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JP2014080130A - 車体姿勢制御システム - Google Patents

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JP2014080130A JP2012229915A JP2012229915A JP2014080130A JP 2014080130 A JP2014080130 A JP 2014080130A JP 2012229915 A JP2012229915 A JP 2012229915A JP 2012229915 A JP2012229915 A JP 2012229915A JP 2014080130 A JP2014080130 A JP 2014080130A
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Abstract

【課題】コンパクトな構成で、車体の傾斜調整が可能な車体姿勢制御システムを提供する。
【解決手段】車体姿勢制御システム100では、第一制御機構140は、第一給排気機構150を支持するとともに、第一位置から第二位置までスライド可能なスライド支持部142と、台車枠に対する車体の目標傾斜角度に応じて、スライド支持部142のスライド位置を調整するスライド調整機構149と、空気バネ10の長さに応じて変位する操作子141と、を備え、操作子141は、スライド調整機構149によりスライド支持部142が第一位置から所定のスライド量だけ第二位置側にスライドされた場合に、第一給排気機構150による給気操作又は排気操作を行う操作位置に変位可能であることを特徴とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、車体姿勢制御システムに関するものである。
一般に、鉄道車両が曲線を高速で走行すると乗客に超過遠心力が働くため、乗客が不快な乗り心地を感じることがある。
このような状況を緩和するために、曲線走行時に車体を内軌側に傾けることで乗客にかかる超過遠心力を低減させる技術が採用されている。この一例として、新幹線車両や在来線特急車両等において、台車枠と車体との間に設けられた左右一対の空気バネを用いて車体の傾斜制御が可能な車両が実用化されている(下記特許文献1,非特許文献1参照)。
上記車両は、空気バネによって車体の高さ調整と傾斜制御との両方を実行するため、高さ調整用、傾斜制御用の弁装置がそれぞれ別個に必要となり、構成自体が大掛かりで大きなスペースを要してしまうという問題があった。このような課題に鑑みて、コンパクトな構成でもって車両の高さ調整と傾斜制御との両方を実現することが可能な鉄道車両の車体姿勢制御システムが提案されている(下記特許文献2参照)。
下記特許文献2に記載の車両は、空気バネのバネ長さすなわち、車体の台車枠に対する距離変化に応じて相対回転するレバーと、該レバーの相対回転に応じて空気バネに対する圧縮空気の供給及び排出を行う傾斜制御部及び高さ調整部とを備えている。
このような車両では、例えば車両が停止している等の場合、台車枠に対して車体の高さが相対的に低くなると、高さ調整部が左右一対の空気バネに対して略同時に圧縮空気を送り込むことで、該空気バネを伸張させ、車体の高さが保持される。一方、台車枠に対して車体の高さが相対的に高くなると、高さ調整部が左右一対の空気バネから略同時に圧縮空気を排出することで、該空気バネを収縮させ、車体の高さが保持される。
さらに、車両が曲線にさしかかると、レバーが相対回転され、主に傾斜制御部が外軌側に設けられた空気バネに圧縮空気を強制的に送り込み、該空気バネを伸張させる。これにより、車体が内軌側に傾き、乗客の乗り心地が改善される。
特公昭47−41165号公報 特開2012−86656号公報
玉置 俊治,「空気バネを利用した車体傾斜装置の開発と効果(その2)」,R&m 2006.6,pp.50〜53
ところで、上記の特許文献2に記載の車両は、傾斜制御部および高さ調整部が同一ケーシング内に一体的に収容されている。このケーシングは、車体に対して傾動可能に支持され、エアシリンダに連係されている。また、ケーシングは、上記レバーを回転可能に支持し、エアシリンダによって所定の傾斜方向に強制的に傾動可能とされている。ケーシングが傾動された場合には、ケーシングに対してレバーが強制的に相対回転され、このレバーが強制的に相対回転されたときにのみ上記傾斜制御部が動作可能となっている。
しかしながら、上記システムの場合、ケーシングを強制的に傾動させるエアシリンダや、ケーシングの傾動支持機構が必要となるため、部品点数が多く更なる小型化が困難であった。
また、鉄道車両の場合、車体の下部スペースに余裕がないため、上記エアシリンダや、傾動機構などを取り付けるための大規模空間の確保が困難になる虞がある。さらに車体の下部における各種車載装置の配置自由度が低下してしまう虞があるという課題がある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、コンパクトな構成で、車体の傾斜調整が可能な車体姿勢制御システムを提供するものである。
上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を採用している。
すなわち、本発明に係る車体姿勢制御システムは、車体と該車体を支持する台車枠との間の車幅方向両側に設けられた複数の空気バネに対し圧縮空気を給排気することで、前記車体の姿勢を制御する車体姿勢制御システムであって、前記圧縮空気を供給する圧縮空気供給手段と、前記複数の空気バネの給排気を個別に行う複数の第一給排気機構と、前記複数の第一給排気機構における前記圧縮空気の給排気を個別に制御することで前記車体の傾斜角度を制御する第一制御機構とを備え、前記第一制御機構は、前記第一給排気機構を支持するとともに、第一位置から第二位置までスライド可能なスライド支持部と、前記台車枠に対する前記車体の目標傾斜角度に応じて、前記スライド支持部のスライド位置を調整するスライド調整機構と、前記空気バネの長さに応じて変位する操作子と、を備え、該操作子は、前記スライド調整機構により前記スライド支持部が前記第一位置から所定のスライド量だけ第二位置側にスライドされた場合に、前記第一給排気機構による給気操作又は排気操作を行う操作位置に変位可能であることを特徴とする。
このように構成された車体姿勢制御システムでは、スライド調整機構によりスライド支持部のスライド位置を調整して第一給排気機構と操作子との相対位置を変位させ、操作子を操作位置まで変位可能な状態にすることができる。そのため、例えば、車体の傾斜制御を行いたい場合にのみ車幅方向両側に設けられた複数の空気バネに対して車体を傾斜させるための給気又は排気を行うことが可能となる。したがって、エアシリンダおよび傾動機構等を用いずに、車体の傾斜が必要なときにだけ選択的に空気バネの給排気の調整が可能となるため、コンパクトな構成で車体の傾斜調整が可能となる。
また、本発明に係る車体姿勢制御システムは、前記複数の空気バネの給排気を個別に行う複数の第二給排気機構と、該第二給排気機構における前記圧縮空気の給排気を制御することで前記車体の高さを制御する第二制御機構とを備え、前記第二制御機構は、前記空気バネの長さに応じて変位する高さ調整用操作子を備え、前記高さ調整用操作子は、前記空気バネの長さが予め設定された基準長さよりも長い場合に前記第二給排気機構による前記空気バネの排気操作を行う排気位置に変位する一方で、前記基準長さよりも短い場合に前記第二給排気機構による前記空気バネの給気操作を行う給気位置に変位することが好ましい。
このように構成された車体姿勢制御システムでは、第二給排気機構及び第二制御機構によって空気バネの長さを基準長さに保持することができるため、台車枠に対する車体の高さ位置を保持することもできる。また、傾斜制御を行う場合には、上述した第一給排気機構及び第一制御機構によって車幅方向の一側に設けられた空気バネの長さと、車幅方向の他側に設けられた空気バネの長さとに変化をつけて台車枠に対して車体を傾斜させることができる。
また、本発明に係る車体姿勢制御システムは、前記第二制御機構は、前記高さ調整用操作子による操作を遅延させる遅延機構部を有していてもよい。
このように構成された車体姿勢制御システムでは、車体の傾斜制御を行う場合には、即座に空気バネの長さを変化させて迅速な車体傾斜を行うことができるため、例えば、曲線等を走行する場合の乗り心地を向上できる。また、台車枠に対する車体の高さ調整を行う場合には、遅延機構によって空気バネの長さを緩やかに変化させることができるため、車体の傾斜を緩やかに変化させて乗り心地の悪化を防止することができる。
また、本発明に係る車体姿勢制御システムは、前記操作子及び前記高さ調整用操作子は、共通の回動軸に設けられ、前記スライド支持部が前記第一位置にあり、かつ前記操作子及び前記高さ調整用操作子が中立位置にある場合において、前記操作子と前記第一給排気機構の被操作部との第一距離は、前記高さ調整用操作子と前記第二給排気機構の被操作部との第二距離よりも大きくてもよい。
このように構成された車体姿勢制御システムでは、スライド支持部が第一距離を短縮する方向にスライドされたときにのみ操作子を操作位置に変位可能として第一給排気機構を動作させることができるため、構成が複雑化することなしに台車枠に対する車体の傾斜角度を調整することができる。
本発明に係る車体姿勢制御システムによれば、エアシリンダおよび傾動機構等を用いずに、車体の傾斜が必要なときにだけ選択的に空気バネの給排気の調整が可能となるため、コンパクトな構成で車体の傾斜調整が可能となる。よって、コンパクトな構成で、車体の傾斜調整が可能である。
本発明の一実施形態に係る車体姿勢制御システムを搭載した鉄道車両を進行方向から見た図である。 本発明の一実施形態に係る(a)第一車体姿勢制御機構において操作子が中立位置にある状態を示す図、(b)第二車体姿勢制御機構において高さ調整用操作子が中立位置にある状態を示す図である。 本発明の一実施形態に係る車体姿勢制御システムを側面視した模式図である。 本発明の一実施形態に係る(a)第一車体姿勢制御機構において操作子が中立位置よりも排気位置側に移動した状態を示す図、(b)第二車体姿勢制御機構において高さ調整用操作子が中立位置よりも排気位置に配された状態を示す図である。 本発明の一実施形態に係る(a)第一車体姿勢制御機構において操作子が中立位置よりも給気位置側に移動した状態を示す図、(b)第二車体姿勢制御機構において高さ調整用操作子が中立位置よりも給気位置側に移動した状態を示す図である。 本発明の一実施形態に係る(a)第一車体姿勢制御機構においてスライド支持部が第二位置にあり、操作子が給気位置に移動した状態を示す図、(b)第二車体姿勢制御機構においてスライド支持部が第二位置にあり、高さ調整用操作子が給気位置に移動した状態を示す図である。 本発明の一実施形態に係る(a)第一車体姿勢制御機構においてスライド支持部が第一位置にあり、操作子が排気位置に移動した状態を示す図、(b)第二車体姿勢制御機構においてスライド支持部が第二位置にあり、高さ調整用操作子が排気位置に移動した状態を示す図である。 本発明の一実施形態に係る(a)第一車体姿勢制御機構において操作子が中立位置よりも給気位置側に移動した状態を示す図、(b)第二車体姿勢制御機構において高さ調整用操作子が給気位置に移動した状態を示す図である。 本発明の一実施形態に係る空気バネが基準高さにある場合における車体姿勢制御システムの全体構成図である。 (a)は本発明の一実施形態に係る空気バネが基準高さよりも短い場合における車体姿勢制御システムの全体構成図であり、(b)は(a)の後に空気バネに圧縮空気を供給した場合における車体姿勢制御システムの全体構成図である。 (a)は本発明の一実施形態に係る空気バネが基準高さよりも長い場合における車体姿勢制御システムの全体構成図であり、(b)は(a)の後に空気バネから圧縮空気を排出した場合における車体姿勢制御システムの全体構成図である。
以下、本発明の一実施形態に係る鉄道車両の車体姿勢制御システム(以下、単に「車体姿勢制御システム」と称する)について図面を参照して詳細に説明する。
図1に示すように、本実施形態の車体姿勢制御システム100は、軌道Kを走行レベルとして走行する鉄道車両1における台車枠2に対する車体3の傾斜制御及び高さ調整を行うものである。
この鉄道車両1は、軌道K上に配置される一対の車輪4と、該一対の車輪4同士を連結する車軸5とを備えており、この車軸5の両端に設けられたバネ体6を介して該車軸5の上方に台車枠2が配置されている。
また、台車枠2上には、鉄道車両1の車幅方向に離間して配置された一対の空気バネ10(10A,10B)が設置されており、これら空気バネ10A,10Bの上方には該空気バネ10A,10Bに支持されるようにして上記車体3が支持されている。
ここで、図1に示す左右方向を車幅方向と称する。
また、台車枠2の車幅方向両端には連結棒70(70A,70B)が設けられ、該連結棒70A,70Bに設けられたレバー60(60A,60B)の回動にともなって車体姿勢制御システム100が作動する構成とされている。
連結棒70は、一端が台車枠2の先端側に回転可能に連結されるとともに、他端がレバー60の車幅方向両側に対して回転可能に連結されている。
レバー60は、バー状をなす部材であって、一端が連結棒70の上端に対して回転可能に連結され、他端が回動軸21を介して後述する車体姿勢制御システム100に回転可能に連結されている。
このように連結棒70及びレバー60は、車体姿勢制御システム100と台車枠2とを接続するリンク機構を構成している。
ここで、本実施形態の車体姿勢制御システム100の全体構成について説明する。
車体姿勢制御システム100(100A,100B)は、ケーシング30(30A,30B)内に設けられ、該空気バネ10A,10Bへの圧縮空気を給排気することで車体3の姿勢を制御するものである。
図2に示すように、この車体姿勢制御システム100は、圧縮空気を供給する圧縮空気供給手段81と、傾斜制御を行う第一車体姿勢制御機構31と、高さ調整を行う第二車体姿勢制御機構32とを備えている。
圧縮空気供給手段81は、鉄道車両1の車体3に設けられ、コンプレッサ等の動力源により圧縮された空気が貯蔵されている。
図3に示すように、第一車体姿勢制御機構31及び第二車体姿勢制御機構32は、前後方向に延在する回動軸21に対して、前後方向に並んで設けられている。
本実施形態では、回動軸21の後側に第一車体姿勢制御機構31が設けられ、回動軸21の前側に第二車体姿勢制御機構32が設けられている。
以下、まず第一車体姿勢制御機構31について、車体姿勢制御システム100のうち車体姿勢制御システム100B側を示した図3のP−P断面図に相当する図2(a)を用いて説明する。
第一車体姿勢制御機構31は、ケーシング30内に設けられた第一制御機構140と、上述した一対の空気バネ10への圧縮空気の給排気が可能な第一給排気機構150とを備えている。
第一制御機構140は、一対の第一給排気機構150における圧縮空気の給排気を個別に制御することで車体3の傾斜角度を制御するものである。第一制御機構140は、レバー60に接続された傾斜調整用操作子(操作子)141と、ケーシング30内を移動可能なスライド支持部142と、該スライド支持部142のスライド位置を調整するスライド調整機構149とを備えている。
傾斜調整用操作子141は、基端がレバー60に対して固定的に連結され、先端が後述する第一給排気機構150を押圧可能にケーシング30内に配設されている。この傾斜調整用操作子141は、その位置が固定された基端側を中心として、先端側を空気バネ10の長さに応じて車幅方向に変位可能とされている。
この傾斜調整用操作子141は、空気バネ10の長さが予め設定された基準長さである初期状態の場合に、車幅方向と直交する鉛直方向が中立位置とされている。
傾斜調整用操作子141の先端側が配されるケーシング30には、圧縮空気供給手段81から圧縮空気が供給される供給流路123と、該供給流路123と連通されるとともに傾斜調整用操作子141の先端が配設されたケーシング孔124とが設けられている。
さらに、ケーシング30には、ケーシング孔124内の空気を空気バネ10に供給するバネ流路125と、該バネ流路125を経由して空気バネ10内の空気を排気する排気流路126とが設けられている。
このように、圧縮空気供給手段81から供給された圧縮空気は、供給流路123、ケーシング孔124、バネ流路125の順に経由して空気バネ10に供給される。また、バネ流路125には、圧縮空気の逆流を防止する逆止弁129が設けられている。
スライド支持部142は、箱状に形成され、ケーシング30に設けられたケーシング孔124内に、車幅方向に離間して配された複数のOリング127を介在させて、車幅方向にスライド可能に設けられている。詳細には、図2に示す車幅方向外側に位置する第一位置から、図4に示す車幅方向内側に位置する第二位置までスライド可能とされている。
また、図2に示すように、スライド支持部142には、供給流路123と連通可能な供給口143と、バネ流路125と連通可能な第一バネ口144及び第二バネ口145とが設けられている。
さらに、スライド支持部142には、排気流路126と連通可能な排気口146と、該供給口143と第一バネ口144とを連通する第一連通流路147と、排気口146と第二バネ口145とを連通する第二連通流路148とがそれぞれ設けられている。
スライド調整機構149は、台車枠2に対する車体3の目標傾斜角度に応じて、スライド支持部142をスライドさせてその位置を調整する。このスライド調整機構149は、スライド支持部142を車幅方向に向かって付勢するバネ部151と、スライド支持部142を車幅方向にスライド可能とする圧縮空気を流入可能とする振り子弁152とを有している。
バネ部151は、ケーシング30に形成されたケーシング孔124内に設けられ、スライド支持部142の車幅方向内側の端部を車幅方向外側に向かって押圧している。これにより、スライド支持部142は、初期状態において車幅方向外側に位置する第一位置に位置している。
振り子弁152は、ケーシング30に形成された振り子用流路154を介してケーシング孔124とスライド支持部142との間に形成された押圧空間153内に圧縮空気を供給可能としている。この振り子弁152は、車両1が曲線区間に進入する場合に、圧縮空気を供給するように動作する。
振り子弁152から振り子用流路154を介して押圧空間153内に圧縮空気が供給されると、該圧縮空気がスライド支持部142を車幅方向内側に向かって押圧する。これにより、スライド支持部142はケーシング孔124内を車幅方向内側に移動して、図4に示す第二位置に配される。
一方、振り子弁152からの圧縮空気の供給が停止されると、押圧空間153内の圧縮空気が振り子用流路154を介して大気に排出される。これにより、スライド支持部142は車幅方向外側に移動して、図2に示す第一位置に配される。
第一給排気機構150は、圧縮空気供給手段81に接続され空気バネ10への圧縮空気の供給を可能とする給気弁182と、空気バネ10から空気を排出可能とする排気弁187とを備えている。
給気弁182は、圧縮空気供給手段81と空気バネ10との間の通路、すなわち供給流路123、第一連通流路147及びバネ流路125を開閉する。
この給気弁182は、スライド支持部142に設けた弁座183と、該弁座183と係合可能な弁体184と、傾斜調整用操作子141と当接可能な給気側当接部(被操作部)185とを有している。
給気弁182の弁体184は、スライド支持部142に形成された弁用穴部161に設けられた弁用バネ162により車幅方向内側に付勢されている。これにより初期状態において弁体184は弁座183に係合するため、給気弁182は常閉型とされている。
給気側当接部185は、弁体184から車幅方向内側に向かって延出しており、初期状態おいては傾斜調整用操作子141の先端と離間して配設されている。
図5に示すように、傾斜調整用操作子141は、レバー60の移動にともなって、その先端側を車幅方向外側に向かって回動させる。そして、図6に示すように、傾斜調整用操作子141がさらに回動するととともにスライド支持部142が車幅方向内側に移動して第二位置に配されると、傾斜調整用操作子141の先端側が給気側当接部185を車幅方向外側に向かって押圧する。
このとき給気弁182の弁体184が車幅方向外側に移動し弁座183と離間するため、給気弁182は開状態とされる。これにより、供給流路123、第一連通流路147及びバネ流路125は連通され、圧縮空気供給手段81から供給された圧縮空気が空気バネ10に供給される。
図2に示すように、排気弁187は、空気バネ10の内部の圧縮空気を排気する排気口146と空気バネ10との間の通路、すなわちバネ流路125、第二連通流路148及び排気流路126を開閉する。
この排気弁187は、スライド支持部142に設けた弁座188と、該弁座188と係合可能な弁体189と、傾斜調整用操作子141と当接可能な排気側当接部190とを有している。
排気弁187の弁体189は、スライド支持部142に形成された弁用穴部166に設けられた弁用バネ167により車幅方向外側に付勢されている。これにより初期状態において弁体189は弁座188に係合するため、排気弁187は常閉型とされている。
排気側当接部190は、弁体189から車幅方向外側に向かって延出しており、初期状態おいては傾斜調整用操作子141の先端と離間して配設されている。
図4に示すように、傾斜調整用操作子141は、レバー60の移動にともなって、その先端側を車幅方向内側に向かって回動させる。そして、図7に示すように、傾斜調整用操作子141がさらに回動するとともにスライド支持部142が車幅方向外側に移動して第一位置に配されると、傾斜調整用操作子141の先端側が排気側当接部190を車幅方向内側に向かって押圧する。
このとき排気弁187の弁体189が車幅方向内側に移動し弁座188と離間するため、排気弁187は開状態とされる。これにより、バネ流路125、第二連通流路148及び排気流路126は連通され、空気バネ10内の空気が大気に放出される。
上記の給気弁182及び排気弁187は、スライド支持部142に支持されている。
次に、第二車体姿勢制御機構32について、車体姿勢制御システム100のうち車体姿勢制御システム100B側を示した図3のQ−Q断面図に相当する図2(b)を用いて説明する。
第二車体姿勢制御機構32は、ケーシング30内に設けられた第二制御機構240と、上述した一対の空気バネ10への圧縮空気の給排気が可能な第二給排気機構250とを備えている。
第二制御機構240は、一対の第二給排気機構250における圧縮空気の給排気を個別に制御することで車体3の高さを制御するものである。第二制御機構240は、レバー60に接続された高さ調整用操作子241と、ケーシング30内を移動可能なスライド支持部242と、該スライド支持部242のスライド位置を調整するスライド調整機構249とを備えている。
高さ調整用操作子241は、基端がレバー60に対して固定的に連結され、先端が後述する第二給排気機構250を押圧可能にケーシング30内に配設されている。この高さ調整用操作子241は、その位置が固定された基端側を中心として、先端側を空気バネ10の長さに応じて車幅方向に変位可能とされている。
この高さ調整用操作子241は、空気バネ10の長さが予め設定された基準長さである初期状態の場合に、車幅方向と直交する鉛直方向が中立位置とされている。
高さ調整用操作子241の先端側が配されるケーシング30には、供給流路223と、ケーシング孔224と、バネ流路225と、排気流路226とが設けられている。また、バネ流路225には、圧縮空気の逆流を防止する逆止弁229が設けられている。
スライド支持部242は、箱状に形成され、ケーシング30に設けられたケーシング孔224内に、車幅方向に離間して配された複数のOリング227を介在させて、車幅方向にスライド可能に設けられている。詳細には、図2に示す車幅方向外側に位置する第一位置から、図4に示す車幅方向内側に位置する第二位置までスライド可能とされている。
また、図2に示すように、スライド支持部242には、供給口243と、第一バネ口244及び第二バネ口245と、排気口246と、第一連通流路247と、第二連通流路248とがそれぞれ設けられている。
スライド調整機構249は、スライド支持部242を車幅方向に向かって付勢するバネ部251と、スライド支持部242を車幅方向にスライド可能とする圧縮空気を流入可能とする振り子弁252とを有している。
バネ部251は、ケーシング30に形成されたケーシング孔224内に設けられ、スライド支持部242の車幅方向内側の端部を車幅方向外側に向かって押圧している。これにより、スライド支持部242は、初期状態において車幅方向外側に位置する第一位置に位置している。
振り子弁252は、ケーシング30に形成された振り子用流路254を介してケーシング孔224とスライド支持部242との間に形成された押圧空間253内に圧縮空気を供給可能としている。この振り子弁252は、車両1が曲線区間に進入する場合に、圧縮空気を供給するように動作する。
振り子弁252から振り子用流路254を介して押圧空間253内に圧縮空気が供給されると、該圧縮空気がスライド支持部242を車幅方向内側に向かって押圧する。これにより、スライド支持部242はケーシング孔224内を車幅方向内側に移動して、図4に示す第二位置に配される。
一方、振り子弁252からの圧縮空気の供給が停止されると、押圧空間253内の圧縮空気が振り子用流路254を介して大気に排出される。これにより、スライド支持部242は車幅方向外側に移動して、図2に示す第一位置に配される。
第二給排気機構250は、圧縮空気供給手段81に接続され空気バネ10への圧縮空気の供給を可能とする給気弁282と、空気バネ10から空気を排出可能とする排気弁287とを備えている。
給気弁282は、圧縮空気供給手段81と空気バネ10との間の通路、すなわち供給流路223、第一連通流路247及びバネ流路225を開閉する。
この給気弁282は、スライド支持部242に設けた弁座283と、該弁座283と係合可能な弁体284と、高さ調整用操作子241と当接可能な給気側当接部(被操作部)285とを有している。
給気弁282の弁体284は、スライド支持部242に形成された弁用穴部261に設けられた弁用バネ262により車幅方向内側に付勢されている。これにより初期状態において弁体284は弁座283に係合するため、給気弁282は常閉型とされている。
給気側当接部285は、弁体284から車幅方向内側に向かって延出しており、初期状態おいては高さ調整用操作子241の先端と離間して配設されている。
高さ調整用操作子241は、レバー60の移動にともなって、その先端側を車幅方向外側に向かって回動させる。そして、図8に示すように、高さ調整用操作子241がさらに回動すると、高さ調整用操作子241の先端側が給気側当接部285を車幅方向外側に向かって押圧する。
このとき給気弁282の弁体284が車幅方向外側に移動し弁座283と離間するため、給気弁282は開状態とされる。これにより、供給流路223、第一連通流路247及びバネ流路225は連通され、圧縮空気供給手段81から供給された圧縮空気が空気バネ10に供給される。
また図6に示すように、高さ調整用操作子241は、その先端側を車幅方向外側に向かって回動させるととともにスライド支持部242が第二位置に配されると、高さ調整用操作子241の先端側が給気側当接部285を車幅方向外側に向かって押圧することもできる。この場合も、給気弁282は開状態とされ、圧縮空気供給手段81から供給された圧縮空気が空気バネ10に供給される。
図2に示すように、排気弁287は、空気バネ10の内部の圧縮空気を排気する排気口246と空気バネ10との間の通路、すなわちバネ流路225、第二連通流路248及び排気流路226を開閉する。
この排気弁287は、スライド支持部242に設けた弁座288と、該弁座288と係合可能な弁体289と、高さ調整用操作子241と当接可能な排気側当接部290とを有している。
排気弁287の弁体289は、スライド支持部242に形成された弁用穴部266に設けられた弁用バネ267により車幅方向外側に付勢されている。これにより初期状態において弁体289は弁座288に係合するため、排気弁287は常閉型とされている。
排気側当接部290は、弁体289から車幅方向外側に向かって延出しており、初期状態おいては高さ調整用操作子241の先端と離間して配設されている。
高さ調整用操作子241は、レバー60の移動にともなって、その先端側を車幅方向内側に向かって回動させる。そして、図7に示すように、高さ調整用操作子241がさらに回動すると、高さ調整用操作子241の先端側が排気側当接部290を車幅方向内側に向かって押圧する。
このとき排気弁287の弁体289が車幅方向内側に移動し弁座288と離間するため、排気弁287は開状態とされる。これにより、バネ流路225、第二連通流路248及び排気流路226は連通され、空気バネ10内の空気が大気に放出される。
また図4に示すように、高さ調整用操作子241は、その先端側を車幅方向内側に向かって回動させるとともにスライド支持部242が第一位置に配されると、高さ調整用操作子241の先端側が排気側当接部290を車幅方向内側に向かって押圧することもできる。この場合も、排気弁287は開状態とされ、空気バネ10内の空気が大気に放出される。
このように上記の給気弁282及び排気弁287は、スライド支持部242に支持されている。
また図2に示すように、第二車体姿勢制御機構32は、さらに高さ調整用操作子241による操作を遅延させる遅延機構部260を有している。遅延機構部260は、高さ調整用操作子241と回動軸21との間に設けられた緩衝機構258と、高さ調整用操作子241の変位に抵抗を与える減衰機構259とを有している。これにより、高さ調整用操作子241は、傾斜調整用操作子141よりも遅れて変位するとともに、傾斜調整用操作子141よりも給気側当接部185(285)、排気側当接部190(290)を押圧する操作力の増加が緩やかになる。
ここで、図2(a)に示すように、第一車体姿勢制御機構31においては、スライド支持部142が第一位置にあり且つ傾斜調整用操作子141が中立位置にある場合に、傾斜調整用操作子141と給気側当接部185の先端は第一距離A1離間して配設されている。また、傾斜調整用操作子141と排気側当接部190の先端は排気距離B1離間して配設されている。
一方、図2(b)に示すように、第二車体姿勢制御機構32においては、スライド支持部242が第一位置にあり且つ高さ調整用操作子241が中立位置にある場合に、給気側当接部285の先端及び排気側当接部290の先端は、それぞれ高さ調整用操作子241と車幅方向に第二距離A2離間して配設されている。
ここで、第一距離A1は第二距離A2よりも大きく、排気距離B1は第二距離A2と略同一に設定されている。
次に、以上のように構成された車体姿勢制御システム100の作用について説明する。
まず、車体姿勢制御システム100による車体3の傾斜調整について説明する。
この傾斜調整により、曲線状の軌道Kを走行時に車体3の傾斜角度を調整して、乗客の乗り心地の向上が図られる。
ここで、鉄道車両1が、直線状の軌道を走行した後、曲線状の軌道を走行して再び直線状の軌道を走行するものとし、曲線状の軌道の入口と入口側曲線と、曲線状の軌道の出口を出口側曲線とそれぞれ称する。
鉄道車両1は、入口側曲線に進入する際には、該鉄道車両1に作用する遠心力により、車体3はその外軌側を下降させるように僅かに傾斜する。ここで、車体姿勢制御システム100B側が外軌側とする。
外軌側に設けられた第一車体姿勢制御機構31及び第二車体姿勢制御機構32における第一制御機構140、第二制御機構240及び第一給排気機構150、第二給排気機構250の位置が下方に移動し、レバー60はその車幅方向外側を下方に向けるように若干回動する。図5に示すように、このレバー60の回動にともない、傾斜調整用操作子141、高さ調整用操作子241は先端側を車幅方向外側に向かって回動させる。
また、振り子弁152,252は、車体3の傾斜を感知し、又は予め記憶された走行区間の曲線データ及び車両1が受信したATS信号の情報に基づく自動位置情報の検知結果に基づいて、圧縮空気を供給し始める。
該圧縮空気は、ケーシング30に形成された振り子用流路154,254を経由して押圧空間153,253内に供給される。この圧縮空気により、スライド支持部142、242は車幅方向内側に向かって押圧され、ケーシング孔124,224内を車幅方向内側に移動して第二位置に配される。これにより、傾斜調整用操作子141と給気側当接部185との離間距離は第一距離A1よりも小さくなる。
そして、図6(a)に示すように、第一車体姿勢制御機構31において、スライド支持部142が第一位置から所定のスライド量(距離X1)だけ第二位置側にスライドした場合に、傾斜調整用操作子141の先端側が給気側当接部185に当接して該給気側当接部185を押圧操作する。
これにより、給気弁182の弁体184が車幅方向外側に移動し弁座183と離間するため、常閉型の給気弁182は開状態とされる。この際、常閉型の排気弁187は閉状態とされている。
また、第二車体姿勢制御機構32では、高さ調整用操作子241による操作を遅らせる遅延機構部260が設けられていることで、この段階では高さ調整用操作子241は給気側当接部85に当接しているものの給気弁282を開放操作可能なほどの操作力で押圧していない。
上記のように、第一車体姿勢制御機構31の給気弁182が開状態とされると、圧縮空気供給手段81から供給された圧縮空気は、供給流路123、第一連通流路147及びバネ流路125を経由して空気バネ10に迅速に供給される。
このように、一対の空気バネ10のうち外軌側の空気バネ10にのみ空気が供給されると、該空気バネ10が上下方向に伸張していく。その結果、車体3の外軌側のみの台車枠2に対して持ち上げられることにより、車体3はその車幅方向において外軌側に向かうにしたがって漸次上方に傾斜した状態となる。
その後、図6(b)に示すように、第二車体姿勢制御機構32においても、高さ調整用操作子241を変位させる操作力が上昇して、高さ調整用操作子241の先端側が給気側当接部285に当接して該給気側当接部285を押圧操作する。これにより、給気弁282の弁体284が車幅方向外側に移動し弁座283と離間するため、常閉型の給気弁282は開状態とされる。この際、常閉型の排気弁287は閉状態とされている。
第二車体姿勢制御機構32の給気弁282が開状態とされると、圧縮空気供給手段81から供給された圧縮空気は、供給流路223、第一連通流路247及びバネ流路225を経由して空気バネ10に供給される。
そして、外軌側の空気バネ10が伸張して車体3が上記のように傾斜するにともない、外軌側に設けられた第一制御機構140、第二制御機構240及び第一給排気機構150、第二給排気機構250の位置が上方に移動する。これにより、レバー60はその車幅方向外側を上方に向けるように回動するとともに、傾斜調整用操作子141、高さ調整用操作子241は先端側を車幅方向内側に向かって回動させる。
図4(a)に示すように、第一車体姿勢制御機構31において、傾斜調整用操作子141の移動にともない、該傾斜調整用操作子141の先端側が給気側当接部185を押圧しなくなって給気弁182は閉状態となる。このようにして、空気バネ10への圧縮空気の供給が停止される。
同様に、第二車体姿勢制御機構32においても、第一車体姿勢制御機構31に遅れて、高さ調整用操作子241の先端側が給気側当接部285を押圧しなくなると、給気弁282は閉状態となり空気バネ10への圧縮空気の供給が停止される。
このようにして、曲線状の軌道において外軌側の空気バネ10のみが伸張した状態が保持され、車体3の傾斜状態が維持される。
そして、上記のように車体3の傾斜状態を維持して出口側曲線に差し掛かると、車体3が所定条件傾斜しなくなり振り子弁152,252からの圧縮空気の供給が停止されて、排気が開始される。
これにより、スライド支持部142、242はバネ部151,251からの車幅方向外側への付勢により、ケーシング孔124,224内を車幅方向外側に移動して第一位置に配される。
そして、図7(a)に示すように、第一車体姿勢制御機構31において、傾斜調整用操作子141の先端側が排気側当接部190に当接して該排気側当接部190を押圧操作する。これにより、排気弁187の弁体189が車幅方向内側に移動し弁座188と離間するため、常閉型の排気弁187は開状態とされる。この際、常閉型の給気弁182は閉状態とされている。
このように、第一車体姿勢制御機構31の排気弁187が開状態とされると、外軌側の空気バネ10内に存在する圧縮空気は、バネ流路125、第二連通流路148及び排気流路126を経由して大気に排出される。
これにより、外軌側の空気バネ10内に存在する圧縮空気のみが大気に排出され、該空気バネ10は上下方向に収縮していく。
そして、空気バネ10の収縮にともない、車体3の傾斜がおさまり、第一車体姿勢制御機構31において傾斜調整用操作子141の先端側が排気側当接部190を押圧しなくなると、排気弁187は閉状態となり圧縮空気が大気へ排出されなくなる。
同様に、図7(b)に示すように、第二車体姿勢制御機構32においても、第一車体姿勢制御機構31に遅れて、高さ調整用操作子241の先端側が排気側当接部290に当接して該排気側当接部290を押圧操作する。これにより、排気弁287の弁体289が車幅方向内側に移動し弁座288と離間するため、常閉型の排気弁287は開状態とされる。この際、常閉型の給気弁282は閉状態とされている。
このように、第二車体姿勢制御機構32の排気弁287が開状態とされると、外軌側の空気バネ10内に存在する圧縮空気は、バネ流路225、第二連通流路248及び排気流路226を経由して大気に排出される。
次に、車体姿勢制御システム100による車体3の台車枠2に対する高さ調整を説明する。この高さ調整により、車体3の台車枠2に対する高さが一定に保持され、乗客の乗り心地の向上が図られる。
図9に示す車体3の台車枠2に対する高さが標準高さである状態から、図10に示すように、車体3の重量増などによって、車体3の台車枠2に対する高さが標準高さよりも低くなると、車体3の台車枠2に対する高さが低くなって空気バネ10の長さが短くなる。車体3に支持された第一制御機構140、第二制御機構240及び第一給排気機構150、第二給排気機構250の位置が下方に移動し、レバー60の先端側が連結棒70に連結されることにより、レバー60は車幅方向外側に向かうにしたがって下方に向かうように移動する。
そして、車体3に支持された第一制御機構140、第二制御機構240及び第一給排気機構150、第二給排気機構250の位置が下方に移動して、レバー60はその車幅方向外側を下方に向けるように回動する。このレバー60の回動にともない、傾斜調整用操作子141、高さ調整用操作子241は先端側を車幅方向外側に向かって回動させる。
図8(b)に示すように、第二車体姿勢制御機構32において、高さ調整用操作子241の先端側が給気側当接部285に当接し押圧する位置(給気位置)に配され該給気側当接部85を押圧操作する。これにより、給気弁282の弁体284が車幅方向外側に移動し弁座283と離間するため、常閉型の給気弁282は開状態とされる。この際、常閉型の排気弁87は閉状態とされている。
この結果、圧縮空気供給手段81から供給された圧縮空気は、供給流路223、第一連通流路247及びバネ流路225を経由して空気バネ10に供給される。これにより、図10(b)に示すように、空気バネ10がそれぞれ上下方向に伸張し、台車枠2上に空気バネ10を介して支持された車体3が上方に持ち上げられ、車体3の高さが上昇する。
そして、車体3の高さが上昇して車体3に支持された第一制御機構140、第二制御機構240及び第一給排気機構150、第二給排気機構250の位置が上方に移動して、該車体3の高さが標準高さに近づくと、レバー60はその車幅方向外側を上方に向けるように回動する。このレバー60の回動にともない、傾斜調整用操作子141、高さ調整用操作子241は先端側を車幅方向内側に向かって回動させる。
そして、高さ調整用操作子241の先端側が給気側当接部285を押圧しなくなると、給気弁282は閉状態となり、空気バネ10への圧縮空気の供給が停止される。
一方、図11(a)に示すように、車体3の重量減などによって、車体3の台車枠2に対する高さが標準高さよりも高くなり、空気バネ10の長さが長くなると、車体3に支持された第一制御機構140、第二制御機構240及び第一給排気機構150、第二給排気機構250の位置が上方に移動し、レバー60の先端側が連結棒70に連結されることにより、レバー60は車幅方向外側に向かうにしたがって上方に向かうように移動する。
そして、レバー60はその車幅方向外側を上方に向けるように回動し、このレバー60の回動にともない、傾斜調整用操作子141、高さ調整用操作子241は先端側を車幅方向内側に向かって回動させる。
図7(a)(b)に示すように、第一車体姿勢制御機構31、第二車体姿勢制御機構32において、傾斜調整用操作子141及び高さ調整用操作子241の先端側が排気側当接部190,290に当接しし押圧する位置(排気位置)に配され該排気側当接部190,290を押圧操作する。これにより、排気弁187,287の弁体189,289が車幅方向内側に移動し弁座188,288と離間するため、常閉型の排気弁187,287は開状態とされる。この際、常閉型の給気弁182,282は閉状態とされている。
この結果、空気バネ10内に存在する圧縮空気は、バネ流路125,225、第二連通流路148,248及び排気流路126,226を経由して大気に排出される。これにより、図11(b)に示すように、空気バネ10がそれぞれ上下方向に収縮し、台車枠2上に空気バネ10を介して支持された車体3の高さが下降する。
そして、車体3の高さが下降して車体3に支持された第一制御機構140、第二制御機構240及び第一給排気機構150、第二給排気機構250の位置が下方に移動して、該車体3の高さが標準高さに近づくと、レバー60はその車幅方向外側を下方に向けるように回動する。このレバー60の回動にともない、傾斜調整用操作子141、高さ調整用操作子241は先端側を車幅方向外側に向かって回動させる。
そして、傾斜調整用操作子141、高さ調整用操作子241の先端側が排気側当接部190,290を押圧しなくなると、排気弁187,287は閉状態となり、大気への圧縮空気の排出が停止される。
なお、第一車体姿勢制御機構31における傾斜調整用操作子141と給気側当接部185との離間距離(第一距離)A1は、第二車体姿勢制御機構32における高さ調整用操作子241と給気側当接部285との第二距離A2よりも大きい。よって、上記において、第一車体姿勢制御機構31では、傾斜調整用操作子141は給気側当接部185を押圧操作しないため、給気弁182は常に閉状態とされている。
このように、本実施形態の車体姿勢制御システム100においては、車体3が上昇又は下降した際に、第二車体姿勢制御機構32において空気バネ10に対する圧縮空気の供給及び排出を行うことにより、車体3の台車枠2に対する高さを車幅方向で一定に保持することができる。
なお、ここでは、車体3の車幅方向の高さが同時に上昇又は下降する場合の第二車体姿勢制御機構32の作用について説明したが、車体3の車幅方向一方側のみが上昇又は下降した場合であっても、該一方側に設けられた第二車体姿勢制御機構32のみを作動させることにより、車体3の台車枠2に対する高さを一定に保持することができる。
このように構成された車体姿勢制御システム100では、スライド調整機構149によりスライド支持部142,242のスライド位置を調整して第一給排気機構150と傾斜調整用操作子141との相対位置を変位させ、傾斜調整用操作子141を操作位置まで変位可能な状態にすることができる。そのため、例えば、車体3の傾斜制御を行いたい場合にのみ車幅方向両側に設けられた複数の空気バネ10に対して車体3を傾斜させるための給気又は排気を行うことが可能となる。したがって、エアシリンダおよび傾動機構等を用いずに、車体3の傾斜が必要なときにだけ選択的に空気バネ10の給排気の調整が可能となるため、コンパクトな構成で車体3の傾斜調整が可能となる。
また、第二給排気機構250及び第二制御機構240によって空気バネ10の長さを基準長さに保持することができるため、台車枠2に対する車体3の高さ位置を保持することもできる。
また、車体3の傾斜制御を行う場合には、即座に空気バネ10の長さを変化させて迅速な車体傾斜を行うことができるため、例えば、曲線等を走行する場合の乗り心地を向上できる。また、台車枠2に対する車体3の高さ調整を行う場合には、遅延機構部260によって空気バネ10の長さを緩やかに変化させることができるため、車体3の傾斜を緩やかに変化させて乗り心地の悪化を防止することができる。
また、スライド支持部142が第一距離A1を短縮する方向にスライドされたときにのみ傾斜調整用操作子141を操作位置に変位可能として第一給排気機構150を動作させることができるため、構成が複雑化することなしに台車枠2に対する車体3の傾斜角度を調整することができる。
また、上述した実施の形態において示した動作手順、あるいは各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
例えば、振り子弁52のかわりに電動アクチュエータや、油圧シリンダーなどを用いて、車体3の傾斜に応じてスライド支持部142,242を車幅方向内側に押圧して、該スライド支持部142,242をスライド可能とする構成としてもよい。
さらに、上述した実施形態においては、曲線区間において外軌側の空気バネ10を伸ばし方向に制御することで台車枠2に対して車体3を傾斜させていたが、内軌側の空気バネ10を縮み方向に制御することで台車枠2に対して車体3を傾斜させるようにしても良い。この場合は、上述した実施形態における給気弁182と排気弁187との配置を入れ替えるとともに、給気弁282と排気弁287との配置を入れ替えて、スライド支持部142,242のスライド方向を逆転させればよい。
また、外軌側の空気バネ10を伸ばし方向に制御するのと同時に内軌側の空気バネ10を縮み方向に制御するようにしても良い。
1…鉄道車両 2…台車枠 3…車体 4…車輪 5…車軸 6…バネ体 10…空気バネ 20…ケーシング 21…回動軸 31…第一車体姿勢制御システム 32…第二車体姿勢制御機構 140…第一制御機構 240…第二制御機構 141…傾斜調整用操作子(操作子) 241…高さ調整用操作子 142,242…スライド支持部 149,249…スライド調整機構 150…第一給排気機構 250…第二給排気機構 260…遅延機構部 100…車体姿勢制御システム

Claims (4)

  1. 車体と該車体を支持する台車枠との間の車幅方向両側に設けられた複数の空気バネに対し圧縮空気を給排気することで、前記車体の姿勢を制御する車体姿勢制御システムであって、
    前記圧縮空気を供給する圧縮空気供給手段と、
    前記複数の空気バネの給排気を個別に行う複数の第一給排気機構と、
    前記複数の第一給排気機構における前記圧縮空気の給排気を個別に制御することで前記車体の傾斜角度を制御する第一制御機構とを備え、
    前記第一制御機構は、
    前記第一給排気機構を支持するとともに、第一位置から第二位置までスライド可能なスライド支持部と、
    前記台車枠に対する前記車体の目標傾斜角度に応じて、前記スライド支持部のスライド位置を調整するスライド調整機構と、
    前記空気バネの長さに応じて変位する操作子と、を備え、
    該操作子は、
    前記スライド調整機構により前記スライド支持部が前記第一位置から所定のスライド量だけ第二位置側にスライドされた場合に、前記第一給排気機構による給気操作又は排気操作を行う操作位置に変位可能であることを特徴とする車体姿勢制御システム。
  2. 請求項1に記載の車体姿勢制御システムにおいて、
    前記複数の空気バネの給排気を個別に行う複数の第二給排気機構と、
    該第二給排気機構における前記圧縮空気の給排気を制御することで前記車体の高さを制御する第二制御機構とを備え、
    前記第二制御機構は、
    前記空気バネの長さに応じて変位する高さ調整用操作子を備え、
    前記高さ調整用操作子は、
    前記空気バネの長さが予め設定された基準長さよりも長い場合に前記第二給排気機構による前記空気バネの排気操作を行う排気位置に変位する一方で、前記基準長さよりも短い場合に前記第二給排気機構による前記空気バネの給気操作を行う給気位置に変位することを特徴とする車体姿勢制御システム。
  3. 請求項2に記載の車体姿勢制御システムにおいて、
    前記第二制御機構は、
    前記高さ調整用操作子による操作を遅延させる遅延機構部を有することを特徴とする車体姿勢制御システム。
  4. 請求項2または請求項3に記載の車体姿勢制御システムにおいて、
    前記操作子及び前記高さ調整用操作子は、共通の回動軸に設けられ、
    前記スライド支持部が前記第一位置にあり、かつ前記操作子及び前記高さ調整用操作子が中立位置にある場合において、前記操作子と前記第一給排気機構の被操作部との第一距離は、前記高さ調整用操作子と前記第二給排気機構の被操作部との第二距離よりも大きいことを特徴とする車体姿勢制御システム。
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