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JP2014224855A - 感光性樹脂組成物、パターン硬化膜の製造方法、及び、該パターン硬化膜を有する半導体装置 - Google Patents

感光性樹脂組成物、パターン硬化膜の製造方法、及び、該パターン硬化膜を有する半導体装置

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Publication number
JP2014224855A
JP2014224855A JP2013102994A JP2013102994A JP2014224855A JP 2014224855 A JP2014224855 A JP 2014224855A JP 2013102994 A JP2013102994 A JP 2013102994A JP 2013102994 A JP2013102994 A JP 2013102994A JP 2014224855 A JP2014224855 A JP 2014224855A
Authority
JP
Japan
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photosensitive resin
resin composition
general formula
cured film
film
Prior art date
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Pending
Application number
JP2013102994A
Other languages
English (en)
Inventor
阿部 浩一
Koichi Abe
浩一 阿部
増田 克之
Katsuyuki Masuda
克之 増田
大川原 敏一
Toshiichi Okawara
敏一 大川原
松谷 寛
Hiroshi Matsutani
寛 松谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Resonac Corp
Original Assignee
Hitachi Chemical Co Ltd
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Publication date
Application filed by Hitachi Chemical Co Ltd filed Critical Hitachi Chemical Co Ltd
Priority to JP2013102994A priority Critical patent/JP2014224855A/ja
Publication of JP2014224855A publication Critical patent/JP2014224855A/ja
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Abstract

【課題】アルカリ水溶液で現像が可能で、良好な解像度、破断伸び及び耐熱性をすべて満たすことができる、感光性樹脂組成物、および、それを用いたパターン硬化膜の製造方法、ならびに、パターン硬化膜を有する半導体装置を提供する。【解決手段】(a)下記一般式(1)で表される構造単位を有するポリアミドイミド樹脂と、(b)光により酸を発生する化合物と、(c)熱架橋剤と、(d)溶剤と、を含有する感光性樹脂組成物。【選択図】図5

Description

本発明は、良好な機械特性及び耐熱性を有する感光性樹脂組成物に関する。また、該感光性樹脂組成物を用いたパターン硬化膜の製造方法及び該パターン硬化膜を有する半導体装置に関する。
近年、半導体装置の高集積化及び大型化に伴い、半導体装置の層間絶縁層、表面保護層、及び再配線層を形成する材料として、感光性と、優れた電気特性、耐熱性、機械特性等を併せ持つ材料が求められている。従来、このような材料として、高い耐熱性を有するポリイミド前駆体樹脂を含有する感光性樹脂組成物が用いられてきた(例えば、特許文献1)。
しかし、ポリイミド前駆体樹脂から形成される膜は、硬化時にポリイミド前駆体の脱水(イミド化)に起因する体積収縮が起き、膜厚の変化及び寸法精度の低下が起きる。また、ポリイミド前駆体樹脂を低温で硬化した場合、イミド化が不完全なため、硬化膜は脆く機械特性及び耐熱性が低下することがあった。
そこで、硬化時の脱水に起因する体積収縮がなく、また、既にイミド化しているため低温プロセスに対応できるポリアミドイミド樹脂が検討されており、さらに感光特性を付与したポジ型感光性ポリアミドイミド樹脂含有組成物が知られている(例えば、特許文献2〜4参照)。
特開昭59−219330号公報 特許第2524240号公報 特許第2524241号公報 特許第2902761号公報
しかし、感光特性、現像時の樹脂膜の基板への密着性が良好であり、アルカリ水溶液で現像可能なポリアミドイミド樹脂含有組成物は、未だ得られていない。また、半導体装置は、さらなる信頼性が求められているため、例えば耐衝撃試験等のクラック耐性を高める観点から、高い破断伸びが求められている。またパターン硬化膜形成後の半導体装置の製造工程における種々の高温プロセスに対する耐性という観点から、良好な耐熱性が求められている。
そこで、本発明は、アルカリ水溶液で現像が可能であり、かつ良好な解像度、破断伸び及び耐熱性をすべて満たすことができる、感光性樹脂組成物を提供することを目的とする。また、それを用いたパターン硬化膜の製造方法、及び、パターン硬化膜を有する半導体装置を提供することを目的とする。
本発明は、以下のとおりである。
<1>(a)下記一般式(1)で表される構造単位を有するポリアミドイミド樹脂と、(b)光により酸を発生する化合物と、(c)熱架橋剤と、(d)溶剤と、を含有する感光性樹脂組成物。
Figure 2014224855

(一般式(1)中、Rは、下記一般式(2)で表される二価の有機基のいずれかであり、nは1〜20、nは1〜50、nは1〜70、nは1〜5、nは1〜10、nは1〜5を示す。Rは二価の有機基である。)
Figure 2014224855
<2>(b)成分の光により酸を発生する化合物が、o−キノンジアジド化合物である、前記感光性樹脂組成物。
<3>(c)成分の熱架橋剤が、ヒドロキシメチルアミノ基を有する化合物又はエポキシ基を有する化合物である前記感光性樹脂組成物。
<4>(a)成分のポリアミドイミド樹脂が、一般式(3)で表わされる構造単位を有するポリアミドイミド樹脂である、前記感光性樹脂組成物。
Figure 2014224855
(一般式(3)中、Rは、下記一般式(2)で表される二価の有機基のいずれかであり、nは1〜20、nは1〜50、nは1〜70、nは1〜5、nは1〜10、nは1〜5を示す。Rは、水素、メチル基、又はエチル基のいずれかである。)
Figure 2014224855
<5>(a)成分のポリアミドイミド樹脂が、さらに一般式(4)で表わされる構造単位を有するポリアミドイミド樹脂である、前記感光性樹脂組成物。
Figure 2014224855
(一般式(4)中、Rは、二価の有機基をしめす。)
<6>前記感光性樹脂組成物を基板上に塗布して樹脂膜を形成する工程と、前記樹脂膜に露光及び現像を行い、パターン樹脂膜を形成する工程と、前記パターン樹脂膜を加熱する工程とを含有する、パターン硬化膜の製造方法。
<7>パターン樹脂膜を加熱する工程を250℃以下で行う、前記パターン硬化膜の製造方法。
<8>前記パターン硬化膜の製造方法により形成されるパターン硬化膜を層間絶縁膜又は表面保護層として有する半導体装置。
本発明によれば、アルカリ水溶液で現像が可能であり、かつ良好な解像度、破断伸び及び耐熱性をすべて満たすことができる、感光性樹脂組成物を提供することができる。また、これを用いたパターン硬化膜の製造方法、及び、パターン硬化膜を有する半導体装置を提供することができる。
半導体装置の製造工程の一実施形態を説明する概略断面図である。 半導体装置の製造工程の一実施形態を説明する概略断面図である。 半導体装置の製造工程の一実施形態を説明する概略断面図である。 半導体装置の製造工程の一実施形態を説明する概略断面図である。 半導体装置の製造工程の一実施形態を説明する概略断面図である。 電子部品(半導体装置)の一実施形態を示す概略断面図である。 電子部品(半導体装置)の一実施形態を示す概略断面図である。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。但し、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではない。
また、必要に応じて図面を参照しつつ、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
<感光性樹脂組成物>
本発明の感光性樹脂組成物は、(a)下記一般式(1)で表される構造単位を有するポリアミドイミド樹脂と、(b)光により酸を発生する化合物と、(c)熱架橋剤と、(d)溶剤と、を含有する感光性樹脂組成物である。
Figure 2014224855

(一般式(1)中、Rは、下記一般式(2)で表される二価の有機基のいずれかであり、nは1〜20、nは1〜50、nは1〜70、nは1〜5、nは1〜10、nは1〜5を示す。Rは二価の有機基である。)
Figure 2014224855
以下、本発明の感光性樹脂組成物に用いられる各成分について説明する。
((a)一般式(1)で表される構造単位を有するポリアミドイミド樹脂)
本発明の感光性樹脂組成物は(a)下記一般式(1)で表される構造単位を有するポリアミドイミド樹脂である。
Figure 2014224855

(一般式(1)中、Rは、下記一般式(2)で表される二価の有機基のいずれかであり、nは1〜20、nは1〜50、nは1〜70、nは1〜5、nは1〜10、nは1〜5を示す。Rは二価の有機基である。)
Figure 2014224855
一般式(1)で表される構造単位を有するポリアミドイミド樹脂は、脂肪族ジアミン化合物由来の2価の直鎖の有機基を含有するため、ポリアミドイミド樹脂が柔軟なポリマーとなり、破断伸びに優れる感光性樹脂組成物を提供することができる。なお、n〜nは構成単位の構成単位数を示す。従って単一の分子においては整数値を示し、複数種の分子の集合体としては平均値である有理数を示す。以下、構成単位の構成単位数については同様に定義する。
また、(a)成分が、一般式(3)で表わされる構造単位を有するポリアミドイミド樹脂である。ことが好ましい。
Figure 2014224855
(一般式(3)中、Rは、上記一般式(2)で表される二価の有機基のいずれかであり、nは1〜20、nは1〜50、nは1〜70、nは1〜5、nは1〜10、nは1〜5を示す。Rは、水素、メチル基、又はエチル基のいずれかである。)
(a)成分のポリアミドイミド樹脂は、一般式(1)で表される構造単位を有するポリアミドイミド樹脂であれば制限はないが、ポリアミドイミド樹脂中に一般式(1)で表される構造単位を10〜70モル%含有することが好ましく、20〜50モル%含有することがより好ましく、25〜45モル%含有することがさらに好ましい。
一般式(1)で表されるポリアミドイミド樹脂は、下記一般式(5)で表されるジアミンとトリカルボン酸一無水物とを反応させて得られるジイミドジカルボン酸と、ジイソシアナート類とを反応させることで得られる。
Figure 2014224855
(一般式(5)中、Rは、下記一般式(2)で表される二価の有機基のいずれかであり、nは1〜20、nは1〜50、nは1〜70、nは1〜5、nは1〜10、nは1〜5を示す。)
Figure 2014224855
このようなジアミン(脂肪族ジアミン)としては、例えば、エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、4,9−ジオキサドデカン−1,12−ジアミン、ポリオキシテトラメチレンジアミン、ポリオキシエチレンジアミン、ポリオキシプロピレンジアミン及びポリオキシテトラメチレン−ポリオキシプロピレン共重合ジアミン等が挙げられる。柔軟性及び耐熱性の観点から、ポリオキシプロピレンジアミンを用いることが好ましい。これらのジアミンは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
また、アルカリ水溶液への可溶性を調整するため、また、より良好な感度とするために、ジイミドジカルボン酸を合成する際に、上記脂肪族ジアミンに加え、フェノール性水酸基を有するジアミンを含有してもよい。フェノール性水酸基を有するジアミンとしては、分子内に1つ以上のフェノール性水酸基を有し、かつ2つ以上のアミノ基を有する化合物である。このような、フェノール性水酸基を有するジアミンとしては、例えば、3,3´−ジアミノ−4,4´−ジヒドロキシビフェニル、4,4´−ジアミノ−3,3´−ジヒドロキシビフェニル、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)スルホン、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、9,9−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス{4−(3−アミノ−4−ヒドロキシフェノキシ)フェニル}フルオレン、1,3−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)アダマンタン、1,3−ビス{4−(3−アミノ−4−ヒドロキシフェノキシ)フェニル}アダマンタン、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)アダマンタン、2,2−ビス{4−(3−アミノ−4−ヒドロキシフェノキシ)フェニル}アダマンタン、2−(3−ヒドロキシ−4−アミノフェニル)−2−(3−アミノ−4−ドロキシフェニル)ヘキサフロロプロパン、3,3´−ジヒドロキシ−4,4´−ジアミノベンゾフェノン、3,3´−ジアミノ−4,4´−ジヒドロキシベンゾフェノン、3,3´−ジヒドロキシ−4,4´−ジアミノジフェニルエーテル、3,3´−ジアミノ−4,4´−ジヒドロキシジフェニルエーテル、3,3´−ジヒドロキシ−4,4´−ジアミノジフェニルメタン、2,6−ジアミノフェノール、2,4−ジアミノフェノール、3,5−ジアミノフェノール、3−ヒドロキシ−4,4´−ジアミノビフェニル、4−ヒドロキシ−3,3´−ジアミノビフェニル、2−(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)−2−(3−アミノフェニル)ヘキサフロロプロパン、3−ヒドロキシ−4,4´−ジアミノジフェニルスルホン、3−ヒドロキシ−4,4´−ジアミノジフェニルエーテル及び3−ヒドロキシ−4,4´−ジアミノジフェニルメタンが挙げられる。これらの化合物は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
さらに、ジイミドジカルボン酸を合成する際に、アルカリ水溶液への可溶性の調整、組成物及びパターン硬化膜の種々の物性の調整をする目的で、上記の脂肪族ジアミン及びフェノール性水酸基を有するジアミン以外のジアミンを含有してもよい。このようなジアミンとしては、4,4´−ジアミノジフェニルエーテル、4,4´−ジアミノジフェニルメタン、4,4´−ジアミノジフェニルスルホン、4,4´−ジアミノジフェニルスルフィド、ベンジシン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、1,5−ナフタレンジアミン、2,6−ナフタレンジアミン、ビス(4−アミノフェノキシフェニル)スルホン、ビス(3−アミノフェノキシフェニル)スルホン、ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン等の芳香族ジアミン化合物、LP−7100、X−22−161AS、X−22−161A、X−22−161B、X−22−161C、X−22−161E(いずれも信越化学工業株式会社製、商品名)等のシロキサン骨格を有するジアミンなどが挙げられる。これらの化合物は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いる。
本発明において、ジイミドジカルボン酸を合成する際に用いるジアミンとして、上記フェノール性水酸基を有するジアミン又は脂肪族ジアミン以外の上記ジアミンを含有する場合、ジアミン中の脂肪族ジアミンの含有量はジアミンの和100モル%に対し10〜70モル%であることが好ましく、20〜50モル%であることがより好ましく、25〜45モル%であることがさらに好ましい。脂肪族ジアミンの割合が10モル%以上だとより良好な破断伸びを発現できる傾向があり、70モル%以下であるとアルカリ溶解性が低下する傾向がある。
ジイミドジカルボン酸を合成する際に用いるトリカルボン酸一無水物としては、トリメリト酸無水物(1,2,4−トリカルボキシベンゼン−1,2無水物)、ヘミメリト酸無水物(1,2,3−トリカルボキシベンゼン−1,2無水物)、2,3,5−トリカルボキシナフタレン−2,3−無水物、4−(4−カルボキシフェノキシ)フタル酸無水物、1,2,4−カルボキシシクロヘキサン−1,2無水物、1,2,3−トリカルボキシシクロプロパン−1,2無水物、1,2,3−トリカルボキシシクロブタン−1,2無水物、アコニチン酸無水物等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらの化合物は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
ジイミドジカルボン酸を合成する際、上記ジアミン化合物と上記トリカルボン酸一無水物との配合比は、ジアミン化合物総和の1モルに対してトリカルボン酸一無水物テトラカルボン酸二無水物1.5〜2.5モルであるが好ましく、1.8〜2.2モルであることがより好ましく、1.9〜2.2モルであることがさらに好ましい。トリカルボン酸一無水物が1.5モル以上であると、アルカリ水溶液に対する溶解速度の調整効果がより高く、2.5モル以下だとオリゴマーの分子量が高くなるのを防ぎ、アルカリ水溶液に対する溶解速度が低下するのをより防ぐことができる。
ジイミドジカルボン酸は、公知の方法で合成することができるが、例えば、上記ジアミンと上記トリカルボン酸一無水物をと、有機溶媒(N−メチル−2−ピロリドン、N−メチル−2−ピリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、γ−ブチロラクトン、トルエン、ベンゼン等)中で反応させてジイミドジカルボン酸前駆体を合成し、その後イミド化してジイミドジカルボン酸を得る方法が挙げられる。
イミド化は、例えば、トルエン、キシレンを用いて加熱還流下で行う方法が挙げられる。イミド化の反応温度は、30〜300℃が好ましく、50〜250℃がより好ましい。また、ピリジン等の塩基触媒存在下で加熱する方法等も挙げられ、触媒を用いる場合の反応温度は、−20〜200℃が好ましく、0〜150℃がより好ましい。イミド化の反応時間は概ね10分〜10時間であり、雰囲気は大気、不活性ガス雰囲気いずれを用いてもよく、大気圧以外に加圧又は減圧雰囲気でも行うことができる。ここで、フェノール性水酸基を有するジイミドジカルボン酸を合成する際は、トルエン又はキシレンを用いて加熱還流下でイミド化を行うと、フェノール性水酸基を有するジイミドジカルボン酸を精製することなく、ジイソシアナートを反応させることができるため好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物に用いられるポリアミドイミド樹脂は、上記の方法で得られたジイミドジカルボン酸とジイソシアナートとを反応させることで得られる。
ジイソシアナートとしては、1,3−ビス(1−イソシアナト−1−メチルエチル)ベンゼン、1,3−ビス(イソシアナトメチル)ベンゼン、1,3−フェニレンジイソシアナート、1,4−ジイソシアナトブタン、1,4−フェニレンジイソシアナート、1,6−ジイソシアナトヘキサン、1,8−ジイソシアナトオクタン、2,4,6−トリメチル−1,3−フェニレンジイソシアナート、3,3´−ジメトキシ−4,4´−ビフェニレンジイソシアナート、4−クロロ−6−メチル−1,3−フェニレンジイソシアナート、イソホロンジイソシアナート、m−キシリレンジイソシアナート、トリレンジイソシアナート(2,4−ジイソシアナトトリレン、2,5−ジイソシアナトトリレン、2,6−ジイソシアナトトリレン、α,4−ジイソシアナトトリレンの単体又は混合物)、trans−1,4−シクロへキシレンジイソシアナート、3,3´−ジメチルジフェニルメタン−4,4´−ジイソシアナート、3,3´−ジメチル−4,4´−ビフェニレンジイソシアナート、4−ブロモ−6−メチル−1,3−フェニレンジイソシアナート、4,4´−メチレンビス(フェニルイソシアナート)、4,4´−メチレンビス(2−クロロフェニルイソシアナート)、4,4´−メチレンビス(2,6−ジエチルフェニルイソシアナート)、4,4´−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアナート)、4,4´−オキシビス(フェニルイソシアナート)、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン及びトリメチル−1,6−ジイソシアナトヘキサン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらの化合物は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記ジイミドジカルボン酸と上記ジイソシアナートとの反応は、公知の方法で行うことができるが、例えばジイミドジカルボン酸とジイソシアナートとを有機溶媒中(N−メチル−2−ピロリドン、N−メチル−2−ピリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、γ−ブチロラクトン、トルエン、ベンゼン等)で重合反応する方法が挙げられる。重合反応は、ジイミドカルボン酸のカルボキシル基がジイソシアナートのイソシアナート基へ付加し、続いて、生成するカルボキシカルボニルアミノ基の脱炭酸を伴う熱分解により、アミド基を形成するものである。ジイミドジカルボン酸とジイソシアナートとの反応温度は、30〜300℃が好ましく、50〜250℃がより好ましい。反応時間は概ね10分〜10時間であり、雰囲気は大気、不活性ガス雰囲気いずれを用いてもよく、大気圧以外に加圧又は減圧雰囲気でも行うことができる。反応後、生成物は、そのまま本発明のポリアミドイミド樹脂として用いてもよく、また、ポリアミドイミド樹脂を貧溶媒中に再沈殿させた後に用いることもできる。
さらに、アルカリ水溶液に対する溶解性を向上する目的で、ポリアミドイミド樹脂の合成において上記のジイミドジカルボン酸以外のフェノール性水酸基を有するジカルボン酸を添加することができる。フェノール性水酸基を有するジカルボン酸としては、5−ヒドロキシイソフタル酸、4−ヒドロキシイソフタル酸、2−ヒドロキシフタル酸、3−ヒドロキシフタル酸及び2−ヒドロキシテレフタル酸等が挙げられる。これらの化合物は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いる。
本発明の(a)成分であるポリアミドイミド樹脂の分子量は、アルカリ水溶液に対する可溶性、感光特性及び硬化膜物性のバランスを考慮して、重量平均分子量で3,000〜200,000が好ましく、5,000〜100,000がより好ましい。ここで、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法により測定し、標準ポリスチレン検量線より換算して得た値である。
((b)光により酸を発生する化合物)
本発明の感光性樹脂組成物は感光剤として(b)光により酸を発生する化合物を含有する。このような(b)成分は、光照射により酸を生成させ、光照射した部分のアルカリ水溶液への可溶性を増大させる機能を有する。(b)成分としては、一般に光酸発生剤と称される化合物を用いることができる。(b)成分の具体例としては、o−キノンジアジド化合物、アリールジアゾニウム塩、ジアリールヨードニウム塩、トリアリールスルホニウム塩等が挙げられる。これらの中で、感度が高いことから、o−キノンジアジド化合物を用いることが好ましい。
o−キノンジアジド化合物としては、例えば、o−キノンジアジドスルホニルクロリドと、ヒドロキシ化合物やアミノ化合物等とを脱塩酸剤の存在下で縮合反応させることで得られるものを用いることができる。
前記o−キノンジアジドスルホニルクロリドとしては、ベンゾキノン−1,2−ジアジド−4−スルホニルクロリド、ナフトキノン−1,2−ジアジド−5−スルホニルクロリド、ナフトキノン−1,2−ジアジド−4−スルホニルクロリド等が挙げられる。
前記ヒドロキシ化合物としては、ヒドロキノン、レゾルシノール、ピロガロール、ビスフェノールA、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−[4−{1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル}フェニル]エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,4´−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2´,4,4´−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,2´,3´−ペンタヒドロキシベンゾフェノン,2,3,4,3´,4´,5´−ヘキサヒドロキシベンゾフェノン、ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)メタン、ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)プロパン、4b,5,9b,10−テトラヒドロ−1,3,6,8−テトラヒドロキシ−5,10−ジメチルインデノ[2,1−a]インデン、トリス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン等が挙げられる。
前記アミノ化合物としては、例えば、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、4,4´−ジアミノジフェニルエーテル、4,4´−ジアミノジフェニルメタン、4,4´−ジアミノジフェニルスルホン、4,4´−ジアミノジフェニルスルフィド、o−アミノフェノール、m−アミノフェノール、p−アミノフェノール、3,3´−ジアミノ−4,4´−ジヒドロキシビフェニル、4,4´−ジアミノ−3,3´−ジヒドロキシビフェニル、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン等が挙げられる。
前記脱塩酸剤としては、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化カリウム、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン等が挙げられる。また、反応溶媒としては、ジオキサン、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、N−メチルピロリドン等が用いられる。
これらの中でも吸収波長範囲と反応性の点から、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−[4−{1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル}フェニル]エタンと1−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホニルクロリドとを縮合反応して得られたものや、トリス(4−ヒドロキシフェニル)メタン又はトリス(4−ヒドロキシフェニル)エタンと1−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホニルクロリドとを縮合反応して得られたものを用いることが好ましい。
o−キノンジアジドスルホニルクロリドと、ヒドロキシ化合物及び/又はアミノ化合物とは、o−キノンジアジドスルホニルクロリド1モルに対して、ヒドロキシ基とアミノ基とのモル数の合計が0.5〜1モルになるように配合されることが好ましい。脱塩酸剤とo−キノンジアジドスルホニルクロリドの好ましい配合割合は、0.95/1〜1/0.95モル当量の範囲である。
なお、上述の反応の好ましい反応温度は0〜40℃、好ましい反応時間は1〜10時間である。
本発明の感光性樹脂組成物において、(b)成分の含有量は、(a)成分100質量部に対して3〜100質量部が好ましく、5〜50質量部がより好ましく、5〜30質量部がさらに好ましい。(b)成分が、(a)成分100質量部に対して3〜100質量部であると、露光部と未露光部の溶解速度差が良好となり、感度の許容幅が良好となる。
((c)熱架橋剤))
本発明の感光性樹脂組成物は、(c)成分である熱架橋剤を含有する。(c)成分は、パターン樹脂膜を形成後に加熱してパターン硬化膜を形成する際に、(a)成分と反応して橋架け構造を形成する。これにより、パターン硬化膜の機械強度及び耐薬品性を向上させることができる。(c)成分として、具体的には、ヒドロキシメチルアミノ基を有する化合物、エポキシ基を有する化合物等を用いることができる。
ヒドロキシメチルアミノ基を有する化合物としては、(ポリ)(N−ヒドロキシメチル)メラミン、(ポリ)(N−ヒドロキシメチル)グリコールウリル、(ポリ)(N−ヒドロキシメチル)ベンゾグアナミン、(ポリ)(N−ヒドロキシメチル)尿素等のメチロール基の全部又は一部をアルキルエーテル化した含窒素化合物が挙げられる。ここで、アルキルエーテルのアルキル基としてはメチル基、エチル基、ブチル基、又はこれらを混合したものが挙げられ、一部自己縮合してなるオリゴマー成分を含有していてもよい。具体的には、ヘキサキス(メトキシメチル)メラミン、ヘキサキス(ブトキシメチル)メラミン、テトラキス(メトキシメチル)グリコールウリル、テトラキス(ブトキシメチル)グリコールウリル、テトラキス(メトキシメチル)尿素が挙げられる。
エポキシ基を有する化合物としては、従来公知のものを用いることができる。その具体例として、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、グリシジルアミン、複素環式エポキシ樹脂、ポリアルキレングリコールジグリシジルエーテル等が挙げられる。
また、(c)成分として、上述した以外に、ビス[3,4−ビス(ヒドロキシメチル)フェニル]エーテルや1,3,5−トリス(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)ベンゼンなどのヒドロキシメチル基を有する芳香族化合物、ビス(4−マレイミドフェニル)メタンや2,2−ビス[4−(4´−マレイミドフェノキシ)フェニル]プロパンなどのマレイミド基を有する化合物、ノルボルネン骨格を有する化合物、多官能アクリレート化合物、オキセタニル基を有する化合物、ビニル基を有する化合物、ブロック化イソシアナート化合物を用いることができる。
本発明の感光性樹脂組成物において、(c)成分の含有量は、(a)成分100質量部に対して、1〜50質量部が好ましく、2〜30質量部がより好ましく、3〜25質量部がさらに好ましい。(c)成分が、(a)成分100質量部に対して1〜50質量部であると、露光部と未露光部の溶解速度差が良好となり、感度の許容幅が良好となる。
なお、上述した熱架橋剤は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
((d)溶剤))
本発明の感光性樹脂組成物は、(a)、(b)及び(c)成分を溶解するために(d)溶剤を含有する。溶剤を含有することにより、基板上への塗布を容易にし、均一な厚さの塗膜を形成できるという効果を奏する。溶剤としては、例えば、γ−ブチロラクトン、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、酢酸ベンジル、n−ブチルアセテート、エトキシエチルプロピオナート、3−メチルメトキシプロピオナート、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホリルアミド、テトラメチレンスルホン、ジエチルケトン、ジイソブチルケトン、メチルアミルケトン、シクロヘキサノン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルが挙げられる。これらの溶剤は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、(d)溶剤の含有量は、特に限定されないが、感光性樹脂組成物中の溶剤の割合が20〜90質量%となるように調整されることが好ましい。
(その他の成分)
上述の感光性樹脂組成物は、上記(a)〜(d)成分以外に、加熱により酸を生成する化合物、溶解促進剤、溶解阻害剤、カップリング剤、及び界面活性剤又はレベリング剤等の成分を含有してもよい。
(加熱により酸を生成する化合物)
本発明の感光性樹脂組成物は、加熱により酸を生成する化合物を用いることにより、感光性樹脂膜を加熱する際に酸を発生させることが可能となり、(a)成分と(c)成分との反応、すなわち熱架橋反応が促進され、硬化膜の耐熱性が向上する。また、加熱により酸を生成する化合物は光照射によっても酸を発生するため、露光部のアルカリ水溶液への溶解性が増大する。よって、未露光部と露光部とのアルカリ水溶液に対する溶解性の差が更に大きくなり解像性が向上する。
このような加熱により酸を生成する化合物は、例えば、50〜250℃まで加熱することにより酸を生成するものであることが好ましい。加熱により酸を生成する化合物の具体例としては、オニウム塩等の強酸と塩基とから形成される塩や、イミドスルホナートが挙げられる。
オニウム塩としては、例えば、アリールジアゾニウム塩、ジフェニルヨードニウム塩等のジアリールヨードニウム塩;ジ(t−ブチルフェニル)ヨードニウム塩等のジ(アルキルアリール)ヨードニウム塩;トリメチルスルホニウム塩のようなトリアルキルスルホニウム塩;ジメチルフェニルスルホニウム塩等のジアルキルモノアリールスルホニウム塩;ジフェニルメチルスルホニウム塩等のジアリールモノアルキルヨードニウム塩;トリアリールスルホニウム塩が挙げられる。これらの中で、パラトルエンスルホン酸のジ(t−ブチルフェニル)ヨードニウム塩、トリフルオロメタンスルホン酸のジ(t−ブチルフェニル)ヨードニウム塩、トリフルオロメタンスルホン酸のトリメチルスルホニウム塩、トリフルオロメタンスルホン酸のジメチルフェニルスルホニウム塩、トリフルオロメタンスルホン酸のジフェニルメチルスルホニウム塩、ノナフルオロブタンスルホン酸のジ(t−ブチルフェニル)ヨードニウム塩、カンファースルホン酸のジフェニルヨードニウム塩、エタンスルホン酸のジフェニルヨードニウム塩、ベンゼンスルホン酸のジメチルフェニルスルホニウム塩、トルエンスルホン酸のジフェニルメチルスルホニウム塩が好ましい。
また、強酸と塩基とから形成される塩としては、上述のオニウム塩の他、次のような強酸と塩基とから形成される塩、例えば、ピリジニウム塩を用いることもできる。強酸としては、p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸のようなアリールスルホン酸、カンファースルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ノナフルオロブタンスルホン酸のようなパーフルオロアルキルスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ブタンスルホン酸のようなアルキルスルホン酸が挙げられる。塩基としては、ピリジン、2,4,6−トリメチルピリジンのようなアルキルピリジン、2−クロロ−N−メチルピリジンのようなN−アルキルピリジン、ハロゲン化−N−アルキルピリジン等が挙げられる。
イミドスルホナートとしては、例えば、ナフトイルイミドスルホナートやフタルイミドスルホナートを用いることができる。
加熱により酸を生成する化合物を用いる場合の含有量は、(a)成分100質量部に対して、0.1〜30質量部が好ましく、0.2〜20質量部がより好ましく、0.5〜10質量部がさらに好ましい。
(溶解促進剤)
溶解促進剤を上述の感光性樹脂組成物に配合することによって、アルカリ水溶液で現像する際の露光部の溶解速度を増加させ、感度及び解像性を向上させることができる。溶解促進剤としては従来公知のものを用いることができる。その具体例としては、カルボキシル基、スルホン酸、スルホンアミド基を有する化合物が挙げられる。
このような溶解促進剤を用いる場合の含有量は、アルカリ水溶液に対する溶解速度によって決めることができ、例えば、(a)成分100質量部に対して、0.01〜30質量部とすることができる。
(溶解阻害剤)
溶解阻害剤は、(a)成分のアルカリ水溶液に対する溶解性を阻害する化合物であり、残膜厚、現像時間やコントラストをコントロールするために用いられる。その具体例としては、ジフェニルヨードニウムニトラート、ビス(p−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムニトラート、ジフェニルヨードニウムブロミド、ジフェニルヨードニウムクロリド、ジフェニルヨードニウムヨージド等である。溶解阻害剤を用いる場合の含有量は、感度と現像時間の許容幅の点から、(a)成分100質量部に対して、0.01〜20質量部が好ましく、0.01〜15質量部がより好ましく、0.05〜10質量部が特に好ましい。
(カップリング剤)
カップリング剤を上述の感光性樹脂組成物に配合することによって、形成される硬化膜の基板との接着性を高めることができる。カップリング剤としては、例えば、有機シラン化合物、アルミキレート化合物が挙げられる。
有機シラン化合物としては、例えば、ビニルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、尿素プロピルトリエトキシシラン、メチルフェニルシランジオール、エチルフェニルシランジオール、n−プロピルフェニルシランジオール、イソプロピルフェニルシランジオール、n−ブチルジフェニルシランジオール、イソブチルフェニルシランジオール、tert−ブチルフェニルシランジオール、ジフェニルシランジオール、エチルメチルフェニルシラノール、n−プロピルメチルフェニルシラノール、イソプロピルメチルフェニルシラノール、n−ブチルメチルフェニルシラノール、イソブチルメチルフェニルシラノール、tert−ブチルメチルフェニルシラノール、エチルn−プロピルフェニルシラノール、エチルイソプロピルフェニルシラノール、n−ブチルエチルフェニルシラノール、イソブチルエチルフェニルシラノール、tert−ブチルエチルフェニルシラノール、メチルジフェニルシラノール、エチルジフェニルシラノール、n−プロピルジフェニルシラノール、イソプロピルジフェニルシラノール、n−ブチルジフェニルシラノール、イソブチルジフェニルシラノール、tert−ブチルジフェニルシラノール、フェニルシラントリオール、1,4−ビス(トリヒドロキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(メチルジヒドロキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(エチルジヒドロキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(プロピルジヒドロキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(ブチルジヒドロキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(ジメチルヒドロキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(ジエチルヒドロキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(ジプロピルヒドロキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(ジブチルヒドロキシシリル)ベンゼンが挙げられる。
カップリング剤を用いる場合の含有量は、(a)成分100質量部に対して、0.1〜20質量部が好ましく、0.5〜10質量部がより好ましい。
(界面活性剤又はレベリング剤)
界面活性剤又はレベリング剤を上述の感光性樹脂組成物に配合することによって、塗布性、例えばストリエーション(膜厚のムラ)を防いだり、現像性を向上させたりすることができる。このような界面活性剤又はレベリング剤としては、例えば、ポリオキシエチレンウラリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェノールエーテル等が挙げられる。市販品としては、メガファックスF171、F173、R−08(大日本インキ化学工業株式会社製、商品名)、フロラードFC430、FC431(住友スリーエム株式会社、商品名)、オルガノシロキサンポリマーKP341、KBM303、KBM403、KBM803(信越化学工業株式会社製、商品名)等がある。
界面活性剤又はレベリング剤を用いる場合、その合計の含有量は、(a)成分100質量部に対して、0.001〜5質量部が好ましく、0.01〜3質量部がより好ましい。
上述した感光性樹脂組成物は、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)等のアルカリ水溶液を用いて現像することが可能である。さらに、上述の感光性樹脂組成物を用いることにより、十分に高い感度及び解像度で、良好な密着性及び耐熱衝撃性を有するパターン硬化膜を形成することが可能となる。
<パターン硬化膜の製造方法>
次に、パターン硬化膜の製造方法について説明する。本発明のパターン硬化膜の製造方法は、感光性樹脂組成物を基板上に塗布して樹脂膜を形成する工程と、前記樹脂膜に露光及び現像を行い、パターン樹脂膜を形成する工程と、前記パターン樹脂膜を加熱する工程とを含有する、パターン硬化膜の製造方法である。以下、各工程について詳細に説明するが、本発明はこれらの記載によって何ら限定されるものではない。
<塗布・乾燥(成膜)工程>
まず、本発明の感光性樹脂組成物を支持基板上に塗布し乾燥して樹脂膜を形成する。この工程では、ガラス基板、半導体、金属酸化物絶縁体(例えばTiO、SiO等)、窒化ケイ素等の支持基板上に、上述の感光性樹脂組成物を、スピンナー等を用いて回転塗布し、塗膜を形成する。この塗膜が形成された支持基板をホットプレート、オーブン等を用いて乾燥する。これにより、支持基板上に樹脂膜が形成される。
<露光工程>
次に、露光工程では、支持基板上に形成された樹脂膜に対して、マスクを介して紫外線、可視光線、放射線等の活性光線を照射する。上述の感光性樹脂組成物において、露光後、必要に応じて露光後加熱(PEB)を行うこともできる。露光後加熱の温度は70〜140℃、露光後加熱の時間は1〜5分が好ましい。
<現像工程>
現像工程では、露光工程後の樹脂膜の露光部を現像液で除去することにより、樹脂膜がパターン化される。現像液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ケイ酸ナトリウム、アンモニア、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)等のアルカリ水溶液が好適に用いられる。これらの水溶液の塩基濃度は、0.1〜10質量%とすることが好ましい。さらに、上記現像液にアルコール類や界面活性剤を添加して使用することもできる。これらはそれぞれ、現像液100質量部に対して、好ましくは0.01〜10質量部、より好ましくは0.1〜5質量部の範囲で配合することができる。
<加熱処理工程>
次いで、加熱処理工程では、パターン化された樹脂膜を加熱処理することにより、パターン硬化膜を形成することができる。加熱処理工程における加熱温度は、電子デバイスに対する熱によるダメージを十分に防止する点から、望ましくは250℃以下、より望ましくは225℃以下であり、さらに望ましくは150〜200℃である。
加熱処理は、例えば、石英チューブ炉、ホットプレート、ラピッドサーマルアニール、縦型拡散炉、赤外線硬化炉、電子線硬化炉、及びマイクロ波硬化炉等のオーブンを用いて行なうことができる。また、大気中、又は窒素等の不活性雰囲気中いずれを選択することもできるが、窒素下で行なう方がパターンの酸化を防ぐことができるので望ましい。上述の望ましい加熱温度の範囲は従来の加熱温度よりも低いため、支持基板や電子デバイスへのダメージを小さく抑えることができる。従って、本発明のパターン硬化膜の製造方法を用いることによって、電子デバイスを歩留り良く製造することができる。また、プロセスの省エネルギー化につながる。さらに、本発明の感光性樹脂組成物によれば、感光性ポリイミド等に見られる加熱処理工程における体積収縮(硬化収縮)が小さいため、寸法精度の低下を防ぐことができる。
加熱処理工程における加熱処理時間は、感光性樹脂組成物が硬化するのに十分な時間であればよいが、作業効率との兼ね合いから概ね5時間以下が好ましい。
また、加熱処理は、上述のオーブンの他、マイクロ波硬化装置や周波数可変マイクロ波硬化装置を用いて行うこともできる。これらの装置を用いることにより、基板や電子デバイスの温度を例えば200℃以下に保ったままで、樹脂膜のみを効果的に加熱することが可能である。
周波数可変マイクロ波硬化装置においては、マイクロ波がその周波数を変化させながらパルス状に照射されるので、定在波を防ぐことができ、基板面を均一に加熱することができる点で好ましい。また、基板として後述する電子部品のように金属配線を含む場合、マイクロ波を、周波数を変化させながらパルス状に照射すると、金属からの放電等の発生を防ぐことができ、電子部品を破壊から守ることができるので好ましい。さらに、周波数可変マイクロ波を用いて加熱すると、オーブンを用いる場合に比べて硬化温度を下げても硬化膜物性が低下しないので好ましい。
以上のようなパターン硬化膜の製造方法によれば、十分に高い感度及び解像度で、良好な耐熱性を有するパターン硬化膜が得られる。
<半導体装置の製造工程、及び半導体装置>
半導体装置とは、多層配線構造、再配線構造等の構造を有する、半導体パッケージ、半導体メモリ等を指す。ここで、本発明の半導体装置の製造方法の一例として、半導体装置の製造工程を図面に基づいて説明する。図1〜5は、多層配線構造を有する半導体装置の製造工程の一実施形態を示す概略断面図である。
まず、図1に示す構造体100を準備する。構造体100は、回路素子を有するSi基板等の半導体基板1と、回路素子が露出する所定のパターンを有し半導体基板1を被覆するシリコン酸化膜等の保護膜2と、露出した回路素子上に形成された第1導体層3と、保護膜2及び第1導体層3上にスピンコート法等により成膜されたポリイミド樹脂等からなる層間絶縁層4とを備える。
次に、層間絶縁層4上に窓部6Aを有する感光性樹脂層5を形成することにより、図2に示す構造体200を得る。感光性樹脂層5は、例えば、塩化ゴム系、フェノールノボラック系、ポリヒドロキシスチレン系、ポリアクリル酸エステル系等の樹脂を含有する感光性樹脂組成物を、スピンコート法により塗布することにより形成される。窓部6Aは、公知の写真食刻技術によって所定部分の層間絶縁層4が露出するように形成される。
層間絶縁層4をエッチングして窓部6Bを形成した後に、感光性樹脂層5を除去し、図3に示す構造体300を得る。層間絶縁層4のエッチングには、酸素、四フッ化炭素等のガスを用いるドライエッチング手段を用いることができる。このエッチングにより、窓部6Aに対応する部分の層間絶縁層4が選択的に除去され、第1導体層3が露出するように窓部6Bが設けられた層間絶縁層4が得られる。次いで、窓部6Bから露出した第1導体層3を腐食することなく、感光性樹脂層5のみを腐食するようなエッチング溶液を用いて感光性樹脂層5を除去する。
さらに、窓部6Bに対応する部分に第2導体層7を形成し、図4に示す構造体400を得る。第2導体層7の形成には、公知の写真食刻技術を用いることができる。これにより、第2導体層7と第1導体層3との電気的接続が行われる。
最後に、層間絶縁層4及び第2導体層7上に表面保護層8を形成し、図5に示す半導体装置500を得る。本実施形態では、表面保護層8は次のようにして形成する。まず、上述の実施形態に係る感光性樹脂組成物をスピンコート法により層間絶縁層4及び第2導体層7上に塗布し、乾燥して感光性樹脂膜を形成する。次に、所定部分に窓部6Cに対応するパターンを描いたマスクを介して光照射した後、アルカリ水溶液にて現像して感光性樹脂膜をパターン化する。その後、感光性樹脂膜を加熱により硬化して、表面保護層8としての膜を形成する。この表面保護層8は、第1導体層3及び第2導体層7を外部からの応力、α線等から保護するものであり、得られる半導体装置500は信頼性に優れる。
なお、上述の実施形態では2層の配線構造を有する半導体装置の製造方法を示したが、3層以上の多層配線構造を形成する場合は、上述の工程を繰り返して行い、各層を形成することができる。すなわち、層間絶縁層4を形成する各工程、及び表面保護層8を形成する各工程を繰り返すことによって、多層のパターンを形成することが可能である。また、上記例において、表面保護層8のみでなく、層間絶縁層4も本発明の感光性樹脂組成物を用いて形成することが可能である。
図1〜図5において、本発明の感光性樹脂組成物は、4、5、8として用いることができる。
また、上述の感光性樹脂組成物は、応力緩和性、接着性等にも優れるため、近年開発された各種構造のパッケージにおける各種の構造材としても使用することができる。図6及び図7にそのような半導体装置の一例の断面構造を示す。
図6は、半導体装置の一実施形態としての配線構造を示す概略断面図である。図6に示す半導体装置600は、シリコンチップ23と、シリコンチップ23の一方面側に設けられた層間絶縁層11と、層間絶縁層11上に形成された、パッド部15を含むパターンを有するAl配線層12と、パッド部15上に開口を形成しながら層間絶縁層11及びAl配線層12上に順次積層された絶縁層13(例えばP−SiN層)及び表面保護層14と、表面保護層14上で開口近傍に配された島状のコア18と、絶縁層13及び表面保護層14の開口内でパッド部15と接するとともにコア18の表面保護層14とは反対側の面に接するように表面保護層14上に延在する再配線層16とを備える。更に、半導体装置600は、表面保護層14、コア18及び再配線層16を覆って形成され、コア18上の再配線層16の部分に開口が形成されているカバーコート層19と、カバーコート層19の開口においてバリアメタル20を間に挟んで再配線層16と接続された導電性ボール17と、導電性ボールを保持するカラー21と、導電性ボール17周囲のカバーコート層19上に設けられたアンダーフィル22とを備える。導電性ボール17は外部接続端子として用いられ、ハンダ、金等から形成される。アンダーフィル22は、半導体装置600を実装する際に応力を緩和するために設けられている。
図7は、半導体装置の一実施形態としての配線構造を示す概略断面図である。図7の半導体装置700においては、シリコンチップ23上にAl配線層(図示せず)及びAl配線層のパッド部15が形成されており、その上部には絶縁層13が形成され、さらに素子の表面保護層14が形成されている。パッド部15上には、再配線層16が形成され、この再配線層16は、導電性ボール17との接続部24の上部まで伸びている。さらに、表面保護層14の上には、カバーコート層19が形成されている。再配線層16は、バリアメタル20を介して導電性ボール17に接続されている。
図6、図7の半導体装置において、上述の感光性樹脂組成物は、層間絶縁層11や表面保護層14ばかりではなく、カバーコート層19、コア18、カラー21、アンダーフィル22等を形成するための材料として使用することができる。上述の感光性樹脂組成物を用いた硬化体は、Al配線層12や再配線層16等のメタル層や封止剤等との接着性に優れ、応力緩和効果も高いため、この硬化体を表面保護層14、カバーコート層19、コア18、半田等のカラー21、フリップチップ等で用いられるアンダーフィル22等に用いた半導体装置は、極めて信頼性に優れるものとなる。
本発明の感光性樹脂組成物は、図6及び図7における再配線層16を有する半導体装置の表面保護層14及び/又はカバーコート層19に用いることが特に好適である。
前記表面保護層又は前記カバーコート層の膜厚は、3〜20μmであることが好ましく、5〜15μmであることがより好ましい。
以上のように、上述の感光性樹脂組成物を使用することにより、従来は300℃以上を必要としていた上記の加熱処理工程において、200℃以下の低温加熱を用いた硬化が可能である。また、本発明の感光性樹脂組成物を加熱して得られる硬化膜は、良好な破断伸びと、耐熱性を両立する。さらに、本発明の感光性樹脂組成物は、感光性ポリイミド等に見られた加熱処理工程における体積収縮(硬化収縮)が小さいため、寸法精度の低下を防ぐことができる。感光性樹脂組成物の硬化膜は、高いガラス転移温度を有する。従って、耐熱性に優れた表面保護層又はカバーコート層となる。この結果、信頼性に優れた半導体装置等の電子部品を歩留まり良く高収率で得ることができる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はこれに制限されるものではない。
以下に、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
(ポリアミドイミド樹脂A1の合成)
トリメリト酸無水物10.1g、ポリオキシプロピレンジアミン(重量平均分子量400)10.0gを、N−メチルピロリドン60gに溶解した。この溶液を80℃に加熱し、30分間反応させ、さらに160℃で2時間撹拌した。その後反応溶液を冷却し、5−ヒドロキシイソフタル酸4.6g、トリレンジイソシアナート(2,4−ジイソシアナトトリレンと2,6−ジイソシアナトトリレンの混合物)10.1gを加え、160℃で2時間反応させた。反応液を室温(25℃)まで冷却し、アルカリ可溶性ポリアミドイミド樹脂(以下、「A1」という。)を得た。このA1のGPC法の標準ポリスチレン換算により求めた重量平均分子量は約20,000であった。
なお、重量平均分子量は、以下の装置及び条件にて、GPCにより各ポリマーの重量平均分子量を測定した。
(条件及び装置)
測定装置:検出器 株式会社日立製作所社製L4000UV
ポンプ:株式会社日立製作所社製L6000
株式会社島津製作所社製C−R4A Chromatopac
測定条件:カラム Gelpack GL−S300MDT−5 2本(日立化成株式会社製)
溶離液:THF/DMF=1/1(容積比)
LiBr(0.03mol/l)、HPO(0.06mol/l)
流速:1.0ml/分、検出器:UV270nm
ポリマー0.5mgに対して溶媒[THF/DMF=1/1(容積比)]1mlの溶液を用いて測定した。
(ポリアミドイミド樹脂A2の合成)
A1のジアミン成分として、さらに2,2−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン2.3gを加え、トリメリト酸無水物5.0g、ポリオキシプロピレンジアミン(重量平均分子量400)12.3gを、N−メチルピロリドン52gに溶解した。この溶液を80℃に加熱し、30分間反応させ、さらに160℃で2時間撹拌した。その後、反応溶液を冷却し、5−ヒドロキシイソフタル酸2.3g、トリレンジイソシアナート(2,4−ジイソシアナトトリレンと2,6−ジイソシアナトトリレンの混合物)5.1gを加え、160℃で2時間反応させた。反応液を室温まで冷却し、アルカリ可溶性ポリアミドイミド樹脂(以下、「A2」という。)を得た。このA2のGPC法の標準ポリスチレン換算により求めた重量平均分子量は約29,000であった。
(比較例用ポリアミドイミド樹脂A’3の合成)
トリメリト酸無水物1.6g、2,2−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン1.5gを、N−メチルピロリドン41gに溶解した。この溶液を80℃に加熱し、30分間反応させ、さらに160℃で2時間撹拌した。その後反応溶液を冷却し、5−ヒドロキシイソフタル酸6.6g、トリレンジイソシアナート(2,4−ジイソシアナトトリレンと2,6−ジイソシアナトトリレンの混合物)8.0gを加え、160℃で2時間反応させた。反応液を室温まで冷却し、アルカリ可溶性ポリアミドイミド樹脂(以下、「A’3」という。)を得た。このA’3のGPC法の標準ポリスチレン換算により求めた重量平均分子量は約17,000であった。
(比較例用ポリイミド樹脂A’4の合成)
3,3´,4,4´−ビフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物7.8g、2,2−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン9.2gを、N−メチルピロリドン40.0gに溶解した。この溶液を80℃に加熱し、30分間反応させ、さらに160℃で2時間撹拌した。その後反応溶液を冷却し、アルカリ可溶性ポリイミド樹脂(以下、「A’4」という。)を得た。このA’4のGPC法の標準ポリスチレン換算により求めた重量平均分子量は約15,000であった。
なお、表1に各ポリマーに用いた成分の配合量を記載した。
Figure 2014224855
(感光性樹脂組成物の調製)
(実施例1)
一般式(1)で表される構造単位を有するポリアミドイミド樹脂として合成したA1を10g、(b)光により酸を発生する化合物として1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−[4−{1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル}フェニル]エタンの1−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホン酸エステル(AZエレクトロニックマテリアルズ社製、商品名「TPPA528」)1.5g、(c)熱架橋剤としてヘキサキス(メトキシメチル)メラミン(株式会社三和ケミカル社製、商品名「ニカラックMW−30HM」)1.5gを(d)溶剤としてのN−メチルピロリドン14gに溶解し、感光性樹脂組成物を調製した。
(実施例2)
上述のA1の代わりにA2を使用した以外は実施例1と同様な操作方法で感光性樹脂組成物を調製した。
(比較例1)
上述したA1にかえて、合成したA’3に変更した以外は、実施例1と同様な操作方法で感光性樹脂組成物を調製した。
(比較例2)
上述したA1にかえて、合成したA’4に変更した以外は、実施例1と同様な操作方法で感光性樹脂組成物を調製した。
(感光性樹脂組成物の評価)
[感光特性(解像度)の評価]
実施例1〜2及び比較例1〜2で得られた感光性樹脂組成物をシリコン基板上にスピンコートして、120℃で3分間加熱し、膜厚11〜12μmの塗膜を形成した。次いで、プロキシミティ露光機(キャノン株式会社製、商品名「PLA−600FA」)を用いマスクを介して500mJ/cmにて露光を行った。露光後、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)の2.38質量%水溶液を用いて現像した。その後、金属顕微鏡(オリンパス株式会社製MX61)を用いて観察し、100μm角のスルーホールパターンが抜けている場合は「A」、抜けていない場合を「B」と判定し評価した。
[硬化膜物性(破断伸び)の評価]
実施例1〜2及び比較例1〜2で得られた感光性樹脂組成物をシリコン基板上にスピンコートして、120℃で3分間加熱し、膜厚約11〜12μmの塗膜を形成した。その後、前記の塗膜をプロキシミティ露光機(キャノン株式会社製、商品名「PLA−600FA」)を用いて、マスクを介して全波長で露光を行った。露光後、TMAHの2.38質量%水溶液を用いて現像を行い、10mm幅の矩形パターンを得た。その後、矩形パターンを縦型拡散炉(光洋サーモシステム株式会社製、商品名「μ−TF」)を用い、窒素中、温度180℃で2時間、塗膜を加熱処理した。次に、硬化膜をシリコン基板から剥離し、剥離した膜の破断伸びを株式会社島津製作所製「オートグラフAGS−H100N」によって測定した。
[硬化膜物性(耐熱性)の評価]
実施例1〜2及び比較例1〜2で得られた感光性樹脂組成物を、上記破断伸びの評価と同様な方法で作製した膜のTg(ガラス転移温度)をセイコーインスツル株式会社製「TMA/SS6000」によって測定した。
以上の実施例1〜2及び比較例1〜2の測定、評価結果について、結果をまとめて表2に示した。
Figure 2014224855
実施例1〜2のように、特定の構造単位を有するポリマーを含有する感光性樹脂組成物を加熱して得られた硬化膜は、破断伸びが良好であり、かつ耐熱性も良好であった。一方、比較例1のように、一般式(1)で表される脂肪族ジアミン類を含有しないポリマーの場合、解像性、硬化膜の破断伸び率は低下することが分かった。また、比較例2のポリイミドは、溶解性が高いために解像できず、被膜を得ることが出来なかった。
本発明の感光性樹脂組成物を用いると、良好な破断伸び及び耐熱性を有するパターン硬化膜を提供することができる。また、本発明の感光性樹脂組成物を用いると、良好な解像度でパターン樹脂膜を形成することができる。また、本発明は、前記感光性樹脂組成物を用いたパターン硬化膜の製造方法、及び、該パターン硬化膜を有する半導体装置を提供する。
1…半導体基板、2…保護膜、3…第1導体層、4…層間絶縁層、5…感光性樹脂層、
6A,6B,6C…窓部、7…第2導体層、8…表面保護層、11…層間絶縁層、12…配線層、13…絶縁層、14…表面保護層、15…パッド部、16…再配線層、17…導電性ボール、18…コア、19…カバーコート層、20…バリアメタル、21…カラー、22…アンダーフィル、23…シリコンチップ、24…接続部、
100,200,300,400…構造体、500…半導体装置、600…半導体装置、700…半導体装置。

Claims (8)

  1. (a)下記一般式(1)で表される構造単位を有するポリアミドイミド樹脂と、
    (b)光により酸を発生する化合物と、
    (c)熱架橋剤と、
    (d)溶剤と、を含有する感光性樹脂組成物。
    Figure 2014224855
    (一般式(1)中、Rは、下記一般式(2)で表される二価の有機基のいずれかであり、nは1〜20、nは1〜50、nは1〜70、nは1〜5、nは1〜10、nは1〜5を示す。Rは二価の有機基である。)
    Figure 2014224855
  2. (b)成分の光により酸を発生する化合物が、o−キノンジアジド化合物である、請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
  3. (c)成分の熱架橋剤が、ヒドロキシメチルアミノ基を有する化合物又はエポキシ基を有する化合物である請求項1又は2に記載の感光性樹脂組成物。
  4. (a)成分のポリアミドイミド樹脂が、一般式(3)で表わされる構造単位を有するポリアミドイミド樹脂である、請求項1〜3のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
    Figure 2014224855
    (一般式(3)中、Rは、下記一般式(2)で表される二価の有機基のいずれかであり、nは1〜20、nは1〜50、nは1〜70、nは1〜5、nは1〜10、nは1〜5を示す。Rは、水素、メチル基、又はエチル基のいずれかである。)
    Figure 2014224855
  5. (a)成分のポリアミドイミド樹脂が、さらに一般式(4)で表わされる構造単位を有するポリアミドイミド樹脂である、請求項1〜4のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
    Figure 2014224855
    (一般式(4)中、Rは、二価の有機基をしめす。)
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の感光性樹脂組成物を基板上に塗布して樹脂膜を形成する工程と、前記樹脂膜に露光及び現像を行い、パターン樹脂膜を形成する工程と、前記パターン樹脂膜を加熱する工程とを含有する、パターン硬化膜の製造方法。
  7. パターン樹脂膜を加熱する工程を250℃以下で行う、請求項6に記載のパターン硬化膜の製造方法。
  8. 請求項6又は7に記載のパターン硬化膜の製造方法により形成されるパターン硬化膜を層間絶縁膜又は表面保護層として有する半導体装置。
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