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JP2014125646A - 焼結体作製用粉末の製造方法および焼結部品の製造方法 - Google Patents

焼結体作製用粉末の製造方法および焼結部品の製造方法 Download PDF

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JP2014125646A
JP2014125646A JP2012281151A JP2012281151A JP2014125646A JP 2014125646 A JP2014125646 A JP 2014125646A JP 2012281151 A JP2012281151 A JP 2012281151A JP 2012281151 A JP2012281151 A JP 2012281151A JP 2014125646 A JP2014125646 A JP 2014125646A
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Takahiro Okuno
孝洋 奥野
Akira Katayanagi
洸 片柳
Akinari Ohira
晃也 大平
Naoki Yashiro
尚樹 八代
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NTN Corp
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Abstract

【課題】基材粉末の表面を被覆する潤滑被膜を精度良くしかも低コストに形成可能とする。
【解決手段】基材粉末Bとしての金属粉末11およびその表面を被覆した潤滑被膜12からなる焼結体作製用粉末10を製造するに際し、金属粉末11と固体潤滑剤13とを混合するのに伴って生じる摩擦熱で固体潤滑剤13を溶融させ、この溶融に伴って生成された溶液14で金属粉末11の表面を被覆する。金属粉末11と固体潤滑剤13の混合は、メディアレスの状態で実行する。
【選択図】図5

Description

本発明は、焼結体作製用粉末の製造方法、および焼結部品の製造方法に関する。
周知のように、金属粉末の圧粉体を焼結して得られる金属焼結体からなる部品(焼結金属部品)は、機械製品や電気製品などで幅広く使用されている。その主な理由は、この種の焼結金属部品が、溶製材に機械加工や塑性加工等を施して得られるものに比べて低コストに量産可能な分、機械製品等のコスト低減を図り得るからである。しかしながら、金属焼結体は、無数の内部気孔を有する多孔質体である関係上、機械的強度や耐疲労強度等の各種強度面においては非多孔質体である溶製材よりも基本的に劣る。そのため、例えば、動力伝達用途の機械部品(動力伝達部品)や、圧力を受ける部位に用いられる機械部品(受圧部品)等、特に高い強度が必要とされる用途においても焼結金属部品を使用可能とするには、金属焼結体の各種強度を高める必要がある。
各種強度が高められた金属焼結体を得るための一手段として、金属焼結体を高密度化することが挙げられる。高密度化されれば、応力集中源(破損起点)となり得る内部気孔の数や容積が減じられる分、金属焼結体の高強度化を図ることができるからである。
ところで、金属焼結体を作製する際には、金属粉末を主成分とし、これに適量の固体潤滑剤を添加した混合粉末を使用する場合が多い。圧粉体の成形時における金属粉末同士の摩擦力や金属粉末と成形金型の成形面(キャビティの画成面)との摩擦力を低減し、圧粉体の成形性を高めるためである。上記混合粉末に含まれる固体潤滑剤は、圧粉体の内部では金属粉末間に形成される隙間を埋めるように固体の状態で存在しているものの、圧粉体を焼結(金属粉末の焼結温度以上で加熱)するのに伴って消失する。そのため、金属焼結体のうち、圧粉体の段階で固体潤滑剤が存在していた箇所には気孔(内部気孔)が形成される。従って、高密度の金属焼結体を得るためには、固体潤滑剤の添加量(配合割合)をできるだけ少なくした混合粉末を用いるのが有効となる。これにより、固体潤滑剤に由来した内部気孔の形成量を減じることができる。
圧粉体の成形性を確保しつつ、固体潤滑剤の添加量を減じた混合粉末の使用を可能とするための技術手段として、金型の成形面に潤滑剤を塗布した状態で圧粉体を圧縮成形する、いわゆる金型潤滑成形法(例えば、特許文献1)や、成形金型および/または粉末を加熱した状態で圧粉体を圧縮成形する、いわゆる温間成形法(例えば、特許文献2)などが公知である。
特開平8−100203号公報 特開平2−156002号公報 特表平8−504233号公報
しかしながら、金型潤滑成形法や温間成形法を採用するには成形機ごとに専用の設備を導入しなければならず、多大な設備投資が必要となる。また、金型潤滑成形法では、圧縮成形時における金属粉末同士の摩擦力の低減効果は殆ど期待できないため、圧粉体の成形性を十分に高めることができず、十分な高密度化・高強度化が図られた金属焼結体を得ることが難しい。また、温間成形法を採用した場合、金属焼結体内部に粗大気孔が形成され易く、高密度・高強度の金属焼結体を安定的に得ることが難しい。
このような問題は、例えば特許文献3に開示された技術手段を採用することによって可及的に解消し得るものと考えた。すなわち、特許文献3には、有機溶媒中に固体潤滑剤を脂肪酸の金属塩のかたちで溶解させた溶液を作製し、この溶液で金属粉末の表面を濡らした後、上記溶液の液体成分を除去することにより、金属粉末の表面を被覆する潤滑被膜を形成するという技術手段が記載されている。このような金属粉末を使用すれば、圧粉体の圧縮成形時において、金属粉末同士の摩擦力および金属粉末と成形金型との摩擦力の双方を低減することができるので、固体潤滑剤の添加量を低減もしくはゼロとしても、圧粉体の成形性を高めることが、ひいては高密度・高強度の金属焼結体を得ることができると考えられる。
しかしながら、特許文献3に記載の技術手段では、上記の溶液作製〜潤滑被膜の形成に長時間を要する他、有機溶媒を用いて上記溶液を作製している関係上、作業環境や廃液処理にも格別の配慮を払う必要がある。そのため、潤滑被膜の形成コストが総じて高くなる。また、上記溶液における固体潤滑剤(金属塩)の分散態様にはどうしてもバラツキが生じるため、均一膜厚の潤滑被膜を形成することが困難である。
このような実情に鑑み、本発明の第1の課題は、基材粉末の表面を被覆する潤滑被膜を精度良くしかも低コストに形成可能とし、これにより、基材粉末およびその表面を被覆した潤滑被膜からなる焼結体作製用粉末を低コストに量産可能とすることにある。
また、本発明の第2の課題は、高密度・高強度の焼結部品を安定的かつ低コストに量産可能とすることにある。
上述した第1の課題を解決するための第1発明として、基材粉末およびその表面を被覆する潤滑被膜からなる焼結体作製用粉末を製造するに際し、原料粉末と固体潤滑剤とを混合するのに伴って生じる摩擦熱で上記固体潤滑剤を溶融させ、上記固体潤滑剤が溶融するのに伴って生成された溶液で上記原料粉末の表面を被覆することを特徴とする焼結体作製用粉末の製造方法を提供する。
このように、本願の第1発明では、固体潤滑剤を溶融させる(固体潤滑剤を、基材粉末の表面を被覆可能な液体の状態にする)ための技術手段として、基材粉末と固体潤滑剤とを混合する際に生じる摩擦熱を活用するようにした。そのため、摩擦熱を迅速かつ十分に発生させれば、潤滑被膜を迅速に形成することができる。また、このような方法によれば、当然のことながら、有機溶媒を使用する従来方法のように作業環境や廃液処理に格別の配慮を払う必要がなくなる。さらに、固体潤滑剤が溶融することにより生成された溶液で基材粉末の表面を被覆する、すなわち潤滑被膜を形成するようにしたので、潤滑被膜の形成に固体潤滑剤以外のもの(従来方法で言えば有機溶媒)が関与する余地がない。従って、膜厚のバラツキが少ない高精度の潤滑被膜を形成することができる。以上から、本願の第1発明によれば、基材粉末の表面を被覆する潤滑被膜を精度良くしかも低コストに形成することができ、これにより、基材粉末およびその表面を被覆した潤滑被膜からなる焼結体作製用粉末を低コストに量産することができる。
基材粉末と固体潤滑剤の混合[上記溶液の生成(摩擦熱の発生)〜潤滑被膜の形成。以下同様。]は、メディア(砥粒)を使用しないメディアレスの状態で実行するのが好ましい。このようにすれば、メディアの表面に上記溶液が付着するのを回避することができるので、上記溶液を潤滑被膜の形成のみに有効利用することができる。そのため、高価な固体潤滑剤の使用量を必要最低限に留め、焼結体作製用粉末を一層低コストに得ることができる。
基材粉末と固体潤滑剤の混合は、基材粉末と固体潤滑剤とを封入した容器を自転させつつ公転させることによって行うことが、すなわちいわゆる自転公転式混合機(遊星式混合機とも称される)を用いて行うことができる。ここで、自転公転式混合機とは、容器を自転させつつ公転させることによって容器内部に上下対流と渦巻流とを発生させ、これにより、容器内部に封入した粉末の混合等を極めて効率的に実行することができる混合機であり、容器の自転および公転速度を調整すれば、混合される粉末間に十分な摩擦熱を発生させることができる。従って、このようにすれば、固体潤滑剤を極めて短時間のうちに溶融させ、潤滑被膜を迅速に形成することができる。
基材粉末としては、金属粉末のみならず、セラミックス粉末を使用することができる。すなわち、本発明は、金属粉末およびその表面を被覆した潤滑被膜からなる焼結体作製用粉末を製造する場合のみならず、セラミックス粉末およびその表面を被覆した潤滑被膜からなる焼結体作製用粉末を製造する際にも好ましく適用することができる。
また、上述した第2の課題を解決するための第2発明として、上述した第1発明に係る製造方法により製造された焼結体作製用粉末を圧縮成形して圧粉体を得る圧縮成形工程と、圧粉体を加熱(基材粉末の焼結温度以上で加熱)して焼結体を得る焼結工程と、を含む焼結部品の製造方法を提供する。
このような方法を採用すれば、粉末同士の摩擦力および粉末と成形金型との摩擦力の双方を低減することができるので、固体潤滑剤の添加量を低減もしくはゼロとしても、圧粉体の成形性を高めて高密度・高強度の焼結体を得ることができる。
本願の第2発明に係る製造方法において、さらに、焼結体に表面改質処理を施す表面処理工程を設けることができる。表面改質処理は、焼結体に表面硬化層を形成する処理とすることができ、具体的には、例えば浸炭焼入れ焼戻し処理を選択することができる。浸炭焼入れ焼戻し処理であれば、焼結体の表層部を一層高強度化することができることに加え、焼結体の芯部に靭性を付与することができる。そのため、耐衝撃荷重性に優れた高強度の焼結部品を得ることができる。
上述した第2発明に係る製造方法は、高強度の焼結体を得ることを可能とするものであることから、各種機械部品や電気部品の中でも、特に高い強度が必要とされる動力伝達部品(例えば、ギヤやカム)を焼結体で形成する場合に好ましく適用することができる。もちろん、本願の第2発明は、ギヤやカム等に限らず、その他の機械部品(例えば軸受)を焼結体で形成する際にも好ましく適用することができる。
以上に示すように、本発明によれば、基材粉末の表面を被覆する潤滑被膜を精度良くしかも低コストに形成することが可能となり、これにより、基材粉末およびその表面を被覆した潤滑被膜からなる焼結体作製用粉末を低コストに量産することが可能となる。また、高密度・高強度の焼結部品を安定的かつ低コストに量産することが可能となる。
機械的強度や耐摩耗性等に優れた特性を示す焼結金属製の機械部品を低コストに量産することが可能となる。
本発明に係る製造方法により製造される焼結部品の一例を示す斜視図である。 図1中に示すX部の拡大断面図である。 図1に示す焼結部品の製造手順を示すブロック図である。 粉末製造工程で製造される焼結体作製用粉末を模式的に示す図である。 (a)図は粉末製造工程で使用する混合機の要部を概念的に示す図、(b)図は粉末製造工程の初期段階を模式的に示す図、(c)図は粉末製造工程の途中段階を模式的に示す図である。 (a)図は圧縮成形工程の初期段階を模式的に示す要部拡大断面図、(b)図は同途中段階を模式的に示す要部拡大断面図である。 評価試験の試験結果を示す図である。 評価試験の試験結果を示す図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本願の第1および第2発明に係る製造方法を適用して製造される焼結部品Aの一例を示す斜視図である。図1に示す焼結部品Aは機械部品(動力伝達部品)の一種であるギヤ1であり、図示例のギヤ1は、外周部に沿って歯面2が設けられた大径環状部3と、当該ギヤ1を図示しない回転軸に取り付けるための取り付け孔を有する小径環状部4と、大径環状部3および小径環状部4を連結する複数の連結部5とを一体に備えている。
上記のギヤ1は鉄系の金属焼結体で形成され、その密度は、概ね7.5g/cm3以上7.8g/cm3未満(真密度比で言えば概ね96%以上100%未満)とされる。なお、焼結体の密度は、JIS Z2501に規定された方法に基づいて測定することができる。
図2に示すように、ギヤ1の全域には、焼結後の熱処理により(金属焼結体に熱処理を施すことにより)形成された硬化層6が設けられている。硬化層6の有効深さは、当該ギヤ1の形状や大きさ等に応じて適宜調整されるが、概ね0.1mm以上0.5mm以下の範囲内とされる。また、ギヤ1の各部3〜5の硬度は、表面が最も高く、芯部(厚さ方向の中央部)に向けて徐々に低下している。従って、歯面2の機械的強度や耐摩耗性等は、ギヤ1を構成する各部のうちで最も高められている。
上記構成を具備する焼結部品Aとしてのギヤ1は、例えば、図3に示すように、粉末製造工程S1、圧縮成形工程S2、焼結工程S3および熱処理工程S4を順に経て製造される。以下、各工程について順に説明する。
粉末製造工程S1では、金属焼結体からなるギヤ1の作製用材料である焼結体作製用粉末が製造される。この工程で製造される焼結体作製用粉末10は、図4に模式的に示すように、基材粉末Bとしての金属粉末(ここでは鉄系金属粉末)11と、金属粉末11の表面を被覆する潤滑被膜12とからなり、後述する圧縮成形工程S2で使用される成形金型20(図6参照)への良好な充填性を確保する観点から、好ましくは60sec/50g以下の流動度、より好ましくは40sec/50g以下の流動度を有する。金属粉末11は、コスト面や圧縮成形性を考慮し、平均粒径が20μm以上200μm以下のものが好ましく使用される。すなわち、平均粒径が20μmを下回るような小粒径の金属粉末11は、高価であることに加え、流動性が悪く圧縮成形性が低下するからであり、また、平均粒径が200μmを上回るような大粒径の金属粉末11では、粉末10を圧縮成形して得られる圧粉体1’[図6(b)参照]に粗大気孔が形成され易く、高密度の圧粉体1’、ひいては高強度のギヤ1を得ることが難しくなるからである。なお、ここでいう「平均粒径」とは、個数平均粒径を意味する。
金属粉末11としては、平均粒径が上記の範囲内にある限り、どのような製法で製造されたものであっても問題なく使用することができる。具体的には、アトマイズ法により製造されるアトマイズ粉末、還元法により製造される還元粉末、又は電解法により製造される電解粉末等、公知の製法で製造された金属粉末11を選択使用することができる。また、本実施形態で使用する金属粉末11としては、鉄を主成分とした鉄系金属粉末であれば良く、例えば、純鉄粉末の他、鉄と、ニッケル,モリブデン,クロムおよび銅などの群から選択される少なくとも一の金属とが合金化した部分合金粉等を使用することができる。要するに、使用する金属粉末11の種類は、ギヤ1に求められる要求特性等に応じて適宜選択される。
図4に示す焼結体作製用粉末10は、図5(a)に要部を概念的に示す自転公転式混合機15を用いて製造される。自転公転式混合機15は、鉛直方向に対して傾斜した傾斜姿勢で配置された一又は複数の容器16と、容器16をその中心軸X1回りに回転させる図示しない自転機構と、容器16を上記中心軸X1と交差する軸(当該混合機15の中心軸)X2回りに回転(公転)させる図示しない公転機構とを備える。
そして、図5(b)に示すように、基材粉末Bとしての金属粉末11、および潤滑被膜12の形成用材料である固体潤滑剤13を容器16内に封入してから自転機構および公転機構を駆動し、容器16を、その中心軸X1回りに回転(自転)させつつ混合機15の中心軸X2回りに回転(公転)させ、容器16内で金属粉末11と固体潤滑剤13とを混合する。つまり、メディア(砥粒)を用いないメディアレスの状態で金属粉末11と固体潤滑剤13とを混合する。
ここで、固体潤滑剤13としては、潤滑成分が、(1)70〜150℃程度に加熱されることによって溶融し(融点が70〜150℃程度)、(2)溶融後、冷却・固化する際に凝集や偏析が生じにくく、かつ、(3)後述する焼結工程S3で圧粉体1’が加熱されるのに伴って気化した際に、カーボン等の残渣物を生じないものが好ましく使用される。上記(1)〜(3)の要求特性を満足する固体潤滑剤13としては、例えば、潤滑成分として、ステアリン酸亜鉛に代表される金属せっけんや、エチレンビスステアリン酸アミドに代表されるアミドワックスを含むものを挙げることができる。潤滑被膜12の形成性等を考慮すると、上記の潤滑成分を少なくとも50vol%以上含む固体潤滑剤13を使用するのが好ましい。
容器16の自転・公転速度は、容器16内で金属粉末11と固体潤滑剤13とが混合されるのに伴って生じる摩擦熱により、容器16の内部温度が少なくとも固体潤滑剤13の融点以上(概ね70℃以上)に昇温する速度に設定される。具体的には、容器16(容器16内に封入された金属粉末11および固体潤滑剤13)に980m/s2以上の加速度が加わるように、容器16の自転・公転速度が設定される。但し、容器16の自転・公転速度が過大になると容器166内に封入された金属粉末11および固体潤滑剤13に過剰な加速度が加わり、その結果、金属粉末11が破壊されるおそれがある。また、過大な摩擦熱が生じて容器16の内部温度が過度に高温となり、その結果、金属粉末11の表面が酸化するなどといった不具合が生じる可能性がある。そのため、容器16の自転・公転速度は、自転・公転に伴って容器16に加わる加速度が2450m/s2以下となるように設定する。以上から、容器16の自転・公転速度は、自転・公転に伴って容器16(容器16内の金属粉末11および固体潤滑剤13)に加わる加速度が980m/s2以上2450m/s2以下の範囲内となるように調整される。
そして、上記の態様で容器16を自転・公転させ、金属粉末11と固体潤滑剤13とを容器16内で混合するのに伴って生じる摩擦熱により、容器16の内部温度を、固体潤滑剤13の融点以上沸点以下まで昇温させる。これにより、固体潤滑剤13は、図5(c)に示すように容器16内で溶融し、液体(潤滑成分を含む溶液)14になる。容器16を引き続き自転・公転させると、容器16内で金属粉末11と溶液14とが攪拌され、金属粉末11の表面が溶液14により濡らされる。そして、容器16の自転・公転速度を減じ(容器16の自転・公転を停止させ)、容器16の内部温度を低下させると、金属粉末11の表面を濡らした溶液14(の潤滑成分)が固化し、潤滑被膜12が形成される。これにより、金属粉末11およびその表面を被覆する潤滑被膜12からなる焼結体作製用粉末10であって、好ましくは60sec/50g以下の流動度、より好ましくは40sec/50g以下の流動度を有する焼結体作製用粉末10が製造される。
このように、本発明では、固体潤滑剤13を溶融させる(固体潤滑剤13を、金属粉末11の表面を被覆可能な溶液14の状態にする)ための技術手段として、金属粉末11と固体潤滑剤13とを混合する際に生じる摩擦熱を活用するようにした。そのため、摩擦熱を迅速かつ十分に発生させれば、潤滑被膜12を迅速に形成することができる。また、このような方法によれば、当然のことながら、有機溶媒を使用する従来方法のように作業環境や廃液処理に格別の配慮を払う必要がなくなる。さらに、固体潤滑剤13が溶融することにより生成された溶液14で金属粉末11の表面を被覆し、潤滑被膜12を形成するようにしたので、潤滑被膜12の形成に固体潤滑剤13以外のもの(従来方法で言えば有機溶媒)が関与する余地がない。そのため、膜厚のバラツキが少ない高精度の潤滑被膜12を形成することができる。従って、金属粉末11の表面を被覆する潤滑被膜12を精度良くしかも低コストに形成することができ、これにより、焼結体作製用粉末10を低コストに量産することができる。
特に、本実施形態では、金属粉末11と固体潤滑剤13の混合、さらに言えば、溶液14の生成〜潤滑被膜12の形成プロセスを、メディア(砥粒)を使用しないメディアレスの状態で実行するようにした。このようにすれば、メディアの表面に溶液14が付着するのを回避することができるので、溶液14を潤滑被膜12の形成のみに有効利用することができる。そのため、高価な固体潤滑剤13の使用量を必要最低限に留め、焼結体作製用粉末10を一層低コストに得ることができる。
また、金属粉末11と固体潤滑剤13の混合を、いわゆる自転公転式混合機15を用いて行うようにしたので、固体潤滑剤13を極めて短時間のうちに溶融させて溶液14を生成することが、すなわち潤滑被膜12を極めて迅速に形成することができる。
次に、圧縮成形工程S2では、図6(a)(b)に示す成形金型20を使用して上記の粉末製造工程S1で製造された焼結体作製用粉末10を圧縮成形し、図1に示すギヤ1に近似した略完成品形状の圧粉体1’を得る。成形金型20は、主要な構成として、同軸配置されたコア21、上下パンチ22,23およびダイ24を有し、例えばサーボモータを駆動源としたCNCプレス機(図示せず)にセットされている。なお、当該成形金型20には、例えばダイ24を加熱するようなヒータは設けられていない。
上記構成の成形金型20において、コア21、下パンチ23およびダイ24で画成されるキャビティ25内に焼結体作製用粉末10を投入・充填してから、上パンチ22を下パンチ23に対して相対的に接近移動させ、焼結体作製用粉末10を適当な加圧力(成形すべき圧粉体の形状や大きさに応じて設定される)で加圧・圧縮すると、圧粉体1’が成形される。そして、上パンチ22を上昇移動させると共に、下パンチ23を上昇移動させ、圧粉体1’をキャビティ25外に排出する。
以上のようにして得られた圧粉体1’は焼結工程S3に移送される。この焼結工程S3では、焼結体作製用粉末10を構成する金属粉末11の焼結温度以上で圧粉体1’を加熱する。これにより、各金属粉末11の表面を被覆する潤滑被膜12が溶融・気化(消失)すると共に、隣接する金属粉末11同士が焼結結合し、多孔質の金属焼結体が得られる。圧粉体1’が鉄系の金属粉末11をベースとした焼結体作製用粉末10を圧縮成形したものであることから、酸素等の活性ガスが存在する雰囲気下で焼結を実行すると、圧粉体1’を構成する金属粉末11が酸化し、金属焼結体、ひいてはギヤ1の機械的強度等に悪影響が及ぶおそれがある。そのため、この焼結工程S3では、窒素ガス雰囲気等の不活性ガス雰囲気下に配置した圧粉体1’を1200℃以上1300℃以下(例えば1250℃)で所定時間加熱することにより金属焼結体を得る。加熱温度の下限値を1200℃に設定したのは、これよりも低い温度(例えば、一般的な鉄系金属の焼結体を形成するための温度である1120℃)で圧粉体1’を加熱した場合、金属粉末11同士を十分な結合強度でもって焼結することができないからである。また、加熱温度の上限値を1300℃に設定したのは、強度向上効果が飽和するためである。なお、圧粉体1’の焼結は、上記のような不活性ガス雰囲気下ではなく、真空下で行うようにしても構わない。
以上の各工程を経ることにより、真密度比が96%以上100%未満(密度でいうと、概ね7.5g/cm3以上7.8g/cm3未満)の金属焼結体が形成される。また、JIS Z2507に規定された方法に基づいてこの金属焼結体の圧環強さを測定すると、その値は概ね1600MPa以上であり、JIS Z2273の規定にならって疲労限を決定した上でこの金属焼結体の圧縮疲労強さを測定すると、その値は概ね315MPa以上であった。
上述したように、この実施形態では、いわゆる金型潤滑成形法や温間成形法を採用していないが、それにも関わらず、このように高密度・高強度の金属焼結体を得ることができる。これは、圧粉体1’成形用の粉末として、上述したような焼結体作製用粉末10を使用したことに他ならない。すなわち、上述したような焼結体作製用粉末10であれば、粉末同士の摩擦力および当該粉末10と成形金型20(キャビティ25)との摩擦力の双方を低減することができるので、成形金型20のキャビティ25画成面に固体潤滑剤を付着させたり、キャビティ25に投入する粉末に固体潤滑剤を添加したりせずとも、圧粉体1’の成形性を高め、高密度・高強度の金属焼結体を得ることができる。
最後に、金属焼結体は熱処理工程S4に移送される。この熱処理工程S4では、上記の金属焼結体に熱処理が施され、金属焼結体の表層部に焼入れに伴う硬化層6(図2参照)が形成される。これにより、金属焼結体の機械的強度や耐摩耗性が全体的に高められる。熱処理の手法に特段の制約はなく、浸炭焼入れ、ずぶ焼入れ、高周波焼入れ等、公知の手法を適宜採用し得るが、ここでは浸炭焼入れを採用する。なお、金属焼結体(ギヤ1)に、高い機械的強度等のみならず高い靭性を付与するため、焼入れ後には焼戻しを実行する。
以上で説明した各工程を経て、図1および図2に示す焼結部品Aとしてのギヤ1が完成する。なお、熱処理工程S4後には、金属焼結体(ギヤ1)の各部を一層高精度化するため、研削加工、研磨加工、ラップ加工、超仕上げ加工等の仕上げ加工を必要に応じて実行することも可能である。
以上、本願の第1発明に係る焼結体作製用粉末10の製造方法(粉末製造工程S1)、およびこの製造工程S1を含んだ焼結部品Aの製造方法の一実施形態について説明を行ったが、これらの製造方法には、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜の変更を施すことが可能である。
例えば、上記のギヤ1のように複雑形状の機械部品(焼結部品A)を製造する際には、例えば、焼結工程S3と熱処理工程S4との間に、金属焼結体の各部(上記のギヤ1の場合、特にその外周部に設けられる歯面2)を仕上がり形状に成形するための塑性加工工程を設けても良い。塑性加工としては、転造やサイジング等、金属焼結体(焼結部品A)の形状に応じたものを採用することができる。
このような塑性加工工程を設けた場合、工程数が増加する分、焼結部品Aの製造コストが増大するというデメリットはあるが、その反面、金属焼結体のうちで塑性加工が施される部位の多孔質組織を緻密化することができる(多孔質組織が緻密化した緻密層を形成することができる)ので、応力集中源となる内部気孔を少なくすることができる。そのため、一層機械的強度、特に耐疲労強度に優れた焼結部品Aを得ることができるという大きなメリットがある。なお、上記の塑性加工は、冷間、温間又は熱間の何れの温度領域で実行しても構わないが、焼結部品A各部の成形精度等を高める観点から言えば、冷間で実行するのが好ましい。
また、以上では、焼結金属製のギヤ1を製造するに際して本発明を適用したが、本発明は、その他の機械部品(例えば、カムや軸受等)や電気部品を製造する際にも好ましく適用することができる。特に、本発明によれば、溶製材に近似する程度にまで高密度化され、高い機械的強度や耐摩耗性等を具備する金属焼結体を低コストに量産可能であることから、従来では機械的強度等の関係上使用することが難しかった用途への焼結部品Aの適用を可能とし得る極めて有益なものである。
また、以上では、金属粉末11およびその表面を被覆する潤滑被膜12からなる焼結体作製用粉末10を製造する場合に本願の第1発明を適用したが、本願の第1発明は、セラミックス粉末およびその表面を被覆する潤滑被膜からなる焼結体作製用粉末を製造する際にも好ましく適用することができる。すなわち、本願の第2発明に係る焼結部品Aの製造方法は、セラミックスの焼結体からなる焼結部品を製造する際にも好ましく適用することができる。
本発明の有用性を実証するため、第1の確認試験を実施した。この第1の確認試験は、好ましい条件で試験粉末(図4に示すような焼結体作製用粉末10)を製造した場合(実施例1〜5)、および好ましくない条件で試験粉末を製造した場合(比較例1〜8)において、(イ)潤滑被膜の形成態様および(ロ)製造された試験粉末の流動度を確認・評価するものである。
上記(イ)の確認は、後述する態様で製造した各試験粉末を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察することにより行い、この観察の結果、潤滑被膜が適切に形成されていた場合には“○”の評価をした。その一方、潤滑被膜が適切に形成されていない場合や、試験粉末の製造に使用した混合機の容器内に潤滑剤が残存していた場合には“×”の評価をした。また、上記(ロ)については、JIS Z2502に準拠する方法で各試験粉末の流動度[sec/50g]を測定した。そして、測定された流動度が、40sec/50g未満のときには“◎”の評価をし、40sec/50g以上60sec/50g未満のときには“○”の評価をし、60sec/50g以上のときには“△”の評価をした。加えて、試験粉末が流動しなかったときには“×”の評価をした。実施例1〜5および比較例1〜8に係る製造方法の主要事項、および各製造方法に関する上記(イ)及び(ロ)の評価結果を図7に示す。
図7に記載した事項を補足するため、以下、実施例1〜5および比較例1〜8に係る製造方法を詳細に述べる。
[実施例1]
基材粉末としての鉄系合金粉末(ここでは、JFEスチール株式会社製の平均粒径70μmの「シグマロイ2010」を使用。“シグマロイ”は登録商標。)と、固体潤滑剤としてのオレイン酸アミド(日油株式会社製/融点70℃)とを、株式会社シンキー製の自転公転式混合機「あわとり練太郎MX−201」(“練太郎”は登録商標)を用いて混合した。混合は、容器内部温度が固体潤滑剤の融点以上、つまりここでは70℃以上に昇温するまで、容器(容器に封入された基材粉末および固体潤滑剤)に1960m/s2の加速度が加わるような速度で容器を自転・公転させることにより行った。
[実施例2]
固体潤滑剤として、オレイン酸アミドに替えてステアリン酸亜鉛(日油株式会社製/融点120℃)を使用した。これに伴って、混合機による混合は、容器内部温度が120℃以上に昇温するまで、容器に1960m/s2の加速度が加わるような速度で容器を自転・公転させることにより行った。
[実施例3]
固体潤滑剤として、オレイン酸アミドに替えてエチレンビスステアリン酸アミド(ロンザジャパン株式会社製/融点150℃)を使用した。これに伴って、混合機による混合は、容器内部温度が150℃以上に昇温するまで、容器に1960m/s2の加速度が加わるような速度で容器を自転・公転させることにより行った。
[実施例4]
基材粉末として平均粒径20μmの鉄系合金粉末を使用した以外は実施例3と同様。
[実施例5]
基材粉末として平均粒径200μmの鉄系合金粉末を使用した以外は実施例3と同様。
[比較例1]
基材粉末および固体潤滑剤は実施例1と同様のものを使用した。但し、これらの混合は、筒井理化学機械株式会社製のV型混合機「S−3型」を使用して行い、混合機の運転時間は40rpmで30分とした。混合機の運転時、容器に加わる加速度は9.8m/s2であった。混合機の運転終了時、容器内部温度は25℃程度であった。
[比較例2]
基材粉末および固体潤滑剤は実施例2と同様のものを使用し、これらの混合を比較例1と同様にして行った。
[比較例3]
基材粉末および固体潤滑剤は実施例3と同様のものを使用し、これらの混合を比較例1と同様にして行った。
[比較例4]
実施例1〜5に係る試験粉末の製造に用いた自転公転式混合機を用いて、実施例3と同様の基材粉末および固体潤滑剤を混合した。混合は、容器内部温度が50℃に昇温するまで、容器に490m/s2の加速度が加わるような速度で容器を自転・公転させることにより行った。
[比較例5]
実施例1〜5に係る試験粉末の製造に用いた自転公転式混合機を用いて、実施例3と同様の基材粉末および固体潤滑剤を混合した。混合は、容器内部温度が250℃以上に昇温するまで、容器に2940m/s2の加速度が加わるような速度で容器を自転・公転させることにより行った。
[比較例6]
実施例1〜5に係る試験粉末の製造に用いた自転公転式混合機を用いて、実施例3と同様の基材粉末および固体潤滑剤を混合した。混合は、容器内部温度が250℃以上に昇温するまで、容器に1960m/s2の加速度が加わるような速度で容器を自転・公転させることにより行った。
[比較例7]
基材粉末として平均粒径10μmの鉄系合金粉末を使用した以外は実施例3と同様。
[比較例8]
基材粉末として平均粒径300μmの鉄系合金粉末を使用した以外は実施例3と同様。
図7からも明らかなように、実施例1〜5に係る方法で製造した試験粉末には潤滑被膜が適切に形成されていた。これは、潤滑被膜の形成材料として使用した固体潤滑剤の融点以上に容器の内部温度が昇温するように、基材粉末と固体潤滑剤とを混合したためであると考えられる。また、実施例1〜5に係る方法で製造した試験粉末は、何れも、必要最低限の流動度が確保されていた。これは、潤滑被膜が適切に形成されていたことに加え、使用した基材粉末の平均粒径が適切であったためであると考えられる。
一方、比較例1〜4に係る方法では、容器内部に潤滑剤(固体潤滑剤)が残存しており、潤滑被膜が適切に形成されなかった。これは、基材粉末および固体潤滑剤の混合に使用した容器の内部温度が、固体潤滑剤の融点以上に昇温していなかったためであると考えられる。そして、比較例1および4に係る方法で製造した試験粉末は全く流動しなかった。
比較例5に係る方法では、容器の内部温度が固体潤滑剤の融点以上になっているものの、潤滑被膜が適切に形成されなかった。これは、混合時に容器に作用する加速度が過大であったために基材粉末が破壊されたためである。また、比較例6に係る方法では、混合時における容器の内部温度が固体潤滑剤の融点以上になっているものの、比較例5に係る方法と同様に潤滑被膜が適切に形成されなかった。これは、容器内部が過昇温していたために基材粉末の表面が酸化してしまったためである。比較例5および6に係る方法では、基材粉末に上記の問題が生じたため、流動度が測定できなかった。
比較例7および8に係る方法で製造した試験粉末には潤滑被膜が適切に形成されていた。しかしながら、比較例7に係る方法で製造した試験粉末は全く流動しなかった。これは、平均粒径が10μmと至極小粒径の基材粉末をベースとしたためであると考えられる。一方、比較例8に係る方法で製造した試験粉末は、良好な流動性を示した。これは、大粒径の基材粉末をベースとしたためであると考えられる。
本発明が、高密度・高強度の金属焼結体を得る上で有用であることを実証するため、第2の確認試験を実施した。この第2の確認試験は、上記の実施例2、比較例2および比較例8に係る方法で製造した試験粉末をそれぞれ圧粉・焼結等することによって三種類のリング状試験片を作製し、これら三種類のリング状試験片の密度(焼結密度)、圧環強さおよびリング圧縮疲労強さをそれぞれ測定する、というものである。なお、密度[g/cm3]はJIS Z2501に規定された方法に準拠するようにして測定し、圧環強さ[MPa]はJIS Z2507に規定された方法に準拠するようにして測定した。また、リング圧縮疲労強さ[MPa]の測定は、応力比0.1、周波数50Hzの条件下で行い、疲労限の決定はJIS Z2273に準拠した。
各リング状試験片は、以下の(1)〜(3)の手順を経て作製した。
(1)試験粉末を980MPaの成形圧力で加圧し、外径24mm×内径18mm×厚さ7mmの圧粉体を成形。
(2)窒素ガス雰囲気下で圧粉体を1250℃で150分加熱し、金属焼結体を作製。
(3)金属焼結体に浸炭焼入れ(850℃)した後、金属焼結体を焼戻し(150℃)。
第2の確認試験の試験結果を図8に示す。同図からも明らかなように、実施例2に係る方法で製造した試験粉末を圧粉・焼結等して得られるリング状試験片は、比較例2、さらには比較例8に係る方法で製造した試験粉末を圧粉・焼結等して得られるリング状試験片に比べ、高密度でかつ高強度である。なお、比較例8に係るリング状試験片が、実施例2に係るリング状試験片に比べて大幅に低密度・低強度となったのは、試験粉末を構成する基材粉末の平均粒径が大き過ぎたために、隣接する基材粉末間に粗大気孔が形成されたためであると考えられる。
1 ギヤ(動力伝達部品)
1’ 圧粉体
6 硬化層
10 焼結体作製用粉末
11 金属粉末
12 潤滑被膜
13 固体潤滑剤
14 溶液
15 自転公転式混合機
16 容器
20 成形金型
A 焼結部品
B 基材粉末
S1 粉末製造工程
S2 圧縮成形工程
S3 焼結工程
S4 熱処理工程
1、X2 中心軸

Claims (9)

  1. 基材粉末およびその表面を被覆した潤滑被膜からなる焼結体作製用粉末を製造するに際し、
    基材粉末と固体潤滑剤とを混合するのに伴って生じる摩擦熱で前記固体潤滑剤を溶融させ、前記固体潤滑剤が溶融するのに伴って生成された溶液で基材粉末の表面を被覆することを特徴とする焼結体作製用粉末の製造方法。
  2. メディアレスの状態で基材粉末と前記固体潤滑剤とを混合する請求項1に記載の焼結体作製用粉末の製造方法。
  3. 基材粉末と前記固体潤滑剤とを封入した容器を自転させつつ公転させることにより、基材粉末と前記固体潤滑剤とを混合する請求項1又は2に記載の焼結体作製用粉末の製造方法。
  4. 基材粉末が、金属粉末又はセラミックス粉末の何れかである請求項1〜3の何れか一項に記載の焼結体作製用粉末の製造方法。
  5. 請求項1〜4の何れか一項に記載の製造方法により製造された焼結体作製用粉末を圧縮成形して圧粉体を得る圧縮成形工程と、該圧粉体を加熱して焼結体を得る焼結工程と、を含む焼結部品の製造方法。
  6. さらに、前記焼結体に表面改質処理を施す表面処理工程を備える請求項5に記載の焼結部品の製造方法。
  7. 前記表面改質処理は、前記焼結体に表面硬化層を形成する処理である請求項6に記載の焼結部品の製造方法。
  8. 前記表面改質処理が、浸炭焼入れ焼戻し処理である請求項6又は7に記載の焼結部品の製造方法。
  9. 動力伝達部品を製造する際に適用される請求項5〜8の何れか一項に記載の焼結部品の製造方法。
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