本発明の皮膚外用剤は、1)前記一般式(1)に表される化合物、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩と、2)抗炎症作用を有する成分とを含有することを特徴とする。また、本発明の皮膚外用剤は、色素沈着の予防又は改善用に好適な皮膚外用剤である。本発明の皮膚外用剤が有する色素沈着の予防又は改善効果としては、皮膚における色素沈着症状の予防又は改善作用であれば特段の限定なく適用することが出来、具体的には、紫外線暴露などにより生じる通常の日焼けにより生じる色素沈着の予防又は改善効果のほか、治り難いしみ、くすみ、更には、軽い炎症又は肌荒れ症状を伴う色素沈着症状に対する予防又は改善効果などが包含される。紫外線暴露などにより生じる日焼けは、色素細胞(メラノサイト)のメラニン産生亢進により起こる一過性又は可逆的な色素沈着症状である。一方、紫外線暴露などによる皮膚刺激が過度であった場合、更には、長期間に渡り皮膚刺激が加わった場合などには、色素細胞のメラニン産生が、過剰及び/又は慢性的に亢進された状態となり、最終的に、治り難いしみ、くすみ、炎症や肌荒れ症状を伴う色素沈着症状を呈することとなる。前述の色素細胞の過剰及び/又は慢性的なメラニン産生亢進状態は、産生されたメラニンの角化細胞(ケラチノサイト)への過剰輸送、蓄積又は排出遅延などの現象を誘引し、角化細胞の細胞機能低下、タ−ンオ−バ−遅延に起因する色素沈着異常を引き起こす原因となる。この様な色素沈着異常が発生する過程においては、サイトカインに代表される多様な情報伝達因子が関与し、炎症、及び/又は、重層剥離などの肌荒れ症状を伴うことが多く見受けられる。本発明の皮膚外用剤は、前述の通常の色素沈着症状のほか、炎症、肌荒れ症状を伴う色素沈着異常に対しても優れた予防又は改善効果が期待出来る。また、本発明の皮膚外用剤は、前記一般式(1)に表される化合物、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩、並びに、抗炎症作用を有する成分が有する生物活性により、色素沈着予防又は改善効果のほか、優れた保湿効果、シワ形成に対する予防又は改善効果、にきびなどの肌荒れ予防又は改善効果などの薬理効果が期待出来る。
以下に、本発明の皮膚外用剤の必須成分である、1)前記一般式(1)に表される化合物、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩、並びに、2)抗炎症作用を有する成分に関し説明する。
<本発明の前記一般式(1)に表される化合物、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩>
本発明の前記一般式(1)に表される化合物、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩は、後述する抗炎症作用を有する成分と共に皮膚外用剤に含有させることにより、前記一般式(1)に表される化合物が有するメラニン産生抑制作用が効果的に増強され、優れた色素沈着予防又は改善作用を発揮する。本発明の前記一般式(1)に表される化合物、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩は、必須アミノ酸であるセリンを基本骨格に含むセリン誘導体であり、色素沈着予防又は改善作用に加え、高い安全性を有する。特に、皮膚感作性、皮膚刺激性などの皮膚安全性に優れる。さらに、前記一般式(1)に表される化合物、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩は、セリン及びその誘導体より安価に製造することが出来る。また、前記一般式(1)に表される化合物は、化粧品など皮膚外用剤を製造する際に使用される汎用基剤に対し高い溶解性、取り分け、水又は低級アルコ−ル、多価アルコ−ル等の極性基剤に対し高い溶解性を有するため、多様な形態の皮膚外用剤の製造が可能である。また、本発明の皮膚外用剤は、前記一般式(1)に表される化合物、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩と、抗炎症作用を有する成分を共に皮膚外用剤に含有させることにより、好ましい薬理学的、薬物動態学的挙動を可能とし、各成分を単独に含有させる場合に比較し相加又は相乗的な効果の増強が認められる。
本発明の前記一般式(1)に表される化合物、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩は、かかる成分の内、1種又は2種以上を選択し皮膚外用剤に含有させることが出来る。本発明の前記一般式(1)に表される化合物、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩の内、好ましいものとしては、前記一般式(2)〜(4)に表される化合物、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩が好適に例示出来る。さらに、前記一般式(1)〜(4)に表される化合物の内、好ましい化合物を具体的に挙げれば、N−(p−メチルベンゾイル)セリン(化合物1)、N−(p−エチルベンゾイル)セリン(化合物2)、N−(p−メトキシベンゾイル)セリン(化合物3)、N−(p−フルオロベンゾイル)セリン(化合物4)、N−(p−トリフルオロメチルベンゾイル)セリン(化合物5)、N−(2−ナフトイル)セリン(化合物6)、N−(4−フェニルベンゾイル)セリン(化合物7)、N−(ベンゾイル)セリン(化合物8)、N−(p−メチルベンゾイル)セリン メチルエステル(化合物9)、N−(2−ナフトイル)セリン メチルエステル(化合物10)、N−ベンゾイル−O−メチルセリン(化合物11)、N−(p−メチルベンゾイル)−O−メチルセリン(化合物12)、N−(p−メチルベンゾイル)−O−アセチルセリン(化合物13)、N−(2−ナフトイル)−O−メチルセリン(化合物14)、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩が好適に例示出来る。前記一般式(1)〜(4)に表される化合物、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩の内、特に、化合物1〜14、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩は、後述する抗炎症作用を有する成分と共に皮膚外用剤に含有させることにより優れた色素沈着予防又は改善作用を発揮する。また、本発明の前記一般式(1)に表される化合物は、その化学構造中に不斉炭素を有する光学活性化合物である。このため、前記一般式(1)に表される化合物には、L体又はD体の光学活性体、L体及びD体の1:1混合物のラセミ体、L体及びD体が任意の比率で混在する混合物など様々な形態で存在することが可能である。本発明の前記一般式(1)に表される化合物としては、前記の光学活性体、ラセミ体、光学活性体の任意の比率の混合物などの存在可能な形態を全て包含する。また、本発明の前記一般式(1)に表される化合物の存在形態としては、特段の限定はないが、薬理作用の発現、安全性、溶解性、安定性などの面より、光学活性体、更には、L体を選択し使用することが好ましい。
本発明の前記一般式(1)に表される化合物に付いて述べる。式中、R1は、無置換又は置換基を有する芳香族基を表し、R2は、水素原子、炭素数1〜4の直鎖又は分岐のアルキル基、炭素数1〜4の直鎖又は分岐のアルキル鎖を有するアシル基を表し、R3は、水素原子、炭素数1〜4の直鎖又は分岐のアルキル基を表す。前記R1は、無置換又は置換基を有する芳香族基を表し、前記R1における芳香族環上の置換基の内、好ましいものとしては、炭素数1〜4の直鎖又は分岐のアルキル基、炭素数1〜4の直鎖又は分岐のアルキル鎖を有するアルコキシ基、水酸基、アミノ基、炭素数1〜4の直鎖又は分岐のアルキル鎖を有するモノ又はジアルキルアミノ基、ハロゲン原子、炭素数1〜4のハロゲン化アルキル基、カルボキシル基、炭素数1〜4の直鎖又は分岐のアルキル鎖を有するエステル基、無置換又は置換基を有するフェニル基等が好適に例示出来る。また、前記R1における芳香族環上の置換基の数には、特段の限定はないが、置換基の数としては、0〜3個が、より好ましくは、0又は1個が好ましい。また、芳香族環上の置換基の置換位置としては、特段の限定はないが、芳香族環上のセリン構造が結合したアミド結合に対しパラ位に存在することが特に好ましい。また、前記置換基は、それぞれ独立に存在することが出来る。前記R1における芳香族環としては、芳香族炭化水素基又は複素芳香族炭化水素基であれば特段の限定なく適用することが出来、特に、フェニル基、ナフチル基、イミダゾール基、ピリジル基、キノリル基などが好適に例示出来る。前記R1に関し好ましいものを具体的に挙げれば、フェニル基、メチルフェニル基、エチルフェニル基、プロピルフェニル基、ブチルフェニル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、プロピルオキシフェニル基、ブチルオキシフェニル基、ヒドロキシフェニル基、アミノフェニル基、N−(メチルアミノ)フェニル基、N−(エチルアミノ)フェニル基、N−(プロピルアミノ)フェニル基、N−(ブチルアミノ)フェニル基、N,N−(ジメチルアミノ)フェニル基、N,N−(ジエチルアミノ)フェニル基、N,N−(ジプロピルアミノ)フェニル基、N,N−(ジブチルアミノ)フェニル基、アセチルフェニル基、プロピオニルフェニル基、ブチリルフェニル基、メトキシカルボニルフェニル基、エトキシカルボニルフェニル基、プロピルオキシカルボニルフェニル基、ブチルオキシカルボニルフェニル基、フルオロフェニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、トリフルオロメチルフェニル基、ピリジル基、メチルピリジル基、エチルピリジル基、プロピルピリジル基、ブチルピリジル基、メトキシピリジル基、エトキシピリジル基、プロピルオキシピリジル基、ブチルオキシピリジル基、ヒドロキシピリジル基、アミノピリジル基、N−(メチルアミノ)ピリジル基、N−(エチルアミノ)ピリジル基、N−(プロピルアミノ)ピリジル基、N−(ブチルアミノ)ピリジル基、N,N−(ジメチルアミノ)ピリジル基、N,N−(ジエチルアミノ)ピリジル基、N,N−(ジプロピルアミノ)ピリジル基、N,N−(ジブチルアミノ)ピリジル基、アセチルピリジル基、プロピオニルピリジル基、ブチリルピリジル基、メトキシカルボニルピリジル基、エトキシカルボニルピリジル基、プロピルオキシカルボニルピリジル基、ブチルオキシカルボニルピリジル基、フルオロピリジル基、クロロピリジル基、ブロモピリジル基、トリフルオロメチルピリジル基、ナフチル基、メチルナフチル基、エチルナフチル基、プロピルナフチル基、ブチルナフチル基、メトキシナフチル基、エトキシナフチル基、プロピルオキシナフチル基、ブチルオキシナフチル基、N−(メチルアミノ)ナフチル基、N−(エチルアミノ)ナフチル基、N−(プロピルアミノ)ナフチル基、N−(ブチルアミノ)ナフチル基、N,N−(ジメチルアミノ)ナフチル基、N,N−(ジエチルアミノ)ナフチル基、N,N−(ジプロピルアミノ)ナフチル基、N,N−(ジブチルアミノ)ナフチル基、アセチルナフチル基、プロピオニルナフチル基、ブチリルナフチル基、メトキシカルボニルナフチル基、エトキシカルボニルナフチル基、プロピルオキシカルボニルナフチル基、ブチルオキシカルボニルナフチル基、フルオロナフチル基、クロロナフチル基、ブロモナフチル基、トリフルオロメチルナフチル基、ヒドロキシナフチル基、アミノナフチル基、ビフェニル基、(トルイル)フェニル基、(エチルフェニル)フェニル基、(プロピルフェニル)フェニル基、(ブチルフェニル)フェニル基、(メトキシフェニル)フェニル基、(エトキシフェニル)フェニル基、(プロピルオキシフェニル)フェニル基、(ブチルオキシフェニル)フェニル基、(ヒドロキシフェニル)フェニル基、(アミノフェニル)フェニル基、[N−(メチルアミノ)フェニル]フェニル基、[N−(エチルアミノ)フェニル]フェニル基、[N−(プロピルアミノ)フェニル]フェニル基、[N−(ブチルアミノ)フェニル]フェニル基、[N,N−(ジメチルアミノ)フェニル]フェニル基、[N,N−(ジエチルアミノ)フェニル]フェニル基、[N,N−(ジプロピルアミノ)フェニル]フェニル基、[N,N−(ジブチルアミノ)フェニル]フェニル基、(アセチルフェニル)フェニル基、(プロピオニルフェニル)フェニル基、(ブチリルフェニル)フェニル基、(メトキシカルボニルフェニル)フェニル基、(エトキシカルボニルフェニル)フェニル基、(プロピルオキシカルボニルフェニル)フェニル基、(ブチルオキシカルボニルフェニル)フェニル基、(フルオロフェニル)フェニル基、(クロロフェニル)フェニル基、(ブロモフェニル)フェニル基、(トリフルオロメチルフェニル)フェニル基等が好適に例示出来、より好ましいものとしては、フェニル基、メチルフェニル基、エチルフェニル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、フルオロフェニル基、トリフルオロメチルフェニル基、ナフチル基、ビフェニル基が好適に例示出来、さらに好ましくは、4−メチルフェニル基、4−エチルフェニル基、4−メトキシフェニル基、4−フルオロフェニル基、4−トリフルオロメチルフェニル基、フェニル基、2−ナフチル基、4−ビフェニル基が好適に例示出来る。前記R2は、水素原子、炭素数1〜4の直鎖又は分岐のアルキル基、炭素数1〜4の直鎖又は分岐のアルキル鎖を有するアシル基を表し、具体例を挙げれば、水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基等が好適に例示出来、より好ましくは、水素原子、メチル基、エチル基、アセチル基が好適に例示出来る。前記R3は、水素原子、炭素数1〜4の直鎖又は分岐のアルキル基を表し、具体例を挙げれば、水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソブチル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等が好適に例示出来、より好ましくは、水素原子、メチル基が好適に例示出来る。
前記一般式(2)に表される化合物に付いて述べる。式中、R4は、無置換又は置換基を有する芳香族基を表し、R5は、水素原子、炭素数1〜4の直鎖又は分岐のアルキル基、炭素数1〜4の直鎖又は分岐のアルキル鎖を有するアシル基を表す。前記R4は、無置換又は置換基を有する芳香族基を表し、前記一般式(1)に表される化合物おけるR1と同様の置換基が好適に例示出来る。また、かかる置換基の内、好ましいものとしては、フェニル基、メチルフェニル基、エチルフェニル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、フルオロフェニル基、トリフルオロメチルフェニル基、ナフチル基、ビフェニル基が好適に例示出来、さらに好ましくは、フェニル基、4−メチルフェニル基、4−エチルフェニル基、4−メトキシフェニル基、4−フルオロフェニル基、4−トリフルオロメチルフェニル基、2−ナフチル基、4−ビフェニル基が好適に例示出来る。前記R5は、水素原子、炭素数1〜4の直鎖又は分岐のアルキル基、炭素数1〜4の直鎖又は分岐のアルキル鎖を有するアシル基を表し、具体例を挙げれば、水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基等が好適に例示出来、より好ましくは、水素原子、メチル基、アセチル基が好適に例示出来る。前記一般式(2)に表される化合物の内、前記一般式(4)に表される化合物に含まれない化合物を具体的に例示すれば、N−ベンゾイル−O−メチルセリン、N−(メチルベンゾイル)−O−メチルセリン、N−(エチルベンゾイル)−O−メチルセリン、N−(プロピルベンゾイル)−O−メチルセリン、N−(メトキシベンゾイル)−O−メチルセリン、N−(エトキシベンゾイル)−O−メチルセリン、N−(プロピルオキシベンゾイル)−O−メチルセリン、N−(ヒドロキシベンゾイル)−O−メチルセリン、N−(アミノベンゾイル)−O−メチルセリン、N−(ブロモベンゾイル)−O−メチルセリン、N−(クロロベンゾイル)−O−メチルセリン、N−(フルオロベンゾイル)−O−メチルセリン、N−(トリフルオロメチルベンゾイル)−O−メチルセリン、N−(ピリジンカルボニル)−O−メチルセリン、N−(メチルピリジンカルボニル)−O−メチルセリン、N−(エチルピリジンカルボニル)−O−メチルセリン、N−(メトキシピリジンカルボニル)−O−メチルセリン、N−(エトキシピリジンカルボニル)−O−メチルセリン、N−(ナフトイル)−O−メチルセリン、N−(メチルナフトイル)−O−メチルセリン、N−(エチルナフトイル)−O−メチルセリン、N−(メトキシナフトイル)−O−メチルセリン、N−(エトキシナフトイル)−O−メチルセリン、N−(ビフェニルカルボニル)−O−メチルセリン、N−(メチルビフェニルカルボニル)−O−メチルセリン、N−(エチルビフェニルカルボニル)−O−メチルセリン、N−(メトキシビフェニルカルボニル)−O−メチルセリン、N−(エトキシビフェニルカルボニル)−O−メチルセリン、N−ベンゾイル−O−エチルセリン、N−(メチルベンゾイル)−O−エチルセリン、N−(エチルベンゾイル)−O−エチルセリン、N−(プロピルベンゾイル)−O−エチルセリン、N−(メトキシベンゾイル)−O−エチルセリン、N−(エトキシベンゾイル)−O−エチルセリン、N−(プロピルオキシベンゾイル)−O−エチルセリン、N−(ヒドロキシベンゾイル)−O−エチルセリン、N−(アミノベンゾイル)−O−エチルセリン、N−(ブロモベンゾイル)−O−エチルセリン、N−(クロロベンゾイル)−O−エチルセリン、N−(フルオロベンゾイル)−O−エチルセリン、N−(トリフルオロメチルベンゾイル)−O−エチルセリン、N−(ピリジンカルボニル)−O−エチルセリン、N−(メチルピリジンカルボニル)−O−エチルセリン、N−(エチルピリジンカルボニル)−O−エチルセリン、N−(メトキシピリジンカルボニル)−O−エチルセリン、N−(エトキシピリジンカルボニル)−O−エチルセリン、N−(ナフトイル)−O−エチルセリン、N−(メチルナフトイル)−O−エチルセリン、N−(エチルナフトイル)−O−エチルセリン、N−(メトキシナフトイル)−O−エチルセリン、N−(エトキシナフトイル)−O−エチルセリン、N−(ビフェニルカルボニル)−O−エチルセリン、N−(メチルビフェニルカルボニル)−O−エチルセリン、N−(エチルビフェニルカルボニル)−O−エチルセリン、N−(メトキシビフェニルカルボニル)−O−エチルセリン、N−(エトキシビフェニルカルボニル)−O−エチルセリン、N−ベンゾイル−O−アセチルセリン、N−(メチルベンゾイル)−O−アセチルセリン、N−(エチルベンゾイル)−O−アセチルセリン、N−(プロピルベンゾイル)−O−アセチルセリン、N−(メトキシベンゾイル)−O−アセチルセリン、N−(エトキシベンゾイル)−O−アセチルセリン、N−(プロピルオキシベンゾイル)−O−アセチルセリン、N−(ヒドロキシベンゾイル)−O−アセチルセリン、N−(アミノベンゾイル)−O−アセチルセリン、N−(ブロモベンゾイル)−O−アセチルセリン、N−(クロロベンゾイル)−O−アセチルセリン、N−(フルオロベンゾイル)−O−アセチルセリン、N−(トリフルオロメチルベンゾイル)−O−アセチルセリン、N−(ピリジンカルボニル)−O−アセチルセリン、N−(メチルピリジンカルボニル)−O−アセチルセリン、N−(エチルピリジンカルボニル)−O−アセチルセリン、N−(メトキシピリジンカルボニル)−O−アセチルセリン、N−(エトキシピリジンカルボニル)−O−アセチルセリン、N−(ナフトイル)−O−アセチルセリン、N−(メチルナフトイル)−O−アセチルセリン、N−(エチルナフトイル)−O−アセチルセリン、N−(メトキシナフトイル)−O−アセチルセリン、N−(エトキシナフトイル)−O−アセチルセリン、N−(ビフェニルカルボニル)−O−アセチルセリン、N−(メチルビフェニルカルボニル)−O−アセチルセリン、N−(エチルビフェニルカルボニル)−O−アセチルセリン、N−(メトキシビフェニルカルボニル)−O−アセチルセリン、N−(エトキシビフェニルカルボニル)−O−アセチルセリン、N−ベンゾイル−O−プロピオニルセリン、N−(メチルベンゾイル)−O−プロピオニルセリン、N−(エチルベンゾイル)−O−プロピオニルセリン、N−(プロピルベンゾイル)−O−プロピオニルセリン、N−(メトキシベンゾイル)−O−プロピオニルセリン、N−(エトキシベンゾイル)−O−プロピオニルセリン、N−(プロピルオキシベンゾイル)−O−プロピオニルセリン、N−(ヒドロキシベンゾイル)−O−プロピオニルセリン、N−(アミノベンゾイル)−O−プロピオニルセリン、N−(ブロモベンゾイル)−O−プロピオニルセリン、N−(クロロベンゾイル)−O−プロピオニルセリン、N−(フルオロベンゾイル)−O−プロピオニルセリン、N−(トリフルオロメチルベンゾイル)−O−プロピオニルセリン、N−(ピリジンカルボニル)−O−プロピオニルセリン、N−(メチルピリジンカルボニル)−O−プロピオニルセリン、N−(エチルピリジンカルボニル)−O−プロピオニルセリン、N−(メトキシピリジンカルボニル)−O−プロピオニルセリン、N−(エトキシピリジンカルボニル)−O−プロピオニルセリン、N−(ナフトイル)−O−プロピオニルセリン、N−(メチルナフトイル)−O−プロピオニルセリン、N−(エチルナフトイル)−O−プロピオニルセリン、N−(メトキシナフトイル)−O−プロピオニルセリン、N−(エトキシナフトイル)−O−プロピオニルセリン、N−(ビフェニルカルボニル)−O−プロピオニルセリン、N−(メチルビフェニルカルボニル)−O−プロピオニルセリン、N−(エチルビフェニルカルボニル)−O−プロピオニルセリン、N−(メトキシビフェニルカルボニル)−O−プロピオニルセリン、N−(エトキシビフェニルカルボニル)−O−プロピオニルセリン、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩が好適に例示出来る。前記一般式(2)に表される化合物の内、より好ましい化合物を挙げれば、N−(メチルベンゾイル)セリン、N−(エチルベンゾイル)セリン、N−(メトキシベンゾイル)セリン、N−(フルオロベンゾイル)セリン、N−(トリフルオロメチルベンゾイル)セリン、N−(ナフトイル)セリン、N−(フェニルベンゾイル)セリン、N−(ベンゾイル)セリン、N−ベンゾイル−O−メチルセリン、N−(メチルベンゾイル)−O−メチルセリン、N−(メチルベンゾイル)−O−アセチルセリン、N−(ナフトイル)−O−メチルセリン、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩が好適に例示出来、さらに好ましくは、N−(p−メチルベンゾイル)セリン(化合物1)、N−(p−エチルベンゾイル)セリン(化合物2)、N−(p−メトキシベンゾイル)セリン(化合物3)、N−(p−フルオロベンゾイル)セリン(化合物4)、N−(p−トリフルオロメチルベンゾイル)セリン(化合物5)、N−(2−ナフトイル)セリン(化合物6)、N−(4−フェニルベンゾイル)セリン(化合物7)、N−(ベンゾイル)セリン(化合物8)、N−ベンゾイル−O−メチルセリン(化合物11)、N−(p−メチルベンゾイル)−O−メチルセリン(化合物12)、N−(p−メチルベンゾイル)−O−アセチルセリン(化合物13)、N−(2−ナフトイル)−O−メチルセリン(化合物14)、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩が好適に例示出来る。かかる化合物は、後述する抗炎症作用を有する成分と共に皮膚外用剤に含有させることにより優れた色素沈着予防又は改善作用を発揮する。
前記一般式(3)に表される化合物に付いて述べる。式中、R6は、無置換又は置換基を有する芳香族基を表し、R7は、水素原子、炭素数1〜4の直鎖又は分岐のアルキル基を表す。前記R6は、無置換又は置換基を有する芳香族基を表し、前記一般式(1)に表される化合物におけるR1と同様の置換基が好適に例示出来る。かかる置換基の内、好ましいものとしては、フェニル基、メチルフェニル基、エチルフェニル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、フルオロフェニル基、トリフルオロメチルフェニル基、ナフチル基、ビフェニル基が好適に例示出来、さらに好ましくは、フェニル基、4−メチルフェニル基、4−エチルフェニル基、4−メトキシフェニル基、4−フルオロフェニル基、4−トリフルオロメチルフェニル基、2−ナフチル基、4−ビフェニル基が好適に例示出来る。前記R7は、水素原子、炭素数1〜4の直鎖又は分岐のアルキル基を表し、具体例を挙げれば、水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等が好適に例示出来、より好ましくは、水素原子、メチル基が好適に例示出来る。前記一般式(3)に表される化合物の内、前記一般式(4)に表される化合物に含まれない化合物を具体的に例示すれば、N−(ベンゾイル)セリン メチルエステル、N−(メチルベンゾイル)セリン メチルエステル、N−(エチルベンゾイル)セリン メチルエステル、N−(プロピルベンゾイル)セリン メチルエステル、N−(メトキシベンゾイル)セリン メチルエステル、N−(エトキシベンゾイル)セリン メチルエステル、N−(プロピルオキシベンゾイル)セリン メチルエステル、N−(ヒドロキシベンゾイル)セリン メチルエステル、N−(アミノベンゾイル)セリン メチルエステル、N−(クロロベンゾイル)セリン メチルエステル、N−(フルオロベンゾイル)セリン メチルエステル、N−(トリフルオロメチルベンゾイル)セリン メチルエステル、N−(ピリジンカルボニル)セリン メチルエステル、N−(メチルピリジンカルボニル)セリン メチルエステル、N−(エチルピリジンカルボニル)セリン メチルエステル、N−(メトキシピリジンカルボニル)セリン メチルエステル、N-(エトキシピリジンカルボニル)セリン メチルエステル、N−(ナフトイル)セリン メチルエステル、N−(メチルナフトイル)セリン メチルエステル、N−(エチルナフトイル)セリン メチルエステル、N−(メトキシナフトイル)セリン メチルエステル、N−(エトキシナフトイル)セリン メチルエステル、N−(フェニルベンゾイル)セリン メチルエステル、N−(メチルフェニルベンゾイル)セリン メチルエステル、N−(エチルフェニルベンゾイル)セリン メチルエステル、N−(メトキシフェニルベンゾイル)セリン メチルエステル、N−(エトキシフェニルベンゾイル)セリン メチルエステル、N−(ベンゾイル)セリン エチルエステル、N−(メチルベンゾイル)セリン エチルエステル、N−(エチルベンゾイル)セリン エチルエステル、N−(プロピルベンゾイル)セリン エチルエステル、N−(メトキシベンゾイル)セリン エチルエステル、N−(エトキシベンゾイル)セリン エチルエステル、N−(プロピルオキシベンゾイル)セリン エチルエステル、N−(ヒドロキシベンゾイル)セリン エチルエステル、N−(アミノベンゾイル)セリン エチルエステル、N−(クロロベンゾイル)セリン エチルエステル、N−(フルオロベンゾイル)セリン エチルエステル、N−(トリフルオロメチルベンゾイル)セリン エチルエステル、N−(ピリジンカルボニル)セリン エチルエステル、N−(メチルピリジンカルボニル)セリン エチルエステル、N−(エチルピリジンカルボニル)セリン エチルエステル、N−(メトキシピリジンカルボニル)セリン エチルエステル、N-(エトキシピリジンカルボニル)セリン エチルエステル、N−(ナフトイル)セリン エチルエステル、N−(メチルナフトイル)セリン エチルエステル、N−(エチルナフトイル)セリン エチルエステル、N−(メトキシナフトイル)セリン エチルエステル、N−(エトキシナフトイル)セリン エチルエステル、N−(フェニルベンゾイル)セリン エチルエステル、N−(メチルフェニルベンゾイル)セリン エチルエステル、N−(エチルフェニルベンゾイル)セリン エチルエステル、N−(メトキシフェニルベンゾイル)セリン エチルエステル、N−(エトキシフェニルベンゾイル)セリン エチルエステル、N−(ベンゾイル)セリン プロピルエステル、N−(メチルベンゾイル)セリン プロピルエステル、N−(エチルベンゾイル)セリン プロピルエステル、N−(プロピルベンゾイル)セリン プロピルエステル、N−(メトキシベンゾイル)セリン プロピルエステル、N−(エトキシベンゾイル)セリン プロピルエステル、N−(プロピルオキシベンゾイル)セリン プロピルエステル、N−(ヒドロキシベンゾイル)セリン プロピルエステル、N−(アミノベンゾイル)セリン プロピルエステル、N−(クロロベンゾイル)セリン プロピルエステル、N−(フルオロベンゾイル)セリン プロピルエステル、N−(トリフルオロメチルベンゾイル)セリン プロピルエステル、N−(ピリジンカルボニル)セリン プロピルエステル、N−(メチルピリジンカルボニル)セリン プロピルエステル、N−(エチルピリジンカルボニル)セリン プロピルエステル、N−(メトキシピリジンカルボニル)セリン プロピルエステル、N-(エトキシピリジンカルボニル)セリン プロピルエステル、N−(ナフトイル)セリン プロピルエステル、N−(メチルナフトイル)セリン プロピルエステル、N−(エチルナフトイル)セリン プロピルエステル、N−(メトキシナフトイル)セリン プロピルエステル、N−(エトキシナフトイル)セリン プロピルエステル、N−(フェニルベンゾイル)セリン プロピルエステル、N−(メチルフェニルベンゾイル)セリン プロピルエステル、N−(エチルフェニルベンゾイル)セリン プロピルエステル、N−(メトキシフェニルベンゾイル)セリン プロピルエステル、N−(エトキシフェニルベンゾイル)セリン プロピルエステル、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩が好適に例示出来る。前記一般式(3)に表される化合物の内、このましい化合物を挙げれば、N−(メチルベンゾイル)セリン、N−(エチルベンゾイル)セリン、N−(メトキシベンゾイル)セリン、N−(フルオロベンゾイル)セリン、N−(トリフルオロメチルベンゾイル)セリン、N−(ナフトイル)セリン、N−(フェニルベンゾイル)セリン、N−(ベンゾイル)セリン、N−(メチルベンゾイル)セリン メチルエステル、N−(ナフトイル)セリン メチルエステル、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩が好適に例示出来、さらに好ましくは、N−(p−メチルベンゾイル)セリン(化合物1)、N−(p−エチルベンゾイル)セリン(化合物2)、N−(p−メトキシベンゾイル)セリン(化合物3)、N−(p−フルオロベンゾイル)セリン(化合物4)、N−(p−トリフルオロメチルベンゾイル)セリン(化合物5)、N−(2−ナフトイル)セリン(化合物6)、N−(4−フェニルベンゾイル)セリン(化合物7)、N−(ベンゾイル)セリン(化合物8)、N−(p−メチルベンゾイル)セリン メチルエステル(化合物9)、N−(2−ナフトイル)セリン メチルエステル(化合物10)、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩が好適に例示出来る。かかる化合物が、後述する抗炎症作用を有する成分と共に皮膚外用剤に含有させることにより優れた色素沈着予防又は改善作用を発揮する。
前記一般式(4)に表される化合物に付いて述べる。式中、R8は、無置換又は置換基を有する芳香族基を表す。前記R8は、無置換又は置換基を有する芳香族基を表し、前記一般式(1)に表される化合物におけるR1と同様の置換基が好適に例示出来る。かかる置換基の内、好ましいものとしては、フェニル基、メチルフェニル基、エチルフェニル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、フルオロフェニル基、トリフルオロメチルフェニル基、ナフチル基、ビフェニル基が好適に例示出来、さらに好ましくは、フェニル基、4−メチルフェニル基、4−エチルフェニル基、4−メトキシフェニル基、4−フルオロフェニル基、4−トリフルオロメチルフェニル基、2−ナフチル基、4−ビフェニル基が好適に例示出来る。前記一般式(4)に表される化合物の内、好ましい化合物を具体的に例示すれば、N−(ベンゾイル)セリン、N−(メチルベンゾイル)セリン、N−(エチルベンゾイル)セリン、N−(プロピルベンゾイル)セリン、N−(ブチルベンゾイル)セリン、N−(メトキシベンゾイル)セリン、N−(エトキシベンゾイル)セリン、N−(プロピルオキシベンゾイル)セリン、N−(ブチルオキシベンゾイル)セリン、N−(ヒドロキシベンゾイル)セリン、N−(アミノベンゾイル)セリン、N−(N’−メチルアミノベンゾイル)セリン、N−(N’−エチルアミノベンゾイル)セリン、N−(N’,N’−ジメチルアミノベンゾイル)セリン、N−(N’,N’−ジエチルアミノベンゾイル)セリン、N−(クロロベンゾイル)セリン、N−(フルオロベンゾイル)セリン、N−(トリフルオロメチルベンゾイル)セリン、N−(ピリジンカルボニル)セリン、N−(メチルピリジンカルボニル)セリン、N−(エチルピリジンカルボニル)セリン、N−(プロピルピリジンカルボニル)セリン、N−(メトキシピリジンカルボニル)セリン、N−(エトキシピリジンカルボニル)セリン、N−(プロピルオキシピリジンカルボニル)セリン、N−(ヒドロキシピリジンカルボニル)セリン、N−(アミノピリジンカルボニル)セリン、N−(クロロピリジンカルボニル)セリン、N−(フルオロピリジンカルボニル)セリン、N−(トリフルオロメチルピリジンカルボニル)セリン、N−(ナフトイル)セリン、N−(メチルナフトイル)セリン、N−(エチルナフトイル)セリン、N−(プロピルナフトイル)セリン、N−(メトキシナフトイル)セリン、N−(エトキシナフトイル)セリン、N−(プロピルオキシナフトイル)セリン、N−(ヒドロキシナフトイル)セリン、N−(アミノナフトイル)セリン、N−(クロロナフトイル)セリン、N−(フルオロナフトイル)セリン、N−(トリフルオロメチルナフトイル)セリン、N−(フェニルベンゾイル)セリン、N−(メチルフェニルベンゾイル)セリン、N−(エチルフェニルベンゾイル)セリン、N−(プロピルフェニルベンゾイル)セリン、N−(メトキシフェニルベンゾイル)セリン、N−(エトキシフェニルベンゾイル)セリン、N−(プロピルオキシフェニルベンゾイル)セリン、N−(ヒドロキシフェニルベンゾイル)セリン、N−(アミノフェニルベンゾイル)セリン、N−(クロロフェニルベンゾイル)セリン、N−(フルオロフェニルベンゾイル)セリン、N−(トリフルオロメチルフェニルベンゾイル)セリン、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩が好適に例示出来、より好ましくは、N−(メチルベンゾイル)セリン、N−(エチルベンゾイル)セリン、N−(メトキシベンゾイル)セリン、N−(フルオロベンゾイル)セリン、N−(トリフルオロメチルベンゾイル)セリン、N−(ナフトイル)セリン、N−(フェニルベンゾイル)セリン、N−(ベンゾイル)セリン、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩が好適に例示出来、さらに好ましくは、N−(p−メチルベンゾイル)セリン(化合物1)、N−(p−エチルベンゾイル)セリン(化合物2)、N−(p−メトキシベンゾイル)セリン(化合物3)、N−(p−フルオロベンゾイル)セリン(化合物4)、N−(p−トリフルオロメチルベンゾイル)セリン(化合物5)、N−(2−ナフトイル)セリン(化合物6)、N−(4−フェニルベンゾイル)セリン(化合物7)、N−(ベンゾイル)セリン(化合物8)、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩が好適に例示出来る。かかる化合物が、後述する抗炎症作用を有する成分と共に皮膚外用剤に含有させることにより優れた色素沈着予防又は改善作用を発揮する。
前記一般式(1)〜(4)に表される化合物、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩は、市販されるセリン又はセリン誘導体を出発原料とし、例えば、WO2011074643号に記載の合成方法、更には、「ペプチド合成の基礎と実験(丸善)」等に記載の合成方法等に従い製造することも出来る。かかる化合物は、そのまま本発明の皮膚外用剤に含有させ使用することも出来るが、薬理学的に許容される酸又は塩基と共に処理し塩の形に変換し、塩として使用することも可能である。前記一般式(1)〜(4)に表される化合物の薬理学的に許容される塩としては、例えば、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、炭酸塩などの鉱酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、シュウ酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、酒石酸塩、メタンスルホン酸塩、パラトルエンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩などの有機酸塩、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、カルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩、トリエチルアミン塩、トリエタノ−ルアミン塩、アンモニウム塩、モノエタノ−ルアミン塩、ピペリジン塩等の有機アミン塩、リジン塩、アルギン酸塩等の塩基性アミノ酸塩などが好適に例示出来る。
本発明の皮膚外用剤は、前記一般式(1)〜(4)に表される化合物、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩から選択される1種又は2種以上を皮膚外用剤に含有させることが出来る。本発明の皮膚外用剤が、色素沈着予防又は改善作用を奏するためには、前記一般式(1)〜(4)に表される化合物、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩から選択される1種乃至は2種以上を、皮膚外用剤全量に対し、総量で0.0001質量%〜20質量%、より好ましくは、0.001質量%〜10質量%、さらに好ましくは、0.005〜5質量%含有することが好ましい。これは、前記一般式(1)〜(4)に表される化合物、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩の皮膚外用剤全量に対する含有量が0.0001質量%より少ないと前記薬理作用の発現が低下する傾向にあるためであり、また20質量%を超える量を配合しても、効果が頭打ちになる傾向があり、処方の自由度が低下する恐れがあるため、前記の皮膚外用剤全量に対する前記の含有量が好ましい。
<本発明の抗炎症作用を有する成分>
本発明の皮膚外用剤に含有される抗炎症作用を有する成分としては、抗炎症作用を有する物質であれば特段の限定なく適用することが出来る。本発明の抗炎症作用を有する成分としては、キク科カミツレ属に属する植物より得られる植物抽出物、キク科ゴボウ属に属する植物より得られる植物抽出物、マメ科クララ属に属する植物より得られる植物抽出物、カバノキ科カバノキ属に属する植物より得られる植物抽出物、クルミ科に属する植物より得られる植物抽出物、マメ科カンゾウ属に属する植物より得られる植物抽出物などの抗炎症作用を有する植物抽出物のほか、クラリノン、グラブリジン、グリチルリチン酸及びその塩、グリチルレチン酸及びその塩、グリチルレチン酸誘導体及びその塩などが好適に例示出来る。かかる抗炎症作用を有する成分の内、好ましいものとしては、キク科カミツレ属カミツレ(カモミ−ル)より得られる植物抽出物、キク科ゴボウ属ゴボウより得られる植物抽出物、マメ科クララ属クジンより得られる植物抽出物、カバノキ科カバノキ属シラカバより得られる植物抽出物、クルミ科コウキより得られる植物抽出物、マメ科カンゾウ属カンゾウより得られる植物抽出物、グリチルリチン酸及びその塩、グリチルレチン酸及びその塩、グリチルレチン酸誘導体及びその塩が好適に例示出来る。
本発明の抗炎症作用を有する植物抽出物は、水やエタノ−ルなどの低級アルコ−ルを溶媒として、植物体乃至はその加工物に1〜20倍量加え、所望により攪拌を適宜加え、室温であれば数日間、沸点付近の温度であれば数時間浸漬し、不溶物を濾過などで除去した後、所望により、減圧溜去等で溶媒を除去し、場合によっては「ダイアイオンHP20」等を担体としてカラムクロマトグラフィ−等で分画精製し、使用することが出来る。本発明の抗炎症作用を有する植物抽出物を作製するのに好ましい部位としては、キク科カミツレ属カミツレ(カモミ−ル)であれば、花蕾、キク科ゴボウ属ゴボウであれば根部、マメ科クララ属クジンであれば、地下茎部、カバノキ科カバノキ属シラカバであれば樹皮、クルミ科コウキであれば葉部、マメ科カンゾウ属カンゾウであれば、地下茎が好適に例示出来る。また、かかる植物抽出物に付いては、市販されているものも存在し、例えば、丸善製薬株式会社より購入し、使用することも出来る。また、本発明の抗炎症作用を有する成分のクラリノン、グラブリジン、グリチルリチン酸及びその塩、グリチルレチン酸及びその塩、グリチルレチン酸アルキル及びその塩などのグリチルレチン酸誘導体の内、好ましいものとしては、グリチルリチン酸及びその塩、グリチルレチン酸及びその塩、グリチルレチン酸ステアリル及びその塩が好適に例示出来、かかる抗炎症作用を有する成分は、和光純薬工業株式会社等より購入することが出来る。また、本発明の抗炎症作用を有する成分は、抗炎症作用のほか、美白作用、保湿作用等の薬理作用を有する成分も含まれる。かかる抗炎症作用を有する成分は、前記一般式(1)に表される化合物、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩と共に皮膚外用剤に含有させることにより、優れた色素沈着予防又は改善作用を発揮する。さらに、本発明の抗炎症成分は、前記抗炎症作用を有する成分の1種又は2種以上を選択し、本発明の皮膚外用剤に含有させることが出来る。
一般に、美白剤を含有する皮膚外用剤を適用する皮膚においては、紫外線暴露等の刺激により程度の差こそあれ炎症が惹起されている可能性が高く、炎症反応及びそれに付随する種々の皮膚反応により、メラニン産生が亢進され色素沈着が促進している。従って、抗炎症作用を有する成分を含有させることにより、メラニン産生亢進を抑制し色素沈着症状を予防又は改善することに加え、炎症が沈静化する又は更なる炎症を抑えることが可能となる。このため、日焼け直後に認められる皮膚炎症に対し本発明の皮膚外用剤を投与した場合、メラニン産生抑制作用により色素沈着症状を改善すると共に、より速やかに炎症を抑えることにより皮膚バリア機能を回復させ、肌状態悪化を防止する。即ち、日焼け等の皮膚刺激による色素沈着症状を改善し、炎症による皮膚バリア機能の低下、肌荒れの症状の発生を抑制し、色素沈着及びそれの伴う皮膚症状の悪化を防ぐことが出来る。また、本発明の皮膚外用剤は、色素沈着症状に起因するしみ、くすみなどの皮膚老化症状に加え、皮膚バリア機能を改善することにより肌の潤い、弾力性を向上させ、しわ、たるみなどの皮膚老化現象を予防又は改善することが出来る。
本発明の皮膚外用剤に含有される抗炎症作用を有する成分の内、抗炎症作用を有する植物抽出物が、色素沈着予防又は改善効果を奏するためには、皮膚外用剤全量に対し植物抽出物を、総量で0.00001質量%〜15質量%、より好ましくは、0.0001質量%〜10質量%、より好ましくは、0.001質量%〜5質量%含有することが好ましい。これは、抗炎症作用を有する植物抽出物の含有量が少なすぎると前記作用が低下する傾向が認められ、多すぎても、効果が頭打ちになる傾向が認められ、系の自由度を損なう場合が存するためである。
本発明の抗炎症作用を有する成分の内、グリチルレチン酸誘導体及びその塩は、医薬部外品の有効成分として使用される成分である。本発明の抗炎症成分の内、グリチルレチン酸及びその塩としては、グリチルレチン酸アルキル及びその塩が好適に例示出来、さらに好ましいものとしては、グリチルレチン酸ステアリル、グリチルレチン酸ラウリル等が好適に例示出来、グリチルリチン酸及びその塩としては、グリチルリチン酸、グリチルリチン酸ジカリウム、グリチルリチン酸アンモニウム等が好適に例示出来る。前記グリチルレチン酸誘導体及びその塩、グリチルリチン酸及びその塩の内、特に好ましいものとしては、グリチルレチン酸ステアリル、グリチルリチン酸ジカリウムが好適に例示出来る。かかる成分は、医薬部外品などへの使用実績が豊富であり、高い効果及び安全性が確認されている。グリチルレチン酸誘導体及びその塩、グリチルリチン酸及びその塩などは、和光純薬株式会社等より購入し、使用することも出来る。かかる成分の好ましい含有量は、皮膚外用剤全量に対し総量で0.01質量%〜3質量%、より好ましくは、0.03質量%〜1質量、さらに好ましくは、0.05〜0.5質量%である。これは少なすぎると色素沈着予防又は改善効果が低下する傾向が認められ、多すぎても、効果が頭打ちになる傾向が認められ、この系の自由度を損なう場合が存するためである。かかる成分には、皮膚外用剤に単独で含有させることによりメラニン産生抑制作用を発現する成分も存在する。本発明の皮膚外用剤においては、抗炎症作用を有する成分を、前記一般式(1)に表される化合物、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩と共に含有することにより、単独使用の場合と比較し、優れた色素沈着予防又は改善効果を発揮する。
本発明の抗炎症作用を有する成分の内、植物抽出物は、以下に示した植物抽出物の製造方法に準じ製造することも出来るし、丸善製薬株式会社等の植物抽出物を取り扱っている会社より購入し、使用することも出来る。
<製造例1: 本発明の抗炎症作用を有する植物抽出物の製造方法1>
マメ科クララ属クジンの根茎の乾燥物1(kg)を細切し、これに10(L)のエタノ−ルを加え、3時間、攪拌下、加熱還流し、室温まで冷却後、減圧濃縮した。このものに2(L)の水と2(L)の酢酸エチルとを加え、可溶化し、液液抽出を行った。酢酸エチル相を取り、濃縮し、105(g)のアモルファスを得た。さらに、かかるアモルファス 1.2(g)を8(L)の60%1,3−ブタンジオール水溶液に溶解させ、本発明のマメ科クジンより得られる抽出物とした。また、本発明の抗炎症作用を有する植物抽出物は、同様の方法に従い製造することが出来る。尚、かかる植物抽出物(固形物)は、無水又は含水エタノ−ル、無水又は含水1,3−ブタンジオール等に溶解させ、本発明の植物抽出物として使用することも出来る。
<製造例2: 本発明の抗炎症作用を有する植物抽出物の製造方法2>
マメ科カンゾウの地上部の乾燥物500(g)に5(L)の50%エタノ−ルを加え、3時間加熱還流し、濾過して減圧濃縮し、凍結乾燥してマメ科カンゾウ属カンゾウより得られる植物抽出物124(g)得た。
<製造例3: 本発明の抗炎症作用を有する植物抽出物の製造方法3>
シラカバの樹皮の乾燥物1(Kg)を細切し、これに水10(L)を加え、90℃で4時間加熱した。不溶物を濾過によって除き、凍結乾燥して、カバノキ科カバノキ属シラカバより得られる植物抽出物、1.1(g)のアモルファスを得た。
<製造例4: 本発明の抗炎症作用を有する植物抽出物の製造方法4>
キク科カミツレ属カミツレの花蕾部の乾燥物500(g)を細切し、5(L)の50%エタノ−ル水溶液を加え、3時間加熱還流して放冷した後、濾過にて不溶分を除去し、減圧濃縮し、凍結乾燥して、キク科カミツレ属カミツレより得られる植物抽出物を得た。
<本発明の皮膚外用剤>
本発明の皮膚外用剤は、1)前記一般式(1)に表される化合物、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩と、2)抗炎症作用を有する成分含有することを特徴とする。本発明の皮膚外用剤は、前記の必須成分を含有することにより、優れた色素沈着予防又は改善作用を発揮する。本発明の皮膚外用剤が対象とする色素沈着予防又は改善作用としては、皮膚における色素沈着症状であれば特段の限定なく適用することが出来、かかる色素沈着症状としては、紫外線暴露等により生じる通常の日焼けなどに加え、治り難いしみ、くすみ、更には、軽い炎症又は肌荒れ症状を伴う色素沈着症状に対する予防又は改善作用も包含される。また、本発明の皮膚外用剤は、炎症、肌荒れなどが関与する皮膚症状を呈する色素沈着異常に対しても優れた予防又は改善効果が期待出来る。さらに、本発明の皮膚外用剤による色素沈着予防又は改善作用は、前述の必須成分の薬理学的な相加又は相乗効果のほか、両成分の皮膚透過性又は貯留性の向上などの作用による標的部位への前記一般式(1)に表される化合物及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩及び/又は抗炎症成分の送達効率向上作用等によるものと考えられる。また、本発明の皮膚外用剤の製造方法は、前記一般式(1)に表される化合物、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩と、2)抗炎症成分を含有するものであれば、両成分の含有量(配合量)やその他の構成については特に限定されず、調製方法も特に限定されない。
本発明の皮膚外用剤の製剤化にあたっては、前記の必須成分のほか、通常の医薬品、医薬部外品、化粧料などの製剤化で使用される任意成分を含有させることが出来る。また、前記一般式(1)に表される化合物、その光学異性体及び/又はその薬理学的に許容される塩と、抗炎症作用を有する成分を共に連続的に投与する場合、その効果及び安全性を考慮し、経皮的に投与されることが好ましい。本発明の皮膚外用剤としては、皮膚に外用で適用されるものであれば、特段の限定無く使用することが出来、例えば、化粧料、皮膚外用医薬、皮膚外用雑貨などが好適に例示出来、化粧料として適用することが特に好ましい。これは本発明の皮膚外用剤が、比類無き使用感の良さを有しているため、使用感が重要な化粧料に特に好適であるためである。また、本発明の皮膚外用剤としては、例えば、化粧料などのローション、乳液、エッセンス、クリーム、パック化粧料、洗顔化粧料、クレンジング化粧料等が好ましく例示できる。更にその剤形としては、化粧料の領域で知られているものであれば特段の限定はなく、ローション製剤、水中油乳化製剤、油中水乳化製剤、複合エマルション乳化製剤等に好ましく例示出来る。
本発明の皮膚外用剤においては、前記の必須成分以外に、通常皮膚外用剤で使用される任意成分を含有することが出来る。この様な任意成分としては、例えば、マカデミアナッツ油、アボガド油、トウモロコシ油、オリーブ油、ナタネ油、ゴマ油、ヒマシ油、サフラワー油、綿実油、ホホバ油、ヤシ油、パーム油、液状ラノリン、硬化ヤシ油、硬化油、モクロウ、硬化ヒマシ油、ミツロウ、キャンデリラロウ、カルナウバロウ、イボタロウ、ラノリン、還元ラノリン、硬質ラノリン、ホホバロウ等のオイル、ワックス類;流動パラフィン、スクワラン、プリスタン、オゾケライト、パラフィン、セレシン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス等の炭化水素類;オレイン酸、イソステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ウンデシレン酸等の高級脂肪酸類;セチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、オクチルドデカノール、ミリスチルアルコール、セトステアリルアルコール等の高級アルコール等;イソオクタン酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、イソステアリン酸ヘキシルデシル、アジピン酸ジイソプロピル、セバチン酸ジ−2−エチルヘキシル、乳酸セチル、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタンエリトリット等の合成エステル油類;ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン等の鎖状ポリシロキサン;オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサンシロキサン等の環状ポリシロキサン;アミノ変性ポリシロキサン、ポリエーテル変性ポリシロキサン、アルキル変性ポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサン等の変性ポリシロキサン等のシリコーン油等の油剤類;脂肪酸セッケン(ラウリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム等)、ラウリル硫酸カリウム、アルキル硫酸トリエタノールアミンエーテル等のアニオン界面活性剤類;塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、ラウリルアミンオキサイド等のカチオン界面活性剤類;イミダゾリン系両性界面活性剤(2−ココイル−2−イミダゾリニウムヒドロキサイド−1−カルボキシエチロキシ2ナトリウム塩等)、ベタイン系界面活性剤(アルキルベタイン、アミドベタイン、スルホベタイン等)、アシルメチルタウリン等の両性界面活性剤類;ソルビタン脂肪酸エステル類(ソルビタンモノステアレート、セスキオレイン酸ソルビタン等)、グリセリン脂肪酸類(モノステアリン酸グリセリン等)、プロピレングリコール脂肪酸エステル類(モノステアリン酸プロピレングリコール等)、硬化ヒマシ油誘導体、グリセリンアルキルエーテル、POEソルビタン脂肪酸エステル類(POEソルビタンモノオレエート、モノステアリン酸ポリオキエチレンソルビタン等)、POEソルビット脂肪酸エステル類(POE−ソルビットモノラウレート等)、POEグリセリン脂肪酸エステル類(POE−グリセリンモノイソステアレート等)、POE脂肪酸エステル類(ポリエチレングリコールモノオレート、POEジステアレート等)、POEアルキルエーテル類(POE2−オクチルドデシルエーテル等)、POEアルキルフェニルエーテル類(POEノニルフェニルエーテル等)、プルロニック型類、POE・POPアルキルエーテル類(POE・POP2−デシルテトラデシルエーテル等)、テトロニック類、POEヒマシ油・硬化ヒマシ油誘導体(POEヒマシ油、POE硬化ヒマシ油等)、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルグルコシド等の非イオン界面活性剤類;ピロリドンカルボン酸ナトリウム、乳酸、乳酸ナトリウム等の保湿成分類;表面を処理されていても良い、マイカ、タルク、カオリン、合成雲母、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、無水ケイ酸(シリカ)、酸化アルミニウム、硫酸バリウム等の粉体類、;表面を処理されていても良い、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、酸化コバルト、群青、紺青、酸化チタン、酸化亜鉛の無機顔料類;表面を処理されていても良い、雲母チタン、魚燐箔、オキシ塩化ビスマス等のパ−ル剤類;レ−キ化されていても良い赤色202号、赤色228号、赤色226号、黄色4号、青色404号、黄色5号、赤色505号、赤色230号、赤色223号、橙色201号、赤色213号、黄色204号、黄色203号、青色1号、緑色201号、紫色201号、赤色204号等の有機色素類;ポリエチレン末、ポリメタクリル酸メチル、ナイロン粉末、オルガノポリシロキサンエラストマ−等の有機粉体類;パラアミノ安息香酸系紫外線吸収剤;アントラニル酸系紫外線吸収剤;サリチル酸系紫外線吸収剤;桂皮酸系紫外線吸収剤;ベンゾフェノン系紫外線吸収剤;糖系紫外線吸収剤;2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾ−ル、4−メトキシ−4’−t−ブチルジベンゾイルメタン等の紫外線吸収剤類;エタノール、イソプロパノール等の低級アルコール類;ビタミンA又はその誘導体、ビタミンB6塩酸塩、ビタミンB6トリパルミテート、ビタミンB6ジオクタノエート、ビタミンB2又はその誘導体、ビタミンB12、ビタミンB15又はその誘導体等のビタミンB類;α−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、ビタミンEアセテート等のビタミンE類、ビタミンD類、ビタミンH、パントテン酸、パンテチン、ピロロキノリンキノン等のビタミン類等;フェノキシエタノール等の抗菌剤;ヘクトライト、ジメチルジステアリルアンモニウム変性ヘクトライトなどの有機変性粘土鉱物などが好ましく例示出来る。
本発明の皮膚外用剤は、化粧料の領域において使用される剤形であれば特段の限定はなく、ローション製剤、水中油乳化製剤、油中水乳化製剤、複合エマルション乳化製剤等が好適に例示出来る。また、乳化剤形としては、油中水乳化剤形でも、水中油乳化剤形でも構わないが、油中水乳化剤形が特に好ましい。ここで、油中水乳化剤形とは外相に油相を有する乳化剤形を総合して称する言葉であり、内相に水相を含有していても良いし、水中油エマルションなどの乳化物を有していても良い。
本発明の皮膚外用剤は、1)前記一般式(1)に表される化合物、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩と、2)抗炎症作用を有する成分とを含有することにより、優れた「色素沈着予防又は改善作用(美白作用)」を発揮する。また、皮膚に対するシワ形成に対する予防又は改善作用、肌荒れ予防又は改善作用、保湿作用、にきびなどの予防又は改善作用などの作用を期待し、皮膚外用剤に本発明の必須成分を含有させる場合にも、前記の色素沈着に対する予防又は改善効果が発揮されている場合には本発明の効果を利用するものであるので、本発明の技術的範囲に属する。
本発明の皮膚外用剤は、前記の任意成分や必須成分を常法に従って処理することにより製造することが出来る。
以下に、実施例を挙げて、更に詳細に本発明について説明を加える。
<製造例5: 本発明の皮膚外用剤の製造方法1>
以下の表1及び表2に示す処方に従って、本発明の皮膚外用剤(化粧料:ロ−ション1〜4)を作製した。即ち、処方成分を80℃に加熱し、攪拌し、溶解させ、攪拌冷却した後、化粧料(ロ−ション1〜4)を得た。同様に、表1の処方成分中、「本発明の前記一般式(1)に表される化合物」を「水」に置換した比較例1、「本発明の抗炎症作用を有する成分」を「水」に置換した比較例2、「本発明の前記一般式(1)に表される化合物」及び「本発明の抗炎症作用を有する成分」を共に「水」に置換した比較例3を作製した。また、「本発明の前記一般式(1)に表される化合物」及び「本発明の抗炎症作用を有する成分」の皮膚外用剤(化粧料)における含有量変化は、「水」の含有量を調整することにより全体として100質量%となる様に調整した。
<試験例1: 本発明の皮膚外用剤の色素沈着抑制作用評価1>
実施例1に記載の方法に従い製造された本発明の皮膚外用剤(化粧料:ローション1〜4)及び比較例1〜3に関し、以下の手順に従い色素沈着抑制作用を評価した。自由意思で参加したパネラ−の背部に、試験初日(1日目)に1.5cm×1.5cmの試験部位を設け、試験部位の皮膚明度(L*値)を色彩色差計(CR-300、コニカミノルタ株式会社)にて測定した。試験初日に皮膚明度を測定した後、試験部位に最少紅斑量の2倍量(2MED)の紫外線を1回照射した。紫外線照射終了直後より1日3回、14日連続して、各試験部位に各検体(ローション1〜4又は比較例1〜3の化粧料)を50μL塗布した。塗布終了24時間後(15日目)に色彩色差計(CR-300、コニカミノルタ株式会社)にて各試験部位の皮膚明度(L*値)を測定し、式1に従い、試験初日のL値に対するΔL*値を算出した。結果を表3に示す。L*値は色素沈着の程度が強いほど低い値となるため、ΔL*値が小さい程(△L*値の絶対値が)、色素沈着が抑制されたと判断することができる。これにより、本発明の皮膚外用剤(ロ−ション1〜4)は優れた色素沈着抑制効果を有することが分かる。また、比較例1及び比較例2も色素沈着抑制作用が認められたが、その効果は、化粧料1〜4に比較し弱かった。これにより、本発明の皮膚外用剤である化粧料1〜4は、優れた色素沈着抑制効果を示すことが分かる。
<製造例6: 本発明の皮膚外用剤の製造方法2>
実施例1に記載の化粧料(ローション1)の処方成分中、「本発明の前記一般式(1)に表される化合物」及び「本発明の抗炎症作用を有する成分」を表4に記載の処方成分に変更した化粧料(ローション5及び6)を作製した。
<試験例2: 本発明の皮膚外用剤のヒトにおける色素沈着抑制効果評価2>
実施例3に記載の方法に従い作製された本発明の化粧料(ローション5及び6)及び比較例3を用い、実施例2に記載の試験方法に従い色素沈着抑制効果を評価した。結果を表5に示す。本発明の化粧料(ローション5及び6)は、比較例3に比較し、△L*値が小さく、優れた色素沈着に対する予防又は改善効果を示すことが分かる。
本発明の皮膚外用剤、即ち、前記一般式(1)に表される化合物、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩と、抗炎症作用を有する成分を含有する皮膚外用剤は、優れた色素沈着予防又は改善作用を発揮する。