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JP2014151562A - プラスチック成形用金型及び射出成形方法 - Google Patents

プラスチック成形用金型及び射出成形方法 Download PDF

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JP2014151562A JP2013023577A JP2013023577A JP2014151562A JP 2014151562 A JP2014151562 A JP 2014151562A JP 2013023577 A JP2013023577 A JP 2013023577A JP 2013023577 A JP2013023577 A JP 2013023577A JP 2014151562 A JP2014151562 A JP 2014151562A
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Abstract

【課題】相対移動可能な2つの部材の型合わせ面の摺動抵抗を低減させて型カジリを防止すると共に、型合わせ面の摩耗を抑制して型合わせ面のズレに起因するコアラインなどの成形不良を防止することができるプラスチック成形用金型及び射出成形方法を提供する。
【解決手段】第2金型20を構成する第1入れ子22の後面42の一部に、第2入れ子23に向かって移動可能な可動部材43を備える。可動部材43の摩擦抵抗は、第1入れ子22の後面42の摩擦抵抗よりも小さい。
【選択図】図1

Description

本発明は、アンダーカット部がある成形品を射出成形可能なプラスチック成形用金型及び射出成形方法に関する。
従来、第1金型、第2金型、該第2金型の側面に当接されたバックコア、バックコアに当接された傾斜コア、及び傾斜コアに当接されたスライドコアを備える成形用金型のキャビティ内に樹脂を射出して、バックコアを後退させた後、傾斜コアをバックコアとの型合わせ面に沿って前進させることでアンダーカット部を有する成形品を成形するようにした成形用金型が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2004‐306295号公報
ところで、特許文献1によると、成形用金型を開閉するたびにバックコアと傾斜コアとの型合わせ面で摺動するが、型合わせ面の摩擦抵抗が大きいと型カジリの発生原因となるため、手仕上げなどにより型合わせ面を精度よく仕上げ加工する必要があり、多くの工数を要する問題があった。また、摺動により型合わせ面が摩耗すると、摩耗により生じた隙間に起因してバックコアと傾斜コアとの間にズレが生じ、成形品に所謂コアライン(段差部)が形成されて、製品価値が低下する虞があった。
本発明は、前述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、型合わせ面の摺動抵抗を低減させて型カジリを防止すると共に、型合わせ面の摩耗を抑制して型合わせ面のズレに起因するコアラインなどの成形不良を防止することができるプラスチック成形用金型及び射出成形方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、
相対移動可能な2つの部材(例えば、後述の実施形態における第1入れ子22、第2入れ子23)を少なくとも備え、キャビティ(例えば、後述の実施形態におけるキャビティ50)に合成樹脂を射出して成形品(例えば、後述の実施形態における成形品13)を射出成形可能なプラスチック成形用金型(例えば、後述の実施形態におけるプラスチック成形用金型10)であって、
前記2つの部材のうち一方の部材(例えば、後述の実施形態における第1入れ子22)には、他方の部材(例えば、後述の実施形態における第2入れ子23)との対向面(例えば、後述の実施形態における後面42)に該他方の部材に向かって移動可能な可動部材(例えば、後述の実施形態における可動部材43)を備え、
前記可動部材の摩擦抵抗は、前記一方の部材の対向面の摩擦抵抗よりも小さいことを特徴とする。
請求項2に係る発明は、請求項1の構成に加えて、
前記可動部材は、前記一方の部材との間に介在されて前記可動部材を該他方の部材に向かって付勢する弾性体(例えば、後述の実施形態におけるウレタンゴム45)を備えることを特徴とする。
請求項3に係る発明は、請求項2の構成に加えて、
前記弾性体は、ウレタンゴムであることを特徴とする。
請求項4に係る発明は、請求項1〜3のいずれかの構成に加えて、
前記可動部材は、固体潤滑材を含有する金属板であることを特徴とする。
請求項5に係る発明は、請求項1〜4のいずれかの構成に加えて、
前記相対移動する2つの部材のうち、一方は入れ子であって、且つ、他方は他の入れ子又は金型本体であることを特徴とする。
請求項6に係る発明は、
相対移動可能な2つの部材(例えば、後述の実施形態における第1入れ子22、第2入れ子23)を少なくとも備え、前記2つの部材のうち一方の部材(例えば、後述の実施形態における第1入れ子22)には、他方の部材(例えば、後述の実施形態における第2入れ子23)との対向面に該他方の部材に向かって移動可能な可動部材(例えば、後述の実施形態における可動部材43)を備える成形用金型(例えば、後述の実施形態におけるプラスチック成形用金型10)を用いて、キャビティ(例えば、後述の実施形態におけるキャビティ50)に合成樹脂を射出して成形品を成形する射出成形方法であって、
前記2つの部材の相対移動時には、前記可動部材が前記他方の部材に摺接することで摩擦抵抗を低減することを特徴とする。
請求項7に係る発明は、請求項6の構成に加えて、
前記合成樹脂の射出時には、前記可動部材及び前記一方の部材の対向面が共に前記他方の部材に当接することを特徴とする。
請求項1の発明によれば、相対移動する2つの部材のうち一方の部材は、他方の部材との対向面に該他方の部材に向かって移動可能な可動部材を備えており、可動部材の摩擦抵抗は、一方の部材の対向面の摩擦抵抗よりも小さいので、2つの部材の摺動抵抗を低減させて部材同士を滑らかに摺動可能とし、型カジリや、部材の摺動面の摩耗による成形不良を防止することができる。
請求項2の発明によれば、可動部材は、一方の部材との間に介在されて可動部材を他方の部材に向かって付勢する弾性体を備えるので、簡素な機構で2つの部材の対向面間に隙間を設け、2つの部材の対向面同士の摺動をなくすことで摩耗を防止すると共に、可動部材を部材に摺接させて摺動抵抗を低減させることができる。
請求項3の発明によれば、弾性体は、ウレタンゴムであるので、入れ子や金型本体への組込みや交換が容易である。
請求項4の発明によれば、可動部材は、固体潤滑材を含有する金属板であるので、摩擦抵抗が小さく、且つ交換が容易である。また、固定潤滑材を用いることで、周辺領域の汚れを防止することができる。
請求項5の発明によれば、入れ子同士又は入れ子と金型との摺動抵抗を低減させることができる。
請求項6の発明によれば、2つの部材の相対移動時には、可動部材が他方の部材に摺接することで摩擦抵抗を低減するので、2つの部材の滑らかな摺動が可能となり、型カジリや、部材の摺動面の摩耗による成形不良を防止することができる。
請求項7の発明によれば、合成樹脂の射出時には、可動部材及び一方の部材の対向面が共に他方の部材に当接するので、剛性が確保される。これにより、型合わせ面のズレによるコアラインの発生を防止することができる。
本発明の第1実施形態のプラスチック成形用金型によりアンダーカット部を有する成形品を成形する状態を示す要部断面図である。 入れ子に対する可動部材及び弾性部材の取付け状態を示す断面図である。 図1に示すプラスチック成形用金型が開き、アンダーカット部を有する成形品が取り出される状態を示す要部断面図である。 (a)はプラスチック成形用金型の型閉じ時の要部断面図、(b)は入れ子と可動部材との位置関係を示す要部断面図である。 (a)はプラスチック成形用金型の型開き時の要部断面図、(b)は入れ子と可動部材との位置関係を示す要部断面図である。 (a)は型開き状態から型閉じされるプラスチック成形用金型の要部断面図、(b)は入れ子と可動部材との位置関係を示す要部断面図である。 本発明の第2実施形態のプラスチック成形用金型の要部断面図である。 図7に示すプラスチック成形用金型の可動部材近傍の拡大図である。 本発明の第3実施形態のプラスチック成形用金型の要部断面図である。 本発明の第4実施形態のプラスチック成形用金型の要部断面図である。
以下、本発明の実施の形態を、添付図面に基づいて説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
(第1実施形態)
図1に示すように、本実施形態のプラスチック成形用金型10は、第1金型11と、第2金型20とから構成されている。第1金型11には、成形品13の外面を成形する成形面14が設けられている。第1金型11と第2金型20とは、接近及び離間する方向(図1中、左右方向)に相対移動することで型閉じ及び型開きされる。
第2金型20は、金型本体21と、第1入れ子22と、第2入れ子23と、の組み合わせからなる。金型本体21には、成形品13のアンダーカット部13aの外面を成形する成形面36が形成されると共に、第1入れ子22及び第2入れ子23の後端部24,25をそれぞれ収容可能な凹部26,27を備える。
凹部26,27は、凹部26,27の底部に向かうに従って次第に幅狭となるように傾斜する傾斜側面28,29を有する。第1及び第2入れ子22,23の後端部24,25は、それぞれ傾斜側面28,29に対応して同じ角度で傾斜する傾斜面30,31を有し、型閉じしたとき、後端部24,25の傾斜面30,31が、凹部26,27の傾斜側面28,29にそれぞれ当接し、第1及び第2入れ子22,23が位置決めされる。
金型本体21には、凹部26に連通するロッド案内孔32がプラスチック成形用金型10の型開き方向(図中左右方向)に沿って貫通して形成されている。凹部27には、アンギュラピン33が傾斜側面29と略平行に突出して固定されている。
第1入れ子22には、成形品13の裏面の一部を成形する成形面34が設けられている。第1入れ子22の後端部24には、ロッド案内孔32に摺動自在に嵌合する作動ロッド35の一端が固定され、作動ロッド35の他端は、押し出し板37に固定されている。
押し出し板37は、ガススプリングなどの不図示の駆動装置により駆動されて左右方向に移動可能であり、押し出し板37の動きが作動ロッド35を介して第1入れ子22に伝達され、第1入れ子22の後端部24が凹部26に嵌合し、また凹部26から突き出される。
第2入れ子23には、アンダーカット部13aを含む成形品13の裏面の残りの部分を成形する成形面39が設けられている。第2入れ子23は、傾斜側面29と同じ傾斜角で傾斜するアンギュラピン孔40を備え、このアンギュラピン孔40にアンギュラピン33が摺動自在に嵌合している。これにより、第2入れ子23は、アンギュラピン33に案内されて傾斜側面29に沿って移動可能である。
また、第2入れ子23の先端面41は、第1入れ子22の成形面34の裏面側に設けられた後面42に当接する。即ち、第2入れ子23の先端面41と第1入れ子22の後面42とは、第1及び第2入れ子22,23の型合わせ面であり、それぞれが相対移動する第1及び第2入れ子22,23の対向面をなしている。
図2も参照して、第1入れ子22の後面42に形成された凹溝44には、第2入れ子23の先端面41と摺接する可動部材43が先端面41に向かって移動可能に配置されている。可動部材43は、第1入れ子22の後面42の摩擦抵抗よりも摩擦抵抗が小さくなるように構成され、例えば、金属板にあけた孔の中に摩擦係数が低いグラファイトなどの固体潤滑材が埋設されている。
可動部材43は、例えば、弾性体であるウレタンゴム45を介して凹溝44に配置され、ウレタンゴム45の弾性力により凹溝44から突出する方向に付勢されている。可動部材43及びウレタンゴム45は、それぞれに設けられた段付き孔43a及び取付け孔45aに挿通し、第1入れ子22に螺合するボルト46によって固定されている。なお、ボルト46の頭部46aは、第1入れ子22の後面42より低くなるように設定されている。これにより、第1入れ子22の後面42と、第2入れ子23の先端面41とが当接する型閉じ時に、ボルト46の頭部46aが第2入れ子23の先端面41に接触することはない。また、ボルト46の頭部46aにより、可動部材43の突出量が規定される。
なお、弾性体は、ウレタンゴム45に限定されず、板ばねや圧縮コイルばねなどで構成してもよく、また駆動機構を内蔵する構成であってもよい。また、凹溝44は、第2入れ子23の先端面41に設け、可動部材43が第1入れ子22の後面42と摺接するように配置してもよい。
図1に示すように、成形品13の射出成形時には、不図示の駆動装置により駆動されて第1金型11と第2金型20とが型閉じされる。これにより、第1金型11の成形面14、金型本体21の成形面36、第1入れ子22の成形面34、及び第2入れ子23の成形面39によりキャビティ50が形成され、このキャビティ50内に溶融樹脂を射出することで成形品13が成形される。
そして、プラスチック成形用金型10から成形品13を取り出す際には、図3に示すように、第1金型11と第2金型20とを離間させて型開きした後、不図示の駆動装置により押し出し板37を図中左方向に駆動し、作動ロッド35を介して第1入れ子22を凹部26から突き出す。
第2入れ子23は、第1入れ子22の駆動に伴って、第1入れ子22の移動方向に対して傾斜しているアンギュラピン33に案内されて斜め左下方に移動する。このとき、第2入れ子23の先端面41と第1入れ子22の後面42とは型合わせ面に沿って移動し、第2入れ子23が成形品13のアンダーカット部13aから離間するので、プラスチック成形用金型10から成形品13の取り出しが可能となる。
なお、第2入れ子23を第1入れ子22の移動に連動させて確実に移動させるためには、所謂スライドキーパーなどを第1及び第2入れ子22,23の型合わせ面に配置して、第1及び第2入れ子22,23が型合わせ面(先端面41と後面42)に沿って相対移動自在、且つ離間しないように連結することが好ましい。
次に、図4から図6を参照してプラスチック成形用金型10の作用を詳細に説明する。なお、図4から図6では、アンギュラピン33及びアンギュラピン孔40を省略して図示する。
図4(a),(b)に示すように、型閉じされているとき、作動ロッド35はガススプリングなどで駆動されて図中右方向に移動しており、第1入れ子22は、後端部24が凹部26に収容されている。
また、第2入れ子23は、第1入れ子22によって押圧されて、後端部25が凹部27に収容されている。
このとき、可動部材43は、ウレタンゴム45の弾性力に抗して凹溝44に押し込まれ、第1入れ子22の後面42及び可動部材43とが面一となって、第2入れ子23の先端面41に当接している。これにより、第1入れ子22の成形面34及び第2入れ子23の成形面39に作用する樹脂の射出圧は、第1入れ子22の後面42及び可動部材43から第2入れ子23の先端面41に伝達され、後端部24,25が嵌合する第2金型20の凹部26,27で受けられるので、型ズレすることはない。
また、図5(a),(b)に示すように、型開き時、作動ロッド35により第1入れ子22が凹部26から左方向に押し出されると、第1入れ子22の後面42と第2入れ子23の先端面41とで圧縮されていたウレタンゴム45の弾性力により可動部材43が凹溝44から突出する。これにより、第1入れ子22の後面42と第2入れ子23の先端面41とが離間して、後面42と先端面41との間に隙間Cが形成され、第2入れ子23の先端面41には、摩擦抵抗の小さな材料からなる可動部材43のみが接触した状態となる。
作動ロッド35により第1入れ子22が更に左方向に押圧されると、第2入れ子23はアンギュラピン33に案内されて斜め左下方に移動する(図3参照)。このとき、第2入れ子23は、第1入れ子22に対して下方に移動する。即ち、第1入れ子22の後面42と第2入れ子23の先端面41とが、型合わせ面に沿ってずれる。
第2入れ子23の先端面41は、摩擦抵抗の小さな可動部材43とのみ接触しているので、抵抗なく滑らかに摺動移動して型合わせ面でのカジリが防止される。また、第1入れ子22と第2入れ子23とは可動部材43を介して接触するので、後面42と先端面41とが全面接触した場合と比較して接触面積が小さく、更に摺動抵抗が低減する。また、第1入れ子22の後面42と第2入れ子23の先端面41とは、可動部材43を介して摺動するので、型開き及び型閉じ動作によって摩耗することが抑制される。
図6(a),(b)に示すように、プラスチック成形用金型10から成形品13を取り出し後、型閉じのために作動ロッド35を駆動して第1入れ子22を右方向に移動させると、第2入れ子23は、可動部材43及びウレタンゴム45を介して第1入れ子22の後面42で右方向に押圧され、アンギュラピン33に案内されて斜め右上方に移動する。このとき、第1入れ子22と第2入れ子23とは、型合わせ面に沿って相対移動するが、第1入れ子22の後面42と第2入れ子23の先端面41との間には、隙間Cが維持されており、第2入れ子23の先端面41は可動部材43とのみ接触しているので、摺動抵抗が小さく、滑らかに摺動移動する。
やがて、第2入れ子23の後端部25が凹部27に押し込まれ第2入れ子23が金型本体21に対して位置決めされる。
更に、第1入れ子22が右方向に移動すると、可動部材43はウレタンゴム45を圧縮しながら凹溝44に押し込まれ、第1入れ子22の後面42が第2入れ子23の先端面41に次第に接近し、やがて後面42と先端面41とが接触する。そして、第1入れ子22の後端部24が凹部26に押し込まれ、第1入れ子22が金型本体21に対して位置決めされ、型閉じが完了する。
このように、型開き及び型閉じする際、第1入れ子22と第2入れ子23とは、後面42と先端面41との型合わせ面に沿って相対移動するが、常時、後面42と先端面41との間には隙間Cが維持されており、型閉じが終了したときにのみ接触する。従って、先端面41及び後面42が摩耗したり、損傷を受けることが抑制される。また、先端面41と後面42とが型合わせ面に沿って相対移動するとき、先端面41は摩擦抵抗の小さな可動部材43とのみ摺接するので、摺動抵抗が小さく、滑らかに摺動移動する。
以上説明したように、本実施形態に係るプラスチック成形用金型10によれば、第1入れ子22は、第2入れ子23と対向する後面42に、第2入れ子23に向かって移動可能な可動部材43を備えており、可動部材43の摩擦抵抗は、第1入れ子22の後面42の摩擦抵抗よりも小さいので、第1及び第2入れ子22,23の摺動抵抗を低減させて第1及び第2入れ子22,23を滑らかに摺動可能とし、型カジリや、第1及び第2入れ子22,23の後面42及び先端面41の摩耗による成形不良を防止することができる。
また可動部材43は、第1入れ子22との間に介在されて可動部材43を第2入れ子23に向かって付勢するウレタンゴム45を備えるので、簡素な機構で第1入れ子22の後面42と第2入れ子23の先端面41に隙間Cを設け、後面42と先端面41の摺動をなくすことで摩耗を防止すると共に、可動部材43を第2入れ子23に摺接させて摺動抵抗を低減させることができる。
また、弾性体は、ウレタンゴムであるので、第1入れ子22への組込みや交換が容易である。
また、可動部材43は、固体潤滑材を含有する金属板であるので、摩擦抵抗が小さく、且つ交換が容易である。また、固定潤滑材を用いることで、周辺領域の汚れを防止することができる。
また、合成樹脂の射出時には、可動部材43及び第1入れ子22の後面42が共に第2入れ子23に当接するので、剛性が確保される。これにより、型合わせ面のズレによるコアラインの発生を防止することができる。
(第2実施形態)
図7及び図8は、本発明の第2実施形態に係るプラスチック成形用金型の要部断面図、及び可動部近傍の拡大図である。本実施形態のプラスチック成形用金型は、第1及び第2入れ子同士がクサビ作用により係合し、可動部材及び弾性体が第2入れ子に設けられている以外は、第1実施形態のプラスチック成形用金型と同様であるので、同一又は同等部分には同一符号又は相当符号を付して説明を簡略化又は省略する。
図7及び図8に示すように、本実施形態のプラスチック成形用金型10の第2金型20は、金型本体21と、第1入れ子22と、第2入れ子23とから構成される。第2入れ子23の先端面41には、前方に突出する略台形状の凸部51が形成されている。凸部51の上面には、先端に向かうに従って先細りとなるように傾斜する傾斜面52が設けられている。また、凸部51の前端面には、凹溝44が設けられており、この凹溝44にウレタンゴム45を介して可動部材43が後面42に向かって移動可能に配置されている。
第1入れ子22の後面42には、第2入れ子23の凸部51を収容可能な凹部53が設けられている。凹部53の上面には、凸部51の傾斜面52に対応して同じ角度で傾斜する傾斜側面54が形成されている。また、凹部53の底面55は、後面42と平行な平面となっており、凸部51の前端面に配設された可動部材43が摺接する。凹部53の底面55と凸部51の前端面は、それぞれ相対移動する第1及び第2入れ子22,23の対向面をなしている。
凹部53の図中上下方向の幅は、凸部51の幅より広く形成されており、第2入れ子23の凸部51が第1入れ子22の凹部53に収容されたとき、傾斜側面54の反対側には隙間C1が形成される。これにより、第2入れ子23は、第1入れ子22に対して隙間C1だけ後面42に沿って相対移動可能である。
第1及び第2入れ子22,23は、型閉じしたとき、特に、成形時、樹脂の射出圧が第1入れ子22に作用したとき、凸部51の傾斜面52と凹部53の傾斜側面54とがクサビ作用によって密着する。これにより、第1及び第2入れ子22,23は、位置ズレが防止されて実質的に1つの入れ子として作用するので、キャビティ50の形状変形が防止され、コアラインなどのない良好な成形品質が確保される。
また、第1入れ子22の材料を低硬度とし、第2入れ子23の材料を高硬度とするなど、第1及び第2入れ子22,23に硬度差を設けるようにすれば、第1及び第2入れ子22,23の密着性が更に向上すると共に、型カジリが効果的に防止される。
プラスチック成形用金型10が型閉じ及び型開きするとき、第2入れ子23は、第1入れ子22に対して後面42に沿って相対移動するが、第1入れ子22の底面55と摩擦抵抗の小さな可動部材43とが摺接するので、小さな摺動抵抗で滑らかに摺動移動する。
その他の構成及び効果は、第1実施形態のプラスチック成形用金型10と同様である。
(第3実施形態)
図9は、本発明の第3実施形態に係るプラスチック成形用金型の要部断面図である。本実施形態のプラスチック成形用金型は、第2入れ子がアンギュラピンを備えず、作動ロッドにより押し出し板38とは異なる他の押し出し板に連結されている点で第1実施形態のプラスチック成形用金型と異なる。
図9に示すように、本実施形態のプラスチック成形用金型10の金型本体21は、凹部27に連通するロッド案内孔61が凹部27の傾斜側面29と略平行に形成されており、ロッド案内孔61に摺動自在に嵌合する作動ロッド62の一端が第2入れ子23の後端部25に固定され、作動ロッド62の他端が、押し出し板(不図示)に連結されている。
これにより、作動ロッド35を介して第1入れ子22の後端部24が凹部26から押し出され、或いは引き込まれると、これに連動するように作動ロッド62を介して第2入れ子23の後端部25が凹部27から押し出され、或いは引き込まれることにより、第2入れ子23が、斜め左下方或いは斜め右上方に移動するので、第2入れ子23が成形品13のアンダーカット部13aから離間して、アンダーカット部13aを有する成形品13の取り出しが可能となる。
(第4実施形態)
図10は、本発明の第4実施形態に係るプラスチック成形用金型の要部断面図である。
図10に示すように、本実施形態のプラスチック成形用金型10は、第1金型11と、第2金型20とから構成されている。第1金型11には、成形品13の外面を成形する成形面14が設けられている。第1金型11と第2金型20とは、接近及び離間する方向(図10中、左右方向)に相対移動することで型閉じ及び型開きされる。
第2金型20は、金型本体21と、傾斜入れ子70との組み合わせからなる。金型本体21には、成形品13のアンダーカット部13aの外面を成形する成形面36が形成されると共に、傾斜入れ子70の後端部71を収容可能な凹部27を備える。
凹部27は、下面が底部に向かうに従って次第に幅狭となるように傾斜する傾斜側面29をなしている。傾斜入れ子70の後端部71は、傾斜側面29に対応する傾斜面73を有し、型閉じしたとき、後端部71が凹部27に収容されて傾斜入れ子70が位置決めされる。傾斜入れ子70の傾斜面73と凹部27の傾斜側面29は、それぞれ相対移動する傾斜入れ子70と金型本体21の対向面をなしている。
金型本体21には、凹部27に連通するロッド案内孔61が傾斜側面29と略平行に貫通して形成されている。
傾斜入れ子70には、成形品13の裏面の全部を成形する成形面34が設けられている。傾斜入れ子70の後端部71には、ロッド案内孔61に摺動自在に嵌合する作動ロッド62の一端が固定され、作動ロッド62の他端は、不図示の押し出し板に固定されている。押し出し板37の動きが作動ロッド62を介して傾斜入れ子70に伝達され、傾斜入れ子70の後端部71が凹部27に嵌合し、また凹部27から突き出される。
凹部27の傾斜側面29と対向する傾斜入れ子70の傾斜面73には、凹溝44が形成され、凹部27の傾斜側面29と摺接する可動部材43が傾斜側面29に向かってウレタンゴム45を介して移動可能に配置されている。可動部材43は、傾斜入れ子70の傾斜面73の摩擦抵抗よりも摩擦抵抗が小さくなるように構成され、例えば、金属板にあけた孔の中に摩擦係数が低いグラファイトなどの固体潤滑材が埋設されている。なお、可動部材43及びウレタンゴム45の構成については、第1実施形態と同じであるのでここでは説明を省略する。
このように、第1〜第3実施形態のように入れ子同士である第1及び第2入れ子22,23の対向面に可動部材43を設ける場合と同様に、傾斜入れ子70と金型本体21の対向面に可動部材43を設けてもよく、この場合も、型開き及び型閉じする際、傾斜入れ子70と金型本体21とは、対向面に沿って相対移動するが、常時、傾斜面73と傾斜側面29との間には隙間が維持されており、型閉じが終了したときにのみ接触する。従って、傾斜面73及び傾斜側面29が摩耗したり、損傷を受けることが抑制される。また、傾斜面73と傾斜側面29とが相対移動するとき、傾斜側面29は摩擦抵抗の小さな可動部材43とのみ摺接するので、摺動抵抗が小さく、傾斜入れ子70は滑らかに摺動移動する。
尚、本発明は、前述した各実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。
10 プラスチック成形用金型
13 成形品
21 金型本体(他方の部材)
22 第1入れ子(一方の部材)
23 第2入れ子(他方の部材)
42 後面(対向面)
43 可動部材(固体潤滑材を含有する金属板)
45 ウレタンゴム(弾性体)
50 キャビティ
70 傾斜入れ子(一方の部材)

Claims (7)

  1. 相対移動可能な2つの部材を少なくとも備え、キャビティに合成樹脂を射出して成形品を射出成形可能なプラスチック成形用金型であって、
    前記2つの部材のうち一方の部材には、他方の部材との対向面に該他方の部材に向かって移動可能な可動部材を備え、
    前記可動部材の摩擦抵抗は、前記一方の部材の対向面の摩擦抵抗よりも小さいことを特徴とするプラスチック成形用金型。
  2. 前記可動部材は、前記一方の部材との間に介在されて前記可動部材を該他方の部材に向かって付勢する弾性体を備えることを特徴とする請求項1に記載のプラスチック成形用金型。
  3. 前記弾性体は、ウレタンゴムであることを特徴とする請求項2に記載のプラスチック成形用金型。
  4. 前記可動部材は、固体潤滑材を含有する金属板であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のプラスチック成形用金型。
  5. 前記2つの部材のうち、一方は入れ子であって、且つ、他方は他の入れ子又は金型本体であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のプラスチック成形用金型。
  6. 相対移動可能な2つの部材を少なくとも備え、前記2つの部材のうち一方の部材には、他方の部材との対向面に該他方の部材に向かって移動可能な可動部材を備える成形用金型を用いて、キャビティに合成樹脂を射出して成形品を成形する射出成形方法であって、
    前記2つの部材の相対移動時には、前記可動部材が前記他方の部材に摺接することで摩擦抵抗を低減することを特徴とする射出成形方法。
  7. 前記合成樹脂の射出時には、前記可動部材及び前記一方の部材の対向面が共に前記他方の部材に当接することを特徴とする請求項6に記載の射出成形方法。
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