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JP2014222689A - 両面金属積層フィルムの製造方法とその製造装置、および、フレキシブル両面プリント配線基板の製造方法 - Google Patents

両面金属積層フィルムの製造方法とその製造装置、および、フレキシブル両面プリント配線基板の製造方法 Download PDF

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JP2014222689A
JP2014222689A JP2013101069A JP2013101069A JP2014222689A JP 2014222689 A JP2014222689 A JP 2014222689A JP 2013101069 A JP2013101069 A JP 2013101069A JP 2013101069 A JP2013101069 A JP 2013101069A JP 2014222689 A JP2014222689 A JP 2014222689A
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英一郎 西村
Eiichiro Nishimura
英一郎 西村
大上 秀晴
Hideharu Ogami
秀晴 大上
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Abstract

【課題】絶縁フィルムとして20μm以下の厚さの場合でも、銅被膜層との密着性を確保するとともに、絶縁フィルムにシワが生じることなく、高い絶縁信頼性を有する両面金属積層フィルムを、短時間で、収率よく製造する。【解決手段】真空雰囲気中で、絶縁フィルム1の少なくとも一方の表面1aにイオンビームを照射し、脱水処理をするとともに、生じた水蒸気を排気する脱水処理工程と、前記絶縁フィルム1の一方の表面1aにイオンビームを照射し、表面処理をする第1表面処理工程と、他方の表面1bにイオンビームを照射し、表面処理をする第2表面処理工程と、絶縁フィルム1のいずれかの表面に、乾式めっき法により、下地金属層2bと銅被膜層の一部または全部を構成する銅薄膜層3bとを順次成膜する第1乾式成膜工程と、銅薄膜層3bが成膜されていない側の表面に同様に銅薄膜層3aを順次成膜する第2乾式成膜工程とを、順次行う。【選択図】図1

Description

本発明は、フレキシブル両面プリント配線基板に用いられ、絶縁フィルムの両面に接着剤を介することなく銅被膜層が形成されている、両面金属積層フィルムの製造方法および製造装置に関する。また、本発明は、この両面金属積層フィルムを用いたフレキシブル両面プリント配線基板の製造方法に関する。
近年、携帯電話やタブレット端末などのモバイル機器に代表される電子機器は、小型化、薄型化、軽量化が急速に進み、これらに使用される材料に対しても、小さなスペースにも部品を収納可能とする高密度で高性能な材料が要求されている。このような要求に応える材料として、耐屈曲性を有するフレキシブル両面プリント配線基板が広汎に使用されている。
しかしながら、高密度化が要求される小型のモバイル機器の可動部などに用いられるフレキシブル両面プリント配線基板に対しては、さらなる狭ピッチ化およびより優れた柔軟性が要求されている。これまでのフレキシブル両面プリント配線基板の構造では、多層化した場合や屈曲半径がより小さい箇所に適用した場合に、長期間の使用後に断線を起こすといった問題が生じている。さらに高い耐屈曲性を実現するために、フレキシブル両面プリント配線基板をさらに薄化させることが要求されている。
フレキシブル両面プリント配線基板の材料には、絶縁フィルム上に接着剤を用いて導体層としての銅箔を貼り合わせた3層金属積層フィルム、および、絶縁フィルム上に接着剤を用いることなく、乾式めっき法または湿式めっき法により導体層となる銅被膜層を直接形成した2層金属積層フィルムがある。
3層金属積層フィルムの構造では、所望の配線パターンを得るためのエッチングの際に、基板面に垂直な方向だけでなく、平面方向(側壁面)にもエッチングが進行するサイドエッチングが生じ、配線部の断面形状が裾広がりの台形になりやすく、配線パターンの狭ピッチ化が困難である。また、この構造では、導体層の薄化が困難であるという問題もある。
このため、このような問題のない2層金属積層フィルムの構造を適用することが主流となっている。ただし、この2層金属積層フィルムの構造では、絶縁フィルムと銅被膜層との密着強度は、その界面に酸化銅(II)(CuO)や酸化銅(I)(Cu2O)などの脆弱層が形成されると著しく低下する。このため、フレキシブル両面プリント配線基板に要求される密着強度を維持するため、絶縁フィルムと銅被膜層との間に、ニッケルやクロムなどからなる合金層(下地金属層)が、乾式めっき処理により形成される。
たとえば、特開平8−139448号公報では、電気めっきによる銅被膜層の形成前に、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法などの乾式めっき処理により、絶縁フィルム上に、クロム、酸化クロム、ニッケルなどの銅以外の金属からなる下地金属層を50Å〜200Å程度の厚さで成膜した後、乾式めっき法による薄い銅層と無電解めっきによる無電化銅めっき被膜とを順次成膜している。
また、特開平6−120630号公報には、絶縁フィルム基板と銅層の密着性を維持しながら、1種類のエッチング溶液で微細な配線パターンの形成を可能とする観点から、スパッタリング法により、ニッケルの含有量が5at%〜80at%のニッケルークロム合金からなる下地金属層を形成することが示されている。
一方、フレキシブル両面プリント配線基板の配線パターンは、サブトラクティブ法などの化学エッチング処理により行うことが一般的である。化学エッチング処理は、化学エッチングによるエッチング工程と、エッチング液の除去のため水洗工程により構成される。銅被覆層の化学エッチングに対応したエッチング液としては、たとえば、塩化第ニ鉄(FeCl3・2H2O)水溶液や塩化第二銅(CuCl2・2H2O)水溶液が挙げられる。
しかしながら、乾式めっき処理前に絶縁フィルムの脱水が不十分であると、下地金属層に水分が取り込まれて、酸化してしまい、十分な化学エッチング処理を行うことができない。このため、導体配線の縁や導体配線間に下地金属層が溶け残り、エッチング残渣と呼ばれる金属成分が残存することに起因して、得られるフレキシブル両面プリント配線基板の絶縁信頼性が低下するといった問題がある。また、下地金属層の酸化により、絶縁フィルムとの密着強度が低下して、下地金属層によるアンカー効果が十分に得られなくなるといった問題もある。
脱水処理に関して、特許第4605454号公報に、ヒータなどの加熱装置を用いて、絶縁フィルムを、真空中にて20℃〜140℃、または、大気中にて100℃〜140℃に加熱し、脱水処理をした後、乾式めっき処理により下地金属層を形成する方法が記載されている。この方法によれば、絶縁フィルムを十分に脱水することができるため、エッチング残渣の発生が防止される。しかしながら、140℃以下の温度では脱水に長時間を要するため、生産性に問題がある。また、熱負荷により、絶縁フィルムにシワが発生してしまうことがあり、これを回避するためには、十分な厚さを有する絶縁フィルムを使用しなければならず、フレキシブル両面プリント配線基板の薄化に対する要求を満足することが困難となる。
これに対して、特開2011―20345号公報には、減圧雰囲気下で、絶縁フィルムの少なくとも一方の面に、プラズマ処理またはイオンビーム処理を施すことにより、樹脂フィルム中の水分や種々の有機溶媒を除去することができる旨が記載されている。しかしながら、この脱水処理では、処理後の絶縁フィルムは200℃以上の高温となるため、処理後に絶縁フィルムを冷却することが必要となる。
一方、アンカー効果の改善に関して、特開平5−251843号公報には、絶縁フィルムであるポリイミドフィルムの表面性状を改質することを目的として、ポリイミドフィルムを、窒素酸化物を含むガスのグロー放電に短時間暴露した後、真空状態を維持したまま、連続的にニッケル−銅合金の極薄膜による下地金属層を形成することが開示されている。しかしながら、グロー放電による絶縁フィルムの表面処理では、下地金属層によるアンカー効果が十分に得られていない。
絶縁フィルムの表面処理においても、プラズマ処理法やイオンビーム処理法などを適用することが知られている。たとえば、特開2006−49893号公報には、酸素(O2)−アルゴン(Ar)混合ガスを用いたイオンビームを照射するイオンビーム処理法が開示されている。このように、絶縁フィルムの表面処理にイオンビーム処理法を用いると、絶縁フィルムと下地金属層との密着性を向上させることが可能となる。
このような2層金属積層フィルムの構造を適用して両面金属積層フィルムを製造する場合、特開平5−251843号に開示されているように、絶縁フィルムの一方の表面を改質し、下地金属層を形成し、その上に銅薄膜を形成した後、絶縁フィルムの他方の表面を改質し、下地金属層を形成し、その上に銅薄膜を形成することが、通常行われている。
特開平8−139448号公報 特開平6−120630号公報 特許第4605454号公報 特開2011―20345号公報 特開平5−251843号公報 特開2006−49893号公報
しかしながら、両面金属積層フィルムの製造に際して、絶縁フィルムの脱水処理および表面処理として、プラズマ処理またはイオンビーム処理法を採用した場合であっても、絶縁フィルム表面のシワの発生を十分に抑制することは困難である。特に、フレキシブル両面プリント配線基板のさらなる薄化のために、絶縁フィルムとして厚さ20μm以下のものを使用する場合に、この傾向が顕著となり、フレキシブル両面プリント配線基板の収率が低下することが問題となっている。
本発明は、この問題に鑑みて、両面金属積層フィルムの製造において、絶縁フィルムの両側の表面に下地金属層を形成し、両面の下地金属層の上に銅被膜層をそれぞれ形成するに際して、絶縁フィルムと銅被膜層との密着性を十分に確保するとともに、絶縁フィルムにシワが生じることなく、高い絶縁信頼性を有する両面金属積層フィルムを、短時間で、収率よく製造する方法を提供することを目的とする。
このような状況に鑑み、本発明者らが鋭意検討を重ねた結果、絶縁フィルムの両面に、乾式めっき法で下地金属層を形成した後に、該下地金属層の表面に銅被膜層を形成する両面金属積層フィルムの製造方法において、前記絶縁フィルムの少なくとも一方の表面にイオンビームを照射することにより脱水処理を行うとともに、この脱水処理により発生した水蒸気を適切に排気すること、および、該絶縁フィルムの表面の両側に順次イオンビームを照射することにより、該絶縁フィルムの両側の表面処理を行った後、該絶縁フィルムの両面に下地金属層および銅薄膜層を順次成膜することにより、該絶縁フィルムとして厚さ20μm以下のものを使用した場合であっても、シワの発生がなく、かつ、十分な密着性を備えたフレキシブル両面プリント配線基板を、短時間で得ることができるとの知見を得た。本発明は、この知見に基づいてなされたものである。
すなわち、本発明の両面金属積層フィルムの製造方法は、絶縁フィルムの両面に接着剤を介することなく、乾式めっき法で下地金属層を形成した後に、該下地金属層の表面に銅被膜層を形成するに際して、
真空雰囲気中で、前記絶縁フィルムの少なくとも一方の表面にイオンビームを照射し、この際の温度上昇を90℃以下に抑制しつつ脱水処理をするとともに、該脱水処理により生じた水蒸気を排気する脱水処理工程と、
前記絶縁フィルムの一方の表面にイオンビームを照射し、表面処理をする第1表面処理工程と、
前記絶縁フィルムの他方の表面にイオンビームを照射し、表面処理をする第2表面処理工程と、
表面処理が施された絶縁フィルムのいずれかの表面に、乾式めっき法により、前記下地金属層と前記銅被膜層の一部または全部を構成する銅薄膜層とを順次成膜する第1乾式成膜工程と、
前記絶縁フィルムの銅薄膜層が成膜されていない側の表面に、乾式めっき法により、前記下地金属層と前記銅被膜層の一部または全部を構成する銅薄膜層とを順次成膜する第2乾式成膜工程と
を備えることを特徴とする。
前記脱水処理工程と第1表面処理工程は同時に行うことが好ましい。
前記イオンビーム照射は、アルゴン、窒素、酸素、または、これらの群から選ばれる少なくとも2種の混合ガスからなるイオンガスを用いたものであることが好ましく、第1表面処理工程および第2表面処理工程における真空度は、1×10-4Pa〜1Paであることが好ましい。
前記脱水処理工程、第1表面処理工程および第2表面処理工程におけるイオンガスの流量は、1気圧、25℃換算で、40cm3/min〜80cm3/minであることが好ましい。
また、本発明の両面金属積層フィルム製造装置は、真空チャンバと、該真空チャンバ内に配置されるロール・ツー・ロール・フィルム処理装置とを備え、
該ロール・ツー・ロール・フィルム処理装置は、巻き出しロールと、巻き取りロールと、これらのロール間のフィルム軌道とを備えるとともに、
絶縁フィルムの少なくとも一方の表面にイオンビームを照射して、該絶縁フィルムを脱水処理するための脱水処理イオンガンと、
前記脱水処理により発生した水蒸気を排気するための排気装置と、
前記絶縁フィルムの一方の表面にイオンビームを照射し、表面処理をする、第1表面処理イオンガンと、
第1表面処理イオンガンの下流側で、前記絶縁フィルムの軌道を挟んで第1表面処理イオンガンとは逆側に配置され、該絶縁フィルムの他方の表面にイオンビームを照射し、表面処理をする、第2表面処理イオンガンと、
第2表面処理イオンガンの下流側に配置され、表面処理が施された前記絶縁フィルムのいずれかの表面に、下地金属層と銅被膜層の一部または全部を構成する銅薄膜層とを順次成膜する、第1乾式成膜装置と、
第1乾式成膜装置の下流側で、前記絶縁フィルムの軌道を挟んで第1乾式成膜装置とは逆側に配置され、該絶縁フィルムの銅薄膜層が成膜されていない側の表面に、下地金属層と銅被膜層の一部または全部を構成する銅薄膜層を順次成膜する、第2乾式成膜装置と、
を備えることを特徴とする。
特に、本発明の両面金属積層フィルム製造装置は、真空チャンバと、該真空チャンバ内に配置されるロール・ツー・ロール・フィルム処理装置とを備え、
該ロール・ツー・ロール・フィルム処理装置は、巻き出しロールと、巻き取りロールと、これらのロール間のフィルム軌道とを備えるとともに、
絶縁フィルムの一方の表面にイオンビームを照射することにより、脱水処理をするとともに、表面処理をする、第1表面処理イオンガンと、
第1表面処理イオンガンの下流側で、前記脱水処理により生じた水蒸気を排気する排気装置と、
前記排気装置の下流側で、前記絶縁フィルムの軌道を挟んで第1表面処理イオンガンとは逆側に配置され、該絶縁フィルムの他方の表面にイオンビームを照射する、第2表面処理イオンガンと、
第2表面処理イオンガンの下流側に配置され、表面処理が施された前記絶縁フィルムのいずれかの表面に、下地金属層と銅被膜層の一部または全部を構成する銅薄膜層とを順次成膜する、第1乾式成膜装置と、
第1乾式成膜装置の下流側で、前記絶縁フィルムの軌道を挟んで第1乾式成膜装置とは逆側に配置され、該絶縁フィルムの銅薄膜層が成膜されていない側の表面に、下地金属層と銅被膜層の一部または全部を構成する銅薄膜層を順次成膜する、第2乾式成膜装置と、
を備えることを特徴とする。
本発明の製造方法によれば、絶縁フィルムとして20μm以下の厚さのものを用いた場合であっても、絶縁フィルムと銅被膜層との密着性を十分に確保するとともに、絶縁フィルムにシワが生じることなく、高い絶縁信頼性を有する両面金属積層フィルムを、短時間で、収率よく製造することができる。
また、本発明により得られた両面金属積層フィルムについて、サブトラクティブ法またはセミアディティブ法による配線加工により、フレキシブル両面プリント配線基板を得ることが可能である。このような厚さの薄く、優れた耐屈曲性を備えたフレキシブル両面プリント配線基板は、高密度化の要求の高い、小型のモバイル機器などの可動部に好適に適用される。
図1は、本発明の実施態様を示すフロー図である。 図2は、本発明の別の実施態様を示すフロー図である。 図3は、本発明の両面金属積層フィルムの製造方法を実施するための連続スパッタリング装置の概略図である。
1.両面金属積層フィルムの製造方法
本発明の両面金属積層フィルムの製造方法は、絶縁フィルムの両面に接着剤を介することなく、乾式めっき法でニッケル合金からなる下地金属層を形成した後、該下地金属層の表面に銅被膜層を形成する両面金属積層フィルムの製造方法である。
特に、本発明の両面金属積層フィルムの製造方法は、図1に示すように、真空雰囲気中で、絶縁フィルム(1)の少なくとも一方の表面(1a、1b)にイオンビームを照射し、この際の温度上昇を90℃以下に抑制しつつ脱水処理するとともに、該脱水処理により生じた水蒸気を排気する脱水処理工程と、同様に、絶縁フィルムの一方(1a)の表面にイオンビームを照射し、表面処理をする第1表面処理工程と、前記絶縁フィルムの他方の表面(1b)にイオンビームを照射し、表面処理をする第2表面処理工程と、表面処理が施された絶縁フィルムのいずれかの表面に、乾式めっき法により、前記下地金属層(2b)と前記銅被膜層の一部または全部を構成する銅薄膜層(3b)とを順次成膜する第1乾式成膜工程と、前記絶縁フィルムの銅薄膜層が成膜されていない側の表面(1a)に、乾式めっき法により、前記下地金属層(2a)と前記銅被膜層の一部または全部を構成する銅薄膜層(3a)とを順次成膜する第2乾式成膜工程とを備える。
なお、本発明の両面金属積層フィルムの製造方法では、絶縁フィルム(1)の両側の表面(1a、1b)にイオンビームの照射による表面処理を行った後に、下地金属層(2a、2b)および銅薄膜層(3a、3b)の成膜を行えばよく、成膜を行う面の順序は問わない。すなわち、図1に示されるような順序で成膜してもよく、あるいは、絶縁フィルム(1)の両側の表面(1a、1b)にイオンビームの照射による表面処理を行った後に、該絶縁フィルムの一方の表面(1a)に乾式めっき法により、下地金属層(2a)と銅薄膜層(3a)を成膜した後、該絶縁フィルムの他方の表面(1b)に乾式めっき法により、下地金属層(2a)と銅薄膜層(3a)を成膜してもよい。
(絶縁フィルム)
本発明の両面金属積層フィルムの製造方法に使用することができる絶縁フィルムは、一般的なフレキシブル回路基板の製造に使用されている絶縁フィルムであれば、特に限定されることなく使用することができる。好ましくは、ポリイミド系フィルム、ポリアミド系フィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリエチレンテレナフタレート(PEN)などのポリエステル系フィルム、ポリテトラフルオロエチレン系フィルム、ポリフェニレンサルファイド系フィルム、ポリエチレンナフタレート系フィルム、液晶ポリマー系フィルムの群から選ばれた1種の絶縁フィルムを使用する。
特に、フレキシブル両面プリント配線基板に必要とされる、耐熱性、誘電体特性、電気絶縁性、フレキシブル両面プリント配線基板の製造工程や次工程における耐薬品性などを考慮して、その用途に応じて適宜選択することがより好ましい。
このような絶縁フィルムとしては、具体的には、ポリイミド系フィルムでは、東レ・デュポン株式会社製のカプトン(登録商標)、宇部興産株式会社製のユーピレックス(登録商標)、株式会社カネカ製のアピカル(登録商標)、東洋紡績株式会社製のXENO(登録商標)などを挙げることができる。また、芳香族ポリアミド系フィルムであるアラミド系フィルムでは、東レ株式会社製のミクトロン(登録商標)、帝人アドバンストフィルム株式会社製のアラミカ(登録商標)などを挙げることができる。
なお、本発明は、絶縁フィルムとして、従来から使用されている厚さが40μm以下のものを用いた両面金属積層フィルムの製造においても、上述した効果が得られる。しかしながら、本発明は、特に、従来のものよりも薄い20μm以下、さらには15μm以下の厚さを有する絶縁フィルムを用いた両面金属積層フィルムの製造において、表面処理に起因する絶縁フィルムの表面にシワが発生することを防止することができ、かつ、得られた両面金属積層フィルムにおいて、絶縁フィルムと導体層としての銅被膜層との間の高い密着性を達成することができる。
(処理方法)
本発明の両面金属積層フィルムの製造方法は、所定の大きさに裁断された絶縁フィルムを個別に処理する場合、ロール状に巻回された絶縁フィルムをロール・ツー・ロール方式で搬送しながら処理する場合のいずれにも適用可能である。なお、ロール・ツー・ロール方式とは、ロール状に巻回された絶縁フィルムを設置する巻き出しロールと、それを巻き取る巻き取りロールの間に、絶縁フィルムを保持するための複数のローラと、種々の処理ユニットを適宜配置し、連続的に処理を行う方法である。本発明の両面金属積層フィルムの製造方法を、ロール・ツー・ロール方式で行うことにより、より短時間で効率よく、両面金属積層フィルムを得ることができる。
以下、本発明に両面金属積層フィルムの製造方法について、工程ごとに詳細に説明をする。
(1)脱水処理工程
本発明における脱水処理工程は、真空雰囲気中で、絶縁フィルムの少なくとも一方の表面にイオンビーム処理をすることにより、脱水処理するとともに、該脱水処理により生じた水蒸気を排気することにより、脱水処理を行うものである。
絶縁フィルムの脱水処理としては、プラズマ処理、イオンビーム処理などが知られている。この中でイオンビーム処理は、指向性が高く、イオンのみを放出する点、および、照射された部位のエネルギ密度が高い点が、プラズマ処理と相違する。すなわち、プラズマ処理では、絶縁フィルムを脱水処理する際に、絶縁フィルムがプラズマ雰囲気を通過することになるため、絶縁フィルムがプラズマによりダメージを受けて、フィルム強度が低下するという問題が生じる可能性がある。これに対して、イオンビーム処理では、絶縁フィルムがイオンビーム発生個所のプラズマ中を通過することがないため、このような問題が生じることはない。
また、プラズマ処理は、処理に時間を要し、後述するロール・ツー・ロール・フィルム処理装置を用いた連続的な処理に適していない。これに対して、イオンビーム処理では、イオンガンから放出されるガスが加速されると同時に、脱水処理を行おうとする絶縁フィルムに電圧が印加され、イオンガンからの発生イオンと絶縁フィルムとの間に引力(attraction force)または斥力(repulsive force)が作用し、電荷変形が行われる。このため、真空雰囲気中での脱水が促進されるので、短時間での脱水が可能となる。これらの理由から、本発明では、絶縁フィルムの脱水処理として、イオンビーム処理を採用している。
なお、イオンビーム処理は、絶縁フィルムの表面の少なくとも一方にすれば十分である。これはイオンビーム処理による脱水処理は、前述の通り、絶縁フィルムを直接加熱するのではなく、電荷変形の効果を利用するものであるためである。ただし、より確実に脱水処理を行う観点から、絶縁フィルムの両面に対して、イオンビーム処理を行ってもよい。
イオンビーム処理としては、イオン化した原子または分子が数十keV〜数MeVという高エネルギで加速された状態で絶縁フィルムに衝突し、このイオンが絶縁フィルム内に侵入するイオン注入法(ion implantation)、および、絶縁フィルムの表面に凹凸面が形成されるイオンビーム照射法(ionirradiation)が挙げられるが、本発明ではいずれも適用できる。
なお、イオンビーム処理による絶縁フィルムを脱水処理する場合、絶縁フィルムに対する熱負荷によるシワの発生を防止し、短時間での脱水処理を可能とするため、後述するような種々の条件を適切に制御することが必要となる。
(イオンガス)
本発明のイオンビームの照射による脱水処理では、イオンガンから放出されるガスとして、生産コストの観点から、アルゴン(Ar)、酸素(O2)、窒素(N2)、または、これらの群から選ばれる少なくとも2種以上の混合ガスを用いることができ、特に、ガスコンタミネーションを防止する観点から、アルゴン(Ar)を用いることが好ましい。
このイオンガスの流量は、1気圧、25℃換算で、好ましくは40cm3/min〜80cm3/min、より好ましくは50cm3/min〜70cm3/minとする。イオンガスの流量が、1気圧、25℃換算で、40cm3/min未満では、放電しないか、または、放電状態が不安定になるという問題が生じるおそれがある。一方、80cm3/minを超えると、放電状態が不安定になり、安定した処理が行えないという問題が生じるおそれがある。
(真空度)
脱水処理工程は、真空雰囲気下で行われるが、このときの真空度は、1Pa以下、好ましくは1×10-4Pa〜1Pa、より好ましくは2×10-4Pa〜0.8Paとすることが必要である。真空度が1Paを超えると、イオン化したガス濃度が相対的に減少して、上述の電荷変形による効果を十分に得ることができないばかりか、真空による乾燥効果も低下するため、乾燥時間が長くなってしまう。なお、真空度の下限は、特に限定されるべきものではないが、高い真空度を得ようとすると、生産コストが増大し、また、所望の真空度に達するまでの時間が長くなるため、生産性が低下する。このため、実用上、1×10-4Pa程度が下限となる。
(照射条件)
本発明の脱水処理工程では、脱水処理に伴う絶縁フィルムの温度上昇を90℃以下、好ましくは80℃以下、より好ましくは70℃以下に抑制することが必要となる。脱水処理に伴う温度上昇が90℃を超えると、その後に絶縁フィルムを冷却した場合であっても、熱負荷によるシワの発生を防止することができなかったり、あるいは、冷却に長時間を要するため、処理時間の短縮化を図ることが困難となる。なお、後述する第1表面処理工程および第2表面処理工程においても、絶縁フィルムの温度上昇を上記範囲に抑制することが好ましい。
このように脱水処理に伴う温度上昇を抑制するためには、イオンビームの照射条件を適切に管理する必要がある。イオンビームの照射条件は使用する装置に応じて適宜設定されるべきものであり、特に限定されるものではないが、イオンガンの放電電圧、放電電流、放電電力、ビームガス流量、イオンガン室の圧力、フィルムの送り速度などを選択することにより、イオン粒子のエネルギを、好ましくは1×10-3keV〜1keVとすることが好ましい。また、その照射量を1012ions/cm2〜1016ions/cm2とすることが好ましい。
イオン粒子のエネルギが1×10-3keV未満である場合、または、照射量が1012ions/m2未満である場合には、絶縁フィルム内部の水分が十分に脱水されないおそれがある。一方、イオン粒子のエネルギが1keVを超える場合、または、照射量が1×1016ions/cm2を超える場合には、脱水処理に伴う温度上昇に起因してシワが発生するばかりでなく、絶縁フィルムが受けるダメージが大きくなるため、絶縁フィルムの強度低下、さらには破断という問題が生じるおそれがある。
なお、イオンビームによる処理時間は、絶縁フィルムの厚さなどにより適宜調整されるべきものであるが、上記照射条件の下で、好ましくは3秒間〜60秒間、より好ましくは5秒間〜40秒間とすれば十分である。処理時間が、3秒間未満では、絶縁フィルム内部の水分が十分に脱水されない場合がある。一方、60秒間を超えると、絶縁フィルムが受けるダメージが大きくなる。
また、イオンビームの照射による脱水処理を行うイオンガンの出力、イオンガンの装置上の相違、イオンガンのガス圧力、絶縁フィルムの厚さや幅や搬送速度などの各種条件により、絶縁フィルムへの適切な処理条件は異なる。このため、得られる両面金属積層フィルムに必要とされる特性や、イオンビーム処理による絶縁フィルムへの熱負荷などを考慮して、適切な処理条件を選択する必要があり、このような処理条件は、予備試験を行った上で選択することが好ましい。
(水蒸気の排気)
上記脱水処理により生じた水蒸気が適切に排気されない場合、水分圧が上昇することにより真空度が低下し、また、この水蒸気がスパッタゾーンへ流入することに起因して、エッチング残渣が発生する場合がある。このため、上記脱水処理により生じた水蒸気を排気し、真空度を1Pa以下、好ましくは1×10-4Pa〜1Pa、より好ましくは2×10-4Pa〜0.8Paに維持するともに、このときの水分圧を0.8Pa以下、好ましくは8×10-3Pa〜0.8Paに制御することが必要となる。なお、実際の操業においては、真空度を1Pa以下にすることができれば、このときの水分圧を0.8Pa以下とすることができるため、この真空度を基準として、水蒸気の排気を行うことが好ましい。
水蒸気を排気する方法としては、特に限定されることなく、クライオポンプ、クライオコイル、ターボ分子ポンプなどの公知の技術を利用することができる。
(冷却装置)
本発明では、上述の条件に従うことにより、イオンビーム処理による絶縁フィルムの温度上昇を抑制することが可能であるが、絶縁フィルムの厚さや、イオン粒子のエネルギまたは照射量と照射時間の組み合わせによっては、該絶縁フィルムの温度が90℃程度まで上昇することがある。このため、脱水処理後に、絶縁フィルムを冷却し、絶縁フィルムの温度上昇を抑制することが好ましい。冷却手段としては、特に限定されることなく、たとえば、冷却ロールなどの公知の手段を採用することができる。
特に、本発明では、脱水処理工程のほか、後述する表面処理工程においてもイオンビーム処理を行うため、脱水処理工程前の絶縁フィルムに対する、第2表面処理工程終了後の絶縁フィルムの温度上昇を抑制するように冷却手段を配置することが好ましく、各工程の前後での温度上昇を抑制するように冷却手段を配置することがより好ましい。このような冷却手段を備えることにより、絶縁フィルムの温度上昇を、50℃以下とすることが好ましく、30℃以下とすることがより好ましい。温度上昇が50℃を超えると、絶縁フィルムの熱負荷が大きくなり、シワの発生を防止することができなくなる場合がある。また、絶縁フィルムの冷却に要する時間が長くなり、生産性の向上の妨げとなる場合がある。
なお、絶縁フィルムの温度上昇は、各工程の前後における絶縁フィルムの温度を、放射温度計などを用いて測定することにより求めることができる。
(2)表面処理工程
表面処理工程は、脱水工程後に、前記絶縁フィルムの一方の表面にイオンビームを照射し、表面処理(第1表面処理工程)をした後、該絶縁フィルムの他方の表面にイオンビームを照射し、表面処理(第2表面処理工程)をする工程であり(図1参照)、これにより、絶縁フィルムの表面を改質し、下地金属層との密着性を高めることができる。
特開平5−251843号公報に記載されている、従来の両面金属積層フィルムの製造方法のように、絶縁フィルムの一方の表面について、その表面処理と、下地金属層および銅薄膜層の成膜とを行った後に、絶縁フィルムの他方の表面について、その表面処理と、下地金属層および銅薄膜層の成膜とを行った場合、他方の表面についての表面処理と成膜とを行う際に、その表面処理による機械的な負荷が緩和されず、その表面にシワが発生するなどの不具合が起こる可能性がある。このような傾向は、絶縁フィルムとして厚さが40μm以下のものを使用した場合に現れはじめ、特に、該厚さが20μm以下のものを使用した場合に顕著となる。
これに対して、本発明では、絶縁フィルムの両側の表面に対して表面処理を行った後、これらの表面処理後の表面のそれぞれに下地金属層および銅薄膜層を成膜している。このため、イオンビームの照射による機械的な負荷が緩和され、絶縁フィルムとして、厚さ20μm以下のものを使用した場合であっても、シワの発生を防止することができ、十分な密着性を有する両面金属積層フィルムを得ることができる。
なお、図1に示される実施態様では、前述の脱水処理工程と第1表面処理工程を、別個の工程としているが、脱水処理工程または第1表面処理工程におけるイオンビームの照射条件を調整することにより、これらの工程を同時的に行うことも可能である(図2参照)。
イオンビーム処理による表面処理は、脱水処理の場合と同様に、イオンビームの照射による電荷変形を利用したものである。すなわち、イオンビームの照射による電荷変形により、絶縁フィルムの表面の分子の化学結合状態に変化が生じ、さらには、イオンビームの高い指向性に起因して、イオンの衝突により絶縁フィルムにフレッシュな界面が現れ、絶縁フィルムと下地金属層との間に高い密着性が実現されることとなる。
表面処理工程におけるイオンビーム処理に使用するイオンガス種およびその流量、並びに、必要とされる真空度、さらには温度上昇を抑制する点については、基本的に、脱水処理工程と同様であるため、ここでの説明は省略し、以下、表面処理をするためのイオンビームの照射条件について説明する。
表面処理工程では、前述のように絶縁フィルムの化学結合状態に変化を起こすため、および、フレッシュな界面を形成するため、脱水処理工程における場合よりも、イオン粒子のエネルギを大きくすることが必要である。具体的には、イオン粒子のエネルギを、好ましくは5×10-2keV〜1keVとする。一方、その照射量は、脱水処理工程と同程度とすれば十分であり、具体的には、1012ions/cm2〜1016ions/cm2とすることが好ましい。イオン粒子のエネルギが5×10-2keV未満である場合、または、照射量が1012ions/cm2未満である場合は、表面処理による効果が十分に得られないおそれがある。一方、イオン粒子のエネルギが1keVを超える場合、または、照射量が1×1016ions/cm2を超える場合には、脱水処理に伴う温度上昇に起因してシワが発生するばかりでなく、絶縁フィルムが受けるダメージが大きくなるため、絶縁フィルムの強度低下、さらには破断という問題が生じるおそれがある。
なお、イオンビームによる処理時間は、絶縁フィルムの厚さなどにより適宜調整されるべきものであるが、上記照射条件の下で、好ましくは1秒間〜30秒間、より好ましくは3秒間〜20秒間とすれば十分である。処理時間が、1秒間未満では、表面処理による効果が十分に得られないおそれがある。また、30秒間を超えると、絶縁フィルムが受けるダメージが大きくなる。
また、図2に示す実施態様のように、脱水処理工程と第1表面処理工程を同時に行う場合には、イオン粒子のエネルギを、好ましくは1×10-2keV〜1keVとする。一方、その照射量は、同様に、脱水処理工程と同程度とすれば十分であり、具体的には、1012ions/cm2〜1016ions/cm2とすることが好ましい。イオン粒子のエネルギが1×10-2keV未満である場合、または、照射量が1012ions/cm2未満である場合は、表面処理による効果が十分に得られないおそれがある。一方、イオン粒子のエネルギが1keVを超える場合、または、照射量が1×1016ions/cm2を超える場合には、脱水処理に伴う温度上昇に起因してシワが発生するばかりでなく、絶縁フィルムが受けるダメージが大きくなるため、絶縁フィルムの強度低下、さらには破断という問題が生じるおそれがある。
なお、イオンビームによる処理時間は、絶縁フィルムの厚さなどにより適宜調整されるべきものであるが、上記照射条件の下で、好ましくは3秒間〜60秒間、より好ましくは5秒間〜40秒間とすれば十分である。処理時間が、3秒間未満では、表面処理による効果が十分に得られないおそれがある。また、60秒間を超えると、絶縁フィルムが受けるダメージが大きくなる。
以上のように、表面処理工程では、絶縁フィルムの厚さ、得られる両面金属積層フィルムに必要とされる特性、イオンビーム処理による絶縁フィルムへの熱負荷などを考慮して、適切な処理条件を選択する必要があり、このような処理条件は、予備試験を行った上で選択することが好ましい。
(3)乾式成膜工程
乾式成膜工程は、絶縁フィルム(1)の両側の表面(1a、1b)に、イオンビームの照射による表面処理を行った後に、乾式めっき法により下地金属層(2a、2b)および銅薄膜層(3a、3b)の成膜を行う工程である。
(乾式めっき法)
乾式めっき法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、CVD法、イオンプレーティング法などを使用することができるが、取扱いの容易性、生産性やコストの観点から、スパッタリング法によって、下地金属層および銅薄膜層を成膜することが好ましい。
スパッタリング法を採用した場合のスパッタリングの条件は、適宜選択されるものであるが、たとえば、絶縁フィルムとして厚さ10μm〜20μmのポリイミド樹脂を使用し、膜厚0.01μm〜10μm程度のニッケル合金からなる下地金属層および銅薄膜層を連続して形成する場合には、到達真空度を0.1Pa以下、スパッタガス圧を0.5Pa〜5.0Paとして成膜することが好ましい。なお、投入電力などの他の条件については、ターゲットの種類、サイズまたは目的とする膜厚などによって異なるため、予備試験などを行った上で適宜選択することが好ましい。このようなスパッタリングの条件は、第1乾式成膜工程および第2乾式成膜工程で同等である。
(下地金属層)
下地金属層は、絶縁フィルムと銅被膜層の密着性やフレキシブル両面プリント配線基板の絶縁信頼性の向上に寄与する。このような下地金属層として、ニッケル系合金を使用することが好ましい。特に、下地金属層の耐食性を向上させる観点から、クロム、バナジウム、チタン、モリブデン、コバルト、タングステンから選択される1種以上の元素を添加したニッケル合金を使用することが好ましい。これらの中でも、ニッケルークロム合金が好ましく、そのクロムの含有量が15質量%〜25質量%であることがより好ましく、15質量%〜22質量%であることがさらに好ましい。このようなニッケルークロム合金は、高い絶縁信頼性を有し、かつ、配線パターンを容易に形成することができる。
下地金属層の膜厚は、該下地金属層を形成する金属または合金の種類や組成、フレキシブル両面プリント配線基板や配線の加工性、配線に要求される密着性や絶縁信頼性から適宜選択するものであるが、本発明では3nm〜50nmとすることが好ましく、5nm〜40nmとすることがより好ましく、7nm〜30nmとすることがさらに好ましい。下地金属層の膜厚が3nm未満では、配線部以外の金属層をフラッシュエッチングなどで除去し、配線パターンを形成した場合に、エッチング液が金属層を浸食し、絶縁フィルムと金属層の間に染み込み、配線が浮き上がってしまう場合がある。一方、下地金属層の膜厚が50nmを超えると、フラッシュエッチングなどで最終的に配線を作製する場合、金属層が完全に除去されずに残存し、配線間の絶縁不良を発生させるおそれがある。
(銅薄膜層)
銅薄膜層は、配線加工によりフレキシブル両面プリント配線基板の配線となる銅被膜層の一部または全部を構成する。この銅薄膜層は、下地金属層を成膜した後、その表面にスパッタリング法などの乾式めっき法により成膜される。
銅薄膜層の膜厚は、好ましくは0.01μm〜1μm、より好ましくは0.03μm〜0.7μm、さらに好ましくは0.05μm〜0.35μmとする。銅薄膜層の厚さが0.01μm未満では、配線部の電気導電性に問題が発生しやすくなったり、強度上の問題が生じたりする場合がある。一方、乾式めっき法による成膜速度は電気めっき法の成膜速度に比べて遅いため、乾式めっき法により1μmを超えて成膜しようとすると、生産性が低下する。
(4)湿式成膜工程
両面金属積層フィルムの銅被膜層の膜厚は、フレキシブル両面プリント配線基板の配線方法の選択、すなわち、サブトラクティブ法またはセミアディティブ法のどちらを選択するかにより決まるものである。セミアディティブ法により配線パターンを形成する場合は、銅被膜層の膜厚が1μm程度で十分であるため、銅被膜層は、乾式成膜工程のみによって形成しても生産性が悪化するという問題は生じない。しかしながら、サブトラクティブ法により配線パターンを形成する場合には、1μmを超える膜厚を有する銅被膜層が必要とされる場合があり、このような場合に、乾式成膜工程のみで銅被膜層を形成しようとすると、その成膜速度との関係で生産性が著しく低下することが考えられる。このため、下地金属層の表面に1μmを超えて銅被膜層を成膜しようとする場合は、湿式成膜工程をさらに備えることが好ましく、このような湿式成膜は電気めっき法によって行うことがより好ましい。
銅被膜層の膜厚は0.01μm〜35μmの範囲とすることが好ましく、0.3μm〜15μmの範囲とすることがより好ましく、0.3μm〜12μmの範囲とすることがさらに好ましい。銅被膜層の膜厚が0.01μm未満であると、配線部の電気導電性に問題が発生しやすくなり、また、強度上の問題が生じたりする可能性がある。一方、膜厚が35μmを超えて厚くなると、ヘヤークラックや反りなどが生じて密着性が低下する場合があるほか、サイドエッチングの影響が大きくなり、狭ピッチ化が難しくなる場合もある。なお、電気めっき法としては、特に限定されることはなく、たとえば、硫酸銅水溶液中で公知の電気めっき方法を使用することができる。
2.両面金属積層フィルムの製造装置
本発明において、第1表面処理工程および第2表面処理工程は、絶縁フィルムに対して、一方向から照射できるイオンガンを備えたロール・ツー・ロール・フィルム処理装置によって行うことが好ましい。さらに、本発明において、スパッタリング装置を備えた連続スパッタリング装置において、脱水処理工程、第1表面処理工程、第2表面処理工程、第1乾式成膜工程および第2乾式成膜工程のすべてを連続的に行えるようにすることが好ましい。
このような本発明の製造方法、特に図1に表される実施態様を実施するための一例として、連続スパッタリング装置(4)の概略図を図3に示す。連続スパッタリング装置(4)は、真空チャンバ(5)と、この真空チャンバ(5)内に配置されるロール・ツー・ロール・フィルム処理装置とを備える。このロール・ツー・ロール・フィルム装置は、巻き出しロール(6)と、巻き取りロール(7)と、これらのロール間のフィルム軌道とを備える。
このロール・ツー・ロール・フィルム処理装置は、巻き出しロール(6)と、巻き取りロール(7)との間に、絶縁フィルム(1)を脱水処理する脱水処理イオンガン(8)と、脱水処理イオンガン(8)の下流側に配置され、絶縁フィルム(1)の一方の表面にイオンビームを照射する第1表面処理イオンガン(9a)と、第1表面処理イオンガン(9a)の下流側で、フィルム軌道を挟んで第1表面処理イオンガン(9a)とは逆側に配置され、絶縁フィルム(1)の他方の表面にイオンビームを照射する第2表面処理イオンガン(9b)と、第2表面処理イオンガン(9b)の下流側に配置され、表面処理が施された絶縁フィルム(1)のいずれかの表面に、下地金属層(2b)と銅薄膜層(3b)とを順次成膜する、第1乾式成膜装置(70)と、第1乾式成膜装置(70)の下流側で、フィルム軌道を挟んで第1乾式成膜装置(70)とは逆側に配置され、絶縁フィルム(1)の銅薄膜層が成膜されていない側の表面に記下地金属層(2a)と銅薄膜層(3a)を順次成膜する、第2乾式成膜装置(71)とを少なくとも備える。
巻き出しロール(6)から巻き出された絶縁フィルム(1)は、ガイドロール(10)を介して脱水処理イオンガン(8)の前に搬送され、イオンビームが照射されることにより脱水処理される(脱水処理工程)。なお、このとき生じた水蒸気は、排気装置(25)により、真空チャンバ(5)の外へ排気される。その後、絶縁フィルム(1)は、張力センサロール(20)およびガイドロール(11)を介して、第1および第2表面処理イオンガン(9a、9b)の前に搬送され、その両側表面(1a、1b)に対して第1および第2表面処理イオンガン(9a、9b)によってイオンビームが照射されることにより、表面処理が施される(第1および第2表面処理工程)。なお、脱水処理工程の前と第1表面処理工程の後、さらに、第1表面処理工程の前と第2表面処理工程の後の絶縁フィルムの温度上昇を、それぞれ50℃以内とするために、冷却ロールを使用する場合には、たとえば、脱水処理イオンガン(8)と第1表面処理イオンガン(9a)の間、および、第1表面処理イオンガン(9a)と第2表面処理イオンガン(9b)の間に、それぞれ冷却ロールを配置することが好ましく、張力センサロール(20)およびガイドロール(11)に、冷却ロールとしての機能を有するものを使用することがより好ましい。
このように絶縁フィルム(1)は、少なくとも一方の表面(1aまたは1b)に脱水処理をされた後、両側表面(1a、1b)について表面処理をされ、ガイドロール(12)およびフィードロール(30)を介して、第1乾式成膜装置(70)へ搬送される。第1乾式成膜装置(70)では、冷却キャンロール(40)上で、その表面(1b)に、スパッタリングカソード(50、51)を用いたスパッタリング法により、下地金属層(2b)および銅薄膜層(3b)が成膜されることとなる(第1乾式成膜工程)。
さらに、ガイドロール(13)、張力センサロール(21)、ガイドロール(14〜16)およびフィードロール(31)を介して、第2乾式成膜装置(71)へ搬送される。第2乾式成膜装置(71)では、冷却キャンロール(41)上で、その表面(1a)に、スパッタリングカソード(60、61)を用いたスパッタリング法により、下地金属層(2a)および銅薄膜層(3a)が成膜されることとなる(第2乾式成膜工程)。
このように絶縁フィルム(1)は、その両側表面(1a、1b)に下地金属層(2a、2b)および銅薄膜層(3a、3b)が成膜された後、ガイドロール(17)、張力センサロール(22)およびガイドロール(18)を介して、巻き取りロール(7)によって巻き取られる。
図3のような連続スパッタリング装置(4)では、真空チャンバ(5)の形状は問わないが、1×10-4Pa〜1Paの範囲に減圧された状態を保持できることが必要である。また、巻き出しロール(6)および巻き取りロール(7)としては、パウダクラッチなどによるトルク制御により絶縁フィルム(1)の張力のバランスを保つことができるものを使用する。さらに、冷却キャンロール(40、41)およびフィードロール(30、31)としては、サーボモータによる動力を備えるものを使用する。また、張力センサロール(21)、ガイドロール(16、18)としては、駆動ロールとしての機能を備えたものを使用する。
なお、巻き出しロール(6)とガイドロール(10)の間、ガイドロール(12)とフィードロール(30)の間、ガイドロール(16)とフィードロール(31)の間に仕切りを設け、巻き出しロール(6)、第1および第2表面処理イオンガン(9a、9b)、スパッタリングカソード(50、51)、スパッタリングカソード(60、61)の雰囲気を区切って、それぞれの工程での雰囲気を変更することも可能である。
なお、図2に表される実施態様を実施する場合には、脱水処理イオンガン(8)を省略し、第1表面処理イオンガン(9a)により、脱水処理と第1表面処理を行うように連続スパッタリング装置(4)を構成すればよい。この場合、第1表面処理イオンガン(9a)の下流側に排気装置(25)を配置する必要がある。また、図3に表される連続スパッタリング装置(4)であっても、脱水処理イオンガン(8)と第1表面処理イオンガン(9a)のいずれか一方のみを使用し、その表面処理イオンガンにより、脱水処理と第1表面処理を行うとともに、その表面処理イオンガンの下流側に排気装置を配置することで、図2に表される実施態様を実施することができる。
3.フレキシブル両面プリント配線基板の製造方法
フレキシブル両面プリント配線基板は、両面金属積層フィルムをサブトラクティブ法またはセミアディティブ法で配線加工することによって製造するができる。
これらの方法については従来技術と同様であるため、詳細な説明は省略するが、いずれの方法においても、配線部以外の下地金属層および銅被覆層はエッチング処理により除去されるため、絶縁フィルムと密着する下地金属層が、該絶縁フィルム中に含まれる水分により酸化すれば、エッチング処理により下地金属層を完全に除去することができず、導通不良を起こす場合がある。また、下地金属層の酸化は、絶縁フィルムとの密着性の低下を引き起こす場合もある。本発明では、上述した脱水処理工程を行うことにより、シワの発生を抑制しつつ、絶縁フィルム中の水分を短時間で除去することができるため、下地金属層の酸化による問題を解消するとともに、フレキシブル両面プリント配線基板の生産性を向上させることができる。
なお、銅被膜層の膜厚は、サブトラクティブ法により配線加工をする場合は、配線の膜厚に相当する膜厚が必要となるため、上述したように、乾式成膜工程の後に、さらに湿式成膜工程が必要となる場合がある。一方、セミアディティブ法により配線加工をする場合は、膜厚は電着に必要な導電性を確保できればよく、さらに配線に不要な箇所はソフトエッチングで除去されることを考慮すれば、1μmもあれば十分である。このため、乾式成膜工程のみとしても問題が生じることはないが、配線部の電気伝導性の信頼性やより高い強度を確保する観点から、1μm以上の銅被膜層を形成する場合には、乾式成膜工程と湿式成膜工程の両工程を組み合わせることも可能である。
また、フレキシブル両面プリント配線基板では、絶縁フィルムの厚さは薄いほうが、フレキシブル性や、スルーホールの加工性から有利である。これは、絶縁フィルムの厚さが薄い方が、両面の配線パターンの位置ズレを低減することができ、また、スルーホールの穴開け加工をする際に、ポリイミドなどの絶縁フィルムを薬液でエッチングする必要があるからである。この点、本発明によるフレキシブル両面プリント配線基板の製造方法によれば、厚さが20μm以下の絶縁フィルムを使用することができ、従来必要とされた40μm程度の厚さの絶縁フィルムと比べて、耐屈曲性において、きわめて有利であるといえる。
なお、スルーホールをレーザなどで穴あけ加工することもできるが、レーザ加工に伴い加工部にバリが発生し、このバリを除去するための工程を追加することが必要となり、生産性の悪化やコストの上昇といった問題が生じる。
以下、実施例を用いて本発明について、さらに詳細に説明する。なお、実施例および比較例における(a)シワの判定、および、(b)ピール強度(引きはがし強さ)の測定は以下の手法により行った。
(a)シワの判定
スパッタリング装置から取り出した状態で、両面金属積層フィルムの表面を目視で観察することにより行った。この観察の結果については、表2に、シワが発見されなかったもの、および、両面金属積層フィルムの性能に影響を及ぼさない程度の微細なシワがわずかながら発見されたものを「良好(○)」、両面金属積層フィルムの性能に影響を及ぼす程度のシワが発見されたものを「不良(×)」として表した。
(b)エッチング残渣測定
得られた両面金属積層フィルムに対して、配線パターンをサブトラクティブ法により形成した。具体的には、試料のリード幅は1mmとし、両面金属積層フィルムの銅被膜層の表面に感光性レジスト(東京応化工業株式会社製、PMERP−RH30PM)を塗布し、幅1mmのパターンを形成するよう露光した。その後、濃度0.3質量%の炭酸ナトリウム水溶液で現像し、塩化第2鉄溶液(比重40°ボーメ、温度43℃)に2分間浸漬後、水洗し、乾燥した。その後、濃度4質量%の水酸化ナトリウム水溶液を用いて、レジストの剥離を行った。得られた配線パターンを目視により観察し、リード間の下地金属層であるNi−20質量%Cr層の溶け残り(エッチング残渣と)の有無を確認した。この結果については、表2に、エッチング残渣が全くないものを「良好(○)」、エッチング残差が1ヵ所で見つかったものは「不良(×)」として表した。
(c)ピール強度の測定
初期ピール強度は、(b)と同様にして配線パターンを形成した後、IPC−TM−650、NUMBER2.4.9に準拠した測定方法で行った。このときの測定条件は、ピールの角度を90°とした。
また、耐熱ピール強度は、初期ピール強度と同じ形状の試料を150℃で168時間保持後、取り出し、室温になるまで冷却した後、初期ピール強度と同じく、ピールの角度を90°として、そのピール強度を測定した。
表2に、得られた両面金属積層フィルムの両表面(1a、1b)の初期ピール強度および耐熱試験後のピール強度(耐熱ピール強度)のいずれもが400N/m以上であれば「良好(○)」、400N/m未満のものがあった場合には「不良(×)」として表した。
(実施例1)
絶縁フィルム(1)として、厚さ12.5μmのポリイミドフィルム(東レ・デュポン株式会社製、カプトン50EN)を使用して、図3に示されるような連続スパッタリング装置(4)を使用して、両面金属積層フィルムを作製した。なお、実施例1では、第1表面処理イオンガン(9a)は使用せず、脱水処理イオンガン(8)により、絶縁フィルムの一方の表面(1a)に対して脱水処理と第1表面処理を行った後、第2表面処理イオンガン(9b)により第2表面処理を行い、その後、両側の表面(1a、1b)に対して、下地金属層(2a、2b)および銅薄膜層(3a、3b)を成膜した。
具体的には、上記ポリイミドフィルム(1)を連続スパッタリング装置(4)に設置して、該装置(4)を0.1Paまで真空排気した後、脱水処理イオンガン(8)(アノードレイヤーソース型)により、ポリイミドフィルム(1)の一方の表面(1a)にイオンビームを照射し、脱水処理および第1表面処理を行った。このとき、使用したガス種は酸素ガス(O2)であり、その流量は、1気圧、25℃換算で、60cm3/minであった。また、イオンガスの放電電力を200W(放電電圧:1500V、放電電流:133mA)に調整した。このときのイオンビームによる処理時間は、搬送速度を調整することにより10秒間に調整した。イオンビームを照射した後、排気装置(25)により、1×10-4Paまで真空排気した。なお、このとき、排気装置として、ターボ分子ポンプ(三菱重工業株式会社製)およびクライオコイル(株式会社マック製)を使用した(脱水処理工程、第1表面処理工程)。
その後、第2表面処理イオンガン(9b)によりイオンビームを照射することにより、ポリイミドフィルム(1)の他方の表面(1b)を表面処理した(第2表面処理工程)。このとき、使用したガス種は酸素ガス(O2)であり、その流量は、1気圧、25℃換算で、60cm3/minであった。また、イオンガスの放電電力を200W(放電電圧:1500V、放電電流:133mA)に調整するとともに、搬送速度を調整することにより、イオンビームによる処理時間を10秒間に調整した。なお、本実施例では、脱水処理工程直後の絶縁フィルムの温度上昇は70℃であったが、張力センサロール(20)として、冷却ロールとしての機能を有するものを使用した結果、脱水処理工程前の絶縁フィルムの温度に対する、表面処理工程終了後の絶縁フィルムの温度上昇を30℃程度に抑制することができた。
第2表面処理工程の後、ポリイミドフィルム(1)は、スパッタリング装置(70)の前に搬送され、スパッタリングカソード(50)にNi―20質量%Cr合金をターゲットとして装着するとともに、スパッタリングカソード(51)にCuターゲットを装着して、スパッタリング法により、下地金属層(2b)および銅薄膜層(3b)の成膜を行った(第1乾式成膜工程)。その後、ポリイミドフィルム(1)は、スパッタリング装置(71)に搬送され、スパッタリングカソード(60)にNi―20質量%Cr合金をターゲットとして装着するとともに、スパッタリングカソード(61)にCuターゲットを装着して、スパッタリング法により下地金属層(2a)および銅薄膜層(3a)の成膜を行った(第2乾式成膜工程)。このときの下地金属層(2a、2b)の膜厚は10nm、銅薄膜層(3a、3b)の膜厚は0.1μmであった。なお、絶縁フィルム(1)が、巻き出しロール(6)から巻き出されてから、巻き取りロール(7)により巻き取られるまでの時間は、10分間であった。
第2乾式成膜工程の後、得られた両面金属積層フィルムを連続スパッタリング装置(4)から取り出し、その表面を目視で観察することにより(a)シワの判定を行った結果、シワの発生は確認されなかった。
この両面金属積層フィルムに対して、硫酸酸性硫酸銅水溶液を用いた電気めっき法により、膜厚8μmの銅めっき層を成膜し、サブトラクティブ法により配線パターンを形成することにより、フレキシブル両面プリント配線基板を得た。このフレキシブル両面プリント配線基板の表面を目視で観察することにより、(b)エッチング残渣測定を行った結果、エッチング残渣は発見されなかった。
さらに、得られたフレキシブル両面プリント配線基板に対して、(c)ピール強度の測定した結果、両面の初期ピール強度、耐熱ピール強度ともに400N/m以上であった。これらの結果を表2に示す。
(実施例2〜7)
使用したイオンガスの種類、ガス流量を表1に記載されたように調整したこと以外は、実施例1と同様にして、脱水処理および表面処理をすることにより、両面金属積層フィルムを得た。なお、実施例2〜7においても、絶縁フィルム(1)が、巻き出しロール(6)から巻き出されてから、巻き取りロール(7)により巻き取られるまでの時間は、10分間であった。
これらの両面金属積層フィルムに対して、実施例1と同様に、(a)シワの測定を行った。また、この両面金属積層フィルムに対して、実施例1と同様に、配線パターンを形成し、(b)エッチング残渣測定、および、(c)ピール強度の測定を行った。これらの結果を表2に示す。
(実施例8)
脱水処理イオンガン(8)の照射条件を調整することにより、該脱水処理イオンガン(8)では脱水処理のみを行い、第1表面処理イオンガン(9a)により、第1表面処理を行ったこと以外は、実施例1と同様にして、両面金属積層フィルムを得た。なお、実施例8では、絶縁フィルム(1)が、巻き出しロール(6)から巻き出されてから、巻き取りロール(7)により巻き取られるまでの時間は、10分間であった。
この両面金属積層フィルムに対して、実施例1と同様に、(a)シワの測定を行った。また、この両面金属積層フィルムに対して、実施例1と同様に、配線パターンを形成し、(b)エッチング残渣測定、および、(c)ピール強度の測定を行った。これらの結果を表2に示す。
(実施例9)
張力センサロール(20)の冷却ロールとしての出力(冷却力)を調整することにより、脱水処理の前と第2の表面処理工程の後の絶縁フィルムの温度上昇が60℃程度となるように調整したこと以外は、実施例1と同様にして、両面金属積層フィルムを得た。なお、実施例9では、絶縁フィルム(1)が、巻き出しロール(6)から巻き出されてから、巻き取りロール(7)により巻き取られるまでの時間は、10分間であった。
この両面金属積層フィルムに対して、実施例1と同様に、(a)シワの測定を行った。また、この両面金属積層フィルムに対して、実施例1と同様に、配線パターンを形成し、(b)エッチング残渣測定、および、(c)ピール強度の測定を行った。これらの結果を表2に示す。
(実施例10)
脱水処理工程および表面処理工程において、イオンガスの流量を、1気圧、25℃換算で、40cm3/minとしたこと以外は、実施例1と同様にして、両面金属積層フィルムを得た。実施例10では、イオンビーの照射に際して放電状態がやや不安定となり、処理中にマイクロアークの発生が見られた。なお、実施例10では、絶縁フィルム(1)が、巻き出しロール(6)から巻き出されてから、巻き取りロール(7)により巻き取られるまでの時間は、10分間であった。
この両面金属積層フィルムに対して、実施例1と同様に、(a)シワの測定を行った。また、この両面金属積層フィルムに対して、実施例1と同様に、配線パターンを形成し、(b)エッチング残渣測定、および、(c)ピール強度の測定を行った。これらの結果を表2に示す。
(実施例11)
脱水処理工程および表面処理工程において、イオンガスの流量を、1気圧、25℃換算で、80cm3/minとしたこと以外は、実施例1と同様にして、両面金属積層フィルムを得た。実施例11では、イオンビーの照射に際して放電状態がやや不安定となり、処理中にマイクロアークの発生が見られた。なお、実施例11では、絶縁フィルム(1)が、巻き出しロール(6)から巻き出されてから、巻き取りロール(7)により巻き取られるまでの時間は、10分間であった。
この両面金属積層フィルムに対して、実施例1と同様に、(a)シワの測定を行った。また、この両面金属積層フィルムに対して、実施例1と同様に、配線パターンを形成し、(b)エッチング残渣測定、および、(c)ピール強度の測定を行った。これらの結果を表2に示す。
(比較例1)
脱水処理イオンガン(8)による脱水処理の代わりに、0.1Paまで真空排気した後、絶縁フィルムを、真空チャンバ(5)内に10秒間放置することにより真空乾燥を行ったこと以外は、実施例8と同様にして、両面金属積層フィルムを得た。なお、比較例1では、絶縁フィルム(1)が、巻き出しロール(6)から巻き出されてから、巻き取りロール(7)により巻き取られるまでの時間は、10分間であった。
この両面金属積層フィルムに対して、実施例1と同様に、(a)シワの測定を行った。また、この両面金属積層フィルムに対して、実施例1と同様に、配線パターンを形成し、(b)エッチング残渣測定、および、(c)ピール強度の測定を行った。これらの結果を表2に示す。
(比較例2)
脱水処理イオンガン(8)による脱水処理の代わりに、赤外線ヒータを使用して、絶縁フィルムを50℃に加熱し、この温度で10秒間の加熱乾燥を行ったこと、および、張力センサロール(20)の冷却ロールとしての出力(冷却力)を低く調整したこと以外は、実施例8と同様にして、両面金属積層フィルムを得た。なお、比較例2では、絶縁フィルム(1)が、巻き出しロール(6)から巻き出されてから、巻き取りロール(7)により巻き取られるまでの時間は、10分間であった。
この両面金属積層フィルムに対して、実施例1と同様に、(a)シワの測定を行った。また、この両面金属積層フィルムに対して、実施例1と同様に、配線パターンを形成し、(b)エッチング残渣測定、および、(c)ピール強度の測定を行った。これらの結果を表2に示す。
(比較例3)
脱水処理イオンガン(8)による脱水処理の代わりに、赤外線ヒータを使用して、絶縁フィルムを100℃に加熱し、この温度で10秒間の加熱乾燥を行ったこと以外は、比較例2と同様にして、両面金属積層フィルムを得た。なお、比較例3では、絶縁フィルム(1)が、巻き出しロール(6)から巻き出されてから、巻き取りロール(7)により巻き取られるまでの時間は、10分間であった。
この両面金属積層フィルムに対して、実施例1と同様に、(a)シワの測定を行った。また、この両面金属積層フィルムに対して、実施例1と同様に、配線パターンを形成し、(b)エッチング残渣測定を行った。なお、比較例3では、(a)シワの測定において、両面金属フィルムの表面にシワが発見されため、(c)ピール強度の測定は行わなかった。これらの結果を表2に示す。
(比較例4)
脱水処理イオンガン(8)による脱水処理の代わりに、赤外線ヒータを使用して、絶縁フィルムを50℃に加熱し、搬送速度を調整することにより、この温度で50秒間の加熱乾燥を行ったこと以外は、比較例2と同様にして、両面金属積層フィルムを得た。なお、比較例4では、絶縁フィルム(1)が、巻き出しロール(6)から巻き出されてから、巻き取りロール(7)により巻き取られるまでの時間は、50分間であった。
この両面金属積層フィルムに対して、実施例1と同様に、(a)シワの測定を行った。また、この両面金属積層フィルムに対して、実施例1と同様に、配線パターンを形成し、(b)エッチング残渣測定、および、(c)ピール強度の測定を行った。これらの結果を表2に示す。
(比較例5)
イオンガスの放電電力を400W(放電電圧:2500V、放電電流:160mA)に調整したこと以外は、実施例1と同様にして、両面金属積層フィルムを得た。なお、比較例5では、脱水処理工程直後の絶縁フィルムの温度上昇は100℃であったが、張力センサロール(20)として、冷却ロールとしての機能を有するものを使用した結果、脱水処理工程前の絶縁フィルムの温度に対する、表面処理工程終了後の絶縁フィルムの温度上昇を30℃程度に抑制した。また、比較例5では、絶縁フィルム(1)が、巻き出しロール(6)から巻き出されてから、巻き取りロール(7)により巻き取られるまでの時間は、10分間であった。
この両面金属積層フィルムに対して、実施例1と同様に、(a)シワの測定を行った。また、この両面金属積層フィルムに対して、実施例1と同様に、配線パターンを形成し、(b)エッチング残渣測定を行った。なお、比較例5では、(a)シワの測定において、両面金属フィルムの表面にシワが発見されため、(c)ピール強度の測定は行わなかった。これらの結果を表2に示す。
(評価)
本発明の技術的範囲に属する実施例1〜9は、シワが存在せず、かつ、エッチング残渣も存在しなかった。また、初期ピール強度および耐熱ピール強度も優れたものであることが確認された。
また、実施例10および11により得られた両面金属積層フィルムは、実用上問題のない特性を有していることが確認されたが、処理中に、放電状態がやや不安定となり、マイクロアークの発生が見られた。これらの結果から、イオンガスの流量が40cm3/min未満、あるいは、80cm3/minを超えると、放電状態がさらに不安定となり、次第に、均一なイオンビーム処理が困難となることが予測される。
比較例1は、脱水処理を真空乾燥により行ったため、絶縁フィルムの脱水が十分に進行せず、サブトラクティブ法による配線パターンの形成後に、リード間でエッチング残渣が見られた。
比較例2および3は、脱水処理を赤外線ヒータによる加熱で行った例である。比較例2では、加熱温度が50℃と低温であったため脱水が進行せず、比較例1と同様に、配線パターンの形成後に、エッチング残渣が見られた。比較例3は、加熱温度が100℃と高温であったため、スパッタリング法による下地金属層形成後に、シワの発生が確認された。
比較例4は、脱水処理を赤外線ヒータにより、十分に時間をかけて行った例である。このため、比較例4では、絶縁フィルムが、巻き出しロールから巻き出されてから、巻き取りロールにより巻き取られるまでの時間が、実施例1〜12の5倍程度となった。
比較例5は、従来のイオンビーム照射による方法で脱水処理工程を行った例であり、脱水処理の直後において、絶縁フィルムの温度上昇は100℃程度まで達していた。このため、その後に、冷却ロールにより十分に冷却した場合であっても、下地金属層形成後のシワの発生を十分に抑制することができなかった。
1 絶縁フィルム
1a、1b 表面
2a、2b 下地金属層
3a、3b 銅薄膜層
4 連続スパッタリング装置
5 真空チャンバ
6 巻き出しロール
7 巻き取りロール
8 脱水処理イオンガン
9a 第1表面処理イオンガン
9b 第2表面処理イオンガン
10〜18 ガイドロール
20〜22 張力センサロール
25 排気装置
30、31 フィードロール
40、41 冷却キャンロール
50、51 スパッタリングカソード
60、61 スパッタリングカソード
70 第1乾式成膜装置
71 第2乾式成膜装置

Claims (7)

  1. 絶縁フィルムの両面に接着剤を介することなく、乾式めっき法で下地金属層を形成した後に、該下地金属層の表面に銅被膜層を形成する両面金属積層フィルムの製造方法であって、
    真空雰囲気中で、前記絶縁フィルムの少なくとも一方の表面にイオンビームを照射し、この際の温度上昇を90℃以下に抑制しつつ脱水処理をするとともに、該脱水処理により生じた水蒸気を排気する脱水処理工程と、
    前記絶縁フィルムの一方の表面にイオンビームを照射し、表面処理をする第1表面処理工程と、
    前記絶縁フィルムの他方の表面にイオンビームを照射し、表面処理をする第2表面処理工程と、
    表面処理が施された絶縁フィルムのいずれかの表面に、乾式めっき法により、前記下地金属層と前記銅被膜層の一部または全部を構成する銅薄膜層とを順次成膜する第1乾式成膜工程と、
    前記絶縁フィルムの銅薄膜層が成膜されていない側の表面に、乾式めっき法により、前記下地金属層と前記銅被膜層の一部または全部を構成する銅薄膜層とを順次成膜する第2乾式成膜工程とを備える、
    両面金属積層フィルムの製造方法。
  2. 前記脱水処理工程と第1表面処理工程を同時に行う、請求項1に記載の両面金属積層フィルムの製造方法。
  3. 前記イオンビーム照射が、アルゴン、窒素、酸素、または、これらの群から選ばれる少なくとも2種の混合ガスからなるイオンガスを用いたものである、請求項1または2に記載の両面金属積層フィルムの製造方法。
  4. 第1表面処理工程および第2表面処理工程における真空度が1×10-4Pa〜1Paである、請求項1〜3のいずれかに記載の両面金属積層フィルムの製造方法。
  5. 脱水処理工程、第1表面処理工程および第2表面処理工程におけるイオンガスの流量を、1気圧、25℃換算で、40cm3/min〜80cm3/minとする、請求項1〜4のいずれかに記載の両面金属積層フィルムの製造方法。
  6. 両面金属積層フィルムを製造するための装置であって、
    真空チャンバと、該真空チャンバ内に配置されるロール・ツー・ロール・フィルム処理装置とを備え、
    該ロール・ツー・ロール・フィルム処理装置は、巻き出しロールと、巻き取りロールと、これらのロール間のフィルム軌道とを備えるとともに、
    絶縁フィルムの少なくとも一方の表面にイオンビームを照射し、該絶縁フィルムを脱水処理する脱水処理イオンガンと、
    前記脱水処理により発生した水蒸気を排気するための排気装置と、
    前記絶縁フィルムの一方の表面にイオンビームを照射し、表面処理をする、第1表面処理イオンガンと、
    第1表面処理イオンガンの下流側で、前記絶縁フィルムの軌道を挟んで第1表面処理イオンガンとは逆側に配置され、該絶縁フィルムの他方の表面にイオンビームを照射し、表面処理をする、第2表面処理イオンガンと、
    第2表面処理イオンガンの下流側に配置され、表面処理が施された前記絶縁フィルムのいずれかの表面に、下地金属層と銅被膜層の一部または全部を構成する銅薄膜層とを順次成膜する、第1乾式成膜装置と、
    第1乾式成膜装置の下流側で、前記絶縁フィルムの軌道を挟んで第1乾式成膜装置とは逆側に配置され、該絶縁フィルムの銅薄膜層が成膜されていない側の表面に、下地金属層と銅被膜層の一部または全部を構成する銅薄膜層を順次成膜する、第2乾式成膜装置と、
    を備える、
    両面金属積層フィルムの製造装置。
  7. 両面金属積層フィルムを製造するための装置であって、
    真空チャンバと、該真空チャンバ内に配置されるロール・ツー・ロール・フィルム処理装置とを備え、
    該ロール・ツー・ロール・フィルム処理装置は、巻き出しロールと、巻き取りロールと、これらのロール間のフィルム軌道とを備えるとともに、
    絶縁フィルムの一方の表面にイオンビームを照射することにより、脱水処理をするとともに、表面処理をする、第1表面処理イオンガンと、
    第1表面処理イオンガンの下流側で、前記脱水処理により生じた水蒸気を排気する排気装置と、
    前記排気装置の下流側で、前記絶縁フィルムの軌道を挟んで第1表面処理イオンガンとは逆側に配置され、該絶縁フィルムの他方の表面にイオンビームを照射する、第2表面処理イオンガンと、
    第2表面処理イオンガンの下流側に配置され、表面処理が施された前記絶縁フィルムのいずれかの表面に、下地金属層と銅被膜層の一部または全部を構成する銅薄膜層とを順次成膜する、第1乾式成膜装置と、
    第1乾式成膜装置の下流側で、前記絶縁フィルムの軌道を挟んで第1乾式成膜装置とは逆側に配置され、該絶縁フィルムの銅薄膜層が成膜されていない側の表面に、下地金属層と銅被膜層の一部または全部を構成する銅薄膜層を順次成膜する、第2乾式成膜装置と、
    を備える、
    両面金属積層フィルムの製造装置。
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