JP2014048660A - カメラ用フォーカルプレンシャッタ - Google Patents
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Abstract
【課題】作動回数を重ねてもシャッタ羽根の表面が傷つかず作動速度に影響を与えないカメラ用フォーカルプレンシャッタを提供すること。
【解決手段】シャッタ地板1とカバー板2と中間板3とで二つの羽根室を構成し先羽根及び後羽根を備えているフォーカルプレンシャッタにおいて、シャッタ地板1とカバー板2の羽根室側の面には、コロ19,20が取り付けられている。先羽根及び後羽根の羽根部材の先端部と接触しているコロ19,20が、シャッタ羽根が作動するときに回転させられることにより、先羽根及び後羽根の羽根部材がシャッタ地板1やカバー板2から摩擦を受けることなく作動し、シャッタ羽根の高速化が可能となる。
【選択図】図2
【解決手段】シャッタ地板1とカバー板2と中間板3とで二つの羽根室を構成し先羽根及び後羽根を備えているフォーカルプレンシャッタにおいて、シャッタ地板1とカバー板2の羽根室側の面には、コロ19,20が取り付けられている。先羽根及び後羽根の羽根部材の先端部と接触しているコロ19,20が、シャッタ羽根が作動するときに回転させられることにより、先羽根及び後羽根の羽根部材がシャッタ地板1やカバー板2から摩擦を受けることなく作動し、シャッタ羽根の高速化が可能となる。
【選択図】図2
Description
本発明は、一つ又は二つのシャッタ羽根を備えているカメラ用フォーカルプレンシャッタに関する。
カメラ用フォーカルプレンシャッタの中には、シャッタ地板,中間板,カバー板と称されている3枚の板部材の間に二つの羽根室を構成し、それらの羽根室に、先羽根,後羽根と称されている二つのシャッタ羽根を個別に配置するようにしたものと、シャッタ地板とカバー板との間に構成された羽根室に、一つのシャッタ羽根を配置するようにしたものとが知られている。
いずれのフォーカルプレンシャッタの場合でも、シャッタ羽根の構成は略同じであり、長さ方向の一端をシャッタ地板に回転可能に取り付けている複数のアームと、それらのアームに枢支された羽根部材とで構成されている。
羽根部材は、一般的に薄い材料から成るため、光軸方向へ変位・変形してしまうことがある。しかし、そのように変位・変形してしまうと、羽根部材が他の板部材に接触してしまう。そして、シャッタ羽根の羽根部材が板部材に接触した状態でシャッタ羽根が作動させられると、シャッタ羽根の作動速度が変化してしまうという問題があった。
このような問題に対して、従来は、板部材に対してレール状の肉厚部をシャッタ羽根の作動軌跡に沿って形成し、羽根部材を支えるようにすることで、羽根部材が板部材に接触しないようにしてきた。しかしながら、このようにレール状の肉厚部を設けて羽根部材の特定の箇所のみを支えるようにすると、レール上の肉厚部に接触する箇所が集中してしまい磨耗してしまうおそれが生じる。
このような問題を解決するために、特許文献1には、シャッタ地板に設けたレール状の肉厚部(特許文献1中では「抑制条」)を、シャッタ羽根(特許文献1中では「羽根群」)の作動軌跡に沿わない形状に形成している。これにより、シャッタ羽根の羽根部材におけるレール状の肉厚部と摺接する場所を分散させることができるため、羽根部材に傷が付きにくくなるという効果を奏する。
特許文献1に記載のように、シャッタ羽根の作動軌跡に沿わない形状にレール状の肉厚部を形成した場合には、シャッタ羽根の作動が安定し、且つ羽根部材が傷つきにくくなる。しかしながら、羽根部材は、レール状の肉厚部との摺接により摩擦を受けることになる。
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、シャッタ羽根の羽根部材が板部材と摺接して傷つくことがなく、シャッタ羽根の作動速度をより一層高速化することが可能なカメラ用フォーカルプレンシャッタを提供することである。
上記の目的を達成するために、本発明のカメラ用フォーカルプレンシャッタは、被写体光路用の開口部を有する合成樹脂製のシャッタ地板と、被写体光路用の開口部を有していて前記シャッタ地板に取り付けられており該シャッタ地板との間に羽根室を構成しているカバー板と、複数のアームとそれらのアームに枢支された羽根部材とで構成されていて前記羽根室内において前記シャッタ地板に立設されている複数の羽根取付軸に対してそれらのアームの一端を個別に回転可能に取り付けられている少なくとも一つのシャッタ羽根と、を備えていて、前記シャッタ地板又は前記カバー板の前記羽根室側の面には、前記シャッタ羽根が作動するときに前記シャッタ羽根の羽根部材と接触して回転する回転部材が取り付けられている。
また、前記回転部材は、前記シャッタ羽根の羽根部材の走行方向に沿って回転するように取り付けられているコロであるようにすると、シャッタ地板に対する回転部材の取り付けが容易になると共に、シャッタ羽根の作動が円滑になる。
また、前記回転部材は、回転可能に取り付けられている球体であるようにすると、シャッタ羽根の作動が円滑になる。
本発明は、カメラ用フォーカルプレンシャッタにおいて、シャッタ地板の羽根室側の面に、シャッタ羽根の羽根部材と接触するようにして回転部材が取り付けられているので、シャッタ羽根が作動する際に、回転部材が回転することでシャッタ羽根の羽根部材がシャッタ地板から摩擦を受けることなく作動でき、シャッタ羽根の表面がシャッタ地板と摺接することにより傷つくことがなくなり、シャッタ羽根の作動速度の高速化が可能となる効果を奏する。
本発明の実施の形態を、図示した二つの実施例によって説明する。なお、図1〜図8は、実施例1を説明するためのものであり、図9は、実施例2を説明するためのものである。
最初に、図1〜図8を用いて、実施例1の説明をする。図1は、シャッタ羽根の露光作動終了状態を、被写体側、すなわち撮影レンズ側から視た平面図である。図2は、シャッタ羽根の露光作動終了状態を、中間板及びカバー板を取り去って撮像素子側から視た平面図である。図3は、実施例1における回転部材であるコロの取り付け方を示した図であって、(a)は斜視図であり、(b)は断面図である。図4は、シャッタ羽根のセット状態を、図2と同様にして視た平面図である。図5は、シャッタ羽根の露光作動中の状態を、図2と同様にして視た平面図である。図6〜8は、それぞれ図2,4,5の状態において、シャッタ羽根とコロとの接触状態を示すA−A’線での断面図である。
まず、実施例1の構成を説明する。本実施例のカメラ用フォーカルプレンシャッタは、シャッタ地板1とカバー板2との間に中間板3を配置していて、シャッタ地板1と中間板3との間に先羽根を配置する羽根室を、カバー板2と中間板3との間に後羽根を配置する羽根室を、それぞれ構成している。カバー板2及び中間板3は、適宜な手段によってシャッタ地板1に取り付けられていて、シャッタ地板1とほぼ同じ形状をしている。図1は、シャッタ地板1の羽根室とは反対側の面を示す図であり、図2,4,5は、シャッタ地板1の羽根室側の面を示す図である。なお、図2,4,5においては、シャッタ地板1のみを図示して、カバー板2及び中間板3の図示を省略している。本実施例のシャッタ地板1は、合成樹脂製であって、その中央部に光軸を中心にした長方形の開口部1aを形成している。また、カバー板2及び中間板3も、合成樹脂製であって、その中央部にシャッタ地板1と略同じ形状の開口部を形成している。そして、シャッタ地板1,カバー板2,中間板3のそれぞれの開口部を重ね合わせることによって、長方形の露光開口が形成されている。また、本実施例のシャッタ地板1及びカバー板2は、後述のコロ19,20を取り忖ける必要があるため、中間板3よりも厚く形成されている。
図1に示すように、シャッタ地板1には、円弧状の二つの長孔1b,1cが形成されており、それらの下方端部には、平面形状がC字状をしている周知の緩衝部材4,5が取り付けられている。更に、シャッタ地板1の羽根室側とは反対側の面には、軸1d,1e,1fが立設されていて、羽根室側の面には、軸1g,1h,1i,1jが立設されている。これらの軸のうち、軸1dと軸1g、及び軸1eと軸1jは、シャッタ地板1の羽根室側とその反対側に同心に形成されている。また、シャッタ地板1の羽根室側の面には、後述するようにコロ19を取り付けるための取付部1kが形成されている。また、カバー板2及び中間板3にも、シャッタ地板1の二つの長孔1b,1cに対応した位置に、それぞれ同形状の長孔が設けられている。また、カバー板2の羽根室側の面には、後述するようにコロ20を取り付けるための取付部2aが形成されている。
次に、シャッタ地板1の羽根室側とは反対側の面に取り付けられている部材の説明をする。シャッタ地板1の羽根室側とは反対側の面に立設されている軸1dには、後羽根用駆動部材6が回転可能に取り付けられている。また、シャッタ地板1の羽根室側とは反対側の面に立設されている軸1eには、先羽根用駆動部材7が回転可能に取り付けられている。更に、シャッタ地板1の羽根室側とは反対側の面に立設されている軸1fには、セット部材8が回転可能に取り付けられている。そして、後羽根用駆動部材6,先羽根用駆動部材7は、それぞれ駆動ピン6a,7aを有していて、該駆動ピン6a,7aは長孔1b,1cを貫通してカバー板2の図示していない長孔に挿入されている。しかしながら、これらの構成は公知であるため、図2,4,5においては後羽根用駆動部材6,先羽根用駆動部材7,セット部材8の図示を省略し、駆動ピン6a,7aのみを図示している。
次に、図2を用いて、シャッタ地板1の羽根室側の面に取り付けられている部材の説明をする。シャッタ地板1の羽根室側の面には、シャッタ羽根としての先羽根及び後羽根が取り付けられている。そして、先羽根は、二つのアーム14,15と、それらの長さ方向に順に枢支された三枚の羽根部材16,17,18とで構成されていて、最先端に枢支された羽根18がスリット形成羽根になっている。そして、二つのアーム14,15は、それぞれシャッタ地板1の羽根室側の面に立設されている軸1i,1jに回転可能に取り付けられている。また、アーム15には、孔15aが形成されていて、先羽根用駆動部材7の駆動ピン7aが嵌合されている。なお、このような二つのアーム14,15と三枚の羽根部材16,17,18との各枢支構成にはリベット部品である連結軸を用いているが、その構成は公知であるため、説明は省略する。
そして、後羽根は、二つのアーム9,10と、それらの長さ方向に順に枢支された三枚の羽根部材11,12,13とで構成されていて、最先端に枢支された羽根13がスリット形成羽根になっている。そして、二つのアーム9,10は、それぞれシャッタ地板1の羽根室側の面に立設されている軸1g,1hに回転可能に取り付けられている。また、アーム9には、孔9aが形成されていて、後羽根用駆動部材6の駆動ピン6aが嵌合されている。なお、先羽根と同じく、後羽根の二つのアーム9,10と三枚の羽根部材11,12,13との各枢支構成にもリベット部品である連結軸を用いているが、その構成は公知であるため、説明は省略する。
次に、図3を用いて、シャッタ地板1及びカバー板2に取り付けられているコロ19,20の説明をする。図3(a)は、コロ19をシャッタ地板1の取付部1kに取り付けている様子を示した斜視図であり、図3(b)は、コロ19をシャッタ地板1の取付部1kに取り付けている様子を示した断面図である。シャッタ地板1の羽根室側の面に形成されている取付部1kには、先羽根の羽根部材の先端部と接触するようにして、コロ19が回転可能に取り付けられている。このコロ19は、円柱状の胴部19aと軸部19bから構成されていて、その胴部19aをシャッタ地板1の表面から突き出すようにして、その軸部19bをシャッタ地板1の取付部1kに取り付けている。そして、コロ19は、後述するように、先羽根が作動するとき、三枚の羽根部材16,17,18と接触して回転させられる。また、コロ19を取り付ける取付部1kは、先羽根が重畳して露光開口の下側に退いているときに、コロ19の胴部19aが羽根部材18の先端部と接触する位置に形成されている。この取付部1kは、コロ19の回転方向が先羽根の羽根部材16,17,18の作動方向と略一致するように形成されている。そのため、コロ19は、先羽根が作動するとき、先羽根の羽根部材16,17,18の走行方向に沿って回転する。
カバー板2の羽根室側の面に形成されている取付部2aには、後羽根の羽根部材の先端部と接触するようにして、コロ20が取り付けられているが、その取り付け方はコロ19の場合と同じであるため、説明を省略する。このコロ20の軸部20bを取り付ける取付部2aは、後羽根が重畳して露光開口の上側に退いているときに、コロ20の胴部20aが羽根部材13の先端部と接触する位置に形成されている。また、この取付部2aは、取付部1kと同様に、コロ20の回転方向が後羽根の羽根部材11,12,13の作動方向と略一致するように形成されている。そのため、コロ20は、後羽根が作動するとき、後羽根の羽根部材11,12,13の走行方向に沿って回転する。なお、本実施例のコロは、合成樹脂製であって、胴部と軸部を一体成形により形成しているが、軸部と胴部を別々に製作し、胴部に対して軸部を取り付けるようにしても構わない。また、羽根部材と接触する胴部を金属製にした場合には、帯電防止効果が得られて一層好適になる。なお、軸部を金属製とし、合成樹脂の胴部と一体になるように成形してもよい。
次に、図2,4,5を用いて、シャッタ羽根の露光作動の説明をする。図2は、露光作動終了直後の状態を示している。このとき、先羽根の三枚の羽根部材16,17,18は、重畳されて露光開口の下側に格納されていて、後羽根の三枚の羽根部材11,12,13は、展開されて露光開口を覆っている。そして、先羽根の羽根部材18は、コロ19の胴部19aと接触していて、後羽根の羽根部材11は、コロ20の胴部20aと接触している。この状態から、図1に示されているセット部材8がセット作動のために回転させられると、それにより図1に示されている先羽根用駆動部材7が図示していない先羽根用駆動ばねの付勢力に抗して回転させられる。そのため、先羽根のアーム14は、その孔14aに嵌合されている駆動ピン7aにより回転させられる。それに伴い、先羽根の三枚の羽根部材16,17,18は、相互の重なり量を小さくしながら上方へ作動されていく。
その後、先羽根の羽根部材18と後羽根の羽根部材13との重なり量が所定量に達すると、セット部材8により図1に示されている後羽根用駆動部材6が図示していない後羽根用駆動ばねの付勢力に抗して回転させられる。そのため、後羽根のアーム9は、その孔9aに嵌合されている駆動ピン6aにより回転させられる。それに伴い、後羽根の三枚の羽根部材11,12,13は、相互の重なり量を大きくしながら上方へ作動されていく。
このようにして、セット作動が行われていき、先羽根の三枚の羽根部材16,17,18が展開状態となって露光開口を完全に覆い、後羽根の三枚の羽根部材11,12,13が重畳状態となって露光開口の上方に格納された段階で、セット部材8の回転が止まり、上記の各駆動部材の回転も止まり、セット作動が終了する。このようにして、先羽根及び後羽根がセット状態になる。この状態が図4に示されている。
このようなセット状態において、カメラのレリーズボタンが押されると、セット部材8が初期位置に復帰した後に、まず先羽根用駆動部材7が図示していない先羽根用駆動ばねの付勢力により回転され、その駆動ピン7aが先羽根のアーム15を回転させて、先羽根に露光作動を行わせる。そのため、先羽根の三枚の羽根部材16,17,18は、相互の重なり量を大きくしながら、羽根部材18のスリット形成縁によって露光開口を開いていく。そして、所定の時間が経過した後に、後羽根用駆動部材6が図示していない後羽根用駆動ばねの付勢力により回転され、その駆動ピン6aが後羽根のアーム9を回転させて、後羽根に露光作動を行わせる。そのため、後羽根の三枚の羽根部材11,12,13は、相互の重なり量を小さくしながら、羽根部材13のスリット形成縁によって露光開口を覆っていく。このようにして、先羽根の羽根部材18のスリット形成縁と後羽根の羽根部材13のスリット形成縁とで形成されたスリットにより、露光作動が行われている状態を図5に示す。
その後、先羽根は、先羽根用駆動部材7の駆動ピン7aが緩衝部材5に当接することで停止し、後羽根は、後羽根用駆動部材6の駆動ピン6aが緩衝部材4に当接することで停止する。このようにして、露光作動の終了した状態が、図2に示された状態である。なお、上記の露光作動の説明では、先羽根と後羽根とでスリットを形成して露光作動をする場合で説明したが、先羽根の作動が終了してから後羽根の作動が開始されるようにして露光作動をしてもよい。
このような露光作動は、図示していない先羽根用駆動ばね及び後羽根用駆動ばねの強力な付勢力によって先羽根用駆動部材7,後羽根用駆動部材6が回転させられることにより行われる。そのため、先羽根の羽根部材16,17,18や後羽根の羽根部材11,12,13は、その作動中に撓んでしまい、光軸方向に変形することになる。そして、そのように変形してしまった場合には、従来は、上記のように、シャッタ地板1やカバー板2と摺接して、シャッタ羽根の作動速度が変化してしまっていた。しかしながら、本実施例においては、そのように光軸方向に変形しても、羽根部材の先端部と接触しているコロ19,20が回転することで各羽根部材がシャッタ地板1やカバー板2から摩擦を受けることなく作動できるため、シャッタ羽根の作動速度の向上が可能となっている。その様子を、図6〜図8を用いて説明する。
図6は、露光作動終了状態を示していて、図4におけるA−A’線での断面図である。この状態においては、先羽根は重畳されて露光開口の下側に格納されていて、後羽根は展開されて露光開口を覆っている。そして、先羽根の羽根部材18の先端部が、コロ19の胴部19aに接触していて、後羽根の羽根部材11の先端部が、コロ20の胴部20aに接触している。
そして、上記のようにセット作動のためにセット部材が回転すると、それに伴い先羽根及び後羽根は上方へ作動されていく。このとき、先羽根が上方へ作動されていくに従って、先羽根の羽根部材16,17,18は、まず羽根部材18がコロ19の胴部19aと接触した状態で、コロ19を回転させながら上方へ作動されていく。そして、羽根部材18がコロ19の胴部19aから離れると、羽根部材17がコロ19の胴部19aと接触し、コロ19を回転させながら上方へ作動されていく。そして、羽根部材17がコロ19の胴部19aから離れると、羽根部材16がコロ19の胴部19aと接触し、コロ19を回転させながら上方へ作動されていく。
また、同様にして、後羽根が上方へ作動されていくに従って、後羽根の羽根部材11,12,13は、まず羽根部材11がコロ20の胴部20aと接触した状態で、コロ20を回転させながら上方へ作動されていく。そして、羽根部材12がコロ20の胴部20aと接触すると、コロ20を回転させながら上方へ作動されていく。そして、羽根部材13がコロ20の胴部20aと接触すると、コロ20を回転させながら上方へ作動されていく。
このようにして、セット作動が完了した状態の断面図が、図7に示されている。この状態から、上記のように先羽根用駆動部材7が図示していない先羽根用駆動ばねの付勢力により回転すると、それに伴い先羽根は下方へ作動されていく。このとき、先羽根の羽根部材16,17,18は、まず羽根部材16がコロ19の胴部19aと接触した状態で、コロ19を回転させながら下方へ作動されていく。そして、羽根部材17がコロ19の胴部19aと接触すると、コロ19を回転させながら下方へ作動されていく。そして、羽根部材18がコロ19の胴部19aと接触すると、コロ19を回転させながら下方へ作動されていく。
そして、所定の時間が経過した後に、後羽根用駆動部材6が図示していない後羽根用駆動ばねの付勢力により回転すると、それに伴い後羽根は下方へ作動されていく。このとき、後羽根の羽根部材11,12,13は、まず羽根部材13がコロ20の胴部20aと接触した状態で、コロ20を回転させながら下方へ作動されていく。そして、羽根部材13がコロ20の胴部20aから離れると、羽根部材12がコロ20の胴部20aと接触し、コロ20を回転させながら下方へ作動されていく。そして、羽根部材12がコロ20の胴部20aから離れると、羽根部材11がコロ20の胴部20aと接触し、コロ20を回転させながら下方へ作動されていく。このようにして、露光作動が行われている途中の状態の断面図を図8に示す。
このように、先羽根及び後羽根が作動するときには、それぞれの羽根部材の先端部と接触しているコロ19,20が回転するため、シャッタ地板1やカバー板2と摺接することでシャッタ羽根の作動速度が変化してしまうようなことがない。そのため、作動回数を重ねてもシャッタ羽根の羽根部材が傷つかないし、更に、シャッタ羽根の作動速度の向上が図れる。また、コロ19,20は、その胴部19a,20aがシャッタ地板1及びカバー板2の表面から突き出すように取り付けられているため、各羽根部材の先端部が胴部19a,20aと接触しているときは、羽根部材の先端部以外の部分がシャッタ地板1及びカバー板2と接触することはない。
なお、本実施例においては、コロ19は、先羽根が重畳して露光開口の下側に格納されているときに羽根部材18と接触する位置に取り付けられていて、コロ20は、後羽根が重畳して露光開口の上側に格納されているときに羽根部材13と接触する位置に取り付けられている。このような位置にコロを取り付けている理由は、羽根部材が重畳する位置にコロを取り付けると、シャッタ羽根が作動する際に全ての羽根部材に対して順次コロを接触させることができるため、効率よく羽根部材の表面を保護することができるためである。しかし、本実施例のコロは、上記の場所に取り付け位置を制限されるものではなく、羽根部材と接触する箇所であれば、どこに取り付けてもよい。また、本実施例においては、先羽根及び後羽根の羽根部材が、露光開口から退避している位置で接触するようにコロをそれぞれ一つずつ取り付けているが、それぞれ複数個のコロと接触するようにしてもよい。例えば、露光開口から退避している位置と露光開口を覆う途中の位置と露光開口を覆っている位置で羽根部材の先端部がコロに接触するようにコロを取り付けて、シャッタ羽根の作動中に羽根部材が一つのコロから離れる前に別のコロと接触するようにしてもよい。このようにコロを取り付けると、より一層羽根部材の表面を保護する効果が高くなる。
次に、図9を用いて、実施例2の説明をする。本実施例は、実施例1におけるコロの代わりに球体を取り付けたものであり、それ以外の構成は実施例1と同じであるため、説明を省略する。
図9を用いて、シャッタ地板1及びカバー板2に取り付けられている回転する球体21,23の説明をする。図9(a)は、球体21をシャッタ地板1の取付部1mに取り付けている様子を示した斜視図であり、図9(b)は、球体21をシャッタ地板1の取付部1mに取り付けている様子を示した断面図である。シャッタ地板1の羽根室側の面に形成されている取付部1mには、先羽根の羽根部材の先端部と接触するようにして、球体21が回転可能に取り付けられている。この球体21を取り付ける取付部1mは、シャッタ地板1に凹部として形成されている。そして、取付部1mは、押さえ部材22を取り付けるための円盤状の凹部1m−1と、球体21を取り付けるために該凹部1m−1の中央に形成されている半球状の凹部1m−2とからなっている。球体21を取付部1mに取り付ける際には、まず球体21を凹部1m−2に嵌めた後に、凹部1m−1に押さえ部材22を取り付けるようにする。この取付部1mは、実施例1における取付部1kと同様に、先羽根が重畳して露光開口の下側に退いているときに、球体21が羽根部材18の先端部と接触する位置に形成されている。
同様にして、カバー板2にも、後羽根が重畳して露光開口の上側に退いているときに、後羽根の羽根部材の先端部と接触するようにして、球体23が取付部材24を用いて取付部2bに取り付けられているが、その取り付け方は球体21と同じであるため、説明を省略する。
このように取り付けられた球体21,23は、実施例1におけるコロ19,20と同様に、シャッタ羽根が作動するときに各羽根部材と接触して回転させられるが、コロ19,20は固定の回転軸に沿った方向に回転するだけであったのに対して、球体21,23はその回転軸が固定されていないため回転方向が特定されず羽根部材の作動方向に応じて自由に回転することができる。そのため、シャッタ羽根の羽根部材の移動する方向と球体21,23の回転方向を完全に一致させることができ、シャッタ羽根の作動速度を更に向上させることができるという効果が得られる。
なお、実施例1における回転するコロと同様に、本実施例の回転する球体も、各羽根部材が重畳して露光開口から退避しているときにその先端部に接触する位置に取り付けられているが、その取り付け位置は、羽根部材の先端部と接触する箇所であれば、どこに取り付けてもよいし、複数個取り付けてもよい。
また、上記の各実施例は、本発明をシャッタ地板、カバー板及び中間板を用いて二つの羽根室を構成し先羽根及び後羽根を備えるタイプのフォーカルプレンシャッタに適用したものである。しかし、本発明の実施態様はこのようなタイプのフォーカルプレンシャッタに制限されず、シャッタ地板及びカバー板を用いて一つの羽根室を構成し一つのシャッタ羽根を備えるタイプのフォーカルプレンシャッタにも適用することができる。
シャッタ地板 1
開口部 1a
長孔 1b,1c
軸 1d,1e,1f,1g,1h,1i,1j
取付部 1k,1m,2a,2b
カバー板 2
中間板 3
緩衝部材 4,5
後羽根用駆動部材 6
駆動ピン 6a,7a
先羽根用駆動部材 7
セット部材 8
アーム 9,10,14,15
孔 9a,15a
羽根部材 11,12,13,16,17,18
コロ 19,20
胴部 19a,20a
軸部 19b,20b
球体 21,23
押さえ部材 22,24
開口部 1a
長孔 1b,1c
軸 1d,1e,1f,1g,1h,1i,1j
取付部 1k,1m,2a,2b
カバー板 2
中間板 3
緩衝部材 4,5
後羽根用駆動部材 6
駆動ピン 6a,7a
先羽根用駆動部材 7
セット部材 8
アーム 9,10,14,15
孔 9a,15a
羽根部材 11,12,13,16,17,18
コロ 19,20
胴部 19a,20a
軸部 19b,20b
球体 21,23
押さえ部材 22,24
Claims (3)
- 被写体光路用の開口部を有する合成樹脂製のシャッタ地板と、被写体光路用の開口部を有していて前記シャッタ地板に取り付けられており該シャッタ地板との間に羽根室を構成しているカバー板と、複数のアームとそれらのアームに枢支された羽根部材とで構成されていて前記羽根室内において前記シャッタ地板に立設されている複数の羽根取付軸に対してそれらのアームの一端を個別に回転可能に取り付けられている少なくとも一つのシャッタ羽根と、を備えていて、前記シャッタ地板又は前記カバー板の前記羽根室側の面には、前記シャッタ羽根が作動するときに前記シャッタ羽根の羽根部材と接触して回転する回転部材が取り付けられていることを特徴とするカメラ用フォーカルプレンシャッタ。
- 前記回転部材は、前記シャッタ羽根の羽根部材の走行方向に沿って回転するように取り付けられているコロであることを特徴とする請求項1に記載のカメラ用フォーカルプレンシャッタ。
- 前記回転部材は、回転可能に取り付けられている球体であることを特徴とする請求項1に記載のカメラ用フォーカルプレンシャッタ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012206230A JP2014048660A (ja) | 2012-08-31 | 2012-08-31 | カメラ用フォーカルプレンシャッタ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012206230A JP2014048660A (ja) | 2012-08-31 | 2012-08-31 | カメラ用フォーカルプレンシャッタ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2014048660A true JP2014048660A (ja) | 2014-03-17 |
Family
ID=50608346
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2012206230A Pending JP2014048660A (ja) | 2012-08-31 | 2012-08-31 | カメラ用フォーカルプレンシャッタ |
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JP (1) | JP2014048660A (ja) |
Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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JP2001083571A (ja) * | 1999-09-10 | 2001-03-30 | Nidec Copal Corp | カメラ用フォーカルプレンシャッタ |
-
2012
- 2012-08-31 JP JP2012206230A patent/JP2014048660A/ja active Pending
Patent Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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