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JP2014082947A - アミノ酸変性ルシフェリンおよびその用途 - Google Patents

アミノ酸変性ルシフェリンおよびその用途 Download PDF

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Abstract

【課題】 ルシフェラーゼの発光基質となるアミノ酸変性ルシフェリン又はルシフェリン誘導体を提供すること。また、これを用いた検出方法を提供すること。
【解決手段】 1個のアミノ酸(但し、グリシンは除く)又は2〜4個のアミノ酸からなるオリゴアミノ酸が付加されたルシフェリン又はルシフェリン誘導体を含む、ルシフェラーゼ基質。下記の式(I)で表される化合物。
【化1】

(式中、R1は、1個のアミノ酸(但し、グリシンは除く)又は2〜4個のアミノ酸からなるオリゴアミノ酸である)
【選択図】 なし

Description

本発明は、アミノ酸変性ルシフェリンおよびその用途に関する。
ルシフェリン/ルシフェラーゼ反応は、極めてエネルギー変換効率の高い反応であり、ルシフェラーゼ遺伝子をレポーターとして用いる遺伝子発現解析、食品衛生検査などに広く利用されている。
ルシフェラーゼ酵素と反応して発光を生じる基質として、これまでに種々の化合物が開発されてきた。
例えば、特開2005-530485(特許文献1)では、アミノ酸残基を3つ以上有するアミノ酸変性アミノルシフェリンを発光ルシフェリンの前駆体として使用している。すなわち、プロテアーゼ(具体的には、トリプシン、カスパーゼ3)の作用によりアミノ酸変性アミノルシフェリンがカルボアミド基で分解して、アミノルシフェリンが生成し、これがルシフェラーゼと反応して生じる発光を検出することで、プロテアーゼの検出を行っている。
また、Biochemistry 2006, 45, 11103-11112(非特許文献1)では、グリシン-D-アミノルシフェラーゼを用いたルシフェラーゼアッセイについて報告されている。
特開2005-530485公報
Biochemistry 2006, 45, 11103-11112
本発明は、ルシフェラーゼの発光基質となるアミノ酸変性ルシフェリン又はルシフェリン誘導体を提供することを目的とする。
また、本発明は、アミノ酸変性ルシフェリン又はルシフェリン誘導体を用いた発光検出方法を提供することも目的とする。
上記課題を解決すべく鋭意努力した結果、本発明者は、新規なアミノ酸変性ルシフェリン誘導体を製造し、それがルシフェラーゼと反応して、発光を生じることを見出し、本発明を完成させるに到った。
本発明の要旨は以下の通りである。
(1)1個のアミノ酸(但し、グリシンは除く)又は2〜4個のアミノ酸からなるオリゴアミノ酸が付加されたルシフェリン又はルシフェリン誘導体を含む、ルシフェラーゼ発光基質。
(2)1個のアミノ酸(但し、グリシンは除く)又は2〜4個のアミノ酸からなるオリゴアミノ酸が付加されたルシフェリン誘導体が、下記の式(I)で表される(1)記載のルシフェラーゼ発光基質。
(式中、R1は、1個のアミノ酸(但し、グリシンは除く)又は2〜4個のアミノ酸からなるオリゴアミノ酸である)
(3)R1がGly-Pro-Met-Asp-(配列番号1)、Phe-Thr-Val-Gly-(配列番号2)、Leu-Gln-Lys-Gln-(配列番号3)、Phe-Leu-Gly-Lys-(配列番号4)、Phe-Val-Ala-Pro-(配列番号5)、Pro-Phe-His-Leu-(配列番号6)、Gly-Asn-Gln-Trp-(配列番号7)、Met-Gly-Lys-Gly-(配列番号8)、およびVal-Gln-Ser-Lys-(配列番号9)からなる群より選択される(2)記載のルシフェラーゼ発光基質。
(4)下記の式(I)で表される化合物。
(式中、R1は、Gly-Pro-Met-Asp-(配列番号1)、Phe-Thr-Val-Gly-(配列番号2)、Leu-Gln-Lys-Gln-(配列番号3)、Phe-Leu-Gly-Lys-(配列番号4)、Phe-Val-Ala-Pro-(配列番号5)、Pro-Phe-His-Leu-(配列番号6)、Gly-Asn-Gln-Trp-(配列番号7)、Met-Gly-Lys-Gly-(配列番号8)、およびVal-Gln-Ser-Lys-(配列番号9)からなる群より選択されるオリゴアミノ酸である)
(5)(1)〜(3)いずれか記載のルシフェラーゼ発光基質を含む検体と、ルシフェラーゼと反応させ、発光を検出することを特徴とする、ルシフェラーゼ発光基質の検出方法。
本発明により、新規なアミノ酸変性ルシフェリン又はルシフェリン誘導体が提供された。これらの化合物とルシフェラーゼとの反応により生じる発光は、発光分析方法に用いることができる。例えば、この発光分析方法により、新規なアミノ酸変性ルシフェリン又はルシフェリン誘導体が存在する検体であるか否かを高感度に検出することができる。
製造例1で製造した化合物(Phe-Leu-Gly-Lys-アミノルシフェリン)のTof−Msスペクトル。
以下、本発明の実施の形態についてより詳細に説明する。
本発明は、1個のアミノ酸(但し、グリシンは除く)又は2〜4個のアミノ酸からなるオリゴアミノ酸が付加されたルシフェリン又はルシフェリン誘導体を含む、ルシフェラーゼ基質を提供する。
ルシフェリン又はルシフェリン誘導体に付加される1個のアミノ酸(但し、グリシンは除く)としては、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、メチオニン、トリプトファン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、システイン、チロシン、アスパラギン、グルタミン、リシン、ヒスチジン、アルギニン、アスパラギン酸、グルタミン酸などのアミノ酸を例示することができ、ルシフェリン又はルシフェリン誘導体に付加される2〜4個のアミノ酸からなるオリゴアミノ酸としては、Gly-Pro-Met-Asp-(配列番号1)、Phe-Thr-Val-Gly-(配列番号2)、Leu-Gln-Lys-Gln-(配列番号3)、Phe-Leu-Gly-Lys-(配列番号4)、Phe-Val-Ala-Pro-(配列番号5)、Pro-Phe-His-Leu-(配列番号6)、Gly-Asn-Gln-Trp-(配列番号7)、Met-Gly-Lys-Gly-(配列番号8)、およびVal-Gln-Ser-Lys-(配列番号9)などのオリゴアミノ酸を例示するこができるが、これらに限定されることはない。また、アミノ酸は、L体、D体、ラセミ体のいずれであってもよい。
ルシフェリン又はルシフェリン誘導体は、1個のアミノ酸(但し、グリシンは除く)又は2〜4個のアミノ酸からなるオリゴアミノ酸が付加されても、ルシフェラーゼの作用により発光するものであれば特に限定されないが、好ましくは、甲虫由来のホタル・ルシフェリン(すなわち、多複素式有機酸(S)−4,5−ジヒドロ−2−(6−ヒドロキシベンゾチアゾール−2−イル)チアゾール−4−カルボン酸の誘導体である、(S)−4,5−ジヒドロ−2−(6−アミノベンゾチアゾール−2−イル)チアゾール−4−カルボン酸(以下、「アミノルシフェリン」と記す)である。
ルシフェリン又はルシフェリン誘導体は塩の形態であってもよい。塩としては、カリウム塩、ナトリウム塩などを挙げることができる。
1個のアミノ酸(但し、グリシンは除く)又は2〜4個のアミノ酸からなるオリゴアミノ酸が付加されたアミノルシフェリンは、下記の式(I)で表される。
(式中、R1は、1個のアミノ酸(但し、グリシンは除く)又は2〜4個のアミノ酸からなるオリゴアミノ酸である)
アミノ酸は、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、メチオニン、トリプトファン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、システイン、チロシン、アスパラギン、グルタミン、リシン、ヒスチジン、アルギニン、アスパラギン酸、グルタミン酸などのアミノ酸を例示することができるが、これらに限定されることはない。また、アミノ酸は、L体、D体、ラセミ体のいずれであってもよい。
式(I)中、R1は、Gly-Pro-Met-Asp-(配列番号1)、Phe-Thr-Val-Gly-(配列番号2)、Leu-Gln-Lys-Gln-(配列番号3)、Phe-Leu-Gly-Lys-(配列番号4)、Phe-Val-Ala-Pro-(配列番号5)、Pro-Phe-His-Leu-(配列番号6)、Gly-Asn-Gln-Trp-(配列番号7)、Met-Gly-Lys-Gly-(配列番号8)、およびVal-Gln-Ser-Lys-(配列番号9)からなる群より選択されるとよい。
本発明のルシフェラーゼ基質と反応して、発光を生ぜしめるルシフェラーゼは、特に限定されるわけではないが、好ましくは、甲虫由来のホタル・ルシフェリン(すなわち、多複素式有機酸D−(−)−2−(6‘ヒドロキシ−2’−ベンゾチアゾリル)−△2−チアゾリン−4−カルボン酸)を発光基質とし、これを酸化触媒して光子を発する酵素で、ホタル科、ヒカリコメツキ科、ホタルモドキ科、イリオモテボタル科など発光甲虫由来で発光反応に与る酵素全てを含む。この中には組換えDNA技術や変異技術などにより、酵素タンパク自体の安定性や発光特性などが人為的に改変された酵素も含まれる。
本発明のルシフェリン基質とルシフェラーゼの発光反応は、10℃〜50℃の温度で、pH4〜10の条件下で行うとよい。本発明のルシフェリン基質とルシフェラーゼの発光反応において、発光半減期を1分以上、30分以上、60分以上、7時間以上または10時間以上に制御することができる。本明細書において、「発光半減期」とは、発光量が最大発光量の1/2になるのに要する時間をいう。発光半減期は、経時発光量を測定することにより、求めることができる。ルシフェリン/ルシフェラーゼの発光反応の発光量は、公知の方法により測定することができる。例えば、市販のルミノメーターにより発光強度を測定する。
発光量の測定は、所望の期間にわたり、所望の時間間隔で行えばよい。例えば、プロテアーゼ又はプロテアーゼ産生微生物の検出においては、発光反応の開始直後から、1秒〜30分間の積算発光を測定するとよい。
また、本発明は、式(I)で表される化合物を提供する。
(式中、R1は、1個のアミノ酸(但し、グリシンは除く)又は2〜4個のアミノ酸からなるオリゴアミノ酸である)
1については、上述した。
式(I)で表される化合物は、これらの化合物を分解・生成する環境からも得られるが、公知の方法を準用して合成できる。
式(I)で表される化合物は、例えば、下記の式(III)で表される化合物と6−アミノ−2−シアノベンゾチアゾールを反応させ、式(IV)で表される化合物を生成させ、さらに、式(IV)で表される化合物とD−システイン又はその塩若しくはエステルを反応させ、式(V)で表される化合物を生成させ、脱保護基することで得られる。
(式中、R12は、アミノ基が保護されたアミノ酸(但し、グリシンは除く)又はN末端のアミノ基が保護されたオリゴアミノ酸であるが、N末端以外のアミノ基を有する場合には、そのアミノ酸も保護されてもよい)
(式中、R12は、アミノ基が保護されたアミノ酸(但し、グリシンは除く)又はN末端のアミノ基が保護されたオリゴアミノ酸であるが、N末端以外のアミノ基を有する場合には、そのアミノ酸も保護されてもよい)
(式中、R12は、アミノ基が保護されたアミノ酸(但し、グリシンは除く)又はN末端のアミノ基が保護されたオリゴアミノ酸であるが、N末端以外のアミノ基を有する場合には、そのアミノ酸も保護されてもよい)
これらの化合物のアミノ基の保護基としては、tert-ブトキシカルボニル基(Boc)、ベンジルオキシカルボニル基(Z)、9-フルオレニルメチルオキシカルボニル基(Fmoc)などを例示することができる。
式(III)で表される化合物は、アミノ基が保護されたアミノ酸(但し、グリシンは除く)又はN末端のアミノ基が保護されたオリゴアミノ酸をN-メチルモルフォリンの存在下でイソブチルクロロホーメートと反応させることにより、製造することができる。
溶剤としては、活性水素基を構造に含まない、エーテル系、ケトン系、石油系溶剤を用いることができる。
エーテル系溶媒としては、分岐もしくは直鎖状エーテル、及び環状エーテルが有効に用いられる。具体的には、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、シクロペンチルメチルエーテル、等が挙げられる。
ケトン系溶剤としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、およびシクロヘキサノン等が挙げられる。
石油系溶剤としては、トルエン、キシレンやその他高沸点の芳香族溶剤等や、ヘキサン、シクロヘキサン等の脂肪族および脂環族溶剤を使用することも可能である。
これらの内、溶解度の高いエーテル系溶媒が好ましい。さらに沸点の低い、ジメチルエーテル、テトラヒドロフランが特に好ましい。
溶剤量は、オリゴアミノ酸を溶解できる量が必要であり、オリゴアミノ酸1に対し1〜100倍量を用いることができる。
反応温度は低いほうが好ましく、選択した溶媒の凝固温度以上でなるべく低温で行うことができる。具体的には-20〜10℃で行うことが好ましい。
反応促進、反応温度の低下および副生する塩化水素の除去を目的に塩基性触媒(例えば、ピリジン、ピペリジン、N−メチルピペリジン、N−メチルモルフォリン、トリエチルアミン、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸アンモニウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム)を添加することができる。
反応時間は適時、溶剤種、溶媒量、反応温度、触媒量、時間程度およびイソブチルクロロホーメートの等量で0.1〜100時間の間で設定できる。
式 (IV)で表される化合物は、式(III)で表される化合物と6−アミノ−2−シアノベンゾチアゾールを反応させることにより、製造することができる。
溶剤としては、特に制限はないが、水、アルコール系、エーテル系、ケトン系、芳香族炭化水素系溶媒、脂肪族炭化水素系溶剤、ハロゲン化炭化水素系溶媒を用いることができる。
アルコール系溶媒としては、メタノール、1−ブタノール、2−ブタノール、シクロヘキサノール等が挙げられ、ケトン系溶媒としては、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトン等が挙げられる。エーテル系溶媒としては、分岐もしくは直鎖状エーテル、及び環状エーテルが有効に用いられ、具体的には、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、シクロペンチルメチルエーテルが挙げられる。また、芳香族炭化水素系溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレン等が挙げられ、脂肪族炭化水素系溶媒としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等が挙げられ、ハロゲン化炭化水素系溶媒としてはクロロホルム、二塩化炭素、四塩化炭素、塩化エチレン等が挙げられる。これらの中では、その安全性や、後処理において溶媒を除去する際の操作性の観点から、エーテル系、特にジメチルエーテル、テトラヒドロフランが好ましい。
これらの有機溶媒は、単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
溶剤量は、溶解できる量が必要であり、生成物に対し1〜100倍量を用いることができる。
反応は−20〜20℃で行うことができる。
反応時間は制限がなく、0.1〜100時間の間で設定できる。
式(V)で表される化合物は、式(IV)で表される化合物とD−システイン又はその塩若しくはエステルを反応させることにより、製造することができる。
溶剤としては十分に脱気した水を用いることができ、式(IV)で表される化合物1あたり0.5〜100倍量用いることができる。反応温度は0〜40℃で行うことができ、反応間pHを6〜8に維持する。反応時間は0.5〜100時間とすることができる。
式(V)で表される化合物を脱保護することにより、式(I)で表される化合物を得ることができる。
溶剤としては、ハロゲン化炭化水素系溶媒を用いることができ、クロロホルム、二塩化炭素、四塩化炭素、塩化エチレン等が挙げられる。触媒として、ハロゲン化酢酸を用いることができ、トリフルオロ酢酸が特に好ましい。触媒の濃度はハロゲン化炭化水素系溶媒に対して、0.5〜50%とすることができ、10〜30%が好ましい。溶剤量は、溶解できる量が必要であり、生成物に対し1〜100倍量を用いることができる。
反応は−20〜40℃で行うことができる。反応時間は制限がなく、0.1〜100時間の間で設定できる。
本発明のルシフェラーゼ基質をルシフェラーゼと反応させ、その発光を検出することにより、ルシフェラーゼ発光基質を検出することができる。
ルシフェリン/ルシフェラーゼの発光反応は、アデノシン三リン酸(ATP)とMgイオンの存在下、基質であるルシフェリンをルシフェラーゼと反応させることにより生じうる。この発光反応においては、コエンザイムA(CoA)、還元剤(例えば、ジチオトレイトール(DTT)、ピロリン酸、ピロリン酸塩、ジチオエリトルトール、βメルカプトエタノール、2−メルカプトプロパノール、3−メルカプトプロパノール、2,3−ジチオプロパノール、グルタチオンなど)、緩衝剤(例えば、Tris-HCl、Tricine、HEPES、TES、MOPS、PIPES、MESなど)などを添加してもよい。本発明のルシフェラーゼ基質とルシフェラーゼの発光反応も同様の方法で行うことができる。また、ルシフェラーゼ発光基質の検出にあたっては、上記の添加剤の他、界面活性剤などを添加してもよい。
以下、実施例に基づいて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
〔製造例1〕
Phe-Leu-Gly-Lys-アミノルシフェリンの合成スキームを以下に示す。
200ml三つ口フラスコに、窒素雰囲気下、THF20ml、つくばオリゴサービス株式会社製Phe(Boc)LeuGlyLys(Boc)0.3850gを滴下した。−6〜−10℃で、東京化成工業株式会社製N−メチルモルフォリン0.1173gを滴下し、さらに、東京化成工業株式会社製イソブチルクロロホルメート0.0871gのTHF溶液を滴下し、さらに、6−アミノ−2−シアノベンゾチアゾール(Aldrich)0.0996gのTHF溶液を滴下した。室温で一晩攪拌し、THFを留去し、酢酸エチルで希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、5重量%塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。酢酸エチル層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させた後、酢酸エチルを留去して、工程2生成物0.4474gを得た。
50ml先細フラスコに、窒素雰囲気下、室温で、無水炭酸ナトリウム0.0578g、東京化成工業株式会社製D−システイン塩酸塩0.0854gの水溶液を滴下し、工程2生成物0.4474gのメタノール溶液を滴下し、一晩攪拌後、溶媒を留去し、ジクロロメタンで希釈し、トリフルオロ酢酸1mlを滴下し、溶剤を留去して、粗製生成物0.40gを得た。粗製生成物を0.1gをとり、分析用カラムInertsil ODS−3 を用いて、20mM酢酸アンモニウム緩衝液(pH7.0)およびメタノールを用いるHPLCカラムによって精製した。精製するフラクションを集め、凍結乾燥して工程4生成物を0.01gを得た。工程4生成物は、Tof−Msにより、725.297の分子量が検出され、理論値725.290と一致して、目的物であることが確認された(図1)。
〔実施例1〕
下記の表1の発光試薬を調製した。ルシフェラーゼは、プロメガ社製、QuantiLum(TM) Recombinant Luciferaseを用いた。
製造例1で製造したPhe-Leu-Gly-Lys-アミノルシフェリン0.032mgに対して、発光試薬100μLを添加し、ルミノメーター(Berthold社製 LB9506)によって得られる発光反応開始から10秒間における積算発光強度を測定した。結果を表2に示す(「合成基質」)。対照として、Phe-Leu-Gly-Lys-アミノルシフェリンを添加せず、発光試薬のみの場合の発光強度も測定した(表2の「基質なし」)
本発明の発光基質は、十分な発光強度で発光観測できることがわかった。
以上のことから、上記ペプチドを付加したルシフェリン又はルシフェリン誘導体は、ルシフェラーゼの発光基質として、発光検出に利用できることがわかった。例えば、測定対象の試料(例えば、ヒト血液、動物血液、ヒト体液、動物体液、細胞など)に含まれる物質との代謝反応などで、上記ペプチド付加ルシフェリン又はルシフェリン誘導体が生じるように設計すれば、その試料中に代謝反応など起こす物質が存在すれば、ルシフェラーゼ発光基質(すなわち、ペプチド付加ルシフェリン又はルシフェリン誘導体)が生成するので、ルシフェラーゼとの反応により、発光が検出される。この発光を検出することにより、代謝反応など起こす物質の存在を検出することができる。また、ペプチド付加ルシフェリン又はルシフェリン誘導体をこの発光検出法における発光基質の標準品として予め用意しておけば、試料からの発光を定量化することが可能となる。
本発明の新規な発光基質は、従来の発光検出方法に広く利用可能である。
<配列番号1>
配列番号1は、式(I)で表される化合物中のR1の基の一例であるアミノ酸配列を示す。
<配列番号2>
配列番号2は、式(I)で表される化合物中のR1の基の一例であるアミノ酸配列を示す。
<配列番号3>
配列番号3は、式(I)で表される化合物中のR1の基の一例であるアミノ酸配列を示す。
<配列番号4>
配列番号4は、式(I)で表される化合物中のR1の基の一例であるアミノ酸配列を示す。
<配列番号5>
配列番号5は、式(I)で表される化合物中のR1の基の一例であるアミノ酸配列を示す。
<配列番号6>
配列番号6は、式(I)で表される化合物中のR1の基の一例であるアミノ酸配列を示す。
<配列番号7>
配列番号7は、式(I)で表される化合物中のR1の基の一例であるアミノ酸配列を示す。
<配列番号8>
配列番号8は、式(I)で表される化合物中のR1の基の一例であるアミノ酸配列を示す。
<配列番号9>
配列番号9は、式(I)で表される化合物中のR1の基の一例であるアミノ酸配列を示す。

Claims (5)

  1. 1個のアミノ酸(但し、グリシンは除く)又は2〜4個のアミノ酸からなるオリゴアミノ酸が付加されたルシフェリン又はルシフェリン誘導体を含む、ルシフェラーゼ発光基質。
  2. 1個のアミノ酸(但し、グリシンは除く)又は2〜4個のアミノ酸からなるオリゴアミノ酸が付加されたルシフェリン誘導体が、下記の式(I)で表される請求項1記載のルシフェラーゼ発光基質。
    (式中、R1は、1個のアミノ酸(但し、グリシンは除く)又は2〜4個のアミノ酸からなるオリゴアミノ酸である)
  3. 1が、Gly-Pro-Met-Asp-(配列番号1)、Phe-Thr-Val-Gly-(配列番号2)、Leu-Gln-Lys-Gln-(配列番号3)、Phe-Leu-Gly-Lys-(配列番号4)、Phe-Val-Ala-Pro-(配列番号5)、Pro-Phe-His-Leu-(配列番号6)、Gly-Asn-Gln-Trp-(配列番号7)、Met-Gly-Lys-Gly-(配列番号8)、およびVal-Gln-Ser-Lys-(配列番号9)からなる群より選択される請求項2記載のルシフェラーゼ発光基質。
  4. 下記の式(I)で表される化合物。
    (式中、R1は、Gly-Pro-Met-Asp-(配列番号1)、Phe-Thr-Val-Gly-(配列番号2)、Leu-Gln-Lys-Gln-(配列番号3)、Phe-Leu-Gly-Lys-(配列番号4)、Phe-Val-Ala-Pro-(配列番号5)、Pro-Phe-His-Leu-(配列番号6)、Gly-Asn-Gln-Trp-(配列番号7)、Met-Gly-Lys-Gly-(配列番号8)、およびVal-Gln-Ser-Lys-(配列番号9)からなる群より選択されるオリゴアミノ酸である)
  5. 請求項1〜3いずれか記載のルシフェラーゼ発光基質を含む検体と、ルシフェラーゼと反応させ、発光を検出することを特徴とする、ルシフェラーゼ発光基質の検出方法。
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