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JP2014030290A - 振動体及び振動波アクチュエータ - Google Patents

振動体及び振動波アクチュエータ Download PDF

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JP2014030290A JP2012169259A JP2012169259A JP2014030290A JP 2014030290 A JP2014030290 A JP 2014030290A JP 2012169259 A JP2012169259 A JP 2012169259A JP 2012169259 A JP2012169259 A JP 2012169259A JP 2014030290 A JP2014030290 A JP 2014030290A
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裕 丸山
Akira Shimada
亮 島田
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Abstract

【課題】安価で製造が容易であり、圧電特性の劣化を抑制でき信頼性の向上を図ることが可能となる積層圧電素子による振動体を提供する。
【解決手段】積層圧電素子2を金属板11に接合した振動体1であって、前記積層圧電素子は、圧電活性部3と圧電不活性部4、5と、を有し、前記圧電活性部は、複数の圧電層と、複数の外部電極8とそれぞれ導通する複数の電極層7と、によって構成され、前記圧電不活性部は、前記圧電活性部を挟み、前記積層圧電素子の前記金属板と接合される側と、その反対側とにそれぞれ配されており、前記振動体が発生する曲げ振動に伴う曲げ変形の中立面が、前記積層圧電素子の前記金属板と接合される側の圧電不活性部に位置すると共に、前記その反対側に配された圧電不活性部の表面に設けられた表面電極9が外部電極8と導通するように構成され、前記表面電極と導通する電気回路基板12により、外部電源との導通が図られている。
【選択図】図1

Description

本発明は、振動体及び振動波アクチュエータに関し、特に積層圧電素子に金属板を接着した振動体及びその振動体を備えた振動波アクチュエータに関するものである。
従来、振動波アクチュエータには振動体(振動子とも言う)の振動源として圧電素子が用いられている。この圧電素子としては、単一の板状の圧電素子や複数の圧電層を積層した積層圧電素子が使われている。
図6は、特許文献1に係る積層圧電素子を用いたリニア型振動波(超音波)アクチュエータ30の構成を示す斜視図である。
リニア型振動波(超音波)アクチュエータ30は積層圧電素子32の片面に摩擦材(金属板)33が接着剤により接着された振動体31と、駆動体であるスライダ34から構成されている。
金属板33は高摩擦係数と摩擦耐久性を兼ね備える材料から形成されており、一方、スライダ34はスライダ基部34−1と、これに接着された硬質の金属板34−2とから構成されている。スライダ34の金属板34−2が、金属板33の接触部33−1と33−2に加圧されて接触する。
図7に、以上のような従来例におけるリニア型振動波アクチュエータの振動体を構成する積層圧電素子の構成例を示す。
振動体31を構成する積層圧電素子32は、図6のように圧電活性部32−1と圧電不活性部32−2からなり、図7のように平板状の形状を有している。
図7に示すように、一番上の第1層から所定層までの電極層の無い圧電層35からなる圧電不活性部32−2と、所定層から最終層までが電極層36が形成された圧電層35からなる圧電活性部32−1とから構成されている。
圧電活性部32−1の圧電層35と電極層36と圧電不活性部32−2の圧電層35は、積層して一体化され焼成されて作られる。
圧電活性部32−1の各圧電層35における、2分割された電極層36−1、36−2と、ほぼ全面の電極層36−3は、それぞれ、スルーホール37−1、37−2、37−3を介し独立して電気的に導通している。また、最下層の圧電層裏面にある3つに分割された表面電極38と導通している。
そして、表面電極38に電圧を印加し分極処理を行い、各電極層36で挟まれた各圧電層35に所定の分極極性を与える。
振動体31を構成する積層圧電素子32の所定の位置にフレキシブル電気回路基板を貼り付けることで、外部電源と接続を行うように構成されている。
積層圧電素子32の電極層に位相差を有する2つの高周波電圧を印加することで、2つの曲げ振動を時間的な位相を90度ずらして同時に発生させることができる。
この結果、振動体31の接触部33−1と33−2の表面をスライダ34の金属板34−2に加圧接触させると、接触部33−1と33−2の表面に発生した楕円運動または円運動により、スライダ34は振動体31に対して直線移動をする。
従って、振動体31に対してスライダ34を加圧して接触させることで、振動体31とスライダ34との間に相対移動運動が形成されるため、直線(リニア)駆動する振動波モータを構成することができる。
図8は、特許文献2に係るバイモルフ型の振動体40を示す断面図であり、積層型圧電素子41、43が支持板42の上下面に接着剤で接合されている。
この振動体40では、積層体44の最も支持板42側に近い内部電極層45には、支持板42側に向けて3層の不活性層46が積層されている。
積層体44の一対の側面に内部電極層45と電気的に接続する一対の外部電極47、48がそれぞれ形成されている。
そして、積層体44の一方の主面に、外部電極48が電気的に接続する表面電極層49が形成され、内部電極層45との間に活性な圧電体層50が形成されている。
3層の不活性層46間には外部電極47、48とは導通しない導体層51が形成されているため、他の活性な圧電体層50と同様に導体層51の導体材料が焼結助剤の役割を果たし、積層体44全体の収縮を均一化でき、薄い積層型圧電素子41、43であっても反り等の変形を抑制できる。
また、特許文献3に開示されているように、フレキシブルケーブル(電気回路基板)と圧電素子との接続に、異方性導電材料を用いることが知られている。
特開2005−168281号公報 特開2010−171360号公報 特許第4564582号公報
しかしながら、上記従来例のものにおいては、つぎのような課題を有している。
すなわち、上記した図6と7に示す従来例の振動波アクチュエータの振動体30の積層圧電素子32では、電極層間の導通にスルーホール37が用いられている。
しかし、スルーホールを用いた製造方法では、一層ごとにホールを加工するパンチングマシーンや一層ごとにホールに導電材料を充填するスクリーン印刷機など特殊な製造装置が必要で設備投資額が大きく、また、製造工程も長くなり製造コストが高くなる。
また、図7に示されているように、片側の一方に圧電不活性部を有する積層圧電素子が設けられる構成では、焼成時に反り変形が起こり積層圧電素子として必ずしも満足の得られるものではなかった。
そこで、図8に示したように、圧電不活性部の内部に電極層と同等な導通はしないダミーの導体層(電極層)51を設け、積層圧電素子41の反りの変形を抑制する必要があった。
しかし、このようなダミーの導体層(電極層)を設けるようにした構成では、高価な貴金属からなる電極材料の使用量が増えコストを高くする一因となっていた。
また、フレキシブル電気回路基板の接続に異方性導電材料を使うことは、作業性も良く信頼性を向上させることができるが、一方では異方性導電材料は接着時には加圧と加熱が必要であり、圧電素子の圧電特性の劣化を少なからず招いていた。
本発明は、上記課題に鑑み、安価で製造が容易であり、圧電特性の劣化を抑制でき信頼性の向上を図ることが可能となる積層圧電素子による振動体及び振動波アクチュエータの提供を目的とする。
本発明の振動体は、積層圧電素子と金属板とを備え、前記積層圧電素子を前記金属板に接合した振動体であって、
前記積層圧電素子は、圧電活性部と圧電不活性部と、を有し、
前記圧電活性部は、複数の圧電層と、複数の外部電極とそれぞれ導通する複数の電極層と、によって構成され、
前記圧電不活性部は、前記圧電活性部を挟み、前記積層圧電素子の前記金属板と接合される側と、その反対側とにそれぞれ配されており、
前記振動体が発生する曲げ振動に伴う曲げ変形の中立面が、前記積層圧電素子の前記金属板と接合される側の圧電不活性部に位置すると共に、前記その反対側に配された圧電不活性部の表面に設けられた表面電極が外部電極と導通するように構成され、
前記表面電極と導通する電気回路基板により、外部電源との導通が図られていることを特徴とする。
また、本発明の振動波アクチュエータは、上記した振動体を駆動動力源として構成されていることを特徴とする。
本発明によれば、安価で製造が容易であり、圧電特性の劣化を抑制でき信頼性の向上を図ることが可能となる積層圧電素子による振動体及び振動波アクチュエータを実現することができる。
本発明の実施例1に係る振動体の構成例を示す構成図である。(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は平面図である。 本発明の実施例1に係る振動体の積層圧電素子の構成例を示す図である。 本発明の実施例2に係る振動体の構成例を示す構成図である。(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は平面図である。 本発明の実施例1、2に係る振動体の2つの振動モードを示す図である。 本発明の実施例1、2に係る振動体を組込んだリニア型振動波アクチュエータを示す図である。 従来例におけるリニア型振動波アクチュエータを説明する図である。 従来例におけるリニア型振動波アクチュエータの振動体を構成する積層圧電素子を説明する図である。 従来例における振動体を構成する積層圧電素子を説明する図である。
本発明は、積層圧電素子と、積層圧電素子を接合する金属板を備える振動体が、つぎのような構成によって、安価で製造が容易であり、圧電特性の劣化を抑制でき信頼性の向上を図ることを可能としたものである。
すなわち、本発明においては、上記したように、圧電不活性部は、圧電活性部を挟み、積層圧電素子の金属板と接合される側と、その反対側とにそれぞれ配するように構成される。これにより、積層圧電素子における反り変形を抑制し、安価で容易に製造することが可能となる。
また、振動体が発生する曲げ振動に伴う曲げ変形の中立面が、積層圧電素子の金属板と接合される側の圧電不活性部に位置するように構成される。これにより、圧電特性の劣化を抑制でき信頼性の向上を図ることが可能となる。
すなわち、中立面が圧電活性部にあると圧電層の伸縮と振動体の振動に伴う伸縮が不一致となりエネルギー損失が生じ、振動体の振動効率が落ちる。
また、中立面が金属板にあると積層圧電素子はかなり薄く作る必要があり、現実的には薄い圧電層のシートの製作やその取扱など技術的にも難しくコストアップに繋がる。本発明によれば、これらの問題を解決することが可能となる。
また、積層圧電素子の金属板と接合される側と反対側に配された圧電不活性部の表面に設けられた表面電極が外部電極と導通するように構成され、表面電極と導通する電気回路基板により、外部電源との導通が図られるように構成される。
これにより、外部電極と表面電極の形成等において、厚膜印刷形成が可能であり、従来のようなスルーホールよる層間の導通方法に比べ、製造コストを下げることが可能となる。
また、圧電不活性部は、圧電活性部を挟み、積層圧電素子の金属板と接合される側の反対側にも配するように構成される。これにより、表面電極と電気回路基板とを、異方性導電材料により接合する際、圧電層と異方性導電材料の間に、圧電不活性部があることから、圧電層に対する異方性導電材料の接着時における加圧と加熱の影響を緩和することが可能となる。
以下に、本発明の実施例について説明する。
[実施例1]
実施例1として、本発明を適用した積層圧電素子により構成した振動体の構成例について、図1、図2を用いて説明する。
図1に示されるように、本実施例の振動体1は、積層圧電素子2と金属板11とフレキシブル電気回路基板12とを備える。
また、積層圧電素子2は、電極層7のある圧電活性部3と、圧電活性部3の上下に電極層のない圧電不活性部4、5を備える。
そして、圧電活性部3の7層の電極層7は6つの外部電極8(8−1〜8−6)により電極層層間の導通が図られ、6つの外部電極8は圧電不活性部4の角部で6つの表面電極9(9−1〜9−6)と導通している。
なお、圧電活性部とは、後述の電極層を介して分極処理が施された、圧電的に活性の圧電層からなり部分であり、電極層に電圧を印加すると伸縮を起こすことができる部分である。
また、フレキシブル電気回路基板12が表面電極9と異方性導電材料10を介して電気的に接続し機械的に接着されている。
金属板11が、積層圧電素子2の圧電不活性部5に接着剤で接着されている。
金属板11と圧電活性部2の側面にある外部電極8の間に圧電不活性部5があり、電気的な接触は避けることができる。
また、金属板11には突起部11−1と11−2を設け振動振幅の拡大を図っている。
図2に、本実施例における振動体の積層圧電素子の構成例を示す。
ここでは、積層圧電素子2の圧電活性部3と圧電不活性部4、5における、グリーンシートからなる圧電層6と電極層7の関係を各圧電層6ごとに示している。圧電不活性部4は、3層の圧電層6−1〜6−3からなり、圧電層6−1は表面に表面電極9を有する。
また、圧電活性部3は、表面に電極層7(7−1〜7−11)を形成した6層の圧電層6−4〜6−9からなる。
また、圧電不活性部5は、3層の圧電層6−10〜6−12からなる。
圧電活性部3の圧電層6−4〜6−8では、ひとつの圧電層の上で2分割された電極層7−1と7−6、7−2と7−7、7−3と7−8、7−4と7−9、7−5と7−10がそれぞれ形成されている。
また、圧電層6−9、6−10の表面にはほぼ全面にひとつの電極層7−11と7−12が形成されている。なお、圧電層6−10は圧電不活性部5に含まれる。
そして、電極層7−1と7−3、7−5は外部電極8−1と導通し、電極層7−2と7−4は外部電極8−2と導通している。
また、電極層7−6と7−8、7−10は外部電極8−3と導通し、
電極層7−7と7−9は外部電極8−4と導通し、電極層7−11と7−12は外部電極8−6、8−5に導通している。
さらに、6つの外部電極8−1〜8−6がそれぞれ6つの表面電極9−1〜9−6と電気的に繋がっている。
ここで、電極層7−1から7−5をA相とし表面電極9−1と9−2と、電極層7−6から7−10をB相として表面電極9−3、9−4とに、表面電極9−2と9−4をグランドとし、表面電極9−1と9−3に位相の異なる高周波電圧を印加する。
なお、圧電層6−9は電極層7−11と7−12とを介して表面電極9−5と9−6から、センサー信号を出力するセンサーS相となり、振動波アクチュエータの制御に利用できる。圧電層6−9は圧電不活性部5の傍に設けているが、圧電不活性部3の傍に設けても良い。ただし、圧電層6−9が圧電不活性部5の傍に設ければ、圧電活性部5の他の圧電層の中立軸からの距離が大きくなり、曲げ振動の出力を大きくすることができる。ただこの場合はセンサー信号としての出力は小さくなる。
すなわち、A相とB相にそれぞれ位相の異なる高周波電圧を印加することで振動体1は従来例と同じ2つの曲げ振動を起こすことが可能となる。図4に示すように、ひとつは(a)の縦(長軸)方向の面外2次曲げ振動モードであり、もうひとつは(b)の横(短軸)方向の面外1次の曲げ振動モードとなる。
これら2つの曲げ振動モードの共振周波数がほぼ一致するようにあらかじめ振動体1の寸法が設定されている。
図5に、振動体を駆動動力源として構成された振動波アクチュエータの構成例である振動体1とスライダ14からなるリニア型振動アクチュエータ13を示す。
具体的には、図4に示したように、上記の2つの曲げ振動による面外曲げ振動モードからなる複合した振動を生成する。これにより、金属板11の突起部11−1と11−2に楕円振動または円運動を発生させ、突起部11−1と11−2に接したスライダ14は直線方向に移動が可能となる。
なお、スライダ14はスライダ基部14−1と、これに接着された硬質の金属板14−2とからなる。
このとき、図1に示すように、2つの曲げ振動に伴う2つの曲げ変形時に伸縮の歪の発生しない中立面Cは圧電不活性部5に位置するように、積層圧電素子1の圧電活性部2と圧電不活性部4,5の寸法と金属板11の寸法はあらかじめ設定してある。
例えば、中立面Cが圧電活性部2にあると圧電層の伸縮と振動体の振動に伴う伸縮が不一致となりエネルギー損失が生じ、振動体の振動効率が落ちる。
また、小型化のために薄い金属板を使っているので、中立面Cが金属板にあるには積層圧電素子はかなり薄く作る必要があり、現実的には薄い圧電層のシートの製作やその取扱など技術的にも難しくコストアップに繋がる。
本実施例で用いる圧電材料は、チタン酸ジルコン酸鉛を主成分とし、第三成分または多成分として複数の金属元素からなる化合物を添加し固溶させた圧電セラミックス粉末である。
積層圧電素子2は、圧電セラミックス粉末と有機バインダをボールミルで混合したスラリーからドクターブレード成形法で作ったグリーンシートを圧電層6に使う。
電極層7は銀とパラジウムの合金粉末を有機バインダと溶剤で混練して作ったペーストを用い、グリーンシートからなる圧電層6の表面にスクリーン印刷機で印刷し溶剤を乾燥して形成する。
図2に示すこれらの圧電層6を重ねプレスにより加圧することで一体化できる。そして、鉛雰囲気中で焼成温度1100〜1200℃で焼成して積層圧電素子を焼成一体化する。
焼成温度1100〜1200℃では、銀とパラジウムの合金粉末の銀とパラジウムの比率は80〜70重量%と20〜30重量%が望ましい。
このあと、切断加工と両面ラップ加工にて所定の寸法に仕上げてから、外部電極8は、ガラスフリットと銀粉末ペーストを有機バインダと溶剤で混練して作ったペーストで、スクリーン印刷機を使って所定の位置に印刷し乾燥させる。
さらに、表面電極9も外部電極8と同じペーストをスクリーン印刷機で所定の位置に印刷し乾燥させる。
そして、外部電極8と表面電極9は一緒に、大気中で650〜850℃で焼成し積層圧電素子1の表面に焼き付ける。
以上のように、外部電極8と表面電極9の形成は厚膜印刷法で簡単に形成が可能であり、従来のようなスルーホールによる層間の導通方法に比べ、基本的に印刷回数が少なく製造コストを下げることが可能となる。
そして、ホットプレートの上で積層圧電素子2を温度120℃に加熱し、表面電極9−2、9−4、9−6をグランドとして表面電極9−1、9−3、9−5をプラス(+)として、プローブを押当て印加電圧120V、時間30分で電極層7で挟まれた圧電層6の分極処理を行った。
積層圧電素子1の寸法は、縦9mm横6mm厚さ0.5mmである。
圧電活性部3は厚さ0.26mmであり、厚さが40μmの圧電層6−4〜6−9の6層からなり、厚さが約3μmの電極層7の7層からなる。
また、圧電不活性部4と圧電不活性部5の厚さは0.12mmであり、同じく厚さは40μmの圧電層6−1〜6−3の3層と圧電層6−10〜6−12の3層からなる。
圧電不活性部4と圧電不活性部5の圧電層6は、製作の初めにあらかじめそれぞれ1層多く重ねておく。そして、焼成後に積層圧電素子2を両面ラップ加工して2つの圧電不活性部を均等に削り、圧電不活性部4、5は厚さを0.12mmに、また積層圧電素子2の厚さは0.5mmとした。
この理由は焼成のために圧電層の表面は凹凸が生じることと、積層圧電素子2や金属板11の厚さは振動モードの共振周波数を設定するため厳密な寸法が要求されるためである。
本実施例では圧電不活性部4と圧電不活性部5の圧電層の厚さは1層は40μmとしたが、圧電不活性部4と圧電不活性部5の厚さは0.12mmに最終的になればいいので、1層の厚さは40μmよりも厚い層となるグリーンシートを用いても良い。
また、焼成後に積層圧電素子に反り変形を残さないためには、圧電不活性部4と圧電不活性部5の2つの圧電不活性部の厚さは、理想的には均等が最も望ましい。しかし場合により、積層圧電素子の金属板と接合される側と、その反対側とにそれぞれ配された圧電不活性部は、そのいずれか一方の圧電不活性部の厚さが他方の1.4倍以下とするのが望ましい。
この圧電不活性部の厚さの比が1.4倍以上であると、積層圧電素子の反り変形が大きくなり、両面ラップ加工時に割れてしまうとか、両面ラップ加工後、反り変形の影響が残り圧電活性部2の電極層7は湾曲した弓型なってしまうなど不良が増えて好ましくない。
例えば、厚さの違いの限界は、圧電不活性部4または5の厚さが0.10mmであれば、圧電不活性部5または4の厚さが0.14mmである。
また、金属板11はあらかじめ機械加工やプレス加工にて所定の寸法と厚さに仕上げておく。
金属板の寸法は縦9mm横6mm厚さ0.2mmで、耐摩耗性を有するマルテンサイト系のステンレス鋼からなる。
金属板の片面には突起形状を設けておいても良く突起部11−1と11−2の高さは0.08mmである。
積層圧電素子2と金属板11との接着には、紫外線硬化型嫌気性硬化性付加の接着剤を用いた。
積層圧電素子2の圧電不活性部5の表面に接着剤をディスペンサーにより塗布し、金属板の接着する表面には硬化促進剤をあらかじめ塗布しておき、積層圧電素子2と金属板11とを室温で約30秒間加圧して保持し接着剤を硬化させ接着した。
次に、積層圧電素子2の圧電不活性部4の表面に設けた表面電極9に、フレキシブル電気回路基板を異方性導電材料を介して接着した。
フレキシブル電気回路基板は厚さ30μmのシート状のポリイミドからなる表面に厚さ35μm銅箔で回路導通部を形成している。
一般に、異方性導電材料はエポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂に3〜数μm程度の大きさの金メッキを施したニッケルなどの導電粒子を均一に分散した厚さ20〜50μmのシート状の接着剤である。
使用方法は、2つの接着物間にシート状の異方性導電材料を挟み圧力2〜5MPa温度160〜240℃で約10〜30秒間で加圧加熱接着を行う。
加圧と加熱により樹脂が流動し導電粒子が電極間に挟まれ、電極間の導通が図られるとともに樹脂が熱硬化して接着が完了する。このシート状の異方性導電材料は取り扱い易く信頼性も高い。
また、異方性導電材料を用いると上記のように比較的大きな加圧と高い温度の加熱を行うため、異方性導電材料に近い圧電活性のある(分極された)圧電層は圧電特性が劣化する。とりわけ厚さが薄い積層の圧電層では圧電特性の劣化が大きい。
これに対して、本実施例の構成では、加圧と加熱の影響をつぎのように緩和することができる。
まず、フレキシブル電気回路基板12の銅箔側の所定の位置に、あらかじめ所定の寸法に切り出した異方性導電材料10を仮圧着する。
そして、フレキシブル電気回路基板12を圧電不活性部4の圧電層6−1の表面と表面電極9に異方性導電材料10を介して、フレキシブル電気回路基板12の上から加熱したプレスパンチ(加圧力3MPa、加熱温度200℃、20秒間)を押しつけ接着を行った。
そしてこの条件において、圧電特性の劣化は起こらないことを確認した。
このように、本実施例の構成によれば、積層圧電素子2には分極された圧電層と異方性導電材料の間には、直接熱が伝わらないように圧電不活性部4が設けられていることから、これにより加圧と加熱の影響を緩和することが可能となる。
[実施例2]
実施例2として、実施例1と異なる形態による振動体の構成例について、図3を用いて説明する。
実施例2における振動体1’と、実施例1における振動体1との違いは、積層圧電素子2の圧電活性部3における、圧電層6’−1の表面の電気回路配線15とフレキシブル電気回路基板12’と、異方性導電材料10’の構成だけである。その他は、実施例1と同じある。
図3の(c)平面図は振動体1’の積層圧電素子2における圧電不活性部4の角部で、6つの表面電極9(9−1〜9−6)と電気回路配線15を形成している。
電気回路配線15は表面電極9と同じ厚膜印刷法で簡単に表面電極9と同時に、表面電極の表面に形成が可能である。
前述のように、ガラスフリットと銀粉末ペーストを有機バインダ溶剤で混練して作ったペーストを用いて、スクリーン印刷機で所定の位置に表面電極9と一緒に電気回路配線15を印刷し乾燥させる。
そして、大気中で650〜850℃で焼成し表面に焼き付けることで形成できる。
そして、図3に示すように形成した電気回路配線15の端部には、小さなフレキシブル電気回路基板12’が異方性導電材料10’を介して実施例1と同じように電気的に接続され接着されている。
このように圧電不活性部4の表面に電気回路配線15を形成して、実施例1よりも小さなフレキシブル電気回路基板12’にすることで、振動体1’に余計な樹脂からなるフレキシブル電気回路基板を減らせるので振動エネルギーの損失の軽減も図ることが可能となる。
さらに、フレキシブル電気回路基板や異方性導電材料は比較的コストが高く、小寸法にすることはコスト低減も大きい。
1:振動体
2:積層圧電素子
3:圧電活性部
4、5:圧電不活性部
6:圧電層
7:電極層
8:外部電極
9:表面電極
10:異方性導電材料
11:金属板
12:フレキシブル電気回路基板

Claims (7)

  1. 積層圧電素子と金属板とを備え、前記積層圧電素子を前記金属板に接合した振動体であって、
    前記積層圧電素子は、圧電活性部と圧電不活性部と、を有し、
    前記圧電活性部は、複数の圧電層と、複数の外部電極とそれぞれ導通する複数の電極層と、によって構成され、
    前記圧電不活性部は、前記圧電活性部を挟み、前記積層圧電素子の前記金属板と接合される側と、その反対側とにそれぞれ配されており、
    前記振動体が発生する曲げ振動に伴う曲げ変形の中立面が、前記積層圧電素子の前記金属板と接合される側の圧電不活性部に位置すると共に、前記その反対側に配された圧電不活性部の表面に設けられた表面電極が外部電極と導通するように構成され、
    前記表面電極と導通する電気回路基板により、外部電源との導通が図られていることを特徴とする振動体。
  2. 前記振動体が発生する曲げ振動が、2つの曲げ振動による面外曲げ振動モードであることを特徴とする請求項1に記載の振動体。
  3. 前記表面電極と前記電気回路基板とが、異方性導電材料により接合して導通が図られていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の振動体。
  4. 前記表面電極は、表面に厚膜印刷形成による電気回路配線を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の振動体。
  5. 前記積層圧電素子の前記金属板と接合される側と、その反対側とにそれぞれ配された前記圧電不活性部は、そのいずれか一方の圧電不活性部の厚さが他方の1.4倍以下であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の振動体。
  6. 前記積層圧電素子の前記圧電活性部にはセンサー信号を出力する圧電層が設けられていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の振動体。
  7. 請求項1乃至6のいずれか1項に記載の振動体を駆動動力源として構成されていることを特徴とする振動波アクチュエータ。
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