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JP2014094354A - ハニカムフィルタ - Google Patents

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JP2014094354A
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Hiroaki Okano
宏昭 岡野
Hiroshi Yamaguchi
宏 山口
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Kubota Corp
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Abstract

【課題】各セルの有効フィルタ領域の長さを揃えて圧力損失レベルを均一とし、かつ、ハニカム構造体と封止部の材料の選択に自由度を持たせながら、ハニカム構造体の封止部と接触する部分や封止部に熱応力に起因するクラックが発生することを効果的に防止することができる。
【解決手段】ハニカム構造体10における延伸方向の少なくとも一方側の端部では、セル壁12と封止部21との間に、少なくとも1層からなる熱応力緩和層20が形成されている。熱応力緩和層20は、セル壁12と封止部21との間の熱膨張率の違いにて生じる熱応力を緩和するものであり、封止部21よりもセル11の奥方向に延伸して形成されている。ハニカム構造体10と封止部21は異なる構成成分よりなる。
【選択図】図1

Description

本発明は、内燃エンジン、特に、ディーゼルエンジンの排気ガスに含有される粒子状物質(PM:Particulate Matter)を除去する排気ガス浄化用フィルタとして用いられるハニカムフィルタに関する。
内燃機関の排気通路に備えられ、排気ガス中に含まれるPMを捕集するフィルタとして、多孔性のセラミック材料を用いた排気ガス浄化用フィルタが広く用いられている。特に、ディーゼル車両の排気ガス中に含まれるPMについては、窒素酸化物(NOx)とともに、その排出規制が日米欧において段階的に強化されている。かかる規制に適合させるため、PMを捕集するためのディーゼルパーティキュレートフィルタ(DPF:Diesel Particulate Filter)の開発が盛んに進められてきている。現在、DPFとしては、主に、ハニカム構造を有するウォールフロータイプのハニカムフィルタが用いられている。
ハニカムフィルタは、貫通孔からなる多数のセルが、ハニカムフィルタの軸方向を延伸方向として規則的に形成されたハニカム構造体を有する。ハニカム構造体は多孔質セラミック焼成体よりなり、各セルは、軸方向(延伸方向)の一方側の端部が隣接するセル同士交互に封止部にて封止されている。ハニカムフィルタの軸方向端部において、封止部は市松模様状に配されている。
ところで、ハニカムフィルタにおいては、繰り返し熱負荷がかかることとなるが、その際に生じる熱応力によってクラックが発生する問題がある。熱応力は、ハニカム構造体と封止部との熱膨張率の差によるもので、ハニカム構造体と封止部との境界部分に集中して生じ、クラックが発生する。
このような熱応力によるクラックの発生を防止するべく、例えば特許文献1には、複数の封止部間で封止厚さ(封止部のセル内部への入り込む距離)を不均一にする構成が開示されている。これによれば、複数の封止部間で封止厚さを不均一としたことで、熱応力が集中する封止部とセルの壁面との境界部分を結ぶ仮想線が、直線状に並んだり、一定のパターンで連続したりしなくなり、熱応力を分散してクラックの発生を防止することができる。
また、特許文献2には、フィルタとなる柱状体(ハニカム構造体)の気孔率と目封止部(封止部)となる充填材の気孔率との適切な範囲の関係が開示されている。具体的には、柱状体の気孔率が20〜80%である場合に、目封止部の気孔率を90%以下かつ柱状体の気孔率の0.15〜4倍にする構成が記載されている。柱状体の気孔率と充填材の気孔率とがこのような条件を満足することで、製造時や使用時の熱応力によって充填材と壁部(柱状体)との間に隙間が生じたり、充填材や充填材と接触する部分の壁部にクラックが発生したりすることを防止することができる。
特許3012167号明細書 特許4386830号明細書
しかしながら、特許文献1の技術では、複数の封止部間で封止厚さを不均一にしているため、各セルにおける有効フィルタ領域の長さ(軸方向の長さ)が揃わなくなる。有効フィルタ領域とは、PMを除去するフィルタとして有効に機能する領域のことである。有効フィルタ領域の長さが揃わなくなると、各セルの圧力損失レベルが不均一になり、PMの捕集に偏りが生じ(例えば、圧力損失レベルの低いセルに集中的にPMが捕集される)、その結果、フィルタ機能が短期間で低下してしまう。
一方、特許文献2の技術は、柱状体および充填材の各構成成分については何ら規定せず、柱状体および充填材の各気孔率の関係のみをあまり相違しない範囲に規定することで、柱状体の熱膨張率と充填材の熱膨張率との差を小さくできると記載されている。しかしながら、実施例としては、柱状体および充填材に同様の構成成分を用いた例のみ記載されており、かつ、実際に作成を試みたところ、柱状体と充填材の構成成分を異ならせた場合には、規定されている柱状体および充填材の各気孔率の関係を満足するように製造しても、熱応力によるクラックの発生を思うように防止することができなかった。これは、気孔率による熱膨張率の影響度は必ずしも高いものでなく、その効果は限定的であることに起因すると考えられる。このようなことから鑑みて、特許文献2の技術は、柱状体および充填材において、それぞれの気孔率を近似させるだけでなく構成成分についても近似させるものであるといえる。
しかしながら、熱応力によるクラックの発生を防止するために、柱状体および充填材の成分および気孔率を近似させた構成とすることは、柱状体と充填材を構成成分に制約が生じて、材料選択の自由度が低くなる。
また、柱状体は、排気ガスをそれに含まれるPMを捕集した上で通過させるといったフィルタとしての機能が最大限に発揮できるような構成成分であり気孔率であることが好ましく、充填材は、排気ガスの通過を確実に阻止してセルを封止するといった封止部としての機能が最大限に発揮できるような構成成分であり気孔率であることが好ましい。このように要求される機能が異なる柱状体と充填材に、熱応力によるクラックの発生を防止するためだけに、構成成分および気孔率を近似させるといった制約を課することは、柱状体あるいは充填材あるいはその両方において、機能に支障を来たす恐れもある。
本発明は、上記課題に鑑み成されたもので、その目的は、各セルの有効フィルタ領域の長さを揃えて圧力損失レベルを均一とし、かつ、ハニカム構造体と封止部の材料の選択に自由度を持たせながら、ハニカム構造体の封止部と接触する部分や封止部に熱応力に起因するクラックの発生を防止することにある。
本発明のハニカムフィルタは、上記課題を解決するために、セル壁によって区画されることで形成された一方向に延伸する複数のセルを有するハニカム構造体を備え、前記複数のセルにおける延伸方向の一方側の端部が隣接するセル同士交互に封止部にて封止されてなるハニカムフィルタにおいて、前記ハニカム構造体と前記封止部とは構成する成分が異なり、前記ハニカム構造体における前記延伸方向の少なくとも一方側の端部では、前記封止部と前記セル壁との間に、少なくとも1層からなる熱応力緩和層が形成され、前記熱応力緩和層は、前記ハニカム構造体と前記封止部との間の熱膨張率の違いにて生じる熱応力を緩和するもので、前記封止部よりも前記セルの奥方向に延伸して形成されると共に、前記ハニカム構造体の熱膨張率と前記封止部の熱膨張率との間の熱膨張率を有していることを特徴とする。
上記構成によれば、ハニカム構造体と封止部とは構成する成分(構成成分)が異なるので、ハニカム構造体には、排気ガスのフィルタとしての機能が最大限に発揮できる構成成分を選択でき、封止部には、排気ガスの通過を確実に阻止してセルを封止するといった封止部としての機能が最大限に発揮できる構成成分を選択できる。これにより、ハニカム構造体および封止部それぞれの機能の向上を図ると共に、材料の選択範囲を広げてハニカムフィルタの製造を容易にすることができる。
ところで、このようにハニカム構造体と封止部との構成成分を異ならせた場合、ハニカム構造体と封止部との熱膨張率の差により生じる熱応力により、ハニカム構造体の封止部と接触する部分や封止部にクラックが発生する問題があるが、上記構成によれば、このような熱応力によるクラックの問題を、封止部とセル壁との間に熱応力緩和層を設けることで解決している。
熱応力緩和層は、封止部よりもセルの奥方向(以下、セル奥方向)に延伸して形成されており、これにより、封止部と熱応力緩和層との間に段差が形成されている。このような段差を設けることで、セル壁と熱応力緩和層との境界部分を結ぶ仮想線(熱応力緩和層におけるセル奥方向の端面を結ぶ仮想線)と、熱応力緩和層と封止部との境界部分を結ぶ仮想線(封止部におけるセル奥方向の端面を結ぶ仮想線)の少なくとも2本のライン上に分散させることができる(作用A)。また、応力緩和層を2層以上とし、各層のセル奥方向に延伸する長さを異ならせて、セル奥方向の端面の位置を振る(ずらす)ことで、3本以上のライン上に分散させることができる。なお、このような段差が設けられていない構成では、セル壁と封止部との境界部分を結ぶ仮想線(封止部におけるセル奥方向の端面を結ぶ仮想線)が、直線状に並んでしまい、熱応力の発生箇所がこの1本のライン上に集中してしまう。
また、熱応力緩和層と封止部との間に段差をつけることで、熱応力緩和層におけるセル壁と接する側とは反対側に空間が確保され、熱応力緩和層が空間側へ膨張することが可能になる。これにより、ハニカム構造体と熱応力緩和層との間の熱膨張率の差、あるいは熱応力緩和層と封止部との間の熱膨張率の差によって、熱応力緩和層とセル壁との境界部分、熱応力緩和層と封止部との境界部分に生じる熱応力が緩和(低減)される(作用B)。
さらに、熱応力緩和層の熱膨張率は、ハニカム構造体の熱膨張率と封止部の熱膨張率との間に設定されているので、ハニカム構造体と封止部との間の熱膨張率の差が、ハニカム構造体と熱応力緩和層との間の熱膨張率の差と、熱応力緩和層と封止部との間の熱膨張率の差とに変わり、熱膨張率の差自体が小さくなる。これにより、セル壁と熱応力緩和層との境界部分と、熱応力緩和層と封止部との境界部分とにそれぞれ生じる熱応力自体が緩和(低減)される(作用C)。
以上のように、上記構成によれば、熱応力緩和層を形成して段差を設けることで、セル壁と熱応力緩和層との境界部分および熱応力緩和層と封止部との境界部分にそれぞれ生じる熱応力を複数のライン上に分散させる作用Aと、熱応力緩和層が空間側へ膨張することによりセル壁と熱応力緩和層との境界部分および熱応力緩和層と封止部との境界部分にそれぞれ生じる熱応力自体を緩和させる作用Bと、熱応力緩和層の熱膨張率をハニカム構造体の熱膨張率と封止部の熱膨張率との間にすることで、セル壁と熱応力緩和層との境界部分および熱応力緩和層と封止部との境界部分にそれぞれ生じる熱応力自体を緩和させる作用Cとの相乗により、ハニカム構造体の封止部と接触する部分や封止部に熱応力に起因するクラックが発生することを効果的に防止することができる。
本発明のハニカムフィルタは、さらに、前記ハニカム構造体の熱膨張率が前記封止部の熱膨張率よりも小さい構成とすることもできる。
本発明のハニカムフィルタは、さらに、前記封止部と前記熱応力緩和層とは組成が異なる構成とすることもできる。これによれば、封止部、熱応力緩和層の材料の選択幅が広がり、熱膨張率の設定が容易に行える。
本発明のハニカムフィルタは、さらに、前記ハニカム構造体は窒化珪素を主成分とし、前記封止部は酸化アルミニウムを主成分とする構成とすることもできる。
本発明のハニカムフィルタの製造方法は、上記課題を解決するために、前記ハニカム構造体の延伸方向の端部を、流動性を有する第1の材料分散液に浸漬して前記熱応力緩和層を形成する工程と、前記ハニカム構造体の前記熱応力緩和層が形成された端部を、流動性を有する第2の材料分散液に浸漬して前記封止部を形成する工程とを有する。
このような手順とすることで、本発明のハニカムフィルタを容易に製造することができる。
本発明のハニカムフィルタの製造方法においては、第1の材料分散液の流動性が第2の材料分散液の流動性よりも高い構成とすることが好ましい。
第1の材料分散液の流動性を高くすることで、熱応力緩和層の内側端面の高さ(封入深さ)を各セル間で揃えることができるので、各層の有効フィルタ領域の長さをより効果的に揃えることができる。また、第1の材料分散液の流動性を高くすることで、層の厚みが薄くなるので、熱応力緩和層を複数の層から構成する場合でも、封入深さの異なる複数の層を容易に形成することができる。封止部となる第2の材料分散液は、セルより脱落することなく留まってセルを封止する必要があるため、流動性が低いものが好ましい。
本発明により、各セルの有効フィルタ領域の長さを揃えて圧力損失レベルを均一とし、かつ、ハニカム構造体と封止部の材料の選択に自由度を持たせながら、ハニカム構造体の封止部と接触する部分や封止部に熱応力に起因するクラックの発生を防止できるという効果を奏する。
本発明の実施の一形態に係るハニカムフィルタの軸方向に平行な面の模式断面図である。 上記ハニカムフィルタの概観を示す斜視図である。 上記ハニカムフィルタにおける1層からなる熱応力緩和層が設けられたセルの端部を拡大して示す模式断面図である。 (a)(b)共に、上記ハニカムフィルタにおける変形例の熱応力緩和層が設けられたセルの端部を拡大して示す模式断面図である。熱応力緩和層として用いることができる変形例の熱応力緩和層を拡大した模式断面図である。 上記ハニカムフィルタの有効フィルタ領域を示す説明図である。 本発明のその他の実施の形態に係るハニカムフィルタの軸方向に平行な面の模式断面図である。
以下、本発明を実施の形態により説明する。図1は、本発明の実施の一形態に係るハニカムフィルタの軸方向に平行な面の模式断面図である。図2は、ハニカムフィルタの概観を示す斜視図である。
図1あるいは図2に示すように、ハニカムフィルタ1は、円柱状の多孔質セラミック焼成体よりなるハニカム構造体10を有する。ハニカム構造体10における円柱状の本体の内部には、一方向に延伸する複数のセル11が形成されている。各セル11は、軸方向(セルの延伸方向)に垂直な方向の断面形状が略正方形をなし、多孔性のセル壁12に区画されることによって形成されている。多孔性のセル壁12が粒子状物質(以下、PM)の捕集部材となる。
ハニカム構造体10に設けられている各セル11は、延伸方向の一方側の端部が隣接するセル同士交互に封止部21にて封止されている。ハニカムフィルタ1の軸方向端部において、封止部21は市松模様状に配されている。ハニカムフィルタ1は、この封止部21が設けられた端部の構造に特徴がある。これについては後述する。
また、ハニカム構造体10の外周部は、外周被覆層15にて被覆されている。外周被覆層15はセラミック層からなり、ハニカム構造体10の外周部に塗布された外周被覆材が焼成されることで形成されている。なお、図1においては、外周被覆層15の記載を省略している。
このような構成を有するハニカムフィルタ1は、図1に示すように、セル11の延伸方向でもある軸方向が排気ガスの流れと平行となるように配置される。排気ガスは、流れの上流側に位置する端部に封止部21が詰められていないセル(流入側セル)11より流入する。セル内に流入した排気ガスは、多孔性のセル壁12の微細孔を通過して、流入したセル11に隣接する別のセル(流出側セル)11へと移動してそこから流出する。排気ガスがセル壁12の微細孔を通過することにより、排気ガスに含まれるPMがセル壁12に捕集される。捕集されたPMは、ハニカムフィルタ1を再生加熱処理することでセル壁12より除去され、ハニカムフィルタ1の再生がなされる。
なお、図2においては、ハニカム構造体10として、ハニカムフィルタ1の軸方向に垂直な面の断面形状が円形をなす円柱状のものを例示したが、該断面形状は特に限定されるものではなく、例えば、楕円形、正方形、長方形、多角形であってもよい。このようなハニカム構造体10の成型は、押出機を用いることで、所望する形状に予め成型することができる。また、ハニカムフィルタ1の軸方向に垂直な面の断面の大きさは、エンジンの排気量によって最適値が決定されるものである。
一方、セル11の断面形状は、略正方形であることが好ましい。しかしながら、必ずしもこれに限定されるものではなく、他の形状であってもよい。セル壁12の厚さも特に限定されるものではなく、例えば、0.2〜0.4mmとすればよい。また、単位面積中のセル数も特に限定されるものではなく、例えば、200〜300cpsiとすればよい。外周被覆層15の厚さも特には限定されないが、概して0.3mm〜1.0mmに設定される。
また、ハニカムフィルタ1における各部の材料としては、従来からある既存の材料を用いることができる。例えば、ハニカム構造体10は、ハニカム構造体10を構成する材料と、従来公知の焼結助剤、従来公知の各種バインダー等を含んでいる組成物を焼結、または反応焼結等をすることによって形成することができる。
ハニカム構造体10の構成成分であるセラミック材料としては、窒化珪素,窒化アルミニウム,窒化ホウ素および窒化チタン等の窒化物セラミック、コーディエライト,酸化アルミニウム(アルミナ),シリカ,ムライトおよびチタン酸アルミニウム等の酸化物セラミック、炭化珪素,炭化ジルコニウム,炭化チタン,炭化タンタルおよび炭化タングステン等の炭化物セラミックなどを挙げることができる。中でも、強度、耐熱性の観点から、窒化珪素が特に好ましい。なお、窒化珪素の珪素と窒素の一部をそれぞれアルミニウムと酸素で置換したサイアロンも窒化珪素質に含まれる。
封止部21をなす封止材料としては、酸化アルミニウム(アルミナ)、チタン酸アルミニウム、炭化珪素、窒化珪素、コーディエライト、ムライト、アパタイトなどのセラミック坏土、またはセメント材料を使用することができる。これらは単独で使用してもよいし、複数種類を併用してもよい。中でもセメント材料としての汎用性の観点から、酸化アルミニウムを材料とすることが特に好ましい。
従来、封止部の封止材料(充填材)としては、ハニカム構造体との間の熱膨張率の差を小さくするために、ハニカム構造体と同様の構成成分を用いることが好ましいとされている。また、特許文献2によれば、構成成分のみならず、ハニカム構造体と封止部の気孔率の範囲までも近しい値に関係付けている。
しかしながら、排気ガスをそれに含まれるPMを捕集した上で通過させるといったフィルタとしての機能を有するハニカム構造体に対し、封止部は、排気ガスの通過を確実に阻止してセルを封止するといった全く別の機能を有しており、本来であれば、ハニカム構造体および封止部は、それぞれの機能に適した構成成分を選択し、気孔率を設定すべきである。
ハニカムフィルタ1においては、後述するように、封止部21が設けられた端部の構造に特徴があり、これにより、ハニカム構造体10の構成成分とは関係なく封止部21の構成成分を選択することが可能になり、ハニカム構造体10と封止部21とは異なる構成成分からなる。
外周被覆層15はセラミック層よりなり、上記したハニカム構造体10の材料に、無機バルーン、コロイダルシリカ、ベントナイト等の無機粒子や無機バインダー等を配合した材料が用いられる。
次に、ハニカムフィルタ1の特徴的な構成である封止部21が設けられた端部の構造について説明する。図1に示すように、セル壁12と封止部21との間には、少なくとも1層からなる熱応力緩和層20が形成されている。熱応力緩和層20は、セル壁12と封止部21との間の熱膨張率の違いにて生じる熱応力を緩和するものである。
図3は、1層からなる熱応力緩和層20が設けられたセル11の端部を拡大して示す模式断面図である。図3に示すように、熱応力緩和層20は、封止部21よりもセル11の奥方向(セル奥方向)に延伸して形成されており、熱応力緩和層20と封止部21との間に段差が形成されている。
熱応力緩和層20の封入深さをT1、封止部21の封入深さをT2とすると、T1,T2、はT1>T2の関係にあり、熱応力緩和層20の方が封止部21よりもセル11の端部からセル11の奥側に向かって深く挿入されている。層の封入深さとは、セル11の端部を起点とした層の軸方向の長さである。
封止部21と熱応力緩和層20との間に段差を形成したことで、セル壁12と熱応力緩和層20との境界部分を結ぶ仮想線(熱応力緩和層20におけるセル奥方向の端面を結ぶ仮想線)L1(図1参照)と、熱応力緩和層20と封止部21との境界部分を結ぶ仮想線(封止部におけるセル奥方向の端面を結ぶ仮想線)L2(図1参照)の少なくとも2本のライン上に分散させることができる(作用A)。なお、このような段差が設けられていない構成では、セル壁と封止部との境界部分を結ぶ仮想線(封止部におけるセル奥方向の端面を結ぶ仮想線)が、直線状に並んでしまい、熱応力の発生箇所がこの1本のライン上に集中してしまう。
また、熱応力緩和層20と封止部21との間に段差をつけることで、熱応力緩和層20におけるセル壁12と接する側とは反対側に空間が確保され、熱応力緩和層20が空間側へ膨張することが可能になる。
これにより、ハニカム構造体10と熱応力緩和層20との間の熱膨張率の差によって、図3の矢印P1にて示す熱応力緩和層20とセル壁12との境界部分に生じる熱応力と、熱応力緩和層20と封止部21との間の熱膨張率の差によって、図3の矢印P2にて示す熱応力緩和層20と封止部21との境界部分に生じる熱応力とが緩和(低減)される(作用B)。
ここで、熱応力緩和層20の封入深さT1は、封止部21の封入深さT2の1.1倍より大きく、2倍より小さい範囲とすることが好ましい。1.1倍以下であると、段差が小さすぎ、熱応力緩和層20がセル壁12側とは反対側の空間へ熱応力を逃がして緩和させる能力が確保できなくなる。また、2倍を超えると、熱応力緩和層20が無駄に長くなり、後述する有効フィルタ領域の長さが短くなってしまう。
また、熱応力緩和層20が2層以上である場合は、熱応力緩和層20の各層のセル奥方向に延伸する流さを異ならせて、セル奥方向の端面の位置を振る(ずらす)ことが好ましい。このような構成とすることで、3本以上のライン上に分散させることができる。
さらに、熱応力緩和層20は、セル壁12の熱膨張率と封止部21の熱膨張率との間の熱膨張率を有している。つまり、セル壁12の熱膨張率をW1、熱応力緩和層20の熱膨張率をW2、封止部21の熱膨張率をW3とすると、W1<W2<W3、あるいはW1>W2>W3の関係を満足している。
このような構成とすることで、ハニカム構造体10と封止部21との間の熱膨張率の差が、ハニカム構造体10と熱応力緩和層20との間の熱膨張率の差と、熱応力緩和層20と封止部21との間の熱膨張率の差とに変わり、熱膨張率の差自体が小さくなる。これにより、図3の矢印P1にて示すセル壁12と熱応力緩和層20との境界部分に生じる熱応力と、図3の矢印P2にて示す熱応力緩和層20と封止部21との境界部分とに生じる熱応力とが緩和(低減)される(作用C)。
また、熱応力緩和層20が2層以上である場合は、熱応力緩和層20の各層の熱膨張率は、セル壁12の熱膨張率W1と封止部21の熱膨張率W3との間の値であって、徐々に差を詰めるような値であることが好ましい。つまり、セル壁12に近い側から1層目、2層目、3層目、‥とし、それらの熱膨張率を順にW2−1(1層目)、W2−2(2層目)、W2−3(3層目)、‥とすると、W1<W3である場合は、その関係に応じて、W2−1<W2−2<W2−3とすることが好ましく、W1>W3である場合は、W2−1>W2−2>W2−3の関係を満足していることが好ましい。
但し、熱応力緩和層20をこのように2層以上とする場合、熱応力緩和層20の各層の熱膨張率が全て同じであっても、その内の一部が同じであってもよい。つまり、W1<W3あるいはW1>W3である場合に、W2−1=W2−2=W2−3としたり、W1>W3である場合に、W2−1=W2−2>W2−3としたりというように、全ての層の熱膨張率を、あるいはそのうちの一部の層の熱膨張率を同じにしてもよい。
セル壁12、熱応力緩和層20、封止部21、および熱応力緩和層20が複数の層からなる場合はそれらの層も含め、隣り合うもの間の各熱膨張率の差は、最大でも4×10-6/℃以下であることが望ましく、さらに、好ましくは3×10-6/℃以下である。
このように、セル壁12と封止部21との間に熱応力緩和層20を形成して段差を設けることで、セル壁12と熱応力緩和層20との境界部分および熱応力緩和層20と封止部21との境界部分にそれぞれ生じる熱応力を複数のライン上に分散させる作用Aと、熱応力緩和層20が空間側へ膨張することによりセル壁12と熱応力緩和層20との境界部分および熱応力緩和層20と封止部21との境界部分にそれぞれ生じる熱応力自体を緩和させる作用Bと、熱応力緩和層20の熱膨張率をハニカム構造体10の熱膨張率と封止部21の熱膨張率との間にすることで、セル壁12と熱応力緩和層20との境界部分および熱応力緩和層20と封止部21との境界部分にそれぞれ生じる熱応力自体を緩和させる作用Cとの相乗により、ハニカム構造体10の封止部21と接触する部分や封止部21に熱応力に起因するクラックが発生することを効果的に防止することができる。
そして、このような熱応力緩和層20を設けることで、ハニカム構造体10と封止部21とにおいて構成成分を異ならせることが可能となり、ハニカム構造体10には、排気ガスのフィルタとしての機能が最大限に発揮できる構成成分を選択でき、封止部21には、排気ガスの通過を確実に阻止してセルを封止するといった封止部としての機能が最大限に発揮できる構成成分を選択できる。これにより、ハニカム構造体10および封止部21それぞれの機能の向上を図ると共に、材料の選択範囲を広げてハニカムフィルタ1の製造を容易にすることができる。
なお、図3では、熱応力緩和層20が1層である構成を例示したが、上述したように、熱応力緩和層20は2層,3層、あるいはそれ以上であってもよい。図4の(a)(b)は、変形例の熱応力緩和層が設けられたセルの端部を拡大して示す模式断面図である。(a)は、熱応力緩和層が1層目の熱応力緩和層20aと2層目の熱応力緩和層20bとからなり、(b)は、熱応力緩和層が1層目〜3層目の熱応力緩和層20a〜20cからなる。
図5は、ハニカムフィルタの有効フィルタ領域を示す説明図である。ハニカムフィルタ1の軸方向の両端部に配された熱応力緩和層20と接触する領域を除いた部分が、有効フィルタ領域となる。換言すると、有効フィルタ領域とは、入力側のセル11の最もセル奥方向に延設された熱応力緩和層20の内部面端と、出力側のセル11の最もセル奥方向に延設された熱応力緩和層20の内部面端との間の距離である。
ハニカムフィルタ1においては、各々のセルにおいて、セル壁12と封止部21との間に熱応力緩和層20を設け、段差を持たせると共に、熱膨張率の差を緩和することで、ハニカム構造体10の封止部21と接触する部分や封止部21に熱応力に起因するクラックが発生することを防止する。したがって、図5の示すように、各セル11における有効フィルタ領域を揃えることができ、圧力損失レベルを均一にできる。
なお、図1で示したハニカムフィルタ1においては、ハニカムフィルタ1の両端部において、熱応力緩和層20を設ける構成を採用したが、熱応力緩和層20は少なくとも一方側の端部に備えられていればよい。
図6は、本発明のその他の実施の形態に係るハニカムフィルタの軸方向に平行な面の模式断面図である。図6に示すように、ハニカムフィルタ1Aでは、軸方向の一方側の端部にのみ熱応力緩和層20を設けており、他方側の端部は、従来通りの封止部21のみにて封止している。このような一方側の端部にのみ、熱応力緩和層20を設ける構成を採用したハニカムフィルタ1Aでは、図6に示すように、熱応力緩和層20が設けられた端部側が排気ガスの流れの下流側に配置される。
ハニカムフィルタは、排気ガスの流れの下流側に配置される側に、上流側よりもより多くの熱負荷がかかる。したがって、少なくとも排気ガスの流れの下流側に配置される側を熱応力緩和層20が設けられた側としておくことで、熱応力によるクラックの発生を効果的に防止できる。
なお、ハニカムフィルタ1,1Aは、ハニカム構造体10が1つの多孔質セラミック焼成体よりなる、いわゆる一体型を例示した。しかしながら、角柱状に形成された複数の多孔質セラミック焼成体であるハニカムセグメント体を、接合部を介して貼り合わせてハニカム構造体とした分割型であってもよい。
次に、ハニカム構造体10の複数のセル11を熱応力緩和層20を形成して封止部21にて封止する封止処理の手順を説明する。
まず、ハニカム構造体10の軸方向(延伸方向)の端部を、流動性を有する第1の材料分散液に浸漬して熱応力緩和層20を形成する。なお、浸漬するハニカム構造体10の端部において、封止すべきでないセルについては、フィルムなどで塞がれている。ここで、熱応力緩和層20が複数の層からなる場合は、セル壁12に隣接する第1層目から順に、端部を浸漬する深さを徐々に浅くしながら形成していく。また、熱応力緩和層20となる各層で熱膨張率を変更する場合は、浸漬する第1の材料分散液を変更する。
熱応力緩和層20が形成されると、続いて、ハニカム構造体10における熱応力緩和層20が形成された側の端部を、流動性を有する第2の材料分散液に浸漬して封止部21を形成する。
熱応力緩和層20となる第1の材料分散液と封止部21となる第2の材料分散液とを比較すると、第1の材料分散液の流動性は第2の材料分散液の流動性よりも高く調整することが好ましい。
流動性を高くすることで、熱応力緩和層20の内側端面の高さ(封入深さ)を各セル間で揃えることができる。また、流動性を高くすることで、層の厚みが薄くなるので、熱応力緩和層20を複数の層から構成する場合でも、封入深さの異なる複数の層を容易に形成することができる。
一方、封止部21となる第2の材料分散液は、セル11より脱落することなく留まってセル11を封止する必要があるため、流動性が低いものが好ましい。なお、有効フィルタ領域は、最もセル11の奥方向に延設された熱応力緩和層20の内部面端にて決定されるので、第2の材料分散液の流動性が低いことで封止部21の高さが揃わなかったとしても、影響するものではない。
また、熱応力緩和層20は、封止部21と共に、セル11を封止するものでもある。したがって、このような熱応力緩和層20を複数層よりなる構成として、複数の層からなる熱応力緩和層20と封止部21とでセル11を封止する方法は、封止すべきセルの孔径が大きい場合、例えば、排ガスの入口側と出口側のセル孔径を変えたハニカム体において、孔径の大きなセルを封止する方法としても有効である。つまり、本発明の方法は、大きな孔径を複数の層によって徐々に開口部を塞ぐことが可能であるという優れた特性を有している。
本発明を、実施例を挙げてより詳細に説明する。以下に記載する実施例および比較において、気孔率はアルキメデス法の密度計を用いて測定し、熱膨張率は示差熱膨張率測定器を用いて測定した。
(実施例1)
窒化珪素(Si34)からなるハニカム構造体10の複数のセル11を、封止部21とセル壁12との間に、1層からなる熱応力緩和層20を設けて封止する封止処理を行った。用いたハニカム構造体10の気孔率は60%、熱膨張率は3×10-6/℃であった。
熱応力緩和層20には、酸化アルミニウム(アルミナ:Al23)とコーディエライト(2MgO・2Al23・5SiO2)とを50%(質量比)で混合した粉末をスラリー状にして使用した。封止部21にはアルミナセメントを用い、アルミナセメントをスラリー状にして使用した。
上記ハニカム構造体10に対して、熱応力緩和層20となるスラリー(第1の材料分散液)を薄膜状に形成した後、封止部21となるアルミナセメントのスラリー(第2の材料分散液)を充填して封止部21を製作した。熱応力緩和層20の熱膨張率は4.6×10-6/℃、封止部21の熱膨張率は7.2×10-6/℃であった。
(実施例2)
実施例1と同じハニカム構造体10を用いて、複数のセル11を、封止部21とセル壁12との間に、2層からなる熱応力緩和層20を設けて封止する封止処理を行った。
セル壁12に隣接する1層目の熱応力緩和層20aには、酸化アルミニウム33%、コーディエライト67%の割合で混合した粉末をスラリー状にして使用した。2層目の熱応力緩和層20bには、酸化アルミニウム67%(質量比)、コーディエライト33%(質量比)の割合で混合した粉末をスラリー状にして使用した。封止部21にはアルミナセメントを用い、アルミナセメントをスラリー状にして使用した。
上記ハニカム構造体10に対して、1層目の熱応力緩和層20aとなるスラリー(第1の材料分散液)を薄膜状に形成した後、2層目の熱応力緩和層20bとなるスラリー(第1の材料分散液)を薄膜状に形成した。その後、封止部21となるアルミナセメントのスラリー(第2の材料分散液)を充填して封止部21製作した。1層目の熱応力緩和層20aの熱膨張率は3.7×10-6/℃、2層目の熱応力緩和層20bの熱膨張率は5.4×10-6/℃、封止部21の熱膨張率は7.2×10-6/℃であった。
(実施例3)
実施例1と同じハニカム構造体10を用いて、複数のセル11を、封止部21とセル壁12との間に、1層からなる熱応力緩和層20を設けて封止する封止処理を行った。
熱応力緩和層20には、ムライト(3Al23・2SiO2)の粉末をスラリー状にして使用した。封止部21にはアルミナセメントを用い、アルミナセメントをスラリー状にして使用した。
上記ハニカム構造体10に対して、熱応力緩和層20となるスラリー(第1の材料分散液)を薄膜状に形成した。その後、封止部21となるアルミナセメントのスラリー(第2の材料分散液)を充填して封止部21を製作した。熱応力緩和層20aの熱膨張率は5×10-6/℃、封止部21の熱膨張率は7.2×10-6/℃であった。
(比較例1)
実施例1と同じハニカム構造体10を用いて、複数のセル11を熱応力緩和層20を設けることなく、封止部21のみにて封止する封止処理を行った。封止部21にはアルミナセメントを用い、アルミナセメントをスラリー状にして使用した。
上記ハニカム構造体10に対して、アルミナセメントのスラリーを充填して封止部21を製作した。封止部21の熱膨張率は7.2×10-6/℃であった。
(比較例2)
実施例1と同じハニカム構造体10を用いて、複数のセル11を、封止部21とセル壁12との間に、1層からなる熱応力緩和層20を設けて封止する封止処理を行った。
但し、熱応力緩和層20としては、フォルステライト(2MgO・SiO2)の粉末をスラリー状にして使用した。封止部21にはアルミナセメントを用い、アルミナセメントをスラリー状にして使用した。
上記ハニカム構造体10に対して、熱応力緩和層20となるスラリー(第1の材料分散液)を薄膜状に形成した。その後、封止部21となるアルミナセメントのスラリー(第2の材料分散液)を充填して封止部21を製作した。熱応力緩和層20aの熱膨張率は9.7×10-6/℃、封止部21の熱膨張率は7.2×10-6/℃であった。
Figure 2014094354
表1に、実施例1〜3、比較例1,2のハニカムフィルタに対して熱衝撃試験を行った結果を示す。表1における多段構造の有無は、熱応力緩和層20による段差の有無を表し、熱膨張率の関係は、熱応力緩和層20、封止部21および熱応力緩和層20の熱膨張率の関係を満足しているか否かを示す。熱膨張率の差(最大)は、熱応力緩和層20、封止部21および熱応力緩和層20、熱応力緩和層20が複数の層からなる場合はそれらの層も含め、隣り合うもの間の熱膨張率の差の最大値を示している。熱衝撃試験は、試験対象のハニカムフィルタを600℃の炉内に2時間保持し、その後空冷する処理を10回繰り返した。封止部21と接触するハニカム構造体10の部分や封止部21にクラックが発生するか否かを確認した。
表1に示すように、熱膨張率3×10-6/℃のハニカム構造体(セル壁)と熱膨張率7.2×10-6/℃の封止部21との差を、熱応力緩和層20,20aを間に設けることで小さくし、隣り合うもの間の熱膨張率の差を、4×10-6/℃以下に抑えた実施例1〜3のハニカムフィルタについては、試験後、封止部21と接触するハニカム構造体10の部分や封止部21にクラックは発生しなかった。
これに対し、熱応力緩和層20を設けなかった比較例1においては、セル壁12と封止部21との熱膨張率の差(4.2×10-6/℃)に起因する熱応力が生じ、封止部21にクラックが発生した。また、セル壁12と封止部21との間に、熱膨張率が9.7×10-6/℃の熱応力緩和層20を設けた比較例2では、熱応力緩和層20の熱膨張率がセル壁12と封止部21の各熱膨張率の間に納まっておらず、隣り合うもの間の熱膨張率の差が6.7×10-6/℃もあり、そのため、段差による熱応力の分散や緩和の効果はあったものの、結果的に封止部21と接触するハニカム構造体10や封止部21にクラックが発生した。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明は、ディーゼルエンジンの排気ガスに含まれる粒子状物質を捕集するための排気ガス浄化用フィルタとして好適に利用することができる。
1、1A ハニカムフィルタ
10 ハニカム構造体
11 セル
12 セル壁
15 外周被覆層
20 熱応力緩和層
21 封止部

Claims (6)

  1. セル壁によって区画されることで形成された一方向に延伸する複数のセルを有するハニカム構造体を備え、前記複数のセルにおける延伸方向の一方側の端部が隣接するセル同士交互に封止部にて封止されてなるハニカムフィルタにおいて、
    前記ハニカム構造体と前記封止部とは構成する成分が異なり、
    前記ハニカム構造体における前記延伸方向の少なくとも一方側の端部では、前記封止部と前記セル壁との間に、少なくとも1層からなる熱応力緩和層が形成され、
    前記熱応力緩和層は、前記ハニカム構造体と前記封止部との間の熱膨張率の違いにて生じる熱応力を緩和するもので、前記封止部よりも前記セルの奥方向に延伸して形成されると共に、前記ハニカム構造体の熱膨張率と前記封止部の熱膨張率との間の熱膨張率を有していることを特徴とするハニカムフィルタ。
  2. 前記ハニカム構造体の熱膨張率が前記封止部の熱膨張率よりも小さいことを特徴とする請求項1に記載のハニカムフィルタ。
  3. 前記封止部と前記熱応力緩和層とは組成が異なることを特徴とする請求項1又は2に記載のハニカムフィルタ。
  4. 前記ハニカム構造体は窒化珪素を主成分とし、前記封止部は酸化アルミニウムを主成分とすることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のハニカムフィルタ。
  5. 請求項1〜4の何れか1項に記載のハニカムフィルタの製造方法であって、
    前記ハニカム構造体の延伸方向の端部を、流動性を有する第1の材料分散液に浸漬して前記熱応力緩和層を形成する工程と、
    前記ハニカム構造体の前記熱応力緩和層が形成された端部を、流動性を有する第2の材料分散液に浸漬して前記封止部を形成する工程とを有することを特徴とするハニカムフィルタの製造方法。
  6. 第1の材料分散液の流動性が第2の材料分散液の流動性よりも高いことを特徴とする請求項5に記載のハニカムフィルタの製造方法。
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