JP2014195917A - 板状成形品 - Google Patents
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Abstract
【課題】板状部材において、軽量化のため材料を金属などから軽量な材料にそのまま置き換えると、固有振動数が低下し共振による強度低下や防音性の低下などが起こる問題がある。本発明では軽量な材料においても高い固有振動数を持つことができる板状成形品を提供する。【解決手段】板状部材のほぼ全域に大きなうねりとしての面外方向への突出部を設ける。突出部の高さで全体剛性を確保するとともに、ほぼすべての領域が0ではない曲率を持つことにより局所的な低い固有振動を避ける。【選択図】図1
Description
本発明は、板状成形品において、軽量かつ固有振動数の高い構造とその製造方法に関する。
近年、自動車や航空機など軽量化が求められる構造物において、従来金属で作られていた部材を樹脂やFRPの部材に置き換えることが増えている。しかし、樹脂やFRPの部材は、従来の金属製部材よりも固有振動数が低くなりがちで、その結果、共振による強度低下や、防音性能の低下という問題が生じている。固有振動数は、形状が同じならば、比弾性率(材料の弾性率を比重で割ったもの)の平方根に比例する。そのため、従来の金属性部材をそのままの形状で樹脂やFRPに置き換えると、固有振動数は低下してしまう。
そのため、形状を変更して固有振動数をコントロールする方法が提案されている。
一般的にはリブを設けたり、スチフナを設けたりするが、これらは一体で成形するには難しかったり、これらの補強部分自体が局所的に振動し悪影響を及ぼすこともあるなど、問題も多い。
一般的にはリブを設けたり、スチフナを設けたりするが、これらは一体で成形するには難しかったり、これらの補強部分自体が局所的に振動し悪影響を及ぼすこともあるなど、問題も多い。
特許文献1では自動車のフロアパネルにおいて、面外方向に湾曲させた部分の縁上に小型ビードを複数配置することで振動をコントロールすることが提案されている。この方法では多数の小型ビードが必要であり構造が複雑になりすぎる欠点がある。また、狭い間隔で小型ビードを並べると、ビード間が入り組んだ形状になりすぎるため、成形性に劣る。
また、特許文献2では自動車のフロアパネルにおいて、矩形状に面外に突出させた剛性調整部を設け、固有振動数を調整することが提案されている。しかしこの方法は、局所的な固有振動を調整するのみで、パネル全体の固有振動数を調整することは想定していない。
本発明の目的は、部材の全体曲げ剛性と局所的な剛性をともに大きくする構造により、軽量かつ固有振動数の高い成形品およびその製造方法を提供することにある。
上記課題に対し各種検討した結果、本発明者は固有振動数を高くするためには、部材の全体曲げ剛性を高くするとともに、局所的な面振動を抑制する必要があることを見出した。さらに、部材のほぼ全域にわたる大きなうねりとして面外方向への突出部を設けることにより、部材全体曲げ剛性を高くすると同時に、部材のほぼ全域にわたる大きなうねりとしてほぼすべての領域が0ではない曲率を持つことにより、局所的な振動を起こしやすい平面部を排除することが、固有振動数向上に効果があることを見出した。以上の知見を元に本発明者は本発明に想到した。
(1)FRPからなる板状成形品において、前記板状成形品の表面に面外方向の突出部を有し、前記突出部は該板状成形品の長さが最大となる向きの寸法である代表寸法方向に対して周期が1または2のうねり形状であることを特徴とする板状成形品。
(2)前記突出部が該板状成形品の実質的にほぼ全域にわたることを特徴とする(1)に記載の板状成形品。
(3)前記突出部は実質的にほぼ全域において0ではない曲率を有する面からなることを特徴とする(1)または(2)に記載の板状成形品。
(4)前記突出部の突出高さが成形品の代表寸法の5分の1を越えないことを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の板状成形品。
(5)前記成形品の本体部分の材料が、非連続繊維を強化繊維とするFRPであることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の板状成形品。
(6)前記非連続繊維が、炭素繊維であることを特徴とする(1)〜(5)のいずれかに記載の板状成形品。
(1)FRPからなる板状成形品において、前記板状成形品の表面に面外方向の突出部を有し、前記突出部は該板状成形品の長さが最大となる向きの寸法である代表寸法方向に対して周期が1または2のうねり形状であることを特徴とする板状成形品。
(2)前記突出部が該板状成形品の実質的にほぼ全域にわたることを特徴とする(1)に記載の板状成形品。
(3)前記突出部は実質的にほぼ全域において0ではない曲率を有する面からなることを特徴とする(1)または(2)に記載の板状成形品。
(4)前記突出部の突出高さが成形品の代表寸法の5分の1を越えないことを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の板状成形品。
(5)前記成形品の本体部分の材料が、非連続繊維を強化繊維とするFRPであることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の板状成形品。
(6)前記非連続繊維が、炭素繊維であることを特徴とする(1)〜(5)のいずれかに記載の板状成形品。
本発明によれば、効果の高い方法で固有振動数を向上させた、軽量な成形品を得ることが出来る。
以下、本発明について図面を用いて説明する。
図1、2に本発明の板状成形品の例を示す。この板状成形品1は、表面に面外方向の突出部2を有するが、この突出部2は成形品全体にわたって大きなうねり形状として成形されてなるものである。このうねりは山から谷への滑らかな曲面状に形成された凹凸形状である。このうねりにより現れる尾根線3もしくは谷線4が板状成形品1の長さが最大となる向きの寸法である代表寸法方向に対して沿うと、固有振動の最低次のモードの振動を抑制することに効果があり好ましい。すなわち、突出部2は板状成形品1の長さが最大となる向きの寸法である代表寸法方向に対して周期が1のうねり形状であると好ましい。この場合の例を図1に示す。
また、代表寸法方向に対し二分割した領域に対して、それぞれの領域に対する長さが最大となる向きに対して尾根線3もしくは谷線4が沿う形状とするならば、固有振動の二番目に低いモードの振動を抑制することに効果があり、これもまた好ましい。すなわち、突出部2は板状成形品1の長さが最大となる向きの寸法である代表寸法方向に対して周期が2のうねり形状であると好ましい。この場合の例を図2に示す。
板状成形品1の長さが最大となる向きの寸法である代表寸法方向に対して周期が3以上のうねり形状では、抑制する固有振動モードが高次のものとなり、部材全体の振動を抑制する効果は低くなり好ましくない。
突出部2は板状成形品1の実質的にほぼ全域にわたっていることが好ましい。固有振動の最低次および二次のモードは、板状成形品の全域が面外に変形するモードであり、突出部2がない領域が存在するとその領域を中心に振動が生じてしまうからである。ただし、他部品の取り付け座面などで突出部2を形成できない部分は、部分的に平坦にすることができる。
突出部2は実質的にほぼ全域において0ではない曲率を有する面からなることが好ましい。曲率が0である平坦な部分においては、その部分において局所的な面外振動が生じうるためである。ただし、他部品の取り付け座面などは他部品からの拘束を受けるために振動が抑制されるので、部分的に平坦にすることができる。突出部は滑らかな曲面である、すなわち曲率が連続しているとより好ましいが、一部で曲率の大きい(=曲率半径の小さい)部分があっても構わない。
突出部2の高さは、面外変形を抑制するためには高いほうが良いが、他部品との干渉などがあるので無制限に高く出来るものではない。この点を考慮すると、突出部2の突出高さは成形品の代表寸法の5分の1を越えないことが好ましい。突出方向は表裏どちらでも構わない。
この板状成形品1はFRPからなり、強化繊維として、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維、ボロン繊維などが使用できる。なかでも炭素繊維は軽量でかつ弾性率も高いために、本発明の板状成形品1の材料としてより好ましい。強化繊維は連続繊維でも良いが、非連続繊維と樹脂を混合したスタンパブル基材を用いるならば、金型によるプレス成形で製造でき、製造コストが低く出来るのでより好ましい。
本発明に係る板状成形品の製造方法としては、あらかじめシミュレーション等によって板状成形品の形状を確定した上で、成形型を準備しておき、この成形型に沿って強化繊維を配置し、樹脂を含浸させる方法や、上述したスタンパブル基材を成形型に配置してプレス成形による一体成形によって製造することができるが、このような製造方法に限定されるものではない。
本発明の効果を実証するため、以下のとおり実施例および比較例による実験を行った。なお、本発明は、これら実施例等によって何ら制限されるものではない。
(実施例1)
東レ(株)製炭素繊維を切断しポリプロピレン樹脂と混合したスタンパブル基材(繊維重量含有率20%、成形品弾性率14GPa、比重1.1)を用い、金型によるプレス成形で図1に示す形状の板状成形品を成形した。
東レ(株)製炭素繊維を切断しポリプロピレン樹脂と混合したスタンパブル基材(繊維重量含有率20%、成形品弾性率14GPa、比重1.1)を用い、金型によるプレス成形で図1に示す形状の板状成形品を成形した。
寸法は長さ2000mm、幅1000mm、厚さ1.2mmとした。突出部高さは100mmとした。長辺側5箇所ずつ、短辺側5箇所ずつをボルト止めし、部材中央を加振し、固有振動数を測定した。
(実施例2)
実施例1と同一材料、同成形法で図2に示す形状の板状成形品を成形した。長さ、幅、厚さ、突出部高さも実施例1と同一とした。固定位置、固定方法、固有振動数の測定方法も実施例1と揃えた。
実施例1と同一材料、同成形法で図2に示す形状の板状成形品を成形した。長さ、幅、厚さ、突出部高さも実施例1と同一とした。固定位置、固定方法、固有振動数の測定方法も実施例1と揃えた。
(比較例1)
アルミ合金A6063を用い、プレス成形で図3に示すような、ハット形スチフナを4つ設けた形状の成形品を成形した。寸法は長さ2000mm、幅1000mm、厚さ1.2mmとした。突出部高さは100mmとした。固定位置、固定方法、固有振動数の測定方法も実施例1と揃えた。
アルミ合金A6063を用い、プレス成形で図3に示すような、ハット形スチフナを4つ設けた形状の成形品を成形した。寸法は長さ2000mm、幅1000mm、厚さ1.2mmとした。突出部高さは100mmとした。固定位置、固定方法、固有振動数の測定方法も実施例1と揃えた。
(比較例2)
実施例1と同一材料を用い、金型によるプレス成形で比較例1と同一の図3に示すような、ハット形スチフナを4つ設けた形状の成形品を成形した。寸法は長さ2000mm、幅1000mm、厚さ1.2mmとした。突出部高さは100mmとした。固定位置、固定方法、固有振動数の測定方法も実施例1と揃えた。
実施例1と同一材料を用い、金型によるプレス成形で比較例1と同一の図3に示すような、ハット形スチフナを4つ設けた形状の成形品を成形した。寸法は長さ2000mm、幅1000mm、厚さ1.2mmとした。突出部高さは100mmとした。固定位置、固定方法、固有振動数の測定方法も実施例1と揃えた。
これらの実施例と比較例の重量と固有振動数を表1にまとめた。比較例1と比較例2の結果より、同一形状ではアルミのほうがFRPよりも固有振動数が高いことが分かる。また、比較例と実施例の結果より、従来良く使われるハット形スチフナよりも本発明のほうが固有振動数向上に効果があり、より軽量とすることもできることがわかる。したがって本発明は軽量化と固有振動数向上を両立できる構造である。
本発明は、輸送機械、機械部品、電気製品、建築物、土木構造物、日用雑貨等、板上部材全般に幅広く応用することができる。
1:板状成形品
2:突出部
3:尾根線
4:谷線
5:ハット形スチフナ
2:突出部
3:尾根線
4:谷線
5:ハット形スチフナ
Claims (6)
- FRPからなる板状成形品において、前記板状成形品の表面に面外方向の突出部を有し、前記突出部は該板状成形品の長さが最大となる向きの寸法である代表寸法方向に対して周期が1または2のうねり形状であることを特徴とする板状成形品。
- 前記突出部が該板状成形品の実質的にほぼ全域にわたることを特徴とする請求項1に記載の板状成形品。
- 前記突出部は実質的にほぼ全域において0ではない曲率を有する面からなることを特徴とする請求項1または2に記載の板状成形品。
- 前記突出部の突出高さが成形品の代表寸法の5分の1を越えないことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の板状成形品。
- 前記成形品の本体部分の材料が、非連続繊維を強化繊維とするFRPであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の板状成形品。
- 前記非連続繊維が、炭素繊維であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の板状成形品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2013072022A JP2014195917A (ja) | 2013-03-29 | 2013-03-29 | 板状成形品 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2014195917A true JP2014195917A (ja) | 2014-10-16 |
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2013
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