JP2014120234A - 充電ケーブルロック装置 - Google Patents

Abstract

【課題】例えばインレット取付け先の形状が異なっても、同一の部品を共通して使用することができる充電ケーブルロック装置を提供する。
【解決手段】インレット８は、ケース部分をなすインレットハウジング９と、制御線及びパワー線等を有する端子部１１とを備える。インレットハウジング９の上壁２５に、ロック機構１９の取付け先としてロック機構取付部２６を設ける。ロック機構１９は、インレット８に接続される充電ケーブルをインレット８にロックする部品である。リッドボックス６への組み付け時、まずロック機構１９をインレットハウジング９に組み付けてインレットユニット３４とし、これをリッドボックス６に組み付ける。
【選択図】図３

Description

本発明は、充電ケーブルを車体にロックする充電ケーブルロック装置に関する。

近年、環境問題への意識の高まりから、二酸化炭素の排出量の少ない車両として、例えばプラグインハイブリッド車や電気自動車等の普及が進んでいる。これらバッテリ搭載型の車両の場合、バッテリの充電は、充電設備から延びる充電ケーブルの先端の給電プラグを、車両に設けられた充電インレットに接続し、充電ケーブルに設けられた電源スイッチをオンすることにより実施する（特許文献１等参照）。

また、充電ケーブルが接続される車両の場合、接続された充電ケーブルが盗難に遭わないように、充電ケーブルをインレットにロックするロック機構（ロック装置）を設けることが検討されている。ロック機構は、例えば充電ケーブルの先端に設けられたロックアームを、インレットの突起に係止した状態で上から押さえ付けることにより、インレットにロックする。通常、インレット及びロック機構は、給電口を開閉するリッドを回動可能に支持するリッドボックスに取り付け固定される。

特開平９−１６１８９８号公報

ところで、充電インレットの取付け先であるリッドボックスは、車種に応じて形状が異なる現状がある。よって、例えばインレットとロック機構とが別体構造の場合、リッドボックスの形状に応じて、これらの取付位置が変わってくることから、リッドボックスの形状に応じて、それぞれ専用のインレット及びロック機構の組を用意する必要があった。このため、部品点数の増加に繋がり、これがコスト増を招く問題に繋がっていた。

本発明の目的は、例えばインレット取付け先の形状が異なっても、同一の部品を共通して使用することができる充電ケーブルロック装置を提供することにある。

前記問題点を解決するために、本発明では、車両のバッテリを充電可能な充電ケーブルを接続可能であり、当該充電ケーブルから供給される電力により前記バッテリを充電可能な充電ケーブルロック装置において、インレットのハウジングに、このインレットハウジングに挿し込まれた前記充電ケーブルを当該インレットハウジングにロックするロック機構を取り付け可能なロック機構取付部を設けたことを要旨とする。

本発明の構成によれば、充電インレットにロック機構取付部を設けたので、充電インレットとロック機構との一体化が可能となる。よって、充電インレットにロック機構を組み付ければ、それで充電インレット及びロック機構の間の位置関係が決まり、このユニットを取付け先に組み付ける際に、両者の位置関係を考慮せずに済む。このため、形状の異なる取付け先であっても、同一のユニットを使用することが可能となるので、部品共通化により、例えば部品コスト削減等の効果を得ることが可能となる。

本発明では、前記インレットハウジングは、前記充電ケーブルを挿し込む筒部の外面が露出されるように周囲に対して凹ませた凹部が形成され、前記ロック機構取付部は、前記凹部を形成する前記ハウジングの壁部に形成されていることを要旨とする。この構成によれば、充分な面積を有する壁部がロック機構の取付け先となるので、ロック機構取付部の充分な配置スペースを確保することが可能となる。

本発明では、取付け先に対する取り付け面は、当該面が同一平面上に配置された面一に形成されていることを要旨とする。この構成によれば、充電インレットの取り付け面を同一平面上の面一としたので、例えば取り付け面をシールする場合に、シール面をフラット化することが可能となる。よって、高いシール性を確保することが可能となる。

本発明によれば、例えばインレット取付け先の形状が異なっても、同一の部品を共通して使用することができる。

一実施形態の給電口付近の外観を示す斜視図。 充電ケーブルをインレットに接続したときの状態図。 インレットの取付構造を示す分解斜視図。 インレットの縦断面図。 （ａ），（ｂ）はロック機構をインレットに取り付けるときの説明図。 （ａ），（ｂ）はインレットユニットをリッドボックスに取り付けるときの説明図。 （ａ），（ｂ）は形状の異なるリッドボックスに取り付けられるインレットを示す説明図。 別例のリッドロックの構成図。

以下、具体化した充電ケーブルロック装置の一実施形態を図１〜図７に従って説明する。
［充電システムの概要］
図１に示すように、例えばプラグインハイブリッド車や電気自動車等のバッテリ搭載型の車両には、外部電源（住宅、充電スタンド等）により車両のバッテリ（図示略）を充電可能な充電システムが搭載されている。この場合、車体１の側壁には、車体１の給電口２を開閉するリッド３が、上下方向に延びる軸部４回りに回動操作可能に取り付けられている。軸部４には、リッド３を開き側に付勢する例えばトーションばね等からなる付勢部材５が取り付けられている。

給電口２のリッドボックス６の中央位置には、外部電源から延びる充電ケーブル７の接続先となるインレット８が、受電側のコネクタとして設けられている。インレット８のケースであるインレットハウジング９の中央部には、充電ケーブル７の挿込口となる略円筒状のケーブル挿込筒１０が突設されている。ケーブル挿込筒１０の内部には、例えば信号線やパワー線等からなる端子部１１が設けられている。なお、リッドボックス６がインレット８の取付け先に相当し、ケーブル挿込筒１０が筒部に相当する。

図２に示すように、充電ケーブル７は、ケーブル線１２と、ケーブル線１２の先端に配設された給電側のコネクタとなる給電プラグ１３とを有する。給電プラグ１３の先端には、インレット８の端子部１１と対をなす端子部１４が設けられている。充電ケーブル７をインレット８に接続すると、給電プラグ１３に回動操作可能に配設されたロックアーム１５が付勢部材１６の付勢力によって閉じ側に回り、先端の爪部１７がインレット８の突起１８に係止することにより、充電ケーブル７がインレット８に抜け止めされる。

［ロック機構の構成］
図１及び図２に示すように、給電口２の上部には、インレット８に接続された充電ケーブル７をインレット８にロック可能なロック機構１９が設けられている。ロック機構１９は、アンロック位置及びロック位置の間をスライド移動するロックピン２０が、自身の長手方向（図１のＺ軸方向）に沿って往復動可能に設けられている。ロック機構１９は、インレット８の突起１８に係止されたロックアーム１５の爪部１７を、ロック位置に位置したロックピン２０で上から押さえ付けることにより、充電ケーブル７をインレット８にロックする。

［インレットの取付構造］
図３に示すように、インレットハウジング９の中央から上部一帯には、ロックアーム１５の爪部１７を奥に通すために、ケーブル挿込筒１０の上部外面を開口させる開口穴２１が形成されている。インレットハウジング９の外周一帯には、リッドボックス６への取り付け箇所としてフランジ部２２が形成されている。インレット８は、フランジ部２２をリッドボックス６の裏面からインサートボルト２３及びナット２４の複数の組によりリッドボックス６に固定することで、リッドボックス６に組み付け固定されている。なお、開口穴２１が凹部に相当する。

［ロック機構の取付構造］
図３に示すように、本例のインレットハウジング９は、開口穴２１の上壁２５にロック機構１９の取付部（以降、ロック機構取付部と記す）２６を設けることにより、ロック機構１９の取付け先としても使用されている。本例の場合、インレットハウジング９の上壁２５に貫通孔２７が貫設され、貫通孔２７の周縁を取付け座部２８としてロック機構１９が取り付けられる。上壁２５は、開口穴２１を形成する各壁のうち、ケーブル挿込筒１０と対向する壁である。貫通孔２７は、ロック機構１９のロックピンをロック位置／アンロック位置で出し引きさせる際の孔である。なお、上壁２５が壁部に相当する。

図４に示すように、インレットハウジング９においてリッドボックス６との間の取り付け面２９は、同一平面上（図４のＹＺ平面上）に配置されることにより面一に形成されている。取り付け面２９には、リッドボックス６とフランジ部２２との間に挟み込まれる状態でシール部材３０が介装されている。シール部材３０は、例えばＯリングが使用される。

ロック機構１９は、下端にフランジ部３１が形成され、このフランジ部３１が複数（例えば４箇所）の締結部材３２によってインレットハウジング９の取付け座部２８に固定されている。締結部材３２は、例えばボルト及びナット（インサートナット）が使用されている。ロック機構１９は、例えばインレットハウジング９にダイレクトに取り付けできるように、フランジ部３１を周囲より１段高く形成してもよい。また、ロック機構１９と取付け座部２８との間には、貫通孔２７の防水性を確保するシール部材３３が配設されてもよい。シール部材３３は、例えばＯリングが使用される。

次に、本例のロック機構取付部２６を有するインレット８の作用を、図４〜図７を用いて説明する。
図５（ａ），（ｂ）に示すように、インレット８及びロック機構１９をリッドボックス６に組み付けるには、まずロック機構１９をロック機構取付部２６に複数の締結部材３２を介して取り付けることにより、ロック機構１９をインレット８に予め組み付け固定しておく。そして、図６（ａ），（ｂ）に示すように、インレット８及びロック機構１９が一体となったインレットユニット３４を、リッドボックス６の裏面から複数組のインサートボルト２３及びナット２４によってリッドボックス６に取り付け固定する。これにより、リッドボックス６へのインレット８及びロック機構１９の取り付けが完了する。

図７（ａ），（ｂ）に示すように、これらインレットユニット３４は、形状の異なるリッドボックス６に取り付けられることもある。本例の場合、インレット８及びロック機構１９が一体となっているので、ロック機構１９のロックピン２０とインレット８の突起１８との位置関係は一定となり、リッドボックス６の形状に影響を受けない。よって、本例のインレットユニット３４は、複数の形状のリッドボックス６に対応可能となるので、部品共通化という点で効果が高い。

また、図４に示すように、インレットハウジング９におけるリッドボックス６との取り付け面２９は、同一平面上に配置されることにより面一に形成されている。このため、リッドボックス６とインレットハウジング９とをシールする際のラインが１つで済むので、シール面のフラット化が可能となり、高いシール性確保に効果が高くなる。

ここで、例えばインレット８とロック機構１９とが別体の場合を考えてみる。この構成のとき、インレット８とロック機構１９とをそれぞれ個別にリッドボックス６に組み付けることになるが、この組付作業では、ロックピン２０とロックアーム１５との掛かり代の確保のために、リッドボックス６に対するインレット８の組み付け精度と、リッドボックス６に対するロック機構１９の組み付け精度との両方が必要になり、位置合わせが大変である。しかし、本例の一体型の場合、予めインレットハウジング９にロック機構１９を取り付けておくので、両者の位置精度はこの時点で確保され、リッドボックス６への取り付け時には、両者の細かな位置合わせが必要とならない。よって、本例の場合、組付作業が楽という点でも効果が高い。

本実施形態の構成によれば、以下に記載の効果を得ることができる。
（１）インレットハウジング９にロック機構取付部２６を設けたので、インレットハウジング９とロック機構１９との一体化が可能となる。よって、インレットハウジング９にロック機構１９を組み付ければ、それでインレットハウジング９の突起１８とロック機構１９のロックピン２０との間の位置関係が決まり、このインレットユニット３４をリッドボックス６に組み付ける際、インレットハウジング９及びロック機構１９の間の位置関係を考慮せずに済む。このため、形状の異なるリッドボックス６に取り付ける場合であっても、同一のインレットユニット３４を使用することが可能となるので、部品共通化によって、例えば部品コスト削減等の効果を得ることができる。

（２）インレット８にロック機構１９を一体化すれば、インレットハウジング９及びロック機構１９の間の位置精度はこれらの組み付け時に確保され、インレットユニット３４をリッドボックス６に取り付ける際には、リッドボックス６及びインレットハウジング９の間のシール性のみ考慮すればよい、よって、従来の懸念であった突起１８及びロックピン２０を位置合わせしながら、リッドボックス６に対するインレットハウジング９及びロック機構１９のシール性を確保しなければならない組付作業をとらずに済むので、部品組み付けを楽に行うことができる。

（３）インレットハウジング９に開口穴２１を設け、その開口穴２１を形成する上壁２５にロック機構取付部２６を設けた。よって、充分な面積（大きさ）を有する上壁２５がロック機構１９の取付け先となるので、ロック機構取付部２６の充分な配置スペースを確保することができる。

（４）インレットハウジング９の取り付け面２９を同一平面上の面一としたので、この取り付け面２９にシール部材３０を設けるとき、シール面をフラット化することができる。よって、高いシール性を確保することができる。

（５）インレット８にロック機構１９を一体化すれば、リッドボックス６への組み付け時関係する部品が少なくなるので、ロック寸法のばらつきも少なく抑えることができる。
（６）インサートボルト２３及びナット２４がリッドボックス６の内部に隠れるので、インレット８の不正取り外し防止に効果が高くなる。

なお、実施形態はこれまでに述べた構成に限らず、以下の態様に変更してもよい。
・図８に示すように、ロック機構１９、リッド３をロック／アンロックする機構として用いてもよい。この場合、リッド３の裏面にストライカ４１（図１にも図示）が設けられ、このストライカ４１の溝部４２にロックピン２０が係止することにより、ロック状態をとる。

・ロック機構１９は、インレット８をリッドボックス６に組み付ける際、予めインレットハウジング９に組み付けられていてもよいし、この作業のときに組み付けられてもよい。

・ロック機構取付部２６は、上壁２５に設けられることに限らず、例えば側壁など、他の位置に変更可能である。
・ロック機構１９のインレットハウジング９への取り付け方法は、ボルト及びナットを用いた方法に限らず、強固に取り付け固定できるのであれば、他の方法に変更可能である。

・インレットハウジング９の取り付け面２９は、フラットな平面に限らず、例えば段を有する面でもよい。
・ケーブル挿込筒１０は、円筒形状に限らず、他の形状に変更可能である。

・インレットハウジング９は、略六角形の形状に限定されず、例えば略円筒形状など、他の形状に適宜変更可能である。
インレットハウジング９の取付構造は、インサートボルト２３を使用した締結構造に限らず、強固な取り付けが確保されれば、他の構造に適宜変更可能である。

・ロック機構１９の取付位置は、インレット８の側部に変更してもよい。
・ロック機構１９は、ロック／アンロックの一方を手動とし、他方を電動としてもよい。また、両方とも手動又は電動とすることも可能である。

・ロック機構１９は、給電プラグ１３の筐体にロックピン２０が直に引っ掛かることによりロック状態をとる機構でもよい。
・ロック機構１９は、充電ケーブル７をインレット８に固定できれば、種々の構造のものが採用可能である。

・ロック機構１９は、共通のロックピン２０によって、充電ケーブルロック及びリッドロックの一方を選択的に実行可能としてもよい。
・ロック対象物は、リッド３や充電ケーブル７に限らず、給電口２に関係する部品であればよい。

次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について、それらの効果とともに以下に追記する。
（イ）請求項１〜３のいずれかにおいて、前記ロック機構取付部には、前記ロック機構と前記ハウジングとの間にシール部材が設けられている。この構成によれば、ロック機構取付部の防水性を確保することが可能となる。

（ロ）請求項１〜３，前記技術的思想（イ）のいずれかにおいて、前記ロック機構取付部は、前記ロック機構の取付け先となる取付け座部と、当該ロック機構のロック部材を外部に露出させる貫通孔とを備える。この構成によれば、インレットハウジングに孔を形成することでロック機構取付部をインレットハウジングに配設することが可能となる。

６…取付け先としてのリッドボックス、７…充電ケーブル、８…インレット（充電インレット）、９…インレットハウジング、１０…筒部としてのケーブル挿込筒、１９…ロック機構、２１…凹部としての開口穴、２５…壁部としての上壁、２６…ロック機構取付部、２９…取り付け面。

Claims (3)

1. 車両のバッテリを充電可能な充電ケーブルを接続可能であり、当該充電ケーブルから供給される電力により前記バッテリを充電可能な充電ケーブルロック装置において、
   インレットのハウジングに、このインレットハウジングに挿し込まれた前記充電ケーブルを当該インレットハウジングにロックするロック機構を取り付け可能なロック機構取付部を設けた
   ことを特徴とする充電ケーブルロック装置。
2. 前記インレットハウジングは、前記充電ケーブルを挿し込む筒部の外面が露出されるように周囲に対して凹ませた凹部が形成され、前記ロック機構取付部は、前記凹部を形成する前記ハウジングの壁部に形成されている
   ことを特徴とする請求項１に記載の充電ケーブルロック装置。
3. 取付け先に対する取り付け面は、当該面が同一平面上に配置された面一に形成されている
   ことを特徴とする請求項１又は２に記載の充電ケーブルロック装置。