[go: up one dir, main page]

JP2014200701A - フィルター用ろ材およびその製造方法 - Google Patents

フィルター用ろ材およびその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2014200701A
JP2014200701A JP2013076042A JP2013076042A JP2014200701A JP 2014200701 A JP2014200701 A JP 2014200701A JP 2013076042 A JP2013076042 A JP 2013076042A JP 2013076042 A JP2013076042 A JP 2013076042A JP 2014200701 A JP2014200701 A JP 2014200701A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fiber diameter
filter medium
nanofiber
filter
nanofibers
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2013076042A
Other languages
English (en)
Inventor
博之 福島
Hiroyuki Fukushima
博之 福島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Valqua Industries Ltd
Nihon Valqua Kogyo KK
Original Assignee
Nippon Valqua Industries Ltd
Nihon Valqua Kogyo KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Valqua Industries Ltd, Nihon Valqua Kogyo KK filed Critical Nippon Valqua Industries Ltd
Priority to JP2013076042A priority Critical patent/JP2014200701A/ja
Publication of JP2014200701A publication Critical patent/JP2014200701A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Filtering Materials (AREA)
  • Nonwoven Fabrics (AREA)

Abstract

【課題】圧力損失が低く、粒子捕集率が高いフィルター用ろ材、具体的には、圧力損失が100Pa未満であり、粒径が0.1〜0.3μmの粒子捕捉率が高いフィルター用ろ材を提供すること。
【解決手段】支持体層、および該支持体層の少なくとも一方の表面に、ナノファイバーからなり、目付が0.1〜2.0g/m2であるフィルター用ろ材層を有し、
前記ナノファイバーが、本数割合で10〜90%の、繊維径が10〜100nmの範囲にある細繊維径ナノファイバー、本数割合で10〜90%の、繊維径が140〜1000nmの範囲にある太繊維径ナノファイバー、および本数割合で0〜10%の、繊維径が100nmを超え140nm未満である繊維を含む(ただし、繊維径が10〜1000nmの範囲にある繊維の本数割合を100%とする。)フィルター用ろ材。
【選択図】なし

Description

本発明は、フィルター用ろ材およびその製造方法に関する。
クリーンルームの換気やタービンの吸気に使用される高性能フィルター用ろ材として、多孔質体、ナノファイバー、またはこれらを積層させた多層構造体が用いられている。
また、微粒子(特に粒径が0.1〜0.3μmの微粒子)を捕集するフィルター用ろ材としては、延伸ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などの多孔質体が用いられている(特許文献1)。しかしながら、延伸PTFEなどの多孔質体をろ材として用いた場合、孔径が小さくなるほど粒子は捕捉され易くなるが、一方で目詰まりを起こし易くなるため、使用中の圧力損失の上昇が大きく、ろ過寿命が短くなるという問題を有する。
ろ過寿命を長くするために、延伸倍率の異なる(すなわち、細孔径の異なる)延伸PTFEを積層する手法(特許文献2)が提案されているが、この方法では初期圧力損失が高くなるという問題を有する。
さらに、微粒子を捕集するフィルターとして、細繊維径のナノファイバーからなるろ材が開発されている(特許文献3)。しかしながら、繊維径の細いナノファイバーのみでフィルターを作製した場合、初期フィルター性能(すなわち圧力損失、粒子捕集率)は高いものの、繊維間の隙間が小さく目詰まりを起こしやすいため、ろ過寿命の長いろ材を作製することは困難である。
そこで、ナノファイバーからなるろ材を長寿命化するために、ナノファイバーと多孔質体とを積層させたフィルター(特許文献4)、異なる繊維径のナノファイバーを積層させたフィルター(特許文献5〜6)が検討されているが、緻密なナノファイバー層が目詰まりを起こすという問題を有している。
ナノファイバー層の目詰まりを防ぐため、ナノファイバーの間にポリマー粒子を複合させることにより繊維間の隙間を多くしたフィルター(特許文献7)、異なる繊維径の繊維を混在させたフィルター(特許文献8)が提案されている。
このような状況下、高い初期フィルター性能と長寿命化とを両立したフィルター用ろ材の開発が望まれている。
特開平10−287759号公報 特開2005−205305号公報 国際公開WO2009/51263号公報 特開2006−326579号公報 特開2005−218909号公報 特開2011−089226号公報 特開2010−253449公報 特開2009−057655号公報
本発明は、圧力損失が低く、粒子捕集率が高いフィルター用ろ材、具体的には、圧力損失が100Pa未満であり、粒径が0.1〜0.3μmの粒子捕捉率が高いフィルター用ろ材を提供することを目的とする。
本発明者らは鋭意研究した結果、支持体層、および該支持体層の少なくとも一方の表面に、ナノファイバーからなり、目付が0.1〜2.0g/m2であるフィルター用ろ材層を有し、
前記ナノファイバーが、本数割合で10〜90%の、繊維径が10〜100nmの範囲にある細繊維径ナノファイバー、本数割合で10〜90%の、繊維径が140〜1000nmの範囲にある太繊維径ナノファイバー、および本数割合で0〜10%の、繊維径が100nmを超え140nm未満である繊維を含む(ただし、繊維径が10〜1000nmの範囲にある繊維の本数割合を100%とする。)フィルター用ろ材が、圧力損失が低く、粒子、特に0.1〜0.3μmの粒子捕集率が高いことを見出し、本発明を完成させた。
本発明は、たとえば以下の[1]〜[4]に関する。
[1]
支持体層、および該支持体層の少なくとも一方の表面に、ナノファイバーからなり、目付が0.1〜2.0g/m2であるフィルター用ろ材層を有し、
前記ナノファイバーが、本数割合で10〜90%の、繊維径が10〜100nmの範囲にある細繊維径ナノファイバー、本数割合で10〜90%の、繊維径が140〜1000nmの範囲にある太繊維径ナノファイバー、および本数割合で0〜10%の、繊維径が100nmを超え140nm未満である繊維を含む(ただし、繊維径が10〜1000nmの範囲にある繊維の本数割合を100%とする。)フィルター用ろ材。
[2]
前記細繊維径ナノファイバーの本数割合が60〜80%であり、前記太繊維径ナノファイバーの本数割合が20〜40%である上記[1]に記載のフィルター用ろ材。
[3]
前記ナノファイバーが、フッ素樹脂、イオン性界面活性剤および溶媒を含む紡糸液から電界紡糸法により製造されるものである上記[1]または[2]に記載のフィルター用ろ材。
[4]
上記[1]に記載のフィルター用ろ材の製造方法であり、
フッ素樹脂、イオン性界面活性剤および溶媒を含む紡糸液から電界紡糸法により前記ナノファイバーを製造する工程、および
支持体層の少なくとも一方の表面に前記ナノファイバーをシート状に集積してフィルター用ろ材層を形成する工程
を含むことを特徴とするフィルター用ろ材の製造方法。
本発明に係るフィルター用ろ材は、圧力損失が低く、粒子捕集率が高く、具体的には、圧力損失が100Pa未満であり、粒径が0.1〜0.3μmの粒子捕捉率が高い。
また、本発明に係るフィルター用ろ材の製造方法によれば、このようなフィルター用ろ材を製造することができる。
図1は、実施例1で得られたナノファイバーの繊維径分布を示す。
以下、本発明をより詳細に説明する。
[フィルター用ろ材]
本発明のフィルター用ろ材は、支持体層、および該支持体層の少なくとも一方の表面に、ナノファイバーからなり、目付が0.1〜2.0g/m2であるフィルター用ろ材層を有し、
前記ナノファイバーが、本数割合で10〜90%の、繊維径が10〜100nmの範囲にある細繊維径ナノファイバー、本数割合で10〜90%の、繊維径が140〜1000nmの範囲にある太繊維径ナノファイバー、および本数割合で0〜10%の、繊維径が100nmを超え140nm未満である繊維を含む(ただし、繊維径が10〜1000nmの範囲にある繊維の本数割合を100%とする。)ことを特徴としている。
1.フィルター用ろ材層
本発明に係るフィルター用ろ材層は、前記ナノファイバーからなり、目付が0.1〜2.0g/m2であることを特徴としている。
前記目付は、好ましくは0.1〜1.5g/m2である。
前記厚さは、好ましくは0.1〜3.0μmであり、より好ましくは2.5μm以下であり、さらに好ましくは2μm以下であり、その下限値は、たとえば0.1μm程度であってもよい。
前記目付および厚さは、後述する電界紡糸法における紡糸時間を長くする、紡糸ノズル数を増やすなどにより、増大する傾向にある。
前記ナノファイバーは、繊維径が10〜1000nmの範囲にある繊維の本数割合を100%とした場合に、本数割合で10〜90%の、繊維径が10〜100nmの範囲にある細繊維径ナノファイバー、本数割合で10〜90%の、繊維径が140〜1000nmの範囲にある太繊維径ナノファイバー、および本数割合で0〜10%の、繊維径が100nmを超え140nm未満である繊維を含むことを特徴としている。
また、前記ナノファイバーは、繊維径が1000nm以上の繊維を実質的に含まない。
前記ナノファイバーの平均繊維径は、好ましくは30〜500nm、より好ましくは50〜200nmである。
前記細繊維径ナノファイバーの繊維径は、好ましくは30〜100nmの範囲にある。
また、前記細繊維径ナノファイバーの繊維の本数割合は、好ましくは60〜80%である。
前記太繊維径ナノファイバーの繊維径は、好ましくは140〜400nmの範囲にあり、より好ましくは140〜210nmの範囲にある。
また、前記太繊維径ナノファイバーの繊維の本数割合は、好ましくは20〜40%である。
前記ナノファイバーのうち、繊維径が通常100nmを超え140nm未満の範囲にある繊維の本数割合が、通常0〜10%、好ましくは0〜5%である。
なお、上記平均繊維径、および特定の径の繊維の本数割合は、いずれも、測定対象となるナノファイバー(群)について、無作為に走査型電子顕微鏡(SEM)観察の領域を選び、この領域をSEM観察(倍率:20000倍)して無作為に100本のナノファイバーを選び、これらのナノファイバーの測定結果に基づいて算出される値である。
前記ナノファイバーは、フッ素樹脂、イオン性界面活性剤ならびに溶媒を含む紡糸液から電界紡糸(静電紡糸)法により前記フッ素樹脂の繊維(ナノファイバー)を製造することができる。
<紡糸液>
前記フッ素樹脂としては、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリヘキサフルオロプロピレン、ポリパーフルオロアルキルビニルエーテル、ポリクロロトリフルオロエチレンなどが挙げられる。また、これらの共重合体、またはポリマーブレンドなどを用いてもよく、その例としては、フルオロエチレン/ビニルエーテル交互共重合体(FEVE)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロジオキソール共重合体などが挙げられる。
前記フッ素樹脂としては、市販品であれば、「ルミフロン(登録商標)LF−200」(FEVE、旭硝子(株))、「CYTOP(登録商標)」(脂肪族環含有共重合体、旭硝子(株))などが挙げられる。
前記フッ素樹脂は、樹脂の種類などにも依存するが、紡糸液中にたとえば5〜60重量%、好ましくは10〜50重量%含まれる。
前記イオン性界面活性剤としては、フッ素系界面活性剤(すなわち、フッ素原子を有する界面活性剤。たとえば、パーフルオロアルキル基を有する酸のアンモニウム塩。)、炭化水素系界面活性剤(主鎖がアルキル基よりなる界面活性剤)、シリコーン系界面活性剤(ケイ素原子を有する界面活性剤)などが挙げられる。
前記フッ素系界面活性剤としては、市販品であれば、フタージェント(登録商標)100(アニオン系のフッ素系界面活性剤)、フタージェント(登録商標)310(カチオン系のフッ素系界面活性剤)(以上、(株)ネオス)、メガファックF114(アニオン系のフッ素系界面活性剤、DIC(株))、サーフロンS−231(両性のフッ素系界面活性剤、旭硝子(株))などが挙げられる。
前記界面活性剤は、紡糸液中にたとえば0.1〜10重量%、好ましくは1〜5重量%含まれる。
本発明に係るナノファイバーの製造方法によれば、紡糸液がイオン性界面活性剤を含んでいるため、電界紡糸時に電荷に対する紡糸溶液の安定性を高め、以てナノファイバーを細径化することができると考えられる。また、イオン性界面活性剤としてフッ素系界面活性剤を用いることで、電界紡糸時の紡糸溶液の安定性を特に高められると考えられる。
前記溶媒としては、前記フッ素樹脂を溶解あるいは分散し得るものであり、例えば、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、メチルピロリドン、キシレン、アセトン、クロロホルム、エチルベンゼン、シクロヘキサンなどが挙げられる。これらの溶媒は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせた混合溶媒として用いてもよい。
前記溶媒は、紡糸液中にたとえば10〜95重量%、好ましくは40〜90重量%含まれる。
前記紡糸液は、さらに粘度調整剤等の添加剤を含んでいてもよい。
前記紡糸液は、上述したフッ素樹脂、界面活性剤、溶媒、および必要に応じて添加剤を従来公知の方法で混合することにより製造できる。
前記細繊維径ナノファイバーと太繊維径ナノファイバーとを製造するには、たとえばフッ素樹脂の種類、濃度を適宜調製することにより得られる2つの異なる紡糸液を用いる、たとえばノズルの外径、印加電圧、電極間距離などを適宜調整することにより異なる紡糸条件とした電界紡糸を行うことにより製造することができる。具体的には、(1)2つの異なる紡糸液を用いてそれぞれ異なる紡糸条件により製造する方法、(2)2つの同じ紡糸液を用いてそれぞれ異なる紡糸条件により製造する方法、(3)2つの異なる紡糸液を用いてそれぞれ同じ紡糸条件により製造する方法などが挙げられ、中でも(1)2つの異なる紡糸液を用いてそれぞれ異なる紡糸条件により製造する方法が好ましい。
細繊維径ナノファイバーを製造し得る紡糸液の好ましい例としては、以下の紡糸液(1)が挙げられる。
紡糸液(1):PVDFを10〜20重量%、好ましくは12〜18重量%含み、イオン性界面活性剤を0.1〜10重量%、好ましくは2〜5重量%含む紡糸液
また、太繊維径ナノファイバーを製造し得る紡糸液の好ましい例としては、以下の紡糸液(2)が挙げられる。
紡糸液(2):PVDFを20〜30重量%、好ましくは22〜28重量%含み、イオン性界面活性剤を0.1〜10重量%、好ましくは2〜5重量%含む紡糸液
<電界紡糸>
本発明に係るナノファイバーの製造方法においては、前記紡糸液から電界紡糸(静電紡糸)法により前記ナノファイバーの繊維を製造し得る。具体的には、2つの紡糸液をそれぞれ異なるノズルを用いて、電界紡糸法により同時に紡糸することにより前記ナノファイバーを製造することができる。前記2つの溶液、すなわち細繊維径ナノファイバーを製造し得る紡糸液と太繊維径ナノファイバーを製造し得る紡糸液とは、それぞれ少なくとも1つの紡糸液として調製されてもよい。
この電界紡糸を行う際の印加電圧は、好ましくは5〜50kV、より好ましくは20〜40kVである。
この電界紡糸を行う際の電極間距離は、好ましくは100〜300mm、より好ましくは150〜250mmである。
紡糸ノズルの先端径(外径)は、好ましくは0.1〜2.0mm、より好ましくは0.2〜1.0mm、さらに好ましくは0.20〜0.85mmである。
紡糸時間は、使用するノズルの数に依存するが、2つの異なる紡糸液それぞれにおいて1つずつ使用する場合、好ましくは10〜60分、より好ましくは20〜40分である。
前記平均繊維径は、電界紡糸の際に、濃度(フッ素樹脂濃度)の低い前記紡糸液を用いる、湿度を下げる、ノズル径を小さくする、印加電圧を大きくする、あるいは電圧密度を大きくすることにより小さくなる傾向にある。
一方、特定の範囲の繊維径を有するナノファイバーの本数割合は、電界紡糸の際に、濃度(フッ素樹脂濃度)の高い前記紡糸液を用いる、湿度を上げる、ノズル径を大きくする、印加電圧を小さくする、あるいは電圧密度を小さくすることにより高くなる傾向にある。
たとえば前記細繊維径ナノファイバーを製造するための紡糸液(1)を用いる場合であれば、
前記印加電圧は、好ましくは10〜50kV、より好ましくは20〜40kVであり、
前記電極間距離は、好ましくは100〜300mm、より好ましくは150〜250mmであり、
前記の紡糸ノズルの先端径(外径)は、好ましくは0.2〜0.6mmであり、
前記の紡糸時間は、好ましくは10〜60分、より好ましくは20〜40分である。
また、前記太繊維径ナノファイバーを製造するための紡糸液(2)を用いる場合であれば、
前記印加電圧は、好ましくは10〜50kV、より好ましくは20〜40kVであり、
前記電極間距離は、好ましくは100〜300mm、より好ましくは150〜250mmであり、
前記の紡糸ノズルの先端径(外径)は、好ましくは0.4〜0.85mmであり、
前記の紡糸時間は、好ましくは10〜60分、好ましくは20〜40分である。
前記ナノファイバーは、圧力損失が低く、粒子(特に粒径が0.1〜0.3μm程度の粒子)捕集率が高いフィルター用ろ材層およびエアフィルター用ろ材の構成材料として特に適している。
前記フィルター用ろ材層の製造方法は、上述した方法により前記ナノファイバーを製造する工程、および前記ナノファイバーをシート状に集積してフィルター用ろ材層を形成する工程を含むことを特徴としている。
これら2つの工程は、別途独立に行ってもよく、同時に行ってもよい(すなわち、ナノファイバーを製造しつつシート状に集積して、フィルター用ろ材層を形成してもよい)。
前記フィルター用ろ材層は、圧力損失が低く、粒径が0.1〜0.3μm程度の粒子捕捉率が高い。
2.支持体層
前記支持体層としては、エアフィルター用ろ材における従来公知の支持体層を用いることができ、たとえばポリエチレンテレフタレート不織布、ガラス不織布、セルロース不織布、ポリオレフィン不織布、ナイロン不織布、ポリエステル不織布、アラミド不織布などが挙げられる。
ろ材の強度、表面電荷の安定性の観点からは、ポリエチレンテレフタレート不織布からなる支持体と本発明に係るフィルター用ろ材層とを有するフィルター用ろ材が好ましい。
(フィルター用ろ材)
本発明に係るフィルター用ろ材は、支持体層と該支持体層の少なくとも一方の表面に設けられた前記フィルター用ろ材層とを有することを特徴としている。
前記フィルター用ろ材には、その性能を損なわない範囲で従来公知の加工が施されていてもよく、たとえばプリーツ加工が施されていてもよい。
[フィルター用ろ材の製造方法]
本発明のフィルター用ろ材の製造方法は、上述した方法によりナノファイバーを製造する工程、および支持体層の少なくとも一方の表面に前記ナノファイバーをシート状に集積してフィルター用ろ材層を形成する工程を含むことを特徴としている。
これら2つの工程は、別途独立に行ってもよく、同時に行ってもよい(すなわち、ナノファイバーを、製造しつつ支持体層の少なくとも一方の表面にシート状に集積して、フィルター用ろ材を形成してもよい)。
本発明のフィルター用ろ材は、圧力損失が低く、粒子捕集率が高い。特に、圧力損失が100Pa未満であり、粒径が0.1〜0.3μmの粒子捕捉率が高い。
また、前記フィルター用ろ材は、隙間の多い構造であるため、低圧力損失かつ、目詰まりを起こしにくく、ろ過寿命が長い。
また、前記フィルター用ろ材は、繊維径の異なるナノファイバーから構成されるため、細繊維径ナノファイバーの間に太繊維径ナノファイバーが入り込むことで、フィルターろ材の厚み方向の隙間が増えるため、圧力損失が低くなる。また、隙間が増えることから、目詰まりを起こしにくくろ過寿命が長い。
さらに、本発明のフィルター用ろ材の製造方法は、電界紡糸法により製造したナノファイバーを用いているため、延伸による多孔質膜の製造と比較して、工程数が少なく連続製造が行えるため容易に製造することができる。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
<測定方法>
実施例、比較例で作製されたフィルター用ろ材の各種物性は、以下の方法により測定した。
1.ナノファイバー
(平均繊維径、存在比)
実施例および比較例で製造された各ナノファイバー(群)について、無作為にSEM観察の領域を選び、この領域をSEM観察(装置:S−3400N((株)日立ハイテクノロジーズ製)、倍率:20000倍)して無作為に100本のナノファイバーを選び、これらのナノファイバーの測定結果に基づいて、繊維径が特定の範囲にある繊維の本数の割合(存在比)を求めた。
2.フィルター用ろ材
(目付け)
フィルター用ろ材層の目付は、JIS L 1906(2000)に準じて測定した。この際、フィルター用ろ材層の重量は、ポリエチレンテレフタレート不織布の重量と、ポリエチレンテレフタレート不織布上にナノファイバーを集積して形成されたフィルター用ろ材の重量との差より算出した。
(粒子捕集率、圧力損失)
実施例および比較例で製造された各フィルター用ろ材について、JIS B 9908に準じて、粒子捕集率を測定した。この際、フィルタユニットの替わりに200mm×200mmの大きさに切り出されたフィルター用ろ材を用い、測定用粉じんとして大気塵(粒径が0.10μm〜2.0μmの塵を含む)を用いた。粒子捕集率の測定の際には、空気の流量を面速度5.3cm/sとした。
また、この測定と共に、フィルター用ろ材の上流側および下流側での圧力の差(すなわち、圧力損失)を微差圧計により測定した。この測定は空気の流量を変えて行った。
[実施例1]
1.ナノファイバーの製造;
細繊維径ナノファイバー用紡糸液と太繊維径ナノファイバー用紡糸液を以下のように調製した。
<細繊維径ナノファイバー用紡糸液(1)>
フッ素樹脂としてポリフッ化ビニリデン(重量平均分子量:275,000、アルドリッチ社製)を17重量%、界面活性剤としてアニオン系フッ素系界面活性剤(フタージェント(登録商標)100、(株)ネオス製)(以下「F100」ともいう。)を3重量%、溶媒としてジメチルアセトアミド(特級試薬、和光純薬工業(株)製)(以下「DMAc」ともいう。)を80重量%含む紡糸液(1)を調製した。
<太細繊維径ナノファイバー用紡糸液(2)>
フッ素樹脂としてポリフッ化ビニリデン(重量平均分子量:275,000、アルドリッチ社製)を25重量%、界面活性剤としてF100を3重量%、溶媒としてDMAcを72重量%含む紡糸液(2)を調製した。
前記紡糸液(1)を電界紡糸装置(ES−2300(装置名)、ヒューエンス社製)の溶液充填部に充填し、また、前記紡糸液(2)を別の溶液充填部に充填し、各溶液充填部に夫々接続された各々のノズルを並列に設置し、平行移動させながら同時に電界紡糸を行うことによりナノファイバーを製造した。
各紡糸液の電界紡糸は、表1に記載した条件で行った。
紡糸液(1)から得られたナノファイバー(細繊維径ナノファイバー)および紡糸液(2)から得られたナノファイバー(太繊維径ナノファイバー)から得られた本発明のナノファイバーの各繊維径領域別の繊維の本数割合(存在比)を表2に示す。また、得られたナノファイバーの繊維径分布を図1に示す。
2.エアフィルター用ろ材の製造;
得られたナノファイバーを、ポリエチレンテレフタレート(PET)不織布(平均繊維径50μm、厚さ0.35mm、目付92g/m2の20cm×20cmの正方形のPET不織布の片面の上に接着せずに集積してフィルター用ろ材層を形成し、フィルター用ろ材を製造した。得られたフィルター用ろ材の特性を表2に示す。
[比較例1〜2]
ナノファイバーとして表1に示す紡糸条件で製造した細繊維径ナノファイバーまたは太繊維径ナノファイバーのみを用いて製造した他は、実施例1と同様の手順により、ナノファイバーおよびフィルター用ろ材を製造した。その結果を表2に示す。
Figure 2014200701
Figure 2014200701

Claims (4)

  1. 支持体層、および該支持体層の少なくとも一方の表面に、ナノファイバーからなり、目付が0.1〜2.0g/m2であるフィルター用ろ材層を有し、
    前記ナノファイバーが、本数割合で10〜90%の、繊維径が10〜100nmの範囲にある細繊維径ナノファイバー、本数割合で10〜90%の、繊維径が140〜1000nmの範囲にある太繊維径ナノファイバー、および本数割合で0〜10%の、繊維径が100nmを超え140nm未満である繊維を含む(ただし、繊維径が10〜1000nmの範囲にある繊維の本数割合を100%とする。)フィルター用ろ材。
  2. 前記細繊維径ナノファイバーの本数割合が60〜80%であり、前記太繊維径ナノファイバーの本数割合が20〜40%である請求項1に記載のフィルター用ろ材。
  3. 前記ナノファイバーが、フッ素樹脂、イオン性界面活性剤および溶媒を含む紡糸液から電界紡糸法により製造されるものである請求項1または2に記載のフィルター用ろ材。
  4. 請求項1に記載のフィルター用ろ材の製造方法であり、
    フッ素樹脂、イオン性界面活性剤および溶媒を含む紡糸液から電界紡糸法により前記ナノファイバーを製造する工程、および
    支持体層の少なくとも一方の表面に前記ナノファイバーをシート状に集積してフィルター用ろ材層を形成する工程
    を含むことを特徴とするフィルター用ろ材の製造方法。
JP2013076042A 2013-04-01 2013-04-01 フィルター用ろ材およびその製造方法 Pending JP2014200701A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013076042A JP2014200701A (ja) 2013-04-01 2013-04-01 フィルター用ろ材およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013076042A JP2014200701A (ja) 2013-04-01 2013-04-01 フィルター用ろ材およびその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2014200701A true JP2014200701A (ja) 2014-10-27

Family

ID=52351660

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013076042A Pending JP2014200701A (ja) 2013-04-01 2013-04-01 フィルター用ろ材およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2014200701A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019077962A (ja) * 2017-10-25 2019-05-23 Jnc株式会社 混繊不織布、積層体、フィルター用濾材及びこれらの製造方法
WO2022097547A1 (ja) * 2020-11-04 2022-05-12 東レ株式会社 樹脂組成物、不織布ならびにそれを用いた繊維製品、蓄電素子用セパレーター、二次電池および電気二重層キャパシター

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019077962A (ja) * 2017-10-25 2019-05-23 Jnc株式会社 混繊不織布、積層体、フィルター用濾材及びこれらの製造方法
JP7077575B2 (ja) 2017-10-25 2022-05-31 Jnc株式会社 混繊不織布、積層体、フィルター用濾材及びこれらの製造方法
US12157077B2 (en) 2017-10-25 2024-12-03 Jnc Corporation Combined fiber nonwoven fabric, laminate, filtration medium for filter and method thereof
WO2022097547A1 (ja) * 2020-11-04 2022-05-12 東レ株式会社 樹脂組成物、不織布ならびにそれを用いた繊維製品、蓄電素子用セパレーター、二次電池および電気二重層キャパシター

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5037034B2 (ja) フィルタ濾材とその製造方法および使用方法ならびにフィルタユニット
US7846238B2 (en) Method of manufacturing porous polytetrafluoroethylene membrane, filter medium, and filter unit
JP2014124578A (ja) フィルター用ろ材およびその製造方法
CN107208336B (zh) 用于呼吸装置和面罩的熔纺过滤介质
TWI482654B (zh) A filter material having a porous film, a manufacturing method thereof, a filter bag and a filter unit
JP6115596B2 (ja) エアフィルタ用濾材、フィルタパック、エアフィルタユニット、およびエアフィルタ用濾材の製造方法
WO2015146847A1 (ja) エアフィルタ用濾材、フィルタパック、エアフィルタユニット、およびエアフィルタ用濾材の製造方法
CN104114265A (zh) 电纺丝多孔介质
JP6372507B2 (ja) エアフィルタ用濾材、エアフィルタユニット、およびエアフィルタ用濾材の製造方法
KR20080017324A (ko) 필터 여과재, 그의 제조 방법 및 사용 방법, 및 필터 유닛
JP2016534854A (ja) 3重層を含む粉塵捕集用濾過体
CN112770827A (zh) 空气过滤器滤材、过滤包、空气过滤器单元以及这些的制造方法
CN112512661B (zh) 空气过滤器滤材、过滤包以及空气过滤器单元
JP2015010313A (ja) 濾材およびその製造方法
WO2010055668A1 (ja) 細径繊維のシート状集合体、その製造方法およびその製造装置
CN113646474A (zh) 复合结构体、其制造方法及包含所述复合结构体的滤材
JP2013067076A (ja) ポリテトラフルオロエチレン多孔質膜の製造方法
JP2013139661A (ja) フッ素樹脂繊維の製造方法、エアフィルター用ろ材およびその製造方法
JP2014069115A (ja) フィルター用ろ材およびその製造方法
WO2016104589A1 (ja) エアフィルタ用濾材、フィルタパック、エアフィルタユニット、およびエアフィルタ用濾材の製造方法
JP2014200701A (ja) フィルター用ろ材およびその製造方法
KR20200144355A (ko) 복합 나노섬유 필터의 제조방법
CZ306779B6 (cs) Morfologicky optimalizované netkané textilie na bázi nanovláken
JP5564220B2 (ja) 三次元構造体を含む複合構造体および該構造体を使用したフィルタ
JP6427922B2 (ja) 混繊不織布