,t,J=2.4Hz),9.31(1H,s).
(vii)(S)−4−[(4−フルオロイソキノリン−5−イル)スルホニル]−3−メチル−1,4−ジアゼパンの製造
アルゴン気流下、4N塩酸/酢酸エチル(51.7kg)に、氷水冷下酢酸エチル(8.90kg)に溶解した(S)−tert−ブチル 4−[(4−フルオロイソキノリン−5−イル)スルホニル]−3−メチル−1,4−ジアゼパン−1−カルボキシラート(4.95kg,11.7mol)を滴下し、酢酸エチル(3.56kg)で洗いこんだ。氷水冷下2時間攪拌し、析出物を濾取して酢酸エチル(8.90kg)で洗浄し、得られた固体を減圧下乾燥して白色固体を得た。この固体を氷水冷下3.6%水酸化ナトリウム溶液(41.0kg)に分割添加し、トルエン(34.3kg)で2回抽出した。併せた有機層を20%塩化ナトリウム水溶液(39.5kg)で洗浄後、溶媒留去して目的物を黄色アモルファスとして得た(3.53kg,収率93.3%)。HPLC分析結果より、純度は99.8%であった。光学純度測定の結果、99.9%eeであった。
1H−NMR(CDCl3)δ:0.91(3H,d,J=6.6Hz),1.66−1.91(2H,m),2.54(1H,dd,J=14.6,8.8Hz),2.70(1H,ddd,J=14.4,9.8,3.9Hz),3.19(1H,ddd,J=13.4,4.6,4.6Hz),3.25(1H,ddd,J=15.4,11.6,2.6Hz),3.31(1H,dd,J=14.4,5.9Hz),3.98(1H,ddd,J=15.6,3.4,3.4Hz),3.99−4.09(1H,m),7.73(1H,t,J=7.9Hz),8.22(1H,dq,J=8.2,1.1Hz),8.57(1H,d,J=4.9Hz),8.83(1H,dd,J=7.6,1.2Hz),9.15(1H,s).
ここで、上記項目(vi)及び(vii)から分かるように、(S)−tert−ブチル 3−メチル−1,4−ジアゼパン−1−カルボキシラートから(S)−4−[(4−フルオロイソキノリン−5−イル)スルホニル]−3−メチル−1,4−ジアゼパンを合成する2工程は総収率93.3%で達成されており、上記特許文献1で示した方法より著しく高い収率で目的物を合成できた。なお、特許文献1に記載されている方法では十分高い収率では合成されておらず、実施例1では2工程で総収率19.2%である。
実施例2:(S)−tert−ブチル 4−(2−ニトロフェニルスルホニル)−3−メチル−1,4−ジアゼパン−1−カルボキシラートの製造
上記実施例1とは別ルートで(S)−tert−ブチル 4−(2−ニトロフェニルスルホニル)−3−メチル−1,4−ジアゼパン−1−カルボキシラートを製造した。
(S)−N−(1−(3−ヒドロキシプロピルアミノ)−プロパン−2−イル)−2−ニトロベンゼンスルホンアミドの製造
3−アミノプロパノール(5.00kg,66.6mol)をアセトニトリル(35L)に溶解し、内温が10℃〜20℃の範囲で(S)−N−(1−メタンスルホニルオキシプロパン−2−イル)−2−ニトロベンゼンスルホンアミド(7.00kg,20.7mol)を添加した。反応液をさらに16時間撹拌後、TLCにて原料の消失を確認し、溶媒を留去した。残渣に水を加え、6規定塩酸でpH4に調製し、不溶物を濾去した。濾液を炭酸カリウムを用いてpH9に調製し、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過して減圧濃縮し、淡黄色油状物の目的物を得た(6.10kg,92.8%)。
1H−NMR(CDCl3)δ:1.11(3H,d,J=6.8Hz),1.58−1.70(2H,m),2.61(1H,dd,J=12.5,7.4Hz),2.68(1H,dd,J=12.5,4.6Hz),2.76(2H,t,J=6.0Hz),3.53−3.62(1H,m),3.69−3.78(2H,m),7.71−7.78(2H,m),7.84−7.89(1H,m),8.14−8.19(1H,m).
(S)−2−メチル−1−(2−ニトロフェニルスルホニル)−1,4−ジアゼパン塩酸塩の製造
窒素気流下、テトラヒドロフラン(35L)に、(S)−N−(1−(3−ヒドロキシプロピルアミノ)−プロパン−2−イル)−2−ニトロベンゼンスルホンアミド(6.10kg,19.2mol)、トリフェニルホスフィン(6.50kg,24.8mol)を溶解し、アゾジカルボン酸ジイソプロピル(5.20kg,25.7mol)を内温5℃以下で4時間かけて滴下した。反応液を室温で7時間撹拌し、TLCにて原料が消失したのを確認し減圧濃縮した。残渣に酢酸エチルを加え、6規定塩酸でpH4に調製し、析出した固体を濾取して白色の目的物を得た(2.76kg,収率42.8%)。
1H−NMR(CDCl3)δ:0.99(3H,d,J=6.8Hz),1.64−1.79(2H,m),2.51(1H,dd,J=15.1,9.3Hz),2.68(1H,ddd,J=15.1,9.3,4.4Hz),3.08(1H,ddd,J=15.1,4.4,4.4Hz),3.20(1H,ddd,J=15.1,9.3,4.4Hz),3.26(1H,dd,J=15.1,4.4Hz),3.84(1H,ddd,J=15.1,4.4,4.4Hz),4.08−4.18(1H,m),7.59−7.71(3H,m),8.13−8.19(1H,m).
また、(S)−2−メチル−1−(2−ニトロフェニルスルホニル)−1,4−ジアゼパンは、精製手段として陽イオン交換樹脂を用いる次の方法によっても製造を行った。
窒素気流下、テトラヒドロフラン(5mL)に、(S)−N−(1−(3−ヒドロキシプロピルアミノ)−プロパン−2−イル)−2−ニトロベンゼンスルホンアミド(627mg,1.98mmol)、トリフェニルホスフィン(624mg,2.38mmol)を溶解し、アゾジカルボン酸ジイソプロピル(0.47mL,2.38mmol)を内温5℃以下で10分間かけて滴下した。反応液を室温で16時間撹拌し、TLCにて原料が消失したのを確認して、Amberlyst 15TM(1.6g)(ダウ・ケミカル社製)を加えて20時間振盪した。樹脂をろ過してテトラヒドロフランで洗浄し、アンモニア−メタノールにて溶出して濃縮し、淡褐色アモルファスの目的物を得た(557mg,収率93.9%)。Amberlyst 15TM(1.6g)の代わりに、DIAIONTM RCP160M(1.6g)(三菱化学社製)を用いた場合は収率84.3%で淡褐色アモルファスの目的物を得た。また、Amberlyst 15TM(1.6g)の代わりに、DOWEXTM MAC−3(1.6g)(ダウ・ケミカル社製)を用いた場合は収率88.6%で、淡褐色アモルファスの目的物を得た。
(S)−tert−ブチル 4−(2−ニトロフェニルスルホニル)−3−メチル−1,4−ジアゼパン−1−カルボキシラートの製造
(S)−2−メチル−1−(2−ニトロフェニルスルホニル)−1,4−ジアゼパン塩酸塩(2.70kg,8.04mol)をエタノール(12L)と水(12L)の混合溶液に溶解し、炭酸カリウム(1.50kg,10.9mol)を添加した。反応液を5℃以下に冷却し、二炭酸ジ−tert−ブチル(2.00kg,9.16mol)を滴下した。反応液を5℃で5時間撹拌し、TLCにて原料が消失したのを確認して減圧濃縮し、黄色固体の目的物を得た(2.80kg,収率87.2%)。
1H−NMR(DMSO−d6,80℃)δ:0.89(3H,d,J=6.8Hz),1.40(9H,s),1.65−1.72(2H,m),3.05−3.14(2H,m),3.25(1H,ddd,J=15.6,7.0,7.0Hz),3.63(2H,dd,J=15.6,5.4Hz),3.73(1H,ddd,J=15.6,4.0,4.0Hz),4.22−4.30(1H,m),7.79−7.88(3H,m),7.98(1H,dd,J=7.6,2.0Hz).
融点:113−114℃
比較例1:(S)−tert−ブチル 3−メチル−1,4−ジアゼパン−1−カルボキシラートの製造
上記特許文献1の方法によって(S)−tert−ブチル 3−メチル−1,4−ジアゼパン−1−カルボキシラートの製造を行った。
(i)(S)−ベンジル(1−ヒドロキシプロパン−2−イル)カルバマートの製造
精製水(400mL)に(S)−(+)−2−アミノ−1−プロパノール(200g,2.66mol)を溶解し、炭酸水素ナトリウム(246g,2.93mol)を加え、テトラヒドロフラン(800mL)に溶解したクロロギ酸ベンジル(500g,2.93mol)を内温が20℃以下で加えた。その後、反応液を室温で16時間撹拌し、TLCで原料の消失を確認した。反応液を酢酸エチルで抽出し、有機層を0.5N塩酸、飽和重曹水、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過して減圧濃縮した。残渣を石油エーテルから結晶化し、白色固体の目的物を得た(403g,収率72.3%)。
1H−NMR(CDCl3)δ:1.17(3H,d,J=6.8Hz),2.31(1H,brs),3.48−3.57(1H,m),3.62−3.71(1H,m),3.78−3.90(1H,m),4.90(1H,s),5.10(2H,s),7.29−7.39(5H,m).
(ii)(S)−2−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)プロピル メタンスルホナートの製造
(S)−ベンジル(1−ヒドロキシプロパン−2−イル)カルバマート(400g,1.91mol)、トリエチルアミン(270g,2.67mol)を塩化メチレン(2.4L)に溶解した。反応液を0℃に冷却し、メタンスルホニルクロリド(263g,2.30mol)を内温5℃以下で加えた。その後、反応液を室温で16時間撹拌した。TLCで原料消失を確認後、反応液に精製水を加え抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過して減圧濃縮し、黄色固体の目的物を得た(519g,収率94.5%)。
1H−NMR(CDCl3)δ:1.26(3H,d,J=6.8Hz),2.97(3H,s),4.00−4.11(1H,m),4.12−4.20(1H,m),4.21−4.30(1H,m),4.89(1H,br s),5.10(2H,s),7.29−7.39(5H,m).
(iii)(S)−6−ベンジルオキシカルボニルアミノ−4−(tert−ブトキシカルボニル)−4−アザヘプタン−1−オールの製造
(S)−2−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)プロピル メタンスルホナート(468g,1.63mol)、3−アミノプロパノール(672g,8.96mol)をテトラヒドロフラン(2.4L)に懸濁させ、80℃で16時間撹拌した。TLCにて原料の消失を確認し、室温まで冷却した。反応液に精製水を加え、塩化メチレンで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄した.有機層に内温35℃以下で二炭酸ジ−tert−ブチル(359g,1.64mol)を加え、室温で3時間撹拌した.TLCにて原料の消失を確認し、有機層を0.5N塩酸、飽和重曹水、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過して減圧濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(20〜40%酢酸エチル−石油エーテル)にて精製し、淡黄色油状物の目的物を得た(380g,収率63.7%)。
1H−NMR(CDCl3)δ:1.15(3H,d,J=6.8Hz),1.44(9H,d,J=11.7Hz),1.62−1.80(2H,m),2.89−3.17(1H,m),3.22−3.66(5H,m),3.83−4.00(1H,m),4.85(1H,br s),5.08(2H,s),7.27−7.41(5H,m).
(iv)(S)−6−ベンジルオキシカルボニルアミノ−4−(tert−ブトキシカルボニル)−4−アザヘプチル メタンスルホナートの製造
(S)−6−ベンジルオキシカルボニルアミノ−4−(tert−ブトキシカルボニル)−4−アザヘプタン−1−オール(380g,1.04mol)、トリエチルアミン(147g,1.45mol)を塩化メチレン(5.0L)に溶解した。反応液を0℃に冷却し、塩化メチレン(0.1L)に溶解したメタンスルホニルクロリド(143g,1.25mol)を内温5℃以下で加えた。その後、反応液を室温で16時間撹拌した。TLCで原料消失を確認後、反応液に精製水を加え抽出し、有機層を0.5N塩酸、飽和重曹水、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過して減圧濃縮し、黄色油状物の目的物を得た(425g,収率92.0%)。本化合物は冷蔵保存にもかかわらず分解反応は進行し、不安定な化合物であることが判明した。
1H−NMR(CDCl3)δ:1.14(3H,d,J=6.8Hz),1.44(9H,s),1.89−2.06(2H,m),3.01(3H,s),3.08−3.62(4H,m),3.82−3.97(1H,m),4.16−4.29(2H,m),5.07(2H,s),7.28−7.40(5H,m).
(v)(S)−1−ベンジル 4−tert−ブチル 2−メチル−1,4−ジアゼパン−1,4−ジカルボキシラートの製造
(S)−6−ベンジルオキシカルボニルアミノ−4−(tert−ブトキシカルボニル)−4−アザヘプチル メタンスルホナート(425g,0.956mol)をジメチルスルホオキシド(1.6L)に溶解し、60%水素化ナトリウム(76.5g,1.91mol)を内温25℃以下で加え、室温で2時間撹拌した。TLCで原料消失を確認後、反応液を水に注ぎ、酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水、0.5N塩酸、飽和重曹水、飽和食塩水の順で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過して減圧濃縮した。残渣をフラッシュ・シリカゲルクロマトグラフィー(14%酢酸エチル−石油エーテル)にて精製し、淡黄色油状物の目的物を得た(199g,鉱物油約30g含有,収率50.4%)。
1H−NMR(DMSO−d6,100℃)δ:0.98(3H,d,J=6.8Hz),1.36(9H,s),1.52−1.70(2H,m),2.92−2.99(1H,m),2.92(1H,dd,J=14.1,10.3Hz),2.99(1H,ddd,J=14.1,10.3,2.5Hz),3.62−3.71(1H,m),3.78(1H,dd,J=14.1,6.1Hz),3.82−3.90(1H,m),4.29−4.40(1H,m),5.03(1H,d,J=12.7Hz),5.07(1H,d,J=12.7Hz),7.25−7.36(5H,m).
(vi)(S)−tert−ブチル 3−メチル−1,4−ジアゼパン−1−カルボキシラートの製造
(S)−1−ベンジル 4−tert−ブチル 2−メチル−1,4−ジアゼパン−1,4−ジカルボキシラート(189g,鉱物油約28.5g含有,0.461mol)をメタノール(1.0L)に溶解し、窒素気流下10%パラジウム/カーボン(19.0g)を加えた。容器内を水素ガスで置換し、室温で19時間撹拌した。TLCで原料消失を確認後、濾過して減圧濃縮した。残渣に酢酸エチルを加え、クエン酸水溶液で抽出後、水層をpH9に調製した。水層を酢酸エチルで抽出し、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過して減圧濃縮し、淡黄色油状物の目的物を得た(60.0g,60.7%)。ガスクロマトグラフィーによる測定の結果、化学純度は95.0%であった。ノシルクロリドを用いて誘導化後、光学純度を測定したところ、97.5%eeであった。(S)−(+)−2−アミノ−1−プロパノールから(S)−tert−ブチル 3−メチル−1,4−ジアゼパン−1−カルボキシラートまでの総収率は12.2%であった。
1H−NMR(DMSO−d6,100℃)δ:0.94(d,J=6.3Hz,3H),1.40(s,9H),1.53−1.63(m,1H),1.69−1.78(m,1H),2.42−2.49(m,1H),2.60−2.68(m,1H),2.70−2.79(m,1H),2.97(ddd,J=14.0,4.6,4.6Hz,1H),3.17(ddd,J=14.0,7.7,5.8Hz,1H),3.54(ddd,J=14.0,6.3,5.8Hz,1H),3.60(dd,J=14.0,4.6Hz,1H).
試験例1:原料から生成物への転化率の算出
下記表2に示す各溶媒に、アルゴン気流下、(S)−tert−ブチル 3−メチル−1,4−ジアゼパン−1−カルボキシラート(45mg,0.212mmol)及びトリエチルアミン(63μL,0.443mmol)を溶解し、氷水冷下(2〜8℃)で撹拌した。これら得られた各反応液に、4−フルオロイソキノリン−5−スルホニルクロリド塩酸塩(50mg,0.177mmol)を添加した。反応開始から3時間まで氷水冷下(2〜8℃)で撹拌し、その後室温で14時間撹拌した。その間、0.5時間後、1時間後、2時間後、3時間後、17時間後に、各反応液を20μLずつサンプリングし、飽和アンモニア/メタノール溶液(0.5mL)でクエンチした。得られたクエンチ溶液をアセトニトリル(1.5mL)で希釈し、HPLC測定用サンプルとした。
原料である4−フルオロイソキノリン−5−スルホニルクロリド塩酸塩は飽和アンモニア/メタノール溶液により4−フルオロイソキノリン−5−スルホンアミドに変換される。この4−フルオロイソキノリン−5−スルホンアミドと、生成物である(S)−tert−ブチル 4−[(4−フルオロイソキノリン−5−イル)スルホニル]−3−メチル−1,4−ジアゼパン−1−カルボキシラートの割合を以下のHPLC条件にて測定し、各溶媒中における原料から生成物への転化率を算出した。該算出結果を表2に示す。なお、4−フルオロイソキノリン−5−スルホンアミドの保持時間は約4.7分であり、(S)−tert−ブチル 4−[(4−フルオロイソキノリン−5−イル)スルホニル]−3−メチル−1,4−ジアゼパン−1−カルボキシラートの保持時間は約8.3分である。
HPLC測定条件
検出器:紫外吸光光度計(測定波長220nm)
カラム:Inertsil ODV−3V(φ4.6mm×150mm)
カラム温度:40℃付近の一定温度
移動層A:水
移動層B:アセトニトリル
流量:毎分1.0mL
面積測定時間:10分
移動層の送液:移動層A及び移動層Bの混合比を次のように変えて濃度勾配制御する。
Figure 2014240399
Figure 2014240399
表2から明らかなように、化合物(II)と化合物(III)との反応においては、用いる反応溶媒により転化率が大きく相違する。種々の溶媒のうち、ニトリル系溶媒、アミド系溶媒、スルホキシド系溶媒及びウレア系溶媒を用いた場合の転化率が特に良好である。さらに、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド及びN−メチルピロリドンを用いた場合の転化率は特に優れており、反応温度が0〜10℃と低いにもかかわらず、2時間程度で反応はほぼ完了している。また、溶媒の除去等反応後の処理を考慮するとアセトニトリルが特に好ましい。
本発明によると、脳梗塞、脳出血、くも膜下出血、脳浮腫等の脳血管障害の予防及び治療、特に緑内障の予防及び治療に有用である前記式(I)で表される化合物又はその塩を、環境に悪影響を与えることなく、大量スケールであっても煩雑なシリカゲルカラムクロマトグラフィー精製、若しくは有機酸塩等による結晶塩の再結晶から成る精製を用いることなく、高収率且つ高純度で目的物を製造することができる。本発明方法は、複雑な操作、多数の工程を経ることなく、容易且つ簡便に化合物(I)又はその塩を高収率且つ高純度で大量製造することに優れている。

Claims (15)

  1. 式(V):
    Figure 2014240399
    (式中、R3は、C1-4アルキル基を示し、Nsは、ノシル基を示し、P1は、水素、C1-6アルコキシカルボニル基、C6-10アリールC1-3アルキル基又はC6-10アリールC1-3アルコキシカルボニル基を示す。)
    で表される化合物を、溶媒中、トリフェニルホスフィン及びアゾジカルボン酸ジイソプロピルの存在下で反応させることを特徴とする、式(IV):
    Figure 2014240399
    (式中、R3、P1及びNsは前記式(V)と同じ。)
    で表される化合物またはその塩の製造方法。
  2. 前記トリフェニルホスフィン及びアゾジカルボン酸ジイソプロピルとの反応後、後処理として、溶媒を減圧濃縮して得られる残渣に、石油エーテル及びエーテル系溶媒の混合溶媒を加えて攪拌する、請求項1記載の製造方法。
  3. 式(V)中、P1がC1-6アルコキシカルボニル基、C6-10アリールC1-3アルキル基又はC6-10アリールC1-3アルコキシカルボニル基である場合、前記反応に次いでノシル基を脱離させることによって式(II−2)
    Figure 2014240399
    (式中、R3は、前記式(V)と同じであり、Pは、C1-6アルコキシカルボニル基、C6-10アリールC1-3アルキル基又はC6-10アリールC1-3アルコキシカルボニル基を示す。)
    で表される化合物を製造する、請求項1又は2記載の製造方法。
  4. 式(IV)の化合物のノシル基の離脱反応が、弱塩基及び溶媒の存在下、チオール化合物を作用させる反応である請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
  5. 式(V)で表される化合物が、式(VII)
    Figure 2014240399
    (式中、Msはメシル基を示し、R3及びNsは前記(V)と同じ)
    で表される化合物に3−アミノプロパノールを反応させ、さらにアミノ基を保護することにより製造したものである請求項3又は4記載の製造方法。
  6. 式(VII)で表される化合物が、式(VIII)
    Figure 2014240399
    (式中、R3及びNsは前記式(V)と同じ)
    で表される化合物に、メタンスルホニルクロリドを反応させることにより製造したものである、請求項5記載の製造方法。
  7. 式(VIII)で表される化合物が、式(IX)
    Figure 2014240399
    (式中、R3は、前記式(V)と同じ)
    で表される化合物に、塩基及び溶媒の存在下2−ニトロベンゼンスルホニルクロリドを反応させることにより製造したものである、請求項6記載の製造方法。
  8. 式(VIII)を製造する工程で用いる塩基が炭酸水素ナトリウムであり、溶媒がテトラヒドロフランである、請求項7記載の製造方法。
  9. 式(V)中、P1が水素である場合、前記反応に次いで、式(II−3):
    Figure 2014240399
    (式中、R3は、C1-4アルキル基を示し、Nsは、ノシル基を示す。)
    で表される化合物にアミノ基の保護試薬を反応させ、式(IV)
    Figure 2014240399
    (式中、Pは、C1-6アルコキシカルボニル基、C6-10アリールC1-3アルキル基又はC6-10アリールC1-3アルコキシカルボニル基を示し、R3、Nsは前記式(II−3)と同じ。)
    で表される化合物を得、さらにノシル基を脱離させて、式(II-2)
    Figure 2014240399
    (式中、R3及びPは前記式(IV)と同じ)
    で表される化合物を得る、請求項1又は2記載の製造方法。
  10. 式(IV)で表される化合物のノシル基の離脱反応が、弱塩基及び溶媒の存在下、チオール化合物を作用させる反応である請求項9記載の製造方法。
  11. 式(V)中、P1が水素である場合、式(V)で表される化合物が、式(VII)
    Figure 2014240399
    (式中、Msはメシル基を示し、R3及びNsは前記(V)と同じ)
    で表される化合物に3−アミノプロパノールを反応させることにより製造したものである請求項9又は10記載の製造方法。
  12. 式(VII)で表される化合物が、式(VIII)
    Figure 2014240399
    (式中、R3及びNsは前記式(V)と同じ)
    で表される化合物に、メタンスルホニルクロリドを反応させることにより製造したものである、請求項11記載の製造方法。
  13. 式(VIII)で表される化合物が、式(IX)
    Figure 2014240399
    (式中、R3は、前記式(V)と同じ)
    で表される化合物に、塩基及び溶媒の存在下2−ニトロベンゼンスルホニルクロリドを反応させることにより製造したものである、請求項12記載の製造方法。
  14. 式(VIII)を製造する工程で用いる塩基が炭酸水素ナトリウムであり、溶媒がテトラヒドロフランである、請求項13記載の製造方法。
  15. 陽イオン交換樹脂を用いて精製を行う工程をさらに含む、請求項1記載の製造方法。
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