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JP2014085513A - 光トランシーバ - Google Patents

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JP2014085513A
JP2014085513A JP2012234414A JP2012234414A JP2014085513A JP 2014085513 A JP2014085513 A JP 2014085513A JP 2012234414 A JP2012234414 A JP 2012234414A JP 2012234414 A JP2012234414 A JP 2012234414A JP 2014085513 A JP2014085513 A JP 2014085513A
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Daisuke Kawase
大輔 川瀬
Hiroyasu Omori
寛康 大森
Hiromi Kurashima
宏実 倉島
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Sumitomo Electric Industries Ltd
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Sumitomo Electric Industries Ltd
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Abstract

【課題】簡単な構造で外部へのノイズ放射を効果的に低減でき、小型化が可能な光トランシーバを提供する。
【解決手段】光トランシーバは、光電変換素子を搭載した光サブアセンブリ15と、この光サブアセンブリ15用の電子回路16を実装した回路基板17を、筐体内に収納保持している。筐体を構成するトップハウジング11およびボトムハウジング12の少なくともいずれか一方には、櫛歯状導電部材19と、歯と歯の間に充填された誘電体とからなる周期構造体(垂直型コルゲート構造体)が設けられている。櫛歯状導電部材19の寸法と数は、抑制する電磁波の周波数帯域によって定めることができる。また、周期構造体は筐体と一体に形成されていても別体に形成されていてもよい。
【選択図】図2

Description

本発明は、光信号によるデータ通信に用いられる光トランシーバに関する。
光通信に用いられる光トランシーバは、光信号を送信する送信用光サブアセンブリ(TOSA:Transmitter Optical Sub-Assembly)、光信号を受信する受信用光サブアセンブリ(ROSA:Receiver Optical Sub-Assembly)、または、送受信の双方の構成を持つ送受信用光サブアセンブリ等の光サブアセンブリを、多数の電子部品を実装した回路基板と共に金属製の筐体内部に収納保持して構成される。この場合、送受信の双方の機能を備え、ホスト装置のケージに挿抜されてケージ奥部に配された電気コネクタに接続されて動作するものを、一般にプラガブル型光トランシーバ(以下、光トランシーバという)といわれる。
図17は、従来の光トランシーバ100の一例を説明する図であり、例えば、光トランシーバ100は、光レセプタクル106の後部が断面矩形状の金属製の筐体105で囲われた長方形体で形成されている。光トランシーバ100は、ホスト装置101のフロントパネル103に設けられたパネル開口103aを通して、ホスト基板104上に載置されたケージ102内に挿抜自在に嵌めこまれ、ケージ102の奥部に配された電気コネクタ(図示せず)により電気的に接続される。また、光レセプタクル106内には光ファイバコネクタ107が挿入され、光トランシーバ100に実装されている発光素子および受光素子と光学的に接続され、光信号の送受信が行われる。
このような光トランシーバでは、光トランシーバの内部、もしくはホスト装置の内部からホスト装置の外部への電磁放射(EMI)を抑え、また放熱を促進するために、光トランシーバ100の金属製の筐体105を、接地されているケージ102またはホスト装置のフロントパネル103の開口103aに電気的に接触させて電磁的にシールドすることなどが行われている。
例えば、特許文献1には、光トランシーバを覆う金属製の筐体に設けた弾性フィンガが、光コネクタが挿入された状態のときに、金属製の筐体の外方に突き出されてケージ内面に電気的に接触してEMIシールドを形成し、光コネクタが挿入されていないときは、弾性フィンガは、ケージと無接触となって光トランシーバのケージへの着脱を容易にした構造が開示されている。また、特許文献2には、電磁波の遮断構造として、金属表面の電磁誘導表面電流を減少させるために、グランド電位の金属表面上に導電ビアによって支持された六角形の金属プレートを、対象とする電磁放射の波長よりも十分に小さい間隔で2次元的に配列したグランドプレーンメッシュ構造が開示されている。
特開2007−233261号公報 米国特許6262495号明細書
一般に、EMIシールドを考慮した光トランシーバの実装は、ホスト装置のフロントパネルとケージ間、並びに光トランシーバ筐体とケージ間を、複数のフィンガ又はタブ等により複数の電気接続パスを形成して接地電位の安定化を図るとともに、外部への漏洩口となるパネル開口付近の隙間となる部分を小さくするようにして、上記の特許文献1に開示されるような種々の提案がなされてきた。
しかしながら、近年は、情報伝送量の増大に伴い、伝送速度が高速化し、装置の動作周波数が高くなっているため、わずかな隙間からでも電磁放射が外部へ漏洩する。例えば、フロントパネルの開口とケージとの隙間、ケージと光トランシーバ筐体との隙間は、外向きと内向きのフィンガで部分的には塞ぐことが可能であるが、フィンガ間の隙間が残るため、この隙間から電磁放射ノイズの漏れが生じるおそれがある。
このため、出願人は、特願2010―282719号において、光トランシーバの筐体内部に櫛歯状導電部材を設けることにより、筺体の内部空間を伝搬する電磁ノイズを櫛歯状導電部材によって減衰させ、外部へのノイズ放射を効果的に低減できる発明を提案している。しかしながら、光トランシーバの大きさはMSA(Multi Source Agreement)等の業界標準で定められる中、ますます小型化を目指した標準化が進められており、光トランシーバの内部空間の余裕は少ない。そして、櫛歯状導電部材によるツイタテ構造は、後述するように櫛歯の高さが基本的に遮断したい波長の1/4になるため、櫛歯状導電部材が光トランシーバ内部で閉める容積は無視できず、その設置場所が制限され、他の実装部品の配置が制約されるという問題があった。
また、特許文献2に開示されたグランドプレーンメッシュ構造は、その構造が複雑であるため、光トランシーバ筐体の内部に例えばダイキャストや金属射出成型などの量産に適した方法で一体型として製作するのはきわめて困難である。
本発明は、これらの実情に鑑みてなされたものであり、簡単な構造で外部へのノイズ放射を効果的に低減でき、小型化が可能な光トランシーバを提供することを目的とする。
本発明による光トランシーバは、光電変換素子を搭載した光サブアセンブリと、該光サブアセンブリを実装した回路基板とを、ベースハウジングとトップハウジングからなる筐体の内部に収納保持した光トランシーバであって、前記筐体の内部に複数の歯を列設した櫛歯状導電部材が設けられ、前記歯と隣接する歯の間には誘電体が充填されていることを特徴とする。
前記筐体が導電体より形成され、前記櫛歯状導電部材が前記筐体と一体に形成されていると組立ての手間が省力化できるが、前記櫛歯状導電部材が前記筐体と別体に形成されていてもよく、互いに電気的に接触していればよい。また、前記櫛歯状導電部材の櫛歯が直方体でその断面が直線で構成されていてもよいが、曲線状の部分を含むことで適切な周波数特性を得ることも可能である。さらに、前記櫛歯状導電部材における歯の高さを等しく設けてもよいが、歯の高さを連続的に変えて設けてもよい。あるいは、前記櫛歯状導電部材は、第1の高さの複数の歯が配置された第1の櫛歯群と、該第1の歯の高さとは異なる第2の高さの複数の歯が配置された第2の櫛歯群を有してもよい。
本発明によれば、光トランシーバの筐体の内部に筐体内部に複数の歯が列設された櫛歯状導電部材を有し、前記歯と隣接する歯の間に誘電体が充填されている周期構造体を設けたことにより、筺体の内部空間を伝搬する電磁ノイズを周期構造体によって減衰させることができ、外部へのノイズ放射を効果的に低減できる。また、櫛歯状導電部材の歯と隣接する歯の間を誘電体で充填することによる電磁波吸収効果とあいまって周期構造体の高さを低く形成することができるため、筐体内に収容される回路基板などの配置の自由度が大きく、光トランシーバの小型化が可能となる。
本発明の実施形態に係る光トランシーバの一例を示す外観図である。 図1に示す光トランシーバの断面図である。 図1に示す光トランシーバの筐体の構成部材を示す図である。 櫛歯状導電部材の等価回路モデルを説明する図である。 櫛歯状導電部材による電磁波の遮断を説明する図である。 櫛歯状導電部材における減衰乗数について説明する図である。 櫛歯状導電部材における歯の数と減衰量のシミュレーション結果を示す図である。 櫛歯状導電部材のモデルを説明する図である。 櫛歯状導電部材へ誘電体を充填した場合としない場合における、遮断特性のFDTDシミュレーションを行なった結果を示す図である。 櫛歯状導電部材へ誘電体を充填した場合としない場合における電磁波吸収特性のFDTDシミュレーションを行なった結果を示す図である。 櫛歯状導電部材へ誘電体を充填した場合としない場合における試作品の電磁波吸収特性の実測結果を比較した図である。 櫛歯状導電部材へ誘電体を充填した場合における歯の数と電磁波吸収特性のシミュレーション結果を示す図である。 櫛歯状導電部材の他の例を説明するための図である。 櫛歯状導電部材のさらに他の例を説明するための図である。 櫛歯状導電部材のさらに他の例を説明するための図である。 櫛歯状導電部材のさらに他の例を説明するための図である。 従来の光トランシーバを説明するための図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。図1は、本発明の実施形態に係る光トランシーバの一例を示す外観図であり、図2は、図1に示す光トランシーバの断面図である。また、図3は、図1に示す光トランシーバの筐体の構成部材を示す図であり、内部が分かるように上下逆に示している。なお、以下の説明において、異なる図面においても同じ符号を付した構成は同様のものであるとして、その説明を省略する場合がある。
図において、1は光トランシーバ、11はトップハウジング、12はボトムハウジング、13はハウジングカバー、14はレセプタクル部、15は光サブアセンブリ、16は電子回路部品、17は回路基板、18はフレキシブル基板(FPC)、19は櫛歯状導電部材、40は誘電体を示す。
ここで、光サブアセンブリ15は、光信号を送信する光サブアセンブリ(TOSA)と光信号を受信する光サブアセンブリ(ROSA)を含み、それぞれ、互いに幅方向(X軸方向)に並列状態にして、レセプタクル部14により一体的に組み付けられてサブアセンブリユニットとされる。光サブアセンブリ15のTOSAおよびROSAには、それぞれ光電変換素子である発光素子および受光素子が搭載され、フレキシブル基板18を介して回路基板17に接続される。
そして、光サブアセンブリ15のTOSAとROSAのための電気信号処理、制御等は、回路基板17に実装された電子回路部品16からなる電子回路で行われる。回路基板17は、主回路基板として光トランシーバの主たる制御を行う回路装置に用い、IC回路等の発熱部品を搭載する基板とすることができる。また、1枚の回路基板17で電子回路を収納できない場合は、第2の回路基板を設けてもよい。なお、回路基板17のZ軸後方(レセプタクル部14側と反対側)には、光トランシーバをホスト装置に電気的に接続するための、コネクタ部が設けられる。
光トランシーバ1の筐体は、本実施形態では、トップハウジング11、ボトムハウジング12、および、ハウジングカバー13から構成される。トップハウジング11は、放熱とシールド機能を有する金属材で形成され、頂部壁11と一対の側壁11を有している。トップハウジング11の前部には、光コネクタを挿着するためのレセプタクル部14が設けられている。このレセプタクル部14は、図示しない光コネクタが挿着される一対のソケット孔14aを有し、光サブアセンブリ15のTOSA、ROSAのスリーブ部分に連通している。そして、トップハウジング11の頂部壁11の後部内面には、櫛歯状導電部材19と歯と歯の間に充填された誘電体40とからなる周期構造体20が設けられている。
ボトムハウジング12は、トップハウジング11の下部の開口を塞ぐ蓋形状を有しており、トップハウジング11と同様に、放熱とシールド機能を有する金属材で形成することができる。ボトムハウジング12の底部壁の前部内面は、トップハウジング11内に位置決めされて収納されているTOSA、ROSAを下方から押えて保持固定するようになっている。また、図には示していないが、ボトムハウジング12の底部壁の後部内面に、前記の周期構造体20が設けられてもよい。
ハウジングカバー13は、光トランシーバ1の後端側部を覆うコの字形状をしており、トップハウジング11および/またはボトムハウジング12に設けた周期構造体20を覆っている。ハウジングカバー13の材料は、トップハウジング11、ボトムハウジング12と同様に、放熱と電磁シールド機能を有する金属材で形成することができる。
トップハウジング11および/またはボトムハウジング12に設けた周期構造体20は、筺体の内部空間を伝搬する電磁ノイズを減衰させるためのものであって、櫛歯状導電部材を筐体の長手方向(Z軸方向)に沿って、例えば、一列に複数個配列したものである。櫛歯状導電部材の歯は、筐体の長手方向に直交する方向(X軸方向)に延びている。そして、周期構造体20は、光トランシーバ1が機器に挿入される活線挿抜部分、すなわち、光トランシーバ1の後端部のみ、もしくは、後端部と光コネクタが装着される側である前端部との両方の位置に設けられることが望ましい。また、周期構造体20は、トップハウジング11およびボトムハウジング12の少なくとも一方に設けるようにしてもよい。
次に、周期構造体20による電磁波の遮断について説明する。説明にあたって、まず、櫛歯構造体(以下、「垂直型コルゲート構造体」ともいう。)による電磁波の遮断について説明する。
図4は、櫛歯状導電部材の等価回路モデルを説明する図であり、図4(A)は、光トランシーバ内に設けた櫛歯構造体の断面を示す図、図4(B)は,櫛歯1ユニット当たりの伝送線路モデルの諸元(パラメータ)を示す図である。図4(C)は、櫛歯1ユニット当たりの伝送線路モデルの等価回路モデルを示す図である。
光トランシーバの筐体の内部空間は導波管と同様の構造となっている。したがって、その内部空間の構造で定まる遮断周波数以上の周波数を有するノイズは、筺体の内部空間を伝搬することになる。図4(A)において、30は櫛歯構造体、31は櫛歯を構成する歯(ツイタテ)、32は溝部、33は導波管を示す。
ここで、導波管の伝送線路モデルの櫛歯1ユニット当たりのパラメータとして、図4(B)に示すように、導波管33の横幅をa(m)、導波管33の高さをb(m)、1周期分の長さ(ピッチ)をp(m)、歯31の高さ(深さ)をt(m)、溝部の幅をw(m)、溝部32の比透磁率をμ、溝部32の比誘電率をεとする。そして、透磁率をμ(H/m)、誘電率をε(C/m)、1周期あたりのインピーダンスをZ(Ω)、1周期あたりのアドミタンスをY(S)、単位長さあたりのインピーダンスをZ’(Ω)、単位長さあたりのアドミタンスをY’(S)、角周波数をω(rad/s)、周波数をf(1/s)、カットオフ周波数をf(1/s)(ここで、f=1/(2a))、溝部でのインピーダンスをZs(Ω)、溝部での伝搬定数をβs(rad/m)、真空中の高速をc(m/s)とすれば、伝送線路モデルにおける実効的な透磁率μeff(H/m)は、式1で表すことができる。
Figure 2014085513
また、伝送線路モデルにおける実効的な誘電率εeff(C/m)は、式2で表すことができる。
Figure 2014085513
そして、櫛歯1ユニット当たりの伝送線路モデルの等価回路は、図4(C)に示す図となる。
図5は、垂直型コルゲート構造体による電磁波の遮断について説明するための図である。
ある特定の周波数帯域で電磁波が伝搬できない領域となる電磁バンドギャップ(EBG)は、図5(A)で示したμeff(式1)またはεeff(式2)のどちらか片方が負になる場合に形成され、これは、εeffとμeffの2次元平面を描いた場合、図5(A)の第2象限D2あるいは第4象限D4の場合に対応する。ここで、実効的な誘電率と透磁率を自由に操作できるという意味で、垂直型コルゲート構造体は、メタマテリアルの一つと考えられる。(参考文献 Christophe Caloz, Tatsuo Itoh著“Electromagnetic Metamaterials : Transmission Line Theory and Microwave Applications” Wiley-IEEE Press; 1版 (2005/11/25))
図5(B)に、図4(B)に示した伝送線路モデルの各パラメータの値を表1に示す値とした際の、εeffとμeffとの計算例を示す。εeff<0の領域はいわゆる導波管でのカットオフ周波数以下に対応する。この領域は導波管の幅aで一意に決まってしまうため、導波管サイズがすでに決められている状況ではギャップ領域の操作は不可能である。一方、μeff<0となる領域は、導波管内のショートスタブ構造(コルゲート構造)の形状を変更することで操作可能である。
Figure 2014085513
そして、ショートスタブのインピーダンスがオープンになる条件の時に、電磁波の遮断がおこるため、下記の式3を解いて、式4で示す遮断周波数fopenを得ることができる。
Figure 2014085513
Figure 2014085513
遮断したい周波数の電磁波の波長をλopenとした場合、コルゲート構造の歯の高さtは、式4から算出される値である必要がある。ここで、導波管横方向の長さが十分長く、a=∞、歯間の溝32に誘電体、磁性体が存在しない、すなわち、真空中で、溝部32の比透磁率μ=1、溝部32の比誘電率をε=1とすると、歯の高さtは、式5で示すように、遮断したい電磁波の波長の1/4になる。
Figure 2014085513
また、溝の隙間に誘電体または磁性体を設置した場合は、式6で示すように、1/√(εrμr)倍だけ歯の高さtを小さくすることができる。
Figure 2014085513
歯間の隙間32に充填する誘電体として、例えば、ポリイミド(10GHzで比誘電率3.2)、LCP(液晶ポリマー:25GHzで比誘電率2.9)、アクリル系放熱材(1MHzで比誘電率約4.4)などを用いることにより、歯の高さtを約0.5から0.6倍程度に抑えることが可能となる。
次に、垂直型コルゲート構造体を実際に使用するにあたって、導波管内を伝わる電磁波の減衰効果は大きい方が望ましい。図6は、垂直型コルゲート構造体における減衰乗数について説明するための図である。フロケの定理を用い、垂直型コルゲート構造体の櫛歯1ユニット当たりの減衰定数αは、式7で表すことができる。
Figure 2014085513
そして、図6に示すように、櫛歯を複数(N個)のユニット設けた際の入力電界振幅をAin、出力電界振幅をAoutとする場合、入力電界振幅をAinに対する出力電界振幅Aoutは、式8で示す関係となる。
Figure 2014085513
ここで、exp(−α)は歯を1つ有する櫛歯1ユニット当たりの減衰を示す。したがって、ユニットの数が多いほど、導波管内を伝わる電磁波の減衰効果は大きくなり、遮断性能は向上することになる。
図7は、垂直型コルゲート構造体におけるユニット数のシミュレーション結果を示す図であり、ユニットの形状を図4(A)で示す形状とし、各パラメータを表1に示す値とした場合における、FDTD(Finite Difference Time Domain)解析した結果を、周波数とSパラメータのS21の関係で示している。ここで、実際の光トランシーバでは、電界振幅が−30dB以上減衰する帯域が2GHz以上ある場合が望ましく、図7から、4枚以上の歯を有する櫛歯を設ければよいことが分かる。
次に、垂直型コルゲート構造体である櫛歯状導電部材において、歯と歯の間に誘電体を充填した場合としない場合における遮断周波数の関係について説明する。図8は、シミュレーションに用いた櫛歯状導電部材のモデルを説明する図であり、歯の高さをt、歯の厚みをt、歯と歯の間隔をwで示している。図9は、櫛歯状導電部材へ誘電体を充填した場合としない場合における、遮断特性のFDTDシミュレーションを行なった結果を示す図である。
図8に示す各パラメータの値は、歯の高さtが2.64mm、歯の厚みtが0.7mm、歯と歯の間隔wが1.3mm、であり、誘電体40の比誘電率εが4.0で20GHzでの誘電正接tanδが0.015とした。そして、図8(A)に示す櫛歯状導電部材へ誘電体を充填しない場合における、FDTD解析結果として周波数に対するSパラメータS11、S21の関係を図9(A)に示し、図8(B)に示す櫛歯状導電部材へ誘電体を充填した場合における結果を図9(B)にしている。なお、シミュレーションはユニット数が5、すなわち歯の数が5枚の場合について行った。これにより、インサーション・ロス(挿入損失)に相当するS21が大きくなる領域は、誘電体40を充填しない図8(A)のモデルよりも誘電体40を設けた図8(B)のモデルの方がより低い周波数で現われていることが分かる。したがって、同じ周波数帯域での減衰を生じさせるためには、誘電体40を設けた図8(B)のモデルの方が歯の高さはtを短くすることが可能となる。
また、図8に示したモデルと同様のモデルで、櫛歯状導電部材へ誘電体を充填した場合としない場合における電磁波吸収特性のFDTDシミュレーションを行なった結果を図10に、また、同じモデルでの試作品での電磁波吸収特性の実測結果を図11に示す。図10、図11において、実線が吸収率、破線が透過率、点線が反射率を示している。そして、図10(A)、図11(A)が充填しない場合を、また、図10(B)、図11(B)が誘電体を充填した場合を示している。これらの結果から、シミュレーションあるいは試作品とも、誘電体を充填することによって吸収率が上がり、結果として透過率を抑える著しい効果が得られることが分かる。
図12は櫛歯状導電部材へ誘電体を充填した場合における歯の数と電磁波吸収特性のシミュレーション結果を示す図である。モデルとしては、歯の高さtsが1.68mm、歯の厚みt1が0.7mm、歯と歯の間隔wsが1.3mm、であり、誘電体40の比誘電率εrが4.0で20GHzでの誘電正接tanδが0.015とした。図12において、歯の数が5枚の場合を点線で、歯の数が10枚の場合を破線で、歯の数が20枚の場合を実線で示している。これにより、歯の数が多いほど電磁波の吸収が大きくなることが分かる。
図13は櫛歯状導電部材の他の例を説明するための図である。図13に示す櫛歯状導電部材19は、トップハウジング11とは別体に形成された金属などの導電体からなり、トップハウジング11に固着されている。櫛歯状導電部材19の歯31と歯31との間には誘電体40が充填されており、櫛歯状導電部材19と誘電体40とで周期構造体20が構成されている。トップハウジング11と一体に櫛歯状導電部材19を形成したものでは、光トランシーバの駆動周波数に応じて櫛歯状導電部材19の歯31の高さが異なるトップハウジングを準備する必要があるが、図13に示す周期構造体20では、歯の高さの異なる周期構造体や誘電体材料の異なる周期構造体を複数準備しておき、種々の動作周波数を有する光トランシーバに適した周期構造体20をトップハウジング11に固着するだけで、簡単に電磁ノイズの放射を抑制することができる。なお、筐体とは別体に構成した周期構造体20をボトムハウジング12に固着するようにしてもよい。
図14は櫛歯状導電部材のさらに他の例を説明するための図であり、図14はトップハウジング11の内側から周期構造体20を見た図である。図14で示すように、櫛歯状導電部材19の各歯31は、必ずしもハウジングの長手方向に直交する方向に延びる直線状である必要はなく、断面が曲線状の箇所を有していてもよい。歯31と櫛31との間には誘電体が充填される。そして、断面が曲線状の箇所を有していても、電磁ノイズに対する作用は直線状の歯を有する周期構造体20の場合と同様である。
図15は櫛歯状導電部材のさらに他の例を説明するための図である。図15に示す櫛歯状導電体19は、歯31の高さを順次ts1、ts2、ts3・・・tsnとした際に、ts1>ts2>ts3・・・>tsnとなるように歯の高さ高さを連続的に変化させている。ここで、歯の高さは抑制対象とする電磁ノイズの基本波長λに対して1/4となるようにしている。これにより、抑制対象となる電磁ノイズが高調波を含む広帯域なノイズであった場合でも、効果的にノイズ放射を抑制することができる。
図16は櫛歯状導電部材のさらに他の例を説明するための図である。図16に示す櫛歯状導電部材は、第1の高さts1を有する複数の歯からなる第1の櫛歯状導電部材19と、第1の高さts1とは異なる第2の高さts2を有する複数の歯からなる第2の櫛歯状導電部材19とからなっている。そして、歯と歯の間に充填した誘電体40とともに、第1の周期構造体20および第2の周期構造体20とを構成している。それぞれの周期構造体の歯の高さを、抑制対象とする複数の周波数に合わせることで、光トランシーバ内で発生する複数の周波数の電磁ノイズを効果的に抑制することができる。なお、櫛歯群の数は図16の例では2つであるが、3つ以上としてもよい。
1…光トランシーバ、11…トップハウジング、12…ボトムハウジング、13…ハウジングカバー、14…レセプタクル部、15…光サブアセンブリ、16…電子回路部品、17…回路基板、18…フレキシブル基板、19…櫛歯状導電部材、20…周期構造体(垂直型コルゲート構造体)、20…周期構造体、30…櫛歯構造体、31…歯(ツイタテ)、32…溝部、33…導波管、40…誘電体、100…光トランシーバ、101…ホスト装置、102…ケージ、103…フロントパネル、104…ホスト基板、105…筺体、106…光レセプタクル、107…光ファイバコネクタ。

Claims (7)

  1. 光電変換素子を搭載した光サブアセンブリと、該光サブアセンブリを実装した回路基板とを、ベースハウジングとトップハウジングからなる筐体の内部に収納保持した光トランシーバであって、前記筐体の内部に複数の歯を列設した櫛歯状導電部材が設けられ、前記歯と隣接する歯の間に誘電体が充填されていることを特徴とする光トランシーバ。
  2. 前記筐体が導電体より形成され、前記櫛歯状導電部材が前記筐体と一体に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の光トランシーバ。
  3. 前記筐体が導電体より形成され、前記櫛歯状導電部材が前記筐体と別体に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の光トランシーバ。
  4. 前記櫛歯状導電部材の歯の断面が、曲線状の部分を含むことを特徴とする請求項1から3のいずれか1に記載の光トランシーバ。
  5. 前記櫛歯状導電部材における歯の高さが等しいことを特徴とする請求項1から4のいずれか1に記載の光トランシーバ。
  6. 前記櫛歯状導電部材における歯の高さが連続的に変化していることを特徴とする請求項1から4のいずれか1に記載の光トランシーバ。
  7. 前記櫛歯状導電部材が、第1の高さの複数の前記歯が配置された第1の櫛歯群と、前記第1の高さとは異なる第2の高さの複数の前記歯が配置された第2の櫛歯群とを備えることを特徴とする請求項1から4のいずれか1に記載の光トランシーバ。
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