以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本実施の形態における多機能複写機1の構成の一例を示す図である。
画像形成装置の一例としての多機能複写機1は、コピー機能(複写機能)に加え、スキャン機能、プリント機能さらにはファクシミリ機能(ファクシミリ送信機能およびファクシミリ受信機能)を有するものであり、ネットワーク2を介して、外部に設けられた各種機器(図示せず)に接続されている。ここで、ネットワーク2としては、LAN(Local Area Network)、インターネット回線、電話回線等が挙げられる。
本実施の形態の多機能複写機1は、原稿に記録された画像を読み取るスキャナ10と、紙等の記録材に画像を形成するプリントエンジン20と、ユーザから、スキャン機能、プリント機能、コピー機能およびファクシミリ機能を用いた動作に関連する指示を受け付けるとともに、ユーザに対してメッセージ等の映像情報を表示するタッチパネルディスプレイ30とを備えている。また、多機能複写機1は、多機能複写機1全体の動作を制御するメインコントローラ50と、メインコントローラ50による制御の下でスキャナ10の動作を制御するスキャンコントローラ60と、メインコントローラ50による制御の下でプリントエンジン20の動作を制御するプリントコントローラ70と、メインコントローラ50による制御の下でタッチパネルディスプレイ30の動作を制御するUIコントローラ80とをさらに備えている。
本実施の形態では、多機能複写機1を構成するメインコントローラ50、スキャンコントローラ60、プリントコントローラ70およびUIコントローラ80を、高速汎用データ伝送技術として知られるThunderbolt(サンダーボルト:登録商標、以下では「TB」と表記する)で接続している。すなわち、この多機能複写機1では、メインコントローラ50とスキャンコントローラ60とをサンダーボルトケーブル(TBケーブルと呼ぶ)40で接続し、メインコントローラ50とUIコントローラ80とをTBケーブル40で接続し、UIコントローラ80とプリントコントローラ70とをTBケーブル40で接続している。したがって、この多機能複写機1では、スキャンコントローラ60、メインコントローラ50、UIコントローラ80およびプリントコントローラ70が、この順番で、3本のTBケーブル40を用いてデイジーチェーン接続されている。
ではここで、Thunderbolt(TB)について簡単に説明しておく。
TBは、ホスト機器にさまざまな周辺機器を接続するためのバス規格の1つである。
TBでは、エンベデッド・クロック方式を用いてパケット化されたデータを、平衡接続された伝送経路を用い、シリアル転送方式且つ全二重線通信方式にて、ポイント・ツー・ポイントで伝送する。また、TBでは、異なるプロトコル(バス規格)で規定された複数のデータを、TBのプロトコルに変換し、変換後のデータ(TBのプロトコルで規定されたデータ)にて、機器間での伝送を行う。なお、現時点において、TBで利用できるプロトコルは、高速汎用バス規格の1つであるPCIExpress(登録商標、以下では、「PCIe」と表記する)、および、映像出力規格の1つであるDisplayPort(商標、以下では、「DP」と表記する)、の2つである。このように、TBでは、PCIeによる伝送対象となる汎用データと、DPによる伝送対象となる映像データとを、混在させて伝送できるようになっている。ただし、理論上は、PCIeやDPの他に、USB(Universal Serial Bus)やSATA(Serial Advanced Technology Attachment)、さらにはHDMI(High-Definition Multimedia Interface)なども、TBによる伝送が可能である。
また、TBは、既知の高速シリアルバス規格の1つであるIEEE1394と同様に、スター接続およびデイジーチェーン接続に対応するとともに、プラグ&プレイおよびホットプラグにも対応している。
さらに、TBでは、TBケーブル40として、銅線を用いたものと、光ファイバを用いたものとが存在するが、TBケーブル40として銅線を用いた場合においては、TBケーブル40を介した給電が行える。なお、本実施の形態では、上記TBケーブル40として、銅線を有するものを用いている。TBにおける給電能力(現時点で最大10W)は、USBにおける給電能力(例えばUSB3.0において最大4.5W)よりも強力である。このように、本実施の形態のTBは、給電を行うための給電部と、データ伝送を行うための伝送部とを有している。
次に、メインコントローラ50、スキャンコントローラ60、プリントコントローラ70およびUIコントローラ80のそれぞれの構成について、順に説明を行う。
まず、全体制御部の一例としてのメインコントローラ50は、種々の演算を実行することによって、多機能複写機1の各部を制御するMCU(Micro Control Unit)51と、MCU51に接続され、他のコントローラ(スキャンコントローラ60、プリントコントローラ70、UIコントローラ80)との間において、TBの規格に準拠したデータの授受の制御を行うM−TBC(Thunderbolt Controller)52とを備えている。また、MCU51には、HDD(Hard Disk Drive)53およびRAM(Random Access Memory)54が接続されており、さらに上述したネットワーク2も接続されている。したがって、本実施の形態の多機能複写機1は、メインコントローラ50を介して、外部のネットワーク2に接続されている。
メインコントローラ50に設けられるMCU51は、多機能複写機1を構成する各部の動作を制御する制御データ、スキャナ10によって原稿から読み取られた画像データ(スキャンデータと呼ぶ:読取画像データに対応)およびプリントエンジン20を用いて記録材に形成する画像データ(プリントデータと呼ぶ:形成画像データに対応)、UIコントローラ80を介してタッチパネルディスプレイ30に表示させる画像データ(ディスプレイデータと呼ぶ:表示画像データに対応)に関する処理を実行するCPU(Central Processing Unit)、および、メインコントローラ50の外部に設けられたネットワーク2、HDD53、RAM54との間でデータの授受を行うとともに、メインコントローラ50の内部に設けられたM−TBC52との間でデータの授受を行うための各種入出力回路を内蔵している。ここで、統括制御手段の一例としてのMCU51は、例えばEthernet(登録商標)によってネットワーク2に接続され、例えばSATA(Serial Advanced Technology Attachment)によってHDD53に接続され、例えばDDR3(Double-Data-Rate3)によってRAM54に接続される。そして、MCU51は、PCIeおよびDPの両者によってM−TBC52に接続される。
また、メインコントローラ50に設けられるM−TBC52は、MCU51から送られてくる、PCIeの規格に準拠するデータ(PCIeデータと呼ぶ)と、DPの規格に準拠するデータ(DPデータと呼ぶ)とを、TB規格に準拠するデータ(TBデータと呼ぶ)に変換し、スキャンコントローラ60あるいはUIコントローラ80に向けて出力する。さらに、M−TBC52は、スキャンコントローラ60あるいはUIコントローラ80からMCU51を対象(宛先)として入力されてくるTBデータを、PCIeデータおよびDPデータに変換し、MCU51に向けて出力する。さらにまた、M−TBC52は、スキャンコントローラ60(あるいはUIコントローラ80)からMCU51以外を対象(宛先)として入力されてくるTBデータを、そのまま、UIコントローラ80(あるいはスキャンコントローラ60)に向けて出力(転送)する。
ここで、本実施の形態では、上述した制御データ、スキャンデータおよびプリントデータが、PCIeデータ(あるいはPCIeデータに基づくTBデータ)として伝送される。これに対し、上述したディスプレイデータは、DPデータ(あるいはDPデータに基づくTBデータ)として伝送される。
本実施の形態のメインコントローラ50は、図示しない配線基板に、MCU51およびM−TBC52を実装してなる実装基板で構成されている。なお、この例では、HDD53およびRAM54を、メインコントローラ50の外部に配置しているが、これらを、MCU51およびM−TBC52とともにメインコントローラ50に実装してもかまわない。
次に、画像読取制御部の一例としてのスキャンコントローラ60は、スキャナ10に接続され、スキャナ10の動作を制御するとともに、スキャナ10から入力されてくる画像データ(スキャンデータ)に各種処理を施すS−ASIC(Application Specific Integrated Circuit)61と、S−ASIC61に接続され、他のコントローラ(メインコントローラ50、プリントコントローラ70、UIコントローラ80)との間において、TBデータの授受を行うS−TBC62とを備えている。
スキャンコントローラ60に設けられるS−ASIC61は、スキャンコントローラ60の外部に設けられたスキャナ10との間でデータの授受を行うとともに、スキャンコントローラ60の内部に設けられたS−TBC62との間でデータの授受を行うための各種入出力回路(図示せず)を内蔵している。ここで、画像読取制御手段の一例としてのS−ASIC61は、例えばPCIeによってスキャナ10に接続され、PCIeによってS−TBC62に接続される。
また、スキャンコントローラ60に設けられるS−TBC62は、S−ASIC61から送られてくるPCIeデータをTBデータに変換し、メインコントローラ50に向けて出力する。さらに、S−TBC62は、メインコントローラ50からS−ASIC61を対象(宛先)として入力されてくるTBデータをPCIeデータに変換し、S−ASIC61に向けて出力する。
本実施の形態では、S−ASIC61においてDPのデータを使用する必要がないため、S−ASIC61とS−TBC62とをPCIeのみで接続している。ただし、必要に応じて、S−ASIC61とS−TBC62とを、さらにDPで接続するようにしてもかまわない。
本実施の形態のスキャンコントローラ60は、図示しない配線基板に、S−ASIC61およびS−TBC62を実装してなる実装基板で構成されている。なお、スキャンコントローラ60を、スキャナ10に内蔵させてもかまわない。
さらに、画像形成制御部の一例としてのプリントコントローラ70は、プリントエンジン20に接続され、プリントエンジン20の動作を制御するとともに、メインコントローラ50から入力されてくる画像データ(プリントデータ)に各種処理を施すP−ASIC71と、P−ASIC71に接続され、他のコントローラ(メインコントローラ50、スキャンコントローラ60、UIコントローラ80)との間において、TBデータの授受を行うP−TBC72とを備えている。
プリントコントローラ70に設けられるP−ASIC71は、プリントコントローラ70の外部に設けられたプリントエンジン20との間でデータの授受を行うとともに、プリントコントローラ70の内部に設けられたP−TBC72との間でデータの授受を行うための各種入出力回路(図示せず)を内蔵している。ここで、画像形成制御手段の一例としてのP−ASIC71は、例えばPCIeによってプリントエンジン20に接続され、PCIeによってP−TBC72に接続される。
また、プリントコントローラ70に設けられるP−TBC72は、P−ASIC71から送られてくるPCIeデータをTBデータに変換し、UIコントローラ80に向けて出力する。さらに、P−TBC72は、UIコントローラ80からP−ASIC71を対象(宛先)として入力されてくるTBデータをPCIeデータに変換し、P−ASIC71に向けて出力する。
本実施の形態では、P−ASIC71においてDPのデータを使用する必要がないため、P−ASIC71とP−TBC72とをPCIeのみで接続している。ただし、必要に応じて、P−ASIC71とP−TBC72とを、さらにDPで接続するようにしてもかまわない。
本実施の形態のプリントコントローラ70は、図示しない配線基板に、P−ASIC71およびP−TBC72を実装してなる実装基板で構成されている。なお、プリントコントローラ70を、プリントエンジン20に内蔵させてもかまわない。
続いて、画像表示制御部の一例としてのUIコントローラ80は、タッチパネルディスプレイ30に接続され、タッチパネルディスプレイ30の動作を制御するとともに、メインコントローラ50から入力されてくる画像データ(ディスプレイデータ)に各種処理を施すU−ASIC81と、U−ASIC81に接続され、他のコントローラ(メインコントローラ50、スキャンコントローラ60、プリントコントローラ70)との間において、TBデータの授受を行うU−TBC82とを備えている。
UIコントローラ80に設けられるU−ASIC81は、UIコントローラ80の外部に設けられたタッチパネルディスプレイ30との間でデータの授受を行うとともに、UIコントローラ80の内部に設けられたU−TBC82との間でデータの授受を行うための各種入出力回路(図示せず)を内蔵している。ここで、画像表示制御手段の一例としてのU−ASIC81は、例えばPCIeおよびDPの両者によってタッチパネルディスプレイ30に接続され、PCIeおよびDPの両者によってU−TBC82に接続される。このとき、PCIeの代わりにDPのサイドバンドCHを用いて、タッチパネルディスプレイ30の制御信号等の伝送を行ってもかまわない。
また、UIコントローラ80に設けられるU−TBC82は、U−ASIC81から送られてくるPCIeデータおよびDPデータをTBデータに変換し、メインコントローラ50またはプリントコントローラ70に向けて出力する。さらに、U−TBC82は、メインコントローラ50あるいはプリントコントローラ70からU−ASIC81を対象(宛先)として入力されてくるTBデータをPCIeデータおよびDPデータに変換し、U−ASIC81に向けて出力する。さらにまた、U−TBC82は、メインコントローラ50(あるいはプリントコントローラ70)からU−ASIC81以外を対象(宛先)として入力されてくるTBデータを、そのまま、プリントコントローラ70(あるいはメインコントローラ50)に向けて出力(転送)する。
本実施の形態のUIコントローラ80は、図示しない配線基板に、U−ASIC81およびU−TBC82を実装してなる実装基板で構成されている。なお、UIコントローラ80を、タッチパネルディスプレイ30に内蔵させてもかまわない。
なお、本実施の形態では、M−TBC52、S−TBC62、P−TBC72、U−TBC82および3本のTBケーブル40が、接続手段としての機能を有している。
ここで、TBの観点からみた場合、メインコントローラ50が「ホスト機器」となり、スキャンコントローラ60、プリントコントローラ70およびUIコントローラ80がそれぞれ「周辺機器」となる。また、PCIeの観点からみた場合、メインコントローラ50が「ルートコンプレックス」となり、スキャンコントローラ60、プリントコントローラ70およびUIコントローラ80がそれぞれ「エンドポイント」となる。さらに、DPの観点からみた場合、メインコントローラ50が「ソースデバイス」となり、UIコントローラ80(タッチパネルディスプレイ30)が「シンクデバイス」となる。
図2は、多機能複写機1を構成する各コントローラの電源系統を説明するための図である。
本実施の形態の多機能複写機1は、電源を供給するための電源ユニット100をさらに備えている。本実施の形態の電源ユニット100は、主電源スイッチ101を介してメインコントローラ50に接続されている。
そして、本実施の形態では、メインコントローラ50が、上述したTBの給電機能を利用し、各TBケーブル40を介して、スキャンコントローラ60、プリントコントローラ70およびUIコントローラ80に対する給電制御を行う。より具体的に説明すると、メインコントローラ50は、主電源スイッチ101がオンに設定されることによりメインコントローラ50に対する給電がなされた状態で、スキャンコントローラ60、プリントコントローラ70およびUIコントローラ80に対する給電/非給電を設定する制御を実行する。
ここで、本実施の形態では、これらメインコントローラ50、スキャンコントローラ60、プリントコントローラ70およびUIコントローラ80が、上述したように、3本のTBケーブル40を用いてデイジーチェーン接続されている。このため、メインコントローラ50は、スキャンコントローラ60およびUIコントローラ80の両者に対しては直接に給電/非給電を制御することがきる。一方、メインコントローラ50は、プリントコントローラ70に対しては、直接に給電/非給電を制御することができず、UIコントローラ80を給電状態に設定している場合においてのみ、給電状態に設定することができる。逆の観点からみれば、UIコントローラ80が非給電状態にあるとき、プリントコントローラ70は、必ず非給電状態となる。
図3は、メインコントローラ50、スキャンコントローラ60、プリントコントローラ70およびUIコントローラ80のそれぞれに設けられるサンダーボルトコントローラ(TBC)の内部構成を説明するための図である。ここで、図3(a)は、スキャンコントローラ60(図1参照)に設けられるS−TBC62の内部構成を示しており、図3(b)は、UIコントローラ80(図1参照)に設けられるU−TBC82の内部構成を示している。
まず、図3(a)に示すS−TBC62は、PCIeデータを授受するPCIeインタフェース(以下では、「PCIeIF」と表記する)91と、DPデータを授受するDPインタフェース(以下では、「DPIF」と表記する)92と、TBデータを授受するTBインタフェース(以下では、「TBIF」と表記する)93と、PCIeIF91、DPIF92、TBIF93とそれぞれ接続され、PCIeデータおよびDPデータにプロトコル変換を施してTBデータを作成し、且つ、TBデータにプロトコル変換を施してPCIeデータおよびDPデータを作成するプロトコル変換部94とを備えている。
これに対し、図3(b)に示すU−TBC82は、上述したPCIeIF91、DPIF92、TBIF93およびプロトコル変換部94に加え、TBIF93とは別個にTBデータを授受する他のTBIF95を備えている。ここで、U−TBC82では、PCIeIF91、DPIF92およびTBIF93に加えて、他のTBIF95も、プロトコル変換部94に接続されている。
すなわち、図3(a)に示すS−TBC62では、TBの入出力が1系統(1ポート:TBIF93)であるのに対し、図3(b)に示すU−TBC82では、TBの入出力が2系統(2ポート:TBIF93および他のTBIF95)である点が異なる。なお、本実施の形態では、図3(a)に示すS−TBC62とプリントコントローラ70に設けられるP−TBC72(図1参照)とが共通の内部構成を有しており、図3(b)に示すU−TBC82とメインコントローラ50に設けられるM−TBC52(図1参照)とが共通の内部構成を有している。
ここで、図3(a)に示すS−TBC62(P−TBC72)は、PCIeIF91およびDPIF92を有しているが、上述したように、S−ASIC61(P−ASIC71)ではDPのデータを使用する必要がない。このため、S−TBC62(P−TBC72)において、PCIeIF91はS−ASIC61(P−ASIC71)との接続に用いる一方、DPIF92はS−ASIC61(P−ASIC71)との接続に用いない。
また、図3(b)に示すU−TBC82(M−TBC52)では、図1を用いて説明したように、TBIF93を介して入力されてくるTBデータを、プロトコル変換部94を素通りさせて、そのまま他のTBIF95を介して外部に出力(転送)できるようになっており、また、他のTBIF95を介して入力されてくるTBデータを、プロトコル変換部94を素通りさせて、そのままTBIF93を介して外部に出力(転送)できるようになっている。つまり、U−TBC82およびM−TBC52は、リピータとしての機能も有している。
なお、この例では、S−TBC62およびP−TBC72として、図3(a)に示す1ポート構造のものを用いているが、図3(b)に示す2ポート構造のものを用いてもかまわない。
図4は、複数のサンダーボルトコントローラ(TBC)によるデータの授受を説明するための図である。ここで、図4(a)は2つのサンダーボルトコントローラ(TBC−A201およびTBC−B202)によるデータの授受を示しており、図4(b)は3つのサンダーボルトコントローラ(TBC−A201、TBC−B202およびTBC−C203)によるデータの授受を示している。そして、図4(a)は、TBC−A201からTBC−B202にデータを送る場合を例示しており、図4(b)は、TBC−A201からTBC−B202を介してTBC−C203にデータを送る場合を例示している。
ここで、図4(a)に示す例においては、TBC−A201およびTBC−B202の両者を、1ポートのTBC(図3(a)参照)あるいは2ポートのTBC(図3(b)参照)で構成することができる。また、図4(b)に示す例においては、TBC−A201およびTBC−C203の両者を、1ポートのTBC(図3(a)参照)あるいは2ポートのTBC(図3(b)参照)で構成することができ、TBC−B202については、2ポートのTBC(図3(b)参照)で構成することができる。
最初に、図4(a)を参照しつつ、TBC−A201から、TBC−B202を宛先としてデータを送る場合について説明を行う。
TBC−A201には、第1プロトコルの一例としてのPCIeによってPCIeデータD(PCIe)が入力され、第2プロトコルの一例としてのDPによってDPデータD(DP)が入力される。ここで、第1シリアルデータの一例としてのPCIeデータD(PCIe)は、エンベデッド・クロック方式を用いてパケット化されたシリアルデータで構成され、第2シリアルデータの一例としてのDPデータD(DP)も、エンベデッド・クロック方式を用いてパケット化されたシリアルデータで構成される。
次に、TBC−A201では、入力されてくるPCIeデータD(PCIe)およびDPデータD(DP)に、第3プロトコルの一例としてのTBによるプロトコル変換を施し、両者を含む第3シリアルデータの一例としてのTBデータD(TB)を作成する。ここで、TBデータD(TB)は、元となるPCIeデータD(PCIe)およびDPデータD(DP)を混在してなるシリアルデータで構成される。このとき、TBC−A201は、TBデータD(TB)を構成する各パケットに、宛先の情報を付加する。この例では、TBデータD(TB)を構成する各パケットに、宛先がTBC−B202であることを示す情報が付加されることになる。
そして、TBC−A201は、作成したTBデータD(TB)を、TBケーブル40を介してTBC−B202に向けて出力する。
続いて、TBC−B202は、TBC−A201からTBケーブル40を介して入力されてくるTBデータD(TB)を受け取る。次に、TBC−B202では、受け取ったTBデータD(TB)の各パケットを参照し、その宛先が自分(TBC−B202)であるか否かの判別を行う。そして、TBC−B202は、受け取ったTBデータD(TB)のうち、自分宛に送られてきたパケットを抽出してプロトコル変換を施し、PCIeデータD(PCIe)およびDPデータD(DP)に復元する。なお、この例では、TBC−A201から送られてくるTBデータD(TB)の宛先がすべてTBC−B202となっていることから、TBC−B202は、受け取ったTBデータD(TB)を構成する全パケットに対しプロトコル変換を施す。
そして、TBC−B202は、復元によって得られたPCIeデータD(PCIe)をPCIeによって出力し、復元によって得られたDPデータD(DP)をDPによって出力する。
以上により、TBC−A201から、TBC−B202を宛先とするデータの受渡が完了する。
次に、図4(b)を参照しつつ、TBC−A201から、TBC−C203を宛先としてデータを送る場合について説明を行う。
TBC−A201には、PCIeによってPCIeデータD(PCIe)が入力され、DPによってDPデータD(DP)が入力される。
次に、TBC−A201では、入力されてくるPCIeデータD(PCIe)およびDPデータD(DP)にプロトコル変換を施し、両者を含むTBデータD(TB)を作成する。このとき、TBC−A201は、TBデータD(TB)を構成する各パケットに、宛先の情報を付加する。この例では、TBデータD(TB)を構成する各パケットに、宛先がTBC−C203であることを示す情報が付加されることになる。
そして、TBC−A201は、作成したTBデータD(TB)を、TBケーブル40を介してTBC−B202に向けて出力する。
続いて、TBC−B202は、TBC−A201からTBケーブル40を介して入力されてくるTBデータD(TB)を受け取る。次に、TBC−B202では、受け取ったTBデータD(TB)の各パケットを参照し、その宛先が自分(TBC−B202)であるか否かの判別を行う。そして、TBC−B202は、受け取ったTBデータD(TB)のうち、自分宛に送られてきたパケットを抽出してプロトコル変換を施し、PCIeデータD(PCIe)およびDPデータD(DP)に復元する。なお、この例では、TBC−A201から送られてくるTBデータD(TB)の宛先がすべてTBC−C203となっていることから、TBC−B202は、受け取ったTBデータD(TB)を構成する全パケットに対しプロトコル変換を施すことなく、そのまま、TBケーブル40を介してTBC−C203に出力(転送)する。
さらに続いて、TBC−C203は、TBC−B202からTBケーブル40を介して入力されてくるTBデータD(TB)を受け取る。次に、TBC−C203では、受け取ったTBデータD(TB)の各パケットを参照し、その宛先が自分(TBC−C203)であるか否かの判別を行う。そして、TBC−C203は、受け取ったTBデータD(TB)のうち、自分宛に送られてきたパケットを抽出してプロトコル変換を施し、PCIeデータD(PCIe)およびDPデータD(DP)に復元する。なお、この例では、TBC−A201から送られてくるTBデータD(TB)の宛先がすべてTBC−C203となっていることから、TBC−C203は、受け取ったTBデータD(TB)を構成する全パケットに対しプロトコル変換を施す。
そして、TBC−C203は、復元によって得られたPCIeデータD(PCIe)をPCIeによって出力し、復元によって得られたDPデータD(DP)をDPによって出力する。
以上により、TBC−A201から、TBC−C203を宛先とするデータの受渡が完了する。
次に、図1等に示す多機能複写機1における給電制御について説明する。
図5は、本実施の形態の多機能複写機1における給電設定手順を説明するためのフローチャートである。
多機能複写機1に設けられた主電源スイッチ101がオンされると(ステップ10)、電源ユニット100からメインコントローラ50に対する給電が開始される。これに伴い、メインコントローラ50からTBケーブル40を介した、スキャンコントローラ60、プリントコントローラ70およびUIコントローラ80への給電も開始される。続いて、メインコントローラ50、スキャンコントローラ60、プリントコントローラ70およびUIコントローラ80は、それぞれにおいて初期化を行う(ステップ20)。そして、各コントローラの初期化が完了した後、メインコントローラ50は、サンダーボルト(TB)を初期化し(ステップ30)、メインコントローラ50に設けられたM−TBC52と、スキャンコントローラ60に設けられたS−TBC62と、プリントコントローラ70に設けられたP−TBC72と、UIコントローラ80に設けられたU−TBC82との間での通信を確立する。これにより、多機能複写機1は、コピー動作、スキャン動作、プリント動作およびファクシミリ送受信動作を実行可能な状態に設定される。
次に、メインコントローラ50は、TBケーブル40を介したスキャンコントローラ60およびプリントコントローラ70への給電を停止する(ステップ40)。これに伴い、多機能複写機1を構成する各コントローラのうち、メインコントローラ50およびUIコントローラ80には給電が行われる一方、スキャンコントローラ60およびプリントコントローラ70には給電が行われない状態へと移行する。なお、この状態を、「ウェイトモードWM(待機モードに対応)」と呼ぶ。そして、ウェイトモードWMでは、メインコントローラ50とUIコントローラ80との間の通信は可能である一方、メインコントローラ50とスキャンコントローラ60との間の通信およびメインコントローラ50とプリントコントローラ70との間の通信はともに不可能になる。
その後、メインコントローラ50は、例えばネットワーク2を介したプリント指示(あるいはファクシミリ受信指示)や、タッチパネルディスプレイ30を介したコピー指示(あるいはスキャン指示やファクシミリ送信指示)などを含む、ジョブ開始指示を受け付けたか否かを判断する(ステップ50)。なお、このとき、多機能複写機1では、メインコントローラ50およびUIコントローラ80への給電が続行されているため、ウェイトモードWMであっても、これらのジョブ開始指示を受け付けることが可能となっている。
ステップ50において否定の判断(NO)を行った場合、メインコントローラ50は、引き続きジョブ開始指示の受け付けを待つ。一方、ステップ50において肯定の判断(YES)を行った場合、メインコントローラ50は、受け付けたジョブ開始指示の内容がプリント指示またはファクシミリ受信指示であったか否かを判断する(ステップ60)。
ステップ60において肯定の判断(YES)を行った場合、メインコントローラ50は、TBケーブル40を介したプリントコントローラ70への給電を再開し(ステップ70)、続いて、UIコントローラ80を介したメインコントローラ50とプリントコントローラ70との間の通信を再確立する(ステップ80)。これに伴い、多機能複写機1を構成する各コントローラのうち、メインコントローラ50、UIコントローラ80およびプリントコントローラ70には給電が行われる一方、スキャンコントローラ60には給電が行われない状態へと移行する。なお、この状態を「プリントモードPM(画像形成モードに対応)」と呼ぶ。プリントモードPMでは、メインコントローラ50とUIコントローラ80とプリントコントローラ70との間の通信は可能になるものの、メインコントローラ50とスキャンコントローラ60との間の通信は引き続き不可能である。
そして、ウェイトモードWMからプリントモードPMへの移行が完了した後、メインコントローラ50は、ステップ50で受け付けたジョブ(この場合はプリントまたはファクシミリ受信)を開始させる(ステップ140)。
一方、ステップ60において否定の判断(NO)を行った場合、メインコントローラ50は、次に、受け付けたジョブ開始指示の内容が、スキャン指示あるいはファクシミリ送信指示であったか否かを判断する(ステップ90)。
ステップ90において肯定の判断(YES)を行った場合、メインコントローラ50は、TBケーブル40を介したスキャンコントローラ60への給電を再開し(ステップ100)、続いて、メインコントローラ50とスキャンコントローラ60との通信を再確立する(ステップ110)。これに伴い、多機能複写機1を構成する各コントローラのうち、メインコントローラ50、UIコントローラ80およびスキャンコントローラ60には給電が行われる一方、プリントコントローラ70には給電が行われない状態へと移行する。なお、この状態を「スキャンモードSM(画像読取モードに対応)」と呼ぶ。スキャンモードSMでは、メインコントローラ50とUIコントローラ80とスキャンコントローラ60との間の通信は可能になるものの、メインコントローラ50とプリントコントローラ70との間の通信は引き続き不可能である。
そして、ウェイトモードWMからスキャンモードSMへの移行が完了した後、メインコントローラ50は、ステップ50で受け付けたジョブ(この場合はスキャンまたはファクシミリ送信)を開始させる(ステップ140)。
一方、ステップ90において否定の判断(NO)を行った場合すなわちジョブ開始指示の内容がコピー指示であった場合、メインコントローラ50は、TBケーブル40を介したスキャンコントローラ60およびプリントコントローラ70の両者への給電を再開し(ステップ120)、メインコントローラ50とスキャンコントローラ60との通信を再確立し、且つ、UIコントローラ80を介したメインコントローラ50とプリントコントローラ70との通信を再確立する(ステップ130)。これに伴い、多機能複写機1を構成するメインコントローラ50、UIコントローラ80、スキャンコントローラ60およびプリントコントローラ70に対する給電が行われる。なお、この状態を「コピーモードCM(複写モードに対応)」と呼ぶ。コピーモードCMでは、メインコントローラ50とUIコントローラ80とスキャンコントローラ60とプリントコントローラ70との間の通信が可能になる。
そして、ウェイトモードWMからコピーモードCMへの移行が完了した後、メインコントローラ50は、ステップ50で受け付けたジョブ(この場合はコピー)を開始させる(ステップ140)。
図6は、上述した各モード(ウェイトモードWM、プリントモードPM、スキャンモードSMおよびコピーモードCM)と、給電対象となる各コントローラ(メインコントローラ50、スキャンコントローラ60、プリントコントローラ70およびUIコントローラ80)との関係を示す図である。
まず、ジョブを実行しないウェイトモードWMでは、メインコントローラ50およびUIコントローラ80が給電対象となる。また、ジョブとしてプリントあるいはファクシミリ受信を実行するプリントモードPMでは、メインコントローラ50およびUIコントローラ80に加えて、UIコントローラ80を介してメインコントローラ50に接続されたプリントコントローラ70が給電対象となる。一方、ジョブとしてスキャンあるいはファクシミリ送信を実行するスキャンモードSMでは、メインコントローラ50およびUIコントローラ80に加えて、メインコントローラ50に直接に接続されたスキャンコントローラ60が給電対象となる。そして、ジョブとしてコピーを実行するコピーモードCMでは、メインコントローラ50およびUIコントローラ80に加えて、スキャンコントローラ60およびプリントコントローラ70の両者が給電対象となる。
図7は、本実施の形態の多機能複写機1における各種データの流れを説明するための図である。図7には、プリントモードPMにおいて用いられるプリントデータ(図中に一点鎖線で示す)、スキャンモードSMにおいて用いられるスキャンデータ(図中に破線で示す)、コピーモードCMにおいて用いられるコピーデータ(図中に実線で示す)、そして、ウェイトモードWM、プリントモードPM、スキャンモードSMおよびコピーモードCMのそれぞれにおいて、タッチパネルディスプレイ30に映像を表示させるのに用いられるディスプレイデータ(図中に二点鎖線で示す)を示している。ただし、コピーデータは、スキャンデータとプリントデータとを組み合わせたものとなる。
ここで、上記各種データのうち、プリントデータ、スキャンデータおよびコピーデータは、上述したように、それぞれ、伝送過程においてPCIeデータD(PCIe)となったりTBデータD(TB)となったりするが、ここでは、その詳細についての説明を省略する。また、上記各種データのうち、ディスプレイデータは、上述したように、伝送過程においてDPデータD(DP)となったりTBデータD(TB)となったりするが、ここでは、その詳細についての説明を省略する。
まず、ジョブとしてプリント(あるいはファクシミリ受信)を実行する、プリントモードPMにおけるプリントデータの流れについて説明する。
プリントデータは、ネットワーク2からメインコントローラ50に入力され、メインコントローラ50におけるMCU51およびM−TBC52を通過し、UIコントローラ80に向けて出力される。このとき、MCU51は、通過するプリントデータに各種処理を施す。UIコントローラ80に入力されるプリントデータは、UIコントローラ80におけるU−TBC82を通過し、そのままプリントコントローラ70に向けて出力される。プリントコントローラ70に入力されるプリントデータは、プリントコントローラ70におけるP−TBC72およびP−ASIC71を通過し、プリントエンジン20に出力される。このとき、P−ASIC71は、通過するプリントデータに各種処理を施す。
次に、ジョブとしてスキャン(あるいはファクシミリ送信)を実行する、スキャンモードSMにおけるスキャンデータの流れについて説明する。
スキャンデータは、スキャナ10からスキャンコントローラ60に入力され、スキャンコントローラ60におけるS−ASIC61およびS−TBC62を通過し、メインコントローラ50に向けて出力される。このとき、S−ASIC61は、通過するスキャンデータに各種処理を施す。メインコントローラ50に入力されるスキャンデータは、メインコントローラ50におけるM−TBC52およびMCU51を通過し、ネットワーク2に出力される。このとき、MCU51は、通過するスキャンデータに各種処理を施す。
続いて、ジョブとしてコピーを実行する、コピーモードCMにおけるコピーデータの流れについて説明する。
コピーデータは、スキャナ10からスキャンコントローラ60に入力され、スキャンコントローラ60におけるS−ASIC61およびS−TBC62を通過し、メインコントローラ50に向けて出力される。このとき、S−ASIC61は、通過するコピーデータに各種処理を施す。メインコントローラ50に入力されるコピーデータは、メインコントローラ50におけるM−TBC52およびMCU51を通過し、さらに再度M−TBC52を通過し、UIコントローラ80に向けて出力される。このとき、MCU51は、通過するコピーデータに各種処理を施す。UIコントローラ80に入力されるコピーデータは、UIコントローラ80におけるU−TBC82を通過し、そのままプリントコントローラ70に向けて出力される。プリントコントローラ70に入力されるコピーデータは、プリントコントローラ70におけるP−TBC72およびP−ASIC71を通過し、プリントエンジン20に出力される。このとき、プリントコントローラ70は、通過するコピーデータに各種処理を施す。
最後に、ウェイトモードWM、プリントモードPM、スキャンモードSMおよびコピーモードCMのそれぞれにおいて生じ得るディスプレイデータの流れについて説明する。ディスプレイデータは、メインコントローラ50におけるMCU51で作成されるとともにM−TBC52を通過し、UIコントローラ80に向けて出力される。UIコントローラ80に入力されるディスプレイデータは、UIコントローラ80におけるU−TBC82およびU−ASIC81を通過し、タッチパネルディスプレイ30に出力される。このとき、U−ASIC81は、通過するディスプレイデータに各種処理を施す。
本実施の形態では、図7からも明らかなように、プリントデータはスキャンコントローラ60を通過しないし、スキャンデータはプリントコントローラ70を通過しない。したがって、ジョブとしてプリントを実行する場合、スキャンコントローラ60は不要となり、スキャンモードSMにおいてプリントコントローラ70は不要となる。
一方、コピーデータはスキャンコントローラ60およびプリントコントローラ70の両者を通過する。したがって、ジョブとしてコピーを実行する場合、スキャンコントローラ60およびプリントコントローラ70の両者が必要となる。
他方、ディスプレイデータはスキャンコントローラ60およびプリントコントローラ70を通過しない。したがって、ジョブを実行しない場合、スキャンコントローラ60およびプリントコントローラ70は不要となる。
そこで、本実施の形態では、図5および図6を用いて説明したように、要求されるジョブの実行において不要となるコントローラに対する給電を行わないようにした。これにより、各モードにおいて必要のないコントローラを動作しない状態にすることができる分、無駄な電力消費を抑えることができる。このとき、本実施の形態では、メインコントローラ50と他のコントローラ(スキャンコントローラ60、プリントコントローラ70およびUIコントローラ80)とをTBで接続することにより、メインコントローラ50から他のコントローラへの給電と、メインコントローラと各コントローラとの間のデータの授受とを、それぞれ1本のTBケーブル40を用いて行うことができるため、各コントローラ間の配線が簡単なものとなる。特に、本実施の形態では、各コントローラ間をTBで接続しているために、異なるプロトコル(ここではPCIeおよびDP)のデータをそれぞれ1本のTBケーブル40でやりとりできることから、この点においても、配線の取り回しが簡単なものになる。
ここで、メインコントローラ50からスキャンコントローラ60を介してプリントコントローラ70をTBでデイジーチェーン接続する構成を採用した場合には、ジョブとしてプリントを実行する際に、プリントに必要なプリントコントローラ70に加えて、本来プリントには不要なスキャンコントローラ60にも給電を行う必要が生じる。また、メインコントローラ50からプリントコントローラ70を介してスキャンコントローラ60をTBでデイジーチェーン接続する構成を採用した場合には、ジョブとしてスキャンを実行する際に、スキャンに必要なスキャンコントローラ60に加えて、本来スキャンには不要なプリントコントローラ70にも給電を行う必要が生じる。これに対し、本実施の形態では、メインコントローラ50に対し、スキャンコントローラ60をTBで直接接続するとともに、UIコントローラ80を介してプリントコントローラ70をTBで間接的に接続することで、メインコントローラ50を挟んでスキャンコントローラ60とプリントコントローラ70とを分離するようにしたので、このような不具合は生じない。
なお、図7を参照すると、メインコントローラ50とUIコントローラ80とを接続するTBケーブル40では、プリントデータ、コピーデータおよびディスプレイデータが、それぞれ同じ方向(メインコントローラ50からUIコントローラ80に向かう方向)に流れていることがわかる。すなわち、メインコントローラ50からUIコントローラ80に向かう方向には、容量の大きい画像データが流れる一方、UIコントローラ80からメインコントローラ50に向かう方向には、画像データに比べて容量の小さい制御データが流れる。このため、UIコントローラ80からメインコントローラ50に向かう方向におけるTBの動作周波数を、メインコントローラ50からUIコントローラ80に向かう方向におけるTBの動作周波数よりも低くすることで、データの伝送性を維持しつつ、消費電力をさらに低減することが可能になる。
また、図7を参照すると、UIコントローラ80とプリントコントローラ70とを接続するTBケーブル40では、プリントデータおよびコピーデータが、それぞれ同じ方向(UIコントローラ80からプリントコントローラ70に向かう方向)に流れていることがわかる。すなわち、UIコントローラ80からプリントコントローラ70に向かう方向には、容量の大きい画像データが流れる一方、プリントコントローラ70からUIコントローラ80に向かう方向には、画像データに比べて容量の小さい制御データが流れる。このため、プリントコントローラ70からUIコントローラ80に向かう方向におけるTBの動作周波数を、UIコントローラ80からプリントコントローラ70に向かう方向におけるTBの動作周波数よりも低くすることで、データの伝送性を維持しつつ、消費電力をさらに低減することが可能になる。
さらに、本実施の形態では、メインコントローラ50にTBケーブル40を用いてスキャンコントローラ60を接続し、メインコントローラ50にTBケーブル40を用いてUIコントローラ80を接続するとともに、UIコントローラ80にTBケーブル40を用いてプリントコントローラ70を接続する構成を採用していたが、スキャンコントローラ60およびプリントコントローラ70の位置を入れ替えた構成を採用してもよい。すなわち、メインコントローラ50にTBケーブル40を用いてプリントコントローラ70を接続し、メインコントローラ50にTBケーブル40を用いてUIコントローラ80を接続するとともに、UIコントローラ80にTBケーブル40を用いてスキャンコントローラ60を接続する構成としてもよい。この場合も、プリントモードPMにおいてはスキャンコントローラ60に対する給電を不要とすることができ、スキャンモードSMにおいてはプリントコントローラ70に対する給電を不要とすることができる。