以下、本発明に係る実施の形態について図面を基に詳細に説明する。本実施形態に係る画像形成装置10は、例えば図1で示すように、タンデム方式のフルカラーの画像形成装置である。なお、図1において、矢印UPを画像形成装置10の上方向とする。まず、画像形成装置10の概略構成について説明する。
<画像形成装置の概略構成>
図1で示すように、画像形成装置10の内部には、像保持体(被帯電体)の一例としての感光体12や、帯電体の一例としての帯電ロール14、現像装置24等が、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色別の組立体の一例としてのプロセスカートリッジ18Y、18M、18C、18Kとして上から下へ順に備えられている。
なお、各プロセスカートリッジ18Y、18M、18C、18Kは、画像形成装置10に対して着脱可能な構成になっている。また、感光体12としては、例えば外周面(表面)に有機系の感光材料等よりなる感光体層が被覆された導電性円筒体が用いられ、図示しないモーターによって回転駆動されるようになっている。
感光体12の外周面は、その外周面に接触するように配置された帯電ロール14によって帯電された後、その帯電ロール14よりも感光体12の回転方向下流側に配置された露光装置16から出射されるレーザービームLBによって露光されるようになっている。これにより、感光体12の外周面に画像情報に応じた静電潜像が形成されるようになっている。
そして、感光体12の外周面に形成された静電潜像は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色の現像装置24Y、24M、24C、24Kによって現像され、各色のトナー像とされるようになっている。
例えば、フルカラーの画像を形成する場合、各色の感光体12の外周面には、帯電・露光・現像の各工程が、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色に対応して行われ、各色の感光体12の外周面には、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色に対応したトナー像が形成される構成になっている。
各感光体12の外周面にそれぞれ形成されたブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色のトナー像は、用紙搬送ベルト20上を搬送されて来る記録用紙Pへ順次転写されるようになっている。用紙搬送ベルト20は、支持ロール40、42で張力が付与されつつ、その内周面側から支持されており、後述する各転写装置22と各感光体12とが接触する箇所へ記録用紙Pを順次搬送するようになっている。
そして、各感光体12の外周面からトナー像が転写された記録用紙Pは、定着装置64へ搬送され、この定着装置64によって加熱・加圧されることで、その記録用紙P上にトナー像が定着されるようになっている。なお、記録用紙Pは、用紙収納容器28から取出ロール30により取り出され、搬送ロール32、34により用紙搬送ベルト20まで搬送されるようになっている。
ここで、片面プリントの場合、トナー像が定着された記録用紙Pは、排出ロール66によって画像形成装置10の上部に設けられた排出部68上にそのまま排出されるようになっている。一方、両面プリントの場合は、定着装置64によって表面にトナー像が定着された記録用紙Pの後端部が排出ロール66によって挟持された状態で、その排出ロール66が逆回転するとともに、記録用紙Pの搬送経路が両面用の用紙搬送路70に切り替えられるようになっている。
そして、この両面プリント用の用紙搬送路70に配設された搬送ロール72によって、表裏が反転された記録用紙Pが再度用紙搬送ベルト20上へ搬送され、記録用紙Pの裏面に、各感光体12の外周面からトナー像が転写されるようになっている。なお、記録用紙Pの裏面にトナー像が転写された記録用紙Pは、定着装置64によってトナー像が定着され、裏面にトナー像が定着された記録用紙Pは、排出部68上に排出されるようになっている。
また、トナー像の転写工程が終了した後の感光体12の外周面に残留する残留トナーや紙粉等は、感光体12が1回転する毎に、転写装置22が接触する箇所よりも感光体12の回転方向下流側に配置された清掃ブレード26によって除去されるようになっており、各感光体12の外周面は、次の画像形成工程に備えるようになっている。
<清掃装置>
図2、図3で示すように、帯電ロール14は、例えば導電性のシャフト14Aの周囲に、導電性の弾性層14Bが形成されたロール状とされており、そのシャフト14Aは回転自在に支持されている。そして、帯電ロール14は、シャフト14Aの両端部へ荷重が掛けられることで感光体12へ押し付けられ、弾性層14Bの外周面に沿って弾性変形することでニップ部N1が形成されるとともに、感光体12に対して従動回転するようになっている。なお、帯電ロール14の構成については後で詳述する。
また、帯電ロール14の感光体12とは反対側の外周面(表面)には、その外周面に接触しつつ従動回転することにより、その外周面上のトナーや外添剤などの汚れを移行させて除去する(外周面を清掃する)清掃装置100が配設されている。この帯電ロール14と清掃装置100とを含んで、帯電装置50が構成されており、帯電ロール14は被清掃体の一例でもある。
また、図3で示すように、この清掃装置100は、清掃体の一例としての螺旋状クリーニング部材102と、螺旋状クリーニング部材102の後述するキャップ部材108を回転自在(回転可能)に支持する支持部材の一例としての軸受け部材110と、を有している。なお、螺旋状クリーニング部材102には、キャップ部材108が設けられていなくてもよく、その場合には、後述するシャフト104の両端部が軸受け部材110に回転自在(回転可能)に支持される。
図4で示すように、螺旋状クリーニング部材102は、帯電ロール14の軸方向に沿って配置された軸部(芯体)の一例としてのシャフト104と、そのシャフト104の周囲(外周面)に、螺旋状に巻き付けられて、接着により固定される帯状(短冊状)の弾性体シート106と、シャフト104の両端部に、弾性体シート106の両端部を押さえるように嵌められる押さえ部材の一例としてのキャップ部材108と、を有している。
螺旋状クリーニング部材102のシャフト104は、その両端部を除いて円柱状(断面円形状)に形成されており、帯電ロール14の軸方向に沿って延在するように配設されている。すなわち、シャフト104の全長は、例えば236mmとされており、キャップ部材108よりも軸方向内側の画像形成領域(弾性体シート106が巻き付けられている領域)におけるシャフト104の長さは、例えば224mmとされている。
そして、図2で示すように、軸受け部材110によってキャップ部材108へ荷重が掛けられることで、螺旋状クリーニング部材102が帯電ロール14へ押し付けられるようになっており、弾性体シート106が帯電ロール14の外周面に沿って弾性変形することで、ニップ部N2が形成されるようになっている。なお、このニップ部N2における弾性体シート106の形状については後で詳述する。
螺旋状クリーニング部材102のシャフト104には、アルミ、ステンレス、真鍮等の金属材料が主に使用され、摺動性などの用途に応じて、材質及び表面処理方法が適宜選択されるようになっている。なお、シャフト104に導電性を有さない材質を用いる場合は、メッキ処理などの一般的な処理により加工して導電化処理を行ってもよいが、そのまま使用してもよい。
また、製造時に研削加工が行われることが無く、かつ加工し易いことから、樹脂シャフトを用いてもよい。なお、シャフト104の外径は、画像形成装置10の小型化とシャフト104の撓み変形抑制と製造コストとの関係により、3mm〜6mm程度にすることが望ましく、本実施形態では、一例として4mmとされている。
螺旋状クリーニング部材102の弾性体シート106は、細長い帯状に形成されるとともに弾性変形可能とされた清掃層の一例としての弾性層107と、表面全体に弾性層107が接着されるとともに裏面がシャフト104の外周面に接着可能とされた接着層(図示省略)と、を有している。なお、以下において、弾性体シート106の長手方向(シャフト104の軸方向ではない)に直交する方向を弾性体シート106(弾性層107)の幅方向とする。
接着層は、例えば接着剤や、両面テープなどの接着材等によって構成されており、弾性体シート106は、その接着層によって、シャフト104の外周面に、その軸方向一端部から他端部に亘って貼付(固定)されるようになっている。なお、接着層は、単層の接着層でも複数層の接着層でもよい。また、接着層を複数層の接着層で構成する場合には、その接着層同士の間に導電層、非導電層、半導電層、断熱層、伝熱層などの非接着層を介在させてもよい。
弾性層107には発泡体(多孔質体)が用いられている。すなわち、この弾性層107は、多孔質の3次元構造を有する発泡体からなり、所望の厚みにスライス加工され、抜き型等により、所望の幅、長さに裁断された後、一定の速度で回転されたシャフト104に、後述する巻き付け角度θ(図4参照)で螺旋状に巻き付けられつつ接着されるようになっている。
ここで、弾性体シート106(弾性層107)の長さは、シャフト104の長さ及び外径と巻き付け角度(以下「螺旋角度」という場合がある)θと巻き付け時の張力によって一義的に決まるようになっている。なお、螺旋角度θとは、弾性体シート106(弾性層107)の長手方向とシャフト104の軸方向とが交差する角度(鋭角)を意味しており、θ<45°とされている。
螺旋角度θを45°未満とすることにより、図5で示すように、螺旋状クリーニング部材102に帯電ロール14との接触によって加えられる摩擦力Gのうち、回転に寄与する分力Gmが、回転に寄与しない分力Gsよりも大きくなる構成である。つまり、螺旋角度θを45°未満とすることにより、回転に寄与しない分力Gsが低減される構成である。なお、螺旋角度θは、θ≧10°とされることが望ましい。
また、この弾性体シート106は、図4、図6で示すように、シャフト104の軸方向に沿った任意の位相で常に同じ巻き数(例えば4巻き)となるように構成されている。つまり、弾性体シート106の一端部と他端部とが周方向でオーバーラップしない(重ならない)構成になっている。
詳細には、螺旋状クリーニング部材102のキャップ部材108を除く長さ(弾性体シート106が巻き付けられている画像形成領域の長さ)をW、弾性体シート106(弾性層107)を含む螺旋状クリーニング部材102の外周長をS、弾性体シート106(弾性層107)の巻き数を自然数Tとすると、螺旋角度θと巻き数Tとの関係は、tanθ=T×S/Wという式で表されるようになっている。
また、図4、図6で示すように、弾性体シート106の長手方向と直交する方向の幅が螺旋幅Rとされている。つまり、この螺旋幅Rは、弾性層107の幅を意味しており、一例としてR=3mm〜5mmとされている。ちなみに、本実施形態に係る螺旋状クリーニング部材102では、一例として螺旋角度θ=24°、螺旋幅R=4mmとされている。
また、図7で示すように、ニップ部N2における弾性層107の帯電ロール14との接触面107A(図7において斜線で示す)の形状は、シャフト104の軸方向に沿った対辺107Bに、その軸方向でオーバーラップする(重なる)領域が存在しない平行四辺形状とされている。ここで、ニップ部N2における弾性層107の軸方向と直交する方向の長さ(ニップ幅)Hは、シャフト104の外径とほぼ同一とみなせる。よって、弾性層107の螺旋角度θ及び螺旋幅Rは、次のような式で規定される。
すなわち、図7で示す弾性層107の対辺107Bの長さをLとし、対辺107Bと交差する幅方向両端部(以下「稜線部107D」という場合がある)の長さをEとすると、対辺107Bに軸方向でオーバーラップする領域が存在しないようにするには、Ecosθ>Lを満たせばよい。
このEcosθ>Lという式を長さ(ニップ幅)Hと螺旋幅Rで表すと、H=Esinθ、R=Lsinθであることから、Hcosθ>Rとなる。ここで、長さ(ニップ幅)Hは、シャフト104の外径と同一とみなせるので、このHcosθ>Rという式により、弾性体シート106(弾性層107)の螺旋角度θと螺旋幅Rとが規定されることになる。
また、シャフト104に巻き付けられていない無負荷状態の弾性層107の幅方向における断面形状は、幅方向に長い長方形状になっている。したがって、シャフト104に一定の張力で引っ張られつつ螺旋状に巻き付けられた有負荷状態の弾性層107は、少なくとも幅方向における断面(巻き方向と直交する方向に沿った断面)において、その幅方向両端部(稜線部107D)が凸状に隆起するように弾性変形するようになっている。
このように、シャフト104に巻き付けたときの弾性体シート106(弾性層107)の厚みは、幅方向両端部(稜線部107D)と幅方向両端部以外(幅方向中央部)とで異なるが、概ね1.5mm〜4mmの範囲内であることが望ましく、本実施形態では、稜線部107Dにおける厚みが、一例として4mmとされている。したがって、本実施形態に係る螺旋状クリーニング部材102の外径は、一例として12mmとなっている。
すなわち、この螺旋状クリーニング部材102(弾性層107を含む)の外径は、シャフト104の軸方向から見た断面視で、シャフト104の回転中心から、弾性層107の稜線部107Dまでの長さ(半径)の2倍である。したがって、この螺旋状クリーニング部材102の外径は、一例として(4mm/2+4mm)×2=12mmとなる。
なお、弾性体シート106をシャフト104に巻き付けるときの張力は、シャフト104と接着層との間に隙間ができない程度であればよく、なるべく張力を掛けない方が望ましい。張力を掛け過ぎると、引っ張り永久伸びが大きくなり、クリーニングに必要な弾性力が落ちるからである。よって、その張力は、元の弾性体シート106の長さに対して、1%〜5%の伸びになるようにすることが望ましい。
また、シャフト104に張力を付与して巻き付けたときの弾性層107の伸びは厚み方向で異なる。すなわち、弾性層107の伸びは外面側が内面側よりも大きい。そのため、巻き付け後の外面側の伸びが1%〜5%になるように張力を付与することが望ましい。本実施形態では、巻き付け後の外面側の伸びが5%になるような張力で巻かれた弾性層107の稜線部107Dの厚みが、一例として4mmとされている。
また、この弾性層107の伸びは、弾性体シート106をシャフト104に巻き付けるときの張力以外に、シャフト104に巻き付けられた弾性体シート106の曲率半径(又は曲率)と、弾性体シート106の厚みによっても制御され、弾性体シート106の曲率半径(又は曲率)は、シャフト104の外径及び弾性体シート106の螺旋角度θによって制御される。
また、弾性層107を構成する発泡体としては、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリアミド又はポリプロピレン等の発泡性の樹脂、又はNBR、EPDM、SBR、CR、シリコーンゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴム、塩素化ポリイソプレン、イソプレン、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、水素添加ポリブタジエン、ブチルゴム等のゴム材を1種類或いは2種類以上をブレンドしてなる材質のものから選択され、必要に応じて、発泡助剤、整泡剤、触媒、硬化剤、可塑剤、加硫促進剤等の助剤が加えられる。
しかしながら、帯電ロール14との従動摺擦によって、外添剤などの異物を効率的に除去するとともに、帯電ロール14の外周面に擦れによる傷を付けないために、また、長期間に亘って千切れや破損が生じないようにするために、引き裂き力、引っ張り力などに強いポリウレタンを選択するのが、特に望ましい。
ポリウレタンとして特に制限するものではないが、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリエステルやアクリルポリールなどのポリオールと、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネートや4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートなどのイソシアネートの反応を伴っていればよく、1,4−ブタンジオール、トリメチロールプロパンなど鎖延長剤が混合されていることが望ましい。
なお、ポリウレタンは、水やアゾジカルボンアミド、アゾビスイソブチロニトリルのようなアゾ化合物などの発泡剤を用いて発泡させるのが一般的である。また、発泡ポリウレタンには、必要に応じて発泡助剤、整泡剤、触媒などの助剤を加えてもよい。そして、発泡ポリウレタンの中でも、エーテル系発泡ポリウレタンが好適である。エステル系発泡ポリウレタンでは、湿熱劣化し易い傾向があるためである。
エーテル系ポリウレタンは、主としてシリコーンオイルの整泡剤が使用されるが、保管(特に高温高湿下での長期保管)によってシリコーンオイルが被清掃体(例えば帯電ロール等)へ移行するおそれがあり、それによって画質欠陥が発生するおそれがある。そのため、シリコーンオイル以外の整泡剤を用いることで、弾性層107の画質欠陥を抑制することが望ましい。
ここで、シリコーンオイル以外の整泡剤としては、具体的には、例えばSiを含まない有機系の界面活性剤(例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸、ラウリル硫酸ナトリウム等のアニオン系界面活性剤)が挙げられる。また、弾性層107の構成としては、1層構成でも積層構成でも構わない。具体的には、弾性層107の構成としては、例えば、発泡体1層からなる構成でも、ソリッド層と発泡層との2層からなる構成でも構わない。
また、螺旋状クリーニング部材102における弾性体シート106の動摩擦係数は、0.1〜1.0が望ましい。弾性体シート106の動摩擦係数が0.1を下回ると、充分なクリーニング性が得られなくおそれがあり、結果として画質上に縦筋を発生させてしまうおそれがある。弾性体シート106の動摩擦係数が1.0を上回ると、帯電ロール14を傷付けてしまい、その傷部分で帯電不良を引き起こし、画質上に色点や微小な色線を発生させてしまうおそれがある。
このような画像欠陥は、帯電ロール14や螺旋状クリーニング部材102(弾性体シート106)の表面汚染(主にはトナー外添剤)、異物の混入(主には紙粉)、放電生成物の付着等が、トリガーとなって発生するため、長期間使用するほど発生するリスクが高まる。
また、図3、図4で示すように、キャップ部材108は、シャフト104に螺旋状に巻き付けた弾性体シート106の両端部の剥がれを防止するように、シャフト104の両端部に、その両端部の外周面とキャップ部材108の内周面との間に弾性体シート106(弾性層107)の端部107Cを挟み込むようにして組み付けられている。
そして、シャフト104と共に一体に回転するように、そのシャフト104の両端部に固定されている。つまり、シャフト104の両端部は、例えばDカット等の回転止めがなされる断面形状とされており、キャップ部材108のシャフト104の端部が挿入される挿入孔も、その回転止めがなされるDカット等の断面形状とされている。
これにより、キャップ部材108が、シャフト104と一体に回転する構成である。なお、キャップ部材108のシャフト104に対する固定方法としては、これ以外に、例えばキャップ部材108をシャフト104に接着剤や両面テープ等で固定する方法などが挙げられる。
また、このキャップ部材108は、帯電ロール14と螺旋状クリーニング部材102との従動性を確保するために、シャフト104の軸方向から見た外形状が円形状とされるとともに、その外周面は、帯電ロール14の両端部、詳細には画像形成領域(印字領域)外の外周面に接触するように構成されている(図3参照)。
つまり、螺旋状に巻き付けられた弾性体シート106(弾性層107)だけではなく、キャップ部材108も帯電ロール14と接触して従動回転するように、キャップ部材108の外径と、螺旋状クリーニング部材102(弾性層107を含む)の外径とが同一とされている。
すなわち、キャップ部材108の外径が螺旋状クリーニング部材102の外径よりも大きい場合には、弾性層107が帯電ロール14に接触できないおそれがあり、帯電ロール14を清掃することができないおそれがある。つまり、この場合、弾性層107が本来のクリーニング機能を果たせないため、帯電ロール14においてクリーニング不良を起こす懸念がある。
また、キャップ部材108の外径が螺旋状クリーニング部材102の外径よりも小さい場合には、キャップ部材108が帯電ロール14に接触できないおそれがあり、帯電ロール14に対する充分な従動性を確保できないおそれがある。したがって、キャップ部材108の外径と螺旋状クリーニング部材102の外径とが同一とされている。これにより、帯電ロール14に対する螺旋状クリーニング部材102の従動性が、より確保されるようになっている。
また、上記したように、キャップ部材108と帯電ロール14との軸方向における接触位置は、画像形成領域外とされている。接触位置が画像形成領域内であると、長期使用時に、帯電ロール14のキャップ部材108との接触領域で、クリーニング不良が生じる懸念がある。接触位置が画像形成領域外であると、帯電ロール14をクリーニングする機能をキャップ部材108に与える必要が無くなるため、キャップ部材108に対し、従動性の確保のみに特化した材料選択も可能になる。
なお、キャップ部材108の材質は、特に限定するものではないが、ABS、POM等のプラスチック製とされることが加工性及びコスト低減の観点から望ましい。また、キャップ部材108の外周面(外周部)の材質は、帯電ロール14と同一であることがより望ましい。これにより、帯電ロール14に対する螺旋状クリーニング部材102の従動性が、より一層確保されるようになる。また、所望の動摩擦係数を得るために、上記プラスチック成形体上に、粘性のあるテープ等を貼り付けてもよい。
更に、キャップ部材108の外周部は、弾性体で構成されていることがより望ましい。例えば、キャップ部材108の外周面(表面)に弾性体を積層してもよい。また、キャップ部材108を弾性体で作成した単層構造としてもよい。例えば、ソリッドゴム等の弾性体のみで、キャップ部材108を構成してもよい。また、キャップ部材108の少なくとも外周部(弾性体で構成した場合は、その弾性体)の動摩擦係数は、1.0〜1.5が望ましい。
また、この清掃装置100には、図3で示すように、各キャップ部材108を回転可能に支持する一対の軸受け部材110が、帯電ロール14との接触側とは反対側に備えられている。詳細には、この軸受け部材110は、それぞれシャフト104の軸方向内側が開放され、その軸方向外側が側壁110Aにて閉塞された形状とされている。そして、キャップ部材108は、軸受け部材110の内壁を滑りながら、その内壁の周方向に沿って回転するようになっている。
また、一対の軸受け部材110は、それぞれ両側の側板112に形成された固定部114に固定されている。なお、本実施形態に係る帯電ロール14は、その軸方向両端部が図示しない支持部材によって回転可能に支持され、感光体12は、その軸方向両端部が側板112によって回転可能に支持されている。
<帯電ロール>
次に、帯電ロール14の構成について詳細に説明する。なお、この帯電ロール14は、所望の帯電性能を有するものであればよく、以下の構成に限定されるものではない。
帯電ロール14は、導電性のシャフト14A上に、帯電層としての導電性の弾性層と表面層とが順次形成されたものである。帯電ロール14の外径は8mm〜12mmとされており、本実施形態では、一例として9mmとされている。なお、帯電層の厚みは1.5mm〜3mmとされることが望ましく、本実施形態では、一例としてシャフト14Aの外径が6mmで、帯電層の厚みが1.5mmとされている。
つまり、帯電ロール14の外径は、螺旋状クリーニング部材102(弾性層107を含む)の外径と異なるようになっている。詳細には、図1〜図3で示すように、帯電ロール14の外径は、螺旋状クリーニング部材102の外径よりも小さくなる(螺旋状クリーニング部材102の外径が帯電ロール14の外径よりも大きくなる)ようになっている。
帯電ロール14のシャフト14Aの材質としては、例えば快削鋼、ステンレス鋼等が使用され、摺動性などの用途に応じて、材質及び表面処理方法が適宜選択される。導電性を有さない材質の場合は、メッキ処理など一般的な処理により加工されて、導電化処理が行われてもよい。
帯電ロール14の帯電層を構成する導電性の弾性層は、例えば弾性を有するゴム等の弾性材を導電性のシャフト14Aの外周面に被覆することによって形成される。なお、導電性弾性層の抵抗値を調整する導電剤等を分散してもよく、必要に応じて軟化剤、可塑剤、硬化剤、加硫剤、加硫促進剤、老化防止剤、シリカ及び炭酸カルシウム等の充填剤など、通常のゴムに添加される添加剤を加えてもよい。
上記導電性弾性層を構成する弾性材(ゴム材)としては、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、エピクロルヒドリンゴム、ブチルゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、ニトリルゴム、エチレンプロピレンゴム、エピクロルヒドリン−エチレンオキシド共重合ゴム、エピクロルヒドリン−エチレンオキシド−アリルグリシジルエーテル共重合ゴム、エチレン−プロピレン−ジエン3元共重合ゴム(EPDM)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム、天然ゴム等、及びこれらのブレンドゴムが挙げられる。
中でも、シリコーンゴム、エチレンプロピレンゴム、エピクロルヒドリン−エチレンオキシド共重合ゴム、エピクロルヒドリン−エチレンオキシド−アリルグリシジルエーテル共重合ゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム、及びこれらのブレンドゴムを使用するのが望ましい。なお、これらのゴム材は発泡体でもよいし、無発泡体でもよい。
導電剤としては、電子導電剤やイオン導電剤が用いられる。電子導電剤の例としては、ケッチェンブラック、アセチレンブラック等のカーボンブラック;熱分解カーボン、グラファイト;アルミニウム、銅、ニッケル、ステンレス鋼等の各種導電性金属又は合金;酸化錫、酸化インジウム、酸化チタン、酸化錫−酸化アンチモン固溶体、酸化錫−酸化インジウム固溶体等の各種導電性金属酸化物;絶縁物質の表面を導電化処理したもの;などの微粉末が挙げられる。
また、イオン導電剤の例としては、テトラエチルアンモニウム、ラウリルトリメチルアンモニウム等の過塩素酸塩、塩素酸塩等;リチウム、マグネシウム等のアルカリ金属、アルカリ土類金属の過塩素酸塩、塩素酸塩等;が挙げられる。
これらの導電剤は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、その添加量は特に制限はないが、上記電子導電剤の場合は、ゴム材:100質量部に対して、1〜60質量部の範囲であることが望ましく、上記イオン導電剤の場合は、ゴム材:100質量部に対して、0.1〜5.0質量部の範囲であることが望ましい。
帯電層を構成する上記表面層は、トナー等の異物による汚染防止等のために形成されているものであり、表面層の材料としては、樹脂、ゴム等の何れを用いてもよく、特に限定されるものではない。例えば、ポリエステル、ポリイミド、共重合ナイロン、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、エチレンテトラフルオロエチレン共重合体、メラミン樹脂、フッ素ゴム、エポキシ樹脂、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、セルロース、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、エチレン酢酸ビニル共重合体等が挙げられる。
なお、外添剤による汚染防止の観点からは、ポリフッ化ビニリデン、4フッ化エチレン共重合体、ポリエステル、ポリイミド、共重合ナイロンが望ましく用いられる。共重合ナイロンは、610ナイロン、11ナイロン、12ナイロンのうちの何れか1種又は複数種を重合単位として含むものであって、この共重合体に含まれる他の重合単位としては、6ナイロン、66ナイロン等が挙げられる。
ここで、610ナイロン、11ナイロン、12ナイロンよりなる重合単位が共重合体中に含まれる割合は、重量比で合わせて10%以上であるのが望ましい。上記重合単位が10%以上の場合は、調液性及び表面層塗布時における成膜性に優れるとともに、特に繰り返し使用時における樹脂層の磨耗や樹脂層への異物の付着が少なく、帯電ロール14の耐久性が優れ、環境による特性の変化も少なくなる。
なお、上記高分子材料は単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。また、上記表面層に導電剤を含有させ、抵抗値を調整するようにしてもよい。抵抗値の調整を目的とした導電剤としては、カーボンブラックや導電性金属酸化物粒子、或いはイオン導電剤のような電子及び/又はイオンを電荷キャリアとして電気伝導する材料を分散したものなどを用いることが可能である。
カーボンブラックとしては、デグサ社製の「スペシャルブラック350」、同「スペシャルブラック100」、同「スペシャルブラック250」、同「スペシャルブラック5」、同「スペシャルブラック4」、同「スペシャルブラック4A」、同「スペシャルブラック550」、同「スペシャルブラック6」、同「カラーブラックFW200」、同「カラーブラックFW2」、同「カラーブラックFW2V」、キャボット社製「MONARCH1000」、キャボット社製「MONARCH1300」、キャボット社製「MONARCH1400」、同「MOGUL−L」、同「REGAL400R」等が挙げられる。
上記カーボンブラックは、pH4.0以下であり、一般的なカーボンブラックに比べ、表面に存在する酸素含有官能基の効果により、樹脂組成物中への分散性が良好なものである。pH4.0以下のカーボンブラックを配合することにより、配合しないものに比べて、帯電均一性を良好にすることが可能となり、更に抵抗値の変動を小さくすることが可能となる。
また、上記抵抗値を調整するための導電性粒子である導電性金属酸化物粒子は、酸化錫、アンチモンがドープされた酸化錫、酸化亜鉛、アナターゼ型酸化チタン、ITO等の導電性を有した粒子で、電子を電荷キャリアとする導電剤あれば、何れも用いることが可能であり、特に限定されるものではない。これらは、単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
また、導電性金属酸化物粒子は、何れの粒径であってもよいが、抵抗値調整及び強度の点から、酸化錫、アンチモンドープがされた酸化錫、アナターゼ型酸化チタンが望ましく、更には、酸化錫、アンチモンドープがされた酸化錫が望ましい。このような導電剤によって抵抗値の制御を行うことにより、表面層の抵抗値は環境条件によって変化せず、安定な特性が得られる。
更に、上記表面層には、フッ素系或いはシリコーン系の樹脂が用いられることが望ましい。特に、上記表面層は、フッ素変性アクリレートポリマーで構成されることが望ましい。また、表面層の中に微粒子を添加してもよい。これにより、表面層が疎水性となって、帯電ロール14への異物の付着が更に抑制又は防止される。
また、アルミナやシリカのような絶縁性の粒子を添加して、帯電ロール14の外周面(表面)に凹凸を付与し、感光体12との摺擦時の負担を小さくして、帯電ロール14と感光体12との相互の耐磨耗性を向上させることも可能である。
また、帯電ロール14のマイクロ硬度は45度〜60度が望ましい。マイクロ硬度が60度より硬くなると、清掃装置100を取り付けた場合でも、感光体12とのニップ部N1の安定性が確保されなくなり、濃度斑が発生する。
45度より柔らかくなると、清掃装置100が無くても感光体12とのニップ部N1の安定性が確保されるが、低硬度化にするためには、可塑剤添加量を増量するか、又はシリコーンゴムのような低硬度の材料を使用する必要がある。前者の場合には、可塑剤が滲み出して画質劣化等の問題が引き起され、後者の場合には、大幅なコストアップになってしまう。
また、画像形成装置10に用いられる現像剤には、外添剤として球形のシリカを含むことが望ましい。この理由として、シリカは屈折率が1.5前後であり、粒径を大きくしても光散乱による透明度の低下、特にOHP表面への画像形成時のPE値(光透過性の指標)等に影響を及ぼさないことが挙げられる。
一方、一般的なフュームドシリカは比重2.2であり、粒径的にも最大50nmが製造上から限界となる場合がある。また、凝集体として粒径を上げることは可能であるが、均一分散が困難となる場合があり、安定してシール効果を発揮できない場合がある。
クリーニング性向上のために含有される外添剤の材料として好適なシリカ、特に比重1.3〜1.9で球形単分散のシリカは、湿式法であるゾルゲル法により得ることが可能である。ゾルゲル法は湿式法で、かつ焼成すること無しに製造する方法であるため、蒸気相酸化法等の他の方法に比べ、比重を低く制御することが可能である。
また、疎水化処理工程での疎水化処理剤種、或いは処理量を制御することにより、更に比重を調整することが可能である。シリカの粒径は、ゾルゲル法の加水分解、縮重合工程のアルコキシシラン、アンモニア、アルコール、水の質量比、反応温度、撹拌速度、供給速度により自由に制御可能である。単分散で球形形状のシリカとすることもゾルゲル法によって可能となる。
具体的なシリカの製造方法は、次の通りである。まず、水及びアルコールの混合溶液に、アンモニア水を触媒とし、温度を上昇させながら、テトラメトキシシラン等のシラン化合物を滴下して撹拌を行う。次に、生成したシリカゾル懸濁液の遠心分離を行い、湿潤シリカゲルとアルコール、アンモニア水とに分離する。
そして、湿潤シリカゲルに溶剤を加え、再度シリカゾルの状態にし、疎水化処理剤を加え、シリカ表面の疎水化を行う。疎水化処理としては、一般的なシラン化合物を用いることが可能である。次に、この疎水化処理シリカゾルから溶媒を除去、乾燥、シーブすることにより、目的のシリカが得られる。また、このように得られたシリカに対し、再度ゾルゲル法による処理を行っても構わない。
また、画像形成装置10に用いられる現像剤のトナーとしては、重合法により作製される重合トナーを用いることが望ましい。トナー形状が不定形であると、流動性助剤を添加しても経時的に流動性が低下するおそれがあり、この場合には、現像性、転写性、クリーニング性が悪化するおそれがある。
また、クリーニングにより回収されたトナーを再び現像装置24に戻して使用すると、更に画質の低下を生じ易い。これらを防ぐために、更に流動性助剤を増加すると、感光体12上への汚染、フィルミング、傷などを発生させてしまう。このため、意図的にトナー形状及び表面構造の制御を可能とする手段として、乳化重合凝集法によるトナーの製造方法が提案されている。
これらは一般に、乳化重合等の重合法により樹脂微粒子の分散液と、溶媒に着色剤を分散させた着色剤粒子分散液とを作製し、これらを混合した後、加熱及び/又はpH制御、凝集剤添加などにより、上記の樹脂微粒子と着色剤とを所望の粒子径になるまで凝集させる。そして、その後、凝集粒子を所望の粒子径で安定させ、次いで、樹脂微粒子のガラス転移点(Tg)以上の温度に過熱・融合させてトナーを作製するものである。
また、画像形成装置10に用いられる現像剤には、外添剤としてポリテトラフルオロエチレン(PTFE)が含有されていることが望ましく、配合量は0.1重量%〜1.0重量%であることが特に望ましい。PTFEは、感光体12の磨耗を抑制することができ、画像形成装置10の長寿命化を図る上で有用である。
乳化重合凝集法で得たトナー粒子は、その粒度分布特性において、従来の懸濁重合法等に代表される他の重合法で得たトナー粒子と比較して極めて優れた特性(特に粒度分布がシャープであり、分級操作を必要としないという特性)を示し、これをトナーとして用いれば、高品質の画質を長期に亘って得ることが可能である。
また、乳化重合凝集法によるトナーの作製方法は、凝集粒子を樹脂微粒子のガラス転移点(Tg)以上に加熱して融合させることから、その加熱の仕方やpHの制御により、不定形の形状から球形の粒子状態のトナーまで、様々な形状のトナーを作製することが可能である。すなわち、使用される電子写真システムにおいて、所謂ポテト形状から球形までの範囲で形状の選択が可能である。
<作用>
以上のような構成の清掃装置100において、次にその作用について説明する。記録用紙Pに転写されずに感光体12の外周面に残留した現像剤等の異物は、清掃ブレード26によって感光体12から除去される。しかしながら、現像剤の成分中で粒子径が比較的小さい外添剤等の異物は、清掃ブレード26をすり抜ける。
ここで、帯電ロール14は、シャフト14Aの両端部に荷重が掛けられて、感光体12側へ押し付けられており、弾性層14Bの外周面に沿って弾性変形することで、感光体12との間でニップ部N1が形成されている。また、螺旋状クリーニング部材102は、キャップ部材108に荷重が掛けられて、帯電ロール14側へ押し付けられており、弾性層107が弾性変形することで、帯電ロール14との間でニップ部N2が形成されている。
更に、この弾性体シート106は、シャフト104の軸方向に沿った任意の位相で常に同じ巻き数となるように構成されている。したがって、螺旋状クリーニング部材102により、帯電ロール14に対するアシスト変動(帯電ロール14に対する接触面数の軸方向の変動であり、帯電ロール14の軸方向の撓み)が抑えられ、その軸方向におけるニップ部N2の変動が抑制されている。
つまり、この螺旋状クリーニング部材102は、ニップ部N2を軸方向に亘って形成する補助的な役割も備えているため、弾性体シート106のシャフト104に対する巻き数が軸方向に沿った任意の位相で異なると、その巻き数のばらつきによって、ニップ部N2の状況が周期的に変化してしまい、帯電斑、即ち濃度斑が生じてしまう。
この現象は、巻き数が多い場合(例えば9巻き程度の場合)には、濃度斑への影響が小さいが、巻き数が少ない場合(例えば4巻き程度の場合)には、周期的な変動が大きくなるため、濃度斑への影響を無視できなくなる。よって、この螺旋状クリーニング部材102では、上記の通り、軸方向に沿った任意の位相で常に同じ巻き数となるように構成されている。
そして、これにより、帯電ロール14と感光体12との軸方向におけるニップ部N1の変動も抑制される。よって、清掃ブレード26をすり抜けた外添剤等の異物は、帯電ロール14の外周面に効率よく付着する。そして、帯電ロール14の外周面に付着した外添剤等の異物は、その外周面に接触して従動回転する螺旋状クリーニング部材102の弾性体シート106(弾性層107)で、その外周面を払拭することにより除去される。
ここで、この螺旋状クリーニング部材102では、シャフト104に対する弾性体シート106(弾性層107)の巻き付け角度である螺旋角度θが45°未満(例えばθ=24°)とされている。つまり、帯電ロール14との接触によって螺旋状クリーニング部材102(稜線部107D)に加えられる摩擦力Gのうち、回転に寄与しない分力Gsが低減され、回転に寄与する分力Gmが増加されている。
そして、弾性体シート106の弾性層107の幅方向における断面形状は、その幅方向両端部が上方へ向かって凸状に隆起する形状(稜線部107D)とされており、かつニップ部N2における弾性層107の接触面107Aの形状は、シャフト104の軸方向に沿った対辺107Bに、その軸方向でオーバーラップする領域が存在しない平行四辺形状とされている。つまり、稜線部107Dの長さEが、螺旋角度θが45°以上とされているものに比べて長くなっている。
したがって、螺旋状クリーニング部材102は、図8で示す矢印J方向に回転する帯電ロール14に対して安定して矢印F方向に従動回転し、その帯電ロール14の外周面に付着した異物は、弾性層107の幅方向両端部(稜線部107D)及び幅方向中央部を含む外周面(接触面107A)によって効率よく(性能よく)掻き取られる。つまり、この螺旋状クリーニング部材102によれば、帯電ロール14の外周面に対する弾性層107(稜線部107D)の接触圧不足が発生せず、その接触圧不足によるクリーニング不良が抑制又は防止される。
よって、上記構成とされていない螺旋状クリーニング部材(図示省略)に比べて、帯電ロール14に対するクリーニング性が向上される。しかも、この螺旋状クリーニング部材102の外径は、帯電ロール14の外径よりも大きく形成されている。したがって、螺旋状クリーニング部材102の外径が、帯電ロール14の外径と同一か、又はそれよりも小さい構成に比べて、弾性層107における接触面側の総面積に対する毎回使用される接触面107Aの面積の比率が低減される。
つまり、弾性層107が、帯電ロール14の外周面に対して同じ領域で払拭(清掃)するのが抑制される。よって、螺旋状クリーニング部材102における弾性体シート106(弾性層107)の長寿命化が図れる。これにより、長期間に亘って、帯電ロール14のクリーニング性を維持することが可能となり、クリーニング不良に起因する画質欠陥の発生し難い画像形成装置10を得ることが可能となる。
また、この螺旋状クリーニング部材102では、シャフト104に対する弾性体シート106の巻き付け角度である螺旋角度θが45°未満とされている。そのため、一定の長さのシャフト104に対する弾性体シート106の巻き数が少なくて済む(例えば4巻き程度とされる)。したがって、弾性体シート106の製造コストが低減される。つまり、これにより、螺旋状クリーニング部材102の製造コストが低減される。
以上、本実施形態に係る螺旋状クリーニング部材102について、図面を基に説明したが、本実施形態に係る螺旋状クリーニング部材102は、図示のものに限定されるものではなく、種々の変形、変更、改良が可能である。例えば、弾性体シート106の弾性層107は、植毛部材によって構成されていてもよい。
また、本実施形態では、螺旋状クリーニング部材102を帯電ロール14へ常時接触させ、帯電ロール14に従動回転させる態様について説明したが、螺旋状クリーニング部材102は、帯電ロール14のクリーニング時のみ、帯電ロール14に接触させて従動回転させる態様にしてもよい。また、螺旋状クリーニング部材102を回転駆動させ、帯電ロール14に対して周速差を付与する構成にしても構わない。
また、本実施形態に係る画像形成装置10では、感光体12、帯電装置50(帯電ロール14と清掃装置100とのユニット)、現像装置24、清掃ブレード26を備えたプロセスカートリッジ18として説明したが、これに限らず、帯電装置50を備え、その他、必要に応じて、感光体12、露光装置16、転写装置22、現像装置24、清掃ブレード26から選択されるものを備えたプロセスカートリッジ18としてもよい。なお、これら装置や部材をカートリッジ化せず、画像形成装置10に直接配置した形態であってもよい。
また、本実施形態に係る画像形成装置10では、被清掃体として帯電ロール14を採用した態様を説明したが、これに限らず、被清掃体としては、感光体12、転写装置22等が挙げられる。そして、これら被清掃体と、これに接触して配置される清掃装置100とのユニットを、画像形成装置10に直接配置してもよいし、プロセスカートリッジ18のようにカートリッジ化して画像形成装置10に配置してもよい。
また、本実施形態に係る画像形成装置10は、上記構成に限られず、例えば中間転写方式の画像形成装置であってもよい。更に、本実施形態に係る画像形成装置10は、両面プリント可能な画像形成装置とされているが、片面プリントのみ可能な画像形成装置であってもよい。