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JP2014131811A - 真空鋳造方法 - Google Patents

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博之 斧田
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Abstract

【課題】ノズル(注入口)の閉鎖を防止することができるようにする。
【解決手段】本発明は、アルミキルド鋼を真空鋳造を行うにあたって、当該真空鋳造を行う前に、ノズル7の下端中心位置を原点(0、0)とし、鋳型6の押湯部22の下端部の位置を(x、y)とし、飛散防止部材13の内壁の下端位置を(X、Y)としたとき、X/Y<x/yを満たすように、飛散防止部材13を設置しておき、真空鋳造を行う際は、真空装置5内の真空度を1torr以下とし且つ溶鋼に吹き込むArを50〜500NL/minとしたうえで、C[{(T1+T2)/2−TL}・Q]/[λ/d・(TL−Tt)・A]>43を満たすように鋳造する。
【選択図】図1

Description

本発明は、真空装置内の鋳型に向けて溶鋼を注入することによって溶鋼を鋳込む真空鋳造方法に関する。
従来より、真空装置内の上方に溶鋼を貯留する容器を設置し、この容器内の溶鋼を真空装置内の鋳型に鋳込む真空鋳造が行われている。真空装置の上部には、容器内の溶鋼が注入される注入口が設けられており、この注入口の下側には、溶鋼飛散防止筒が設けられている。
この溶鋼飛散防止部材に関する技術として、特許文献1〜特許文献3に示すものがある。
特許文献1では、溶鋼を真空鋳造する際に使用する溶鋼流滴飛散制御筒の下端部を、黒鉛や炭化珪素などの溶鋼に対する濡れ性の小さな耐火物で構成している。
特許文献2では、真空タンク内鋳型を配設し、取鍋に設けられた溶鋼注入口より溶鋼を流滴して注入する真空鋳造において、溶鋼注入口直下に紙製または木製の非耐火物から成る中空体を設置している。
特許文献3では、溶鋼流滴飛散制御筒の上部に縦断面がろうと状あるいはL字状の異形レンガを取り付け、異形レンガ上端部分の有効断面積を溶鋼流滴飛散制御筒の有効断面積よりも著しく大きくし、かつ、異形レンガの上端および溶鋼流滴飛散抑制筒の下端をそれぞれノズルおよび押湯部から隔離させている。
この他に、真空鋳造に関する技術として特許文献4に示すものがある。
特開昭54−106028号公報 特開昭50−009528公報 特開昭54−116515号公報 特開平06−246425公報
特許文献1〜3では、真空装置の上部に設けた注入口の直下に溶鋼飛散防止部材を設けることにより、真空装置内における溶鋼の飛散を防止することができる。
しかしながら、例えば、飛散防止部材の内側に付着した地金が真空鋳造中に次第に成長して、注入口、即ち、容器の下側に設けたノズルが閉鎖してしまう事例が発生することが現場の実績として挙がってきている。このような不都合を回避しようとして、特許文献1〜4の技術を参照したとしても、解決に到る技術は開示されていない。
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたもので、ノズル(注入口)の閉鎖を防止することができる真空鋳造方法を提供することを目的とする。
目的を達成するために、本発明は、次の手段を講じた。
即ち、本発明における課題解決のための技術的手段は、真空装置の上側に容器に設けたノズルから溶鋼を注入する注入口を設けると共に当該注入口の下部に飛散防止部材を設けた真空上注ぎ鋳造装置を用いて、C:0.1〜0.7質量%、Ot:5〜30ppm、Of:10ppm未満、N:50〜150ppm、H:1〜5ppmの成分を有するアルミキルド鋼の真空鋳造を行うにあたって、真空鋳造を行う前に、前記ノズルの下端中心位置を原点(0、0)とし、前記鋳型の押湯部の下端部の位置を(x、y)とし、前記飛散防止部材の内壁の下端位置を(X、Y)としたとき、X/Y<x/yを満たすように、前記飛散防止部材を設置しておき、真空鋳造を行う際は、前記真空装置内の真空度を1torr以下とし且つ溶鋼に吹き込むArを50〜500NL/minとしたうえで、さらに、式(1)を満たすように、真空鋳造を行うことを特徴とする。
本発明の他の技術的手段は、真空装置の上側に容器に設けたノズルから溶鋼を注入する注入口を設けると共に当該注入口の下部に飛散防止部材を設けた真空上注ぎ鋳造装置を用いて、C:0.1〜0.7質量%、Ot:5〜50ppm、Of:10〜20ppm、N:50〜150ppm、H:1〜5ppmの成分を有するシリコンキルド鋼の真空鋳造を行うにあたって、真空鋳造を行う前に、前記ノズルの下端中心位置を原点(0、0)とし、前記鋳型の押湯部の下端部の位置を(x、y)とし、前記飛散防止部材の内壁の下端位置を(X、Y)としたとき、X/Y<x/yを満たすように、前記飛散防止部材を設置しておき、真空鋳造を行う際は、前記真空装置内の真空度を1torr以下としたうえで、式(1)を満たすように、真空鋳造を行うことを特徴とする。
本発明によれば、ノズル(注入口)の閉鎖を防止しつつ確実に真空鋳造を行うことができる。
真空上注ぎ鋳造装置の全体図である。 ノズルの下端位置と、飛散防止部材の下端位置と、押湯部の下端位置との関係を示す図である。 飛散防止部材に地金が付着する状態を説明する説明図である。 鋼塊(鋳塊)の全体図である。
以下、真空鋳造方法について図を基に説明する。
図1は、真空鋳造を行う真空上注ぎ鋳造装置の全体を示したものである。まず、真空上注ぎ鋳造装置について説明する。
図1に示すように、真空上注ぎ鋳造装置1は、上流工程にて精錬処理を行った溶鋼2が装入された取鍋3と、この取鍋3の下側に設置された容器(中間鍋)4と、この中間鍋4の下側に設置された真空装置5とを備えている。
中間鍋4の下部には、当該中間鍋4内の溶鋼2を真空装置5内の鋳型6に注入するノズル7が設けられている。また、中間鍋4内には、ノズル7を閉鎖すると共にノズル7へ流れる溶鋼スループット(溶鋼量)を調整するストッパー8が設けられている。ストッパー8の先端部には、不活性ガスなどを吹き込むガス吹き込み口(図示省略)が設けられていることもある。
真空装置5は、鋳造時に内部が略真空状態となる真空タンク10と、この真空タンク10内に設置された鋳型6とを備えている。真空タンク10の上部に、中間鍋4が設置されている。真空タンク10の上部には、中間鍋4のノズル7から注入された溶鋼2が注入される円形状の注入口11が設けられ、この注入口11の直下に鋳型6が配置されている。
注入口11の下部側であって、当該注入口11の外縁を取り囲むように、真空タンク10内に注入された溶鋼2が飛散し過ぎることを防止する飛散防止部材(アンチスプラッシュ)13が設けられている。具体的には、飛散防止部材13は、耐火物により筒状に形成され、真空タンク10の上部の内壁側で注入口11を囲むように着脱自在に取り付けられている。
図1に示すように、鋳型6は、有底状のものであって、主に、底部(台盤)20と、この底部20から上方に立ち上がる本体部21とから構成され、この本体部21の上部側には筒状の押湯部22が設けられている。押湯部22の内壁側の下端部は、本体部21よりも径内側に位置している。
このような真空上注ぎ鋳造装置1を用いて真空鋳造を行うにあたっては、電気炉又は転炉などの精錬炉から溶鋼を取鍋3に出鋼し、溶鋼処理工程で精錬された溶鋼2が装入された取鍋3を鋳造ステーションに移動させる。そして、取鍋3内の溶鋼2を中間鍋4に装入し、ノズル7やスライドバルブ等を開放して中間鍋4内の溶鋼2を真空タンク10の鋳型6に注入する。また、中間鍋4内の溶鋼2を鋳型6に注入している状況下では、真空装置5(真空タンク10)内を真空引きして、当該真空装置5内を真空状態とし、落下中の溶鋼2の流滴に含まれる水素等を脱ガスする。脱ガスした水素等は、真空タンク10の排出口9から排出される。
上述したように、真空タンク10内を真空引きしながら鋳造を行った場合、ノズル7から注入されて鋳型6へと落下する溶鋼2は、細かい粒滴状に広がる。図3に示すように、溶鋼2が筒状の飛散防止部材13を通過するとき、一部の溶鋼2の粒滴は、飛散防止部材13の内壁に衝突して熱を奪われ、当該飛散防止部材13の内壁側で地金となることがある。真空鋳造中には、絶え間なく流滴が飛散防止部材13の内壁に衝突するため地金は次第に成長し、地金がノズル7側に堆積していくため、ノズル7(注入口11)が閉鎖してしまうことがある。
本発明では、下記に示すように飛散防止部材13の設置を規定したり、真空鋳造における操業条件を設定することにより、ノズル7が閉鎖してしまうことを防止している。
以下、本発明の真空鋳造方法について詳しく説明する。
[飛散防止部材について]
図2に示すように、真空上注ぎ鋳造装置1において水平方向をx軸方向とし、垂直方向をy方向とし、ノズル7の下端の中心位置を原点(0、0)とし、鋳型6に設けた押湯部(押湯枠)22の内壁側の下端部の位置(下端位置)を(x、y)とし、飛散防止部材の内壁の下端位置を(X、Y)とした場合、X/Y<x/yを満たすように、飛散防止部材13の長さ、幅、取付位置が設定されている。言い換えれば、ノズル7の下端であって円形状の縁部7aの中心を原点とし、その原点と押湯部22の内壁側の下端部とを結んだ直線Sよりも、飛散防止部材13の下端が内側(原点を通るy軸側)となるように、飛散防止部材13は設置されている。なお、図2に示すように、原点(0,0)から下側をプラスとする。また、押湯部22の下端位置及び飛散防止部材13の下端位置もプラスとする。注入口11(飛散防止部材13の上端)とノズル7の下端部との垂直距離Lは、200mm以下に設定されている。
X/Y≧x/yである場合、真空タンク10に入って落下した溶鋼2は、押湯部22の下端部に当たりやすくなるため、押湯部22を構成する耐火物や押湯部22の内側に設けたボードに溶鋼が付着し、ボードが崩落するなどにより、真空鋳造後の鋳塊の介在物が増加する可能性がある。一方、X/Y<x/yである場合、真空タンク10に入って落下した溶鋼2は、押湯部22の下端部に当たり難くなる。
さて、真空装置5(真空タンク10)内では、溶鋼に含まれる炭素Cと酸素との反応が促進され、COガスが溶鋼を破裂させるため溶鋼が流滴化する。そのため、溶鋼内の溶存酸素量や操業条件等によって溶鋼の流滴状況などは異なる。ここで、アルミキルド鋼を真空鋳造した場合とシリコンキルド鋼を真空鋳造した場合とを比べると、アルミキルド鋼は、シリコンキルド鋼に比べて流滴化し難く(即ち、散りにくく)、脱水素もし難い。アルミキルド鋼とシリコンキルド鋼とでは、操業条件が異なる。アルミキルド鋼を真空鋳造する場合と、シリコンキルド鋼を真空鋳造する場合とを分けて説明する。
[アルミキルド鋼について]
C:0.1〜0.7質量%、Ot(溶鋼中の全酸素量):5〜30ppm、Of(溶鋼中のフリー酸素量):10ppm未満、N:50〜150ppm、H:1〜5ppmの成分を有するアルミキルド鋼の真空鋳造を行うにあたっては、真空装置5(真空タンク10)内の真空度を1torr以下とすると共に、ストッパー8から不活性ガス(Ar)を、50〜500NL/minの範囲で吹き込むこととしている。このように、アルミキルド鋼を真空鋳造する場合は、Arを溶鋼に吹き込むことによって、溶鋼の流滴化を促進している。
ここで、飛散防止部材13に溶鋼(流滴)が入って地金になる状況を考える。溶鋼(流滴)が飛散防止部材13の内壁へ衝突したときに熱が奪われて温度が低くなると溶鋼が地金となるが、このとき、飛散防止部材13の中を噴射状に広がる溶鋼が有する熱量(言い換えれば、溶鋼の入熱量)が大きかったり、或いは、真空装置5内の温度が高い場合は、溶鋼の抜熱量は小さくなり、地金になりにくくなる。
そこで、発明者らは、飛散防止部材13への溶鋼等の入熱量と、飛散防止部材13から外部への抜熱量とのバランスに着目し、飛散防止部材13において地金が成長しにくい操業条件について検証を行った。その結果、式(1)を満たすように真空鋳造を行うことにより、地金が成長しにくく、ノズル7(注入口11)の閉鎖を防止することを知見した。
式(1)は、飛散防止部材13に入った溶鋼(流滴)が当該飛散防止部材13からの抜熱される量(抜熱量)を示すパラメータを分母とし、飛散防止部材13へ流入した溶鋼(流滴)の入熱量(溶鋼が有する熱量)を示すパラメータを分子として、抜熱量と入熱量とのバランスを示したものである。
詳しくは、式(1)の分子では、溶鋼の比熱Cに、真空鋳造時の平均溶鋼温度「(T1+T2)/2」と液相線温度TLとの差を掛け、さらに、定常時の溶鋼のスループット(溶鋼スループット)Qを掛けることにより、入熱量のパラメータとしている。また、式(1)の分母では、飛散防止部材を構成する耐火物の熱伝導度λを耐火物の厚みdで割ることにより熱貫流率(λ/d)とし、この熱貫流率に、液相線温度TLと真空タンク内の温度Ttとの差を掛け、飛散防止部材13の内壁面積Aをかけることにより、抜熱量のパラメータとしている。なお、熱貫流率では、耐火物の物性(材料物性)と耐火物の厚みを考慮したものとしている。また、分子は、「比熱C×温度T×スループットQ=W・s/kg/K×K×kg/s=W」となるため単位はWとし、分母も、「熱貫流率λ/d×温度T×内壁面積A=W」となるため単位はWとなっている。式(1)に示すように、入熱量が抜熱量の43倍を超えれば、飛散防止部材13内で溶鋼が地金になることを防止することができる。
なお、式(1)の右辺の数値(43)は実験等により求めたものである。また、飛散防止部材13の耐火物の熱伝導度λは、一般の耐火物(例えば、Al−SiO系)の物性値である。また、飛散防止部材13の内壁面積Aは、2πr×L(内径周囲長×高さ)で求めることができ、注入開始時の溶鋼温度T1は、真空鋳造開始時の中間鍋4内の溶鋼温度であり、注入終了時の溶鋼温度T2は、真空鋳造終了時の中間鍋4である。真空タンク5内の温度Ttは、この実施形態では、タンク内温度≒タンク外温度と考え、真空タンク5の上部蓋5aの外側表面を測定した温度を用いた。即ち、図1に示すように、真空タンク5の内部を確認する覗き窓14から50cm以内の上部蓋5aの外側表面温度を真空タンク5内の温度Ttとした。溶鋼の比熱Cは、「コンピュータ伝熱・凝固解析入門(大中逸雄 著)』のP.326、1985、丸善株式会社」に示されている0.61kJ/kg/kとした。定常時の溶鋼スループットQは、中間鍋4内の溶鋼湯面が安定した状態で鋳型6へ溶鋼を注入しているときの値である。
以上、アルミキルド鋼を真空鋳造するにあたっては、真空装置5の真空度を1torr以下としながら、50〜500NL/minで溶鋼にArを吹き込みながら真空鋳造を行うこととし、式(1)を満たすように、分子のパラメータである注入開始時の溶鋼温度T1、注入終了時の溶鋼温度T2、溶鋼スループットQを調整したり、分母のパラメータである真空タンク5内の温度や耐火物の物性、厚みを適正化することにより、飛散防止部材13内に付着する地金の成長を抑制し、例えば、真空鋳造開始から真空鋳造終了までの1キャストにおいて、ノズル7の閉鎖を防止することができる。
[シリコンキルド鋼について]
C:0.1〜0.7質量%、Ot(溶鋼中の全酸素量):5〜50ppm、Of(溶鋼中のフリー酸素量):10〜20ppm、N:50〜150ppm、H:1〜5ppmの成分を有するシリコンキルド鋼の真空鋳造を行うにあたっても、X/Y<x/yを満たすように、飛散防止部材13を設置したうえで、真空装置5内の真空度を1torr以下としたうえで、式(1)を満たすように、真空鋳造を行うことにより、飛散防止部材13内に付着する地金の成長を抑制し、例えば、真空鋳造開始から真空鋳造終了までの1キャストにおいて、ノズル7の閉鎖を防止することができる。なお、シリコンキルド鋼での真空鋳造では、アルミキルド鋼の場合に比べて成分が異なり、脱水素が促進されるので、不活性ガス(Ar)を吹き込まない。その他の点は、アルミキルド鋼と同様であるため説明を省略する。
表1は、本発明の真空鋳造方法にて操業を行った例と、本発明の真空鋳造方法とは異なる方法で操業を行った例とをまとめたものである。
鋼塊重量は90〜360tonとし、鋳塊(鋼塊)は、図3に示す形状とした。中間鍋(タンディッシュ)4内の溶鋼温度は1800〜1900K程度とした。アルミキルド鋼の主成分は、C:0.2質量%、Si:0.20質量%、Mn:1.4質量%、Al:0.02質量%とした。シリコンキルド鋼の主成分は、C:0.2質量%、Si:0.60質量%、Mn:1.4質量%、Al:0.07質量%とした。溶鋼スループットQは、1〜10t/min、真空装置5内の真空度は、0.1〜0.5Torrとし、当業者常法の真空鋳造条件で行った。真空タンク10の内径は8m、真空タンクの深さは10m程度、真空鋳造時間は、20〜90分とした。飛散防止部材13の耐火物は、Al−SiOを主成分とした。即ち、耐火物において、Al:50〜80質量%、SiO:20〜50質量%で、AlとSiOとを加算すると90質量%程度とした。熱伝導度λは、「耐火物手帳、1999年(耐火物技術協会編)、p585頁」に示されているように、0.5〜1.7(MW/mk)とした。
また、真空鋳造を開始してから終了するまでの1キャストにおいて、ノズル7(注入口11)が詰まり、ノズル7から供給される溶鋼スループットが零になった場合を不良「×」、1キャストにおいてノズル7が詰まらなかった場合を良好「○」として評価を行った。鋳型6の押湯部22に施工したボードに地金付着が付着したか否か(地金付着の有無)についても評価を行った。なお、ボードへの地金付着は、覗き窓14から鋳造の状況を目視することにより確認することができる。
表1に示すように、アルミキルド鋼を真空鋳造するにあたって、No1、3〜7、10、11、13〜15、17〜21の実施例では、飛散防止部材13の位置が「X/Y<x/y」を満たし(飛散防止部材位置の欄)、真空装置5内の真空度を1torr以下とし(タンク内真空度の欄)、溶鋼に吹き込むArを50〜500NL/minの範囲とし(Ar流量)、式(1)を満たすように真空鋳造を行っている(判定値の欄で43超)。このように実施例において、本発明の規定した条件を満たしているため、ノズルの閉鎖はなく(ノズル閉鎖の欄)、ボードへの地金付着はなかった(ボードの地金付着の有無の欄)。
同様に、シリコンキルド鋼を真空鋳造するにあたっても、No1、3〜7、10、11、13〜15、17〜21の実施例では、飛散防止部材13の位置が「X/Y<x/y」を満たし、真空装置5内の真空度を1torr以下とし、式(1)を満たすように真空鋳造を行っているため、ノズルの閉鎖及びボードへの地金付着はなかった。
一方、アルミキルド鋼やシリコンキルド鋼を真空鋳造するにあたって、No2、8、9、12、16、22の比較例では、飛散防止部材13の位置が「X/Y<x/y」を満たさなかったり、式(1)を満たすように真空鋳造を行わなかったため、ノズルの閉鎖やボードへの地金付着が発生した。
以上、本発明によれば、飛散防止部材13を適正な位置に設置したうえ(「X/Y<x/y」)で、式(1)を真空度を1torr以下としつつ、式(1)を満たすように真空鋳造を行うことによって、ノズル7の閉鎖を防止することができる。
なお、今回開示された実施形態において、明示的に開示されていない事項、例えば、操業条件、各種パラメータ、構成物の寸法、重量、体積などは、当業者が通常実施する範囲を逸脱するものではなく、通常の当業者であれば、容易に想定することが可能な事項を採用している。
1 真空上注ぎ鋳造装置
2 溶鋼
3 取鍋
4 中間鍋
5 真空装置
6 鋳型
7 ノズル
8 ストッパー
10 真空タンク
11 注入口
13 飛散防止部材
14 覗き窓

Claims (2)

  1. 真空装置の上側に容器に設けたノズルから溶鋼を注入する注入口を設けると共に当該注入口の下部に飛散防止部材を設けた真空上注ぎ鋳造装置を用いて、C:0.1〜0.7質量%、Ot:5〜30ppm、Of:10ppm未満、N:50〜150ppm、H:1〜5ppmの成分を有するアルミキルド鋼の真空鋳造を行うにあたって、
    真空鋳造を行う前に、前記ノズルの下端中心位置を原点(0、0)とし、前記鋳型の押湯部の下端部の位置を(x、y)とし、前記飛散防止部材の内壁の下端位置を(X、Y)としたとき、X/Y<x/yを満たすように、前記飛散防止部材を設置しておき、
    真空鋳造を行う際は、前記真空装置内の真空度を1torr以下とし且つ溶鋼に吹き込むArを50〜500NL/minとしたうえで、さらに、式(1)を満たすように、真空鋳造を行うことを特徴とする真空鋳造方法。
  2. 真空装置の上側に容器に設けたノズルから溶鋼を注入する注入口を設けると共に当該注入口の下部に飛散防止部材を設けた真空上注ぎ鋳造装置を用いて、C:0.1〜0.7質量%、Ot:5〜50ppm、Of:10〜20ppm、N:50〜150ppm、H:1〜5ppmの成分を有するシリコンキルド鋼の真空鋳造を行うにあたって、
    真空鋳造を行う前に、前記ノズルの下端中心位置を原点(0、0)とし、前記鋳型の押湯部の下端部の位置を(x、y)とし、前記飛散防止部材の内壁の下端位置を(X、Y)としたとき、X/Y<x/yを満たすように、前記飛散防止部材を設置しておき、
    真空鋳造を行う際は、前記真空装置内の真空度を1torr以下としたうえで、式(1)を満たすように、真空鋳造を行うことを特徴とする真空鋳造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR20160060473A (ko) * 2014-11-20 2016-05-30 두산중공업 주식회사 진공 주조를 위한 불활성 기체의 취입 장치
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