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JP2014110347A - 有機半導体層形成用材料 - Google Patents

有機半導体層形成用材料 Download PDF

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JP2014110347A
JP2014110347A JP2012264560A JP2012264560A JP2014110347A JP 2014110347 A JP2014110347 A JP 2014110347A JP 2012264560 A JP2012264560 A JP 2012264560A JP 2012264560 A JP2012264560 A JP 2012264560A JP 2014110347 A JP2014110347 A JP 2014110347A
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semiconductor layer
organic
organic semiconductor
dithienobenzodithiophene
ppm
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JP2012264560A
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Takashi Fukuda
貴 福田
Masato Watanabe
真人 渡辺
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Tosoh Corp
Original Assignee
Tosoh Corp
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Abstract

【課題】 ジチエノベンゾジチオフェン誘導体からなる有機半導体材料を提供し、有機トランジスタのキャリア移動度及び電流オン・オフ比等の電気物性を向上させることを可能にする。
【解決手段】 有機溶媒に下記一般式(1)で示されるジチエノベンゾジチオフェン誘導体を含んでなる溶液であって、水分濃度が200ppm以下であることを特徴とする有機半導体層形成用材料。
【化1】
Figure 2014110347

(ここで、置換基RおよびRは同一又は異なって、炭素数4〜8のアルキル基を示す。)
【選択図】 なし

Description

本発明は、有機半導体層として電子材料への展開が可能なジチエノベンゾジチオフェン誘導体を含んでなる有機半導体層形成用材料に関するものであり、特に水分濃度を制御することにより優れた半導体・電気特性を発現する有機半導体層を提供することが可能となる有機半導体層形成用材料に関するものである。
有機薄膜トランジスタに代表される有機半導体デバイスは、省エネルギー、低コスト及びフレキシブルといった無機半導体デバイスにはない特徴を有することから近年注目されている。この有機半導体デバイスは、有機半導体層、基板、絶縁層、電極等の数種類の材料から構成され、中でも電荷のキャリア移動を担う有機半導体層は該デバイスの中心的な役割を有している。そして、有機半導体デバイス性能は、この有機半導体層を構成する有機材料のキャリア移動度により左右されることから、高キャリア移動度を与える有機材料の出現が所望されている。
また、有機半導体層を作製する方法としては、高温真空下、有機材料を気化させて実施する真空蒸着法、有機材料を適当な溶媒に溶解させその溶液を塗布する塗布法、等の方法が一般的に知られている。そして、塗布法においては、塗布は高温高真空条件を用いることなく印刷技術を用いても実施することができる。そのため、塗布法は印刷によりデバイス作製の大幅な製造コストの削減を図ることができることから、経済的に好ましいプロセスである。
しかし、塗布法には、有機半導体材料が気化する前に低沸分として水分が除去される蒸着法に比べ、水分が有機半導体活性相中に残存し易いという課題があった。これは、塗布法においては、有機半導体材料の気化を伴わないので、有機半導体材料、溶媒、水等との相互作用を有しやすい水分を溶媒の乾燥・揮発時に同時に除去することが困難なためである。
そして、水分濃度を制御することにより、高移動度を達成することが可能となる有機半導体材料が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2011−134757号公報(例えば特許請求の範囲参照。)
しかし、特許文献1に提案された有機半導体材料においては、水分濃度を30ppm以下という極めて低い値に規定することにより、高移動度を達成するものであり必ずしも経済的に好ましいものではなかった。さらに、水分濃度を30ppm以下に制御するために有機半導体層を形成する化合物、有機溶媒、さらに脱水剤を混合する方法が推奨されており、そのような系では化合物が脱水剤に吸着しやすく、化合物の変質、劣化という課題の発生しやすいものであった。
そこで、本発明は、より緩やかな水分濃度条件下であっても、優れた半導体特性を発現することが可能となる有機半導体層形成用材料、それよりなる有機半導体層、有機薄膜トランジスタを提供することを目的とするものである。
本発明者らは上記課題を解決するため鋭意検討の結果、特定の構造を有するジチエノベンゾジチオフェン誘導体を含む溶液が、比較的低い水分濃度であれば安定であり、特定の水分濃度に制御することにより優れた半導体・電気特性を発現することが可能な有機半導体層形成用材料となりうることを見出し、本発明を完成するに到った。
即ち、本発明は、有機溶媒に下記一般式(1)で示されるジチエノベンゾジチオフェン誘導体を含んでなる溶液であって、水分濃度が200ppm以下であることを特徴とする有機半導体層形成用材料に関するものである。
Figure 2014110347
(ここで置換基R及びRは同一又は異なって炭素数4〜8のアルキル基を示す。)
以下に、本発明をより詳細に説明する。
本発明の有機半導体層形成用材料は、有機溶媒に上記一般式(1)で示されるジチエノベンゾジチオフェン誘導体を含んでなる溶液であり、水分濃度が200ppm以下のものである。
本発明の有機半導体層形成用材料を構成するジチエノベンゾジチオフェン誘導体は、上記一般式(1)で示されるジチエノベンゾジチオフェン誘導体であり、置換基R及びRとしては、同一又は異なって炭素数4〜8のアルキル基を有するものである。ここで、炭素数3以下の置換基である場合、ジチエノベンゾジチオフェン誘導体の有機溶媒に対する溶解性が劣り、安定的な有機半導体層形成用材料とすることが困難となる。一方、炭素数8を越える置換基である場合、得られる有機半導体が半導体・電気特性に劣るものとなる。
そして、炭素数4〜8のアルキル基としては、例えばn−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基を挙げることができ、その中でもn−ブチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基であることが好ましい。さらに、該ジチエノベンゾジチオフェン誘導体の具体的例示としては、以下のものを挙げることができる。
Figure 2014110347
そして、その中でもジn−ブチルジチエノベンゾジチオフェン、ジn−ペンチルジチエノベンゾジチオフェン、ジn−ヘキシルジチエノベンゾジチオフェン、ジ2−エチルヘキシルジチエノベンゾジチオフェン、ジn−ヘプチルジチエノベンゾジチオフェン、ジn−オクチルジチエノベンゾジチオフェンであることが好ましい。
該ジチエノベンゾジチオフェン誘導体の製造方法としては、該ジチエノベンゾジチオフェン誘導体を製造することが可能であれば如何なる製造方法を用いることも可能であり、その中でも特に容易に高純度のジチエノベンゾジチオフェン誘導体を製造することが可能となることから、少なくとも下記(A)〜(D)の工程を経る製造方法により、ジチエノベンゾジチオフェン誘導体を製造することが好ましい。
(A)工程;パラジウム触媒の存在下、3−ブロモチオフェン−2−亜鉛誘導体と1,4−ジブロモ−2,5−ジフルオロベンゼンにより1,4−ジ(3−ブロモチエニル)−2,5−ジフルオロベンゼンを製造する工程。
(B)工程;硫化アルカリ金属塩の存在下、(A)工程により得られた1,4−ジ(3−ブロモチエニル)−2,5−ジフルオロベンゼンの分子内環化によりジチエノベンゾジチオフェンを製造する工程。
(C)工程;触媒として塩化アルミニウムの存在下、(B)工程により得られたジチエノベンゾジチオフェンと塩化アシル化合物とのフリーデルクラフツアシル化反応により、ジチエノベンゾジチオフェンのジアシル体を製造する工程。
(D)工程;(C)工程により得られたジチエノベンゾジチオフェンのジアシル体を還元反応に供し、ジチエノベンゾジチオフェン誘導体を製造する工程。
そして、好ましい製造方法のより具体的な製造スキームを以下に示す。
Figure 2014110347
ここで、(A)工程は、パラジウム触媒の存在下、3−ブロモチオフェン−2−亜鉛誘導体と1,4−ジブロモ−2,5−ジフルオロベンゼンのクロスカップリングにより1,4−ジ(3−ブロモチエニル)−2,5−ジフルオロベンゼンを製造する工程である。
3−ブロモチオフェン−2−亜鉛誘導体は、例えばイソプロピルマグネシウムブロマイド、エチルマグネシウムクロライド、フェニルマグネシウムクロライド等の有機金属試薬を用い、2,3−ジブロモチオフェンの2位の臭素をマグネシウムハライドに交換後、塩化亜鉛と金属交換することで調製することができる。また、該有機金属試薬の代わりにマグネシウム金属を用い、2,3−ジブロモチオフェンのグリニャール試薬を調製することも可能である。2,3−ジブロモチオフェンのグリニャール試薬を調製する条件としては、例えばテトラヒドロフラン(以後、THFと略す。)又はジエチルエーテル等の溶媒中、−80℃〜70℃の温度範囲内で実施することができる。該グリニャール試薬の溶液に塩化亜鉛を反応させることで3−ブロモチオフェン−2−亜鉛誘導体を調製することができる。塩化亜鉛はそのままの状態でもよいし、THFあるいはジエチルエーテル溶液であってもかまわない。温度としては、−80℃〜30℃の範囲内で実施できる。
パラジウム触媒の存在下、調製された3−ブロモチオフェン−2−亜鉛誘導体と1,4−ジブロモ−2,5−ジフルオロベンゼンをクロスカップリングすることにより1,4−ジ(3−ブロモチエニル)−2,5−ジフルオロベンゼンを合成することができる。その際のパラジウム触媒としては、例えばテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、ビス(トリフェニルホスフィン)ジクロロパラジウム等を挙げることができ、反応温度としては、20℃〜80℃の範囲内で実施することができる。
(B)工程は、硫化アルカリ金属塩の存在下、1,4−ジ(3−ブロモチエニル)−2,5−ジフルオロベンゼンの分子内環化によりジチエノベンゾジチオフェンを製造する工程である。
該硫化アルカリ金属塩としては、例えば硫化ナトリウム、硫化カリウム、硫化リチウム、硫化ルビジウム、硫化セシウム、その水和物等を挙げることができ、該分子内環化反応は、例えばN−メチルピロリドン(以後、NMPと略す。)、N,N−ジメチルホルムアミド等の溶媒中、80℃〜200℃の温度範囲で行うことができる。
(C)工程は、触媒として塩化アルミニウムの存在下、ジチエノベンゾジチオフェンと塩化アシル化合物とのフリーデルクラフツアシル化反応により、ジチエノベンゾジチオフェンのジアシル体を製造する工程である。
該塩化アシル化合物としては、例えば塩化ブチリル、塩化ヘキサノイル、塩化ヘプタノイル等を挙げることができる。該フリーデルクラフツアシル化反応は、例えばジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、トルエン等の溶媒中、0℃〜40℃の温度範囲で行うことができる。
(D)工程は、ジチエノベンゾジチオフェンのジアシル体を還元反応に供し、ジチエノベンゾジチオフェン誘導体を製造する工程である。
ジチエノベンゾジチオフェンのジアシル体の還元反応は、例えば還元剤としてヒドラジンを用い、ジエチレングルコール、エチレングリコール又はトリエチレングリコール中、水酸化カリウム又は水酸化ナトリウム存在下、80℃〜250℃の温度範囲で行うことができる。また、例えば還元剤として水素化リチウムアルミニウム/塩化アルミニウムあるいは水素化ホウ素ナトリウム/塩化アルミニウムを用い、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチルターシャリーブチルエーテル又はTHFの溶媒中、−10℃〜80℃の温度範囲で行うことができる。
さらに、製造したジチエノベンゾジチオフェン誘導体は、カラムクロマトグラフィー等に供することにより精製することができ、その際の分離剤としては、例えばシリカゲル、アルミナ、溶媒としては、ヘキサン、ヘプタン、トルエン、クロロホルム等を挙げることができ、これらの任意の割合の混合物であってもよい。
また、製造したジチエノベンゾジチオフェン誘導体は、さらに再結晶により精製してもよく、再結晶の回数としては好ましくは2〜5回である。再結晶の回数を増やすことで純度を向上させることができる。再結晶に用いる溶媒としては、例えばヘキサン、ヘプタン、オクタン、トルエン、キシレン、クロロホルム、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等を挙げることができ、これらの任意の割合の混合物であってもよい。再結晶法としては、加熱によりジチエノベンゾジチオフェン誘導体の溶液を調製し(その際の溶液の濃度は0.01〜10.0重量%の範囲が好ましく、0.05〜5.0重量%の範囲がより好ましい。)、該溶液を冷却することでジチエノベンゾジチオフェン誘導体の結晶を析出させ単離するが、単離する際の最終的な冷却温度は−20℃から40℃の範囲にあることが好ましい。なお、純度を測定する際には液体クロマトグラフィーにより分析することにより測定することが可能である。
本発明の有機半導体層形成用材料は、上記一般式(1)で示されるジチエノベンゾジチオフェン誘導体を有機溶媒に溶解した溶液であり、該有機溶媒としては、該ジチエノベンゾジチオフェン誘導体を溶解することが可能な有機溶媒であれば如何なるものも用いることが可能であり、該有機溶媒としては、例えばo−ジクロロベンゼン、クロロベンゼン、トリクロロベンゼン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2,2−テトラクロロエタン、クロロホルム、ジクロロメタン等のハロゲン系溶剤;テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン等のエーテル系溶剤;トルエン、キシレン、メシチレン、エチルベンゼン、ペンチルベンゼン、オクチルベンゼン、シクロへキシルベンゼン、インデン、テトラリン等の炭素数7〜14のアルキル置換ベンゼン;酢酸エチル、γ−ブチロラクトン等のエステル系溶剤;N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等のアミド系溶剤;等が挙げられる。又、これら有機溶媒は1種若しくは2種以上の混合物を用いても良い。中でも、好ましくは炭素数7〜14のアルキル置換ベンゼンであり、より好ましくはトルエン、キシレン、メシチレン、シクロヘキシルベンゼン、テトラリン等である。
本発明の有機半導体層形成用材料は、その水分濃度が200ppm以下、好ましくは100ppm以下のものである。そして、本発明の有機半導体層形成用材料は、上記一般式(1)で示されるジチエノベンゾジチオフェン誘導体を用いることにより水分濃度が200ppm以下という比較的温和な水分濃度条件下においても、高移動度を達成できる有機半導体層を形成することが可能となるものである。ここで、水分濃度が200ppmを越える場合、得られる有機半導体層は高キャリア移動度を発現することが困難となり、半導体・電気特性に劣るものとなる。
そして、本発明の有機半導体層形成用材料の水分濃度を200ppm以下とする際には、水分濃度を200ppm以下とすることが可能であれば如何なる方法をも用いることが可能であり、その中でもより簡便に本発明の有機半導体層形成用材料を調製することが可能となることから、上記した有機溶媒を蒸留又は適宜脱水剤で処理し、水分濃度を200ppm以下とした有機溶媒を用いることが好ましく、その際の脱水剤としては、例えばA型ゼオライト、X型ゼオライト、Y型ゼオライト、T型ゼオライト、モルデナイト、フェリエライト、ZSM−5、シリカライトなどを挙げることができる。また、該ゼオライトのシリカ/アルミナ比としては0.5〜1000のものが好ましく、特に1〜100であるものが好ましい。
本発明の有機半導体層形成用材料は、上記一般式(1)で示されるジチエノベンゾジチオフェン誘導体と上記有機溶媒とを混合し、溶解することで調製することが可能である。そして、混合する際の温度としては0〜80℃が好ましく、特に好ましくは10〜50℃である。混合時間は混合方法により選択可能であり、その中でも、1分〜2日が好ましい。また、本発明の有機半導体層形成用材料における上記一般式(1)で示されるジチエノベンゾジチオフェン誘導体の濃度は、有機溶媒及び調製時の温度等により選択可能であり、その中でも取り扱いの容易さ、有機半導体層を形成する際の効率に優れることから、0.01〜10.0重量%であることが好ましい。
本発明の有機半導体層形成用材料は、上記一般式(1)で示すジチエノベンゾジチオフェン誘導体自体が適度の凝集性を有することから極めて低い水分濃度とすることなく有機半導体層の形成に用いることが可能となる。また、該ジチエノベンゾジチオフェン誘導体は、優れた耐酸化性を有することから、有機半導体層形成用材料を調製する際、また該有機半導体層形成用材料を塗工工程により有機半導体層とする際は空気、酸化性ガス雰囲気下での使用も可能となるものである。
本発明の有機半導体層形成用材料は、有機半導体層を形成する際の取り扱い性をより優れるものとするために、さらにポリマーバインダーを含むものであっても良く、該ポリマーバインダーとしては、例えばポリスチレン、ポリ−α−メチルスチレン、ポリビニルナフタレン、ポリメチルメタクリレート等を挙げることができ、該ポリマーバインダーは、上記一般式(1)で示されるジチエノベンゾジチオフェン誘導体に対して、0.5〜100重量%の割合で用いることが好ましい。
本発明の有機半導体層形成用材料は、有機半導体層とする際に好適な塗工性を発現することから、0.3〜100mPa・sの範囲の粘度を有するものであることが好ましい。
本発明の有機半導体層形成用材料は、例えばドロップキャストに代表される方法より塗工後、乾燥することにより高キャリア移動度を示す有機半導体層を容易に形成することが可能となる。その際の塗工温度に特に制限はなく、例えば10〜150℃の間で好適に行うことができる。また、ドロップキャストの具体的方法にも制限はなく、例えばスピンコート、キャストコート、インクジェット、スリットコート等の方法により有機半導体層を形成することが可能である。さらにスクリーン印刷、インクジェット印刷、グラビア印刷などの印刷技術を用いても有機半導体層を形成することができる。そして、塗工した後の有機溶媒の除去は、常圧下若しくは減圧下で行うことができる。又、加熱、窒素気流により除去を行ってもよい。さらに、有機溶媒の気化速度を調節することで有機半導体層を構成する上記一般式(1)で示されるジチエノベンゾジチオフェン誘導体の結晶成長を制御することができる。
本発明の有機半導体層形成用材料により形成される有機半導体層の膜厚に制限はなく、好ましくは1nm〜10μm、特に好ましくは10nm〜1μmである。また、得られる有機半導体層は塗工乾燥後、40〜190℃でアニール処理を行ったものであってもよい。
本発明の有機半導体層形成用材料より形成される有機半導体層は、有機半導体デバイス、特に有機薄膜トランジスタの有機半導体層とすることができる。そして、有機薄膜トランジスタは、基板上に、ソース電極及びドレイン電極を付設した有機半導体層とゲート電極とを絶縁層を介し積層することにより得ることができ、該有機半導体層に本発明の有機半導体層形成用材料により形成した有機半導体層を用いることにより、有機薄膜トランジスタとすることが可能である。
図1に一般的な有機薄膜トランジスタの断面形状による構造を示す。ここで、(A)は、ボトムゲート−トップコンタクト型、(B)は、ボトムゲート−ボトムコンタクト型、(C)は、トップゲート−トップコンタクト型、(D)は、トップゲート−ボトムコンタクト型の有機薄膜トランジスタであり、1は有機半導体層、2は基板、3はゲート電極、4はゲート絶縁層、5はソース電極、6はドレイン電極を示し、本発明の有機半導体層形成用材料より形成される有機半導体層は、いずれの有機薄膜トランジスタにも適用することが可能である。
基板の具体例としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリメチルメタクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、環状ポリオレフィン、フッ素化環状ポリオレフィン、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリビニルフェノール、ポリビニルアルコール、ポリ(ジイソプロピルフマレート)、ポリ(ジエチルフマレート)、ポリ(ジイソプロピルマレエート)、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルフィド、セルローストリアセテート等のプラスチック基板;ガラス、石英、酸化アルミニウム、シリコン、ハイドープシリコン、酸化シリコン、二酸化タンタル、五酸化タンタル、インジウム錫酸化物等の無機材料基板;金、銅、クロム、チタン、アルミニウム等の金属基板、等を挙げることができる。なお、ハイドープシリコンを基板に用いた場合、その基板はゲート電極を兼ねることができる。
ゲート電極の具体例としては、例えば、アルミニウム、金、銀、銅、ハイドープシリコン、スズ酸化物、酸化インジウム、インジウムスズ酸化物、酸化モリブデン、クロム、チタン、タンタル、クロム、グラフェン、カーボンナノチューブ等の無機材料;ドープされた導電性高分子(例えばPEDOT−PSS)等の有機材料を挙げることができる。
ゲート絶縁層の具体例としては、例えば、酸化シリコン、窒化シリコン、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化チタン、二酸化タンタル、五酸化タンタル、インジウム錫酸化物、酸化スズ、酸化バナジウム、チタン酸バリウム、チタン酸ビスマス等の無機材料基板;ポリメチルメタクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリビニルフェノール、ポリビニルアルコール、ポリ(ジイソプロピルフマレート)、ポリ(ジエチルフマレート)、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルスルホン、環状ポリオレフィン、フッ素化環状ポリオレフィン等のプラスチック材料を挙げることができる。また、これらのゲート絶縁層の表面は、例えばオクタデシルトリクロロシラン、デシルトリクロロシラン、デシルトリメトキシシラン、オクチルトリクロロシラン、オクタデシルトリメトキシシラン、β−フェネチルトリクロロシラン、β−フェネチルトリメトキシシラン、フェニルトリクロロシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン等のシラン類;ヘキサメチルジシラザン等のシリルアミン類で修飾処理したものであっても使用することができる。一般的にゲート絶縁層の表面処理を行うことにより、有機半導体層を構成する材料の結晶粒径の増大及び分子配向の向上がおこるため、キャリア移動度及び電流オン・オフ比の向上、並びに閾値電圧の低下という好ましい結果が得られる。
ソース電極及びドレイン電極の材料としては、ゲート電極と同様の材料を用いることができ、ゲート電極の材料と同じであっても異なっていてもよく、異種材料を積層してもよい。また、キャリアの注入効率を上げるために、これらの電極材料に表面処理を実施することもできる。例えば、ベンゼンチオール、ペンタフルオロベンゼンチオールを挙げることができる。
そして、有機半導体層として、本発明の有機半導体層形成用材料よりなる有機半導体層とする際には、例えばスピンコート、キャストコート、インクジェット、スリットコート等のドロップキャスト法;ブレードコート;ディップコート、スクリーン印刷、グラビア印刷、フレキソ印刷、等の方法を用いることが可能であり、中でも容易に効率よく有機半導体層とすることが可能となることから、スピンコート、キャストコート、インクジェット等のドロップキャスト法であることが好ましく、特にインクジェットであることが好ましい。また、その際の有機半導体層の膜厚に制限はなく、好ましくは1nm〜10μm、特に好ましくは10nm〜1μmである。
本発明の有機半導体層形成用材料、それよりなる有機半導体層は、電子ペーパー、有機ELディスプレイ、液晶ディスプレイ、ICタグ(RFIDタグ)用等のトランジスタの有機半導体層用途;有機ELディスプレイ材料;有機半導体レーザー材料;有機薄膜太陽電池材料;フォトニック結晶材料等の電子材料に利用することができる。
本発明の有機半導体層形成用材料により、キャリア移動度、電流オン・オフに代表される優れた半導体・電気特性を発現する有機半導体層、有機薄膜トランジスタを容易に提供することが可能となる。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
生成物の同定にはH−NMRスペクトル及びマススペクトルを用いた。なお、H−NMRスペクトルの測定は日本電子製の(商品名)JEOL GSX−270WB(270MHz)を用いた。マススペクトル(MS)は日本電子製の(商品名)JEOL JMS−700を用いて、試料を直接導入し、電子衝突(EI)法(70エレクトロンボルト)で測定した。
また、反応の進行の確認等は薄層クロマトグラフィー、ガスクロマトグラフィー(GC)及びガスクロマトグラフィー−マススペクトル(GCMS)分析を用いた。
ガスクロマトグラフィー分析
装置;島津製作所製、(商品名)GC14B。
カラム;J&Wサイエンティフィック社製、(商品名)DB−1,30m。
ガスクロマトグラフィー−マススペクトル分析
装置;パーキンエルマー製、(商品名)オートシステムXL(MS部;ターボマスゴールド)。
カラム;J&Wサイエンティフィック社製、(商品名)DB−1,30m。
ジチエノベンゾジチオフェン誘導体の純度測定は液体クロマトグラフィー分析を用いた。
装置;東ソー製(コントローラー;PX−8020、ポンプ;CCPM−II、デガッサー;SD−8022)。
カラム;東ソー製、(商品名)ODS−100V、5μm、4.6mm×250mm。
カラム温度;23℃。
溶離液;ジクロロメタン:アセトニトリル=4:6(容積比)。
流速;1.0ml/分。
検出器;UV(東ソー製、(商品名)UV−8020、波長;254nm)。
溶媒及びジチエベンゾジチオフェン誘導体を含む有機半導体層形成用材料の水分は、カールフィッシャー水分計(三菱化学アナリテック社製、CA−200)により測定した。
合成例1(1,4−ジ(3−ブロモチエニル)−2,5−ジフルオロベンゼンの合成((A)工程))
窒素雰囲気下、100mlシュレンク反応容器にイソプロピルマグネシウムブロマイド(東京化成工業製、0.80M)のTHF溶液4.5ml(3.6mmol)及びTHF10mlを添加した。この混合物を−75℃に冷却し、2,3−ジブロモチオフェン(和光純薬工業製)873mg(3.61mmol)を滴下した。−75℃で30分間熟成後、塩化亜鉛(シグマ−アルドリッチ製、1.0M)のジエチルエーテル溶液3.6ml(3.6mmol)を滴下した。徐々に室温まで昇温した後、生成した白色スラリー液を減圧濃縮し、10mlの軽沸分を留去した。得られた白色スラリー液(3−ブロモチエニル−2−ジンククロライド)に、1,4−ジブロモ−2,5−ジフルオロベンゼン(和光純薬工業製)272mg(1.00mmol)、触媒としてテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(東京化成工業製)39.1mg(0.0338mmol、1,4−ジブロモ−2,5−ジフルオロベンゼンに対し3.38モル%)及びTHF10mlを添加した。60℃で8時間反応を実施した後、容器を水冷し3N塩酸3mlを添加することで反応を停止させた。トルエンで抽出し、有機相を食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し(ヘキサンからヘキサン/ジクロロメタン=10/1)、さらにヘキサン/トルエン=6/4から再結晶精製し、1,4−ジ(3−ブロモチエニル)−2,5−ジフルオロベンゼンの薄黄色固体227mgを得た(収率52%)。
H−NMR(CDCl,21℃):δ=7.44(d,J=5.4Hz,2H),7.39(t,J=7.8Hz,2H),7.11(d,J=5.4Hz,2H)。
MS m/z: 436(M,100%),276(M−2Br,13)。
合成例2(ジチエノベンゾジチオフェンの合成((B)工程)))
窒素雰囲気下、100mlシュレンク反応容器に1,4−ジ(3−ブロモチエニル)−2,5−ジフルオロベンゼン200mg(0.458mmol)、NMP10ml、及び硫化ナトリウム・9水和物(和光純薬工業製)240mg(1.00mmol)を添加した。得られた混合物を170℃で6時間加熱し、得られた反応混合物を室温に冷却した。トルエンと水を添加後、分相し、有機相を2回水洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧濃縮後、得られた残渣をヘキサンで洗浄を2回実施し、ジチエノベンゾジチオフェンの淡黄色固体95mgを得た(収率69%)。
H−NMR(CDCl,60℃):δ=8.28(s,2H),7.51(d,J=5.2Hz,2H),7.30(d,J=5.2Hz,2H)。
MS m/z: 302(M,100%),270(M−S,5),151(M/2,10)。
合成例3(ジn−ヘキサノイルジチエノベンゾジチオフェンの合成((C)工程))
100mlシュレンク反応容器に合成例2で得られたジチエノベンゾジチオフェン86.8mg(0.286mmol)及びジクロロメタン14mlを添加した。この混合物を氷冷し、塩化アルミニウム(和光純薬工業製)134mg(1.00mmol)及び塩化ヘキサノイル(和光純薬工業製)115mg(0.858mmol)を添加した。得られた混合物を室温で30時間攪拌後、氷冷し水を添加することで反応を停止させた。得られたスラリー混合物にトルエンを添加し分相した。黄色スラリー液の有機相を水洗浄後、減圧濃縮した。得られた残渣をヘキサン及びメタノールで洗浄し、減圧乾燥した後、ジn−ヘキサノイルジチエノベンゾジチオフェンの黄色固体99.8mgを得た(収率70%)。
H−NMR(重ベンゼン,80℃):δ=7.73(s,2H),7.26(s,2H),2.58(t,J=7.2Hz,4H),1.71(m,4H),1.28(m,8H),0.86(t,J=7.0Hz,6H)。
MS m/z: 498(M,100%),442(M−C+1,46),427(M−C11,13)。
合成例4(ジn−ペンタノイルジチエノベンゾジチオフェンの合成((C)工程))
合成例3で塩化ヘキサノイルの代わりに塩化ペンタノイル(シグマーアルドリッチ製)を用いた以外は同じ操作を繰り返し、ジn−ペンタノイルジチエノベンゾジチオフェンを得た(収率72%)。
合成例5(ジn−ヘキシルジチエノベンゾジチオフェンの合成((D)工程))
100mlシュレンク反応容器に合成例3で得られたジn−ヘキサノイルジチエノベンゾジチオフェン97mg(0.194mmol)、水酸化カリウム223mg(3.97mmol)、ジエチレングリコール12ml、及びヒドラジン・1水和物(和光純薬工業製)412mg(8.23mmol)を添加し、120℃で1時間攪拌後、さらに220℃で30時間攪拌した。室温に冷却後、トルエン及び水を添加分相後、有機相の水洗浄を3回繰り返した。有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し(ヘキサン/トルエン=10/1)、さらにヘキサン(和光純薬工業製ピュアーグレード)から3回再結晶精製し、ジn−ヘキシルジチエノベンゾジチオフェンの白色固体35mgを得た(収率38%)。
得られたジn−ヘキシルジチエノベンゾジチオフェンの純度は液体クロマトグラフィーより99.6%であった。
H−NMR(CDCl,21℃):δ=8.17(s,2H),7.00(s,2H),2.97(t,J=7.2Hz,4H),1.78(m,4H),1.28(m,12H),0.88(t,J=7.0Hz,6H)。
MS m/z: 470(M,100%),399(M−C11,57),328(M−2C11,47)。
融点:190.2〜190.4℃。
合成例6(ジn−ペンチルジチエノベンゾジチオフェンの合成((D)工程))
合成例5でジn−ヘキサノイルジチエノベンゾジチオフェンの代わりに合成例4で得られたジn−ペンタノイルジチエノベンゾジチオフェンを用いた以外は同じ操作を繰り返し、ジn−ペンチルジチエノベンゾジチオフェンを得た。(収率40%)
合成例7(2,7−ジヘキシルベンゾチエノベンゾチオフェンの合成)
2,7−ジヘキシルベンゾチエノベンゾチオフェンは、ジャーナル オブ アメリカンケミカル ソサイエティー(米国)、2007年、129巻、15732−15733頁の方法に従い、以下の様に合成した。窒素雰囲気下、300mlシュレンク反応容器に2,7−ジヘキサノイルベンゾチエノベンジチオフェン1.21g(2.00mmol)、水酸化カリウム617mg(11mmol)、ヒドラジン・水和物6 .1 ml、及びジエチレングリコール90mlを添加した。得られた混合物を100℃で1時間加熱し、さらに210℃で5時間反応を行った。得られた反応混合物を室温に冷却後、得られた沈殿物を濾過し、水とメタノールで洗浄した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し(溶離液;ヘキサン)、さらにヘキサンから再結晶精製し、2,7−ジヘキシルベンゾチエノベンゾチオフェンの白色固体381mgを得た(収率33%)。得られた生成物の構造式を下記に示す。
Figure 2014110347
実施例1
空気下、10mlサンプル管に水分濃度20ppmのトルエン2.7g及び合成例5で合成したジn−ヘキシルジチエノベンゾジチオフェンの白色固体6.0mgを添加し、50℃に加熱し化合物を溶解させることでジn−ヘキシルジチエノベンゾジチオフェン/トルエン溶液からなる有機半導体層形成用材料を作製した。該有機半導体層形成用材料におけるジn−ヘキシルジチエノベンゾジチオフェンの濃度は0.22wt%であり、水分濃度は28ppmであった。
空気下、直径2インチのヒ素でn型にハイドープしたシリコン基板(セミテック製、抵抗値;0.001〜0.004Ω、表面に200nmのシリコン酸化膜付き)上に、該有機半導体層形成用材料0.5mlをシリンジに充填し、0.2μmのフィルターを通した後の溶液をドロップキャストした。室温下(25℃)で自然乾燥し、膜厚60nmのジn−ヘキシルジチエノベンゾジチオフェンの薄膜からなる有機半導体層を作製した。
該有機半導体層にチャネル長45μm、チャネル幅1500μmのシャドウマスクを置き、金を真空蒸着することで電極を形成し、ボトムゲートトップコンタクト型の有機薄膜トランジスタを作製した。その伝達特性から正孔の移動度は1.56cm/V・s、電流オン・オフ比は3.4×10であった。
実施例2
水分濃度20ppmのトルエン17.8mlと水分濃度358ppmのトルエン2.2mlを混合し、水分濃度58ppmのトルエンを20ml調製した。該トルエン2.7gと合成例5で合成したジn−ヘキシルジチエノベンゾジチオフェン6.0mgを混合溶解することにより有機半導体層形成用材料を調製した。得られた有機半導体層形成用材料の水分濃度は63ppmであった。
そして、得られた有機半導体層形成用材料を用い実施例1と同様の方法により有機半導体層を作製し、その評価を行った。正孔移動度は1.39cm/V・s、電流オン・オフ比は2.0×10であった。
実施例3
水分濃度20ppmのトルエン15.7mlと水分濃度358ppmのトルエン4.3mlを混合し、水分濃度92ppmのトルエンを20ml調製した。該トルエン2.7gと合成例5で合成したジn−ヘキシルジチエノベンゾジチオフェン6.0mgを混合溶解することにより有機半導体層形成用材料を調製した。得られた有機半導体層形成用材料の水分濃度は97ppmであった。
そして、得られた有機半導体層形成用材料を用い実施例1と同様の方法により有機半導体層を作製し、その評価を行った。正孔移動度は1.26cm/V・s、電流オン・オフ比は1.2×10であった。
実施例4
水分濃度20ppmのトルエン10.5mlと水分濃度358ppmのトルエン9.5mlを混合し、水分濃度180ppmのトルエンを20ml調製した。該トルエン2.7gと合成例5で合成したジn−ヘキシルジチエノベンゾジチオフェン6.0mgを混合溶解することにより有機半導体層形成用材料を調製した。得られた有機半導体層形成用材料の水分濃度は189ppmであった。
そして、得られた有機半導体層形成用材料を用い実施例1と同様の方法により有機半導体層を作製し、その評価を行った。その伝達特性から正孔移動度1.05cm/V・s、電流オン・オフ比は7.2×10であった。
実施例5
ジn−ヘキシルジチエノベンゾジチオフェンの代わりに合成例6で合成したジn−ペンチルジチエノベンゾジチオフェンを用いた以外は、実施例2と同様の方法により有機半導体層形成用材料の調製を行った。得られた有機半導体層形成用材料の水分濃度は63ppmであった。
そして、得られた有機半導体層形成用材料を用い実施例1と同様の方法により有機半導体層を作製し、その評価を行った。その伝達特性から正孔移動度は1.20cm/V・s、電流オン・オフ比は1.8×10であった。
実施例6
ジn−ヘキシルジチエノベンゾジチオフェンの代わりに合成例6で合成したジn−ペンチルジチエノベンゾジチオフェンを用いた以外は、実施例4と同様の方法により有機半導体層形成用材料の調製を行った。得られた有機半導体層形成用材料の水分濃度は187ppmであった。
そして、得られた有機半導体層形成用材料を用い実施例1と同様の方法により有機半導体層を作製し、その評価を行った。その伝達特性から正孔移動度は1.01cm/V・s、電流オン・オフ比は6.8×10であった。
比較例1
水分濃度20ppmのトルエン6.2mlと水分濃度358ppmのトルエン13.8mlを混合し、水分濃度253ppmのトルエン20mlを調製した以外は、実施例2と同様の方法により溶液を調製した。得られた溶液の水分濃度は258ppmであった。
そして、得られた溶液を用い実施例1と同様の方法により有機半導体層を作製し、その評価を行った。その伝達特性から正孔移動度は0.23cm/V・s、電流オン・オフ比は3.0×10であり、半導体・電気特性に劣るものであった。
比較例2
水分濃度20ppmのトルエン2.5mlと水分濃度358ppmのトルエン17.5mlを混合し、水分濃度315ppmのトルエン20mlを調製した以外は、実施例2と同様の方法により溶液を調製した。得られた溶液の水分濃度は321ppmであった。
そして、得られた溶液を用い実施例1と同様の方法により有機半導体層を作製し、その評価を行った。その伝達特性から正孔移動度は0.04cm/V・s、電流オン・オフ比は8.5×10であり、半導体・電気特性に劣るものであった。
比較例3
ジn−ヘキシルジチエノベンゾジチオフェンの代わりに6,13−ビス(トリイソプロピルシリルエチニル)ペンタセン(シグマーアルドリッチ製)を用いた以外は、実施例2と同様の方法により溶液を調製した。得られた溶液の水分濃度は65ppmであった。
そして、得られた溶液を用い実施例1と同様の方法により有機半導体層を作製し、その評価を行った。その伝達特性から正孔移動度は0.05cm/V・s、電流オン・オフ比は1.7×10であり、半導体・電気特性に劣るものであった。
比較例4
ジn−ヘキシルジチエノベンゾジチオフェンの代わりに合成例7で合成した2,7−ジヘキシルベンゾチエノベンゾチオフェンを用いた以外は、実施例2と同様の方法により溶液を調製した。得られた溶液の水分濃度は67ppmであった。
そして、得られた溶液を用い実施例1と同様の方法により有機半導体層を作製し、その評価を行った。その伝達特性から正孔移動度は0.06cm/V・s、電流オン・オフ比は7.8×10であり、半導体・電気特性に劣るものであった。
本発明の有機半導体層形成用材料は、有機トランジスタのキャリア移動度及び電流オン・オフ比等の電気物性を向上させることが可能とることから、半導体デバイス材料としての適用が期待できる。
;有機薄膜トランジスタの断面形状による構造を示す図である。
(A):ボトムゲート−トップコンタクト型有機薄膜トランジスタ
(B):ボトムゲート−ボトムコンタクト型有機薄膜トランジスタ
(C):トップゲート−トップコンタクト型有機薄膜トランジスタ
(D):トップゲート−ボトムコンタクト型有機薄膜トランジスタ
1:有機半導体層
2:基板
3:ゲート電極
4:ゲート絶縁層
5:ソース電極
6:ドレイン電極

Claims (4)

  1. 有機溶媒に下記一般式(1)で示されるジチエノベンゾジチオフェン誘導体を含んでなる溶液であって、水分濃度が200ppm以下であることを特徴とする有機半導体層形成用材料。
    Figure 2014110347
    (ここで、置換基RおよびRは同一又は異なって、炭素数4〜8のアルキル基を示す。)
  2. ジチエノベンゾジチオフェン誘導体が、ジn−ブチルジチエノベンゾジチオフェン、ジn−ペンチルジチエノベンゾジチオフェン、ジn−ヘキシルジチエノベンゾジチオフェン、ジ2−エチルヘキシルジチエノベンゾジチオフェン、ジn−ヘプチルジチエノベンゾジチオフェン、ジn−オクチルジチエノベンゾジチオフェンからなる群より選択される1種以上のジチエノベンゾジチオフェン誘導体であることを特徴とする請求項1に記載の有機半導体層形成用材料。
  3. 請求項1〜2に記載の有機半導体層形成用材料により形成されることを特徴とする有機半導体層。
  4. 基板上に、ソース電極及びドレイン電極を付設した請求項3に記載のジチエノベンゾジチオフェン誘導体からなる有機半導体層とゲート電極とを絶縁層を介して積層したものであることを特徴とする有機薄膜トランジスタ。
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