JP2014035065A - 鞍乗型車両 - Google Patents
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Abstract
【課題】エンストが生じないような状況では走行用の半クラッチ制御を継続して行うことができ、エンストと乗車フィーリングの低下とを防止することができる鞍乗型車両を提供する。
【解決手段】本発明の鞍乗型車両は、変速機構とクラッチとを駆動させるアクチュエータと、クラッチと駆動輪との間に設けられた回転軸と、制御装置と、を備え、制御装置は、走行中の変速時に、クラッチを接続するクラッチ制御部と、クラッチ制御部の制御中に第1条件または第2条件の成立を判定する判定部と、上記条件が成立するとクラッチ制御部の制御を中止し、クラッチを切断させるエンスト防止制御部と、を備えている。
第1条件:回転軸の回転速度の移動平均が第1閾値以下、および、回転軸の回転速度が第1閾値以下となる状態が所定時間以上継続、のいずれか一方または両方。
第2条件:少なくとも、エンジンの回転速度が第2閾値以下。
【選択図】図4
【解決手段】本発明の鞍乗型車両は、変速機構とクラッチとを駆動させるアクチュエータと、クラッチと駆動輪との間に設けられた回転軸と、制御装置と、を備え、制御装置は、走行中の変速時に、クラッチを接続するクラッチ制御部と、クラッチ制御部の制御中に第1条件または第2条件の成立を判定する判定部と、上記条件が成立するとクラッチ制御部の制御を中止し、クラッチを切断させるエンスト防止制御部と、を備えている。
第1条件:回転軸の回転速度の移動平均が第1閾値以下、および、回転軸の回転速度が第1閾値以下となる状態が所定時間以上継続、のいずれか一方または両方。
第2条件:少なくとも、エンジンの回転速度が第2閾値以下。
【選択図】図4
Description
本発明は、鞍乗型車両に関する。
従来から、有段式の変速機構と、クラッチと、それらクラッチおよび変速機構を駆動するアクチュエータとを備えた鞍乗型車両が知られている。この鞍乗型車両では、運転状態に応じてECU等の制御装置から変速指令が出力され、または、乗員がシフトスイッチ等を操作することによって変速指令が出力され、アクチュエータが駆動される。アクチュエータは、クラッチを切断した後、変速機構のギア段を変更し、その後クラッチを接続するという一連の動作を行う。クラッチの接続のときには、大きなショックが発生しないように、制御装置はクラッチを徐々につなげる制御を行う。すなわち、制御装置はいわゆる半クラッチ制御を行う。
特許文献1には、鞍乗型車両において、発進時と走行中の変速時とで異なる半クラッチ制御を行うことが記載されている。特許文献1に記載された鞍乗型車両は、発進時にはエンジン回転速度に基づいて半クラッチ制御を行い、走行中の変速では、主にクラッチ回転速度差に基づいて半クラッチ制御を行う。なお、クラッチ回転速度差とは、クラッチの駆動側部分と従動側部分との回転速度差のことである。
通常、走行中の変速時の半クラッチ制御(以下、走行用の半クラッチ制御という)では、発進時の半クラッチ制御(以下、発進用の半クラッチ制御という)のときよりも、クラッチは迅速に接続される。ところが、低速走行時にクラッチが迅速に接続されると、エンストを招くおそれがある。そこで、特許文献1に記載された鞍乗型車両では、走行時のシフトアップ制御中に車速が所定車速以下になると、走行用の半クラッチ制御を中止し、クラッチを再び切断したうえで発進用の半クラッチ制御を行うこととしている。
しかし、走行用の半クラッチ制御を中止して発進用の半クラッチ制御を行うと、変速の時間が長くなってしまい、走行時に求められる迅速な変速が困難となるため、乗車フィーリングの低下を招く要因となる。そのため、走行用の半クラッチ制御を中止して発進用の半クラッチ制御を行うことは、必要最小限に留めることが望ましい。本願発明者は鋭意研究の結果、車速が所定車速以下になると直ちに走行用の半クラッチ制御を中止するという制御では、実際にはエンストが生じないような状況であるに拘わらず、走行用の半クラッチ制御が中止されてしまう場合があることを見出した。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、実際にはエンストが生じないような状況では走行用の半クラッチ制御を継続して行うことができ、エンストと乗車フィーリングの低下とを防止することができる鞍乗型車両を提供することである。
本発明に係る鞍乗型車両は、エンジンと、前記エンジンの動力によって駆動される駆動輪と、前記エンジンと前記駆動輪との間に設けられ、ドグクラッチを有する有段式の変速機構と、前記エンジンと前記変速機構との間に設けられたクラッチと、前記変速機構を駆動するシフトアクチュエータと、前記クラッチを駆動するクラッチアクチュエータと、前記クラッチと前記駆動輪との間に設けられた回転軸と、前記回転軸の回転速度を検出する第1検出装置と、前記エンジンの回転速度を検出する第2検出装置と、変速時に前記クラッチの切断、前記変速機構のギア段の変更、および前記クラッチの接続が行われるように前記クラッチアクチュエータおよび前記シフトアクチュエータを制御する制御装置と、を備えている。前記制御装置は、走行中の変速時に、切断されているクラッチを接続するように前記クラッチアクチュエータを制御するクラッチ制御部と、前記クラッチ制御部の制御中に下記第1条件または第2条件が成立するか否かを判定する判定部と、前記判定部により下記第1条件または第2条件が成立すると判定されると、前記クラッチ制御部の前記制御を中止し、前記クラッチを切断させるように前記クラッチアクチュエータを制御するエンスト防止制御部と、を備えている。
第1条件・・・前記回転軸の回転速度の移動平均が第1閾値以下であること、および、前記回転軸の回転速度が第1閾値以下となったことが検出されてから更に第1閾値以下である状態が所定時間以上継続したこと、のいずれか一方または両方。
第2条件・・・少なくとも、前記エンジン回転速度が第2閾値以下であること。
第1条件・・・前記回転軸の回転速度の移動平均が第1閾値以下であること、および、前記回転軸の回転速度が第1閾値以下となったことが検出されてから更に第1閾値以下である状態が所定時間以上継続したこと、のいずれか一方または両方。
第2条件・・・少なくとも、前記エンジン回転速度が第2閾値以下であること。
本願発明者は鋭意研究の結果、ドグクラッチを有する有段式の変速機構では、ギア段が変更される際に、ドグクラッチが噛み合うまでの間に過渡的な振動(以下、ギアラッシュともいう)が生じ、その振動が原因となって、クラッチと駆動輪との間に設けられた回転軸の回転速度が一時的に閾値以下となる現象が起こることを見出した。本発明によれば、第1条件を設定することによって、ギアラッシュが原因となって回転軸の回転速度が一時的に第1閾値以下となったとしても、それだけでクラッチ制御部の制御を中止することはない。そのため、実際にはエンストが生じないような状況であるにも拘わらず、上記制御を中止してしまうことを避けることができる。よって、乗車フィーリングの低下を防止することができる。また、第2条件を設定することによって、エンジン回転速度が第2閾値以下になると前記制御を中止するので、エンストをより確実に防止することができる。回転軸の回転速度の移動平均が第1閾値以下になると、または、前記変速機構の回転速度が第1閾値以下となったことが検出されてから更に第1閾値以下である状態が所定時間以上継続すると、クラッチ制御部の前記制御を中止するので、エンジン回転速度が低下して第2閾値以下になる前に、前記制御を中止することができる。そのため、第1条件と第2条件とを組み合わせることで、単にエンストを防止するだけでなく、中止に要するまでの時間を短縮することができる。
本発明の好ましい一態様によれば、前記第2条件は、前記エンジン回転速度が第2閾値以下であり、かつ、前記回転軸の回転速度が第3閾値以下となったことである。
このことによって、エンジン回転速度と回転軸の回転速度とからクラッチ制御部の制御を中止するか否かを判定できるため、エンストをより的確に防止することができる。
本発明の好ましい他の一態様によれば、前記第3閾値と前記第1閾値とは等しい。
第1閾値と第3閾値は、典型的には制御装置内に記憶されている。上記のように第1閾値と第3閾値とを同じ値の閾値とすることで、制御装置内に記憶する閾値の数を減らすことができる。
本発明の好ましい他の一態様によれば、前記エンジンはクランク軸を有し、前記クラッチを介して前記クランク軸と連結されたメイン軸と、前記変速機構を介して前記メイン軸と連結されたドライブ軸と、ギアを介して前記ドライブ軸と連結されたミドル軸と、を備えている。前記回転軸は前記ミドル軸である。
ミドル軸は、ギアラッシュを受けやすい。よって、ミドル軸を上記回転軸とし、ミドル軸の回転速度を検出することで、ギアラッシュをより好適に検出することができる。その結果、実際にはエンストが生じないような状況であるにも拘わらず、上記制御を中止してしまうことをより好適に避けることができる。
本発明の好ましい他の一態様によれば、前記エンジンは、車両停止時の回転速度が予め定められたアイドル回転速度となるように制御されている。前記第1閾値は、前記変速機構のギア段ごとに設定されている。各ギア段の第1閾値は、前記各ギア段のときに前記エンジンが前記アイドル回転速度で回転するときの前記ミドル軸の回転速度に設定されている。
このことによって、各ギア段に応じて第1閾値を適宜設定することができる。また、第1閾値をアイドル回転速度とすることによって、より的確にエンストを防止することができる。
本発明によれば、実際にはエンストが生じないような状況では走行用の半クラッチ制御を継続して行うことができ、エンストと乗車フィーリングの低下とを防止することができる鞍乗型車両を提供することができる。
以下、本発明の好適な実施形態について説明する。なお、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって本発明の実施に必要な事柄は、該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。
<実施形態>
以下、図面を参照しながら、本発明に係る自動変速装置を備えた自動二輪車について説明する。図1は自動二輪車1を示す側面図である。なお、本明細書では、前、後、左、右とは、後述するシート14に着座した乗員から見た前、後、左、右をそれぞれ意味するものとする。また、図面に付した符号F、Reは、それぞれ前、後を表すものとする。
以下、図面を参照しながら、本発明に係る自動変速装置を備えた自動二輪車について説明する。図1は自動二輪車1を示す側面図である。なお、本明細書では、前、後、左、右とは、後述するシート14に着座した乗員から見た前、後、左、右をそれぞれ意味するものとする。また、図面に付した符号F、Reは、それぞれ前、後を表すものとする。
自動二輪車1は、本実施形態に係る鞍乗型車両の一例であり、所謂オンロードタイプの自動二輪車である。なお、本発明に係る鞍乗型車両は、自動二輪車1に限定されるものではなく、例えば、オフロードタイプ、モータサイクルタイプ、スクータータイプ、および所謂モペットタイプの自動二輪車等であってもよい。また、本発明に係る鞍乗型車両は、ATV、四輪バギー、およびスノーモービル等であってもよい。
図1に示すように、自動二輪車1は、ヘッドパイプ3と車体フレーム6とを備えている。車体フレーム6は、ヘッドパイプ3から後方に延びる左右一対の2本のフレーム部6aを有している。なお、図1では、1本のフレーム部6aのみが図示されている。フレーム部6aの後部は下方に延びている。フレーム部6aの後部には、リヤアームブラケット5が接続されている。リヤアームブラケット5には、ピボット軸22を介してリヤアーム21の前端部が接続されている。リヤアーム21は、ピボット軸22に上下方向に揺動可能に支持されている。リヤアーム21の後端部には、後輪23が支持されている。
フレーム部6aの上部には、燃料タンク13が配置されている。燃料タンク13の後方には、乗員が着座するためのシート14が配置されている。
ヘッドパイプ3には、フロントフォーク10が回転自在に支持されている。フロントフォーク10の上端には、ハンドル4が設けられている。フロントフォーク10の下端には、前輪12が回転自在に設けられている。
フレーム部6aとリヤアームブラケット5とには、パワーユニット20が懸架されている。図2は、パワーユニット20の内部構成を示す断面図である。図2に示すように、パワーユニット20は、少なくとも、エンジン45と、クラッチ44と、変速機構43とを有している。エンジン45と、クラッチ44と、変速機構43とは、クランクケース26(図1参照)に一体に組み付けられている。
本実施形態に係るエンジン45は、燃料にガソリンを用いた内燃機関である。ただし、エンジン45は、内燃機関と電動モータとを組み合わせたものであってもよい。エンジン45は、クランク軸25を備えている。
クランク軸25は、エンジン45のトルクを出力する。パワーユニット20は、メイン軸41とドライブ軸42とミドル軸46とを備えている。クランク軸25は、クラッチ44を介してメイン軸41に連結されている。メイン軸41は、クランク軸25と平行に配設されている。また、メイン軸41は、ドライブ軸42と平行に配設されている。メイン軸41およびドライブ軸42は、それぞれクラッチ44と後輪23との間に設けられている。
図3は、本実施形態におけるパワーユニット20のクランク軸25、メイン軸41、ドライブ軸42、およびミドル軸46の関係を示した図である。図3に示すように、ミドル軸46は、クラッチ44と後輪23との間に設けられている。詳しくは、ミドル軸46は、ドライブ軸42とチェーン等の動力伝達機構47との間に設けられている。ミドル軸46は、ドライブ軸42のギア460とミドル軸46のギア461とが係合することによって、ドライブ軸42と接続している。ミドル軸46は、動力伝達機構47を介して後輪23と接続している。ミドル軸46は、後述するドグクラッチ式の変速機構43のギア段が変更される際に、ドグクラッチが噛み合うまでの間に過渡的な振動がより伝達される軸である。なお、本実施形態では、回転軸はミドル軸46である。
図2に示すように、本実施形態に係るクラッチ44は、多板摩擦クラッチである。クラッチ44は、クラッチハウジング443と、クラッチボス447とを備えている。クラッチハウジング443の内側には、複数のフリクションプレート445が設けられている。クラッチボス447の外側には、複数のクラッチプレート449が設けられている。各フリクションプレート445は、クラッチハウジング443と共に回転する。一方、各フリクションプレート445は、メイン軸41の軸方向に関しては変位可能である。フリクションプレート445は、メイン軸41の軸方向に配列されている。フリクションプレート445は、クラッチ44における「駆動側回転体」を構成している。
各クラッチプレート449は、隣接する各フリクションプレート445に対向している。各クラッチプレート449は、クラッチボス447と共に回転する。一方、各クラッチプレート449は、メイン軸41の軸方向に関しては変位可能である。クラッチプレート449は、クラッチ44における「従動側回転体」を構成している。本実施形態では、これら複数のフリクションプレート445と複数のクラッチプレート449とによってプレート群442が構成されている。
図2に示すように、メイン軸41よりも車幅方向の外方(図2の右方)には、プレッシャプレート451が配置されている。プレッシャプレート451は、略円盤形状に形成されている。プレッシャプレート451の半径方向外側の部分には、プレート群442の方に突出する押圧部451Bが形成されている。押圧部451Bは、プレート群442における最も右方に位置するフリクションプレート445に対向している。
クラッチ44には、バネ450が設けられている。バネ450は、プレッシャプレート451を車幅方向の内方(図2の左方)に向かって付勢している。すなわち、バネ450は、押圧部451Bがプレート群442を押圧する方向に、プレッシャプレート451を付勢している。
プレッシャプレート451の中心部は、軸受457を介してプッシュロッド455の一端部(図2の右端部)と係合している。これにより、プレッシャプレート451は、プッシュロッド455に対して回転自在である。ところで、メイン軸41は、筒形状を有している。プッシュロッド455の他端部(左端部)は、メイン軸41の内部に収容されている。メイン軸41の内側には、プッシュロッド455の他端部(左端部)に隣接した球状のボール459が設けられている。さらに、メイン軸41の内側には、ボール459に隣接したプッシュロッド461が設けられている。
プッシュロッド461の左端部は、メイン軸41より突出している。プッシュロッド461の左端部には、ピストン463が一体的に設けられている。ピストン463は、シリンダ本体465によってガイドされ、メイン軸41の軸方向に摺動自在である。
クラッチ44は、クラッチアクチュエータ60によって駆動される。本実施形態では、クラッチアクチュエータ60は電動モータであるが、クラッチアクチュエータ60は電動モータに限定されない。クラッチアクチュエータ60が駆動することにより、クラッチ44を断続することができる。クラッチアクチュエータ60が駆動すると、ピストン463とシリンダ本体465とで囲まれている空間467に作動油が供給される。空間467に作動油が供給されると、ピストン463は、図2の右方向に押されて移動する。これにより、ピストン463は、プッシュロッド461、ボール459、プッシュロッド455および軸受457を介して、プレッシャプレート451を図2の右方向に押す。プレッシャプレート451が図2の右方向に押されると、プレッシャプレート451の押圧部451Bがフリクションプレート445から離反し、クラッチ44は切断状態になる。
クラッチ44が接続される際には、プレッシャプレート451は、バネ450によって図2の左方に移動する。プレッシャプレート451が図2の左方に移動すると、押圧部451Bがプレート群442を左向きに押圧する。その結果、プレート群442のフリクションプレート445とクラッチプレート449とが圧接される。これにより、クラッチ44が接続状態となる。
一方、クラッチ44の切断状態では、プッシュロッド455によって、プレッシャプレート451が図2の右方に移動する。そして、プレッシャプレート451の押圧部451Bが、プレート群442と離反する。押圧部451Bがプレート群442と離反した状態では、各フリクションプレート445と各クラッチプレート449とは圧接されておらず、各フリクションプレート445と各クラッチプレート449との間には、僅かな隙間が形成されている。そのため、各フリクションプレート445と各クラッチプレート449との間には、駆動力を伝達できる摩擦力は発生しない。
このように、クラッチアクチュエータ60の駆動力とバネ450の付勢力との大小によって、プレッシャプレート451はメイン軸41の軸方向の一方または他方の方向に移動する。前記移動に応じて、クラッチ44が接続または切断状態になる。
エンジン45のクランク軸25には、ギア310が一体的に支持されている。メイン軸41には、ギア310と噛み合うギア441が支持されている。ギア441は、メイン軸41に対して回転自在である。また、ギア441は、例えばクラッチハウジング443に一体式に設けられている。これにより、エンジン45のトルクは、クランク軸25からギア441を介し、クラッチハウジング443に伝達される。また、エンジン45のトルクは、複数のフリクションプレート445と複数のクラッチプレート449との間に生じる摩擦力によって、クラッチハウジング443からクラッチボス447に伝達される。クラッチボス447とメイン軸41とは、一体式に回転する。つまり、クラッチボス447とメイン軸41との間には、相対回転がない。そのため、クラッチ44が接続されているとき、エンジン45のトルクは、メイン軸41に伝達される。
ところで、プッシュロッド455は、メイン軸41の内部を挿通した機構によってプレッシャプレート451を図2の右方に押すものに限定されない。プッシュロッド455は、プレッシャプレート451の車幅方向の外方(図2の右方)に設けられた機構により、プレッシャプレート451を図2の右方に引っ張るものであってもよい。
なお、クラッチ44は、多板式クラッチでなく、単板式クラッチであってもよい。また、クラッチ44は、遠心ウエイトを備えていてもよい。この場合、クラッチ44は、クラッチアクチュエータ60の駆動と、遠心ウエイトの遠心力とに基づいて断続される。
次に、変速機構43の構成について詳細に説明する。本実施形態に係る変速機構43は、所謂ドグクラッチ式の変速機構であり、かつ、多段式の変速機構である。変速機構43は、エンジン45と後輪23との間に設けられている。詳述すると、変速機構43は、エンジン45の動力を後輪23(図1参照)に伝達する動力伝達経路上、クラッチ44のフリクションプレート445と後輪23との間に配置されている。変速機構43は、後述する変速ギア49、420、シフトドラム421、シフトフォーク422、シフトアクチュエータ70、上述したメイン軸41、ドライブ軸42、およびミドル軸46等を備えている。
メイン軸41には、複数の変速ギア49が取り付けられている。一方、ドライブ軸42には、上記複数の変速ギア49に対応する複数の変速ギア420が取り付けられている。各変速ギア49および各変速ギア420は、メイン軸41の軸方向に突出する突起、または、メイン軸41の軸方向に凹む孔からなる係合部を備えている。複数の変速ギア49および複数の変速ギア420のうち、選択された1または2以上の変速ギア49、420同士のみが相互に係合している。変速ギア49および変速ギア420は、それぞれの係合部同士がメイン軸41の軸方向に関して重なることによって係合している。複数の変速ギア49のうち選択された変速ギア49以外の変速ギア49と、複数の変速ギア420のうち選択された変速ギア420以外の変速ギア420とのうちの少なくとも一方は、メイン軸41またはドライブ軸42に対して回転可能となっている。つまり、選択されていない変速ギア49と選択されていない変速ギア420とのうちの少なくとも一方は、メイン軸41またはドライブ軸42に対して空転するようになっている。メイン軸41とドライブ軸42との間の回転伝達は、相互に噛合する選択された変速ギア49および選択された変速ギア420のみを介して行われる。
変速ギア49および変速ギア420の選択は、シフトドラム421によって行われる。シフトドラム421の回転に伴って、係合する変速ギア49、420の組み合わせが変更される。シフトドラム421の外周面には、複数のカム溝421aが形成されている。各カム溝421aには、シフトフォーク422が取り付けられている。各シフトフォーク422は、それぞれメイン軸41およびドライブ軸42の所定の変速ギア49および変速ギア420に係合している。シフトドラム421が回転することにより、複数のシフトフォーク422のそれぞれは、カム溝421aに案内されてメイン軸41の軸方向に移動する。これにより、変速ギア49および変速ギア420のうちの相互に噛合するギアが選択される。具体的には、複数の変速ギア49および複数の変速ギア420のうち、シフトドラム421の回転角度に応じた位置の一対のギアのみが、メイン軸41およびドライブ軸42に対して、それぞれスプラインによる固定状態となる。これにより、変速機構43におけるギア段が決定される。その結果、メイン軸41とドライブ軸42との間では、変速ギア49および変速ギア420を介して、所定の変速比で回転伝達が行われる。シフトドラム421は、シフトロッド75が往復移動することによって、所定の角度だけ回転する。
変速機構43の変速ギアの切り換え、すなわち、変速機構43のギア段の変更は、シフトアクチュエータ70により行われる。本実施形態では、シフトアクチュエータ70は電動モータである。ただし、シフトアクチュエータ70は電動モータに限定されない。本実施形態では、シフトアクチュエータ70は、シフトロッド75を介してシフトドラム421に接続されている。ただし、シフトアクチュエータ70は、シフトドラム421に直接接続されていてもよい。シフトアクチュエータ70は、シフトドラム421を回転させることによって、係合する変速ギア49、420の組み合わせを変更する。シフトロッド75は、シフトアクチュエータ70が駆動することによって往復移動する。
以上のような構成により、それぞれメイン軸41およびドライブ軸42に所定の一対の変速ギア49と変速ギア420を固定し、クラッチ44を接続状態とした上でエンジン45が駆動すると、エンジン45のトルクがクラッチ44を介してメイン軸41に伝達される。また、所定の一対の変速ギア49および変速ギア420を介して、メイン軸41とドライブ軸42との間で所定の変速比で回転伝達が行われ、ドライブ軸42が回転する。ドライブ軸42の回転に伴い、ミドル軸46が回転する。ミドル軸46が回転すると、ミドル軸46と後輪23とを接続する動力伝達機構47によってトルクが伝達され、後輪23が回転する。
図4は自動二輪車1の主要要素のブロック図である。前述のように、自動二輪車1は、エンジン45、クラッチ44、および変速機構43を備えている。また、自動二輪車1は、制御装置としてECU(Electric Control Unit)90を備えている。ECU90はエンジン45等の制御を行う。エンジン45には吸気管61および排気管62が接続されている。吸気管61の内部にはスロットル弁65が配置されている。スロットル弁65は、吸気管61を流れる空気の量や速度を調整する。また、スロットル弁65には、アクセル63が接続されており、乗員がアクセル63を操作することで、スロットル弁65の開度の大きさを変えることができる。
次に、本実施形態に係る自動変速装置50について説明する。図4に示すように、自動変速装置50は、クラッチ44と、変速機構43と、シフトアクチュエータ70と、クラッチアクチュエータ60と、を備えている。また、自動変速装置50は、ECU(Electric Control Unit)90を備えている。本実施形態では、ECU90が制御装置を構成している。ECU90は、変速時のクラッチ44の切断、変速機構43のギア段の変更、および、クラッチ44の接続が行われるようにクラッチアクチュエータ60およびシフトアクチュエータ70の制御等を行う。
自動変速装置50は、ミドル軸回転速度センサS46、エンジン回転速度センサS45、変速段センサS43、スロットル開度センサS65、アクセル開度センサS63、および車速センサS23を備えている。ミドル軸回転速度センサS46は、変速機構43のミドル軸46に設けられており、ミドル軸46の回転速度を検出する。エンジン回転速度センサS45は、エンジン45の回転速度(詳しくは、エンジン45のクランク軸25の回転速度)を検出する。変速段センサS43は、変速機構43の変速段を検出する。スロットル開度センサS65は、スロットル弁65の開度を検出する。アクセル開度センサS63は、アクセル63の操作量を検出する。車速センサS23は自動二輪車1の車速を検出する。本実施形態では、車速センサS23は後輪23の回転速度を検出するように構成されている。車速は、後輪23の回転速度に基づいて検出される。ただし、車速の検出方法は特に限定されない。
ミドル軸回転速度センサS46、エンジン回転速度センサS45、変速段センサS43、スロットル開度センサS65、アクセル開度センサS63、および車速センサS23は、それぞれECU90と接続されている。ECU90には、ミドル軸回転速度センサS46、エンジン回転速度センサS45、変速段センサS43、スロットル開度センサS65、アクセル開度センサS63、および車速センサS23からの信号が入力される。また、ECU90は、クラッチアクチュエータ60およびシフトアクチュエータ70に接続されている。ECU90は、クラッチアクチュエータ60およびシフトアクチュエータ70に対して制御信号を出力する。
図4に示すように、ECU90は、切断されているクラッチ44を接続するようにクラッチアクチュエータ60を制御するクラッチ制御部92と、クラッチ制御部92の制御中にクラッチ44の接続を中止するクラッチ中止判定部94と、クラッチ制御部92の制御を中止してクラッチ44を切断させるようにクラッチアクチュエータ60を制御するエンスト防止制御部96と、を有している。
自動変速装置50は、クラッチアクチュエータ60およびシフトアクチュエータ70を制御することにより、クラッチ44の切断、変速機構43のギア段の変更、クラッチ44の接続という一連の動作を行う。クラッチ44の接続のときには、大きなショックが発生しないように、自動変速装置50はクラッチ44を徐々につなげる、いわゆる、半クラッチ制御を行う。この半クラッチ制御は、発進時と走行中の変速時とでは異なる半クラッチ制御を行う。発進時の半クラッチ制御(発進用の半クラッチ制御)では、エンジン45の回転速度に基づいて行う。走行中の変速時の半クラッチ制御(走行用の半クラッチ制御)では、主にクラッチ44のフリクションプレート445の回転速度と、クラッチプレート449の回転速度との回転速度差に基づいて行う。また、走行用の半クラッチ制御は、発進用の半クラッチ制御のときよりもクラッチ44は迅速に接続される。ところが、低速走行時にクラッチ44が迅速に接続されると、エンストを招くおそれがある。そこで、特許文献1のように、走行用の半クラッチ制御において、車速が所定車速以下になると走行用の半クラッチ制御を中止することが考えられるが、この場合、実際にエンストが生じないような状況にあるにも拘らず、走行用の半クラッチ制御が中止されてしまう場合があった。そこで、本実施形態に係る自動変速装置50は、以下に説明するような制御を行うこととしている。
本実施形態に係る半クラッチ制御は、上述した制御のような走行用の半クラッチ制御および発進用の半クラッチ制御に限定されない。走行用の半クラッチ制御の方が、発進用の半クラッチ制御よりもクラッチ44を迅速に接続することができれば、どのような制御の走行用の半クラッチ制御および発進用の半クラッチ制御であってもよい。例えば、走行用および発進用の半クラッチ制御は、ともに、車速センサS23によって検出される車速、スロットル開度センサS65によって検出されるスロットル弁65の開度、アクセル開度センサS63によって検出されるアクセル63の開度、およびエンジン回転速度センサS45によって検出されるエンジン45の回転速度等に基づいてクラッチアクチュエータ60を制御するようなものであってもよい。この場合でも、低速走行時にクラッチ44が迅速に接続されると、エンストを招くおそれがある。このような半クラッチ制御においても、走行用の半クラッチ制御は、発進用の半クラッチ制御のときよりもクラッチ44は迅速に接続される。
次に、図5〜図7を参照しながら、本実施形態に係る自動変速装置50について説明する。図5は、本実施形態に係る自動変速装置50の制御を示すフローチャートである。図6は、本実施形態に係る自動変速装置50の走行用の半クラッチ制御を中止するときのクラッチ位置、シフトドラム回転位置、およびミドル軸回転速度の時間変化を示す図である。図7は、本実施形態に係る自動変速装置50の走行用の半クラッチ制御を継続するときのクラッチ位置、シフトドラム回転位置、およびミドル軸回転速度の時間変化を示す図である。
図5に示すように、先ず、走行中においてステップS90で乗員が図示しないシフトアップスイッチまたはシフトダウンスイッチを押すことにより、ECU90は変速指令を受信する。図6および図7では、時間t0において、ECU90は、変速指令を受信する。
次に、図5のステップS100では、ECU90は、クラッチアクチュエータ60を駆動させることでクラッチ44の切断を開始する。図6および図7では、時間t0の変速指令を受信したと同時にクラッチ44の切断を開始している。そして、図5のステップS110では、ECU90は、変速機構43のギア段の変更が開始されるように、シフトアクチュエータ70を駆動させる。ECU90は、シフトアクチュエータ70に電圧を印加することでシフトドラム421を回転させて、変速機構43のギア段の変更を行う。図6および図7では、ECU90は、時間t0のクラッチ44の接続開始と同時にシフトアクチュエータ70を駆動させている。シフトアクチュエータ70を駆動させると、シフトドラム421の回転位置は、位置A1から位置A2へと移動する。なお、ギア段の変更の開始は、クラッチ44の切断完了後に行ってもよいし、クラッチ44の切断中に行ってもよい。
そして、ギア段の変更が完了した後の図5のステップS120において、ECU90は、走行用の半クラッチ制御を行う。ECU90は、クラッチアクチュエータ60を制御することで、切断状態のクラッチ44を半クラッチ状態にする。図6および図7では、時間t1において、ギア段の変更が完了し、切断状態のクラッチ44を半クラッチ状態にする。詳しくは、ECU90は、走行用の半クラッチ制御を行う。なお、半クラッチ状態とは、フリクションプレート445とクラッチプレート449とが互いに滑りながら回転している状態をいう。言い換えると、フリクションプレート445とクラッチプレート449とが、互いに接触しながら相対回転している状態をいう。また、クラッチ44の半クラッチ状態の前後において、ギア段が変更される際に、ドグクラッチが噛み合うまでの間に過渡的な振動、すなわち、ギアラッシュが生じる。そのことによって、ミドル軸46の回転速度は、一時的に変化する。
次に、ステップS130において、ECU90は、走行用の半クラッチ制御を中止するか否かの判定処理を行う。ECU90のクラッチ中止判定部94は、後述する第1条件または第2条件が成立すると判定すると、次に走行用の半クラッチ制御を中止する。図6では、時間t1のギア段の変更が完了し、ECU90が走行用の半クラッチ制御を開始したときから、ECU90は、クラッチ中止判定部94によって走行用の半クラッチ制御を中止するか否かの判定処理を行う。
走行用の半クラッチ制御を中止するか否かを判定するための条件は、第1条件と第2条件とがある。第1条件は、ミドル軸46の回転速度(以下、ミドル軸回転速度ともいう)およびミドル軸46の回転速度の移動平均に基づいた条件である。第2条件は、エンジン45の回転速度に基づいた条件である。
第1条件において、ECU90は、ミドル軸回転速度センサS46によって、ミドル軸46の回転速度を検出する。そして、ECU90は、クラッチ44の接続を開始してからのミドル軸46の回転速度の移動平均(Moving Average)(以下、ミドル軸速度平均ともいう)を算出する。このミドル軸46の回転速度の移動平均とは、ECU90がミドル軸回転速度センサS46によってミドル軸46の回転速度を検出したとき、直近の任意の時間nの間に検出したミドル軸46の回転速度の平均をいう。例えば、時間nの間に、ミドル軸46の回転速度を10回検出した場合、10回分のミドル軸46の回転速度の平均速度がミドル軸46の回転速度の移動平均となる。時間nは、特に限定されず、例えば、100m秒である。ただし、上記移動平均は、直近の任意の時間nではなく、直近の任意のm回のミドル軸46の回転速度の平均であってもよい。このときの、m回とは、2回以上が好ましい。
ECU90には、クラッチ44の半クラッチ状態のときに、走行用の半クラッチ制御を中止するか否かを判定するためのミドル軸速度平均に対する第1閾値が予め設定されている。この第1閾値は、図示しないECU90内のメモリ等に保存されている。そして、ECU90は、ミドル軸速度平均と第1閾値とを比較することによってクラッチ44の走行用の半クラッチ制御を中止するか否かを判定する。本実施形態では、この判定処理を、条件1−1判定という。条件1−1判定が成立する条件を式で表すと、
ミドル軸速度平均 ≦ 第1閾値
となる。ミドル軸速度平均が第1閾値以下の場合、ECU90は、クラッチ44の走行用の半クラッチ制御を中止すると判定する。
ミドル軸速度平均 ≦ 第1閾値
となる。ミドル軸速度平均が第1閾値以下の場合、ECU90は、クラッチ44の走行用の半クラッチ制御を中止すると判定する。
また、第1条件における走行用の半クラッチ制御を中止するか否かの判定の条件は、以下の条件でもよい。ECU90は、上述したようにミドル軸回転速度センサS46によって、ミドル軸46の回転速度を検出する。そして、ECU90には、ミドル軸回転速度が第1閾値以下となった連続の時間に対する所定時間が予め設定されている。この所定時間は、図示しないECU90内のメモリ等に保存されている。ECU90は、ミドル軸回転速度が第1閾値以下となった場合、更に第1閾値以下である状態がどれくらいの時間続いたか(以下、ミドル軸連続時間という)を検出する。そして、ECU90は、ミドル軸連続時間と所定時間とを比較する。本実施形態では、この判定処理を条件1−2判定という。条件1−2判定が成立する条件を式で表すと、
ミドル軸連続時間 ≧ 所定時間
となる。ミドル軸連続時間が所定時間以上と判定した場合、ECU90は、クラッチ44の走行用の半クラッチ制御を中止すると判定する。一方、ミドル軸連続時間が所定時間未満と判定した場合、ECU90は、クラッチ44の走行用の半クラッチ制御を継続する。図6では、時間Tが所定時間であり、ミドル軸回転速度が時間Tの間、第1閾値以下となっている。そして、時間t2において、ECU90は、走行用の半クラッチ制御を中止すると判定している。
ミドル軸連続時間 ≧ 所定時間
となる。ミドル軸連続時間が所定時間以上と判定した場合、ECU90は、クラッチ44の走行用の半クラッチ制御を中止すると判定する。一方、ミドル軸連続時間が所定時間未満と判定した場合、ECU90は、クラッチ44の走行用の半クラッチ制御を継続する。図6では、時間Tが所定時間であり、ミドル軸回転速度が時間Tの間、第1閾値以下となっている。そして、時間t2において、ECU90は、走行用の半クラッチ制御を中止すると判定している。
なお、第1条件の条件1−1判定と条件1−2判定との判定処理のどちらか一方が成立したときに、クラッチ44の走行用の半クラッチ制御を中止すると判定してもよいし、条件1−1判定と条件1−2判定との判定処理の両方が成立したときに、クラッチ44の走行用の半クラッチ制御を中止すると判定してもよい。条件1−1判定と条件1−2判定との判定処理のどちらか一方が成立すればよい場合は、条件1−1判定と条件1−2判定とのどちらか一方の条件が成立したとき、ECU90は、クラッチ44の走行用の半クラッチ制御を中止すると判定し、次にステップS140へ進む。一方、条件1−1判定と条件1−2判定との条件が共に成立しないとき、ECU90は、クラッチ44の走行用の半クラッチ制御を継続すると判定し、次にステップS150へ進む。
第2条件では、ECU90は、エンジン回転速度センサS45によって、エンジン45の回転速度を検出する。ECU90には、クラッチ44の半クラッチ状態のときに走行用の半クラッチ制御を中止するか否かを判定するためのエンジン回転速度に対する第2閾値が予め設定されている。この第2閾値は、第1閾値と同様に図示しないECU90内のメモリ等に保存されている。そして、ECU90は、エンジン回転速度と第2閾値とを比較することによってクラッチ44の走行用の半クラッチ制御を中止するか否かを判定する。本実施形態では、この判定処理を条件2−1判定という。条件2−1判定が成立する条件を式で表すと、
エンジン回転速度 ≦ 第2閾値
となる。詳しくは、エンジン回転速度が第2閾値以下になった場合、ECU90は、クラッチ44の走行用の半クラッチ制御を中止すると判定する。一方、エンジン回転速度が第2閾値を上回った場合、ECU90は、クラッチ44の走行用の半クラッチ制御を継続すると判定する。なお、本実施形態では、条件2−1判定で第2条件が構成されている。第2条件の下では、ECU90は、少なくとも条件2−1判定の条件が成立すれば、走行用の半クラッチ制御を中止すると判定する。
エンジン回転速度 ≦ 第2閾値
となる。詳しくは、エンジン回転速度が第2閾値以下になった場合、ECU90は、クラッチ44の走行用の半クラッチ制御を中止すると判定する。一方、エンジン回転速度が第2閾値を上回った場合、ECU90は、クラッチ44の走行用の半クラッチ制御を継続すると判定する。なお、本実施形態では、条件2−1判定で第2条件が構成されている。第2条件の下では、ECU90は、少なくとも条件2−1判定の条件が成立すれば、走行用の半クラッチ制御を中止すると判定する。
なお、第2条件では、条件2−1判定以外の条件を加えることもできる。例えば、ECU90は、ミドル軸46の回転速度に基づく条件を第2条件に加えることができる。このとき、ECU90は、ミドル軸46の回転速度をミドル軸回転速度センサS46によって検出する。ECU90には、クラッチ44の半クラッチ状態のときに走行用の半クラッチ制御を中止するか否かを判定するためのミドル軸46の回転速度に対する第3閾値が予め設定されている。この第3閾値は、上記各閾値と同様に図示しないECU90内のメモリ等に保存されている。そして、ECU90は、検出したミドル軸回転速度と第3閾値とを比較する。本実施形態では、この判定処理を条件2−2判定という。条件2−2判定が成立する条件を式で表すと、
ミドル軸回転速度 ≦ 第3閾値
となる。このときの第2条件は、条件2−1判定と条件2−2判定とで構成されている。ECU90は、ミドル軸回転速度が第3閾値以下と判定し、かつ、条件2−1判定が成立しているときに、クラッチ44の走行用の半クラッチ制御を中止すると判定し、それ以外の場合は、クラッチ44の走行用の半クラッチ制御を継続すると判定する。
ミドル軸回転速度 ≦ 第3閾値
となる。このときの第2条件は、条件2−1判定と条件2−2判定とで構成されている。ECU90は、ミドル軸回転速度が第3閾値以下と判定し、かつ、条件2−1判定が成立しているときに、クラッチ44の走行用の半クラッチ制御を中止すると判定し、それ以外の場合は、クラッチ44の走行用の半クラッチ制御を継続すると判定する。
上述したように、ECU90は、第1条件または第2条件のどちらか一方が成立したときに、クラッチ44の走行用の半クラッチ制御を中止すると判定している。なお、ECU90は、第1条件および第2条件の両方の条件が成立したときに、クラッチ44の走行用の半クラッチ制御を中止すると判定してもよい。このとき、ECU90は、クラッチ44の走行用の半クラッチ制御を中止すると判定し、次にステップS140へ進み、第1条件または第2条件のどちらか一方が成立しないとき、クラッチ44の走行用の半クラッチ制御を継続すると判定し、次にステップS150へ進む。
なお、第1条件の第1閾値と第2条件の第3閾値とは、同じ値であってもよいし、異なる値であってもよい。また、第1閾値と第3閾値とは、変速機構43のギア段ごとに設定されていてもよいし、定数であってもよい。第1閾値および第3閾値を変速機構43のギア段ごとに設定する場合、ECU90には、関数式、テーブル、マップ等を用いることにより各ギア段に対応する第1閾値および第3閾値の値を設定する。また、第1閾値および第3閾値に、自動二輪車1の停止時におけるエンジン45の各ギア段の回転速度、すなわち、アイドル回転速度を設定してもよい。この場合、各ギア段のアイドル回転速度は、予め試験またはシミュレーション等によって特定することができる。
図5のステップS130によって、ECU90がクラッチ44の走行用の半クラッチ制御を中止すると判定した場合、ステップS140において、ECU90は、エンスト防止制御を行う。詳しくは、ECU90のエンスト防止制御部96は、直ちにクラッチ制御部92のクラッチ44を接続する制御を中止をして、クラッチ44の切断を行うようにする。ECU90は、クラッチアクチュエータ60の駆動を制御することでクラッチ44の切断処理を行う。図6では、時間t2において、ECU90は、クラッチ44の走行用の半クラッチ制御を中止し、クラッチ44を切断するようにクラッチアクチュエータ60の駆動を制御している。そして、クラッチ44の切断が完了した時間t3において、ECU90は、発進用の半クラッチ制御を開始する。発進用の半クラッチ制御は、走行用の半クラッチ制御と比較すると、クラッチ44が接続するまでの時間が長い。そのため、発進用の半クラッチ制御をすることで、エンストを招くことを防止することができる。そして、ECU90は、発進用の半クラッチ制御をした後に、更にクラッチ44を接続方向へ移動するようにクラッチアクチュエータ60を制御する。そして、クラッチ44の接続が完了したとき、自動変速装置50の制御は終了する。
一方、ステップS130によって、ECU90がクラッチ44の走行用の半クラッチ制御を継続すると判定した場合、次にステップS150において、ECU90は、クラッチ44の半クラッチ状態が終了か否かの判定を行う。この半クラッチ状態の終了の判定方法は、特に限定されず、例えば、ギア段の変更後のクラッチ44の接続開始からの時間の経過時間を算出する。そして、ECU90には、クラッチ44の走行用の半クラッチ制御を行う所定時間が予め設定されている。上記経過時間が上記所定時間以上の場合、ECU90は、クラッチ44の半クラッチ状態を終了、すなわち、走行用の半クラッチ制御を終了して更にクラッチ44を接続方向に制御すると判定する。一方、上記経過時間が上記所定時間未満の場合、ECU90は、クラッチ44の半クラッチ状態を継続、すなわち、走行用の半クラッチ制御を継続すると判定する。クラッチ44を更に接続方向に制御すると判定した場合、ECU90は次にステップS160を行う。一方、走行用の半クラッチ制御を継続すると判定した場合、ステップS120へ戻る。
図5のステップS160では、ECU90は、クラッチ44を半クラッチ状態から更に接続方向に制御をする。ECU90は、クラッチアクチュエータ60の駆動を制御することで、クラッチ44を半クラッチ状態から更に接続方向へ移動させる。図7では、時間t2において、ECU90は、クラッチ44の走行用の半クラッチ制御を終了して、クラッチ44を更に接続方向に移動するように制御している。そして、クラッチ44の接続が完了すると自動変速装置50の制御は終了する。
なお、ECU90は、ステップS120の処理を行う際に、クラッチ制御部92として機能する。ECU90は、ステップS130の処理を行う際に、クラッチ中止判定部94として機能する。また、ECU90は、ステップS140の処理を行う際に、エンスト防止制御部96として機能する。このように、ECU90は、クラッチ制御部92、クラッチ中止判定部94、およびエンスト防止制御部96を有している。また、本実施形態において、第1検出装置は、ミドル軸回転速度センサS46とクラッチ中止判定部94とから構成されている。第2検出装置は、エンジン回転速度センサS45とクラッチ中止判定部94とから構成されている。
本実施形態によると、ECU90は、走行中の変速時に、クラッチ制御部92によって切断されているクラッチ44を接続するようにクラッチアクチュエータ60を制御する。そして、ECU90は、クラッチ制御部92の制御中に、第1条件または第2条件が成立すると判定した場合、エンスト防止制御部96によってクラッチ制御部92の制御を中止し、クラッチ44を切断させるようにクラッチアクチュエータ60を制御していた。なお、第1条件とは、ミドル軸46の回転速度の移動平均が第1閾値以下であること、および、ミドル軸46の回転速度が第1閾値以下となったことが検出されてから更に第1閾値以下である状態が所定時間以上継続したこと、のいずれか一方または両方である。第2条件とは、少なくとも、エンジン回転速度が第2閾値以下であることである。このことによって、第1条件を設定することで、ギアラッシュが原因となってミドル軸46の回転速度が一時的に第1閾値以下となったとしても、それだけでクラッチ制御部92の制御を中止することはない。そのため、実際にはエンストが生じないような状況であるにも拘わらず、上記制御を中止してしまうことを避けることができる。よって、乗車フィーリングの低下を防止することができる。また、第2条件を設定することで、エンジン回転速度が第2閾値以下になると前記制御を中止するので、エンストをより確実に防止することができる。ミドル軸46の回転速度の移動平均が第1閾値以下になると、または、変速機構43の回転速度が第1閾値以下となったことが検出されてから更に第1閾値以下である状態が所定時間以上継続すると、クラッチ制御部92の制御を中止するので、エンジン回転速度が低下して第2閾値以下になる前に、上記制御を中止することができる。そのため、第1条件と第2条件とを組み合わせることで、単にエンストを防止するだけでなく、中止に要するまでの時間を短縮することができる。
本実施形態によれば、第2条件は、エンジン回転速度が第2閾値以下であり、かつ、ミドル軸の回転速度が第3閾値以下とすることもできる。このことによって、エンジン回転速度とミドル軸46の回転速度とからクラッチ制御部92の制御を中止するか否かを判定できるため、エンストをより的確に防止することができる。
本実施形態によれば、第2条件の第3閾値と第1条件の第1閾値とは等しくてもよい。このことによって、ECU90内に設定する閾値の数を減らすことができる。
本実施形態によれば、第1条件の第1閾値は、変速機構43のギア段ごとに設定されていてもよい。そして、各ギア段の第1閾値は、変速機構43の各ギア段のときにエンジン45がアイドル回転速度で回転するときのミドル軸46の回転速度に設定されていてもよい。このことによって、各ギア段に応じて第1閾値を適宜設定することができる。また、第1閾値をアイドル回転速度とすることによって、より的確にエンストを防止することができる。
<他の実施形態>
上記実施形態では、クラッチアクチュエータ60およびシフトアクチュエータ70は、別々に備えられていた。しかし、クラッチアクチュエータ60およびシフトアクチュエータ70を別々に備える代わりに、クラッチ44および変速機構43を駆動する単一のアクチュエータを備えてもよい。
上記実施形態では、クラッチアクチュエータ60およびシフトアクチュエータ70は、別々に備えられていた。しかし、クラッチアクチュエータ60およびシフトアクチュエータ70を別々に備える代わりに、クラッチ44および変速機構43を駆動する単一のアクチュエータを備えてもよい。
上記実施形態では、乗員によるシフトスイッチのシフトアップスイッチまたはシフトダウンスイッチを手動操作することで、変速指令をECU90に送信していた。しかし、ECU90が自動二輪車1の運転状態に基づいて変速指令を行ってもよい。具体的には、ECU90は、車速、エンジン45の回転速度、および/または、変速機構43のギア段等を検出することによって、変速指令を行う。
上記各実施形態では、回転軸は変速機構43のミドル軸46であった。しかし、回転軸は、ミドル軸46に限られず、ドグクラッチ式の変速機構43のギア段が変更される際に、ドグクラッチが噛み合うまでの間に過渡的な振動がより伝達される軸であればよく、変速機構43内にある軸以外であってもよい。例えば、回転軸は、図2に示すメイン軸41、ドライブ軸42、および後輪23を駆動するための軸であってもよい。
1 自動二輪車(鞍乗型車両)
43 変速機構
44 クラッチ
45 エンジン
46 ミドル軸(回転軸)
50 自動変速装置
60 クラッチアクチュエータ
90 ECU(変速制御装置)
92 クラッチ制御部
94 クラッチ中止判定部
96 エンスト防止制御部
43 変速機構
44 クラッチ
45 エンジン
46 ミドル軸(回転軸)
50 自動変速装置
60 クラッチアクチュエータ
90 ECU(変速制御装置)
92 クラッチ制御部
94 クラッチ中止判定部
96 エンスト防止制御部
Claims (5)
- エンジンと、
前記エンジンの動力によって駆動される駆動輪と、
前記エンジンと前記駆動輪との間に設けられ、ドグクラッチを有する有段式の変速機構と、
前記エンジンと前記変速機構との間に設けられたクラッチと、
前記変速機構を駆動するシフトアクチュエータと、
前記クラッチを駆動するクラッチアクチュエータと、
前記クラッチと前記駆動輪との間に設けられた回転軸と、
前記回転軸の回転速度を検出する第1検出装置と、
前記エンジンの回転速度を検出する第2検出装置と、
変速時に前記クラッチの切断、前記変速機構のギア段の変更、および前記クラッチの接続が行われるように前記クラッチアクチュエータおよび前記シフトアクチュエータを制御する制御装置と、を備え、
前記制御装置は、
走行中の変速時に、切断されているクラッチを接続するように前記クラッチアクチュエータを制御するクラッチ制御部と、
前記クラッチ制御部の制御中に下記第1条件または第2条件が成立するか否かを判定する判定部と、
前記判定部により下記第1条件または第2条件が成立すると判定されると、前記クラッチ制御部の前記制御を中止し、前記クラッチを切断させるように前記クラッチアクチュエータを制御するエンスト防止制御部と、
を備えている、鞍乗型車両。
第1条件・・・前記回転軸の回転速度の移動平均が第1閾値以下であること、および、前記回転軸の回転速度が第1閾値以下となったことが検出されてから更に第1閾値以下である状態が所定時間以上継続したこと、のいずれか一方または両方。
第2条件・・・少なくとも、前記エンジン回転速度が第2閾値以下であること。 - 前記第2条件は、前記エンジン回転速度が第2閾値以下であり、かつ、前記回転軸の回転速度が第3閾値以下となったことである、請求項1に記載の鞍乗型車両。
- 前記第3閾値と前記第1閾値とは等しい、請求項2に記載の鞍乗型車両。
- 前記エンジンはクランク軸を有し、
前記クラッチを介して前記クランク軸と連結されたメイン軸と、
前記変速機構を介して前記メイン軸と連結されたドライブ軸と、
ギアを介して前記ドライブ軸と連結されたミドル軸と、を備え、
前記回転軸は前記ミドル軸である、請求項1に記載の鞍乗型車両。 - 前記エンジンは、車両停止時の回転速度が予め定められたアイドル回転速度となるように制御され、
前記第1閾値は、前記変速機構のギア段ごとに設定され、
各ギア段の第1閾値は、前記各ギア段のときに前記エンジンが前記アイドル回転速度で回転するときの前記ミドル軸の回転速度に設定されている、請求項4に記載の鞍乗型車両。
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JP2012178443A JP2014035065A (ja) | 2012-08-10 | 2012-08-10 | 鞍乗型車両 |
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JP2012178443A Pending JP2014035065A (ja) | 2012-08-10 | 2012-08-10 | 鞍乗型車両 |
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DE112019004807T5 (de) | 2018-09-26 | 2021-08-19 | Honda Motor Co., Ltd. | Kupplungssteuerungsvorrichtung |
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JP2023050300A (ja) * | 2021-09-30 | 2023-04-11 | 本田技研工業株式会社 | クラッチ制御装置 |
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-
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- 2012-08-10 JP JP2012178443A patent/JP2014035065A/ja active Pending
- 2012-11-30 EP EP20120195031 patent/EP2696091B1/en active Active
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