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JP2014145003A - プリプレグおよび繊維強化複合材料 - Google Patents

プリプレグおよび繊維強化複合材料 Download PDF

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JP2014145003A
JP2014145003A JP2013012966A JP2013012966A JP2014145003A JP 2014145003 A JP2014145003 A JP 2014145003A JP 2013012966 A JP2013012966 A JP 2013012966A JP 2013012966 A JP2013012966 A JP 2013012966A JP 2014145003 A JP2014145003 A JP 2014145003A
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JP2013012966A
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Ayako Mori
綾子 森
Yuko Shimizu
悠子 清水
Nobuyuki Tomioka
伸之 富岡
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Toray Industries Inc
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Toray Industries Inc
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Abstract

【課題】安定した耐衝撃性、層間靭性を発現し、かつ湿熱時圧縮強度を兼ね備えた繊維強化複合材料、これを得るためのプリプレグ、およびそれを用いた繊維強化複合材料を提供すること。
【解決手段】次の[A]〜[D]と強化繊維からなるプリプレグであって、[C]および[D]の総量の90質量%以上がプリプレグ表面からプリプレグの厚さの20%の深さの範囲内に存在していることを特徴とするプリプレグ。
[A]エポキシ樹脂
[B]エポキシ樹脂硬化剤
[C]次の(c−i)〜(c−iii)の条件を満たす、エポキシ樹脂に不溶なポリマー粒子
(c−i)粒子の真球度が90〜100である
(c−ii)ガラス転移温度が80〜180℃の範囲にある
(c−iii)平均粒子径が10〜30μmの範囲にある
[D]次の(d−i)と(d−ii)の条件を満たす、エポキシ樹脂に不溶なポリマー粒子
(d−i)ガラス転移温度が80〜155℃の範囲にある
(d−ii)平均粒子径が[C]の1/1000を上回りかつ1/10を下回る範囲にある
【選択図】なし

Description

本発明は、優れた層間靱性、湿熱時圧縮強度を兼ね備えた繊維強化複合材料が得られるプリプレグ、およびそれを用いた繊維強化複合材料に関するものである。
繊維強化複合材料、中でも炭素繊維強化複合材料は、比強度や比剛性に優れていることから有用であり、航空機構造部材、風車の羽根、自動車外板およびICトレイやノートパソコンの筐体(ハウジング)などのコンピュータ用途等に広く展開され、その需要は年々増加しつつある。
炭素繊維強化複合材料は、強化繊維である炭素繊維とマトリックス樹脂を必須の構成要素とするプリプレグを成形してなる不均一材料であり、そのため強化繊維の配列方向の物性とそれ以外の方向の物性に大きな差が存在する。例えば、強化繊維層間破壊の進行しにくさを示す層間靱性は、強化繊維の強度を向上させるのみでは、抜本的な改良に結びつかないことが知られている。特に、熱硬化性樹脂をマトリックス樹脂とする炭素繊維強化複合材料は、マトリックス樹脂の低い靭性を反映し、強化繊維の配列方向以外からの応力に対し、破壊され易い性質を持っている。そのため、航空機構造材で必要となる高温高湿環境下での繊維方向圧縮強度を確保しつつ、層間靭性を始めとする強化繊維の配列方向以外からの応力に対応することができる複合材料物性の改良を目的に、種々の技術が提案されている。
さらに近年、航空機構造材への繊維強化複合材料の適用部位が拡大している他、発電効率やエネルギー変換効率の向上を目指した風車ブレードや各種タービンへの繊維強化複合材料の適用も進んでおり、プリプレグの積層枚数の多い肉厚な部材、また3次元的な曲面形状を有する部材への適用検討が進められている。このような肉厚部材、あるいは曲面部材に引っ張りや圧縮の応力が負荷された場合、繊維層間への面外方向への引き剥がし応力が発生し、層間に開口モードによる亀裂が生じ、その亀裂の進展により部材全体の強度、剛性が低下し、全体破壊に到る場合がある。この応力に対抗するための、開口モード、すなわちモードIでの層間靱性が必要になる。
加えて、このような大型構造材を成形する際、部位による熱履歴の差の発生を免れない。従って、かかる繊維強化複合材料には、成形時の温度−時間プロファイルがある程度変動した場合でも、同等の形態および特性を発現できるものであることが併せて求められている。
これに対し、繊維層間領域に高靱性なポリアミド等を用いた粒子材料を配置することで、モードII層間靱性を高め、部材表面への落錘衝撃に対する損傷を抑える技術が提案されている(特許文献1参照)。ただし、この技術を用いた場合でも、モードI層間靱性に対しては、十分な効果が得られるものではなかった。
一方、高融点熱可塑性粒子と、低融点熱可塑性粒子を含むマトリックス樹脂を用いることで、耐衝撃性に加えて層間破壊靭性の高い材料が開示されている(特許文献2参照)。ただし、この技術を用いた場合でも、モードI層間靱性と湿熱時の繊維方向圧縮強度を両立が難しく、また繊維強化複合材料の成形条件によって、層間粒子の溶融、変形により層間の形態が変動し、安定した層間靭性を発現できるものではなかった。さらに、ガラス転移温度(Tg)の異なる2種の粒子を組み合わせ、耐熱性を維持しつつ耐衝撃性、層間靭性を改良できる材料が開示されており、Tgおよび粒子径の異なる真球状のポリアミド粒子を組み合わせた例が開示されている(特許文献3参照)。ただし、この技術を用いた場合でも、繊維強化複合材料の成形条件によって、層間粒子の溶融、変形により層間の形態が変動し、安定した層間靭性を発現できるものではなかった。また、層間を進展するクラックが強化繊維層内に遷移し、靭性値が変動する問題も見られた。
米国特許第5,028,478号明細書 特表2010−525101号公報 特開平7−41576号公報
本発明の目的は、層間靱性を安定して発現し、かつ湿熱時圧縮強度を兼ね備えた繊維強化複合材料が得られるプリプレグ、およびそれを用いた繊維強化複合材料を提供することにある。
本発明は、上記目的を達成するために次のいずれかの構成を有するものである。すなわち、次の[A]〜[D]と強化繊維からなるプリプレグであって、[C]および[D]の総量の90質量%以上がプリプレグ表面からプリプレグの厚さの20%の深さの範囲内に存在していることを特徴とするプリプレグである。
[A]エポキシ樹脂
[B]エポキシ樹脂硬化剤
[C]次の(c−i)〜(c−iii)の条件を満たす、エポキシ樹脂に不溶なポリマー粒子
(c−i)粒子の真球度が90〜100である
(c−ii)ガラス転移温度が80〜180℃の範囲にある
(c−iii)平均粒子径が10〜30μmの範囲にある
[D]次の(d−i)と(d−ii)の条件を満たす、エポキシ樹脂に不溶なポリマー粒子
(d−i)ガラス転移温度が80〜155℃の範囲にある
(d−ii)平均粒子径が[C]の1/1000を上回りかつ1/10を下回る範囲にある。
本発明のプリプレグの好ましい態様によれば、[C]は、粒子径分布指数が1.0〜1.8の範囲にある。
本発明のプリプレグの好ましい態様によれば、[C]は、結晶性を有するポリアミドからなるエポキシ樹脂に不溶なポリマー粒子である。
本発明のプリプレグの好ましい態様によれば、[C]と[D]の総量に対する[D]の質量含有率が5〜30質量%の範囲内にある。
本発明のプリプレグの好ましい態様によれば、[D]の真球度が90〜100である。
本発明のプリプレグの好ましい態様によれば、[C]が一般式(1)の化学構造を含むポリアミド粒子である。
Figure 2014145003
(式中R、Rは、水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、もしくはハロゲン元素を表わし、それぞれ同一でも異なっていても良い。式中Rは、炭素数1から20のメチレン基を表す)
本発明のプリプレグの好ましい態様によれば、前記のエポキシ樹脂[A]は、多官能アミン型エポキシ樹脂を含むものである。
本発明のプリプレグの好ましい態様によれば、前記のエポキシ樹脂硬化剤[B]が芳香族アミンであり、さらにはジアミノジフェニルスルホンもしくはその誘導体または異性体を、それ単独もしくはそれ以外の芳香族アミンと組み合わせて用いても良い。
また、本発明においては、前記のプリプレグを硬化させて繊維強化複合材料とすることができる。
本発明によれば、層間靱性を安定して発現し、かつ湿熱時圧縮強度を兼ね備えた繊維強化複合材料、およびこれを得るためのプリプレグが得られる。
以下、本発明のプリプレグ、および繊維強化複合材料について詳細に説明する。
本発明におけるエポキシ樹脂[A]は、一分子内に2個以上のエポキシ基を有する化合物を意味する。
本発明におけるエポキシ樹脂[A]の具体例としては、水酸基を複数有するフェノールから得られる芳香族グリシジルエーテル、水酸基を複数有するアルコールから得られる脂肪族グリシジルエーテル、アミンから得られるグリシジルアミン、カルボキシル基を複数有するカルボン酸から得られるグリシジルエステル、オキシラン環を有するエポキシ樹脂などが挙げられる。
中でも、低粘度で強化繊維への含浸性に優れ、また繊維強化複合材料とした際の耐熱性と弾性率等の力学物性に優れることから、グリシジルアミン型のエポキシ樹脂を好適に使用できる。かかるグリシジルアミン型のエポキシ樹脂は、多官能アミン型エポキシ樹脂と2官能アミン型エポキシ樹脂に大別できる。
かかる多官能アミン型エポキシ樹脂は、エポキシ樹脂1分子内に3つ以上のエポキシ基を含むグリシジルアミン型エポキシ樹脂を指す。かかる多官能アミン型エポキシ樹脂としては、例えば、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、トリグリシジルアミノフェノール、テトラグリシジルキシリレンジアミンや、これらのハロゲン置換体、アルキル置換体、アラルキル置換体、アリル置換体、アルコキシ置換体、アラルコキシ置換体、アリロキシ置換体、水添品などを使用することができる。
かかる多官能アミン型エポキシ樹脂は特に限定されるものではないが、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、トリグリシジルアミノフェノール、テトラグリシジルキシリレンジアミンおよびその置換体、水添品などが好適に使用される。
前記テトラグリシジルジアミノジフェニルメタンとしては、“スミエポキシ(登録商標)”ELM434(住友化学工業(株)製)、YH434L(新日鉄住金化学(株)製)、“jER(登録商標)”604(三菱化学(株)製)、“アラルダイド(登録商標)”MY720、MY721(ハンツマン・アドバンスト・マテリアルズ社製)等を使用することができる。トリグリシジルアミノフェノールおよびそのアルキル置換体としては、“スミエポキシ(登録商標)”ELM100、ELM120(住友化学工業(株)製)、“アラルダイド(登録商標)”MY0500、MY0510、MY0600(ハンツマン・アドバンスト・マテリアルズ社製)、“jER(登録商標)”630(三菱化学(株)製)等を使用することができる。テトラグリシジルキシリレンジアミンおよびその水素添加品として、“TETRAD(登録商標)”−X、“TETRAD(登録商標)”−C(三菱ガス化学(株)製)等を使用することができる。
多官能アミン型エポキシ樹脂は、得られる樹脂硬化物の耐熱性や、弾性率等の力学物性とのバランスに優れることから、本発明におけるエポキシ樹脂[A]として好ましく用いられる。かかる多官能アミン型エポキシ樹脂は、全エポキシ樹脂中に40〜70質量%含まれることが望ましい。
本発明におけるエポキシ樹脂[A]は、グリシジルアミン以外のエポキシ樹脂や、エポキシ樹脂と熱硬化性樹脂の共重合体等を含んでも良い。エポキシ樹脂と共重合させて用いられる上記の熱硬化性樹脂としては、例えば、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、エポキシ樹脂、ベンゾオキサジン樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂およびポリイミド樹脂等が挙げられる。これらの樹脂組成物や化合物は、単独で用いてもよいし適宜配合して用いてもよい。
グリシジルアミン以外のエポキシ樹脂として用いられるエポキシ樹脂のうち、2官能のエポキシ樹脂としては、フェノールを前駆体とするグリシジルエーテル型エポキシ樹脂が好ましく用いられる。このようなエポキシ樹脂として、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ウレタン変性エポキシ樹脂、ヒダントイン型およびレゾルシノール型エポキシ樹脂等が挙げられる。
本発明におけるエポキシ樹脂に不溶なポリマー粒子[C]は、次の(c−i)〜(c−iii)の条件を満たす必要がある。
(c−i)粒子の真球度が90〜100である。
(c−ii)ガラス転移温度が80〜180℃の範囲にある。
(c−iii)平均粒子径が10〜30μmの範囲にある。
ここで、エポキシ樹脂に不溶であるとは、かかるポリマー粒子を分散したエポキシ樹脂を加熱硬化した際に、ポリマー粒子がエポキシ樹脂中に実質的に溶解しないことを意味しており、例えば透過型電子顕微鏡を用い、エポキシ樹脂硬化物の中で、粒子が元のサイズから実質的に縮小することなく、粒子とマトリックス樹脂の間に明確な界面をもって観察できるものであることを指す。
本発明におけるポリマー粒子[C]は、真球度が90〜100であることが必要であり、96〜100であることが好ましい。このような高い真球度とすることで、かかるポリマー粒子を分散したエポキシ樹脂組成物の粘度を低く抑えることが出来、その分、ポリマー粒子の配合量を増やすことが可能となるとともに、[D]と組み合わせた際に、粒子の充填率を高めることができる。かかる真球度が90に満たない場合、エポキシ樹脂組成物の粘度上昇によりポリマー粒子の配合量が制限されるとともに、[D]と組み合わせた際の粒子の充填化効果が小さいものとなる。
かかる真球度は、走査型電子顕微鏡にて、粒子を観察し、短径と長径を測定し、無作為に選んだ粒子30個の平均より、下記数値変換式に従い算出されるものである。
Figure 2014145003
尚、n:測定数30とする。
また、本発明におけるポリマー粒子[C]は、ガラス転移温度が80〜180℃の範囲にあることが必要であり、130〜155℃の範囲にあることが好ましく、130〜150℃の範囲にあることがより好ましい。このような比較的高いガラス転移温度とすることで、本発明のプリプレグを積層し加熱硬化する際にポリマー粒子の変形が起こらず、主に下記する強化繊維と、エポキシ樹脂[A]およびエポキシ樹脂硬化剤[B]からなる繊維層(以下、繊維層と記述することがある)と繊維層との間に、ポリマー粒子と樹脂組成物からなる層(以下、層間または層間樹脂層、または層間領域と記述することがある)が安定して形成され、層間靭性に優れるとともに、湿熱時圧縮強度を安定して確保できる繊維強化複合材料を得ることが可能となる。かかるガラス転移温度が80℃に満たない場合、層間靭性および湿熱時圧縮強度のバランスの不十分な繊維強化複合材料となる。一方、かかるガラス転移温度が180℃を上回る場合、ポリマー粒子自身の靱性が不足する傾向があるとともに、ポリマー粒子とマトリックス樹脂の界面接着性が不十分となり、層間靭性が不十分な繊維強化複合材料となる。
かかるガラス転移温度は、示差走査熱量測定法(DSC法)を用いて、30℃から、予測されるガラス転移温度よりも30℃高い温度以上まで、昇温速度20℃/分の昇温条件で昇温し、1分間保持した後、20℃/分の降温条件で0℃まで一旦冷却し、1分間保持した後、再度20℃/分の昇温条件で測定した際に観察されるガラス転移温度(Tg)のことである。
本発明におけるポリマー粒子[C]は、平均粒子径が10〜30μmの範囲にあることが必要である。かかる平均粒子径は、数平均粒子径を指す。平均粒子径がこのような範囲にあることで、かかるポリマー粒子を分散したエポキシ樹脂組成物と強化繊維を組み合わせたプリプレグを積層し、加熱硬化して得られる繊維強化複合材料において、適度な層間領域の厚み(以下、層間厚みと記述することがある)を有する繊維強化複合材料を得ることが出来、その結果、層間靭性が安定して高いものとなる。
また、本発明におけるエポキシ樹脂に不溶なポリマー粒子[C]は、その粒子径分布指数が1.0〜1.8((c−iv))であることが好ましく、1.1〜1.5であることがより好ましい。このような比較的狭い粒子径分布とすることで、かかるポリマー粒子を分散したエポキシ樹脂組成物と強化繊維を組み合わせたプリプレグを積層し、加熱硬化して得られる繊維強化複合材料において、[D]と組み合わせた際に、層間領域での粒子の充填率を効果的に高めることができる傾向にある。また一部の粗大な粒子の存在により層間厚みの過大な領域が発生することなく、均一な層間厚みを有する繊維強化複合材料を得ることが出来る傾向にある。かかる粒子径分布指数が1.8を上回る場合、[D]と組み合わせた際に、層間領域での粒子の充填率が向上しにくい上、層間厚みのムラ発生に起因して、これらの特性のばらつきの大きな材料となる傾向にある。
かかる粒子径分布指数は、後述の方法で得られた粒子直径の値を、下記数値変換式に基づき、決定されるものである。
Figure 2014145003
尚、Di:粒子個々の粒子径、n:測定数100、Dn:数平均粒子径、Dv:体積平均粒子径、PDI:粒子径分布指数とする。
本発明におけるポリマー粒子[C]は、樹脂種を限定されるものではなく、ガラス転移温度が80〜180℃の範囲にある熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂がいずれも適用可能である。
熱可塑性樹脂としては、具体的には、ビニル系重合体、ポリエステル、ポリアミド、ポリアリーレンエーテル、ポリアリーレンスルフィド、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリアセタール、シリコーンおよびこれらの共重合体などが挙げられる。
熱硬化性樹脂としては、具体的には、エポキシ樹脂、ベンゾオキサジン樹脂、ビニルエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、マレイミド樹脂、シアン酸エステル樹脂および尿素樹脂などが挙げられる。
上述した樹脂は1種以上で用いることができる。
これらの中で、熱可塑性樹脂であるポリアミドが伸度、靭性、およびマトリックス樹脂との接着性が高いことから好ましく用いられる。ポリアミドとしては、3員環以上のラクタム、重合可能なアミノカルボン酸、二塩基酸とジアミンまたはそれらの塩、あるいはこれらの混合物の重縮合によって得られるポリアミドが挙げられる。
ガラス転移温度が80℃〜180℃の範囲にあるポリアミドの例としては、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド(ナイロン6T)、ポリノナンテレフタルアミド(ナイロン9T)、ポリ−m−キシレンアジパミド(ナイロンMXD)、3,3’-ジメチル−4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタンとドデカ二酸およびイソフタル酸の共重合体(例示するならば、“グリルアミド(登録商標)” TR55、エムザベルケ社製)、3,3’-ジメチル−4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタンとドデカ二酸の共重合体(例示するならば、“ グリルアミド(登録商標)” TR90、エムザベルケ社製)、4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタンとドデカ二酸の共重合体(例示するならば、“トロガミド(登録商標)”CX7323 、デグサ社製)などが挙げられる。
中でも、本発明におけるポリマー粒子[C]は、結晶性を有するポリアミド((c−v))であることが好ましい。結晶性を有するために繊維強化複合材料とした際に粒子の変形を抑えられ、安定した層間厚み及び層間靭性を有する繊維強化複合材料を得ることができる。
結晶性を示すポリアミドの例としては、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド(ナイロン6T)、ポリノナンテレフタルアミド(ナイロン9T)、ポリ−m−キシレンアジパミド(ナイロンMXD)、4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタンとドデカ二酸の共重合体(例示するならば、“トロガミド(登録商標)”CX7323 、デグサ社製)などが挙げられる。
加えて、繊維強化複合材料とした際の層間靭性に加えて、耐湿熱性、耐溶剤性にも優れた繊維強化複合材料が得られる点で、本発明におけるポリマー粒子[C]は、一般式(1)の化学構造を含むポリアミドであることが好ましい。
Figure 2014145003
(式中R、Rは、水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、もしくはハロゲン元素を表わし、それぞれ同一でも異なっていても良い。式中Rは、炭素数1から20のメチレン基を表す)。
このようなポリアミドとしては、3,3’-ジメチル−4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタンとドデカ二酸の共重合体(例示するならば、“グリルアミド(登録商標)” TR90、エムザベルケ社製)、3,3’-ジメチル−4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタンとイソフタル酸と12−アミノドデカン酸の共重合体と3,3’-ジメチル−4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタンとドデカ二酸の共重合体との混合物(例示するならば、“ グリルアミド(登録商標)”TR70LX、エムザベルケ社製)、 4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタンとドデカ二酸の共重合体(例示するならば、“トロガミド(登録商標)”CX7323 、デグサ社製)などが挙げられる。
本発明におけるポリマー粒子[D]は、次の(d−i)と(d−ii)の条件を満たす必要がある。
(d−i)ガラス転移温度が80〜155℃の範囲にある
(d−ii)平均粒子径が[C]の1/1000を上回りかつ1/10を下回る範囲にある。
本発明におけるポリマー粒子[D]は、ガラス転移温度が80〜155℃の範囲にある必要があり、130〜155℃の範囲にあることが好ましく、130〜150℃の範囲にあることがより好ましい。このような比較的高いガラス転移温度とすることで、加熱硬化の際にポリマー粒子の変形が起こらず、安定した層間厚みが形成され、層間靭性に優れるとともに、湿熱時圧縮強度を安定して確保できる繊維強化複合材料を得ることが可能となる。かかるガラス転移温度が80℃に満たない場合、層間靭性および湿熱時圧縮強度のバランスの不十分な繊維強化複合材料となる。一方、かかるガラス転移温度が155℃を上回る場合、ポリマー粒子自身の靱性が不足する傾向があるとともに、ポリマー粒子とマトリックス樹脂の界面接着性が不十分となり、層間靭性が不十分な繊維強化複合材料となる。
本発明におけるポリマー粒子[D]は、平均粒子径が[C]の1/1000を上回りかつ1/10を下回る範囲にある必要があり、1/100を上回りかつ1/10を下回る範囲にあることが好ましい。かかる平均粒子径がこの範囲内にあることにより、ポリマー粒子[D]が、繊維層と層間樹脂層の界面に分布し、界面の靭性を向上させて繊維層内に亀裂が入ることを防ぎ、安定して層間靭性を向上させる。かかる平均粒子径が1/10を上回るとき、この粒子が界面に分布することができず、界面の靭性向上効果が小さくなる。かかる平均粒子径が1/1000を下回るとき、この粒子が層間樹脂層との界面に留まることができずに繊維層深くに入り込んで界面の靭性に寄与しなくなる、あるいは、小径粒子配合による粘度上昇によりプリプレグの製造プロセスが悪化する。
加えて、本発明におけるポリマー粒子[D]は、[C]と[D]の総量に対する[D]の質量含有率が5〜30質量%の範囲内にあることが好ましい。[D]の質量含有率がかかる範囲内にあることで、樹脂組成物の粘度上昇を極力抑えつつ、層間領域および繊維層と層間樹脂層の界面での粒子の充填率を効果的に高めることができる。かかる質量含有率が5質量%を下回る場合、繊維層と層間樹脂層の界面付近での小粒径粒子の粒子充填効果が小さくなるために繊維強化複合材料の層間破壊モードの変化や層間靭製の向上効果が小さくなる。一方、かかる質量含有率が30質量%を上回る場合、樹脂組成物の粘度上昇によりプリプレグの製造プロセスが悪化する。
本発明におけるポリマー粒子[D]は、ポリマー種を限定されるものではなく、[C]と同一のポリマー種であっても同一でないポリマー種であっても構わない。
本発明におけるポリマー粒子[D]は、真球度が90〜100((d−iii))であることが好ましく、96〜100であることがより好ましい。このような高い真球度とすることで、かかるポリマー粒子を分散したエポキシ樹脂組成物の粘度を低く抑えることが出来、その分、ポリマー粒子の配合量を増やすことが可能となるとともに、[C]と組み合わせた際に、粒子の充填率を高めることができる。かかる真球度が90に満たない場合、エポキシ樹脂組成物の粘度上昇によりポリマー粒子の配合量が制限されるとともに、界面における充填化効果が小さいものとなる。
本発明のプリプレグは、エポキシ樹脂硬化剤[B]を配合して用いる。かかるエポキシ樹脂硬化剤は、エポキシ基と反応し得る活性基を有する化合物である。具体的には、例えば、ジシアンジアミド、芳香族ポリアミン、アミノ安息香酸エステル類、各種酸無水物、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ポリフェノール化合物、イミダゾール誘導体、脂肪族アミン、テトラメチルグアニジン、チオ尿素付加アミン、メチルヘキサヒドロフタル酸無水物のようなカルボン酸無水物、カルボン酸ヒドラジド、カルボン酸アミド、ポリメルカプタンおよび三フッ化ホウ素エチルアミン錯体のようなルイス酸錯体などが挙げられる。
芳香族ポリアミンを硬化剤として用いることにより、耐熱性の良好なエポキシ樹脂硬化物が得られる。特に、芳香族ポリアミンの中でも、ジアミノジフェニルスルホンもしくはその誘導体、またはその各種異性体は、耐熱性の良好なエポキシ樹脂硬化物を得るため最も適している硬化剤である。
また、ジシアンジアミドと尿素化合物、例えば、3,4−ジクロロフェニル−1,1−ジメチルウレアとの組合せ、あるいはイミダゾール類を硬化剤として用いることにより、比較的低温で硬化しながら高い耐熱耐水性が得られる。酸無水物を用いてエポキシ樹脂を硬化することは、アミン化合物硬化に比べ吸水率の低い硬化物を与える。その他、これらの硬化剤を潜在化したもの、例えば、マイクロカプセル化したものを用いることにより、プリプレグの保存安定性、特にタック性やドレープ性が室温放置しても変化しにくい。
硬化剤の添加量の最適値は、エポキシ樹脂と硬化剤の種類により異なる。例えば、芳香族アミン硬化剤では、化学量論的に当量となるように添加することが好ましいが、エポキシ樹脂のエポキシ基量に対する芳香族アミン硬化剤の活性水素量の比を0.7〜0.9付近とすることにより、当量で用いた場合より高弾性率樹脂が得られることがあり、これも好ましい態様である。これらの硬化剤は、単独で使用しても複数を併用してもよい。
芳香族ポリアミン硬化剤の市販品としては、セイカキュアS(和歌山精化工業(株)製)、MDA−220(三井化学(株)製)、“jERキュア(登録商標)”W(三菱化学(株)製)、および3,3’−DAS(三井化学(株)製)、Lonzacure(登録商標)M−DEA(Lonza(株)製)、Lonzacure(登録商標)M−DIPA(Lonza(株)製)、Lonzacure(登録商標)M−MIPA(Lonza(株)製)およびLonzacure(登録商標)DETDA 80(Lonza(株)製)などが挙げられる。
また、これらエポキシ樹脂[A]とエポキシ樹脂硬化剤[B]、あるいはそれらの一部を予備反応させた物を組成物中に配合することもできる。この方法は、粘度調節や保存安定性向上に有効な場合がある。
本発明のプリプレグは、本発明の効果を妨げない範囲で、カップリング剤や、熱硬化性ポリマー粒子、エポキシ樹脂に溶解可能な熱可塑性樹脂、あるいはシリカゲル、カーボンブラック、クレー、カーボンナノチューブ、金属粉体といった無機フィラー等を配合することができる。
本発明のプリプレグは、エポキシ樹脂[A]、エポキシ樹脂硬化剤[B]、ポリマー粒子[C]およびポリマー粒子[D]を有してなるエポキシ樹脂組成物を、[C]および[D]の総量の90質量%以上がプリプレグ表面からプリプレグの厚さの20%の深さの範囲内に存在する形態で、強化繊維に含浸させてなるものである。本発明のプリプレグに用いられる強化繊維としては、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、ボロン繊維、PBO繊維、高強力ポリエチレン繊維、アルミナ繊維および炭化ケイ素繊維などを用いることができる。これらの繊維を、2種類以上混合して用いても構わない。強化繊維の形態や配列については限定されず、例えば、一方向に引き揃えられた長繊維、単一のトウ、織物、ニット、不織布、マットおよび組紐などの繊維構造物が用いられる。
特に、材料の軽量化や高強度化の要求が高い用途においては、その優れた比弾性率と比強度のため、炭素繊維を好適に用いることができる。
本発明で好ましく用いられる炭素繊維は、用途に応じてあらゆる種類の炭素繊維を用いることが可能であるが、層間靭性や耐衝撃性の点から高くとも400GPaの引張弾性率を有する炭素繊維であることが好ましい。また、強度の観点からは、高い剛性および機械強度を有する複合材料が得られることから、引張強度が好ましくは4.4〜6.5GPaの炭素繊維が用いられる。また、引張伸度も重要な要素であり、1.7〜2.3%の高強度高伸度炭素繊維であることが好ましい。従って、引張弾性率が少なくとも230GPaであり、引張強度が少なくとも4.4GPaであり 、引張伸度が少なくとも1.7%であるという特性を兼ね備えた炭素繊維が最も適している。
炭素繊維の市販品としては、“トレカ(登録商標)”T800G−24K、“トレカ(登録商標)”T800S−24K、 “トレカ(登録商標)”T700G−24K、“トレカ(登録商標)”T300−3K、および“トレカ(登録商標)”T700S−12K(以上東レ(株)製)などが挙げられる。
炭素繊維の形態や配列については、一方向に引き揃えた長繊維や織物等から適宜選択できるが、軽量で耐久性がより高い水準にある炭素繊維強化複合材料を得るためには、炭素繊維が、一方向に引き揃えた長繊維(繊維束)や織物等連続繊維の形態であることが好ましい。
本発明において用いられる炭素繊維束は、単繊維繊度が0.2〜2.0dtexであることが好ましく、より好ましくは0.4〜1.8dtexである。単繊維繊度が0.2dtex未満では、撚糸時においてガイドローラーとの接触による炭素繊維束の損傷が起こり易くなることがあり、また樹脂組成物の含浸処理工程においても同様の損傷が起こることがある。単繊維繊度が2.0dtexを超えると炭素繊維束に樹脂組成物が充分に含浸されないことがあり、結果として耐疲労性が低下することがある。
本発明において用いられる炭素繊維束は、一つの繊維束中のフィラメント数が2500〜50000本の範囲であることが好ましい。フィラメント数が2500本を下回ると繊維配列が蛇行しやすく強度低下の原因となりやすい。また、フィラメント数が50000本を上回るとプリプレグ作製時あるいは成形時に樹脂含浸が難しいことがある。フィラメント数は、より好ましくは2800〜40000本の範囲である。
本発明のプリプレグは、エポキシ樹脂[A]、エポキシ樹脂硬化剤[B]、ポリマー粒子[C]およびポリマー粒子[D]を有してなる樹脂組成物を強化繊維に含浸したものであることが好ましく、そのプリプレグの繊維質量分率は好ましくは40〜90質量%であり、より好ましくは50〜80質量%である。繊維質量分率が低すぎると、得られる繊維強化複合材料の質量が過大となり、比強度および比弾性率に優れる繊維強化複合材料の利点が損なわれることがあり、また、強化繊維質量分率が高すぎると、前記樹脂組成物の含浸不良が生じ、得られる繊維強化複合材料がボイドの多いものとなり易く、その力学特性が大きく低下することがある。
本発明のプリプレグは、粒子に富む層、すなわちその断面を観察したときに、少なくともポリマー粒子[C]とポリマー粒子[D]が局在して存在している状態が明瞭に確認しうる層(以下、粒子層と略記することがある。)が、プリプレグの表面付近部分に形成されている構造であると良い。
このような構造をとることにより、プリプレグを積層してエポキシ樹脂を硬化させて繊維強化複合材料とした場合は、繊維層と繊維層の間にポリマー粒子[C]とポリマー粒子[D]を有する層間樹脂層が形成され易く、得られる繊維強化複合材料に高度の層間靭性や耐衝撃性が発現されるようになる。
このような観点から、ポリマー粒子[C]およびポリマー粒子[D]を有してなる粒子層は、プリプレグの厚さ100%に対して、プリプレグの表面から、表面を起点として厚さ方向に好ましくは20%の深さ、より好ましくは10%の深さの範囲内に存在していることが好ましい。また、粒子層は、片面のみに存在させても良いが、プリプレグに表裏ができるため、注意が必要となる。プリプレグの積層を間違えて、粒子のある層間とない層間が形成されると、層間靭性の低い複合材料となる。表裏の区別をなくし、積層を容易にするため、粒子層はプリプレグの表裏両面に存在する方がよい。
さらに、前記の粒子層内に存在するポリマー粒子[C]およびポリマー粒子[D]の存在率は、プリプレグ中、ポリマー粒子[C]および[D]の総量に対して90〜100質量%であり、好ましくは95〜100質量%である。
この粒子の存在率は、例えば、下記の方法で評価することができる。すなわち、プリプレグを2枚の表面の平滑なポリ四フッ化エチレン樹脂板の間に挟持して密着させ、7日間かけて徐々に硬化温度まで温度を上昇させてゲル化、硬化させて板状のプリプレグ硬化物を作製する。得られた硬化物の、断面の顕微鏡写真を撮影する。この断面写真を用いて、粒子層を両面に配置したプリプレグの場合、このプリプレグ硬化物の両面に、プリプレグ硬化物の表面から、厚さの20%深さ位置にプリプレグの表面と平行な線をそれぞれ、計2本引く。次に、プリプレグの表面と上記線との間に存在する粒子の合計面積と、プリプレグの厚みに渡って存在する粒子の合計面積を求め、プリプレグの厚さ100%に対して、プリプレグの表面から20%の深さの範囲に存在する粒子の存在率を計算する。ここで、粒子の合計面積は、断面写真から粒子部分を刳り抜き、その質量から換算して求める。また、一般に用いられる画像処理ソフトを用いて計測することも可能である。断面写真において樹脂中に分散する粒子の判別が困難な場合は、粒子を染色する手段も採用できる。
本発明のプリプレグは、特開平1−26651号公報、特開昭63−170427号公報または特開昭63−170428号公報に開示されているような方法を応用して製造することができる。具体的には、本発明のプリプレグは、強化繊維とエポキシ樹脂[A]とエポキシ樹脂硬化剤[B]を有してなる樹脂組成物からなる一次プリプレグの表面に、ポリマー粒子[C]および[D]を粒子の形態のまま塗布する方法、マトリックス樹脂中にこれらの粒子を均一に混合した混合物を調整し、この混合物を強化繊維に含浸させる過程において、強化繊維でこれら粒子の侵入を遮断せしめてプリプレグの表面部分に粒子を局在化させる方法、または予め前記樹脂組成物を強化繊維に含浸させて一次プリプレグを作製しておき、一次プリプレグ表面に、これらの粒子を高濃度で含有する前記樹脂組成物からなる樹脂フィルムを貼付する方法等で製造することができる。ポリマー粒子[C]およびポリマー粒子[D]が、プリプレグの厚み20%の深さの範囲に均一に存在することで、層間靭性の高い繊維複合材料用のプリプレグが得られる。
本発明のプリプレグは、エポキシ樹脂[A]とエポキシ樹脂硬化剤[B]を有してなる樹脂組成物を、メチルエチルケトンやメタノール等の溶媒に溶解して低粘度化し、強化繊維に含浸させるウェット法と、エポキシ樹脂組成物を加熱により低粘度化し、強化繊維に含浸させるホットメルト法等によって好適に製造することができる。
ウェット法は、強化繊維をエポキシ樹脂[A]とエポキシ樹脂硬化剤[B]を有してなる樹脂組成物の溶液に浸漬した後、引き上げ、オーブン等を用いて溶媒を蒸発せしめ、プリプレグを得る方法である。
ホットメルト法は、加熱により低粘度化したエポキシ樹脂[A]とエポキシ樹脂硬化剤[B]を有してなる樹脂組成物を直接強化繊維に含浸させる方法、または前記樹脂組成物を離型紙等の上にコーティングした樹脂フィルムを作製しておき、次に強化繊維の両側または片側からその樹脂フィルムを重ね、加熱加圧することにより前記樹脂組成物を転写含浸せしめ、プリプレグを得る方法である。このホットメルト法では、プリプレグ中に残留する溶媒が実質的に皆無となるため好ましい態様である。
また、本発明の繊維強化複合材料は、このような方法により製造されたプリプレグを複数枚積層後、得られた積層体に熱および圧力を付与しながら、エポキシ樹脂[A]とエポキシ樹脂硬化剤[B]を有してなる樹脂組成物を加熱硬化させる方法等により製造することができる。
熱および圧力を付与する方法としては、プレス成形法、オートクレーブ成形法、バッギング成形法、ラッピングテープ法および内圧成形法等が使用される。特にスポーツ用品の成形には、ラッピングテープ法と内圧成形法が好ましく用いられる。
ラッピングテープ法は、マンドレル等の芯金にプリプレグを捲回して、繊維強化複合材料製の管状体を成形する方法であり、ゴルフシャフトや釣り竿等の棒状体を作製する際に好適な方法である。より具体的には、マンドレルにプリプレグを捲回し、プリプレグの固定および圧力付与のため、プリプレグの外側に熱可塑性樹脂フィルムからなるラッピングテープを捲回し、オーブン中でエポキシ樹脂[A]とエポキシ樹脂硬化剤[B]を有してなる樹脂組成物を加熱硬化させた後、芯金を抜き去って管状体を得る方法である。
また、内圧成形法は、熱可塑性樹脂製のチューブ等の内圧付与体にプリプレグを捲回したプリフォームを金型中にセットし、次いでその内圧付与体に高圧の気体を導入して圧力を付与すると同時に金型を加熱せしめ、管状体を成形する方法である。この内圧成形法は、ゴルフシャフト、バット、およびテニスやバトミントン等のラケットのような複雑な形状物を成形する際に、特に好ましく用いられる。
本発明の繊維強化複合材料は、上述した本発明のプリプレグを所定の形態で積層し、加圧・加熱してエポキシ樹脂[A]とエポキシ樹脂硬化剤[B]を有してなる樹脂組成物を硬化させる方法を一例として製造することができる。
本発明の繊維強化複合材料は、上記(c−i)〜(c−iii)、(d−i)〜(d−ii)の条件を同時に満たす、エポキシ樹脂[A]に不溶なポリマー粒子[C]およびポリマー粒子[D]を用いることで、繊維層間領域におけるポリマー粒子の充填度が高いものとなる。従って、同量のポリマー粒子を層間に配置した場合でも、繊維層間厚みがとりわけ小さな繊維強化複合材料が得られ、その結果、層間靭性GICが十分に高いものとなる。かかる層間厚みは、10〜30μmの範囲にあることが好ましい。かかる層間厚みは、例えば以下の手順で測定することができる。繊維強化複合材料を強化繊維に直交する方向から切断し、その断面を研磨後、光学顕微鏡で200倍以上に拡大し写真撮影する。写真上の無作為に選んだ繊維層間領域について、強化繊維の体積含有率が50%となる、繊維層と平行に引いたラインを繊維層領域と繊維層間領域の境界ラインとして、100μmの長さに渡り平均化した境界ラインを引き、その間の距離を層間厚みとする。
本発明は、強化繊維層に挟まれた層間領域に、ポリマー粒子[C]、[D]ともに局在し、その中で粒子径の大きな[C]の間を粒子径の小さな[D]が埋める形で分布する場合に、これらの粒子が層間領域に密に充填され、同量のポリマー粒子を層間に配置した場合でも層間厚みの小さな繊維強化複合材料となる。
本発明の繊維強化複合材料は、その断面において、光学顕微鏡により観察されるポリマー粒子[C]の真球度が90〜100の範囲にあることが好ましく、96〜100の範囲にあることがより好ましい。特に粒子径の大きな[C]が成形後も高い真球度を維持することにより、ポリマー粒子全体として真球度が維持され、それにより、成形条件によらず安定した層間厚みが得られ、層間靭性を始めとする力学特性が安定して発現するものとなる。かかる真球度は、例えば以下の手順で測定することができる。繊維強化複合材料を炭素繊維に直交する方向から切断し、その断面を研磨後、光学顕微鏡で200倍以上に拡大し写真撮影する。この写真から[C]粒子の短径と長径を測定し、無作為に選んだ粒子30個の平均より、下記数値変換式に従い算出されるものである。
Figure 2014145003
尚、n:測定数30とする。
以下、実施例によって、本発明のプリプレグと繊維強化複合材料について、より具体的に説明する。実施例で用いた樹脂原料、プリプレグおよび繊維強化複合材料の作製方法および評価法を、次に示す。実施例のプリプレグの作製環境および評価は、特に断りのない限り、温度25℃±2℃、相対湿度50%の雰囲気で行ったものである。
<炭素繊維(強化繊維)>
・“トレカ(登録商標)”T800G−24K−31E(フィラメント数24,000本、引張強度5.9GPa、引張弾性率294GPa、引張伸度2.0%の炭素繊維、東レ(株)製)。
<エポキシ樹脂[A]>
・“スミエポキシ(登録商標)”ELM434(テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、住友化学(株)製)
・“アラルダイト(登録商標)”MY0600(m−アミノフェノール型エポキシ樹脂、エポキシ当量118,ハンツマン・アドバンスト・マテリアルズ(株)社製)
・“エピクロン(登録商標)”830(ビスフェノールF型エポキシ樹脂、DIC(株)製)
<エポキシ樹脂硬化剤[B]>
・3,3’−DAS(3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、三井化学ファイン(株)製)。
<その他の成分>
・“スミカエクセル(登録商標)”PES5003P(ポリエーテルスルホン、住友化学(株)製)。
<ポリマー粒子[C]>
・粒子1(“トロガミド(登録商標)”CX7323を原料として作製した、平均粒子径18μm、粒子径分布1.2、真球度98、Tg137℃の粒子)
1000mlの耐圧ガラスオートクレーブ(耐圧硝子工業(株)ハイパーグラスターTEM−V1000N)の中に、ポリマーAとしてポリアミド(重量平均分子量 17,000、デグザ社製 “トロガミド(登録商標)” CX7323)を37g、有機溶媒としてN−メチル−2−ピロリドン 285g、ポリマーBとしてポリビニルアルコール 28g(日本合成化学工業株式会社製 “ゴーセノール(登録商標)” GM−14 重量平均分子量 29,000、酢酸ナトリウム含量0.23質量%、SP値32.8(J/cm1/2)を加え、99体積%以上の窒素置換を行った後、180℃に加熱し、ポリマーが溶解するまで2時間攪拌を行った。その後、貧溶媒として350gのイオン交換水を、送液ポンプを経由して、2.92g/分のスピードで滴下した。約200gのイオン交換水を加えた時点で、系が白色に変化した。全量の水を入れ終わった後、攪拌したまま降温させ、得られた懸濁液を、ろ過し、イオン交換水 700gを加えてリスラリー洗浄し、濾別したものを、80℃ 10時間真空乾燥を行い、灰色に着色した固体を36g得た。得られた粉体を走査型電子顕微鏡にて観察したところ、真球状の微粒子形状であり、平均粒子径 18μm、粒子径分布指数 1.2のポリアミド微粒子であった。
・粒子2(“トロガミド(登録商標)”CX7323を原料として作製した、平均粒子径13μm、粒子径分布1.2、真球度97、Tg137℃の粒子)
1000mlの耐圧ガラスオートクレーブ(耐圧硝子工業(株)ハイパーグラスターTEM−V1000N)の中に、ポリマーAとしてポリアミド(重量平均分子量 17,000、デグザ社製 “トロガミド(登録商標)”CX7323)を35g、有機溶媒としてN−メチル−2−ピロリドン 287g、ポリマーBとしてポリビニルアルコール 28g(日本合成化学工業株式会社製 “ゴーセノール(登録商標)”GM−14 重量平均分子量 29,000、酢酸ナトリウム含量0.23質量%、SP値32.8(J/cm1/2)を加え、99体積%以上の窒素置換を行った後、180℃に加熱し、ポリマーが溶解するまで2時間攪拌を行った。その後、貧溶媒として350gのイオン交換水を、送液ポンプを経由して、2.92g/分のスピードで滴下した。約200gのイオン交換水を加えた時点で、系が白色に変化した。全量の水を入れ終わった後、攪拌したまま降温させ、得られた懸濁液を、ろ過し、イオン交換水 700gを加えてリスラリー洗浄し、濾別したものを、80℃ 10時間真空乾燥を行い、灰色に着色した固体を34g得た。得られた粉体を走査型電子顕微鏡にて観察したところ、真球状の微粒子形状であり、平均粒子径 13μm、粒子径分布指数 1.2のポリアミド微粒子であった。
・粒子3(“トレパール(登録商標)”TN、東レ(株)製、平均粒子径13.0μm、粒子径分布2.10、真球度96、Tg167℃)。
<ポリマー粒子[D]>
・粒子4(“トロガミド(登録商標)”CX7323を原料として作製した、平均粒子径1.1μm、粒子径分布1.2、真球度92、Tg137℃の粒子)
(粒子4の製造方法)
2000mLのフラスコの中に、ポリアミド(重量平均分子量 17,000、デグザ社製 “トロガミド(登録商標)”CX7323)を5質量%の濃度となるようギ酸に溶解させた。このポリアミド−ギ酸混合溶液300gに対してエタノール450gを加えて攪拌を行った。そして、18℃に冷却した1875gのエタノール中に、ポリアミド−ギ酸−エタノール混合溶液を撹拌しながら注ぎ込んだ。粒子が完全に析出するまで10分ほど撹拌し続けた後に遠心分離(15℃、9500rpm、10分)を行って上澄み液を取り除き、得られた粒子をエタノールでリスラリー洗浄を行った。得られた懸濁液を再度遠心分離(15℃、9500rpm、10分)を行った後に粒子を回収して凍結乾燥を行い、粒子4の白色固体を得た。
・粒子5(SSX−101、積水化成品工業(株)製、平均粒子径1.5μm、架橋ポリメタクリル酸メチルからなる真球状粒子、Tg120℃)
<その他の粒子>
・粒子6(“トロガミド(登録商標)”CX7323を原料として作製した、平均粒子径4μm、粒子径分布1.2、真球度98、Tg137℃の粒子)
1000mlの耐圧ガラスオートクレーブ(耐圧硝子工業(株)ハイパーグラスターTEM−V1000N)の中に、ポリマーAとしてポリアミド(重量平均分子量 17,000、デグザ社製 “トロガミド(登録商標)”CX7323)を20g、有機溶媒としてN−メチル−2−ピロリドン 295g、ポリマーBとしてポリビニルアルコール 35g(日本合成化学工業株式会社製 “ゴーセノール(登録商標)”GM−14 重量平均分子量 29,000、酢酸ナトリウム含量0.23質量%、SP値32.8(J/cm1/2)を加え、99体積%以上の窒素置換を行った後、180℃に加熱し、ポリマーが溶解するまで2時間攪拌を行った。その後、貧溶媒として350gのイオン交換水を、送液ポンプを経由して、2.92g/分のスピードで滴下した。約200gのイオン交換水を加えた時点で、系が白色に変化した。全量の水を入れ終わった後、攪拌したまま降温させ、得られた懸濁液を、ろ過し、イオン交換水 700gを加えてリスラリー洗浄し、濾別したものを、80℃ 10時間真空乾燥を行い、灰色に着色した固体を26g得た。得られた粉体を走査型電子顕微鏡にて観察したところ、真球状の微粒子形状であり、平均粒子径 4μm、粒子径分布指数 1.2のポリアミド微粒子であった。
・粒子7(SP−500、東レ(株)製、平均粒子径:5μm、粒子径分布:1.1、真球度:96、Tg:55℃)。
・粒子8(“カネエース(登録商標)” MX−416、カネカ(株)製、スチレン−ブタジエン−メタクリル酸メチルからなるコアシェルゴム粒子、平均粒子径:0.1μm、Tg:−100℃)
テトラグリシジルジアミノジフェニルメタンをベースとする、濃度25質量%のマスターバッチである。表1にある実施例と比較例の組成表には、ゴム粒子としての配合部数を表記した。
・粒子9(SO−C5、(株)アドマテックス製、真球状シリカ粒子、平均粒子径:1.6μm)
(1)ポリマー粒子[C]および[D]の平均粒子径、粒子径分布指数、真球度の測定
ポリマー粒子[C]および[D]の個々の粒子径は、走査型電子顕微鏡(日本電子株式会社製走査型電子顕微鏡JSM−6301NF)にて、粒子を1000倍で観察し、測長した。尚、粒子が真円でない場合は、長径をその粒子径として測定した。
平均粒子径は、写真から無作為に選んだ100個の粒子直径を測長し、その算術平均を求めることにより算出した。ここでいう平均粒子径は、数平均粒子径を指す。粒子径分布を示す粒子径分布指数は、上記で得られた個々の粒子直径の値を、下記数値変換式に基づき算出した。
Figure 2014145003
尚、Di:粒子個々の粒子直径、n:測定数100、Dn:数平均粒子径、Dv:体積平均粒子径、PDI:粒子径分布指数とする。
真球度は、写真から無作為に選んだ粒子30個の短径と長径を測定し、その平均より下記数式に従い、算出されるものである。
Figure 2014145003
尚、n:測定数30とする。
(2)ポリマー粒子[C]および[D]のガラス転移温度(Tg)測定
ポリマー粒子を、示差走査熱量測定法(DSC法)を用いて、30℃から、予測されるガラス転移温度よりも30℃高い温度以上まで、昇温速度、20℃/分の昇温条件で昇温氏、1分間保持した後、20℃/分の降温条件で0℃まで一旦冷却し、1分間保持した後、再度20℃/分の昇温条件で測定した際に観察されるガラス転移温度(Tg)を指す。
具体的には、得られたDSC曲線の階段状変化を示す部分において、各ベースラインの延長した直線から縦軸方向に等距離にある直線と、ガラス転移の階段状変化部分の曲線とが交わる点の温度をガラス転移温度とした。測定装置として、TA Instruments社製の示差走査型熱量計2910を使用した。
(3)エポキシ樹脂組成物の調製
ニーダー中に、エポキシ樹脂として、“スミエポキシ(登録商標)”ELM434を50質量部、“アラルダイト(登録商標)”MY0600を20質量部、“エピクロン(登録商標)”830を30質量部、および“スミカエクセル(登録商標)”5003Pを15質量部投入し、混練しつつ、160℃まで昇温し、160℃、1時間混練することで、透明な粘調液を得た。混練しつつ80℃まで降温させた後、3,3’−DASを40質量部、粒子成分(ポリマー粒子[C]、[D]およびその他の粒子)を表1の配合組成で合計74質量部添加し、さらに混練し、エポキシ樹脂組成物を得た。なお、粒子8はマスターバッチの状態で投入し、マスターバッチに含まれるテトラグリシジルジアミノジフェニルメタンは、上記の“スミエポキシ(登録商標)”ELM434(50質量部)に含める計算で投入した。
(4)プリプレグの作製
エポキシ樹脂組成物を、ナイフコーターを用いて離型紙上に塗布して樹脂フィルムを作製した。次に、シート状に一方向に配列させた東レ(株)製、炭素繊維“トレカ(登録商標)”T800G−24K−31Eに、樹脂フィルム2枚を炭素繊維の両面から重ね、加熱加圧により樹脂を炭素繊維に含浸させ、炭素繊維の目付が190g/m、マトリックス樹脂の質量分率が35.5%の一方向プリプレグを得た。その際、以下の2段含浸法を適用し、ポリマー粒子[C]および[D]が表層に高度に局在化したプリプレグを作製した。
1次プリプレグ用樹脂フィルムを作製するために、粒子成分以外の組成は(3)の記載と同一であり、かつ粒子成分を含まないエポキシ樹脂組成物を、(3)の手順で調製した。このエポキシ樹脂組成物を、ナイフコーターを用いて離型紙上に塗布して、通常の60質量%の目付となる30g/mの樹脂フィルムを作製した。次に、シート状に一方向に配列させた東レ(株)製、炭素繊維“トレカ(登録商標)”T800G−24K−31Eに、樹脂フィルム2枚を炭素繊維の両面から重ね合せてヒートロールを用い、温度100℃、気圧1気圧で加熱加圧しながら、樹脂を炭素繊維に含浸させ、1次プリプレグを得た。
さらに、2段含浸用樹脂フィルムを作製するために、(3)で調製した粒子成分を含むエポキシ樹脂組成物を、ナイフコーターを用いて離型紙上に塗布して、通常の40質量%の目付となる20g/mの樹脂フィルムを作製した。これを1次プリプレグの両面から重ね合せてヒートロールを用い、温度80℃、気圧1気圧で加熱加圧することで、樹脂粒子が表層に高度に局在化したプリプレグを得た。かかる2段含浸法を用いることで、樹脂粒子が表層に高度に局在化したプリプレグとすることができる。
(5)プリプレグの厚み20%の深さの範囲に存在するポリマー粒子[C]および[D]の存在率
(4)で作製した一方向プリプレグを、2枚の表面の平滑なポリ四フッ化エチレン樹脂板間に挟持して密着させ、7日間かけて徐々に150℃迄温度を上昇させてゲル化、硬化させて板状の樹脂硬化物を作製する。硬化後、密着面と垂直な方向から切断し、その断面を研磨後、光学顕微鏡で200倍以上に拡大しプリプレグの上下面が視野内に納まるようにして写真撮影した。同様な操作により、断面写真の横方向の5ヵ所でポリ四フッ化エチレン樹脂板間の間隔を測定し、その平均値(n=5)をプリプレグの厚さとした。プリプレグの両面について、プリプレグの表面から、厚さの20%深さ位置にプリプレグの表面と平行な線を2本引く。次に、プリプレグの表面と上記線との間に存在するポリマー粒子[C]および[D]の合計面積と、プリプレグの厚みに渡って存在するポリマー粒子[C]および[D]の合計面積を求め、プリプレグの厚さ100%に対して、プリプレグの表面から20%の深さの範囲に存在するポリマー粒子[C]および[D]の表層存在率を計算した。ここで、ポリマー粒子[C]および[D]の合計面積は、断面写真から粒子部分を刳り抜き、その質量から換算して求めた。
(6)モードI層間靭性(GIC)試験用複合材料製平板の作成とGIC測定
JIS K7086(1993)に従い、次の(a)〜(e)の操作によりGIC試験用複合材料製平板を作製した。
(a)(4)で作製した一方向プリプレグを、繊維方向を揃えて20ply積層した。ただし、積層中央面(10ply目と11ply目の間)に、繊維配列方向と直角に、幅40mm、厚み12.5μmのフッ素樹脂製フィルムをはさんだ。
(b)積層したプリプレグをナイロンフィルムで隙間のないように覆い、オートクレーブにて、180℃の温度で2時間、0.59MPaの圧力下、昇温速度1.5℃/分で成形し、一方向繊維強化複合材料を成形した。
(c)(b)で得た一方向繊維強化複合材料を、幅20mm、長さ195mmにカットした。繊維方向は、サンプルの長さ側と平行になるようにカットした。
(d)JIS K7086(1993)に従い、ピン負荷用ブロック(長さ25mm、アルミ製)を試験片端(フィルムをはさんだ側)に接着した。
(e)亀裂進展を観察しやすくするため、試験片の両側面に白色塗料を塗った。
作製した複合材料製平板を用いて、以下の手順により、GIC測定を行った。
JIS K7086(1993)附属書1に従い、インストロン万能試験機(インストロン社製)を用いて試験を行った。クロスヘッドスピードは、亀裂進展が20mmに到達するまでは0.5mm/分、20mm到達後は1mm/分とした。JIS K7086(1993)にしたがって、荷重、変位、および、亀裂長さから、亀裂進展初期の限界荷重のモードI層間破壊靭性値(亀裂進展初期のGIC)およびき裂進展過程のモードI層間破壊靭性値を算出した。亀裂進展初期のGICと亀裂進展量10mmから60mmにおける5点以上の測定値、計6点以上の測定値の平均をGICとして比較した。
ICの破壊モードを、次の手順で判定した。GIC試験実施後の試験片を亀裂に沿って完全に引き剥がした。破面を肉眼で観察し、粒子を含む層間領域で亀裂進展している白い領域と、繊維層内で亀裂進展している黒い領域が、肉眼により観察できた。亀裂進展量10mmから60mmの範囲における、上記の白い領域の割合が、9割以上である場合、正常な層間破壊モードであり「○」と判定した。一方、8割以上9割未満である場合、概ね正常な層間破壊モードであり「△」と判定し、8割未満である場合、繊維層内に亀裂が進展する異常な破壊モードであり「×」と判定した。
(7)繊維強化複合材料の湿熱時圧縮強度測定
(4)で作製した一方向プリプレグを、繊維方向を圧縮方向と平行に揃えて12プライ積層し、積層したプリプレグをナイロンフィルムで隙間のないように覆い、オートクレーブにて、180℃の温度で2時間、0.59MPaの圧力下、昇温速度1.5℃/分で成型し、積層体を作製した。この積層体から厚み2mm、幅15mm、長さ78mmのタブ付き試験片を作成し、71℃の温水に14日間浸漬した。この試験片を、JIS K7076(1991)に従い、恒温槽付き万能試験機を用いて、82℃における0°圧縮強度を測定した。サンプル数はn=5とした。
(8)繊維強化複合材料の層間厚み測定
(4)で作製した一方向プリプレグを、繊維方向を揃えて20ply積層した。積層したプリプレグをナイロンフィルムで隙間のないように覆い、オートクレーブにて、180℃の温度で2時間、0.59MPaの圧力下、昇温速度1.5℃/分で成型し、積層体を作製した。これを炭素繊維に直交する方向から切断し、その断面を研磨後、光学顕微鏡で200倍以上に拡大し写真撮影した。写真上の無作為に選んだ繊維層間領域について、炭素繊維の体積含有率が50%となる、炭素繊維層と平行に引いたラインを繊維層領域と繊維層間領域の境界ラインとして、100μmの長さに渡り平均化した境界ラインを引き、その間の距離を層間厚みとした。同様の操作を任意に5箇所の繊維層間領域について実施し、その平均値を採用した。
(実施例1)
ニーダーを用い、(3)の手順でエポキシ樹脂組成物を作製し、(4)の手順でポリマー粒子[C]と[D]が表層に高度に局在化したプリプレグを得た。得られたプリプレグを用い、上記の(5)プリプレグの厚み20%の深さの範囲に存在するポリマー粒子[C]および[D]の存在率、(6)モードI層間靭性(GIC)試験用複合材料製平板の作成とGIC測定、(7)繊維強化複合材料の湿熱時圧縮強度測定、(8)繊維強化複合材料の層間厚み測定を実施した。結果を表1に示す。
プリプレグの含浸状態や表面品位に問題はなく、またプリプレグ表面から20%の深さの範囲に存在する粒子[C]および[D]の存在率は97%と、ポリマー粒子[C]および[D]が表層に局在したプリプレグが得られた。その結果、繊維強化複合材料のGICおよびは良好なレベルであり、破壊モードも正常であった。湿熱時圧縮強度も問題ないレベルであった。
(実施例2)
ポリマー粒子[D]の配合比率を増加した以外は、実施例1と同様にしてプリプレグを作製した。繊維強化複合材料の層間厚みがより狭くなり、層間に粒子がより密に充填された結果、繊維強化複合材料のGICおよびその破壊モード、湿熱時圧縮強度、いずれにも優れるものであった。
(実施例3、4)
ポリマー粒子[D]の配合比率をさらに増加した以外は、実施例2と同様にしてプリプレグを作製した。繊維強化複合材料の層間厚みがやや厚くなり、層間の粒子充填が若干粗となった結果、繊維強化複合材料のGIC、湿熱時圧縮強度ともやや低下したが、十分なレベルであった。
(実施例5)
ポリマー粒子[C]の粒子径を18μmとし、ポリマー粒子[D]を粒子径1.5μmの架橋ポリメタクリル酸メチルからなる真球状粒子に変更した以外は、実施例1と同様にしてプリプレグを作製した。湿熱時圧縮強度が低下したが許容できるレベルであった。
(実施例6)
ポリマー粒子[C]をTg167℃のポリアミド粒子に変更した以外は、実施例2と同様にしてプリプレグを作製した。GIC試験の破壊モードは概ね正常であり、繊維強化複合材料のGIC値も許容できるレベルであった。
(比較例1)
ポリマー粒子[C]を含まない以外は、実施例1と同様にしてエポキシ樹脂組成物を作製した。極めて粘度が高く、プリプレグを作製できなかった。
(比較例2)
ポリマー粒子[D]を含まない以外は、実施例1と同様にしてエポキシ樹脂組成物とプリプレグを作製した。繊維強化複合材料の層間厚みが厚くなり、層間の粒子充填が粗となった結果、繊維強化複合材料のGICが不十分となり、破壊モードも異常なものであった。
(比較例3)
平均粒子径が[C]の1/10を上回ることから[D]に該当しない粒子6を含む以外は、実施例1と同様にしてエポキシ樹脂組成物とプリプレグを作製した。その結果、繊維強化複合材料の層間厚みが広いものとなり、GICが不十分となり、破壊モードも異常なものであった。
(比較例4)
ガラス転移温度が80℃以下であり、尚且つ、平均粒子径がポリマー粒子[C]の1/10を上回ることから[D]に該当しない粒子7を含む以外は、実施例1と同様にしてエポキシ樹脂組成物とプリプレグを作製した。その結果、繊維強化複合材料のGICおよびその破壊モード、湿熱時圧縮強度とも不十分なものとなった。
(比較例5)
ガラス転移温度が80℃以下であることから[D]に該当しない粒子8を含む以外は、実施例1と同様にしてエポキシ樹脂組成物とプリプレグを作製した。その結果、繊維強化複合材料のGICおよびその破壊モード、湿熱時圧縮強度とも不十分なものとなった。
(比較例6)
ポリマー粒子ではないことから[D]に該当しない粒子9を含む以外は、実施例5と同様にしてエポキシ樹脂組成物とプリプレグを作製した。その結果、繊維強化複合材料のGICが不十分なものとなった。
Figure 2014145003
本発明によれば、成形条件によらず、層間靭性、湿熱時圧縮強度を高いレベルで兼ね備えた繊維強化複合材料が得られ、特に構造材料に好適に用いられる。例えば、航空宇宙用途では主翼、尾翼およびフロアビーム等の航空機一次構造材用途、フラップ、エルロン、カウル、フェアリングおよび内装材等の二次構造材用途、ロケットモーターケースおよび人工衛星構造材用途等に好適に用いられる。また一般産業用途では、自動車、船舶および鉄道車両等の移動体の構造材、ドライブシャフト、板バネ、風車ブレード、各種タービン、圧力容器、フライホイール、製紙用ローラ、屋根材、ケーブル、補強筋、および補修補強材料等の土木・建築材料用途等に好適に用いられる。さらにスポーツ用途では、ゴルフシャフト、釣り竿、テニス、バトミントンおよびスカッシュ等のラケット用途、ホッケー等のスティック用途、およびスキーポール用途等に好適に用いられる。

Claims (11)

  1. 次の[A]〜[D]と強化繊維からなるプリプレグであって、[C]および[D]の総量の90質量%以上がプリプレグ表面からプリプレグの厚さの20%の深さの範囲内に存在していることを特徴とするプリプレグ。
    [A]エポキシ樹脂
    [B]エポキシ樹脂硬化剤
    [C]次の(c−i)〜(c−iii)の条件を満たす、エポキシ樹脂に不溶なポリマー粒子
    (c−i)粒子の真球度が90〜100である
    (c−ii)ガラス転移温度が80〜180℃の範囲にある
    (c−iii)平均粒子径が10〜30μmの範囲にある
    [D]次の(d−i)と(d−ii)の条件を満たす、エポキシ樹脂に不溶なポリマー粒子
    (d−i)ガラス転移温度が80〜155℃の範囲にある
    (d−ii)平均粒子径が[C]の1/1000を上回りかつ1/10を下回る範囲にある
  2. [C]が、さらに次の(c−iv)の条件を満たすエポキシ樹脂に不溶なポリマー粒子である、請求項1に記載のプリプレグ。
    (c−iv)粒子径分布指数が1.0〜1.8の範囲にある。
  3. [C]が、さらに次の(c−v)の条件を満たすエポキシ樹脂に不溶なポリマー粒子である、請求項1または2に記載のプリプレグ。
    (c−v)結晶性を有するポリアミドからなる。
  4. [C]と[D]の総量に対する[D]の質量含有率が5〜30質量%の範囲内にある、請求項1〜3のいずれかに記載のプリプレグ。
  5. [D]が、さらに次の(d−iii)の条件を満たすエポキシ樹脂に不溶なポリマー粒子である、請求項1〜4のいずれかに記載のプリプレグ。
    (d−iii)粒子の真球度が90〜100である
  6. [C]が一般式(1)の化学構造を含むポリアミド粒子である、請求項1〜5のいずれかに記載のプリプレグ。
    Figure 2014145003
    (式中R、Rは、水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、もしくはハロゲン元素を表わし、それぞれ同一でも異なっていても良い。式中Rは、炭素数1から20のメチレン基を表す)
  7. [A]が多官能アミン型エポキシ樹脂を含むものである、請求項1〜6のいずれかに記載のプリプレグ。
  8. [B]が芳香族ポリアミンである、請求項1〜7のいずれかに記載のプリプレグ。
  9. [B]がジアミノジフェニルスルホンもしくはその誘導体または異性体である、請求項1〜8のいずれかに記載のプリプレグ。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載のプリプレグを硬化してなる繊維強化複合材料。
  11. 強化繊維が炭素繊維である、請求項10記載の繊維強化複合材料。
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