JP2014219218A - 電気泳動用ゲルホルダおよび電気泳動方法 - Google Patents
電気泳動用ゲルホルダおよび電気泳動方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2014219218A JP2014219218A JP2013096550A JP2013096550A JP2014219218A JP 2014219218 A JP2014219218 A JP 2014219218A JP 2013096550 A JP2013096550 A JP 2013096550A JP 2013096550 A JP2013096550 A JP 2013096550A JP 2014219218 A JP2014219218 A JP 2014219218A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- electrophoresis
- gel
- liquid
- sealing material
- holder
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Classifications
-
- G—PHYSICS
- G01—MEASURING; TESTING
- G01N—INVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
- G01N21/00—Investigating or analysing materials by the use of optical means, i.e. using sub-millimetre waves, infrared, visible or ultraviolet light
- G01N21/62—Systems in which the material investigated is excited whereby it emits light or causes a change in wavelength of the incident light
- G01N21/63—Systems in which the material investigated is excited whereby it emits light or causes a change in wavelength of the incident light optically excited
- G01N21/64—Fluorescence; Phosphorescence
-
- G—PHYSICS
- G01—MEASURING; TESTING
- G01N—INVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
- G01N27/00—Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means
- G01N27/26—Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means by investigating electrochemical variables; by using electrolysis or electrophoresis
Landscapes
- Health & Medical Sciences (AREA)
- Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Biochemistry (AREA)
- Physics & Mathematics (AREA)
- Analytical Chemistry (AREA)
- General Health & Medical Sciences (AREA)
- General Physics & Mathematics (AREA)
- Immunology (AREA)
- Pathology (AREA)
- Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
- Molecular Biology (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- Electrochemistry (AREA)
- Investigating, Analyzing Materials By Fluorescence Or Luminescence (AREA)
Abstract
【課題】複数の液体投入部にそれぞれ投入した電気泳動用の液体が混じり合うことを抑制することのできる電気泳動用ゲルホルダおよび電気泳動方法を提供する。【解決手段】電気泳動用ゲルホルダGHは、カセット150およびホルダ本体100を備える。カセット150は、ゲル152を挟持する、光透過性の透明プレート154および透明プレート156を備える。ホルダ本体100は、カセット150が嵌め込まれる凹部110を備える。凹部110は、中央部111と、枠部116、118と、液体投入部112、114を備える。液体投入部112、114内には、それぞれ電極120、122が設けられる。シーリング材300は、枠部116、118介した液体投入部112と液体投入部114の間の液体の進行を阻止する。【選択図】図3
Description
本発明は、電気泳動用ゲルホルダおよび電気泳動方法に関する。
従来、例えば、下記の特許文献に記載されている各種の電気泳動技術が知られている。電気泳動を用いてたんぱく質やDNAの解析を行う技術が公知であり、泳動後のサンプルパターンを撮像する技術や、たんぱく質に関連する分析試薬等についての各種技術が開示されている。
Yoshinori Hatakeyama, Keiichi Hamano and Hidetoshi Iwano, (2008), An Ultimate Method for Detection of Infected Pathogenic Microoganism from Silkworm using HDGP, Journal of Insect Biotechnology and Sericology 77, 1-7
DNA(デオキシリボ核酸)の解析に、電気泳動が用いられている。その工程を説明すると、ゲルの入ったカセットを用意し、このカセットを電気泳動用のゲルホルダにセットしてDNAサンプルをゲルに分注する。その後、このゲルを泳動液に浸して直流電圧を印加することで電気泳動を行うというものである。電気泳動を受けたDNAサンプルは、ゲル上の各位置に分離し、これを観察することでDNAの解析が行われる。
このゲルホルダには、プラス極側の液体投入部とマイナス極側の液体投入部とが設けられている。それぞれの液体投入部にはゲルの端面が露出しており、それぞれの液体投入部に泳動液を入れることでゲルの端面を泳動液に浸すことができる。
ところで、カセットを脱着可能な凹部を備えるゲルホルダでは、カセットを装着したとしてもカセットの面とゲルホルダの凹部との間に微小な隙間が生じうる。この場合、プラス極とマイナス極のそれぞれの液体投入部に液体(具体的には、泳動液)を投入した後、この微小な隙間を縫って両極の液体が混ざり合ってしまうことがある。
プラス極とマイナス極に同じ液体を入れた場合等、上記の隙間を縫った液体の混ざり合いを許容できる場合はよい。しかしながら、プラス極とマイナス極に異なる液体を入れた場合には、両極の液体が混じり合うのを避けたい場合もある。
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、複数の液体投入部にそれぞれ投入した電気泳動用の液体が混じり合うことを抑制することのできる電気泳動用ゲルホルダおよび電気泳動方法を提供することを目的とする。
本発明にかかる電気泳動用ゲルホルダは、上記の目的を達成するため、
光透過性の第1平面体と前記第1平面体とともにゲルを挟持する第2平面体とを備えたカセットと、前記カセットが嵌め込まれる凹部を備えたホルダ本体と、を備え、
前記凹部は、前記ゲルが位置すべき中央部と、平面視で前記中央部の隣に設けられ前記カセットの少なくとも一部を囲う枠部と、平面視で前記枠部および前記中央部を挟むように前記中央部から互いに反対方向に延びる第1液体投入部および第2液体投入部と、を備え、
前記第1液体投入部内に設けた第1電極および前記第2液体投入部内に設けた第2電極と、
前記第1液体投入部と前記第2液体投入部との間の液体の進行を阻止するためのシーリング材と、
をさらに備えることを特徴とする。
光透過性の第1平面体と前記第1平面体とともにゲルを挟持する第2平面体とを備えたカセットと、前記カセットが嵌め込まれる凹部を備えたホルダ本体と、を備え、
前記凹部は、前記ゲルが位置すべき中央部と、平面視で前記中央部の隣に設けられ前記カセットの少なくとも一部を囲う枠部と、平面視で前記枠部および前記中央部を挟むように前記中央部から互いに反対方向に延びる第1液体投入部および第2液体投入部と、を備え、
前記第1液体投入部内に設けた第1電極および前記第2液体投入部内に設けた第2電極と、
前記第1液体投入部と前記第2液体投入部との間の液体の進行を阻止するためのシーリング材と、
をさらに備えることを特徴とする。
上記本発明にかかる電気泳動用ゲルホルダにおいて、前記枠部の側面を前記シーリング材が覆ってもよい。
上記本発明にかかる電気泳動用ゲルホルダにおいて、前記凹部における前記中央部の底面にも前記シーリング材が備えられていてもよい。
上記本発明にかかる電気泳動用ゲルホルダにおいて、前記シーリング材は電気絶縁性、撥水性および熱伝導性を備える材料からなるものであってもよく、前記シーリング材はシリコーンゴムであってもよい。
上記本発明にかかる電気泳動用ゲルホルダにおいて、
前記シーリング材が、さらに前記中央部の底面全域を覆うように設けられ、
前記中央部の底面全域を覆うシーリング材は、非透明であってもよい。
前記シーリング材が、さらに前記中央部の底面全域を覆うように設けられ、
前記中央部の底面全域を覆うシーリング材は、非透明であってもよい。
本発明にかかる電気泳動方法は、上記の目的を達成するため、
DNAを分注したゲルの第1端面に浸す液体を入れる第1液体投入部と前記ゲルの第2端面に浸す液体を入れる第2液体投入部との間をシーリング材で封止した状態で、前記第1端面を泳動液および荷電した染色液を含む混合液に浸しかつ前記第2端面を少なくとも泳動液に浸した準備状態とする準備工程と、
前記荷電した染色液が前記第1端面側から前記第2端面側に向かって進むように前記準備状態において直流電圧をかけて電気泳動を行う電気泳動工程と、
を備えることを特徴とする。
DNAを分注したゲルの第1端面に浸す液体を入れる第1液体投入部と前記ゲルの第2端面に浸す液体を入れる第2液体投入部との間をシーリング材で封止した状態で、前記第1端面を泳動液および荷電した染色液を含む混合液に浸しかつ前記第2端面を少なくとも泳動液に浸した準備状態とする準備工程と、
前記荷電した染色液が前記第1端面側から前記第2端面側に向かって進むように前記準備状態において直流電圧をかけて電気泳動を行う電気泳動工程と、
を備えることを特徴とする。
上記本発明にかかる電気泳動方法において、前記シーリング材は電気絶縁性、撥水性および熱伝導性を備える材料からなるものでもよく、前記シーリング材はシリコーンゴムであってもよい。
上記本発明にかかる電気泳動方法において、
前記シーリング材は、前記ゲルの裏面側を介した前記第1液体投入部と前記第2液体投入部との間の液体の進行を阻止するように前記ゲルの裏面側にも設けられ、
前記電気泳動中に前記ゲルに温度勾配を与えてもよい。
前記シーリング材は、前記ゲルの裏面側を介した前記第1液体投入部と前記第2液体投入部との間の液体の進行を阻止するように前記ゲルの裏面側にも設けられ、
前記電気泳動中に前記ゲルに温度勾配を与えてもよい。
上記本発明にかかる電気泳動方法において、
前記電気泳動工程の後、前記カセットで前記ゲルを挟んだまま、前記カセット上から前記ゲルに励起光を当て、前記ゲルをカメラで撮像し、
前記カセットのうち前記カメラで撮像しない側の面を非透明にしてもよい。
前記電気泳動工程の後、前記カセットで前記ゲルを挟んだまま、前記カセット上から前記ゲルに励起光を当て、前記ゲルをカメラで撮像し、
前記カセットのうち前記カメラで撮像しない側の面を非透明にしてもよい。
上記本発明にかかる電気泳動方法において、
前記シーリング材が非透明であり、
前記カセットのうちカメラで撮像しない側の面に前記シーリング材を設けることで前記カメラで撮像しない側の面を非透明にしてもよい。
前記シーリング材が非透明であり、
前記カセットのうちカメラで撮像しない側の面に前記シーリング材を設けることで前記カメラで撮像しない側の面を非透明にしてもよい。
本発明にかかる電気泳動方法によれば、複数の液体投入部にそれぞれ投入した電気泳動用の液体が混じり合うことを抑制することができる。
実施の形態の装置の構成.
(電気泳動装置の構成)
図1は、本発明の実施の形態にかかる電気泳動用ゲルホルダGHを用いる電気泳動装置10の構成を説明するための図である。図1に示すように、電気泳動装置10は、温度勾配槽12と、分注器14と、ホルダ保管庫16と、撮影部18と、PCR(Polymerase Chain Reaction;ポリメラーゼ連鎖反応)装置20と、チップラック22と、チップ廃棄ボックス24と、直流電源装置26と、制御部30と、アーム32と、液体供給装置34とを備えている。
(電気泳動装置の構成)
図1は、本発明の実施の形態にかかる電気泳動用ゲルホルダGHを用いる電気泳動装置10の構成を説明するための図である。図1に示すように、電気泳動装置10は、温度勾配槽12と、分注器14と、ホルダ保管庫16と、撮影部18と、PCR(Polymerase Chain Reaction;ポリメラーゼ連鎖反応)装置20と、チップラック22と、チップ廃棄ボックス24と、直流電源装置26と、制御部30と、アーム32と、液体供給装置34とを備えている。
温度勾配槽12上には、電気泳動用ゲルホルダGH(以下、単に「ホルダ本体100」とも称す)が載せられている。ホルダ本体100には、光透過性のカセット150が脱着可能に取り付けられる。温度勾配槽12は、ホルダ本体100の底面106に接している。温度勾配槽12は、底面106の平面方向に温度勾配を与えることができる。これにより、温度勾配電気泳動を行うことができる。
分注器14は、DNAサンプル204をゲル152に分注するための装置である。分注器14はアーム32と機械的および電気的に接続しており、アーム32を介して、分注器14の移動、および注入、吐出を行うことができる。
ホルダ保管庫16は、ホルダ本体100を複数個収納している。ホルダ保管庫16は、搬送装置16aを備えている。搬送装置16aは、ホルダ保管庫16に収納された複数個のホルダ本体100を、順次、温度勾配槽12の中央位置に送り出すことができる。
搬送装置16aの詳細な構成、例えばアクチュエータの構造等については、すでに公知の各種搬送装置を適宜に利用すればよい。たとえばホルダ側面を保持するレールや、モータ駆動によるコンベヤなどによる搬送装置を用いればよいので、搬送装置16aの詳細な説明は省略する。
搬送装置16aの詳細な構成、例えばアクチュエータの構造等については、すでに公知の各種搬送装置を適宜に利用すればよい。たとえばホルダ側面を保持するレールや、モータ駆動によるコンベヤなどによる搬送装置を用いればよいので、搬送装置16aの詳細な説明は省略する。
撮影部18は、ホルダ本体100を上から見下ろすようにホルダ本体100上部に配置されている。撮影部18は、励起光源18aおよびカメラ18bを備えている。励起光源18aは、カセット150を透過して染色後のDNAに励起光を照射するための光源である。カメラ18bは、カセット150を透過して撮像可能である。
なお、撮影部18は、必要に応じてホルダ本体100を見下ろせる位置に配置できればよい。例えば、必要に応じてホルダ本体100を撮影部18の下部に配置できるように、ホルダ本体100が温度勾配槽12の上を移動可能に構成されていてもよい。または、撮影部18がレールなどで移動可能に構成され、必要に応じてホルダ本体100の上側に位置できるようにしてもよい。
チップラック22は、分注器14に装着して使用するチップと呼ばれる部品を複数個収納している。試薬ラック23は、電気泳動を行う際に使用する試薬を設置するものである。試薬は、ローディングバッファと呼ばれるものである。DNAサンプル204とこの試薬とを混合して、ゲル152に分注する。このようにすることで、ゲル152にDNAサンプル204を分注したときに、DNAサンプル204が拡散しないように安定させることができる。チップ廃棄ボックス24は、使用済みのチップを収納する保管庫である。
直流電源装置26は、電気泳動のための直流電圧を出力する装置である。直流電源装置26は、一対の出力端子26a、26bを備えている。出力端子26a、26bは、ホルダ本体100が温度勾配槽12上に送り出されたときに、ちょうどこのホルダ本体100の電極端子121、123に接続する。
液体供給装置34は、その内部に、泳動液タンク、染色液タンク、それらを混合する混合器、およびポンプを備えている。液体供給装置34によれば、管路36aおよび36bを介して、ホルダ本体100の所定位置に泳動液および染色液を供給することができる。
制御部30は、ホルダ保管庫16の搬送装置16aを制御可能である。制御部30は、搬送装置16aを制御することでホルダ本体100を順次送り出すことができる。
制御部30は、アーム32に接続している。制御部30は、アーム32を介して分注器14を制御して吸取動作、撹拌動作、配置動作、および吐出動作を実行することができる。吸取動作とは、分注器14がチップラック22内のチップを装着し、PCR装置20からDNAサンプル204を吸い取る動作である。撹拌動作とは、PCR装置20から吸引したDNAサンプル204を試薬ラック23にある試薬と混合するように吸引と吐出を繰り返す動作である。配置動作とは、撹拌動作のための試薬ラック23の所定位置や温度勾配槽12上のホルダ本体100における所定位置に分注器14を移動させる動作である。吐出動作とは、分注器14に装着したチップ内にある試薬と混合されたDNAサンプル204を、ホルダ本体100における所定位置において分注器14に吐き出させる動作である。
制御部30は、液体供給装置34と接続している。液体供給装置34を制御することで、所定のタイミングで、管路36aおよび36bを介してホルダ本体100の所定位置に泳動液および混合液を供給する。
制御部30は、温度勾配槽12と、撮影部18の励起光源18aおよびカメラ18bと、直流電源装置26とに接続している。これにより、制御部30は、所定の温度勾配をホルダ本体100に与えつつ、直流電源装置26からの所定直流電圧を印加して温度勾配電気泳動を、所定時間行うことができる。所定時間の電気泳動後、制御部30は、カセット150上から励起光を当てゲル152をカメラ18bで撮像する。
(電気泳動用ゲルホルダの構成)
図2〜5は、本発明の実施の形態にかかる電気泳動用ゲルホルダGHの構成を説明するための図である。図2は本発明の実施の形態にかかるホルダ本体100およびカセット150の構成を説明するための斜視図であり、図3はその分解斜視図である。
図2〜5は、本発明の実施の形態にかかる電気泳動用ゲルホルダGHの構成を説明するための図である。図2は本発明の実施の形態にかかるホルダ本体100およびカセット150の構成を説明するための斜視図であり、図3はその分解斜視図である。
カセット150は、一対の透明プレート154、156からなる。透明プレート154、156は、ガラスまたは光透過性樹脂で形成されており、これらの間に挟んだゲル152に熱を伝えることができる。透明プレート154、156は平面視で長方形の形状を備えており、長手方向に寸法LAを有し、短手方向に寸法LBを有している。LAは例えば5cm程度であり、LBはLAよりも短い。
一対の透明プレート154、156は、ゲル152を挟み込んでいる。ゲル152の厚さは1mm程度である。また、ゲル152の平面方向寸法は、長手方向がWgであり、短手方向はカセット150と同じくLBである。上側に位置する透明プレート154には、貫通溝154aが設けられている。貫通溝154aからゲル152の一部が露出している。
なお、本実施の形態ではWgがLAより小さいが、本発明はこれに限られるものではない。WgをLAと一致させてもよく、すなわち平面視でカセット150とゲル152を同じ寸法としても良い。
なお、本実施の形態ではWgがLAより小さいが、本発明はこれに限られるものではない。WgをLAと一致させてもよく、すなわち平面視でカセット150とゲル152を同じ寸法としても良い。
ホルダ本体100は、上面104及び底面106を備える。ホルダ本体100は、ガラスまたは光透過性樹脂で形成されており、底面106に受けた熱をカセット150に伝えられる熱伝導性を有する。
ホルダ本体100の上面104には、凹部110が設けられている。凹部110は、全体として十字型の輪郭を有するくぼみである。凹部110の深さは、ゲル152をセットしたときのカセット150の厚みDcと同じである。図5を用いて後述するように、凹部110は液体投入部112、114を備えている。この液体投入部112、114の幅寸法W1は、ゲル152の長手方向寸法Wgを超える大きさである。その結果、図2に示すように、ゲル152の両端が寸法Gだけ枠部116、118の内側にそれぞれ張り出すことになる。
なお、図面は模式図であり、ゲル152およびカセット150の厚さ並びに凹部110の深さは実際には数mmレベルである。ホルダ本体100の平面方向の寸法に比べて、凹部110の深さ寸法は十分に小さい。
以下、図4および図5を用いて、ホルダ本体100とシーリング材300それぞれの詳細な構造を説明する。図4は、本発明の実施の形態にかかるホルダ本体100の構成を説明するための平面図である。図5は、図4に示すホルダ本体100からシーリング材300を分解した様子を示す斜視図である。
先ず、図5に明示するとおり、平面視で十字の形を備える凹部110は、中央部111と、枠部116,118と、液体投入部112および液体投入部114に区分される。枠部116,118は、平面視で中央部111の隣に設けられ、カセット150の一部を囲うコの字状の部位である。液体投入部112および液体投入部114は、平面視で枠部116、118および中央部111を挟むように中央部111から互いに反対方向に延びている。
すなわち、図5において破線で囲ったように、凹部110は、十字型の輪郭の中央に位置する中央部111を備えている。液体投入部112、114と枠部116、118は、中央部111を中心にして、平面視で互いに交差して位置する。
枠部116、118は、カセット150の両脇部分と同じ外形を有する部分であり、カセット150をはめ込むことができる。液体投入部112、114は、枠部116、118から外側に突き出た部位であり、凹部110にカセット150を嵌め込んだときに、液体を入れるためのスペースを形成する。液体投入部112、114からゲル152の端部152a、152bが露出するので、液体投入部112、114に液体を投入することで、この液体に端部152a、152bを浸すことができる。
図4の平面図に示すように、凹部110には、互いに電気的に絶縁された電極120、122が設けられている。電極120は液体投入部112内に設けられ、電極122は液体投入部114内に設けられている。電極120、122は、カセット150がセットされたときに液体投入部112、114内にそれぞれ露出する。電極120、122は電極端子121、123と接続しており、電極端子121、123は直流電源装置26に接続している。
図5に示すように、電気泳動用ゲルホルダGHは、凹部110の枠部116、118および凹部110に貼り付けるべきシーリング材300を備えている。シーリング材300は、第1側面シーリング材302、第2側面シーリング材304、および底面シーリング材306からなる。シーリング材300は、本実施の形態では、ゴム製、より好ましくは
シリコーンゴム製とする。シート状のシリコーンゴムを所定サイズに切断して、凹部110の側面及び底面の所定位置にそれぞれ貼り付ければよい。
シリコーンゴム製とする。シート状のシリコーンゴムを所定サイズに切断して、凹部110の側面及び底面の所定位置にそれぞれ貼り付ければよい。
第1側面シーリング材302は、枠部116内の側面に取り付けられている。第2側面シーリング材304は、枠部118内の側面に取り付けられている。これにより、枠部116、118を介した液体投入部112と液体投入部114との間における液体の進行を阻止することができる。
シーリング材300の貼り付け前のホルダ本体100では、枠部116の内側の側面116a、116b、116cと、枠部118の内側の側面118a、118b、118cが露出している。側面116bおよび側面118bは、カセット150の長手方向の両端面をそれぞれ挟みこむ面である。側面116a、116cおよび側面118a、118bは、側面116b、118bとそれぞれ垂直を成して繋がる面であり、カセット150の長手方向両端部分をそれぞれ挟み込むことができる。
図5から分かるように、第1側面シーリング材302は、側面116aに貼り付けるべき側壁部302aと、側面116bに貼り付けるべき側壁部302bと、側面116cに貼り付けるべき側壁部302cを備えている。第2側面シーリング材304も、側面118aに貼り付けるべき側壁部304aと、側面118bに貼り付けるべき側壁部304bと、側面118cに貼り付けるべき側壁部304cを備えている。これにより、枠部116、118の側面の全てを、確実に、液体の進行を阻止するようにシーリングすることができる。
従って、ゲルホルダGHによれば、液体投入部112と液体投入部114とにそれぞれ液体を投入しても、シーリング材300(具体的には、第1側面シーリング材302および第2側面シーリング材304)が、枠部116、118の内面を伝って液体が流れるのを阻止することができる。従って、液体投入部112と液体投入部114との間で液体が混ざり合うことを確実に抑制することができる。
さらに、本実施の形態では、底面シーリング材306が、凹部110における中央部111の底面および枠部116、118の底面の全域を覆っている。従って、透明プレート156と凹部110との間でシーリングを確保し、液体投入部112と液体投入部114との間で液体が混ざり合うことを確実に抑制することができる。
以上説明したように、凹部110の側面および底面を介した液体投入部112と液体投入部114との間の液体の進行を確実に阻止することができる。
シーリング材300は、電気絶縁性、撥水性および熱伝導性を備える材料からなる。この電気絶縁性は、電気泳動に影響を与えない程度のものである。撥水性は、電気泳動に用いられる泳動液やDNAサンプルの染色に用いられる染色液をはじく程度のものである。熱伝導性は、温度勾配槽12からの熱分布をゲル152へと伝達して、温度勾配電気泳動を行うことができる程度の熱伝導率を有することである。本実施の形態ではシーリング材300をシリコーンゴムとしているので、上記の3つの性質を全て十分に兼ね備えることができる。
本実施の形態にかかるゲルホルダGHでは、中央部111の底面全域を覆う底面シーリング材306が設けられている。底面シーリング材306は、黒色であり、非透明である。これにより、ゲルホルダGHにカセット150をセットした状態でも、カメラ18bによる撮像、観察を行うときに、反射光などの外乱光を抑制することができる。
このため、観察の際に電気泳動の結果が分かりやすくなり、電気泳動の結果を画像解析するうえで精度の向上等が見込める。特に、底面シーリング材306を黒色とすることで、蛍光や発光が際立ち、バックグラウンドとしても扱いやすいという利点がある。ただし、本発明は必ずしもこれに限られるものではない。底面シーリング材306は、必ずしも黒色でなくともよく、白色や、他の色であってもよい。
(液体混合の課題の説明)
図8は、複数の液体投入部にそれぞれ投入した電気泳動用の液体が混じり合う問題を説明するための図である。図8は、シーリング材300を備えない状態のホルダ本体100に対して、カセット150をはめ込んだときの図を示す。
図8は、複数の液体投入部にそれぞれ投入した電気泳動用の液体が混じり合う問題を説明するための図である。図8は、シーリング材300を備えない状態のホルダ本体100に対して、カセット150をはめ込んだときの図を示す。
図8において、実線矢印F1、F2は、「枠部116、118の側面」と「ゲル152およびカセット150の端面」との間に生ずる隙間を縫った液体の経路を模式的に示している。図8の破線矢印F3は、カセット150の裏面と凹部110の中央部111との間の隙間を縫った液体の経路を模式的に示している。
この実線矢印F1、F2および破線矢印F3に示す進路を、シーリング材300が阻止することができる。
実施の形態の電気泳動用ゲルホルダの使用方法および電気泳動方法.
(電気泳動用ゲルホルダの使用方法)
図6は、本発明の実施の形態にかかる電気泳動用ゲルホルダの使用方法を説明するための図である。図6(a)は電気泳動を行う前、図6(b)は電気泳動を行った後に、それぞれゲルホルダGHおよびカセット150を見下ろしたものである。
(電気泳動用ゲルホルダの使用方法)
図6は、本発明の実施の形態にかかる電気泳動用ゲルホルダの使用方法を説明するための図である。図6(a)は電気泳動を行う前、図6(b)は電気泳動を行った後に、それぞれゲルホルダGHおよびカセット150を見下ろしたものである。
ゲル152を挟み込んだカセット150が、ホルダ本体100に装着されている。
電気泳動を行う際には、液体投入部112に泳動液200を投入し、液体投入部114に混合液202を投入する。混合液202は、泳動液200に染色液を加えたものである。
ここで、本実施の形態にかかるゲルホルダGHでは、ホルダ本体100がその凹部110にシーリング材300を備えている。シーリング材300が液体投入部112、114から枠部116、118への液体の進行を阻止することで、液体投入部112と液体投入部114との間で液体が混ざり合うことを確実に抑制することができる。
電極端子121および電極端子123を直流電源装置26に接続し、電極120にプラス電位を与え、電極122にマイナス電位を与える。そうすると、電極120、122間に直流電圧が印加され、泳動液200、混合液202に電流が流れ、DNAサンプル204の電気泳動が行われる。
染色液と泳動液は、電気泳動を開始する前に混合しておく。染色液は、荷電した染色液を用いる。このような状態で電気泳動を行えば、泳動液とともに染色液も電気泳動の原理でゲル152内を浸透していく。その結果、DNAサンプル204に対する電気泳動および染色を一括して行うことができる。
しかも、本実施の形態によれば、シーリング材300によって、混合液202が液体投入部114内から漏れ出すことなく貯留される。従って、泳動液200中の荷電した染色液を確実にゲル152内を通して電気泳動させることができる。このため、染色液が無駄に液体投入部112側に流れることで染色効果が低下することを抑制することができる。
DNAはマイナスに荷電しているので、染色液はプラスに荷電したものを用いることが好ましい。このようにすることで、電気泳動時におけるDNAと染色液の移動方向が反対になり、DNAと染色液とが結合してDNAの染色が確実に行われる。
具体的には、SYBR(登録商標)のシリーズであるSYBR Green I、SYBR Green II、SYBR Gold、SYBR SafeのうちいずれかのDNA染色色素を用いてもよい。また、YO(Oxazole Yellow)、TO(Thiazole Orange)、PG(Pico(登録商標)Green)のいずれかを用いても良い。
特に、本実施の形態では、温度勾配槽12を制御することで、ゲル152の面内に温度勾配を生じさせる。これにより、温度勾配電気泳動を行う。所定時間の温度勾配電気泳動を行うことで、図6(b)に示すようにDNAサンプル204が移動する。これを解析することで、DNAの解析を行うことが出来る。
しかも、本実施の形態では、シリコーンゴムからなる底面シーリング材306が十分な熱伝導性を有している。このため、温度勾配槽12からゲル152への熱伝達が妨げられず、温度勾配電気泳動を妨げない。
(電気泳動装置の動作および電気泳動方法)
図7は、本発明の実施の形態にかかる電気泳動用ゲルホルダの使用方法および電気泳動方法を説明するためのフローチャートである。
図7は、本発明の実施の形態にかかる電気泳動用ゲルホルダの使用方法および電気泳動方法を説明するためのフローチャートである。
本実施の形態にかかる電気泳動装置10は、泳動液と染色液を混合して電気泳動を行う方法に適した装置である。すなわち、制御部30が搬送装置16a、アーム32、液体供給装置34、温度勾配槽12と、撮影部18の励起光源18aおよびカメラ18b、および直流電源装置26を制御可能である。下記の説明では、制御部30が行う制御動作もあわせて説明する。制御部30は、予め下記の制御動作を実行するためのプログラムを内部のメモリに記憶している。
(ステップS1) 先ず、ゲル152が入ったカセット150を準備する。このステップでは、カセット150は、励起光およびカメラの撮像光に対して光透過性を有する。ゲル152は平面体形状である。カセット150は、端部152aおよび端部152bを露出させるようにゲル152を挟んでいる。
(ステップS2) 次に、カセット150をホルダ本体100にセットする。このホルダ本体100は複数個準備し、ホルダ保管庫16内の所定位置に収納しておく。これにより、搬送装置16aが複数のホルダ本体100を順次搬送可能となり、複数回の解析を連続的かつ自動的に行うことができるようになる。
(ステップS3) 次に、ホルダ本体100を、温度勾配槽12の中央位置に搬送する。本実施の形態にかかる電気泳動装置10では、この搬送が搬送装置16aにより自動的に行われる。
(ステップS4) 次に、DNAサンプル204を分注する。前述したように、制御部30は、アーム32を介して分注器14を制御して吸取動作、撹拌動作、配置動作、および吐出動作を実行する。吐出動作の際には、DNAサンプル204を貫通溝154aから分注することで、ゲル152の液体投入部114側の端面、つまり端部152b側にDNAサンプル204を分注する。DNAサンプル204は、端部152bの伸びる方向に沿って、端部152bと平行に、均一に分注する。
電気泳動装置10においては、ステップS3におけるDNAサンプル204の分注は、前述したとおり制御部30がアーム32に制御信号を送ることで実現される。これにより、自動的にDNAサンプル204の分注を行うことができる。
(ステップS5) 次に、泳動液および染色液をホルダ本体100に入れる。つまり、液体投入部112に混合液202を入れ、液体投入部114に泳動液200を入れる。これにより、ゲル152の端面のうち対向する2つの部分、つまり端部152aおよび端部152bを泳動液に浸す。そして、端部152aおよび端部152bの少なくとも一方側の泳動液に染色液を含ませる。本実施の形態では、液体投入部114には泳動液200のみを入れ、液体投入部112に泳動液と染色液を混合した混合液202を入れる。混合液202に、DNAを分注したゲルの端面を浸した準備状態とする。
電気泳動装置10においては、制御部30が液体供給装置34を制御することで、液体供給装置34内部のポンプにより泳動液200および混合液202が液体投入部112、114にそれぞれ所定量だけ供給される。
なお、ステップS4とステップS5の順番は逆でも良い。
(ステップS6) 次に、泳動液に直流電圧をかけて電気泳動を行うとともに、温度勾配槽12を制御することで電気泳動中にゲルに温度勾配を与える。このステップでは、電気泳動中にゲルに温度勾配を与える。端部152aおよび端部152bが浸る泳動液への電圧印加により、染色液をゲルの平面方向に流し、かつゲルの平面方向に温度勾配を与える。
電気泳動装置10においては、制御部30が温度勾配槽12および直流電源装置26を制御することで所定条件(所定温度勾配、所定印加電圧、および所定時間)での電気泳動が自動的に行われる。
電気泳動装置10においては、制御部30が温度勾配槽12および直流電源装置26を制御することで所定条件(所定温度勾配、所定印加電圧、および所定時間)での電気泳動が自動的に行われる。
(ステップS7) 電気泳動後に励起光を当て、ゲル152をカメラ18bで撮像する。このステップでは、電気泳動の後、カセット150上から励起光を当てゲル152をカメラ18bで撮像する。反射の問題を避けるために、励起光源18aの向きを調整して励起光をゲル152に斜めに照射してもよい。電気泳動装置10においては、制御部30が励起光源18aおよびカメラ18bを制御することでステップS6の動作が自動的に実現される。
本実施の形態では、シーリング材300により、カメラ18bによる撮像、観察を行うときに、反射光などの外乱光を抑制することができる。
(ステップS8) ステップS7の工程が完了すると、今回のDNA解析が終了したかどうかを判定する。今回の予定が1回の解析であれば、今回のルーチンが終了する。一方、複数回の解析を行う予定なのであれば、その予定回数の解析が終了するまで、他のホルダ本体100を用いて次回以降の解析が同様に繰り返される。
電気泳動装置10においては、手動で又は他の機械で自動的に今回のホルダ本体100を取り除いた後、搬送装置16aが新たなホルダ本体100を送り出すことでホルダ本体100の交換が行われ、ステップS3〜S6の制御動作が繰り返される。
その後、解析の回数が予定回数に達したら、今回のルーチンが終了する。
以上説明した実施の形態にかかる電気泳動方法によれば、DNAに対して電気泳動と染色を一括して行うとともに、荷電した染色液を電気泳動の駆動力でゲル内に導入することで十分な染色を行うことができる。従って、十分な染色を確保しつつ作業の困難性を減らすことができる。
また、本実施の形態によれば、本実施の形態にかかる電気泳動方法を自動化した電気泳動装置10が提供される。
上述した本実施の形態にかかる電気泳動方法によれば、ゲルが平面体で薄いので温度勾配を正確かつ簡易につけられるので、温度勾配電気泳動に適している。
薄いゲルをカセットで挟んだまま単純に染色液に浸すだけでは短時間で十分な染色をすることは困難である。しかし、本実施の形態によれば、電気泳動により駆動力を得た染色液がゲル内を浸透するので、薄い平面体のゲルであってもその平面方向に十分に染色液を染み込ませることができる。
本実施の形態によれば、カセットからゲルをはがさなくとも十分な染色が可能なので、カセットを外すことの作業困難性が無く、しかもカセットを透過して励起光を当ててカメラで撮像できる。しかも電気泳動と染色とを1つの工程で済ませられるので工程の簡素化及び迅速化が達成される。
また、本実施の形態によれば、解析の際に染色液で染色するという方法を用いているので、解析精度および解析結果の信頼性が高い。これは、電気泳動前に既に染色(ラベリング)されているDNAサンプルを用いるようなものでは解析精度等の問題があるのに対し、本実施の形態は高い優位性を持っている。
しかも、本実施の形態にかかるゲルホルダGHによれば、シーリング材300により、液体投入部112と液体投入部114との間で液体が混ざり合うことを確実に抑制することができる。
さらに、本実施の形態によれば、シーリング材300によって混合液202が液体投入部114内から漏れ出すことなく貯留する。従って、泳動液200中の荷電した染色液を確実にゲル152内を通して電気泳動させることができる。このため、染色効果を高めることができる。
さらに、本実施の形態では、シリコーンゴムからなる底面シーリング材306が十分な熱伝導性を有するので、温度勾配電気泳動を妨げない。
さらに、本実施の形態によれば、シーリング材300によって混合液202が液体投入部114内から漏れ出すことなく貯留する。従って、泳動液200中の荷電した染色液を確実にゲル152内を通して電気泳動させることができる。このため、染色効果を高めることができる。
さらに、本実施の形態では、シリコーンゴムからなる底面シーリング材306が十分な熱伝導性を有するので、温度勾配電気泳動を妨げない。
上記特徴を備えた本実施の形態にかかる電気泳動装置10および電気泳動方法は、上述した非特許文献1に記載されるような、いわゆるHDGP(Hyper Detection of infectious disease based on Genome Profiling:総合的病原微生物感染症診断手法)法にも好適である。
なお、本実施の形態にかかるゲルホルダGHでは、第1側面シーリング材302、第2側面シーリング材304、および底面シーリング材306の全てを備えるシーリング材300を用いた。しかしながら本発明はこれに限られない。枠部116、118側の液漏れ経路(図8の実線矢印F1、F2)のみを抑制したいのであれば、底面シーリング材306を設けなくとも良い。また、カセット150裏面側の液漏れ経路(図8の破線矢印F3)のみを抑制したいのであれば、第1側面シーリング材302および第2側面シーリング材304を設けなくとも良い。
また、本実施の形態では、第1側面シーリング材302が、枠部116の側面116a、116b、116cをそれぞれシーリングする側壁部302a、302b、302cを備えている。また、本実施の形態では、第2側面シーリング材304が、枠部118の側面118a、118b、118cをそれぞれシーリングする側壁部304a、304b、304cを備えている。しかしながら本発明はこれに限られるものではない。側壁部302a、302b、302cのうち少なくとも1つを備えかつ304a、304b、304cの少なくとも1つを備えればよく、例えば、側壁部302a、304aを省略したり、側壁部302b、304bを省略したり、側壁部302c、304cを省略したりしても良い。
また、本実施の形態では、底面シーリング材306により、カセット150の裏面側に非透明層、具体的には反射防止層あるいは光吸収層を設けた。しかしながら、本発明はこれに限られるものではない。中央部111を含む凹部110の底面に、底面シーリング材306以外の非透明層、反射防止層あるいは光吸収層を設けてもよい。
また、本実施の形態では、第1側面シーリング材302、第2側面シーリング材304および底面シーリング材306を全て同一のシリコーンゴム製とした。しかしながら本発明はこれに限られるものではなく、必要に応じて、部分的に異なる材料を用いても良い。例えば、底面シーリング材306には熱伝導性の高いシーリング材料を用いて、その一方で、第1側面シーリング材302および第2側面シーリング材304はこれよりも熱伝導性の低いシーリング材料で形成しても良い。
10 電気泳動装置、12 温度勾配槽、14 分注器、16 ホルダ保管庫、16a 搬送装置、18 撮影部、18a 励起光源、18b カメラ、20 PCR装置、22 チップラック、23 試薬ラック、24 チップ廃棄ボックス、26 直流電源装置、26a 出力端子、30 制御部、32 アーム、34 液体供給装置、36a、36b 管路、100 ホルダ本体、104 上面、106 底面、110 凹部、111 中央部、112、114 液体投入部、116、118 枠部、116a、116b、116c 側面、118a、118b、118c 側面、120、122 電極、121、123 電極端子、150 カセット、152 ゲル、152a、152b 端部、154 透明プレート、154a 貫通溝、156 透明プレート、200 泳動液、202 混合液、204 DNAサンプル、300 シーリング材、302 側面シーリング材、302a、302b、302c 側壁部、304 側面シーリング材、304a、304b、304c 側壁部、306 底面シーリング材、GH 電気泳動用ゲルホルダ
Claims (12)
- 光透過性の第1平面体と前記第1平面体とともにゲルを挟持する第2平面体とを備えたカセットと、前記カセットが嵌め込まれる凹部を備えたホルダ本体と、を備え、
前記凹部は、前記ゲルが位置すべき中央部と、平面視で前記中央部の隣に設けられ前記カセットの少なくとも一部を囲う枠部と、平面視で前記枠部および前記中央部を挟むように前記中央部から互いに反対方向に延びる第1液体投入部および第2液体投入部と、を備え、
前記第1液体投入部内に設けた第1電極および前記第2液体投入部内に設けた第2電極と、
前記第1液体投入部と前記第2液体投入部との間の液体の進行を阻止するためのシーリング材と、
をさらに備えることを特徴とする電気泳動用ゲルホルダ。 - 前記枠部の側面を前記シーリング材が覆うことを特徴とする請求項1に記載の電気泳動用ゲルホルダ。
- 前記凹部における前記中央部の底面に前記シーリング材が備えられたことを特徴とする請求項1または2に記載の電気泳動用ゲルホルダ。
- 前記シーリング材は、電気絶縁性、撥水性および熱伝導性を備える材料からなることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の電気泳動用ゲルホルダ。
- 前記シーリング材は、シリコーンゴムであることを特徴とする請求項4に記載の電気泳動用ゲルホルダ。
- 前記シーリング材が、さらに前記中央部の底面全域を覆うように設けられ、
前記中央部の底面全域を覆うシーリング材は、非透明であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の電気泳動用ゲルホルダ。 - DNAを分注したゲルの第1端面に浸す液体を入れる第1液体投入部と前記ゲルの第2端面に浸す液体を入れる第2液体投入部との間をシーリング材で封止した状態で、前記第1端面を泳動液および荷電した染色液を含む混合液に浸しかつ前記第2端面を少なくとも泳動液に浸した準備状態とする準備工程と、
前記荷電した染色液が前記第1端面側から前記第2端面側に向かって進むように前記準備状態において直流電圧をかけて電気泳動を行う電気泳動工程と、
を備えることを特徴とする電気泳動方法。 - 前記シーリング材は、電気絶縁性、撥水性および熱伝導性を備える材料からなることを特徴とする請求項7に記載の電気泳動方法。
- 前記シーリング材は、シリコーンゴムであることを特徴とする請求項8に記載の電気泳動方法。
- 前記シーリング材は、前記ゲルの裏面側を介した前記第1液体投入部と前記第2液体投入部との間の液体の進行を阻止するように前記ゲルの裏面側にも設けられ、
前記電気泳動中に前記ゲルに温度勾配を与えることを特徴とする請求項8または9に記載の電気泳動方法。 - 前記電気泳動工程の後、前記カセットで前記ゲルを挟んだまま、前記カセット上から前記ゲルに励起光を当て、前記ゲルをカメラで撮像し、
前記カセットのうち前記カメラで撮像しない側の面を非透明にしたことを特徴とする請求項7乃至10のいずれか1項に記載の電気泳動方法。 - 前記シーリング材が非透明であり、
前記カセットのうちカメラで撮像しない側の面に前記シーリング材を設けることで前記カメラで撮像しない側の面を非透明にしたことを特徴とする請求項7乃至11のいずれか1項に記載の電気泳動方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013096550A JP2014219218A (ja) | 2013-05-01 | 2013-05-01 | 電気泳動用ゲルホルダおよび電気泳動方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013096550A JP2014219218A (ja) | 2013-05-01 | 2013-05-01 | 電気泳動用ゲルホルダおよび電気泳動方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2014219218A true JP2014219218A (ja) | 2014-11-20 |
Family
ID=51937824
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2013096550A Pending JP2014219218A (ja) | 2013-05-01 | 2013-05-01 | 電気泳動用ゲルホルダおよび電気泳動方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2014219218A (ja) |
Citations (12)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5412891A (en) * | 1977-06-27 | 1979-01-30 | Us Government | Electrophoresis apparatus |
JPH0835949A (ja) * | 1994-07-22 | 1996-02-06 | Kitazato Supply:Kk | 電気泳動用多段階温度勾配透明プレートおよび電気泳動装置 |
JPH09288091A (ja) * | 1996-04-24 | 1997-11-04 | Hitachi Ltd | 遺伝子解析装置 |
JPH09304340A (ja) * | 1996-05-20 | 1997-11-28 | Yokogawa Electric Corp | 電気泳動装置 |
JP2001165903A (ja) * | 1999-12-13 | 2001-06-22 | Taitec Kk | 電気泳動用の超小型支持体プレート |
JP2002511584A (ja) * | 1998-04-13 | 2002-04-16 | ノベックス | カム起動クランプを有するゲル電気泳動装置およびその使用方法 |
JP2003270204A (ja) * | 2002-03-19 | 2003-09-25 | Hitachi Electronics Eng Co Ltd | マイクロチップ電気泳動装置 |
JP2004286453A (ja) * | 2003-03-19 | 2004-10-14 | Aisin Seiki Co Ltd | 蛍光読取装置 |
JP2005062075A (ja) * | 2003-08-19 | 2005-03-10 | Taitec Corp | 電気泳動用のマイクロゲルカセット |
WO2007055293A1 (ja) * | 2005-11-14 | 2007-05-18 | Nec Corporation | マイクロチップおよびその使用方法、ならびに質量分析システム |
JP2011515691A (ja) * | 2008-03-28 | 2011-05-19 | ノバルティス アーゲー | キャピラリー電気泳動によるdnaの分析 |
JP2012073123A (ja) * | 2010-09-29 | 2012-04-12 | Toppan Printing Co Ltd | 二次元電気泳動用ゲルカセット及びその製造方法 |
-
2013
- 2013-05-01 JP JP2013096550A patent/JP2014219218A/ja active Pending
Patent Citations (12)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5412891A (en) * | 1977-06-27 | 1979-01-30 | Us Government | Electrophoresis apparatus |
JPH0835949A (ja) * | 1994-07-22 | 1996-02-06 | Kitazato Supply:Kk | 電気泳動用多段階温度勾配透明プレートおよび電気泳動装置 |
JPH09288091A (ja) * | 1996-04-24 | 1997-11-04 | Hitachi Ltd | 遺伝子解析装置 |
JPH09304340A (ja) * | 1996-05-20 | 1997-11-28 | Yokogawa Electric Corp | 電気泳動装置 |
JP2002511584A (ja) * | 1998-04-13 | 2002-04-16 | ノベックス | カム起動クランプを有するゲル電気泳動装置およびその使用方法 |
JP2001165903A (ja) * | 1999-12-13 | 2001-06-22 | Taitec Kk | 電気泳動用の超小型支持体プレート |
JP2003270204A (ja) * | 2002-03-19 | 2003-09-25 | Hitachi Electronics Eng Co Ltd | マイクロチップ電気泳動装置 |
JP2004286453A (ja) * | 2003-03-19 | 2004-10-14 | Aisin Seiki Co Ltd | 蛍光読取装置 |
JP2005062075A (ja) * | 2003-08-19 | 2005-03-10 | Taitec Corp | 電気泳動用のマイクロゲルカセット |
WO2007055293A1 (ja) * | 2005-11-14 | 2007-05-18 | Nec Corporation | マイクロチップおよびその使用方法、ならびに質量分析システム |
JP2011515691A (ja) * | 2008-03-28 | 2011-05-19 | ノバルティス アーゲー | キャピラリー電気泳動によるdnaの分析 |
JP2012073123A (ja) * | 2010-09-29 | 2012-04-12 | Toppan Printing Co Ltd | 二次元電気泳動用ゲルカセット及びその製造方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6002318B2 (ja) | 電気泳動装置 | |
EP1537412B1 (en) | Automated system for high-throughput electrophoretic separations | |
US8101137B2 (en) | Analysis instrument | |
JP2007064848A (ja) | 自動化2次元電気泳動装置および装置構成器具 | |
JP2016200516A (ja) | サンプル分離転写装置およびサンプル分析方法 | |
Grist et al. | 3D projection electrophoresis for single-cell immunoblotting | |
JP4728072B2 (ja) | 電気泳動装置および装置構成器具 | |
Adams et al. | Two‐dimensional gel electrophoresis | |
JP2015518164A (ja) | 電気泳動システム並びに分離及び識別方法 | |
JP2007071608A (ja) | 電気泳動装置および装置構成器具 | |
JP4683633B2 (ja) | 液体の分析システムおよびカートリッジ | |
CN104364640A (zh) | 制造电泳盒的方法 | |
JP6176681B2 (ja) | 少なくとも1つの取り外し可能な切片を有する電気泳動ゲルカセット | |
JP5806548B2 (ja) | 電気泳動ゲルチップならびにその製造方法および製造キット | |
JP2014219218A (ja) | 電気泳動用ゲルホルダおよび電気泳動方法 | |
BR112021003345A2 (pt) | dispositivo de rotor microfluídico | |
JP2015521289A (ja) | 電気泳動トレイ及び電気泳動実験を実施する方法 | |
US20060042951A1 (en) | Sample analyzing apparatus | |
CN210294286U (zh) | 分析装置 | |
CN104614517A (zh) | 可拆卸的载玻片孵育器的使用方法 | |
US20170299547A1 (en) | Capillary electrophoresis apparatus | |
JP2010523942A (ja) | マイクロ流路洗浄方法 | |
CN103949156B (zh) | 一种电泳凝胶转移及染色脱色装置 | |
CN203803379U (zh) | 一种电泳凝胶转移及染色脱色装置 | |
TWI358539B (en) | Integrated electrophoresis device and operation th |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20151216 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20161012 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20161025 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20170425 |