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JP2014065437A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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JP2014065437A JP2012213187A JP2012213187A JP2014065437A JP 2014065437 A JP2014065437 A JP 2014065437A JP 2012213187 A JP2012213187 A JP 2012213187A JP 2012213187 A JP2012213187 A JP 2012213187A JP 2014065437 A JP2014065437 A JP 2014065437A
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Japan
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Takuya Yoshimi
拓也 吉見
Koichi Naoi
浩一 直井
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Bridgestone Corp
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Bridgestone Corp
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Abstract

【課題】耐久性を維持しつつ、従来よりも軽量化を図った空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】少なくとも2層のベルト層5からなるベルトと、ベルトのタイヤ径方向外側にベルト補強層6と、を備える空気入りタイヤである。ベルト層5のうち少なくとも1層が、2本のコアフィラメントからなるコアと、コアの周囲に撚り合わされたN(2≦N≦4)本のシースフィラメントと、からなるスチールコードであり、コアフィラメント径d1とシースフィラメント径d2とが、d1>d2である。ベルト補強層6の有機繊維コード1本当たりの総繊度が600〜3000dtexであり、タイヤから取り出した有機繊維コード1本当たりの3%伸時の引張抵抗度が3〜17GPaである。
【選択図】図1

Description

本発明は、空気入りタイヤ(以下、単に「タイヤ」とも称する)に関し、耐久性を維持しつつ、従来よりも軽量化を図った空気入りタイヤに関する。
近年、環境性能の重要性が増してきており、スチールコードを補強部材として用いるタイヤにおいては軽量化のニーズが高まっている。タイヤの軽量化の手法の1つとして、ベルトトリートのゴムの使用量を少なくし、ベルトを薄くすることを挙げることができる。
ベルトトリートのゴム使用量を減らす以外のタイヤ軽量化の手法としては、スチールコードの打込み本数を減らすことが考えられる。しかしながら、スチールコードの打込み本数が少なくなると、ベルトの剛性が低下してしまい、好ましくない。このような状況の中、タイヤの軽量化や耐久性の向上に関して、多くの提案がなされている。例えば、特許文献1ではタイヤの軽量化を目的として、M(M=2〜5)+N(N=1〜3)構造でかつ、フィラメント本数がM≧Nのスチールコードが提案されている。
実開平3−128689号公報
しかしながら、特許文献1に記載のスチールコードは、スチールコードに対するゴムの浸透性を高めることで耐久性を向上させているが、軽量化については検討されていない。
また、2+3構造のスチールコードは、通常、その断面が楕円形であるが、ベルトトリートの製造時にスチールコードが乱れて、スチールコードの長径がタイヤ径方向に向いてしまう場合がある。このようなベルトトリートを、ベルトのタイヤ径方向外側にベルト補強層を有するタイヤに適用すると、ベルトを構成するスチールコードとベルト補強層を構成するコードとの距離が短い部分が生じ、タイヤの耐久性が低下してしまうことがある。
そこで、本発明の目的は、耐久性を維持しつつ、従来よりも軽量化を図った空気入りタイヤを提供することにある。
本発明の空気入りタイヤは、少なくとも2層のベルト層からなるベルトと、該ベルトのタイヤ径方向外側に、有機繊維コードがゴム被覆されてなる有機繊維コードとゴムとの複合体がタイヤ周方向に螺旋巻きされてなるベルト補強層と、を備える空気入りタイヤにおいて、
前記ベルトを構成するベルト層のうち少なくとも1層が、2本のコアフィラメントを撚り合せることなく並列に配置されたコアと、該コアの周囲に撚り合わされたN(2≦N≦4)本のシースフィラメントと、からなるスチールコードであって、前記コアフィラメントの径をd1、前記シースフィラメントの径をd2としたとき、d1とd2とが下記式(1)、
d1>d2 (1)
で表される関係式を満足するスチールコードがタイヤ幅方向に並置されてコーティングゴム中に埋設されてなり、かつ、
前記ベルト補強層の有機繊維コード1本当たりの総繊度が600〜3000dtexであり、タイヤから取り出した前記有機繊維コード1本当たりの3%伸時の引張抵抗度が3〜17GPaであることを特徴とするものである。ここで、有機繊維コード1本当たりの3%伸時の引張抵抗度は、JIS L 1017に準拠して算出された、20℃における3%伸び時の値である。
本発明によれば、耐久性を維持しつつ、従来よりも軽量化を図った空気入りタイヤを提供することができる。
本発明の一好適例のタイヤ幅方向断面図である。 スチールコードの径の断面図であり、(a)は1×3構造、(b)は、d1=d2の場合の2+3構造、(c)はd1>d2の場合の2+3構造、である。 2+3構造のスチールコードを補強材とするベルトおよび有機繊維コードを補強材とするベルト補強層の部分断面図である。 タイヤのベルトの部分部分断面図であり、(a)は、従来のタイヤであり、(b)は本発明に係るタイヤである。 フィラメントの振幅を示す説明図である。 トリートの部分断面図であり、(a)は、H1<H2の場合、(b)はH1>H2の場合である。 本発明の好適な実施形態に係るベルト層の端部近傍を示す部分断面図である。 実施例、比較例および従来例のベルト補強層の構造の模式図である。
以下、本発明の実施の形態を図面を用いて詳細に説明する。
図1に、本発明の空気入りタイヤの一好適例のタイヤ幅方向断面図を示す。図示するタイヤは、カーカスのクラウン領域に配設されて接地部を形成するトレッド部1と、このトレッド部1の両側部に連続してタイヤ半径方向内方へ延びる一対のサイドウォール部2と、各サイドウォール部2の内周側に連続するビード部3と、を備えている。トレッド部1、サイドウォール部2およびビード部3は、一方のビード部3から他方のビード部3にわたってトロイド状に延びる一枚のカーカスプライ4からなるカーカスにより補強されている。また、トレッド部1は、カーカスのクラウン領域のタイヤ径方向外側に配設した少なくとも2層の第1ベルト層5aと第2ベルト層5bとからなるベルト5により補強されている。
本発明のタイヤにおいては、ベルト5を構成するベルト層のうち少なくとも1層が、2本のコアフィラメントが撚り合わせられることなく並列に配置されたコアと、コアの周囲に撚り合わされたN(2≦N≦4)本、好適には3本のシースフィラメントとからなるスチールコードがタイヤ幅方向に並置されてコーティングゴム中に埋設されてなるものであって、コアフィラメントの径をd1、シースフィラメントの径をd2としたとき、d1とd2とが下記式(1)、
d1>d2 (1)
で表される関係式を満足する。
図2(a)〜(c)は、スチールコードの径の断面図であり、(a)は、従来、タイヤのベルトの補強材として用いられてきた1×3構造の断面図であり、(b)は、(a)の1×3構造と同径のスチールフィラメントを用いた2+3構造の断面図であり、(c)は、(a)の1×3構造と同径のスチールフィラメントをコアとし、これよりも小径のシースフィラメントを用いた2+3構造の断面図である。
図2の(a)と(b)とを比較すると、(a)のスチールコード10の径と、(b)のスチールコード10の短径はほぼ同等であるが、図2の(b)と(c)とを比較すると、2+3構造のスチールコード10の短径はシースフィラメント12の径に支配されていることがわかる。すなわち、シースフィラメント12の径d2をコアフィラメント11の径d1よりも小さくすることにより、2+3構造におけるスチールコード10の短径を小さくすることができる。そのため、d1>d2とすることで、従来のスチールコード10と比べて、ベルト層の厚みを薄くすることができる。また、シースフィラメント12としてコアフィラメント11よりも小径のスチールフィラメントを用いることで、スチールの使用量を減らすことができ、タイヤの軽量化を図ることができる。
また、本発明のタイヤは、ベルト5のタイヤ径方向外側に、有機繊維コードをゴム被覆した有機繊維コードとゴムとの複合体がタイヤ周方向に螺旋巻きされてなるベルト補強層6を有する。図1に示す例では、ベルト補強層6は、ベルト層5a、5bの両端部Bsを覆っているが、ベルト層5a、5bのタイヤ幅方向全幅を覆う構造であってもよい。また、ベルト補強層6はタイヤ幅方向に連続的に設けられていてもよいが、タイヤ幅方向に断続的に設けられていてもよい。具体的には、ベルト5の全幅を覆うベルト補強層6の中央部Bcのみを、断続的に設けた構造を挙げることができ、例えば、ベルト補強層6の中央部Bcにおけるコードの打込み数と両端部Bsにおけるコードの打込み数を変えることで製造することができる。なお、ベルトの中央部Bcとは、タイヤ幅方向中心線CLを中心とした、トレッド全幅の70%の領域を意味し、ベルトの両端部Bsとは、ベルトの中央部Bcのタイヤ幅方向両外側の各15%の領域を意味する。
さらに、図3は、2+3構造のスチールコードを補強材とするベルト5および有機繊維コードを補強材とするベルト補強層6の部分断面図であり、(a)は、ベルト5を構成するスチールコードの長径が全てタイヤ幅方向を向いている場合の部分断面図であり、(b)は、ベルト5を構成するスチールコードの一部の長径がタイヤ径方向を向いている場合の部分断面図である。ベルト5を構成するスチールコード10と、ベルト補強層6を構成する有機繊維コード13と、の距離D1を比較すると、図3(a)および(b)からわかるように、一部のスチールコード10の長径がタイヤ径方向を向いていると、その部分に置ける距離D1が短くなる。
そこで、本発明のタイヤにおいては、ベルト補強層6を構成する有機繊維コード13の1本当たりの総繊度を600〜3000dtexとすることで、すなわち、比較的径の細い有機繊維コード13を用いることで、ベルトトリートの製造時にスチールコード10の配置が乱れ、長径がタイヤ径方向に向いたとしても、最外層ベルト(図示例では、ベルト層5b)を構成するスチールコード10と、ベルト補強層6を構成する有機繊維コード13と、の距離D1を確保し、局所的なゴムの破壊を防止しタイヤ耐久性を維持している。なお、有機繊維コード13の1本当たりの総繊度を600〜3000dtexとした理由は、軽量化の観点では総繊度が小さいほど効果が大きく、市場耐久性の観点では総繊度が大きいほど効果が大きく、600〜3000dtexの範囲の中でより効果的に両性能に対するメリットを享受できるためであり、さらに好適には有機繊維コード13の総繊度は、1000〜2800dtexである。
さらにまた、本発明のタイヤにおいては、タイヤから取り出したベルト補強層6を構成する有機繊維コード13の1本当たりの3%伸時の引張抵抗度が3〜17GPaである。有機繊維コードの3%伸時の引張抵抗度が3GPa未満であると、タイヤの高速回転時の遠心力により生じるベルト層5a、5bの両端部Bsのせり上がりを、タガ効果によって十分に抑制することができなくなり、タイヤの高速耐久性を十分に高めることができない。一方、有機繊維コード13の3%伸時の引張抵抗度が17GPaより大きくなると、タイヤ転動時に発生する変形に対するエネルギーロスが大きくなり、ベルト補強層6が無い場合、および低剛性のコードをベルト補強層6に用いた場合に比べて、転がり抵抗が大きくなってしまう。また、高速走行時には、トレッドゴムとベルト補強層6との間で剥離が生じ、タイヤの耐久性が低下する場合もあるため、好適には5〜12GPaである。
本発明のタイヤにおいては、ベルト補強層6の補強材である有機繊維コード13は、上記要件を満足するものであれば、タイヤ用コードとして既知のものを用いることができるが、有機繊維コードとしては、ナイロンまたはポリエチレンテレフタレート(PET)を30%以上含む有機繊維コードを好適に用いることができるが、より好適には、6,6−ナイロン繊維からなるコードを用いることができる。
また、図3に示すように、本発明のタイヤにおいては、ベルトの最外層ベルト層(図示例では第2ベルト5b)と、最内層のベルト補強層6を構成する有機繊維コード13と、の距離D1は0.1mm以上であることが好ましい。D1が0.1mm未満であると、長径がタイヤ径方向に向いたスチールコードがある場合、最外層ベルト層5bのスチールコード10とベルト補強層6を構成する有機繊維コード13との距離が短くなって、ベルト端部からの亀裂の伝播に起因する故障に係るベルト端部の耐久性が悪化してしまう場合があり好ましくない。ベルト端部の耐久性およびタイヤの軽量性の観点から、本発明のタイヤにおいては、ベルトの最外層ベルト層5bと、最内層のベルト補強層6を構成する有機繊維コード13と、の距離D1は、好適には、0.2〜0.6mmである。
また、本発明のタイヤにおいては、ベルト層5a、5bを構成するスチールコード10のコアフィラメントの径d1とシースフィラメントの径d2とが下記式(2)、
1.1≦d1/d2<1.7 (2)、
好適には下記式(4)、
1.1≦d1/d2<1.4 (4)
で表される関係を満足する。図4は、タイヤのベルトの部分断面図であり、(a)は、従来のタイヤであり、(b)は本発明に係るタイヤである。本発明のタイヤにおいては、上記関係を満足することにより、接着耐久性を向上させるとともに、ベルト折れ性も確保することができる。すなわち、d1/d2が1.7以上になると、スチールコード10の曲げがしなやかになり、コアフィラメント11に対する疲労性が低下してしまう。一方、d1/d2が1.1未満になると、第1ベルト層5aのタイヤ径方向内側部および第2ベルト層5bのタイヤ径方向外側部のゲージG1およびG2を確保することができなくなり、接着耐久性が低下してしまう場合がある。好適には、1.1以上1.4未満である。
なお、本発明のタイヤに係るスチールコードは、d1>d2であるため、従来のスチールコードと比べて、タイヤ径方向のコード径の増加を抑えることができる。その結果、第1ベルト層5aのスチールコードと第2ベルト層5bのスチールコードとの距離D2を同等に確保してベルト端部耐久性を維持しつつ(図4参照)、第1ベルト層5aのタイヤ径方向内側のゲージG1および第2ベルト層5bのタイヤ径方向外側のゲージG2を厚くすることができる。これにより、ベルト5の接着耐久性を向上させることができる。
さらに、本発明のタイヤにおいては、ベルト層5a、5bを構成するスチールコードのコアフィラメント11の平均型付け率をH1、シースフィラメント12の平均型付け率をH2としたとき、
H1>H2 (3)
の関係を満たすことが好ましい。ここで、コアフィラメント11およびシースフィラメント12の平均型付け率H(%)とは、フィラメントの振幅Aの平均をAave.としたとき、下記式、
平均型付け率H(%)=Aave./(2×d1+d2)×100
にて定義される。振幅Aの平均であるAave.は、スチールコードを解した後、コアフィラメント11(シースフィラメント12)における振幅を測定し、その最大値A1と最小値A2の平均を意味する。なお、図5はフィラメントの振幅を示す説明図である。
タイヤを構成するベルト層5a、5bの材料であるトリートは、一般に、スチールコード10を多数本並行に引きそろえ、この上下に未加硫ゴムを配置して、スチールコード10をゴム被覆することにより製造される。バンチャー型撚り線機で製造した2+N(N=2〜4)構造のスチールコード10はコアフィラメント11とシースフィラメント12のトーションが、それぞれ逆方向に発生する。特に、d1>d2の関係を有するM+N構造の各フィラメントに生じたトーションは、d1=d2の関係を有する場合の各フィラメントのトーション差と比べて大きくなる。
図6は、トリートの部分断面図であり、(a)は、H1<H2の場合、(b)はH1>H2の場合である。図6(a)に示すように、コアフィラメント11の平均型付け率H1(%)が小さい場合、コアフィラメント11の位置はほとんど変化しないため、コアフィラメント11はスチールコード10の上下に配置された被覆ゴム14a、14bと接触することはなく、シースフィラメント12のみが被覆ゴム14a、14bと接触している状態となる。このような状態においては、シースフィラメント12は被覆ゴム14a、14bにより、トーションによる回転が抑制されるが、コアフィラメント11は被覆ゴム14a、14bとの接触がないため、トリートの才断時にコアフィラメント11のトーションに起因する回転が生じ、これにより、トリートにカールが発生する。
そこで、本発明に係るスチールコードにおいては、図6(b)に示すように、H1>H2として、スチールコード10の長手方向において、コアフィラメント11と被覆ゴム14a、14bとが接触する部位を設け、これにより、コアフィラメント11のトーションに起因する回転を防止し、トリート才断時に発生するトリートのカールを防止している。好適にはH1/H2の値は、1.1〜1.4である。
また、本発明に係るスチールコードにおいては、コアフィラメント11の平均型付け率H1(%)は70〜110%であることが好ましい。H1が70%未満であると、シースフィラメント12の平均型付け率H2の影響を受けてトリートにカールが生じてしまうおそれがあり好ましくない。一方、H1が110%を超えると、スチールコード10のコード性状が不安定になるおそれがあり、好ましくない。
さらに、本発明においては、コアフィラメント11の径d1は0.16〜0.32mmであり、シースフィラメント12の径d2は0.12〜0.29mmであることが好ましい。さらにまた、コアフィラメント11の径d1は0.16〜0.32mmであり、かつシースフィラメント12の径d2は0.12〜0.29mmであることがより好ましい。フィラメント径が上記範囲を超えると、十分な軽量効果が得られない場合がある。一方、フィラメント径が上記範囲未満であると、ベルト強度不足の懸念がある。
図7は、本発明のタイヤの好適な実施の形態に係るベルト層の端部近傍を示す部分断面図である。図示するように、本発明のタイヤにおいては、第2ベルト層5b端部における第1ベルト層5aと第2ベルト層5bとのスチールコード10間のゴム層のゲージHは、タイヤ中央部におけるゲージHよりも大きいことが好ましい。好適にはHはHの1.3〜3.0倍、好ましくは1.8〜2.6倍である。ベルト端において厚ゲージのベルト間ゴム15を配置することで、ベルト耐久性をより向上させることができる。この値が1.3倍未満であると、かかる効果を十分に得ることができなく、一方、3.0倍を超えるとタイヤの軽量化が十分とはいえなくなる場合がある。
また、本発明のタイヤにおいては、タイヤの軽量化と耐久性の向上の観点から、好適には、ベルト層の厚みt(図示例においては第1ベルト層5a、第2ベルト層5bの厚みt1、t2)は0.85〜1.65mm、より好適には0.85〜1.00mmである(図7参照)。ベルト層の厚みtが0.85mm未満では、十分な耐久性を得ることができない場合があり、一方、ベルト層の厚みtが1.65mm以上であると、十分な軽量効果を得ることができない場合がある。
さらに、本発明のタイヤにおいては、ベルトへのスチールコードの打込み数は22〜57本/50mmであることが好ましい。打込み数が、上記範囲未満の場合は、引張強度不足やベルト剛性低下の懸念があり好ましくなく。一方、打込み数が上記範囲より多いと、コード間隔を確保することが困難になり、有効にベルト端部の耐久性の低下を抑制することが困難になり、ベルト耐久性の低下が懸念される。
さらにまた、本発明のタイヤにおいては、ベルト強度を確保するために、引張り強さが2700N/mm以上のスチールフィラメントを用いることが好ましい。高い抗張力を有するスチールフィラメントとしては、少なくとも0.72質量%、特には少なくとも0.82質量%の炭素を含有するものを、好適に用いることができる。なお、本発明においては、シースフィラメント12の撚り方向、撚りピッチ等の条件については、特に制約されるものではなく、常法に従い適宜構成することが可能である。
本発明のタイヤは、ベルトの構造、およびベルト補強層の構造が上記要件を満足するものであれば、それ以外の具体的なタイヤ構造については、特に制限されるものではない。
以下、本発明を、実施例を用いてより詳細に説明する。
<実施例1〜7、比較例1、2および従来例>
下記表1に示す構造のスチールコードをベルト補強材として、また、同表に示す材質の有機繊維コードをベルト補強層の補強材として用いて、タイヤサイズ:205/55R16であって、下記表1に示すベルト補強層の構造を有するタイヤを作製した。ベルトは2枚のベルト層からなり、スチールコードの打込み角度はタイヤ周方向に対して±30°とし、打込み数は37本/50mmとした。また、ベルト補強層は、同表に示す有機繊維コードをゴム被覆したリボン状のストリップ材をタイヤ周方向に螺旋巻きして、タイヤ周方向に対し実質的に平行に配列させて形成した。
得られた各タイヤについて、下記の手順に従い、市場耐久性および軽量性(タイヤ重量)について評価を行った。なお、図8は、実施例、比較例および従来例として作製したタイヤのベルト補強層の構造の模式図であり、(a)は、ベルト層5a、5bの両端部Bsを覆うベルト補強層6(打込み数:50本/50mm)を備えた構造であり、(b)は、ベルト層5a、5bの全幅を覆うベルト補強層6(打込み数:50本/50mm)を備えた構造であり、(c)は、ベルト層5a、5bの全幅を覆う構造であるが、ベルトの中央部Bcは断続的にベルト補強層6に覆われる構造であり、中央部Bcの打込み数は中央部Bc全体の平均で36本/50mm、両側部Bsの打込み数は50本/50mmであり、(d)は、ベルト補強層を有していない構造である。
<軽量性>
得られた各タイヤ1本当たりの重量を測定し、得られた値を従来例のタイヤを100とする指数として表した。数値が小さいほど、軽量性に優れていることを示す。結果を表1に併記する。
<市場耐久性>
得られた各タイヤをリムサイズ:6.5J×16のリムに組み付けた後、乗用車に装着した。その後、舗装道路を50000km走行させ後、各タイヤをドラムにて荷重4.5kNの条件にて、時速180kmで回転させ、故障するまでの時間を計測し、タイヤ4本の平均時間を求めた。得られた結果につき、従来例を基準100としたときの指数表示にて示した。数値が大なるほど市場耐久性が良好である。結果を表1に併記する。
Figure 2014065437
表1より本発明のタイヤは、耐久性を維持しつつ、従来よりも軽量化できることが確かめられた。
1 トレッド部、2 サイドウォール部、3 ビード部、4 カーカス、5a 第1ベルト層、5b 第2ベルト層、6 ベルト補強層、10 スチールコード、11 コアフィラメント、12 シースフィラメント、13 有機繊維コード、14a、14b 被覆ゴム、15 ベルト間ゴム

Claims (5)

  1. 少なくとも2層のベルト層からなるベルトと、該ベルトのタイヤ径方向外側に、有機繊維コードがゴム被覆されてなる有機繊維コードとゴムとの複合体がタイヤ周方向に螺旋巻きされてなるベルト補強層と、を備える空気入りタイヤにおいて、
    前記ベルトを構成するベルト層のうち少なくとも1層が、2本のコアフィラメントを撚り合せることなく並列に配置されたコアと、該コアの周囲に撚り合わされたN(2≦N≦4)本のシースフィラメントと、からなるスチールコードであって、前記コアフィラメントの径をd1、前記シースフィラメントの径をd2としたとき、d1とd2とが下記式(1)、
    d1>d2 (1)
    で表される関係式を満足するスチールコードがタイヤ幅方向に並置されてコーティングゴム中に埋設されてなり、かつ、
    前記ベルト補強層の有機繊維コード1本当たりの総繊度が600〜3000dtexであり、タイヤから取り出した前記有機繊維コード1本当たりの3%伸時の引張抵抗度が3〜17GPaであることを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記有機繊維コード1本当たりの3%伸時の引張抵抗度が5〜12GPaである請求項1記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記ベルトの最外層ベルト層を構成するスチールコードと、最内層の前記ベルト補強層を構成する有機繊維コードと、の距離が0.1mm以上である請求項1または2記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記d1と前記d2とが下記式(2)、
    1.1≦d1/d2<1.7 (2)
    で表される関係を満足する請求項1〜3のうちいずれか一項記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記コアフィラメントの平均型付け率をH1、前記シースフィラメントの平均型付け率をH2としたとき、前記H1とH2とが下記式(3)、
    H1>H2 (3)
    で表される関係を満足する請求項1〜4のうちいずれか一項記載の空気入りタイヤ。
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