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JP2014231267A - 二輪自動車用タイヤ - Google Patents

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JP2014231267A
JP2014231267A JP2013112180A JP2013112180A JP2014231267A JP 2014231267 A JP2014231267 A JP 2014231267A JP 2013112180 A JP2013112180 A JP 2013112180A JP 2013112180 A JP2013112180 A JP 2013112180A JP 2014231267 A JP2014231267 A JP 2014231267A
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JP
Japan
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support portion
tire
tread
equator plane
support
Prior art date
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JP2013112180A
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English (en)
Inventor
拓朗 松本
Takuro Matsumoto
拓朗 松本
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Sumitomo Rubber Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Rubber Industries Ltd
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Publication date
Application filed by Sumitomo Rubber Industries Ltd filed Critical Sumitomo Rubber Industries Ltd
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Abstract

【課題】グリップ力を十分に発揮しうる二輪自動車用タイヤの提供。【解決手段】本発明に係るタイヤ2では、その外面がトレッド面30をなすトレッド4を備えている。このトレッド4は、キャップ層24と、軸方向に並列された多数の支持部28とを備えている。それぞれの支持部28は周方向に沿ってリング状に形成されている。このタイヤ2を周方向と垂直な面で切った断面において、この支持部28は、このトレッド4の内側から上記トレッド面30に向かって延在している。この支持部28は、上記キャップ層24に埋設されている。この支持部28は、このキャップ層24の複素弾性率E1*よりも大きな複素弾性率E2*を有している。トレッド端側の支持部28の平均幅WAsは、センター側の支持部28の平均幅WAcより大きくされている。【選択図】図1

Description

本発明は、二輪自動車用タイヤに関する。詳細には、本発明は、タイヤのトレッドの改良に関する。
自動二輪車が旋回する時には、この自動二輪車に遠心力が働く。旋回には、この遠心力につり合うコーナリングフォースが必要である。このため、旋回時にライダーは、自動二輪車を内側へ傾斜させる。この傾斜によって生じるキャンバースラストにより、旋回が達成される。旋回を容易にさせる目的で、自動二輪車用のタイヤは曲率半径の小さなトレッドを備えている。
自動二輪車が旋回する時には、自動二輪車は傾斜しているため、トレッドのショルダー領域が接地する。二輪自動車用のタイヤのトレッドは曲率半径が小さいため、接地部において、センター寄りの部分の回転半径は、トレッド端寄りの部分の回転半径より大きくなっている。この回転半径の違いに起因して、接地部におけるセンター寄りの部分とトレッド端寄りの部分とでは、トレッドの変形状態が異なっている。即ち、センター寄りの部分は進行方向にトレッドが剪断変形され、トレッド端寄りの部分では進行方向の逆方向にトレッドが剪断変形される。このような接地部におけるトレッドの変形は、タイヤのグリップ力の低下を招来する。
グリップ力に優れた自動二輪車用タイヤに係る発明が、特開2012−176707公報に開示されている。このタイヤでは、トレッドは、本体と軸方向に並列された複数の支持部とを備えている。本体がトレッド面を形成しており、それぞれの支持部は本体に埋没されている。このタイヤでは、高いグリップ力を実現するために、地面と接する本体は、低い複素弾性率のゴムで構成されている。一方、本体に埋没された支持部は、高い複素弾性率のゴムで構成されている。この支持部が、本体の変形を抑制することで、グリップ力の低下を抑えている。
特開2012−176707公報
特開2012−176707公報に開示されたタイヤでは、トレッド中において、同じ幅の支持部が軸方向に並列されている。一方、二輪自動車のタイヤでは、トレッド端に近いほど、旋回時におけるトレッドの変形量は大きくなる。このトレッド端におけるトレッドの変形を抑えるには、大きな幅の支持部が必要となる。しかし、大きな幅の支持部をトレッド全体に備えることは、トレッド全体の曲げ剛性を大きくする。トレッドの過大な曲げ剛性は、トレッドの接地面積を小さくする。これは逆にタイヤのグリップ力の低下を招来する。特開2012−176707公報に開示されたタイヤでは、トレッドの変形抑制と、接地面積の減少の抑制を両立させることが困難である。このタイヤでは、充分なグリップ力が得られないことが起こりうる。
本発明の目的は、グリップ力を十分に発揮しうる二輪自動車用タイヤの提供にある。
本発明に係るタイヤでは、その外面がトレッド面をなすトレッドを備えている。このトレッドは、キャップ層と、軸方向に並列された多数の支持部とを備えている。それぞれの支持部は周方向に沿ってリング状に形成されている。このタイヤを周方向と垂直な面で切った断面において、この支持部は、このトレッドの内側から上記トレッド面に向かって延在している。この支持部は、上記キャップ層に埋設されている。この支持部は、このキャップ層の複素弾性率E1よりも大きな複素弾性率E2を有している。トレッド端側の支持部の平均幅WAsは、センター側の支持部の平均幅WAcより大きくされている。ここで、上記センター側の支持部の平均幅WAcは、赤道面から一方のトレッド端までに存在する支持部の総数Nが偶数のときは、赤道面から数えて1番目からN/2番目までの支持部の幅の平均値を表し、総数Nが奇数のときは、赤道面から数えて1番目から(N+1)/2番目までの支持部の幅の平均値を表す。上記トレッド端側の支持部の平均幅WAsは、総数Nが偶数のときは、赤道面から数えて(N/2+1)番目からN番目までの支持部の幅の平均値を表し、総数Nが奇数のときは、赤道面から数えて((N+1)/2+1)番目からN番目までの支持部の幅の平均値を表す。
好ましくは、上記トレッド端側の支持部の平均幅WAsの、上記センター側の支持部の平均幅WAcに対する比(WAs/WAc)は、2.4以上3.4以下である。
好ましくは、nが自然数とされたとき、赤道面から軸方向外側に(n+1)番目の支持部の幅W(n+1)は、赤道面から軸方向外側にn番目の支持部の幅Wnより大きくされている。
好ましくは、nが自然数とされたとき、赤道面から軸方向外側に(n+1)番目の支持部の断面積A(n+1)の、赤道面から軸方向外側にn番目の支持部の断面積Anに対する比(A(n+1)/An)は、1.00より大きく1.30以下である。
好ましくは、nが自然数とされたとき、赤道面から軸方向外側にn番目の支持部と(n+1)番目の支持部との間隔Dnの、上記幅Wnに対する比(Dn/Wn)は、1.00以上1.40以下である。
好ましくは、上記複素弾性率E2の上記複素弾性率E1に対する比(E2/E1)は、1.20以上2.00以下である。
好ましくは、それぞれの支持部の幅は、10.0mm以下である。
好ましくは、nが自然数とされたとき、赤道面からn番目の上記支持部の軸方向内側端までの軸方向距離Lnの、赤道面からトレッド端までの軸方向距離Lに対する比(Ln/L)が0.5以上0.8以下となる支持部が、少なくとも1つ存在する。
好ましくは、上記支持部の延在方向が半径方向に対してなす角度の絶対値は、0°以上45°以下である。
本発明に係る二輪自動車用タイヤでは、小さな複素弾性率E1を有するキャップ層がグリップ力の発揮に寄与しうる。このタイヤでは、大きな複素弾性率E2を有する支持部が、トレッドの接地面の変形を防止する。さらに、トレッド端側の支持部の平均幅WAsは、センター側の支持部の平均幅WAcより大きくされている。トレッド端側において支持部の幅が大きくされているので、トレッド端においても、トレッドの変形が充分抑止できる。これにより、このタイヤのグリップ力の低下が防止されうる。また、センター部分に近い支持層は、その幅が小さくされているので、このタイヤでは、トレッド全体の曲げ剛性を抑えうる。このタイヤでは、充分なトレッドの接地面積が確保できる。このタイヤは、グリップ力を効果的に発揮しうる。
図1は、本発明の一実施形態に係る空気入りタイヤの一部が示された断面図である。 図2は、図1のタイヤの一部が示された拡大断面図である。 図3は、図1のタイヤのトレッドの形成状況が示された断面図である。
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
図1に示された空気入りタイヤ2は、トレッド4、サイドウォール6、ビード8、カーカス10、バンド12、インナーライナー14及びチェーファー16を備えている。このタイヤ2は、チューブレスタイプである。このタイヤ2は、二輪自動車に装着される。図1において、上下方向が半径方向であり、左右方向が軸方向であり、紙面との垂直方向が周方向である。このタイヤ2は、図1中の一点鎖線CLを中心としたほぼ左右対称の形状を呈する。この一点鎖線CLは、タイヤ2の赤道面を表す。
トレッド4は、架橋ゴムからなる。トレッド4は、半径方向外向きに凸な形状を呈している。トレッド4は、トレッド面30を備えている。このトレッド面30は、路面と接地する。図示されていないが、このトレッド面30には溝が刻まれている。この溝により、トレッドパターンが形成されている。なお、このトレッド面30に溝が刻まれなくてもよい。
サイドウォール6は、トレッド4の端から半径方向略内向きに延びている。このサイドウォール6は、架橋ゴムからなる。サイドウォール6は、撓みによって路面からの衝撃を吸収する。さらにサイドウォール6は、カーカス10の外傷を防止する。
ビード8は、サイドウォール6よりも半径方向略内側に位置している。ビード8は、コア18と、このコア18から半径方向外向きに延びるエイペックス20とを備えている。コア18は、リング状である。コア18は、非伸縮性ワイヤーが巻かれてなる。典型的には、コア18にスチール製ワイヤーが用いられる。エイペックス20は、半径方向外向きに先細りである。エイペックス20は、高硬度な架橋ゴムからなる。
カーカス10は、カーカスプライ22からなる。カーカスプライ22は、両側のビード8の間に架け渡されており、トレッド4及びサイドウォール6の内側に沿っている。カーカスプライ22は、コア18の周りを、軸方向内側から外側に向かって折り返されている。
図示されていないが、カーカスプライ22は、並列された多数のコードとトッピングゴムとからなる。各コードが赤道面に対してなす角度の絶対値は、通常は70°から90°である。換言すれば、このカーカス10はラジアル構造を有する。このタイヤ2は、高速耐久性の点で、バイアス構造のカーカスを有するタイヤよりも優れている。コードは、通常は有機繊維からなる。好ましい有機繊維としては、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、レーヨン繊維、ポリエチレンナフタレート繊維及びアラミド繊維が例示される。
バンド12は、トレッド4の半径方向内側に位置している。バンド12は、カーカス10の半径方向外側に位置している。バンド12は、カーカス10に積層されている。図示されていないが、このバンド12は、コードとトッピングゴムとからなる。コードは実質的に周方向に延びており、螺旋状に巻かれている。バンド12は、いわゆるジョイントレス構造を有する。このバンド12は、タイヤ2の半径方向の剛性に寄与しうる。これにより、走行時に作用する遠心力の影響が抑えられている。コードは、通常は有機繊維からなる。好ましい有機繊維としては、ナイロン繊維、ポリエステル繊維、レーヨン繊維、ポリエチレンナフタレート繊維及びアラミド繊維が例示される。
図1に示されるように、このタイヤ2では、トレッド4は、キャップ層24、ベース層26及び軸方向に並列された多数の支持部28を備えている。ベース層26は、半径方向においてバンド12の外側に積層されている。それぞれの支持部28は、半径方向においてベース層26の外側に積層されている。この支持部28は周方向に沿ってリング状に形成されている。キャップ層24は、半径方向においてベース層26の外側に積層されている。図1に示されるように、キャップ層24は、支持部28を覆っている。換言すれば、支持部28はキャップ層24に埋没されている。キャップ層24は、トレッド面30をなしている。このタイヤ2では、このキャップ層24が路面と接地する。
このタイヤ2では、ベース層26は二以上のゴムで構成されてもよい。また、ベース層26はなくてもよい。その場合は、支持部28は半径方向においてバンド12の外側に積層される。キャップ層24も、半径方向においてバンド12の外側に積層される。
図2には、図1のタイヤ2の一部が拡大して示されている。この図2において、上下方向が半径方向であり、左右方向が軸方向であり、紙面との垂直方向が周方向である。このタイヤ2を周方向と垂直な面で切った断面において、支持部28は、トレッド4の内側からトレッド面30に向かって延在している。この支持部28は、一対の側面32を備えている。この一対の側面32は、互いに略平行である。図2において、一点鎖線CSnは、赤道面から軸方向外側にn番目(nは自然数)の支持部28の両側面32の中心を通る線である。本明細書では、この中心線CSnの方向が、この支持部28の延在方向である。
図2において、両矢印Wnは、赤道面から軸方向外側にn番目(nは自然数)の支持部28の幅を表す。詳細には、幅Wnは、一方の側面32の先端から、もう一方の側面32に引いた垂線の長さである。本タイヤ2では、トレッド端側の支持部28の平均幅WAsは、センター側の支持部28の平均幅WAcより大きくされている。ここで、センター側の支持部28の平均幅WAcは、赤道面から一方のトレッド端40までに存在する支持部28の総数Nが偶数のときは、赤道面から数えて1番目からN/2番目までの支持部28の幅の平均値を表し、総数Nが奇数のときは、赤道面から数えて1番目から(N+1)/2番目までの支持部28の幅の平均値を表す。トレッド端側の支持部28の平均幅WAsは、総数Nが偶数のときは、赤道面から数えて(N/2+1)番目からN番目までの支持部28の幅の平均値を表し、総数Nが奇数のときは、赤道面から数えて((N+1)/2+1)番目からN番目までの支持部28の幅の平均値を表す。図1に示されたタイヤ2では、総数Nは14である。センター側の支持部28の平均幅WAcは、赤道面から数えて1番目から7番目までの支持部28の幅の平均値であり、トレッド端側の支持部28の平均幅WAsは、8番目から14番目までの支持部28の幅の平均値である。
このタイヤ2では、キャップ層24、支持部28、ベース層26は、それぞれ架橋ゴムからなる。このタイヤ2では、キャップ層24の複素弾性率E1は支持部28の複素弾性率E2よりも小さい。換言すれば、キャップ層24は、軟質なゴムから形成され、支持部28は、硬質なゴムから形成されている。
本発明では、キャップ層24の複素弾性率E1及び支持部28の複素弾性率E2は、「JIS K 6394」の規定に準拠して、粘弾性スペクトロメーター(岩本製作所社製)を用いて、下記に示される条件で計測される。
初期歪み:10%
振幅:±2.5%
周波数:10Hz
変形モード:引張
測定温度:100℃
以下、このタイヤ2の製造方法が示される。
このタイヤ2の製造では、まずキャップ層24のためのゴム組成物を押し出して、テープ状の第一ストリップが用意される。支持部28のためのゴム組成物を押し出して、テープ状の第二ストリップが用意される。ベース層26のためのゴム組成物を押し出して、テープ状の第三ストリップが用意される。この第一ストリップ、第二ストリップ及び第三ストリップは、他の部材とともにフォーマーに供給される。このフォーマーにおいて、これら部材が組み合わされる。
図3には、形成途中にあるタイヤ2の断面が模式的に示されている。この図3において、左右方向はタイヤ2の軸方向に相当し、上下方向はタイヤ2の半径方向に相当する。このタイヤ2の製造では、シート状のインナーライナー14が、フォーマーのドラム(図示されず)に巻かれ、さらにシート状のカーカスプライ22が巻かれる。筒状とされたカーカスプライ22には、コードとトッピングゴムとからなる帯体がさらに螺旋状に巻回され、バンド12が形成される。このバンド12の上に、第三ストリップ38が巻かれる。この第三ストリップ38の上に、第一ストリップ34及び第二ストリップ36が積層される。
図3に示されるように、トレッド4は、第三ストリップ38の上に、第一ストリップ34と第二ストリップ36とを交互に螺旋状に巻回すことにより形成されている。第一ストリップ34と第二ストリップ36とは、トレッド4の断面において、それぞれの断面が軸方向に交互に配置されるように巻回されている。図3に示されるように、巻回された第一ストリップ34は、第二ストリップ36よりも半径方向外向きに突出している。これらが巻き終わると、ローカバー(未加硫タイヤ)が得られる。
このローカバーはモールドに投入される。これにより、ローカバーの外面がモールドのキャビティ面と当接する。この製法では、第一ストリップ34がモールドのキャビティ面と当接する。ローカバーの内面は、ブラダー又は中子に当接する。ローカバーは、モールド内で加圧及び加熱される。加圧及び加熱により、ローカバーのゴム組成物が流動する。加圧及び加熱により、第一ストリップ34が押しつぶされ、第一ストリップ34のゴム組成物が、第二ストリップ36を覆う。換言すれば、第二ストリップ36は、第一ストリップ34のゴム組成物の中に埋没する。加熱によりゴムが架橋反応を起こし、タイヤ2が得られる。第一ストリップ34からはキャップ層24が得られる。第二ストリップ36からは支持部28が得られる。第三ストリップ38からはベース層26が得られる。ベース層26、キャップ層24及びキャップ層24に埋没された支持部28は、これら3種類のストリップが巻かれることで形成される。このトレッド4の製造は容易である。
以下、本発明の作用効果が説明される。
前述のとおり、自動二輪車が旋回する時には、自動二輪車は傾斜しているため、トレッドのショルダー領域が接地する。二輪自動車用のタイヤのトレッドは曲率半径が小さいため、接地部において、センター寄りの部分の回転半径は、トレッド端寄りの部分の回転半径より大きくなっている。この回転半径の違いに起因して、接地部におけるセンター寄りの部分とトレッド端寄りの部分とでは、トレッドの変形状態が異なっている。即ち、センター寄りの部分は進行方向にトレッドが剪断変形され、トレッド端寄りの部分では進行方向の逆方向にトレッドが剪断変形される。このトレッドの変形は、トレッド端に近いほど大きくなる。このようなトレッドの変形は、タイヤのグリップ力の低下を招来する。
本発明に係る二輪自動車用タイヤ2では、キャップ層24の複素弾性率E1は、支持部28の複素弾性率E2よりも小さくされている。このキャップ層24は、軟質である。軟質なキャップ層24は、タイヤ2のグリップ力の発揮に寄与する。また、このタイヤ2では、大きな複素弾性率E2を有する支持部28がキャップ層24に埋設されている。この支持部28は硬質である。硬質な支持部28は、トレッド4の接地面の変形を抑制する。さらに本タイヤ2では、トレッド端側の支持部28の平均幅WAsは、センター側の支持部28の平均幅WAcより大きくされている。トレッド端側において支持部28の幅が大きくされているので、トレッド端側においてもトレッド4の変形が抑止できる。これにより、このタイヤ2のグリップ力の低下が防止される。また、センター部分に近い支持部28は、その幅が小さくされている。この支持部28は、過大なトレッド4全体の曲げ剛性を抑制する。このタイヤ2では、充分なトレッド4の接地面積が確保されうる。このタイヤ2は、グリップ力を十分に発揮しうる。
トレッド端側の支持部28の平均幅WAsのセンター側の支持部28の平均幅WAcに対する比(WAs/WAc)は、2.4以上3.4以下が好ましい。この比が2.4以上3.4以下のトレッド4を備えたタイヤ2では、トレッド端側におけるトレッド4の変形を抑制しつつ、トレッド4の曲げ剛性を抑えて、充分な接地面積を確保することができる。このタイヤ2では充分なグリップ力が得られうる。この観点から、この比は3.2以上3.3以下がより好ましい。
赤道面から軸方向外側に(n+1)番目の支持部28の幅W(n+1)は、赤道面から軸方向外側にn番目の支持部28の幅Wnより大きくされるのが好ましい。この場合、赤道面に最も近い支持部28が、全ての支持部28の中で最も幅が小さく、トレッド端40に近い支持部28ほど、その幅は大きくなる。トレッド端40に最も近い支持部28が全ての支持部28の中で最も幅が大きい。この支持部28は、トレッド端側におけるトレッド4の変形を効果的に抑えうる。一方、赤道面に近い支持部28ほど、その幅が小さくされている。これはトレッド4全体の曲げ剛性の抑制に寄与する。このタイヤ2では、接地面積の減少が効果的に抑えうる。このタイヤ2のグリップ力は強い。
幅W(n+1)の幅Wnに対する比(W(n+1)/Wn)は、1.10以上1.22以下が好ましい。この比が1.10以上1.22以下のトレッド4を備えたタイヤ2では、トレッド端側におけるトレッド4の変形を抑制しつつ、トレッド4の曲げ剛性を抑えて、充分な接地面積を確保することができる。この観点から、この比は1.16以上1.18以下がより好ましい。
このタイヤ2では、支持部28の幅の最大値は、6.0mm以上が好ましい。幅の最大値が6.0mm以上のトレッド4を備えたタイヤ2では、トレッド4の接地面の変形を防止しうる。支持部28の幅の最大値は、10.0mm以下が好ましい。換言すれば、それぞれの支持部28の幅は、10.0mm以下が好ましい。支持部28の幅の最大値が10.0mm以下のトレッド4を備えたタイヤ2では、トレッド4の曲げ剛性を抑制し、充分な接地面積が確保されうる。
図2において、両矢印T(n+1)は、赤道面から軸方向外側に(n+1)番目の支持部28の、中心線CS(n+1)に沿って計測した高さを表す。赤道面から軸方向外側に(n+1)番目の支持部28の断面積A(n+1)は、幅W(n+1)と高さT(n+1)の積で表される。赤道面から軸方向外側に(n+1)番目の支持部28の断面積A(n+1)の、赤道面から軸方向外側にn番目の支持部28の断面積Anに対する比(A(n+1)/An)は、1.00より大きく1.30以下が好ましい。この比が1.00より大きく1.30以下のトレッド4を備えたタイヤ2では、トレッド端側におけるトレッド4の変形を抑制しつつ、トレッド4の曲げ剛性を抑えて、充分な接地面積を確保することができる。このタイヤ2では充分なグリップ力が得られうる。この観点から、この比は1.10以上1.20以下がより好ましい。
図2において、両矢印Dnは、赤道面から軸方向外側にn番目(nは自然数)の支持部28と、(n+1)番目の支持部28との間隔を表す。より詳しくは、間隔Dnは、n番目の支持部28の外側の側面32の先端から、(n+1)番目の支持部28の内側の側面32へ引いた垂線の長さである。この間隔Dnは、トレッド4の過大な曲げ剛性の抑制に寄与しうる。間隔Dnの幅Wnに対する比(Dn/Wn)は、1.00以上が好ましい。この比が1.00以上のタイヤ2では、トレッド4の曲げ剛性が抑えられ、充分な接地面積が得られうる。この観点から、この比は1.10以上がより好ましい。比(Dn/Wn)は、1.40以下が好ましい。この比が1.40以下のタイヤ2では、支持部28によりトレッド4の接地面の変形が効果的に防止されうる。この観点から、この比は1.20以下がより好ましい。
キャップ層24の複素弾性率E1は2.60MPa以下が好ましい。複素弾性率E1が2.60MPa以下のキャップ層24は、タイヤ2のグリップ力の発揮に寄与しうる。この観点からこのキャップ層24の複素弾性率E1は2.40MPa以下がより好ましい。複素弾性率E1は、1.90MPa以上が好ましい。複素弾性率E1が1.90MPa以上のキャップ層24は、接地表面におけるトレッド4の過大な変形が防止されうる。この観点から、このキャップ層24の複素弾性率E1は2.10MPa以上がより好ましい。
支持部28の複素弾性率E2は4.00MPa以下が好ましい。複素弾性率E2が4.00MPa以下の支持部28は、トレッド4の過度に大きな曲げ剛性を防止する。この観点からこのキャップ層24の複素弾性率E2は3.60MPa以下がより好ましい。複素弾性率E2は、2.90MPa以上が好ましい。複素弾性率E2が2.90MPa以上の支持部28は、接地表面におけるトレッド4の変形の防止に寄与する。この観点から、このキャップ層24の複素弾性率E2は3.30MPa以上がより好ましい。
キャップ層24の低い複素弾性率E1によるグリップ力の向上と、支持部28の高い複素弾性率E2によるトレッド4の変形の抑止を両立させるとの観点から、複素弾性率E1の複素弾性率E2に対する比(E2/E1)は、1.20以上2.00以下が好ましい。この観点から、この比は、1.40以上1.80以下がより好ましい。
図2において、一点鎖線CL1は、半径方向を示している。支持部28の中心線CSnは、赤道面からn番目の支持部28の延在方向を示している。角度αは、中心線CSnが一点鎖線CL1に対してなす角度の絶対値(以下、傾斜角度)である。換言すれば、傾斜角度は、支持部28の延在方向が半径方向に対してなす角度である。傾斜角度は、支持部28によって異なる。図2のタイヤ2では、赤道面から最もトレッド端40側に位置する支持部28の傾斜角度が最も大きい。このタイヤ2では、支持部28がトレッド4の変形抑制に効果的に寄与しうるという観点から、この傾斜角度の最大値は45°以下が好ましく、40°以下がより好ましい。なお、中心線CSが半径方向に延在する場合がこの傾斜角度の下限値(0°)となる。
図示されないが、本タイヤでは、赤道面からn番目の上記支持部の軸方向内側端までの軸方向距離が距離Lnとされ、赤道面からトレッド端までの軸方向距離が距離Lとされるとき、これらの距離の比(Ln/L)が0.5以上0.8以下となる支持部が、少なくとも1つ以上存在しているのが好ましい。
本発明では、タイヤ2及びタイヤ2の各部材の寸法及び角度は、タイヤ2が正規リムに組み込まれ、正規内圧となるようにタイヤ2に空気が充填された状態で測定される。測定時には、タイヤ2には荷重がかけられない。本明細書において正規リムとは、タイヤ2が依拠する規格において定められたリムを意味する。JATMA規格における「標準リム」、TRA規格における「Design Rim」、及びETRTO規格における「Measuring Rim」は、正規リムである。本明細書において正規内圧とは、タイヤが依拠する規格において定められた内圧を意味する。JATMA規格における「最高空気圧」、TRA規格における「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に掲載された「最大値」、及びETRTO規格における「INFLATION PRESSURE」は、正規内圧である。
以下、実施例によって本発明の効果が明らかにされるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきではない。
[実施例1]
図1に示された構造を備えた、実施例1の二輪自動車用タイヤを得た。タイヤのサイズは、180/55ZR17とされた。下記表1にこのタイヤの諸元が示されている。比(WAs/WAc)は3.2、比(W(n+1)/Wn)は1.16、比(A(n+1)/An)は1.20、比(Dn/Wn)は1.10とされた。この時の支持部の幅の最大値は8.0である。また、支持部の傾斜角度の最大値は、40°である。キャップ層24の複素弾性率E1は、2.15MPa、支持部の複素弾性率E2は3.45MPaとされている。したがって、比(E2/E1)は、1.60である。
[比較例1]
トレッドが、支持部を有さずキャップ層24とベース層のみを有する他は実施例1と同様にして、比較例1のタイヤを得た。
[比較例2]
支持部の幅Wn、支持部の断面積An及び互いに隣接する支持部間の間隔Dnが一定の値であり、かつ幅Wnと間隔Dnが同じ値であるとした他は実施例1と同様にして、比較例2のタイヤを得た。
[実施例2−5]
比(W(n+1)/Wn)を変更し、比(WAs/WAc)を下記の表1の通りとした他は実施例1と同様にして、実施例2−5のタイヤを得た。
[実施例6−10]
比(A(n+1)/An)を下記の表2の通りとした他は実施例1と同様にして、実施例6−10のタイヤを得た。
[実施例11−15]
比(Dn/Wn)を下記の表3の通りとした他は実施例1と同様にして、実施例11−15のタイヤを得た。
[実施例16−18、比較例3−4]
比(E2/E1)を下記の表4の通りとした他は実施例1と同様にして、実施例16−18及び比較例3−4のタイヤを得た。
[実施例19−21]
傾斜角度の最大値を下記の表5のようにした他は実施例1と同様にして、実施例19−21のタイヤを得た。
[接地感、剛性感及びグリップ力]
試作タイヤを排気量が600ccであるスポーツタイプの二輪自動車の後輪に装着し、その内圧が200kPaとなるように空気を充填した。前輪には、市販のタイヤ(サイズ:120/70ZR17)を装着し、その内圧が200kPaとなるように空気を充填した。この二輪自動車を、その路面がアスファルトであるサーキットコースで走行させて、ライダーによる官能評価を行った。評価項目は、接地感、剛性感及びグリップ力である。この結果が、指数として下記表1から表5に示されている。値が大きいほど好ましい。
Figure 2014231267
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Figure 2014231267
Figure 2014231267
Figure 2014231267
表1から表5に示されるように、実施例のタイヤは、比較例のタイヤに比べて優れたグリップ力を有する。また、比較例のタイヤに比べて剛性感及び接地感についても評価が高い。この評価結果から、本発明の優位性は明らかである。
以上説明されたタイヤは、様々な車両にも適用されうる。
2・・・タイヤ
4・・・トレッド
6・・・サイドウォール
8・・・ビード
10・・・カーカス
12・・・バンド
14・・・インナーライナー
16・・・チェーファー
18・・・コア
20・・・エイペックス
22・・・カーカスプライ
24・・・キャップ層
26・・・ベース層
28・・・支持層
30・・・トレッド面
32・・・側面
34・・・第一ストリップ
36・・・第二ストリップ
38・・・第三ストリップ
40・・・トレッド端

Claims (9)

  1. その外面がトレッド面をなすトレッドを備えており、
    このトレッドが、キャップ層と、軸方向に並列された多数の支持部とを備えており、
    それぞれの支持部が周方向に沿ってリング状に形成されており、
    このタイヤを周方向と垂直な面で切った断面において、この支持部が、このトレッドの内側から上記トレッド面に向かって延在しており、
    この支持部が、上記キャップ層に埋設されており、
    この支持部が、このキャップ層の複素弾性率E1よりも大きな複素弾性率E2を有しており、
    トレッド端側の支持部の平均幅WAsが、センター側の支持部の平均幅WAcより大きくされている二輪自動車用タイヤ。
    (上記センター側の支持部の平均幅WAcは、赤道面から一方のトレッド端までに存在する支持部の総数Nが偶数のときは、赤道面から数えて1番目からN/2番目までの支持部の幅の平均値を表し、総数Nが奇数のときは、赤道面から数えて1番目から(N+1)/2番目までの支持部の幅の平均値を表す。上記トレッド端側の支持部の平均幅WAsは、総数Nが偶数のときは、赤道面から数えて(N/2+1)番目からN番目までの支持部の幅の平均値を表し、総数Nが奇数のときは、赤道面から数えて((N+1)/2+1)番目からN番目までの支持部の幅の平均値を表す。)
  2. 上記トレッド端側の支持部の平均幅WAsの、上記センター側の支持部の平均幅WAcに対する比(WAs/WAc)が、2.4以上3.4以下である請求項1に記載の二輪自動車用タイヤ。
  3. nが自然数とされたとき、赤道面から軸方向外側に(n+1)番目の支持部の幅W(n+1)が、赤道面から軸方向外側にn番目の支持部の幅Wnより大きくされている請求項1又は2に記載の二輪自動車用タイヤ。
  4. nが自然数とされたとき、赤道面から軸方向外側に(n+1)番目の支持部の断面積A(n+1)の、赤道面から軸方向外側にn番目の支持部の断面積Anに対する比(A(n+1)/An)が、1.00より大きく1.30以下である請求項1から3のいずれかに記載の二輪自動車用タイヤ。
  5. nが自然数とされたとき、赤道面から軸方向外側にn番目の支持部と(n+1)番目の支持部との間隔Dnの、上記幅Wnに対する比(Dn/Wn)が、1.00以上1.40以下である請求項1から4のいずれかに記載の二輪自動車用タイヤ。
  6. 上記複素弾性率E2の上記複素弾性率E1に対する比(E2/E1)が、1.20以上2.00以下である請求項1から5のいずれかに記載の二輪自動車用タイヤ。
  7. それぞれの支持部の幅が、10.0mm以下である請求項1から6のいずれかに記載の二輪自動車用タイヤ。
  8. nが自然数とされたとき、赤道面からn番目の上記支持部の軸方向内側端までの軸方向距離Lnの、赤道面からトレッド端までの軸方向距離Lに対する比(Ln/L)が0.5以上0.8以下となる支持部が、少なくとも1つ存在する請求項1から7のいずれかに記載の二輪自動車用タイヤ。
  9. 上記支持部の延在方向が半径方向に対してなす角度の絶対値が、0°以上45°以下である請求項1から8のいずれかに記載の二輪自動車用タイヤ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108472998A (zh) * 2015-12-22 2018-08-31 米其林集团总公司 在轮胎胎面的制备中用于机械耦合的由定向堆叠的硬-软混合物组成的复合材料

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