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JP2014179165A - 電気化学素子用セパレータおよび電気化学素子 - Google Patents

電気化学素子用セパレータおよび電気化学素子 Download PDF

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英寿 守上
Nobuaki Matsumoto
修明 松本
Toshio Kanzaki
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Abstract

【課題】 安全性および生産性に優れた電気化学素子と、前記電気化学素子を構成し得るセパレータとを提供する。
【解決手段】 融点が150〜170℃である熱可塑性樹脂(A)を主体とする厚みが25μm以下の基材の表面に、前記熱可塑性樹脂(A)よりも融点が40〜65℃低い熱可塑性樹脂(B)を存在させたことを特徴とする電気化学素子用セパレータと、正極、負極、非水電解液およびセパレータを有する電気化学素子であって、前記セパレータが、本発明の電気化学素子用セパレータであることを特徴とする電気化学素子により、前記課題を解決する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、安全性および生産性に優れた電気化学素子と、前記電気化学素子を構成し得るセパレータに関するものである。
非水電解液を有する電気化学素子の一種であるリチウムイオン二次電池は、エネルギー密度が高いという特徴から、携帯電話やノート型パーソナルコンピューターなどの携帯機器の電源として広く用いられている。携帯機器の高性能化に伴ってリチウムイオン二次電池の高容量化が更に進む傾向にあり、安全性の確保が重要となっている。
現行のリチウムイオン二次電池では、正極と負極との間に介在させるセパレータとして、例えば、ポリオレフィン系の微多孔膜が使用されている。また、セパレータの素材としては、電池の熱暴走温度以下でセパレータの構成樹脂を溶融させて空孔を閉塞させ、これにより電池の内部抵抗を上昇させて短絡の際などに電池の安全性を向上させるシャットダウン機能を確保するために、融点の低いポリエチレンが適用されることがある。
ところが、ポリオレフィン系の微多孔膜は、種々の理由から一軸または二軸延伸を経て製造されることが通常であり、高温に曝された際に収縮しやすい。よって、特にポリエチレン製の微多孔膜セパレータを有する電池では、シャットダウンが発現して電流が減少しきる前に、セパレータの熱収縮によって正極と負極とが接触してしまうことによる内部短絡が生じる虞もある。
ポリエチレン製の微多孔膜を使用したリチウムイオン二次電池における高温下での安全性の問題を解決する技術の提案もある。例えば、特許文献1には、150℃で実質的に変形しない繊維状物またはイオン透過性の多孔質膜を構成要素に含むと共に、シャットダウン機能を確保するための有機微粒子を含むセパレータが記載されている。特許文献1に記載の技術であれば、セパレータの熱収縮を抑えつつ良好にシャットダウンを発現させることが可能であり、リチウムイオン二次電池などの電気化学素子の安全性を高めることができる。
特開2006−164761号公報
ところで、電気化学素子には、安全性の更なる向上と共に、例えば、従来とは異なる態様のセパレータを適用することによる生産性の低下を抑えることも要求され、特許文献1に記載の技術においても、これらの点に未だ改善の余地を残している。
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、安全性および生産性に優れた電気化学素子と、前記電気化学素子を構成し得るセパレータとを提供することにある。
前記目的を達成し得た本発明の電気化学素子用セパレータは、融点が150〜170℃である熱可塑性樹脂(A)を主体とする厚みが25μm以下の基材の表面に、前記熱可塑性樹脂(A)よりも融点が40〜65℃低い熱可塑性樹脂(B)を存在させたことを特徴とするものである。
また、本発明の電気化学素子は、正極、負極、非水電解液およびセパレータを有しており、前記セパレータが本発明の電気化学素子用セパレータであることを特徴とするものである。
本発明によれば、安全性および生産性に優れた電気化学素子と、前記電気化学素子を構成し得るセパレータとを提供することができる。
実施例および比較例のセパレータにおける、非水電解液中での加熱による抵抗値の変化の評価結果を表すグラフである。
本発明の電気化学素子用セパレータ(以下、単に「セパレータ」という場合がある)は、融点が150〜170℃である熱可塑性樹脂(A)を主体とする基材の表面に、この熱可塑性樹脂(A)よりも融点が50〜65℃低い熱可塑性樹脂(B)を存在させて構成したものである。
本発明のセパレータでは、これを有する電気化学素子内の温度が過度に上昇した際に、基材の表面に存在させた熱可塑性樹脂(B)が溶融して空孔を塞ぐシャットダウンが発現するが、熱可塑性樹脂(B)よりも融点が高い熱可塑性樹脂(A)を主体として基材を構成しているために、シャットダウンの発現時点において、溶融などによる基材の形状変化を良好に抑制することができる。よって、本発明のセパレータは、電気化学素子に係る正極と負極との接触を防止しつつ、シャットダウンを発現することが可能であるため、内部短絡の発生を良好に抑制でき、安全性の高い電気化学素子を構成することができる。
本発明のセパレータにおいて、シャットダウン機能を確保するための熱可塑性樹脂(B)の融点は、基材に係る熱可塑性樹脂(A)の融点よりも、40℃以上低く、50℃以上低いことが好ましい。熱可塑性樹脂(A)および熱可塑性樹脂(B)に、このような融点差のものを使用することで、熱可塑性樹脂(B)の溶融によるシャットダウンによって、電気化学素子内の電流値が確実に減少するまで、基材の形状を良好に維持できるため、安全性に優れた電気化学素子を構成可能なセパレータとすることができる。
ただし、セパレータに係る熱可塑性樹脂(A)の融点と熱可塑性樹脂(B)の融点の差が大きすぎると、セパレータや電気化学素子の製造途中に熱可塑性樹脂(B)の溶融が生じて電気化学素子の特性が損なわれる虞があることから、これらの製造時の条件などに、より厳密な管理が必要になるなど、電気化学素子の生産性が低下する虞がある。よって、本発明のセパレータでは、熱可塑性樹脂(B)に、基材に係る熱可塑性樹脂(A)の融点との差が、65℃以下、好ましくは60℃以下であるものを使用して、電気化学素子の生産性向上を図っている。
本明細書でいう熱可塑性樹脂(A)および熱可塑性樹脂(B)の融点は、JIS K 7121の規定に準じて、示差走査熱量計(DSC)を用いて測定される融解温度を意味している。
本発明のセパレータに係る基材には、例えば、従来から知られているリチウムイオン二次電池などの電気化学素子でセパレータとして使用されている多孔質膜、溶剤抽出法、乾式または湿式延伸法などにより作製されたイオン透過性の多孔質膜(微多孔膜)を用いることができる。基材は、単層構造であってもよく、多層構造であってもよい。
基材に係る熱可塑性樹脂(A)は、融点が150℃以上であることが好ましく、この場合には、セパレータを有する電気化学素子の内部温度が上昇しても、比較的高い温度になるまで基材の形状を維持でき、正極と負極との接触を良好に防止できることから、電気化学素子の安全性をより高めることができる。
このような熱可塑性樹脂(A)の具体例としては、ポリプロピレン(PP)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)などが挙げられる。基材は、前記例示の熱可塑性樹脂(A)のうちの1種のみを含有していてもよく、2種以上を含有していてもよい。
基材は、熱可塑性樹脂(A)を主体とするものであり、具体的には、基材の構成成分の全体積(空孔部分を除く全体積。基材の構成成分の全体積について、以下同じ。)熱可塑性樹脂(A)が、50体積%以上であり、60体積%以上であることが好ましく、90体積%以上であることがより好ましい。なお、基材は、熱可塑性樹脂(A)のみで構成されていてもよく、その場合、基材の構成成分の全体積中における熱可塑性樹脂(A)の割合は、100体積%となる。
基材は、熱可塑性樹脂(A)の他に、各種の添加剤(酸化防止剤など)や、無機フィラー(シリカ、アルミナ、ベーマイトなど)を含有していてもよい。
基材の厚みは、セパレータ全体の厚みを抑えて、このセパレータが使用される電気化学素子の容量の低下を抑制する観点から、25μm以下であり、20μm以下であることが好ましい。ただし、基材が薄すぎると、セパレータの強度が不足する虞などがあることから、基材の厚みは、7μm以上であることが好ましく、16μm以上であることがより好ましい。
基材の表面に存在させる熱可塑性樹脂(B)の融点は、低すぎると電気化学素子の通常の使用環境下においてセパレータの空孔の閉塞が生じる虞があることから、100℃以上であることが好ましい。また、熱可塑性樹脂(B)のガラス転移温度(Tg)は、−10℃以下であることが好ましく、また、−130℃以上であることが好ましい。
このような熱可塑性樹脂(B)の具体例としては、融点が90〜120℃の変性ポリエチレンなどが挙げられる。前記の変性ポリエチレンは、ポリエチレン中にアミノ基、カルボキシル基、ヒドロキシル基などの極性基を持つものであり、水分散体や有機溶媒溶液として調製された市販品が知られている。より具体的には、例えば、三井化学社製の「ケミパール」などを適当な濃度に希釈して本発明のセパレータに使用できる。熱可塑性樹脂(B)には、前記例示のもののうちの1種のみを使用していてもよく、2種以上を使用していてもよい。
基材の表面に熱可塑性樹脂(B)を存在させるには、例えば、熱可塑性樹脂(B)および溶媒を含む組成物(塗料)を、基材の表面に塗布し、乾燥して溶液または分散液の溶媒を除去することで、熱可塑性樹脂(B)を含む多孔質層などの、基材の表面に熱可塑性樹脂(B)が存在する領域〔熱可塑性樹脂(B)を含む領域〕を、基材の表面に形成する方法を採用することが好ましい。
熱可塑性樹脂(B)および溶媒を含む組成物は、熱可塑性樹脂(B)が溶媒に分散している分散液であっても、熱可塑性樹脂(B)が溶媒に溶解している溶液であってもよい。ただし、熱可塑性樹脂(B)を含む領域を多孔質とすることが、より容易であることから、熱可塑性樹脂(B)には粒子状のものを使用することが好ましく、よって、熱可塑性樹脂(B)を基材表面に存在させるための組成物は、熱可塑性樹脂(B)が溶媒に分散している分散体であることが好ましい。
熱可塑性樹脂(B)が粒子状である場合、その平均粒子径は、0.5μm以上であることが好ましく、0.8μm以上であることがより好ましく、また、3μm以下であることが好ましく、1.2μm以下であることがより好ましい。本明細書でいう熱可塑性樹脂(B)の平均粒子径は、レーザー散乱粒度分布計(例えば、HORIBA社製「LA−920」)を用い、粒子を溶解しない媒体(例えば、水)に分散させて測定した数平均粒子径である。
熱可塑性樹脂(B)を基材表面に存在させるための組成物には、必要に応じてバインダを含有させてもよい。よって、基材表面における熱可塑性樹脂(B)を含む領域には、熱可塑性樹脂(B)のみが存在していてもよく、熱可塑性樹脂(B)とバインダが存在していてもよい。
バインダには、例えば、EVA(酢酸ビニル由来の構造単位が20〜35モル%のもの)、エチレン−エチルアクリレート共重合体などのエチレン−アクリレート共重合体、各種ゴムおよびその誘導体〔スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、フッ素ゴム、ウレタンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)など〕、セルロース誘導体[カルボキシメチルセルロース(CMC)、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなど]、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルブチラール(PVB)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリ-N-ビニルアセトアミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、PVDF、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(PVDF−HFP)などのうちの1種または2種以上を用いることができる。
バインダを使用する場合には、熱可塑性樹脂(B)100質量部に対して、バインダの使用量を2〜5質量部とすることが好ましい。
熱可塑性樹脂(B)および溶媒を含む組成物に係る溶媒には、水の他に、テトラヒドロフラン(THF)などのフラン類;メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン(MIBK)などのケトン類;などの有機溶媒を用いることができる。
熱可塑性樹脂(B)を含む領域は、基材の片面にのみ存在していてもよく、両面に存在していてもよい。
また、熱可塑性樹脂(B)を含む領域は、基材の表面(少なくとも片面)の全面(ただし、空孔部分は除く)に存在していてもよく、基材の表面が露出するように部分的に存在していてもよい。ただし、熱可塑性樹脂(B)を含む領域は、シャットダウン機能をより良好に確保する観点から、良好に基材の片面の面積のうちの50%以上に、熱可塑性樹脂(B)を含む領域が存在していることが好ましく、基材の少なくとも片面の全面に、熱可塑性樹脂(B)を含む領域が存在していることがより好ましい。
セパレータにおける熱可塑性樹脂(B)の目付けは、熱可塑性樹脂(B)を均一に溶融させてシャットダウンを良好に起こさせる観点から、1g/cm以上であることが好ましく、また、セパレータの厚みの増大を抑制する観点から、3.5g/cm以下であることが好ましい。
熱可塑性樹脂(B)を含む領域の厚み(基材の片面あたりの厚み)は、1μm以上であることが好ましく、また、6μm以下であることが好ましい。
セパレータの総厚みは、8μm以上であることが好ましく、また、30μm以下であることが好ましい。
セパレータの空孔率は、40〜70%であることが好ましい。また、基材の空孔率は、35〜80%であることが好ましい。
本発明の電気化学素子は、正極、負極、非水電解液およびセパレータを備えており、セパレータが本発明の電気化学素子用セパレータであればよく、その他の構成および構造については特に制限はなく、従来から知られているリチウムイオン二次電池などの電気化学素子で採用されている各種構成および構造を適用することができる。
本発明の電気化学素子には、リチウムイオン二次電池などの非水電解液二次電池(非水電解質二次電池)の他、非水電解液一次電池(非水電解質一次電池)やスーパーキャパシタなどが含まれる。
正極としては、例えば、正極活物質であるリチウム含有遷移金属酸化物、バインダおよび導電助剤などを含有する正極合剤層を、集電体の片面または両面に有する構造のものを使用できる。
正極活物質であるリチウム含有遷移金属酸化物の具体例としては、例えば、LiMMn2−x(ただし、Mは、Li、B、Mg、Ca、Sr、Ba、Ti、V、Cr、Fe、Co、Ni、Cu、Al、Sn、Sb、In、Nb、Mo、W、Y、RuおよびRhよりなる群から選択される少なくとも1種の元素であり、0.01≦x≦0.5)で表されるスピネル型リチウムマンガン複合酸化物、LiMn(1−y−x)Ni(2−k)(ただし、Mは、Co、Mg、Al、B、Ti、V、Cr、Fe、Cu、Zn、Zr、Mo、Sn、Ca、SrおよびWよりなる群から選択される少なくとも1種の元素であり、0.8≦x≦1.2、0<y<0.5、0≦z≦0.5、k+l<1、−0.1≦k≦0.2、0≦l≦0.1)で表される層状化合物、LiCo1−x(ただし、Mは、Al、Mg、Ti、Zr、Fe、Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、Nb、Mo、Sn、SbおよびBaよりなる群から選択される少なくとも1種の元素であり、0≦x≦0.5)で表されるリチウムコバルト複合酸化物、LiNi1−x(ただし、Mは、Al、Mg、Ti、Zr、Fe、Co、Cu、Zn、Ga、Ge、Nb、Mo、Sn、SbおよびBaよりなる群から選択される少なくとも1種の元素であり、0≦x≦0.5)で表されるリチウムニッケル複合酸化物、LiM1−x(ただし、Mは、Fe、MnおよびCoよりなる群から選択される少なくとも1種の元素で、Nは、Al、Mg、Ti、Zr、Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、Nb、Mo、Sn、SbおよびBaよりなる群から選択される少なくとも1種の元素であり、0≦x≦0.5)で表されるオリビン型複合酸化物などが挙げられ、これらのうちの1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
正極のバインダとしては、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)などフッ素樹脂などが、また、正極の導電助剤としては、例えば、カーボンブラックなどの炭素材料などが使用される。
正極は、例えば、正極活物質、導電助剤およびバインダを含む正極合剤を、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)などの溶剤に分散させて正極合剤含有組成物(スラリー、ペーストなど)を調製し、これを集電体に塗布し乾燥し、更に必要に応じてカレンダ処理などのプレス処理を施す工程を経て製造することができる。ただし、正極の製造方法は、前記の方法に限定される訳ではなく、他の方法で製造してもよい。
また、正極の集電体としては、アルミニウムなどの金属の箔、パンチングメタル、網、エキスパンドメタルなどを用い得るが、通常、厚みが10〜30μmのアルミニウム箔が好適に用いられる。
正極側のリード部は、通常、正極作製時に、集電体の一部に正極合剤層を形成せずに集電体の露出部を残し、そこをリード部とすることによって設けられる。ただし、リード部は必ずしも当初から集電体と一体化されたものであることは要求されず、集電体にアルミニウム製の箔などを後から接続することによって設けてもよい。
負極としては、従来から知られているリチウムイオン二次電池などの電気化学素子に用いられている負極、すなわち、Liイオンを吸蔵放出可能な活物質を含有する負極であれば特に制限はない。例えば、活物質として、黒鉛、熱分解炭素類、コークス類、ガラス状炭素類、有機高分子化合物の焼成体、メソフェーズカーボンマイクロビーズ(MCMB)、炭素繊維などの、リチウムを吸蔵、放出可能な炭素系材料の1種または2種以上の混合物が用いられる。また、Si、Sn、Ge、Bi、Sb、Inなどの元素を含む単体、化合物およびその合金、リチウム含有窒化物、または酸化物などのリチウム金属に近い低電圧で充放電できる化合物、もしくはリチウム金属やリチウム/アルミニウム合金、更にはLiTi12で表されるようなTi酸化物も負極活物質として用いることができる。これらの負極活物質に導電助剤(カーボンブラックなどの炭素材料など)やPVDFなどのバインダなどを適宜添加した負極合剤を、例えば正極合剤層を形成する前記の方法と同様の方法で集電体を芯材として成形体(負極合剤層)に仕上げたもの、または前記の各種合金やリチウム金属の箔を単独、もしくは集電体上に負極剤層として積層したものなどが用いられる。
負極に集電体を用いる場合には、集電体としては、銅製やニッケル製の箔、パンチングメタル、網、エキスパンドメタルなどを用い得るが、通常、銅箔が用いられる。この負極集電体は、高エネルギー密度の電気化学素子を得るために負極全体の厚みを薄くする場合、厚みの上限は30μmであることが好ましく、下限は5μmであることが望ましい。また、負極側のリード部は、正極側のリード部と同様にして形成すればよい。
前記の正極と前記の負極とは、本発明のセパレータを介して積層した積層体や、更にこれを巻回した巻回電極体の形態で用いることができる。
また、本発明の電気化学素子は、リチウム塩を有機溶媒に溶解した溶液を非水電解液として使用することができる。リチウム塩としては、溶媒中で解離してLiイオンを形成し、電気化学素子として使用される電圧範囲で分解などの副反応を起こしにくいものであれば特に制限は無い。例えば、LiClO、LiPF、LiBF、LiAsF、LiSbF などの無機リチウム塩;LiCFSO、LiCFCO、Li(SO、LiN(CFSO、LiC(CFSO、LiC2n+1SO(n≧2)、LiN(ROSO〔ここでRはフルオロアルキル基〕などの有機リチウム塩;などを用いることができる。
非水電解液に用いる有機溶媒としては、前記のリチウム塩を溶解し、電気化学素子として使用される電圧範囲で分解などの副反応を起こさないものであれば特に限定されない。例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ビニレンカーボネートなどの環状カーボネート;ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネートなどの鎖状カーボネート;プロピオン酸メチルなどの鎖状エステル;γ−ブチロラクトンなどの環状エステル;ジメトキシエタン、ジエチルエーテル、1,3−ジオキソラン、ジグライム、トリグライム、テトラグライムなどの鎖状エーテル;ジオキサン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフランなどの環状エーテル;アセトニトリル、プロピオニトリル、メトキシプロピオニトリルなどのニトリル類;エチレングリコールサルファイトなどの亜硫酸エステル類;などが挙げられ、これらは2種以上混合して用いることもできる。
このリチウム塩の非水電解液中の濃度としては、0.5〜1.5mol/lとすることが好ましく、0.9〜1.25mol/lとすることがより好ましい。
また、非水電解液には、公知のポリマーなどのゲル化剤を添加してゲル状としたもの(ゲル状電解質)を用いることもできる。
本発明の電気化学素子の形態としては、スチール缶やアルミニウム缶などを外装缶として使用した筒形(角筒形や円筒形など)などが挙げられる。また、金属を蒸着したラミネートフィルムを外装体としたソフトパッケージ素子とすることもできる。
本発明の電気化学素子は、従来から知られているリチウムイオン二次電池などの電気化学素子が用いられている各種用途と同じ用途に適用することができる。
以下、実施例に基づいて本発明を詳細に述べる。ただし、下記実施例は、本発明を制限するものではない。
実施例1
変性ポリエチレン(変性PE、融点:115℃、Tg:−120℃):97質量部、およびバインダであるアクリレート共重合体:3質量部に、溶媒である水を加え、更に溶媒である水100質量部に対して界面活性剤を0.5質量部加えて分散させ、固形分濃度が30質量%のスラリーを調製した。このスラリー中における変性PE粒子の平均粒子径は、1.0μmであった。なお、バインダに使用した前記のアクリレート共重合体は、FT−IR測定で得られる吸収スペクトルにおいて、2−エチルヘキシルアクリレート単位およびアクリル酸単位のC=O伸縮振動に基づく吸収ピーク強度が、アクリロニトリル単位のC≡N伸縮振動に基づく吸収ピーク強度の10倍である共重合体である。
前記のスラリーを厚みが7μmのPP製微多孔膜(PPの融点:165℃)の片面に塗布し、乾燥して、粒子状の変性PEを含む領域の厚みが2μmのセパレータを得た。このセパレータでは、PP製微多孔膜の片面の面積のうちの80%に変性PEを含む領域が存在しており、変性PEの目付けは1.2g/cmであった。
実施例2
粒子状の変性PEを含む領域の厚みを5μmとした以外は、実施例1と同様にしてセパレータを作製した。このセパレータでは、PP製微多孔膜の片面の面積のうちの80%に変性PEを含む領域が存在しており、変性PEの目付けは3.0g/cmであった。
実施例1、2のセパレータ、並びに実施例1のセパレータの作製に使用したものと同じPP製微多孔膜(比較例1)、およびポリエチレン(PE)製微多孔膜(厚み:7μm、PEの融点:126℃、比較例2)について、以下の各評価を行った。
<非水電解液中での加熱による抵抗値の変化>
電極にアルミニウム箔および銅箔を用意し、これらの間にセパレータを挟んで積層体とした。この積層体と非水電解液(エチレンカーボネートとジエチルカーボネートとの体積比3:7の混合溶媒にLiPFを1mol/Lの濃度で溶解させた溶液)とを、袋状のラミネートフィルム外装体内に入れた後に、この外装体を熱封止して測定試料を作製した。なお、測定試料の外装体には、外側から内部の電極に接続する端子を設けておき、電極間の抵抗値を測定できる構造としておくとともに、セパレータの箇所に熱電対の先端が位置するように温度計を接続しておいた。
前記の測定試料を恒温槽内に入れ、室温から100℃/minの速度で昇温させたときの電極間の抵抗値とセパレータの温度との変化を測定した。そして、抵抗値が飽和した時点(温度の上昇に関わらず抵抗値が一定となった時点)での温度をシャットダウン温度とした。
<加熱後のガーレー値>
実施例1、2および比較例1、2のセパレータについて、JIS P 8117に準拠した方法でガーレー値(0.879g/mmの圧力下で100mLの空気が膜を透過する秒数)を測定した。続いて、これらのセパレータを恒温槽内に入れ、室温から3℃/minの速度で110℃まで昇温させ、更に110℃で30分保持した。その後、各セパレータを恒温槽から取り出してガーレー値(加熱後のガーレー値)を測定した。ただし、実施例2のセパレータについては、加熱後には空気が透過せず、ガーレー値を測定することができなかった。
前記の各評価結果を、セパレータの構成とともに表1に示す。また、図1に、実施例1、2および比較例1、2のセパレータにおける、非水電解液中での加熱による抵抗値の変化の評価結果を表すグラフを示しているが、実施例1のセパレータと実施例2のセパレータとは同じ挙動を示したため、図1ではこれらを「実施例」として一つの線で表している。
Figure 2014179165
表1において、「熱可塑性樹脂(B)を含む領域」の欄の「目付け」は、熱可塑性樹脂(B)の目付けを表している。
表1に示す通り、実施例1、2のセパレータはシャットダウン温度が110℃であり、これらの基材に使用したPP製微多孔膜セパレータである比較例1のセパレータや、リチウムイオン二次電池のセパレータとして汎用されているPE製微多孔膜セパレータである比較例2のセパレータよりもシャットダウン温度が低い。また、実施例1、2のセパレータでは、図1から分かるように、シャットダウンに相当する抵抗値の上昇が100℃付近で始まり、その上昇が110℃付近で飽和に達しており、良好にシャットダウンが発現している。なお、実施例1、2のセパレータにおいて、シャットダウンが良好に発現していることは、110℃で30分保持した後のガーレー値が非常に大きく、かかる温度で透気性、すなわちイオン透過性が十分に低下していることからも分かる。更に、実施例1、2のセパレータは、一部の測定試料について、シャットダウンが発現した直後に恒温槽から取り出して分解し、その形状を観察したところ、セパレータの形状が良好に維持されていた。
このように、実施例1、2のセパレータは、より低い温度でシャットダウンを発現できることに加えて、その時点でも基材の形状が良好に維持されるため、正極と負極との接触を防止しながら電流値を十分に減少させ得ることから、これらを用いて電気化学素子を構成することで、高い安全性を確保できることが分かる。

Claims (3)

  1. 融点が150〜170℃である熱可塑性樹脂(A)を主体とする厚みが25μm以下の基材の表面に、前記熱可塑性樹脂(A)よりも融点が40〜65℃低い熱可塑性樹脂(B)を存在させたことを特徴とする電気化学素子用セパレータ。
  2. 熱可塑性樹脂(B)は、粒子状であり、かつ融点が100℃以上である請求項1に記載の電気化学素子用セパレータ。
  3. 正極、負極、非水電解液およびセパレータを有する電気化学素子であって、
    前記セパレータが、請求項1または2に記載の電気化学素子用セパレータであることを特徴とする電気化学素子。
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