JP2014039122A - 受信装置、受信方法、受信プログラムおよびプロセッサ - Google Patents
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Abstract
【課題】適切にMIMO分離できること
【解決手段】チャネル推定部は、送信信号ベクトルと受信信号ベクトルとの間のチャネル行列を生成する。基準メトリック生成部は、送信信号ベクトルの候補の1つとチャネル行列に基づいて受信信号レプリカを算出し、算出した受信信号レプリカと受信装置が受信した受信信号ベクトルとの差を示す基準メトリックを算出する。信号探索部は、送信信号ベクトルの候補の一部の成分に基づいて、一部の成分を含む送信信号ベクトルの受信信号レプリカと受信信号ベクトルとの差を示すメトリックが基準メトリックよりも大きくなるか否かを判定し、判定の結果に基づいて、一部の成分を含む送信信号ベクトルに関する演算を行うか否かを切り替える。
【選択図】図4
【解決手段】チャネル推定部は、送信信号ベクトルと受信信号ベクトルとの間のチャネル行列を生成する。基準メトリック生成部は、送信信号ベクトルの候補の1つとチャネル行列に基づいて受信信号レプリカを算出し、算出した受信信号レプリカと受信装置が受信した受信信号ベクトルとの差を示す基準メトリックを算出する。信号探索部は、送信信号ベクトルの候補の一部の成分に基づいて、一部の成分を含む送信信号ベクトルの受信信号レプリカと受信信号ベクトルとの差を示すメトリックが基準メトリックよりも大きくなるか否かを判定し、判定の結果に基づいて、一部の成分を含む送信信号ベクトルに関する演算を行うか否かを切り替える。
【選択図】図4
Description
本発明は、受信装置、受信方法、受信プログラムおよびプロセッサに関する。
近年、大容量高速情報通信を実現するための技術として、MIMO(Multiple Input Multiple Output;多入力多出力)通信が注目されている。このMIMO通信では、異なる情報を同一時刻、同一周波数に送受信する。
MIMO通信において、最尤検出(MLD:Maximum Likelihood Detection)が、良好な伝送特性を実現するMIMO分離手法として知られている。しかしながら、MLDでは、受信装置は、送信される可能性のある全てのシンボルレプリカ候補のメトリック(2乗ユークリッド距離)を計算する必要がある。そのため、受信装置の演算量は、多重するストリーム数に対して指数で増加する。従って、ストリーム数が増加した場合、受信装置は、現実的な処理時間でMIMO分離を行うことができない。
MIMO通信において、最尤検出(MLD:Maximum Likelihood Detection)が、良好な伝送特性を実現するMIMO分離手法として知られている。しかしながら、MLDでは、受信装置は、送信される可能性のある全てのシンボルレプリカ候補のメトリック(2乗ユークリッド距離)を計算する必要がある。そのため、受信装置の演算量は、多重するストリーム数に対して指数で増加する。従って、ストリーム数が増加した場合、受信装置は、現実的な処理時間でMIMO分離を行うことができない。
特許文献1には、QRM−MLD(MLD with QR decomposition and M-algorithm)を用いる方法が記載されている。具体的に、特許文献1では、QR分解により送信信号の直交化を行った受信信号から生き残りシンボルレプリカ候補の信号成分を差し引いた残留受信信号に対し、ブランチメトリックが小さいと予想される順番にランキングを行うシンボルレプリカ候補ランキング部と、最上位にランキングされたシンボルレプリカ候補から順にシンボルレプリカ候補を選択するシンボルレプリカ候補選択部と、選択されたシンボルレプリカ候補のブランチメトリックを計算するブランチメトリック計算部と、計算されたブランチメトリックを所定のスレッショルドと比較するスレッショルド比較部とを備え、上記スレッショルド比較部における比較の結果、ブランチメトリックが所定のスレッショルドより大きくなった場合に当該ステージの以後のシンボルレプリカ候補については探索を行わずに候補から削除する。
しかしながら、特許文献1記載の発明は、同一ステージのブランチメトリックを基にして、以後のステージの探索を行うか否かを判断する。したがって、特許文献1記載の発明は、例えば、MLDと同等の結果にたどり着くことが保証されない。また、特許文献1記載の発明では、例えば、MIMO分離の処理に時間がかかる等、効率良くMIMO分離できない。
このように、特許文献1記載の発明では、適切にMIMO分離できない場合があるという問題があった。
このように、特許文献1記載の発明では、適切にMIMO分離できない場合があるという問題があった。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、適切にMIMO分離できる受信装置、受信方法、受信プログラムおよびプロセッサを提供することにある。
(1)本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、本発明の一態様は、MIMO伝送方式の通信を行う受信装置であって、送信信号ベクトルと受信信号ベクトルとの間のチャネル行列を生成するチャネル推定部と、前記送信信号ベクトルの候補の1つと前記チャネル行列に基づいて受信信号レプリカを算出し、算出した受信信号レプリカと前記受信装置が受信した受信信号ベクトルとの差を示す基準メトリックを算出する基準メトリック生成部と、前記送信信号ベクトルの候補の一部の成分に基づいて、前記一部の成分を含む送信信号ベクトルの受信信号レプリカと前記受信信号ベクトルとの差を示すメトリックが前記基準メトリックよりも大きくなるか否かを判定し、前記判定の結果に基づいて、前記一部の成分を含む送信信号ベクトルに関する演算を行うか否かを切り替える信号探索部と、を備える受信装置である。
(2)また、本発明の一態様は、上記の受信装置において、前記送信信号ベクトルの候補の一部の成分、前記チャネル行列、及び前記受信信号ベクトルに基づいて、前記一部の成分に関する累積メトリックを算出するメトリック算出部を備え、前記信号探索部は、前記累積メトリックが前記基準メトリックより大きい場合に、前記一部の成分を含む送信信号ベクトルの受信信号レプリカと前記受信信号ベクトルとの差を示すメトリックが前記基準メトリックよりも大きくなると判定する。
(3)また、本発明の一態様は、上記の受信装置において、前記送信信号ベクトルの候補の一部の成分、前記チャネル行列、及び前記受信信号ベクトルに基づいて、累積メトリックを算出するメトリック算出部を備え、前記信号探索部は、前記累積メトリックが前記基準メトリックより小さい場合に、前記一部の成分を含む送信信号ベクトルの受信信号レプリカと前記受信信号ベクトルとの差を示すメトリックが前記基準メトリックよりも小さくなると判定する。
(4)また、本発明の一態様は、上記の受信装置において、前記信号探索部は、前記一部の成分を含む送信信号ベクトルの受信信号レプリカと前記受信信号ベクトルとの差を示すメトリックが前記基準メトリックよりも小さくなる場合に、前記一部の成分を含む送信信号ベクトルに関する演算を行う。
(5)また、本発明の一態様は、上記の受信装置において、前記信号探索部は、前記一部の成分を含む送信信号ベクトルの受信信号レプリカと前記受信信号ベクトルとの差を示すメトリックが前記基準メトリックよりも大きくなる場合に、前記一部の成分を含む送信信号ベクトルに関する演算を行わない。
(6)また、本発明の一態様は、上記の受信装置において、前記信号探索部は、前記判定の結果に基づいて、前記一部の成分を含む送信信号ベクトルの受信信号レプリカと前記受信信号ベクトルとの差を示すメトリックの計算を行うか否かを切り替える。
(7)また、本発明の一態様は、上記の受信装置において、前記チャネル行列にQR分解を行なって、ユニタリ行列と上三角行列を生成する分解部と、前記ユニタリ行列に基づいて三角化受信信号を算出する信号変換部と、前記送信信号ベクトルの候補の一部の成分、前記三角化受信信号と前記上三角行列に基づいて、前記一部の成分に関する累積メトリックを算出するメトリック算出部を備え、信号探索部は、前記三角化受信信号と前記上三角行列に基づいて、前記一部の成分に関する累積メトリックを算出し、算出した累積メトリックが前記基準メトリックより小さい場合に、前記一部の成分を含む送信信号ベクトルに対応する最尤系列を求める。
(8)また、本発明の一態様は、上記の受信装置において、前記信号探索部は、前記送信信号ベクトルの候補の受信信号レプリカと前記受信信号ベクトルとの差を示すメトリックが前記基準メトリックよりも小さくなると判定した場合、前記基準メトリックを、当該送信信号ベクトルの候補に関するメトリックに変更する。
(9)また、本発明の一態様は、上記の受信装置において、前記基準メトリック生成部は、準最適最尤検出に基づいて前記基準メトリックを算出する。
(10)また、本発明の一態様は、上記の受信装置において、前記基準メトリック生成部は、線形検出に基づいて前記基準メトリックを算出する。
(11)また、本発明の一態様は、上記の受信装置において、前記基準メトリック生成部は、前記送信信号ベクトルの候補の1つを任意に選択する。
(12)また、本発明の一態様は、上記の受信装置において、前記信号探索部は、前記一部の成分を含む送信信号ベクトルに対応する最尤系列を求め、前記最尤系列から情報ビットを求める。
(13)また、本発明の一態様は、上記の受信装置において、前記信号探索部は、前記一部の成分を含む送信信号ベクトルに対応する最尤系列を求め、前記最尤系列から情報ビットを求める。
(14)また、本発明の一態様は、上記の受信装置において、前記送信信号ベクトルの成分であって対数尤度比を算出対象の成分を示す算出成分情報に基づいて、前記チャネル行列の列ベクトルの順序を変更した行列に、QR分解を行って、ユニタリ行列と上三角行列を生成する分解部と、前記ユニタリ行列に基づいて三角化受信信号を算出する信号変換部と、対数尤度比算出部と、復号部と、を備え、前記基準メトリック生成部は、算出成分情報が示す成分の候補である算出対象候補のそれぞれに対して、前記基準メトリックを生成し、前記信号探索部は、前記算出対象候補のそれぞれに対して、当該算出対象候補を含む送信ベクトルのうち前記メトリックが最小となる最小メトリックを算出し、前記対数尤度比算出部は、前記最小メトリックに基づいて前記対数尤度比を算出し、前記復号部は、前記対数尤度比に基づいて復号し、前記復号した情報ビットを出力する。
(15)また、本発明の一態様は、上記の受信装置において、前記復号部は、符号化ビット対数尤度比を出力する。
(16)また、本発明の一態様は、上記の受信装置において、前記信号探索部は、複数の前記最小メトリックの中から最尤メトリックを求め、前記算出対象候補のうち前記最尤系列以外の算出対象候補に関する前記最小メトリックを求め、前記最尤メトリックおよび前記最小メトリックに基づいて対数尤度比を計算する。
(17)また、本発明の一態様は、上記の受信装置において、前記チャネル行列にQR分解を行なって、ユニタリ行列と上三角行列を生成する分解部と、前記ユニタリ行列に基づいて三角化受信信号を算出する信号変換部と、前記送信信号ベクトルの候補の一部の成分、前記三角化受信信号と前記上三角行列に基づいて、前記一部の成分に関する累積メトリックを算出するメトリック算出部を備え、前記分解部は、信頼性の高い成分から先に累積メトリックを算出するように前記チャネル行列の列ベクトルを並び替えてからQR分解を行う。
(18)また、本発明の一態様は、上記の受信装置において、前記信号探索部は、前記判定の結果に基づいて、前記一部の成分を含む送信信号ベクトルの受信信号レプリカと前記受信信号ベクトルとの差を示すメトリックの計算を行うか否かを切り替え、計算結果のメトリックが所定のメトリック閾値を下回った場合、計算結果のメトリックを最小メトリックとして出力する。
(19)また、本発明の一態様は、上記の受信装置において、前記メトリック閾値は、前記基準メトリックに基づいて生成される。
(20)また、本発明の一態様は、上記の受信装置において、前記信号探索部は、探索ノード数が所定の探索閾値を超えた場合、その時点までに得られている最小メトリックを出力する。
(21)また、本発明の一態様は、MIMO伝送方式の通信を行う受信装置における受信方法であって、送信信号ベクトルと受信信号ベクトルとの間のチャネル行列を生成するチャネル推定過程と、前記送信信号ベクトルの候補の1つと前記チャネル行列に基づいて受信信号レプリカを算出し、算出した受信信号レプリカと前記受信装置が受信した受信信号ベクトルとの差を示す基準メトリックを算出する基準メトリック生成過程と、前記送信信号ベクトルの候補の一部の成分に基づいて、前記一部の成分を含む送信信号ベクトルの受信信号レプリカと前記受信信号ベクトルとの差を示すメトリックが前記基準メトリックよりも大きくなるか否かを判定し、前記判定の結果に基づいて、前記一部の成分を含む送信信号ベクトルに関する演算を行うか否かを切り替える信号探索過程と、を有する受信方法である。
(22)また、本発明の一態様は、上記受信方法をコンピュータに実行させることを特徴とする受信プログラムである。
(23)また、本発明の一態様は、上記の受信装置において、送信信号ベクトルの候補の1つ、及び送信信号ベクトルと受信信号ベクトルとの間のチャネル行列に基づいて算出された受信信号レプリカと、受信装置が受信した受信信号ベクトルと、の差を示す基準メトリックを取得し、前記送信信号ベクトルの候補の一部の成分に基づいて、前記一部の成分を含む送信信号ベクトルと受信信号ベクトルとの差を示すメトリックが前記基準メトリックよりも大きくなるか否かを判定し、前記判定の結果に基づいて、前記一部の成分を含む送信信号ベクトルに関する演算を行うか否かを切り替えるプロセッサである。
この発明によれば、適切にMIMO分離できる。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の各実施形態に係る通信システムの概念図である。この図において、通信システムは、送信装置a1及び受信装置b1を具備する。例えば、送信装置a1は基地局装置(eNodeB、Home eNodeB、E−UTRAN、無線LANのアクセスポイント、放送の送信塔であってもよい)であり、受信装置b1は移動局装置(UE)である。ただし、送信装置a1が移動局装置であり、受信装置b1が基地局装置であってもよい。
送信装置a1は、送信アンテナa1−1〜a1−Tを備えている。受信装置b1は、受信アンテナb1−1〜b1−Rを備えている。ここで、Tは送信アンテナ数であり、Rは受信アンテナ数である。送信装置a1及び受信装置b1は、MIMO(多入力多出力)通信を行う。このMIMO通信では、送信装置a1及び受信装置b1は、異なる情報を同一時刻、同一周波数に送受信する。これにより、通信システムは、情報ビットレートを大幅に増大させることができる。
図1は、本発明の各実施形態に係る通信システムの概念図である。この図において、通信システムは、送信装置a1及び受信装置b1を具備する。例えば、送信装置a1は基地局装置(eNodeB、Home eNodeB、E−UTRAN、無線LANのアクセスポイント、放送の送信塔であってもよい)であり、受信装置b1は移動局装置(UE)である。ただし、送信装置a1が移動局装置であり、受信装置b1が基地局装置であってもよい。
送信装置a1は、送信アンテナa1−1〜a1−Tを備えている。受信装置b1は、受信アンテナb1−1〜b1−Rを備えている。ここで、Tは送信アンテナ数であり、Rは受信アンテナ数である。送信装置a1及び受信装置b1は、MIMO(多入力多出力)通信を行う。このMIMO通信では、送信装置a1及び受信装置b1は、異なる情報を同一時刻、同一周波数に送受信する。これにより、通信システムは、情報ビットレートを大幅に増大させることができる。
ここで、受信装置b1は、送信信号ベクトルと受信信号ベクトルとの間のチャネル行列を例えばチャネル推定によって生成する。送信信号ベクトルとは、例えば、各送信アンテナa1−t(t=1、2、・・・、T)から送信される送信信号を成分とするベクトルである。受信信号ベクトルとは、例えば、各受信アンテナb1−r(r=1、2、・・・、R)で受信される受信信号を成分とするベクトルである。受信装置b1は、送信信号ベクトルの候補の1つとチャネル行列に基づいて受信信号レプリカを算出し、算出した受信信号レプリカと受信装置b1が受信した信号の受信信号ベクトルとの差を示す基準メトリック(2乗ユークリッド距離)を算出する。受信装置b1は、送信信号ベクトルの候補の一部の成分に基づいて、その一部の成分を含む送信信号ベクトルと受信信号ベクトルとの差を示すメトリックが基準メトリックよりも大きくなるか否かを判定する。受信装置b1は、この判定結果に基づいて、その一部の成分を含む送信信号ベクトルに関する演算を行うか否かを切り替える。
図2は、本発明の第1の本実施形態に係る送信装置a1の構成を示す概略ブロック図である。この図において、送信装置a1は、ビット割り当て部a101、変調部a102−t、パイロット生成部a103、マッピング部a104−t、及び送信部a105−tを含んで構成される。ここで、t=1、2、・・・、Tである。また、図2では送信アンテナa1−tを併せて示す。
ビット割り当て部a101は、受信装置b1に送信する情報ビットを、各送信アンテナa1−tに割り振る。なお、この情報ビットの送信アンテナへの割り振りに関する割振情報(例えば、割り当てるアンテナと順序を示す情報)は、例えば、スケジューリング情報(又はマッピング情報)として、送信部a105−tのいずれかから受信装置b1へ通知される。
変調部a102−tは、ビット割り当て部a101から入力されるビットを、PSK(Phase Shift Keying:位相変調)やQAM(Quadrature Amplitude Modulation:直交振幅変調)などの変調方式を用いて変調し、変調シンボルを生成する。変調部a102−tは、生成した変調シンボルをマッピング部a104−tに出力する。
なお、受信装置b1との通信に用いる変調方式を示す情報は、例えば、MCS(Modulation and Coding Scheme)情報として、送信部a105−tのいずれかから受信装置b1へ通知される。なお、変調方式は、変調部a102−t毎、つまり、送信アンテナa1−t毎に異なっていてもよいし、周波数帯域(例えば、コンポーネントキャリア)毎に異なっていてもよい。
変調部a102−tは、ビット割り当て部a101から入力されるビットを、PSK(Phase Shift Keying:位相変調)やQAM(Quadrature Amplitude Modulation:直交振幅変調)などの変調方式を用いて変調し、変調シンボルを生成する。変調部a102−tは、生成した変調シンボルをマッピング部a104−tに出力する。
なお、受信装置b1との通信に用いる変調方式を示す情報は、例えば、MCS(Modulation and Coding Scheme)情報として、送信部a105−tのいずれかから受信装置b1へ通知される。なお、変調方式は、変調部a102−t毎、つまり、送信アンテナa1−t毎に異なっていてもよいし、周波数帯域(例えば、コンポーネントキャリア)毎に異なっていてもよい。
パイロット生成部a103は、受信装置b1がチャネル推定を行うための参照信号としてパイロットシンボルを生成し、マッピング部a104−tに出力する。
マッピング部a104−tは、変調部a102−tから入力される変調シンボルと、パイロット生成部a103から入力されるパイロットシンボルを、予め定められたマッピング情報に基づいて当該時刻にマッピングし、送信部a105−tに出力する。
図3は、本実施形態に係るマッピング部a104−tの出力例である。この図は、T=4のときの出力例である。この図において、横軸は時間軸を表す。この図の出力例により、送信装置a1は、ある送信アンテナa1−tのパイロットシンボルを送るタイミングでは、他の送信アンテナa1−k(k≠t)からは何も出力しないこととなる。これにより、受信装置b1は、送信アンテナa1−t各々から送信されるパイロットシンボルが干渉することを抑制でき、受信装置b1でのチャネル推定を実現させることができる。
マッピング部a104−tは、変調部a102−tから入力される変調シンボルと、パイロット生成部a103から入力されるパイロットシンボルを、予め定められたマッピング情報に基づいて当該時刻にマッピングし、送信部a105−tに出力する。
図3は、本実施形態に係るマッピング部a104−tの出力例である。この図は、T=4のときの出力例である。この図において、横軸は時間軸を表す。この図の出力例により、送信装置a1は、ある送信アンテナa1−tのパイロットシンボルを送るタイミングでは、他の送信アンテナa1−k(k≠t)からは何も出力しないこととなる。これにより、受信装置b1は、送信アンテナa1−t各々から送信されるパイロットシンボルが干渉することを抑制でき、受信装置b1でのチャネル推定を実現させることができる。
送信部a105−tは、マッピング部a104−tから入力される信号をデジタル・アナログ変換し、変換したアナログ信号を波形整形する。送信部a105−tは、波形整形した信号をベースバンド帯から無線周波数帯にアップコンバートし、送信アンテナa1−tから受信装置b1へ送信する。
図4は、本実施形態に係る受信装置b1の構成を示す概略ブロック図である。この図において、受信装置b1は、受信部b101−r、チャネル推定部b102、QR分解部b103、信号変換部b104、基準メトリック生成部b105、基準メトリック保存部b106、候補系列保存部b107、及び信号探索部b108を含んで構成される。ここで、r=1、2、・・・、Rである。また、図4には受信アンテナb1−rを併せて示す。
受信部b101−rは、送信装置a1が送信した送信信号を、受信アンテナb1−rを介して受信する。受信部b101−rは、受信した信号に対して、周波数変換及びアナログ−デジタル変換を行う。受信部b101−rは、変換した受信信号をチャネル推定部b102及び信号変換部b104に出力する。
チャネル推定部b102は、受信部b101−rから入力されるパイロットシンボルが送信された時刻の受信信号を用いてチャネル推定を行い、チャネル値を算出する。チャネル推定部b102は、算出したチャネル値をQR分解部b103に出力する。
QR分解部b103は、チャネル推定部b102から入力されるチャネル値を用いて、このチャネル値を成分とするチャネル行列のQR分解を行う。QR分解部b103は、QR分解により算出したユニタリ行列Qを信号変換部b104に出力し、算出した三角行列Rを基準メトリック生成部b105及び信号探索部b108に出力する。
信号変換部b104は、QR分解部b103から入力されるユニタリ行列Qに基づいて、受信部b101−rから入力される受信信号に対して信号変換を行う。以後、この信号変換を行った受信信号を、三角化受信信号と呼ぶことにする。信号変換部b104は、三角化受信信号を基準メトリック生成部b105および信号探索部b108に出力する。
QR分解部b103は、チャネル推定部b102から入力されるチャネル値を用いて、このチャネル値を成分とするチャネル行列のQR分解を行う。QR分解部b103は、QR分解により算出したユニタリ行列Qを信号変換部b104に出力し、算出した三角行列Rを基準メトリック生成部b105及び信号探索部b108に出力する。
信号変換部b104は、QR分解部b103から入力されるユニタリ行列Qに基づいて、受信部b101−rから入力される受信信号に対して信号変換を行う。以後、この信号変換を行った受信信号を、三角化受信信号と呼ぶことにする。信号変換部b104は、三角化受信信号を基準メトリック生成部b105および信号探索部b108に出力する。
基準メトリック生成部b105は、信号変換部b104から入力される信号とQR分解部b103から入力される三角行列Rに基づいて、MIMO分離を行う。MIMO分離には、ZF(Zero Forcing)基準、MMSE(Minimum Mean Square Error)基準等の線形処理を行なってもよいし、QRM−MLD(MLD with QR decomposition and M-algorithm)のような非線形処理を行なってもよい。また、基準メトリック生成部b105は、受信部b101−rの出力である受信信号と、チャネル推定部b102の出力であるチャネル値に基づいてMIMO分離を行なってもよい。基準メトリック生成部b105は、これらに限らず、任意のMIMO分離を用いてよい。
基準メトリック生成部b105は、得られるMIMO分離結果から、候補系列の仮判定値(候補系列の初期値)を算出し、候補系列保存部b107に保存する。また、基準メトリック生成部b105は、その候補系列を用いてメトリックを算出し、基準メトリック保存部b106に保存する。なお、候補系列とは、下記のベクトルx、つまり、各送信アンテナa1−tから送信される変調シンボルのシンボルレプリカの組み合わせ(送信信号ベクトル)を復調したビット系列である。換言すれば、候補系列は、シンボルレプリカを生成する元となる(シンボルレプリカの変調前の)ビット系列である。候補系列は、情報ビット候補を成分とする。
基準メトリック生成部b105は、得られるMIMO分離結果から、候補系列の仮判定値(候補系列の初期値)を算出し、候補系列保存部b107に保存する。また、基準メトリック生成部b105は、その候補系列を用いてメトリックを算出し、基準メトリック保存部b106に保存する。なお、候補系列とは、下記のベクトルx、つまり、各送信アンテナa1−tから送信される変調シンボルのシンボルレプリカの組み合わせ(送信信号ベクトル)を復調したビット系列である。換言すれば、候補系列は、シンボルレプリカを生成する元となる(シンボルレプリカの変調前の)ビット系列である。候補系列は、情報ビット候補を成分とする。
基準メトリック保存部b106は、保存されている基準メトリックを信号探索部b108に出力する。また、基準メトリック保存部b106は、信号探索部b108からメトリックを受け取った場合、その受け取ったメトリックを新しい基準メトリックとして保存する。
候補系列保存部b107は、信号探索部b108から処理終了の信号を受け取った場合、保存している候補系列を最尤系列として出力する。また、候補系列保存部b107は、信号探索部b108から候補系列を受け取った場合、その受け取った候補系列を新しい候補系列として保存する。
信号探索部b108は、後述する処理を行うことで、候補系列を決定し、決定した候補系列を候補系列保存部b107に保存する。信号探索部b108は、処理が終了した場合、処理終了の信号を候補系列保存部b107へ出力する。
なお、候補系列保存部b107又は信号探索部b108は、スケジューリング情報の割振情報に基づいて、最尤系列の情報ビットを、送信装置a1のビット割り当て部a101に入力される順序に整列してもよい。
候補系列保存部b107は、信号探索部b108から処理終了の信号を受け取った場合、保存している候補系列を最尤系列として出力する。また、候補系列保存部b107は、信号探索部b108から候補系列を受け取った場合、その受け取った候補系列を新しい候補系列として保存する。
信号探索部b108は、後述する処理を行うことで、候補系列を決定し、決定した候補系列を候補系列保存部b107に保存する。信号探索部b108は、処理が終了した場合、処理終了の信号を候補系列保存部b107へ出力する。
なお、候補系列保存部b107又は信号探索部b108は、スケジューリング情報の割振情報に基づいて、最尤系列の情報ビットを、送信装置a1のビット割り当て部a101に入力される順序に整列してもよい。
以下、信号探索部b108が行う処理について説明する。
図5は、本実施形態に係る信号探索部b108の構成を示す概略ブロック図である。この図において、信号探索部b108は、ステージt探索部b108−t(t=1、2、・・・、T)を含んで構成される。なお、ステージt探索部b108−tが行う処理を、ステージtの処理とも称する。
図5は、本実施形態に係る信号探索部b108の構成を示す概略ブロック図である。この図において、信号探索部b108は、ステージt探索部b108−t(t=1、2、・・・、T)を含んで構成される。なお、ステージt探索部b108−tが行う処理を、ステージtの処理とも称する。
図6〜図8は、本実施形態に係る信号探索部b108の詳細構成を示す概略ブロック図である。これらの図において、ステージt探索部b108−t(t=1、2、・・・、T−1、T)は、シンボルレプリカ生成部b108−t−1、累積メトリック算出部b108−t−2、メトリック比較部b108−t−3、及びシンボルレプリカ減算部b108−t−4を含んで構成される。以下では、まず、図6を用いてステージTの処理について説明する。次に、図7を用いてステージT−1以降の、ステージtの処理について説明を行い、最後に図8を用いてステージ1の処理について説明する。
図6は、本実施形態に係る信号探索部b108の詳細構成を示す概略ブロック図である。この図は、ステージT探索部b108−Tとステージ(T−1)探索部b108−(T−1)との関係を示す。なお、丸括弧の内部の「−」は、マイナスを表す(以下同じ)。
信号変換部b104から出力される三角化受信信号は、シンボルレプリカ生成部b108−T−1、累積メトリック算出部b108−T−2、及びシンボルレプリカ減算部b108−T−4に入力される。
信号変換部b104から出力される三角化受信信号は、シンボルレプリカ生成部b108−T−1、累積メトリック算出部b108−T−2、及びシンボルレプリカ減算部b108−T−4に入力される。
シンボルレプリカ生成部b108−T−1は、三角化受信信号の入力を検知した場合、MLD(Maximum Likelihood Detection:最尤検出)のプロセスを開始する。具体的には、まず、シンボルレプリカ生成部b108−T−1は、送信アンテナa1−Tから送信され得る情報ビットの候補(情報ビット候補)を1つ選択し、選択した情報ビット候補に基づいてシンボルレプリカを1つ(変調シンボルの候補;送信ベクトルのT成分の候補)生成する。ここで、シンボルレプリカ生成部b108−T−1は、送信装置a1から通知されたMCS情報に基づいて、情報ビット候補を1つずつ決定し、決定した情報ビット候補を変調することでシンボルレプリカを1つずつ生成する。シンボルレプリカ生成部b108−T−1は、生成したシンボルレプリカを、累積メトリック算出部b108−T−2及びシンボルレプリカ減算部b108−T−4に出力する。
この出力された1つのシンボルレプリカについての処理は、メトリック比較部b108−T−3で候補から外されるか、又は、ステージ(T−1)のシンボルレプリカ生成部b108−(T−1)−1から処理終了の信号を受け取った場合、終了となる。1つのシンボルレプリカについての処理が終了した場合、シンボルレプリカ生成部b108−T−1は、情報ビット候補の中から、前に選択した情報ビット候補とは別の情報ビット候補を選択し、選択した情報ビット候補を変調する。つまり、シンボルレプリカ生成部b108−T−1は、前に生成したシンボルレプリカとは別のシンボルレプリカを生成し、同様の処理を行う。全ての情報ビット候補に対して、これらの処理が行われた場合、ステージTは処理を終了し、候補系列保存部b107に処理終了の信号を出力する。
この出力された1つのシンボルレプリカについての処理は、メトリック比較部b108−T−3で候補から外されるか、又は、ステージ(T−1)のシンボルレプリカ生成部b108−(T−1)−1から処理終了の信号を受け取った場合、終了となる。1つのシンボルレプリカについての処理が終了した場合、シンボルレプリカ生成部b108−T−1は、情報ビット候補の中から、前に選択した情報ビット候補とは別の情報ビット候補を選択し、選択した情報ビット候補を変調する。つまり、シンボルレプリカ生成部b108−T−1は、前に生成したシンボルレプリカとは別のシンボルレプリカを生成し、同様の処理を行う。全ての情報ビット候補に対して、これらの処理が行われた場合、ステージTは処理を終了し、候補系列保存部b107に処理終了の信号を出力する。
累積メトリック算出部b108−T−2は、シンボルレプリカ生成部b108−T−1から入力されるシンボルレプリカと、QR分解部b103から入力される三角行列Rの第T行T列の成分と、を乗算する。累積メトリック算出部b108−T−2は、その乗算結果を、信号変換部b104から入力される三角化受信信号の送信アンテナa1−Tの成分に対応する値から減算する。累積メトリック算出部b108−T−2は、その減算結果の2乗ユークリッドノルムを算出する(式(23)参照)。累積メトリック算出部b108−T−2は、算出した2乗ユークリッドノルムを、ステージTにおける累積メトリックとして、メトリック比較部b108−T−3及びステージ(T−1)の累積メトリック算出部b108−(T−1)−2に出力する。
メトリック比較部b108−T−3は、累積メトリック算出部b108−T−2から入力される累積メトリックが基準メトリック保存部b106から入力される基準メトリックより大きい場合、シンボルレプリカ生成部b108−T−1が出力したシンボルレプリカを候補から外し、シンボルレプリカ生成部b108−T−1に通知する。つまり、メトリック比較部b108−T−3は、このシンボルレプリカに対応する情報ビット候補が含まれる候補系列(情報ビット候補をT成分とする候補系列)を候補から外す。この条件に当てはまらない場合は、シンボルレプリカ減算部b108−T−4に処理継続の信号を出力する。具体的には、メトリック比較部b108−T−3は、例えば、累積メトリック算出部b108−T−2から入力される累積メトリックが基準メトリック保存部b106から入力される基準メトリックより小さい場合、シンボルレプリカ生成部b108−T−1が出力したシンボルレプリカに対応する情報ビット候補が含まれる候補系列を、維持する。
シンボルレプリカ減算部b108−T−4は、処理継続の信号が入力されると、シンボルレプリカ生成部b108−T−1から入力されるシンボルレプリカと、QR分解部b103から入力される三角行列Rのうち、第T列ベクトルの第1成分から第(T−1)成分までを乗算する。シンボルレプリカ減算部b108−T−4は、その乗算結果を、信号変換部b104から入力される三角化受信信号の第1成分から第(T−1)成分までを取り出したベクトルから減算する。シンボルレプリカ減算部b108−T−4は、このT−1個のレプリカ減算信号のT−1個目を、ステージ(T−1)の累積メトリック算出部b108−(T−1)−2に出力する。
シンボルレプリカ減算部b108−T−4は、このT−1個のレプリカ減算信号の1〜T−2個目を、ステージ(T−1)のシンボルレプリカ減算部b108−(T−1)−4に出力する。また、シンボルレプリカ減算部b108−T−4は、処理開始の信号をステージ(T−1)のシンボルレプリカ生成部b108−(T−1)−1に出力する。
なお、シンボルレプリカ減算部b108−T−4は、処理継続の信号が入力されない場合には、上記処理を行わない。
シンボルレプリカ減算部b108−T−4は、このT−1個のレプリカ減算信号の1〜T−2個目を、ステージ(T−1)のシンボルレプリカ減算部b108−(T−1)−4に出力する。また、シンボルレプリカ減算部b108−T−4は、処理開始の信号をステージ(T−1)のシンボルレプリカ生成部b108−(T−1)−1に出力する。
なお、シンボルレプリカ減算部b108−T−4は、処理継続の信号が入力されない場合には、上記処理を行わない。
次に、tがT−1以降、つまり、t≦T−1のステージtについて説明する。
図7は、本実施形態に係る信号探索部b108の詳細構成を示す別の概略ブロック図である。この図は、ステージ(t+1)探索部b108−(t+1)、ステージt探索部b108−t、及びステージ(t−1)探索部b108−(t−1)との関係を示す。ただし、t=1の場合は処理が異なるため、ステージ1探索部b108−1の処理については、後述する。
図7は、本実施形態に係る信号探索部b108の詳細構成を示す別の概略ブロック図である。この図は、ステージ(t+1)探索部b108−(t+1)、ステージt探索部b108−t、及びステージ(t−1)探索部b108−(t−1)との関係を示す。ただし、t=1の場合は処理が異なるため、ステージ1探索部b108−1の処理については、後述する。
シンボルレプリカ生成部b108−t−1は、シンボルレプリカ減算部b108−(t+1)−4から処理開始の信号が入力された場合、プロセスを開始する。具体的には、シンボルレプリカ生成部b108−t−1は、送信アンテナa1−tから送信され得る情報ビットの候補(情報ビット候補)を1つ選択し、選択した情報ビット候補に基づいてシンボルレプリカを1つ(変調シンボルの候補;送信ベクトルのt成分の候補)生成する。ここで、シンボルレプリカ生成部b108−t−1は、送信装置a1から通知されたMCS情報に基づいて、情報ビット候補を1つずつ決定し、決定した情報ビット候補を変調することでシンボルレプリカを1つずつ生成する。シンボルレプリカ生成部b108−t−1は、生成したシンボルレプリカを、累積メトリック算出部b108−t−2及びシンボルレプリカ減算部b108−t−4に出力する。
この出力された1つのシンボルレプリカについての処理は、メトリック比較部b108−t−3で候補から外されるか、又は、ステージ(t−1)のシンボルレプリカ生成部b108−(t−1)−1から処理終了の信号を受け取った場合、終了となる。1つのシンボルレプリカについての処理が終了した場合、シンボルレプリカ生成部b108−t−1は、情報ビット候補の中から、前に選択した情報ビット候補とは別の情報ビット候補を選択し、選択した情報ビット候補を変調する。つまり、シンボルレプリカ生成部b108−t−1は、前に生成した候補系列とは別の変調シンボルのシンボルレプリカを生成し、同様の処理を行う。全ての変調シンボルに対して、これらの処理が行われた場合、ステージtは処理を終了し、ステージ(t+1)のシンボルレプリカ生成部b108−(t+1)−1に処理終了の信号を出力する。
この出力された1つのシンボルレプリカについての処理は、メトリック比較部b108−t−3で候補から外されるか、又は、ステージ(t−1)のシンボルレプリカ生成部b108−(t−1)−1から処理終了の信号を受け取った場合、終了となる。1つのシンボルレプリカについての処理が終了した場合、シンボルレプリカ生成部b108−t−1は、情報ビット候補の中から、前に選択した情報ビット候補とは別の情報ビット候補を選択し、選択した情報ビット候補を変調する。つまり、シンボルレプリカ生成部b108−t−1は、前に生成した候補系列とは別の変調シンボルのシンボルレプリカを生成し、同様の処理を行う。全ての変調シンボルに対して、これらの処理が行われた場合、ステージtは処理を終了し、ステージ(t+1)のシンボルレプリカ生成部b108−(t+1)−1に処理終了の信号を出力する。
累積メトリック算出部b108−t−2は、シンボルレプリカ生成部b108−t−1から入力されるシンボルレプリカと、QR分解部b103から入力される三角行列Rの第t行t列の成分と、を乗算する。累積メトリック算出部b108−t−2は、その乗算結果を、シンボルレプリカ減算部b108−(t+1)−4から入力されるレプリカ減算信号から減算する。累積メトリック算出部b108−t−2は、その減算結果の2乗ユークリッドノルムを算出する。累積メトリック算出部b108−t−2は、算出した2乗ユークリッドノルムと累積メトリック算出部b108−(t+1)−2から入力される累積メトリックとを加算し、ステージtにおける累積メトリックを算出する。この累積メトリックをメトリック比較部b108−t−3及びステージ(t−1)の累積メトリック算出部b108−(t−1)−2に出力する。
メトリック比較部b108−t−3は、累積メトリック算出部b108−t−2から入力される累積メトリック値が基準メトリック保存部b106から入力される基準メトリックより大きい場合、シンボルレプリカ生成部b108−t−1が出力したシンボルレプリカを候補から外し、シンボルレプリカ生成部b108−t−1に通知する。つまり、メトリック比較部b108−t−3は、このシンボルレプリカに対応する情報ビット候補が含まれる候補系列(情報ビット候補をT成分とする候補系列)を候補から外す。この条件に当てはまらない場合は、シンボルレプリカ減算部b108−t−4に処理継続の信号を出力する。具体的には、メトリック比較部b108−t−3は、例えば、累積メトリック算出部b108−t−2から入力される累積メトリックが基準メトリック保存部b106から入力される基準メトリックより小さい場合、シンボルレプリカ生成部b108−t−1が出力したシンボルレプリカに対応する情報ビット候補が含まれる候補系列を、維持する。
シンボルレプリカ減算部b108−t−4は、処理継続の信号が入力されると、シンボルレプリカ生成部b108−t−1から入力されるシンボルレプリカと、QR分解部b103から入力される三角行列Rのうち、第t列ベクトルの第1成分から第(t−1)成分までを乗算する。シンボルレプリカ減算部b108−t−4は、その乗算結果を、シンボルレプリカ減算部b108−(t+1)−4から入力されるレプリカ減算信号から減算する。シンボルレプリカ減算部b108−t−4は、このt−1個のレプリカ減算信号のt−1個目を、ステージ(t−1)の累積メトリック算出部b108−(t−1)−2に出力する。シンボルレプリカ減算部b108−t−4は、tが2でない場合、このt−1個のレプリカ減算信号の1〜t−2個目を、ステージ(t−1)のシンボルレプリカ減算部b108−(t−1)−4に出力する。また、シンボルレプリカ減算部b108−t−4は、処理開始の信号をステージ(t−1)のシンボルレプリカ生成部b108−(t−1)−1に出力する。
なお、シンボルレプリカ減算部b108−t−4は、処理継続の信号が入力されない場合には、上記処理を行わない。
なお、シンボルレプリカ減算部b108−t−4は、処理継続の信号が入力されない場合には、上記処理を行わない。
最後に、ステージ1を説明する。
図8は、本実施形態に係る信号探索部b108の詳細構成を示す別の概略ブロック図である。この図は、ステージ2探索部b108−2とステージ1探索部b108−1との関係を示す。なお、ステージ1探索部b108−1は、シンボルレプリカ減算部を備えていない点で、t≧2のステージt探索部b108−tとは異なる。
図8は、本実施形態に係る信号探索部b108の詳細構成を示す別の概略ブロック図である。この図は、ステージ2探索部b108−2とステージ1探索部b108−1との関係を示す。なお、ステージ1探索部b108−1は、シンボルレプリカ減算部を備えていない点で、t≧2のステージt探索部b108−tとは異なる。
シンボルレプリカ生成部b108−1−1は、シンボルレプリカ減算部b108−2−4から処理開始の信号が入力された場合、プロセスを開始する。具体的には、シンボルレプリカ生成部b108−1−1は、送信アンテナa1−1から送信され得る情報ビットの候補(情報ビット候補)を1つ選択し、選択した情報ビット候補に基づいてシンボルレプリカを1つ(変調シンボルの候補;送信ベクトルの1成分の候補)生成する。ここで、シンボルレプリカ生成部b108−1−1は、送信装置a1から通知されたMCS情報に基づいて、情報ビット候補を1つずつ決定し、決定した情報ビット候補を変調することでシンボルレプリカを1つずつ生成する。シンボルレプリカ生成部b108−1−1は、生成したシンボルレプリカを、累積メトリック算出部b108−1−2に出力する。
この出力された1つのシンボルレプリカについての処理は、メトリック比較部b108−1−3での処理が終了した場合、終了となる。1つのシンボルレプリカについての処理が終了した場合、シンボルレプリカ生成部b108−1−1は、情報ビット候補の中から、前に選択した情報ビット候補とは別の情報ビット候補を選択し、選択した情報ビット候補を変調する。つまり、シンボルレプリカ生成部b108−1−1は、前に生成したシンボルレプリカとは別の変調シンボルのシンボルレプリカを生成し、同様の処理を行う。全ての情報ビット候補に対して、これらの処理が行われた場合、ステージ1は処理を終了し、ステージ2のシンボルレプリカ生成部b108−2−1に処理終了の信号を出力する。
この出力された1つのシンボルレプリカについての処理は、メトリック比較部b108−1−3での処理が終了した場合、終了となる。1つのシンボルレプリカについての処理が終了した場合、シンボルレプリカ生成部b108−1−1は、情報ビット候補の中から、前に選択した情報ビット候補とは別の情報ビット候補を選択し、選択した情報ビット候補を変調する。つまり、シンボルレプリカ生成部b108−1−1は、前に生成したシンボルレプリカとは別の変調シンボルのシンボルレプリカを生成し、同様の処理を行う。全ての情報ビット候補に対して、これらの処理が行われた場合、ステージ1は処理を終了し、ステージ2のシンボルレプリカ生成部b108−2−1に処理終了の信号を出力する。
累積メトリック算出部b108−1−2は、シンボルレプリカ生成部b108−1−1から入力されるシンボルレプリカと、QR分解部b103から入力される三角行列Rの第1行1列の成分と、を乗算する。累積メトリック算出部b108−1−2は、その乗算結果を、シンボルレプリカ減算部b108−2−4から入力されるレプリカ減算信号から減算する。累積メトリック算出部b108−1−2は、その減算結果の2乗ユークリッド距離を算出する。累積メトリック算出部b108−1−2は、算出した2乗ユークリッド距離と累積メトリック算出部b108−2−2から入力される累積メトリックとを加算し、ステージ1における累積メトリックを算出する。この累積メトリックをメトリック比較部b108−1−3に出力する。
メトリック比較部b108−1−3は、累積メトリック算出部b108−1−2から入力される累積メトリック値が基準メトリック保存部b106から入力される基準メトリックより大きい場合、シンボルレプリカ生成部b108−1−1に処理終了を示す信号を出力する。つまり、メトリック比較部b108−1−3は、このシンボルレプリカに対応する情報ビット候補が含まれる候補系列(情報ビット候補をT成分とする候補系列)を候補から外す。この条件に当てはまらない場合、メトリック比較部b108−1−3は、この累積メトリック値を基準メトリック保存部b106に出力する。具体的には、メトリック比較部b108−1−3は、例えば、累積メトリック算出部b108−1−2から入力される累積メトリックが基準メトリック保存部b106から入力される基準メトリックより小さい場合、シンボルレプリカ生成部b108−1−1が出力したシンボルレプリカに対応する情報ビット候補が含まれる候補系列を、候補系列として採用する。
また、メトリック比較部b108−1−3は、このときまでに各ステージで用いたシンボルレプリカに対応する情報ビット候補が含まれる候補系列を、候補系列保存部b107に出力する。また、メトリック比較部b108−1−3は、処理終了を示す信号をシンボルレプリカ生成部b108−1−1に出力する。つまり、メトリック比較部b108−1−3は、基準メトリックに対応する候補系列を、候補系列保存部b107に出力する。
また、メトリック比較部b108−1−3は、このときまでに各ステージで用いたシンボルレプリカに対応する情報ビット候補が含まれる候補系列を、候補系列保存部b107に出力する。また、メトリック比較部b108−1−3は、処理終了を示す信号をシンボルレプリカ生成部b108−1−1に出力する。つまり、メトリック比較部b108−1−3は、基準メトリックに対応する候補系列を、候補系列保存部b107に出力する。
<動作原理について>
以下、受信装置b1の動作原理について、図4〜図8を参照しながら説明する。
受信部b101が受信し、チャネル推定部b102に送られた受信信号のうち、図3のパイロットシンボルが送信された時刻に対応する受信信号は、次式(1)で表される。
以下、受信装置b1の動作原理について、図4〜図8を参照しながら説明する。
受信部b101が受信し、チャネル推定部b102に送られた受信信号のうち、図3のパイロットシンボルが送信された時刻に対応する受信信号は、次式(1)で表される。
ここで、yrは受信部b101−rが出力する受信信号、hrtは送信アンテナa1−tと受信アンテナb1−r間のチャネル値、st (p)は送信アンテナa1−tから送信されるパイロットシンボル、nrは受信部b101−rで加算される雑音である。パイロットシンボルは既知なので、チャネル推定部b102は、例えば次式(2)のようにしてチャネル値の推定値を求めることができる。
ただし、^(ハット)を付した変数は、推定値を表す。以後の説明では、推定されたチャネル値が理想値hrtに等しいものとして説明を行う。
データが送られる時刻の受信信号は、R次元の受信信号ベクトルyを用いて次式(3)〜(8)のように表される。
データが送られる時刻の受信信号は、R次元の受信信号ベクトルyを用いて次式(3)〜(8)のように表される。
ここで、Tは転置を表し、stは送信アンテナa1−tから送信される変調シンボルを表す。ただし、式(1)および(2)と同じ文字を用いているが、異なる時刻の信号を表しているため、式(1)および(2)の文字と、式(3)〜(7)の文字は異なるものを表す。
次に、MLDを説明する。MLDでは、次式(9)で示されるメトリック(2乗ユークリッド距離)fを最小にする信号系列xの判定値を求める。
ただし、xは、sのレプリカ(シンボルレプリカ)であり、T次元ベクトルである。xの第t要素をxtとすると、xtの取りうる値は、送信アンテナa1−tで用いる変調シンボルの数Mだけ存在する。例えば、変調部a102−tでの変調方式がQPSKの場合はM=4、16QAMの場合はM=16、64QAMの場合はM=64である。
xの取りうる値の探索は、高さT+1の木構造で説明することができる。
図9〜図13は、本実施形態に係る変調シンボルの候補の探索を説明する概略図である。この図は、T=3で、全ての送信アンテナで、M=4個の変調シンボルを取り得る変調方式(例えばQPSK)を用いて、信号を送信している場合の例である。
図9〜図13において、縦軸は高さを表し、この高さはtに相当する。また、白抜きの丸印(ノード)は、変調シンボルの候補を表す(シンボルレプリカ又は情報ビット候補を表す)。つまり、高さtのノードは、変調部a102−tで変調され、送信アンテナa1−tから送信された変調シンボルの候補である。直線で表されている枝(ブランチ)に沿って辿った、白抜きの丸印の組み合わせが、xの候補(又は候補系列)となる。図9の例は、受信装置b1(信号探索部b108)が、探索をt=Tからt=1の順番に行う場合のものである。高さtの変調シンボルの候補に対応する処理は、図6〜図8で説明したステージt探索部b108−tでの処理に相当するため、以後、高さtをステージtと呼ぶ。
図9〜図13は、本実施形態に係る変調シンボルの候補の探索を説明する概略図である。この図は、T=3で、全ての送信アンテナで、M=4個の変調シンボルを取り得る変調方式(例えばQPSK)を用いて、信号を送信している場合の例である。
図9〜図13において、縦軸は高さを表し、この高さはtに相当する。また、白抜きの丸印(ノード)は、変調シンボルの候補を表す(シンボルレプリカ又は情報ビット候補を表す)。つまり、高さtのノードは、変調部a102−tで変調され、送信アンテナa1−tから送信された変調シンボルの候補である。直線で表されている枝(ブランチ)に沿って辿った、白抜きの丸印の組み合わせが、xの候補(又は候補系列)となる。図9の例は、受信装置b1(信号探索部b108)が、探索をt=Tからt=1の順番に行う場合のものである。高さtの変調シンボルの候補に対応する処理は、図6〜図8で説明したステージt探索部b108−tでの処理に相当するため、以後、高さtをステージtと呼ぶ。
(QR分解を用いない場合)
まず、QR分解を用いない場合について説明する。なお、本実施形態では、受信装置b1は、後述するQR分解を用いた構成である。以下では、ステージt探索部b108−tに相当する処理部を、ステージt処理部とも称する。
まず、QR分解を用いない場合について説明する。なお、本実施形態では、受信装置b1は、後述するQR分解を用いた構成である。以下では、ステージt探索部b108−tに相当する処理部を、ステージt処理部とも称する。
ステージt+1のノードからステージtの子ノードへのブランチは、xtを変調シンボルb(m)に固定すること、つまり、ステージ(t+1)処理部が変調シンボルb(m)(ノード)を選択することを表す。ここで、m=1、2、・・・、Mである。例えば、図9のブランチ71は、x3をb(1)に固定する場合を示す。また、ブランチ72は、x3をb(2)に固定する場合を示す。なお、ブランチと変調シンボルとの関係はこれに限らず、上記以外のブランチと変調シンボル番号mの組合せを用いてもよい。
次に、ステージtのノードが選択された場合、ステージt処理部は、次式(10)で示すT次元ベクトルy(t)を算出し、算出したy(t)をステージ(t−1)処理部へ出力する。
ただし、y(T+1)はyとする。従って、図9のノード73が選択された場合、ステージ3処理部は、次式(11)を用いてy(3)を算出し、算出したy(3)をステージ2処理部へ出力する。
また、図9のノード74が選択された場合、ステージ3処理部は、次式(12)を用いてy(3)を算出し、算出したy(3)をステージ2処理部へ出力する。
同様に、ブランチ75はx2をb(1)に固定する場合を表す。図9のノード76が選択された場合、ステージ2処理部は、次式(13)を用いてy(2)を算出し、算出したy(2)をステージ1処理部へ出力する。
ステージ1のノードである葉ノードが選択された場合、ステージ1処理部は、y(1)だけでなく、y(1)の2乗ユークリッドノルムを算出する。これは、ステージ1処理部が、式(9)のfを算出したことを意味する。
図9において、破線77で囲んだ通り、MT(MのT乗)個の葉ノードにおいてfを算出し、最も小さい葉ノードへの経路が、MLDの解となる。なお、前順走査で探索していくことで、メモリの増加を抑えることができる。
具体的には、ステージ1処理部は、根ノード以外のノードにおけるT次元ベクトルの減算と、葉ノードにおけるT次元ベクトルの2乗ユークリッドノルム算出とを行う。QR分解を用いない場合、ステージtのノード数はM(T−t+1)なので、スカラー減算の数は次式(14)で表される。
図9において、破線77で囲んだ通り、MT(MのT乗)個の葉ノードにおいてfを算出し、最も小さい葉ノードへの経路が、MLDの解となる。なお、前順走査で探索していくことで、メモリの増加を抑えることができる。
具体的には、ステージ1処理部は、根ノード以外のノードにおけるT次元ベクトルの減算と、葉ノードにおけるT次元ベクトルの2乗ユークリッドノルム算出とを行う。QR分解を用いない場合、ステージtのノード数はM(T−t+1)なので、スカラー減算の数は次式(14)で表される。
また、葉ノードの数はMTなので、QR分解を用いない場合、スカラーの2乗ユークリッドノルム算出数は次式(15)で表される。
このように、QR分解を用いない場合には、MLDでは演算回数がTに対して指数で増大する。
(QR分解を用いた場合)
次に、QR分解を用いた場合について説明する。QR分解を用いた場合、QR分解を用いない場合と比較して、演算回数を削減できる。
図4のQR分解部b103は、R×Tのチャネル行列HにQR分解を行うことで、チャネル行列HをR×Tのユニタリ行列Qと、T×Tの上三角行列Rに分解する。これらは、次式(16)〜(18)で表される。
次に、QR分解を用いた場合について説明する。QR分解を用いた場合、QR分解を用いない場合と比較して、演算回数を削減できる。
図4のQR分解部b103は、R×Tのチャネル行列HにQR分解を行うことで、チャネル行列HをR×Tのユニタリ行列Qと、T×Tの上三角行列Rに分解する。これらは、次式(16)〜(18)で表される。
具体的には、QR分解部b103は、グラム−シュミット直交化、修正グラム−シュミット直交化、ハウスホルダー変換やギブンス回転等を行うことで、チャネル行列Hを行列Qと行列Rに分解する。
信号変換部b104は、QR分解部b103が生成した行列Qと、受信部b101−1〜b101−Rからの入力である受信信号ベクトルyを用いて、次式(19)及び(20)のように三角化受信信号y’を生成する。
信号変換部b104は、QR分解部b103が生成した行列Qと、受信部b101−1〜b101−Rからの入力である受信信号ベクトルyを用いて、次式(19)及び(20)のように三角化受信信号y’を生成する。
ここで、Hは複素共役転置を表し、QHはQの共役転置行列である。QHQがT×Tの単位行列であることを利用すると、式(9)を最小化する系列xを発見することは、次式(21)を最小化するxを発見することに一致する。
行列Rは上三角行列であるので、fは次式(22)〜(24)のように変形できる。
式(23)は、ステージTの累積メトリックf(T)を表す。なお、f(t)は、ステージtまでの累積メトリックを表す。
図6のシンボルレプリカ生成部b108−T−1は、送信アンテナa1−Tから送信された変調シンボルの候補の中から変調シンボルを1つずつ選択して、そのシンボルレプリカxTを、累積メトリック算出部b108−T−2へ出力する。累積メトリック算出部b108−T−2は、このシンボルレプリカxTと行列Rの第T行T列の成分と三角化受信信号y’のT成分に基づいて、式(23)を用いてf(T)を計算する。
図6のシンボルレプリカ生成部b108−T−1は、送信アンテナa1−Tから送信された変調シンボルの候補の中から変調シンボルを1つずつ選択して、そのシンボルレプリカxTを、累積メトリック算出部b108−T−2へ出力する。累積メトリック算出部b108−T−2は、このシンボルレプリカxTと行列Rの第T行T列の成分と三角化受信信号y’のT成分に基づいて、式(23)を用いてf(T)を計算する。
なお、y’(T)は、ステージ(T−1)で累積メトリックを計算するためのベクトルを表す。なお、y’(t)は、ステージ(t−1)で累積メトリックを計算するためのベクトルを表し、次元t−1のベクトルを表す。y’(t)をレプリカ減算信号とも称する。y’(t)の第k成分を、y’k(t)で表す。
シンボルレプリカ減算部b108−T−4は、式(24)を用いてy’(T)を算出する。シンボルレプリカ減算部b108−T−4は、y’T−1(T)を累積メトリック算出部b108−(T−1)−2に出力する。y’T−1(T)は、f(T−1)の算出に用いられる(式(26)参照)。また、シンボルレプリカ減算部b108−T−4は、y’1(T)〜y’T−2(T)を、シンボルレプリカ算出部b108−(T−1)−4に出力する。y’1(T)〜y’T−2(T)は、y’(T−1)の算出に用いられる(式(27)参照)。
シンボルレプリカ減算部b108−T−4は、式(24)を用いてy’(T)を算出する。シンボルレプリカ減算部b108−T−4は、y’T−1(T)を累積メトリック算出部b108−(T−1)−2に出力する。y’T−1(T)は、f(T−1)の算出に用いられる(式(26)参照)。また、シンボルレプリカ減算部b108−T−4は、y’1(T)〜y’T−2(T)を、シンボルレプリカ算出部b108−(T−1)−4に出力する。y’1(T)〜y’T−2(T)は、y’(T−1)の算出に用いられる(式(27)参照)。
次に、t=T−1以降の処理を説明する。
式(22)はさらに変形できて、次式(25)〜(27)のようになる。
式(22)はさらに変形できて、次式(25)〜(27)のようになる。
図7のシンボルレプリカ生成部b108−t−1は、送信アンテナa1−tから送信された変調シンボルの候補の中から変調シンボルを1つずつ選択して、そのシンボルレプリカをxtとして、累積メトリック算出部b108−t−2へ出力する。累積メトリック算出部b108−t−2は、このxtと行列Rの第t行t列の成分とシンボルレプリカ減算部b108−(t+1)−4から入力されるy’t(t+1)に基づいて、式(26)を用いて、累積メトリックf(t)を算出する。
また、シンボルレプリカ減算部b108−t−4は、xtと行列Rの第1行t列〜第t−1行t列の成分とシンボルレプリカ減算部b108−(t+1)−4から入力されるy’1(t+1)〜y’t−1(t+1)に基づいて、式(27)を用いてy’(t)を算出する。
以上の処理をt=Tからt=1まで行うことで、累積メトリック算出部b108−1−2は、式(21)のメトリックを、次式(28)のように求めることができる。
以上の処理をt=Tからt=1まで行うことで、累積メトリック算出部b108−1−2は、式(21)のメトリックを、次式(28)のように求めることができる。
このように、QR分解を用いて、メトリック算出をステージTからステージ1への累積メトリック算出という形に変更した場合、各ステージの処理が変化する。
再び図9を参照すると、ステージtでは、ステージt探索部b108−tが累積メトリックf(t)とt−1次元ベクトルy’(t)を算出して、ステージt−1のステージ(t−1)探索部b108−(t−1)へ出力する。なお、葉ノードではy’(t)の算出は行わない。y’(t)の算出は、t−1次元ベクトルの減算であり、根ノードと葉ノード以外のノードで行われるため、スカラー減算の数は次式(29)のようになる。
再び図9を参照すると、ステージtでは、ステージt探索部b108−tが累積メトリックf(t)とt−1次元ベクトルy’(t)を算出して、ステージt−1のステージ(t−1)探索部b108−(t−1)へ出力する。なお、葉ノードではy’(t)の算出は行わない。y’(t)の算出は、t−1次元ベクトルの減算であり、根ノードと葉ノード以外のノードで行われるため、スカラー減算の数は次式(29)のようになる。
これは、式(14)よりも小さい値となり、スカラー減算の数を削減できている。また、根ノード以外のノードで累積メトリックが算出されるため、スカラーの2乗ユークリッドノルム算出数は次式(30)で表される。
これは、式(15)よりも小さい値となり、2乗ユークリッドノルムの算出数も削減できている。しかしながら、Tに対して指数で増大することに変わりはない。
本実施形態では、受信装置b1は、探索するノード数を減少させることで演算量を削減する。以後、演算量の評価は探索ノード数で行う。図6〜図8のメトリック比較部b108−t−3は、探索ノード数を削減するために備えられている。式(26)によると、累積メトリックf(t)は、f(t+1)よりも大きな値となる。つまり、ステージt+1での累積メトリックf(t+1)が基準メトリックよりも大きいということは、その次のステージtの累積メトリックf(t)も、基準メトリックよりも大きくなる。すなわち、メトリック比較部b108−(t+1)−3は、信号系列xの第(t+1)成分から第T成分に基づいて、この第(t+1)成分から第T成分を含む信号系列xの受信信号レプリカHxと受信信号ベクトルyとの差を示すメトリックfが基準メトリックよりも大きくなるか否かを判定できる。
まず、図4の基準メトリック生成部b105が、基準メトリックの初期値とそのときの候補系列を生成する。具体的には、基準メトリック生成部b105は、MIMO分離を行なって候補系列を得る。また、基準メトリック生成部b105は、その候補系列を用いて算出されるメトリックを基準メトリックとする。なお、送信アンテナa1−1〜a1−Tの各々について、その送信アンテナa1−tから送信された変調シンボルの候補の中から、ランダムに、変調シンボルを1つずつ選択してもよい。なお、基準メトリック生成部b105は、予め定めた規則に基づいて、変調シンボルを選択してもよい。
図10は、本実施形態に係る基準メトリックに関する候補系列の選択の一例を表す。基準メトリック生成部b105は、例えば、図10の太線で表される候補系列、つまり、太線に沿って辿った変調シンボルの候補の組み合わせを選択する。
図10は、本実施形態に係る基準メトリックに関する候補系列の選択の一例を表す。基準メトリック生成部b105は、例えば、図10の太線で表される候補系列、つまり、太線に沿って辿った変調シンボルの候補の組み合わせを選択する。
メトリック比較部b108−t−3は、xtに基づいて算出された累積メトリックが、この基準メトリックを上回った時点(値が大きくなったと判断した場合)で、処理終了を示す信号を出力する。つまり、メトリック比較部b108−t−3は、このxtを含む候補系列について、以後の探索をスキップする(中止する;破棄する)。これにより、信号探索部b108は、探索ノード数を削減できる。
図11は、信号探索部b108の処理の一例を表す。この図において、太線で繋がれた変調シンボルの候補は、そのシンボルレプリカに基づいて累積メトリックが算出されたことを表す。この図は、ノード91〜94のいずれかが選択された場合に、そのノードまでの累積メトリックが基準メトリックを上回る場合の例である。この場合、信号探索部b108は、ノード91〜94を含む候補系列について、以後の探索を破棄する。この破棄処理により、探索しなかったノードには×マークが付与されている。従って、32個のノードが探索から外されたことになる。
また、図11では、葉ノード95を含む候補系列の累積メトリックが、基準メトリックを下回っている(値が小さいと判断されている)。このため、この累積メトリックが新しい基準メトリックとして基準メトリック保存部b106に保存され、ノード95までの候補系列が候補系列保存部b107に保存される。このように、信号探索部b108は、葉ノードを含む候補系列の累積メトリックが、基準メトリックより小さい場合には、その累積メトリックを新しい基準メトリックとする。
また、図11では、葉ノード95を含む候補系列の累積メトリックが、基準メトリックを下回っている(値が小さいと判断されている)。このため、この累積メトリックが新しい基準メトリックとして基準メトリック保存部b106に保存され、ノード95までの候補系列が候補系列保存部b107に保存される。このように、信号探索部b108は、葉ノードを含む候補系列の累積メトリックが、基準メトリックより小さい場合には、その累積メトリックを新しい基準メトリックとする。
図12は、図11が表す処理の続きの処理を表す。図12では、ノード101までの累積メトリックが基準メトリックを上回ったとしている。このため、信号探索部b108は、ノード101を含む候補系列について、以後の探索処理を破棄している。これにより、信号探索部b108は、4個分の探索ノード数を削減できる。また、図12では、葉ノード102を含む候補系列の累積メトリックが、基準メトリック(図11のノード95を含む候補系列に基づいた基準メトリック)を下回っている。このため、葉ノード102を含む候補系列の累積メトリックが、新しい基準メトリックとして基準メトリック保存部b106に保存され、ノード102までの候補系列が候補系列保存部b107に保存される。
図13は、図12が表す処理の続きの処理を表す。図13では、ノード111〜113までの累積メトリックが基準メトリックを上回る場合の例である。この場合、信号探索部b108は、ノード111〜113を含む候補系列について、以後の探索を破棄する。これにより、信号探索部b108は、12個分の探索ノード数を削減できる。また、図13では、基準メトリックを下回る葉ノードは見つからなかったものとしている。この場合、図12の葉ノード102を含む候補系列が、最終的な結果となる。つまり、信号探索部b108(メトリック比較部b108−1−3)は、葉ノード102を含む候補系列を保存し、この候補系列が最尤系列となる。
なお、図9〜図13の例では、根ノードを除く全ノード数は84であるが、48個のノードの探索をしなかったため、信号探索部b108が実際に探索したノード数は36である。このように、信号探索部b108は、探索ノード数を削減でき、演算回数を削減できる。
なお、図9〜図13の例では、根ノードを除く全ノード数は84であるが、48個のノードの探索をしなかったため、信号探索部b108が実際に探索したノード数は36である。このように、信号探索部b108は、探索ノード数を削減でき、演算回数を削減できる。
<受信装置b1の動作について>
図14は、本実施形態に係る受信装置b1の動作を示すフローチャートである。なお、この図が示す動作は、図4の受信部b101−rが受信信号をチャネル推定部b102及び信号変換部b104に出力した後の処理である。なお、図14では、変数として、ステージ番号t、ステージtにおける変調シンボル番号mt、及びステージtで用いている変調シンボル数Mtを用いる場合について説明する。
図14は、本実施形態に係る受信装置b1の動作を示すフローチャートである。なお、この図が示す動作は、図4の受信部b101−rが受信信号をチャネル推定部b102及び信号変換部b104に出力した後の処理である。なお、図14では、変数として、ステージ番号t、ステージtにおける変調シンボル番号mt、及びステージtで用いている変調シンボル数Mtを用いる場合について説明する。
(ステップS101)チャネル推定部b102は、受信信号とパイロットシンボルに基づいてチャネル推定を行うことで、チャネル行列を得る。その後、ステップS102へ進む。
(ステップS102)QR分解部b103は、ステップS102で得られたチャネル値を用いて構成されるチャネル行列HのQR分解を行うことで、ユニタリ行列Qと上三角行列Rを得る。その後、ステップS103へ進む。
(ステップS103)信号変換部b104は、ステップS102で得られたユニタリ行列Qを受信信号ベクトルに乗算し、三角化受信信号を算出する。その後、ステップS104へ進む。
(ステップS102)QR分解部b103は、ステップS102で得られたチャネル値を用いて構成されるチャネル行列HのQR分解を行うことで、ユニタリ行列Qと上三角行列Rを得る。その後、ステップS103へ進む。
(ステップS103)信号変換部b104は、ステップS102で得られたユニタリ行列Qを受信信号ベクトルに乗算し、三角化受信信号を算出する。その後、ステップS104へ進む。
(ステップS104)基準メトリック生成部b105は、ステップS102で得られる上三角行列RとステップS103で得られる三角化受信信号を用いてMIMO分離を行う。基準メトリック生成部b105は、MIMO分離結果を用いて基準メトリックを算出し、基準メトリック保存部b106に保存する。また、そのときの候補系列(候補系列の初期値)を、候補系列保存部b107に保存する。その後、ステップS105へ進む。
(ステップS105)信号探索部b108は、mT=1、t=Tとする。その後、ステップS106へ進む。
(ステップS106)シンボルレプリカ生成部b108−t−1は、xtとして、シンボルレプリカb(mt)を生成する。その後、ステップS107へ進む。
(ステップS107)累積メトリック算出部b108−t−2は、ステップS106で生成されたxtを用いて、ステージtの累積メトリックを算出する。その後、ステップS108へ進む。
(ステップS105)信号探索部b108は、mT=1、t=Tとする。その後、ステップS106へ進む。
(ステップS106)シンボルレプリカ生成部b108−t−1は、xtとして、シンボルレプリカb(mt)を生成する。その後、ステップS107へ進む。
(ステップS107)累積メトリック算出部b108−t−2は、ステップS106で生成されたxtを用いて、ステージtの累積メトリックを算出する。その後、ステップS108へ進む。
(ステップS108)メトリック比較部b108−t−3が、ステップS107で算出された累積メトリックが基準メトリックを上回ることを検出した場合、ステップS109へ進む。そうではない場合、ステップS113へ進む。
(ステップS109)信号探索部b108がmtがMtに達していると判定した場合、ステップS110へ進む。そうではない場合、ステップS112へ進む。
(ステップS110)信号探索部b108がtがTであると判定した場合、候補系列保存部b107に保存されている候補系列を最終的な最尤系列として出力する。その後、受信装置b1は、動作を終了する。そうではない場合、ステップS111へ進む。
(ステップS111)信号探索部b108は、tにt+1を代入する。その後、ステップS109へ戻る。
(ステップS109)信号探索部b108がmtがMtに達していると判定した場合、ステップS110へ進む。そうではない場合、ステップS112へ進む。
(ステップS110)信号探索部b108がtがTであると判定した場合、候補系列保存部b107に保存されている候補系列を最終的な最尤系列として出力する。その後、受信装置b1は、動作を終了する。そうではない場合、ステップS111へ進む。
(ステップS111)信号探索部b108は、tにt+1を代入する。その後、ステップS109へ戻る。
(ステップS112)信号探索部b108は、mtにmt+1を代入する。その後、ステップS106へ戻る。
(ステップS113)tが1である場合、ステップS114へ進む。そうではない場合、ステップS115へ進む。
(ステップS114)メトリック比較部b108−1−3は、ステップS107で得られる累積メトリックを、新しい基準メトリックメトリックとして、基準メトリック保存部b106に保存する。また、その時の候補系列を候補系列保存部b107に保存する。その後、ステップS109へ進む。
(ステップS115)シンボルレプリカ減算部b108−t−4は、ステップS106で得られるシンボルレプリカを用いて、レプリカ減算信号を算出する。その後、ステップS116へ進む。
(ステップS116)信号探索部b108は、mt−1に1を代入し、次にtにt−1を代入する。その後、ステップS106へ戻る。
(ステップS113)tが1である場合、ステップS114へ進む。そうではない場合、ステップS115へ進む。
(ステップS114)メトリック比較部b108−1−3は、ステップS107で得られる累積メトリックを、新しい基準メトリックメトリックとして、基準メトリック保存部b106に保存する。また、その時の候補系列を候補系列保存部b107に保存する。その後、ステップS109へ進む。
(ステップS115)シンボルレプリカ減算部b108−t−4は、ステップS106で得られるシンボルレプリカを用いて、レプリカ減算信号を算出する。その後、ステップS116へ進む。
(ステップS116)信号探索部b108は、mt−1に1を代入し、次にtにt−1を代入する。その後、ステップS106へ戻る。
このように、本実施形態によれば、受信装置b1は、MIMO伝送方式の通信を行う。チャネル推定部b102は、送信信号ベクトルと受信信号ベクトルとの間のチャネル行列を生成する。基準メトリック生成部b105は、信号系列x(送信信号ベクトルの候補;候補系列であってもよい)の1つとチャネル行列に基づいて受信信号レプリカHxを算出し、算出した受信信号レプリカHxと受信装置が受信した信号の受信信号ベクトルyとの差を示す基準メトリックfを算出する。メトリック比較部b108−t−3(比較部)は、信号系列xの一部の成分(情報ビット候補)に基づいて、この一部の成分を含む信号系列xの受信信号レプリカHxと受信信号ベクトルyとの差を示すメトリックfが基準メトリックよりも大きくなるか否かを判定する。具体的には、メトリック比較部b108−t−3は、累積メトリックと基準メトリックを比較する。信号探索部b108は、メトリック比較部b108−t−3の判定結果に基づいて、上記の一部の成分を含む信号系列xに関する演算を行うか否かを切り替える。
これにより、受信装置b1は、例えば、信号系列xの一部の成分に基づいて、メトリックが基準メトリックを上回るか否かを判定でき、判定結果に基づいて、その一部の成分を含む信号系列xのメトリックを算出するか否かを切り替えることができる。
これにより、受信装置b1は、例えば、信号系列xの一部の成分に基づいて、メトリックが基準メトリックを上回るか否かを判定でき、判定結果に基づいて、その一部の成分を含む信号系列xのメトリックを算出するか否かを切り替えることができる。
具体的には、受信装置b1は、任意のMIMO分離で得られる信号系列xのメトリックを基準メトリックfとし、算出した累積メトリックf(t)が基準メトリックfを上回った場合、その累積メトリックに対応する信号系列xについては以後の処理(ステージ(t−1)、(t−2)、・・・、1の探索)を破棄する。すなわち、累積メトリックf(t)が基準メトリックfより大きい場合に、一部の成分を含む送信信号ベクトルの受信信号レプリカHxと受信信号ベクトルyとの差を示すメトリックが基準メトリックfよりも大きくなると判定する。この場合に、受信装置b1は、その一部の成分を含む送信信号ベクトルに関する演算、つまり、累積メトリックやメトリックの演算を行わない。換言すれば、累積メトリックf(t)が基準メトリックfより小さい場合に、一部の成分を含む送信信号ベクトルの受信信号レプリカHxと受信信号ベクトルyとの差を示すメトリックが基準メトリックfよりも小さくなると判定する。この場合に、受信装置b1は、その一部の成分を含む送信信号ベクトルに関する演算、つまり、累積メトリックやメトリックの演算を行う。
これにより、受信装置b1は、通常のMLDに比べて大幅に演算量を削減することができる。また、受信装置b1は、葉ノードの累積メトリックを基準メトリックとするため、必ず最尤系列にたどり着くことができる。つまり、受信装置b1は、MLDと比べて性能が劣化しない。また、受信装置b1は、例えば、MIMO分離の処理にかかる時間を削減でき、効率良くMIMO分離できる。このように、受信装置b1は、適切にMIMO分離できる。
これにより、受信装置b1は、通常のMLDに比べて大幅に演算量を削減することができる。また、受信装置b1は、葉ノードの累積メトリックを基準メトリックとするため、必ず最尤系列にたどり着くことができる。つまり、受信装置b1は、MLDと比べて性能が劣化しない。また、受信装置b1は、例えば、MIMO分離の処理にかかる時間を削減でき、効率良くMIMO分離できる。このように、受信装置b1は、適切にMIMO分離できる。
より具体的な一例としては、上述のように、QR分解部b103は、チャネル行列HにQR分解を行なって、ユニタリ行列Qと上三角行列Rを生成する。信号変換部b104は、ユニタリ行列Qに基づいて三角化受信信号y’を算出する。累積メトリック算出部b108−t−2は、信号系列xの候補の一部の成分、三角化受信信号号y’と上三角行列Rに基づいて、一部の成分に関する累積メトリックf(t)を算出し、算出した累積メトリックf(t)が基準メトリックfより小さい場合に、一部の成分を含む信号系列xに対応する最尤系列を求める。
これにより、ステージt+1での累積メトリックf(t+1)が基準メトリックよりも大きいということは、その次のステージtの累積メトリックf(t)も、基準メトリックよりも大きくなる。つまり、受信装置b1は、例えば、信号系列xの第(t+1)成分から第T成分に基づいて、この第(t+1)成分から第T成分を含む信号系列xの受信信号レプリカHxと受信信号ベクトルyとの差を示すメトリックfが基準メトリックよりも大きくなるか否かを判定できる。
これにより、ステージt+1での累積メトリックf(t+1)が基準メトリックよりも大きいということは、その次のステージtの累積メトリックf(t)も、基準メトリックよりも大きくなる。つまり、受信装置b1は、例えば、信号系列xの第(t+1)成分から第T成分に基づいて、この第(t+1)成分から第T成分を含む信号系列xの受信信号レプリカHxと受信信号ベクトルyとの差を示すメトリックfが基準メトリックよりも大きくなるか否かを判定できる。
また、本実施形態によれば、受信装置b1は、信号系列xの候補の受信信号レプリカHxと受信信号ベクトルyとの差を示すメトリックが基準メトリックfよりも小さくなると判定した場合、メトリック比較部b108−1−3は、基準メトリックfを、累積メトリック値f(1)、つまり、当該信号系列xの候補に関するメトリックf(t)に変更する。
なお、上記第1の実施形態において、送信アンテナ数Tと多重する信号数(ストリーム数と呼ぶ)が同じものとして説明したが、異なっていてもよい。例えば、ストリーム数∪がTより小さい場合、受信装置b1は、式(5)で示すチャネル行列がR×∪の行列に変更された処理を行う。
なお、上記第1の実施形態において、受信装置b1は、破棄されないノードを全て探索する場合について説明したが、探索ノード数が事前に定めた閾値(以後、探索閾値と呼ぶ)を上回った場合、処理を中断して、その時点で候補系列保存部b107に保存されている系列を出力するようにしてもよい。このようにすると、受信装置b1は、演算量を安定させることができる。探索閾値は、受信装置b1を設計した時点で固定してもよいし、受信装置b1のフェームウェアやソフトウェアをアップデートする際に更新する等でもよい。
また、受信装置b1は、葉ノードで得られた累積メトリックが所定の閾値(以後、メトリック閾値と呼ぶ)を下回った時点で処理を中断して、その時点で候補系列保存部b107に保存されている系列を出力するようにしてもよい。その閾値は、例えば、基準メトリックの初期値に係数β(0<β<1)を乗算した値とすればよい。このようにすると、受信装置b1は、早い段階で演算を打ち切ることができる。また、βは受信装置b1を設計した時点で固定してもよいし、受信装置b1のフェームウェアやソフトウェアをアップデートする際に更新する等でもよい。
また、受信装置b1は、葉ノードで得られた累積メトリックが所定の閾値(以後、メトリック閾値と呼ぶ)を下回った時点で処理を中断して、その時点で候補系列保存部b107に保存されている系列を出力するようにしてもよい。その閾値は、例えば、基準メトリックの初期値に係数β(0<β<1)を乗算した値とすればよい。このようにすると、受信装置b1は、早い段階で演算を打ち切ることができる。また、βは受信装置b1を設計した時点で固定してもよいし、受信装置b1のフェームウェアやソフトウェアをアップデートする際に更新する等でもよい。
なお、上記第1の実施形態において、式(16)〜(18)のようにQR分解ができるものとして説明したが、式(16)〜(18)はT>Rのような場合には実行できない。そのような場合は、受信装置b1は、式(16)のユニタリ行列Q及び(17)の上三角行列Rに変えて、次式(31)及び(32)のような行列Q及び行列Rを用いても良い。
この場合、受信装置b1は、ステージtをt=T、・・・、1ではなくt=R、・・・、1とする。また、受信装置b1は、式(23)に対応するステージRの累積メトリックと、式(24)に対応するステージRのレプリカ減算信号y’(t)に変えて、次式(33)及び(34)のものを用いる。
図9の木構造を考えると、式(33)および(34)は、根ノードにつながるブランチ数がMRMR+1・・・MTとなることを意味する。T=R+1で、送信アンテナa1−(T−1)及びa1−TがQPSKを用いる場合(すなわち、MT−1=MT=4)、根ノードにつながるブランチ数は16となる。
なお、上記の第1の実施形態において、受信装置b1は、全てのステージにおいてメトリック比較を行う場合について説明したが、全部でなくともよく、少なくとも1つのステージで行うようにしてもよい。
なお、上記第1の実施形態において、受信装置b1は、式(16)〜(18)で示すQR分解を、式(5)で示すチャネル行列の順番を変更してから行なってもよい。具体的には、受信装置b1は、チャネル行列を次式(35)のようにしてからQR分解を行う。
なお、上記第1の実施形態において、受信装置b1は、式(16)〜(18)で示すQR分解を、式(5)で示すチャネル行列の順番を変更してから行なってもよい。具体的には、受信装置b1は、チャネル行列を次式(35)のようにしてからQR分解を行う。
ここで、rank(t)は、次式(36)が大きい順の送信アンテナ番号である。
すなわち、H’の右端の列ベクトルの2乗ユークリッドノルムが最大になるように並び替える。このようにすることで、上三角行列Rの右下の要素を大きくし、浅いノードで誤ったシンボルレプリカを用いた場合の累積メトリックが大きくすることができ、浅いノードの段階で基準メトリックを上回らせることができ、探索ノード数を削減することができる。
(第2の実施形態)
以下、図面を参照しながら本発明の第2の実施形態について詳しく説明する。第1の実施形態では、受信装置b1が図9で示す木構造を前順走査してMLDの解を探索する場合について説明した。本実施形態では、受信装置は、木構造をレベル順走査して探索する手法について説明する。なお、本実施形態では、図1の通信システムは、第1の実施形態に係る送信装置a1及び、受信装置b1に代えて受信装置b2を具備する。
以下、図面を参照しながら本発明の第2の実施形態について詳しく説明する。第1の実施形態では、受信装置b1が図9で示す木構造を前順走査してMLDの解を探索する場合について説明した。本実施形態では、受信装置は、木構造をレベル順走査して探索する手法について説明する。なお、本実施形態では、図1の通信システムは、第1の実施形態に係る送信装置a1及び、受信装置b1に代えて受信装置b2を具備する。
図15は、本発明の第2の実施形態に係る受信装置b2の構成を示す概略ブロック図である。本実施形態に係る受信装置b2(図15)と第1の実施形態に係る受信装置b1(図4)とを比較すると、信号探索部b208が異なる。しかし、その他の構成要素(受信部b101−r、チャネル推定部b102、QR分解部b103、信号変換部b104、基準メトリック生成部b105、基準メトリック保存部b106、候補系列保存部b107)が持つ機能は第1の実施形態と同じである。第1の実施形態と同じ機能の説明は省略する。
以下、信号探索部b208が行う処理について説明する。
図16は、本実施形態に係る信号探索部b208の構成を示す概略ブロック図である。この図において、信号探索部b208は、ステージt探索部b208−t(t=1、2、・・・、T)を含んで構成されるなお、ステージt探索部b208−tが行う処理を、ステージtの処理とも称する。
図16は、本実施形態に係る信号探索部b208の構成を示す概略ブロック図である。この図において、信号探索部b208は、ステージt探索部b208−t(t=1、2、・・・、T)を含んで構成されるなお、ステージt探索部b208−tが行う処理を、ステージtの処理とも称する。
図17〜図19は、本実施形態に係る信号探索部b208の詳細構成を示す概略ブロック図である。これらの図において、ステージt探索部b208−t(t=1、2、・・・、T−1、T)は、シンボルレプリカ生成部b208−t−1、累積メトリック算出部b208−t−2、メトリック比較部b208−t−3、シンボルレプリカ減算部b208−t−4を含んで構成される。以下では、まず、図17を用いてステージTの処理について説明する。次に、図18を用いてステージT−1以降の、ステージtの処理について説明を行い、最後に図19を用いてステージ1の処理について説明する。
図17は、本実施形態に係る信号探索部b208の詳細構成を示す概略ブロック図である。この図は、ステージT探索部b208−Tとステージ(T−1)探索部b208−(T−1)との関係を示す。
信号変換部b104から出力される三角化受信信号は、シンボルレプリカ生成部b208−T−1、累積メトリック算出部b208−T−2、及びシンボルレプリカ減算部b208−T−4に入力される。
信号変換部b104から出力される三角化受信信号は、シンボルレプリカ生成部b208−T−1、累積メトリック算出部b208−T−2、及びシンボルレプリカ減算部b208−T−4に入力される。
シンボルレプリカ生成部b208−T−1は、三角化受信信号の入力を検知した場合、MLDのプロセスを開始する。シンボルレプリカ生成部b208−T−1は、送信アンテナa1−Tから送信され得る情報ビット候補を全通り抽出し、抽出した情報ビット候補に基づいてシンボルレプリカを全通り生成する。ここで、シンボルレプリカ生成部b208−T−1は、送信装置a1から通知されたMCS情報に基づいて、情報ビット候補を全通り抽出し、抽出した情報ビット候補各々を変調することでシンボルレプリカを全通り生成する。シンボルレプリカ生成部b208−T−1は、生成したシンボルレプリカを、累積メトリック算出部b208−T−2に出力する。
累積メトリック算出部b208−T−2は、シンボルレプリカ生成部b208−T−1から入力されるシンボルレプリカと、QR分解部b103から入力される三角行列Rの第T行T列の成分と、を乗算する。累積メトリック算出部b208−T−2は、その乗算結果を、信号変換部b104から入力される三角化受信信号の送信アンテナa1−Tの成分に対応する値から減算する。累積メトリック算出部b208−T−2は、その減算結果の2乗ユークリッドノルムを算出する。累積メトリック算出部b208−T−2は、算出した2乗ユークリッドノルムを、ステージTにおける累積メトリックとして、メトリック比較部b208−T−3に出力する。また、累積メトリック算出部b208−T−2は、シンボルレプリカ生成部b208−T−1から入力されるシンボルレプリカをそのままメトリック比較部b208−T−2に出力する。
メトリック比較部b208−T−3は、累積メトリック算出部b208−T−2から入力される累積メトリック値の中で、基準メトリック保存部b106から入力される基準メトリックより大きいものを候補から外す。つまり、メトリック比較部b208−T−3は、基準メトリックより大きい累積メトリック値に対応する情報ビット候補が含まれる候補系列(情報ビット候補をT成分とする候補系列)を候補から外す。メトリック比較部b208−T−3は、候補から外されなかった累積メトリックを、累積メトリック算出部b208−(T−1)−2に出力する。また、メトリック比較部b208−T−3は、候補から外されなかったシンボルレプリカをシンボルレプリカ減算部b208−T−4に出力する。
シンボルレプリカ減算部b208−T−4は、メトリック比較部b208−T−3から入力されるシンボルレプリカと、QR分解部b103から入力される三角行列Rのうち、第T列ベクトルの第1成分から第(T−1)成分までを乗算する。シンボルレプリカ減算部b208−T−4は、その乗算結果を、信号変換部b104から入力される三角化受信信号の第1成分から第(T−1)成分までを取り出したベクトルから減算する。シンボルレプリカ減算部b208−T−4は、T−1個のレプリカ減算信号のT−1個目を、ステージT−1の累積メトリック算出部b208−(T−1)−2に出力する。また、シンボルレプリカ減算部b208−T−4は、このT−1個のレプリカ減算信号の1〜T−2個目を、ステージ(T−1)のシンボルレプリカ減算部b208−(T−1)−4に出力する。これらの処理は、メトリック比較部b208−T−3から入力されるシンボルレプリカの数だけ行われる。また、シンボルレプリカ減算部b208−T−4は、処理開始の信号をステージ(T−1)のシンボルレプリカ生成部b208−(T−1)−1に出力する。
次に、tがT−1以降、つまり、t≦T−1のステージtについて説明する。
図18は、本実施形態に係る信号探索部b208の詳細構成を示す別の概略ブロック図である。この図は、ステージ(t+1)探索部b208−(t+1)、ステージt探索部b208−t、及びステージ(t−1)探索部b208−(t−1)との関係を示す。ただし、t=1の場合は処理が異なるため、ステージ1探索部b208−1の処理については、後述する。
図18は、本実施形態に係る信号探索部b208の詳細構成を示す別の概略ブロック図である。この図は、ステージ(t+1)探索部b208−(t+1)、ステージt探索部b208−t、及びステージ(t−1)探索部b208−(t−1)との関係を示す。ただし、t=1の場合は処理が異なるため、ステージ1探索部b208−1の処理については、後述する。
シンボルレプリカ生成部b208−t−1は、シンボルレプリカ減算部b208−(t+1)−4から処理開始の信号が入力された場合、プロセスを開始する。シンボルレプリカ生成部b208−t−1は、送信アンテナa1−tから送信され得る情報ビット候補を全通り抽出し、抽出した情報ビット候補に基づいてシンボルレプリカを全通り生成する。ここで、シンボルレプリカ生成部b208−t−1は、送信装置a1から通知されたMCS情報に基づいて、情報ビット候補を全通り抽出し、抽出した情報ビット候補各々を変調することでシンボルレプリカを全通り生成する。シンボルレプリカ生成部b208−t−1は、生成したシンボルレプリカを、累積メトリック算出部b208−t−2に出力する。
累積メトリック算出部b208−t−2は、シンボルレプリカ生成部b208−t−1から入力されるシンボルレプリカと、QR分解部b103から入力される三角行列Rの第t行t列の成分と、を乗算する。累積メトリック算出部b208−t−2は、その乗算結果を、シンボルレプリカ減算部b208−(t+1)−4から入力されるレプリカ減算信号から減算する。累積メトリック算出部b208−t−2は、その減算結果の2乗ユークリッドノルムを算出する。累積メトリック算出部b208−t−2は、算出した2乗ユークリッドノルムとメトリック比較部b208−(t+1)−3から入力される生き残りの累積メトリックとを加算し、ステージtにおける累積メトリックを算出する。この累積メトリックをメトリック比較部b208−t−3に出力する。また、累積メトリック算出部b208−t−2は、シンボルレプリカ生成部b208−t−1から入力されるシンボルレプリカをそのままメトリック比較部b208−t−2に出力する。
メトリック比較部b208−t−3は、累積メトリック算出部b208−t−2から入力される累積メトリック値の中で、基準メトリック保存部b106から入力される基準メトリックより大きいものを候補から外す。つまり、メトリック比較部b208−t−3は、基準メトリックより大きい累積メトリック値に対応する情報ビット候補が含まれる候補系列(情報ビット候補をT成分とする候補系列)を候補から外す。メトリック比較部b208−t−3は、候補から外されなかった累積メトリックを、累積メトリック算出部b208−(t−1)−2に出力する。また、メトリック比較部b208−t−3は、候補から外されなかったシンボルレプリカをシンボルレプリカ減算部b208−t−4に出力する。
シンボルレプリカ減算部b208−t−4は、メトリック比較部b208−t−3から入力されるシンボルレプリカと、QR分解部b103から入力される三角行列Rのうち、第t列ベクトルの第1成分から第(t−1)成分までを乗算する。シンボルレプリカ減算部b208−t−4は、その乗算結果を、信号変換部b104から入力される三角化受信信号の第1成分から第(t−1)成分までを取り出したベクトルから減算する。シンボルレプリカ減算部b208−t−4は、t−1個のレプリカ減算信号のt−1個目を、ステージt−1の累積メトリック算出部b208−(t−1)−2に出力する。また、シンボルレプリカ減算部b208−t−4は、このt−1個のレプリカ減算信号の1〜t−2個目を、ステージ(t−1)のシンボルレプリカ減算部b208−(t−1)−4に出力する。これらの処理は、メトリック比較部b208−t−3から入力されるシンボルレプリカの数だけ行われる。また、シンボルレプリカ減算部b208−t−4は、処理開始の信号をステージ(t−1)のシンボルレプリカ生成部b208−(t−1)−1に出力する。
最後に、ステージ1を説明する。
図19は、本実施形態に係る信号探索部b208の詳細構成を示す別の概略ブロック図である。この図は、ステージ2探索部b208−2とステージ1探索部b208−1との関係を示す。なお、ステージ1探索部b208−1は、シンボルレプリカ減算部を備えていない点で、t≧2のステージt探索部b208−tとは異なる。
図19は、本実施形態に係る信号探索部b208の詳細構成を示す別の概略ブロック図である。この図は、ステージ2探索部b208−2とステージ1探索部b208−1との関係を示す。なお、ステージ1探索部b208−1は、シンボルレプリカ減算部を備えていない点で、t≧2のステージt探索部b208−tとは異なる。
シンボルレプリカ生成部b208−1−1は、シンボルレプリカ減算部b208−2−4から処理開始の信号が入力された場合、プロセスを開始する。シンボルレプリカ生成部b208−1−1は、送信アンテナa1−1から送信され得る情報ビット候補を全通り抽出し、抽出した情報ビット候補に基づいてシンボルレプリカを全通り生成する。ここで、シンボルレプリカ生成部b208−1−1は、送信装置a1から通知されたMCS情報に基づいて、情報ビット候補を全通り抽出し、抽出した情報ビット候補各々を変調することでシンボルレプリカを全通り生成する。シンボルレプリカ生成部b208−1−1は、生成したシンボルレプリカを、累積メトリック算出部b208−1−2に出力する。
累積メトリック算出部b208−1−2は、シンボルレプリカ生成部b208−1−1から入力されるシンボルレプリカと、QR分解部b103から入力される三角行列Rの第1行1列の成分と、を乗算する。累積メトリック算出部b208−1−2は、その乗算結果を、シンボルレプリカ減算部b208−2−4から入力されるレプリカ減算信号から減算する。累積メトリック算出部b208−1−2は、その減算結果の2乗ユークリッドノルムを算出する。累積メトリック算出部b208−1−2は、算出した2乗ユークリッドノルムとメトリック比較部b208−2−3から入力される生き残りの累積メトリックとを加算し、ステージ1における累積メトリックを算出する。この累積メトリックをメトリック比較部b208−1−3に出力する。
メトリック比較部b208−1−3は、累積メトリック算出部b208−1−2から入力される累積メトリック値の中で、最小のものを選択する。メトリック比較部b208−1−3は、選択された累積メトリックに対応する各ステージのシンボルレプリカに対応する候補系列を候補系列保存部b107に出力する。
<動作原理について>
以下、受信装置b2の動作原理について説明する。
第1の実施形態では図9のような木構造を前順走査する場合について説明したが、第2の実施形態では木構造をレベル順走査する。これにより、探索ノードが削減される例を示す。なお、本実施形態に係る基準メトリックに関する候補系列の選択の一例を表す図は、図10と同じである。
以下、受信装置b2の動作原理について説明する。
第1の実施形態では図9のような木構造を前順走査する場合について説明したが、第2の実施形態では木構造をレベル順走査する。これにより、探索ノードが削減される例を示す。なお、本実施形態に係る基準メトリックに関する候補系列の選択の一例を表す図は、図10と同じである。
図20〜図22は、本実施形態に係る変調シンボルの候補の探索の一例を説明する概略図である。
図20は、本実施形態に係る信号探索部b208の処理の一例を表す。この図において、太線で繋がれた変調シンボルの候補は、そのシンボルレプリカに基づいて累積メトリックが算出されたことを表す。図20で示すように、本実施形態では、探索はまず同レベル(ステージT)のノードに対して行われる。この図は、ノード221〜224についての探索が行われた様子を示す。この図は、ノード222が選択された場合に、そのノードまでの累積メトリックが基準メトリックを上回る場合の例である。この場合、信号探索部b108は、ノード222を含む候補系列について、以後の探索を破棄する。
図20は、本実施形態に係る信号探索部b208の処理の一例を表す。この図において、太線で繋がれた変調シンボルの候補は、そのシンボルレプリカに基づいて累積メトリックが算出されたことを表す。図20で示すように、本実施形態では、探索はまず同レベル(ステージT)のノードに対して行われる。この図は、ノード221〜224についての探索が行われた様子を示す。この図は、ノード222が選択された場合に、そのノードまでの累積メトリックが基準メトリックを上回る場合の例である。この場合、信号探索部b108は、ノード222を含む候補系列について、以後の探索を破棄する。
図21は、図20が表す処理の続きの処理を表す。この図は、図20で候補から外されたノード(ノード222)以外のノード221、223、224について、その次のレベル(ステージT−1)のノード231−1〜231−4、232−1〜232−4、233−1〜233−4についての探索が行われた様子を示す。図21では、この結果、ノード231−1、231−2、231−4、232−3、233−1、233−3の累積メトリックが基準メトリックを上回ったとしている。
図22は、図21が表す処理の続きの処理を表す。この場合、信号探索部b208は、ノード231−3、232−1、232−2、232−4、233−4を含む候補系列について探索を行う。それ以外のノードを含む候補系列については、信号探索部b208は、探索を破棄する。これにより、信号探索部b208は、24個の葉ノードを探索することとなり、40個分の探索ノード数を削減できる。そして、信号探索部b208は、探索する24個の葉ノードを含む候補系列のうち、メトリックが最小となるものを、候補系列保存部b107に保存する。
<受信装置b2の動作について>
図23は、本実施形態に係る受信装置b2の動作を示すフローチャートである。なお、この図が示す動作は、図15の受信部b101−rが受信信号をチャネル推定部b102及び信号変換部b104に出力した後の処理である。
図23は、本実施形態に係る受信装置b2の動作を示すフローチャートである。なお、この図が示す動作は、図15の受信部b101−rが受信信号をチャネル推定部b102及び信号変換部b104に出力した後の処理である。
(ステップS201)チャネル推定部b102は、受信信号とパイロットシンボルに基づいてチャネル推定を行うことで、チャネル行列を得る。その後、ステップS202へ進む。
(ステップS202)QR分解部b103は、ステップS202で得られたチャネル値を用いて構成されるチャネル行列HのQR分解を行うことで、ユニタリ行列Qと上三角行列Rを得る。その後、ステップS203へ進む。
(ステップS203)信号変換部b104は、ステップS202で得られたユニタリ行列Qを受信信号ベクトルに乗算し、三角化受信信号を算出する。その後、ステップS204へ進む。
(ステップS202)QR分解部b103は、ステップS202で得られたチャネル値を用いて構成されるチャネル行列HのQR分解を行うことで、ユニタリ行列Qと上三角行列Rを得る。その後、ステップS203へ進む。
(ステップS203)信号変換部b104は、ステップS202で得られたユニタリ行列Qを受信信号ベクトルに乗算し、三角化受信信号を算出する。その後、ステップS204へ進む。
(ステップS204)基準メトリック生成部b105は、ステップS202で得られる上三角行列RとステップS203で算出された三角化受信信号を用いてMIMO分離を行う。基準メトリック生成部b105は、MIMO分離結果を用いて基準メトリックを算出し、基準メトリック保存部b106で保存する。また、そのときの候補系列を候補系列保存部b107に保存する。その後、S205〜S208の処理が繰り返される。ここで、信号探索部b108は、t=Tからt=1まで、tを1ずつ減算して、S205〜S208の処理を繰り返す。
(ステップS205)シンボルレプリカ生成部b208−t−1は、シンボルレプリカを全通り生成する。その後、ステップS206へ進む。
(ステップS206)累積メトリック算出部b208−t−2は、ステップS205で得られるシンボルレプリカを用いてステージtの累積メトリックを算出する。その後、ステップS207へ進む。
(ステップS206)累積メトリック算出部b208−t−2は、ステップS205で得られるシンボルレプリカを用いてステージtの累積メトリックを算出する。その後、ステップS207へ進む。
(ステップS207)メトリック比較部b208−t−3は、ステップS206で得られる累積メトリックの中で、基準メトリックを上回るものを候補から外す。なお、t=1の場合は、ステップS206で得られる累積メトリックの中から最小値を選択し、対応する候補系列を候補系列保存部b107へ保存する。その後、ステップS208へ進む。
(ステップS208)シンボルレプリカ減算部b208−t−4は、ステップS205で得られるシンボルレプリカを用いて、レプリカ減算信号を算出する。ただし、t=1の場合には行わない。その後、ループを抜けたら候補系列保存部b107に保存されている候補系列を最終的な最尤系列として出力する。その後、受信装置b2は動作を終了する。
(ステップS208)シンボルレプリカ減算部b208−t−4は、ステップS205で得られるシンボルレプリカを用いて、レプリカ減算信号を算出する。ただし、t=1の場合には行わない。その後、ループを抜けたら候補系列保存部b107に保存されている候補系列を最終的な最尤系列として出力する。その後、受信装置b2は動作を終了する。
このように、本実施形態によれば、木構造をレベル順走査することで、第1の実施形態と同等の効果を、簡略化された回路構成で実現することができる。
なお、上記第2の実施形態において、レベル順走査を行う場合について説明したが、第1の実施形態で説明した前順走査と組合せてもよい。
なお、上記第2の実施形態において、レベル順走査を行う場合について説明したが、第1の実施形態で説明した前順走査と組合せてもよい。
(第3の実施形態)
以下、図面を参照しながら本発明の第3の実施形態について詳しく説明する。第1の実施形態及び第2の実施形態では、MLDの解となる候補系列と対応するメトリックを算出していた。本実施形態では、対数尤度比(LLR:Log Likelihood Ratio)を算出する手法について説明する。なお、本実施形態では、図1の通信システムは、送信装置a1及び受信装置b1に代えて、送信装置a3及び受信装置b3を具備する。
以下、図面を参照しながら本発明の第3の実施形態について詳しく説明する。第1の実施形態及び第2の実施形態では、MLDの解となる候補系列と対応するメトリックを算出していた。本実施形態では、対数尤度比(LLR:Log Likelihood Ratio)を算出する手法について説明する。なお、本実施形態では、図1の通信システムは、送信装置a1及び受信装置b1に代えて、送信装置a3及び受信装置b3を具備する。
図24は、本発明の第3の実施形態に係る送信装置a3の構成を示す概略ブロック図である。本実施形態に係る送信装置a3(図24)と第1の実施形態に係る送信装置a1(図2)とを比較すると、送信装置a3は符号部a306を新たに備える。しかし、その他の構成要素(ビット割り当て部a101、変調部a102−t、マッピング部a104−t、送信部a105−t)が持つ機能は第1の実施形態と同じである。第1の実施形態と同じ機能の説明は省略する。
符号部a306は、受信装置b3に送信する情報ビットに対して畳込み符号、ターボ符号、LDPC(Low Density Parity Check:低密度パリティ検査)符号などの誤り訂正符号を用いて符号化し、符号化ビットを生成する。符号部a306は、生成した符号化ビットをビット割り当て部a101に出力する。なお、この符号化に用いられる符号を示す情報は、例えば、MCS情報として、送信部a105−tのいずれかから受信装置b3へ通知される。なお、符号は、変調部a102−t毎、つまり、送信アンテナa1−t毎に異なっていてもよいし、周波数帯域(例えば、コンポーネントキャリア)毎に異なっていてもよい。
図25は、本実施形態に係る受信装置b3の構成を示す概略ブロック図である。本実施形態に係る受信装置b3(図25)と第1の実施形態に係る受信装置b1(図4)とを比較すると、受信装置b3はQR分解部b303、基準メトリックb305、基準メトリック保存部b306、信号探索部b308の動作が異なる。また、受信装置b3は、候補系列保存部b107を持たず、LLR算出部b309及び復号部b310を新たに備える。しかし、その他の構成要素(受信部b101−r、チャネル推定部b102、信号変換部b104)が持つ機能は第1の実施形態と同じである。第1の実施形態と同じ機能の説明は省略する。
QR分解部b303は、送信アンテナa1−p(pを算出成分情報とも称する)から出力されるビットのLLRを算出するため、チャネル推定部b102から入力されるチャネル行列の列ベクトルを入れ替える。具体的には、QR分解部b303は、式(6)で示したhpが一番右になるように式(5)のチャネル行列Hの列ベクトルhtを入れ替え、入れ替えた後の行列に対してQR分解を行う。ただし、p=1、・・・、Tである。
QR分解部b303は、QR分解により算出したユニタリ行列Qを信号変換部b104に出力し、算出した上三角行列Rを基準メトリック生成部b305及び信号変換部b308に出力する。また、QR分解部b303は、一番右にした送信アンテナ番号pをLLR算出部b309に出力する。LLR算出部b309まで処理が終わると、LLR算出部b309からは、送信アンテナa1−pから出力されるビットのLLRが出力される。これを異なるアンテナに対してT回繰り返すことで、全ての送信アンテナから出力されるビットのLLRを算出する。
以後、QR分解部b303はp=T、・・・、1の順番で並び替えを行なってユニタリ行列Qと上三角行列Rを出力するものとして説明する。なお、並び替えはこの順番でなくてもよい。また、以後の説明はp=T、すなわち並び替えなしの場合について説明を行うが、pが異なる値であっても処理内容は変化しない。
QR分解部b303は、QR分解により算出したユニタリ行列Qを信号変換部b104に出力し、算出した上三角行列Rを基準メトリック生成部b305及び信号変換部b308に出力する。また、QR分解部b303は、一番右にした送信アンテナ番号pをLLR算出部b309に出力する。LLR算出部b309まで処理が終わると、LLR算出部b309からは、送信アンテナa1−pから出力されるビットのLLRが出力される。これを異なるアンテナに対してT回繰り返すことで、全ての送信アンテナから出力されるビットのLLRを算出する。
以後、QR分解部b303はp=T、・・・、1の順番で並び替えを行なってユニタリ行列Qと上三角行列Rを出力するものとして説明する。なお、並び替えはこの順番でなくてもよい。また、以後の説明はp=T、すなわち並び替えなしの場合について説明を行うが、pが異なる値であっても処理内容は変化しない。
基準メトリック生成部b305は、信号変換部b104から入力される三角化受信信号とQR分解部b303から入力される上三角行列Rに基づいて、MIMO分離を行う。ただし、基準メトリック生成部b305は、変調シンボルsTをb(m)に固定するという仮定つきでMIMO分離を行う。基準メトリック生成部b305は、この処理をm=1、・・・、MTのMT通り行い、それぞれのメトリックを基準メトリック保存部b306に保存する。
基準メトリック保存部b306は、保存しているMT個の基準メトリックを信号探索部b308に出力する。
基準メトリック保存部b306は、保存しているMT個の基準メトリックを信号探索部b308に出力する。
以下、信号探索部b308が行う処理について説明する。
図26は、本実施形態に係る信号探索部b308の構成を示す概略ブロック図である。本実施形態に係る信号探索部b308(図26)と、第1の実施形態に係る信号探索部b108(図5)とを比較すると、信号探索部b308は、ステージT探索部b308−T及びステージ1探索部b308−1の動作が異なり、基準メトリック選択部B30を新たに備える。しかし、その他の構成要素(ステージt探索部b308−t(t=2、3、・・・、T−1)が持つ機能は第1の実施形態と同じである。第1の実施形態と同じ機能の説明は省略する。
図26は、本実施形態に係る信号探索部b308の構成を示す概略ブロック図である。本実施形態に係る信号探索部b308(図26)と、第1の実施形態に係る信号探索部b108(図5)とを比較すると、信号探索部b308は、ステージT探索部b308−T及びステージ1探索部b308−1の動作が異なり、基準メトリック選択部B30を新たに備える。しかし、その他の構成要素(ステージt探索部b308−t(t=2、3、・・・、T−1)が持つ機能は第1の実施形態と同じである。第1の実施形態と同じ機能の説明は省略する。
図27、図28は、本実施形態に係る信号探索部b308の詳細構成を示す概略ブロック図である。本実施形態に係る信号探索部b308(図27、図28)と、第1の実施形態に係る信号探索部b108(図6〜図8)とを比較すると、信号探索部b308は、シンボルレプリカ生成部b308−T−1、メトリック比較部b308−1−3の動作が異なる。また、ステージT探索部b308−Tは、メトリック比較部b308−T−3を持たず、基準メトリック選択部B30を新たに備える。しかし、その他の構成要素(シンボルレプリカ生成部b108−t(t=1〜T−1)、累積メトリック算出部b108−t−2(t=1〜T)が持つ機能は第1の実施形態と同じである。第1の実施形態と同じ機能の説明は省略する。
まず、図27を参照しながらシンボルレプリカ生成部b308−T−1及び基準メトリック選択部B30について説明する。
シンボルレプリカ生成部b308−T−1は、三角化受信信号の入力を検知した場合、プロセスを開始する。具体的には、まず、送信アンテナa1−Tから送信され得る情報ビットの候補(情報ビット候補)を1つ選択し、選択した情報ビット候補に基づいてシンボルレプリカを1つ生成する。ここで、シンボルレプリカ生成部b308−1−1は、送信装置a3から通知されたMCS情報に基づいて、情報ビット候補を1つずつ決定し、決定した情報ビット候補を変調することでシンボルレプリカを1つずつ生成する。シンボルレプリカ生成部b308−T−1は、生成したシンボルレプリカを、累積メトリック算出部b108−T−2、シンボルレプリカ減算部b108−T−4、基準メトリック選択部B30に出力する。
この出力された1つのシンボルレプリカについての処理は、ステージ(T−1)探索部b308−(T−1)のシンボルレプリカ生成部b108−(T−1)−1から処理終了の信号を受け取った場合、終了となる。1つのシンボルレプリカについての処理が終了した場合、シンボルレプリカ生成部b308−T−1は、情報ビット候補の中から、前に選択した情報ビット候補とは別の情報ビット候補を選択し、選択した情報ビット候補を変調する。つまり、シンボルレプリカ生成部b308−T−1は、前に生成したシンボルレプリカとは別の変調シンボルのシンボルレプリカを生成し、同様の処理を行う。全ての情報ビット候補に対して、これらの処理が行われた場合、ステージTは処理を終了し、LLR算出部b309に処理終了の信号を出力する。
シンボルレプリカ生成部b308−T−1は、三角化受信信号の入力を検知した場合、プロセスを開始する。具体的には、まず、送信アンテナa1−Tから送信され得る情報ビットの候補(情報ビット候補)を1つ選択し、選択した情報ビット候補に基づいてシンボルレプリカを1つ生成する。ここで、シンボルレプリカ生成部b308−1−1は、送信装置a3から通知されたMCS情報に基づいて、情報ビット候補を1つずつ決定し、決定した情報ビット候補を変調することでシンボルレプリカを1つずつ生成する。シンボルレプリカ生成部b308−T−1は、生成したシンボルレプリカを、累積メトリック算出部b108−T−2、シンボルレプリカ減算部b108−T−4、基準メトリック選択部B30に出力する。
この出力された1つのシンボルレプリカについての処理は、ステージ(T−1)探索部b308−(T−1)のシンボルレプリカ生成部b108−(T−1)−1から処理終了の信号を受け取った場合、終了となる。1つのシンボルレプリカについての処理が終了した場合、シンボルレプリカ生成部b308−T−1は、情報ビット候補の中から、前に選択した情報ビット候補とは別の情報ビット候補を選択し、選択した情報ビット候補を変調する。つまり、シンボルレプリカ生成部b308−T−1は、前に生成したシンボルレプリカとは別の変調シンボルのシンボルレプリカを生成し、同様の処理を行う。全ての情報ビット候補に対して、これらの処理が行われた場合、ステージTは処理を終了し、LLR算出部b309に処理終了の信号を出力する。
基準メトリック選択部B30は、基準メトリック保存部b306から入力されるMT個の基準メトリックの中から、シンボルレプリカ生成部b308−T−1から入力されるシンボルレプリカに対応するものを1つ選択し、メトリック比較部b308−1−3、メトリック比較部b108−2−3〜b108−(T−1)−3に出力する。
なお、メトリック比較部b108−2−3〜b108−(T−1)−3は、基準メトリック保存部b106から入力される基準メトリックに代えて、基準メトリック選択部B30から入力される基準メトリックを用いて、第1の実施形態と同様の処理を行う。
なお、メトリック比較部b108−2−3〜b108−(T−1)−3は、基準メトリック保存部b106から入力される基準メトリックに代えて、基準メトリック選択部B30から入力される基準メトリックを用いて、第1の実施形態と同様の処理を行う。
次に、ステージ1を説明する。
図28は、本実施形態に係る信号探索部b308の詳細構成を示す別の概略ブロック図である。この図は、ステージ2探索部b308−2とステージ1探索部b308−1との関係を示す。
図28は、本実施形態に係る信号探索部b308の詳細構成を示す別の概略ブロック図である。この図は、ステージ2探索部b308−2とステージ1探索部b308−1との関係を示す。
メトリック比較部b308−1−3は、累積メトリック算出部b108−1−2から入力される累積メトリックが、基準メトリック選択部B30から入力される基準メトリックを下回った場合、基準メトリック保存部b306は、その累積メトリックを新たな基準メトリックとして保存する。ただし、基準メトリック保存部b306が保存するのは、シンボルレプリカ生成部b308−1−1が出力しているシンボル番号に対応する基準メトリックである。その後、メトリック比較部b308−1−3は、処理終了を示す信号をシンボルレプリカ生成部b308−1−1に出力する。
図25に戻って、残りの機能を説明する。
LLR算出部b309は、基準メトリック保存部b306から入力される基準メトリックに基づいてLLRを算出する。LLR算出部b309は、全部の送信アンテナについてのLLRの算出が終了している場合、算出したLLRを復号部b310に出力する。そうではない場合、LLR算出部b309は、送信アンテナa1−pに関する処理終了の信号をQR分解部b303に通知する。
LLR算出部b309は、基準メトリック保存部b306から入力される基準メトリックに基づいてLLRを算出する。LLR算出部b309は、全部の送信アンテナについてのLLRの算出が終了している場合、算出したLLRを復号部b310に出力する。そうではない場合、LLR算出部b309は、送信アンテナa1−pに関する処理終了の信号をQR分解部b303に通知する。
復号部b310は、LLR算出部b309から入力されるLLRを用いて、例えば、最尤復号法、最大事後確率(MAP:Maximum A posteriori Probability)、log−MAP、Max−log−MAP、SOVA(Soft Output Viterbi Algorithm)、Sum−product等を用いて復号処理を行う。
<動作原理について>
以下、MLDを用いてLLRを出力する手法について説明する。具体的には、受信装置b3が送信アンテナa1−Tから出力されるビットのLLRを求める手法を説明する。
図29は、本実施形態に係る変調シンボルの候補の探索の一例を説明する概略図である。送信アンテナa1−TからのビットLLRを求めるには、まず、図25の基準メトリック生成部b305は、図29のように、ステージTのノード各々を含む経路の最小メトリックを求める。ここで最小メトリックとは、候補系列のメトリックのうち値が最小となるものである。これは、M通り存在する。図29において、例えば、葉ノード325を含む候補系列のメトリックは、ノード321を含む候補系列の最小メトリックを表す。これは、xTをb(1)に固定した場合の最小メトリックである。他の葉ノードも同様である。
以下、MLDを用いてLLRを出力する手法について説明する。具体的には、受信装置b3が送信アンテナa1−Tから出力されるビットのLLRを求める手法を説明する。
図29は、本実施形態に係る変調シンボルの候補の探索の一例を説明する概略図である。送信アンテナa1−TからのビットLLRを求めるには、まず、図25の基準メトリック生成部b305は、図29のように、ステージTのノード各々を含む経路の最小メトリックを求める。ここで最小メトリックとは、候補系列のメトリックのうち値が最小となるものである。これは、M通り存在する。図29において、例えば、葉ノード325を含む候補系列のメトリックは、ノード321を含む候補系列の最小メトリックを表す。これは、xTをb(1)に固定した場合の最小メトリックである。他の葉ノードも同様である。
このような最小メトリックを求めるには、基準メトリック生成部b305は、ステージTのノードを根ノードとする部分木に対して、第1の実施形態や第2の実施形態で説明した手法で最小メトリックを求めればよい。従って、本実施形態では、xTをb(m)に固定したメトリック算出をm=1、・・・、Mに対して行うため、基準メトリック生成部b305は、基準メトリックをM通り算出する。
図27において、ステージT探索部b308−Tは、メトリック比較部を持たない。また、図28において、ステージT探索部b308−1のメトリック比較部b308−1−3は、基準メトリック保存部b306が保存しているM通りの基準メトリックのうち、xTとして固定されているシンボルレプリカに対応する基準メトリックを更新する。
信号探索部b308の処理終了後に、基準メトリック保存部b306に保存されているメトリックをfmとする。fmは、xTがb(m)に固定された場合のメトリックである。例えば、図29では、葉ノード325を含む候補系列のメトリックがf1、葉ノード326を含む候補系列のメトリックがf2、葉ノード327を含む候補系列のメトリックがf3、葉ノード328を含む候補系列のメトリックがf4となる。
信号探索部b308の処理終了後に、基準メトリック保存部b306に保存されているメトリックをfmとする。fmは、xTがb(m)に固定された場合のメトリックである。例えば、図29では、葉ノード325を含む候補系列のメトリックがf1、葉ノード326を含む候補系列のメトリックがf2、葉ノード327を含む候補系列のメトリックがf3、葉ノード328を含む候補系列のメトリックがf4となる。
次に、得られたメトリックfmを用いてLLRを算出する手法を説明する。送信アンテナa1−Tが変調シンボルにマッピングするq番目のビットをbqとする。例えば、送信アンテナa1−TがQPSKを用いている場合、図30のIQ平面に示すように、変調シンボル311〜314を考えることができる。変調シンボル311〜314の順番に、b(1)、b(2)、b(3)、b(4)であるとする。このとき、(b1、b2)=(0、0)を変調シンボル311(b(1))、(b1、b2)=(0、1)を変調シンボル312(b(2))、(b1、b2)=(1、0)を変調シンボル313(b(3))、(b1、b2)=(1、1)を変調シンボル314(b(4))のように割り当てるものとする。なお、これは一例であり、これ以外の組合せであってもよい。
次に、ビットbqが0である場合に、取りうる変調シンボルの番号の集合をBq,0とし、ビットbqが1である場合に、取りうる変調シンボルの番号の集合をBq,1とする。例えば、図30の例では、B1,0=[1、2]、B1,1=[3、4]、B2,0=[1、3]、B2,1=[2、4]となる。
ビットbqのLLRをλ(bq)とすると、λ(bq)は次式(37)で表される。
ビットbqのLLRをλ(bq)とすると、λ(bq)は次式(37)で表される。
ただし、σ2は雑音電力であり、例えばチャネル推定部b102でチャネル推定と同時に推定すればよい。LLR算出部b309は、式(37)に基づいてLLRを算出する。なお、式(37)はλ(bq)を次式(38)で定義した場合の算出手法である。
ただし、p(A|B)は、Bを条件としたときのAの条件付き確率である。λ(bq)の定義が次式(39)となる場合は、次式(40)のように算出する。
復号部b310は、上記の式(38)又は(39)のλ(bq)のどちらを用いても良く、どちらを用いるかは、復号部b310の仕様に依存する。
以上、送信アンテナa1−TのビットLLRを算出する手法を説明した。
以上、送信アンテナa1−TのビットLLRを算出する手法を説明した。
次に、t=T以外の送信アンテナa1−p(p≠T)のビットLLRを算出する手法を説明する。まず、QR分解部b303が、QR分解を行う前に式(5)で示したチャネル行列の列ベクトルを並び替え、式(6)で示したチャネル行列の列ベクトルhpが一番右に来るようにする。このようにすることで、図29の木構造の高さTのノードが、xpに対応するように変形されるので、上述したLLR算出手法を適用することで、送信アンテナa1−pのビットLLRを算出することができる。これを、p=T−1、・・・、1に対して行えばよい。このために、図25のLLR算出部b309は、LLR算出終了をQR分解部b303に伝え、QR分解部b303がチャネル行列を並び替えて処理を繰り返すようにしている。
<受信装置b3の動作について>
図31は、本実施形態に係る受信装置b3の動作を示すフローチャートである。なお、この図が示す動作は、図25の受信部b101−rが受信信号をチャネル推定b102及び信号変換部b104に出力した後の処理である。なお、図31では、変数として、ステージ番号t、ステージtにおける変調シンボルmt、及びステージtで用いている変調シンボル数Mtを用いる場合について説明する。
図31は、本実施形態に係る受信装置b3の動作を示すフローチャートである。なお、この図が示す動作は、図25の受信部b101−rが受信信号をチャネル推定b102及び信号変換部b104に出力した後の処理である。なお、図31では、変数として、ステージ番号t、ステージtにおける変調シンボルmt、及びステージtで用いている変調シンボル数Mtを用いる場合について説明する。
(ステップS301)チャネル推定部b102は、受信信号とパイロットシンボルに基づいてチャネル推定を行うことで、チャネル行列を得る。その後、ステップS302へ進む。
(ステップS302)QR分解部b303は、ステップS302で得られたチャネル値を用いて構成されるチャネル行列Hに対して、第p列ベクトルhpが一番右になるように並び替えてからQR分解を行うことで、ユニタリ行列Qと上三角行列Rを得る。その後、ステップS303へ進む。
(ステップS303)信号変換部b104は、ステップS302で得られたユニタリ行列Qを受信信号ベクトルに乗算し、三角化受信信号を算出する。その後、ステップS304へ進む。
(ステップS302)QR分解部b303は、ステップS302で得られたチャネル値を用いて構成されるチャネル行列Hに対して、第p列ベクトルhpが一番右になるように並び替えてからQR分解を行うことで、ユニタリ行列Qと上三角行列Rを得る。その後、ステップS303へ進む。
(ステップS303)信号変換部b104は、ステップS302で得られたユニタリ行列Qを受信信号ベクトルに乗算し、三角化受信信号を算出する。その後、ステップS304へ進む。
(ステップS304)基準メトリック生成部b305は、ステップS302で得られた上三角行列RとステップS303で算出された三角化受信信号を用い、xTをb(mT)に固定してMIMO分離を行う。これを、mT=1、・・・、MTに対して行う。基準メトリック生成部b305は、MT通りのMIMO分離結果を用いてMT通りの基準メトリックを算出し、基準メトリック保存部b306で保存する。その後、ステップS305へ進む。
(ステップS305)信号探索部b308は、mT=1、t=Tとする。その後、ステップS306へ進む。
(ステップS306)シンボルレプリカ生成部b108−t−1(t=1、・・・、(T−1))又はシンボルレプリカ生成部b308−T−1は、xtとして、シンボルレプリカb(mt)を生成する。その後、ステップS307へ進む。
(ステップS305)信号探索部b308は、mT=1、t=Tとする。その後、ステップS306へ進む。
(ステップS306)シンボルレプリカ生成部b108−t−1(t=1、・・・、(T−1))又はシンボルレプリカ生成部b308−T−1は、xtとして、シンボルレプリカb(mt)を生成する。その後、ステップS307へ進む。
(ステップS307)累積メトリック算出部b108−t−2は、ステップS306で生成されたxtを用いて、ステージtの累積メトリックを算出する。その後、ステップS308へ進む。
(ステップS308)tがTである場合、ステップS314へ進む。そうではない場合、ステップS309へ進む。
(ステップS309)メトリック比較部b108−t−3が、ステップS307で得られる累積メトリックが基準メトリックを上回ることを検出した場合、ステップS310へ進む。そうではない場合、ステップS314へ進む。
(ステップS310)信号探索部b308がmtがMtに達していると判定した場合、ステップS311へ進む。そうではない場合、ステップS313へ進む。
(ステップS308)tがTである場合、ステップS314へ進む。そうではない場合、ステップS309へ進む。
(ステップS309)メトリック比較部b108−t−3が、ステップS307で得られる累積メトリックが基準メトリックを上回ることを検出した場合、ステップS310へ進む。そうではない場合、ステップS314へ進む。
(ステップS310)信号探索部b308がmtがMtに達していると判定した場合、ステップS311へ進む。そうではない場合、ステップS313へ進む。
(ステップS311)信号探索部b308がtがTであると判定した場合、ループの終了端へ進む。その後、ループ終了の場合は、受信装置b3は動作を終了する。そうではない場合、ステップS312へ進む。
(ステップS312)信号探索部b308は、tにt+1を代入する。その後、ステップS310へ戻る。
(ステップS313)信号探索部b308は、mtにmt+1を代入する。その後、ステップS306へ戻る。
(ステップS314)信号探索部b308がtが1であると判定した場合、ステップS315へ進む。そうではない場合、ステップS316へ進む。
(ステップS312)信号探索部b308は、tにt+1を代入する。その後、ステップS310へ戻る。
(ステップS313)信号探索部b308は、mtにmt+1を代入する。その後、ステップS306へ戻る。
(ステップS314)信号探索部b308がtが1であると判定した場合、ステップS315へ進む。そうではない場合、ステップS316へ進む。
(ステップS315)メトリック比較部b308−1−3は、ステップS307で得られる累積メトリックを、新しい基準メトリックメトリックとして、基準メトリック保存部b306に保存する。ただし、そのときのmTに対応する基準メトリックを更新する。その後、ステップS310へ進む。
(ステップS316)シンボルレプリカ減算部b108−t−4は、ステップS306で得られるシンボルレプリカを用いて、レプリカ減算信号を算出する。その後、ステップS317へ進む。
(ステップS317)信号探索部b308は、mt−1に1を代入し、次にtにt−1を代入する。その後、ステップS306へ戻る。
(ステップS316)シンボルレプリカ減算部b108−t−4は、ステップS306で得られるシンボルレプリカを用いて、レプリカ減算信号を算出する。その後、ステップS317へ進む。
(ステップS317)信号探索部b308は、mt−1に1を代入し、次にtにt−1を代入する。その後、ステップS306へ戻る。
このように、本実施形態によれば、QR分解部b303は、信号系列xの成分であって対数尤度比を算出対象の成分pを示す算出成分情報に基づいて、チャネル行列Hの列ベクトルの順序を変更した行列に、QR分解を行って、ユニタリ行列Qと上三角行列Rを生成する。信号変換部b104は、ユニタリ行列Qに基づいて三角化受信信号y’を算出する。基準メトリックb305は、算出成分情報が示す成分pの候補である算出対象候補(情報ビット候補)のそれぞれに対して、基準メトリックfを生成する。信号探索部b308は、算出対象候補のそれぞれに対して、当該算出対象候補を含む信号系列xのうちメトリックが最小となる最小メトリックを算出する。LLR算出部b309は、信号探索部b308が算出した最小メトリックに基づいてLLRを算出する。復号部b310は、LR算出部b309が算出したLLRに基づいて復号し、復号した情報ビットを出力する。
これにより、受信装置b3は、LLRを算出できる。
これにより、受信装置b3は、LLRを算出できる。
なお、上記第3の実施形態においては、式(35)で示した並び替えをそのまま適用することができない。本実施形態でこれを適用するには、送信アンテナa1−tのビットLLRを求める場合に、H’の一番右はhtに固定し、第1〜T−1列に関しては、電力の小さい順という形にすればよい。
なお、上記第3の実施形態において、QR分解部b303がT回の並び替えとQR分解を行う場合について説明したが、T回でなくてもよい。図29において、ステージTのLLR算出のために、ステージTのノードを含む経路の最小メトリックを求めたが、t=T以外のステージtについても、ステージtのノードを含む経路の最小メトリックを求めることで、LLRを算出できる。例えば、ステージTだけでなく、ステージT−1についても同時にLLRを算出する場合、1度のQR分解で求まるLLRが2送信アンテナ分になるため、QR分解の回数をT/2回に削減できる。
なお、上記第3の実施形態において、QR分解部b303がどのような並び替えをしても最尤メトリックとそのときの候補系列は同じなので、最初の信号探索のとき(p=Tのとき)にそれらを保存しておいてもよい。このようにすると、図29のような部分木探索のうち、1つは最尤メトリックに到達するため、その1つの探索を省略することができる。
なお、上記第3の実施形態において、第1の実施形態と同様に前順走査を行う場合について説明したが、第2の実施形態と同様にレベル順走査を行なってもよい。また、前順走査とレベル順を組合せてもよい。
なお、上記第3の実施形態において、復号部b310が符号化ビットLLRを出力するようにしてもよい。符号化ビットLLRを出力するようにすると、ターボ等化や判定指向形チャネル推定を行う繰り返し受信装置に適用することができる。
なお、上記第3の実施形態において、復号部b310が符号化ビットLLRを出力するようにしてもよい。符号化ビットLLRを出力するようにすると、ターボ等化や判定指向形チャネル推定を行う繰り返し受信装置に適用することができる。
なお、上記第1〜3の実施形態において、シングルキャリア通信に適用した例を説明してきたが、OFDM(直交周波数分割多重)やSC−FDMA等にも適用可能である。特に、SC−FDMAにおいては、MIMOでなくてもシンボル間干渉があるために式(3)の関係式が作れるので、MIMOでない場合に適用してもよい。なお、これに限らず、キャリア間干渉、セル間干渉、コード間干渉など、式(3)と同様の関係式が得られる場合全てにおいて適用できる。また、マルチユーザMIMOにも適用可能である。
なお、上記第1〜3の実施形態において、受信信号ベクトルと送信信号ベクトルを縦ベクトルとし、チャネル行列にQR分解を行う場合について説明したが、受信信号ベクトルと送信信号ベクトルが横ベクトルであってもよい。そのときの受信信号ベクトルをyw、送信信号ベクトルをsw、チャネル行列をHw、雑音ベクトルをnwとすると、次式(41)のようになる。
なお、上記第1〜3の実施形態において、受信信号ベクトルと送信信号ベクトルを縦ベクトルとし、チャネル行列にQR分解を行う場合について説明したが、受信信号ベクトルと送信信号ベクトルが横ベクトルであってもよい。そのときの受信信号ベクトルをyw、送信信号ベクトルをsw、チャネル行列をHw、雑音ベクトルをnwとすると、次式(41)のようになる。
この場合は、Hwに対してLQ分解を行う。
また、MMSE検出などのMIMO分離結果に対して誤り検出を行い、誤りがあった場合に本発明を行なっても良い。なお、誤り訂正復号する場合は、復号結果を基準メトリックとしても良い。また、復号結果のLLRから求めることができるビットの生起確率を用いて、MAP(最大事後確率:Maximum A posteriori Probability)検出を行なっても良い。
また、MMSE検出などのMIMO分離結果に対して誤り検出を行い、誤りがあった場合に本発明を行なっても良い。なお、誤り訂正復号する場合は、復号結果を基準メトリックとしても良い。また、復号結果のLLRから求めることができるビットの生起確率を用いて、MAP(最大事後確率:Maximum A posteriori Probability)検出を行なっても良い。
<実験結果>
以下、本実施形態に係る通信システムの有効性を示すために行った計算機シミュレーションの結果について説明する。
以下、本実施形態に係る通信システムの有効性を示すために行った計算機シミュレーションの結果について説明する。
図32は、本実施形態に係るMIMO通信のシミュレーション条件の一例を示す概略図である。本例のシミュレーションでは、図32の条件でシミュレーションを行った。第1の実施形態を用いており、式(31)で示した並び替えを行なっている。
図33は、本実施形態に係るMIMO通信(8x8)のシミュレーション結果の一例を示す概略図である。この図において、横軸は平均Eb/N0(ビット当たりの平均受信エネルギー対雑音電力密度比)であり、縦軸は平均ビット誤り率(BER:Bit Error Rate)特性を示す。なお、この図は、図32のシミュレーション条件で行った場合のシミュレーションの結果を示す。図33において、特性1はMMSEによる線形処理を用いてMIMO分離をした場合の特性であり、特性2は本発明の手法を用いたMLDの特性である。MMSEに比べて大幅に特性が改善できていることを確認できる。
また、図34は、本実施形態に係る平均探索ノード数の一例を示す概略図である。この図は、ステージ毎のノード数と、図33において、平均Eb/N0が15dBのBER特性を測定したときの、本発明の手法を用いた場合の平均探索ノード数の一例を示す。ステージ8は、初期の累積メトリックを算出するために必ずたどり着くため、削減はされず、16個全てのノードが必ず探索される。ステージ8以外のノードは削減が行われており、特に葉ノードであるステージ1については、約42億あるノードのうち、平均586しか探索しないで済んでいることが分かる。合計探索数においても、ノード探索率を7.80×10−7に圧縮できていることが分かる。
図35は、本実施形態に係るMIMO通信(16x16)のシミュレーション結果の一例を示す概略図である。この図において、横軸は平均Eb/N0であり、縦軸は平均BER特性を示す。なお、この図は、図32のシミュレーション条件で行った場合のシミュレーションの結果を示す。図35において、特性1はMMSEによる線形処理を用いてMIMO分離をした場合の特性であり、特性2は本発明の手法を用いたMLDの特性である。MMSEに比べて大幅に特性が改善できていることを確認できる。
また、図36は、ステージ毎のノード数と、図35において、平均Eb/N0が14dBのBER特性を測定したときの、本実施形態に係る手法を用いた場合の平均探索ノード数の一例を示す概略図である。図34の一例以上に探索ノード数が削減されており、合計探索数において、ノード探索率を2.42×10−15に圧縮できていることが分かる。
なお、上記各実施形態において、tは送信アンテナを識別する情報や候補系列の成分を識別する情報である一例について示したが、本発明はこれに限らず、tは送信アンテナポートやストリーム、レイヤを識別する情報であってもよい。また、Tは、送信アンテナポート数やストリーム数、レイヤ数であってもよい。
また、rは受信アンテナを識別する情報や受信ベクトルの成分を識別する情報である一例について示したが、本発明はこれに限らず、rは受信アンテナポートやストリーム、レイヤを識別する情報であってもよい。また、Rは、受信アンテナポート数やストリーム数、レイヤ数であってもよい。
また、rは受信アンテナを識別する情報や受信ベクトルの成分を識別する情報である一例について示したが、本発明はこれに限らず、rは受信アンテナポートやストリーム、レイヤを識別する情報であってもよい。また、Rは、受信アンテナポート数やストリーム数、レイヤ数であってもよい。
なお、上述した実施形態における送信装置a1、a3及び受信装置b1〜b3の一部、例えば、QR分解部b103、信号探索部b108をコンピュータで実現するようにしても良い。その場合、この制御機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現しても良い。
なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、送信装置a1、a3又は受信装置b1〜b3に内蔵されたコンピュータシステムであって、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。さらに、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでも良い。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
また、上述した実施形態における送信装置a1、a3及び受信装置b1〜b3の一部、または全部を、LSI(Large Scale Integration)等の集積回路として実現しても良い。送信装置a1、a3及び受信装置b1〜b3の各機能ブロックは個別にプロセッサ化してもよいし、一部、または全部を集積してプロセッサ化しても良い。また、集積回路化の手法はLSIに限らず専用回路、または汎用プロセッサで実現しても良い。また、半導体技術の進歩によりLSIに代替する集積回路化の技術が出現した場合、当該技術による集積回路を用いても良い。
以上、図面を参照してこの発明の一実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。
なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、送信装置a1、a3又は受信装置b1〜b3に内蔵されたコンピュータシステムであって、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。さらに、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでも良い。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
また、上述した実施形態における送信装置a1、a3及び受信装置b1〜b3の一部、または全部を、LSI(Large Scale Integration)等の集積回路として実現しても良い。送信装置a1、a3及び受信装置b1〜b3の各機能ブロックは個別にプロセッサ化してもよいし、一部、または全部を集積してプロセッサ化しても良い。また、集積回路化の手法はLSIに限らず専用回路、または汎用プロセッサで実現しても良い。また、半導体技術の進歩によりLSIに代替する集積回路化の技術が出現した場合、当該技術による集積回路を用いても良い。
以上、図面を参照してこの発明の一実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。
a1、a3・・・送信装置、b1、b2、b3・・・受信装置、a1−1〜a1−T・・・送信アンテナ、b1−1〜b1−R・・・受信アンテナ、a101・・・ビット割り当て部、a102−1〜a102−T・・・変調部、a103・・・パイロット生成部、a104−1〜a104−T・・・マッピング部、a105−1〜a105−T・・・送信部、a306・・・符号部、b101−1〜b101−R・・・受信部、b102・・・チャネル推定部、b103、b303・・・QR分解部、b104・・・信号変換部、b105、b305・・・基準メトリック生成部、b106、b306・・・基準メトリック保存部、b107・・・候補系列保存部、b108、b208、b308・・・信号探索部、b108−t、b208−t・・・ステージt探索部、b308−T・・・ステージT探索部、b308−1・・・ステージ1探索部、b108−1−1〜b108−T−1、b208−1−1〜b208−T−1、b308−T−1・・・ステージt探索部、・・・シンボルレプリカ生成部、b108−1−2〜b108−T−2、b208−1−2〜b208−T−2・・・累積メトリック算出部、b108−1−3〜b108−T−3、b208−1−3〜b208−T−3、b308−1−3・・・メトリック比較部、b108−1−4〜b108−T−4、b208−1−4〜b208−T−4・・・シンボルレプリカ減算部、b309・・・LLR算出部、b310・・・復号部、B30・・・基準メトリック選択部
Claims (23)
- MIMO伝送方式の通信を行う受信装置であって、
送信信号ベクトルと受信信号ベクトルとの間のチャネル行列を生成するチャネル推定部と、
前記送信信号ベクトルの候補の1つと前記チャネル行列に基づいて受信信号レプリカを算出し、算出した受信信号レプリカと前記受信装置が受信した受信信号ベクトルとの差を示す基準メトリックを算出する基準メトリック生成部と、
前記送信信号ベクトルの候補の一部の成分に基づいて、前記一部の成分を含む送信信号ベクトルの受信信号レプリカと前記受信信号ベクトルとの差を示すメトリックが前記基準メトリックよりも大きくなるか否かを判定し、前記判定の結果に基づいて、前記一部の成分を含む送信信号ベクトルに関する演算を行うか否かを切り替える信号探索部と、
を備える受信装置。 - 前記送信信号ベクトルの候補の一部の成分、前記チャネル行列、及び前記受信信号ベクトルに基づいて、前記一部の成分に関する累積メトリックを算出するメトリック算出部を備え、
前記信号探索部は、前記累積メトリックが前記基準メトリックより大きい場合に、前記一部の成分を含む送信信号ベクトルの受信信号レプリカと前記受信信号ベクトルとの差を示すメトリックが前記基準メトリックよりも大きくなると判定する請求項1に記載の受信装置。 - 前記送信信号ベクトルの候補の一部の成分、前記チャネル行列、及び前記受信信号ベクトルに基づいて、累積メトリックを算出するメトリック算出部を備え、
前記信号探索部は、前記累積メトリックが前記基準メトリックより小さい場合に、前記一部の成分を含む送信信号ベクトルの受信信号レプリカと前記受信信号ベクトルとの差を示すメトリックが前記基準メトリックよりも小さくなると判定する請求項1又は請求項2に記載の受信装置。 - 前記信号探索部は、前記一部の成分を含む送信信号ベクトルの受信信号レプリカと前記受信信号ベクトルとの差を示すメトリックが前記基準メトリックよりも小さくなる場合に、前記一部の成分を含む送信信号ベクトルに関する演算を行う請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の受信装置。
- 前記信号探索部は、前記一部の成分を含む送信信号ベクトルの受信信号レプリカと前記受信信号ベクトルとの差を示すメトリックが前記基準メトリックよりも大きくなる場合に、前記一部の成分を含む送信信号ベクトルに関する演算を行わない請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の受信装置。
- 前記信号探索部は、前記判定の結果に基づいて、前記一部の成分を含む送信信号ベクトルの受信信号レプリカと前記受信信号ベクトルとの差を示すメトリックの計算を行うか否かを切り替える請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の受信装置。
- 前記チャネル行列にQR分解を行なって、ユニタリ行列と上三角行列を生成する分解部と、
前記ユニタリ行列に基づいて三角化受信信号を算出する信号変換部と、
を備え、
信号探索部は、前記三角化受信信号と前記上三角行列に基づいて、前記一部の成分に関する累積メトリックを算出し、算出した累積メトリックが前記基準メトリックより小さい場合に、前記一部の成分を含む送信信号ベクトルに対応する最尤系列を求める請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の受信装置。 - 前記信号探索部は、前記送信信号ベクトルの候補の受信信号レプリカと前記受信信号ベクトルとの差を示すメトリックが前記基準メトリックよりも小さくなると判定した場合、前記基準メトリックを、当該送信信号ベクトルの候補に関するメトリックに変更する請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の受信装置。
- 前記基準メトリック生成部は、準最適最尤検出に基づいて前記基準メトリックを算出する請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の受信装置。
- 前記基準メトリック生成部は、線形検出に基づいて前記基準メトリックを算出する請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の受信装置。
- 前記基準メトリック生成部は、前記送信信号ベクトルの候補の1つを任意に選択する請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の受信装置。
- 前記信号探索部は、前記一部の成分を含む送信信号ベクトルに対応する最尤系列を求め、
前記最尤系列から情報ビットを求める請求項1から請求項11のいずれか一項に記載の受信装置。 - 前記信号探索部は、前記一部の成分を含む送信信号ベクトルに対応する最尤系列を求め、
前記最尤系列に基づいて対数尤度比系列を求める対数尤度比算出部を備える請求項1から請求項11のいずれか一項に記載の受信装置。 - 前記送信信号ベクトルの成分であって対数尤度比を算出対象の成分を示す算出成分情報に基づいて、前記チャネル行列の列ベクトルの順序を変更した行列に、QR分解を行って、ユニタリ行列と上三角行列を生成する分解部と、
前記ユニタリ行列に基づいて三角化受信信号を算出する信号変換部と、
対数尤度比算出部と、
復号部と、
を備え、
前記基準メトリック生成部は、算出成分情報が示す成分の候補である算出対象候補のそれぞれに対して、前記基準メトリックを生成し、
前記信号探索部は、前記算出対象候補のそれぞれに対して、当該算出対象候補を含む送信ベクトルのうち前記メトリックが最小となる最小メトリックを算出し、
前記対数尤度比算出部は、前記最小メトリックに基づいて前記対数尤度比を算出し、
前記復号部は、前記対数尤度比に基づいて復号し、前記復号した情報ビットを出力する請求項7に記載の受信装置。 - 前記復号部は、符号化ビット対数尤度比を出力する請求項14に記載の受信装置。
- 前記信号探索部は、
複数の前記最小メトリックの中から最尤メトリックを求め、
前記算出対象候補のうち前記最尤系列以外の算出対象候補に関する前記最小メトリックを求め、
前記最尤メトリックおよび前記最小メトリックに基づいて対数尤度比を計算する請求項14又は15に記載の受信装置。 - 前記チャネル行列にQR分解を行なって、ユニタリ行列と上三角行列を生成する分解部と、
前記ユニタリ行列に基づいて三角化受信信号を算出する信号変換部と、
を備え、
前記分解部は、信頼性の高い成分から先に累積メトリックを算出するように前記チャネル行列の列ベクトルを並び替えてからQR分解を行う請求項1から請求項16のいずれか一項に記載の受信装置。 - 前記信号探索部は、前記判定の結果に基づいて、前記一部の成分を含む送信信号ベクトルの受信信号レプリカと前記受信信号ベクトルとの差を示すメトリックの計算を行うか否かを切り替え、
計算結果のメトリックが所定のメトリック閾値を下回った場合、計算結果のメトリックを最小メトリックとして出力する請求項1から請求項16のいずれか一項に記載の受信装置。 - 前記メトリック閾値は、前記基準メトリックに基づいて生成される請求項18に記載の受信装置。
- 前記信号探索部は、探索ノード数が所定の探索閾値を超えた場合、その時点までに得られている最小メトリックを出力する請求項14又は請求項15に記載の受信装置。
- MIMO伝送方式の通信を行う受信装置における受信方法であって、
送信信号ベクトルと受信信号ベクトルとの間のチャネル行列を生成するチャネル推定過程と、
前記送信信号ベクトルの候補の1つと前記チャネル行列に基づいて受信信号レプリカを算出し、算出した受信信号レプリカと前記受信装置が受信した受信信号ベクトルとの差を示す基準メトリックを算出する基準メトリック生成過程と、
前記送信信号ベクトルの候補の一部の成分に基づいて、前記一部の成分を含む送信信号ベクトルの受信信号レプリカと前記受信信号ベクトルとの差を示すメトリックが前記基準メトリックよりも大きくなるか否かを判定し、前記判定の結果に基づいて、前記一部の成分を含む送信信号ベクトルに関する演算を行うか否かを切り替える信号探索過程と、
を有する受信方法。 - 請求項21に記載の受信方法をコンピュータに実行させることを特徴とする受信プログラム。
- 送信信号ベクトルの候補の1つ、及び送信信号ベクトルと受信信号ベクトルとの間のチャネル行列に基づいて算出された受信信号レプリカと、受信装置が受信した受信信号ベクトルと、の差を示す基準メトリックを取得し、
前記送信信号ベクトルの候補の一部の成分に基づいて、前記一部の成分を含む送信信号ベクトルと受信信号ベクトルとの差を示すメトリックが前記基準メトリックよりも大きくなるか否かを判定し、
前記判定の結果に基づいて、前記一部の成分を含む送信信号ベクトルに関する演算を行うか否かを切り替えるプロセッサ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012179786A JP2014039122A (ja) | 2012-08-14 | 2012-08-14 | 受信装置、受信方法、受信プログラムおよびプロセッサ |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20180062133A (ko) * | 2016-11-30 | 2018-06-08 | 성균관대학교산학협력단 | 비트 시퀀스 발생 확률 기반 위상 회전 변조 방법 및 장치, 직교 진폭 위상 회전 변조 방법 및 장치 |
KR20180116182A (ko) * | 2018-10-15 | 2018-10-24 | 성균관대학교산학협력단 | 직교 진폭 위상 회전 변조 방법 및 장치 |
-
2012
- 2012-08-14 JP JP2012179786A patent/JP2014039122A/ja active Pending
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