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JP2014221705A - ガラスセラミックス - Google Patents

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JP2014221705A
JP2014221705A JP2013102478A JP2013102478A JP2014221705A JP 2014221705 A JP2014221705 A JP 2014221705A JP 2013102478 A JP2013102478 A JP 2013102478A JP 2013102478 A JP2013102478 A JP 2013102478A JP 2014221705 A JP2014221705 A JP 2014221705A
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Abstract

【課題】紫外光又は可視光による励起によって、所望の波長範囲に発光ピークがより強く現れる、蛍光性のガラスセラミックスを提供する。【解決手段】ガラスセラミックスは、A3B5O12:αβ+F結晶(AはY、Gd、Tb、Dy、Yb、Luの中から選ばれる1種以上とし、BはAl又は/及びGaとし、αとβの組合せはEu3+、Eu2+、Ce3+、Mn4+、Mn2+、Sn2+、Cu2+、Bi3+、Pb2+、Cr3+の中から選ばれる1種以上とする。)を含有する。【選択図】図1

Description

本発明は、ガラスセラミックスに関する。
物質が外部から電子線や紫外線等の電磁波のエネルギーを受け取って励起され、基底状態に戻るときに、受け取ったエネルギーを特定波長の光として放出する光を蛍光といい、このような特性を有する物質を蛍光体という。蛍光体は、その種類によって吸収する光の波長や放出する蛍光の波長が異なり、光増幅器やレーザー、照明、ディスプレイ用発光素子等で幅広い応用が期待されている。特に近年、短波長LEDの開発が進むにつれて、LED素子と、このLED素子からの紫外光や可視光によって励起されて発光する蛍光体を組み合わせた発光素子が注目を浴びており、少ない電力で効率よく駆動する新しい光源としてその用途が広がりつつある。また、このような状況の中、長寿命であり且つ発光強度の高い蛍光体の開発が必要とされている。
このような蛍光体として、YAG系酸化物にCeをドープした蛍光体が知られている。この蛍光体は、青色光の励起で黄色の蛍光を発するので、LED素子と蛍光体から出る二つの光の混色によって白色光の光源を実現できる。
そして、このような蛍光体を結晶相として析出させたガラスセラミックスとして、特許文献1〜3に代表されるようなガラスセラミックスが知られている。このような蛍光体をガラスセラミックスに析出させることで、LED素子から発生する光や発熱による劣化を抑え、且つ、均一な分布状態を実現させて発光むらを低減させている。
特開2009−286681号公報 特開2007−031196号公報 特開2006−117511号公報
しかし、特許文献1〜3のガラスセラミックスでは、波長500〜600nmの範囲における発光ピークの強度が未だ十分ではないため、励起光と混色させたときの色調の調整された発光素子を得ることが困難であった。
本発明は、紫外光又は可視光による励起によって、所望の波長範囲に発光ピークがより強く現れる、蛍光性のガラスセラミックスを得ることを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意試験研究を重ねた結果、ガーネット結晶を析出しうるガラスセラミックスの組成にF成分と、発光中心となるような成分を含有させることで、強い発光ピークが現れるA12:αβ+F結晶がガラスセラミックスに多く析出することを見出し、本発明を完成するに至った。
具体的には、本発明は以下のようなものを提供する。
(1) A12:αβ+F結晶(AはY、Gd、Tb、Dy、Yb、Luの中から選ばれる1種以上とし、BはAl又は/及びGaとし、αとβの組合せはEu3+、Eu2+、Ce3+、Mn4+、Mn2+、Sn2+、Cu2+、Bi3+、Pb2+、Cr3+の中から選ばれる1種以上とする。)を含有するガラスセラミックス。
(2) 波長460nmの光を入射させたときに500〜600nmの範囲に発光ピークを有する(1)記載のガラスセラミックス。
(3) 酸化物基準のモル%で、
Al+Gaを20〜50%、
Ln(LnはY、Gd、Tb、Dy、Yb、Luの中から選ばれる少なくとも1種以上を示す)を10〜50%、
Eu+CeO+MnO+SnO+CuO+Bi+PbO+Crを0.1〜10%
含有し、
酸化物基準の全モル数に対する外割りのモル%で、F成分を0%超含有する(1)又は(2)記載のガラスセラミックス。
(4) 酸化物基準のモル%で、
Al成分 15.0〜50.0%
Ga成分 0〜20.0%
成分 10.0〜50.0%
Gd成分 0〜20.0%
Dy成分 0〜10.0%
Yb成分 0〜10.0%
Lu成分 0〜10.0%
含有する(1)から(3)のいずれか記載のガラスセラミックス。
(5) 酸化物基準のモル%で、SiO成分+GeO成分を20.0〜60.0%含有する(1)から(4)のいずれか記載のガラスセラミックス。
(6) 酸化物基準のモル%で、
SiO成分 10.0〜60.0%
GeO成分 0〜20.0%
含有する(1)から(5)のいずれか記載のガラスセラミックス。
(7) モル和(TiO+ZrO)が10.0%以下である(1)から(6)のいずれか記載のガラスセラミックス。
(8) 酸化物基準のモル%で、
TiO成分 0〜10.0%
ZrO成分 0〜10.0%
である(1)から(7)のいずれか記載のガラスセラミックス。
(9) 酸化物基準で、RO成分(式中、RはMg、Ca、Sr、Ba及びZnからなる群より選択される1種以上)のモル和が20.0%以下である(1)から(8)のいずれか記載のガラスセラミックス。
(10) 酸化物基準のモル%で、
MgO成分 0〜15.0%
CaO成分 0〜15.0%
SrO成分 0〜15.0%
BaO成分 0〜15.0%
ZnO成分 0〜15.0%
である(1)から(9)のいずれか記載のガラスセラミックス。
(11) 酸化物基準のモル%で、
LiO成分 0〜20.0%
NaO成分 0〜20.0%
O成分 0〜20.0%
である(1)から(10)のいずれか記載のガラスセラミックス。
(12) 酸化物基準で、RnO成分(式中、RはLi、Na、Kからなる群より選択される1種以上)のモル和が20.0%以下である(1)から(11)のいずれか記載のガラスセラミックス。
(13) 酸化物基準のモル%で、
成分 0〜30.0%
成分 0〜10.0%
Nb成分 0〜10.0%
Ta成分 0〜10.0%
WO成分 0〜10.0%
TeO成分 0〜10.0%
Sb成分 0〜1.0%
である(1)から(12)のいずれか記載のガラスセラミックス。
(14) 原料組成のモル%で、AlF+GaFを0%超20.0%以下含有する(1)から(13)のいずれか記載のガラスセラミックス。
本発明によれば、紫外光又は可視光による励起によって、所望の波長範囲に発光ピークがより強く現れる、蛍光性のガラスセラミックスを得ることができる。
実施例6と比較例1のガラスセラミックスについてのXRDパターンである。
本発明のガラスセラミックスは、A12:αβ+F結晶(AはY、Gd、Tb、Dy、Yb、Luの中から選ばれる1種以上とし、BはAl又は/及びGaとし、αとβの組合せはEu3+、Eu2+、Ce3+、Mn4+、Mn2+、Sn2+、Cu2+、Bi3+、Pb2+、Cr3+の中から選ばれる1種以上とする。)を含有する。YAG系の結晶をはじめとするガーネット結晶を析出しうるガラスセラミックスの組成にF成分と、発光中心となるような成分を含有させることで、強い発光ピークが現れるA12:αβ+F結晶がガラスセラミックスに多く析出する。このため、紫外光又は可視光による励起によって、所望の波長範囲に発光ピークがより強く現れる、蛍光性のガラスセラミックスを得ることができる。
以下、本発明の光学ガラスの実施形態について詳細に説明するが、本発明は、以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の目的の範囲内において、適宜変更を加えて実施することができる。なお、説明が重複する箇所については、適宜説明を省略する場合があるが、発明の趣旨を限定するものではない。
[ガラスセラミックスの組成]
本発明のガラスセラミックスを構成する各成分の組成範囲を以下に述べる。本明細書中で特に断りがない場合、各成分の含有量は、全て酸化物換算組成の総モル数に対するモル%で表示されるものとする。ここで、「酸化物換算組成」とは、本発明のガラスセラミックスの構成成分の原料として使用される酸化物、複合塩、金属弗化物等が熔融時に全て分解され酸化物へ変化すると仮定した場合に、当該生成酸化物の総モル数を100モル%として、ガラスセラミックス中に含有される各成分のモル分率を表記した組成である。
Al成分及びGa成分は、ガーネット結晶からなる結晶相を形成するのに必須の成分であり、且つ、ガラス(以下、原ガラスとガラスセラミックスを総称して「ガラス」という場合がある。)の安定性を高められる成分である。ガラスの安定性が高められることで、結晶化率のコントロールを行い易くなり、且つ、所望でない結晶相の析出を抑えられるため、より多くの発光中心を含有させることができる。特に、Ga成分を含有することで、ガラスの溶解温度を大幅に下げることができ、且つ、ガーネット結晶をより析出し易くできる。従って、Al成分及びGa成分の合計含有量は、好ましくは20.0%、より好ましくは25.0%、さらに好ましくは30.0%を下限とする。
一方で、Al成分及びGa成分の合計含有量を50.0%以下にすることで、これらの過剰な含有によるガラス原料の溶融性やガラスの安定性の低下を抑えられる。従って、Al成分及びGa成分の合計含有量は、好ましくは50.0%、より好ましくは45.0%、さらに好ましくは40.0%を上限とする。
このうち、Al成分の含有量は、ガーネット結晶からなる結晶相を形成し易くし、且つガラスの安定性を高めるため、好ましくは15.0%、より好ましくは20.0%、さらに好ましくは25.0%を下限とする。
一方で、Al成分の含有量は、ガラス原料の溶融性やガラスの安定性の低下を抑えるため、好ましくは50.0%、より好ましくは45.0%、さらに好ましくは40.0%、さらに好ましくは37.0%を上限とする。
また、Ga成分の含有量は、ガーネット結晶からなる結晶相を形成し易くし、ガラスの溶解温度を下げ、且つガラスの安定性を高めるため、好ましくは0.3%、より好ましくは0.5%、さらに好ましくは1.0%を下限としてもよい。
一方で、Ga成分の含有量は、原料コストの上昇を抑えるため、好ましくは20.0%、より好ましくは15.0%、さらに好ましくは10.0%を上限とする。
Ln成分(式中、LnはY、Gd、Tb、Dy、Yb、Luの中から選ばれる少なくとも1種以上を示す)も、ガーネット結晶からなる結晶相を形成するのに必須の成分である。従って、Ln成分の合計含有量は、好ましくは10.0%、より好ましくは15.0%、さらに好ましくは18.0%を下限とする。
一方で、Ln成分の合計含有量を50.0%以下にすることで、これらの過剰な含有によるガラスの安定性の低下を抑えられる。従って、Ln成分の合計含有量は、好ましくは50.0%、より好ましくは40.0%、さらに好ましくは30.0%、さらに好ましくは25.0%を上限とする。
ここで、Y成分の含有量は、ガーネット結晶からなる結晶相を形成し易くする観点から、好ましくは10.0%、より好ましくは15.0%、さらに好ましくは18.0%を下限とする。
一方で、Y成分の含有量は、ガラスの安定性の低下を抑えるため、好ましくは50.0%、より好ましくは40.0%、さらに好ましくは30.0%、さらに好ましくは25.0%を上限とする。
また、Gd成分の含有量も、同様の観点から、好ましくは20.0%以下、より好ましくは10.0%未満、さらに好ましくは5.0%未満とする。
また、Dy成分、Yb成分及びLu成分の各々の含有量も、同様の観点から、好ましくは10.0%、より好ましくは8.0%、さらに好ましくは5.0%を上限とする。
Eu成分、CeO成分、MnO成分、SnO成分、CuO成分、Bi成分、PbO成分及びCr成分は、発光中心の役割を果たし、ガラス及び結晶化ガラスに蛍光特性を付与するので、少なくともいずれかが必須成分である。本願発明のガラスセラミックスでは、より多くの発光中心を含有させた場合でも、ガラスの安定性がより高められるため、励起光による蛍光をより強めることができる。これらの成分の少なくとも1種以上の合計含有量は、好ましくは0.1%、より好ましくは0.2%、さらに好ましくは0.3%、さらに好ましくは0.5%を下限とする。
一方で、これらの成分の含有量が多すぎると、かえって蛍光が弱くなる傾向がある。従って、これらの成分の合計含有量は、好ましくは10.0%、より好ましくは5.0%、さらに好ましくは3.0%を上限とする。
ここで、Eu成分は2価及び3価の状態で、CeO成分は3価の状態で、MnO成分は2価及び4価の状態で、SnO成分は2価の状態で、CuO成分は2価の状態で、Bi成分は3価の状態で、PbO成分は2価の状態で、Cr成分3価の状態で、それぞれガラスに含まれることが好ましい。それにより、これらの成分が発光中心として作用するため、紫外光又は可視光の励起による発光ピークのより強いガラスセラミックスを得ることができる。
一方で、これらの成分は、上述した以外の価数の状態での含有量を低減することが好ましく、上述した以外の価数の状態では含有しないことがより好ましい。これにより、発光中心として作用しない成分の含有量が低減されるため、発光中心として作用する金属イオンαβ+を増加し易くできる。
これらの成分は、蛍光の色調を調整する観点で複数種含有してもよいが、紫外光又は可視光の励起による発光ピークをより強めることができる観点で、いずれか1種のみを含有することが好ましい。
このうち、CeO成分を含有させた場合、ガラスセラミックスの結晶相が青色光によって黄色の蛍光を発するため、LED素子から出る青色光と結晶相から出る黄色光とを混色させることで、LED素子を白色光の光源として用いることができる。
なお、これらの成分は、上述のような酸化物の形態に限られず、フッ化物又は塩化物の形態でガラス中に含まれていてもよい。
F成分は、0%超含有することで、溶解温度を下げ、ガラスの溶融性と安定性の向上に寄与し、且つ、所望の結晶相の析出を促進する効果がある。また、所望の結晶相に固溶することで、発光色を調節したり発光効率を向上させたりする顕著な効果がある。特にCeO成分を含有する場合、Ce3+イオンの発光効率を向上させることもできる。従って、酸化物基準の全モル数に対する外割りでのF成分の含有量は、好ましくは0%超、より好ましくは5.0%超、さらに好ましくは10.0%超、さらに好ましくは13.0%超とする。
一方で、F成分の含有量を50.0%以下にすることで、ガラス安定性の低下や、所望でない結晶相の析出を抑えることができる。従って、酸化物基準の全モル数に対する外割りでのF成分の含有量は、好ましくは50.0%、より好ましくは40.0%、さらに好ましくは30.0%、さらに好ましくは25.0%を上限とする。
F成分は、原料として例えばZrF、AlF、NaF、CaF、KSiF、NaSiF、LaF等を用いてガラス内に含有することができる。
本明細書におけるF成分の含有量は、ガラスを構成するカチオン成分全てが電荷の釣り合うだけの酸素と結合した酸化物でできていると仮定し、それら酸化物でできたガラス全体のモル数を100%として、F成分のモル分率を表したもの(酸化物基準の全モル数に対する外割りモル%)である。
SiO成分及びGeO成分は、ガラス形成酸化物になりうる成分であり、安定であり、且つ耐久性や耐候性の良好なガラスを得るのに重要な成分である。従って、SiO成分及びGeO成分の合計含有量は、好ましくは20.0%、より好ましくは30.0%、さらに好ましくは35.0%を下限とする。
一方で、SiO成分及びGeO成分の合計含有量を60.0%以下にすることで、ガラス原料の溶融温度の上昇を抑えられる。従って、SiO成分及びGeO成分の合計含有量は、好ましくは60.0%、より好ましくは50.0%、さらに好ましくは45.0%を上限とする。
ここで、SiO成分の含有量は、ガーネット結晶からなる結晶相を形成し易くする観点から、好ましくは10.0%、より好ましくは20.0%、さらに好ましくは30.0%、さらに好ましくは35.0%を下限とする。
一方で、SiO成分の含有量は、ガラス原料の溶融温度の上昇を抑えるため、好ましくは60.0%、より好ましくは50.0%、さらに好ましくは45.0%を上限とする。
また、GeO成分の含有量も、同様の観点、及び、高価な材料である観点から、好ましくは20.0%以下、より好ましくは10.0%未満、さらに好ましくは5.0%未満とする。
TiO成分及びZrO成分は、少なくとも1種を0%超含有する場合に、核形成剤の役割を果たすことで結晶相をより析出し易くできる任意成分である。
一方で、TiO成分及びZrO成分の合計含有量を10.0%以下にすることで、ガラスの安定性の低下を抑えられる。従って、TiO成分及びZrO成分の合計含有量は、好ましくは10.0%、より好ましくは8.0%、さらに好ましくは5.0%、さらに好ましくは3.0%を上限とする。
ここで、TiO成分及びZrO成分の各々の含有量は、ガラスの安定性の低下を抑える観点から、好ましくは10.0%、より好ましくは8.0%、さらに好ましくは5.0%、さらに好ましくは3.0%を上限とする。
RO成分(式中、RはMg、Ca、Sr、Ba、Znからなる群より選択される1種以上)は、少なくとも1種を0%超含有する場合に、ガラス原料の融点を下げられ、且つ、ガラスの安定性及び発光効率を向上できる任意成分である。
一方で、RO成分の合計含有量を20.0%以下にすることで、RO成分の過剰な含有によるガラスの安定性の低下を抑えられる。従って、RO成分の合計含有量は、好ましくは20.0%、より好ましくは15.0%、さらに好ましくは8.0%を上限とする。
ここで、MgO成分、CaO成分、SrO成分、BaO成分及びZnO成分の各々の含有量は、ガラスの安定性の低下を抑える観点から、好ましくは15.0%、より好ましくは10.0%、さらに好ましくは8.0%、さらに好ましくは5.0%を上限とする。
RnO成分(式中、RnはLi、Na、Kからなる群より選択される1種以上)は、少なくとも1種を0%超含有する場合に、ガラス原料の融点を下げられ、且つ、ガラスの安定性を向上できる任意成分である。
一方で、RnO成分の合計含有量を20.0%以下にすることで、ガラスの発光効率の低下を抑えられる。従って、RnO成分の合計含有量は、好ましくは20.0%、より好ましくは15.0%、さらに好ましくは8.0%を上限とする。
ここで、LiO成分、NaO成分及びKO成分の各々の含有量は、発光効率の低下を抑える観点から、好ましくは20.0%、より好ましくは15.0%、さらに好ましくは8.0%を上限とする。
成分は、0%超含有する場合に、ガラス原料の融点を下げられ、且つ、ガラスの安定性を向上できる任意成分である。
一方、B成分の含有量を30.0%以下にすることで、ガラスの発光効率の低下を抑えられる。従って、B成分の含有量は、好ましくは30.0%以下、より好ましくは20.0%以下、さらに好ましくは10.0%未満、さらに好ましくは5.0%未満とする。
成分は、0%超含有する場合に、ガラスセラミックスに結晶相を析出し易くできる任意成分である。
一方で、P成分の含有量を10.0%以下にすることで、ガラスの安定性の低下を抑えられる。従って、P成分の含有量は、好ましくは10.0%、より好ましくは8.0%、さらに好ましくは5.0%を上限とする。
Nb成分、Ta成分、WO成分及びTeO成分は、少なくとも1種を0%超含有する場合に、ガラス原料の融点を下げられ、且つガラスの安定性を向上できる任意成分である。
一方で、Nb成分、Ta成分、WO成分及びTeO成分の各々の含有量を10.0%以下にすることで、ガラスの安定性の低下を抑えられる。従って、これらの成分の含有量は、好ましくは10.0%、より好ましくは8.0%、さらに好ましくは5.0%を上限とする。
Sb成分は、0%超含有する場合に、溶融ガラスを脱泡できる任意成分である。また、特に発光中心としてCeO成分を含有する場合には、還元剤として作用することで、CeO成分のうち蛍光に寄与するCe3+の割合を増加できる一方で、蛍光に寄与しないCe4+の割合を低減できる。
一方で、Sb量が多すぎると、励起光のエネルギーがSbイオンに吸収され、発光効率が低下する。従って、Sb成分の含有量は、好ましくは1.0%、より好ましくは0.7%、さらに好ましくは0.5%を上限とする。
<含有すべきでない成分について>
次に、本発明のガラスセラミックスに含有すべきでない成分、及び含有することが好ましくない成分について説明する。
本発明のガラスセラミックスには、他の成分をガラスセラミックスの特性を損なわない範囲で必要に応じ、添加することができる。
但し、Th、Cd、Tl、Os、Be、Se、Hgの各成分は、近年有害な化学物資として使用を控える傾向にあり、ガラスセラミックスの製造工程のみならず、加工工程、及び製品化後の処分に至るまで環境対策上の措置が必要とされる。従って、環境上の影響を重視する場合には、不可避な混入を除き、これらを実質的に含有しないことが好ましい。これにより、ガラスセラミックスに環境を汚染する物質が実質的に含まれなくなる。そのため、特別な環境対策上の措置を講じなくとも、このガラスセラミックスを製造し、加工し、及び廃棄することができる。
[製造方法]
本発明のガラスセラミックスは、例えば以下のように作製される。すなわち、各出発原料を所定の比に秤量して均一に混合し、作製したガラス原料を白金坩堝、石英坩堝又はアルミナ坩堝に投入して1250〜1600℃で1〜20時間溶融した後、溶融ガラスを金型にキャストして原ガラスを得る。次いで、その原ガラスをガラス転移温度より10〜500℃高い温度で1〜24時間にわたり熱処理し、結晶相を析出させてガラスセラミックスを得る。
ここで、ガラス原料にはAlF+GaFを、原料組成のモル%で0%超20.0%以下含有させることが好ましい。これにより、フッ素の揮発が抑えられ、ガラスの安定性が向上するため、所望の結晶相をより析出しやくできる。従って、ガラス原料に含まれるAlF及びGaFの合計量は、原料組成のモル%で、好ましくは0%超、より好ましくは1.0%超、さらに好ましくは2.0%超とする。また、ガラス原料に含まれるAlF及びGaFの合計量は、原料組成のモル%で、好ましくは20.0%、より好ましくは15.0%、さらに好ましくは10.0%、さらに好ましくは8.0%を上限とする。
[物性]
本発明のガラスセラミックスは、A12:αβ+F結晶相(AはY、Gd、Tb、Dy、Yb、Luの中から選ばれる1種以上とし、BはAl又は/及びGaとし、αとβの組合せはEu3+、Eu2+、Ce3+、Mn4+、Mn2+、Sn2+、Cu2+、Bi3+、Pb2+、Cr3+の中から選ばれる1種以上とする。)が析出されている。これにより、各発光中心に応じた波長において、強い発光ピークが現れるため、所望の波長範囲に発光ピークがより強く現れる、蛍光性のガラスセラミックスを得ることができる。
ここで、例えば発光中心としてCeO成分を含有する場合、結晶相としてA12:Ce3+F結晶相が析出することで、波長500〜600nmの範囲、特に波長500〜540nmの範囲における発光ピークの強度をより強くできる。
また、本発明のガラスセラミックスは、ガラスセラミックスの全体に対する、結晶相を示す粒子の存在比率である結晶化率が、体積比で1.0%以上95.0%以下であることが好ましい。結晶化率が1.0%以上であることにより、ガラスセラミックスが良好な蛍光特性を有することができる。一方で、結晶化率が95.0%以下であることにより、ガラスセラミックスが良好な機械的な強度を得ることができる。従って、ガラスセラミックスの結晶化率は、好ましくは1.0%、より好ましくは5.0%、最も好ましくは10.0%を下限とする。また、ガラスセラミックスの結晶化率は、好ましくは95.0%、より好ましくは90.0%、最も好ましくは85.0%を上限とする。
本発明のガラスセラミックスは、特定の波長の光を入射させたときに、所望の波長範囲に発光ピークを有する蛍光を発する。入射光(励起光)の波長は、可視光又は紫外光の領域にある波長であり、具体的には220nm〜500nmの範囲の波長である。一方で、蛍光の発光ピークの波長は、主に可視光の領域にある波長であり、具体的には410nm〜700nmの範囲の波長である。
特に発光中心としてCe3+を用いる場合、波長460nmの光を入射させたときに、波長500〜600nmの範囲、より好ましくは波長510〜540nmの範囲に発光ピークを有することが好ましい。これにより、青色光の励起によって黄色や緑色の蛍光を発するため、LED素子と蛍光体から出る二つの光が混色された光、例えば白色光の光源を実現できる。
本発明のガラスセラミックスは、発光中心を固溶した結晶が析出することで、上述のように励起光によって効率的に発光できる。また、本発明のガラスセラミックスでは、ガラスの安定性が高められることで、結晶相の種類や結晶化率をコントロールし易くできる。また、本発明のガラスセラミックスは、ガラス相を有することで、耐久性や耐候性を高められ、且つ、特殊な雰囲気等を必要とせずに製造できる利点を有する。これらの利点により、本発明のガラスセラミックスは、発光素子等の光源用途をはじめとした、様々な光学テバイスへの応用が可能である。
本発明の実施例(No.1〜No.6)及び比較例(No.1)のガラスセラミックス成形体の組成、析出結晶相の種類、発光ピークの波長及び発光強度を表1に示す。なお、以下の実施例はあくまで例示の目的であり、これらの実施例にのみ限定されるものではない。
各実施例及び比較例について、各成分の原料として純度99.99%以上の酸化物及び弗化物からなる原料を選定し、表に示した組成の割合になるように秤量して均一に混合してガラス原料を作製した後、白金坩堝に投入し、ガラス組成の熔融難易度に応じて電気炉で1500〜1600℃で1〜20時間溶融した後、予め温めた金型に鋳込み徐冷して原ガラスを作製した。得られた原ガラスについて、1300〜1400℃の結晶化温度で24時間保持して結晶化を行うことで、ガラスセラミックスを得た。得られたガラスセラミックスについて、30mm×20mm×2mmのサイズになるように両面を研磨し、諸物性を測定した。
実施例及び比較例のガラスセラミックスの析出結晶相の種類は、X線回折装置(フィリップス社製、商品名:X’Pert−MPD)で同定した。
実施例及び比較例のガラスセラミックスの発光ピークの波長と発光強度は、分光蛍光光度計(日本分光社製FP−750)を用いて、波長460nmの光を入射させたときの発光スペクトルを測定することにより求めた。発光強度は、比較例1のガラスセラミックスの発光強度を100としたときの相対値で表している。
Figure 2014221705
表1に表されるように、実施例のガラスセラミックスの結晶相として、Y(Al,Ga)12:Ce3+F結晶やYAl12:Ce3+F結晶等の、一般式A12:αβ+Fで表されるYAG系の結晶が析出していた。このことは、図1に示した実施例(No.6)のガラスセラミックスのXRDパターンにおいて、入射角2θ=33°付近をはじめ、「○」で表される入射角(2θ)にピークが生じていることからも明らかである。
一方、比較例(No.1)のガラスセラミックス体の結晶相としては、これらのYAG系の結晶は含まれていなかった。このことは、図1に示した比較例のガラスセラミックスのXRDパターンにおいて、上述の「○」とは一部異なる「×」で表される入射角(2θ)に、実施例(No.6)とは異なる強度の割合でピークが生じていることからも明らかである。
このため、本発明の実施例のガラスセラミックスは、比較例のガラスセラミックスとは異なり、励起光によって高い蛍光特性を有することが推察される。
実施例のガラスセラミックスは、波長460nmの光を入射させたときの発光ピークが500〜600nmの範囲内、より具体的には500〜540nmの範囲内に現れた。
また、実施例のガラスセラミックスは、比較例(No.1)の2.4倍以上の発光強度を有する。
すなわち、青色光の励起によって黄色や緑色の強い蛍光を発するため、LED素子と蛍光体から出る二つの光が混色された光、例えば白色光の光源を実現できることが推察される。
従って、本発明の実施例のガラスセラミックスでは、紫外光又は可視光による励起によって、所望の波長範囲に発光ピークがより強く現れることが確認された。これは、一般式A12:αβ+Fで表されるYAG系の結晶が析出しているためであると推察される。
以上、本発明を例示の目的で詳細に説明したが、本実施例はあくまで例示の目的のみであって、本発明の思想及び範囲を逸脱することなく多くの改変を当業者により成し得ることが理解されよう。

Claims (4)

  1. 12:αβ+F結晶(AはY、Gd、Tb、Dy、Yb、Luの中から選ばれる1種以上とし、BはAl又は/及びGaとし、αとβの組合せはEu3+、Eu2+、Ce3+、Mn4+、Mn2+、Sn2+、Cu2+、Bi3+、Pb2+、Cr3+の中から選ばれる1種以上とする。)を含有するガラスセラミックス。
  2. 波長460nmの光を入射させたときに500〜600nmの範囲に発光ピークを有する請求項1記載のガラスセラミックス。
  3. 酸化物基準のモル%で、
    Al+Gaを20〜50%、
    Ln(LnはY、Gd、Tb、Dy、Yb、Luの中から選ばれる少なくとも1種以上を示す)を10〜50%、
    Eu+CeO+MnO+SnO+CuO+Bi+PbO+Crを0.1〜10%
    含有し、
    酸化物基準の全モル数に対する外割りのモル%で、F成分を0%超含有する請求項1又は2記載のガラスセラミックス。
  4. 酸化物基準のモル%で、SiO成分+GeO成分を20.0〜60.0%含有する請求項1から3のいずれか記載のガラスセラミックス。
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